(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】PIKfyveキナーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 495/04 20060101AFI20240905BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240905BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C07D495/04 105Z
C07D495/04 CSP
A61P43/00 111
A61K31/5377
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517561
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 KR2022014781
(87)【国際公開番号】W WO2023055181
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0129839
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516132149
【氏名又は名称】ハンミ ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ、クウィ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、スン ユン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、スン ア
(72)【発明者】
【氏名】キム イェ リム
(72)【発明者】
【氏名】チュン、シン ヒョク
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB26
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、PIKfyveキナーゼ阻害剤として有用なチエノ[3,2-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬剤学的に許容可能な塩、製造方法、及び中間体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)である、化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩:
【化1】
であり、
ここで、X
1、X
2、X
3、X
5、X
6またはX
8は、それぞれ独立して、CHまたは窒素原子であり、
X
4またはX
7は、それぞれ独立して、CH
2、酸素原子またはNHであり、
個々の場合、R
1、R
2及びR
3それぞれは、互いに独立して、ハロゲン、アミノ基、-NH(C
1-C
3アルキル)、-N(C
1-C
3アルキル)
2、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル及びC
1-C
6アルコキシのうちから選択されるいずれか一つであり、
nは、0ないし4の整数であり、
mは、0ないし2の整数であり、
kは、0ないし4の整数であり、
【化2】
であり、
ここで、Y
1、Y
2、Y
6及びY
7は、それぞれ独立して、CHまたは窒素原子であり、
Y
3、Y
4及びY
5は、それぞれ独立して、CH
2、酸素原子、NHまたは硫黄原子であり、
個々の場合、R
4及びR
6それぞれは、互いに独立して、水素、ハロゲン、アミノ基、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル及びC
1-C
6アルコキシのうちから選択されるいずれか一つであり、
R
5は、水素、-T-OH、-T-CHO、-T-(C
1-C
4アルキル)及び-T-(C
1-C
4アルコキシ)のうちから選択されるいずれか一つであり、このとき、-T-は、不在であるか、あるいは-C(=O)、C
1-C
4アルキレンまたはC2-C4アルケニレンであり、
pは、0ないし4の整数であり、
qは、0ないし4の整数であり、
rは、0ないし2の整数である。
【請求項2】
【化3】
のうちいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
【化4】
のうちいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R
1は、ハロゲンまたはアミノ基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R
5は、ヒドロキシ、-(C
1-C
4アルキレン)-OH、-(C
1-C
4アルキレン)-(C
1-C
4アルコキシ)、-C(=O)H、-C(=O)(C
1-C
4アルキル)、-C(=O)-(C
1-C
4アルコキシ)及び-(C
1-C
4アルキレン)-CHOのうちいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
6は、メチル、エチル及びプロピルのうちいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1において、下記化合物で構成された軍で選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩:
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PIKfyveキナーゼ阻害剤として有用なチエノ[3,2-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬剤学的に許容可能な塩、その製造方法、及びその中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスファチジルイノシトール(PI)のリン酸化誘導体は、細胞及びエンドソーム膜にタンパク質複合体を動員させることにより、細胞骨格機能、膜輸送(membrane trafficking)及び受容体信号伝逹を調節する。PIKfyve信号伝逹経路は、ほとんどエンドソームトラフィッキング(trafficking)において、良好に記録された役割を介し、多数の生物学的過程を調節すると報告されている。PIKfyveは、ヒトにおいて、PIKFYVE遺伝子によって暗号化される酵素であるFYVEフィンガー含有ホスホイノシチドキナーゼ(FYVE finger-containing phosphoinositide kinase)を称する用語であり、該酵素は、ホスファチジルイノシトール-3-ホスフェート5-キナーゼタイプIIIまたはPIPKIIIとしても知られている。PIKfyveは、ホスファチジルイノシトール3-ホスフェート(「PtdIns(3)P」または「PI(3)P」と称される)をリン酸化し、ホスファチジルイノシトール3,5-ビスホスフェート(「PtdIns(3,5)P2」または「PI(3,5)P2」と称される)を生成し、そのように生成されたPtdIns(3,5)P2は、後期細胞内移入膜正常性を維持させるのに必須である。PIKfyve酵素活性度の低下は、PI(3,5)P2合成低下により、エンドソーム拡張及び細胞質液飽和(vacuolation)を起こしうる。また、PIKfyveは、ホスファチジルイノシトール5-ホスフェート(PI5P)の生成に関与し、輸送経路の適切な性能及び細胞内膜恒常性を維持する細胞エンドソーム作用(分裂及び融合)を調節する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、PIKfyveキナーゼ阻害剤として有用なチエノ[3,2-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬剤学的に許容可能な塩、その製造方法、及びその中間体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(治療用化合物)
一態様は、下記化学式(1)の化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩を提供する。
【化1】
であり、
ここで、X
1、X
2、X
3、X
5、X
6またはX
8は、それぞれ独立して、CHまたは窒素原子であり、
X
4またはX
7は、それぞれ独立して、CH
2、酸素原子またはNHであり、
個々の場合、R
1、R
2及びR
3それぞれは、互いに独立して、ハロゲン、アミノ基、-NH(C
1-C
3アルキル)、-N(C
1-C
3アルキル)
2、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル及びC
1-C
6アルコキシのうちから選択されるいずれか一つであり、
nは、0ないし4の整数であり、
mは、0ないし2の整数であり、
kは、0ないし4の整数であり、
【化2】
であり、
ここで、Y
1、Y
2、Y
6及びY
7は、それぞれ独立して、CHまたは窒素原子であり、
Y
3、Y
4及びY
5は、それぞれ独立して、CH
2、酸素原子、NHまたは硫黄原子であり、
個々の場合、R
4及びR
