(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】酸化染料およびアミン塩を含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/41 20060101AFI20240905BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20240905BHJP
A61K 8/22 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q5/10
A61K8/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517006
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2022077127
(87)【国際公開番号】W WO2023052513
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セリーヌ,ミュールブルック
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA121
4C083AB012
4C083AB032
4C083AB281
4C083AB291
4C083AB311
4C083AB321
4C083AB352
4C083AB361
4C083AB371
4C083AB381
4C083AB411
4C083AB412
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC071
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC251
4C083AC351
4C083AC401
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC531
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC581
4C083AC642
4C083AC731
4C083AC781
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD151
4C083AD161
4C083AD241
4C083AD261
4C083AD271
4C083AD281
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD642
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB32
4C083BB33
4C083BB43
4C083CC36
4C083DD17
4C083DD21
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD30
4C083EE07
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用製品であって、組成物CおよびpH1~6を有する水性組成物Dを含み、組成物Cがa)1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、および/またはその塩を含み、水性組成物Dがb)以下の一般構造で表される1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩
【化1】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
1、R
2、またはR
3の少なくとも1つはHとは異なり、X-はアニオンである]と、g)過酸化水素とを含む、製品を対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用製品であって、
- 組成物C、
- pH1~6を有する水性組成物D
を含み、組成物Cが、
a)1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、および/またはその塩
を含み、水性組成物Dが、
b)以下の一般構造で表される1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩
【化1】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
1、R
2、またはR
3の少なくとも1つはHとは異なり、X-はアニオンである]と、
g)過酸化水素と
を含む、製品。
【請求項2】
組成物C中のa)群の化合物の全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.01~65重量%、好ましくは0.02~50重量%、より好ましくは0.05~35重量%、さらにより好ましくは0.1~30重量%、さらにより好ましくは0.1~20重量%である、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
組成物Cが、a)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラー、好ましくは5-アミノ-2-メチルフェノール、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,4,-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2-メチル-5-アミノ-6-クロルフェノール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2-ビス(2-ヒドロキシエチル)-アミノトルエン、2-アミノ-5-メチルフェノール、レソルシノール、2-メチルレソルシノール、4-クロロレソルシノール、2-アミノ-4-クロロフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、2-アミノフェノール、3-アミノ-フェノール、1-メチル-2-ヒドロキシ-4-アミノベンゼン、3-N,N-ジメチルアミノフェノール、2,6-ジヒドロキシ-3,5-ジメトキシピリジン、5-アミノ-3-メチルフェノール、6-アミノ-3-メチルフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ジアミノ-ベンゼン、1-アミノ-3-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1-アミノ-3-[ビス(2’-ヒドロキシ-エチル)アミノ]ベンゼン、α-ナフトール、4,6-ジクロロレソルシノール、1,3-ジアミノ-トルエン、4-ヒドロキシ-1,2-メチレンジオキシベンゼン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1-ヒドロキシ-2-メチルナフタレン、4-ヒドロキシ-1,2-メチルジオキシベンゼン、2,4-ジアミノ-3-クロロフェノール、5-アミノ-2-メトキシフェノールおよび/または1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-5-ピリミジノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含み、好ましくはb)群の1種以上の化合物が、4-クロロレソルシノール、2-メチルレソルシノール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2-メチル-5-アミノ-6-クロルフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、より好ましくは1,3-ビス-(2,4-ジアミノ-フェノキシ)-プロパン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の製品。
【請求項4】
組成物C中のa)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラーの全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.01~30重量%、好ましくは0.05~20重量%、より好ましくは0.08~15重量%、さらにより好ましくは0.08~10重量%である、請求項1から3のいずれかに記載の製品。
【請求項5】
組成物Cが、1種以上のアルカリ化剤、好ましくは1種以上の無機または有機アルカリ化剤、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項1から4のいずれかに記載の製品。
【請求項6】
組成物Cが、1種以上のメタシリケート、ジシリケート、カーボネート、ビカーボネート、および/またはホスフェート、および/またはそれらの金属塩、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含み、さらにより好ましくは組成物Cが、1種以上のメタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムおよび/またはリン酸三カリウム、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
組成物Cが、1種以上のアルキルおよび/またはアルカノールアミンを含み、好ましくは組成物Cが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールメチルアミン、モノエタノールジメチルアミン、ジエタノールメチルアミン、モノエタノールエチルアミン、モノエタノールジエチルアミン、ジエタノールエチルアミン、モノエタノールプロピルアミン、モノエタノールジプロピルアミン、ジエタノールプロピルアミン、モノエタノールブチルアミン、ジエタノールブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、および/またはそれらの混合物から選択される1種以上のアルキルおよび/またはアルカノールアミンを含み、より好ましくはそれ/それらが、モノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、アンモニア、および/またはそれらの混合物から選択される、請求項5または6のいずれかに記載の製品。
