(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ベビーキャリアおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A47D 13/02 20060101AFI20240905BHJP
B60N 2/28 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A47D13/02
B60N2/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518231
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2022076209
(87)【国際公開番号】W WO2023046742
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111109185.6
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ジェンウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,インジョン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE07
(57)【要約】
ベビーキャリアおよびその製造方法が開示される。ベビーキャリアは赤ちゃんを運ぶためのキャリングレセプタクルを備えて形成される。本体は発泡材料で作られる。ベビーキャリアの総重量は軽く、ベビーキャリアは移動が容易である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成された本体を含み、
本体は発泡材料で作られる、
ベビーキャリア。
【請求項2】
接続アセンブリをさらに含み、
キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁に固定される、
請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項3】
接続アセンブリが、係合部材を含み、
レセプタクル壁が底壁を含み、
係合部材が係合ロッドを有し、係合ロッドは底壁の外面に構成され、チャイルドシートと係合するように構成される、
請求項2に記載のベビーキャリア。
【請求項4】
接続アセンブリが、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタはベビーカーと係合するように構成される、
請求項3に記載のベビーキャリア。
【請求項5】
ベビーキャリアはキャリーコットであり、
係合部材は係合ロッドに接続した接続ロッドをさらに含み、
係合ロッドから離れた接続ロッドの一端はアダプタに固定される、
請求項4に記載のベビーキャリア。
【請求項6】
接続ロッドおよび係合ロッドはある挟角で配置され、
接続ロッドは底壁からキャリングレセプタクルの開口部への方向に沿って延びる、
請求項5に記載のベビーキャリア。
【請求項7】
補強部材をさらに含み、
2つの係合部材が提供され、
2つの係合部材の係合ロッドは互いに平行で間隔をあけて配置され、
補強部材の2つの端部は2つの係合ロッドそれぞれに接続する、
請求項6に記載のベビーキャリア。
【請求項8】
2つのアダプタが設けられ、
2つのアダプタは、2つの対向する側壁の外面にそれぞれ固定され、2つの係合部材の、対応する係合ロッドから離れた接続ロッドの端部は、2つのアダプタにそれぞれ固定される、請求項7に記載のベビーキャリア。
【請求項9】
補強部材は第1の補強ロッドを含み、
第1の補強ロッドの2つの端部は、対応する接続ロッドから離れた2つの係合ロッドの端部にそれぞれ接続されている、
請求項7または8に記載のベビーキャリア。
【請求項10】
第1の補強ロッドと2つの係合ロッドとが一体的に形成される、
請求項9に記載のベビーキャリア。
【請求項11】
補強部材は第2の補強ロッドをさらに含み、
第2の補強ロッドの2つの端部は、2つの係合部材の係合ロッドにそれぞれ接続され、第2の補強ロッドと第1の補強ロッドとは互いに間隔をあけて配置される、
請求項9または10に記載のベビーキャリア。
【請求項12】
第2の補強ロッドは平らなロッドである、
請求項11に記載のベビーキャリア。
【請求項13】
少なくとも2つの第2の補強ロッドが設けられ、
少なくとも2つの第2の補強ロッドは、係合ロッドの延在方向に沿って互いに間隔を隔てて配置される、
請求項11または12に記載のベビーキャリア。
【請求項14】
底壁の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である、
請求項5~13のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項15】
ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートであり、
底壁は、互いに接続した第1の支持部及び第2の支持部を含み、第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される、
請求項4~13のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項16】
第1の挟角は、90°から135°の範囲内である
請求項15に記載のベビーキャリア。
【請求項17】
第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される、
請求項15または16に記載のベビーキャリア。
【請求項18】
第1の支持部の外面および第2の支持部の外面の両方に係合ロッドが設けられている、
請求項15~17のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項19】
ハンドルをさらに含み、
ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている、
請求項3~18のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項20】
接続アセンブリ上に配置され、キャリングレセプタクルのレセプタクル壁に対して当接する固定部材をさらに含む、
請求項1~19のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項21】
本体が、30から50の範囲である発泡倍率を有する、
請求項1~20のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項22】
ベビーキャリアの製造方法であって、
接続アセンブリが配置される金型を提供するステップと、
金型の金型キャビティに発泡材料を射出して発泡させ、発泡材料が金型内で本体を形成できるようにするステップと、を含む、
製造方法。
【請求項23】
発泡材料を金型のキャビティに射出して発泡させるステップにおいて、発泡倍率が30から50の範囲にある、
請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成された本体を含み、
本体はプラスチック材料で作られている、
ベビーキャリア。
【請求項25】
接続アセンブリをさらに含み、
キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される、
請求項24に記載のベビーキャリア。
【請求項26】
本体を覆う可撓性カバーをさらに含む、
請求項25に記載のベビーキャリア。
【請求項27】
可撓性カバーは布である、
請求項26に記載のベビーキャリア。
【請求項28】
可撓性カバーと本体との間に充填された緩衝充填材をさらに含む、
請求項26または27に記載のベビーキャリア。
【請求項29】
ベビーキャリアはキャリーコットであり、
レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含み、
底壁は、頭部支持部、背部支持部及び腰部支持部を有し、
緩衝充填材は、可撓性カバーと頭部支持部との間、可撓性カバーと背部支持部との間、及び可撓性カバーと腰部支持部との間に充填される、
請求項28に記載のベビーキャリア。
【請求項30】
底壁の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である、
請求項29に記載のベビーキャリア。
【請求項31】
ハンドルをさらに含み、
ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている、
請求項29または30に記載のベビーキャリア。
【請求項32】
ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートであり、
レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含み、
底壁は、互いに接続される第1の支持部及び第2の支持部を含み、第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される、
請求項28~31のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項33】
第1の挟角は90°から135°の範囲である、
請求項32に記載のベビーキャリア。
【請求項34】
第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される、
請求項32または33に記載のベビーキャリア。
【請求項35】
接続アセンブリが係合部材を含み、
係合部材は、底壁の外面に固定され、チャイルドシートと係合するように構成される、
請求項29~34のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項36】
、接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタは、ベビーカーに接続するように構成される、
請求項35に記載のベビーキャリア。
【請求項37】
2つのアダプタが設けられ、2つのアダプタは、側壁の2つの対向する側壁の外面にそれぞれ固定される、
請求項36に記載のベビーキャリア。
【請求項38】
ハンドルをさらに含み、
ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている、