6それぞれは、互いに独立して、水素、ハロゲン、アミノ基、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル及びC
1-C
6アルコキシのうちから選択されるいずれか一つであり、
R
5は、水素、-T-OH、-T-CHO、-T-(C
1-C
4アルキル)及び-T-(C
1-C
4アルコキシ)のうちから選択されるいずれか一つであり、このとき、-T-は、不在であるか、あるいは-C(=O)、C
1-C
4アルキレンまたはC
2-C
4アルケニレンであり、
pは、0ないし4の整数であり、
qは、0ないし4の整数であり、
rは、0ないし2の整数である。
【0005】
一具体例において、
【化3】
のうちいずれか一つでもある。
【0006】
一具体例において、
【化4】
のうちいずれか一つでもある。
【0007】
一具体例において、R1は、ハロゲンまたはアミノ基でもある。
【0008】
一具体例において、R5は、ヒドロキシ、-(C1-C4アルキレン)-OH、-(C1-C4アルキレン)-(C1-C4アルコキシ)、-C(=O)H、-C(=O)(C1-C4アルキル)、-C(=O)-(C1-C4アルコキシ)及び-(C1-C4アルキレン)-CHOのうちいずれか一つでもある。
【0009】
一具体例において、R6は、メチル、エチル及びプロピルのうちいずれか一つでもある。
【0010】
本明細書で使用された用語「ハロゲン」は、そうではないとする言及がなければ、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。
【0011】
本明細書で使用された用語「アルキル」は、飽和された一価炭化水素ラジカルを称する。本発明に使用された用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素・炭素二重結合を含む一価炭化水素ラジカルを称するが、このとき、それぞれの二重結合は、E型またはZ型の立体配置形態を有することができる。
【0012】
本明細書で使用された用語「アルコキシ」は、直鎖状または分枝状の炭化水素残基が、酸素によって連結されたものを示す。本明細書において用語「アルキレン」は、(-CH2-)nを有する二価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基を称する。
【0013】
そのようなアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びアルキレン基は、直線型、すなわち、直鎖状であるか、あるいは側鎖がある分枝状でもある。
【0014】
本明細書において、-(C1-C4アルキレン)-OHは、ヒドロキシ(C1-C4)アルキル基とも称され、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基またはヒドロキシブチル基でもある。
【0015】
本明細書において、-(C1-C4アルキレン)-(C1-C4アルコキシ)基は、(C1-C4)アルコキシ(C1-C4)アルキル基とも称され、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基またはプロポキシメチル基でもある。
【0016】
本明細書において、-C(=O)Hは、ホルミル基(-CHO)とも称される。
【0017】
本明細書において、-C(=O)(C1-C4アルキル)は、(C1-C4)アシル基とも称され、例えば、アセチル基(-COCH3)、プロピオニル基(-COCH2CH3)またはブチリル基(-COCH2CH2CH3)でもある。
【0018】
本明細書において、-C(=O)-(C1-C4アルコキシ)は、(C1-C4アルコキシ)カルボニル基とも称され、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基またはtert-ブトキシカルボニル基でもある。
【0019】
本明細書において、-(C1-C4アルキレン)-CHOは、ホルミル(C1-C4)アルキル基とも称され、ホルミルメチル基、ホルミルエチル基、ホルミルプロピル基またはホルミルイソプロピル基でもある。
【0020】
また、本発明による前記化学式(1)の化合物の望ましい例は、以下の通りであるが、それらに限定されるものではない:
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(オキサゾール-5-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
N-(3-(6-(4-アミノフェニル)-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド塩酸塩
N-(3-(4-モルホリノ-6-(オキサゾール-5-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピラゾロ[3、4-b]ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-4-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
2-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
4-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
2,4-ジメチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-4-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-2-カルボキサミド
2-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
4-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
2,4-ジメチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-3-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
1-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
1-(2-メトキシエチル)-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
1-ホルミル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
1-アセチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
メチル4-((3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)カルバモイル)ピぺリジン-1-カルボキシレート
エチル4-((3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)カルバモイル)ピぺリジン-1-カルボキシレート
(1s,4s)-4-ヒドロキシ-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド
N-(3-(4-モルホリノ-6-(オキサゾール-5-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-4-カルボキサミド
【0021】
(製造方法)
化学式(1)の化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩は、公知された有機合成技術を利用して製造され、数多くの可能な合成経路のうちいずれかによって合成されうる。当業者であるならば、適切な合成プロトコルを選択して実行する方法を知っており、合成有機反応の広範囲なレパートリーが、本明細書で提供された化合物を合成するのに、潜在的に利用されうるということを認識するであろう。
【0022】
本明細書で提供される化合物を製造するための反応は、有機合成分野の熟練者によって容易に選択されうる適切な溶媒で行われうる。該適切な溶媒は、反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲でもある温度において、出発物質(反応物)、中間体または生成物と、実質的に非反応性でもある。与えられた反応は、1つの溶媒、または1超過の溶媒の混合物において行われうる。特定反応段階により、該特定反応段階のための適切な溶媒が、当業者によって選択されうる。
【0023】
(薬剤学的組成物)
本出願は、また有効量の本明細書に開示された化学式(1)の化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩と、薬剤学的に許容可能な担体を含む薬剤学的組成物を提供する。
【0024】
薬剤学的組成物または投与形態は、本明細書に記載された化合物及び治療剤のうちいずれか一つを、0.005%ないし100%の範囲で含むものでもあり、残部は、適切な薬剤学的に許容可能な賦形剤によって構成されうる。
【0025】
(投与経路及び投与形態)
本出願の薬剤学的組成物は、任意の許容可能な投与経路に適するものを含む。
