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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】靴に取り付けるための保護装置
(51)【国際特許分類】
   A43C 13/14 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A43C13/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516806
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022075263
(87)【国際公開番号】W WO2023041478
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】102021123912.5
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524098536
【氏名又は名称】ベー ウント ベー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】B & B GMBH
(71)【出願人】
【識別番号】524098547
【氏名又は名称】ベーズル, ルパート
【氏名又は名称原語表記】BESL, Rupert
(71)【出願人】
【識別番号】524098558
【氏名又は名称】ツァングル, アレクサンダー
【氏名又は名称原語表記】ZANGL, Alexander
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ベーズル, ルパート
(72)【発明者】
【氏名】ツァングル, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ベアンドルファー, ウォルフガング
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BF12
4F050FA27
4F050HA43
4F050HA44
4F050JA22
(57)【要約】
本発明は、靴に取り付けるための保護装置であって、前記靴が、靴底および前部キャップを備える、保護装置に関する。保護装置は、保護ソール要素(1)および保護キャップ要素(4)を備え、保護ソール要素(1)は、靴底上に設置することができ、靴底の形状に適合するソール形状を有し、保護キャップ要素(4)は、前部キャップに対して設置することができ、前部キャップの形状に適合するキャップ形状を有する。保護ソール要素(1)および保護キャップ要素(4)は、ジョイント(6)を介して一緒に接続され、それによって、保護ソール要素(1)の前部領域(5)と保護キャップ要素(4)の前部領域(5)とが互いに対して回転可能に接続され、それによって、保護装置を折り出し位置から折り込み位置に移動させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底およびトウキャップを備える靴上に装着するための保護装置であって、
前記保護装置が、保護ソール要素(1)および保護キャップ要素(4)を備え、
保護ソール要素(1)が、前記靴底に取り付け可能であり、前記靴底の形状に適合したソール形状を有し、
保護キャップ要素(4)が、前記トウキャップに取り付け可能であり、前記トウキャップの形状に適合したキャップ形状を有し、
前記保護ソール要素(1)と前記保護キャップ要素(4)とがジョイント(6)を介して接続され、
ジョイント(6)によって、前記保護ソール要素(1)の前部領域(5)と前記保護キャップ要素(4)の前部領域(5)とが回転可能に接続され、
ジョイント(6)によって、前記保護装置が、折り出し位置から折り込み位置へと移動可能であることを特徴とする、保護装置。
【請求項2】
前記ジョイント(6)が、機械的ジョイントとして形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記機械的ジョイント(6)が、前記靴の長手方向軸(8)に対して90°の角度で配置されるジョイント軸(7)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ジョイント(6)が、変形可能な加工物から作製されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、ばね要素(10)を備え、
