(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】自動車レーダシステムを使用して物体目標の少なくとも1つの仰角変数を決定するための方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/58 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G01S13/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516965
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022075341
(87)【国際公開番号】W WO2023041499
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】102021123942.7
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー、バナエフ
(72)【発明者】
【氏名】ワカス、マリク
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ストゥルム
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、ゲルナー
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC17
5J070AD06
5J070AF03
(57)【要約】
本発明は、仰角基準面(31)に対して特に車両(10)のレーダシステム(14)によって検出される、物体(18)の物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための方法に関する。本発明はさらに、レーダシステムと少なくとも1つのレーダシステムを有する車両に関する。この方法では、レーダ信号はレーダシステムの少なくとも1つのアンテナを使用して放射され、物体目標で反射されたレーダ信号のエコー信号は少なくとも2つのアンテナにより受信される。アンテナのそれぞれの位相中心は、仰角基準面(31)に平行に延在する下層アンテナ軸に沿って配置される。レーダシステムの移動速度(VH)が決定される。レーダシステムに対する少なくとも1つの物体目標の半径方向速度は、エコー信号によってレーダシステムを使用して決定される。レーダシステムに対して固定された第1の基準軸(y)に対する物体目標の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)が、受信されたエコー信号によってレーダシステムを使用して決定される。レーダシステムに対して固定された第2の基準軸(x)に対する物体目標の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)が、第1の方向変数(α)、半径方向速度(VR)、及び移動速度(VH)によって決定される。物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、a)は、方向変数(α、β)の少なくとも1つによって決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仰角基準面(31)に対して特に車両(10)のレーダシステム(14)によって検出される、物体(18)の物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための方法であって、
前記レーダシステム(14)を使用して、レーダ信号(20)が放射され、前記物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)のエコー信号(24)が受信され、
前記レーダシステム(14)の移動速度(V
H)が決定され、
前記レーダシステム(14)に対する前記少なくとも1つの物体目標(22)の半径方向速度(V
R)が、前記受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)を使用して決定され、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準領域(y)に対する前記物体目標(22)の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)が、前記受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)を使用して決定され、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準領域(x)に対する前記物体目標(22)の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)が、前記第1の方向変数(α)、前記半径方向速度(V
R)、及び前記移動速度(V
H)によって決定され、
前記物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、a)が、前記方向変数(α、β)の少なくとも1つによって決定され、
前記レーダシステム(14)の少なくとも1つのアンテナ(Tx)を使用してレーダ信号(20)が放射され、前記レーダシステム(14)の少なくとも2つのアンテナ(Rx)を使用してエコー信号(24)が受信され、前記アンテナ(Tx、Rx)の前記それぞれの位相中心(28)が、前記仰角基準面(31)に平行に延在する仮想アンテナ軸(30)に沿って配置され、
前記第1の方向変数(α)が、前記基準領域として前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準軸(y)に対して決定され、前記第2の方向変数(β)が、前記基準領域として前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準軸(x)に対して決定されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の方向変数(α)が、異なるアンテナ(Rx)を使用して受信された同じレーダ信号(20)のエコー信号(24)間の位相シフトから決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の方向変数(β)が、前記第1の方向変数(α)、前記半径方向速度(V
R)、及び前記移動速度(V
H)を使用して数学的関係、特に三角法の関係から計算され、特に、第2の方向角度の形態の第2の方向変数(β)が、前記半径方向速度(V
R)の商の逆正弦、並びに前記移動速度(V
H)と第1の方向角度の形態の第1の方向変数(α)の余弦との積として計算されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の方向変数(β)が、第1の方向変数(α)、第2の方向変数(β)、半径方向速度(V
R)、及び移動速度(V
H)の関連付けを含む変換テーブル(36)から取得され、特に、第2の方向変数(β)が、第1の方向変数(α)及び半径方向速度(V
R)の関数として第2の方向変数(β)を含む、前記それぞれの移動速度(V
H)に対応する変換テーブル(36)から取得されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の方向変数(α)及び前記第2の方向変数(β)が角度の形態で実装されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記2つの基準軸(x、y)が、前記仰角基準面(31)に平行に、又は前記仰角基準面(31)内に延在する平面に及ぶように指定されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の方向変数(β)の前記決定の前に、前記検出された物体目標(22)が静止しているかどうかがチェックされ、前記物体目標(22)が静止していない場合、少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法がこの物体目標(22)に対して終了し、そうでない場合、少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法が継続されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記物体目標(22)が静止しているかどうかをチェックするために、前記半径方向速度(V