請求項35~37のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項39】
レセプタクル壁は、1.5mmから1.8mmの範囲の厚さを有する、
請求項25~38のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項40】
ベビーキャリアの製造方法であって、
接続アセンブリが配置される第1の金型を提供するステップと、
溶融プラスチックが接続アセンブリを覆って本体を形成し、接続アセンブリが本体に埋め込まれ固定されるように、溶融プラスチックを第1の金型の金型キャビティに射出するステップと、を含む、
製造方法。
【請求項41】
ベビーキャリアはキャリーコットであり、
キャリーコットは、第1の本体と第2の本体とを含み、
第1の本体および/または第2の本体には、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成され、
第2の本体は、第1の本体上に成形され、
第1の本体は、プラスチック材料から作られ、
第2の本体は、発泡材料から作られ、
第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1、第2の本体の体積をV2とすると、V2/V1は0.89~0.99の範囲である、
ベビーキャリア。
【請求項42】
キャリーコットは、接続アセンブリをさらに含み、
キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される、
請求項41に記載のベビーキャリア。
【請求項43】
接続アセンブリは係合ロッドを含み、
レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含み、
係合ロッドは、底壁の外面に固定され、チャイルドシートと係合するように構成される、
請求項42に記載のベビーキャリア。
【請求項44】
接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタは、ベビーカーと係合するように構成される、
請求項43に記載のベビーキャリア。
【請求項45】
底壁の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である、
請求項43または44に記載のベビーキャリア。
【請求項46】
ハンドルをさらに含み、
ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている、
請求項43~45のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項47】
第2の本体は、30~50の範囲の発泡倍率を有する、
請求項41~46のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項48】
ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートであり、
ベビーキャリアは、第1の本体と第2の本体とを含み、
第1の本体および/または第2の本体には、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成されており、
第1の本体は、プラスチック材料で作られ、
第2の本体は、発泡材料から作られ、
第2の本体は、第1の本体上に成形され、
第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1、第2の本体の体積をV2とすると、V2/V1は0.8~0.9の範囲にある、
ベビーキャリア。
【請求項49】
キャリーコットは、接続アセンブリをさらに含み、
キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される、
請求項48に記載のベビーキャリア。
【請求項50】
接続アセンブリは係合ロッドを含み、
レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含み、
係合ロッドは、底壁の外面に固定され、チャイルドシートと係合するように構成される、
請求項49に記載のベビーキャリア。
【請求項51】
接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、
アダプタは、ベビーカーと係合するように構成されている、
請求項50に記載のベビーキャリア。
【請求項52】
底壁は、互いに接続される第1の支持部及び第2の支持部を含み、第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される、
請求項50または51に記載のベビーキャリア。
【請求項53】
第1の挟角は90°から135°の範囲である、
請求項52に記載のベビーキャリア。
【請求項54】
第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される、
請求項52または53に記載のベビーキャリア。
【請求項55】
ハンドルをさらに含み、
ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている、
請求項50~54のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項56】
第2の本体は、30~50の範囲の発泡倍率を有する、
請求項48~55のいずれか1つに記載のベビーキャリア。
【請求項57】
ベビーキャリアの製造方法であって、
ベビーキャリアはキャリーコットであり、
製造方法は、
第1の金型を提供し、第1の金型の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出して第1の本体を形成するステップと、
第2の金型を提供し、第1の本体を第2の金型の金型キャビティに配置し、発泡材料を第2の金型の金型キャビティに射出して発泡させ、発泡材料が第1の本体上に成形されて第2の本体を形成するステップと、を含み、
第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1で表し、第2の本体の体積をV2で表すと、V2/V1が0. 89から0.99の範囲にある、
製造方法。
【請求項58】
発泡材料を金型のキャビティに注入して発泡させるステップにおいて、発泡倍率が30から50の範囲にある、
請求項57に記載の製造方法。
【請求項59】
ベビーキャリアの製造方法であって、
ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートであり、
製造方法は、
第1の金型を提供し、該金型の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出して第1の本体を形成するステップと、
第2の金型を提供し、第1の本体を第2の金型の金型キャビティに配置し、発泡材料を第2の金型の金型キャビティに射出して発泡させ、発泡材料が第1の本体上に成形されて第2の本体を形成するステップと、を含み、
第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1で表し、第2の本体の体積をV2で表すと、V2/V1が0.8から0.9の範囲にある、
製造方法。
【請求項60】
発泡材料を金型のキャビティに射出して発泡させるステップにおいて、発泡倍率が30から50の範囲にある、
請求項59に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベビーキャリアの技術分野に関し、特にベビーキャリアおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児用チャイルドシート(infant car seat)やキャリーコット(carrycot)のようなベビーキャリアは、一般に、硬質プラスチック本体と、プラスチック上に設けられた発泡材料本体とを含む。硬質プラスチック本体は、一般に、熱可塑性材料の射出成形によって製造され、発泡材料本体は、一般に、硬質プラスチック本体の表面上で発泡させることによって形成される。このように製造されたベビーキャリアは、全体の重量が重くなり、使用者がそのようなベビーキャリアを移動させることがより困難になり、使用感が悪くなる。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態によって、ベビーキャリアおよびその製造方法が提供される。
【0004】
ベビーキャリアは、本体を含み、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクル(carrying receptacle)が形成されている。本体は発泡材料で作られている。
【0005】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、接続アセンブリをさらに含む。キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される。
【0006】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは係合部材を含む。レセプタクル壁は側壁と底壁とを含む。係合部材は係合ロッドを有する。係合ロッドは、底壁の外面に固定され、チャイルドシート(child safety seat)と係合するように構成されている。
【0007】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタは、ベビーカー(stroller)と係合するように構成されている。
【0008】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアはキャリーコットである。係合部材は、係合ロッドに接続した接続ロッドをさらに含み、係合ロッドから離れた接続ロッドの端部は、アダプタ上に固定されている。
【0009】
実施形態の1つでは、接続ロッドと係合ロッドとは、ある挟角(included angle)で配置され、接続ロッドは、底壁から運搬用レセプタクルの開口部へ向かう方向に沿って延びる。
【0010】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、補強部材をさらに含む。2つの係合部材が設けられている。2つの係合部材の係合ロッドは、互いに平行であり、間隔をあけて配置され、補強部材の2つの端部は、2つの係合ロッドにそれぞれ接続される。
