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特表2024-533554デュアルモードの自動式公共/個人輸送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】デュアルモードの自動式公共/個人輸送システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G08G1/00 X
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024516778
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022075630
(87)【国際公開番号】W WO2023041636
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2109702
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508321328
【氏名又は名称】パリエンティ,ラウル
【氏名又は名称原語表記】PARIENTI,Raoul
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パリエンティ, ラウル
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF13
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL09
(57)【要約】
カラーストリップをたどることによって光誘導により動作する複数の車両(6)を含み、各車両が、車両の移動に関するパラメータの集合すなわち出発地点、方向、加速度、継続時間および、これらの様々なパラメータのあらゆる連続変化を管理可能な慣性ユニット(1)を統合し、上記データの処理によって、車載コンピュータ(2)が車両のルートを計算して画定し、これを記憶し、ルートの上記データが、このルートの一連の地点すなわち走行したルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像を再現する。このようにして、車載コンピュータ(2)は、カラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、仮想情報処理ストリップを使用してルートを継続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両(6)と、前記車両の充電手段とを含む中央情報処理システム(7)により管理され、前記車両(6)の各々が、専用ソフトウェアを記憶する車載コンピュータ(2)および、前記中央情報処理システム(7)と特に通信するための通信手段とを備え、前記車両の各々が安全センサのアセンブリを備えており、移動のために、前記車両(6)が光誘導によってカラーストリップ(10)をたどり、前記カラーストリップにはRFIDチップ(9)またはトランスポンダが組み込まれており、前記車両の各々が、前記RFIDチップの読み取り手段を備えている、自動式公共/個人輸送システムであって、慣性ユニット(1)が、車両の移動に関連するパラメータの集合、すなわち出発地点、方向、加速度、継続時間、およびこれらの様々なパラメータの連続的な変化を管理可能であり、データの処理によって、前記慣性ユニット(1)が、車載コンピュータ(2)の支援を受けて、前記車両のルートの一連の地点を計算して画定することができ、前記慣性ユニット(1)により識別される前記ルートの連続地点によりセグメントを画定し、これを連携させることで、走行ルートの前記カラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を画定し、前記車載コンピュータ(2)が前記仮想情報処理画像(20)を記憶し、その結果、前記カラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、前記車載コンピュータ(2)が仮想情報処理ストリップ(20)を使用して、プログラムされたルートを通常通り継続することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記車両(6)が充電端子(19)でバッテリ(18)を充電すると、各車両が走行したルートのデータ全体が、前記走行したルートの前記カラーストリップ(10)の前記仮想情報処理画像(20)を再現し、これらのデータ全体が前記中央情報処理システム(7)に送信され、次いで、前記中央情報処理システム(7)が、各車両の前記ルートに対応する前記データ全体を前記充電端子(19)を介してフリートのすべての前記車両(6)に転送し、これによってすべての前記車両は、このすべての車両が走行したすべてのルートの前記カラーストリップ(10)の前記仮想情報処理画像(20)を受信して記憶することを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項3】
大気上の理由、雪、氷、砂や、悪意またはその他の理由によって前記カラーストリップ(10)が見えなくなった場合、前記車両が前記仮想情報処理ストリップ(20)をたどることにより、プログラムされたルートを通常通り継続することを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項4】
前記慣性ユニット(1)による前記ルートの複数の地点の識別頻度は、前記ルートの任意の1セグメントの2つの連続地点間の距離が同じ長さになるように、速度に対して調整されることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項5】
前記ルートのセグメントの連携から得られる仮想ストリップ(20)は、この仮想ストリップを構成する各セグメント自体がブロックチェーンによって認証されるので前記ブロックチェーンによって認証され、あらゆるセグメントの追加が暗号化トランザクション制御の対象となり、一連のサーバによって検証されることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項6】
前記カラーストリップ(10)に組み込まれたRFIDチップ(9)により供給される正確な位置決定からの逸脱を前記車両が確認するたびに、制御ユニット(3)を介したステアリングの作動によって軌道修正が行われ、前記慣性ユニット(1)が、前記RFIDチップから供給される正確な座標にリセットされることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項7】
前記RFIDチップ(9)の各々が固有の識別コード(11)を記憶し、前記固有の識別コードの各々に、前記車両の前記車載コンピュータ(2)に記憶された前記RFIDチップの座標(x、y、z)が対応することを特徴とする、請求項1および5に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項8】
前記車両(6)が前記カラーストリップ(10)または対応する前記仮想情報処理ストリップ(20)をたどることにより車列として編成されると、先頭車両(36)がマスター車両となり、前記車載コンピュータ(2)に安全リンク(33)を介して各車両の目的地全体を保存し、前記マスター車両が、同じ安全リンク(33)を介して、加速、制動、障害物回避および1つの前記車列の1台以上の車両の方向転換を組織し、方向転換する前記1台以上の車両の直後の車両に対して減速を命じることによって、前記車両が車線変更して別のカラーストリップ(10)または対応する前記仮想情報処理ストリップ(20)に合流するようにした、請求項1から7のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項9】
都市圏以外では、前記RFIDチップ(9)が100~1000メートルごとにさらに間隔をあけて配置され、たとえば3メートルの短いがよく見える不連続のカラーストリップ(10)上に固定され、その結果、許可されたドライバーが前記不連続のカラーストリップ(10)上を走行するとき、前記慣性ユニットが、走行した前記ルートの前記仮想ストリップを再構成し、前記車両が通過したあらゆるチップの座標(x、y、z)に前記慣性ユニットをリセットすることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項10】
前記車載コンピュータ(2)および前記中央情報処理システム(7)が、AI拡張知能ソフトウェアおよびアルゴリズムに関連するエキスパートシステムを備えており、前記ルートおよび考えられる状況全体に関連する情報全体を記憶して使用中に得られた経験を統合し、これによりAIが、啓発された人間と同じ決定を下すことができることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項11】
同時に動作する慣性ユニット(1)の数を増やして信頼性を高め、このために、前記車載コンピュータ(2)が、AIとの組み合わせにより、前記慣性ユニット(1)の各々から供給されるデータの一貫性を検証し、意思決定理論のアルゴリズムを記憶して、予測可能なあらゆる状況においてAIが最善の決定を行えるようにしたことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項12】
特定の充電端子(19)で前記車両(6)を充電する際、車輪止め(39)および前記光誘導により、前記車両が前記端子(19)の前に正確に位置できるようにし、結合装置が、基本的に雄プラグ(22)、ガイド装置(23)、半剛性の可動アーム(24)で構成され、前記アーム(24)の作動装置が、軸にプーリ(28)を備える電気モータ(27)から構成され、前記プーリが、ナットに結合される第2のプーリと協働してベルトを介して前記ナット(29)を連動させ、前記モータ(27)の回転により前記ナット(29)が回転し、前記ナットの前記回転により、前記アーム(24)に結合されるねじ(34)が並進し、前記アームが、雌ガイド(26)に向かって連動され、雄ガイドが円筒形の部分(30)を含み、この部分の上に3個のガイド(31)および(32)が固定され、前記雄ガイドが、前記ガイド(31)および(32)を収容する専用溝を備えた対応する雌ガイド(26)と協働し、前記プラグ(22)と(25)が接続されると、前記ルートの前記データが最初に有線接続または光ファイバを介して中央コンピュータ(7)に送信され、その後、バッテリ(18)の充電が行われることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項13】
正確な地理位置測位ネットワークが配備され、特に交通の分野、自動運転シャトル、またはあらゆるタイプの車両で、あらゆるタイプのオペレータまたはアプリケーションがこれを使用し、許可されたオペレータが、コンピュータと協働するRFIDアンテナ(13)を利用し、RFIDチップ(13)のあらゆる固有の識別子(11)を読み取って、そこから座標(x、y、z)を決定できることを特徴とする、請求項1および6に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項14】
前記システムは、都市部では電気運転と自動運転、都市部以外では熱運転と手動運転の2つの動作モードを有するためにデュアルモードであり、手動運転モードでは、前席が半回転し、前記前席がこの回転機能を確保するように設計されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市、都市圏、あるいはまた都市間地域において、自家用車のように出発地から到着地まで一人以上の乗客を輸送することを目的とした、車両群からなる公共/個人輸送システムに関する。
【0002】
本発明の目的は、その有用性を無視できないバス、地下鉄、路面電車などの都市部の大量公共輸送に対する補完的な解決策を提供することにある。自転車、スクーター、セルフサービス車両、相乗りアプリケーションなど、他の交通手段も開発され、いくつかの興味深い解決方法が提供されているが、しかし部分的である。
【0003】
