IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザイリンクス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-PIMモデル適応 図1
  • 特表-PIMモデル適応 図2
  • 特表-PIMモデル適応 図3
  • 特表-PIMモデル適応 図4
  • 特表-PIMモデル適応 図5
  • 特表-PIMモデル適応 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】PIMモデル適応
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/10 20060101AFI20240905BHJP
   H04B 1/525 20150101ALI20240905BHJP
【FI】
H04B1/10 N
H04B1/525
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517114
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022032251
(87)【国際公開番号】W WO2023055442
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/488,112
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ホンジー
(72)【発明者】
【氏名】エルドマン,クリストフ
【テーマコード(参考)】
5K011
5K052
【Fターム(参考)】
5K011DA01
5K011GA05
5K011GA06
5K011KA05
5K052BB01
5K052DD15
5K052DD27
5K052FF32
5K052FF33
5K052GG19
5K052GG42
(57)【要約】
本明細書の実施形態は、変化するPIM干渉を補償するためにPIMモデルを適応させることを記載する。PIMモデルは、同じ経路において2つ以上の送信機(TX)キャリアを送信することによって引き起こされるPIM干渉を補償する(すなわち、緩和するか又は差し引く)PIM補償値を生成する回路を含むことができる。開示される適応方式は、RX信号がRXチャネルから除去された後に計算されるPIMモデルの更新された係数を生成する。このようにして、環境条件(例えば、基地局における温度)に起因してPIM干渉が変化するとき、本適応方式は、PIM干渉を相殺するPIM補償値を生成するために、PIMモデルを更新することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別するように構成されたデータコピー識別子回路と、
前記同じ受信データの前記2つのコピーに基づいて、パッシブ相互変調(PIM)モデル回路の更新された値を生成するように構成されたPIMモデル適応回路と、を備え、
前記PIMモデル回路が、前記RXワイヤレスチャネルについて、前記更新された値に基づいてPIM補償信号を生成するように構成されている、回路。
【請求項2】
複数の送信(TX)キャリアを前記RXワイヤレスチャネルと同じ経路で二重化又は複合するように構成されたデュプレクサ又はコンバイナを更に備え、前記PIM補償信号が、前記複数のTXキャリアによって前記RXワイヤレスチャネル内に取り込まれるPIM干渉を緩和する、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記更新された値の信号対ノイズ比(SNR)が、前記PIM干渉に対応する電力及び前記RXワイヤレスチャネルにおける熱ノイズに対応する電力に依存するが、前記受信データに対応する電力に依存しない、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記同じ受信データの前記2つのコピーが、前記同じ受信データを有する1つ以上のデータシンボルの2つの部分を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記2つの部分が、前記1つ以上のデータシンボルの中のサイクリックプレフィックスの一部である、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記サイクリックプレフィックス及びそれらの対応する受信データを等化するためのイコライザを更に含む、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
基地局であって、
回路を備え、前記回路が、
受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別し、
前記同じ受信データの前記2つのコピーに基づいて、PIMモデルの更新された値を生成し、
前記RXワイヤレスチャネルについて、前記PIMモデルのための前記更新された値に基づいてPIM補償信号を生成する、ように構成されている、基地局。
【請求項8】
前記回路が、複数の送信(TX)キャリアを前記RXワイヤレスチャネルと同じ経路で二重化又は複合するように構成されており、前記PIM補償信号が、前記複数のTXキャリアによって前記RXワイヤレスチャネル内に取り込まれるPIM干渉を緩和する、請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記更新された値の信号対ノイズ比(SNR)が、前記PIM干渉に対応する電力及び前記RXワイヤレスチャネルにおける熱ノイズに対応する電力に依存するが、前記受信データに対応する電力に依存しない、請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記回路が、前記SNRが前記受信データに対応する前記電力に依存しないように、前記受信データが前記更新された値に及ぼす影響を相殺するために、前記同じ受信データの前記2つのコピーを使用するように構成されている、請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