【0011】
実施形態の1つでは、2つのアダプタが設けられている。2つのアダプタは、側壁の2つの対向する側壁の外面にそれぞれ固定され、2つの係合部材の、対応する係合ロッドから離れた接続ロッドの端部は、2つのアダプタにそれぞれ固定される。
【0012】
実施形態の1つでは、補強部材は第1の補強ロッドを含む。第1の補強ロッドの2つの端部は、対応する接続ロッドから離れた2つの係合ロッドの端部にそれぞれ接続されている。
【0013】
実施形態の1つでは、第1の補強ロッドと2つの係合ロッドとが一体的に形成されている。
【0014】
実施形態の1つでは、補強部材は第2の補強ロッドをさらに含む。第2の補強ロッドの2つの端部は、2つの係合部材の係合ロッドにそれぞれ接続され、第2の補強ロッドと第1の補強ロッドとは互いに間隔をあけて配置される。
【0015】
実施形態の1つでは、第2の補強ロッドは平らなロッドである。
【0016】
実施形態の1つでは、少なくとも2つの第2の補強ロッドが設けられ、少なくとも2つの第2の補強ロッドは、係合ロッドの延在方向に沿って互いに間隔を隔てて配置される。
【0017】
実施形態の1つにおいて、底壁113の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である。
【0018】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートである。底壁は、互いに接続した第1の支持部及び第2の支持部を含む。第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される。
【0019】
実施形態の1つにおいて、第1の挟角は、90°から135°の範囲内である。
【0020】
実施形態の1つでは、第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される。
【0021】
実施形態の1つでは、第1の支持部の外面および第2の支持部の外面の両方に係合ロッドが設けられている。
【0022】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、ハンドルをさらに含む。ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている。
【0023】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、接続アセンブリ上に配置され、キャリングレセプタクルのレセプタクル壁に対して当接する固定部材をさらに含む。
【0024】
実施形態の1つでは、本体の発泡倍率(foam expansion ratio)は30から50の範囲である。
【0025】
ベビーキャリアの製造方法は、接続アセンブリが配置される金型を提供するステップと、金型の金型キャビティに発泡材料を射出して発泡させ、発泡材料が金型内で本体を形成できるようにするステップと、を含み、接続アセンブリは本体上に固定される。
【0026】
実施形態の1つでは、発泡材料を金型のキャビティに射出して発泡させるステップにおいて、発泡倍率が30から50の範囲にある。
【0027】
ベビーキャリアは、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成された本体を含む。本体はプラスチック材料で作られている。
【0028】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、接続アセンブリをさらに含む。キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される。
【0029】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、本体を覆う可撓性カバーをさらに含む。
【0030】
実施形態の1つでは、可撓性カバーは布である。
【0031】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、可撓性カバーと本体との間に充填された緩衝充填材(buffer filler)をさらに含む。
【0032】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアはキャリーコットである。レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含む。底壁は、頭部支持部、背部支持部及び腰部支持部を有する。緩衝充填材は、可撓性カバーと頭部支持部との間、可撓性カバーと背部支持部との間、及び可撓性カバーと腰部支持部との間に充填される。
【0033】
実施形態の1つにおいて、底壁の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である。
【0034】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、ハンドルをさらに含む。ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている。
【0035】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートである。レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含む。底壁は、互いに接続される第1の支持部及び第2の支持部を含み、第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される。
【0036】
実施形態の1つでは、第1の挟角は90°から135°の範囲である。
【0037】
実施形態の1つでは、第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される。
【0038】
実施形態の1つでは、キャビティ壁は、互いに接続した側壁及び底壁を含む。係合部材は、底壁の外面に固定され、チャイルドシートのベースと係合するように構成されている。
【0039】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタは、ベビーカーに接続されるように構成される。
【0040】
実施形態の1つでは、2つのアダプタが設けられ、2つのアダプタは、側壁の2つの対向する側壁の外面にそれぞれ固定される。
【0041】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、ハンドルをさらに含む。ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている。
【0042】
実施形態の一つにおいて、レセプタクル壁は、1.5mmから1.8mmの範囲の厚さを有する。
【0043】
ベビーキャリアの製造方法は、接続アセンブリが配置される第1の金型を提供するステップと、溶融プラスチックが接続アセンブリを覆って本体を形成し、接続アセンブリが本体に埋め込まれ固定されるように、溶融プラスチックを第1の金型の金型キャビティに射出するステップと、を含む。
【0044】
キャリーコットであるベビーキャリアは、第1の本体と第2の本体とを含む。第1の本体および/または第2の本体には、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成されている。第2の本体は、第1の本体上に成形される。第1の本体は、プラスチック材料から作られる。第2の本体は、発泡材料から作られる。第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1、第2の本体の体積をV2とすると、V2/V1は0.89~0.99の範囲である。
【0045】
実施形態の1つでは、キャリーコットは、接続アセンブリをさらに含む。キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される。
【0046】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは係合ロッドを含む。レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含む。係合ロッドは、底壁の外面に固定され、チャイルドシートと係合するように構成される。
【0047】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタは、ベビーカーと係合するように構成される。
【0048】
実施形態の1つにおいて、底壁の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である。
【0049】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、ハンドルをさらに含む。ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている。
【0050】
実施形態の1つでは、第2の本体は、30~50の範囲の発泡倍率を有する。
【0051】
乳幼児用チャイルドシートであるベビーキャリアは、第1の本体と第2の本体とを含む。第1の本体および/または第2の本体には、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクルが形成されている。第1の本体は、プラスチック材料で作られている。第2の本体は、発泡材料から作られる。第2の本体は、第1の本体上に成形される。第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1、第2の本体の体積をV2とすると、V2/V1は0.8~0.9の範囲にある。
【0052】
実施形態の1つでは、キャリーコットは、接続アセンブリをさらに含む。キャリングレセプタクルはレセプタクル壁を有し、接続アセンブリはレセプタクル壁上に固定される。
【0053】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは係合ロッドを含む。レセプタクル壁は、側壁と底壁とを含む。係合ロッドは、底壁の外面に固定され、チャイルドシートと係合するように構成される。
【0054】
実施形態の1つでは、接続アセンブリは、側壁の外面に固定されたアダプタをさらに含み、アダプタは、ベビーカーと係合するように構成されている。
【0055】
