(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤、その製造方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20240905BHJP
A21D 2/08 20060101ALI20240905BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20240905BHJP
A23L 29/00 20160101ALI20240905BHJP
【FI】
A23L5/00 J
A21D2/08
A23L35/00
A23L29/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518295
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2022089884
(87)【国際公開番号】W WO2023045330
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111114712.2
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523000972
【氏名又は名称】安▲チー▼酵母股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】熊 涛
(72)【発明者】
【氏名】程 奔
(72)【発明者】
【氏名】胡 新平
【テーマコード(参考)】
4B032
4B035
4B036
【Fターム(参考)】
4B032DG02
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4B036LP24
(57)【要約】
小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤、その製造方法、及びその使用である。前記小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤は、乳酸菌、麹、食用培地及び水を混合して、発酵させて製造されるものであり、重量部基準で、乳酸菌は0.5~5部であり、麹は0.5~5部であり、食用培地は90~130部であり、水は90~130部である。前記小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤は、原料が入手しやすく、製造プロセスが簡単である。それを小麦粉製品の製造に使用すると、二次発酵や多数回の発酵が不要となるため、使用方法は簡単であり、小麦粉製品の品質保証期限は延長し、これにより、製品のシェルフライフを延長させており、品質保証期限内の鮮度を改善し、製品の無駄を軽減させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳酸菌、酒麹、食用培地及び水を含む原料を混合して、発酵させて製造され、重量部基準で、乳酸菌は0.5~5部であり、酒麹は0.5~5部であり、食用培地は90~130部であり、水は90~130部であることを特徴とする小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤。
【請求項2】
重量部基準で、乳酸菌が2~3部であり、酒麹が0.5~5部であり、食用培地が90~130部であり、水が90~130部であることを特徴とする請求項1に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項3】
前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌、レンサ球菌、ロイコノストック菌、ビフィズス菌及びペディオコッカス菌のうちの1種以上であり、好ましくは、ロイコノストック菌及び/又はペディオコッカス菌を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項4】
前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌0~1重量部、レンサ球菌0~1重量部、ロイコノストック菌1~2重量部、ビフィズス菌0~1重量部及びペディオコッカス菌1~2.5重量部であることを特徴とする請求項3に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項5】
前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせであり、又は、ラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項6】
前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が2~3重量部であり、前記乳酸菌がラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が1.5~5重量部であることを特徴とする請求項5に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項7】
前記食用培地が小麦粉、ホエーパウダー、グルコース及びコーンスティープリカーのうちの1種以上であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項8】
前記酒麹が甘酒麹であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項9】
乳酸菌、酒麹、食品用培地及び水を含む原料を混合し、pHが3.0~4.0になるまで発酵させて得ることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤の製造方法。
【請求項10】
前記発酵温度が30~40℃であり、好ましくは、35~40℃であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤又は請求項9若しくは10に記載の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤の小麦粉製品における使用。
【請求項12】
重量部基準の原料として、小麦粉100部、水10~50部、酵母0.5~5部及び請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤又は請求項9若しくは10に記載の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤5~70部を含む原料で製造されることを特徴とする品質保証期限の長いマンジュウ。
【請求項13】