R)と、前記移動速度(V
H)と前記第1の方向変数(α)の前記余弦との積との間の差が計算され、
前記差が少なくとも一つの制限値(TH
1、TH
2)と比較され、前記比較の結果に応じて、前記物体目標(22)が静止していると仮定され、前記少なくとも一つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法が継続され、そうでなければ、この物体目標(22)に対する前記方法が終了され、
及び/又は
前記差が2つの指定された制限値(TH
1、TH
2)と比較され、前記差が前記2つの制限値(TH
1、TH
2)の間にある場合、前記物体目標(22)が静止していると仮定され、前記少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法が継続され、そうでない場合、前記方法はこの物体目標(22)対して終了することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの仰角変数(Θ、a)及び/又は前記物体目標(22)の前記方位角(Φ)が、前記第1の方向変数(α)及び前記第2の方向変数(β)によって計算され、及び/又は少なくとも1つの変換テーブルから取得されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
特に車両(10)のレーダシステム(14)であって、
レーダ信号(20)を放射するための少なくとも一つのアンテナ(Tx)と、
物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信するための少なくとも1つのアンテナ(Rx)と、
前記レーダシステム(14)を使用して検出された物体(18)の物体目標(22)の少なくとも一つの仰角変数(Θ、h)を、仰角基準面(31)に対して決定する手段であって、前記手段が、
受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)に対する検出された物体目標(22)の半径方向速度(V
R)を決定する手段と、
受信されたエコー信号(24)によって、前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準領域(y)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)を決定する手段と、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準領域(x)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)を、前記レーダシステム(14)の第1の方向変数(α)、半径方向速度(V
R)、及び移動速度(V
H)によって決定する手段と、
前記方向変数(α、β)のうちの少なくとも1つによって物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定する手段と、を有する、手段と、を備え、
前記レーダシステム(14)が、
使用してレーダ信号(20)を放射することができる少なくとも1つのアンテナ(Tx)と、使用して物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信することができる少なくとも2つのアンテナ(Rx)であって、前記アンテナ(Tx、Rx)の前記それぞれの位相中心(28)が、前記仰角基準面(31)に平行に延在する仮想アンテナ軸(30)に沿って配置される、アンテナ(Tx、Rx)と、
前記第1の方向変数(α)の前記基準領域として前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準軸(y)と、前記第2の方向変数(β)の前記基準領域として固定された第2の基準軸(x)と、を有することを特徴とする、レーダシステム(14)。
【請求項11】
少なくとも1つのレーダシステム(14)を有する車両(10)であって、前記少なくとも1つのレーダシステム(14)が、
レーダ信号(20)を放射するための少なくとも一つのアンテナ(Tx)と、
物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信するための少なくとも1つのアンテナ(Rx)と、
前記レーダシステム(14)を使用して検出された物体(18)の物体目標(22)の少なくとも一つの仰角変数(Θ、h)を、仰角基準面(31)に対して決定する手段であって、前記手段が、
受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)に対する検出された物体目標(22)の半径方向速度(V
R)を決定する手段と、
受信されたエコー信号(24)によって、前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準領域(y)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)を決定する手段と、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準領域(x)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)を、前記レーダシステム(14)の第1の方向変数(α)、半径方向速度(V
R)、及び移動速度(V
H)によって決定する手段と、
前記方向変数(α、β)のうちの少なくとも1つによって物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定する手段と、を有する、手段と、を備え、
前記少なくとも1つのレーダシステム(14)が、
使用してレーダ信号(20)を放射することができる少なくとも1つのアンテナ(Tx)と、使用して物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信することができる少なくとも2つのアンテナ(Rx)であって、前記アンテナ(Tx、Rx)の前記それぞれの位相中心(28)が、前記仰角基準面(31)に平行に延在する仮想アンテナ軸(30)に沿って配置される、アンテナ(Tx、Rx)と、
前記第1の方向変数(α)の前記基準領域として前記少なくとも1つのレーダシステム(14)に対して固定された第1の基準軸(y)と、前記第2の方向変数(β)の前記基準領域として固定された第2の基準軸(x)と、を有することを特徴とする、車両(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダシステム、特に車両のレーダシステムによって検出される物体の物体目標の少なくとも1つの仰角変数を、仰角基準面に対して決定するための方法に関し、
レーダシステムを使用して、レーダ信号を放射し、物体目標で反射されたレーダ信号からのエコー信号を受信し、
レーダシステムの移動速度を決定し、
レーダシステムに対する少なくとも1つの物体目標の半径方向速度は、受信されたエコー信号によってレーダシステムを使用して決定され、
レーダシステムに対して固定された第1の基準領域に対する物体目標の方向を特徴付ける第1の方向変数が、受信されたエコー信号によってレーダシステムを使用して決定され、