【0026】
本発明で使用される全ての技術用語は、異なって定義されない以上、本発明の関連分野において、通常の技術者が一般的に理解しているような意味で使用される。本明細書には、望ましい方法や試料が記載されるが、それと類似しているか、あるいはそれと同等なものも、本発明の範疇に含まれる。本明細書に記載された数値は、明示せずとも、「約」の意味を含むと見なす。本明細書で使用された用語「約」は、所定の値または範囲の5%以内、望ましくは、1%ないし2%以内を意味する。本明細書において、用語「ないし」を利用して表示された数値範囲は、用語「ないし」の前後に記載される数値を、それぞれ下限及び上限として含む範囲を含む。
【0027】
以下、本発明につき、下記の実施例及び実験例により、さらに具体的に説明する。しかしながら、それら実施例及び実験例は、本発明に対する理解の一助とするためのものであるのみ、いかなる意味においても、本発明の範囲は、それらによって制限されるものではない。
【0028】
実施例1:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミドの製造
【化5】
【0029】
段階1)4-(2-クロロ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)モルホリンの製造
2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン100g(490mmoml)と、モルホリン92.5mL(1070mmoml)とを、メタノール2Lに希釈し、常温で2時間撹拌させた。反応が完結された後、生成された固体を濾過した。得られた固体を水で洗浄し、減圧濾過し、減圧下で乾燥させ、表題化合物122.8g(収率:98%)を得た。
【0030】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.32(d, 1H), 7.42(d, 1H), 3.94~3.91 (m, 4H), 3.78~3.75 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 204.93 [M+H]+
【0031】
段階2)4-(2-クロロ-6-ヨードチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)モルホリンの製造
前記段階1)で製造された化合物60g(234.6mmol)を、テトラヒドロフラン600mLに溶かした後、-78℃において、ノルマル-ブチルリチウム(ヘキサン内で2.5M)150mL(370.7mmol)を30分間滴加し、-40℃において2時間撹拌させた。次に、ヨウ素94.2g(370.7mmol)を、テトラヒドロフラン600mLに溶かした後、反応混合物に-78℃において滴加し、1時間撹拌させた。結果の反応混合物を、常温に加温した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。その結果として分離された有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濾過し、減圧蒸溜した。その結果として得られた固体をジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物72g(収率:80%)を得た。
【0032】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.4 (s, 1H), 3.84~3.83 (m, 4H), 3.76~3.74 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 381.92 [M+H]+
【0033】
段階3)4-(2-クロロ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)モルホリンの製造
段階2)で製造された化合物120g(314.4mmol)と、4-ピリジンボロン酸46.4g(377.2mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン複合体12.8mg(15.72mmol)、炭酸ナトリウム133.2g(1,257.6mmol)とを、ジエチレングリコールジメチルエテール:水(4:1(体積比))混合溶媒3Lで希釈し、90℃において3時間撹拌させた。反応が完結されれば、結果の反応混合物を常温に冷やし、減圧蒸溜した。その結果として得られた残渣を水で洗浄し、減圧濾過した。その結果として得られた固体を、セライト充填されたフィルタ(ジクロロメタン:メタノール=9:1(体積比))で濾過して減圧蒸溜した。その後酢酸エチルで洗浄し、減圧濾過し、減圧下で乾燥させ、表題化合物95g(収率:91%)を得た。
【0034】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.11~9.10 (m, 1H), 8.67~8.66 (m, 1H), 8.29~8.26 (m, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58~7.54 (m, 1H), 3.95~3.93 (m, 4H), 3.80~3.78 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 333.05 [M+H]+
【0035】
段階4)4-(2-(3-ニトロフェニル)-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)モルホリンの製造
前記段階3)で製造された化合物95g(285mmol)と、3-ニトロフェニルボロン酸71.4g(427.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム23.1g(20mmol)、炭酸カリウム118.2g(855mmol)とを、ジオキサン:水(3:1(体積比))混合溶媒1.33Lで希釈し、100℃において16時間撹拌させた。反応が完結されれば、結果の反応混合物を常温に冷やし、減圧蒸溜した。その結果として得られた固体を、エチルアルコール、酢酸エチルの順に洗浄し、減圧濾過し、減圧下で乾燥させ、表題化合物101g(収率:84%)を得た。
【0036】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.17~9.16 (m, 2H), 8.87~8.85 (m, 1H), 8.69~8.67 (m, 1H), 8.39~8.34 (s, 2H), 8.23 (s, 1H), 7.86~7.60 (m, 1H), 7.60~7.56 (m, 1H), 4.09~4,07 (m, 4H), 3.87~3.86 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 420.11 [M+H]+
【0037】
段階5)3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アニリンの製造
前記段階4)で製造した化合物100g(238mmol)を、エタノール:蒸溜水(3:1(体積比))混合溶媒2.4mLで希釈し、亜鉛4.46g(71.4mmol)と、塩化アンモニウム7.62g(142.8mmol)とを加えた後、100℃において1時間撹拌させた。反応が完結された後、結果の反応混合物を、セライト充填されたフィルタで濾過させ、亜鉛を除去し、濾過液は減圧蒸溜した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濾過し、減圧下で乾燥させ、表題化合物65g(収率:70%)を得た。
【0038】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.13~9.12 (m, 1H), 8.66~6.64 (m, 1H), 8.32~8.23 (m, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.69~7.68 (m, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.59~7.54 (m, 2H), 7.17~7.11 (m, 1H), 6.71~6.68 (m, 1H), 5.20-5.15 (m, 2H), 4.04~4,01 (m, 4H), 3.84~3.81 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 390.13 [M+H]+
【0039】
段階6)N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミドの製造
前記段階5)で製造した化合物41mg(0.105mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド1mLに希釈した後、イソニコチン酸26mg(0.21mmol)、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート160mg(1.42mmol)、ジイソプロピルエチルアミン92μL(0.53mmol)を入れ、常温で3時間撹拌した後、反応が終結されれば、水10mLを入れ、生成された固体を濾過した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、減圧濾過し、減圧下で乾燥させ、表題化合物34mg(収率:65%)を得た。