ばね要素(10)が、前記折り出し位置で付勢されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ジョイント(6)が、前記ばね要素(10)を備えることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ばね要素(10)が、ねじりばねを備えることを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記保護ソール要素(1)および前記保護キャップ要素(4)を前記折り込み位置および/または前記折り出し位置に解放可能にロックするためのロック要素を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ロック要素が、摩擦面(11、12)を備え、
摩擦面(11、12)が、前記折り込み位置および/または前記折り出し位置で接触可能であることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記保護ソール要素(1)が、前記靴底に解放可能に接続されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記保護キャップ要素(4)が、前記トウキャップに解放可能に接続されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に開示される発明は、請求項1の前文に記載の靴上に装着するための保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
靴の部品および構造は、例えば、Wikipediaオンライン百科事典に考察されている(ドイツ語のhttps://de.wikipedia.org/wiki/Schuh、特に、https://de.wikipedia.org/wiki/Schuh#Bestandteileを参照)。
【0003】
強化されたトウキャップを有する靴は、従来技術で知られている。固定され、したがって取り外し不可能な方法で靴のトウキャップに挿入された強化物は、トウキャップの下に位置するように着用者のつま先または前足部を保護するという主な技術的効果を有すると考えられる。特に、前足部は、着用者の身体部分のうちの1つであり、特にハンマーまたは他の重いアイテムなどの落下部品にさらされるための保護を必要とする。労働法には、職場で人がそのような保護靴を着用することを要求する規制がある。
【0004】
一方で、強化されたトウキャップを有するそのような靴は、落下部品による前足部の損傷に対する良好な保護を提供する。他方で、そのような靴は、着用するのに快適ではない。労働者は、法的または他の規制に基づいて強化されたトウキャップを有する靴を着用するように促されるが、十分に快適ではないため、強化されたトウキャップを有するそのような靴を着用することを拒否することが多い。
【発明の概要】
【0005】
以下に開示される発明は、人の前足部を保護するための着用しやすい保護装置を提供することを目的とする。必要な快適性は、保護装置が取り付けやすいことによって部分的に達成されるべきである。
【0006】
以下に開示される発明は、靴上に装着するための前記保護装置に関する。
【0007】
以下に開示される発明はまた、前記取り外し可能な保護装置を有する靴に関する。
【0008】
本発明によれば、これは請求項1によって達成される。
【0009】
本発明によれば、これは、
保護装置が、保護ソール要素および保護キャップ要素を備え、保護ソール要素が、靴底に取り付け可能であり、靴底の形状に適合したソール形状を有し、
保護キャップ要素が、トウキャップに取り付け可能であり、トウキャップの形状に適合したキャップ形状を有し、
保護ソール要素と保護キャップ要素とがジョイントを介して接続され、
ジョイントによって、保護ソール要素の前部領域と保護キャップ要素の前部領域とが回転可能に接続され、
それによって、保護装置が、折り出し位置から折り込み位置に移動可能である、ことで達成される。
【0010】
本発明の保護装置は、着用者の前足部を保護する。本発明の保護装置は、好ましくは靴に一時的に取り付けるために形成されるので、本発明の保護装置は、最初はそのように特徴付けられる。同様に、保護装置はまた、靴下、ブーツなどに取り付けることによって使用され得る。
【0011】
本発明の保護装置は、保護ソール要素を備える。保護ソール要素は、保護ソール要素が靴底の外側の表面に取り付け可能なような形状を有する。表面は、靴底の形状と一致する形状を有する。
【0012】
保護ソール要素はまた、フレームおよび靴底、特に靴のアウトソールを包み込んでもよい。保護ソール要素は、歩行中に靴の下の地面に接触するアウトソールの少なくともその部分領域を覆う。
【0013】
本発明の保護装置は、保護キャップ要素をさらに備える。保護キャップ要素は、保護キャップ要素がトウキャップの外側の少なくとも部分的な領域を覆うような形状を有する。保護キャップ要素の形状は、トウキャップの形状と一致してもよい。当業者は、靴の内側の人の前足部が十分に保護されるように、保護キャップ要素による包み込みのための部分領域を選択するであろう。