【請求項8】
組成物C中のアルカリ化剤、好ましくは無機または有機アルカリ化剤の全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.1~65重量%、好ましくは0.2~55重量%、より好ましくは0.5~50重量%である、請求項5から7のいずれかに記載の製品。
【請求項9】
組成物Cが、1種以上の直接染料、好ましくはHCブルー18、HCレッド18、HCイエロー16、ディスパースブラック9、アシッドイエロー1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項1から9のいずれかに記載の製品。
【請求項10】
組成物C中の直接染料の全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.01~20重量%、好ましくは0.05~15重量%、より好ましくは0.1~10重量%である、請求項10に記載の製品。
【請求項11】
組成物Cが、c)群の化合物として1種以上の粉状添加物を含み、好ましくは組成物Cが、c)群の化合物として有機および/または無機粉状添加物を含み、より好ましくはc)群の1種以上の化合物が、珪藻土、カオリン、ベントナイト、デンプン、特にトウモロコシ、タピオカ、コメ、コムギおよびジャガイモ、ナイロン粉末、モンモリロナイト、セッコウ、おがくずおよびパーライトであり、より好ましくはそれが、トウモロコシデンプン、および/またはそれらの混合物である、請求項1から11のいずれかに記載の製品。
【請求項12】
組成物C中のc)群の化合物の全濃度、より好ましくは組成物C中の有機および/または無機粉状添加物の全濃度が、組成物Cの全重量に対して10~98重量%、より好ましくは15~95重量%、さらにより好ましくは20~90重量%、さらにより好ましくは25~90重量%、さらにより好ましくは30~90重量%、もっとより好ましくは55~90重量%である、請求項12に記載の製品。
【請求項13】
組成物Cが、25℃および大気圧で固体組成物、好ましくは粉末組成物またはペレット組成物または錠剤組成物またはカプセル組成物、より好ましくは染毛用粉末組成物または染毛用ペレット組成物または染毛用錠剤組成物であり、さらにより好ましくは染毛用粉末組成物である、請求項1から13のいずれかに記載の製品。
【請求項14】
組成物Cが、無水粉末組成物、好ましくは染毛用無水粉末組成物である、請求項14に記載の製品。
【請求項15】
組成物D中のb)群の1種以上の化合物の全濃度が、組成物Dの全重量に対して0.1~30重量%、好ましくは0.2~20重量%、より好ましくは0.5~10重量%、さらにより好ましくは0.75~5重量%である、請求項1から15のいずれかに記載の製品。
【請求項16】
組成物Cおよび/または組成物Dが、d)群の化合物として1種以上の親油性化合物、好ましくはC
12~C
22脂肪アルコール、C
3~C
22アルコールとC
12~C
22脂肪酸のエステル、C
8~C
22脂肪酸、植物油、および/またはシリコーン、および/または炭化水素系製品、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される親油性化合物を含む、請求項1から16のいずれかに記載の製品。
【請求項17】
d)群による化合物として1種または複数のC
12~C
22脂肪アルコールが、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびセテアリルアルコールであり、d)群による化合物としてC
3~C
22アルコールとC
12~C
22脂肪酸の1種または複数のエステルが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸ミリスチルであり、d)による化合物として1種または複数のC
8~C
22脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、およびパルミチン酸であり、d)群による化合物として1種または複数の植物油が、オリーブ油、アーモンド油、ヒマワリ油、およびアルガン油であり、d)群による化合物として1種または複数のシリコーンが、非アミノ化および/またはアミノ化シリコーン、ならびに/あるいはそれらの混合物である、請求項17に記載の製品。
【請求項18】
組成物Cおよび/またはD中のd)群の化合物群の全濃度が、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して1~20重量%、好ましくは2~15重量%、より好ましくは3~12重量%である、請求項17または18のいずれかに記載の製品。
【請求項19】
組成物Cが染毛用油である、請求項1から13および16から19のいずれかに記載の製品。
【請求項20】
組成物Cが、ペースト様粘度を有し、より好ましくは25℃および大気圧でコーンプレート粘度測定法によって測定して10,000~500,000mPa・s、より好ましくは20,000~400,000mPa・s、さらにより好ましくは30,000~250,000mPa・sの粘度を有する、請求項20に記載の製品。
【請求項21】
組成物C中のd)群の1種以上の化合物の全濃度が、組成物Cの全重量に対して90重量%以下、好ましくは50~90重量%である、請求項20または21に記載の製品。
【請求項22】
組成物Cおよび/またはDが、好ましくは非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および/または両性/双性イオン界面活性剤、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択され、より好ましくはアニオン界面活性剤および/またはそれらの塩から選択される、f)群の化合物として1種以上の界面活性剤を含む、請求項1から22のいずれかに記載の製品。
【請求項23】
f)群の1種以上の化合物が、1種以上のアニオン界面活性剤、好ましくはエトキシ化もしくは非エトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤、アルキルスルフェート、エトキシ化および/または非エトキシ化アルキルカルボキシレート、エトキシ化もしくは非エトキシ化アミノ酸界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいはそれらの塩から選択されるアニオン界面活性剤、C
10~C
22のアルキル鎖長および1~50のエトキシ化度を有する1種以上のアルキルスルフェート、好ましくはエトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤またはそれらの混合物および/またはそれらの塩、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、エトキシ化トリグリセリド、エトキシ化脂肪アルコール、エトキシ化脂肪酸エステル、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の非イオン界面活性剤、C
12~C
22の炭素鎖長を有する第四級アンモニウム界面活性剤、もしくは第三級アミン基とC
12~C
22の炭素鎖長を有する少なくとも1本のアルキル鎖を有する界面活性剤、例えばアルキルアミドアルキルアミン界面活性剤、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、ならびに1種以上のベタイン型両性/双性イオン界面活性剤、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物である、請求項23に記載の製品。
【請求項24】
組成物Cおよび/またはD中の界面活性剤の全濃度が、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して0.1~10重量%である、請求項23または24に記載の製品。
【請求項25】
組成物Cおよび/またはDが、1種以上の増粘ポリマー、好ましくは非イオン性増粘ポリマーおよび/またはアニオン性増粘ポリマー、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマーを含む、請求項1から25のいずれかに記載の製品。
【請求項26】
1種以上の増粘ポリマーが、非イオン性増粘ポリマー、好ましくはセルロース系ポリマー、より好ましくはメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、およびアルキル化ヒドロキシルセルロース、例えば(C
2~C
8)-アルキルセルロースまたはセチルヒドロキシエチルセルロース、アニオン性増粘ポリマー、好ましくは天然系アニオン性ポリマーおよび/または合成アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースおよびデンプン系ポリマー、例えば植物デンプンおよび/またはそれらの合成修飾誘導体、例えばヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アラビアゴム、およびグアーガム、ならびに/あるいは会合性増粘ポリマー、例えばアクリレート/ステアレス-30メタクリレートコポリマーである、請求項26に記載の製品。
【請求項27】
1種以上の増粘ポリマーが、天然アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガムおよび/またはデヒドロキサンタンガムである、請求項26または27に記載の製品。
【請求項28】
組成物Cおよび/またはD中の増粘ポリマーの全濃度が、組成物Cおよび/またはDの全重量に対して0.1~15重量%、好ましくは0.25~12重量%、より好ましくは0.5~10重量%である、請求項26から28のいずれかに記載の製品。
【請求項29】