ビーコンが設置された経路には自動運転シャトルが登場し、低速走行し、各停留所で停止して乗客を乗降させることができる。この解決方法は、特定の明確に決められた経路、特に幹線道路に実装されているが、しかし、任意の出発点から任意の目的地までプライベートでフレンドリーな自家用車の雰囲気で移動することはできない。
【0004】
本明細書で提示される発明は、これらすべての不都合を解消するものである。さらに、都市を混雑させて汚染し、繰り返し発生する高額な駐車問題を提起する自家用車に代わる適切な代替手段を提供する。
【0005】
本明細書に記載されている発明は、実用的、合理的、ユーザフレンドリー、環境に優しく経済的な解決方法を提供し、「プラス」のサービスを提供する。実際、ユーザにとっては、あたかも誰もが常に専属運転手付きの車両を所有しているかのようにすべてが行われ、各車両は毎日多数の人によって使用されるので、自家用車よりもはるかに低コストで済む。さらに、このシステムは相乗り制度を提案する。したがって、本発明は、町や都市圏を混雑させて汚染する自家用車に代わる真の代替手段を提供する。
【0006】
本発明が対象とするシステムはデュアルモードであるが、これは、車両には以下の2つの動作モードがあるからである。
1-都市部での電動および自動(ドライバーレス)モード。このモードはほとんどの移動で使用される。
2-都市部以外でのサーマルおよび手動運転モード。オプションで、手動運転のモード2を電動で動作させることもできる。
【0007】
自動モードでは、前席と後席が向かい合わせになる。手動運転モードでは、運転席または前席2席を半回転させた後、ユーザが車両を通常通り運転する。前席2席は、この回転機能を保証するように設計されている。
【背景技術】
【0008】
いわゆる自動運転車を実装する大型開発は、2009年以降、米国の大手グループによってカリフォルニアでテストされてきた。これらの車両は最終的にはドライバーなしで運行されるようになった。車両は、探知のために主にLIDAR(light detection and ranging:光検出測距)デバイス、つまり、レーザによる距離の検出と推定を用いていた。これは赤外線レーザのマルチビームを放射する装置で、その反射により環境の画像を生成できるものである。
【0009】
しかし、ハンドルを握るドライバーが制御を実施可能なレベル2から3の自動運転モードで数百万キロメートルを走行した後、多額の資金を投資したアメリカのグループは撤退した。実際、2018年11月の記者会見で、この歴史ある運営会社の社長は目標が非常に複雑であることを認識し、100%の自動運転車(レベル5)は道路上に決して出現しないだろうし、この目標は理想、さらには少しばかり神話に思われると発表した。
【0010】
他の大手グループも、無人運転車という同様の目標を掲げてカリフォルニア初の事業者に追随したが、現在に至るまで、レベル5の無人運転車(ハンドルもペダルもない)という解決方法はまだ市場に現れておらず、100%の自動運転車(レベル5)の実現は今もなお将来的な希望に留まっている。
【0011】
一部の専門家は、このタイプの車両の登場が2030年、2040年、あるいはそれよりずっと先になると発表しているが、その多くは100%の自動運転車(レベル5)の将来の現実について非常に慎重なままである。さらに、完全自動運転の自家用車が出現した場合、多くの専門家によれば、それは我々の都市や大都市にとって大惨事になるとされている。こうした事態が発生すると、自家用車の走行や駐車の台数が大幅に増加し、抜け出せない交通渋滞が発生し、都市が窒息することになるだろう。
【0012】
本発明に最も近い先行技術は、欧州特許EP2310924B1号明細書である。この文献は、地面に貼り付けられたカラーストリップを光誘導によって追跡することにより、一人以上の人々をある地点から別の地点に輸送可能な都市交通システムを主に記載しており、前記カラーストリップ(10)にはRFIDチップ(Radio Frequency:無線周波数識別の頭字語)が組み込まれていて、これにより定期的に正確な位置特定を行うことができる。
【0013】
この新技術には大きな欠点がある。なぜなら、地面上のカラーストリップ(10)が雪、氷、砂、またはその他の理由で隠れると、カラーストリップがもはや見えなくなるので発明が動作不能になり、数メートル走行後には車両が停止するからである。実際、引用文献に記載されている発明は慣性ユニット(1)を統合していないため、カラーストリップ(10)をデジタル化してストリップ(10)が見えなくなった場合に仮想情報処理ストリップ(20)を追跡できる手段を備えていない。
【0014】
本明細書で提示される発明は、この欠点を解決し、車道上に固定または塗装されたカラーストリップ(10)の視認性の有無に関わらず、また大気条件に関係なく、車両(6)がまったく安全に移動できるようにするものである。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、任意の出発点から選択された目的地まで(ドア・ツー・ドアで)一人以上の人々を輸送可能な複数の車両から構成され、RFIDチップまたはトランスポンダを組み込んで車道に固定されたカラーストリップをたどることによって、光誘導によりドライバーレスで完全に自動で行われる。各車両は、車両の移動に関連するパラメータ全体を管理可能でかつ、ルートの一連の点、つまりルートのカラーストリップの仮想情報処理画像を識別することによって車両のルートを画定可能な、慣性ユニットを統合していることを特徴とする。各車両の走行ルートのデータ全体が中央情報処理システムに送信され、中央情報処理システムがその走行ルートのデータをフリートの各車両のすべての車載コンピュータに送信する。したがって、カラーストリップが見えなくなっても、この輸送システムは仮想情報処理カラーストリップをたどることによって正常に動作し続ける。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】手段(33)により相互に通信し、暗号化リンク(8)を介して中央情報処理システム(7)と通信する車両(6)の仮想車列(35)を示す図である。図1はまた、RFIDチップ(9)を統合したカラーストリップ(10)を同様に示している。
図2】加速度計(4)とジャイロスコープ(5)およびコンパスとを備える慣性ユニット(1)に接続された、車載コンピュータ(2)を示す図である。
図3】カラーストリップ(10)の追跡カメラ、複数のカメラ(17)、およびRFIDアンテナ(13)の実装を示す図である。
図4】カラーストリップ(10)を監視するためのカメラ(12)、赤外線センサ(14)、超音波センサ(15)、およびマイクロ波レーダ(16)と、カラーストリップ(10)および複数のカメラ(17)の実装を示す図である。
図5】特に交差点でのカラーストリップ(10)の実装構成を示し、特に乗客の乗降のために交差点の角に停止している車両や、その他の駐車車両を同様に示す図である。また、マスター車両(36)に続く車列(35)も見える。
図6】暗号化通信(8)を介して、遠隔サブアセンブリすなわち中央情報処理システム(7)と協働する本発明のフローチャートを示す図であり、カメラ(12)により車両(6)がカラーストリップ(10)を追跡可能であり、さらに、アンテナ(13)によりRFIDチップ(9)とのデータ交換が可能になる。本発明は、接点により端子(19)と協働して、車両のバッテリ(38)の充電および、半剛性のアーム(24)を介したコンピュータ(2)と中央情報処理システム(7)との間のルートデータの交換を可能にする。
図7】充電端子とデータ転送端子との間の接続装置を示す図である。
図8】充電端子とデータ転送端子との間の接続装置を示す図である。
図9】充電端子とデータ転送端子との間の接続装置を示す図である。モータ(27)がベルトに作用し、ねじ(34)と協働するナット(29)を回転させ、ねじ(34)に結合される半剛性のアーム(24)を並進させて、雄プラグ(22)が雌プラグ(25)に接続するまでこれを行う。
図10】雄プラグ(22)を雌プラグ(25)に向けて案内可能な細部(30)、(31)、および(32)を示す図である。
図11】半剛性のアーム(24)が外に出ている状態で端子(19)を示す図である。
図12】端子(19)に接続された車両(6)を上から見た図と横から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を特徴づけるものは、専用ソフトウェアを記憶する車載コンピュータ(2)に接続される慣性ユニット(1)の基本的な役割であり、この慣性ユニットは、MEMS型(Micro-Electro-Mecanical-System:小型電気機械システムの頭字語)である。
【0018】
一例として、専用のArduinoボード(登録商標)と、制御ユニット(3)に接続された適切なサーボモータとの組み合わせによる慣性ユニットMPU-6050(登録商標、「MPU」はmemory protection unit:メモリ保護ユニットの頭字語)を挙げることができる。上記の慣性ユニットには、3軸加速度計(4)、3軸ジャイロスコープ(5)、およびコンパスが装備されている。したがって、本発明の基本要素は慣性ユニット(1)であり、コンピュータ(2)の支援を受けて、車両が光誘導によってたどるカラーストリップ(10)をデジタル化し、仮想情報処理ストリップ(20)、つまりカラーストリップ(10)の画像を生成することができる。上記の仮想情報処理ストリップ(20)は、車載コンピュータ(2)のメモリに記憶され、次に、後述する手順に従ってすべての車両(6)に再送信される。以下、カラーストリップ(10)をデジタル化する方法について説明する。
【0019】
車両(6)は、光誘導によってカラーストリップ(10)をたどりながら移動する。慣性ユニット(1)は、出発地点と初速が分かるとすぐに、車両(6)の移動に関連するパラメータ全体、つまり方向、加速度、継続時間および、これらの様々なパラメータのすべての連続的な変化を利用できるようになる。前述のデータの処理全体により、慣性ユニット(1)は車載コンピュータ(2)の支援を受けて走行ルートの連続地点の集合を画定可能になり、それによって仮想情報処理用のカラーストリップ(20)を再生成し、これが実際のカラーストリップ(10)の画像である。なぜなら、速度は時間に対するルートの導関数であり、加速度は時間に対する速度の導関数であるので、その結果、二重積分を解くことによって、同じ初期定数つまり前述のように初速と出発地点を用いて各瞬間における1つの地点の位置を画定することができる。本件の場合、これらの定数が識別される。後述するように、出発地点は、オドメトリ(車輪の回転数ごとの走行距離)により精度を上げたRFIDチップ(9)の正確な座標(x、y、z)のおかげで完全に識別される一人以上の乗客の乗車地点であり、初速は、一人以上の乗客を乗せた瞬間に対応するためにゼロである。したがって、適切な電子基板と専用ソフトウェアとを備えた車載コンピュータ(2)に接続された慣性ユニットが提供するデータにより、ルートにおける一連の地点を識別することができる。より正確には、慣性ユニット(1)によって識別されるルートの連続地点によって連続セグメントを画定し、これを連携させることで、走行ルートにおけるカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)が画定される。
【0020】
したがって、本発明は、大気上の理由、雪、氷、砂や、悪意またはその他の理由によってカラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、車両は仮想情報処理ストリップ(20)をたどることにより、プログラムされたルートを通常通り継続することができる。
【0021】
車載コンピュータ(2)および中央情報処理システム(7)は、拡張知能ソフトウェアおよびアルゴリズムに関連するエキスパートシステムを備えており、これは、本明細書では「AI」(人工知能とも呼ばれる)と示される。AIにリンクされたソフトウェアとアルゴリズムにより、エキスパートシステムは、ルートや考えられる状況全体に関連するすべての情報を記憶して、使用中に得られた経験を統合することができる。これにより、一連のソフトウェアと高度なアルゴリズムを統合したAIが、予想できるあらゆる状況に精通した人間と同じ決定を下すことができるようになる。実際には、車両が光誘導により、または仮想情報処理ストリップ(20)をたどることによりカラーストリップ(10)をたどることから、本発明に統合されるAIの役割は大幅に減少する。AIは、臨界および/または極端な事態に対応するように実装される。
