(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240905BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518196
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022076868
(87)【国際公開番号】W WO2023052369
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】テイラー, ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC22
(57)【要約】
本出願は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスに関する。デバイスは、エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルを有する。第1の加熱要素が、加熱領域に突出しており、加熱領域を加熱する。第2の加熱要素が、加熱領域に突出しており、加熱領域を加熱する。第1の加熱要素及び第2の加熱要素が加熱領域の異なる側から突出している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第2の加熱要素と
を備え、
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が前記加熱領域の異なる側から突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記第1及び第2の加熱要素が、共通軸線上で前記加熱領域に突出している、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域から少なくとも部分的に後退可能である、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域から引き出されるように配置された、請求項1、2又は3に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、互いと当接するように、及び互いと当接しないように移動されるように構成された、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記加熱領域に突出している前記第1の加熱要素の端部が、前記加熱領域に突出している前記第2の加熱要素の端部から離間している、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記第1の加熱要素及び前記レセプタクルの少なくとも一部を含む第1の部分と、前記第2の加熱要素を備える第2の部分とを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記第2の部分が、前記第1の部分に対して移動可能である、請求項7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記第2の部分が、前記第1の部分から取外し可能である、請求項8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記第1の部分が、前記エアロゾル生成デバイスの本体を備え、前記第2の部分が、マウスピースを備える、請求項7~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記第1の部分が、前記レセプタクルの少なくとも一部分を画定する、請求項7~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記第2の部分が、前記レセプタクルの少なくとも一部分を画定する、請求項7~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記第1及び第2の部分が、摺動可能に接続している、請求項7~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
前記第1及び第2の部分は、前記加熱領域が少なくとも実質的に囲まれている第1の動作状態と、前記加熱領域がアクセス可能である第2の動作状態との間で移動可能である、請求項7~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記第1の加熱要素が、第1の材料を備え、前記第2の加熱要素が、異なる第2の材料を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
前記デバイスが、前記第2の加熱要素とは独立に前記第1の加熱要素を加熱するように構成された、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
前記デバイスが、前記第1の加熱要素を誘導的に加熱するように構成された第1のコイルと、前記第2の加熱要素を誘導的に加熱するように構成された第2のコイルとを備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、
前記加熱領域の第1の区域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、
前記加熱領域の第2の区域を加熱するように構成された第2の加熱要素と
を備え、
前記第2の加熱要素が、前記第1の加熱要素に対して移動可能である、
エアロゾル生成デバイス。
【請求項19】
前記第2の加熱要素が、前記加熱領域を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項18に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項20】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域に突出している、請求項18又は19に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項21】
前記第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域から少なくとも部分的に後退可能である、請求項18、19又は20に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項22】
前記第1の加熱要素が、前記加熱領域の少なくとも一部を取り囲んでいる、請求項18~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項23】
前記第1及び第2の加熱要素が、前記加熱領域を一緒に画定する、請求項18~22のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項24】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第2の加熱要素と
を備え、
前記第1及び第2の加熱要素が、共通軸線上で前記加熱領域に突出している、
エアロゾル生成デバイス。
【請求項25】
エアロゾル生成材料を備える物品と、