組成物Dが、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によって、好ましくはスピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計により10rpm、1分間、25℃および大気圧で決定して1,000~25,000mPa・s、好ましくは2,000~20,000mPa・s、より好ましくは2,500~17,500mPa・sの粘度を有する、請求項26から29のいずれかに記載の製品。
【請求項30】
組成物Dが、pH1.5~5、より好ましくは2~4.5を有する、請求項1から30のいずれかに記載の製品。
【請求項31】
組成物D中の過酸化水素の全濃度が、組成物Dの全重量に対して0.1~20重量%、より好ましくは0.25~15重量%、さらにより好ましくは1~12重量%である、請求項1から31のいずれかに記載の製品。
【請求項32】
組成物CおよびDの混合重量比が、1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である、請求項1から32のいずれかに記載の製品。
【請求項33】
ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
x)請求項1から33のいずれかに記載の組成物Cを用意し、それを請求項1から33のいずれかに記載の組成物Dと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
xi)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
xii)任意にケラチン繊維をすすぎ流し、任意にケラチン繊維を乾燥するステップ
を含む方法。
【請求項34】
用時調製組成物が、ステップii)に記載のように、ケラチン繊維に塗布され、好ましくは1~60分間、より好ましくは5~45分間、さらにより好ましくは10~35分間放置される、請求項34に記載の方法。
【請求項35】
用時調製組成物をケラチン繊維上に放置している間に熱を、好ましくは30~50℃の温度範囲で加える、請求項34または35に記載の方法。
【請求項36】
ステップx)における組成物CおよびDの混合重量比が、1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である、請求項34から36のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の組成物中の1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンと、第2の酸化用組成物中のアルキルアミンまたはアルカノールアミンとを用いた、ケラチン繊維の染色用製品および染色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化染料は、優れた染色能力および白髪被覆度を有するが、それらの洗髪堅牢度が損なわれる場合がある。染色したケラチン繊維の履歴により、シャンプーを行うたびに色落ちの動特性は異なる。
【0003】
これは、顧客のケラチン繊維、特に毛髪の望ましくない変色を招くおそれがあり、不満を引き起こし、そして染毛を行うスパンが短くなる。
【0004】
特許文献1は、酸化用組成物中のアミン塩を開示するが、本発明の染料の性質および技術的効果に言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の第1の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用製品であって、
- 組成物C
- pH1~6を有する水性組成物D
を含み、組成物Cが、
a)1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、および/またはその塩
を含み、水性組成物Dが、
b)以下の一般構造で表される1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩
【0007】
【化1】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
1、R
2、またはR
3の少なくとも1つはHとは異なり、X-はアニオンである]と、
g)過酸化水素と
を含む、製品である。
【0008】
本発明の第2の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
x)以上に定義された組成物Cを用意し、それを以上に定義された組成物Dと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
xi)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを160分間放置するステップ、
xii)任意にケラチン繊維をすすぎ流し、任意にケラチン繊維を乾燥するステップ
を含む方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、予想外なことに、請求項1に記載の染色用製品が、特に以前に損傷した毛髪に対して優れた洗髪堅牢度を有することを見出した。さらに、それは優れた染色強度を発揮する。
【0010】
染色用製品
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用製品であって、
- 組成物C、
- pH1~6を有する水性組成物D
を含み、組成物Cが、
a)1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、および/またはその塩
を含み、水性組成物Dが、
b)以下の一般構造で表される1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩
【0011】
【化2】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
1、R
2、またはR
3の少なくとも1つはHとは異なり、X-はアニオンである]と、
g)過酸化水素と
を含む、製品を対象とする。
【0012】
a)群の化合物の好適な塩は、硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メト硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、および/またはそれらの混合物であり、好ましくは硫酸塩および/または塩酸塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、より好ましくは溶解速度の観点から、硫酸塩である。
【0013】
染色強度の観点から、組成物C中のa)群の化合物の全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.01重量%以上であることが好ましく、好ましくは0.02重量%以上、さらにより好ましくは0.05重量%以上、さらにより好ましくは0.1重量%以上である。
【0014】
化粧品の安全性の観点から、組成物C中のa)群の化合物の全濃度は、組成物Cの全重量に対して65重量%以下であることが好ましく、好ましくは50重量%以下、さらにより好ましくは35重量%以下、さらにより好ましくは30重量%以下、さらにより好ましくは20重量%以下である。
【0015】
上述の効果を達成するために、組成物C中のa)群の化合物の全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.01~65重量%であることが好ましく、好ましくは0.02~50重量%、より好ましくは0.05~35重量%、さらにより好ましくは0.1~30重量%、さらにより好ましくは0.1~20重量%である。
【0016】
任意に、組成物Cは、a)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラー、好ましくは5-アミノ-2-メチルフェノール、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,4,-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2-メチル-5-アミノ-6-クロルフェノール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2-ビス(2-ヒドロキシエチル)-アミノトルエン、2-アミノ-5-メチルフェノール、レソルシノール、2-メチルレソルシノール、4-クロロレソルシノール、2-アミノ-4-クロロフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、2-アミノフェノール、3-アミノ-フェノール、1-メチル-2-ヒドロキシ-4-アミノベンゼン、3-N,N-ジメチルアミノフェノール、2,6-ジヒドロキシ-3,5-ジメトキシピリジン、5-アミノ-3-メチルフェノール、6-アミノ-3-メチルフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ジアミノ-ベンゼン、1-アミノ-3-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1-アミノ-3-[ビス(2’-ヒドロキシ-エチル)アミノ]ベンゼン、α-ナフトール、4,6-ジクロロレソルシノール、1,3-ジアミノ-トルエン、4-ヒドロキシ-1,2-メチレンジオキシベンゼン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1-ヒドロキシ-2-メチルナフタレン、4-ヒドロキシ-1,2-メチルジオキシベンゼン、2,4-ジアミノ-3-クロロフェノール、5-アミノ-2-メトキシフェノールおよび/または1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-5-ピリミジノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含むことができ、好ましくはb)群の1種以上の化合物は、4-クロロレソルシノール、2-メチルレソルシノール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2-メチル-5-アミノ-6-クロルフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、より好ましくは1,3-ビス-(2,4-ジアミノ-フェノキシ)-プロパン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される。
