(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】屋内測位可能システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20240905BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517017
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2022075336
(87)【国際公開番号】W WO2023041498
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202141042119
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルベルクト マルク ヘンリクス
(72)【発明者】
【氏名】デ ラート ユレス マリヌス アドリアヌス ヘラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】バンダッカ マーシ ナジャッパ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン クラネンブルーク ヨハンネス アントニウス ヴィルヘルムス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ メン
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC15
(57)【要約】
本明細書で述べられるシステム及び方法は、屋内測位システム及び高精度屋内測位を行う方法に関する。より具体的には、測位プラットフォームを動作させるモバイルデバイスの位置を高精度に決定するために、バックエンドデバイスによって生成される屋内測位データセット及びコード化ロケーション識別子を利用する、バックエンドデバイスに通信可能に結合される測位プラットフォームを含む、屋内測位システムが提供される。ある実施形態において、屋内測位システムは、モバイルデバイスのロケーションを決定する際に使用するためのロケーション識別子を発する、1つ以上の建物にわたって分布する複数のジオロケーションビーコンを含むことができる。また、互いに近くに位置する複数の測位可能な建物を有する環境内でモバイル電子デバイスの屋内位置を検出する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内のモバイル電子デバイスの位置データを決定する方法であって、当該方法は、
バックエンドデバイスにおいて、前記モバイル電子デバイスの測位プラットフォームからのべニュー情報を含む通信を受けることであって、前記べニュー情報は、前記モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報、サーチ半径、及びカスタマライセンスストリングを含む、ことと、
前記バックエンドデバイスを介して、前記通信において受ける前記カスタマライセンスストリングに基づいてカスタマアイデンティティを検証することと、
前記バックエンドデバイスを介して、前記カスタマアイデンティティに関連する及び前記通信において前記モバイル電子デバイスの前記測位プラットフォームから受ける前記べニュー情報に基づく1つ以上の建物データセットを特定することであって、前記1つ以上の建物データセットは、前記建物に対応する建物データセットを少なくとも含む、ことと、
前記バックエンドデバイスを介して、前記1つ以上の特定された建物データセットに基づいて屋内測位データセットを生成することと、
前記バックエンドデバイスを介して、前記屋内測位データセットを前記モバイル電子デバイスの前記測位プラットフォームに送ることと、
を含み、
前記モバイル電子デバイスの屋内位置が、前記バックエンドデバイスから受ける前記屋内測位データセットを使用して決定される、方法。
【請求項2】
前記べニュー情報は、前記建物内に位置付けられる1つ以上のビーコンデバイスから前記モバイル電子デバイスで受ける1つ以上のローカルロケーション識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モバイル電子デバイスの屋内位置は、1メートル以下の精度で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
当該方法は、
前記モバイル電子デバイスを介して、前記モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報を取得することと、
前記モバイル電子デバイスを介して、前記建物内に位置付けられる1つ以上のビーコンデバイスからの1つ以上のローカルロケーション識別子を受けることと、
前記モバイル電子デバイスの前記測位プラットフォームから、通信ネットワークを介して前記バックエンドデバイスに前記通信を送ることと、
前記モバイル電子デバイスにおいて、前記通信ネットワークを介して前記バックエンドデバイスから前記屋内測位データセットを受けることと、
前記モバイル電子デバイスの前記測位プラットフォームを介して、前記受けた屋内測位データセットに基づいて前記モバイル電子デバイスの屋内位置を決定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記屋内測位データセットを生成することは、前記屋内測位データセットを形成するために2つ以上の建物データセットをスーパー建物データセットにマージすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記2つ以上の建物データセットをスーパー建物データセットにマージすることは、
前記べニュー情報に基づいて2つ以上の建物データセットを特定することであって、該2つ以上の建物データセットの各々は、複数のビーコンデバイスのレコードを含み、各レコードは、単一の建物内の、該複数のビーコンデバイス各々の記憶されたローカルロケーション識別子と、該ビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、ことと、
前記スーパー建物データセットが複数のビーコンデバイスのマージされたレコードを含むように前記スーパー建物データセットを生成することであって、前記マージされたレコードは、当該2つ以上の建物のすべて内の、該複数のビーコンデバイス各々の記憶されたローカルロケーション識別子と、該ビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、ことと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
バックエンドデバイスと、関連するモバイル電子デバイスの測位プラットフォームとを含む、屋内測位システムであって、前記モバイル電子デバイスは、前記バックエンドデバイスに通信可能に結合され、
前記バックエンドデバイスは、プロセッサと、メモリと、前記バックエンドデバイスの前記プロセッサによって実行された場合、
前記モバイル電子デバイスからのべニュー情報を含む通信を受けること、
前記通信において受けるカスタマライセンスストリングに基づいてカスタマアイデンティティを検証すること、
前記カスタマアイデンティティに関連する及び前記受けた通信の前記べニュー情報に基づく1つ以上の建物データセットを特定すること、
前記1つ以上の特定された建物データセットに基づいて屋内測位データセットを生成すること、及び
前記屋内測位データセットを前記モバイル電子デバイスに送ること、
のうちの1つ以上を行う、該メモリに記憶される命令とを含み、
前記測位プラットフォームは、メモリと、前記関連するモバイル電子デバイスのプロセッサによって実行された場合、
前記モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報を取得すること、
1つ以上のビーコンデバイスからの1つ以上のローカルロケーション識別子を受けること、
前記測位プラットフォームの前記メモリに前記1つ以上のローカルロケーション識別子のレコードを記憶すること、
前記バックエンドデバイスにべニュー情報を含む通信を送ること、
該通信を送ることに応答する前記バックエンドデバイスから屋内測位データセットを受けること、及び
前記1つ以上の受けたローカルロケーション識別子及び前記受けた屋内測位データセットに基づいて前記モバイル電子デバイスの屋内位置を決定すること、
のうちの1つ以上を行う、該メモリに記憶される命令とを含む、屋内測位システム。
【請求項8】
前記べニュー情報は、前記モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報、サーチ半径、及びカスタマライセンスストリングを含む、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項9】