(1)生地の作製であって、小麦粉、酵母、請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤又は請求項9若しくは10に記載の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤及び水を混合し、叩いて押すことによって生地を作るステップと、
(2)マンジュウ生地の成形であって、ステップ(1)の生地を分割し、成形してマンジュウ生地を得るステップと、
(3)プルーフィングであって、ステップ(2)のマンジュウ生地をプルーフィングするステップと、
(4)蒸すことであって、ステップ(3)でプルーフィングした後のマンジュウ生地を蒸すステップと、
を含むことを特徴とする請求項12に記載の品質保証期限の長いマンジュウの製造方法。
【請求項14】
ステップ(1)に記載の叩く速度が100~200r/minであり、好ましくは、叩く時間が5~10分であり、より好ましくは、押す回数が5~15回であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
ステップ(3)に記載のプルーフィング温度が30~40℃であり、好ましくは、プルーフィング時間が50~70分であることを特徴とする請求項13又は14に記載の製造方法。
【請求項16】
ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒であることを特徴とする請求項13~15のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品加工の技術分野に関し、具体的には、小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤、その製造方法、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
古来より、人々にとって食糧問題は最も重要であり、食は安全が最優先であり、食品の安全はいつどこでも最重要事項である。社会の発展に伴い、産業化の足取りが徐々に早くなるが、保存性、流通性は食品産業の発展を厳しく制限しており、食品の腐敗は大きな無駄をもたらすだけでなく、食中毒の原因にもなっている。
【0003】
現在、ベーキング業界で防腐剤は化学防腐剤が主であり、主に、ソルビン酸及びその塩、プロピオン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びナトリウム塩、二酢酸ナトリウムなどが含まれ、人体の健康にとって大きな脅威である。そのため、安全、かつ広域スペクトラムで、抗菌効果が良好な防腐剤を開発することは今後の発展の傾向である。主食である饅頭(マンジュウ)に添加可能な防腐剤はリシン塩酸塩だけであるが、価格は高くまた官能評価に深刻な影響を与え、且つ防腐効果は明確でないため、小麦粉製品、特にマンジュウに適する生物学的保存料製品を開発するのは業界で差し迫ったニーズである。
【0004】
中国特許出願公開CN104206988Aには、乳酸菌マンジュウの加工及び常温保存方法が開示され、それは、ラクトバチルス・ブルガリクス及びストレブトコッカス・サーモフィラスの菌懸濁液を使用し、菌懸濁液に小麦粉(面粉)、水を加えて発酵させて、乳白色で流体状の熟成サワー種バッターを得て、サワー種バッター、水、酵母、小麦粉を使用して生地を作製し、2回の発酵を行って乳酸菌マンジュウを製造するものであり、ただし、菌懸濁液をMRSブロス培地において培養する。MRSは非食品用培地であるため、分離した後の菌体を生理食塩水で繰り返し洗浄する必要があるため、過程は複雑であり、生産効率は低い。
【0005】
中国特許CN110157646には、真菌の成長を抑制する乳酸菌及びマンジュウの製作におけるその使用が開示され、当該発明は、植物に由来する1255株の乳酸菌をスクリーニングして真菌抑制性能の強い1株の乳酸菌を得て、次に菌懸濁液を作り、小麦粉、水を加えて発酵させてサワーバッターを得て、最後にサワーバッターと水、酵母、小麦粉で生地を作製し、2回の発酵を行って乳酸菌マンジュウを製造するものであり、マンジュウの品質保証期限を効果的に延長させている。当該菌株は、特殊な菌株であり、培養過程が複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を提供し、小麦粉製品の品質保証期限を延長させることである。
【0007】
従来技術に存在する欠点に対し、本発明の第1の目的は、小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を提供することであり、本発明の第2の目的は、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤の製造方法を提供することであり、本発明の第3の目的は、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤の小麦粉製品における使用を提供することであり、本発明の第4の目的は、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を含有する品質保証期限の長いマンジュウを提供することであり、本発明の第5の目的は、上記の品質保証期限の長いマンジュウの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は、次のとおりである。
本発明は、乳酸菌、酒麹、食用培地及び水を含む原料を混合して、発酵させて製造される、小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を提供し、重量部基準で、乳酸菌は0.5~5部であり、酒麹は0.5~5部であり、食用培地は90~130部であり、水は90~130部である。
【0009】
好ましくは、重量部基準で、乳酸菌が2~3部であり、酒麹が0.5~5部であり、食用培地が90~130部であり、水が90~130部である。
【0010】
好ましくは、前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌、レンサ球菌、ロイコノストック菌(Leuconostoc strain)、ビフィズス菌及びペディオコッカス菌のうちの1種以上であり、好ましくは、ロイコノストック菌及び/又はペディオコッカス菌を含有する。
【0011】
好ましくは、前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌0~1重量部、レンサ球菌0~1重量部、ロイコノストック菌1~2重量部、ビフィズス菌0~1重量部及びペディオコッカス菌1~2.5重量部である。
【0012】
好ましくは、前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせであり、又は、ラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである。
【0013】