【0017】
染色強度の観点から、a)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラーの全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.01重量%以上であることが好ましく、好ましくは0.05重量%以上、さらにより好ましくは0.08重量%以上である。
【0018】
化粧品の安全性の観点から、a)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラーの全濃度は、組成物Cの全重量に対して20重量%以下であることが好ましく、好ましくは15重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下、さらにより好ましくは5重量%以下、さらにより好ましくは3.5重量%以下である。
【0019】
上述の効果を達成するために、a)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラーの全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.01~20重量%であることが好ましく、好ましくは0.05~15重量%、より好ましくは0.08~10重量%、さらにより好ましくは0.08~5重量%、さらにより好ましくは0.08~3.5重量%である。
【0020】
使用者の利便性の観点から、組成物Cは、1種以上のアルカリ化剤、好ましくは1種以上の無機または有機アルカリ化剤、ならびに/あるいはそれらの混合物を含むことが好ましい。
【0021】
好ましくは、組成物Cは、1種以上の無機アルカリ化剤を含み、より好ましくはメタシリケート、ジシリケート、カーボネート、ビカーボネート、および/またはホスフェート、ならびに/あるいはそれらの金属塩、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属塩、ならびに/またはそれらの混合物であり、好ましくはメタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムおよび/またはリン酸三カリウム、ならびに/あるいはそれらの混合物である。
【0022】
さらに、またはあるいは、組成物Cは、1種以上の有機アルカリ化剤、例えばアンモニアおよび/またはその塩、以下の一般構造で表される1種以上の有機アルキルおよび/またはアルカノールアミン
【0023】
【化3】
[式中、R
4、R
5、およびR
6は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
4、R
5、またはR
6の少なくとも1つはHと異なる]、ならびに/あるいはそれらの混合物を含むことができる。
【0024】
好ましくは、1種以上の有機アルカリ化剤は、アルキルおよび/またはアルカノールアミンから選択され、より好ましくはアルカリ性および化粧品の安全性をもたらし、さらに低臭気性であるという観点から、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールメチルアミン、モノエタノールジメチルアミン、ジエタノールメチルアミン、モノエタノールエチルアミン、モノエタノールジエチルアミン、ジエタノールエチルアミン、モノエタノールプロピルアミン、モノエタノールジプロピルアミン、ジエタノールプロピルアミン、モノエタノールブチルアミン、ジエタノールブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタンおよび/またはそれらの混合物から選択される。
【0025】
最も好ましいアルカリ化剤は、アルカリ性および化粧品の安全性をもたらすという観点からモノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化アンモニウム、および/またはそれらの混合物から選択される。
【0026】
染色強度の観点から、アルカリ化剤、好ましくは無機または有機アルカリ化剤の全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2重量%以上、さらにより好ましくは0.5重量%以上である。
【0027】
化粧品の安全性の観点から、アルカリ化剤、好ましくは無機または有機アルカリ化剤の全濃度は、組成物Cの全重量に対して40重量%以下であることが好ましく、より好ましくは30重量%以下、さらにより好ましくは20重量%以下である。
【0028】
上述の効果を達成するために、アルカリ化剤、好ましくは無機または有機アルカリ化剤の全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.1~40重量%であることが好ましく、好ましくは0.2~30重量%、より好ましくは0.5~20重量%である。
【0029】
直接染料
任意に、組成物Cは、1種以上の直接染料を含むことができる。
【0030】
好適には、1種以上の直接染料は、HCブルー18、HCレッド18、HCイエロー16、ディスパースブラック9、アシッドイエロー1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であってよい。
【0031】
好適には、直接染料の全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.01重量%以上であり、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。
【0032】
好適には、直接染料の全濃度は、組成物Cの全重量に対して5重量%以下であり、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下である。
【0033】
好適には、直接染料の全濃度は、組成物Cの全重量に対して0.01~5重量%であり、好ましくは0.05~2.5重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%である。
【0034】
組成物Cの製品形態
本発明の組成物Cは、さまざまな化粧品形態で実現することができる。
【0035】
水性組成物
使用者の利便性の観点から、本発明の組成物Cは水性組成物であることが好ましい。
【0036】
用語「水性」は、水の大部分を含む組成物Cを表し、すなわち、組成物Cは、化粧品として許容される組成物を達成するという観点から、全濃度が組成物Cの全重量に対して好ましくは50重量%以上、さらにより好ましくは60重量%以上、さらにより好ましくは70重量%以上、さらにより好ましくは80重量%以上の水を含む。
【0037】
使用者の利便性の観点から、組成物Cは、全濃度が組成物Cの全重量に対して98重量%以下、より好ましくは95重量%以下、さらにより好ましくは92重量%以下の水を含むことがさらに好ましい。
【0038】
上述の効果を達成するために、組成物C中の水の全濃度は、組成物Cのそれぞれの全重量に対して50~98重量%、より好ましくは60~95重量%、さらにより好ましくは70~92重量%、さらにより好ましくは80~92重量%であることが好ましい。
【0039】
染色性能の観点から、組成物CのpHは7以上であることが好ましく、より好ましくはpHは8以上であり、さらにより好ましくはpHは8以上であり、さらにより好ましくはpHは9以上である。
【0040】
毛髪損傷および染色性能の観点から、組成物CのpHは12以下であることが好ましく、より好ましくはpHは11.5以下であり、さらにより好ましくはpHは10.5以下である。
【0041】
上述の効果を達成するために、組成物CのpHは、7~12であることが好ましく、好ましくは8~11.5、さらにより好ましくは9~11.5、さらにより好ましくは9~10.5である。
【0042】
好ましくは、pHは、ガラス電極を用いて25℃、大気圧下で測定される。
【0043】
粉末組成物-c)群の化合物
組成物の安定性および使用利便性の観点から、組成物Cは、c)群の化合物として1種以上の粉状添加物を含むことが好ましい。
【0044】
用語「添加物」は、組成物Cの充填材料として、かつ他の化合物の分散剤として作用することができるが、染料ともアルカリ化剤とも反応せず、したがって粉末に高い貯蔵安定度を長期間にわたって付与する化合物を表す。
【0045】
本発明の組成物Cは、染料が分散されている有機および/または無機粉状添加物を含むことができる。
【0046】
好適な有機および/または無機粉状添加物は、例えば、珪藻土、カオリン、ベントナイト、デンプン、特にトウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、コムギデンプンおよびジャガイモデンプン、ナイロン粉末、モンモリロナイト、セッコウ、おがくずおよびパーライトであり、より好ましくは安定性の観点からトウモロコシデンプンである。
【0047】
好ましくは、c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉状添加物の全濃度は、直接染料の粉末中における良好な分散性および粉末の急速な溶解を達成するという観点から、組成物Cの全重量に対して10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは15重量%以上、さらにより好ましくは20重量%以上、さらにより好ましくは25重量%以上、もっとさらにより好ましくは30重量%以上、もっとより好ましくは35重量%以上である。
【0048】
好ましくは、c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉状添加物の全濃度は、染料の粉末中における良好な分散性および製剤の自由を達成するという観点から、組成物Cの全重量に対して98重量%以下、より好ましくは95重量%以下、さらにより好ましくは90重量%以下である。