レーダシステムに対して固定された第2の基準領域に対する物体目標の方向を特徴付ける第2の方向変数が、第1の方向変数、半径方向速度、及び移動速度によって決定され、
物体目標の少なくとも1つの仰角変数は、方向変数のうちの少なくとも1つによって決定される。
【0002】
さらに、本発明は、特に車両のレーダシステムに関し、
レーダ信号を放射するための少なくとも1つのアンテナと、
物体目標で反射されたレーダ信号のエコー信号を受信するための少なくとも1つのアンテナと、
仰角基準面に対して、レーダシステムを使用して検出された物体の物体目標から少なくとも1つの仰角変数を決定するための手段であって、
手段は、受信されたエコー信号によってレーダシステムに対する検出された物体目標の半径方向速度を決定するための手段と、
受信されたエコー信号によって、レーダシステムに対して固定された第1の基準領域に対する物体目標の方向を特徴付ける第1の方向変数を決定する手段と、
レーダシステムに対して固定された第2の基準領域に対する物体目標の方向を特徴付ける第2の方向変数を、レーダシステムの第1の方向変数、半径方向速度、及び移動速度によって決定する手段と、
方向変数のうちの少なくとも1つによって物体目標の少なくとも1つの仰角変数を決定する手段と、有する手段と、を備える。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも1つのレーダシステムを有する車両に関し、
少なくとも1つのレーダシステムは、
レーダ信号を放射するための少なくとも1つのアンテナと、
物体目標で反射されたレーダ信号のエコー信号を受信するための少なくとも1つのアンテナと、
仰角基準面に対して、レーダシステムを使用して検出された物体の物体目標から少なくとも1つの仰角変数を決定するための手段であって、
手段は、受信されたエコー信号によってレーダシステムに対する検出された物体目標の半径方向速度を決定するための手段と、
受信されたエコー信号によって、レーダシステムに対して固定された第1の基準領域に対する物体目標の方向を特徴付ける第1の方向変数を決定する手段と、
レーダシステムに対して固定された第2の基準領域に対する物体目標の方向を特徴付ける第2の方向変数を、レーダシステムの第1の方向変数、半径方向速度、及び移動速度によって決定する手段と、
方向変数のうちの少なくとも1つによって物体目標の少なくとも1つの仰角変数を決定する手段と、有する手段と、を備える。
【背景技術】
【0004】
車両環境内の物体のレーダベースの測定及び/又は分類のための方法は、独国特許出願公開第102018000517号明細書から知られており、車両環境は、車両に配置された少なくとも1つのレーダセンサによって検出され、ドップラ情報の項目は、レーダセンサによって放射されたレーダ信号と物体によって反射されたレーダ信号との間のドップラ周波数のシフトの評価に基づいて物体の高さの決定及び/又は分類時に生成される。車両の正確な移動情報の項目が利用可能であると仮定すると、仰角を正確に計算するために、物体の方位角に関する既に決定された情報が受信されたドップラ情報と共に利用されるという点で、物体の高さを決定することができる。物体の方位角は、レーダセンサの複数の水平アンテナでのデジタルビームフォーミングによって決定される。物体の仰角が一度計算されている場合、物体の高さは、式で規定されるように、物体の仰角及びレーダセンサから物体までの半径方向距離から決定することができる。
【0005】
本発明は、仰角基準面に対する検出された物体目標の少なくとも1つの仰角変数の決定をより効率的に実装することができる、冒頭で述べた種類の方法、レーダシステム、及び車両を設計する目的に基づく。特に、少なくとも1つの仰角変数は、特により単純な及び/又は省スペースの手段を使用して、より正確に及び/又は容易に決定することができるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102018000517号明細書
【発明の概要】
【0007】
本目的は、本方法のための本発明によれば、
レーダ信号は、レーダシステムの少なくとも1つのアンテナを使用して放射され、エコー信号は、レーダシステムの少なくとも2つのアンテナを使用して受信され、アンテナのそれぞれの位相中心は、仰角基準面に平行に延在する仮想アンテナ軸に沿って配置され、
第1の方向変数は、基準領域としてレーダシステムに対して固定された第1の基準軸に対して決定され、第2の方向変数は、基準領域としてレーダシステムに対して固定された第2の基準軸に対して決定される。
【0008】
本発明によれば、アンテナ軸に沿って位相中心が配置されるアンテナを使用してレーダ信号を送受信する。アンテナ軸は、仰角基準面に平行に延在する。このようにして、レーダシステムのアンテナ配置は、簡単かつ省スペースで直線的に構築することができる。仰角基準面に平行なアンテナの配置は、方向変数の割り当てを単純化する。
【0009】
本発明によれば、第1の方向変数及び第2の方向変数はそれぞれ、関連する基準軸に対して決定される。したがって、方向変数は、1次元線形アンテナ配置を使用して決定することができる。この目的のために、2次元の平面アンテナ配置は必要とされない。少なくとも1つの仰角変数を仰角基準面に対して直接決定できるようにするために、2次元平面アンテナ配置が必要とされる。本発明は、省スペースで簡単に設計された線形アンテナ配置を使用して、物体目標の仰角基準面に対して少なくとも1つの仰角変数を決定することを可能にする。
【0010】
仰角基準面は、レーダシステム、特に車両の法線方向に水平に延在する。方位角は、仰角基準面に平行に延在する平面内にあるか、又は仰角基準面であることが知られている。方位角が定義される方位角基準面は、仰角基準面に垂直である。
【0011】
物体目標の半径方向速度は、物体目標とレーダシステムの基準点との間の仮想接続軸の方向における物体目標とレーダシステムとの間の相対速度である。レーダシステムの基準点は、有利には、少なくとも2つの基準軸の交点とすることができる。
【0012】
基準点、特に少なくとも2つの基準軸の交点、又は仰角基準面に垂直な方向への基準点の投影は、有利には、アンテナの位相中心間に、特にレーダシステムの仮想アンテナ軸上にあり得る。
【0013】
基準点、特に少なくとも2つの基準軸の交点は、有利には、地面上の車両の車輪の接触領域によって画定される平面上に位置することができる。このようにして、方向変数のための基準軸を有する基準システムを、車両の車道に向けることができる。
【0014】
レーダシステムの移動速度は、レーダシステムが空間を移動する速度である。レーダシステムの移動速度は、有利には、車両の移動速度とすることができる。移動速度は、対地速度などと指定することができる。移動速度は、特に車両の速度測定システムを使用して有利に決定することができる。
【0015】
本方法は、仰角基準面に対する物体目標の少なくとも1つの仰角変数を決定するために使用される。仰角変数は、有利には仰角高さであり得る。代替的又は追加的に、仰角変数は仰角であり得る。仰角高さは、物体目標と仰角基準面との間の距離である。仰角は、一方では物体目標とレーダシステムの基準点との間の仮想接続軸と、他方では仰角基準面との間の角度である。
【0016】
さらに、本方法を使用して、物体目標の方位角を決定することができる。このようにして、本方法を使用して少なくとも1つの仰角変数と方位角の両方をより正確に決定することができる。
【0017】
車両と組み合わせて使用すると、特に車両の進行方向前方に位置する物体目標の仰角高さを、本発明を使用して決定することができる。仰角高さが既知である場合、特に車両の運転者支援システムを使用して、物体目標が車両がその上を走行することができるほど十分に低く配置されているか、又は物体目標が車両が物体目標の下を通って走行することができるほど十分に高く配置されているかを判定することができる。
【0018】