前記べニュー情報は、1つ以上のビーコンデバイスから受ける1つ以上のローカルロケーション識別子のレコードを含む、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項10】
1つ以上のローカルロケーション識別子のレコードは、少なくとも2つのビーコンデバイスから受ける少なくとも2つのローカルロケーション識別子を含む、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項11】
前記1つ以上のローカルロケーション識別子の各々は、可視コード化光識別子及びBluetooth識別子のうちの少なくとも一方である、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項12】
当該屋内測位システムは、複数のビーコンデバイスを含み、各ビーコンデバイスは、該ビーコンデバイスに関連するローカルロケーション識別子を発するドライバを含む、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項13】
前記べニュー情報に基づいて特定される建物データセットの各々は、単一の建物内の、複数のビーコンデバイスのレコードと、該複数のビーコンデバイス各々に関連するローカルロケーション識別子と、該複数のビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項14】
前記バックエンドデバイスによって生成される前記屋内測位データセットは、スーパー建物データセットにマージされる前記1つ以上の特定された建物データセットを含む、請求項7に記載の屋内測位システム。
【請求項15】
前記バックエンドデバイスは、前記バックエンドデバイスの前記プロセッサによって実行された場合、
前記べニュー情報に基づいて2つ以上の建物データセットを特定することであって、特定された建物データセットの各々は、単一の建物内の、複数のビーコンデバイスのレコードと、該複数のビーコンデバイス各々に関連するローカルロケーション識別子と、該複数のビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、ことと、
前記スーパー建物データセットが複数のビーコンデバイスのマージされたレコードを含むように前記スーパー建物データセットを生成することと、
を行う、前記バックエンドデバイスの前記メモリに記憶される命令を含む、請求項14に記載の屋内測位システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、屋内測位システム及び方法に向けられ、具体的には、複数の構造物が互いに近くに位置する(located closely together)エリアにおける1つ以上のデバイスの位置データを検出するための屋内測位可能システム及び方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
様々な環境において、建物の内部等、構造物内のデバイス又はそのユーザの位置を検出及び追跡できることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、屋内測位システムは、モバイルデバイスでは計算が重くなり得、これは、エンドユーザの体験に悪影響を与える可能性がある。このような屋内測位システムは、とりわけ、精度の低さ及びエンドユーザ体験の問題に悩まされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、ターゲット建物内のモバイル電子デバイスの屋内位置を決定する方法が提供される。方法は、バックエンドデバイスにおいて、モバイル電子デバイスの測位プラットフォーム(positioning platform)からのべニュー情報(venue information)を含むべニュー通信(venue communication)を受けることであって、べニュー情報は、モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報(coarse location information)、サーチ半径(search radius)、及びカスタマライセンスストリング(customer license string)を含む、ことと、バックエンドデバイスを介して、べニュー通信において受けるカスタマライセンスストリングに基づいてカスタマアイデンティティを検証することと、バックエンドデバイスを介して、べニュー通信においてモバイル電子デバイスの測位プラットフォームから受けるべニュー情報に基づいて1つ以上の建物データセットを特定することであって、1つ以上の建物データセットは、ターゲット建物に対応する建物データセットを少なくとも含む、ことと、バックエンドデバイスを介して、1つ以上の特定された建物データセットに基づいて屋内測位データセットを生成することと、バックエンドデバイスを介して、屋内測位データセットをモバイル電子デバイスの測位プラットフォームに送ることとを含む。特定の態様において、モバイル電子デバイスの屋内位置は、バックエンドデバイスから受ける屋内測位データセットを使用して決定される。
【0005】
一態様において、べニュー情報はさらに、ターゲット建物内に位置付けられる1つ以上のビーコンデバイスからモバイル電子デバイスで受ける1つ以上のローカルロケーション識別子(local location identifier)を含んでもよい。
【0006】
一態様において、モバイル電子デバイスの屋内位置は、約30センチメートル以下の精度で決定されてもよい。
【0007】
一態様において、方法はさらに、モバイル電子デバイスを介して、モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報を取得することと、モバイル電子デバイスを介して、ターゲット建物内に位置付けられる1つ以上のビーコンデバイスからの1つ以上のローカルロケーション識別子を受けることと、モバイルデバイスの測位プラットフォームから、通信ネットワークを介してバックエンドデバイスにべニュー通信を送ることと、モバイル電子デバイスにおいて、通信ネットワークを介してバックエンドデバイスから屋内測位データセットを受けることと、モバイル電子デバイスの測位プラットフォームを介して、受けた屋内測位データセットに基づいてモバイルデバイスの屋内位置を決定することとを含んでもよい。
【0008】
一態様において、屋内測位データセットを生成することは、屋内測位データセットを形成するために2つ以上の建物データセットをスーパー建物データセット(super building dataset)にマージすることを含んでもよい。
【0009】
一態様において、2つ以上の建物データセットをスーパー建物データセットにマージすることは、べニュー情報に基づいて2つ以上の建物データセットを特定することであって、2つ以上の建物データセットの各々は、複数のビーコンデバイスのレコードを含み、各レコードは、単一の建物内の、複数のビーコンデバイス各々の記憶されたローカルロケーション識別子と、ビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、ことと、スーパー建物データセットが複数のビーコンデバイスのマージされたレコード(merged record)を含むようにスーパー建物データセットを生成することであって、マージされたレコードは、2つ以上の建物のすべて内の、複数のビーコンデバイス各々の記憶されたローカルロケーション識別子と、ビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、こととを含んでもよい。
【0010】
本開示の別の実施形態によれば、屋内測位システムが提供される。屋内測位システムは、バックエンドデバイスと、関連するモバイル電子デバイス(associated mobile electronic device)の測位プラットフォームとを含み、モバイル電子デバイスは、バックエンドデバイスに通信可能に結合されてもよい。特定の態様において、バックエンドデバイスは、プロセッサと、メモリと、バックエンドデバイスのプロセッサによって実行された場合、モバイル電子デバイスからのべニュー情報を含むべニュー通信を受けること、べニュー通信において受けるカスタマライセンスストリングに基づいてカスタマアイデンティティを検証すること、受けたべニュー通信のべニュー情報に基づいて1つ以上の建物データセットを特定すること、1つ以上の特定された建物データセットに基づいて屋内測位データセットを生成すること、及び、屋内測位データセットをモバイル電子デバイスに送ることのうちの1つ以上を行うことができる、メモリに記憶される命令とを含んでもよい。さらなる態様において、測位プラットフォームは、メモリと、関連するモバイル電子デバイスのプロセッサによって実行された場合、モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報を取得すること、1つ以上のビーコンデバイスからの1つ以上のローカルロケーション識別子を受けること、測位プラットフォームのメモリに1つ以上のローカルロケーション識別子のレコードを記憶すること、バックエンドデバイスにべニュー情報を含むべニュー通信を送ること、べニュー通信を送ることに応答するバックエンドデバイスから屋内測位データセットを受けること、及び、1つ以上の受けたローカルロケーション識別子及び受けた屋内測位データセットに基づいてモバイル電子デバイスの屋内位置を決定することのうちの1つ以上を行うことができる、メモリに記憶される命令とを含んでもよい。