【0049】
上述の効果を達成するために、c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉状添加物の全濃度は、組成物Cの全重量に対して10~98重量%であることが好ましく、より好ましくは15~95重量%、さらにより好ましくは20~90重量%、さらにより好ましくは25~90重量%、さらにより好ましくは30~90重量%、もっとより好ましくは55~90重量%である。
【0050】
安定性の観点から、組成物C中の水の全濃度は、10重量%以下であることが好ましく、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらにより好ましくは0.1重量%以下であることがさらに好ましく、さらにより好ましくは組成物Cは無水である。
【0051】
用語「無水」は、添加された水を含まない組成物を表す。しかし、これは、残留水分または結晶水などの結合水を除外しない。
【0052】
本発明の一態様において、組成物Cは、25℃および大気圧で固体組成物、好ましくは粉末組成物またはペレット組成物または錠剤組成物またはカプセル組成物、より好ましくは染毛用粉末組成物または染毛用ペレット組成物または染毛用錠剤組成物であってよく、さらにより好ましくは染毛用粉末組成物である。
【0053】
用語「粉末」は、25℃および大気圧で固体組成物を表す。この用語は、自由流動性粉末および錠剤などの圧縮粉末に関する。粉末組成物は、25℃で固体状態であるその性質が変わらない限り、水を含むこともできる。粉末のタイプに応じて、組成物Cの全重量に対して10重量%以下の含水率は、許容することができる。これは、空気由来の残留水分または諸成分に結合している結晶水の存在を除外しない。好ましくは、組成物Cは、安定性の観点から無水粉末組成物である。
【0054】
好適には、組成物Cは、無水粉末組成物であり、好ましくは染毛用無水粉末組成物である。
【0055】
d)群の化合物としての親油性化合物
組成物Cおよび/またはDは、d)群の化合物としての1種以上の親油性化合物を含むことができる。
【0056】
好ましくは、d)群の化合物は、化粧品の相溶性の観点からC12~C22脂肪アルコール、C3~C22アルコールとC12~C22脂肪酸のエステル、C8~C22脂肪酸、植物油、および/またはシリコーン、および/または炭化水素系製品、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される。
【0057】
好適なC12~C22脂肪アルコールは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびセテアリルアルコールである。
【0058】
C3~C22アルコールとC12~C22脂肪酸の好適なエステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸ミリスチルである。
【0059】
好適なC8~C22脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、およびパルミチン酸である。
【0060】
好適な植物油は、オリーブ油、アーモンド油、ヒマワリ油、およびアルガン油である。
【0061】
好適なシリコーンは、非アミノ化および/またはアミノ化シリコーンである。後者は、アモジメチコンとして一般に呼ばれている。
【0062】
安定な組成物を形成し、使用者にとって使い易いという観点から、d)群による化合物の全濃度は、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して計算して1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、さらにより好ましくは3重量%以上であることが好ましい。
【0063】
安定な組成物を形成するという観点から、d)群の化合物の全濃度は、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは15重量%以下、さらにより好ましくは12重量%以下である。
【0064】
上述の効果を達成するために、d)群の化合物の全濃度は、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して1~20重量%であることが好ましく、好ましくは2~15重量%、より好ましくは3~12重量%である。
【0065】
液体組成物
本発明の別の態様では、組成物Cは、e)群の化合物として1種以上の有機溶媒を組成物Cの全重量に対して含む、25℃および大気圧で液体組成物とすることができる。好ましくは、組成物Cは、染料安定性の観点から無水である。
【0066】
用語「液体」は、25℃および大気圧における物理的状態を表し、すなわち、組成物Cは室温で液体である。
【0067】
用語「無水」は、添加された水を含まない組成物Cを表す。これは、空気由来の残留水分または諸成分に結合している結晶水の存在を除外しない。
【0068】
本発明のこの態様では、組成物Cは、1種以上の有機溶媒を含むことができる。
【0069】
有機溶媒は、染料を溶解するように選択することができる。好ましい溶媒は、1価、2価、および3価のアルコールならびに/あるいはそれらの混合物である。
【0070】
化粧品の安全性および溶解能力の観点から好ましい1価、2価、および3価のアルコールは、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、およびグリセロール、ならびに/あるいはそれらの混合物である。
【0071】
溶液安定性の観点から、有機溶媒の全濃度は、組成物Cの全重量に対して75重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらにより好ましくは85重量%以上であることがさらに好ましい。
【0072】
染色強度の観点から、有機溶媒の全濃度は、組成物Cの全重量に対して98重量%以下、より好ましくは95重量%以下、さらにより好ましくは92重量%以下であることがさらに好ましい。
【0073】
上述の効果を達成するために、有機溶媒の全濃度は、組成物Cの全重量に対して75~98重量%、より好ましくは80~95重量%、さらにより好ましくは85~92重量%であることが好ましい。
【0074】
染毛用油
本発明の一態様において、組成物Cは染毛用油である。
【0075】
任意に、組成物Cは、25℃および大気圧でコーンプレート粘度測定法によって、好ましくはスピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計により10rpm、1分間、25℃でおよび大気条件で測定して好ましくは10,000~500,000mPa・s、より好ましくは20,000~400,000mPa・s、さらにより好ましくは30,000~250,000mPa・sの粘度を有するペースト様組成物である。
【0076】
このために、d)群の1種以上の化合物の全濃度は、組成物Cの全重量に対して90重量%以下、好ましくは50~90重量%である。
【0077】
好ましくは、ペースト様組成物Cは、染料安定性の観点から無水である。
【0078】
組成物D
組成物Dは、以下の一般構造で表される1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩を含む。
【0079】
【化4】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
1、R
2、またはR
3の少なくとも1つはHとは異なり、X-はアニオンである]。
【0080】
好ましくは、溶解度の観点から、アニオンX-は、スルフェート、ヒドロクロリド、クロリド、ヒドロブロミド、ブロミド、ニトレート、ホスフェート、ヒドロゲンホスフェート、ジヒドロゲンホスフェート、シリケート、ジシリケート、カーボネート、ビカーボネート、メトスルフェート、シトレート、スクシネート、タルトレート、ラクテート、マレート、マレエート、トシレート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、アセテート、および/またはそれらの混合物であり、好ましくはアニオンX-は、スルフェートである。
【0081】
商業的入手性の観点から、1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩は、モノおよび/またはジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタンの塩、および/またはそれらの混合物であることが好ましく、より好ましくはそれ/それらは、モノおよび/またはジエタノールアミン塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、より好ましくはそれらは、モノエタノールアミン塩である。
【0082】
洗髪堅牢度の観点から、b)群の化合物の全濃度は、組成物Aの全重量に対して0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2重量%以上、さらにより好ましくは0.5重量%以上、さらにより好ましくは0.75重量%以上である。
【0083】
化粧品の安全性の観点から、b)群の化合物の全濃度は、組成物Aの全重量に対して30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは20重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下、さらにより好ましくは5重量%以下である。
【0084】
上述の効果を達成するために、b)群の1種以上の化合物の全濃度は、組成物Aの全重量に対して0.1~30重量%であることが好ましく、好ましくは0.2~20重量%、より好ましくは0.5~10重量%、さらにより好ましくは0.75~5重量%である。
【0085】
洗髪堅牢度の観点から、組成物A中のa)群の化合物とb)群の化合物の重量比は、10~0.001が好ましく、好ましくは8~0.005、より好ましくは8~0.0075である。
【0086】