【0040】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.64 (bs, 1H), 8.79~8.77 (m, 3H), 8.69~8.67 (m, 2H), 8.22 (s, 1H), 8.19~8.17 (m, 1H), 7.96~7.93 (m, 1H), 7.90~7.85 (m, 4H), 7.51~7.45 (t, 1H), 4.05~4.02 (m, 4H), 3.83~3.80 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 495.15 [M+H]+
【0041】
実施例2:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
【化6】
【0042】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物72mg(収率:57%)を得た。
【0043】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.65 (bs, 1H), 9.15 (s, 1H), 8.81~8.79 (m, 3H), 8.66~8.64 (m, 1H), 8.31~8.27 (m, 1H), 8.22~8.18 (m, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.99~7.96 (m, 1H), 7.92~7.90 (m, 2H), 7.57~7.53 (m, 1H), 7.52~7.47 (m, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.85~3.81 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 495.15 [M+H]+
【0044】
実施例3:N-(3-(4-モルホリノ-6-(オキサゾール-5-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
【化7】
【0045】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、5-オキサゾールボロン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物37mg(収率:42%)を得た。
【0046】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.67 (s, 1H), 8.82~8.78 (m, 3H), 8.62 (s, 1H), 8.22~8.19 (d, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.01~7.98 (d, 1H), 7.94~7.90 (m, 3H), 7.88 (s, 1H), 7.54~7.48 (t, 1H), 4.06~4.03 (m, 4H), 3.85~3.82 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 485.13 [M+H]+
【0047】
実施例4:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
【化8】
【0048】
前記実施例1の段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物83mg(収率:65%)を得た。
【0049】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.59 (bs, 1H), 9.15~9.14 (m, 1H), 8.79~8.75 (m, 2H), 8.71~8.69 (d, 2H), 8.35~8.31 (m, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.20~8.17 (m, 1H), 7.98~7.95 (m, 1H), 7.89~7.87 (d, 2H), 7.60~7.56 (m, 1H), 7.51~7.46 (t, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.84~3.81 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z495.15 [M+H]+
【0050】
実施例5:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
【化9】
【0051】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物71mg(収率:55%)を得た。
【0052】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.67 (s, 1H), 8.82~8.78 (m, 3H), 8.62 (s, 1H), 8.22~8.19 (d, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.98~8.01 (d, 1H), 7.94~7.90 (m, 3H), 7.88 (s, 1H), 7.54~7.48 (t, 1H), 4.06~4.03 (m, 4H), 3.85~3.82 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 495.15 [M+H]+
【0053】
実施例6:N-(3-(6-(4-アミノフェニル)-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド塩酸塩
【化10】
【0054】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、4-(t-ブチルカルボニル)-アミノ-フェニルボロンサンを使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物23mg(収率:32%)を得た。
【0055】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.68 (s, 1H), 9.19, 9.18 (d, 1H), 8.82~8.80 (m, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.42~8.38 (m, 1H), 8.17, 8.15 (d, 1H), 8.02, 8.00 (d, 1H), 7.67~7.62 (m, 4H), 7.57, 7.55 (d, 1H), 6.74, 6.71 (d, 2H), 4.08 (m, 4H), 3.85 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 508.92 [M+H]+
【0056】
実施例7:N-(3-(4-モルホリノ-6-(オキサゾール-5-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
【化11】
【0057】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、5-オキサゾールボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物82mg(収率:77%)を得た。
【0058】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.61 (s, 1H), 9.16~9.15 (m, 1H), 8.79~8.77 (m, 2H), 8.62 (s, 1H), 8.37~8.33 (m, 1H), 8.21~8.18 (d, 1H), 8.01~7.98 (m, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.61~7.59 (m, 1H), 7.57~7.48 (t, 1H), 4.06~4.03 (m, 4H), 3.85~3.82 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 485.13 [M+H]+
【0059】
実施例8:N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)イソニコチンアミド
【化12】
【0060】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、1-(t-ブチルカルボニル)-ピラゾール-4-ボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物21mg(収率:16%)を得た。
