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特表2024-533624廃棄材料の解重合により形成された再生二酸からポリエステルを形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】廃棄材料の解重合により形成された再生二酸からポリエステルを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/09 20060101AFI20240905BHJP
   C08J 11/10 20060101ALI20240905BHJP
   C08J 11/16 20060101ALI20240905BHJP
   C07C 63/26 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/78 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/82 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/181 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/183 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/16 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/86 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/20 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 63/19 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C07C51/09
C08J11/10
C08J11/16
C07C63/26 A
C08G63/78
C08G63/82
C08G63/181
C08G63/183
C08G63/16
C08G63/86
C08G63/20
C08G63/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517532
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 US2022043823
(87)【国際公開番号】W WO2023044018
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/244,828
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524104505
【氏名又は名称】サーク、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィロビー、ジュリー、アン-クロウ
(72)【発明者】
【氏名】スー、スン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】バルラ、ジョージ、フローリン
(72)【発明者】
【氏名】アトウッド、ティモシー、イーサン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーソン、アラン、スチュアート
【テーマコード(参考)】
4F401
4H006
4J029
【Fターム(参考)】
4F401AA02
4F401AA22
4F401AA24
4F401AA25
4F401AD20
4F401BA06
4F401CA67
4F401CA68
4F401CA75
4F401CB01
4F401CB14
4F401DA12
4F401DC01
4F401EA07
4F401EA08
4F401EA13
4F401EA17
4F401EA24
4F401EA25
4F401EA26
4F401EA46
4F401EA77
4F401FA01Z
4F401FA07Z
4F401FA20Z
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4H006BA11
4H006BA13
4H006BA14
4H006BA20
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4H006BS30
4J029AA03
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4J029AE03
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4J029JF471
4J029JF511
4J029JF571
4J029KA02
4J029KA03
4J029KB05
4J029KG01
4J029KG02
(57)【要約】
廃棄材料中のポリエステルの解重合から得られた、再生二酸及び触媒を含む再生組成物からポリエステルを形成する方法が開示される。この方法は、ジオールと再生組成物中の再生二酸とを反応させて、エステル結合を含む1又は複数の化合物を形成すること;任意選択的に、追加の触媒を提供すること;及びエステル結合を含む1又は複数の化合物を重合してポリエステルを形成すること、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄材料中のポリエステルの解重合から得られた、再生二酸及び触媒を含む再生組成物からポリエステルを形成する方法であって、
ジオールと前記再生組成物中の前記再生二酸とを反応させて、エステル結合を含む1又は複数の化合物を形成すること;
任意選択的に、追加の触媒を提供すること;及び
前記エステル結合を含む前記1又は複数の化合物を重合してポリエステルを形成すること、を含む、方法。
【請求項2】
前記再生組成物中の前記触媒が、ゲルマニウム、チタン、コバルト、モリブデン、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再生組成物中の前記触媒がアンチモンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再生組成物中の前記触媒が、三酸化アンチモン、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記再生組成物中の前記触媒が酢酸アンチモンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
追加の触媒が提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記追加の触媒が、ゲルマニウム、チタン、コバルト、モリブデン、又はそれらの混合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記追加の触媒がアンチモンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記追加の触媒が、三酸化アンチモン、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記追加の触媒が酢酸アンチモンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒が、前記再生組成物中に0ppm超~300ppmの量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒が、前記再生組成物中に5ppm超~250ppmの量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒が、前記再生組成物中に75ppm超~100ppmの量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記触媒が、前記再生組成物中に、前記再生二酸の重量に基づき0重量%超~0.05重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記触媒が、前記再生組成物中に、前記再生二酸の重量に基づき0.0005重量%超~0.01重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
触媒及び追加の触媒の総量が、0ppm超~500ppm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
触媒及び追加の触媒の総量が、50ppm超~400ppm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
追加の触媒が前記重合のために提供されない、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記再生二酸が芳香族二酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記芳香族二酸が、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又はそれらの混合物を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記芳香族二酸がテレフタル酸を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記再生二酸が、飽和二酸、不飽和二酸、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記飽和二酸が、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、又はそれらの混合物を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記不飽和二酸が、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、又はそれらの混合物を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ジオールが脂肪族ジオールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記ジオールがエチレングリコールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記ジオールが、ブタンジオール、プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、テトラエチレングリコール、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記ジオールが芳香族ジオールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記芳香族ジオールが、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、又はそれらの混合物を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ジオール対前記再生二酸のモル比が1~5である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記ジオール対前記再生二酸のモル比が1超~1.5以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記廃棄材料が廃棄織物である、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
請求項1に記載の方法であって、前記廃棄材料中の前記ポリエステルの前記解重合が、
前記ポリエステルを含む前記廃棄材料を解重合容器に供給すること;
前記ポリエステルを解重合して、前記再生ジオール、再生二酸、及び前記触媒を含む解重合された混合物を形成すること;
前記再生二酸及び前記触媒を前記再生ジオールから単離して、前記再生酸及び前記触媒を含む前記再生組成物を形成すること;並びに
前記再生組成物を前記再生ジオールから分離すること、を含む、方法。
【請求項34】