【0022】
同時に動作する慣性ユニット(1)の数を増やして、各々の慣性ユニット(1)から提供されるデータの一貫性を車載コンピュータ(2)がAIと組み合わせて検証し、「意思決定理論」のアルゴリズムを記憶して、予測可能なあらゆる状況においてAIが最善の決定を行えるようにすることが好ましい。このような冗長性により、システムの信頼性を高めることができる。
【0023】
たとえば、3個の慣性ユニットが同時に動作する場合、ルートを有効にするにあたって、そのうちの少なくとも2個の慣性ユニットが同じルートを決定するように「意思決定」アルゴリズムをプログラムすることができる。
【0024】
後述するように、車両が特定の充電端子(19)で充電を行おうとする場合、各車両による走行ルートのデータ全体が中央情報処理システム(7)に送信され、次いで、この中央情報処理システム(7)が、各車両のルートに対応するデータ全体を、充電端子(19)を介してフリートのすべての車両(6)に転送する。走行したルートのデータが、デジタル化されたカラーストリップ(10)の仮想情報処理ストリップ(20)のデータを構成することを明記する。
【0025】
したがって、すべての車両は、このすべての車両が走行したすべてのルートの仮想情報処理画像(20)の全体を受信して記憶することになる。不必要に過剰なデータ転送を避けるために、中央情報処理システム(7)は、各車両に、この車両の車載コンピュータ(2)のメモリにまだ記憶されていないルートの仮想情報処理画像(20)を配分する。
【0026】
本発明の1つの実施形態によれば、車両(6)が移動しているとき、車載コンピュータに結合される慣性ユニット(1)は、上記の移動に関連するパラメータ全体すなわち、上述した出発地点、速度、加速度、方向、時間を利用し、100ミリ秒ごとにすべてのルートの地点を識別する。たとえば、車両が36km/hで走行している場合、つまり1秒あたり10メートル移動する場合、車両は100ミリ秒ごとに1メートル移動することになる。したがって、前述のような2つの連続地点の間では、セグメントの長さが1メートルになる。
【0027】
より洗練された1つの実施形態によれば、慣性ユニット(1)によるルートの複数の地点の識別頻度は、ルートの任意の1セグメントの2つの連続地点間の距離が同じ長さになるように、速度に対して調整される。たとえば、車両(6)が18km/hで走行し、このようにして1秒あたり5メートル移動する場合、ルートにおける複数地点の識別頻度は200ミリ秒ごとに実行される。したがって、2つの連続地点間で画定されるセグメントの長さも1メートルになる。
【0028】
そのため、慣性ユニットは、規則正しいまたは可変の時間間隔でルートの地点を識別し、前述のように、慣性ユニット(1)によって識別されるルートの連続地点により連続セグメントを画定し、これを連携させることで、走行ルートにおけるカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)が画定される。
【0029】
RFIDチップの各々が、固有の識別コード(11)を記憶し、固有の識別コードの各々に、あらゆる車両(6)の車載コンピュータ(2)に記憶された上記のRFIDチップの正確な座標(x、y、z)が対応する。車両(6)のコンピュータ(2)が、カラーストリップ(10)に組み込まれたRFIDチップにより供給される正確な位置決定からの逸脱を確認するたびに、制御ユニット(3)を介したステアリングの作動によって軌道修正が行われ、慣性ユニットがRFIDチップから供給される正確な座標にリセットされる。
【0030】
セキュリティ上の理由から、また、あらゆる改ざんを避けるために、ルートの複数のセグメントの連携すなわちルートのソフトウェアの再構成によって得られる仮想ストリップ(20)は、ブロックチェーンによって認証されるが、これは、この仮想ストリップを構成する各セグメント自体が、このブロックチェーンによって認証されるからである。ブロックチェーンは、認証された改ざん不可能なデータベースであり、ハイレベルのセキュリティを備え、中央制御機構なしで動作するが、常に制御されてブロックチェーン固有の機能を互いに遵守する複数のサーバに制御が分散されるので、いかなる改ざんも不可能である。なぜなら、セグメントの追加はすべて、これらのサーバ全体によって検証される暗号化トランザクション制御の対象となるからである。したがって、あらゆるルートは基本セグメント(場合によっては階層化された)の追加履歴であり、存在の有効性を永続的に制御する。
【0031】
各車両には、中央情報処理システム(7)に接続された車載コンピュータ(2)が組み込まれており、車載コンピュータと中央情報処理システムとの間のあらゆる通信(8)は暗号化されて安全である。
【0032】
しかし、車両のすべての制御機能を備えた運転シミュレータタイプの装置のおかげで、車両に組み込まれたカメラ(17)から送信される画像を介して、遠隔オペレータは必要に応じて車両を遠隔運転することができる。オペレータと、オペレータが責任を負う車両との間のやりとりは、中央情報処理システム(7)と車載コンピュータ(2)との間の暗号化通信(8)によって実行される。この通信は、暗号化された5G(第5世代の頭字語)リンクを介して同様に実行可能である。
【0033】
AIに関連付けられた情報処理システムおよび車載コンピュータは、カラーストリップ(10)のネットワーク全体のマッピング、交通法規、信号機とその位置の認識、および、すべての交通標識を記憶する。AIはあらゆる種類の状況を解釈し、それに応じて反応し、常に安全を優先する。車両は、車載コンピュータ(2)のメモリに保存されている道路標識、制限速度ゾーン、潜在的な危険ゾーン(学校、踏切など)や、あるいはまた暗号化通信(8)を介して中央情報処理システム(7)からリアルタイムで受信した指令を考慮して、その速度と移動を自動的に調整する。
【0034】
各々のRFIDチップ(9)またはトランスポンダは、カラーストリップ(10)に穴を開けることによって一体化され、車道に固定され、固有の識別コード(11)を記憶する。各々のRFIDチップの固有の各コード(11)には、このRFIDチップの座標(x、y、z)が関連付けられ、この座標は、すべての車両(6)の車載コンピュータに記憶される。したがって、車両の位置は、車両が通過する各々のRFIDチップ(9)の座標を使用して常に画定される。2つのRFIDチップ間で、車両の位置はオドメトリ(車両の車輪の回転数による走行距離)によって数センチメートル単位で正確に画定される。
【0035】
各車両は、少なくとも1台のカメラ(12)を使用してカラーストリップを識別および監視する手段を含み、その画像は車載コンピュータによって処理され、制御ユニット(3)に接続されたステアリング制御装置に作用して、カラーストリップ(10)を正確に追跡する。
【0036】
制御ユニット(3)は、車載コンピュータ(2)の指令に基づいて動作し、車両の運行、ステアリングの作動、ブレーキ、加速、減速、音響警報器、方向指示器、車線変更、ハザードランプ点灯などを可能にするあらゆる制御を保証する。
【0037】
上記のカラーストリップ(10)は、車道に熱接着されて塊で着色されるポリマー、およびまたは、低価格のシンプルな塗装ストリップから構成することができる。この後者の可能性により、都市圏の道路全体ならびに、結合される道路や小道への非常に迅速な装備が可能になる。上記ストリップ(10)は、関与するゾーンに応じて連続していても不連続であってもよい。
【0038】
このカラーストリップは、RFIDチップ(9)またはトランスポンダを組み込んでおり、各車両(6)は、上記RFIDチップを読み取る手段を含む。車載コンピュータ(2)が、カラーストリップ(10)に組み込まれたRFIDチップ(9)により供給される正確な位置決定からの逸脱を確認するたびに、制御ユニット(3)を介したステアリングの作動によって軌道修正が行われ、慣性ユニット(1)が、RFIDチップから供給される正確な座標にリセットされる。
【0039】
RFIDチップに保存されている上記の座標(x、y、z)は、すべての測地基準フレームに適用できる。
【0040】
カラーストリップ(10)は、都市景観によく溶け込みながら従来の道路信号ストリップと区別するために、一定の独特な色、好ましくは青色を有する。
【0041】
各車両には、カラーストリップに組み込まれたRFIDチップ(9)を検出する手段が設けられている。このため、各車両には適切なアンテナ(13)が設けられ、RFIDチップ(9)に記憶された固有のコード(11)を読み取ることができる。このために、適切な無線周波数信号がアンテナ(13)によってRFIDチップまたはトランスポンダに向けて送信され、車両が走行したカラーストリップ(10)に統合された各々のRFIDチップの固有の識別コード(11)を復路で受信する。
【0042】
各車両には、360度の視野をカバーできるように、車両のいくつかの重要なポイント、特に乗員室の上部4箇所に設置された複数のカメラ(17)が装備されており、車載コンピュータ(2)が車両の環境を永続的に監視して、特に事件や事故が発生した場合の制御と安全の目的であらゆる移動をビデオに記録することができる。もちろん、その記録は定期的に消去され、必要な場合にのみ使用される。
【0043】
各車両には、次のようないくつかのタイプのセンサのセットが装備されている。
-近くにいる人間、歩行者、自転車の存在を判断するための赤外線(14)。これらのセンサは車両の周囲の複数の地点に配置される。
-別の車両が接近しているかどうか、または安全距離を守っていないかどうかを判断し、センサと制御ユニット(3)とに接続された車載コンピュータ(2)を介してハザードランプなどの信号を始動可能な超音波(15)。これらのセンサは、車両の少なくとも4つの側面(前部、後部、両サイド)に配置される。
-レーダ(16)、(マイクロ波)。これらのセンサの直視範囲は数百メートルである。これらのセンサによって、車両のエコーにより方向、速度を判断し、AIが判断した適切な行動を予測することができる。これらのセンサは主に車両の前方に向けられる。
【0044】
要約すると、本発明は主に、複数の車両(6)と、これらの車両の充電手段とを含む中央情報処理システム(7)により管理され、各車両(6)が、専用ソフトウェアを記憶する車載コンピュータ(2)と、特に中央情報処理システム(7)と通信するための通信手段とを備え、各車両には一組の安全センサが設けられた、自動式公共/個人輸送システムからなる。移動の際、車両(6)は、光誘導によって目的地までカラーストリップ(10)をたどり、このカラーストリップにはRFIDチップ(9)またはトランスポンダが組み込まれており、各車両がこのRFIDチップを読み取る手段を備え、このシステムは、慣性ユニット(1)が、車両の移動に関連するパラメータの集合、すなわち出発地点、方向、加速度、継続時間、ならびにこれらの様々なパラメータの連続的な変化を管理可能であり、上記データの処理によって、慣性ユニット(1)が車載コンピュータ(2)の支援を受けて、車両のルートの一連の地点を計算して画定することができ、慣性ユニット(1)により識別されるルートの連続地点により連続セグメントを画定して連携することによって、上記の走行ルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を画定し、車載コンピュータ(2)が上記の仮想情報処理画像(20)を記憶し、その結果、カラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、車載コンピュータ(2)が仮想情報処理ストリップ(20)を使用して、プログラムされたルートを通常通り継続することを特徴とする。
【0045】
自動運転車両システムを最適化するために、このシステムは、自動充電およびデータ転送用の端子(19)の集合を有する。これらの端子は、領土全体に適切に配分されている。
【0046】
車両(6)が充電端子(19)でバッテリ(18)を充電すると、各車両が走行したルートのデータ全体が、走行したルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を再現し、これらのデータ全体が中央情報処理システム(7)に送信され、次いで、中央情報処理システム(7)が、各車両のルートに対応する上記データ全体を充電端子(19)を介してフリートのすべての車両(6)に転送し、これによってすべての車両は、このすべての車両が走行したすべてのルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を受信して記憶する。