請求項1~24のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと
を備える、エアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスに関する。本発明は、エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品とを備えるエアロゾル生成システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガーなどの喫煙品は、タバコの煙を作り出すために使用中にタバコを燃やす。タバコを燃やすこれらの物品の代替物を提供する試みが、燃焼なしに化合物を放出する製品を作り出すことによって行われてきた。そのような製品の例は、材料を燃やすのではなく加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、たとえば、タバコ、又はニコチンを含有することもしないこともある他の非タバコ製品であってもよい。
【発明の概要】
【0003】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、加熱領域に突出しており、加熱領域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、加熱領域に突出しており、加熱領域を加熱するように構成された第2の加熱要素とを備え、第1の加熱要素及び第2の加熱要素が加熱領域の異なる側から突出している、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0004】
第1及び第2の加熱要素は、共通軸線上で加熱領域に突出していてもよい。
【0005】
共通軸線は、デバイスの長手軸線と整合され得るか、又は一般的にはデバイスの長手軸線に対して垂直であってもよい。
【0006】
第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つは、加熱領域から少なくとも部分的に後退可能であってもよい。
【0007】
第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つは、加熱領域から引き出されるように配置されてもよい。
【0008】
デバイスは、第1の加熱要素及びレセプタクルの少なくとも一部を含む第1の部分と、第2の加熱要素を備える第2の部分とを備え得る。
【0009】
第2の部分は、第1の部分に対して移動可能であってもよい。
【0010】
第2の部分は、第1の部分から取外し可能であってもよい。
【0011】
第1の加熱要素及び第2の加熱要素は、互いと当接するように、及び互いと当接しないように移動されるように構成されてもよい。
【0012】
加熱領域に突出している第1の加熱要素の端部は、加熱領域に突出している第2の加熱要素の端部から離間していてもよい。
【0013】
第1の部分は、デバイスの本体を備えてもよく、第2の部分は、マウスピースを備えてもよい。
【0014】
第1の部分は、レセプタクルの少なくとも一部分を画定してもよい。第2の部分は、レセプタクルの少なくとも一部分を画定してもよい。
【0015】
第1及び第2の部分は、摺動可能に接続していてもよい。
【0016】
第1及び第2の部分は、加熱領域が少なくとも実質的に囲まれている第1の動作状態と、加熱領域がアクセス可能である第2の動作状態との間で移動可能であってもよい。
【0017】
第1の部分及び第2の部分は、電気的に接続可能であってもよい。
【0018】
第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つを通る空気通路が画定されてもよい。第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つは、細長くてもよい。
【0019】
第1の加熱要素は、加熱要素の第1のアレイのうちの1つであってもよく、第2の加熱要素は、加熱要素の第2のアレイのうちの1つであってもよく、加熱要素の第1のアレイ及び加熱要素の第2のアレイが加熱領域の異なる側から突出している。
【0020】
加熱要素の第1のアレイは、加熱要素の第2のアレイよりも大きい総表面積を有してもよい。
【0021】
加熱領域に突出している第1の加熱要素の表面積は、加熱領域に突出している第2の加熱要素の表面積よりも大きくてもよい。
【0022】
第1の加熱要素は、第1の材料を備えてもよく、第2の加熱要素は、異なる第2の材料を備えてもよい。
【0023】
第1の材料は、第2の材料とは異なる熱伝導率を有してもよい。
【0024】
デバイスは、第2の加熱要素とは独立に第1の加熱要素を加熱するように構成されてもよい。デバイスは、第1の加熱要素を誘導的に加熱するように構成された第1のコイルと、第2の加熱要素を誘導的に加熱するように構成された第2のコイルとを備えてもよい。
【0025】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、加熱領域の第1の区域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、加熱領域の第2の区域を加熱するように構成された第2の加熱要素とを備え、第2の加熱要素が、第1の加熱要素に対して移動可能である、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0026】
第1の加熱要素及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つは、加熱領域に突出していてもよい。
【0027】
第2の加熱要素は、加熱領域を少なくとも部分的に取り囲んでいてもよい。
【0028】
第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つは、加熱領域から少なくとも部分的に後退可能であってもよい。
【0029】
第1の加熱要素は、加熱領域の少なくとも一部を取り囲んでいてもよい。第2の加熱要素は、加熱領域の少なくとも一部を取り囲んでいてもよい。第1及び第2の加熱要素は、加熱領域を一緒に画定してもよい。
【0030】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、加熱領域に突出しており、加熱領域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、加熱領域に突出しており、加熱領域を加熱するように構成された第2の加熱要素とを備え、第1及び第2の加熱要素が、共通軸線上で加熱領域に突出している、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0031】
一態様によれば、エアロゾル生成材料を備える物品と、上記のうちのいずれかのエアロゾル生成デバイスとを備える、エアロゾル生成システムが提供される。
【0032】
次に、実施形態が、添付の図面を参照しながら単に例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品とを含むエアロゾル生成システムの断面図である。
【
図2】別のエアロゾル生成デバイスの断面図である。
【
図3】別のエアロゾル生成デバイスの断面図である。