前記解重合が100℃~220℃の温度で行われる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記解重合が130℃~180℃の温度で行われる、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記解重合が水中で行われる、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記解重合が加水分解を介して行われる、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記加水分解が強塩基の存在下で行われる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記加水分解が10以上のpHで行われる、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記単離する工程が、前記再生二酸及び前記触媒を沈殿させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記沈殿させる工程が、前記解重合された混合物に強酸を添加することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記沈殿させる工程が、6以下のpHで行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記沈殿させる工程が、3以下のpHで行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記沈殿させる工程が、2つの間隔で、それぞれ異なるpHで行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記廃棄材料が、ポリエステル及び少なくとも1つの他のポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの他のポリマーがセルロースを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも1つの他のポリマーがポリアミドを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記少なくとも1つの他のポリマーがポリエーテル-ポリ尿素コポリマーを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記ポリエステルが、ポリマーの総重量に基づき約50重量%以上の量で存在する、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記ポリエステルが、ポリマーの総重量に基づき約90重量%以上の量で存在する、請求項45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルは、フィルム、織物、消費者製品などの様々な用途に利用されている。
【背景技術】
【0002】
しかしながら、これらの材料は寿命が限られており、主に埋め立て地、又は廃棄物施設に行くことになる。最近、これらの材料の再使用及びリサイクルに大きな関心が寄せられている。場合によっては、ポリエステルは再使用のために簡単に処理することができる。しかしながら、他の場合では、エステル結合を分解し、ポリマーをそのモノマー成分に還元することによってポリエステルを解重合する必要があり得る。このような解重合では、従来のプロセスは、最終的に、下流で使用するための、潜在的には重合反応において使用するための、高度に精製されたモノマー成分をもたらす工程を必要とする。しかしながら、これは、材料及び機器のための追加の資本、並びに処理及び下流の重合のための追加の時間を必要とするなどの欠点を有し得る。
結果として、より効率的な重合及びポリエステルの形成を可能とする、ポリエステルの解重合からの成分を利用したプロセスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施形態によれば、廃棄材料中のポリエステルの解重合から得られた再生二酸及び触媒を含む再生組成物からポリエステルを形成する方法が開示される。この方法は、ジオールと再生組成物中の再生二酸とを反応させて、エステル結合を含む1又は複数の化合物を形成すること;任意選択的に追加の触媒を提供すること;及び前記エステル結合を含む1又は複数の化合物を重合してポリエステルを形成すること、を含む。
【0004】
本発明の他の特徴及び態様は、以下により詳細に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本議論は例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広範な態様を限定する意図ではないことを当業者は理解すべきである。
【0006】
一般的に言えば、本発明は、ポリエステルを形成する方法に関する。特に、ポリエステルは、再生二酸及び触媒を含む再生組成物から形成される。例えば、再生組成物は、廃棄材料中のポリエステルを解重合することによって形成される。本発明者らは、この方法が、再生二酸のより効率的な形成/ジオールとの重合を可能にし得ることを発見した。
【0007】
重合により形成されるポリエステルは、任意の形態のポリエステルを含んでもよく、必ずしも本発明によって限定されない。例えば、ポリエステルは、直鎖脂肪族ポリエステル、超分岐ポリエステル、複素環式ポリエステル、脂肪族芳香族ポリエステル、全芳香族コポリエステルなどを含んでもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、ポリエステルは直鎖脂肪族ポリエステルを含んでもよい。別の実施形態では、ポリエステルは脂肪族芳香族ポリエステルを含んでもよい。さらなる実施形態では、ポリエステルは複素環式ポリエステルであってもよい。
【0008】
特に、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(プロピレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ブチレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ヘキシレン2,5-フランジカルボキシレート)、又はそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、ポリエステルは、ポリブチレンテレフタレートを含んでもよい。特定の一実施形態では、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含んでもよい。
【0009】
一実施形態では、ポリエステルはバイオ系ポリエステルであってもよい。一般に、これらのポリエステルは脂肪族ポリエステルであってもよい。これらのバイオ系ポリエステルには、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートなど、又はそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0010】
また、ポリエステルは複素環式ポリエステルであってもよい。複素環は、飽和結合又は不飽和結合を含んでもよい。特定の一実施形態では、複素環は、少なくとも1つの不飽和炭素-炭素結合を含む。複素環式ポリエステルは、フラン系ポリエステルを含んでいてもよい。一般に、このようなポリエステルは、2,5-フランジカルボキシレートから得ることができる。例えば、フラン系ポリエステルには、ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(プロピレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ブチレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ヘキシレン2,5-フランジカルボキシレート)、及びそれらのコポリエステルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0011】
上記のように、ポリエステルは、再生二酸及び触媒を含む再生組成物の重合から形成される。これに関して、そのような再生組成物は、廃棄材料中のポリエステルを解重合することによって形成される。したがって、そのような解重合に使用されるそのようなポリエステルは、前述のポリエステルのいずれかであり得る。
【0012】
ポリマーを形成するための重合は、ジオールと共に、再生二酸(すなわち、ジカルボン酸)及び触媒を含む再生組成物を利用して行われる。例えば、このような重合は、エステル化反応又はエステル化重合と呼ばれ得る。
【0013】
重合に使用される二酸(又は再生二酸)は、飽和二酸、不飽和二酸、又はそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、二酸(又は再生二酸)は飽和二酸を含む。飽和二酸は、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、又はそれらの混合物を含む。
【0014】
一実施形態では、二酸(又は再生二酸)は不飽和二酸を含む。例えば、不飽和二酸は、直鎖不飽和二酸、分岐不飽和二酸、芳香族二酸、又はそれらの混合物を含む。一実施形態では、不飽和二酸は、直鎖不飽和二酸を含む。別の実施形態では、不飽和二酸は、分岐不飽和二酸を含む。さらなる実施形態では、不飽和二酸は芳香族二酸を含む。芳香族二酸は、多環式であってもよい。例えば、多環式芳香族二酸は、縮合芳香族二酸、架橋芳香族二酸又はスピロ芳香族二酸を含んでもよい。
【0015】
例えば、不飽和二酸は、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、芳香族二酸は、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、芳香族二酸は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、芳香族二酸は、テレフタル酸を含んでもよい。
【0016】
本明細書に示されるように、再生組成物は触媒も含む。本明細書に記載の廃棄材料の解重合内で利用される方法のために、再生組成物内の触媒は、その触媒活性を維持し得る。触媒は、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、コバルト、モリブデン、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、触媒は、ゲルマニウム、チタン、コバルト、モリブデン、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、触媒はアンチモンを含んでもよい。例えば、アンチモンは、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン(例えば、三酢酸アンチモン、別名:酢酸アンチモン(III))、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含んでもよい。例えば、アンチモン/金属複合体は、アンチモン及び遷移金属及び/又はアルカリ金属を含んでもよい。一実施形態では、アンチモン/金属複合体は、遷移金属とアルカリ金属の両方を含んでもよい。遷移金属は、コバルト、マンガン、亜鉛、又はそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、アンチモン触媒は、酢酸アンチモン(例えば、三酢酸アンチモン)、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、アンチモンは三酸化アンチモンを含んでもよい。別の特定の実施形態では、アンチモンは、三酢酸アンチモンなどの酢酸アンチモンを含んでもよい。
【0017】
再生組成物は、特定量の触媒を含んでもよい。一般に、そのような触媒は、本明細書に示されるように、ポリエステルの解重合後に再生組成物中に存在し得る。触媒は、0ppm超、例えば5ppm以上、例えば10ppm以上、例えば15ppm以上、例えば20ppm以上、例えば25ppm以上、例えば30ppm以上、例えば40ppm以上、例えば50ppm以上、例えば60ppm以上、例えば70ppm以上、例えば75ppm以上、例えば90ppm以上、例えば100ppm以上、例えば125ppm以上、例えば150ppm以上、例えば180ppm以上、例えば200ppm以上の量で再生組成物中に存在してもよい。触媒は、350ppm以下、例えば300ppm以下、例えば275ppm以下、例えば250ppm以下、例えば225ppm以下、例えば200ppm以下、例えば190ppm以下、例えば170ppm以下、例えば150ppm以下、例えば130ppm以下、例えば110ppm以下、例えば100ppm以下、例えば90ppm以下の量で再生組成物中に存在してもよい。