【0014】
当業者は、保護キャップ要素を、限定ではなく例として、アルミニウムのような金属または繊維強化プラスチックなどの十分に剛性の材料から作製するであろう。当業者は、前足部の十分な保護を達成するために、業界標準によって規制される保護キャップ要素の変形を考慮して材料を選択するであろう。
【0015】
保護ソール要素と保護キャップ要素とは、ジョイントを介して接続される。ジョイントは、保護キャップ要素および保護ソール要素の前端に配置される。靴に配置された保護装置では、ジョイントは、トウキャップの前部部分領域とソールの後部領域との間の移行領域に隣接して配置される。ジョイントは、保護上部の領域に配置される。保護キャップ要素および保護ソール要素はそれぞれ、靴のこれらの部分を包み込む、トウキャップおよびソールの形状にそれぞれ適合した形状を有するので、本発明の装置はまた、先端部を備えてもよい。ジョイントは、前記先端部に隣接して配置されてもよい。
【0016】
ジョイントは、一般的な歩行動作中に変形、特に伸張を全くまたはほとんど受けない靴の部分領域に隣接して配置される。
【0017】
ジョイントは、前記ジョイントに取り付けられた要素の動作を規定する可動ジョイントとして実行され得る。
【0018】
要素は、ジョイントに解放可能にまたは解放不可能に取り付けられてもよい。
【0019】
ジョイントは、ピボットジョイントまたはスライディングジョイント、またはピボットジョイントとスライディングジョイントとの組み合わせであってもよい。
【0020】
ジョイントは、いかなる抵抗にも打ち勝つことなく取り付け部品を移動させることができるジョイントとして実行されてもよい。
【0021】
ジョイントは、機械的ヒンジであってもよい。機械的ヒンジの場合、剛体は、本質的に互いに向かって移動する。靴のサイズは、足のサイズを考慮して規格によって規制されている。本発明の装置は、保護装置が足のつま先領域およびボール領域にわたって延在するようなサイズを本質的に有してもよい。
【0022】
本発明の装置は、靴の長手方向軸に対して90°の角度で配置されたジョイント軸を含むジョイントを特徴とし得る。
【0023】
靴の長手方向軸は、踵領域の中心とボール領域の中心とを接続する軸として定義されるものとする。長手方向軸は、靴の先端部から靴の後端まで延在する。
【0024】
ヒンジ軸は、長手方向軸に対して90°の角度で、靴底の高さに、または靴底の高さと平行に延在する。
【0025】
ジョイントは、例えばゴム製の変形可能な加工物として実行され得る。変形可能な加工物は、内側、すなわち靴に面する保護ソール要素および保護キャップ要素の側に配置されてもよい。上記の要素を互いに向かって移動させると、前記要素の内側に配置された変形可能な材料が付勢され、抵抗によって前記動作を打ち消し、それによって上記の要素を閉鎖する力が発生する。
【0026】
ジョイントは、機械的ヒンジとしてのみ、または変形可能な材料から作製されてもよい。
【0027】
ジョイントは、機械的ジョイントと変形可能な加工物との組み合わせであってもよい。
【0028】
本発明の装置は、ばね要素を備える装置を特徴とし得、ばね要素は、折り出し位置で付勢される。
【0029】
付勢されたばね要素は、装置を折り込み位置に移行させる付勢力を有する。保護装置が適用されたショーでの歩行中、ボール領域を移動させることにより、保護装置を折り込み位置から折り出し位置に移行させる。保護装置の上記の要素は、互いにジョイントの周りを移動し、要素の閉鎖または折り込みは、ばね要素を付勢することによって常に達成される。
【0030】
本発明の装置は、ばね要素を備えるジョイントを特徴とし得る。
【0031】
特に、本発明の装置は、ねじりばねを備えるばね要素を特徴とし得る。
【0032】
ねじりばねは、ジョイントに取り付けられた要素が移動するときに付勢されてもよい。ねじりばねを付勢する際に加えられる必要な力またはエネルギーは、取り付けられた要素を移動させることに対する抵抗力であってもよい。
【0033】
本発明の装置は、保護ソール要素および保護キャップ要素を折り込み位置および/または折り出し位置に解放可能にロックするためのロック要素を備える装置を特徴とし得る。
【0034】
ロック要素は、保護ソール要素と保護キャップ要素との間に解放可能な機械的接続を確立する。前記機械的接続を解放するのに必要な力は、保護装置が適用された靴で歩行することによって加えることができ、それによって靴の前部領域が変形し、靴が折り広げられる。
【0035】
当業者は、そのような使用に適した複数の解放可能な機械的接続に精通しているであろう。例えば、当業者は、上記の解放力によって解放可能な係合を提供し得る。
【0036】
ロック要素は、ジョイントに一体化されてもよい。
【0037】