【
図4】別のエアロゾル生成デバイスの断面図である。
【
図5】エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品とを含む別のエアロゾル生成システムの断面図である。
【
図6】別のエアロゾル生成デバイスの断面図である。
【
図7】別のエアロゾル生成デバイスの断面図である。
【
図8】エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品とを含む別のエアロゾル生成システムの断面図である。
【
図9】
図1~
図8のエアロゾル生成デバイスにおいて使用するための、エアロゾル生成材料を備えるエアロゾル交換可能物品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書で使用される、「エアロゾル生成材料」という用語は、たとえば、加熱されたとき、照射されたとき、又は任意の他の方法でエネルギーを与えられたとき、エアロゾルを生成することが可能である材料である。エアロゾル生成材料は、たとえば、活性物質及び/又は香味料を含有することもしないこともある固体、液体又はゲルの形態のものであってもよい。エアロゾル生成材料は、タバコ含有材料など、任意の植物ベースの材料を含んでもよく、たとえば、タバコ、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、製品によってニコチンを含有することもしないこともある他の非タバコ製品も含んでもよい。エアロゾル生成材料は、たとえば、固体、液体、ゲル、ワックスなどの形態のものであってもよい。エアロゾル生成材料は、たとえば、材料の組合せ又は混合であってもよい。エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られていることもある。
【0035】
エアロゾル生成材料は、結合剤及びエアロゾルフォーマーを備えてもよい。任意選択で、活性物質及び/又は充填材も存在していることがある。任意選択で、水などの溶剤も存在しており、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の他の成分は、溶剤に溶けることも溶けないこともある。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、植物材料を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、実質的にタバコフリーである。
【0036】
エアロゾル生成材料は、「アモルファス固体」を備えるか、又は「アモルファス固体」であってもよい。アモルファス固体は、「モノリシック固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、乾燥させられたゲルであってもよい。アモルファス固体は、その内部に、液体など、何らかの流体を保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、たとえば、約50重量%、60重量%又は70重量%のアモルファス固体から、約90重量%、95重量%又は100重量%のアモルファス固体までを備えてもよい。
【0037】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成フィルムを備えてもよい。エアロゾル生成フィルムは、シートを備えるか、又はシートであってもよく、シートは、任意選択で、細かく切られて、細切れシートを形成してもよい。エアロゾル生成シート又は細切れシートは、実質的にタバコフリーであってもよい。
【0038】
典型的に、エアロゾル生成材料を燃やすか又は燃焼させることなしに、吸入され得るエアロゾルを形成するために、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためにエアロゾル生成材料を加熱する装置が知られている。そのような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」又は「タバコ加熱デバイス」或いは類似物として説明されることがある。同様に、典型的に、ニコチンを含有することもしないこともある液体の形態のエアロゾル生成材料を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスもある。エアロゾル生成材料は、装置に挿入され得るロッド、カートリッジ又はカセットなどの形態のものであってもよいか、又は装置に挿入され得るロッド、カートリッジ又はカセットなどの一部として提供されてもよい。エアロゾル生成材料を加熱し、揮発させるためのヒーターが、装置の「恒久」部分として提供されてもよい。
【0039】
エアロゾル生成デバイスは、加熱のためのエアロゾル生成材料を備える物品を受け入れることができる。この文脈における「物品」は、エアロゾル生成材料を揮発させるために加熱される、エアロゾル生成材料を使用中に含むか又は含有する構成要素、及び任意選択で、使用中の他の構成要素である。ユーザは、物品がエアロゾルをもたらすために加熱される前に、エアロゾル供給デバイスに物品を挿入し、ユーザは、その後エアロゾルを吸入する。物品は、たとえば、物品を受け入れるようにサイズ決定されているデバイスの加熱チャンバ内に置かれるように構成された、予め定められた又は特定のサイズのものであってもよい。
【0040】
図1は、エアロゾル生成システム100の例を示す。システム100は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイス101と、エアロゾル生成材料を備える交換可能物品110とを備える。デバイス101は、不燃性エアロゾル生成デバイスである。デバイス101は、デバイス101のユーザによって吸入され得るエアロゾル又は他の吸入可能な材料を生成するために、エアロゾル生成材料を備える交換可能物品110を加熱するために使用され得る。デバイス101は、
図1に示されていない他の構成要素を含んでもよいことが諒解されよう。
【0041】
デバイス101は、長手軸線102を画定し、物品110は、デバイス101に受け入れられたとき、長手軸線102に沿って延びていてもよい。デバイス101は、第1及び第2の部分104、106を備える。第1の部分104は、デバイス101の本体を画定し、第2の部分106は、マウスピースを画定する。第2の部分106は、
図1に図示されているように、第1の部分104から取外し可能である。示されているように、第2の部分106は、第1の部分104から取り外され、離間している。第1及び第2の部分104、106は、互いに係合するように移動可能である。第1及び第2の部分104、106は、各々、2つの部分を互いに取り付けるための磁気構成体108を備える。磁気構成体108は、取付け構成体の働きをする。取付け構成体は、整合構成体の働きをもする。実施形態では、整合構成体は、取付け構成体とは別個である。たとえば、整合構成体は、フランジ、リップ及びタブのうちの1つ又は複数を含んでもよい。第2の部分106は、任意の好適な手段によって第1の部分104に取り付けられ得る。たとえば、相補的なねじ山をフィットさせる1つ又は複数のバイオネットが、2つの部分104、106を互いに取り付けるために使用され得る。