【0018】
換言すれば、触媒は、再生二酸の重量に基づき0重量%超、例えば0.0005重量%以上、例えば0.001重量%以上、例えば0.002重量%以上、例えば0.003重量%以上、例えば0.004重量%以上、例えば0.005重量%以上、例えば0.006重量%以上、例えば0.007重量%以上、例えば0.0075重量%以上、例えば0.008重量%以上、例えば0.01重量%以上、例えば0.012重量%以上、例えば0.014重量%以上、例えば0.015重量%以上、例えば0.018重量%以上、例えば0.02重量%以上、例えば0.022重量%以上、例えば0.025重量%以上、例えば0.028重量%以上、例えば0.03重量%以上、例えば0.04重量%以上の量で再生組成物中に存在してもよい。触媒は、再生二酸の重量に基づき0.05重量%以下、例えば0.048重量%以下、例えば0.045重量%以下、例えば0.043重量%以下、例えば0.04重量%以下、例えば0.037重量%以下、例えば0.035重量%以下、例えば0.033重量%以下、例えば0.03重量%以下、例えば0.028重量%以下、例えば0.025重量%以下、例えば0.022重量%以下、例えば0.02重量%以下、例えば0.018重量%以下、例えば0.016重量%以下、例えば0.015重量%以下、例えば0.013重量%以下、例えば0.011重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.009重量%以下、例えば0.008重量%以下、例えば0.007重量%以下、例えば0.005重量%以下、例えば0.003重量%以下、例えば0.002重量%以下、例えば0.001重量%以下の量で再生組成物中に存在してもよい。
【0019】
再生二酸は、80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば97重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上、例えば99.5重量%以上、例えば99.7重量%以上、例えば99.8重量%以上、例えば99.9重量%以上、例えば99.95重量%以上、例えば99.96重量%以上、例えば99.97重量%以上、例えば99.98重量%以上、例えば99.99重量%以上の量で再生組成物中に存在してもよい。再生二酸は、100重量%未満、例えば99.99999重量%以下、例えば99.9999重量%以下、例えば99.9995重量%以下、例えば99.999重量%以下、例えば99.995重量%以下、例えば99.9重量%以下の量で再生組成物中に存在してもよい。
【0020】
一般に、重合は触媒の存在下で行われる。しかしながら、上記のように、生成された組成物は、解重合から得られた触媒を含んでもよい。これに関して、一実施形態では、重合反応は、いかなる追加の触媒の利用も必要としなくてもよい。別の実施形態では、重合反応は、追加の触媒の利用を必要としてもよい。しかしながら、再生組成物は、以前の解重合から得られたいくらかの触媒を既に含んでいてもよいので、提供される追加の触媒の量は、典型的に必要とされるよりも少なくてもよい。一方、追加の触媒は、再生組成物中に存在する上記の任意の触媒であり得る。例えば、特定の一実施形態では、追加の触媒はアンチモンを含んでもよい。例えば、アンチモンは、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン(例えば、三酢酸アンチモン、別名:酢酸アンチモン(III))、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含んでもよい。例えば、アンチモン/金属複合体は、アンチモン及び遷移金属及び/又はアルカリ金属を含んでもよい。一実施形態では、アンチモン/金属複合体は、遷移金属とアルカリ金属の両方を含んでもよい。遷移金属は、コバルト、マンガン、亜鉛、又はそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、アンチモン触媒は、酢酸アンチモン(例えば、三酢酸アンチモン)、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、アンチモンは三酸化アンチモンを含んでもよい。別の特定の実施形態では、アンチモンは、三酢酸アンチモンなどの酢酸アンチモンを含んでもよい。
【0021】
上記のように、重合にはジオールも必要である。ジオールは、脂肪族ジオール、芳香族ジオール又はそれらの混合物であってもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、ジオールは芳香族ジオールを含んでもよい。芳香族ジオールは多環式であってもよい。例えば、多環式芳香族ジオールは、縮合芳香族ジオール、架橋芳香族ジオール又はスピロ芳香族ジオールを含んでもよい。芳香族ジオールは、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、又はそれらの混合物を含んでもよい。別の実施形態では、再生ジオールは脂肪族ジオールを含む。例えば、脂肪族ジオールは、エチレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、プロパンジオール(例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール)、ペンタンジオール(例えば、1,5-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオールなど)、ヘキサンジオール(例えば、1,6-ヘキサンジオール、2-5-ヘキサンジオールなど)、テトラエチレングリコール、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、脂肪族ジオールは、ブタンジオール、プロパンジオール、又はそれらの混合物を含む。特定の一実施形態では、脂肪族ジオールはエチレングリコールを含む。
【0022】
一般に、再生二酸及び触媒を含む再生組成物並びにジオールを提供することができる。特に、それらは重合容器などの容器に提供されてもよい。最初に、再生二酸及びジオールは、反応(例えば、エステル化反応)を受けて、二酸とジオールとの間にエステル結合を含む化合物を形成し得る。これに関して、この方法は、再生二酸とジオールとを反応させてエステル結合を有する1又は複数の化合物を形成する工程を含んでもよい。その後、必要な程度まで、本明細書に示されるように触媒を添加してもよい。しかし、特定の実施形態では、触媒を添加しなくてもよいことを理解されたい。例えば、再生組成物内に十分な触媒が存在し得るので追加の触媒が必要とされなくてもよい。いずれにしても、次いで、エステル結合を有する1又は複数の化合物を重合反応で重合してポリエステルを形成してもよい。
【0023】
再生二酸、ジオール及び触媒は、特定の量で反応のために存在し得る。例えば、再生二酸は、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総重量に基づき10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば25重量%以上、例えば30重量%以上、例えば35重量%以上、例えば40重量%以上、例えば45重量%以上、例えば50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば75重量%以上の量で存在し得る。また、再生二酸は、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総重量に基づき90重量%以下、例えば85重量%以下、例えば80重量%以下、例えば75重量%以下、例えば70重量%以下、例えば65重量%以下、例えば60重量%以下、例えば50重量%以下、例えば40重量%以下の量で存在し得る。
【0024】
同様に、再生二酸は、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総モルに基づいて5モル%以上、例えば10モル%以上、例えば15モル%以上、例えば20モル%以上、例えば25モル%以上、例えば30モル%以上、例えば35モル%以上、例えば40モル%以上、例えば45モル%以上の量で存在し得る。再生二酸は、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総モルに基づいて60モル%以下、例えば55モル%以下、例えば50モル%以下、例えば45モル%以下、例えば40モル%以下、例えば35モル%以下の量で存在し得る。
【0025】
さらに、ジオールは、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総重量に基づき5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば25重量%以上、例えば30重量%以上、例えば35重量%以上、例えば40重量%以上、例えば45重量%以上、例えば50重量%以上の量で存在し得る。また、ジオールは、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総重量に基づき80重量%以下、例えば75重量%以下、例えば70重量%以下、例えば65重量%以下、例えば60重量%以下、例えば50重量%以下、例えば40重量%以下、例えば35重量%以下、例えば30重量%以下の量で存在し得る。
【0026】
同様に、ジオールは、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総モルに基づいて5モル%以上、例えば10モル%以上、例えば15モル%以上、例えば20モル%以上、例えば25モル%以上、例えば30モル%以上、例えば35モル%以上、例えば40モル%以上、例えば45モル%以上、例えば50モル%以上の量で存在し得る。ジオールは、モノマー(すなわち、再生二酸及びジオール)の総モルに基づいて80モル%以下、例えば75モル%以下、例えば60モル%以下、例えば55モル%以下、例えば50モル%以下、例えば45モル%以下、例えば40モル%以下、例えば35モル%以下の量で存在し得る。
【0027】
再生二酸及びジオールは、互いに対して特定の量で存在してもよい。例えば、重量の観点から、一実施形態では、ジオールは再生二酸よりも少ない量で存在してもよい。別の実施形態では、ジオールは、再生二酸よりも多い量で存在してもよい。再生二酸に対するジオールの重量比は、0.05以上、例えば0.1以上、例えば0.15以上、例えば0.2以上、例えば0.25以上、例えば0.3以上、例えば0.35以上、例えば0.4以上、例えば0.45以上、例えば0.5以上であり得る。前記重量比は、5以下、例えば4以下、例えば3以下、例えば2.5以下、例えば2以下、例えば1.5以下、例えば1以下、例えば0.9以下、例えば0.8以下、例えば0.7以下、例えば0.6以下、例えば0.55以下、例えば0.5以下、例えば0.45以下であり得る。
【0028】
また、モルの観点から、一実施形態では、ジオールは再生二酸よりも少ない量で存在してもよい。別の実施形態では、ジオールは、再生二酸よりも多い量で存在してもよい。再生二酸に対するジオールのモル比は、0.05以上、例えば0.1以上、例えば0.2以上、例えば0.3以上、例えば0.4以上、例えば0.5以上、例えば0.6以上、例えば0.7以上、例えば0.8以上、例えば0.9以上、例えば1以上、例えば1.1以上、例えば1.15以上、例えば1.2以上、例えば1.5以上であり得る。モル比は、10以下、例えば8以下、例えば6以下、例えば5以下、例えば4以下、例えば3以下、例えば2.5以下、例えば2以下、例えば1.8以下、例えば1.6以下、例えば1.5以下、例えば1.4以下、例えば1.3以下、例えば1.2以下、例えば1.1以下、例えば1以下、例えば0.9以下であり得る。
【0029】