ロック要素は、解放可能な機械的接続としてジョイントから離間して配置されてもよい。
【0038】
本発明の装置はまた、折り込み位置または折り出し位置で接触可能な摩擦面を含むロック要素を特徴とし得る。
【0039】
保持力は、摩擦面に接触することによって達成され、保持力は、要素をそれぞれの位置に解放可能に保持する。この機械的接続を解放することは、上述の保持力によって達成され得る。
【0040】
本発明の装置は、保護ソール要素が靴底に解放可能に接続されていることを特徴とし得る。
【0041】
本発明の装置は、保護キャップ要素がトウキャップに解放可能に接続されていることを特徴とし得る。
【0042】
本発明は、図に表された以下の実施形態に基づいてさらに考察される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】折り込み位置(右側)および折り出し位置(左側)にある装置の側面図である。
図2】折り込み位置(右側)および別の折り出し位置(左側)にある装置の側面図である。
図3】折り出し位置にある装置の側面図である。
図4】保護ソール要素および保護キャップ要素が分離された状態の折り出し位置にある装置の側面図である。
図5】装置の背面図である。
図6】装置の正面図である。
図7】本発明の保護装置の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図に示されている実施形態は、潜在的な実施形態を示しているにすぎないが、この時点で、本発明は、これらの具体的に示されているその変形実施形態に限定されず、個々の変形実施形態の互いの組み合わせ、ならびに1つの実施形態と上記の一般的な説明との組み合わせも可能であることに留意されたい。そのようなさらなる潜在的な組み合わせは、本発明の文脈における技術的作用に関する教示に基づいて当業者の知識の範囲内にあるので、明示的な言及を必要としない。
【0045】
保護の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。しかしながら、明細書および図面は、特許請求の範囲を解釈する際に参照されるべきである。図示および説明された様々な実施形態からの個々の特徴または特徴の組み合わせは、自律的な本発明の解決策を構成することができる。そのような自律的な本発明の解決策の基礎となる目的は、説明から得ることができる。
【0046】
図では、以下の要素が前述の参照番号で明示されている。
1 保護ソール要素
2 底面
3 リップ
4 保護キャップ要素
5 前部領域
6 ジョイント
7 ジョイント軸
8 靴の長手方向軸
9 折り畳み動作
10 ばね要素
11 保護ソール要素の第1の摩擦面
12 保護キャップ要素の第2の摩擦面
13 静的アーク
14 軸受
15 軸受
16 ラグ
17 凹部
【0047】
本発明の保護装置の潜在的な実施形態を図1図6の異なる図および異なる位置に示す。
【0048】
本発明の保護装置の別の実施形態を図7に一面図で示す。
【0049】
靴上に装着するための保護装置が示されており、その靴自体は、図1図7には示されていない。本発明の開示は、説明した保護装置を靴にどのように装着するかを記載しているので、靴と保護装置との組み合わせも図1図7によって開示される。本発明の保護装置の開示の文脈において、本発明の保護装置は、一般にブーツ、スリッパまたは履物上に装着し得ると企図される。
【0050】
ショーの構造または部品は、従来技術で知られている。例えば、靴の部品は、この説明の序文に概説されているように、オンライン百科事典Wikipediaで考察されている。靴の構造は、本発明の十分な開示の文脈において詳細な考察を必要としない。
【0051】
本発明にとって注目すべきは、単に靴がトウキャップおよびソールを有することである。ソールは、複数の部分ソールからなってもよく、「ソール」という用語は、本開示の文脈では常に「アウトソール」を意味する。
【0052】
トウキャップは、人の足のつま先および/または前足部をその上部の少なくとも部分的な領域に包み込む靴の領域である。トウキャップ領域は、歩行中に少なくとも部分的に変形し得る。本発明の保護装置は、保護装置がトウキャップの変形に応答できることを特徴とする。
【0053】
アウトソールは、下の地面に接触する靴の底部の領域である。ソールは、歩行中に少なくともその前部領域で変形を受けることができる。
【0054】
本明細書で開示される保護装置の設計は、保護装置が適用されたショーでの歩行中に靴底およびトウキャップの上記の変形を可能にするという解決策の概念によって通知され、その結果、ユーザは可能な限り小さい程度で保護装置によって阻止される。
【0055】
保護装置は、足を保護するために金属(例えば、アルミニウム)または繊維強化プラスチック(例えば、炭素)のような剛性材料から形成されてもよい。一方、足を保護するための保護デバイス要素の十分に剛性な形成は、歩行を妨げる場合がある。本発明は、本開示の文脈で概説された方法でこの技術的問題を解決しようと試みる。
