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特表2024-533555冷却プレート冷却剤マニホルドのインターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】冷却プレート冷却剤マニホルドのインターフェース
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20240905BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240905BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240905BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240905BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20240905BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20240905BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/617
B60K11/04 G
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516789
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2022073585
(87)【国際公開番号】W WO2023041297
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2109698
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524017168
【氏名又は名称】アンペア エス.ア.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルクヴルール, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ロビン, クリストフ
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H031
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC22
3D235AA01
3D235BB36
3D235BB45
3D235CC14
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH04
3D235HH42
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
本発明は、冷却プレート(3)の冷却剤マニホルド(2)のインターフェース(1)に関し、インターフェース(1)は、冷却剤マニホルド(2)に接続されるように構成された第1の主面(FP11)と、冷却剤を循環させるための少なくとも2つの流路(31、33)を有する冷却プレート(3)に接続されるように構成された第2の主面(FP12)であって、冷却剤マニホルド(2)と冷却プレート(3)の少なくとも2つの流路(31、33)それぞれとの間で冷却剤が循環することをそれぞれ可能にする、異なる幾何学形状の少なくとも2つの穴(101、103)を備える第2の主面(FP12)とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却プレート(3)冷却剤マニホルド(2)のインターフェース(1)であって、
冷却剤マニホルド(2)に接続されるように構成された第1の主面(FP11)と、
冷却剤を循環させるための少なくとも2つの通路(31、33)を有する冷却プレート(3)に接続されるように構成された第2の主面(FP12)であって、前記冷却剤マニホルド(2)と前記冷却プレート(3)の前記少なくとも2つの通路(31、33)それぞれとの間で冷却剤が循環することをそれぞれ可能にする、異なる幾何学形状の少なくとも2つの穴(101、103)を備える第2の主面(FP12)と
を備える、インターフェース(1)。
【請求項2】
バッテリー(5)を冷却するために前記バッテリー(5)の面の付近に位置付けられた冷却プレートに、接続されるように構成されたインターフェース(1)であって、
バッテリーの前記面が、前記バッテリーの動作中に第1のゾーンの温度が第2のゾーンの温度よりも大幅に高くなるような、少なくとも第1のゾーンおよび第2のゾーンを備え、