前記同じ受信データの前記2つのコピーが、前記同じ受信データを有する1つ以上のデータシンボルの2つの部分を有する、請求項7に記載の基地局。
【請求項12】
前記2つの部分が、前記1つ以上のデータシンボルの中のサイクリックプレフィックスの一部である、請求項11に記載の基地局。
【請求項13】
前記回路が、前記サイクリックプレフィックス及びそれらの対応する受信データを等化するように構成されている、請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
前記サイクリックプレフィックスが、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの一部である、請求項5に記載の回路又は請求項12に記載の基地局。
【請求項15】
方法であって、
受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別することと、
前記同じ受信データの前記2つのコピーに基づいて、パッシブ相互変調(PIM)モデルの更新された値を生成することと、
前記RXワイヤレスチャネルについて、前記PIMモデルのための前記更新された値に基づいてPIM補償信号を生成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、一般に、変化するパッシブ相互変調(passive intermodulation、PIM)干渉を補償するためにPIMモデルを適応させることに関する。
【背景技術】
【0002】
PIMは、セルラーネットワーク事業者にとって増大する問題である。PIM問題は、既存の機器が古くなるにつれて、新しいキャリアを共同設置するとき、又は新しい機器を設置するときに発生する場合がある。PIMは、新しいキャリアを古いアンテナランにオーバーレイ(二重化)するときの特定の問題である。
【0003】
PIMは、セルの受信感度を低下させる、又は更には呼をブロックする干渉を引き起こすことがある。この干渉は、それを作り出すセル、並びに他の近くの受信機の両方に影響を及ぼすことがある。セル通信システムでは、PIMは干渉を引き起こし、受信機感度を低下させることがある。例えば、LTEでは、基地局システムから送信する2つの送信機キャリアがPIM干渉を経験する場合、それらの相互変調は、受信帯域に入る成分をもたらすことがある。これは、受信機並びに潜在的に他のシステムに影響を及ぼすことになる。
【0004】
スペクトルがより混雑し、アンテナ共有方式がより一般的になるにつれて、異なるキャリアの相互変調からのPIM干渉の可能性が対応して増加する。PIMを回避するために周波数計画を使用するという従来の方法は、ほぼ不可能になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別するように構成されたデータコピー識別子回路と、同じ受信データの2つのコピーに基づいて、パッシブ相互変調(PIM)モデル回路の更新された値を生成するように構成されたPIMモデル適応回路と、を含む回路について記載する。更に、PIMモデル回路は、RXワイヤレスチャネルについて、更新された値に基づいてPIM補償信号を生成するように構成されている。
【0006】
本明細書に記載される別の実施形態は、受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別し、同じ受信データの2つのコピーに基づいてPIMモデルの更新された値を生成し、RXワイヤレスチャネルについて、PIMモデルの更新された値に基づいてPIM補償信号を生成するように構成された回路を含む基地局である。
【0007】
本明細書に記載される別の実施形態は、受信(RX)ワイヤレスチャネルにおいて同じ受信データの2つのコピーを識別することと、同じ受信データの2つのコピーに基づいて、パッシブ相互変調(PIM)モデルの更新された値を生成することと、RXワイヤレスチャネルについて、PIMモデルの更新された値に基づいてPIM補償信号を生成することと、を含む方法である。
【0008】
図面の簡単な説明
上記の特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約されたより具体的な説明が、例示的な実装形態を参照することによって行われ得、それらの実装形態のうちのいくつかが添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は、典型的な例示の実装形態のみを例解しており、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例による、PIMを経験する基地局のブロック図である。
図2】実施例による、PIMモデル適応を行う基地局のブロック図である。
図3】実施例による、PIMモデル適応を行うためのフローチャートである。
図4】実施例による、OFDMシンボルを例解する。
図5】実施例による、基地局における待ち時間を例解する。