【0047】
充電装置は、地面に固定された端子(19)で構成される。端子は、付近にいる車両と通信可能な電子機器を備え、電子機器は、この車両のバッテリの充電と、コンピュータ(2)によって画定された走行データの転送とを管理することができる。
【0048】
光誘導と車輪止め(39)のおかげで、車両(6)は、10ミリメートル未満の誤差で端子(19)の前に正確に配置可能になる。
【0049】
車両の車載コンピュータ(2)は、端子(19)の電子機器とのやりとりにより、端子(19)と車両(6)との間の機械的結合を始動させる。
【0050】
まず、機械装置で保護フラップ(21)を移動させることにより、雌プラグ(25)へのアクセスが解放される。結合装置は基本的に、雄プラグ(22)、ガイド装置(23)、円筒形のガイドチューブ内をスライドする半剛性の可動アーム(24)および、雌ガイド(26)の底部に配置された固定雌プラグ(25)に可動雄プラグ(22)を接続するための装置の作動手段からなる。
【0051】
半剛性の可動アーム(24)の作動装置は、軸にプーリ(28)が取り付けられた電気モータ(27)からなる。このプーリは、ナットに結合される第2のプーリと協働するベルトを介してナット(29)を連動させる。モータ(27)の回転によりナット(29)が回転し、ナットのこうした回転により、半剛性のコネクタアーム(24)に結合されるねじ(34)が並進し、これによって上記アームが雌ガイド(26)に向かって連動される。
【0052】
雄ガイドは円筒部分(30)からなり、その前部に3個の半円錐形のガイド(31)が固定され、このガイドは後部で半円筒形(32)になる。したがって、雄ガイドは、上記のように半円筒形(32)になる半円錐形ガイド(31)を収容する専用溝を備えた、対応する雌ガイド(26)と協働する。
【0053】
アーム(24)は、ある程度の柔軟性がある半剛性のポリマー材料または複合材料で作られており、車両(6)と端子(19)との間の位置決め誤差を数ミリメートル許容して、雄ガイド(30)および関連するガイド(31)、(32)と雌ガイド(26)との協働により雄プラグ(22)と雌プラグ(25)との完全な結合を可能にする。半剛性のアーム(24)は、中央部分に、導線を含むシース(37)を受け入れる凹部(36)を備える。導線により、バッテリの充電には強い電流を、データ交換には弱い電流を流すことができる。
【0054】
接続直後、最初は、基本的に経路にリンクされたデータ、すなわち仮想情報処理ストリップ(20)の画像のみが、車載コンピュータ(2)と中央情報処理システム(7)との間で交換される。端子(19)と車両のコンピュータ(2)との間のデータ交換は、接点によって実施される。次に、端子によって受信された上記データがこの端子の専用メモリに記憶され、その後、中央情報処理システム(7)に送信される。セキュリティ上の理由から、有線接続、または高速の光ファイバ接続が推奨される。それよりも低いセキュリティレベルでは、暗号化された5Gタイプの接続も考慮できる。
【0055】
第2に、上記のデータ交換後、バッテリ(18)の充電を目的とした強い電流が作動される。
【0056】
車両(6)には、必要に応じて従来の充電端子で充電できるように、第2の従来の充電ソケットが設けられているが、ルートのデータを中央コンピュータに転送することはできない。
【0057】
エンジン仕様:
通常、電動ホイールモータは、都市部の自動モードでの適度な速度約35~45km/hのために、それぞれ10~15kWの出力の各後輪に取り付けられる。高速道路で交差点がない場合は、約70km/hを上回る速度が許容される。電気自動車の有効出力は、およそ速度の3乗に応じて変化する。転がり抵抗は線形であり、空力抵抗は速度の2乗に応じて変化する。これは、車載バッテリの容量(KW/H)が、約200kmの自動運転のための100%電気自動車と比較して約3分の1、つまり約20kW/H減少することを意味する。現在まで、電気自動車のバッテリ価格は車両の総コストの約3分の1を占めている。
【0058】
熱機関を前部に配置すれば、前輪駆動が可能となる。90~100馬力の十分な出力を備えたエンジンを選択すれば、高速道路では許可された最高速度(通常130km/h)の巡航速度で走行でき、また山道でも機敏に走るが、それにもかかわらず二酸化炭素排出量を低く抑えて環境を守る。
【0059】
この車両は、通行車両の台数を減らし、渋滞と汚染を軽減するためにシェアリング使用するように設計される。利用者がスマートフォンで出発地と到着地を指定して車両を予約すると、コンピュータ(2)が中央情報処理システム(7)と通信し、ルートが適合する他の利用者を検索する。この場合、車両は途中で停止し、2人目の乗客を乗せる。
【0060】
車両は快適かつ魅力的で、広々とした荷室を備え、4人または5人が乗車できるように設計されており、手動運転モードで家族旅行に出かけることができる。
【0061】
上記熱機関はエタノールを使用可能であり、エタノールのコストはガソリンの約半分である。エタノールは85%が非化石燃料であり、一段と環境に優しい。熱モードで使用すると、バッテリを充電することができる。電気モードでは、減速またはブレーキによって運動エネルギーを回収し、バッテリを充電することができる。最初の統計的推定では、走行ルートの90%以上が電気モードで行われるため、静かでクリーンであることが示されている。本発明は、水素に代表される将来の燃料に向けて進化するように設計されており、したがって100%クリーンな車両を提供する。
【0062】
本発明の重要な特徴は、車両が仮想車列モード(35)で動くように設計されていることである。これを行うために、車両は安全な接続ベクター(33)に従って相互に通信し、すなわち、車両が近距離にある場合、デジタル超周波数リンクと赤外線リンクとを組み合わせる。
【0063】
車両がカラーストリップ(10)または対応する仮想情報処理ストリップ(20)をたどることにより仮想車列として編成されると、先頭車両がマスター車両となり、車載コンピュータ(2)に各車両の目的地全体を保存し、安全リンク(33)を介して、加速、制動、障害物回避、特に1つの車列の1台以上の車両の方向転換を組織し、方向転換する1台以上の車両の直後の車両に対して減速を命じることによって、車両が安全に車線変更して別のカラーストリップ(10)または対応する仮想情報処理ストリップ(20)に合流できるようにする。標準的な態様によれば、本発明は、カラーストリップがレールの機能を果たすため、モジュール式の路面電車と同様に扱えるという利点を有する。
【0064】
本発明はまた、慣性ユニット(1)、カラーストリップ(10)、およびRFIDチップ(9)の組み合わせのおかげで、都市間輸送手段を実現することもできる。
【0065】
これを行うために、都市部以外での長距離移動では、RFIDチップ(9)の間隔を100~1000mとさらに遠くに配置する。その場合、RFIDチップ(9)は、短いがはっきりと見えるカラーストリップ(10)の部分、たとえば、道路の構成(交差点、進路変更、ロータリ)に応じて100、500、または1000メートルごとに長さ3メートルの部分に統合される。
【0066】
ルートの仮想情報処理画像を取得するために、許可された運転者は、細心の注意を払いながら、手動運転モードで車両(6)を使用し、上記のルートを1回だけ、道路のカラーストリップが配置された部分で走行し、カラーストリップの一部分を見るたびに、カラーストリップ(10)のその部分の上を正確に移動し、車両(6)が通過するRFIDチップ(9)の識別子(11)から座標(x、y、z)を推定し、慣性ユニットを正確にリセットする。このようにして、慣性ユニット(1)は、走行する各ルートの仮想情報処理ストリップ(20)を再構成する。基本の慣性ユニット(1)のドリフトは小さく、16ビットの精度が可能であり、通常1~2分間続く1000メートルのルートで数センチメートルである点に留意されたい。
【0067】
したがって、カラーストリップ(10)の部分が間隔をあけて配置されていて、このカラーストリップ(10)の各部分がRFIDチップ(9)を統合しているとき、許可された運転者が車両(6)を用いて不連続のカラーストリップ(10)上を正確に一回だけ走行することによって、慣性ユニット(1)は、走行したルートの連続する仮想カラーストリップ(20)を再構成し、車両が通過したRFIDチップ(9)全体の座標(x、y、z)に慣性ユニットをリセットする。
【0068】
システムを適切に機能させるために、本発明が装備される都市圏での工事が実施される場合、関与する都市圏の管理者は、本発明の動作に影響を与える可能性のある要素を中央情報処理システム(7)に伝え、この情報処理システム(7)は、各車両の車載コンピュータ(2)に上記の工事の要素を伝え、各車両は、受信した情報を考慮する。
【0069】
カラーストリップのデジタル化は、慣性ユニット(1)と適切な計算手段とを備えたあらゆるタイプの車両またはロボットによって実施可能であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0070】
GPS(全地球測位システム)よりもはるかに正確な、優れた地理位置情報ネットワークが配備され、特に交通の分野、自動運転シャトル、またはあらゆる種類の車両で、あらゆるタイプのオペレータまたはアプリケーションがこれを使用可能になる。実際、許可されたオペレータは、RFIDチップ(13)の固有の識別子(11)を読み取り可能なRFIDアンテナ(13)を利用し、各チップの固有のコード(11)とその座標(x、y、z)との対応を記憶するコンピュータと協働することで、信頼性の高い優れた地理位置情報ネットワークを使用できるようになる。
【0071】
形状、色、材料、配置、サブアセンブリ、および機能要素に関する本発明のすべての変形実施形態が本発明の範囲内に含まれる。
【0072】
結論:
本明細書に記載されている発明は、モビリティの世界に新しいパラダイムを生み出すことができる性質のものである。この新技術により、次のような多くの利点がもたらされる。
-本発明の著しい簡易性。したがって、各瞬間に経路を見つけなければならない100%自動運転車両(12年以上前から期待されている)に比べ、本発明では車両が光誘導または仮想情報処理ストリップにより地面のカラーストリップをたどるので、高い信頼性が得られる。
-この新技術により、都市の渋滞、駐車、公害の問題を大幅に軽減することができる。
-輸送業界の実業家と保有車両の管理者とによって行われた研究によれば、本発明の対象となる各車両が都市に設置されると、最終的には8台の自家用車を削減することが可能になり、その結果、交通の流動性が著しく向上する。
-本発明は中央情報処理システムに依存しないため、ハッキングが有効に阻止される。出発地点と到着地点が特定されると、車両は、車載電子機器のおかげで進む方向を単独で見つける。
-本発明は衛星測位システムに依存しないため、車両は屋外だけでなくトンネルや地下でも走行できる。
-自動運転車両はどこからでも現れる可能性があるが、地面のカラーストリップは、車両が通過する場所を明確に示して安全性を高めている。さらに、あらゆる交通妨害を避けるために、車線に駐車する車両に対して罰金を科すことも可能になる。
-本発明の受け入れ安さは、100%自動運転車両のそれよりもはるかに大きく、14%に対して76%である。すなわち5倍高い。
-この新技術は路面電車の規格に適合する必要があり(車両がレールを走行するため)、これにより保険適用が大幅に容易になる。
-ユーザにとって低価格であるので、都市部や都市圏で自家用車を使用する人口のかなりの割合を引き付けることができる。
-本発明の設置運用コストは安価であるので、当事者と国家にとって魅力的な収益性が得られ、多くの地域での強力な展開につながり、本発明の持続性が保証される。
-この新技術により、都市の外で運転する楽しみを、それを望む人々のために維持することができる。