前記冷却プレートが、冷却剤を循環させる少なくとも2つの通路(31、33)を有し、前記少なくとも2つの通路(31、33)のうち第1の通路が前記第1のゾーンに最も近く、前記少なくとも2つの通路(31、33)のうち第2の通路が前記第2のゾーンに最も近く、前記第1および第2の通路にはそれぞれ、異なる幾何学形状の前記少なくとも2つの穴(101、103)のうち2つの別個の穴を介して冷却剤が供給され、
前記第1の通路に冷却剤を供給する前記穴が、前記第2の通路に冷却剤を供給する前記穴よりも大きい断面積を有することを特徴とする、請求項1に記載のインターフェース(1)。
【請求項3】
冷却プレートにおける冷却剤の循環方向(44)に対して、冷却プレートの上流側または下流側で冷却プレート(3)に接続されるように構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のインターフェース(1)。
【請求項4】
アルミニウムで作られることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のインターフェース(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1つのインターフェース(1)と、
2つの水マニホルド(2)と、
冷却プレート(3)と
を備える、アセンブリ(6)。
【請求項6】
前記冷却プレート(3)が、少なくとも1つのバッテリーモジュール(51)を備えるバッテリー(5)を冷却するように構成され、前記少なくとも1つのバッテリーモジュールが所与の長さXのものであり、前記冷却プレート(3)がY個の冷却剤循環通路を備えること、および前記冷却プレート(3)の前記Y個の通路が距離X/(Y+1)だけ互いから離隔されることを特徴とする、請求項5に記載のアセンブリ(6)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのインターフェース(1)がY個の穴を有することを特徴とする、請求項6に記載のアセンブリ(6)。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載のインターフェース(1)、または請求項5から7のいずれか一項に記載のアセンブリ(6)を少なくとも備える、電池(5)の熱管理のシステム(4)。
【請求項9】
電池(5)と、請求項8に記載の熱管理システム(4)とを備える、自動車(10)。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、冷却プレート冷却剤マニホルドのインターフェースに関する。本発明はまた、かかるインターフェースを装備した冷却プレートを備えるアセンブリに関する。本発明はさらに、かかるインターフェースまたはかかるアセンブリを備えるバッテリーの熱管理システムに関する。本発明はまた、かかるインターフェース、かかるアセンブリ、またはかかる熱管理システムを装備した車両に関する。
【0002】
自動車業界では、既存の構成要素の再使用は、新車両モデルの設計および生産コストを低減することを目的とする戦略に役立つ。
【0003】
これは特に、冷却剤を電池の冷却プレート、つまり水プレートに循環させるのに使用される冷却剤マニホルドに当てはまる。しかしながら、「標準」と呼ばれる、つまり多数の車両モデルに共通のものである水マニホルドの使用は、バッテリーの熱管理を犠牲にして行われるものであってはならない。具体的には、バッテリーの熱管理要件は車両ごとに異なることがあり、標準の冷却剤マニホルドの使用によって、これらの違いに対する考慮事項が制限されてはならない。
【0004】
文献CN109728381Aは、放熱要件が最大であるプレートの領域にフローを集中させるような形でカスタマイズされた、流体通路断面を採用した水プレートを設計する方法を開示している。この解決策によって、同じ水プレートを、したがって同じ水マニホルドを使用して、異なる熱管理要件を満たすことが可能になる。
【0005】
しかしながら、この解決策には欠点がある。特に、かかるプレートは、全てのバッテリーの熱管理要件に合うようにカスタマイズすることができない。特定のバッテリーが、異なる水プレート、特に異なる寸法の水プレートの使用を必要とすることがある。したがって、このデバイスは、標準の水マニホルドの使用を可能にするために必要なカスタマイズ要件を満たしていない。
【0006】
本発明の目的は、上述の欠点を克服し、従来技術によって知られているデバイスを改善する、デバイスを提供することである。特に、本発明は、単純で信頼性が高く、また標準の水マニホルドを異なる水プレートと一緒に使用すると同時にバッテリーの熱管理を最適化することを可能にする、デバイスを作成することを可能にする。