【0011】
一態様において、べニュー情報は、モバイル電子デバイスの粗ロケーション情報、サーチ半径、及びカスタマライセンスストリングを含んでもよい。
【0012】
一態様において、べニュー情報はさらに、1つ以上のビーコンデバイスから受ける1つ以上のローカルロケーション識別子のレコードを含んでもよい。
【0013】
一態様において、1つ以上のローカルロケーション識別子のレコードは、少なくとも2つのビーコンデバイスから受ける少なくとも2つのローカルロケーション識別子を含んでもよい。
【0014】
一態様において、1つ以上のローカルロケーション識別子の各々は、可視コード化光(visible coded light)(VCL)識別子及びBluetooth(登録商標)(BLE)識別子のうちの少なくとも一方であってもよい。
【0015】
一態様において、システムはさらに、複数のビーコンデバイスを含んでもよく、各ビーコンデバイスは、ビーコンデバイスに関連するローカルロケーション識別子を発するドライバを含んでもよい。
【0016】
一態様において、べニュー情報に基づいて特定される建物データセットの各々は、単一の建物内の、複数のビーコンデバイスのレコードと、複数のビーコンデバイス各々に関連するローカルロケーション識別子と、複数のビーコンデバイス各々のロケーションとを含んでもよい。
【0017】
一態様において、バックエンドデバイスによって生成される屋内測位データセットは、スーパー建物データセットにマージされる1つ以上の特定された建物データセットを含んでもよい。
【0018】
一態様において、バックエンドデバイスはさらに、バックエンドデバイスのプロセッサによって実行された場合、べニュー情報に基づいて2つ以上の建物データセットを特定することであって、特定された建物データセットの各々は、単一の建物内の、複数のビーコンデバイスのレコードと、複数のビーコンデバイス各々に関連するローカルロケーション識別子と、複数のビーコンデバイス各々のロケーションとを含む、ことと、スーパー建物データセットが複数のビーコンデバイスのマージされたレコードを含むようにスーパー建物データセットを生成することとを行うことができる、バックエンドデバイスのメモリに記憶される命令を含んでもよい。
【0019】
様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる(1つ以上の)実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般的に、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
【
図1】本開示のある態様による建物のロケーションからのデバイスの距離に基づく建物の選択の図である。
【
図2】本開示のある態様による屋内測位システム及び複数の建物を有する密集した地理的領域の図である。
【
図3】本開示のある態様による屋内測位システムを示す図である。
【
図4】本開示による屋内測位システムで使用される照明器具の概略ブロック図である。
【
図5】本開示の一実装例によるコンピューティング環境のブロック図である。
【
図6】本開示によるモバイルデバイスの屋内位置を検出及び追跡する方法を示すフローチャートである。
【
図7】本開示によるモバイルデバイスの屋内位置を検出及び追跡する方法のさらなる態様を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の主題は、デバイスロケーションを検出するための測位システムを可能にすることに向けられている。屋内測位可能システム(indoor positioning enabled system)において、測位ソフトウェア(例えば、IPS SDK)を走らせるモバイルデバイスは、可視光通信(VLC:visual light communication)、Bluetooth(登録商標)等の様々な技術を使用して高いロケーション精度でデバイスロケーションを検出することができる。
【0022】
さらに、本開示は、モバイルデバイスのネイティブなロケーションケイパビリティに基づく複数の潜在的な建物又はサイトが互いに近くに間隔をあけられている(closely spaced together)(すなわち、
図1に示され、上述されるように、モバイルデバイスが異なる建物内に誤って位置決めされる可能性がある)地理的ロケーションにおける屋内測位システム並びに屋内測位及びナビゲーションの方法を提供する。例えば、屋内測位システムが、互いに近い(close together)複数の建物を有する地理的なサイト内でユーザを検出する場合、正しい建物を特定することが問題となり、結果として屋内測位を失敗させる又は誤らせ、また、建物の切り替え(building switching)の問題も生じる可能性がある。例えば、
図1に示されるように、第1の建物102、第1の建物102の中心104、第2の建物112、第2の建物112の中心114、及び第2の建物112に位置するデバイス120を描いた
図100が提供される。デバイス120と第2の建物112の中心114との間の距離d1は、デバイス120と第1の建物102の中心との間の距離d2よりも大きい。その結果、従来の屋内測位システムは、デバイス120が第2の建物112ではなく第1の建物102の内部にあると誤認し、第1の建物102の屋内測位情報を誤って返す可能性がある。
【0023】
図2に目を向けると、互いに近くに間隔をあけられている複数の建物を有する別の地理的ロケーション200が図示されている。図示されるように、ロケーション200は、第1の多層階建物202、第2の多層階建物204、及び第3の多層階建物206等、1つ以上の建物を含む。各建物202、204、206は、それぞれ複数のジオロケーションビーコン(geolocation beacon)208、210、212を含むことができ、これらは、地理的ロケーション200の建物202、204、206のうちの1つ以上内のモバイルデバイス120のロケーションを(例えば、ナビゲーションのために)検出するための屋内測位システムの一部として使用されることができる。複数のジオロケーションビーコン208、210、212は、様々な構成及び配置で地理的ロケーション200内の建物202、204、206の各々の複数のフロア214A、214B、214C等に分布及び/又は設置され得ることが理解されるであろう。例えば、複数のジオロケーションビーコン208、210、212は、建物202、204、206内の各フロア214A、214B、214Cに分布/設置されることができ、又は建物202、204、206の選択されたフロア214A、214B、214C及び/若しくは選択部分のみに分布/設置されることができる。
【0024】
モバイルデバイス120(例えば、モバイル電子デバイス)は、モバイル電子デバイスとして例示目的で
図3に図示されている。しかしながら、モバイルデバイス120は、様々な異なるタイプのコンピューティングシステム及び/又は測位システムを含み得ることを理解されたい。ある実施形態において、モバイルデバイス120は、コンピューティングシステム(例えば、コンピューティングシステム514)、スマートフォン、他の携帯電話、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、ウェアラブルコンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータを含むことができ、及び/又は、限定されるものではないが位置データ等、データを通信、送信及び/又は受信することができる他の形態のコンピューティングデバイスが実装されることができる。
【0025】