-最後に、本発明は、地球を尊重しながら新たな生活の質を提供し、都市の経済活動とレジャーを強力に促進するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両(6)と、前記車両の充電手段(19)とを含み、前記車両(6)の各々が、車載コンピュータ(2)および、特に情報処理システム(7)と通信するための通信手段(8)を備え、前記車両(6)の各々が安全センサのアセンブリを備え、前記車両(6)が、光誘導によりカラーストリップ(10)をたどるように構成され、前記カラーストリップが、RFIDタイプのチップ(9)またはトランスポンダを統合し、前記車両の各々が、RFIDチップの読み取り手段(13)を備えた、自動式公共/個人輸送システムであって、
車両(6)が光誘導により前記カラーストリップ(10)をたどるとき、3軸加速度計(4)、3軸ジャイロスコープ(5)、およびコンパスが装備された慣性ユニット(1)が、前記慣性ユニット専用の計算ユニット(18)と専用のソフトウェアとを備えたコンピュータ(2)の支援により、前記車両(6)の移動パラメータ、すなわち出発地点、初速、方向、加速度、継続時間、および前記パラメータのあらゆる連続変化を処理可能であり、データの処理によって、前記計算ユニット(18)を備えて前記車載コンピュータ(2)により支援される慣性ユニット(1)が、車両のルートの一連の地点を計算して画定することができ、前記慣性ユニット(1)により識別されるルートの連続地点によりセグメントを画定し、これを連携させることで、カラーストリップ(10)の仮想情報処理ストリップ(20)を画定し、すなわち走行ルートのデジタル化を行って、そのデータを車載コンピュータ(2)のメモリ(41)に記憶し、前記カラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、前記車両(6)は、前記車載コンピュータ(2)のメモリ(41)に記憶されている仮想情報処理ストリップ(20)をたどることによって、プログラムされたルートを続行できることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記車両(6)が充電端子(19)でバッテリ(38)を充電すると、前記車両が走行したルートのデータ全体が、走行ルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を再現し、これらのデータ全体が前記情報処理システム(7)に送信され、次いで、前記情報処理システム(7)が、各車両の前記ルートに対応する前記データ全体を、前記充電端子(19)を介してフリートのすべての前記車両(6)に転送することを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項3】
前記慣性ユニット(1)による前記ルートの複数の地点の識別頻度は、前記ルートの任意の1セグメントの連続する2地点間の距離が同じ長さになるように、速度に対して計算されることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項4】
前記ルートのセグメントの連携から得られる仮想ストリップ(20)は、これを構成する各セグメントがブロックチェーンにより認証されるので前記ブロックチェーンにより認証され、あらゆるセグメントの追加が暗号化トランザクション制御の対象となり、一連のサーバによって検証されることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項5】
前記カラーストリップ(10)に組み込まれた前記RFIDチップにより供給される正確な位置決定に対して、前記車載コンピュータ(2)が前記車両(6)のあらゆるドリフトを識別するたびに、前記車載コンピュータ(2)が制御ユニット(3)への作用を開始し、前記制御ユニットがステアリング部材(40)に作用して適切な修正を実施し、次いで、前記車載コンピュータが、前記RFIDチップから供給される正確な座標に前記慣性ユニットをリセットすることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項6】
固有の識別コード(11)が、各々の前記RFIDチップ(9)のメモリに記憶され、各RFIDチップの固有の識別子の各々に前記RFIDチップの正確な座標(x、y、z)が対応し、すべての前記RFIDチップの前記座標(x、y、z)が前記車両(6)の前記車載コンピュータ(2)に記憶されることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項7】
前記車両(6)が前記カラーストリップ(10)または対応する仮想情報処理ストリップ(20)をたどることにより車列として編成されると、先頭車両(36)が、その車載コンピュータ(2)に安全リンク(33)を介して各車両の目的地全体を保存し、前記先頭車両は、同じ安全リンク(33)を介して、加速、制動、障害物回避および前記車列の1台以上の車両の方向転換を連携させ、方向転換する前記1台以上の車両の直後の1台以上の車両を減速することによって、前記車両が車線変更して別のカラーストリップ(10)または対応する前記仮想情報処理仮想ストリップ(20)に合流するようにした、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項8】
都市圏以外では、前記RFIDチップ(9)が100~1000メートルごとにさらに間隔をあけて配置され、たとえば3メートルの短いがよく見える不連続のカラーストリップ(10)上に固定され、その結果、許可されたドライバーが前記不連続のカラーストリップ(10)上を走行することにより、前記慣性ユニットが、走行したルートの前記仮想ストリップを再構成し、前記車両が通過したあらゆるチップの座標(x、y、z)に前記慣性ユニットをリセットすることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項9】
前記車載コンピュータ(2)および前記情報処理システム(7)が、AI拡張知能ソフトウェアおよびアルゴリズムに関連するエキスパートシステムを備えており、前記ルートおよび考えられる状況全体に関連する情報全体を記憶して使用中に得られた経験を統合し、これによりAIが、啓発された人間と同じ決定を下すことができることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項10】
同時に動作する慣性ユニット(1)の数を増やして信頼性を高め、このために、前記車載コンピュータ(2)が、AIとの組み合わせにより、前記慣性ユニット(1)の各々から供給されるデータの一貫性を管理し、意思決定理論のアルゴリズムを記憶して、予測可能なあらゆる状況においてAIが最善の決定を行えるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項11】
特定の充電端子(19)で前記車両(6)を充電する際、前記光誘導および車輪止め(39)により、前記車両が前記端子(19)の前に正確に位置できるようにし、結合装置が、基本的に雄プラグ(22)、ガイド装置(23)、半剛性の可動アーム(24)で構成され、前記アーム(24)の作動装置が、軸にプーリ(28)を備える電気モータ(27)から構成され、前記プーリが、ナットに結合される第2のプーリと協働してベルトを介して前記ナット(29)を連動させ、前記モータ(27)の回転により前記ナット(29)が回転し、前記ナットの前記回転により、前記アーム(24)に結合されるねじ(34)が並進し、前記アームが、雌ガイド(26)に向かって連動され、雄ガイドが円筒形の部分(30)を含み、この部分の上に3個のガイド(31)および(32)が固定され、前記雄ガイドが、前記ガイド(31)および(32)を収容する専用溝を備えた対応する雌ガイド(26)と協働し、前記プラグ(22)と(25)が接続されると、前記ルートの前記データが最初に有線接続または光ファイバを介して中央コンピュータ(7)に送信され、その後、前記バッテリ(38)の充電が行われることを特徴とする、請求項2に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項12】
RFIDチップを備えた車道におけるカラーストリップネットワークにより、特に交通の分野、自動運転シャトル、またはあらゆるタイプの車両で、あらゆるタイプのオペレータまたはアプリケーションがこれを使用することができ、許可されたオペレータが、コンピュータと協働するRFIDアンテナ(13)を利用し、RFIDチップ(13)のあらゆる固有の識別子(11)を読み取って、そこから座標(x、y、z)を決定できることを特徴とする、請求項1および6に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項13】
大気上の理由、雪、氷、砂、またはその他の理由により前記カラーストリップ(10)が見えなくなった場合、前記慣性ユニット(1)を、専用の計算ユニット(18)と、制御ユニット(3)に接続されてステアリング部材(40)に作用する適切なサーボモータとを備えた前記コンピュータ(2)に組み合わせることにより、前記車両が、前記コンピュータ(2)の前記メモリ(41)に記憶された前記仮想情報処理ストリップ(20)をたどることによって、プログラムされたルートを継続できることを特徴とする、請求項1に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【請求項14】
都市部では電気運転と自動運転、都市部以外では熱運転と手動運転の2つの動作モードを有するためにデュアルモードであり、手動運転モードでは、前席が半回転し、前記前席がこの回転機能を確保するように設計されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の自動式公共/個人輸送システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市、都市圏、あるいはまた都市間地域において、自家用車のように出発地から到着地まで一人以上の乗客を輸送することを目的とした、車両群からなる公共/個人輸送システムに関する。
【0002】
本発明の目的は、その有用性を無視できないバス、地下鉄、路面電車などの都市部の大量公共輸送に対する補完的な解決策を提供することにある。自転車、スクーター、セルフサービス車両、相乗りアプリケーションなど、他の交通手段も開発され、いくつかの興味深い解決方法が提供されているが、しかし部分的である。
【0003】
ビーコンが設置された経路には自動運転シャトルが登場し、低速走行し、各停留所で停止して乗客を乗降させることができる。この解決方法は、特定の明確に決められた経路、特に幹線道路に実装されているが、しかし、任意の出発点から任意の目的地までプライベートでフレンドリーな自家用車の雰囲気で移動することはできない。
【0004】
本明細書で示す発明は、これらすべての不都合を解消するものである。さらに、都市を混雑させて汚染し、繰り返し発生する高額な駐車問題を提起する自家用車に代わる適切な代替手段を提供する。
【0005】
本明細書に記載されている発明は、実用的、合理的、ユーザフレンドリーで環境に優しく経済的な解決方法を提供し、「プラス」のサービスを提供する。実際、ユーザにとっては、あたかも誰もが常に専属運転手付きの車両を利用しているかのようにすべてが行われ、各車両は毎日多数の人によって使用されるので、自家用車よりもはるかに低コストで済む。さらに、このシステムは相乗り制度を提案する。したがって、本発明は、町や都市圏を混雑させて汚染する自家用車に代わる真の代替手段を提供する。
【0006】
本発明が対象とするシステムはデュアルモードであるが、これは、車両には以下の2つの動作モードがあるからである。
1-都市部での電動および自動(ドライバーレス)モード。このモードはほとんどの移動で使用される。
2-都市部以外でのサーマルおよび手動運転モード。オプションで、手動運転のモード2を電動で動作させることもできる。
【0007】
自動モードでは、前席と後席が向かい合わせになる。手動運転モードでは、運転席または前席2席を半回転させた後、ユーザが車両を通常通り運転する。前席2席は、この回転機能を保証するように設計されている。
【背景技術】
【0008】
いわゆる自動運転車を実装する大型開発は、2009年以降、米国の大手グループによってカリフォルニアでテストされてきた。これらの車両は最終的にはドライバーなしで運行されるようになった。車両は、探知のために主にLIDAR(light detection and ranging:光検出測距)デバイス、つまり、レーザによる距離の検出と推定を用いていた。これは赤外線レーザのマルチビームを放射する装置で、その反射により環境の画像を生成できるものである。