典型的には、検出された物体目標の方位角のみが、複数のアンテナ、特に放射アンテナ及び受信アンテナの線形配置のみを有するレーダシステムを使用して決定され得る。方位角は、ここではエコー信号の位相シフトに基づいて仮定することができる。エコー信号は、ここでは異なる受信アンテナを使用して検出される。物体目標がアンテナ、特に受信アンテナの位相中心と同じ仰角高さを有する場合にのみ、このようなレーダシステムを使用して方位角を正確に決定することができる。物体目標がアンテナとは異なる仰角高さに位置する場合、方位角は不正確に決定される。方位角及び仰角変数の両方を正確に決定できるようにするために、平面的に配置された放射アンテナ及び受信アンテナの構成が通常使用される。この場合、追加の放射チャネル及び受信チャネルが必要であり、それを使用して専ら仰角変数の決定が実行される。これは、使用されるレーダシステムの複雑さ及び費用支出を増加させる。これは、本発明では省略することができる。
【0019】
本発明による方法及び本発明によるレーダシステムを使用して、レーダシステムに対する、特に車両に対する物体目標の距離及び方向を2次元平面内で決定することができる。物体目標は、少なくとも1つの仰角変数の正確な決定によって3次元空間において特徴付けることができる。全体として、本発明は、レーダシステム、特に車両の環境の完全な3次元マップを作成することを可能にする。本発明は、特に平面状に配置された追加のアンテナ、特に受信アンテナがこの目的のために必要とされることなく、1次元線形アンテナ配置を使用した方位角の決定及び少なくとも1つの仰角変数の決定の両方を改善することを可能にする。
【0020】
レーダシステムは、車両、特に自動車に有利に使用することができる。レーダシステムは、特に乗用車、トラック、バス、オートバイなど陸上車両、特にドローンなど航空機、及び/又は船舶に有利に使用することができる。レーダシステムはまた、自律的又は少なくとも半自律的に動作することができる車両に使用することができる。しかしながら、レーダシステムは車両に限定されない。それはまた、静止動作、ロボット工学、及び/又は機械、特にクレーン、掘削機などの建設又は輸送機械で使用することができる。
【0021】
レーダシステムは、車両又は機械の少なくとも1つの電子制御装置、特に運転者支援システム及び/又はシャーシ制御システム及び/又は運転者情報装置及び/又は駐車支援システム及び/又はジェスチャ認識システムなどに有利に接続することができ、あるいはそのような装置又はシステムの一部とすることができる。このようにして、車両又は機械の機能の少なくともいくつかを、自律的又は半自律的に実施することができる。
【0022】
本方法の有利な設計では、第1の方向変数は、様々なアンテナを使用して受信された同じレーダ信号のエコー信号間の位相シフトから決定することができる。このようにして、第1の方向変数をより正確に決定することができる。
【0023】
本方法の1つの有利な実施形態では、第2の方向変数は、第1の方向変数、半径方向速度、及び移動速度、特に第2の方向角度の形態の第2の方向変数を、半径方向速度の商の逆正弦、並びに移動速度と第1の方向角度の形態の第1の方向変数の余弦との積として使用して、数学的、特に三角法の関係から計算することができる。このようにして、第2の方向変数は、既に決定された変数、特に第1の方向変数、半径方向速度、及び移動速度からより正確に計算することができる。したがって、第2の方向変数をより正確に個別に決定することができる。この目的のために、対応する変換テーブルは必要とされない。
【0024】
第2の方向変数は、有利には、半径方向速度の商の逆正弦、並びに移動速度と第1の方向角度の形態の第1の方向変数の余弦との積として、第2の方向角度の形態で計算することができる。このようにして、方向変数は、方向角度の形態で直接計算することができる。
【0025】
第2の方向角度は、有利には、以下の式に従って計算することができる。
【数1】
本方法のさらに有利な実施形態では、第2の方向変数は、第1の方向変数、第2の方向変数、半径方向速度、及び移動速度の関連付けを含む変換テーブルから取得することができ、特に、第2の方向変数は、第1の方向変数及び半径方向速度の関数として第2の方向変数を含む、それぞれの移動速度に対応する変換テーブルから取得することができる。このようにして、第2の方向変数は、既に決定された変数から追加の計算労力なしに迅速に決定することができる。
【0026】
少なくとも1つの変換テーブルは、特にレーダシステムの較正の過程で、特にレーダシステム又は場合によっては車両の生産ラインの終わりに事前に決定することができ、レーダシステムの対応する記憶媒体、特に制御及び評価装置に格納することができる。
【0027】
有利には、それぞれの場合に異なる移動速度について変換テーブルを提供することができ、変換テーブルはそれぞれの走行速度について第1の方向変数、第2の方向変数、及び半径方向速度の間の関係を含む。このように、それぞれの移動速度に応じて適切な変換テーブルを用いることができる。
【0028】
変換テーブルは、有利には、各々が第1の方向変数、半径方向速度、及び対応する第2の方向変数を有する複数のトリプルを有することができる。トリプルは、特にソフトウェアに容易に保存、特に格納することができる。
【0029】
本方法のさらに有利な実施形態では、第1の方向変数及び第2の方向変数は角度の形態で実装することができる。このようにして、検出された物体目標の少なくとも1つの仰角変数及び/又は方位角をより容易に決定することができる。
【0030】
本方法のさらに有利な実施形態では、2つの基準軸は、仰角基準面に平行に又は仰角基準面内に延在する平面に及ぶように指定することができる。このようにして、方向変数の参照系と、少なくとも1つの仰角変数及び方位角の参照系とは、共通の向きを有することができる。したがって、少なくとも1つの仰角変数及び/又は方位角は、方向変数からより容易に決定することができる。
【0031】
さらなる有利な実施形態では、第2の方向変数の決定の前に、検出された物体目標が静止しているかどうかをチェックすることができ、物体目標が静止していない場合、この物体目標の少なくとも1つの仰角変数を決定するための方法を終了することができ、そうでない場合、少なくとも1つの仰角変数を決定するための方法を継続することができる。このようにして、静止物体目標のみが、少なくとも1つの仰角変数を決定するために使用される。少なくとも1つの仰角変数は、静止物体目標を使用してより正確に決定することができる。
【0032】
終了後、物体目標の少なくとも1つの仰角変数を決定するための方法は、別の物体目標を使用して有利に再び開始することができる。
【0033】
本方法のさらに有利な実施形態では、物体目標が静止しているかどうかをチェックするために、半径方向速度と、移動速度と第1の方向変数の余弦との積との間の差を計算することができ、
差を少なくとも1つの制限値と比較することができ、比較の結果に応じて、物体目標が静止しており、少なくとも1つの仰角変数を決定するための方法を継続することができると仮定することができ、そうでなければ、この物体目標について方法を終了することができ、
及び/又は
差を2つの指定された制限値と比較することができ、差が2つの制限値の間にある場合、物体目標は静止していると仮定することができ、少なくとも1つの仰角変数を決定するための方法を継続することができ、そうでなければ、この物体目標について方法を終了することができる。このようにして、空間内の物体目標の速度は、数学的に、特に三角法によって、移動速度、半径方向速度、及び第1の方向変数を考慮して決定することができる。
【0034】
半径方向速度と、移動速度と第1の方向変数の余弦との積との間の差は、少なくとも1つの制限値と有利に比較することができ、比較の結果に応じて、物体目標が静止していると仮定することができる。ここで、差が制限値未満又は制限値以下である場合、物体目標は静止していると仮定することができる。代替的又は追加的に、差が制限値超又は制限値以上である場合、物体目標は静止していると仮定することができる。
【0035】