実施形態の1つでは、底壁は、互いに接続される第1の支持部及び第2の支持部を含み、第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される。
【0056】
実施形態の1つでは、第1の挟角は90°から135°の範囲である。
【0057】
実施形態の1つでは、第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される。
【0058】
実施形態の1つでは、ベビーキャリアは、ハンドルをさらに含む。ハンドルの2つの端部は、側壁の対向する2つの側壁にそれぞれ固定されている。
【0059】
実施形態の1つでは、第2の本体は、30~50の範囲の発泡倍率を有する。
【0060】
ベビーキャリアの製造方法が提供される。ベビーキャリアはキャリーコットであり、製造方法は以下を含む:第1の金型を提供し、第1の金型の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出して第1の本体を形成するステップと、第2の金型を提供し、第1の本体を第2の金型の金型キャビティに配置し、発泡材料を第2の金型の金型キャビティに射出して発泡させ、発泡材料が第1の本体上に成形されて第2の本体を形成するステップと、を含み、第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1で表し、第2の本体の体積をV2で表すと、V2/V1が0. 89から0.99の範囲にある。
【0061】
実施形態の1つでは、発泡材料を金型のキャビティに注入して発泡させるステップにおいて、発泡倍率が30から50の範囲にある。
【0062】
ベビーキャリアの製造方法が提供される。ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートであり、製造方法は以下を含む:第1の金型を提供し、該金型の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出して第1の本体を形成するステップと、第2の金型を提供し、第1の本体を第2の金型の金型キャビティに配置し、発泡材料を第2の金型の金型キャビティに射出して発泡させ、発泡材料が第1の本体上に成形されて第2の本体を形成するステップと、を含み、第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1で表し、第2の本体の体積をV2で表すと、V2/V1が0.8から0.9の範囲にある。
【0063】
実施形態の1つでは、発泡材料を金型のキャビティに射出して発泡させるステップにおいて、発泡倍率が30から50の範囲にある。
【0064】
本開示の利点および精神は、本発明の以下の詳細な説明および添付の図面からさらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
本開示の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、本開示の実施形態で必要とされる添付図面を以下に簡単に紹介する。当然のことながら、以下に説明する図面は、本開示の一部の実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力なしに、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【0066】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るベビーキャリアを示す斜視図であり、ベビーキャリアはキャリーコットである。
【
図5】
図5は、
図1に示すベビーキャリアを別の角度からみた斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1に示すベビーキャリアの本体を省略した斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態に係るベビーキャリアを示す斜視図であり、ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートである。
【
図8】
図8は、
図7に示すベビーキャリアを別の角度からみた斜視図である。
【
図10】
図10は、本開示の別の実施形態に係るベビーキャリアを示す斜視図であり、ベビーキャリアはキャリーコットである。
【
図14】
図14は、本開示の別の実施形態に係るベビーキャリアを示す斜視図であり、ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートである。
【
図16】
図16は、本開示のさらに別の実施形態に係るベビーキャリアを示す斜視図であり、ベビーキャリアはキャリーコットである。
【
図20】
図20は、
図16に示すベビーキャリアを示す斜視図であり、チャイルドシートのベースに設置されている。
【
図21】
図21は、本開示のさらに別の実施形態に係るベビーキャリアを示す斜視図であり、ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートである。
【
図27】
図27は、
図21に示すベビーキャリアの斜視図であり、チャイルドシートのベースに設置されている。
【符号の説明】
【0067】
11:キャリーコット、
12:乳幼児用チャイルドシート、
100:本体、
101:第1の本体、
102:第2の本体、
110:キャリングレセプタクル、
111:レセプタクル壁、
112:側壁、
113:底壁、
113a:頭部支持部、
113b:背部支持部、
113c:腰部支持部、
113d:脚部支持部、
113e:第1の支持部、
113f:第2の支持部、
200:接続アセンブリ、
210:係合部材、
211:係合ロッド、
212:接続ロッド、
220:アダプタ、
221:アダプタ本体、
222:解除ボタン、
300:補強部材、
310:第1の補強ロッド、
320:第2の補強ロッド、
400:ハンドル、
500:締結具、
20:ベース。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、添付の図面および特定の実施形態を参照して、本開示を以下にさらに詳細に説明する。本明細書において説明される特定の実施形態は、本開示を説明するために使用されるに過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0069】
ある要素が他の要素に「固定」されていると定義される場合、その要素は要素に直接固定されているか、または仲介要素(mediating element)を媒介として間接的に固定されているかのいずれかであることが理解されるべきである。ある要素が他の要素に「接続」されていると見なされる場合、その要素は他の要素に直接接続されているか、または仲介要素を媒介として他の要素に間接的に接続されている可能性がある。本明細書で使用される「垂直」、「水平」、「左」、「右」などの用語は、説明のためのものであり、唯一の実施形態を意図するものではない。
【0070】
本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、特に定義されない限り、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において本発明の明細書で使用される用語は、具体例を説明する目的のみのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される用語「および/または」は、関連する列挙された対象の1つ以上の任意のおよび全ての組み合わせを含む。
【0071】
本開示は、例えば、キャリーコット11又は乳幼児用チャイルドシート12であり得るベビーキャリアを提供する。ベビーキャリアは、赤ちゃんを運ぶように構成することができ、チャイルドシートまたはベビーカーに固定するのに適している。ベビーキャリアの製造、加工および組立工程は簡単で効率的であり、ベビーキャリアの全体重量は軽く、ベビーキャリアは移動が容易である。
【0072】
図1~
図9に示すように、一実施形態では、ベビーキャリアは、本体100と、接続アセンブリ200と、補強部材300と、固定部材(図面には示されていない)と、ハンドル400と、を含む。
【0073】
図1に示すように、ベビーキャリアはキャリーコット11である。本体100は、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクル110を形成するための空間を囲んでおり、キャリングレセプタクル110は実質的に長方形のキャビティである。キャリングレセプタクル110は、レセプタクル壁111を有し、レセプタクル壁111は、4つの接続した側壁112と、側壁112に接続した底壁113とを含む。底壁113は、底壁113の長さ方向に沿って順に、頭部支持部113a、背部支持部113b、腰部支持部113c及び脚部支持部113dを含み、それぞれ赤ちゃんの頭部、背中、腰部及び脚部を支持するように構成されている。背部支持部113b及び腰部支持部113cのそれぞれの幅は、頭部支持部113aの幅よりも大きく、背部支持部113b及び腰部支持部113cのそれぞれの幅は、脚部支持部113dの幅よりも大きく、すなわち、底壁113は、肩幅及び股幅が広い赤ちゃんの身体構造にフィットするように、両端が狭く中央が広い構造を形成し、赤ちゃんをより快適にする。また、別の実施形態では、本体100全体を両端が狭く中間が広い構造にしてもよく、これにより、一方では十分な強度を確保することができ、他方では加工や成形を容易にしてコストを低減することができる。本体部100の形状は、実際の必要に応じて変更可能であり、これに限定されるものではない。底壁113の内面を水平に配置してもよく、このようにすると、赤ちゃんがキャリーコット11内で平らに横たわることができるため、キャリーコット11の機能がより安定し、また、赤ちゃんがキャリーコット11内で伸び伸びと寝るのに有益な、キャリーコット11内の伸び伸び空間が広くなる。別の実施形態では、底壁113の内面もある程度斜め(oblique)にすることができ、斜めの角度は10°以下である。換言すれば、底壁113の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である。
【0074】
任意に、本体100は、ベビーキャリアの快適性を向上させるために、布地などの柔軟なカバーの層(図面には示されていない)で覆われてもよい。接続アセンブリ200は、レセプタクル壁111上に固定される。
【0075】