【0009】
しかし、ハンドルを握るドライバーが制御を実施可能なレベル2から3の自動運転モードで数百万キロメートルを走行した後、多額の資金を投資したアメリカのグループは撤退した。実際、2018年11月の記者会見で、この歴史ある運営会社の社長は目標が非常に複雑であることを認識し、100%の自動運転車(レベル5)は道路上に決して出現しないだろうし、この目標は理想、さらには少しばかり神話に思われると発表した。
【0010】
他の大手グループも、無人運転車という同様の目標を掲げてカリフォルニア初の事業者に追随したが、現在に至るまで、レベル5の無人運転車(ハンドルもペダルもない)という解決方法はまだ市場に現れておらず、100%の自動運転車(レベル5)の実現は今もなお将来的な希望に留まっている。
【0011】
一部の専門家は、このタイプの車両の登場が2030年、2040年、あるいはそれよりずっと先になると発表しているが、その多くは100%の自動運転車(レベル5)の将来の現実について非常に慎重なままである。さらに、完全自動運転の自家用車が出現した場合、多くの専門家によれば、それは我々の都市や大都市にとって大惨事になるとされている。こうした事態が発生すると、自家用車の走行や駐車の台数が大幅に増加し、抜け出せない交通渋滞が発生し、都市が窒息することになるだろう。
【0012】
本発明に最も近い先行技術は、欧州特許EP2310924B1号明細書である。この文献は、地面に貼り付けられたカラーストリップを光誘導によって追跡することにより、一人以上の人々をある地点から別の地点に輸送可能な都市交通システムを主に記載しており、カラーストリップ(10)にはRFIDチップ(Radio Frequency:無線周波数識別の頭字語)が組み込まれていて、これにより定期的に正確な位置特定を行うことができる。
【0013】
この新技術には大きな欠点がある。なぜなら、地面上のカラーストリップ(10)が雪、氷、砂、またはその他の理由で隠れると、カラーストリップがもはや見えなくなるので上記発明が動作不能になり、数メートル走行後には車両は停止するからである。実際、引用文献に記載されている発明は慣性ユニット(1)を統合していないため、カラーストリップ(10)をデジタル化してストリップ(10)が見えなくなった場合に仮想情報処理ストリップ(20)を追跡できる手段を備えていない。
【0014】
本明細書で提示される発明は、この欠点を解決し、車道上に固定または塗装されたカラーストリップ(10)の視認性の有無に関わらず、また大気条件に関係なく、車両(6)がまったく安全に移動できるようにするものである。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、任意の出発点から選択された目的地まで(ドア・ツー・ドアで)、一人以上の人々を輸送可能な複数の車両から構成され、RFIDチップまたはトランスポンダを組み込んで車道に固定されたカラーストリップをたどることによって、光誘導によりドライバーレスで完全に自動で行われ、各車両は、車両の移動に関連するパラメータ全体を管理可能でかつ、ルートの一連の点、すなわち、このルートのカラーストリップの仮想情報処理画像を識別することによって、車両のルートを画定可能な専用の計算ユニットを備えた慣性ユニットを統合していることを特徴とする。各車両の走行ルートのデータ全体が情報処理システムに送信され、情報処理システムがその走行ルートデータをフリートの各車両のすべての車載コンピュータに送信する。したがって、カラーストリップが見えなくなっても、上記の輸送システムは仮想情報処理カラーストリップをたどることによって正常に動作し続ける。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】手段(33)により相互に通信し、暗号化リンク(8)を介して情報処理システム(7)と通信する仮想車列(35)を示す図である。図1はまた、RFIDチップ(9)を統合したカラーストリップ(10)を同様に示している。
図2】加速度計(4)とジャイロスコープ(5)およびコンパスとを備える慣性ユニット(1)に接続された、車載コンピュータ(2)を示す図である。
図3】カラーストリップ(10)の追跡カメラ、複数のカメラ(17)、およびRFIDアンテナ(13)の実装を示す図である。
図3】カラーストリップ(10)を監視するためのカメラ(12)、赤外線センサ(14)、超音波センサ(15)、およびマイクロ波レーダ(16)と、カラーストリップ(10)および複数のカメラ(17)の実装を示す図である。
図4】カラーストリップ(10)を監視するためのカメラ(12)、赤外線センサ(14)、超音波センサ(15)、およびマイクロ波レーダ(16)と、カラーストリップ(10)および複数のカメラ(17)の実装を示す図である。
図5】特に交差点でのカラーストリップ(10)の実装構成を示し、特に乗客の乗降のために交差点の角に停止している車両や、その他の駐車車両を同様に示す図である。また、先頭車両(36)に続く車列(35)も見える。
図6】本発明のサブセットのフローチャートを示す図である。情報処理システム(7)は、暗号化された5Gネットワーク(8)またはその他の適切なネットワークを介して通信する。慣性ユニット(1)は、大容量メモリ(41)と慣性ユニットからの情報を処理する専用の計算ユニット(18)とを備えた車載コンピュータ(2)に接続されている。車載コンピュータ(2)は、カラーストリップ(10)を追跡するように設計された少なくとも1台のカメラ(12)に接続されており、その画像が車載コンピュータ(2)によって処理され、車載コンピュータが、制御ユニット(3)に作用してステアリング部材(40)を作動させ、車両がカラーストリップ(10)を正確にたどることができるようにする。アンテナ(13)により、RFIDチップ(9)とデータを交換し、車両が通過する各RFIDチップの座標(x、y、z)に関連付けられた固有の識別コード(11)を受信することができる。一連のセンサ(14)、(15)、(16)および一連のカメラ(17)により、AIの支援を受けた車載コンピュータ(2)によるデータ処理のおかげで、車両は自分の位置を見つけることができる。 本発明は、端子(19)と協働して、車両のバッテリ(38)の充電および、半剛性のアーム(24)を介したコンピュータ(2)と情報処理システム(7)との間のルートデータの交換を可能にする。
図7】充電端子とデータ転送端子との間の接続装置を示す図である。
図8】充電端子とデータ転送端子との間の接続装置を示す図である。
図9】充電端子とデータ転送端子との間の接続装置を示す図である。モータ(27)がベルトに作用し、ねじ(34)と協働するナット(29)を回転させ、ねじ(34)に結合される半剛性アーム(24)を並進させて、雄プラグ(22)が雌プラグ(25)に接続されるまでこれを行う。
図10】雄プラグ(22)を雌プラグ(25)に向けて案内可能な細部(30)、(31)、(32)を示す斜視図である。
図11】半剛性のアーム(24)が外に出ている状態で端子(19)を示す図である。
図12】端子(19)に接続された車両(6)を上から見た図と横から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を特徴づけるものは、専用ソフトウェアを記憶する車載コンピュータ(2)に接続されて専用の計算ユニット(18)を備える慣性ユニット(1)の基本的な役割である。
【0018】
この慣性ユニットは、MEMS型(Micro-Electro-Mecanical-System:小型電気機械システムの頭字語)である。
【0019】
一例として、専用のArduinoボード(登録商標)と、制御ユニット(3)に接続された適切なサーボモータとの組み合わせによる慣性ユニットMPU-6050(登録商標、「MPU」はmemory protection unit:メモリ保護ユニットの頭字語)を挙げることができる。この慣性ユニットには、3軸加速度計(4)、3軸ジャイロスコープ(5)、およびコンパスが装備されている。したがって、本発明の基本要素は慣性ユニット(1)であり、コンピュータ(2)と専用計算ユニット(18)の支援を受けて、車両が光誘導によってたどるカラーストリップ(10)をデジタル化し、仮想情報処理ストリップ(20)、つまりカラーストリップ(10)の画像を生成することができる。上記の仮想情報処理ストリップ(20)は、車載コンピュータ(2)のメモリ(41)に記憶され、次に、後述する手順に従ってすべての車両(6)に再送信される。以下、カラーストリップ(10)をデジタル化する方法について説明する。
【0020】
車両(6)は、光誘導によりカラーストリップ(10)をたどりながら移動し、慣性ユニット(1)は、車両(6)の移動に関連するパラメータ全体すなわち、出発地点、方向、加速度、継続時間および、これらの様々なパラメータのすべての連続的な変化を利用することができる。前述のデータの処理全体により、専用の計算ユニット(18)を備えた慣性ユニット(1)とメモリ(41)を備えた車載コンピュータ(2)とによって、走行ルートの連続地点の集合を画定可能になり、それによって仮想情報処理用のカラーストリップ(20)を再生成するが、これが実際のカラーストリップ(10)の画像である。なぜなら、速度は時間に対するルートの導関数であり、加速度は時間に対する速度の導関数であるので、その結果、二重積分を解くことによって、同じ初期定数つまり前述のように初速と出発地点を用いて各瞬間における1つの地点の位置を画定することができる。本件の場合、これらの定数が特定される。なぜなら、出発地点は、オドメトリ(車輪の回転数ごとの走行距離)により精度を上げたRFIDチップ(9)の正確な座標(x,y、z)のおかげで完全に識別される一人以上の乗員の乗車地点であり、初速は、一人以上の乗員を乗せた瞬間に対応するためにゼロであるからである。したがって、専用の計算ユニット(18)と専用ソフトウェアとを備えて車載コンピュータ(2)に接続される慣性ユニットが提供するデータにより、ルートにおける一連の地点を識別することができる。より正確には、慣性ユニット(1)によって識別されるルートの連続地点によって連続セグメントを画定し、これを連携させることで、走行ルートにおけるカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)が画定される。
【0021】
したがって、本発明は、大気上の理由、雪、氷、砂、またはその他の理由によりカラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、慣性ユニット(1)を、専用の計算ユニット(18)と、制御ユニット(3)に接続されてステアリング部材(40)に作用する適切なサーボモータとを備えたコンピュータ(2)に組み合わせることにより、車両は、コンピュータ(2)のメモリ(41)に記憶された仮想情報処理ストリップ(20)をたどることによって、プログラムされたルートを継続することができる。
【0022】
車載コンピュータ(2)および情報処理システム(7)は、拡張知能ソフトウェアおよびアルゴリズムに関連するエキスパートシステムを備えており、これは、本明細書では「AI」(人工知能とも呼ばれる)と示されている。AIにリンクされたソフトウェアとアルゴリズムにより、エキスパートシステムは、ルートや考えられる状況全体に関連するすべての情報を記憶して、使用中に得られた経験を統合することができる。これにより、一連のソフトウェアと高度なアルゴリズムを統合したAIは、予測可能なあらゆる状況に精通した人間と同じ決定を下すことができるようになる。実際には、車両が光誘導により、または仮想情報処理ストリップ(20)をたどることによりカラーストリップ(10)をたどることから、本発明に統合されるAIの役割は著しく減少する。AIは、臨界的および/または極端な事態に対応するように実装される。
【0023】
安全性を最適化するために、同時に動作する慣性ユニット(1)の数を増やして、各々の慣性ユニット(1)から提供されるデータの一貫性を車載コンピュータ(2)がAIと組み合わせて制御するようにし、「意思決定理論」のアルゴリズムを記憶して、予測可能なあらゆる状況においてAIが最善の決定を行えるようにすることが好ましい。このような冗長性により、システムの信頼性を高めることができる。