【0007】
この目的のため、本発明は、冷却プレート冷却剤マニホルドのインターフェースに関し、インターフェースは、
冷却剤マニホルドに接続されるように構成された第1の主面と、
冷却剤を循環させるための少なくとも2つの通路を有する冷却プレートに接続されるように構成された第2の主面であって、冷却剤マニホルドと冷却プレートの少なくとも2つの通路それぞれとの間で冷却剤が循環することをそれぞれ可能にする、異なる幾何学形状の少なくとも2つの穴を備える第2の主面とを備える。
【0008】
一実施形態では、インターフェースは、バッテリーを冷却するためにバッテリーの面の付近に位置付けられた、冷却プレートに接続されるように構成され、
バッテリーの前記面は、バッテリーの動作中に第1のゾーンの温度が第2のゾーンの温度よりも大幅に高くなるような、少なくとも第1のゾーンおよび第2のゾーンを備え、
冷却プレートは、冷却剤を循環させる少なくとも2つの通路を有し、少なくとも2つの通路のうち第1の通路は第1のゾーンに最も近く、少なくとも2つの通路のうち第2の通路は第2のゾーンに最も近く、第1および第2の通路にはそれぞれ、異なる幾何学形状の少なくとも2つの穴のうち2つの別個の穴を介して冷却剤が供給され、
第1の通路に冷却剤を供給する穴は、第2の通路に冷却剤を供給する穴よりも大きい断面積を有する。
【0009】
一実施形態では、インターフェースは、冷却プレートにおける冷却剤の循環方向に対して、冷却プレートの上流側または下流側で冷却プレートに接続されるように構成される。
【0010】
一実施形態では、インターフェースはアルミニウムで作られる。
【0011】
本発明はまた、
少なくとも、本発明によるインターフェースと、
2つの水マニホルドと、
冷却プレートと
を備える、アセンブリに関する。
【0012】
アセンブリの第1の実施形態では、冷却プレートは、少なくとも1つのバッテリーモジュールを備えるバッテリーを冷却するように構成され、少なくとも1つのバッテリーモジュールは所与の長さXのものであり、
冷却プレートは、Y個の冷却剤循環通路を備え、
冷却プレートのY個の通路は、距離X/(Y+1)だけ互いから離隔される。
【0013】
アセンブリの第1の実施形態では、少なくとも1つのインターフェースはY個の穴を有してもよい。
【0014】
本発明はまた、本発明によるインターフェースまたは本発明によるアセンブリを少なくとも備える、電池の熱管理のシステムに関する。
【0015】
本発明はさらに、電池と本発明による熱管理システムとを備える自動車に関する。
【0016】
添付図面は、例として、本発明による水マニホルドインターフェースの一実施形態、本発明によるインターフェースを装備した冷却プレートを備えるアセンブリの一実施形態、およびかかるインターフェースまたはかかるアセンブリを備える、バッテリーの熱管理システムの一実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による水マニホルドインターフェースを装備した自動車の一実施形態を示す図である。
図2】冷却プレートの一実施形態を示す図である。
図3】標準の水マニホルドの一実施形態を示す図である。
図4】水マニホルドインターフェースを装備した標準の水マニホルドの一実施形態を示す図である。
図5】第1の実施形態による、続いて第2の実施形態による、インターフェース1の冷却プレートの各通路においてそれぞれ得られる冷却剤流量を示す図である。
図6】水マニホルドインターフェースの一実施形態を示す図である。
図7】第1の実施形態および第2の実施形態それぞれによる、水マニホルドにインターフェースを装備することによって得られる、第1および第2の冷却プレート温度分布を示す図である。
図8】インターフェース1を校正するために実施されるシミュレーションの全てを表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による自動車10の一実施形態について、図1を参照して以下に記載する。自動車10は、電気自動車またはハイブリッドタイプの自動車であり、特に乗用車または特定用途車である。
【0019】
自動車10は、リチウムまたはリチウムイオンタイプの、本発明によるバッテリー5を装備している。バッテリー5は、同様に、全固体または固体電解質タイプと呼ばれるバッテリーであり得る。バッテリー5はいくつかのバッテリーモジュール51を備え、モジュール51はリチウムイオンバッテリーセル511を備える。
【0020】