本体100は発泡材料から作られ、発泡倍率は30~50の範囲とすることができる。この実施形態では、発泡材料は発泡ポリプロピレン(EPP)である。他の実施形態では、発泡材料は、発泡ポリスチレン(EPS)、発泡ポリスチレン-ポリエチレン混合物(EPO)、発泡ポリエチレン(EPE)等であってもよい。ベビーキャリアの本体100は、全体として発泡材料で作られている。従来の硬質プラスチックと軟質発泡体の複合構造に比べ、本体100は軽量であり、使用者が移動させるのに便利である。また、本体100が発泡材料のみで作られているため、生産、加工、組み立ての工程も大幅に簡略化され、ベビーキャリアの生産、加工、組み立ての効率が向上する。
【0076】
具体的には、
図3に示すように、接続アセンブリ200は、係合部材210とアダプタ220とを含む。ベビーキャリアは、係合部材210によってチャイルドシートと係合して固定することができ、アダプタ220によってベビーカーに固定することができ、これにより、ベビーキャリアの適用シーンを拡大し、ベビーキャリアの汎用性を向上させることができる。
【0077】
具体的には、
図5及び
図6に示すように、係合部材210は、係合ロッド211及び接続ロッド212を含む。この実施形態では、係合ロッド211及び接続ロッド212は、共に円形断面を有するロッドである。他の実施形態では、係合ロッド211および接続ロッド212は、他の形状のロッドであってもよい。この実施形態では、係合ロッド211および接続ロッド212は、挟角で配置され、例えば、係合ロッド211および接続ロッド212は、互いに直角であってもよい。係合ロッド211は、底壁113の外面に固定されている。例えば、係合ロッド211の両端は底壁113に埋め込まれていてもよく、接続ロッド212の中間部は、チャイルドシートのベース20(
図20に示す)と係合するように、底壁113の外面に露出している。接続ロッド212は側壁112に固定されており、例えば、接続ロッド212は側壁112に埋め込まれていてもよい。接続ロッド212は、底壁113からキャリングレセプタクル110の開口部へ向かう方向に沿って延びている。この実施形態では、係合ロッド211の一端は、接続ロッド212の一端に接続されている。係合ロッド211と接続ロッド212は一体的に形成されており、成形に便利であり、構造強度が向上する。他の実施形態では、係合ロッド211と接続ロッド212は接続されていなくてもよい。
【0078】
この実施形態では、本体100の構造強度を高めるために、係合ロッド211と接続ロッド212は共に金属ロッドである。他の実施形態では、係合ロッド211および接続ロッド212は、他の材料で作られてもよい。
【0079】
任意に、
図1及び
図6に示すように、少なくとも2つの係合部材210があり、少なくとも2つの係合部材210は、平行に、間隔をあけて配置される。この実施形態では、係合部材210は2つである。他の実施形態では、係合部材210の数は、2つ未満であってもよいし、2つ以上であってもよい。
図20に示されるように、キャリーコット11は、概して、チャイルドシートのベース20に横方向に係合されて配置され、キャリーコット11が受ける衝撃の方向は、キャリーコット11の左右方向に沿っており、2つの係合部材210の2つの係合ロッド211がそれぞれ底壁113の長さ方向に沿って配置されるように、かつ、2つの係合部材210の2つの係合ロッド211が底壁113の幅方向に沿って平行にかつ間隔を隔てて配置されるように、キャリーコット11の左右方向に沿って配置されている。また、2つのアダプタ220が対応して設けられており、2つのアダプタ220は、側壁112の対向する2つの側壁の外面にそれぞれ固定されている。本実施形態において、2つのアダプタ220は、底壁113の2つの長辺(length sides)に接続された2つの側壁112の外面に固定されており、対応する係合ロッド211から離れた2つの接続ロッド212の端部は、2つのアダプタ220にそれぞれ接続固定されている。このようにして、係合ロッド211、接続ロッド212およびアダプタ220は互いに接続されて全体を形成し、ベビーキャリアの構造強度をさらに向上させることができる。任意選択で、アダプタ220は、アダプタ本体221と、解除ボタン222(
図1および
図6には示されていないが、
図7に示される乳幼児用チャイルドシート12を指す場合がある)とを含む。アダプタ本体221は、ベビーカーのフレームに係合するように構成され、解除ボタン222は、アダプタ本体221をベビーカーから解除するように操作可能である。
【0080】
更に、
図5及び
図6に示すように、補強部材300の2つの端部が、ベビーキャリアの構造強度を更に向上させるために、2つの係合部材210にそれぞれ接続されている。具体的には、補強部材300は、第1の補強ロッド310と第2の補強ロッド320とを含む。第1の補強ロッド310および第2の補強ロッド320の両方は、構造強度を確保するために金属ロッドである。他の実施形態では、第1の補強ロッド310および第2の補強ロッド320は、他の材料で作られてもよい。
【0081】
図6に示すように、第1の補強ロッド310の2つの端部は、それぞれ対応する接続ロッド212から離れた2つの係合ロッド211の端部に接続されている。このようにして、2つの係合ロッド211の端部は第1の補強ロッド310を介して接続され、2つの係合ロッド211の他の端部はそれぞれ2つの接続ロッド212を介して2つのアダプタ220に接続される。
【0082】
図5及び
図6に示すように、第2の補強ロッド320の両端は、2つの係合部材210の係合ロッド211にそれぞれ接続されており、第2の補強ロッド320と第1の補強ロッド310とは互いに間隔を隔てて配置されている。本実施形態では、第1の補強ロッド310と第2の補強ロッド320とは、係合ロッド211に直交する方向に沿って平行に間隔を隔てて配置されている。第2の補強ロッド320の両端は、2つの係合ロッド211の中間部分にそれぞれ接続されてもよいし、2つの係合ロッド211と対応する接続ロッド212との間の接続部にそれぞれ接続されてもよい。この実施形態では、第2の補強ロッド320は1つである。他の実施形態では、第2の補強ロッド320は1つ以上あってもよく、実際の必要性に応じて調整することができる。この実施形態では、第2の補強ロッド320は、断面が円形の2本の係合ロッド211との溶接を容易にするように、断面が矩形または楕円形の平板状のロッドであり、溶接部分は、2本の係合ロッド211と第2の補強ロッド320との溶接による接続が容易に外れないように、大きな接触面積を有する。このようにして、係合ロッド211、接続ロッド212、アダプタ220、第1の補強ロッド310及び第2の補強ロッド320は、本体100を支持するフレーム構造を形成し、ベビーキャリア全体の構造強度を強固にすることができる。
【0083】
この実施形態では、係合ロッド211、接続ロッド212、アダプタ220、第1の補強ロッド310及び第2の補強ロッド320は、溶接によって接続されている。他の実施形態では、係合ロッド211、接続ロッド212、アダプタ220、第1の補強ロッド310及び第2の補強ロッド320は、一体的に形成することもできる。
【0084】
さらに、固定部材は、係合部材210上に配置され、レセプタクル壁111に対して当接して、係合部材210と本体100との間の接続強度を高める。固定部材は、本体100とアダプタ220との間の接続強度を高めるために、アダプタ220上に配置され、レセプタクル壁111に対して当接することができる。この実施形態において、固定部材は固定パッドであってもよい。他の実施形態では、固定部材は他の形態であってもよい。
【0085】
さらに、
図1に示すように、ハンドル400の2つの端部は、対向する2つの側壁112にそれぞれ固定されている。この実施形態では、ハンドル400の両端は、底壁113の長辺に接続した2つの側壁112上に固定されており、使用者がベビーキャリアを持ち上げるのに便利である。ハンドル400は、例えば、布地に縫い付けられた環状のウェビング(webbing)であってもよく、布地に縫い付けられた布カバーであってもよく、布カバーに軟質または硬質の持ち上げループを設けてもよい。
【0086】
図7~
図9に示すように、ベビーキャリアは、乳幼児用チャイルドシート12であってもよい。乳幼児用チャイルドシート12は、キャリーコット11と実質的に同じ構造を有するが、乳幼児用チャイルドシート12の底壁113が、第1の支持部113eと第2の支持部113fとを含み、これらの支持部は互いに接続され、第1の挟角mで配置され、乳幼児用チャイルドシート12内で赤ちゃんが座った姿勢又は半横たわり姿勢になることができるようになっている。任意に、第1の挟角mの角度範囲は90°~135°であり、本実施形態では、第1の挟角mは99°である。第1の支持部113eと第2の支持部113fとの間には、赤ちゃんの腰の形状に合わせて丸みを帯びた移行部が形成される。このようにすることで、赤ちゃんを包み込むような構造を形成することができ、赤ちゃんをしっかりと保護することができるため、耐衝撃性に優れ、安全性能を向上させることができるとともに、赤ちゃんが丸まりすぎることがないため、赤ちゃんをより快適にすることができる。また、第1の支持部113e及び第2の支持部113fの外面には、係合ロッド211が設けられており、係合ロッド211は、それぞれ第1の支持部113eの幅方向及び第2の支持部113fの幅方向に沿って配置されている。
図27に示すように、乳幼児用チャイルドシート12は、概ね、前方方向、すなわち、長手方向であって、車両の走行方向と平行な方向に配置されたチャイルドシートのベース20に係合して配置される。乳幼児用チャイルドシート12が受ける応力の方向は、乳幼児用チャイルドシート12の前後方向に沿う方向であるため、係合ロッド211は、第1の支持部113eの幅方向及び第2の支持部113fの幅方向にそれぞれ沿って配置されている。
【0087】
本開示はまた、以下のステップを含む、前述のベビーキャリアを製造するための製造方法を提供する。
【0088】
ステップS101において、接続アセンブリ200が配置される金型が提供される。
【0089】
ステップS102では、発泡材料が金型内で本体を形成できるように、発泡材料が金型のキャビティ内に射出されて発泡する。接続アセンブリは本体上に固定される。
【0090】
前述の製造方法によって製造されたベビーキャリアは、ベビーキャリア全体が発泡材料で作られているため、硬質プラスチックと軟質発泡材料からなる従来の複合構造よりも軽量で移動が容易である。製造工程全体が簡単であり、成形は1回の手順で完了する。成形後、接続アセンブリ200を本体100に直接固定するため、製造効率が大幅に向上し、時間と人件費を削減できる。