【0056】
保護装置は、保護ソール要素1を備える。保護ソール要素1は、靴底(図1図6には図示せず)に取り付け可能である。ソール要素1は、アウトソールの底部に取り付けられる。したがって、そのレイアウトにおいて、保護ソール要素1は、アウトソールの形状に適合した形状を有する。
【0057】
本明細書に示される保護ソール要素は、靴底の垂直リップの周りまたは靴フレームの周りに垂直方向に延在する特殊な形状をさらに有する。したがって、保護ソール要素1は、靴底および任意選択で、靴のフレームを包み込む。
【0058】
したがって、保護ソール要素1の底部2は、取り付けられた保護装置を有する靴での歩行中に地面(図1には図示せず)に接触する。したがって、剛性で穿刺不可能または切断不可能な材料から作製された保護ソール要素1は、地面上の鋭いまたは先端のとがった物体からの保護を提供する。保護ソール要素は、その底面上に例えばゴム製の変形可能な層を備えてもよく、底面は歩行中に地中と接触する場合がある。これにより、ユーザの着用快適性が向上する。
【0059】
本明細書で考察する保護ソール要素1は、トウキャップの部分領域にわたって延在する特殊な形状をさらに有する。その特殊な形状において、保護ソール要素1は、垂直リップ3を有し、リップ3は、靴のフレームにわたっておよび/またはトウキャップにわたって延在する。
【0060】
保護装置は、保護キャップ要素4をさらに備える。保護キャップ要素4は、トウキャップ(図1図6には図示せず)に取り付けられている。したがって、保護キャップ要素4は、トウキャップの形状に適合した湾曲形状を有する。
【0061】
上述のような実施形態の特殊な形状において、保護キャップ要素4は、本質的に靴の上部トウキャップ領域にわたって延在する。トウキャップの底部領域は、本質的に保護ソール要素1によって包み込まれる。当業者は、トウキャップを異なるように包み込むこの構造を設計することを選択し得る。例えば、保護ソール要素1が靴底のみを包み込み、保護キャップ要素4がトウキャップのみを包み込むことが可能であり得る。
【0062】
保護キャップ要素4および保護ソール要素1は、機械的ジョイント6によってそれらの前部領域5において回転可能に接続されている。図1図6に示す実施形態では、機械的ジョイント6は、機械的ジョイント6がジョイント軸7を有するという点で特殊な形状であり、ジョイント軸7は、図1図4の画像平面に対して90°の角度で、図6の画像平面と平行に配向される。ジョイント軸7は、靴の長手方向軸8に対して90°の角度でさらに配置される。長手方向軸8は、本質的に、ボール領域の中心点と、踵領域または靴を受け入れるためのそれぞれの要素の中心点とを接続する。
【0063】
図1図6において、例えば、やはり例としてジョイント軸7を有する機械的ジョイント6として形成される機械的接続によって、保護キャップ要素4は、保護ソール要素1に対して調整可能である。前記調整可能性は、機械的接続およびそれによって規定される自由度によって規定される。
【0064】
ジョイント軸7を有する機械的ジョイント6は、特に、保護ソール要素6に対する保護キャップ要素4の折り畳み動作9を可能にする。ジョイント軸7の周りの弓状動作として図1図6に示されている前記折り畳み動作9は、歩行中の前部靴領域における靴の変形に似ている。これにより、着用快適性が達成される。
【0065】
したがって、保護ソール要素1および保護キャップ要素4は、互いにジョイント軸7の周りの相対回転によって、折り込み位置から折り出し位置にされてもよい。
【0066】
本発明の保護装置は、ばね要素10を備えてもよく、ばね要素10は、少なくとも折り出し位置で付勢される。当業者は、歩行中の靴の変形およびそれによって作り出される保護ソール要素1に対する保護キャップ要素4の折り畳み動作9に起因して前記ばね要素10が付勢されるように、ばね要素10をサイズ決めすることができる。ばね要素10は、歩行中にばね要素10が人にとって不快な圧力を発生させないように、十分に柔らかくなければならない。
【0067】
ばね要素10は、その折り込み位置に付勢を有さなくてもよい。
【0068】
ばね要素10は、その折り込み位置に付勢を有することができ、それによって保護キャップ要素4は、機械的ジョイント6の周りの回転によって保護ソール要素1に向かって移動し、それによって靴に対する締め付け作用が達成されることを可能にする。ばね要素10の作用により、靴、特に本発明の保護装置によって包み込まれた靴の部分領域を、保護ソール要素1および保護キャップ要素4によって締め付けることができ、それによって靴と本発明の保護ソール要素との間の解放可能な接続を達成可能にする。本発明の保護装置と靴とを接続するさらなる可能性を以下に説明する。当業者は、それらを組み合わせるか、または交互にし得る。