重合に必要とされ得る触媒の総量は、500ppm以下、例えば450ppm以下、例えば400ppm以下、例えば375ppm以下、例えば350ppm以下、例えば325ppm以下、例えば300ppm以下、例えば275ppm以下、例えば250ppm以下、例えば225ppm以下、例えば200ppm以下であり得る。重合に必要とされ得る触媒の総量は、0ppm超、例えば10ppm以上、例えば20ppm以上、例えば30ppm以上、例えば40ppm以上、例えば50ppm以上、例えば80ppm以上、例えば100ppm以上、例えば125ppm以上、例えば150ppm以上、例えば175ppm以上、例えば200ppm以上、例えば225ppm以上、例えば250ppm以上、例えば275ppm以上、例えば300ppm以上、例えば325ppm以上、例えば350ppm以上であり得る。前述のppmは、使用される再生二酸、ジオール及び触媒の総量に基づいて決定される。
【0030】
しかしながら、本明細書に示されるように、再生組成物は、既に触媒を含んでいてもよい。これに関して、再生組成物によって提供される触媒は、400ppm以下、例えば375ppm以下、例えば350ppm以下、例えば325ppm以下、例えば300ppm以下、例えば275ppm以下、例えば250ppm以下、例えば225ppm以下、例えば200ppm以下であり得る。再生組成物によって提供される触媒は、0ppm超、例えば10ppm以上、例えば20ppm以上、例えば30ppm以上、例えば40ppm以上、例えば50ppm以上、例えば80ppm以上、例えば100ppm以上、例えば125ppm以上、例えば150ppm以上、例えば175ppm以上、例えば200ppm以上、例えば225ppm以上、例えば250ppm以上、例えば275ppm以上、例えば300ppm以上、例えば325ppm以上、例えば350ppm以上であり得る。前述のppmは、使用される再生二酸、ジオール及び触媒の総量に基づいて決定される。
【0031】
これに関して、一実施形態では、重合のために追加の触媒が提供される必要はなくてもよい。しかし、一実施形態では、重合のために追加の触媒を提供してもよい。そのような追加の触媒は、重合の前に提供されてもよい。別の実施形態では、そのような追加の触媒は、重合中に提供されてもよい。さらなる実施形態では、そのような追加の触媒は、重合前及び重合中に提供されてもよい。これに関して、そのような追加の触媒の量は、400ppm以下、例えば375ppm以下、例えば350ppm以下、例えば325ppm以下、例えば300ppm以下、例えば275ppm以下、例えば250ppm以下、例えば225ppm以下、例えば200ppm以下であり得る。提供される追加の触媒の量は、0ppm超、例えば10ppm以上、例えば20ppm以上、例えば30ppm以上、例えば40ppm以上、例えば50ppm以上、例えば80ppm以上、例えば100ppm以上、例えば125ppm以上、例えば150ppm以上、例えば175ppm以上、例えば200ppm以上、例えば225ppm以上、例えば250ppm以上、例えば275ppm以上、例えば300ppm以上であり得る。前述のppmは、使用される再生二酸、ジオール及び触媒の総量に基づいて決定される。
【0032】
したがって、添加される場合、重合反応のために添加される触媒の量は、ポリエステルの形成のためにエステル化及び重合を効果的に受けるために理論的に必要とされる量の70%以下、例えば60%以下、例えば50%以下、例えば40%以下、例えば30%以下、例えば25%以下、例えば20%以下であり得る。そのような前述の量は、一実施形態では重量パーセンテージであってもよい。別の実施形態では、そのような前述の量はモルパーセンテージであってもよい。
【0033】
エステル化及び重合条件は、本発明によって必ずしも限定されない。例えば、エステル化は、50℃以上、例えば70℃以上、例えば90℃以上、例えば100℃以上、例えば110℃以上、例えば130℃以上、例えば150℃以上、例えば180℃以上、例えば220℃以上、例えば240℃以上、例えば260℃以上の温度で行われ得る。温度は、400℃以下、例えば380℃以下、例えば350℃以下、例えば330℃以下、例えば310℃以下、例えば300℃以下、例えば280℃以下、例えば270℃以下、例えば260℃以下、例えば250℃以下、例えば220℃以下、例えば200℃以下、例えば180℃以下、例えば160℃以下、例えば150℃以下であり得る。
【0034】
重合は、50℃以上、例えば70℃以上、例えば90℃以上、例えば100℃以上、例えば110℃以上、例えば130℃以上、例えば150℃以上、例えば180℃以上、例えば220℃以上、例えば240℃以上、例えば260℃以上の温度で行われ得る。温度は、400℃以下、例えば380℃以下、例えば350℃以下、例えば330℃以下、例えば310℃以下、例えば300℃以下、例えば280℃以下、例えば270℃以下、例えば260℃以下、例えば250℃以下、例えば220℃以下、例えば200℃以下、例えば180℃以下、例えば160℃以下、例えば150℃以下であり得る。
【0035】
エステル化は、0.01kPa以上、例えば0.05kPa以上、例えば0.1kPa以上、例えば0.2kPa以上、例えば0.3kPa以上、例えば0.5kPa以上、例えば1kPa以上、例えば2kPa以上、例えば3kPa以上、例えば5kPa以上、例えば10kPa以上、例えば20kPa以上、例えば50kPa以上、例えば80kPa以上、例えば100kPa以上、例えば130kPa以上、例えば150kPa以上、例えば200kPa以上、例えば250kPa以上、例えば300kPa以上、例えば500kPa以上の圧力で行われ得る。圧力は、1000kPa以下、例えば700kPa以下、例えば500kPa以下、例えば400kPa以下、例えば350kPa以下、例えば300kPa以下、例えば280kPa以下、例えば250kPa以下、例えば240kPa以下、例えば220kPa以下、例えば200kPa以下、例えば170kPa以下、例えば150kPa以下、例えば130kPa以下、例えば100kPa以下、例えば70kPa以下、例えば50kPa以下、例えば30kPa以下、例えば20kPa以下、例えば10kPa以下、例えば8kPa以下、例えば6kPa以下、例えば3kPa以下、例えば1kPa以下、例えば0.5kPa以下であってもよい。
【0036】
重合は、0.01kPa以上、例えば0.05kPa以上、例えば0.1kPa以上、例えば0.2kPa以上、例えば0.3kPa以上、例えば0.5kPa以上、例えば1kPa以上、例えば2kPa以上、例えば3kPa以上、例えば5kPa以上、例えば10kPa以上、例えば20kPa以上、例えば50kPa以上、例えば80kPa以上、例えば100kPa以上、例えば130kPa以上、例えば150kPa以上、例えば200kPa以上、例えば250kPa以上、例えば300kPa以上、例えば500kPa以上の圧力で行われ得る。圧力は、1000kPa以下、例えば700kPa以下、例えば500kPa以下、例えば400kPa以下、例えば350kPa以下、例えば300kPa以下、例えば280kPa以下、例えば250kPa以下、例えば240kPa以下、例えば220kPa以下、例えば200kPa以下、例えば170kPa以下、例えば150kPa以下、例えば130kPa以下、例えば100kPa以下、例えば70kPa以下、例えば50kPa以下、例えば30kPa以下、例えば20kPa以下、例えば10kPa以下、例えば8kPa以下、例えば6kPa以下、例えば3kPa以下、例えば1kPa以下、例えば0.5kPa以下であってもよい。一実施形態では、エステル化反応の完了後に、重合がエステル化反応の圧力よりも低い圧力で行われるように圧力を低下させてもよい。
【0037】
エステル化は、0.01時間以上、例えば0.02時間以上、例えば0.05時間以上、例えば0.1時間以上、例えば0.2時間以上、例えば0.3時間以上、例えば0.5時間以上、例えば1時間以上、例えば2時間以上、例えば3時間以上、例えば4時間以上、例えば5時間以上、例えば6時間以上、例えば8時間以上、例えば10時間以上、例えば12時間以上、例えば15時間以上行われてもよい。時間は、24時間以下、例えば20時間以下、例えば18時間以下、例えば15時間以下、例えば13時間以下、例えば11時間以下、例えば10時間以下、例えば8時間以下、例えば6時間以下、例えば5時間以下、例えば4時間以下、例えば3時間以下、例えば2時間以下、例えば1時間以下、例えば0.8時間以下、例えば0.6時間以下、例えば0.5時間以下、例えば0.4時間以下、例えば0.3時間以下、例えば0.2時間以下、例えば0.1時間以下であってもよい。
【0038】
重合は、0.01時間以上、例えば0.02時間以上、例えば0.05時間以上、例えば0.1時間以上、例えば0.2時間以上、例えば0.3時間以上、例えば0.5時間以上、例えば1時間以上、例えば2時間以上、例えば3時間以上、例えば4時間以上、例えば5時間以上、例えば6時間以上、例えば8時間以上、例えば10時間以上、例えば12時間以上、例えば15時間以上行われてもよい。時間は、24時間以下、例えば20時間以下、例えば18時間以下、例えば15時間以下、例えば13時間以下、例えば11時間以下、例えば10時間以下、例えば8時間以下、例えば6時間以下、例えば5時間以下、例えば4時間以下、例えば3時間以下、例えば2時間以下、例えば1時間以下、例えば0.8時間以下、例えば0.6時間以下、例えば0.5時間以下、例えば0.4時間以下、例えば0.3時間以下、例えば0.2時間以下、例えば0.1時間以下であってもよい。
【0039】
ポリエステルは、特定の特性を有してもよく、また、標準的なポリエステルと比較した場合、特定の特性に関して実質的に同様であってもよい。例えば、25℃で測定した場合、ポリエステルは、1.0dL/g以下、例えば0.95dL/g以下、例えば0.90dL/g以下、例えば0.85dL/g以下、例えば0.80dL/g以下、例えば0.75dL/g以下、例えば0.70dL/g以下、例えば0.65dL/g以下、例えば0.60dL/g以下の固有粘度を有し得る。固有粘度は、0.30dL/g以上、例えば0.35dL/g以上、例えば0.40dL/g以上、例えば0.45dL/g以上、例えば0.50dL/g以上、例えば0.55dL/g以上、例えば0.60dL/g以上、例えば0.65dL/g以上、例えば0.70dL/g以上であり得る。一般に、未使用又は未再生二酸を利用することを除いて同じ条件に従って形成された標準ポリエステルの固有粘度に対する再生ジオールを含む再生組成物から形成されたポリエステルの固有粘度の比は、1.2以下、例えば1.15以下、例えば1.1以下、例えば1.05以下、例えば1以下、例えば0.98以下、例えば0.95以下、例えば0.93以下、例えば0.9以下であり得る。この比は、0.8以上、例えば0.84以上、例えば0.85以上、例えば0.88以上、例えば0.9以上、例えば0.93以上、例えば0.95以上、例えば0.98以上であってもよい。固有粘度は、当技術分野で公知の手段を使用して、例えばASTM D4603-13に従って決定され得る。
【0040】
また、ポリエステルは、特定の溶融温度を有していてもよい。例えば、溶融温度は、200℃以上、例えば220℃以上、例えば230℃以上、例えば240℃以上、例えば245℃以上、例えば250℃以上、例えば252℃以上、例えば255℃以上、例えば258℃以上であり得る。溶融温度は、300℃以下、例えば290℃以下、例えば280℃以下、例えば275℃以下、例えば260℃以下、例えば258℃以下、例えば255℃以下、例えば253℃以下、例えば250℃以下であってもよい。未使用又は未再生二酸を利用することを除いて同じ条件に従って形成された標準ポリエステルの溶融温度に対する再生ジオールを含む再生組成物から形成されたポリエステルの溶融温度の比は、1.2以下、例えば1.15以下、例えば1.1以下、例えば1.05以下、例えば1.01以下、例えば1以下、例えば0.98以下、例えば0.95以下であり得る。この比は、0.8以上、例えば0.85以上、例えば0.88以上、例えば0.9以上、例えば0.93以上、例えば0.95以上、例えば0.96以上、例えば0.97以上、例えば0.98以上、例えば0.99以上であってもよい。溶融温度は、当技術分野で公知の手段を使用して、例えばASTM D7138-16に従って決定され得る。
【0041】