【0061】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 13.24 (s, 1H), 10.60 (s, 1H), 9.16 (s, 1H), 8.78~8.77 (m, 2H), 8.36 (d, 1H), 8.20~8.17 (m, 2H), 7.98 (d, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.61~7.57 (m, 1H), 7.52~7.47 (m, 2H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.85~3.81 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 484.55 [M+H]+
【0062】
実施例9:N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
【化13】
【0063】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、1-(t-ブチルカルボニル)-7-アザインドール-4-ボロン酸ピナコールエステルを使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物71mg(収率:81%)を得た。
【0064】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.62 (s, 1H), 9.18 (m, 1H), 8.81 (m, 2H), 8.39 (m, 2H), 8.23 (m, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.00 (m, 1H), 7.73 (m, 1H), 7.61 (m, 1H), 7.53 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 4.14 (m, 4H), 3.86 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 534.16 [M+H]+
【0065】
実施例10:N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
【化14】
【0066】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、1-(t-ブチルカルボニル)-7-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステルを使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物5mg(収率:8%)を得た。
【0067】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 14.04 (s, 1H), 10.64 (s, 1H), 9.17~9.16 (m, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.80~8.78 (m, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.67~8.66 (m, 1H), 8.38~8.34 (m, 2H), 8.26~8.23 (d, 1H), 8.01~7.98 (m, 1H), 7.76~7.75 (m, 1H), 7.63~7.59 (m, 1H), 7.57~7.48 (t, 1H), 4.14~4.09 (m, 4H), 3.89~3.87 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 535.16 [M+H]+
【0068】
実施例11:N-(3-(4-モルホリノ-6-(1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ニコチンアミド
【化15】
【0069】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、1-(t-ブチルカルボニル)-6-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステルを使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、ニコチン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物4mg(収率:99%)を得た。
【0070】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 12.11 (s, 1H), 10.65 (s, 1H), 9.17 (m, 1H), 8.85~~8.81 (m, 3H), 8.64 (m, 1H), 8.38~8.36 (m, 1H), 8.24~8.22 (m, 1H), 8.02~7.99 (m, 2H), 7.84 (m, 2H), 7.60~7.51 (m, 2H), 7.06 (m, 1H), 4.10 (m, 4H), 3.87 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 534.16 [M+H]+
【0071】
実施例12:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-4-カルボキサミド
【化16】
【0072】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、オキサゾール-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物61mg(収率:61%)を得た。
【0073】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.30 (bs, 1H), 9.15 (s, 1H), 8.84~8.83 (m, 2H), 8.66~8.63 (m, 2H), 8.31~8.27 (m, 1H), 8.18~8.15 (m, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.94~7.91 (m, 1H), 7.57~7.52 (m, 1H), 7.48~7.43 (t, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.85~3.81 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 485.13 [M+H]+
【0074】
実施例13:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
【化17】
【0075】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、オキサゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物44mg(収率:35%)を得た。
【0076】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.61 (s, 1H), 9.17~9.16 (m, 1H), 8.77~8.76 (m, 1H), 8.68~8.67 (m, 2H), 8.34~8.31 (m, 1H), 8.23~8.20 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.96~7.93 (m, 1H), 7.60~7.56 (m, 1H), 7.54~7.48 (t, 1H), 4.09~4.06 (m, 4H), 3.87~3.84 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 485.13 [M+H]+
【0077】
実施例14:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化18】
【0078】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、オキサゾール-2-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物37mg(収率:29%)を得た。
【0079】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.32 (s, 1H), 9.16 (s, 1H), 8.87 (s, 1H),8.85 (s, 1H), 8.66 (m, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.57 (q, 1H), 7.48 (t, 1H), 4.07 (t, 4H), 3.87 (t, 4H)
MS (ESI+) m/z 485.13 [M+H]+
【0080】
実施例15:2-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