【0069】
図1図6に示す実施形態は、ばね要素10が機械的ジョイント6内に配置される特殊な形状を特徴とし得る。機械的ジョイント6は、ばね要素10を備える。潜在的な実施形態では、ばね要素10は、ジョイント軸7の周りにその巻線を有することができるねじりばねとして形成される。
【0070】
本発明の装置は、保護キャップ要素4が保護ソール要素1に対する位置で解放可能にロックすることができるロック要素を備えてもよい。ロック要素は、特に、折り込み位置または折り出し位置において保護ソール要素1に対する保護キャップ要素4の解放可能なロックを引き起こすことができる。
【0071】
図1図6に示す本発明の保護装置の実施形態では、任意選択のロック要素は、第1の摩擦面11および第2の摩擦面12によって形成される。第1の摩擦面11は、保護ソール要素1によって、ここでは例えば垂直リップ3によって形成される。第2の摩擦面12は、保護キャップ要素4、ここでも垂直リップによって形成される。
【0072】
第1の摩擦面11および第2の摩擦面12は、少なくとも本発明の保護装置の折り込み位置において互いに接触する。摩擦面11、12の互いに対する相対動作9は、ジョイント6によって指示される。摩擦面11、12がそれらの相対動作9中に互いに接触することも、ジョイント6によって達成される。
【0073】
保護ソール要素1によって形成される第1の摩擦面は、第2の摩擦面12の外側に配置されてもよい。
【0074】
保護キャップ要素4に上方から作用する力Fは、常に保護キャップ要素4の下方への変形を引き起こす。静的に言えば、保護キャップ要素4は、2つの軸受上のアークとして作用し、アークは本質的に曲げ負荷を受ける。
【0075】
力4は、例えば、人の足に落下するハンマーを象徴することができ、それは人の足に傷害を引き起こす。本発明の目的は、そのような損傷から人を保護することである。これを達成するために、業界標準は、保護キャップ要素4に作用する力Fが付与された場合、保護キャップ要素4の最大撓みを必要とする。
【0076】
作用力Fを伝達する際に、静的に言えば保護キャップ要素4は、本質的に曲げ荷重下でアークとして作用する。第1の摩擦面11を有するリップ3の外部配置は、軸受14、15間に作用する水平力Hを保護ソール要素1によって受けるようにする。保護ソール要素1が軸受14、15の横方向の変位を防止するので、静的アーク13の変形、したがって保護キャップ要素4の変形が防止されるか、または少なくとも規格に準拠する領域内に保たれる。これにより、保護キャップ要素4の容易な実行がさらに可能になる。これに関連してアーク13が後面図に示されている図5を参照されたい。
【0077】
静的に言えば、保護キャップ要素4は、側面図ではアークとしても作用する(図1を参照)。好ましくは、ジョイント6は、力Fによる荷重下で保護キャップ要素4から水平力Hを受けることができるように形成される。
【0078】
図1および図2の右側は、折り込み位置にある本発明の保護装置を示している。これと比較して、図2の左側は、折り出し位置にある保護装置を示している。図1の左側は、中間位置にある保護装置を示している。
【0079】
図3は、保護装置を靴に容易に取り付けることができる位置にある保護装置を示している。
【0080】
図4は、保護装置が分解される位置にある保護装置を示している。ジョイント6は、保護ソール要素1を保護キャップ要素4から分離できるように、プラッギング要素を備えてもよい。
【0081】
図5は、背面図で保護装置を示している。
【0082】
図6は、正面図で保護装置を示している。
【0083】
上記の説明では、本発明の保護装置を靴の外側に締め付けできることが言及されている。必要な締め付け力は、ばね要素10によって加えられ、一方、保護ソール要素1および保護キャップ要素4は、ジョイント6の周りに一緒に折り畳まれることによって靴の外面に押し付けられる。
【0084】
上記のように保護装置1を靴に解放可能に締結することに追加的または代替的に、保護ソール要素1は、限定ではなく例として、ねじ止め、係合などの解放可能な機械的接続を介して靴底に締結されてもよい。好ましくは、係合などの機械的接続は、例えば、本質的に垂直な圧力を加えながら、保護ソール要素1を靴底に締結することを可能にする。
【0085】
さらに追加的または代替的に、上述のように保護装置を靴に解放可能に締結するために、保護キャップ要素4は、解放可能な機械的接続を介してトウキャップに接続することができる。
【0086】
上記の説明では、保護装置が靴に解放可能に締結できることが言及されている。本発明は、決して取り外し可能な締結に限定されない。保護装置を靴に締結することはまた、解放不可能であり、したがって剛性であるように形成されてもよい。保護装置はまた、トウキャップの層と靴底の層との間に埋め込まれてもよい。