図6】実施例による、PIMを経験する基地局のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な特徴が、図面を参照して以下に記載される。図面は縮尺どおりに描かれている場合もあるか、描かれていない場合もあり、同様の構造又は機能の要素は図面全体を通して同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。図面は、特徴の説明を容易にすることのみを意図していることに留意されたい。それらは、明細書の網羅的な説明として、又は特許請求の範囲に対する限定として特徴付けられていない。加えて、例解された例は、示された全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施例に関連して説明される態様又は利点は、必ずしもその実施例に限定されず、そのように例解されていない場合、又はそのように明示的に説明されていない場合であっても、任意の他の実施例において実施することができる。
【0011】
本明細書の実施形態は、変化するPIM干渉を補償するためにPIMモデルを適応させることを記載する。PIMモデルは、同じ経路において2つ以上の送信機(TX)キャリアを送信することによって引き起こされるPIM干渉を補償する(すなわち、緩和するか又は相殺する)PIM補償値を生成する回路を含むことができる。上述のように、PIM干渉は、TXキャリアと経路を共有する受信(RX)チャネルに悪影響を及ぼすことがある。PIMモデルは、PIM干渉がRXチャネルから除去されるように、PIM干渉を打ち消す又は相殺するPIM補償値を生成する。
【0012】
しかしながら、PIMモデルの有効性は、PIM干渉の電力がRX信号の電力と同じであるか、又はそれよりも小さいときに急激に低下する。その場合、RX信号は、PIM干渉をかき消すノイズのように作用し、不可能ではないにしても、PIMモデルがPIM干渉を相殺するためのPIM補償値を生成することを困難にする。以下の実施形態では、適応PIMモデル方式が、RX信号を識別及び除去するために使用される。一実施形態では、この適応方式は、RX信号がRXチャネルから除去された後に計算されるPIMモデルの更新された値(例えば、更新された係数)を生成する。そのため、PIM干渉がRX信号以下であるとき、PIMモデルは、PIM干渉と本質的に等しいが大きさが反対であるPIM補償値を依然として出力することができる。このようにして、PIM干渉が環境条件(例えば、基地局における温度)に起因して変化するとき、適応方式は、PIM干渉がRX信号よりも大きいか又は小さいかにかかわらず、PIM干渉を相殺するPIM補償値を生成するためにPIMモデルを継続的に更新することができる。
【0013】
図1は、実施例による、PIM干渉135を経験する基地局100のブロック図である。スペース及びハードウェアコストを節約するために、基地局100は、複数のキャリア送信機105が同じTXチャネルを共有するキャリアアグリゲーションシステムである。この場合、送信機105及び電力増幅器(power amplifier、PA)110は、異なる周波数(例えば、LTEでは1940MHz及び1980MHz)の信号を生成し、これらの信号は、次いで、コンバイナ120によって同じTXチャネルに複合される。一実施形態では、基地局100は、ワイヤレスデバイス(図示せず)とデータを送信及び受信するために、周波数分割複信(frequency division duplex、FDD)を使用し得る。基地局100は、ベースバンドプロセッサ165と、異なる周波数を生成するためのデジタルアナログ変換器(digital to analog converter、DAC)155A及び155Bとを含む。
【0014】
基地局100はまた、(TX信号又はキャリアの両方を含む)TXチャネルをRXチャネルとマージするデュプレクサ125を含む。そのため、基地局100は、信号を送信及び受信するためにアンテナ130を使用することができる。信号を受信するとき、デュプレクサ125は、RX信号がRXフィルタ140に転送されることを確実にする。すなわち、デュプレクサ125は、アンテナ130において受信された後に共有TX/RX経路からRX信号を除去し、RX信号をRXフィルタ140に転送する。
【0015】
RX信号は、典型的には、TX信号よりもはるかに小さい振幅を有するので、低ノイズ増幅器(low-noise amplifier、LNA)145は、RX信号が処理のためにベースバンドプロセッサ165に送信される前に、RX信号をブーストする。
【0016】
図示のように、二重化されたTX信号は、RX帯域に悪影響を及ぼすPIM干渉135を引き起こす。これは、RX信号(RX帯域)に影響を及ぼすPIM干渉135を引き起こす2つのTX信号(TX1帯域及びTX2帯域)を示すチャート150に例解されている。RX信号の低い振幅に起因して、PIM干渉135は、RX信号がRXフィルタ140及びLNA145によってフィルタリング及び増幅され得る前に、RX信号をかき消すことができる。以下の実施形態は、PIMコントローラ(160)を使用して、二重化されたTX信号によって生成されるPIM干渉を除去するために、適応PIMモデリングを行うための技法を考察する。図示のように、PIMC160は、TX経路とRX経路との間に配置されている。PIMC160は、PIM干渉を低減又は緩和するためのPIM補償信号を生成する。PIMC160は、この信号を加算回路170に出力し、この加算回路170は、RX経路の中のアナログデジタル変換器(analog to digital converter、ADC)175及びベースバンドプロセッサ165に接続される。
【0017】
更に、図1は、2つのTX信号を複合することを例解しているが、PIM干渉135は、任意の数のTX信号(例えば、3、4、10など)を複合するときに発生することがあり、これは、TX信号と同じチャネル又は経路、例えば、デュプレクサ125とアンテナ130との間の無線周波数(radio frequency、RF)チャネル又は経路を共有するRX信号に悪影響を及ぼすことがある。更に、チャート150は、同様の電力を有するものとしてRX帯域及びTX帯域を例解しているが、実際には、TX帯域の電力は、基地局100におけるRX帯域の電力よりもはるかに大きいことがある。