【0091】
任意に、ステップS102における発泡倍率は、30~50の範囲である。
【0092】
図10から
図15に示すように、別の実施形態では、ベビーキャリアは、本体100と、接続アセンブリ200と、可撓性カバー(図面には図示せず)と、緩衝充填剤(図面には図示せず)とを含む。
【0093】
図10に示すように、ベビーキャリアは、キャリーコット11であってもよい。本体100は、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクル110を形成するための空間を囲み、キャリングレセプタクル110は実質的に長方形のキャビティである。キャリングレセプタクル110は、レセプタクル壁111を有し、レセプタクル壁111は、4つの接続した側壁112と、側壁112に接続した底壁113とを含む。底壁113は、底壁113の長さ方向に沿って順に、頭部支持部113a、背部支持部113b、腰部支持部113c及び脚部支持部113dを含み、それぞれ赤ちゃんの頭部、背中、腰部及び脚部を支持するように構成されている。背部支持部113bおよび腰部支持部113cのそれぞれの幅は、頭部支持部113aの幅よりも大きく、背部支持部113bおよび腰部支持部113cのそれぞれの幅は、脚部支持部113dの幅よりも大きく、すなわち、底壁113は、肩幅および股幅が広い赤ちゃんの身体構造にフィットするように、両端が狭く中央が広い構造を形成し、赤ちゃんをより快適にする。また、別の実施形態では、本体100全体を両端が狭く中間が広い構造にしてもよく、これにより、一方では十分な強度を確保することができ、他方では加工や成形を容易にしてコストを低減することができる。なお、本体100の形状は、実際のニーズに応じて変更可能であり、これに限定されるものではない。接続アセンブリ200は、レセプタクル壁111に固定される。底壁113の内面は、水平に配置されてもよく、これにより、赤ちゃんは、キャリーコット11内で平らに横たわることができ、したがって、キャリーコット11の機能はより安定し、また、赤ちゃんは、キャリーコット11内でより大きな伸縮空間を有することになり、赤ちゃんがキャリーコット11内で伸びをしたり寝たりするのに有益である。また、底壁113の内面は、ある程度斜めになっていてもよく、その斜めの角度は10°以下である。換言すれば、底壁113の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である。
【0094】
本体100はプラスチック材料で作られている。この実施形態では、プラスチック材料はポリプロピレン(PP)である。他の実施形態では、プラスチック材料はまた、他の種類のものであってもよい。ベビーキャリアの本体100は、全体としてプラスチック材料で作られている。従来の硬質プラスチックと軟質発泡体との複合構造と比較して、本体100は軽量であり、使用者が移動するのに便利である。また、本体100がプラスチック材料のみで作られているため、生産、加工、組み立ての工程も大幅に簡略化され、ベビーキャリアの生産、加工、組み立ての効率が向上する。
【0095】
任意に、レセプタクル壁111の厚さは、1.5~1.8mmの範囲である。この実施形態では、レセプタクル壁111の厚さは1.6mmであり、これは、本体100が十分な構造強度を有することを保証できる最小の厚さであり、これにより、ベビーキャリアの最大限の軽量化を達成してベビーキャリアの移動を容易にするだけでなく、ベビーキャリアの構造を大幅に簡素化し、製造および加工に便利であり、製造コストを低減する。
【0096】
さらに、可撓性カバーは、ベビーキャリアの緩衝保護効果及び快適性を向上させるために、本体100を外側から覆う。本実施形態では、可撓性カバーは、本体100の外面を一体的に覆う布である。緩衝充填材は、可撓性カバーと本体100との間に充填され、ベビーキャリアの緩衝保護効果および快適性をさらに向上させる。本実施形態では、緩衝充填材は、可撓性カバーと頭部支持部113aとの間、可撓性カバーと背部支持部113bとの間、及び可撓性カバーと腰部支持部113cとの間に充填されている。赤ちゃんの身体構造によれば、ベビーキャリアでは、一般に、頭部支持部113a、背部支持部113b及び腰部支持部113cに主な応力のかかる位置が集中し、脚部支持部113dには一般にあまり応力がかからない。そこで、頭部支持部113a、背部支持部113b及び腰部支持部113cには緩衝充填材を配置し、脚部支持部113dには緩衝充填材を配置しないことで、ベビーキャリア内の赤ちゃんが十分な緩衝保護を受けることを前提として、製造コストの節約及びベビーキャリアの軽量化を図っている。なお、緩衝充填材は、実際のニーズに応じて、本体100の外面全体や受け壁111の内面全体に設けることも可能であり、これに限定されるものではない。
【0097】
具体的には、
図13に示すように、接続アセンブリ200は、係合部材210とアダプタ220とを含む。係合部材210は、底壁113の外面に固定され、チャイルドシートのベース20(
図20に示す)と係合するように構成されている。アダプタ220は、側壁112の外面に固定され、ベビーカーと係合するように構成されている。このようにして、ベビーキャリアの適用シーンが広がり、ベビーキャリアの汎用性が向上する。
【0098】
さらに、
図13に示すように、係合部材210は、2つの係合ロッド211を含み、2つの係合ロッド211は、互いに平行に、間隔をあけて配置されている。
図20に示すように、キャリーコット11は、チャイルドシートのベース20に概ね横方向に係合して配置され、キャリーコット11が受ける衝撃の方向は、キャリーコット11の左右方向に沿っており、2つの係合部材210の2つの係合ロッド211がそれぞれ底壁113の長さ方向に沿って配置され、2つの係合部材210の2つの係合ロッド211が底壁113の幅方向に沿って平行にかつ間隔を隔てて配置されるようになっている。本実施形態では、
図12に示すように、係合ロッド211の両端は、締結具500によって底壁113に固定されている。アダプタ220は2つあり、2つのアダプタ220は対向する2つの側壁112の外面にそれぞれ固定されている。当然、他の実施形態では、係合ロッド211およびアダプタ220の数および配置も、実際の状況に応じて調整することができる。任意に、アダプタ220は、アダプタ本体221と解除ボタン222とを含む。アダプタ本体221は、ベビーカーのフレームと係合するように構成され、解除ボタン222は、アダプタ本体221をベビーカーから解除するように操作可能である。
【0099】
さらに、
図10および
図13に示すように、ハンドル400の2つの端部は、対向する2つの側壁112にそれぞれ固定されている。この実施形態では、ハンドル400の2つの端部は、底壁113の長辺に接続された2つの側壁112上に固定されており、ユーザがベビーキャリアを持ち上げるのに便利である。ハンドル400は、例えば、布地に縫い付けられた環状のウェビングであってもよく、布地に縫い付けられた布カバーであってもよく、布カバーに軟質または硬質の持ち上げループを設けてもよい。
【0100】
図14から
図15に示すように、ベビーキャリアは、乳幼児用チャイルドシート12であってもよい。
図14から
図15に示す本実施形態の乳幼児用チャイルドシート12は、
図10~
図13に示す上述の実施形態のキャリーコット11と実質的に同じ構造を有するが、乳幼児用チャイルドシート12の底壁113が、乳幼児用チャイルドシート12内で赤ちゃんが座った姿勢または半横たわり姿勢になることができるように、互いに接続され、第1の挟角m(
図14および
図15には示されていないが、
図9を参照することができる)で配置される第1の支持部113eおよび第2の支持部113fを含むことを除く。任意選択で、第1の挟角mの角度範囲は90°~135°であり、本実施形態では、第1の挟角mは99°である。第1の支持部113eと第2の支持部113fとの間には、赤ちゃんの腰部の形状に合わせて丸みを帯びた移行部が形成される。このようにすることで、赤ちゃんを包み込む構造を形成することができ、赤ちゃんを良好に保護することができるため、耐衝撃性が良好となり、安全性能が向上するとともに、赤ちゃんが丸まりすぎることがなく、赤ちゃんの快適性を確保することができる。また、第1の支持部113e及び第2の支持部113fの外面には、係合ロッド211が設けられており、係合ロッド211は、それぞれ第1の支持部113eの幅方向及び第2の支持部113fの幅方向に沿って配置されている。
図27に示すように、乳幼児用チャイルドシート12は、概ね、前方方向、すなわち、長手方向であって、車両の走行方向と平行な方向に配置されたチャイルドシートのベース20に係合して配置される。乳幼児用チャイルドシート12が受ける応力の方向は、乳幼児用チャイルドシート12の前後方向に沿う方向であるため、係合ロッド211は、第1の支持部113eの幅方向及び第2の支持部113fの幅方向にそれぞれ沿って配置されている。
【0101】
本開示はまた、以下のステップを含む、前述のベビーキャリアを製造するための製造方法を提供する。
【0102】
ステップS201において、接続アセンブリ200が配置される第1の型が提供される。
【0103】
ステップS202では、溶融プラスチックを第1の金型の金型キャビティに射出して、溶融プラスチックが接続アセンブリ200を覆うことができるようにして、接続アセンブリ200が本体100に埋め込まれ固定されるような本体100を形成する。
【0104】
前述の製造方法により製造されたベビーキャリアは、全体としてプラスチック材料で作られており、従来の硬質プラスチックと軟質発泡材料の複合構造よりも軽量で移動が容易である。その上、ベビーキャリアは、二次成形工程によって製造されるため、接続アセンブリ200を本体100に埋め込み固定することができ、一体構造を形成することができる。これにより、接続アセンブリ200と本体100との接続の信頼性を確保することができ、ベビーキャリアとチャイルドシートまたはベビーカーとの接続の安定性を確保することができる。
【0105】
さらに別の実施形態では、
図16から
図27に示すように、ベビーキャリアは、第1の本体101、第2の本体102、接続アセンブリ200、およびハンドル400を含む。
【0106】
図16から