図3を参照すると、間隔が近い建物202、204、206を有する地理的ロケーションで使用するための屋内測位システム300を示す概略図が提供される。図示されるように、屋内測位システム300は、第2の建物204に関連する複数のジオロケーションビーコン210と、第3の建物206に関連する複数のジオロケーションビーコン212とを含む。屋内測位システム300はさらに、測位プラットフォーム326を走らせる(例えば、実行する(execute))ように構成されるモバイル電子デバイス120と、リモート(すなわち、建物204、206内に位置しない)バックエンドデバイス308を含む。ある実施形態において、屋内測位システム300はまた、現場に(例えば、屋内測位可能な建物(indoor positioning enabled building)202、204、206の各々内に)位置する1つ以上のローカルバックエンドデバイス302A、302Bを含むことができ、これらは、単独で、又はバックエンドデバイス308と組み合わせて動作することができる。ある実施形態において、モバイルデバイス120は、例えば、有線ネットワーク(例えば、Ethernet(登録商標))及び/又はWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、若しくはセルラーデータネットワーク規格(例えば、3G、4G、5G、60GHz、LTE等)等の様々なRFデータ通信規格を実装するワイヤレスネットワークを含む、通信ネットワーク306を介してリモートバックエンドデバイス308及び/又はローカルバックエンドデバイス302A、302Bに動作可能に接続(例えば、通信可能に結合)されることができる。モバイルデバイス120は、限定されるものではないが、ロケーション識別子、べニュー通信、建物データセット、測位データ、屋内測位データ、及び/又はマージされた建物データセットを含む、データを送信及び受信するために通信ネットワーク306を介してリモートバックエンドデバイス308及び/又はローカルバックエンドデバイス302A、302Bと通信可能に結合されることができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、モバイル電子デバイス120上で実行されて、位置データを送信及び/又は位置データを受信するために1つ以上のローカルバックエンドデバイス302A、302B、及び/又は1つ以上のリモートバックエンドデバイスと通信することができる。位置データは、限定されるものではないが、1つ以上の建物204、206、208に関連する位置及び地理的ロケーションデータ、並びに/又は1つ以上の建物204、206、208内の若しくは建物204、206、208に対するモバイル電子デバイス120の位置を含むことができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、位置データを送信及び/又は位置データを受信するために1つ以上のローカルバックエンドデバイス302A、302B、及び/又は1つ以上のリモートバックエンドデバイスと通信するためのプロセッサ及び/又は処理ユニット(例えば、処理ユニット518)を含むことができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、モバイルデバイス120のプロセッサによって実行された場合、モバイルデバイス120に本明細書で述べられる方法600及び700を実行させる命令を含むことができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、測位プラットフォーム326のプロセッサによって実行された場合、測位プラットフォーム326に本明細書で述べられる方法600及び700を実行させる命令を含むことができる。
【0026】
図2及び
図3に示されるように、屋内測位可能な建物202、204、206の各々は、複数のジオロケーションビーコン208、210、212を含むことができる。ある実施形態において、これらのジオロケーションビーコンの各々は、ビーコンデバイスの一部として提供されることができる。特定の実施形態では、ビーコンデバイスの1つ以上は照明器具であることができ、屋内測位システム300は、ジオロケーションビーコンを発するように構成される複数の照明器具208、210、212を含む。
【0027】
図4を参照すると、例示的な照明器具212の概略ブロック図が示されている。照明器具212は、1つ以上のランプ404(例えば、発光ダイオード(LED)、ライトフィクスチャ、照明デバイス)及びハウジング402内に位置するドライバ408を含む。照明器具212は、外部電源407に接続されることができ、及び/又は照明器具212の1つ以上の構成要素(例えば、ドライバ408)に給電する内部電源406を含むことができる。ドライバ408は、1つ以上のプロセッサ410、メモリ412、トランシーバ/レシーバ418、入力/出力インターフェース416、及びドライバ408の各構成要素を互いに接続するシステムバス414を含むことができる。トランシーバ/レシーバ構成要素418は、それぞれの照明器具212の範囲内のデバイスと通信(例えば、データを送信、データを受信)するように構成されることができる。例えば、トランシーバ/レシーバ構成要素418は、それぞれの照明器具212の(例えば、通信ネットワーク306の特性に部分的に基づく)通信範囲内の1つ以上のモバイル電子デバイス120と通信(例えば、データを送信、データを受信)するように構成されることができる。トランシーバ/レシーバ構成要素418は、ローカルロケーション識別子を発するように構成されることができる。ある実施形態において、ローカルロケーション識別子は、可視光通信(VLC:visible light communication)等のコード化光信号の形態で発せられることができる。他の実施形態では、ローカルロケーション識別子は、Bluetooth(登録商標)を使用して(すなわち、Bluetooth識別子、Bluetooth Low Energy識別子等の形態で)、及び/又はモバイルデバイス識別子を送信することができる他のワイヤレス通信プロトコルを使用して発せられることができる。
【0028】
ある実施形態において、ドライバ408は、製造時にプログラムされる又は後で(例えば、照明器具212の設置時に)プログラムされることができる特定のローカルロケーション識別子を発するようにプログラムされることができる。特定の実施形態において、ローカルロケーション識別子は、16ビットストリング(又は整数)であることができる。このような実施形態において、ローカルロケーション識別子は、特定の屋内測位可能な建物(例えば、建物202、204、206)に固有であってもよく、又は固有でなくてもよい。
【0029】
図5に目を向けると、本明細書で述べられる様々なオペレーションは、1つ以上のコンピュータシステム514を使用して実施されることができる。一部の実施形態において、本明細書で述べられる屋内測位システム(例えば、屋内測位システム300、モバイルデバイス120、バックエンドデバイス308、(複数の)ローカルバックエンドデバイス302A、302B)は、コンピューティングシステム514によって実装されることができる。コンピューティングシステム514は、例えば、1つ以上のサーバ、クラウドコンピューティングデバイス、バックエンドサーバ、モバイルデバイス、スマートフォン、他の携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータとして実装されることができ、及び/又は分散コンピューティングデバイスが実装されることができる。コンピューティングシステム514は、例えば、環境、建物、又は他の形態の空間若しくは構造物内の1つ以上のデバイスのロケーションを決定するための、屋内測位システムを提供又は可能にするように実装されることができる。一部の実施形態において、コンピューティングシステム514は、プロセッサ516、ストレージデバイス518、通信インターフェース520、ユーザ入力デバイス522、及びユーザ出力デバイス524等のコンピュータ構成要素を含むことができる。
【0030】
ある実施形態において、通信インターフェース520は、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)への接続を提供することができ、ワイドエリアネットワークには、(バックエンドサーバ308等)リモートサーバシステムのWANインターフェースも接続されることができる。ネットワークインターフェース520は、有線インターフェース(例えば、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、若しくはセルラーデータネットワーク規格(例えば、3G、4G、5G、60GHz、LTE等)等の様々なRFデータ通信規格を実施するワイヤレスインターフェース、及び/又はVLCデータ通信を実装するワイヤレスインターフェースを含むことができる。
【0031】
ユーザ入力デバイス522は、ユーザが信号又はコマンドをコンピューティングシステム514に提供することができる任意の(複数の)デバイスを含むことができる。コンピューティングシステム514は、プロセッサ516を介して、これらの信号及びコマンドを、特定のユーザ要求又は情報(例えば、測位データ、ロケーションデータ等)を示すものと解することができる。ユーザ入力デバイス522は、キーボード、タッチパッド、タッチスクリーン、マウス又は他のポインティングデバイス、スクロールホイール、クリックホイール、ダイアル、ボタン、スイッチ、キーパッド、マイクロホン、カメラ(例えば、超広角、広角望遠、潜望鏡、モノクロ、マクロ、飛行時間型等)、他のセンサ(例えば、モーションセンサ、視線追跡センサ等)等のうちの1つ以上を含むことができる。とりわけ、ユーザ入力デバイス522は、VLC信号等の信号を受信するカメラを含むことができる。