2つの制限値は、有利には異なる符号を有することができる。このようにして、レーダシステムに向かう方向への物体目標の動きは、レーダシステムから離れる物体目標の動きとは異なる符号を有する制限値を提供することができる。2つの制限値は、検出された物体目標の可能な動きを、許容誤差、特にレーダシステムの測定許容誤差及び/又は移動速度の許容誤差内で決定できるように指定することができる。
【0036】
本方法のさらに有利な実施形態では、少なくとも1つの仰角変数及び/又は物体目標の方位角は、第1の方向変数及び第2の方向変数によって計算することができ、かつ/又は少なくとも1つの変換テーブルから取得することができる。このようにして、決定された方向変数は、より少ない労力で少なくとも1つの仰角変数及び/又は方位角に変換することができる。
【0037】
物体目標の少なくとも1つの仰角変数及び/又は方位角は、第1の方向変数及び第2の方向変数から有利に計算することができる。数学的、特に三角法の関係をこの目的のために使用することができる。
【0038】
仰角変数としての仰角高さの計算は、以下の式に従って実行することができる。
【数2】
この場合、αは方向角度の形態の第1の方向変数であり、βは方向角度の形態の第2の方向変数であり、Rはレーダシステムからの物体目標の距離であり、hは仰角高さである。
【0039】
物体目標の距離は、レーダシステムを使用して有利に決定することができる。このようにして、物体目標に関連し、少なくとも1つの仰角変数を決定するために必要なすべての変数を、単一のレーダ測定を使用して決定することができる。
【0040】
代替的又は追加的に、少なくとも1つの仰角変数及び/又は方位角は、少なくとも1つの変換テーブルから取得することができる。このようにして、少なくとも1つの仰角変数及び/又は方位角は、追加の計算労力なしにより速く決定することができる。
【0041】
可能な仰角変数並びにそれぞれの第1の方向変数及び第2の方向変数を有するトリプルを、少なくとも1つの変換テーブルに有利に格納することができる。少なくとも1つの変換テーブルは、特にレーダシステムの較正の過程で、特にレーダシステムの生産ラインの終わりに事前に決定することができ、レーダシステムの対応する記憶媒体に格納することができる。
【0042】
さらに、本発明によれば、レーダシステムにおいて、
レーダシステムは、使用してレーダ信号を放射することができる少なくとも1つのアンテナと、使用して物体目標で反射されたレーダ信号からエコー信号を受信することができる少なくとも2つのアンテナであって、アンテナのそれぞれの位相中心は、仰角基準面に平行に延在する仮想アンテナ軸に沿って配置される、アンテナと、
レーダシステムに対して第1の方向変数のための基準領域として固定された第1の基準軸と、第2の方向変数のための基準領域として固定された第2基準軸と、を有するということで目標が達成される。
【0043】
本発明によれば、レーダシステムのアンテナは、仮想アンテナ軸に沿って直線的に配置される。このようにして、アンテナ配置を省スペースかつ簡単に設計することができる。さらに、アンテナ配置は、仰角基準面に対して規定された方法で配向することができる。したがって、少なくとも1つの仰角変数をより容易に決定することができる。レーダシステムは、固定された第1の基準軸及び固定された第2の基準軸を有し、これらは第1の方向変数及び第2の方向変数のための基準領域として使用される。
【0044】
さらに、本発明によれば、車両において、
少なくとも1つのレーダシステムは、使用してレーダ信号を放射することができる少なくとも1つのアンテナと、使用して物体目標で反射されたレーダ信号からエコー信号を受信することができる少なくとも2つのアンテナであって、アンテナのそれぞれの位相中心は、仰角基準面に平行に延在する仮想アンテナ軸に沿って配置される、アンテナと、
少なくとも1つのレーダシステムに対して第1の方向変数のための基準領域として固定された第1の基準軸と、第2の方向変数のための基準領域として固定された第2基準軸と、を有するということで目標が達成される。
【0045】
有利には、基準軸の少なくとも1つは、車両の少なくとも1つの規定された仮想軸、特に車両長手方向軸、車両横断方向軸、及び/又は車両垂直方向軸、及び/又は車両の移動方向軸の方向に位置合わせすることができる。このように、少なくとも一つのレーダシステムを使用して得られた情報の項目を車両の環境情報の項目としてより容易に利用することができる。
【0046】
車両は、有利には、少なくとも1つの運転者支援システムを有することができる。車両は、運転者支援システムの助けを借りて自律的又は半自律的に動作することができる。
【0047】
少なくとも1つのレーダシステムは、有利には、少なくとも1つの運転者支援システムに機能的に接続することができる。このようにして、少なくとも1つのレーダシステムを使用して取得される車両の環境に関する情報の項目は、車両の自律的又は半自律的な動作のために少なくとも1つの運転者支援システムによって使用することができる。
【0048】
少なくとも1つのレーダシステムは、有利には、特に、車両の運転者支援システム及び/又は自動運転システムの不可欠な構成要素とすることができる。レーダシステムは、検出された物体目標の半径方向速度をそれらを使用して直接決定することができるという利点を有する。
【0049】
さらに、本発明による方法、本発明によるレーダシステム、並びに本発明による車両及びそのそれぞれの有利な実施形態に関連して示された特徴及び利点は、ここでは相互に対応する方法で適用され、逆もまた同様である。個々の特徴及び利点は、当然、互いに組み合わせることができ、個々の効果の合計を超えるさらなる有利な効果が生じ得る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、本発明の例示的な実施形態が図面を参照してより詳細に説明される以下の説明から明らかになるであろう。当業者はまた、図面、明細書及び特許請求の範囲において組み合わせて開示されている特徴を個々に考慮することが好都合であり、それらを組み合わせて意味のあるさらなる組み合わせを形成する。概略図では、
【
図1】車両の進行方向前方の監視領域を監視するためのレーダシステム、運転者支援システム、及び説明された測定システムを有する車両の正面図を示す。
【
図2】車両の前方に物体を有する、レーダシステムに対して固定されたデカルト座標系を有する
図1の車両の運転状況の3次元表現を示し、車両は、斜視図ではなく側面図でのみ示されている。
【
図3】制御及び評価装置、運転者支援システム、及び速度測定システムを有する
図1のレーダシステムのアンテナ配置の正面図を示す。
【
図4】球面表現に対する異なる視点からの
図2のデカルト座標系の3次元表現を示す。
【
図5】物体目標の第1の方向角度及び半径方向速度から物体目標の第2の方向角度を決定するための変換テーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図中、同一要素には同一符号を付している。
【0052】
図1は、乗用車の形態の車両10の正面図を示す。車両10は、運転者支援システム12、速度測定システム34、及びレーダシステム14を備える。レーダシステム14は、運転者支援システム12に機能的に接続されており、車両10の進行方向前方の監視領域16を介してレーダシステム14を使用して得られる情報の項目を運転者支援システム12に送信することができる。車両10の機能、例えば運転機能は、運転者支援システム12を使用して自律的又は半自律的に実行することができる。
【0053】
レーダシステム14は、一例として車両10のフロントフェンダに配置され、監視領域16内に向けられる。レーダシステム14はまた、車両10の異なる点に配置することができ、異なる向きにすることもできる。
【0054】
監視領域16内の物体18は、レーダシステム14を使用して検出することができる。
【0055】