【0042】
デバイス101は、操作された、たとえば、押下されたときにデバイス101を動作させる、ボタン又はスイッチなど、ユーザ操作可能制御要素を備えてもよい。たとえば、ユーザは、スイッチを押下することによって、デバイス101をアクティブ化することができる。
【0043】
デバイス101は、エアロゾル生成材料を加熱するための装置190を含む。装置190は、加熱アセンブリ191を含む。装置190は、コントローラ192及び電源193をも含む。加熱アセンブリ191は、デバイス101に挿入された物品110のエアロゾル生成材料を加熱するように構成され、それにより、エアロゾルが、エアロゾル生成材料から生成される。電源193は、加熱アセンブリ191に電力を供給し、加熱アセンブリ191は、供給された電気エネルギーを、エアロゾル生成材料を加熱するための熱エネルギーに変換する。
【0044】
電源192は、たとえば、充電式バッテリー又は非充電式バッテリーなど、バッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例は、たとえば、(リチウムイオンバッテリーなどの)リチウムバッテリー、(ニッケルカドミウムバッテリーなどの)ニッケルバッテリー、及びアルカリバッテリーを含む。
【0045】
電源192は、エアロゾル生成材料を加熱するために、必要とされたときにコントローラ192の制御下で電力を供給するために、加熱アセンブリ191に電気的に結合され得る。制御回路は、ユーザが制御要素を操作したことに基づいて、加熱アセンブリ191をアクティブ化及び非アクティブ化するように構成されてもよい。たとえば、コントローラは、ユーザがスイッチを操作したことに応答して、加熱アセンブリ191をアクティブ化することができる。
【0046】
加熱アセンブリ191は、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備えてもよい。誘導加熱は、電磁誘導によって(サセプタなどの)導電加熱要素を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリ191は、誘導要素、たとえば、1つ又は複数のインダクタコイルと、誘導要素に、交流電流など、変動電流を通すためのデバイスとを備えてもよい。誘導要素における変動電流は、変動磁場をもたらす。変動磁場は、誘導要素に関して適切に配置されたサセプタ(加熱要素)に侵入し、サセプタの内部に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有し、それゆえに、この抵抗に逆らった渦電流の流れは、サセプタがジュール加熱によって加熱されることを引き起こす。サセプタが、鉄、ニッケル又はコバルトなどの強磁性材料を備える場合、熱は、サセプタにおける磁気ヒステリシス損によって、換言すれば、磁性材料における磁気ダイポールの、変動磁場とのその磁気ダイポールの整合の結果としての様々な配向によっても生成され得る。誘導加熱において、たとえば伝導による加熱と比較して、熱はサセプタの内部に生成され、急速な加熱を可能にする。さらに、誘導要素とサセプタとの間に何らかの物理的接触がある必要はなく、構造及び適用の自由度が向上されることを可能にする。
【0047】
装置100は、加熱チャンバ113の働きをし、加熱されるべき物品110を受け入れるように構成され、寸法決定されたレセプタクル112を含む。加熱チャンバ113は、第1の部分104及び第2の部分106が取り付けられているとき、第1の部分104及び第2の部分106によってデバイス101内に画定される。レセプタクル112は、第1の部分104によって画定される。実施形態では、たとえば、
図2に示されているように、レセプタクルの一部は、第2の部分106によって、又は第2の部分のみによって画定される。レセプタクル112は、周囲壁111及び基部壁107を画定する。
【0048】
図示されている実施形態では、加熱チャンバ113は、一般的には形状が円筒形である。加熱チャンバ113は、第1の部分104の周囲壁111及び基部壁107によって、並びに第2の部分106の軸線方向対向面109によって画定される。第2の部分106の軸線方向対向面109は、レセプタクル112を閉じる。2つの部分104、106が取り付けられているとき、加熱チャンバ113は、デバイス101内の囲まれた空間として形成される。
【0049】
物品110は、一般的には円筒形であり、レセプタクル112は、対応して一般的には形状が円筒形である。たとえば、実施形態におけるレセプタクル112は、円形断面を有するシリンダー、或いは楕円シリンダー、双曲線シリンダー又は放物線シリンダーである。しかしながら、対応して整形された物品を受け入れるための他の形状が可能である。物品110は、孔部119を備える。孔部119は、物品110の対向する端部から延びている。孔部119は、物品110への加熱要素114、116の挿入を補助するのに役立つ。しかしながら、物品110は、孔部部分を備えることも、レセプタクル112に置かれる前は孔部がないこともあり、加熱要素114、116は、代わりに、物品110を変形させるために使用されてもよい。
【0050】
加熱チャンバ113は、レセプタクル112の表面によって画定される。レセプタクル112は、デバイス101の長手軸線102に沿って、デバイス101の長手軸線102の周りで、及びデバイス101の長手軸線102と実質的に同軸に延びている。しかしながら、他の形状が可能である。第2の部分106が、第1の部分104から取り外されたとき、物品110は、第1の部分104の周囲壁111によって形成された開孔部105に挿入され得る。物品110が挿入されると、第2の部分106は、第1の部分104に取り付けられて、レセプタクル112を形成することができ、物品110は、レセプタクル112内に配置される。
【0051】
レセプタクル112は、変動磁場の侵入によって加熱可能である材料なしで形成される。レセプタクル112は、絶縁材料から形成されてもよい。たとえば、レセプタクル112は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、プラスチックから形成されてもよい。他の好適な材料が可能である。レセプタクル112は、加熱アセンブリ191が動作させられたときにアセンブリが剛体/固体のままであることを保証するような材料から形成されてもよい。レセプタクル112のために非金属材料を使用することは、デバイス101の他の構成要素の加熱を規制することを支援することができる。レセプタクル112は、他の構成要素の支持を補助するために、剛性材料から形成されてもよい。
【0052】
物品110は、レセプタクル112によって受け入れられるようにサイズ決定されている。物品110の長手軸線に対して垂直な物品110の外側寸法は、レセプタクル112への物品110の挿入を可能にするために、デバイス101の長手軸線102に対して垂直なレセプタクル112の内側寸法と実質的に対応する。
【0053】
レセプタクル112の他の構成が可能である。たとえば、実施形態では、第1の部分104の軸線方向対向面は、加熱アセンブリ191の一部によって画定される。
【0054】