好ましくは、前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が2~3重量部であり、前記乳酸菌がラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が1.5~5重量部である。
【0014】
好ましくは、前記食用培地が小麦粉、ホエーパウダー、グルコース及びコーンスティープリカーのうちの1種以上である。
【0015】
好ましくは、前記酒麹が甘酒麹である。
【0016】
本発明は、また、乳酸菌、酒麹、食品用培地及び水を含む原料を混合し、pHが3.0~4.0になるまで発酵させて得る、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤の製造方法を提供する。
【0017】
好ましくは、前記発酵温度が30~40℃であり、35~40℃であることが好ましい。
【0018】
本発明は、また、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤の小麦粉製品における使用を提供する。
【0019】
本発明は、また、重量部基準の原料として、小麦粉100部、水10~50部、酵母0.5~5部及び上記の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤5~70部を含む原料で製造される、品質保証期限の長いマンジュウを提供する。
【0020】
本発明は、また、
(1)生地の作製であって、小麦粉、酵母、上記の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤及び水を混合し、叩いて押すことによって生地を作るステップと、
(2)マンジュウ生地の成形であって、ステップ(1)の生地を分割し、成形してマンジュウ生地を得るステップと、
(3)プルーフィングであって、ステップ(2)のマンジュウ生地をプルーフィングするステップと、
(4)蒸すことであって、ステップ(3)でプルーフィングした後のマンジュウ生地を蒸すステップと、
を含む、上記の品質保証期限の長いマンジュウの製造方法を提供する。
【0021】
好ましくは、ステップ(1)に記載の叩く速度が100~200r/minであり、好ましくは、叩く時間が5~10分であり、より好ましくは、押す回数が5~15回である。
【0022】
好ましくは、ステップ(3)に記載のプルーフィング温度が30~40℃であり、好ましくは、プルーフィング時間が50~70分である。
【0023】
好ましくは、ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の有益な効果は、次のとおりである。
(1)本発明の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤は、よく使用される乳酸菌、酒麹及び食用培地を原料として、発酵により製造されるものであり、原料は入手しやすく、製造プロセスは簡単である。
(2)小麦粉製品の製造過程で本発明の天然生物学的防腐剤を加えるため、二次発酵や多数回の発酵が不要となるため、使用方法は簡単であり、製造された小麦粉製品は、品質保証期限が延長しており、これにより、製品のシェルフライフを延長させており、品質保証期限内の鮮度を改善し、製品の無駄を軽減させる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
なお、矛盾がない限り、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0026】
本発明は、乳酸菌、酒麹、食用培地及び水を混合して、発酵させて製造される、小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を提供し、重量部基準で、乳酸菌は0.5~5部であり、酒麹は0.5~5部であり、食用培地は90~130部であり、水は90~130部である。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、上記の天然生物学的防腐剤において、重量部基準で、乳酸菌が2~3部であり、酒麹が0.5~5部であり、食用培地が90~130部であり、水が90~130部である。
【0028】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌、レンサ球菌、ロイコノストック菌、ビフィズス菌及びペディオコッカス菌のうちの1種以上であり、好ましくは、ロイコノストック菌及び/又はペディオコッカス菌を含有する。
【0029】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌0~1重量部、レンサ球菌0~1重量部、ロイコノストック菌1~2重量部、ビフィズス菌0~1重量部及びペディオコッカス菌1~2.5重量部である。
【0030】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせであり、又は、ラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである。
【0031】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が2~3重量部であり、前記乳酸菌がラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が1.5~5重量部である。
【0032】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記食用培地が小麦粉、ホエーパウダー、グルコース及びコーンスティープリカーのうちの1種以上である。
【0033】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記酒麹が甘酒麹である。
【0034】
本発明は、また、乳酸菌、酒麹、食品用培地及び水を混合し、pHが3.0~4.0になるまで発酵させて得る、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤の製造方法を提供する。pHが3.0~4.0になるまで発酵させた時に、有機酸とエタノールが大量に蓄積するため、マンジュウの品質保証期限をより効果的に延長させることができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、前記発酵温度が30~40℃であり、35~40℃であることが好ましい。
【0036】
本発明は、また、上記の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤の小麦粉製品における使用を提供する。
【0037】
本発明は、また、重量部基準の原料として、小麦粉100部、水10~50部、酵母0.5~5部及び上記の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤5~70部を含む原料で製造される、品質保証期限の長いマンジュウを提供する。