【0032】
ユーザ出力デバイス524は、コンピューティングシステム514が情報(例えば、測位データ、ロケーションデータ等)、要求、及び/又は通知をユーザに提供することができる任意のデバイスを含むことができる。例えば、ユーザ出力デバイス524は、コンピューティングシステム514によって生成される又はコンピューティングシステム514に供給される画像を表示するディスプレイを含むことができる。ディスプレイは、サポート用電子機器(例えば、デジタル-アナログコンバータ又はアナログ-デジタルコンバータ、信号プロセッサ等)とともに、様々な画像生成技術、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)を含む発光ダイオード(LED)、投影システム、陰極線管(CRT)等を組み込むことができる。入出力両用デバイスとして機能するタッチスクリーン等のデバイスも使用されることができる。出力デバイス524は、ディスプレイに加えて又はディスプレイの代わりに提供されることができる。例としては、インジケータライト、スピーカ、触覚「ディスプレイ」デバイス、プリンタ等がある。
【0033】
特定の実施形態において、コンピューティングシステム514(例えば、屋内測位システム300)は、(複数の)処理ユニット516によって実行された場合、本明細書で述べられる方法600及び/又は方法700の1つ以上のステップを実行する命令を含む測位プラットフォーム326を含むことができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、コンピューティングシステム514上で実行されて、限定されるものではないが、位置データ、地理的ロケーションデータ、ローカルロケーション識別子、ビーコン識別子、VCL識別子、BLE識別子、粗ロケーション情報、べニュー情報、屋内測位データセット、建物データセット、スーパー建物データセット、及び/又はカスタマライセンスストリングを含む、データを受信及び送信するために1つ以上のローカルバックエンドデバイス302A、302B、及び/又は1つ以上のリモートバックエンドデバイスと通信することができる。測位プラットフォーム326は、測位プラットフォーム326が実行されているコンピューティングシステム514(例えば、モバイル電子デバイス120)が、コンピューティングシステム514が位置する特定の環境及び/又は1つ以上の建物202、204、206に対するそれぞれのロケーション(例えば、位置、屋内位置)を決定することを可能にし得る。
【0034】
一部の実装態様は、コンピュータプログラム命令をコンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶するメモリ及びストレージ、マイクロプロセッサ等、電子コンポーネントを含む。本明細書で述べられる特徴の1つ以上は、コンピュータ可読記憶媒体上に符号化されるプログラム命令のセットとして指定される処理として実装されることができる。これらのプログラム命令が1つ以上のプロセッサによって実行される場合、これらは、プログラム命令で示される様々なオペレーションをプロセッサに実行させる。プログラム命令又はコンピュータコードの例としては、例えばコンパイラによって生成される、マシンコード、及びインタプリタを使用してコンピュータ、電子コンポーネント、又はマイクロプロセッサによって実行される高水準コード(higher-level code)を含むファイルがある。適切なプログラミングを通じて、プロセッサ516は、モバイルデバイス、バックエンドデバイスによって実行されるものとして本明細書で述べられる方法のステップの1つ以上、又はこれらのデバイスに関連する他の機能を含む、コンピューティングシステム514についての様々な機能を提供することができる。
【0035】
コンピューティングシステム514は例示であり、変形及び修正が可能であることが理解されるであろう。本開示に関連して使用される電子システム514は、本明細書で具体的に述べられていない他の機能を有することができる。さらに、コンピューティングシステム514は特定のブロックを参照して述べられているが、これらのブロックは説明の便宜のために定義されており、コンポーネント部品の特定の物理的配置を示唆することを意図するものではないことを理解されたい。例えば、異なるブロックは同じファシリティ、同じサーバラック、又は同じマザーボードに位置することができる。さらに、ブロックは、物理的に異なるコンポーネントに対応する必要はない。ブロックは、例えば、プロセッサをプログラミングすること、又は適切な制御回路を提供することによって、様々なオペレーションを実行するように構成されることができ、様々なブロックは、初期構成がどのように得られるかに依存して、再構成可能である可能性があり、又はそうでない可能性がある。本開示の実装態様は、回路及びソフトウェアの異なる組み合わせを使用して実装される電子デバイスを含む様々な装置で実現されることができる。
【0036】
図6及び
図7に目を向けると、複数の屋内測位可能な建物(例えば、建物202、204、206)が互いに近くに間隔をあけられている環境内でモバイル電子デバイス(例えば、コンピューティングシステム514、デバイス120)の屋内位置を検出及び追跡する方法600、700が、本開示の様々な態様に従って述べられる。ある実施形態において、方法600及び700は、1つ以上の建物202、204、206に対する電子デバイス(例えば、コンピューティングシステム514、デバイス120)のロケーション(例えば、屋内位置、屋外位置)の決定を可能にするために、測位プラットフォーム326又はプロセッサ(例えば、処理ユニット516)によって実行されることができる。
【0037】
図6を参照すると、ある態様における方法600が示されている。方法600は、追跡されるべきモバイルデバイスの粗ロケーション情報を取得するステップ602を含む。とりわけ、バックエンドデバイスは、モバイルデバイスに粗ロケーション情報の要求を送信することができ、要求は、モバイルデバイスで受けられ、モバイルデバイスの測位プラットフォーム326を介して処理され得る。このような要求を受けると、適切であれば、モバイルデバイスは、モバイルデバイスのネイティブロケーションケイパビリティを使用して得られるモバイルデバイスの粗ロケーション情報を送信することによって応答することができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、モバイルデバイスのネイティブロケーションケイパビリティを使用して得られるモバイルデバイスの粗ロケーション情報、又はモバイルデバイスにローカルに記憶される位置データを送信することによって応答することができる。ある実施形態において、粗ロケーション情報は、限定されるものではないが、モバイルデバイスの大まかな(rough)緯度、経度、及び/若しくは高度、又はモバイルデバイスで収集若しくは決定される他の形態の位置データを含むことができる。
【0038】
任意選択的に、方法600は、モバイルデバイスを介して(例えば、ジオロケーションビーコンから)1つ以上のローカルロケーション識別子をチェック/検出するステップ604を含むことができる。ある実施形態において、モバイルデバイス(例えば、モバイルデバイス120)の測位プラットフォーム326は、1つ以上のローカルロケーション識別子を検出するために1つ以上の入力デバイス(例えば、ユーザ入力デバイス522)を使用することができる。例えば、入力デバイス522は、VCL識別子の形態の信号を受信するように構成される1つ以上のタイプのカメラを含むことができる。ある実施形態において、モバイルデバイス(例えば、モバイルデバイス120)の測位プラットフォーム326は、1つ以上のローカルロケーション識別子を検出するために通信インターフェース520の構成要素のうちの1つ以上を使用することができる。例えば、通信インターフェース520は、Bluetooth(登録商標)識別子の形態の信号を受信するように構成されるBluetooth(登録商標)トランスミッタ/レシーバを含むことができる。
【0039】