加熱アセンブリ191は、第1の加熱要素114と第2の加熱要素116とを備える。第1の加熱要素114は、第1の部分104の基部107から延びており、第2の加熱要素116は、第2の部分の基部の働きをする、第2の部分106の軸線方向対向面109から延びている。加熱要素114、116は、加熱チャンバ113によって画定された加熱領域を加熱するように構成される。
【0055】
加熱要素114、116は、加熱領域を加熱するために加熱可能である。第1及び第2の加熱要素114、116の各々は、誘導加熱要素である。すなわち、加熱要素114、116は、各々、変動磁場の侵入によって加熱可能であるサセプタを備える。サセプタは、電磁誘導による加熱に好適な導電性材料を備える。たとえば、サセプタは、炭素鋼から形成されてもよい。他の好適な材料、たとえば、鉄、ニッケル又はコバルトなどの強磁性材料が使用されてもよいことが理解されよう。
【0056】
加熱要素114、116は、加熱チャンバ113又は加熱領域の相対向する側から加熱チャンバ113内に延びている。この実施形態では、加熱要素114、116は、長手軸線102に沿って延びている。実施形態では、加熱要素114、116は、軸線はずれであるか、又は軸線102に非平行であってもよい。突出要素の働きをする加熱要素114、116は、加熱領域113に突出している。
【0057】
加熱要素114、116は、一般的には尖端部をもつ円筒状に整形されたピンである。尖端部は、加熱要素114、116が物品110に容易に挿入されることを可能にする。図示されている加熱要素114、116は、中空であり、加熱要素114、116の外壁に開口部118を備える。これは、空気が中空加熱要素114、116及び開口部118を通ってフィードされて、加熱チャンバ113への及び/又は加熱チャンバ113からの空気流を提供することを可能にする。第1の加熱要素114は、第1の部分104における空気路を介してデバイス101の外の空気と流体連通しており、それにより、空気は、第1の加熱要素114を通ってチャンバ113中の物品110に、デバイス101の外部からフィードされ得る。第2の加熱要素116は、マウスピース出口120と流体連通しており、それにより、空気は、加熱チャンバ113から第2の部分中の空気路を通って引き出され得る。他の実施形態では、加熱要素114、116は、中空であるが開口部を備えないか、又は中空ではなく中実である。加熱要素114、116は、図示されている形状の他の形状、たとえば、ブレード形であってもよい。実施形態では、第1及び第2の部分における空気路は、他の機構を介して、たとえば、それぞれ第1及び第2の部分104、106の基部壁107、109を通って加熱チャンバ113と通信する。
【0058】
加熱要素114、116は、加熱チャンバ113の相対向する側から立ち上がっている。各加熱要素は、それぞれの基部107、109から立ち上がっている。
【0059】
図示されている実施形態では、第2の部分106が、第1の部分104に取り付けられたとき、第1及び第2の加熱要素116、118の遠位端部115は、互いから離れている。しかしながら、他の実施形態では、第1及び第2の部分104、106が取り付けられているとき、遠位端部115は、互いに当接するように構成される。この実施形態では、端部115は、当接しているときに連続的加熱要素、たとえば、ロッドを形成するために、互いを補完するように整形されてもよい。そのような構成は、物品110の長さ全体にわたって加熱を提供するのに役立ち得る。
【0060】
少なくとも1つの空気流通路(図示せず)が、第2の部分106に形成される。少なくとも1つの空気流通路は、マウスピース出口120とレセプタクル112との間で延びている。これは、ユーザが、使用中のとき、加熱チャンバ113の内部から物品110によってもたらされた空気及び気体を吸入することを可能にする。少なくとも1つの空気流通路は、第2の部分の基部109と少なくとも1つのマウスピース出口孔120との間で延びていてもよい。他の実施形態では、空気流通路は、マウスピース出口孔120と、第2の加熱要素116に形成された開口部118との間で延びていてもよい。第2の部分106は、ユーザの口への挿入に好適であるように人間工学的に整形されてもよい。たとえば、第2の部分106のより狭い部分が、出口孔120に隣り合って設けられてもよい。
【0061】
図示されている第1及び第2の加熱要素114、116は、同じサイズ及び形状のものである。これは、物品110の両端部に一定の加熱を提供するのに役立つ。
【0062】
加熱アセンブリ191は、物品110が加熱チャンバ113によって受け入れられたとき、加熱要素114、116の各々の少なくとも一部分が物品110の対向端部に延びているように構成される。加熱要素114、116は、使用中に、物品110の少なくとも一部内に配置される。加熱要素114、116は、物品110の内部から物品110のエアロゾル生成材料を加熱するように構成される。
【0063】
加熱アセンブリ191は、磁場生成器194を備える。磁場生成器194は、1つ又は複数の変動磁場を生成するように構成される。加熱要素114、116は、各々、サセプタの働きをする。加熱要素114、116は、サセプタ構成体を画定する。1つ又は複数の変動磁場は、加熱要素114、116における加熱を引き起こすように、加熱要素114、116に侵入する。磁場生成器は、らせん状コイル(helical coil)195を含んでもよいインダクタコイル構成体を含んでもよいが、らせんコイル(spiral coil)など、他の構成が想定される。実施形態では、インダクタコイル構成体は、2つ以上のインダクタコイルを備えてもよい。2つ以上のインダクタコイルは、第1の部分において軸線方向に互いに隣り合って配列されてもよい。
【0064】
いくつかの例では、使用中に、インダクタコイルは、約240℃と約300℃との間、又は約250℃と約280℃との間など、約200℃と約350℃との間の温度に加熱要素114、116を加熱するように構成される。
【0065】
磁場生成器194は、第1の部分104において周囲壁111の周りに提供される。第2の部分106が、第1の部分104に取り付けられたとき、周囲壁111は、第1の加熱要素114と第2の加熱要素116の両方の周りで延びている。これは、磁場生成器(たとえば、らせん状コイル)が第1及び第2の加熱要素114、116の両方を加熱することを可能にする。
【0066】
図2に示されているような他の実施形態では、磁場生成器194は、第1の部分104において第1のコイル196を、及び第2の部分において第2のコイル106を備える。部分104、106が、互いに取り付けられたとき、電気的接続が、第1の部分104と第2の部分106との間に形成されてもよい。これは、電源192からの電流が、第1の部分104から第2の部分106に、又はその逆に流れることを可能にする。この電流は、第1及び第2の部分104、106にある1つ又は複数のコイルを流れて、磁場を誘起し、以て、第1及び第2の加熱要素114、116を加熱する。
【0067】