組成物Dは、g)群の化合物として過酸化水素を含む。
【0087】
染色性能の観点から、組成物D中の過酸化水素の濃度が、組成物Dの全重量に対して0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.25重量%以上、さらにより好ましくは1重量%以上である。
【0088】
製品性能および使用者の安全性の観点から、組成物D中の過酸化水素の濃度は、組成物Dの全重量に対して20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは15重量%以下、さらにより好ましくは12重量%以下である。
【0089】
上述の効果を達成するために、組成物D中の過酸化水素の濃度は、組成物Dの全重量に対して0.1~20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.25~15重量%、さらにより好ましくは1~12重量%である。
【0090】
安定性および染色性能の観点から、組成物Dは、pH1.5~5であることが好ましく、より好ましくは2~4.5を有する。
【0091】
安定性の観点から、組成物CおよびDは、ケラチン繊維への使用直前まで別個にされていることが好ましい。
【0092】
組成物CおよびDの好適な混合重量比は、1:1~1:20であり、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である。
【0093】
f)による化合物としての界面活性剤
組成物Cおよび/またはDは、組成物を安定化し、湿潤性および混合性を改善するという観点から、好ましくは非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および/または両性/双性イオン界面活性剤、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択され、より好ましくはアニオン界面活性剤および/またはそれらの塩から選択される、f)群の化合物として1種以上の界面活性剤をさらに含むことができる。
【0094】
好ましくは、アニオン界面活性剤は、エトキシ化もしくは非エトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤、アルキルスルフェート、エトキシ化および/または非エトキシ化アルキルカルボキシレート、エトキシ化もしくは非エトキシ化アミノ酸界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいはそれらの塩から選択することができる。
【0095】
好適な例として、C10~C22のアルキル鎖長および1~50のエトキシ化度を有する、アルキルスルフェートもしくは好ましくはエトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤またはそれらの混合物、および/またはそれらの塩がある。
【0096】
好適な非イオン界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシ化トリグリセリド、エトキシ化脂肪アルコール、エトキシ化脂肪酸エステル、および/またはそれらの混合物から選択することができる。
【0097】
好適なカチオン性界面活性剤は、C12~C22の炭素鎖長を有する第四級アンモニウム界面活性剤、もしくは第三級アミン基およびC12~C22の炭素鎖長を有する少なくとも1本のアルキル鎖を有する界面活性剤、例えばアルキルアミドアルキルアミン界面活性剤、および/またはそれらの塩である。好適な例として、セトリモニウムクロリドおよびベヘントリモニウムクロリドがある。
【0098】
好適な両性/双性イオン界面活性剤はベタイン型である。好適な化合物は、アルキルベタインおよび/またはアルキルアミドベタインから選択することができる。アルキルベタインから選択される好ましい化合物はラウリルベタインである。アルキルアミドベタインから選択される好ましい化合物はコカミドプロピルベタインである。本開示は、化合物の塩にも関する。
【0099】
界面活性剤に適した濃度範囲は、ケラチン繊維の湿潤性、物理的安定性、および他の組成物との混合性を向上させるという観点から、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して0.1~10重量%である。
【0100】
増粘ポリマー
化粧品の安全性の観点から、組成物Cおよび/またはDは、1種以上の増粘ポリマーを含むことがさらに好ましい。
【0101】
組成物Cおよび/またはDは、非イオン性増粘ポリマーおよび/またはアニオン性増粘ポリマー、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマーを含むことができる。
【0102】
好ましくは、増粘ポリマーは、25℃の水中1重量%のポリマー濃度で測定して、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によって決定して、組成物の全重量に対して、適切なスピンドルを用いたブルックフィールド粘度計によって、例えば10rpmで1分間、25℃で決定して、少なくとも1,000mPa・sの粘度を有する、pH7~12の水性溶液および/または水性分散体を生じるポリマーから選択される。
【0103】
好適な非イオン性増粘ポリマーは、セルロース系ポリマーである。セルロース系ポリマーの好適な例には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、およびアルキル化ヒドロキシルセルロース、例えば(C2~C8)-アルキルセルロースまたはセチルヒドロキシエチルセルロースがある。
【0104】
好適なアニオン性増粘ポリマーは、天然系アニオン性ポリマーおよび/または合成アニオン性ポリマーから選択される。
【0105】
好適には、天然アニオン性ポリマーは、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、およびデンプン系ポリマー、例えば植物デンプン、ならびに/あるいはそれらの合成修飾誘導体、例えばヒドロキシプロピルデンプンホスフェートから選択することができる。等しく好適なものは、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アラビアゴム、およびグアーガムである。
【0106】
好適な合成アニオン性ポリマーは、会合性増粘ポリマー、例えばアクリレート/ステアレス-30メタクリレートコポリマーである。
【0107】
本発明の組成物に好ましい増粘ポリマーは、それらの生分解性および低環境影響の観点から天然アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガムおよび/またはデヒドロキサンタンガムである。
【0108】
好ましくは、本発明の増粘ポリマーの全濃度は、十分な粘度を組成物にもたらすという観点から、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して0.1重量%以上であり、より好ましくは0.25重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。
【0109】
好ましくは、本発明の増粘ポリマーの全濃度は、十分な粘度を組成物にもたらすことおよび商品原価の観点から、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して15重量%以下であり、より好ましくは12重量%以上、さらにより好ましくは10重量%以下である。
【0110】
上述の効果を達成するために、本発明の組成物中の増粘ポリマーの全濃度は、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して0.1~15重量%であり、好ましくは0.25~12重量%、より好ましくは0.5~10重量%である。
【0111】
化粧品の安全性の観点から、組成物Cおよび/またはDはそれらが水性である場合、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によって、好ましくはスピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計により10rpm、1分間、25℃および大気圧で決定して1,000~25,000mPa・s、好ましくは2,000~20,000mPa・s、より好ましくは2,500~17,500mPa・sの粘度を有することが好ましい。
【0112】
染色方法
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
x)以上に定義された組成物Cを用意し、それを以上に定義された組成物Dと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
xi)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
xii)任意にケラチン繊維をすすぎ流し、任意にケラチン繊維を乾燥するステップ
を含む方法をも対象とする。
【0113】
組成物Cが酸化剤を含む場合、組成物Dは、酸化剤を含まなくてよい。
【0114】
用時調製組成物は、ステップxi)において定義されたように、ケラチン繊維に塗布され、好ましくは1~60分間放置される。十分に染色するという観点から、ステップxi)にさらに好ましい時間範囲は5~45分間であり、より好ましい範囲は10~35分間である。
【0115】
任意に、組成物Cまたは用時調製組成物をケラチン繊維上に放置している間に熱を加えてもよい。好適な温度範囲は、30~50℃である。
【0116】
好ましくは、省資源の観点から、ステップx)における組成物CおよびDの混合重量比が、1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である。
【0117】
以下の例は、本発明を例示するものであって、限定するものではない。
【実施例】
【0118】
【0119】
表1の組成物は、pH10.1±0.3であった。
【0120】
水性組成物D
重量%
モノエタノールアミンスルフェート 7.0
硫酸 0.3