【0038】
本発明は、また、
(1)生地の作製であって、小麦粉、酵母、上記の天然生物学的防腐剤又は上記の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤及び水を混合し、叩いて押すことによって生地を作るステップと、
(2)マンジュウ生地の成形であって、ステップ(1)の生地を分割し、成形してマンジュウ生地を得るステップと、
(3)プルーフィングであって、ステップ(2)のマンジュウ生地をプルーフィングするステップと、
(4)蒸すことであって、ステップ(3)でプルーフィングした後のマンジュウ生地を蒸すステップと、
を含む、上記の品質保証期限の長いマンジュウの製造方法を提供する。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、ステップ(1)に記載の叩く速度が100~200r/minであり、好ましくは、叩く時間が5~10分であり、より好ましくは、押す回数が5~15回である。
【0040】
本発明の別の好ましい実施形態では、ステップ(3)に記載のプルーフィング温度が30~40℃であり、好ましくは、プルーフィング時間が50~70分である。
【0041】
本発明の別の好ましい実施形態では、ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒である。
【0042】
以下に、具体的な実施例を用いて本発明の有益な効果をさらに説明する。
【0043】
本発明の実施例及び比較例で使用する原料及び設備の提供先は、表1のとおりである。
【0044】
【0045】
(実施例1)
(1)1gのロイコノストック菌、1gの安▲チー▼甘酒麹、100gの中力小麦粉、及び10gのグルコースを称量して、100gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は35℃で、pHが3.5になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0046】
(2)1.3gの酵母を称量して25gの水に加えて均一に混合してミキシングシリンダーに注入し、100gの中力小麦粉及び30gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、150r/minの混合速度で5分間混合した後に取り出して、10回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて60分間発酵させ、発酵温度は35℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は100℃であり、蒸し時間は900秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0047】
上記の品質保証期限の長いマンジュウを室温に冷却し、ポリエチレン材料で包装して、35±5℃の恒温槽に入れて保存し、カビの発生時間を観察し、表2の基準に従ってマンジュウの品質保持効果を評価し、検出結果は表3に示すとおりである。
【0048】
【0049】
(実施例2)
(1)1gのロイコノストック菌、1gのペディオコッカス菌、2gの安▲チー▼風味甘酒麹、90gの中力小麦粉、及び40gのホエーパウダーを称量して、130gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は40℃で、pHが4.0になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0050】
(2)3gの酵母を称量して10gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び70gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、100r/minの叩く速度で10分間叩いた後に取り出して、15回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて50分間発酵させ、発酵温度は30℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は90℃であり、蒸し時間は1500秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0051】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0052】
(実施例3)
(1)0.5gのラクトバチルス菌、1gの安▲チー▼甘酒麹、0.5gの安▲チー▼風味甘酒麹、50gの中力小麦粉及び40gのコーンスティープリカーを称量して、90gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は30℃で、pHが3.0になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0053】
(2)0.5gの酵母を称量して20gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び60gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、200r/minの叩く速度で7分間叩いた後に取り出して、5回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて70分間発酵させ、発酵温度は40℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は110℃であり、蒸し時間は1200秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0054】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0055】
(実施例4)
(1)1gのラクトバチルス菌、1gのレンサ球菌、1gのロイコノストック菌、1gのビフィズス菌、1gのペディオコッカス菌、3gの安▲チー▼風味甘酒麹、50gのホエーパウダー、及び50gのグルコースを称量して、110gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は30℃で、pHが3になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0056】