図20に示すように、ベビーキャリアはキャリーコット11である。第1の本体101および/または第2の本体102は、赤ちゃんを運ぶように構成されたキャリングレセプタクル110を形成するための空間を囲む。キャリングレセプタクル110は、実質的に長方形のキャビティである。第2の本体102は、第1の本体101上に成形される。キャリングレセプタクル110は、レセプタクル壁111を有し、レセプタクル壁111は、4つの接続した側壁112と、側壁112に接続した底壁113とを含む。底壁113は、底壁113の長さ方向に沿って、頭部支持部113a、背部支持部113b、腰部支持部113c及び脚部支持部113dを順に含み、それぞれ赤ちゃんの頭部、背中、腰部及び脚部を支持するように構成されている。背部支持部113b及び腰部支持部113cのそれぞれの幅は、頭部支持部113aの幅よりも大きく、背部支持部113b及び腰部支持部113cのそれぞれの幅は、脚部支持部113dの幅よりも大きく、すなわち、底壁113は、肩幅及び股幅が広い赤ちゃんの身体構造にフィットするように、両端が狭く中央が広い構造を形成し、赤ちゃんをより快適にする。また、別の実施形態では、本体100全体を両端が狭く中間が広い構造にしてもよく、これにより、一方では十分な強度を確保することができ、他方では加工や成形を容易にしてコストを低減することができる。なお、本体部100の形状は、実際の必要に応じて変更可能であり、これに限定されるものではない。底壁113の内面を水平に配置してもよく、これにより、赤ちゃんがキャリーコット11内で平らに横たわることができるため、キャリーコット11の機能がより安定し、また、赤ちゃんがキャリーコット11内で伸びをしたり寝たりするのに有益な、キャリーコット11内の伸び伸び空間が広くなる。また、底壁113の内面は、ある程度斜めになっていてもよく、その斜めの角度は10°以下である。換言すれば、底壁113の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である。
【0107】
任意に、本体100は、ベビーキャリアの快適性を向上させるために、布地などの柔軟なカバーの層(図面には示されていない)で覆われてもよい。キャリングレセプタクル110は、レセプタクル壁111を有し、接続アセンブリ200は、レセプタクル壁111上に固定される。
【0108】
第1の本体101はプラスチック材料から作られ、第2の本体102は発泡材料から作られ、発泡倍率は30から50の範囲であってもよい。第1の本体101の体積と第2の本体102の体積の和をV1、第2の本体102の体積をV2とすると、V2/V1は0.89~0.99の範囲である。この体積比で作製されたキャリーコット11は、全体構造の支持強度を確保することを前提として、第2の本体102、すなわち発泡材料が全体構造の中で最大の体積比を占めるようにすることができ、これによりキャリーコット11の最大限の軽量化を実現することができ、キャリーコット11を移動させる際の手間を省くことができ、使用者の使用感を向上させることができる。
【0109】
図16から
図20に示すように、接続アセンブリ200はレセプタクル壁111に固定されている。具体的には、接続アセンブリ200は、係合部材210とアダプタ220とを含む。レセプタクル壁111は側壁112と底壁113を含む。係合部材210は底壁113の外面に固定されており、係合部材210はチャイルドシートと係合するように構成されている。アダプタ220は、側壁112の外面に固定されており、ベビーカーと係合するように構成されている。底壁113の内面は水平に配置することができ、赤ちゃんがキャリーコット11内で平らになることができるため、キャリーコット11の機能がより安定し、また、赤ちゃんがキャリーコット11内で伸び伸びと寝るのに有益な、キャリーコット11内の伸び伸びスペースが広くなる。また、底壁113の内面は、ある程度斜めになっていてもよく、その斜めの角度は10°以下である。
【0110】
さらに、
図18に示すように、係合部材210は、底壁113の長さ方向に沿って配置された2つの係合ロッド211を含み、2つの係合ロッド211は、互いに平行に、間隔をあけて配置されている。
図20に示すように、キャリーコット11は、チャイルドシートのベース20に概ね横方向に係合して配置されており、キャリーコット11が受ける衝撃の方向は、キャリーコット11の左右方向に沿っており、2つの係合部材210の2つの係合ロッド211は、底壁113の幅方向に沿って平行にかつ間隔を隔てて配置されているようになっている。本実施形態では、
図12に示すように、係合ロッド211の両端は、締結具500によって底壁113に固定されている。アダプタ220は2つあり、2つのアダプタ220は対向する2つの側壁112の外面にそれぞれ固定されている。もちろん、他の実施形態では、係合ロッド211およびアダプタ220の数および配置も、実際の状況に応じて調整することができる。任意選択で、アダプタ220は、アダプタ本体221と、解除ボタン222(
図18には示されていないが、
図21の乳幼児用チャイルドシート12を指す場合がある)と、を含む。アダプタ本体221は、ベビーカーのフレームに係合するように構成され、解除ボタン222は、アダプタ本体221をベビーカーから解除するように操作可能である。
【0111】
さらに、
図18に示すように、ハンドル400の2つの端部は、対向する2つの側壁112にそれぞれ固定されている。この実施形態では、ハンドル400の両端は、底壁113の長辺に接続された2つの側壁112上に固定されており、使用者がベビーキャリアを持ち上げるのに便利である。ハンドル400は、例えば、布地に縫い付けられた環状のウェビングであってもよく、布地に縫い付けられた布カバーであってもよく、布カバーに軟質または硬質の持ち上げループを設けてもよい。
【0112】
本実施形態では、第1の本体101の体積は1.13×106mm3であり、第2の本体102の体積は1.84×107mm3である。したがって、V1は1.95×107mm3、V2は1.84×107mm3、V2/V1は0.94である。なお、ここでの第1の本体101の体積には、接続アセンブリ200およびハンドル400の体積は含まれていない。本実施形態では、第1の本体101と接続部品200の体積の和は1.31×106mm3である。また、V2/V1が0.89~0.99の範囲内に保たれる限り、第1の本体101の体積および第2の本体102の体積は、実際の必要に応じて調整することもできる。
【0113】
図21~
図27に示すように、ベビーキャリアは、乳幼児用チャイルドシート12である。
図21~
図27に示すように、この実施形態における乳幼児用チャイルドシート12は、乳幼児用チャイルドシート12の底壁113が、互いに接続され、乳幼児用チャイルドシート12内で赤ちゃんが座った姿勢または半横たわり姿勢になることができるように第1の挟角mで配置される第1の支持部113eおよび第2の支持部113fを含むことを除いて、
図16から
図20に示す上述の実施形態におけるキャリーコット11と実質的に同じ構造を有する。任意に、第1の挟角mの角度範囲は90°~135°であり、本実施形態では、第1の挟角mは99°である。第1の支持部113eと第2の支持部113fとの間には、赤ちゃんの腰部の形状に合わせて丸みを帯びた移行部が形成される。このようにすることで、赤ちゃんを包み込む構造を形成することができ、赤ちゃんを良好に保護することができるため、耐衝撃性が良好となり、安全性能が向上するとともに、赤ちゃんが丸まりすぎることがなく、赤ちゃんの快適性を確保することができる。また、第1の支持部113e及び第2の支持部113fの外面には、係合ロッド211が設けられており、係合ロッド211は、それぞれ第1の支持部113eの幅方向及び第2の支持部113fの幅方向に沿って配置されている。
図27に示すように、乳幼児用チャイルドシート12は、概ね、前方方向、すなわち、長手方向であって、車両の走行方向と平行な方向に配置されたチャイルドシートのベース20に係合して配置される。乳幼児用チャイルドシート12が受ける応力の方向は、乳幼児用チャイルドシート12の前後方向に沿う方向であるため、係合ロッド211は、第1の支持部113eの幅方向及び第2の支持部113fの幅方向にそれぞれ沿って配置されている。
【0114】
第1の本体101はプラスチック材料から作られ、第2の本体102は発泡材料から作られ、発泡倍率は30~50の範囲とすることができる。第1の本体101の体積と第2の本体102の体積の和をV1、第2の本体102の体積をV2とすると、V2/V1は0.8~0.99の範囲にある。この体積比で製造された乳幼児用チャイルドシート12は、全体構造の支持強度を確保することを前提として、第2の本体102、すなわち発泡材料が全体構造の中で最も大きな体積比を占めるようにすることができ、これにより乳幼児用チャイルドシート12の最大限の軽量化を実現することができ、これにより乳幼児用チャイルドシート12を移動させる際の手間を省くことができ、使用者の使用感を向上させることができる。
【0115】
さらに、
図21~
図23に示すように、第1の支持部113eは赤ちゃんの背中を支持するように構成され、第1の支持部113eと第2の支持部113fとの接続部分は赤ちゃんの腰部を支持するように構成され、第2の支持部113fは赤ちゃんの脚部を支持するように構成されている。第2の本体部102は、第1の支持部113eのみを覆っている。赤ちゃんの身体構造によれば、乳幼児用チャイルドシート12では、一般に、第1の支持部113eが主に応力を受ける位置であり、第2の支持部113fは一般にあまり応力を受けない位置である。したがって、第2の本体102は、第1の支持部113eのみを覆い、第2の支持部113fを覆わないことで、乳幼児用チャイルドシート12内の赤ちゃんが緩衝材によって十分に保護されることを前提として、ベビーキャリア12の製造コストの節約や軽量化を図ることができる。なお、第2の本体部102は、実際のニーズに応じて第1の支持部113e及び第2の支持部113fを覆うことも可能であり、これに限定されるものではない。
【0116】
図25及び
図26に示すように、第1の支持部113eの第2の支持部113fから離れた端部はヘッドレスト端部であり、第2の本体102のヘッドレスト端部に近い端部は、ヘッドレスト端部の端部から高さHだけ突出している。このようにすることで、乳幼児用チャイルドシート12が外力によって衝撃を受けたとき、赤ちゃんの背もたれの傾きによって赤ちゃんの頭部が第1の本体101に衝突することを防止することができる。任意に、Hの範囲は40~50mmである。本実施形態では、Hは45mmである。
【0117】
さらに、取り外し可能な緩衝充填材(図面には示されていない)を乳幼児用チャイルドシート12の周囲に配置して、赤ん坊をより快適にすることもでき、これらの緩衝充填材は必要に応じて増減させることができる。