デバイス101は、第2の加熱要素116とは独立に第1の加熱要素114を加熱するように構成されてもよい。そのような構成では、第2の加熱要素116とは別個の磁場生成器(たとえば、コイル)が、第1の加熱要素114のために提供されてもよい。そのような構成では、第1の加熱要素114のための磁場生成器は、第1及び第2の加熱要素114、116の加熱の異なるレベルを可能にするために、第2の加熱要素116のための磁場生成器とは別個に制御可能であってもよい。これは、同じコントローラによって達成されてもよい。実施形態では、第1の加熱要素114のための第1の部分104における加熱構成体とは別個の加熱構成体が、第2の加熱要素116を加熱するために第2の部分106に提供される。これは、第1の部分104と第2の部分106との間の電気的接続の必要性をなくすことができ、加熱要素114、116の別個の制御を提供するのに役立ち得る。
【0068】
実施形態では、完全に取り除き可能である代わりに、第2の部分106は、ユーザが、物品110を挿入又は取り除くためにレセプタクル112へのアクセスを得るために第1の部分104に対して第2の部分106を回転させるように、第1の部分104にヒンジ結合されてもよい。そのような実施形態は、第1の部分104の上への第2の部分106の正しい配置の容易さを提供することができ、第2の部分106が第1の部分104から取り外されたとき、第2の部分106の損失を回避するのに役立ち得る。実施形態では、第2の部分106は、第1の部分104に対して摺動可能である。第1の部分104は、第2の部分106に対して直線運動で移動可能であってもよい。
【0069】
上記で説明された実施形態では、加熱構成体は、誘導加熱構成体である。実施形態では、抵抗性加熱など、他のタイプの加熱構成体が使用される。デバイスの構成は、一般的には上記で説明されたものであり、したがって、詳細な説明は省略される。そのような構成では、加熱アセンブリは、抵抗性加熱プロセスによって加熱要素を加熱するための構成要素を含む抵抗性加熱生成器を備える。この場合、電流は、抵抗性加熱構成要素に直接的に印加され、加熱構成要素における得られた電流の流れは、加熱構成要素がジュール加熱によって加熱されることを引き起こす。抵抗性加熱構成要素は、好適な電流が抵抗性加熱構成要素を通るときに熱を生成するように構成された抵抗性材料を備え、加熱アセンブリは、抵抗性材料に電流を供給するための電気的接触を備える。実施形態では、加熱要素は、抵抗性加熱構成要素自体を形成する。実施形態では、抵抗性加熱構成要素は、たとえば、伝導によって加熱要素に熱を伝達する。
【0070】
実施形態が、
図2~
図7に示されている。これらの実施形態の構成は、一般的には上記で説明された構成に対応し、したがって、詳細な説明は、別段に示され、説明されない限り、省略される。
【0071】
図2に図示されているように、別の実施形態では、第1及び第2の部分104、106の両方は、レセプタクル112の第1及び第2の部分を画定する。したがって、(
図2に示されていない)物品の少なくとも一部は、第1及び第2の部分104、106の各々に延びている。対応する周囲壁111a、111bは、加熱チャンバ113を画定するように整合する。
図2において、レセプタクル112の各部分は、対応する深さを有する。各部分の深さは異なってもよいことが理解されよう。実施形態では、第2の部分106のみが、レセプタクル112を形成する。第1及び第2の部分104、106は、各々、上記で説明されたインダクタコイル196、197を有する。
【0072】
別の構成が、
図3に示されている。第2の部分106は、第1の部分104と摺動可能に係合している。そのような実施形態では、第2の部分106は、第1の部分104に沿って軸線方向に摺動することが可能である。そのような移動中に、第1及び第2の部分104、106は、互いと連続的に摺動係合している。そのような係合は、第1又は第2の部分104、106から延びているトラック(図示せず)であって、トラックが、第1又は第2の部分104、106のうちの他方におけるスロット(図示せず)内に置かれる、トラックによって提供されてもよい。最大伸展に達すると第1の部分104に対する第2の部分106の軸線方向移動を止めるためのストッパ(図示せず)が、提供されてもよい。第2の部分106が、第1の部分104から離れるように軸線方向に移動されたとき、ユーザが物品を挿入することを可能にするために、開孔部が露出される。加熱チャンバ113及び加熱要素114、116へのアクセスが、最小限に抑えられ得る。
【0073】
実施形態では、第1の加熱要素114は、第2の加熱要素116とは異なる形状及び/又は表面積を有してもよい。そのような構成は、
図4に示されている。第1の加熱要素114は、第2の加熱要素116よりも大きい表面積を提供される。これは、加熱チャンバの異なる区域において異なる加熱プロファイルを提供するのに役立ち得る。加熱プロファイルは、ユーザの異なる知覚経験を達成するように選ばれてもよい。たとえば、マウスピースにより近い加熱は、ユーザの即時の満足感を増加させることができる。加熱要素の物理的寸法、たとえば、厚さ、長さ、及び中空度は、異なってもよい。加熱要素の他の特性、たとえば、サセプタ材料体積又は材料は、異なってもよい。たとえば、第1の加熱要素114は、マウスピース出口から最も遠い加熱チャンバ113の区域に、増加された加熱を提供するために、第2の加熱要素116よりも大きい表面積を有してもよい。
【0074】
上記で説明された実施形態では、加熱要素114、116は、物品110への挿入のために構成される。実施形態では、各加熱要素は、管状である。実施形態では、1つの加熱要素は、物品を受け入れるために管状であり、別の加熱要素は、物品を受け入れるために加熱チャンバに突出している。実施形態では、たとえば、
図5に図示されているように、加熱要素114、116は、物品110の周りで延びている。そのような加熱要素は、加熱要素の周りではなく、加熱要素の内部で物品110を受け入れるために管状である。そのような構成は、外側サセプタとして知られている。加熱要素114、116は、レセプタクル112の少なくとも一部を画定する。加熱要素114、116は、加熱チャンバにおける物品110の挿入を可能にするために、分離可能である。第2の加熱要素116は、加熱要素の挿入のためのギャップを提供するために、第1の加熱要素114に対して移動可能である。他の実施形態に関して説明される構成など、他の構成が想定される。
【0075】
実施形態では、たとえば、
図6に図示されているように、第1及び/又は第2の加熱要素114、116のアレイがあってもよい。複数の第1及び/又は第2の加熱要素114、116を使用することは、物品110全体にわたって加熱を分散させるのに役立ち得る。実施形態では、加熱要素114の第1のアレイは、加熱要素116の第2のアレイよりも多くの加熱要素114を有するか、又はその逆である。実施形態では、加熱要素114の第1のアレイは、加熱要素116の第2のアレイよりも大きい総表面積を有するか、又はその逆であってもよい。またさらなる実施形態では、加熱要素114の第1のアレイは、物品110の異なる半径方向部分に異なる加熱を提供するために、長手軸線102に対する加熱要素の半径方向位置に応じて異なる高さ及び/又は表面積をもつ加熱要素を有してもよい。
【0076】
実施形態では、第1及び/又は第2の加熱要素114、116(又は要素のアレイ)は、互いに異なる材料から形成され得る。そのような構成では、加熱要素114、116は、使用される材料の熱伝導率に応じて、異なる加熱特性を提供することができる。
【0077】