物体18は、静止又は移動物体、例えば車両、人、動物、植物、障害物、道路の不規則性、例えば窪み又は石、道路境界、交通標識、空きスペース、例えば駐車スペース、降雨などであり得る。
【0056】
レーダ信号20は、レーダシステム14を使用して監視領域16内に放射され、物体18を検出する。レーダシステム14の方向にある物体18の物体目標22で反射されたレーダ信号20は、レーダシステム14を使用してエコー信号24として受信される。物体情報、例えば距離R、半径方向速度VR、仰角Θ及び仰角高さhなどの仰角変数、並びにレーダシステム14の基準領域に対する、したがって車両10に対するそれぞれの物体目標22の方位角は、受信されたエコー信号24から決定することができる。
【0057】
物体目標22は、レーダ信号20を反射可能な物体18の領域である。物体18は、1つ又は複数のそのような物体目標22を有することができる。物体18が複数の物体目標22を有する場合、レーダ信号20はまた、その上で、例えば異なる方向に異なるように反射され得る。
【0058】
図1~
図4は、直交x-y-z座標系の対応する座標軸を示す。
図2及び
図4は、x-y-z座標系を3次元表現で示す。x-y-z座標系のx軸は、例えば、タイヤの接触面によって車両10の動作位置に広がる車両10の下方の平面に沿って車両10の車両長手方向軸に平行に延在する。y軸は、車両10の車両横断軸と平行に、進行方向左側に延在する。z軸は、車両10の車両垂直軸と平行に空間的に上方に延在する。x-y-z座標系の座標原点26のz軸方向の投影は、レーダシステム14の放射アンテナTxと受信アンテナRxとの間にある。座標原点26は、レーダシステム14の固定された基準点を形成する。
【0059】
放射アンテナTx及び受信アンテナRxのそれぞれの位相中心28は、
図3に示すように、仮想アンテナ軸30上に配置される。アンテナ軸30は、y軸に平行であり、x-y-z座標系のx-y平面に平行である。
【0060】
x-y-z座標系のx-y平面は、レーダシステム14の仰角基準面31である。x-y-z座標系のx-z平面は、レーダシステム14の方位角基準面33である。方位角基準面33は、仰角基準面31に垂直である。
【0061】
レーダシステム14は、
図3に示すように、3つの受信アンテナRxと1つの放射アンテナTxとを有する。
図3は、監視領域16からx軸方向に観察した正面視における放射アンテナTx及び受信アンテナRxを示す。受信アンテナRx及び放射アンテナTxは、レーダシステム14の制御及び評価装置32に機能的に接続されている。制御及び評価装置32は、より明確にするために、放射アンテナTx及び受信アンテナRxの上方に例として示されている。別の点に配置することもできる。さらに、運転者支援システム12及び速度測定システム34が
図3に示されている。
【0062】
放射アンテナTxは、制御及び評価装置32を使用してレーダ信号20を放射するように作動され得る。エコー信号24は、受信アンテナRxを使用して受信され、電気信号に変換され得る。電気信号は、制御及び評価装置32に送信され、処理され得る。例えば、検出された物体18に関する物体情報の項目は、電気信号から決定することができる。
【0063】
制御及び評価装置32は、運転者支援システム12に接続される。制御及び評価装置32を使用して決定された、例えば、検出された物体18に関する物体情報の項目などの情報の項目は、接続部を介して運転者支援システム12に送信することができる。送信された情報の項目は、車両10の自律的又は半自律的な動作のために運転者支援システム12によって使用することができる。
【0064】
車両10の移動速度VHは、速度測定システム34を使用して決定することができる。速度測定システム34は、例えば、制御及び評価装置32に接続される。したがって、決定された移動速度VHをレーダシステム14に直接送信することができる。速度測定システム34は、例えば車両10の制御ユニットを介して、レーダシステム14及び/又は運転者支援システム12に間接的に接続することもできる。
【0065】
レーダシステム14に対する検出された物体目標22の方向は、方位角Φ及び仰角Θの形態の仰角変数によって特徴付けられる。物体18の物体目標22の方位角Φ及び仰角Θを
図4に示す。
図4は、理解を容易にするために、座標系26を球面表現と併せて示している。
【0066】
方位角Φは、方位角基準面33と、物体目標22と仰角基準面31上の座標原点26との間の接続軸の正射影との間の角度である。仰角Θは、仰角基準面31と、座標原点26を有する物体目標22の接続軸との間の角度である。方位角Φ及び仰角Θは、それぞれの基準面、すなわち仰角基準面31及び方位角基準面33に対する物体目標22の方向を特徴付ける。
【0067】
検出された物体目標22の方向は、レーダシステム14を使用して、3つの受信アンテナRx間の受信されたエコー信号24の位相差の測定値から決定することができる。受信アンテナRxの線形配置により、位相差から第1の方向角度αの形態の第1の方向変数を決定することができる。
【0068】
第1の方向角度αは、検出された物体目標22と座標原点26との間のx軸と接続軸との間の角度である。x軸は、第1の方向角度αに対するレーダシステム14の固定された第1の基準軸である。第1の方向角度αは、検出された物体目標22が仰角基準面31内にある場合、すなわちレーダシステム14と同じ仰角高さhにある場合にのみ方位角Φに対応する。
【0069】
仰角高さhは、仰角基準面31の上方の高さであり、したがって仰角基準面31までの距離である。仰角高さh及び仰角Θは各々、物体目標22の位置も特徴付ける仰角変数である。
【0070】
第2の方向角度βの形態の第2の方向変数は、第1の方向角度α、半径方向速度VR、及び検出された物体目標22の距離Rから決定することができる。
【0071】
距離Rは、検出された物体目標22のレーダシステム14の基準点、すなわち座標原点26までの距離である。第2の方向角度βは、物体目標22と座標原点26との間のy軸と接続軸との間の角度である。y軸は、第2の方向角度βに対するレーダシステムの第2の固定された基準軸である。
【0072】
方位角Φ、仰角Θ、及び仰角高さhは、物体目標22が第1の方向角度α及び第2の方向角度βから仰角基準面31の上方又は下方にある場合でも、物体目標に対して正確に決定することができる。
【0073】
仰角変数、すなわち仰角Θ及び仰角高さh、並びに物体目標22の方位角を決定する方法を以下に説明する。
【0074】
この目的のために、レーダシステム14の放射アンテナTxを使用してレーダ信号20が放射される。物体目標22で反射されるエコー信号24は、受信アンテナRxを使用して受信され、電気信号に変換され得る。
【0075】
第1の方向角度αは、個々の受信アンテナRxを使用して受信されたエコー信号24間の位相差から決定される。さらに、エコー信号24から半径方向速度VR及び距離Rが決定される。さらに、車両10の移動速度VHが、速度測定システム34を使用して決定される。
【0076】
次に、検出された物体目標22が静止しているか、又は動いているかどうかがチェックされる。この目的のために、半径方向速度V
Rと、移動速度V
Hと第1の方向角度αの余弦との積との間の差の形態のチェック項が、以下のように第1の制限値TH1及び第2の制限値TH2と比較される。
【数3】
制限値TH1、TH2は、例えば、距離R、半径方向速度V
R及び移動速度V
Hの決定における公差を考慮して指定される。例えば、下限値TH1は負の値とすることができる。上限値TH2は、正の値とすることができる。したがって、制限値THのうちの1つは、レーダシステム14から離れて移動する物体目標22の半径方向速度V
Rに関連することができる。他の制限値THは、レーダシステム14に向かって移動する物体目標22の半径方向速度V
Rに関連することができる。
【0077】