自動車10はまた、バッテリーモジュール51の近傍で冷却剤を循環させるのに必要な要素を備える、バッテリー熱管理システム4を装備している。
【0021】
一実施形態では、システム4は、
有利には、バッテリーモジュール51と接触して、またはその近傍に配置される冷却プレート3と、
2つの水マニホルド2または冷却剤マニホルドと、
ポンプ41と、
冷却手段42と、
ポンプ41、冷却手段42、およびプレート3を接続する回路43と
を備える。
【0022】
本文書の残りの部分において、「マニホルド」または「水マニホルド」という用語は、冷却剤マニホルドを指すのに使用される。同様に、「プレート」または「冷却プレート」という用語は、水プレート、または冷却剤プレート、または液体冷却剤プレートを指すのに使用される。
【0023】
このようにして、システム4は、冷却剤が冷却方向44に循環することを可能にする。ポンプ41は、冷却剤を特に、
ポンプ41とプレート3との間であって、冷却剤の循環の方向44に対してプレート3の上流側にある地点Aと、
プレート3と冷却手段42との間であって、冷却剤の循環の方向44に対してプレート3の下流側にある地点Bと
の間で移動させる。
【0024】
地点Aと地点Bとの間で、冷却剤はプレート3を通過し、その結果、バッテリーモジュール51を冷却するためにその近くを循環する。したがって、地点Bで測定される冷却剤温度は、地点Aで測定される冷却剤温度よりも大幅に高い。
【0025】
地点Bの下流側で、流体は次に冷却手段42によって冷却されるが、この冷却手段は、例えば、回路43を冷却するための、特に回路43の冷やされた部分に巻かれたサーペンタインコイルの形態の、フロンガスが循環する回路であってもよい。ポンプ41は、回路43を循環する冷却剤の流量を調整することができる。流体流量は、特に、バッテリーモジュールと冷却剤との間の伝熱の量に影響する。
【0026】
冷却プレートの一実施形態が図2に記載される。冷却プレート3は、長さL31、幅L32、高さHの直方体形状のものであって、次のものを有する。
寸法L31×L32の2つの対向する長方形の主面FP31、FP32であって、一方がバッテリーモジュール51の近傍に、またはそれと接触して配置されるように構成される、主面FP31、FP32、
寸法L31×Hの2つの側面FL31、FL33、ならびに、
寸法L32×Hの2つの側面FL32、FL34であって、冷却剤の循環方向44に対して側面FL32が側面FL34の上流側に載置される、側面FL32、FL34。
【0027】
この実施形態では、プレート3は、冷却剤が冷却プレートの内部で入口面と呼ばれる側面FL32から出口面と呼ばれる側面FL34まで循環することを可能にする、直線であって長さL31の8つの通路31~38を有する。このようにして、8つの通路は、冷却プレート内に8つの別個の流体フローを作り出す。
【0028】
一実施形態では、冷却プレート3の通路31~38は、押出しによって作成され、一般に「マルチポート押出し成形チャネル」と呼ばれる。例えば鋳造を使用する、通路の他の実施形態が想到可能である。
【0029】
冷却剤がプレート3を循環するのを可能にするために、回路43は、有利には、2つの水マニホルド2を介してプレート3に接続される。特に、入口面FL32および出口面FL34は、第1および第2のマニホルドにそれぞれ(直接または間接的に)接続される。
【0030】
図3は、水マニホルド2の一実施形態を示している。水マニホルドは、回路43に接続できるようにされたパイプ形状の端部23と、特にプレート3の入口面または出口面FL32、FL34の一方に接続できるようにされた、好ましくは細長い形状の、幅広の開放端24とを備える。
【0031】
図4に示される本発明の実施形態では、2つのマニホルドの少なくとも一方は、マニホルドインターフェース1をさらに装備し、インターフェースはマニホルドと冷却プレート3との間に差し挟まれる。
【0032】
マニホルドインターフェース1は中空部品であり、その外形は直方体であって、水マニホルド2の開放端24の寸法に合う長さおよび幅を有する。インターフェース1は、第1および第2の主面FP11、FP12と、4つの側面とを有する。
【0033】
インターフェース1はアルミニウムで作られてもよい。一実施形態では、その長さは250ミリメートルであってもよく、その幅は30~40ミリメートルであってもよく、その厚さは5ミリメートルであってもよい。インターフェース1の寸法および形状は、マニホルド2およびプレート3の寸法および形状にしたがって異なってもよい。
【0034】