過酸化水素 4.5
ヒドロキシ-4-アセトアニリド 0.015
水 100.0になるまで添加
【0121】
本発明組成物は、比較組成物と比べて良好な洗髪堅牢度を示した。
【0122】
【0123】
毛髪への塗布直前に表2の組成物CおよびDの混合物(重量比1:1)によって調製された用時調製組成物は、pH10.0±0.5であった。本発明実施例6および比較例4において、MEA HClは、モル濃度でMEAと一致する。
【0124】
本発明組成物は、比較組成物と比べて良好な染色強度および良好な洗髪堅牢度を示した。
【0125】
方法
染毛
ヤギ毛髪束(21cm、1束当たり2g)を、販売名Goldwell Topform Type 1で入手可能な市販のパーマ製品の2gで20分間パーマをかけ、すすぎ、次いで酸化組成物で10分間処置した。毛髪束をシャンプーし、乾燥した。
【0126】
表1の染色用組成物と水性組成物Bを1:1の重量比で混合して、pH9.5~10.0を有する用時調製組成物を調製した。
【0127】
2gの用時調製組成物を、パーマをかけたヤギ毛髪束に40℃で30分間塗布した。次いで、毛髪束をすすぎ流し、乾燥した。比色データは、色差計(Datacolor600)を用いてCIE表色系(L*,a*,b*)で得た。色差(ΔE)を次式によって計算した。
【0128】
【0129】
洗髪堅牢度
染色した毛髪束を、3.5重量%のラウレス硫酸ナトリウムを含む水浴に入れ、それを40℃で30分間振盪した。このステップを、洗浄5回ごとに乾燥ステップ1回で、20回繰り返した。振盪浴処置を20回行った後、毛髪束をブローして乾燥し、残っている色を以上に記載されたように測定した。20回洗浄後の毛髪と染色直後の毛髪の色差を、ΔΔEとして報告した。
【0130】
以下の例は本発明の範囲内に入る。
【0131】
本発明実施例7
組成物C
重量%
1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン 0.097
5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール 0.1
HCブルー18 0.05
HCレッド18 0.08
HCイエロー16 0.02
モノエタノールアミンスルフェート 10.0
珪藻土 100.0になるまで添加
【0132】
組成物Cと表1の実施例の水性組成物Dを1:1の重量比で混合して、pH9.5~10.0を有する用時調製組成物を調製する。
【0133】
本発明実施例8
組成物C
重量%
1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンスルフェート 0.097
5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール 0.1
HCブルー18 0.05
HCレッド18 0.08
HCイエロー16 0.02
2-アミノ-2-メチルプロパノールヒドロクロリド 10.0
1,2-プロピレングリコール 100.0になるまで添加
【0134】
組成物Cと表1の実施例の水性組成物Dを1:1の重量比で混合して、pH9.5~10.0を有する用時調製組成物を調製する。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維
の染色用製品であって、
- 組成物C、
- pH1~6を有する水性組成物D
を含み、組成物Cが、
a)1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、および/またはその塩
を含み、水性組成物Dが、
b)以下の一般構造で表される1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩
【化1】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は独立して、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C
1~C
6アルキル、または分枝状C
3~C
12アルキルもしくはアルカノールから選択され、R
1、R
2、またはR
3の少なくとも1つはHとは異なり、X-はアニオンである]と、
g)過酸化水素と
を含
み、組成物CおよびDが、ケラチン繊維への使用直前まで別個にされている、製品。
【請求項2】
組成物C中のa)群の化合物の全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.01~65重量%
である、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
組成物Cが
、5-アミノ-2-メチルフェノール、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,4,-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2-メチル-5-アミノ-6-クロルフェノール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2-ビス(2-ヒドロキシエチル)-アミノトルエン、2-アミノ-5-メチルフェノール、レソルシノール、2-メチルレソルシノール、4-クロロレソルシノール、2-アミノ-4-クロロフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、2-アミノフェノール、3-アミノ-フェノール、1-メチル-2-ヒドロキシ-4-アミノベンゼン、3-N,N-ジメチルアミノフェノール、2,6-ジヒドロキシ-3,5-ジメトキシピリジン、5-アミノ-3-メチルフェノール、6-アミノ-3-メチルフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ジアミノ-ベンゼン、1-アミノ-3-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1-アミノ-3-[ビス(2’-ヒドロキシ-エチル)アミノ]ベンゼン、α-ナフトール、4,6-ジクロロレソルシノール、1,3-ジアミノ-トルエン、4-ヒドロキシ-1,2-メチレンジオキシベンゼン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1-ヒドロキシ-2-メチルナフタレン、4-ヒドロキシ-1,2-メチルジオキシベンゼン、2,4-ジアミノ-3-クロロフェノール、5-アミノ-2-メトキシフェノールおよび/または1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-5-ピリミジノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノ-フェノキシ)-プロパン、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物
から選択される、a)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラーを含む、請求項1または2に記載の製品。
【請求項4】
組成物C中のa)群と異なる1種以上の酸化染料前駆体または酸化染料カプラーの全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.01~30重量%
である、請求項1または2に記載の製品。
【請求項5】
組成物Cが、1種以上の無機または有機アルカリ化剤
、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項1または2に記載の製品。
【請求項6】
組成物Cが、1種以上のメタシリケート、ジシリケート、カーボネート、ビカーボネート、および/またはホスフェート、および/またはそれらの金属塩、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属塩
、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
組成物Cが、1種以上のメタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムおよび/またはリン酸三カリウム、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項8】
組成物Cが
、ジエタノールアミン、モノエタノールメチルアミン、モノエタノールジメチルアミン、ジエタノールメチルアミン、モノエタノールエチルアミン、モノエタノールジエチルアミン、ジエタノールエチルアミン、モノエタノールプロピルアミン、モノエタノールジプロピルアミン、ジエタノールプロピルアミン、モノエタノールブチルアミン、ジエタノールブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、および/またはそれらの混合物から選択される1種以上のアルキルおよび/またはアルカノールアミン
を含む、請求項5または6に記載の製品。
【請求項9】
組成物Cが、モノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、および/またはそれらの混合物から選択される1種以上のアルキルおよび/またはアルカノールアミンを含む、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
組成物C中のアルカリ化剤の全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.1~65重量%
である、請求項5に記載の製品。
【請求項11】
組成物Cが、HCブルー18、HCレッド18、HCイエロー16、ディスパースブラック9、アシッドイエロー1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物
から選択される1種以上の直接染料を含む、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項12】
組成物C中の直接染料の全濃度が、組成物Cの全重量に対して0.01~20重量%
である、請求項
11に記載の製品。
【請求項13】