加熱要素114、116のサイズ/形状/数及び/又は材料を変えることが、レセプタクル112内で異なる加熱プロファイル又は領域を達成するために使用され得る。これらの変数は、具体的な用途又は物品タイプに適合された加熱領域を提供するために選択的に変えられ得る。
【0078】
他の構成では、第1及び/又は第2の加熱要素114、116は、レセプタクル112に対して移動可能であってもよい。そのような構成の例は、
図7に示されている。そのような構成では、第1及び第2の加熱要素114、116は、レセプタクル112に、及びレセプタクル112から移動可能である。実施形態では、第1及び第2の加熱要素114、116のうちの一方は、レセプタクル112に、及びレセプタクル112から移動可能であり、他方の加熱要素は、レセプタクルの少なくとも一部に対して固定された構成にある。移動は、たとえば、アクチュエータを使用して達成されてもよい。そのようなアクチュエータは、レバーなど、ユーザによって手動で駆動されるか、又は電気モーターなど、電気アクチュエータによって駆動されてもよい。この構成は、交換可能物品110の交換中の加熱要素114、116への損傷を回避するのに役立ち得るか、又は物品110の交換中の加熱要素114、116へのアクセスを回避するのに役立ち得る。そのような構成では、加熱要素114、116は、2つの分離可能な部分に配置されないことがあり、代わりに、デバイス101内に配置されることがある。そのようなデバイスは、
図7に示されているように、一体型設計のものであってもよい。そのような構成では、加熱要素114、116は、レセプタクル112の対向する側からさらに延びていてもよく、レセプタクルへの物品110の挿入を可能にするために、延びたり後退したりするように構成されてもよい。そのような加熱要素114、116は、一般的にはデバイスの長手軸線とインラインで、又はデバイスの長手軸線に対して垂直に延びていてもよいか、或いは他の構成が提供されてもよい。そのような移動は、線形移動であるが、非線形、たとえば、円弧状移動が可能である。
【0079】
図8は、エアロゾル生成システム200の別の実施形態を図示する。
図8に図示されているエアロゾル生成システム200は、上記で説明された実施形態と同様の様式で機能し、それゆえ、上記で説明された構成の機構は、別段に指し示されない限り、以下で説明される構成に適用可能である。
【0080】
この実施形態では、デバイス201は、第1の加熱要素214と第2の加熱要素216の両方を備える。デバイス201は、加熱チャンバ213を形成するレセプタクル212をさらに含む。デバイス201のハウジング及び他の構成要素は、明快のために省略されている。
【0081】
加熱アセンブリは、回転可能な取付け部226において互いに枢動可能に取り付けられた、2つの細長い部材222、224を備える。回転可能な取付け部226は、任意の好適な手段、たとえば、シャフトによって提供されてもよい。(回転可能な取付け部226に対する)細長い部材222、244の各々の自由端部226、228は、互いに向かって延びている。図示されている自由端部226、228は、フック形であるが、他の形状、たとえば、角に取り付けられた2つの直線部分が提供されてもよい。
【0082】
第1の加熱要素214は、第1の細長い部材222の自由端部226によって形成され、第2の加熱要素216は、第2の細長い部材224の自由端部228によって形成される。第1及び第2の加熱要素214、216は、一般的にはデバイス201の長手軸線202に対して垂直な方向に互いに向かって延びている。しかしながら、実施形態では、第1及び第2の加熱要素214、216は、長手軸線202に対して非垂直であってもよい。
【0083】
エアロゾル生成材料を備える交換可能物品210は、レセプタクル内にフィットするように整形される。そのような物品210の例が、
図9に示されている。物品210は、加熱要素214、216を受け入れるための孔部211を備える。孔部211は、物品210の相対向する側から延びている。孔部211は、同軸である。本実施形態では、孔部は、互いから離間しているが、ある実施形態では、単一の孔部が、物品を通って延びていてもよい。物品210は、平坦な消耗品である。すなわち、相対向する平坦な側は、物品210のエアロゾル生成材料及び他の構成要素を含むコア215が、相対向する平坦な側の間にあるように形成される。そのような物品は、対応して整形されたレセプタクルにおいて受け入れられるように構成される。使用中に、第1及び第2の細長い部材222、224は、物品210が第1及び第2の細長い部材222、224の間に置かれることを可能にするために、開状態に移動する。
【0084】
物品210は、一般的には平坦な矩形形状を有するが、他の形状が提供されてもよく、たとえば、物品210は、一般的には円筒状に整形されてもよい。
【0085】
物品210は、気体が物品210から流体路に沿ってユーザまで通ることを可能にするために、通気口220を備える。実施形態における通気口220は、分離可能なマウスピースと連通する。実施形態では、マウスピースは、デバイスの本体と一体に形成される。
【0086】
物品210の相対向する側にある開口部234は、第1及び第2の加熱要素214、216のための挿入点を提供する。開口部234は、孔部211によって形成される。複数の開口部が、各対向する側に提供されてもよい。開口部234は、第1及び第2の加熱要素214、216が物品210に突出することを可能にするために、第1及び第2の細長い部材222、224の遠位部分226、228を受け入れるように整形される。
【0087】
デバイス201は、加熱アセンブリ191及び作動アセンブリ236をも備える。デバイスは、コントローラ(図示せず)と電源(図示せず)とを備える。加熱アセンブリ191は、第1及び第2の加熱要素214、216を加熱するように構成される。上記で解説されたように、これは、誘導加熱又は抵抗性加熱によって達成されてもよい。たとえば、独立して制御される抵抗性加熱トレース(図示せず)が、第1及び第2の加熱要素214、216に埋め込まれていてもよい。第1及び第2の加熱要素214及び216は、金属製又はセラミック製であってもよい。加熱トレースは、加熱トレースのそれぞれの温度を測定するために、抵抗温度検出器システムを有してもよく、この情報は、コントローラに返送されてもよい。加熱トレースは、第1及び第2の細長い部材222、224の内部にある配線を介してコントローラに接続されていてもよい。
【0088】
使用中に、第1及び第2の細長い部材222、224は、作動アセンブリ236によって開かれる。開ステップは、手動で、又はたとえば細長い部材222、224を開くように構成された電気モーターによって達成され得る。
図8は、開位置にある第1及び第2の部材222、224を図示する。この位置において、遠位部分226、228は、レセプタクル212から、それゆえ、物品210から離間している。この位置において、物品210は、レセプタクル212に挿入され、レセプタクル212から取り除かれ得る。
【0089】
物品210は、細長い部材222、224の間のレセプタクル212に挿入可能であり、細長い部材222、224は、次いで、遠位部分226、228の加熱要素214、216が、孔部211に延びているように、閉じられた状態に移動され得る。閉じられた状態になると、加熱要素214、216は、物品110がユーザによる吸入のためにエアロゾルを生成することを引き起こすために、加熱され得る。プロセスは、物品110、210が取り除かれることを可能にするために反転され得る。