【0024】
たとえば、3個の慣性ユニットが同時に動作する場合、ルートを有効にするにあたって、そのうちの少なくとも2個の慣性ユニットが同じルートを決定するように「意思決定」アルゴリズムをプログラムすることができる。
【0025】
後述するように、車両が特定の充電端子(19)で充電を行おうとする場合、各車両による走行ルートのデータ全体が情報処理システム(7)に送信され、次いで、この情報処理システム(7)が、各車両のルートに対応するデータ全体を、充電端子(19)を介してフリートのすべての車両(6)に転送する。走行したルートのデータが、デジタル化されたカラーストリップ(10)の仮想情報処理ストリップ(20)のデータを構成することを明記する。
【0026】
したがって、すべての車両は、各車両が走行したすべてのルートの仮想情報処理画像(20)の全体を受信してコンピュータ(2)のメモリ(41)に記憶することになる。不必要に過剰なデータ転送を避けるために、情報処理システム(7)は、各車両に、この車両の車載コンピュータ(2)のメモリ(41)にまだ記憶されていないルートの仮想情報処理画像(20)を配分する。
【0027】
本発明の1つの実施形態によれば、車両(6)が移動しているとき、車載コンピュータ(2)に結合される慣性ユニット(1)は、上記の移動に関連するパラメータ全体すなわち、上述した出発地点、速度、加速度、方向、継続時間を利用し、100ミリ秒ごとにすべてのルートの地点を識別する。たとえば、車両が36km/hで走行している場合、つまり1秒あたり10メートル移動する場合、車両は100ミリ秒ごとに1メートル移動することになる。したがって、前述のような2つの連続地点の間では、セグメントの長さが1メートルになる。
【0028】
より洗練された1つの実施形態によれば、慣性ユニット(1)によるルートの複数の地点の識別頻度は、ルートの任意の1セグメントの2つの連続地点間の距離が同じ長さになるように、速度に対して計算される。たとえば、車両(6)が18km/hで走行し、このようにして1秒あたり5メートル移動する場合、ルートにおける複数地点の識別頻度は200ミリ秒ごとに実行される。したがって、2つの連続地点間で画定されるセグメントの長さも1メートルになる。
【0029】
そのため、前述のように、慣性ユニット(1)によって識別されるルートの連続地点により連続セグメントを画定し、これを連携させることで、走行ルートにおけるカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)が画定される。
【0030】
固有の識別コード(11)が各々のRFIDチップ(9)のメモリに記憶される。各々のRFIDチップの各々の固有の識別コードには、このRFIDチップの正確な座標(x、y、z)が対応する。すべてのRFIDチップの座標(x、y、z)は、車両(6)の車載コンピュータ(2)に記憶される。
【0031】
車両(6)のコンピュータ(2)が、カラーストリップ(10)に組み込まれたRFIDチップにより供給される正確な位置決定からの逸脱を確認するたびに、車載コンピュータ(2)が制御ユニット(3)への作用を開始し、制御ユニットがステアリング部材(40)に作用して適切な修正を実施し、次いで、車載コンピュータは、RFIDチップから供給される正確な座標に慣性ユニットをリセットする。
【0032】
セキュリティ上の理由から、また、あらゆる改ざんを避けるために、ルートの複数のセグメントの連携すなわちルートのソフトウェアの再構成によって得られる仮想ストリップ(20)は、ブロックチェーンによって認証されるが、これは、この仮想ストリップを構成する各セグメント自体が、このブロックチェーンによって認証されるからである。ブロックチェーンは、認証された改ざん不可能なデータベースであり、ハイレベルのセキュリティを備え、中央制御ユニットなしで動作するが、常に制御されてブロックチェーン固有の機能を互いに遵守する複数のサーバに制御が分散されるので、いかなる改ざんも不可能である。なぜなら、セグメントの追加はすべて、これらのサーバ全体によって検証される暗号化トランザクション制御の対象となるからである。したがって、あらゆるルートは基本セグメント(場合によっては階層化された)の追加履歴であり、存在の有効性を永続的に制御される。
【0033】
各車両には、情報処理システム(7)に接続された車載コンピュータ(2)が組み込まれており、車載コンピュータと情報処理システム(7)との間のあらゆる通信(8)は暗号化され安全である。
【0034】
しかし、車両のすべての制御機能を備えた運転シミュレータタイプの装置のおかげで、車両に組み込まれたカメラ(17)から送信される画像を介して、遠隔オペレータが必要に応じて車両を遠隔運転することができる。オペレータと、オペレータが責任を負う車両との間のやりとりは、情報処理システム(7)と車載コンピュータ(2)との間の暗号化通信(8)によって実行される。この通信は、暗号化された5G(第5世代の頭字語)リンクを介して同様に実行可能である。
【0035】
AIに関連付けられた各車両(6)の情報処理システム(7)と車載コンピュータ(2)のメモリ(41)は、カラーストリップ(10)のネットワーク全体のマッピング、交通法規、信号機とその位置の認識、および、すべての交通標識を記憶する。AIはあらゆる種類の状況を解釈し、それに応じて反応し、常に安全を優先する。車両は、車載コンピュータ(2)のメモリ(41)に保存されている道路標識、制限速度ゾーン、潜在的な危険ゾーン(学校、踏切など)や、あるいはまた暗号化通信(8)を介して情報処理システム(7)からリアルタイムで受信した指令を考慮して、その速度と移動を自動的に調整する。
【0036】
各々のRFIDチップ(9)またはトランスポンダは、カラーストリップ(10)に穴を開けることによって一体化され、車道に固定または塗装され、固有の識別コード(11)を記憶する。各々のRFIDチップの固有の各コード(11)には、このRFIDチップの座標(x、y、z)が関連付けられ、この座標は、すべての車両(6)の車載コンピュータに記憶される。したがって、車両の位置は、車両が通過する各々のRFIDチップ(9)の座標を使用して常に画定される。2つのRFIDチップ間で、車両の位置はオドメトリ(車両の車輪の回転数による走行距離)によって数センチメートル単位で正確に画定される。
【0037】
各車両は、少なくとも1台のカメラ(12)を使用してカラーストリップを識別および監視する手段を含み、その画像は車載コンピュータによって処理され、制御ユニット(3)を介して接続されたステアリング制御ユニット(40)に作用して、カラーストリップ(10)を正確に追跡する。
【0038】
制御ユニット(3)は、車載コンピュータ(2)の指令に基づいて動作し、ステアリングの作動、ブレーキ、加速、減速、音響警報器、方向指示器、車線変更、ハザードランプ点灯などの車両の運行を可能にするあらゆる制御を保証する。
【0039】
上記のカラーストリップ(10)は、車道に熱接着されて塊で着色されるポリマー、およびまたは、低価格のシンプルな塗装ストリップから構成することができる。この後者の可能性により、都市圏の道路全体ならびに、結合される道路や小道への非常に迅速な装備が可能になる。上記ストリップ(10)は、関与するゾーンに応じて連続していても不連続であってもよい。
【0040】
上記のカラーストリップは、RFIDチップ(9)またはトランスポンダを組み込んでおり、各車両(6)は、上記RFIDチップを読み取る手段(13)を含む。車載コンピュータ(2)が、カラーストリップ(10)に組み込まれたRFIDチップ(9)により供給される正確な位置決定からの逸脱を確認するたびに、制御ユニット(3)を介したステアリング部材(40)の作動によって軌道修正が行われ、慣性ユニット(1)が、RFIDチップから供給される正確な座標にリセットされる。
【0041】
RFIDチップに保存されている上記の座標(x、y、z)は、すべての測地基準フレームに適用できる。
【0042】
カラーストリップ(10)は、都市景観によく溶け込みながら従来の道路信号ストリップと区別するために、一定の独特な色、好ましくは青色を有する。
【0043】
各車両には、カラーストリップに組み込まれたRFIDチップ(9)を検出する手段が備えられている。このため、各車両には適切なアンテナ(13)が設けられ、RFIDチップ(9)に記憶された固有のコード(11)を読み取ることができる。このために、適切な無線周波数信号がアンテナ(13)によってRFIDチップまたはトランスポンダに向けて送信され、車両が走行したカラーストリップ(10)に統合された各々のRFIDチップの固有の識別コード(11)を復路で受信する。
【0044】
各車両には、360度の視野をカバーできるように、車両のいくつかの重要なポイント、特に乗員室の上部4箇所に設置された複数のカメラ(17)が装備されており、車載コンピュータ(2)が車両の環境を永続的に監視して、特に事件や事故が発生した場合の制御と安全の目的であらゆる移動をビデオに記録することができる。もちろん、その記録は定期的に消去され、必要な場合にのみ使用される。
【0045】
各車両には、次のようないくつかのタイプのセンサのセットが装備されている。
-近くにいる人間、歩行者、自転車の存在を判断するための赤外線(14)。これらのセンサは車両の周囲の複数の地点に配置される。
-別の車両が接近しているかどうか、または安全距離を守っていないかどうかを判断し、センサと制御ユニット(3)とに接続された車載コンピュータ(2)を介してハザードランプなどの信号を始動可能な超音波(15)。これらのセンサは、車両の少なくとも4つの側面(前部、後部、両サイド)に配置される。
-レーダ(16)、(マイクロ波)。これらのセンサの直視範囲は約百メートルである。これらのセンサによって、車両のエコーにより方向、速度を判断し、AIが判断した適切な行動を予測することができる。これらのセンサは主に車両の前方に向けられる。
【0046】
要約すると、請求項1に記載された発明は主に、複数の車両(6)と、これらの車両の充電手段(19)とを備え、各車両(6)が、車載コンピュータ(2)と、特に情報処理システム(7)と通信するための通信手段(8)とを備え、各車両には一組の安全センサが設けられ、移動の際、車両(6)は光誘導によりカラーストリップ(10)をたどり、このカラーストリップにはRFIDタイプのチップ(9)またはトランスポンダが組み込まれ、各車両が当該RFIDチップの読み取り手段(13)を備えた、自動式公共/個人輸送システムからなる。
このシステムは、車両(6)が光誘導によってカラーストリップ(10)をたどるとき、3軸加速度計(4)と、3軸ジャイロスコープ(5)とコンパスとを典型的に備える慣性ユニット(1)が、この慣性ユニット専用の計算ユニット(18)と専用ソフトウェアとを備えたコンピュータ(2)の支援を受けて、車両(6)の移動パラメータ、すなわち、開始地点、初速、方向、加速度、持続時間、および上記パラメータの連続するすべての変化を処理可能であり、上記のデータ処理によって、専用の計算ユニット(18)を備えて車載コンピュータ(2)の支援を受けた慣性ユニット(1)が、車両のルートの一連の地点を計算および画定可能であり、慣性ユニット(1)によって識別されるルートの連続地点によりセグメントを画定して連携させることで、カラーストリップ(10)の仮想情報処理ストリップ(20)を画定し、すなわち、走行ルートのデジタル化を実施し、車載コンピュータ(2)は、上記の仮想情報処理ストリップ(20)のデータをメモリ(41)に記憶し、カラーストリップ(10)が見えなくなった場合でも、車載コンピュータ(2)は、車載コンピュータ(2)のメモリ(41)に記憶された仮想情報処理ストリップ(20)を使用して、プログラムされたルートを継続することを特徴とする。
【0047】
自動運転車両システムを最適化するために、このシステムは、自動充電およびデータ転送用の端子(19)の集合を有する。これらの端子は、領土全体に適切に配分されている。
【0048】
車両(6)が充電端子(19)でバッテリ(38)を充電すると、各車両が走行した経路のデータ全体が、走行したルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を再現し、これらのデータ全体が情報処理システム(7)に送信され、次いで、情報処理システム(7)が、各車両のルートに対応する上記データ全体を、充電端子(19)を介してフリートのすべての車両(6)に転送し、これによってすべての車両は、このすべての車両が走行したすべてのルートのカラーストリップ(10)の仮想情報処理画像(20)を受信して記憶する。