【化19】
【0081】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、2-メチルオキサゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物35mg(収率:45%)を得た。
【0082】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 9.16 (s, 1H), 8.73 (s, 1H),8.68 (d, 1H), 8.33~8.29 (m, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.93~7.91 (m, 2H), 7.59~7.55 (m, 1H), 7.49 (t, 1H), 4.08~4.05 (m, 4H), 3.86~3.83 (m, 4H), 2.55 (s, 3H)
MS (ESI+) m/z 499.56 [M+H]+
【0083】
実施例16:4-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
【化20】
【0084】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、4-メチルオキサゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物73mg(収率:56%)を得た。
【0085】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 9.16 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.67 (d, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.57 (q, 1H), 7.48 (t, 1H) 4.07 (t, 4H), 3.85 (t, 4H), 2.47 (s, 3H)
MS (ESI+) m/z 499.15 [M+H]+
【0086】
実施例17:2,4-ジメチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
【化21】
【0087】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、2,4-ジメチルオキサゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物108mg(収率:81%)を得た。
【0088】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.30 (s, 1H), 9.16 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.67 (d, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.59 (q, 1H), 7.47 (t, 1H), 4.09 (t, 4H), 3.85 (t, 4H), 2.49 (s, 3H), 2.41 (s, 3H)
MS (ESI+) m/z 513.16 [M+H]+
【0089】
実施例18:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-4-カルボキサミド
【化22】
【0090】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、チアゾール-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物63mg(収率:49%)を得た。
【0091】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.46 (bs, 1H), 9.28 (s, 1H), 9.13 (bs, 1H),8.90 (s, 1H), 8.65~8.63 (m, 1H), 8.53~8.52 (m, 1H), 8.31~8.27 (m, 1H), 8.18~8.15 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.97~7.94 (m, 1H), 7.56~7.52 (m, 1H), 7.48`7.43 (m, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.84~3.81 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 501.11 [M+H]+
【0092】
実施例19:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
【化23】
【0093】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、チアゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物43mg(収率:34%)を得た。
【0094】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.62 (bs, 1H), 9.31 (s, 1H), 9.14~9.13 (m,1H), 8.76 (s, 1H), 8.73~8.71 (m, 1H), 8.66~8.64 (m, 1H), 8.32~8.28 (m, 1H), 8.20~8.18 (m, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.94~7.91 (m, 1H), 7.57~7.52 (m, 1H), 7.49~7.46 (m, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.85~3.82 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 501.11 [M+H]+
【0095】
実施例20:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-2-カルボキサミド
【化24】
【0096】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、チアゾール-2-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物80mg(収率:63%)を得た。
【0097】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.90 (bs, 1H), 9.13 (s, 1H), 8.93~8.92 (m,1H), 8.65~8.63 (m, 1H), 8.31~8.27 (m, 1H), 8.21~8.12 (m, 3H), 7.98~7.95 (m, 1H), 7.57~7.52 (m, 1H), 7.50~7.45 (t, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.85~3.82 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 501.11 [M+H]+
【0098】
実施例21:2-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
【化25】
【0099】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、2-メチルチアゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物96mg(収率:60%)を得た。
【0100】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.53 (s, 1H), 9.17 (m, 1H), 8.72 (m, 1H),8.67 (m, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.35 (m, 1H), 8.21 (m, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.91 (m, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.48 (m, 1H), 4.08 (m, 4H), 3.86 (m, 4H), 2.73 (s, 3H)
MS (ESI+) m/z 515.12 [M+H]+
【0101】
実施例22:4-メチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
【化26】
【0102】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、4-メチルチアゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物64mg(収率:48%)を得た。