インターフェース1の第1の主面FP11は、水マニホルド2に接続されるように構成される。一実施形態では、有利にはマニホルド2の幅広の開放端24の寸法に合った、幅広の開口部O1を有する。このようにして、インターフェース1の開口部O1はマニホルド2の開口部24に面して固定され、端部23を介してマニホルド2に入る冷却剤は全てインターフェース1によって回収される。
【0035】
第2の主面FP12は、冷却プレート3に接続されるように構成される。第2の主面FP12は、冷却剤が通過する少なくとも2つの穴101、102を有する。第2の主面は、冷却プレート3の入口側面または出口側面FL32、FL34の一方に固定されるように構成される。有利には、第2の主面FP12が、プレート3の入口側面または出口側面FL32、FL34の一方に固定されたとき、少なくとも2つの穴101、102は、少なくともプレート3の第1および第2の通路にそれぞれ面する。
【0036】
したがって、インターフェース1の第2の主面FP12がプレート3の入口側面FL32に密閉されて固定された場合、開口部O1を介してインターフェース1に入る冷却剤は全て、少なくとも2つの穴101、102に面して載置される少なくとも2つの通路の間で分配される。換言すれば、冷却剤は、
パイプ形状の端部23を介してマニホルド2に入り、
マニホルド2およびインターフェース1を通過し、
少なくとも2つの穴101、102を介して冷却プレートの少なくとも2つの通路に入る。
【0037】
同様に、インターフェース1の第2の主面FP12がプレート3の出口側面FL34に密閉されて固定された場合、少なくとも2つの穴101、102を介してインターフェース1に入る冷却剤は全て、マニホルド2の幅広の開放端24に面して載置される開口部O1に向かって収束する。換言すれば、冷却剤は、
プレート3の少なくとも2つの通路に面して載置される少なくとも2つの穴を介して冷却プレート3を出て、
インターフェース1を通過し、次に、
マニホルド2を通過して、端部23を介して回路43内に再び出てくる。
【0038】
したがって、インターフェース1は、水マニホルドおよび冷却プレートがともに働くように具体的に設計される必要なしに、水マニホルド2が冷却プレート3に接続されることを可能にする。具体的には、インターフェース1の幾何学形状、特にその主面FP11、FP12の幾何学形状は、冷却剤が所与の水マニホルドと所与の冷却プレートとの間を循環することを可能にするように簡単に適合させることができる。
【0039】
さらに、インターフェースは、流体の循環を、バッテリーモジュール51によって発生する熱の空間分布に合わせることを、水マニホルド2またはプレート3に対する修正を必要とすることなく行うように、適合させることを可能にする。冷却剤の循環を合わせるように適合する目的は、バッテリーの所与のゾーンにおける温度スパイクを制限するために、バッテリー温度をより均一にすることである。
【0040】
この目的のため、インターフェース1の少なくとも2つの穴101、103は、異なる幾何学形状を有してもよい。N個の通路を有する冷却プレートの場合、本発明によるインターフェース1は2~N個の穴を有してもよく、N個の穴のうち少なくとも2つは異なる幾何学形状を有し、穴はそれぞれ冷却プレート3の別個の通路に面して位置付けられる。
【0041】
例えば、図6に示される実施形態では、インターフェース1は8個の穴101~108を有し、それにより、インターフェース1の端部に載置される穴101、102、108は、インターフェースの中央部に載置される穴103~107よりも大きい直径のものであり、特に、円形穴101、102、108の直径は6ミリメートルであり、円形穴103~107の直径は4ミリメートルである。
【0042】
図6に示されるインターフェース1は、図2に示されるプレート3の上流側および/または下流側で使用されてもよい。この実施形態では、インターフェース1は、プレート3の各通路に対して1つの穴を提供し、穴101~108はそれぞれプレートの通路31~38に供給する。これらの直径はインターフェースの他の穴よりも大きいので、穴101、102、108は、通路31、32、および38において、プレート3の他の通路33~37よりも多い冷却剤流量を発生させる。
【0043】
このようにして、本発明によるインターフェース1は、バッテリーモジュール51の冷却を最適化するように、冷却プレートの各通路における流体流量を独立して校正することを可能にする。換言すれば、インターフェースの穴それぞれの直径は、冷却プレートの各通路において、バッテリー温度が低減され、より均一にされるのが可能になるように、冷却剤流量を調整するように計算される。
【0044】
図5および図7は、
インターフェースの穴の直径を最適化する前の最初の実施形態Mod_i、