【0087】
靴は、例えば、靴紐、Velcro(登録商標)テープなどの靴を閉鎖するための装置を備えてもよい。保護装置は、靴を閉鎖するための前記装置を介して靴に締結されてもよい。靴紐を使用して保護装置を靴に締結する場合、保護装置は、ユーザが靴紐を案内することができる穴を有してもよい。
【0088】
本発明の保護装置の少なくとも一部の領域は、弾性変形可能な材料から作製されてもよい。保護ソール要素1および/または保護キャップ要素4は、その弾性変形および付勢下で靴に取り付けられてもよい。付勢は、靴と本発明の保護装置との間の解放可能な機械的接続を引き起こす。
【0089】
プラスチック、特に繊維強化プラスチックからの本発明の保護装置の例示的な形成は、上述されている。保護装置の部分領域は、弾性プラスチックから作製されてもよい。
【0090】
リップ3を有する保護ソール要素1はまた、靴の部分領域を包み込む形状として形成されてもよく、その結果、保護ソール要素1は、靴の部分領域の変形下で靴に取り付け可能である。この解放可能な機械的締結は、ゴム、PU、TPEまたはインドゴムのような材料で作製された靴底を有する靴に特に適している。
【0091】
保護ソール要素1はまた、底部3を形成するその部分領域に靴のトレッドバーを受け入れるための凹部を有してもよい。靴と保護ソール要素1との間の解放可能な機械的接続は、トレッドバーを挿入して変形させることによって確立されてもよい。
【0092】
図4は、ジョイント6の潜在的な形状を示し、ジョイント6自体は、分解された位置に示されている。ジョイント6は、保護キャップ要素4によって形成されたラグ16を備え、ラグ16は、保護キャップ要素4および保護ソール要素1を組み立てるときに凹部17(図6を参照)に導入される。当業者であれば、ラグおよび凹部を含むそのようなジョイントに精通しているであろう。
【0093】
ラグ16および凹部17は、保護ソール要素1および保護キャップ要素4を移動させ、特に折り広げると、ラグ16および/または凹部17が変形するように形成されてもよい。少なくともラグ16および/または凹部17を弾性材料から形成する場合、したがってばね効果を達成し得る。例えば、ラグ16および/または凹部17は、ばね要素10およびジョイント6として作用し得る。
【0094】
保護装置は、保護ソール要素1および保護キャップ要素4に凹部17を有してもよい。凹部17は、靴がさらなる変形を有する領域に配置されてもよく、このさらなる変形は、本発明の保護装置の折り畳み動作9によって応答することができない。
【0095】
図7は、本発明の装置のさらなる実施形態を示している。
【0096】
前記さらなる実施形態は、上記の実施形態と同様に、靴上に装着するための保護装置に関する。図7には靴が示されていないが、靴と保護装置との組み合わせも以下の考察によって開示される。
【0097】
図7は、靴上に装着するための保護装置のさらなる実施形態を示し、
この靴は、現在の教示による靴底およびトウキャップを備える。
【0098】
保護装置は、保護ソール要素1および保護キャップ要素4を備え、保護ソール要素1は、靴底に取り付け可能であり、靴底の形状に適合したソール形状を有し、
保護キャップ要素4は、トウキャップに取り付け可能であり、トウキャップの形状に適合したキャップ形状を有し、
保護ソール要素1と保護キャップ要素4とは、変形可能な加工物によって形成されたジョイント6を介して接続され、
ジョイント6によって、保護ソール要素1の前部領域5と保護キャップ要素4の前部領域5とが回転可能に接続され、
ジョイント6によって、保護装置は、折り出し位置から折り込み位置へと移動可能である。
【0099】
したがって、図7に示すさらなる実施形態は、ジョイントの形成によって図1図6に示す実施形態とは異なる。
【0100】
図7に示される装置は、ジョイント6が変形可能な加工物から作製されることを特徴とする。例えば、ジョイント6は、ゴムなどの弾性材料から作製されてもよい。
【0101】
装置は、
装置がばね要素10を備え、
ばね要素10が、折り出し位置で付勢されることをさらに特徴とし得る。ジョイント6およびばね要素は、同じ材料から形成されてもよい。
【0102】
図7に示す装置は、保護ソール要素1および保護キャップ要素4を折り込み位置および/または折り出し位置に解放可能にロックするためのロック要素を備える装置を特徴とし得る。ロック要素は、摩擦面11、12を備えてもよく、摩擦面11、12は、折り込み位置または折り出し位置で接触可能である。
【0103】
図1図6に示す装置では、ばね要素はジョイント6の領域にのみ配置されているが、図7に示す装置では、ばね要素は、ジョイント6の領域に、さらにロック要素の領域である後部領域に配置されている。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】