【0090】
この構成の利点は、一般的には平坦なデバイス201が達成され得、これが保管のためにより都合がよいことがあるということである。この構成は、デバイスサイズを低減し、及び/又はバッテリーなど、他の構成要素のために利用可能な空間を増加させることもできる。
【0091】
上記で解説されたように、複数の加熱要素をもつエアロゾル生成システムを提供することは、多くの利点を提供することができる。たとえば、レセプタクルに複数の加熱要素を提供することは、エアロゾル生成材料のより大きいエリアに加熱を提供するのに役立つことができる。その上、異なる部分での加熱要素の配置は、加熱要素が、よりロバストで、破壊する可能性が低いことを保証するのに役立つことができる。さらに、レセプタクルの異なるエリアに異なる加熱領域を提供するために、異なる加熱要素が使用され得る。レセプタクルの加熱領域の異なる側から延びている加熱要素を提供することは、加熱領域の全長又は全幅に有効加熱を提供するのに役立つことができ、これは、エアロゾル生成材料によってもたらされるエアロゾルを最大化するのに役立ち得る。複数の加熱要素は、2つ以上の異なるエアロゾル生成材料が、使用され、2つ以上の異なるエアロゾル生成材料の最適な温度に加熱されることを可能にするのに役立つこともできる。
【0092】
上記の実施形態は、本発明の例示的な例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態が想定される。任意の一実施形態に関して説明された任意の機構は、単独で、又は説明された他の機構と組み合わせて使用されてもよく、任意の他の実施形態の1つ若しくは複数の機構との組合せ、又は任意の他の実施形態の任意の組合せにおいて使用されてもよいことを理解されたい。その上、上記で説明されていない均等物及び変更形態も、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の範囲から逸脱することなく採用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第2の加熱要素と
を備え、
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が前記加熱領域の異なる側から突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記第1及び第2の加熱要素が、共通軸線上で前記加熱領域に突出している、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域から少なくとも部分的に後退可能である、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域から引き出されるように配置された、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、互いと当接するように、及び互いと当接しないように移動されるように構成された、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記加熱領域に突出している前記第1の加熱要素の端部が、前記加熱領域に突出している前記第2の加熱要素の端部から離間している、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記第1の加熱要素及び前記レセプタクルの少なくとも一部を含む第1の部分と、前記第2の加熱要素を備える第2の部分とを備える、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記第1の部分が、前記エアロゾル生成デバイスの本体を備え、前記第2の部分が、マウスピースを備える、請求項
7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記第1の部分が、前記レセプタクルの少なくとも一部分を画定する、請求項
7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記第2の部分が、前記レセプタクルの少なくとも一部分を画定する、請求項
7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記第1及び第2の部分が、摺動可能に接続している、請求項
7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記第1及び第2の部分は、前記加熱領域が少なくとも実質的に囲まれている第1の動作状態と、前記加熱領域がアクセス可能である第2の動作状態との間で移動可能である、請求項
7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記第1の加熱要素が、第1の材料を備え、前記第2の加熱要素が、異なる第2の材料を備える、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、
前記加熱領域の第1の区域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、
前記加熱領域の第2の区域を加熱するように構成された第2の加熱要素と
を備え、
前記第2の加熱要素が、前記第1の加熱要素に対して移動可能である、
エアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記第2の加熱要素が、前記加熱領域を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項
14に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域に突出している、請求項
14に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
前記第1及び第2の加熱要素のうちの少なくとも1つが、前記加熱領域から少なくとも部分的に後退可能である、請求項
14に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
前記第1の加熱要素が、前記加熱領域の少なくとも一部を取り囲んでいる、請求項
14に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項19】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定するレセプタクルと、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第1の加熱要素と、
前記加熱領域に突出しており、前記加熱領域を加熱するように構成された第2の加熱要素と
を備え、
前記第1及び第2の加熱要素が、共通軸線上で前記加熱領域に突出している、
エアロゾル生成デバイス。
【請求項20】
エアロゾル生成材料を備える物品と、
請求項1~
19のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと
を備える、エアロゾル生成システム。
【国際調査報告】