(2)2gの酵母を称量して40gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び5gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、150r/minの叩く速度で5分間叩いた後に取り出して、10回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて60分間発酵させ、発酵温度は35℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は100℃であり、蒸し時間は900秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0057】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0058】
(実施例5)
(1)2gのロイコノストック菌、1gのペディオコッカス菌、2gの安▲チー▼甘酒麹、3gの安▲チー▼風味甘酒麹、90gの中力小麦粉を称量して、130gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は35℃で、pHが3.5になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0059】
(2)5gの酵母を称量して50gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び20gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、100r/minの叩く速度で10分間叩いた後に取り出して、15回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて60分間発酵させ、発酵温度は30℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は90℃であり、蒸し時間は1500秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0060】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0061】
(実施例6)
(1)0.5gのラクトバチルス菌、0.5gのレンサ球菌、0.5gのビフィズス菌、2gの安▲チー▼風味甘酒麹、40gの中力小麦粉、20gのグルコース、及び60gのコーンスティープリカーを称量して、120gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は30℃で、pHが3.5になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0062】
(2)2.5gの酵母を称量して30gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び10gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、100r/minの叩く速度で10分間叩いた後に取り出して、15回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて60分間発酵させ、発酵温度は30℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は90℃であり、蒸し時間は1500秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0063】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0064】
(実施例7)
(1)2.5gのペディオコッカス菌、0.5gの安▲チー▼風味甘酒麹、40gのホエーパウダー、及び70gのコーンスティープリカーを称量して、110gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに出ないまで撹拌し、ラップで密封して、プルーフィングボックスに入れて発酵させ、発酵温度は35℃であり、pHが3.0であるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0065】
(2)4gの酵母を称量して35gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び35gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、100r/minの叩く速度で10分間叩いた後に取り出して、15回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けてマンジュウ生地を得て、1つの重量は50gであり、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて60分間発酵させ、発酵温度は30℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は90℃であり、蒸し時間は1500秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0066】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0067】
(比較例1)
(1)2.5gのペディオコッカス菌、40gのホエーパウダー、及び70gのコーンスティープリカーを称量して、110gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は35℃で、pHが3.0になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0068】
(2)4gの酵母を称量して35gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び35gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、100r/minの叩く速度で10分間叩いた後に取り出して、15回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて60分間発酵させ、発酵温度は30℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は90℃であり、蒸し時間は1500秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0069】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0070】
(比較例2)