【0018】
図2は、実施例による、デジタル領域においてPIMモデル適応を行う基地局100のブロック図である。図示のように、左側で受信されたTX信号225は、マルチバンド送信データx(n)及びx(n)を含む。図1に示すように、TX信号225は、TX1及びTX2アナログRF信号によって送信されるデジタルベースバンド信号であり得る。増幅されたTX1及びTX2信号は、マルチバンド送信データにおいて2つ以上のTX信号を複合するコンバイナ120によって受信される。
【0019】
TX信号225は、共有TX/RXチャネル205上で送信され、これは、RX信号230に追加されるPIM干渉ypim(n)を引き起こす。すなわち、PIM干渉ypim(n)は、RX信号230にノイズを追加する。更に、図2は、RX信号230が、RXデータyrx(n)と、PIM干渉ypim(n)以外の他のソース(例えば、熱ノイズ)からの干渉であり得るynoise(n)との両方を含むことがあることを例解している。別の言い方をすれば、PIM干渉ypim(n)は、RX帯域におけるPIM非線形干渉を表し、一方、ynoise(n)は、他のソースからのRX帯域におけるノイズを表す。yrx(n)+ynoise(n)+ypim(n)は、受信機ADCのデジタル出力である。
【0020】
PIM干渉を打ち消すために、基地局100は、PIM補償値
【0021】
【数1】
【0022】
を出力するPIMモデル回路210を含み、PIM補償値
【0023】
【数2】
【0024】
は、理想的には、RX帯域から減算されるときに、PIM干渉ypim(n)を相殺又は除去する信号である。一実施形態では、PIM補償値
【0025】
【数3】
【0026】
は、PIM補償値
【0027】
【数4】
【0028】
がRX帯域に追加されると、PIM干渉が除去されるように、PIM干渉ypim(n)に等しいが、大きさが逆である。
【0029】
しかしながら、上で考察したように、PIM干渉は、基地局100における環境条件(例えば、温度の変化)に従って変化することがある。更に、PIM干渉がRXデータyrx(n)以下の大きさを有するとき、RXデータは、PIMモデル210がPIM補償値
【0030】
【数5】
【0031】
を正確に計算することを妨げるノイズ信号のように作用することがある。そのため、PIM補償値
【0032】
【数6】
【0033】
を生成するために固定係数を使用する静的PIMモデル210を有する代わりに、図2は、PIMモデル適応回路215及びデータコピー識別子回路220が、基地局100における環境条件の変化に起因してPIM干渉が変化するときにPIMモデル210を更新するために適応係数(W)を生成する、適応PIM補償方式を例解している。以下の実施形態は、PIMモデル210の係数を更新することについて考察するが、適応PIM方式は、変化するPIM干渉を補償するようにPIMモデル210を適応させる任意の値を更新するために使用することができる。
【0034】
この実施形態では、データコピー識別子220は、RXデータyrx(n)が同じ値(又は反対の値)を有する2つの異なる時間期間T及びTを識別する。以下でより詳細に考察するように、RXデータが同じである2つの時間期間において更新された係数Wを決定することの利点は、RXデータを計算から相殺することができ、それによって、RXデータから独立している更新された係数Wが得られることである。別の言い方をすれば、RXデータは、PIM干渉を測定するときのノイズと考えることができるので、RXデータを除去することは、基地局100がPIM干渉をより正確に測定することを可能にし、その結果、PIM干渉ypim(n)により正確に一致するか又はモデル化するPIM補償値
【0035】
【数7】
【0036】
をもたらす更新された係数Wを生成することを可能にする。
図示のように、データコピー識別子220は、RXデータが同じである2つの時間期間T及びTを識別する回路を含む。PIMモデル適応回路215は、更新された係数Wを生成するために、それらの時間期間において信号(すなわち、ypim(n)+yrx(n)+ynoise(n))をサンプリングするための回路を含む。PIMモデル適応回路215によって行われる計算からRXデータが本質的に除去されるので、PIMモデル210は、PIM干渉ypim(n)の振幅がRXデータyrx(n)の大きさよりも大きいか又は小さいかにかかわらず、PIM干渉ypim(n)により正確に一致するか又はモデル化するPIM補償値
【0037】
【数8】
【0038】
を生成することができる。
図3は、実施例による、PIMモデル適応を行うための方法300のフロー図である。ブロック305において、基地局は、PIMモデル更新をトリガする。一実施形態では、PIMモデル更新は、所定のスケジュール又は時間間隔に従ってトリガされる。例えば、基地局は、5分毎にPIMモデルを更新してもよい。別の実施形態では、更新は、環境条件の履歴変化に基づき得る。例えば、基地局は、早朝(温度が一般に最も冷たいとき)、温度が上昇した正午、及び温度が一般に低下する夕暮れにモデルを更新してもよい。
【0039】
別の実施形態では、基地局は、現在の気象条件を監視するときにPIMモデル更新をトリガする。例えば、基地局は、基地局における温度が2度を超えて変化するときはいつでも、PIMモデルを更新してもよい。
【0040】