その後、ステップ606において、方法600は、モバイル電子デバイスを介してバックエンドデバイス(例えば、バックエンドデバイス308及び/又はバックエンドデバイス302A、302B)にべニュー情報を含むべニュー通信メッセージを送信することを含む。測位プラットフォーム326は、べニュー情報を含むべニュー通信メッセージを1つ以上のバックエンドデバイスに送信することができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、データを送る及び/又は受けるためにバックエンドデバイス(又は複数のバックエンド装置)との接続を確立又は維持することができる。ある実施形態において、べニュー情報は、粗ロケーション情報(例えば、緯度及び経度)、並びに、モバイルデバイスのメモリに記憶されるカスタマライセンスストリング、サーチ半径(例えば、屋内測位可能な建物をサーチするためのモバイルデバイスからの距離)、及び/又はステップ604で検出する1つ以上のローカルロケーション識別子等、他の情報を含むことができる。
【0040】
このプロセス600をスケーラブルにするために、(例えば、ステップ608において)屋内測位データセットを受ける前にまず環境(例えば、建物、サイト、キャンパス、オフィス等)が選択されることができる。ある実施形態において、選択は、本明細書で述べられるように、1つ以上の異なるステップで行われることができる。一部の実施形態において、選択は、例えば、モバイル電子デバイス120(例えば、コンピューティングデバイス514)を介して及び/又はモバイル電子デバイス120上で実行される測位プラットフォーム326を介して、手動で行われることができる。一部の実施形態において、選択は自動化されることができ、又はモバイルデバイスのために環境が選択されることができる。例えば、選択は、モバイルデバイスプラットフォーム(例えば、測位プラットフォーム326)において、モバイルデバイスのプロセッサを介して、モバイルデバイスの(粗ロケーション情報を含む)べニュー情報を使用して行われることができる。ある実施形態において、環境(例えば、(複数の)建物)の選択は、それぞれのモバイルデバイスの初期粗ロケーション(initial coarse location)に部分的に基づいて自動的であることができる。
【0041】
さらに、本明細書で述べられるシステム及び方法は、ライセンスストリングと組み合わせたデバイスロケーションに基づいて環境を選択する屋内測位システムを含むことができる。本明細書で使用される場合、用語「ライセンスストリング(license string)」は、本明細書で述べられる屋内測位システム及び測位情報へのアクセスを制御するために使用されることができる一連のコンピュータ可読文字を指す。ライセンスストリングは、1つ以上のユーザ、組織、クライアント、カスタマ等を一意に識別するために使用されてもよい。ある実施形態において、ライセンスストリングは、例えば、単一のカスタマ(single customer)のコンテキスト内で、べニュー/建物のサーチをスコープする(scope)メカニズムを含むことができる。例えば、第1のライセンスストリングは、限定された地理的領域(confined geographic region)内の10個の測位可能な建物(positioning-enabled building)のうちの2つの建物の屋内測位情報へのアクセスをロック解除してもよく、第2のライセンスストリングは、同じ地理的領域内の少なくとも第3の測位可能な建物の屋内測位情報へのアクセスをロック解除してもよい。
【0042】
より具体的には、ある実施形態では、ステップ602において、方法600は、屋内測位システム(例えば、モバイルデバイス上で実行される屋内測位ソフトウェア開発キット(SDK))に、コンピューティングデバイス、測位システム、サーバ(例えば、バックエンドデバイス、バックエンドサーバ、クラウドコンピューティングシステム)、及び/又はモバイルプラットフォームから現在のロケーションを要求(例えば、照会、サーチ)させることを含むことができる。一部の実施形態において、屋内測位システムは、バックエンドデバイスへのコール(call)の形態で要求を行うことができ、要求は、以下のパラメータを含む又は要求することができる:モバイルプラットフォームから受けるロケーション(例えば、緯度、経度)、(例えば、屋内測位システムのSDKが使用されるアプリケーションから受ける)ライセンスストリング、及び/又はサーチ半径。ある実施形態において、バックエンドデバイスは、限定されるものではないが、サーバ、バックエンドサーバ、クラウドコンピューティングデバイス、コンピューティングデバイス、及び/又は中央管理システムを含むことができる。
【0043】
ステップ608において、方法600は、モバイル電子デバイスにおいて、バックエンドデバイス(例えば、バックエンドデバイス302A、302B、308のうちの1つ以上)から屋内測位データセットを受けることを含むことができる。ある実施形態において、測位プラットフォーム326は、バックエンドデバイスから屋内測位データセットを受けることができる。ある実施形態では、高精度の測位及びナビゲーションに使用されるデータ(例えば、VLC/BLEビーコンジオロケーション及びそれらの識別子)が受けられる、例えば、モバイル電子デバイス120及び/又は測位プラットフォーム326によってサーバ(例えば、バックエンドデバイス、バックエンドサーバ)又は制御デバイスからダウンロードされることができる。屋内測位データセットは、(
図7に関して後述されるように)屋内測位システムのバックエンドデバイスによって生成されることができ、それぞれの建物各々のそれぞれの建物及び測位グループについての個々の建物データセット(例えば、ロケーション、座標データ)を含むことができる。具体的な実施形態において、屋内測位データセットは、特定された建物内に設置されている複数のジオロケーションビーコン(すなわち、ビーコンデバイス)のレコードを含むことができ、レコードは、単一の建物内の、複数のジオロケーションビーコン各々の記憶されたローカルロケーション識別子と、ビーコン各々のロケーション又はおおよそのロケーション(approximate location)とを含む。ある実施形態において、ビーコンデバイスは、照明器具若しくは照明器具の一部であることができ、又は特定のBluetooth(登録商標)ビーコンデバイスである(すなわち、照明器具ではない)ことができる。
【0044】
モバイルデバイスの測位プラットフォーム326(例えば、屋内測位システムのSDK)は、高い精度(例えば、1メートル以内、50センチメートル以内、30センチメートル以内、及び/又は10センチメートル以内)でデバイスロケーションを特定するために個々のデータセットを処理することができる。例えば、特定の実施形態において、測位プラットフォーム326は、モバイルデバイスのプロセッサによって実行された場合、受けた(複数の)測位データセット及び(複数の)ビーコンデバイス208、210、212から受けた(複数の)ローカルロケーション識別子を使用して1つ以上のビーコンデバイス208、210、212に対するモバイルデバイス120の位置を決定する命令を含むことができる。
【0045】
ある実施形態において、屋内測位プラットフォーム326(例えば、測位システムのSDK)は、建物の切り替え又は個々の建物データセット間の切り替えを、バックグラウンドで、又は切り替えがユーザに見えない又は気づかれないように行うことができ、円滑なユーザ体験を提供する。例えば、複数の建物がサーチ半径内で見つかる場合、ステップ604で検出されるコード化光及び/又は識別子が、複数の建物から建物を特定するためのバックエンドデバイスへの要求又はコールにおいて使用されることができる。測位システム(例えば、測位システムのSDK)は、バックエンドデバイスへの屋内測位データセットの要求及び/又はコールを生成する前に(例えば、ステップ606を実行する前に)1つ以上のローカルロケーション識別子(例えば、VLC識別子、BLE識別子等)又は識別子の閾値数(例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3等)を見るまで待つことができる。閾値数は様々であり得、特定のエリアにおける建物の数に少なくとも部分的に基づいて選択される、及び/又はモバイルデバイスのユーザ若しくは測位プラットフォーム326によって決定されることができる。このように、要求(すなわち、べニュー通信)は、モバイル電子デバイスで受ける若しくはモバイル電子デバイスで見られる1つ以上のローカルロケーション識別子、及び/又は少なくとも2つのローカルロケーション識別子のパターン(例えば、少なくとも2つのVLC/BLE識別子のパターン等)を含むことができる。例えば、少なくとも2つのローカルロケーション識別子は、3~10個のローカルロケーション識別子、又は少なくとも10個のローカルロケーション識別子を含むことができる。識別子に関連する識別子データ及びパターンデータは、他のべニュー情報/建物パラメータ(例えば、緯度、経度、サーチ半径、ライセンスストリング)とともに要求に含められることができる。
【0046】