(1)1gのロイコノストック菌、1gのペディオコッカス菌、2gの安▲チー▼風味甘酒麹、90gの中力小麦粉、及び40gのホエーパウダーを称量して、130gの蒸留水に加え、顆粒が明らかに見えなくなるまで撹拌し、ラップで密封して、発酵用のプルーフィングボックスに入れて、発酵温度は40℃で、pHが4.5になるまで発酵させて小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を得る。
【0071】
(2)3gの酵母を称量して10gの水に加えて均一に混合して叩きタンクに注入し、100gの中力小麦粉及び70gのステップ(1)で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤を加え、100r/minの叩く速度で10分間叩いた後に取り出して、15回押す。押した後に均一な帯状にし、切り分けて1つの重量が50gのマンジュウ生地を得て、蒸しトレイに入れる。マンジュウ生地の入った蒸しトレイをプルーフィングボックスに入れて50分間発酵させ、発酵温度は30℃であり、湿度は60%である。最後に発酵後のマンジュウ生地をキャビネットタイプ蒸し器に入れて蒸し、蒸し温度は90℃であり、蒸し時間は1500秒であり、品質保証期限の長いマンジュウを得る。
【0072】
実施例1の方法に従ってマンジュウの品質保持効果をテストし、検出結果は表3に示すとおりである。
【0073】
【0074】
表3から分かるように、実施例1~7で製造された小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤をマンジュウに使用すると、品質保証期限は46~48時間に維持され、そのうち、実施例2、4、5及び7で、乳酸菌はロイコノストック菌及び/又はペディオコッカス菌を含有しており、それによって製造されたマンジュウの品質保証期限は48時間以上に達している。実施例2と比べて、比較例1は小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤に麹が添加されておらず、カビの発生時間は24~36時間であり、品質保証期限は明らかに短縮された。実施例7と比べて、比較例2は小麦粉製品用の生物学的防腐剤を製造する時に、pH=4.5まで発酵させており、発酵のpHは高く、有機酸及びエタノールの蓄積量が少ないため、カビの発生時間が短縮され、品質保証期限が短縮される。
【0075】
上記のことから分かるように、本発明の小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤は、よく使用される乳酸菌、麹及び食用培地を原料として、発酵により製造されるものであり、原料は入手しやすく、製造プロセスは簡単である。それを小麦粉製品の製造に使用すると、二次発酵や多数回の発酵が不要となるため、使用方法は簡単であり、小麦粉製品の品質保証期限は延長し、これにより、製品のシェルフライフを延長させており、品質保証期限内の鮮度を改善し、製品の無駄を軽減させる。
【0076】
上述したのは、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明にいかなる形式上の制限を行うことを意図したものではなく、本発明の精神及び原理の範囲内で行われた全ての修正、同等な置換及び改良などは、そのいずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0077】
(付記)
(付記1)
乳酸菌、酒麹、食用培地及び水を含む原料を混合して、発酵させて製造され、重量部基準で、乳酸菌は0.5~5部であり、酒麹は0.5~5部であり、食用培地は90~130部であり、水は90~130部であることを特徴とする小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤。
【0078】
(付記2)
重量部基準で、乳酸菌が2~3部であり、酒麹が0.5~5部であり、食用培地が90~130部であり、水が90~130部であることを特徴とする付記1に記載の天然生物学的防腐剤。
【0079】
(付記3)
前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌、レンサ球菌、ロイコノストック菌、ビフィズス菌及びペディオコッカス菌のうちの1種以上であり、好ましくは、ロイコノストック菌及び/又はペディオコッカス菌を含有することを特徴とする付記1又は2に記載の天然生物学的防腐剤。
【0080】
(付記4)
前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌0~1重量部、レンサ球菌0~1重量部、ロイコノストック菌1~2重量部、ビフィズス菌0~1重量部及びペディオコッカス菌1~2.5重量部であることを特徴とする付記3に記載の天然生物学的防腐剤。
【0081】
(付記5)
前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせであり、又は、ラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせであることを特徴とする付記1又は2に記載の天然生物学的防腐剤。
【0082】
(付記6)
前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が2~3重量部であり、前記乳酸菌がラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が1.5~5重量部であることを特徴とする付記5に記載の天然生物学的防腐剤。
【0083】
(付記7)
前記食用培地が小麦粉、ホエーパウダー、グルコース及びコーンスティープリカーのうちの1種以上であることを特徴とする付記1~6のいずれか1つに記載の天然生物学的防腐剤。
【0084】
(付記8)
前記酒麹が甘酒麹であることを特徴とする付記1~7のいずれか1つに記載の天然生物学的防腐剤。
【0085】
(付記9)
乳酸菌、酒麹、食品用培地及び水を含む原料を混合し、pHが3.0~4.0になるまで発酵させて得ることを特徴とする付記1~8のいずれか1つに記載の天然生物学的防腐剤の製造方法。
【0086】
(付記10)
前記発酵温度が30~40℃であり、好ましくは、35~40℃であることを特徴とする付記9に記載の製造方法。
【0087】
(付記11)
付記1~8のいずれか1つに記載の天然生物学的防腐剤又は付記9若しくは10に記載の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤の小麦粉製品における使用。
【0088】
(付記12)
重量部基準の原料として、小麦粉100部、水10~50部、酵母0.5~5部及び付記1~8のいずれか1つに記載の天然生物学的防腐剤又は付記9若しくは10に記載の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤5~70部を含む原料で製造されることを特徴とする品質保証期限の長いマンジュウ。
【0089】