組成物Cが、c)群の化合物とし
て珪藻土、カオリン、ベントナイト、デンプン
、タピオカ、コメ、コムギ
、ジャガイモ、ナイロン粉末、モンモリロナイト、セッコウ、おがくずおよびパーライト
から選択される1種以上の粉状添加物を含む、請求項1または2に記載の製品。
【請求項14】
組成物Cが、c)群の化合物としての1種以上の粉状添加物としてトウモロコシデンプンを含む、請求項1または2に記載の製品。
【請求項15】
組成物C中のc)群の化合物の全濃度
が、組成物Cの全重量に対して10~98重量%
である、請求項
13または14に記載の製品。
【請求項16】
組成物Cが、25℃および大気圧で固体組成物
である、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項17】
組成物Cが、染毛用粉末組成物である、請求項1または2に記載の製品。
【請求項18】
組成物Dの1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩が、モノおよび/またはジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物である、請求項1または2に記載の製品。
【請求項19】
組成物Dの1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩が、モノおよび/またはジエタノールアミン塩、ならびに/あるいはそれらの混合物である、請求項1または2に記載の製品。
【請求項20】
組成物Dの1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩が、モノエタノールアミン塩である、請求項1または2に記載の製品。
【請求項21】
組成物D中のb)群の1種以上の化合物の全濃度が、組成物Dの全重量に対して0.1~30重量%
である、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項22】
組成物Cおよび/または組成物Dが、d)群の化合物として
、C
12~C
22脂肪アルコール、C
3~C
22アルコールとC
12~C
22脂肪酸のエステル、C
8~C
22脂肪酸、植物油、および/またはシリコーン、および/または炭化水素系製品、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の親油性化合物を含む、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項23】
d)群による化合物として1種以上のC
12~C
22脂肪アルコールが、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびセテアリルアルコールであり、d)群の化合物としてC
3~C
22アルコールとC
12~C
22脂肪酸の1種以上のエステルが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸ミリスチルであり、d)群の化合物として1種以上のC
8~C
22脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、およびパルミチン酸であり、d)群の化合物として1種以上の植物油が、オリーブ油、アーモンド油、ヒマワリ油、およびアルガン油であり、d)群の化合物として1種以上のシリコーンが、非アミノ化および/またはアミノ化シリコーン、ならびに/あるいはそれらの混合物である、請求項22に記載の製品。
【請求項24】
組成物Cおよび/またはD中のd)群の化合物群の全濃度が、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して1~20重量%である、請求項
22または
23に記載の製品。
【請求項25】
組成物Cが染毛用油である、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項26】
組成物Cが
、25℃および大気圧でコーンプレート粘度測定法によって測定して10,000~500,000mPa・s
のペースト様粘度を有する、請求項
25に記載の製品。
【請求項27】
組成物C中のd)群の1種以上の化合物の全濃度が、組成物Cの全重量に対して50~90重量%
である、請求項
21に記載の製品。
【請求項28】
組成物Cおよび/またはDが
、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および/または両性/双性イオン界面活性剤、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される、f)群の化合物として1種以上の界面活性剤を含む、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項29】
f)群の1種以上の化合物が
、エトキシ化もしくは非エトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤、アルキルスルフェート、エトキシ化および/または非エトキシ化アルキルカルボキシレート、エトキシ化もしくは非エトキシ化アミノ酸界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいはそれらの塩から選択され、C
10~C
22のアルキル鎖長および1~50のエトキシ化度を有する1種または複数のアルキルスルフェート、またはエトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤あるいはそれらの混合物ならびに/あるいはそれらの塩から選択される、1種以上のアニオン界面活性剤
である、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
組成物Cおよび/またはD中の界面活性剤の全濃度が、組成物Cおよび/またはDのそれぞれの全重量に対して0.1~10重量%である、請求項
28に記載の製品。
【請求項31】
組成物Cおよび/またはDが、1種以上の増粘ポリマー
を含む、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項32】
組成物Cおよび/またはDが、非イオン性増粘ポリマー
および/またはアニオン性増粘ポリマー、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマーを含む、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項33】
1種以上の増粘ポリマーが
、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、およびアルキル化ヒドロキシルセルロース、例えば(C
2~C
8)-アルキルセルロースまたはセチルヒドロキシエチルセルロースから選択される非イオン性増粘ポリマーであり、1種以上の増粘ポリマーが、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースおよびデンプン系ポリマー、例えば植物デンプンおよび/またはそれらの合成修飾誘導体、例えばヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アラビアゴム、およびグアーガムから選択されるアニオン性増粘ポリマー
であり、ならびに/あるいは1種以上の増粘ポリマーが、会合性増粘ポリマー、例えばアクリレート/ステアレス-30メタクリレートコポリマーである、請求項
32に記載の製品。
【請求項34】
1種以上の増粘ポリマーが、キサンタンガムおよび/またはデヒドロキサンタンガムから選択される天然アニオン性ポリマーである、請求項32または33に記載の製品。
【請求項35】
組成物Cおよび/またはD中の増粘ポリマーの全濃度が、組成物Cおよび/またはDの全重量に対して0.1~15重量%
である、請求項
32に記載の製品。
【請求項36】
組成物Dが、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によっ
てスピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計により10rpm、1分間、25℃および大気圧で決定して1,000~25,000mPa・s
の粘度を有する、請求項
32に記載の製品。
【請求項37】
組成物Dが
、pH2~4.5を有する、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項38】
組成物D中の過酸化水素の全濃度が、組成物Dの全重量に対して0.1~20重量%
である、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項39】
組成物CおよびDの混合重量比が、1:1~1:20
である、請求項1
または2に記載の製品。
【請求項40】
組成物CおよびDの混合重量比が、1:5~1:10である、請求項1または2に記載の製品。
【請求項41】
ケラチン繊維
を染色する方法であって、
x)請求項1
または2に記載の組成物Cを用意し、それを請求項1
または2に記載の組成物Dと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
xi)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
xii)任意にケラチン繊維をすすぎ流し、任意にケラチン繊維を乾燥するステップ
を含む方法。
【請求項42】
用時調製組成物が、ステップii)に記載のように、ケラチン繊維に塗布され
、1~60分間放置される、請求項
41に記載の方法。
【請求項43】
用時調製組成物をケラチン繊維上に放置している間に熱を
、30℃~50℃の温度範囲で加える、請求項
41または
42に記載の方法。
【請求項44】
ステップx)における組成物CおよびDの混合重量比が、1:1~1:20
である、請求項
41または42に記載の方法。
【請求項45】
ステップx)における組成物CおよびDの混合重量比が、1:5~1:10である、請求項41または42に記載の方法。
【国際調査報告】