斯くして、ステップ608において、モバイルデバイスは、適切な環境(例えば、1つ以上の屋内測位可能な建物202、204、206等)をナビゲートするのに必要な屋内測位データセットをバックエンドデバイスから受ける。その後、さらなるナビゲーションのために、ステップ610において、方法600は、上述のように、特定された環境内の1つ以上のジオロケーションビーコンからの1つ以上の追加のローカルロケーション識別子をチェック/検出することを含む。ある実施形態において、モバイルデバイス120及び/又は測位プラットフォーム326は、特定された環境内の1つ以上のジオロケーションビーコンからの1つ以上の追加のローカルロケーション識別子をチェック及び/又は検出することができる。一部の実施形態において、測位プラットフォーム326は、モバイルデバイス120のプロセッサによって実行された場合、モバイルデバイス120に、特定された環境内の1つ以上のジオロケーションビーコンからの1つ以上の追加のローカルロケーション識別子をチェック及び/又は検出させる命令を含むことができる。ステップ612及び614において、方法600は、新しいローカルロケーション識別子が検出されたかどうかを判断すること、及び、検出された場合、モバイル電子デバイスの現在のロケーションを高精度に更新するために、受けた屋内測位データセットを使用することを含む。ある実施形態において、モバイルデバイス120及び/又は測位プラットフォーム326は、新しいローカルロケーション識別子が検出されたかどうかを判断し、検出された場合、受けた屋内測位データセットを使用してモバイル電子デバイスの現在のロケーションを更新することができる。一部の実施形態において、測位プラットフォーム326は、モバイルデバイス120のプロセッサによって実行された場合、モバイルデバイス120に、新しいローカルロケーション識別子が検出されたかどうかを判断させる、及び、検出された場合、受けた屋内測位データセットを使用してモバイル電子デバイスの現在のロケーションを更新させる命令を含むことができる。ある実施形態において、方法600は、追加のローカルロケーション識別子を繰り返しチェックすること、及び、必要に応じてモバイルデバイスの現在のロケーションを更新することを含むことができる。例えば、方法600は、上述のように、特定された環境内の1つ以上のジオロケーションビーコンからの1つ以上の追加のローカルロケーション識別子を継続的にチェック/検出するためにステップ610に戻ることができる。ある実施形態において、検出されるローカルロケーション識別子が屋内測位データ内に見つからない場合、屋内測位データセットを取得するプロセスが再開されることができる。
【0047】
図7を参照すると、本明細書で述べられる方法のさらなる態様が提供される。図示されるように、方法700は、例えば、
図6に示されるステップ606と608との間に生じることができる、屋内測位システム(例えば、システム300)のバックエンドデバイス(例えば、バックエンドデバイス302A、302B、308のうちの1つ以上)によって実行される特定のステップを述べている。
【0048】
ステップ702において、バックエンドデバイスは、モバイルデバイス120及び/又はモバイルデバイス120の測位プラットフォーム326からべニュー通信及び屋内測位データの要求を受けることができる。例えば、バックエンドデバイスは、本明細書で述べられるように、通信ネットワークを介してべニュー通信及び屋内測位データの要求を受けることができる。ある実施形態において、べニュー情報は、モバイルデバイスの現在位置に関連する緯度、モバイルデバイスの現在位置に関連する経度、サーチ半径、及びカスタマライセンスストリングのうちの1つ以上を含むことができる。
【0049】
ステップ704において、バックエンドデバイスが測位プラットフォーム326及び/又はモバイルデバイス120からべニュー通信及び要求を受けると、バックエンドデバイスは、要求及び/又はモバイルデバイスに関連するカスタマアイデンティティを検証することができる。例えば、べニュー通信は、カスタマリスト内の特定のカスタマに対応し得るカスタマライセンスストリングを含むことができる。他の実施形態では、要求を行う及びべニュー通信を送る特定のデバイスが、特定のカスタマに関連付けられてもよく、この場合、バックエンドデバイスは、モバイルデバイスが当該特定のカスタマに関連付けられていると認識してもよい。ある実施形態において、バックエンドデバイスは、ライセンスが有効であるかどうかを検証することができる。例えば、限定するものではないが、バックエンドデバイスは、べニュー通信とともに受けるカスタマライセンスストリングを比較し、これを有効なライセンスのリストと比較することができる。
【0050】
ステップ706において、バックエンドデバイスは、モバイルデバイスによって提供されるカスタマアイデンティティ及びべニュー情報に関連する建物/建物データセットをサーチすることができる。本明細書で使用される場合、用語「カスタマアイデンティティ(customer identity)」は、本明細書で述べられる屋内測位システムを使用するカスタマを識別する一意の手段を指す。例えば、カスタマは、測位可能なべニュー(positioning-enabled venue)(例えば、建物、キャンパス、建物のフロア等)を有する、個人、グループ、組織、事業、会社等を含むことができる。「カスタマアイデンティティ」は、会社を他から区別する文字列(例えば、「A社」、「B社」、「C社」等)を使用して表されることができ、又は追加の他の識別子(数字、特殊文字等)を含むことができる。
【0051】
ある実施形態において、バックエンドデバイスは、カスタマ及び/又はモバイルデバイスに関連する1つ以上の建物を特定するためにサーチ半径(例えば、カスタマ及び/又はデバイスの現在のロケーションからの定義された距離)を使用することができる。バックエンドデバイスは、カスタマロケーション及び/又はデバイスロケーションに最も近い(closest)(例えば、最寄りの(nearest)、最も距離が短い(least distance))建物を選択することができる。ある実施形態において、最も近い建物又は最寄りの建物は、測定されることができ、又はカスタマロケーション/デバイスロケーションとそれぞれの建物のロケーション(例えば、建物のコミッショニング中に構成される、緯度座標、経度座標)との間の距離を参照することができる。ある実施形態において、有効なライセンス又はべニュー通信にマッチするライセンスを有さない建物は、特定された建物のグループから除かれることができる。
【0052】
ステップ708において、カスタマ及び/又はデバイスのサーチ半径内にある1つ以上の建物が特定されることができ、複数の建物が特定される場合、建物のセットが生成されてもよい。言い換えれば、ステップ708において、バックエンドデバイスは、特定された(複数の)建物の屋内測位データセットを生成することができる。ある実施形態において、バックエンドシステムによって生成される屋内測位データセットは、正確な測位及びナビゲーションのために屋内測位システムのモバイルデバイスによって使用されることができる、特定された(複数の)建物の各ビーコンデバイスのジオロケーション及びローカル識別子のセットを含むことができる。特定された建物の測位データ(例えば、屋内測位データ)は、残りの建物から各建物が当該建物に固有の単一のデータセットを有するように、生成されることができる。
【0053】
ある実施形態において、本明細書で述べられる屋内測位システムは、複数の建物データを単一のデータセットにマージする、各データセットが単一の建物を表す個々のデータセットを生成する、及び/又はバックエンドデバイスへのコールにおいて見られる1つ以上のローカルロケーション識別子を含めることができる。とりわけ、複数の建物がサーチ半径内で見つかる場合、複数の建物の屋内測位データセットは、複数の建物の各々を一緒に含む単一のデータセット(例えば、1つの「スーパー(super)」建物データセット)にマージされることができる。ある実施形態において、マージされたデータセットは、マージされたデータセットにおいてすべての特定された建物を表す単一の「大きな(large)」又は「スーパー(super)」建物のように見える又は斯かる建物を表すことができる。このように、測位システム(例えば、測位システムのSDK)は、例えば、異なる建物間又は異なる建物を表す異なるデータセット間を切り替える必要なく、デバイスロケーションを特定するためにマージされたデータセットを処理することができる。
【0054】
ある実施形態において、特定された建物のグループの測位データは、建物及びそれらの関連データが、それぞれの建物について決定される距離に部分的に基づいてデータセット内で編成される単一のデータセットにマージされることができる。例えば、最小又は最低距離(例えば、カスタマ及び/又はデバイスに最も近い距離)を有する建物は、特定された建物のグループについての単一のデータセットの第1の位置又はデータエントリにあることができる。マージされたデータセットに含まれる又は含まれるべき建物の数は様々であり得、サーチ半径における特定された建物の数、カスタマ及び/若しくはデバイスのロケーションの特性(例えば、建物密度、都市、農村)、並びに/又はアドミニストレータ及び/若しくはカスタマによって提供される設定に部分的に基づいて選択されることができる。ある実施形態において、マージされたデータセットに含まれる建物の数は、(ステップ710において)返される屋内測位データセットのサイズを制限するために、例えば、アドミニストレータ及び/又はカスタマによって設定される、構成可能な数(configurable number)に制限されることができる。