ブロック310において、データコピー識別子(例えば、図2の識別子220)は、RXワイヤレスチャネルにおける同じデータの2つのコピーを識別する。上述のように、RXデータが同じであるときにRXチャネルをサンプリングすることは、PIM適応方式がRXデータの影響を相殺又は除去することを可能にする。以下の式は、PIM干渉が受信データの電力と同様であるか、又はそれより小さときの問題を表す。式1は、RXチャネルに関連するデジタル信号処理を表す。
【0041】
【数9】
【0042】
ここでfは、PIMモデル非線形基底関数である。
式1の信号対ノイズ比(signal to noise ratio、SNR)は以下のとおりである。
【0043】
【数10】
【0044】
ここでPpimはPIM平均電力であり、Prxは受信信号平均電力であり、Pnoiseは熱ノイズ平均電力である。また、Pnoise≪Prxである。更に、
【0045】
【数11】
【0046】
は、次のように定義することができる。
【0047】
【数12】
【0048】
【数13】
【0049】
式1におけるPIM適応処理のSNRは、受信電力PrxがPIM電力Ppimより大きいとき、0(dB)より小さい。例えば、受信電力がPIM電力よりも6.8dB高い場合、アップリンクは依然としてBPSK/QPSK変調を使用することができる。しかし、PIM処理SNRが-6.8dBであるとき、PIMモデルは、PIMを正確にモデル化することができず、16QAM又は64QAM変調を使用してアップリンクのための受信信号からそれを除去することができない。これは、アップリンクデータスループットを制限する。
【0050】
受信電力とPIM電力との間の関係にかかわらず、PIMを正確にモデル化するためのデジタルPIM適応式が、式5に示される。
【0051】
【数14】
【0052】
ここで、Upim=[f,f,...,f]及びW=[w,w,...,w及びYpim、Yrx、及びYnoiseは、ypim(n)、yrx(n)、及びynoise(n)のN個のサンプルを表す。PIMモデル係数は以下のとおりである。
【0053】
【数15】
【0054】
式6は、PIMモデルの係数がRXデータYrxに依存することを例解している。この依存性を除去するために、データコピー識別子は、同じRXデータの2つのコピーを識別する。具体的には、一実施形態では、データコピー識別子は、RXデータが同じである2つの時間期間(T及びT)を識別する。式7及び式8は、これら2つの時間期間におけるPIM適応モデルを示している。
【0055】
【数16】
【0056】
【数17】
【0057】
RXデータが同じであるので、これは
【0058】
【数18】
【0059】
を意味する。結果として、式7及び式8が減算されるとき、その結果は、以下のように、受信データから独立しているPIM適応モデルである。
【0060】
【数19】
【0061】
式9において、PIM適応処理のSNRは、単に、Ppim及びPnoiseの比であり、PIM(非適応)処理のSNRがPrxに依存する式2とは対照的である。
【0062】
及びTの時間間隔でデータサンプルを送信するU行列は直交である。また、T及びTにおける送信電力及び熱ノイズ電力が同じであると仮定すると、式9は次のように表すことができる。
【0063】
【数20】
【0064】
式10は、以下のように簡略化することができ、これは、受信データに依存しないアップリンクデータフリー式である。
【0065】
【数21】
【0066】
ブロック315において、PIMモデル適応回路(例えば、図2の回路215)は、PIMモデルの更新された係数(W)を生成する。すなわち、PIMモデル適応回路は、PIMモデル(例えば、PIMモデル210)を適応させるために使用される係数Wを解くために、式11を使用することができる。すなわち、係数は、PIMモデル非線形基底関数を含む式(1)に表されるデジタル信号処理において使用することができる。
【0067】
ブロック320において、PIMモデルは、更新された係数Wを使用してPIM補償信号
【0068】
【数22】
【0069】
を生成する。次いで、この信号は、RX信号が更なる処理のためにベースバンドプロセッサに送信される前に、PIM干渉を除去するために、RX信号(例えば、図2のRX信号230)に加算(又は減算)することができる。このようにして、方法300における適応回路は、RXデータに対するその相対電力にかかわらず、PIM干渉を除去することができる。
【0070】
図4は、実施例による、OFDMシンボルを例解している。方法300で述べたように、ブロック310において、データコピー識別子は、RXチャネルにおける同じRXデータの2つのコピーを識別する。図4は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)シンボルにおけるデータの同じコピーを識別することを例解しており、それらは、サイクリックプレフィックス(CP)及びOFDMシンボルの末尾におけるデータのその対応する部分である。この図は、OFDMシンボル内の同じデータを識別することを例解しているが、本明細書の実施形態は、データシンボルが同じデータの冗長コピーを含む任意のワイヤレス方式に適用することができる。
【0071】
図4の上部は、アップリンク(uplink、UL)OFDMシンボルを例解しており、下部は、2つのダウンリンク(downlink、DL)OFDMシンボルを例解している。この実施例では、上部UL OFDMシンボルのRX部分は、同じデータを有する。そのため、データコピー識別子は、OFDMシンボルのRX部分が受信される時間T及びTを識別することができ、それにより、PIMモデル適応回路は、方法300のブロック315で考察したように、それらの時間において受信されたデータを使用して更新された係数を生成することができる。
【0072】