【0118】
本実施形態では、第1の本体101の体積は1.12×106mm3であり、第2の本体102の体積は6.25×107mm3である。したがって、V1は7.37×107mm3、V2は6.25×107mm3、V2/V1は0.85である。なお、ここでの第1の本体101の体積には、接続アセンブリ200およびハンドル400の体積は含まれていない。本実施形態では、第1の本体101と接続部品200の体積の合計は1.22×106mm3である。ここでの第2の本体102の体積は、取り外し可能な緩衝充填材の体積を含まず、第2の本体102の体積と取り外し可能な緩衝充填材の体積の和は、8.27×106mm3である。また、V2/V1が0.8~0.9の範囲内であれば、第1の本体101の容積と第2の本体102の容積は必要に応じて調整することも可能である。
【0119】
本開示は、前述のベビーキャリアを製造するための製造方法も提供する。ベビーキャリアは、キャリーコット11である。製造方法は、以下のステップを含む。
【0120】
ステップS301では、第1の金型を提供し、第1の金型の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出して第1の本体を形成する。
【0121】
ステップS302において、第2の金型を設け、第1の本体を第2の金型の金型キャビティに入れ、発泡材料を第2の金型の金型キャビティに射出して発泡させ、発泡材料が第1の本体上に成形されて第2の本体が形成されるようにし、第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1、第2の本体の体積をV2とすると、V2/V1は0.89~0.99の範囲にある。
【0122】
このように、プラスチック材料から作られる第1の本体101上に発泡材料から作られる第2の本体102を成形し、V2/V1を0.89~0.99の範囲とした。この体積比で作製されたキャリーコット11は、全体構造の支持強度を確保することを前提として、全体構造の中で第2の本体102、即ち発泡材料が最も大きな体積比を占めるようにすることができ、これによりキャリーコット11の最大限の軽量化を実現することができ、キャリーコット11を移動させる際の手間を省くことができ、使用者の使用感を向上させることができる。
【0123】
任意に、ステップS302において、発泡倍率は30から50の範囲にある。
【0124】
本開示によれば、ベビーキャリアの製造方法がさらに提供される。ベビーキャリアは、乳幼児用チャイルドシートであり、製造方法は、以下のステップを含む。
【0125】
ステップS401において 、第1の金型を提供し、第1の金型の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出し、第1の本体を形成する。
【0126】
ステップS402において、第2の金型を設け、第1の本体を第2の金型の金型キャビティに入れ、発泡材料を第2の金型の金型キャビティに射出して発泡させ、発泡材料が第1の本体上に成形されて第2の本体を形成し、第1の本体の体積と第2の本体の体積の和をV1、第2の本体の体積をV2とすると、V2/V1は0.8~0.9である。
【0127】
このように、プラスチック材料から作られる第1の本体101上に発泡材料から作られる第2の本体102を成形し、V2/V1を0.89~0.99の範囲とする。この体積比で製造された乳幼児用チャイルドシート12は、全体構造の支持強度を確保することを前提として、全体構造の中で第2の本体102、すなわち発泡材料が最大の体積比を占めるようにすることができ、これにより乳幼児用チャイルドシート12の最大限の軽量化が達成され、乳幼児用チャイルドシート12を移動させる際の手間を省くことができ、使用者の使用感を向上させることができる。
【0128】
任意に、ステップS302において、発泡倍率は30から50の範囲にある。
【0129】
前述のベビーキャリアにおいて、特定の体積比で作られたキャリーコット11又は乳幼児用チャイルドシート12は、全体構造の支持強度を確保することを前提として、第2の本体102、即ち、発泡材料が全体構造の中で最大の体積比を占めるようにすることができ、これにより、キャリーコット11又は乳幼児用チャイルドシート12の最大限の軽量化を実現することができ、これにより、ユーザは、キャリーコット11又は乳幼児用チャイルドシート12を移動させる際の労力を節約することができ、ユーザの使用感を向上させることができる。
【0130】
前述の実施形態の技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。簡潔にするために、前述の実施形態における技術的特徴の可能な全ての組み合わせが記載されているわけではない。しかしながら、これらの組み合わせに矛盾がない限り、これらの技術的特徴の全ての組み合わせは、本開示の範囲内であると考えられるべきである。
【0131】
前述の実施例は、本開示のいくつかの実施形態を表しているに過ぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、本発明特許の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって複数の変形および修正がなされる可能性があり、これらはすべて本開示の保護範囲内であることに留意すべきである。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーキャリアであって、
キャリングレセプタクルが形成された本体を含み、
キャリングレセプタクルは、赤ちゃんを運ぶように構成され、レセプタクル壁を有し、
ベビーキャリアはまた、
レセプタクル壁に固定された接続アセンブリを含み、
レセプタクル壁は、側壁および底壁を含み、
接続アセンブリは、
底壁の外面に固定され、チャイルドシートと係合するように構成された係合部材と、側壁の外面に固定され、ベビーカーと係合するように構成されたアダプタと、を含む、
ベビーキャリア。
【請求項2】
ベビーキャリアはキャリーコットであり、
係合部材は、
底壁の外面に固定された係合ロッドと、
係合ロッドに接続した接続ロッドと、をさらに含み、
係合ロッドから離れた接続ロッドの一端はアダプタに固定される、
請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項3】
接続ロッドおよび係合ロッドはある挟角で配置され、
接続ロッドは底壁からキャリングレセプタクルの開口部への方向に沿って延びる、
請求項2に記載のベビーキャリア。
【請求項4】
係合ロッドがレセプタクル壁に部分的に埋め込まれ、係合ロッドの露出した部分はレセプタクル壁の底壁から離れている、
請求項3に記載のベビーキャリア。
【請求項5】
底壁は、底壁の長手方向に沿って頭部支持部、背部支持部、及び腰部支持部を含み、
係合ロッドは、係合ロッドと接続ロッドとの接続から、底壁の頭部支持部から離れる方向に延びる、
請求項3に記載のベビーキャリア。
【請求項6】
補強部材をさらに含み、
2つの係合部材が提供され、
2つの係合部材の係合ロッドは互いに平行で間隔をあけて配置され、
補強部材の2つの端部は2つの係合ロッドそれぞれに接続する、
請求項3に記載のベビーキャリア。
【請求項7】
2つのアダプタが設けられ、
2つのアダプタは、2つの対向する側壁の外面にそれぞれ固定され、2つの係合部材の、対応する係合ロッドから離れた接続ロッドの端部は、2つのアダプタにそれぞれ固定される、
請求項6に記載のベビーキャリア。
【請求項8】
補強部材は第1の補強ロッドを含み、
第1の補強ロッドの2つの端部は、対応する接続ロッドから離れた2つの係合ロッドの端部にそれぞれ接続されている、
請求項6または7に記載のベビーキャリア。
【請求項9】
第1の補強ロッドと2つの係合ロッドとが一体的に形成される、
請求項8に記載のベビーキャリア。
【請求項10】
補強部材は第2の補強ロッドをさらに含み、
第2の補強ロッドの2つの端部は、2つの係合部材の係合ロッドにそれぞれ接続され、第2の補強ロッドと第1の補強ロッドとは互いに間隔をあけて配置される、
請求項8に記載のベビーキャリア。
【請求項11】
第2の補強ロッドは平らなロッドである、
請求項10に記載のベビーキャリア。
【請求項12】
底壁の内面と水平面との間の挟角は、10°以下である、
請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項13】
ベビーキャリアは乳幼児用チャイルドシートであり、
底壁は、互いに接続した第1の支持部及び第2の支持部を含み、
第1の支持部及び第2の支持部は、第1の挟角で配置される、
請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項14】
第1の挟角は、90°から135°の範囲内である、
請求項13に記載のベビーキャリア。
【請求項15】
第1の支持部と第2の支持部との間に丸みを帯びた移行部が形成される、
請求項13または14に記載のベビーキャリア。
【請求項16】
第1の支持部の外面および第2の支持部の外面の両方に係合ロッドが設けられている、
請求項13または14に記載のベビーキャリア。
【請求項17】
本体は、第1の本体と第2の本体とを含み、
第1の本体および第2の本体の少なくとも1つは、キャリングレセプタクルを備えて形成され、
第1の本体は、プラスチック材料から作られ、
第2の本体は、発泡材料から作られ、
第2の本体は、第1の本体上に成形される、
請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項18】
ベビーキャリアの製造方法であって、
接続アセンブリが配置される金型を提供するステップと、
金型の金型キャビティに発泡材料を射出して発泡させ、発泡材料が金型内で本体を形成できるようにするステップと、を含み、
接続アセンブリは本体に固定される、
製造方法。
【請求項19】
本体が、接続アセンブリの一部を覆う、
請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
ベビーキャリアの製造方法であって、
製造方法は、
接続アセンブリが配置される第1の金型を提供するステップと、
溶融プラスチックを第1の金型の金型キャビティに射出して、溶融プラスチックが接続アセンブリをカバーして本体を形成し、接続アセンブリが本体に埋め込まれて固定されるようにするステップと、を含む、
製造方法。
【国際調査報告】