さらに、ポリエステルは、特定の灰分を有していてもよい。例えば、灰分は、0.5%以下、例えば0.45%以下、例えば0.4%以下、例えば0.35%以下、例えば0.3%以下、例えば0.25%以下、例えば0.2%以下、例えば0.15%以下、例えば0.1%以下、例えば0.08%以下、例えば0.06%以下、例えば0.05%以下、例えば0.04%以下であり得る。灰分は、0%以上、例えば0.01%以上、例えば0.02%以上、例えば0.03%以上、例えば0.04%以上、例えば0.05%以上、例えば0.1%以上、例えば0.15%以上、例えば0.2%以上、例えば0.25%以上であってもよい。未使用又は未再生二酸を利用することを除いて同じ条件に従って形成された標準ポリエステルの灰分に対する再生ジオールを含む再生組成物から形成されたポリエステルの灰分の比は、1.2以下、例えば1.1以下、例えば1以下、例えば0.9以下、例えば0.8以下、例えば0.7以下、例えば0.6以下、例えば0.5以下、例えば0.45以下、例えば0.4以下、例えば0.3以下、例えば0.25以下、例えば0.2以下、例えば0.18以下、例えば0.15以下、例えば0.13以下、例えば0.1以下であり得る。この比は、0より大きくてもよく、例えば0.05以上、例えば0.1以上、例えば0.2以上、例えば0.3以上、例えば0.4以上、例えば0.5以上、例えば0.6以上、例えば0.7以上、例えば0.8以上、例えば0.9以上であってもよい。灰分は、ASTM D5630-13に従って決定され得る。
【0042】
上述のように、ポリエステルは、再生二酸及び触媒を含む再生組成物の重合により形成される。これに関して、このような再生組成物は廃棄材料中のポリエステルを解重合することにより形成される。したがって、このような解重合に用いられるこのようなポリエステルは、上述したようにいずれのポリエステルであってもよい。また、限定されることを意図するものではないが、廃棄材料は様々な材料を含んでもよい。例えば、廃棄材料の供給源は、使用済み材料又はリサイクル材料であってもよい。例えば、廃棄材料は、副生成物として生成されたスクラップなどの前消費者供給源又は使用済み材料などの後消費者供給源であってもよい。廃棄材料は、織物、繊維、糸、フィルム、チップなどの形態であってもよい。例えば、廃棄材料は、繊維及び/又は糸を含む織物であってもよい。これに関して、廃棄材料は、廃棄織物であってもよい。さらに、ポリエステルは様々な形態で存在し得る。例えば、ポリエステルは、繊維、糸、フィルム、チップなどの形態で存在してもよい。一実施形態では、ポリエステルは、フィルム又はチップの形態で存在してもよい。別の実施形態では、ポリエステルは、繊維又は糸の形態で存在してもよい。例えば、ポリエステルは繊維の形態で存在してもよい。別の実施形態では、ポリエステルは、糸の形態で存在してもよい。したがって、ポリエステル又は廃棄材料の供給原料は、必ずしも本発明によって限定されない。
【0043】
廃棄織物などの廃棄材料として存在する場合、ポリエステルは、単独で、又は他のポリマーの存在下で存在してもよい。これに関して、ポリエステルは、ポリエステル及び少なくとも1つの他のポリマーを含む、廃棄織物などの出発廃棄材料の一部であってもよい。一実施形態では、前記少なくとも1つの他のポリマーは、ポリエステル以外のポリマーであってもよい。前記少なくとも1つの他のポリマーは、セルロース、ポリアミド、ポリエーテル-ポリ尿素コポリマー、ポリウレタン、リグノセルロース、シロキサン、天然ポリマー繊維、又はそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。一実施形態では、前記少なくとも1つの他のポリマーは、ポリアミドを含む。例えば、ポリアミドはナイロンであってもよい。また、ポリアミドは、具体的にはポリペプチドであってもよい。さらに、ポリマーは、ケラチン、キチン、キトサン、コラーゲン、又はそれらの混合物などの天然ポリマー繊維を含んでもよい。別の実施形態では、前記少なくとも1つの他のポリマーは、ポリエーテル-ポリ尿素コポリマーを含む。例えば、ポリエーテル-ポリ尿素コポリマーはスパンデックス(例えば、エラスタン)であってもよい。さらなる実施形態では、前記少なくとも1つの他のポリマーはセルロースを含む。セルロースには、レーヨン、綿、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロースなどが含まれ得るが、これらに限定されない。また、一実施形態では、セルロースは再生セルロースであり得る。
【0044】
一般に、少なくとも1つの他のポリマーが解重合中にポリエステルと共に存在する場合、ポリエステルは、ポリマーの総重量(すなわち、ポリエステル及び少なくとも1つの他のポリマー)に基づき、0.01重量%以上、例えば1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば30重量%以上、例えば40重量%以上、例えば50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上、例えば100重量%の量で存在する。ポリエステルは、ポリマーの総重量(すなわち、ポリエステル及び少なくとも1つの他のポリマー)に基づき100重量%以下、例えば99.9重量%以下、例えば99重量%以下、例えば98重量%以下、例えば95重量%以下、例えば90重量%以下、例えば80重量%以下、例えば70重量%以下、例えば60重量%以下、例えば50重量%以下、例えば40重量%以下、例えば30重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下、例えば10重量%以下、例えば5重量%以下の量で存在してもよい。
【0045】
さらに、少なくとも1つの他のポリマーがポリエステルと共に存在する場合、前記少なくとも1つの他のポリマーは、ポリマーの総重量(すなわち、ポリエステル及び少なくとも1つの他のポリマー)に基づき、0.01重量%以上、例えば1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば30重量%以上、例えば40重量%以上、例えば50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上、例えば100重量%の量で存在する。前記少なくとも1つの他のポリマーは、ポリマーの総重量(すなわち、ポリエステル及び少なくとも1つの他のポリマー)に基づき100重量%以下、例えば99.9重量%以下、例えば99重量%以下、例えば98重量%以下、例えば95重量%以下、例えば90重量%以下、例えば80重量%以下、例えば70重量%以下、例えば60重量%以下、例えば50重量%以下、例えば40重量%以下、例えば30重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下、例えば10重量%以下、例えば5重量%以下の量で存在してもよい。このような前述の重量パーセンテージは、ポリエステル以外の単一の1つの他のポリマー又は複数の他のポリマーに対するものであり得る。
【0046】
一般に、廃棄材料中のポリエステルの解重合は、再生二酸(すなわち、ジカルボン酸)及び触媒を含む再生組成物、並びに再生ジオールをもたらす。さらに、再生組成物は、再生ジオールを含んでもよい。再生ジオール及び再生二酸の性質は、解重合を受ける特定のポリエステルに依存し得る。さらに、解重合法は、理論によって限定されることを意図するものではないが、再生二酸の脱カルボキシル化を防止し得るので、再生二酸の形成を可能にし得る。
【0047】
例えば、再生二酸は、飽和二酸、不飽和二酸、又はそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、再生二酸は飽和二酸を含む。飽和二酸は、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、又はそれらの混合物を含む。
【0048】
一実施形態では、再生二酸は不飽和二酸を含む。例えば、不飽和二酸は、直鎖不飽和二酸、分岐不飽和二酸、芳香族二酸、又はそれらの混合物を含む。一実施形態では、不飽和二酸は、直鎖不飽和二酸を含む。別の実施形態では、不飽和二酸は、分岐不飽和二酸を含む。さらなる実施形態では、不飽和二酸は芳香族二酸を含む。芳香族二酸は、多環式であってもよい。例えば、多環式芳香族二酸は、縮合芳香族二酸、架橋芳香族二酸又はスピロ芳香族二酸を含んでもよい。
【0049】
例えば、不飽和二酸は、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、芳香族二酸は、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、芳香族二酸は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、芳香族二酸は、テレフタル酸を含んでもよい。
【0050】
本明細書に示されるように、再生組成物は触媒も含む。本明細書で利用される方法のために、触媒はその触媒活性を維持し得る。触媒は、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、コバルト、モリブデン、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、触媒は、ゲルマニウム、チタン、コバルト、モリブデン、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、触媒はアンチモンを含んでもよい。例えば、アンチモンは、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン(例えば、三酢酸アンチモン、別名:酢酸アンチモン(III))、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含んでもよい。例えば、アンチモン/金属複合体は、アンチモン及び遷移金属及び/又はアルカリ金属を含んでもよい。一実施形態では、アンチモン/金属複合体は、遷移金属とアルカリ金属の両方を含んでもよい。遷移金属は、コバルト、マンガン、亜鉛、又はそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、アンチモン触媒は、酢酸アンチモン(例えば、三酢酸アンチモン)、グリコール酸アンチモン、アンチモン/金属複合体、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、アンチモンは三酸化アンチモンを含んでもよい。別の特定の実施形態では、アンチモンは、三酢酸アンチモンなどの酢酸アンチモンを含んでもよい。
【0051】
再生組成物は、特定量の触媒を含んでもよい。通常、そのような触媒は上述したようにポリエステルの解重合の後の再生組成物中に存在し得る。触媒は、再生組成物中に0ppm超、例えば5ppm以上、例えば10ppm以上、例えば15ppm以上、例えば20ppm以上、例えば25ppm以上、例えば30ppm以上、例えば40ppm以上、例えば50ppm以上、例えば60ppm以上、例えば70ppm以上、例えば75ppm以上、例えば90ppm以上、例えば100ppm以上、例えば125ppm以上、例えば150ppm以上、例えば180ppm以上、例えば200ppm以上の量で存在してもよい。触媒は、再生組成物中に350ppm以下、例えば300ppm以下、例えば275ppm以下、例えば250ppm以下、例えば225ppm以下、例えば200ppm以下、例えば190ppm以下、例えば170ppm以下、例えば150ppm以下、例えば130ppm以下、例えば110ppm以下、例えば100ppm以下、例えば90ppm以下の量で存在してもよい。
【0052】