下部のDL OFDMシンボルは、上部のOFDMシンボルのRX部分に対応するDL OFDMシンボルの部分tx(T)及びtx(T)を例解している。tx(T)部分及びtx(T)部分の間のデータは、同じではない可能性が高く、そのため、上記の式を使用して(例えば、Tにおいて送信されたデータ「tx」に依存する式11を使用して)PIM干渉を識別するために使用することができる。すなわち、tx(T)部分及びtx(T)部分は独立している。更に、UL及びDL OFDM信号は、遅延(10マイクロ秒)によって分離され、この遅延は、部分tx(T)及びtx(T)が上部UL OFDMシンボルにおけるRX部分と同じではないことを保証する。
【0073】
一実施形態では、UL OFDMシンボルのRX部分は、OFDM信号のサイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP)の一部である。ワイヤレス規格は、CPのこれらの部分が同じであることを必要とし得る。そのため、データコピー識別子は、これらの部分が同じ基礎データを有することを知って、RX部分を識別するために規格のこの要件を活用することができ、そのため、PIM適応アルゴリズムから受信電力を除去するために使用することができる。
【0074】
一実施形態では、データコピー識別子は、アップリンクサイクリックプレフィックス(uplink cyclic prefix、UL CP)及びその対応するデータを等化するためのイコライザを含む。イコライザ関数(h)は、次のように表すことができる。
【0075】
【数23】
【0076】
【数24】
【0077】
【数25】
【0078】
【数26】
【0079】
図5は、実施例による、基地局における待ち時間を例解している。図5は、基地局におけるDLとULとの間のアナログ経路待ち時間(遅延)を例解している。図5は、DLデータ及びULデータを処理するためのベースバンドプロセッサ505を例解している。この実施例では、基地局500におけるDL経路とUL経路の両方が、デジタルアップコンバート(digital up conversion、DUC)回路510を含む。しかしながら、この回路に加えて、DL経路は、クレストファクタ低減(crest factor reduction、CFR)回路515及びデジタル歪補償(digital predistortion、DPD)回路520を含む。これらの追加回路は、主に、UL経路とDL経路との間の遅延(例えば、10マイクロ秒)に寄与する。この遅延は、図4に例解されるUL及びDL OFDMシンボル間の遅延を引き起こす。
【0080】
図6は、実施例による、PIMを経験する基地局600のブロック図である。基地局600は、図2の基地局200と同じ回路の多くを含むが、ここでは考察しない。加えて、基地局600は、デジタルTX待ち時間調整回路605と、デジタルRX待ち時間調整回路610と、RX OFDM CP探索及び等化訓練回路615とを含む。この回路は、上記の式12~15で考察されたような等化を行うために使用することができる。すなわち、回路615は、OFDMシンボルのCP部分における同じデータのコピーを識別することと、それらの部分における基礎をなすデータに対して等化を行うことの両方を行うことができる。
【0081】
基地局600はまた、PIMモデリング信号
【0082】
【数27】
【0083】
と、受信されたPIM干渉信号ypim(n)とを位置合わせするために使用される利得回路620を含む。例えば、図1に示すように、遅延は、tx信号がtx経路に沿ってDACからデュプレクサに伝搬してPIM信号を生成し、PIM信号がRX経路に沿ってPIMC回路に伝搬する時間である。
【0084】
前述では、本開示において提示される実施形態が参照される。しかしながら、本開示の範囲は、特定の記載された実施形態に限定されない。代わりに、説明される特徴及び要素の任意の組み合わせは、異なる実施形態に関連するか否かにかかわらず、企図される実施形態を実装及び実践するために企図される。更に、本明細書に開示される実施形態は、他の可能な解決策又は従来技術に勝る利点を達成し得るが、特定の利点が所与の実施形態によって達成されるか否かは、本開示の範囲を限定するものではない。したがって、前述の態様、特徴、実施形態、及び利点は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は限定とは見なされない。
【0085】
当業者によって理解されるように、本明細書に開示される実施形態は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は本明細書では全て一般に「回路」、「モジュール」、若しくは「システム」と呼ばれ得るソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとり得る。更に、態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。
【0086】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用し得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(portable compact disc read-only memory、CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを含むか、又は記憶することができる任意の有形媒体である。