チェック項の値が2つの制限値TH1及びTH2の間にある場合、物体目標22は静止していると仮定される。静止物体目標22の場合、方位角Φ及び仰角Θの以下の決定は、移動物体目標22で可能であるよりも正確に実行することができる。したがって、より正確な結果を得るために、本方法は、静止しているときに物体目標22を使用してのみ継続される。チェック項を用いたチェックの結果、物体目標22が静止していなければ、別の物体目標22を使用して方位角Φ及び仰角変数、すなわち仰角Θ及び仰角高さhを決定する方法を再度実行する。
【0078】
検出された物体目標22が静止しているとのチェックの結果が得られたと仮定して、第1の方向角度α、距離R、半径方向速度VR、及び、移動速度VHから、第2の方向角度βが決定される。これは、計算によって、又は変換テーブル36を使用して実行することができる。
【0079】
計算は、例えば、以下の三角法の関係の助けを借りて実行される。
【数4】
したがって、
【数5】
計算は、ソフトウェア及び/又はハードウェア上の対応する手段によって実行することができる。手段は、例えば、制御及び評価装置32に統合することができる。
【0080】
代替的又は追加的に、第2の方向角度βは、変換テーブル36によって決定することができる。この目的のために、例えば、変換テーブルの一群36が制御及び評価装置に格納される。これらの変換テーブル36のうちの1つの視覚化が、例として
図5に示されている。変換テーブル36は、例えばレーダシステム14の較正の過程で、例えば生産ラインの終わりに事前に決定することができ、例えば制御及び評価装置32の対応する記憶媒体に格納することができる。
【0081】
一群の各変換テーブル36は、特定の移動速度VHに対応しており、この移動速度VHにおける第1の方向角度α、第2の方向角度β、及び半径方向速度VRの関係を含んでいる。変換テーブル36は、例えば、各々が第1の方向角度α、半径方向速度VR、及び対応する第2の方向角度βを有する複数のトリプルを各々有することができる。
【0082】
図5に示す変換テーブル36では、第1の方向角度αが水平方向に示され、第2の方向角度βが垂直方向に示されている。異なる半径方向速度V
Rは、対応するフィールドに示される。
【0083】
より明確にするために、単に例として、第1の方向角度αについては10°から70°の値が10刻みに示され、第2の方向角度βについては10°から70°の値が10刻みに示されている。半径方向速度VRは、例として5m/s~20m/sの値で示されている。実際には、変換テーブル36は、第1の方向角度α及び第2の方向角度βについてかなりより多くの値を含むことができる。半径方向速度VRにも、相当により多くの異なる負及び正の値を含むことができる。
【0084】
移動速度VHのマッチング変換テーブル36は、第2の方向角度βの決定に使用される。現在の移動速度VHについてマッチング変換テーブル36が存在しない場合には、現在の移動速度VHに最も近い移動速度についての変換テーブル36をここで使用することができる。対応する第2の方向角度βは、既に決定された第1の方向角度α及び既に決定された半径方向速度VRについて、対応する変換テーブル36から取得される。
【0085】
例えば、半径方向速度VR=13m/sと組み合わせた第1の方向角度α=50°の場合のように、第1の方向角度α及び半径方向速度VRに対して複数の第2の方向角度βが利用可能である場合、例えば、(ここのさらなる関心ではない)妥当性チェックを実行して、2つの提供された第2の方向角度βのうちのどれが妥当であるかをチェックすることができる。
【0086】
方位角Φ及び仰角Θは、第1の方向角度α、第2の方向角度β、及び距離Rから三角法によって決定される。代替的に又は追加的に、方位角Φ及び仰角Θは、例えば、第1の方向角度α、第2の方向角度β、及び距離Rからの1つ又は複数の適切な変換テーブルの助けを借りて決定することができる。
【0087】
物体目標22の仰角高さhは、以下の数学的関係から計算される。
【数6】
ここで、Rは距離であり、αは第1の方向角度であり、βは物体目標22の第2の方向角度である。
【0088】
代替的又は追加的に、仰角高さhは、第1の方向角度α、第2の方向角度β、及び距離Rから決定される代わりに、仰角Θ及び距離Rから決定することもできる。
【0089】
例えば、運転者支援システム12の手段を使用して実行することができる以下のチェックを使用して、物体目標22が、車両10がその上方又は下方を衝突することなく走行することができるほど十分に低く、又は十分に高く位置するかを、仰角高さhを用いて確立することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仰角基準面(31)に対してのレーダシステム(14)によって検出される、物体(18)の物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための方法であって、
前記レーダシステム(14)を使用して、レーダ信号(20)が放射され、前記物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)のエコー信号(24)が受信され、
前記レーダシステム(14)の移動速度(V
H)が決定され、
前記レーダシステム(14)に対する前記少なくとも1つの物体目標(22)の半径方向速度(V
R)が、前記受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)を使用して決定され、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準領域(y)に対する前記物体目標(22)の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)が、前記受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)を使用して決定され、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準領域(x)に対する前記物体目標(22)の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)が、前記第1の方向変数(α)、前記半径方向速度(V
R)、および前記移動速度(V
H)によって決定され、
前記物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、a)が、前記方向変数(α、β)の少なくとも1つによって決定され、
前記レーダシステム(14)の少なくとも1つのアンテナ(Tx)を使用してレーダ信号(20)が放射され、前記レーダシステム(14)の少なくとも2つのアンテナ(Rx)を使用してエコー信号(24)が受信され、前記アンテナ(Tx、Rx)のそれぞれの位相中心(28)が、前記仰角基準面(31)に平行に延在する仮想アンテナ軸(30)に沿って配置され、
前記第1の方向変数(α)が、前記基準領域として前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準軸(y)に対して決定され、前記第2の方向変数(β)が、前記基準領域として前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準軸(x)に対して決定されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の方向変数(α)が、異なるアンテナ(Rx)を使用して受信された同じレーダ信号(20)のエコー信号(24)間の位相シフトから決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の方向変数(β)が、前記第1の方向変数(α)、前記半径方向速度(V
R)、および前記移動速度(V
H)を使用して数学的関係から計算され、特に、第2の方向角度の形態の第2の方向変数(β)が、前記半径方向速度(V
R)の商の逆正弦、ならびに前記移動速度(V