【0103】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.39 (s, 1H), 9.15 (m, 1H), 8.72~8.71 (m,1H), 8.67~8.65 (m, 1H), 8.33~8.29 (m, 1H), 8.21~8.18 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.88~7.85 (m, 1H), 7.59~7.56 (m, 1H), 7.51 (t, 1H), 4.08~4.05 (m, 4H), 3.86~3.84 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 515.12 [M+H]+
【0104】
実施例23:2,4-ジメチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)チアゾール-5-カルボキサミド
【化27】
【0105】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、2,4-ジメチルチアゾール-5-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物118mg(収率:74%)を得た。
【0106】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.26 (s, 1H), 9.17 (m, 1H), 8.72 (m, 1H), 8.67 (m, 1H), 8.34 (m, 1H), 8.21 (m, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.45 (m, 1H), 4.07 (m, 4H), 3.85 (m, 4H), 2.69 (s, 3H), 2.58 (s, 3H)
MS (ESI+) m/z 529.14 [M+H]+
【0107】
実施例24:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-3-カルボキサミド
【化28】
【0108】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-(t-ブチルカルボニル)ピペリジン-3-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物140mg(収率:52%)を得た。
【0109】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.11 (s, 1H), 9.14 (d, 1H), 8.67 (dd, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.32 (m, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.09 (d, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.43 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.06 (m, 4H), 3.85 (m, 4H), 3.11 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.66 (m, 1H), 1.92 (m, 1H), 1.66 (m, 2H), 1.55 (m, 1H), 1.39 (m, 1H), 0.82 (m, 1H)
MS (ESI+) m/z 501.12 [M+H]+
【0110】
実施例25:N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
【化29】
【0111】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-(t-ブチルカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物1.8g(収率:94%)を得た。
【0112】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.19 (s, 1H), 9.16~9.15 (m, 1H), 8.68~8.66 (m, 1H), 8.62 (m, 1H), 8.33~8.29 (m, 1H), 8.14~8.10 (m, 2H), 7.84~7.81 (m, 1H), 7.59~7.55 (m, 1H), 7.46~7.40 (t, 1H), 4.08~4.04 (m, 4H), 3.86~3.83 (m, 4H), 2.96~2.89 (m, 2H), 2.73~2.64 (m, 1H), 1.99~1.80 (m, 5H)
MS (ESI+) m/z 501.20 [M+H]+
【0113】
実施例26:1-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
【化30】
【0114】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物7mg(収率:23%)を得た。
【0115】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.14 (m, 1H), 8.67~8.65 (m, 1H), 8.43~8.40 (m, 1H), 8.33~8.28 (m, 2H), 8.16 (s, 1H), 7.62~7.55 (m, 2H), 7.48 (m, 1H), 4.70 (brs, 1H), 4.06~4.03 (m, 4H), 3.85~3.81 (m, 4H), 3.72 (m, 2H), 3.49 (m, 2H), 2.90~2.86 (m, 2H), 2.32~2.18 (m, 2H), 1.57~1.54 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 545.23 [M+H]+
【0116】
実施例27:1-(2-メトキシエチル)-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
【化31】
【0117】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物25mg(収率:22%)を得た。
【0118】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.01 (s, 1H), 9.15 (s, 1H), 8.66 (d, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.58~7.54 (m, 1H), 7.40 (t, 1H), 4.07~4.04 (m, 4H), 3.85~3.81 (m, 4H), 3.45~3.39 (m, 4H), 3.32 (s, 3H), 2.98~2.94 (m, 2H), 2.35~2.31 (m 1H), 2.08~2.02 (m, 2H), 1.99~1.77 (m, 2H), 1.69~1.61 (m, 2H)
MS (ESI+) m/z 559.70 [M+H]+
【0119】
実施例28:1-ホルミル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
【化32】
【0120】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-ホルミルピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物4mg(収率:3%)を得た。
【0121】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.12 (s, 1H), 9.16 (d, 1H), 8.67 (dd, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.34~8.30 (m, 1H), 8.13~8.10 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.86~7.83 (m, 1H), 7.51 (dd, 1H), 7.43 (d, 1H), 4.23 (m,1H), 4.07 (m, 4H), 3.85 (m, 4H), 3.77 (m, 1H), 3.10 (m, 2H), 2.74~2.64 (m, 2H), 1.91~1.86 (m, 2H), 1.60~1.44 (m, 2H)
MS (ESI+) m/z 529.19 [M+H]+
【0122】
実施例29:1-アセチル-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)ピぺリジン-4-カルボキサミド
【化33】
【0123】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-アセチルピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物70mg(収率:65%)を得た。