インターフェースの穴の直径を最適化した後の最後の実施形態Mod_f
というインターフェース1の2つの実施形態を通して、本発明によるインターフェース1の効果を示している。
【0045】
図5は、最初の実施形態Mod_iによるインターフェース1、続いて最後の実施形態Mod_fによるインターフェース1が装備される、冷却プレート3の8つの通路31~38それぞれにおいて、それぞれ得られる冷却剤流量(毎時キログラム単位)を示している。
【0046】
最初の実施形態Mod_iでは、最初の流量値D1_i~D8_iは100~140kg/時で構成され、流量D1_i~D3_iは100~120kg/時で構成され、流量D4_i~D8_iは120~140kg/時で構成される。
【0047】
最後の実施形態Mod_fでは、最後の流量値D1_f~D8_fは90~175kg/時で構成され、流量D3_f~D7_fは90~110kg/時で構成され、流量D1_f、D2_f、およびD8_fは140~175kg/時で構成される。
【0048】
図5の例では、最後の実施形態Mod_fによるインターフェース1は、横方向通路31、32、および38において、他の通路33~37における流量よりも50%多い流量を付与することを見ることができる。加えて、最後の実施形態Mod_fにおける最大流量は、最初の実施形態Mod_iにおける最大流量よりも50%多い。
【0049】
図7は、バッテリーの熱管理に対する、本発明によるインターフェース1の効果を示している。具体的には、図V1およびV2はそれぞれ、第1および第2の冷却プレート温度分布を示しており、これらの分布は、最初の実施形態Mod_iにしたがって、次に最後の実施形態Mod_fにしたがって、水マニホルド2にインターフェース1を装備することによって得られる。
【0050】
第1の図V1は、最初の実施形態Mod_iによるインターフェース1を使用しており、温度がプレート3の残りよりも大幅に高い、2つのゾーン301_i、302_iを明らかにしている。第2の図V2は、最後の実施形態Mod_fによるインターフェース1を使用しており、これら同じ2つのゾーン301_f、302_fが、プレート3の中央の温度により近い温度を有することを明らかにしている。
【0051】
したがって、本発明は、インターフェースの穴の幾何学形状を調節することによって、冷却プレートの性能を改善することを可能にする。改善は、プレート3上で測定される最高温度Tmax_i、Tmax_fと、熱が通るのを防ぐ材料(この例では、プレート)の能力を示す、プレートの熱抵抗係数Rth_i、Rth_fという、2つの指標を通して見ることができる。これら2つのパラメータは、最初の実施形態Mod_iと最後の実施形態Mod_fとの間で大幅に改善される。
最後の実施形態で測定される最高温度Tmax_f(29.5℃)は、最初の実施形態で測定される温度Tmax_i(31.2℃)よりも約2℃低い。
最後の実施形態で測定される熱抵抗(Rth_f=8.10-3K/W)は、最初の実施形態で測定される熱抵抗(Rth_i=9.10-3K/W)よりも10%低い。
【0052】
このようにして、本発明の実現は、冷却プレート3の幾何学形状、およびバッテリーモジュール51によって発生する熱の空間分布にしたがって、インターフェース1の最適な構成を、つまり、インターフェース1の第2の主面FP12に配置される穴の数、位置、および幾何学形状を、決定することを必然的に伴う。
【0053】
例えば、異なる幾何学形状の少なくとも2つの穴101、103を備え、バッテリーを冷却するために、その面の近傍に載置される冷却プレートに接続されるように構成される、本発明によるインターフェースでは、
バッテリーの面が、バッテリーの動作中に第1のゾーンの温度が第2のゾーンの温度よりも大幅に高くなるような、少なくとも第1のゾーンおよび第2のゾーンを備える場合、
また、冷却プレートが、冷却剤を循環させる少なくとも2つの通路31、33を有し、少なくとも2つの通路31、33のうち第1の通路が第1のゾーンに最も近く、少なくとも2つの通路31、33のうち第2の通路が第2のゾーンに最も近く、第1および第2の通路にそれぞれ、異なる幾何学形状の少なくとも2つの穴101、103のうち2つの別個の穴を介して冷却剤が供給される場合、
一実施形態では、第1の通路に冷却剤を供給する穴は、第2の通路に冷却剤を供給する穴よりも大きい断面積(冷却剤のフローの方向に対して垂直に測定される)を有するようになる。
【0054】
インターフェース1の最適な構成を決定するために、インターフェース1の多数の構成(インターフェースにおける穴の数、位置、および幾何学形状)は、3-D演算ソフトウェアを使用してシミュレートされる。インターフェースの所与の構成それぞれに対して、ソフトウェアは、バッテリー温度の空間分布、特にバッテリーの最高温点に達する最高温度を決定する。