【0087】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて、又は搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を含み得る。そのような伝搬信号は、電磁気、光学、又はそれらの任意の好適な組み合わせを含むが、それらに限定されない、種々の形態のうちのいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、又は移送することができる任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0088】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、ワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RFなど、又は前述の任意の好適な組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0089】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、例えば、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれ得る。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で完全に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で部分的に、リモートコンピュータ上で部分的に、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行し得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)若しくは広域ネットワーク(wide area network、WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、又は外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを介して)に接続され得る。
【0090】
本開示の態様は、本開示に提示された実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフロー図説明及び/又はブロック図を参照して以下に記載されている。フロー図説明及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフロー図説明及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装することができることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フロー図及び/又はブロック図のブロックで指定された機能/行為を実装するための手段を作成するような機械をもたらすように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0091】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令が、フロー図及び/又はブロック図のブロックで指定された機能/行為を実装する命令を含む製造物品を生成するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに、特定の方法で機能するように指示することができる、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0092】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされて、一連の動作ステップを、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成し得、そのため、コンピュータ、又は他のプログラマブル装置上で実行される命令は、フロー図及び/又はブロック図のブロックに指定される機能/行為を実装するためのプロセスを提供する。
【0093】
図中のフロー図及びブロック図は、本発明の様々な実施例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を例解する。これに関して、フロー図又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、又は部分を表し得る。いくつかの代替的な実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載された順序から外れて発生する場合がある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実行され得る。ブロック図及び/又はフロー図例解図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフロー図例解図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能若しくは行為を行うか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実装することができることにも留意されたい。
【0094】
以下の非限定的な実施例において、上で開示した技術が表され得る。
実施例1. 回路であって、
受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別するように構成されたデータコピー識別子回路と、
同じ受信データの2つのコピーに基づいて、パッシブ相互変調(PIM)モデル回路の更新された値を生成するように構成されたPIMモデル適応回路と、を備え、
PIMモデル回路が、RXワイヤレスチャネルについて、更新された値に基づいてPIM補償信号を生成するように構成されている、回路。
【0095】
実施例2.