換言すれば、触媒は、再生二酸の重量に基づき0重量%超、例えば0.0005重量%以上、例えば0.001重量%以上、例えば0.002重量%以上、例えば0.003重量%以上、例えば0.004重量%以上、例えば0.005重量%以上、例えば0.006重量%以上、例えば0.007重量%以上、例えば0.0075重量%以上、例えば0.008重量%以上、例えば0.01重量%以上、例えば0.012重量%以上、例えば0.014重量%以上、例えば0.015重量%以上、例えば0.018重量%以上、例えば0.02重量%以上、例えば0.022重量%以上、例えば0.025重量%以上、例えば0.028重量%以上、例えば0.03重量%以上、例えば0.04重量%以上の量で存在してもよい。触媒は、再生二酸の重量に基づき0.05重量%以下、例えば0.048重量%以下、例えば0.045重量%以下、例えば0.043重量%以下、例えば0.04重量%以下、例えば0.037重量%以下、例えば0.035重量%以下、例えば0.033重量%以下、例えば0.03重量%以下、例えば0.028重量%以下、例えば0.025重量%以下、例えば0.022重量%以下、例えば0.02重量%以下、例えば0.018重量%以下、例えば0.016重量%以下、例えば0.015重量%以下、例えば0.013重量%以下、例えば0.011重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.009重量%以下、例えば0.008重量%以下、例えば0.007重量%以下、例えば0.005重量%以下、例えば0.003重量%以下、例えば0.002重量%以下、例えば0.001重量%以下の量で存在してもよい。
【0053】
再生二酸は、80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば97重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上、例えば99.5重量%以上、例えば99.7重量%以上、例えば99.8重量%以上、例えば99.9重量%以上、例えば99.95重量%以上、例えば99.96重量%以上、例えば99.97重量%以上、例えば99.98重量%以上、例えば99.99重量%以上の量で存在してもよい。再生二酸は、100重量%未満、例えば99.99999重量%以下、例えば99.9999重量%以下、例えば99.9995重量%以下、例えば99.999重量%以下、例えば99.995重量%以下、例えば99.9重量%以下の量で存在してもよい。
【0054】
上記のように、解重合はまた、再生ジオールをもたらし得る。例えば、再生ジオールは、脂肪族ジオール、芳香族ジオール又はそれらの混合物であってもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、再生ジオールは芳香族ジオールを含んでもよい。芳香族ジオールは多環式であってもよい。例えば、多環式芳香族ジオールは、縮合芳香族ジオール、架橋芳香族ジオール又はスピロ芳香族ジオールを含んでもよい。芳香族ジオールは、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、又はそれらの混合物を含んでもよい。別の実施形態では、再生ジオールは脂肪族ジオールを含む。例えば、脂肪族ジオールは、エチレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、プロパンジオール(例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール)、ペンタンジオール(例えば、1,5-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオールなど)、ヘキサンジオール(例えば、1,6-ヘキサンジオール、2-5-ヘキサンジオールなど)、テトラエチレングリコール、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、脂肪族ジオールは、ブタンジオール、プロパンジオール、又はそれらの混合物を含む。特定の一実施形態では、脂肪族ジオールはエチレングリコールを含む。
【0055】
上記は解重合プロセスに関する一般的な説明を提供するが、以下はさらなる詳細を提供する。一般に、解重合を行うための装置は必ずしも限定されない。例えば、解重合は、解重合容器内で行われてもよく、これは互換的にリアクタとも称することがある。特に、前記容器は、熱水条件下で解重合を可能にするものであってもよい。装置にかかわらず、解重合は、連続プロセス、バッチプロセス、又は半連続プロセスで行われてもよい。一実施形態では、解重合は連続プロセスで行われてもよい。別の実施形態では、解重合はバッチプロセスで行われてもよい。さらなる実施形態では、解重合は半連続プロセスで行われてもよい。
【0056】
解重合は、エステル結合を分解することを可能にする様々な方法を使用して行われ得る。例えば、一実施形態では、解重合は、一価又は多価アルコールを使用することなどによって、アルコール分解を介して行われてもよい。アルコール分解の一例は、メタノリシスであり得る。特定の実施形態では、解重合は加水分解を介して行われてもよい。後者に関して、メタノールなどのアルコールは、ポリエステルをデグレード(degrade)又は分解(break down)するために解重合中に提供されなくてもよい。
【0057】
一般に、前記容器は解重合混合物(depolymerization mixture)を含んでもよい。例えば、解重合混合物は、廃棄織物を含んでもよい。また、解重合混合物は液相を含んでいてもよい。液相は、水、ジオール、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、液相は水を含んでもよい。別の実施形態では、液相は、上述したエチレングリコールなどの再生ジオールの例などのジオールを含んでもよい。液相が水を含む場合、水は、液相の50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば80重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上の量で存在してもよい。一実施形態では、液相全体(すなわち、100重量%)が水を含んでもよい。
【0058】
固形分は、固体及び液体の総重量(すなわち、解重合混合物)に基づき0.01重量%以上、例えば1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば30重量%以上、例えば40重量%以上、例えば50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上であり得る。固形分は、固体及び液体の総重量(すなわち、解重合混合物)に基づき100重量%未満、例えば99.9重量%以下、例えば99重量%以下、例えば98重量%以下、例えば95重量%以下、例えば90重量%以下、例えば80重量%以下、例えば70重量%以下、例えば60重量%以下、例えば50重量%以下、例えば40重量%以下、例えば30重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下、例えば10重量%以下、例えば5重量%以下の量であってもよい。
【0059】
固形物のうち、廃棄織物などの廃棄材料は、固体の総重量に基づき、0.01重量%以上、例えば1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば30重量%以上、例えば40重量%以上、例えば50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上、例えば100重量%の量で存在してもよい。廃棄材料は、固体の総重量に基づき100重量%以下、例えば99.9重量%以下、例えば99重量%以下、例えば98重量%以下、例えば95重量%以下、例えば90重量%以下、例えば80重量%以下、例えば70重量%以下、例えば60重量%以下、例えば50重量%以下、例えば40重量%以下、例えば30重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下、例えば10重量%以下、例えば5重量%以下の量で存在してもよい。
【0060】
解重合は、アルカリ条件下で行ってもよい。例えば、pHは、7超、例えば7.5以上、8以上、例えば8.5以上、例えば9以上、例えば9.5以上、例えば10以上、例えば11以上、例えば12以上であり得る。pHは、14以下、例えば13以下、例えば12.5以下、例えば12以下、例えば11.5以下、例えば11以下、例えば10.5以下、例えば10以下、例えば9.5以下、例えば9以下であり得る。例えば、一例として、pHは12~13であり得る。
【0061】
アルカリ性pHを得るために、塩基を混合物に供給してもよい。塩基は、弱塩基であっても強塩基であってもよい。一実施形態では、塩基は弱塩基であり得る。例えば、塩基は、アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン、ヒドラジン、水酸化アンモニウムなどを含んでもよいが、これらに限定されない。別の実施形態では、塩基は強塩基であり得る。例えば、塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウムなどを含んでもよいが、これらに限定されない。したがって、塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、又はそれらの混合物であり得る。利用される場合、塩基は、解重合混合物の0.01重量%以上、例えば0.05重量%以上、例えば0.1重量%以上、例えば0.2重量%以上、例えば0.3重量%以上、例えば0.5重量%以上、例えば1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば3重量%以上、例えば5重量%以上、例えば7重量%以上、例えば10重量%以上、例えば12重量%以上、例えば14重量%以上の量で存在してもよい。塩基は、解重合混合物の15重量%以下、例えば13重量%以下、例えば11重量%以下、例えば10重量%以下、例えば8重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.8重量%以下、例えば0.5重量%以下の量で存在してもよい。
【0062】
さらに、残りの解重合条件は必ずしも限定されない。例えば、解重合は、50℃以上、例えば60℃以上、例えば70℃以上、例えば80℃以上、例えば90℃以上、例えば100℃以上、例えば110℃以上、例えば120℃以上、例えば130℃以上、例えば150℃以上、例えば180℃以上の温度で行われてもよい。温度は、250℃以下、例えば240℃以下、例えば220℃以下、例えば200℃以下、例えば190℃以下、例えば180℃以下、例えば170℃以下、例えば160℃以下、例えば150℃以下、例えば140℃以下であり得る。特に、解重合は、大気沸点(100℃)と水の臨界温度(374℃)の間の温度で行われてもよい。
【0063】
解重合は、1kPa以上、例えば2kPa以上、例えば3kPa以上、例えば5kPa以上、例えば10kPa以上、例えば20kPa以上、例えば50kPa以上、例えば80kPa以上、例えば100kPa以上、例えば130kPa以上、例えば150kPa以上、例えば200kPa以上、例えば250kPa以上、例えば300kPa以上、例えば500kPa以上、例えば800kPa以上、例えば1000kPa以上、例えば1200kPa以上、例えば1500kPa以上の圧力で行われてもよい。圧力は、2000kPa以下、例えば1800kPa以下、例えば1500kPa以下、例えば1300kPa以下、例えば1000kPa以下、例えば700kPa以下、例えば500kPa以下、例えば400kPa以下、例えば300kPa以下、例えば200kPa以下、例えば100kPa以下、例えば70kPa以下、例えば50kPa以下、例えば40kPa以下、例えば30kPa以下、例えば25kPa以下、例えば20kPa以下、例えば15kPa以下、例えば10kPa以下であってもよい。さらに、圧力は、水の蒸気圧であってもよい。
【0064】
解重合は、0.01時間以上、例えば0.02時間以上、例えば0.05時間以上、例えば0.1時間以上、例えば0.2時間以上、例えば0.3時間以上、例えば0.5時間以上、例えば1時間以上、例えば2時間以上、例えば3時間以上、例えば4時間以上、例えば5時間以上、例えば6時間以上、例えば8時間以上、例えば10時間以上、例えば12時間以上、例えば15時間以上行われてもよい。時間は、24時間以下、例えば20時間以下、例えば18時間以下、例えば15時間以下、例えば13時間以下、例えば11時間以下、例えば10時間以下、例えば8時間以下、例えば6時間以下、例えば5時間以下、例えば4時間以下、例えば3時間以下、例えば2時間以下、例えば1時間以下、例えば0.8時間以下、例えば0.6時間以下、例えば0.5時間以下、例えば0.4時間以下、例えば0.3時間以下、例えば0.2時間以下、例えば0.1時間以下であってもよい。
【0065】