【0055】
図8のグラフG1は、図6に示されるインターフェース1を校正するために実施されるシミュレーションの全てを表しており、グラフG1の各点は1つのシミュレーションを表す。横軸は、インターフェース1およびプレート3で構成されるアセンブリの透過性をmmで表す。透過性が高いほど、ポンプ41の動作に必要な電力は低くなる。それにより、グラフの右側部分にある点は、グラフの左側部分にある点よりも、ポンプ41に給電するのに要するエネルギーが少なくなる、インターフェース1を表す。縦軸は、バッテリーのあるゾーンにおいて達する最高温度を表す。
【0056】
地点Mod_iは、例えば、バッテリーの所与のゾーンにおいて、74mmの透過性および32.1℃の最高温度を生み出すインターフェース1の構成を表す。地点Mod_iに対応する構成は、温度および透過性の高値内にある。換言すれば、地点Mod_iと関連付けられる実施形態では、バッテリーの熱調整は最適ではないが、インターフェース1の使用には、ポンプ41において大幅な追加のエネルギーを要しない。
【0057】
対照的に、地点Mod_1は、バッテリーの所与のゾーンにおいて、60mmの透過性および30.1℃の最高温度を生み出すインターフェース1の構成を表す。地点Mod_1に対応する構成は、温度および透過性の低値内にある。換言すれば、地点Mod_1と関連付けられる実施形態では、インターフェース1の使用にはポンプ41において追加のエネルギーを要するが、バッテリーの熱調整は最適である。
【0058】
例えば最適ゾーンZ1にある、中間の実施形態は、バッテリー温度を調整すると同時に、ポンプ41を動作させるための追加の消費エネルギーに関してインターフェース1が有する影響を最小限に抑えることができる。実施形態Mod_fは、最適ゾーンZ1内から選択されている。
【0059】
グラフG1に示される例では、最適ゾーンは、インターフェース1の透過性が減少する間、最高バッテリー温度が一定のままである、一連のシミュレーションに対応するプラトーによって決定される。代替実施形態では、インターフェース1の最適化は他の判断基準を考慮に入れる場合がある。
【0060】
3-Dシミュレーションによってインターフェース1の設計を最適化するプロセスに続いて、インターフェース1に採用される構成(インターフェースにおける穴の数、位置、および幾何学形状)を迅速かつ簡単に作成することができる。
【0061】
したがって、バッテリー5の冷却を最適化するプロセスは、一部には、インターフェース1の設計に依存する。インターフェース1の設計および作成が単純であることは、プロジェクトの期間の後の方までこの構成要素を修正する必要がなく、システム4の他の部分、特に冷却プレート3またはマニホルド2の設計に柔軟性が与えられることを意味する。
【0062】
最後に、本発明によるインターフェース1は、
プレートにおける通路の寸法および数を変更できるため、標準の水マニホルド2を冷却プレート3に接続することを可能にし、同時に、
前記プレート3における冷却剤の循環を、バッテリー温度の最適な空間分布を担保するように最適化することを可能にし、また同時に、
バッテリーの冷却を最適化する可能性を、車両開発プロセスの後の方まで維持することを可能にする。
【0063】
本発明はまた、インターフェース1および一般的な冷却プレートから成るアセンブリに関する。
【0064】
一実施形態では、冷却すべきバッテリー5の寸法にしたがって寸法が決定されるように、一般的な冷却プレートを設計することができる。
【0065】
例えば、各バッテリーモジュール51が長さXである、1つまたは複数のバッテリーモジュール51を備えるバッテリーの場合、関連する一般的なプレートは、モジュールの長さに沿って延在するY個の通路を備えるプレートであることができ、Y個の通路は距離X/(Y+1)だけ互いから離隔される。
【0066】
それにより、プレートと関連付けられるインターフェース1は、バッテリー温度の空間分布にしたがって幾何学形状が最適化される、Y個の穴を有する。全体として、インターフェース1は、単独でまたは一般的なプレートと組み合わせて、自動車10の開発プロセスを単純化し、開発のコストを低減することを可能にする。
【0067】
本明細書全体を通して、「水」という用語は、冷却剤が水系である場合が多いことを所与として、同じ概念を表すのに「冷却剤」の代わりに使用されている場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】