【0049】
充電装置は、地面に固定された端子(19)で構成される。端子は、付近にいる車両と通信可能な電子機器を備え、電子機器は、この車両のバッテリの充電と、コンピュータ(2)によって画定された経路データの転送とを管理することができる。
【0050】
光誘導と車輪止め(39)のおかげで、車両(6)は、約10ミリメートルの誤差で端子(19)の前に正確に配置可能になる。
【0051】
車両の車載コンピュータ(2)は、端子(19)の電子機器とのやりとりにより、端子(19)と車両(6)との間の機械的結合を始動させる。
【0052】
まず、機械装置で保護フラップ(21)を移動させることにより、雌プラグ(25)へのアクセスが解放される。結合装置は基本的に、雄プラグ(22)、ガイド装置(23)、円筒形のガイドチューブ内をスライドする半剛性の可動アーム(24)および、雌ガイド(26)の底部に配置された固定雌プラグ(25)に可動雄プラグ(22)を接続するための装置の作動手段からなる。
【0053】
半剛性の可動アーム(24)の作動装置は、軸にプーリ(28)を備える電気モータ(27)からなる。このプーリは、ナットに結合される第2のプーリと協働するベルトを介してナット(29)を連動させる。モータ(27)の回転でナット(29)が回転し、ナットの回転で、半剛性のコネクタアーム(24)に結合されるねじ(34)が並進し、これによって上記アームは雌ガイド(26)に向かって連動される。
【0054】
雄ガイドは円筒部分(30)からなり、その前部には3個の半円錐形のガイド(31)が固定され、このガイドは後部で半円筒形(32)になる。したがって、雄ガイドは、上記のように半円筒形(32)となる半円錐形ガイド(31)を収容する専用溝を備えた、対応する雌ガイド(26)と協働する。
【0055】
アーム(24)は、ある程度の柔軟性がある半剛性のポリマー材料または複合材料で作られており、車両(6)と端子(19)との間の位置決め誤差を数ミリメートル許容して、雄ガイド(30)および関連するガイド(31)、(32)と雌ガイド(26)との協働により雄プラグ(22)と雌プラグ(25)との完全な結合を可能にする。半剛性のアーム(24)は、中央部分に、導線を含むシース(37)を収容する凹部(36)を備える。導線により、バッテリの充電には強い電流を、データ交換には弱い電流を流すことができる。
【0056】
接続直後、最初は、基本的に経路にリンクされたデータ、すなわち仮想情報処理ストリップ(20)の画像のみが、車載コンピュータ(2)と情報処理システム(7)との間で交換される。端子(19)と車両のコンピュータ(2)との間のデータ交換は、接点によって実施される。次に、端子によって受信された上記データがこの端子の専用メモリに記憶され、その後、情報処理システム(7)に送信される。セキュリティ上の理由から、有線接続、または高速の光ファイバ接続が推奨される。それよりも低いセキュリティレベルでは、暗号化された5Gタイプの接続も考慮できる。
【0057】
第2に、上記のデータ交換後、バッテリ(38)の充電を目的とした強い電流が作動される。
【0058】
車両(6)には、必要に応じて従来の充電端子で充電できるように、第2の従来の充電ソケットが設けられているが、ルートのデータを中央コンピュータに転送することはできない。
【0059】
エンジン仕様:通常、電動ホイールモータは、都市部の自動モードでの適度な速度約35~45km/hのために、それぞれ10~15kWの出力の各後輪に取り付けられる。高速道路で交差点がない場合は、約70km/hを上回る速度が許容される。電気自動車の有効出力は、およそ速度の3乗に応じて変化する。転がり抵抗は線形であり、空力抵抗は速度の2乗に応じて変化する。これは、車載バッテリの容量(KW/H)が、約200kmの自動運転のための100%電気車両と比較して約3分の1、つまり約20kW/H減少することを意味する。現在まで、電気自動車のバッテリ価格は車両の総コストの約3分の1を占めている。
【0060】
熱機関を前部に配置すれば、前輪駆動が可能となる。約100馬力の十分な出力を備えたエンジンを選択すれば、高速道路では許可された最高速度(通常130km/h)の巡航速度で走行でき、山道でも機敏に走るが、それにもかかわらず二酸化炭素排出量を低く抑える。実際、熱モードでは、車両はバイオエタノールなどのバイオ燃料に適合しており、これを使用することで二酸化炭素(C02)を50%、微粒子を90%削減することができる。バイオエタノールは85%が非化石燃料であり、したがって、一段と環境に優しい。
【0061】
この車両は、通行車両の台数を減らし、渋滞と汚染を軽減するためにシェアリング使用するように設計される。ユーザがスマートフォンで出発地と到着地を指定して車両を予約する場合、
コンピュータ(2)は情報処理システム(7)と通信し、ルートが適合する他のユーザを検索する。この場合、車両は途中で停止し、2人目の乗客を乗せる。
【0062】
車両は快適かつ魅力的で、広々とした荷室を備え、4~5人が乗車できるように設計されており、手動運転モードで家族旅行に出かけることができる。
【0063】
熱モードで使用すると、バッテリを充電することができる。電気モードでは、減速またはブレーキによって運動エネルギーを回収し、バッテリを充電することができる。最初の統計的推定では、走行ルートの90%以上が電気モードで行われるため、静かでクリーンであることが示されている。本発明は、水素に代表される将来の燃料に向けて進化するように設計されており、したがって100%クリーンな車両を提供する。
【0064】
本発明の重要な特徴は、車両が仮想車列モード(35)で動くように設計されていることである。これを行うために、車両は安全な接続ベクター(33)に従って相互に通信し、すなわち、車両が近距離にある場合、デジタル超周波数リンクと赤外線リンクとを組み合わせる。
【0065】
車両がカラーストリップ(10)または対応する仮想情報処理ストリップ(20)をたどることにより仮想車列として編成されると、先頭車両がマスター車両となり、車載コンピュータ(2)に各車両の目的地全体を保存し、安全リンク(33)を介して、加速、制動、障害物回避、特に1つの車列の1台以上の車両の方向転換を連携させ、方向転換する1台以上の車両の直後の車両に対して減速を命じることによって、車両が安全に車線変更して別のカラーストリップ(10)または対応する仮想情報処理ストリップ(20)に合流できるようにする。標準的な態様によれば、本発明は、カラーストリップがレールの機能を果たすため、モジュール式の路面電車と同様に扱えるという利点を有する。
【0066】
本発明はまた、慣性ユニット(1)、カラーストリップ(10)、およびRFIDチップ(9)の組み合わせのおかげで、約25Kmまで及ぶ距離にわたって都市間輸送手段を実現することもできる。
【0067】
これを行うために、都市部以外での長距離ルートでは、RFIDチップ(9)の間隔を100~1000mとさらに遠くに配置する。その場合、RFIDチップ(9)は、短いがはっきりと見えるカラーストリップ(10)の部分、たとえば、道路の構成(交差点、進路変更、ロータリ)に応じて100、500、または1000メートルごとに長さ3メートルの部分に統合される。
【0068】
ルートの仮想情報処理画像を取得するために、許可された運転者は、細心の注意を払いながら、手動運転モードで車両(6)を使用し、上記のルートを1回だけ、道路のカラーストリップが配置された部分で走行し、カラーストリップの一部分を見るたびに、カラーストリップ(10)のその部分の上を正確に移動し、車両(6)が通過するRFIDチップ(9)の固有の識別子(11)から座標(x、y、z)を推定し、慣性ユニットを正確にリセットする。このようにして、慣性ユニット(1)は、走行する各ルートの仮想情報処理ストリップ(20)を再構成する。基本の慣性ユニット(1)のドリフトは小さく、16ビットの精度が可能であり、約2分間続く1000メートルのルートで数センチメートルである点に留意されたい。
【0069】
したがって、カラーストリップ(10)の部分が間隔を置いて配置されていて、このカラーストリップ(10)の各部分がRFIDチップ(9)を統合しているとき、許可された運転者が車両(6)を用いて不連続のカラーストリップ(10)上を一回だけ正確に走行することによって、慣性ユニット(1)は、走行したルートの連続する仮想カラーストリップ(20)を再構成し、車両が通過したRFIDチップ(9)全体の座標(x、y、z)に慣性ユニットをリセットする。
【0070】
システムを適切に機能させるために、本発明が装備される都市圏で工事が実施される場合、関与する都市圏の管理者は、本発明の動作に影響を与える可能性のある要素を情報処理システム(7)に伝え、情報処理システム(7)は、各車両の車載コンピュータ(2)に上記の工事の要素を伝え、各車両は、受信した情報を考慮する。
【0071】
カラーストリップのデジタル化は、慣性ユニット(1)と適切な計算手段とを備えたあらゆるタイプの車両またはロボットによって実施可能であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0072】
GPS(全地球測位システム)よりもはるかに正確な、優れた地理位置情報ネットワークが配備され、特に交通の分野、自動運転シャトル、またはあらゆるタイプの車両であらゆる種類のオペレータやアプリケーションがこれを使用することができ、許可されたオペレータは、コンピュータと協働するRFIDアンテナ(13)を利用し、RFIDチップ(13)のあらゆる固有の識別子(11)を読み取って、そこから座標(x、y、z)を決定することができる。形状、色、材料、配置、サブアセンブリ、および機能要素に関する本発明のすべての変形実施形態は本発明の範囲に含まれる。
【0073】
結論:
本明細書に記載されている発明は、モビリティの世界に新しいパラダイムを生み出すことができる性質のものである。このような新技術により、次のような多くの利点がもたらされる。
-本発明の著しい簡易性。したがって、各瞬間に経路を見つけなければならない100%自動運転車両(12年以上前から期待されている)に比べて、本発明では車両が光誘導または仮想情報処理ストリップにより地面のカラーストリップをたどるので、信頼性が高い。
-この新技術により、都市の渋滞、駐車、公害の問題に対する対策をもたらす。
-輸送業界の実業家と保有車両の管理者によって行われた研究によれば、特許請求の範囲に記載された車両システムが都市圏に設置されると、車両台数を大幅に削減することが可能になり、その結果、交通の流動性が著しく向上する。
-本発明は情報処理システムに依存しないため、ハッキングが有効に阻止される。出発地点と到着地点が特定されると、車両は、車載電子機器およびカラーストリップまたは仮想情報処理ストリップのおかげで進む方向を単独で見つける。
-本発明は衛星測位システムに依存しないため、車両は屋外だけでなくトンネルや地下でも走行できる。
-一般の自動運転車両はどこからでも現れる可能性があるが、地面のカラーストリップは、車両が通過する場所を明確に示して安全性を高めている。さらに、あらゆる交通妨害を避けるために、カラーストリップに駐車する車両に対して罰金を科すことも可能になる。
-上記と同じ研究によると、ユーザによる本発明の受け入れやすさは、平均的な100%自動運転車のそれよりもはるかに高く、14%に対して76%である。すなわち5倍高い。
-この新技術は路面電車の規格に適合する必要があり(車両が仮想レールを走行するため)、これにより保険適用が大幅に容易になる。
-ユーザにとって低価格であるので、都市部や都市圏で自家用車を使用する人口のかなりの割合を引き付けることができる。
-本発明の設置運用コストは安価であるので、当事者と国家にとって魅力的な収益性が得られ、多くの地域での強力な展開につながり、本発明の持続性が保証される。
-この新技術により、都市の外で運転する楽しみを、それを望む人々のために維持することができる。
-最後に、本発明は、地球を尊重しながら新たな生活の質を提供し、都市の経済活動とレジャーを強力に促進する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【国際調査報告】