解重合の後、解重合された混合物(depolymerized mixture)は、再生ジオール及び再生二酸、例えば再生二酸の塩を含んでもよい。例えば、再生二酸の塩などの再生二酸は、液体媒体に溶解されてもよい。前記塩は、アルカリ金属塩であってもよいし、アルカリ土類金属塩であってもよい。一実施形態では、塩は、二アルカリ金属塩などのアルカリ金属塩であってもよい。例えば、前記塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、又はそれらの混合物を含んでもよい。一実施形態では、塩は、二リチウム、二ナトリウム、二カリウム、二セシウム、又はそれらの混合物を含んでもよい。別の実施形態では、前記塩は、アルカリ金属塩を含んでもよい。例えば、前記塩は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0066】
解重合された混合物はまた、本明細書に記載の触媒を含んでもよい。さらに、再生二酸、再生ジオール、及び/又は触媒は、解重合された混合物中に溶解成分として存在してもよい。例えば、一実施形態では、再生二酸は溶解していてもよい。別の実施形態では、再生ジオールは溶解していてもよい。さらなる実施形態では、触媒は溶解していてもよい。
【0067】
本明細書に示されるように、廃棄材料は、ポリエステルに加えて他のポリマーを含んでもよい。これに関して、そのようなポリマーは、解重合反応中に解重合されなくてもよい。したがって、そのようなポリマーはまた、解重合された混合物中に存在してもよい。結果として、解重合の完了後に、そのようなポリマーは、解重合された混合物から除去又は分離されてもよい。そのような除去又は分離は、フィルタなどの機械的手段を介してもよい。しかしながら、当技術分野で一般的に知られている他の手段を利用して、解重合された混合物から他のポリマーを分離してもよいことを理解されたい。温度は必ずしも限定されず、室温以上であってもよい。例えば、温度は、20℃以上、例えば30℃以上、例えば40℃以上、例えば50℃以上、例えば60℃以上、例えば70℃以上、例えば80℃以上、例えば90℃以上、例えば100℃以上、例えば110℃以上、例えば120℃以上、例えば130℃以上、例えば150℃以上、例えば180℃以上であり得る。温度は、250℃以下、例えば240℃以下、例えば220℃以下、例えば200℃以下、例えば190℃以下、例えば180℃以下、例えば170℃以下、例えば160℃以下、例えば150℃以下、例えば140℃以下であり得る。
【0068】
解重合された混合物、特に解重合されて分離された混合物は、清澄化されてもよい。例えば、混合物は、濾過(例えば、膜濾過)、遠心分離などの当技術分野で一般的に知られている手段を使用して清澄化され得る。特に、濾過は珪藻土濾過であり得る。そのような工程は、混合物内の固体の低減又は除去を可能にし得る。
【0069】
加えて、又は代替的に、混合物は、脱色剤を使用して脱色工程を経てもよい。例えば、混合物は、活性炭などの脱色炭素を含む脱色剤に供され得る。脱色を補助し得る他の脱色剤としては、過酸化物(例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウムなど)、次亜塩素酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸リチウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム)、過酢酸、塩化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウムなどが挙げられ得る。
【0070】
次いで、解重合された混合物(例えば、前述の分離、清澄化、及び/又は脱色を経たもの、又は経ていないもの)を、沈殿工程などの単離工程に供してもよい。単離に関して、そのようなプロセスは蒸留などを含んでもよい。特定の一実施形態では、単離は沈殿(又は結晶化)工程であってもよい。例えば、沈殿工程は、再生二酸の沈殿を可能にすることができる。同様に、沈殿工程は、触媒の沈殿も可能にし得る。沈殿を開始するために、酸を解重合された混合物に供給してもよい。酸は、弱酸であってもよいし、強酸であってもよい。一実施形態では、酸は弱酸であり得る。例えば、酸は、酢酸、ギ酸、安息香酸、シュウ酸、フッ化水素酸、リン酸、亜硝酸などであってもよいが、これらに限定されない。別の実施形態では、酸は強酸であり得る。例えば、酸は、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩素酸、過塩素酸などであってもよいが、これらに限定されない。酸の濃度は、本発明によって必ずしも限定されない。例えば、前記濃度は、1%以上、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば20%以上、例えば25%以上、例えば30%以上、例えば40%以上、例えば50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば100%であり得る。前記濃度は、100%以下、例えば95%以下、例えば90%以下、例えば80%以下、例えば70%以下、例えば60%以下、例えば50%以下、例えば40%以下、例えば30%以下、例えば25%以下、例えば20%以下、例えば15%以下、例えば10%以下、例えば5%以下であり得る。
【0071】
これに関して、沈殿を開始及び/又は発生させるために、解重合された混合物のpHを低下させてもよい。例えば、pHは、7以下、例えば6.5以下、例えば6以下、例えば5.5以下、例えば5以下、例えば4.5以下、例えば4以下、例えば3.5以下、例えば3以下、例えば2.5以下であり得る。pHは、1以上、例えば1.5以上、例えば2以上、例えば2.5以上、例えば3以上、例えば3.5以上、例えば4以上、例えば4.5以上、例えば5以上、例えば5.5以上であり得る。これに関して、沈殿中の最終pHは、前述のpH範囲内であり得る。
【0072】
また、再生二酸及び/又は触媒が沈殿するのを可能にする滞留時間は、0.5分以上、例えば1分以上、例えば2分以上、例えば3分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば20分以上、例えば25分以上、例えば30分以上、例えば45分以上、例えば1時間以上であり得る。再生二酸及び/又は触媒が沈殿することを可能にする滞留時間は、10時間以下、例えば8時間以下、例えば6時間以下、例えば5時間以下、例えば4時間以下、例えば3時間以下、例えば2時間以下、例えば1時間以下、例えば50分以下、例えば40分以下、例えば30分以下、例えば25分以下、例えば20分以下、例えば15分以下、例えば10分以下、例えば8分以下、例えば6分以下、例えば5分以下、例えば4分以下、例えば3分以下、例えば2分以下であり得る。
【0073】
一実施形態では、pHの低下は緩やかであり、より制御された沈殿を可能にし得る。これに関して、沈殿は、少なくとも2つの間隔(intervals)の間に、それぞれ異なるpHで行われてもよい。
【0074】
例えば、pHを前述の範囲内に低下させ、さらなる低下の前に特定の期間、保持してもよい。例えば、pHの初期低下は、0.5以上、例えば1以上、例えば1.5以上、例えば2以上、例えば2.5以上、例えば3以上であり得る。pHの初期低下は、5以下、例えば4.5以下、例えば4以下、例えば3.5以下、例えば3以下、例えば2.5以下であり得る。初期低下の完了後に、再生二酸を0.5分以上、例えば1分以上、例えば2分以上、例えば3分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば20分以上、例えば25分以上、例えば30分以上、例えば45分以上、例えば1時間以上沈殿させてもよい。再生二酸は、10時間以下、例えば8時間以下、例えば6時間以下、例えば5時間以下、例えば4時間以下、例えば3時間以下、例えば2時間以下、例えば1時間以下、例えば50分以下、例えば40分以下、例えば30分以下、例えば25分以下、例えば20分以下、例えば15分以下、例えば10分以下、例えば8分以下、例えば6分以下、例えば5分以下、例えば4分以下、例えば3分以下、例えば2分以下沈殿させてもよい。
【0075】
その後、第2のpH低下工程において、さらにpHを低下させてもよい。そのようなpHの低下は、5以下、例えば4.5以下、例えば4以下、例えば3.5以下、例えば3以下、例えば2.5以下であり得る。初期低下の完了後に、再生二酸を0.5分以上、例えば1分以上、例えば2分以上、例えば3分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば20分以上、例えば25分以上、例えば30分以上、例えば45分以上、例えば1時間以上沈殿させてもよい。再生二酸は、10時間以下、例えば8時間以下、例えば6時間以下、例えば5時間以下、例えば4時間以下、例えば3時間以下、例えば2時間以下、例えば1時間以下、例えば50分以下、例えば40分以下、例えば30分以下、例えば25分以下、例えば20分以下、例えば15分以下、例えば10分以下、例えば8分以下、例えば6分以下、例えば5分以下、例えば4分以下、例えば3分以下、例えば2分以下沈殿させてもよい。
【0076】
上記では2つのpH低下工程について言及しているが、pH低下工程の数及び各pH低下の程度は必ずしも本発明によって限定されないことを理解されたい。例えば、前記プロセスはまた、第1の低下工程及び第2の低下工程に関して上述した低下及び低下時間を有する第3のpH低下工程を含んでもよい。
【0077】
再生二酸及び/又は触媒を沈殿させた後、再生二酸及び触媒を含む再生組成物を、再生ジオール及び/又は液体媒体を含み得る沈殿した混合物から分離してもよい。そのような分離は、機械的手段を使用してもよい。例えば、分離は、濾過(例えば、フィルタープレス)、遠心分離、デカントなどの当技術分野で一般的に知られている手段を使用して実施され得る。その後、再生二酸及び触媒を含む再生組成物を洗浄し、周囲条件下又は加熱装置内で乾燥させてもよい。
【0078】
さらに、所望の結晶サイズを得るために、再生二酸及び触媒を含む再生組成物を熟成(age)してもよい。例えば、最初に、再生二酸の平均結晶サイズは、25ミクロン未満、例えば23ミクロン以下、例えば20ミクロン以下、例えば18ミクロン以下、例えば15ミクロン以下、例えば13ミクロン以下、例えば10ミクロン以下であり得る。本明細書に開示される熟成(aging)方法を受けた後、前記平均結晶サイズは、50ミクロン以上、例えば60ミクロン以上、例えば70ミクロン以上、例えば75ミクロン以上、例えば80ミクロン以上、例えば85ミクロン以上、例えば90ミクロン以上、例えば93ミクロン以上、例えば95ミクロン以上、例えば98ミクロン以上、例えば100ミクロン以上であり得る。平均結晶サイズは、200ミクロン以下、例えば190ミクロン以下、例えば180ミクロン以下、例えば170ミクロン以下、例えば160ミクロン以下、例えば150ミクロン以下、例えば140ミクロン以下、例えば130ミクロン以下、例えば125ミクロン以下、例えば120ミクロン以下、例えば115ミクロン以下、例えば110ミクロン以下、例えば108ミクロン以下、例えば105ミクロン以下、例えば103ミクロン以下、例えば100ミクロン以下であり得る。さらに、一実施形態では、サイズ分布は単峰性サイズ分布であってもよい。一般に、結晶サイズは、レーザ光散乱などの当技術分野で公知の手段を使用して決定することができる。
【0079】
再生二酸の純度は、改善されてもよい。これに関して、再生二酸は、80%以上、例えば85%以上、例えば90%以上、例えば93%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、例えば98%以上、例えば99%以上の純度を有し得る。純度は、当技術分野で一般的に知られている手段を用いて決定され得る。
【0080】
再生ジオールから分離されると、再生組成物は、概ね中性のpHが得られるまで洗浄及び/又は濾過され得る。しかしながら、再生二酸及び触媒は、洗浄及び/又は濾過なしに所望の結晶サイズを得るために熟成され得ることを理解されたい。
【0081】