【0055】
ある実施形態において、マージされたデータセットは、デバイスロケーションを特定するために使用されるアプリケーションにおいて建物の切り替えが必要とされないので、円滑なユーザ体験を提供することができる。特定の実施形態において、マージされたデータセットは、マージされたデータセットが、使用のインスタンス(instance of use)ごとにマージされる必要なく将来的に取得されることができるように、1つ以上のバックエンドデバイスの非一時的メモリに保存又は格納されることができる。
【0056】
ステップ710において、応答を生成した後、バックエンドデバイスは、応答(すなわち、屋内測位データ)を測位プラットフォーム326(例えば、測位システム、測位システムのSDK)に送ることができる。ある実施形態において、屋内測位データセットは、
図6に関して述べられるように屋内測位及び屋内ナビゲーションのために屋内測位システムのモバイルデバイス(例えば、デバイス120)に送られることができる。
【0057】
いくつかの例示的な実装形態が述べられたが、上記のことは、例示的であり、限定的ではなく、例として提示されたものであることは明らかである。とりわけ、本明細書で提示される例の多くは、方法の行為又はシステム要素の特定の組合せを包含しているが、これらの行為及びこれらの要素は、同一の目的を達成するために他のやり方で組み合わされることができる。1つの実装形態に関連して論じられる行為、要素及び特徴は、他の1つ又は複数の実装形態における類似の役割から除外されるようには意図されていない。
【0058】
本明細書で開示される実施形態に関連して述べられる様々な処理、動作、例示的論理、論理ブロック、モジュール及び回路を実施するために使用されるハードウェア及びデータ処理構成要素は、本明細書で述べられる機能を実行するように設計される、汎用の単一若しくはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はこれらの任意の組合せを用いて実施又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、又は、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこのような構成等、コンピューティングデバイスの組合せとして実施されてもよい。いくつかの実施形態では、特定の処理及び方法は、所与の機能に固有の回路によって実行されてもよい。メモリ(例えば、メモリ、メモリユニット、ストレージデバイス等)は、本開示で述べられる様々な処理、レイヤ及びモジュールを完成又は促進するためのデータ及び/又はコンピュータコードを記憶するための1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクストレージ等)を含んでもよい。メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく又はこれらを含んでもよく、本開示で述べられる様々なアクティビティ及び情報構造をサポートするためのデータベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は任意の他のタイプの情報構造を含んでもよい。例示の実施形態によれば、メモリは、処理回路を介してプロセッサと通信可能に接続され、本明細書で述べられる1つ以上の処理を(例えば、処理回路及び/又はプロセッサによって)実行するためのコンピュータコードを含む。
【0059】
本開示は、様々な動作を達成するための任意の機械可読媒体上の方法、システム及びプログラムプロダクトを企図する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、又はこの目的若しくは別の目的のために組み込まれる、適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって、又はハードワイヤードシステムによって実施されてもよい。本開示の範囲内の実施形態は、機械実行可能命令又はデータ構造を担持する又は記憶するための機械可読媒体を含むプログラムプロダクトを含む。このような機械可読媒体は、汎用若しくは専用コンピュータ、又はプロセッサを有する他のマシンによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であることができる。例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、フラッシュベースのソリッドステートストレージデバイス(例えば、SDカード、マイクロSDカード、SSD、USBフラッシュドライブ等)等のソリッドステージストレージデバイス、又は汎用若しくは専用コンピュータ又はプロセッサを有する他のマシンによってアクセス可能であり、所望のプログラムコードを機械実行可能命令又はデータ構造の形態で担持又は記憶するために使用されることができる任意の他の媒体を含むことができる。上記のものの組合せも機械可読媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理マシンに、ある機能又は機能のグループを実行させる命令及びデータを含む。
【0060】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0061】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0062】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。
【0063】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。
【0064】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。
【0065】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0066】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、それぞれ、クローズド(closed)又は半クローズド(semi-closed)移行句である。
【0067】
本明細書におけるシステム及び方法の実装形態、要素又は行為に対する単数形での参照は、複数のこれらの要素を含む実装形態も包含することができ、本明細書における実装形態、要素又は行為に対する複数形での参照は、単一の要素のみを含む実装形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、現在開示されているシステム又は方法、これらの構成要素、行為、又は要素を、単一又は複数の構成に限定するようには意図されていない。何らかの情報、行為又は要素に基づく何らかの行為又は要素に対する参照は、行為又は要素が何らかの情報、行為、又は要素に少なくとも部分的に基づく実装形態を含むことができる。
【0068】
いくつかの発明実施形態が、本明細書で説明及び図示されてきたが、当業者は、本明細書で説明される機能を実行するための、並びに/あるいは、その結果及び/又は利点のうちの1つ以上を得るための、様々な他の手段及び/又は構造体を、容易に構想することとなり、そのような変形態様及び/又は修正態様は、本明細書で説明される発明実施形態の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に応じて変化することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で説明される特定の発明実施形態に対する、多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の実施形態は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に説明及び特許請求されるもの以外の発明実施形態が実践されてもよい点を理解されたい。本開示の発明実施形態は、本明細書で説明される、それぞれの個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更には、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合であれば、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】