(付記13)
1)生地の作製であって、小麦粉、酵母、付記1~8のいずれか1つに記載の天然生物学的防腐剤又は付記9若しくは10に記載の製造方法で製造された天然生物学的防腐剤及び水を混合し、叩いて押すことによって生地を作るステップと、
(2)マンジュウ生地の成形であって、ステップ(1)の生地を分割し、成形してマンジュウ生地を得るステップと、
(3)プルーフィングであって、ステップ(2)のマンジュウ生地をプルーフィングするステップと、
(4)蒸すことであって、ステップ(3)でプルーフィングした後のマンジュウ生地を蒸すステップと、
を含むことを特徴とする付記12に記載の品質保証期限の長いマンジュウの製造方法。
【0090】
(付記14)
ステップ(1)に記載の叩く速度が100~200r/minであり、好ましくは、叩く時間が5~10分であり、より好ましくは、押す回数が5~15回であることを特徴とする付記13に記載の製造方法。
【0091】
(付記15)
ステップ(3)に記載のプルーフィング温度が30~40℃であり、好ましくは、プルーフィング時間が50~70分であることを特徴とする付記13又は14に記載の製造方法。
【0092】
(付記16)
ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒であることを特徴とする付記13~15のいずれか1つに記載の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳酸菌、酒麹、食用培地及び水を含む原料を混合して、発酵させて製造され、重量部基準で、乳酸菌は0.5~5部であり、酒麹は0.5~5部であり、食用培地は90~130部であり、水は90~130部であることを特徴とする小麦粉製品用の天然生物学的防腐剤。
【請求項2】
重量部基準で、乳酸菌が2~3部であり、酒麹が0.5~5部であり、食用培地が90~130部であり、水が90~130部であることを特徴とする請求項1に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項3】
前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌、レンサ球菌、ロイコノストック菌、ビフィズス菌及びペディオコッカス菌のうちの1種以上であり、好ましくは、ロイコノストック菌及び/又はペディオコッカス菌を含有することを特徴とする請求項
1に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項4】
前記乳酸菌が、ラクトバチルス菌0~1重量部、レンサ球菌0~1重量部、ロイコノストック菌1~2重量部、ビフィズス菌0~1重量部及びペディオコッカス菌1~2.5重量部であることを特徴とする請求項3に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項5】
前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせであり、又は、ラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせであることを特徴とする請求項
1に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項6】
前記乳酸菌がロイコノストック菌とペディオコッカス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が2~3重量部であり、前記乳酸菌がラクトバチルス菌、レンサ球菌及びビフィズス菌の組み合わせである場合は、乳酸菌の総質量が1.5~5重量部であることを特徴とする請求項5に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項7】
前記食用培地が小麦粉、ホエーパウダー、グルコース及びコーンスティープリカーのうちの1種以上であることを特徴とする請求項
1に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項8】
前記酒麹が甘酒麹であることを特徴とする請求項
1に記載の天然生物学的防腐剤。
【請求項9】
乳酸菌、酒麹、食品用培地及び水を含む原料を混合し、pHが3.0~4.0になるまで発酵させて得ることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐剤の製造方法。
【請求項10】
前記発酵温度が30~40℃であり、好ましくは、35~40℃であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
重量部基準の原料として、小麦粉100部、水10~50部、酵母0.5~5部及び請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐
剤5~70部を含む原料で製造されることを特徴とする品質保証期限の長いマンジュウ。
【請求項12】
(1)生地の作製であって、小麦粉、酵母、請求項1~8のいずれか一項に記載の天然生物学的防腐
剤及び水を混合し、叩いて押すことによって生地を作るステップと、
(2)マンジュウ生地の成形であって、ステップ(1)の生地を分割し、成形してマンジュウ生地を得るステップと、
(3)プルーフィングであって、ステップ(2)のマンジュウ生地をプルーフィングするステップと、
(4)蒸すことであって、ステップ(3)でプルーフィングした後のマンジュウ生地を蒸すステップと、
を含むことを特徴とする請求項
11に記載の品質保証期限の長いマンジュウの製造方法。
【請求項13】
ステップ(1)に記載の叩く速度が100~200r/minであり、好ましくは、叩く時間が5~10分であり、より好ましくは、押す回数が5~15回であることを特徴とする請求項
12に記載の製造方法。
【請求項14】
ステップ(3)に記載のプルーフィング温度が30~40℃であり、好ましくは、プルーフィング時間が50~70分であることを特徴とする請求項
12に記載の製造方法。
【請求項15】
ステップ(3)に記載のプルーフィング温度が30~40℃であり、好ましくは、プルーフィング時間が50~70分であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項16】
ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒であることを特徴とする請求項
12に記載の製造方法。
【請求項17】
ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項18】
ステップ(4)に記載の蒸し温度が90~110℃であり、好ましくは、蒸し時間が900~1500秒であることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【国際調査報告】