熟成は、所望のpHで行ってよい。例えば、pHは、6以上、例えば6.1以上、例えば6.2以上、例えば6.3以上、例えば6.4以上、例えば6.5以上、例えば6.6以上、例えば6.7以上、例えば6.8以上、例えば6.9以上、例えば7以上であり得る。pHは、8.0以下、例えば7.9以下、例えば7.8以下、例えば7.7以下、例えば7.6以下、例えば7.5以下、例えば7.4以下、例えば7.3以下、例えば7.2以下、例えば7.1以下、例えば7以下であり得る。
【0082】
また、熟成は液体媒体中で行われる。例えば、液体媒体は、解重合に利用される液体媒体に関して上述したもののいずれかであってもよい。液体媒体は、水、有機溶媒、又はそれらの混合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、液体媒体は水であってもよい。別の実施形態では、液体媒体は有機溶媒であってもよい。例えば、有機溶媒は、酢酸、ジメチルホルムアミド、及び/又はジメチルスルホキシドを含んでもよいが、これらに限定されない。特定の一実施形態では、溶媒は、酢酸を含む有機溶媒を含んでもよい。一実施形態では、液体媒体は、酢酸と水の組み合わせを含んでもよい。
【0083】
さらに、液体媒体内の固形分は5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば20重量%以上、例えば25重量%以上であってもよい。固形分は、50重量%以下、例えば45重量%以下、例えば35重量%以下、例えば30重量%以下、例えば25重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下であってもよい。再生二酸及び触媒を含む再生組成物の熟成及び乾燥後の最終固形分含有量は、90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上であり得る。上記は一般に液体媒体内の固形分を指すが、一実施形態では、上記は液体媒体内の再生二酸の固形分も指してもよい。
【0084】
一般に、熟成を行っている間、当技術分野で一般的に知られているような混合デバイス又は撹拌デバイスを使用して、固体を液体媒体内で混合してもよい。しかしながら、特定の実施形態では、混合デバイス又は撹拌デバイスを利用しなくてもよいことを理解されたい。
【0085】
熟成のための温度は、120℃以上、例えば130℃以上、例えば1450℃以上、例えば150℃以上、例えば160℃以上、例えば170℃以上、例えば180℃以上、例えば190℃以上、例えば200℃以上、例えば210℃以上、例えば220℃以上であり得る。前記温度は、300℃以下、例えば290℃以下、例えば280℃以下、例えば270℃以下、例えば260℃以下、例えば250℃以下、例えば240℃以下、例えば230℃以下、例えば220℃以下、例えば210℃以下であり得る。
【0086】
一実施形態では、熟成は、熱サイクル、例えば温度が複数の温度間で変動(oscillate)する熱サイクルを使用することによって行われてもよい。例えば、熱サイクルは、5℃以内、例えば10℃以内、例えば15℃以内、例えば20℃以内、例えば25℃以内の範囲にわたることができる。熱サイクルは、少なくとも4℃以上、例えば5℃以上、例えば7℃以上、例えば9℃以上、例えば10℃以上、例えば13℃以上、例えば15℃以上、例えば18℃以上、例えば20℃以上であってもよい。熱サイクルは、40℃以下、例えば35℃以下、例えば30℃以下、例えば25℃以下、例えば23℃以下、例えば20℃以下、例えば17℃以下、例えば15℃以下、例えば14℃以下、例えば12℃以下、例えば10℃以下、例えば9℃以下、例えば7℃以下であってもよい。そのような熱サイクルは、上述の温度内であり得る。単なる一例として、熱サイクルは、10℃の範囲(例えば、210℃から220℃の間)であってもよい。別の例として、熱サイクルは、180℃以上~250℃以下の温度範囲内の15℃以内の範囲(例えば、5℃、10℃など)であってもよい。
【0087】
サイクル数は必ずしも限定されない。例えば、サイクル数は、所望のサイズに基づいてもよい。例えば、サイクル数は、1以上、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば6以上、例えば7以上、例えば8以上、例えば9以上、例えば10以上、例えば12以上、例えば15以上、例えば17以上、例えば20以上であり得る。サイクル数は、50以下、例えば45以下、例えば40以下、例えば35以下、例えば30以下、例えば25以下、例えば20以下、例えば18以下、例えば16以下、例えば15以下、例えば14以下、例えば12以下、例えば10以下、例えば9以下、例えば8以下、例えば7以下、例えば6以下、例えば5以下であり得る。
【0088】
サイクル中に温度を上昇させる場合、温度変化は、0.5℃/分以上、例えば1℃/分以上、例えば2℃/分以上、例えば3℃/分以上、例えば4℃/分以上、例えば5℃/分以上、例えば7℃/分以上、例えば10℃/分以上の速度であってもよい。温度変化は、20℃/分以下、例えば18℃/分以下、例えば15℃/分以下、例えば13℃/分以下、例えば11℃/分以下、例えば10℃/分以下、例えば8℃/分以下、例えば6℃/分以下、例えば5℃/分以下、例えば4℃/分以下、例えば3℃/分以下、例えば2℃/分以下の速度であってもよい。
【0089】
サイクル中に温度を低下させる場合、温度変化は、0.5℃/分以上、例えば1℃/分以上、例えば2℃/分以上、例えば3℃/分以上、例えば4℃/分以上、例えば5℃/分以上、例えば7℃/分以上、例えば10℃/分以上の速度であってもよい。温度変化は、320℃/分以下、例えば18℃/分以下、例えば15℃/分以下、例えば13℃/分以下、例えば11℃/分以下、例えば10℃/分以下、例えば8℃/分以下、例えば6℃/分以下、例えば5℃/分以下、例えば4℃/分以下、例えば3℃/分以下、例えば2℃/分以下の速度であってもよい。
【0090】
一般に、再生組成物は、単一のデバイス内で温度変化及び/又はサイクルを受け得る。あるいは、再生組成物は、第2のデバイスを使用して温度変化を受けてもよく、又は異なる温度にさらされてもよい。例えば、再生組成物は上記のように第1の温度の第1のデバイス内にあって、次いで再生組成物は上記のように第2の温度の第2のデバイスに移送されてもよい。これに関して、再生組成物は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で循環されて、これによりそれぞれのデバイス内で温度変化を受けてもよい。
【0091】
同様に、再生組成物は、上記のように第1の温度の第1のデバイス内にあって、再生組成物の少なくとも一部が上記のように第2の温度の第2のデバイスを通って移送されてもよい。これに関して、再生組成物の少なくとも一部は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で循環されて、これによりそれぞれのデバイス内で温度変化を受けてもよい。
【0092】
これに関して、第1の温度及び第2の温度の一方は、一般に、他方よりも高い。これに関して、理論によって制限されることを意図するものではないが、再生二酸のより小さい結晶は高い方の温度で溶解し、これにより、サイクルの低い又は冷たい方の温度にさらされたときに既存の結晶上に成長し得る。したがって、核生成の量、これによる、小さいサイズにつながる新しい結晶の生成を最小限に抑える又は阻止することができる。
【0093】
さらなる例として、再生組成物は、1つの温度で1つのデバイス内に存在し得る。その後、結晶を熟成させるために、再生組成物の少なくとも一部を、第2のかつより高い温度で、熱交換器などの第2のデバイスを通って循環又はサイクルさせてもよい。あるいは、再生組成物の少なくとも一部は、第2のかつより低い温度で、冷却器又は冷却デバイスなどの第2のデバイスを通って循環又はサイクルさせてもよい。アプローチにかかわらず、温度変化によるサイクルは、再生二酸の結晶の成長の制御を助けることができる。
【0094】
温度は、当技術分野の手段を使用して上昇させてもよい。例えば、温度は、加熱デバイス、温風又は熱風、熱交換器などを使用することによって上昇させてもよい。さらに、方法に応じて、サイクル及び熟成はバッチプロセスで行われてもよい。別の実施形態では、サイクル及び熟成は、連続プロセス又は半連続プロセスで行われてもよい。
【0095】
温度はまた、当技術分野の手段を使用して低下させてもよい。例えば、温度は、冷却空気、冷凍器又は冷却器などを使用して低下させてもよい。所望のサイズが得られた際に、再生二酸及び触媒を含む再生組成物を、機械的手段を用いて液体媒体から分離してもよい。例えば、分離は、濾過(例えば、フィルタープレス)、遠心分離、デカントなどの当技術分野で一般的に知られている手段を使用して行われてもよい。あるいは、固体は、液体媒体を除去するときに固体を単に静置してもよい。その後、当技術分野で一般的に知られている手段を使用して固体を乾燥させてもよい。さらに、熟成及び精製された再生組成物はまた、重量パーセンテージなどに関して上述したような特徴を有し得る。
【0096】
本明細書に示されるように、再生組成物は、再生二酸及び触媒を含む。一実施形態では、本明細書に記載の解重合反応中に触媒を導入しなくてもよい。別の実施形態では、そのような触媒は、本明細書に記載の解重合プロセスのいずれの工程中にも導入されなくてもよい。例えば、解重合を受ける前に触媒を供給原料に添加しなくてもよい。
【0097】
さらに、一実施形態では、ポリエステルを形成するための二酸及びジオールの重合に典型的に使用される触媒は、本明細書に記載の解重合反応中に導入されなくてもよい。別の実施形態では、そのような触媒は、本明細書に記載の解重合プロセスのいずれの工程中にも導入されなくてもよい。例えば、解重合を受ける前に触媒を供給原料に添加しなくてもよい。
【0098】
また、再生二酸は、示差走査熱量測定に従って決定される標準参照のピーク温度の特定の度数内にあるピーク温度を有し得る。例えば、再生二酸が再生テレフタル酸である場合、ピーク温度は、標準テレフタル酸参照のピーク温度の特定の度数内であり得る。例えば、そのような差は、10度以内、例えば9度以内、例えば8度以内、例えば7度以内、例えば6度以内、例えば5度以内、例えば4.5度以内、例えば4度以内、例えば3.5度以内、例えば3度以内、例えば2.5度以内、例えば2度以内、例えば1.5度以内、例えば1度以内とすることができる。そのような決定のために、プロセス履歴に基づくすべての熱履歴を除去するために「加熱-冷却-加熱」法を利用したTA Instruments Discovery Model DSCを使用して示差走査熱量測定を実行し得る。第2の加熱走査は、10℃/分の速度で、(0℃又は-90℃のいずれか)から325℃まで実行され得る。
【0099】
同様に、再生二酸は、熱重量分析に従って決定される標準参照のオンセット温度の特定の度数内にあるオンセット温度を有し得る。例えば、再生二酸が再生テレフタル酸である場合、オンセット温度は、標準テレフタル酸参照のオンセット温度の特定の度数内であり得る。例えば、そのような差は、10度以内、例えば9度以内、例えば8度以内、例えば7度以内、例えば6度以内、例えば5度以内、例えば4.5度以内、例えば4度以内、例えば3.5度以内、例えば3度以内、例えば2.5度以内、例えば2度以内、例えば1.5度以内、例えば1度以内、例えば0.5度以内であり得る。そのような決定のために、熱重量分析は、窒素雰囲気下で20℃/分の速度で室温から700℃までの温度勾配を利用するTA Instruments Discovery Model TGAを使用して行われ得る。
【0100】
さらに、上記のように、解重合は、リアクタ又は容器などの適切な装置で行われてもよい。これに関して、任意の後続の工程(例えば、清澄化、脱色、分離、沈殿)もまた、適切な装置内で行われてもよい。これに関して、そのような工程を行うための装置もまた、本発明によって限定されない。さらに、必要な範囲で、装置は、様々なパイプ、チューブ、ポンプ、タンク、バルブなどを使用して一緒に接続されてもよい。
【0101】
本発明のこれら及び他の改変及び変形は、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。また、様々な実施形態の態様は、全体的又は部分的に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者であれば、前述の説明は単なる例であり、このような添付の特許請求の範囲にさらに記載される本発明を限定することを意図しないことを理解するであろう。
【国際調査報告】