複数の送信(TX)キャリアをRXワイヤレスチャネルと同じ経路で二重化又は複合するように構成されたデュプレクサ又はコンバイナを更に備え、PIM補償信号が、複数のTXキャリアによってRXワイヤレスチャネル内に取り込まれるPIM干渉を緩和する、実施例1に記載の回路。
【0096】
実施例3. 更新された値の信号対ノイズ比(SNR)が、PIM干渉に対応する電力及びRXワイヤレスチャネルにおける熱ノイズに対応する電力に依存するが、受信データに対応する電力に依存しない、実施例2に記載の回路。
【0097】
実施例4. PIMモデル適応回路が、SNRが受信データに対応する電力に依存しないように、受信データが更新された値に与える影響を相殺するために同じ受信データの2つのコピーを用いるように構成されている、実施例3に記載の回路。
【0098】
実施例5. 同じ受信データの2つのコピーが、同じ受信データを有する1つ以上のデータシンボルの2つの部分を含む、実施例1に記載の回路。
【0099】
実施例6. 2つの部分が、1つ以上のデータシンボルの中のサイクリックプレフィックスの一部である、実施例5に記載の回路。
【0100】
実施例7. サイクリックプレフィックスが、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの一部である、実施例6に記載の回路。
【0101】
実施例8.
サイクリックプレフィックス及びそれらの対応する受信データを等化するためのイコライザを更に含む、実施例6に記載の回路。
【0102】
実施例9. 基地局であって、
回路を備え、回路が、
受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別し、
同じ受信データの2つのコピーに基づいて、PIMモデルの更新された値を生成し、
RXワイヤレスチャネルについて、PIMモデルのための更新された値に基づいてPIM補償信号を生成する、ように構成されている、基地局。
【0103】
実施例10. 回路が、複数の送信(TX)キャリアをRXワイヤレスチャネルと同じ経路で二重化又は複合するように構成されており、PIM補償信号が、複数のTXキャリアによってRXワイヤレスチャネル内に取り込まれるPIM干渉を緩和する、実施例9に記載の基地局。
【0104】
実施例11. 更新された値の信号対ノイズ比(SNR)が、PIM干渉に対応する電力及びRXワイヤレスチャネルにおける熱ノイズに対応する電力に依存するが、受信データに対応する電力に依存しない、実施例10に記載の基地局。
【0105】
実施例12. 回路が、SNRが受信データに対応する電力に依存しないように、受信データが更新された値に及ぼす影響を相殺するために、同じ受信データの2つのコピーを使用するように構成されている、実施例11に記載の基地局。
【0106】
実施例13. 同じ受信データの2つのコピーが、同じ受信データを有する1つ以上のデータシンボルの2つの部分を含む、実施例9に記載の基地局。
【0107】
実施例14. 2つの部分が、1つ以上のデータシンボルにおけるサイクリックプレフィックスの一部である、実施例13に記載の基地局。
【0108】
実施例15. サイクリックプレフィックスが、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの一部である、実施例14に記載の基地局。
【0109】
実施例16. 回路が、サイクリックプレフィックス及びそれらの対応する受信データを等化するように構成されている、実施例14に記載の基地局。
【0110】
実施例17. 方法であって、
受信(RX)ワイヤレスチャネルにおける同じ受信データの2つのコピーを識別することと、
同じ受信データの2つのコピーに基づいて、パッシブ相互変調(PIM)モデルの更新された値を生成することと、
RXワイヤレスチャネルについて、PIMモデルのための更新された値に基づいてPIM補償信号を生成することと、を含む、方法。
【0111】
実施例18.
複数の送信(TX)キャリアをRXワイヤレスチャネルと同じ経路を用いて二重化することを更に含み、PIM補償信号が、複数のTXキャリアによってRXワイヤレスチャネル内に取り込まれるPIM干渉を緩和する、実施例17に記載の方法。
【0112】
実施例19. 更新された値の信号対ノイズ比(SNR)が、PIM干渉に対応する電力及びRXワイヤレスチャネルにおける熱ノイズに対応する電力に依存するが、受信データに対応する電力に依存しない、実施例18に記載の方法。
【0113】
実施例20. 同じ受信データの2つのコピーに基づいてPIMモデルの更新された値を生成することが、
SNRが受信データに対応する電力に依存しないように、受信データが更新された値に及ぼす影響を相殺するために、同じ受信データの2つのコピーを使用することを含む、実施例19の方法。
【0114】
上記は特定の例を対象とするが、他の例及び更なる例が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は、以下の「特許請求の範囲」によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】