H)と第1の方向角度の形態の第1の方向変数(α)の余弦との積として計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の方向変数(β)が、第1の方向変数(α)、第2の方向変数(β)、半径方向速度(V
R)、および移動速度(V
H)の関連付けを含む変換テーブル(36)から取得され、第2の方向変数(β)が、第1の方向変数(α)および半径方向速度(V
R)の関数として第2の方向変数(β)を含む、前記それぞれの移動速度(V
H)に対応する変換テーブル(36)から取得されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の方向変数(α)および前記第2の方向変数(β)が角度の形態で実装されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記2つの基準軸(x、y)が、前記仰角基準面(31)に平行に、または前記仰角基準面(31)内に延在する平面に及ぶように指定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の方向変数(β)の前記決定の前に、前記検出された物体目標(22)が静止しているかどうかがチェックされ、前記物体目標(22)が静止していない場合、少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法がこの物体目標(22)に対して終了し、そうでない場合、少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法が継続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記物体目標(22)が静止しているかどうかをチェックするために、前記半径方向速度(V
R)と、前記移動速度(V
H)と前記第1の方向変数(α)の余弦との積との間の差が計算され、
前記差が少なくとも一つの制限値(TH
1、TH
2)と比較され、前記比較の結果に応じて、前記物体目標(22)が静止していると仮定され、前記少なくとも一つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法が継続され、そうでなければ、この物体目標(22)に対する前記方法が終了され、
および/または
前記差が2つの指定された制限値(TH
1、TH
2)と比較され、前記差が前記2つの制限値(TH
1、TH
2)の間にある場合、前記物体目標(22)が静止していると仮定され、前記少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定するための前記方法が継続され、そうでない場合、前記方法はこの物体目標(22)対して終了することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの仰角変数(Θ、a)および/または前記物体目標(22)の方位角(Φ)が、前記第1の方向変数(α)および前記第2の方向変数(β)によって計算され、および/または少なくとも1つの変換テーブルから取得されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
レーダシステム(14)であって、
レーダ信号(20)を放射するための少なくとも一つのアンテナ(Tx)と、
物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信するための少なくとも1つのアンテナ(Rx)と、
前記レーダシステム(14)を使用して検出された物体(18)の物体目標(22)の少なくとも一つの仰角変数(Θ、h)を、仰角基準面(31)に対して決定する手段であって、前記手段が、
受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)に対する検出された物体目標(22)の半径方向速度(V
R)を決定する手段と、
受信されたエコー信号(24)によって、前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準領域(y)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)を決定する手段と、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準領域(x)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)を、前記レーダシステム(14)の第1の方向変数(α)、半径方向速度(V
R)、および移動速度(V
H)によって決定する手段と、
前記方向変数(α、β)のうちの少なくとも1つによって物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定する手段と、を有する、手段と、を備え、
前記レーダシステム(14)が、
使用してレーダ信号(20)を放射することができる少なくとも1つのアンテナ(Tx)と、使用して物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信することができる少なくとも2つのアンテナ(Rx)であって、前記アンテナ(Tx、Rx)のそれぞれの位相中心(28)が、前記仰角基準面(31)に平行に延在する仮想アンテナ軸(30)に沿って配置される、アンテナ(Tx、Rx)と、
前記第1の方向変数(α)の前記基準領域として前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準軸(y)と、前記第2の方向変数(β)の前記基準領域として固定された第2の基準軸(x)と、を有することを特徴とする、レーダシステム(14)。
【請求項11】
少なくとも1つのレーダシステム(14)を有する車両(10)であって、前記少なくとも1つのレーダシステム(14)が、
レーダ信号(20)を放射するための少なくとも一つのアンテナ(Tx)と、
物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信するための少なくとも1つのアンテナ(Rx)と、
前記レーダシステム(14)を使用して検出された物体(18)の物体目標(22)の少なくとも一つの仰角変数(Θ、h)を、仰角基準面(31)に対して決定する手段であって、前記手段が、
受信されたエコー信号(24)によって前記レーダシステム(14)に対する検出された物体目標(22)の半径方向速度(V
R)を決定する手段と、
受信されたエコー信号(24)によって、前記レーダシステム(14)に対して固定された第1の基準領域(y)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第1の方向変数(α)を決定する手段と、
前記レーダシステム(14)に対して固定された第2の基準領域(x)に対する物体目標(22)の方向を特徴付ける第2の方向変数(β)を、前記レーダシステム(14)の第1の方向変数(α)、半径方向速度(V
R)、および移動速度(V
H)によって決定する手段と、
前記方向変数(α、β)のうちの少なくとも1つによって物体目標(22)の少なくとも1つの仰角変数(Θ、h)を決定する手段と、を有する、手段と、を備え、
前記少なくとも1つのレーダシステム(14)が、
使用してレーダ信号(20)を放射することができる少なくとも1つのアンテナ(Tx)と、使用して物体目標(22)で反射されたレーダ信号(20)からのエコー信号(24)を受信することができる少なくとも2つのアンテナ(Rx)であって、前記アンテナ(Tx、Rx)のそれぞれの位相中心(28)が、前記仰角基準面(31)に平行に延在する仮想アンテナ軸(30)に沿って配置される、アンテナ(Tx、Rx)と、
前記第1の方向変数(α)の前記基準領域として前記少なくとも1つのレーダシステム(14)に対して固定された第1の基準軸(y)と、前記第2の方向変数(β)の前記基準領域として固定された第2の基準軸(x)と、を有することを特徴とする、車両(10)。
【国際調査報告】