【0124】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.09 (s, 1H), 9.16, 9.15 (d, 1H), 8.68~8.67 (m, 1H), 8.67 (d, 1H), 8.34~8.30 (m, 1H), 8.13~8.10 (m, 2H), 7.85 (d, 1H), 7.60~7.56 (m, 1H), 7.42 (t, 1H), 4.08~4.05 (m, 4H), 3.87~3.85 (m, 4H), 3.62 (s, 3H), 3.18 (d, 1H), 2.93~2.88 (m, 2H), 1.89~1.82 (m, 2H), 1.61~1.53 (m, 2H), 1.26~1.24 (m, 1H), 0.96~0.84 (m, 1H)
MS (ESI+) m/z 559.4 [M+H]+
【0125】
実施例30:メチル4-((3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)カルバモイル)ピぺリジン-1-カルボキシレート
【化34】
【0126】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物54mg(収率:48%)を得た。
【0127】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.08 (s, 1H), 9.14 (d, 1H), 8.67 (dd, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.32 (m, 1H), 8.11 (m, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.84 (d, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.44 (t, 1H), 4.44 (d, 1H), 4.05 (m, 4H), 3.85 (m, 1H), 3.84 (m, 4H), 3.12 (t, 1H), 2.64 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.90 (m, 2H), 1.55 (m, 2H)
MS (ESI+) m/z 543.30 [M+H]+
【0128】
実施例31:エチル4-((3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)カルバモイル)ピぺリジン-1-カルボキシレート
【化35】
【0129】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、1-(エトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物14mg(収率:12%)を得た。
【0130】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.09 (s, 1H), 9.15~9.14 (m, 1H), 8.68~8.65 (m, 1H), 8.62~8.60 (m, 1H), 8.33~8.29 (m, 1H), 8.12~8.09 (m, 2H), 7.85~7.82 (m, 2H), 7.59~7.54 (m, 1H), 7.44~7.39 (t, 1H), 4.09~4.02 (m, 6H), 3.86~3.83 (m, 4H), 2.90~2.85 (m, 2H), 2.73~2.50 (m, 2H), 1.85~1.81 (m, 2H), 1.59~1.47 (m, 2H), 1.22~1.17 (t, 3H)
MS (ESI+) m/z 573.22 [M+H]+
【0131】
実施例32:(1s,4s)-4-ヒドロキシ-N-(3-(4-モルホリノ-6-(ピリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド
【化36】
【0132】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、3-ピリジンボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、(1s,4s)-4-ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物112mg(収率:84%)を得た。
【0133】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.94 (s, 1H), 9.16 (d, 1H), 8.68~8.66 (m, 1H), 8.63 (m, 1H), 8.34~8.30 (m, 1H), 8.12~8.10 (m, 2H), 7.86~7.83 (m, 1H), 7.60~7.56 (m, 1H), 7.44~7.39 (m, 1H), 4.36~4.35 (m,1H), 4.08~4.05 (m, 4H), 3.87~3.84 (m, 5H), 2.40 (m, 1H), 1.92~1.84 (m, 2H), 1.75~1.71 (m, 2H), 1.57~1.45 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 516.2 [M+H]+
【0134】
実施例33:N-(3-(4-モルホリノ-6-(オキサゾール-5-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェニル)オキサゾール-4-カルボキサミド
【化37】
【0135】
前記実施例1の段階3)において、4-ピリジンボロン酸の代わりに、5-オキサゾールボロン酸を使用し、段階6)において、イソニコチン酸の代わりに、4-オキサゾールカルボン酸を使用することを除いては、実施例1と同一方法でもって、表題化合物80mg(収率:77%)を得た。
【0136】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.31 (s, 1H), 8.84 (m, 1H), 8.64~8.62 (m, 2H), 8.18~8.15 (d, 1H), 7.98 (m, 1H), 7.94 (s, 1H), 7. 88 (s, 1H), 7.50~7.45 (t, 1H), 4.05 (m, 4H), 3.85~3.84 (m, 4H)
MS (ESI+) m/z 475.11 [M+H]+
【0137】
実験例:PIKfyve酵素抑制試験
実施例1ないし33においてそれぞれ製造された化合物につき、Carna Bioscience社のQS S Assis PIKFYVE (PIP5K3)_ADP-Glo(商標:TM)Kit (Cat. #11-118)を利用し、PIKfyve酵素阻害活性を測定した。ヒト由来PIKfyveキナーゼ、PI(3)P、そしてATP溶液を、5μLずつ、384ウェルプレートに添加し(各溶液の最終濃度は、それぞれ375ng/mL、10μMそして2μMである)、評価する化合物を、設定された濃度に階段式に希釈し、5μLずつ各ウェルに添加した後、常温で60分間反応させる。ADP-Glo(商標:TM)(Promega, Cat. #V9102)溶液にMgCl2を、最終濃度が100mMになるように混合した後、20μLずつ各ウェルに添加し、常温で40分間反応させる。キナーゼ検出(kinase detection)溶液を、各ウェルに40μLずつ添加した後、常温で40分間反応させた後、Synergy(商標:TM)NEO microplate分析器を使用し、ルミネセンス(luminescence)シグナルを検出する。酵素を入れていないウェルを陰性対照群として使用し、薬物を入れていないウェルは、陽性対照群として使用し、薬物の酵素抑制能(%)を計算した。化合物の50%活性阻害値(IC50)は、GraphPad Prismソフトウェアを利用して算出した。
【0138】
その結果は、下記表1に示されている。下記表1において、IC
50値が50nM以下である場合、Aとして示し、50nM超過100nM以下である場合、Bとして示し、100nM超過である場合、Cとして示した。
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、PIKfyveキナーゼ阻害剤として有用なチエノ[3,2-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬剤学的に許容可能な塩、製造方法、及び中間体を提供する。
【0140】
以上、本発明につき、その具体例を中心に説明した。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲において変形された形態に具現されうるということを理解することができるであろう。従って、前記開示された具体例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての違いは、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
【国際調査報告】