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特表2024-533666ハードディスクドライブサスペンション用の移行ロードビームレール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ハードディスクドライブサスペンション用の移行ロードビームレール
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20240905BHJP
   G11B 5/02 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B5/02 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518341
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022044299
(87)【国際公開番号】W WO2023049221
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/248,240
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/949,037
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151084
【氏名又は名称】マグネコンプ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】MAGNECOMPCORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】グラース、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】イー、クエン チー
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ロン
(57)【要約】
先端に向かって延びるリフタタブと、基端におけるダストパン形成ラインおよび先端におけるリフタタブによって画定されているダストパンと、長手方向軸によって分離されている第1の複数のレール区画および第2の複数のレール区画と、を備えるロードビームの例が本明細書に記載される。第1および第2の複数のレール区画は、後部レール、中間レール、および前部レールを含む。後部レールは、ロードビームの基端から第1の中間レールまで延び、中間レールは、第1の後部レールからダストパン形成ラインまで延び、前部レールは、ダストパン形成ラインからリフタタブの基端まで延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードビームであって、
リフタタブと、
ダストパン形成ラインによって画定されているダストパンと、
長手方向軸の第1の側部における第1の複数のレール区画と、
前記長手方向軸の第2の側部における第2の複数のレール区画と、を備え、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画は、後部レール、中間レール、および前部レールを各々含み、前記後部レールは、前記ロードビームの基端から前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールまで延びており、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記後部レールから前記ダストパン形成ラインまで延びており、前記前部レールは、前記ダストパン形成ラインから前記リフタタブの基端まで延びている、ロードビーム。
【請求項2】
前記後部レールおよび前記中間レールは、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールと前記中間レールとの間の形成角度差が負であるように構成されている、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項3】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールは、前記ロードビームの前記基端からロードビーム窓の後縁部まで延びている、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項4】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールは、前記長手方向軸と前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールとの間のある角度にて配置されている、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項5】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記長手方向軸と前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールとの間のある角度にて配置されている、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項6】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールは、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールの基端および先端が前記長手方向軸から等距離にあるように、前記長手方向軸に平行である、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項7】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールの角度は、前記長手方向軸に対して負であり、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールの基端が前記前部レールの先端よりも前記長手方向軸に近い、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項8】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記ロードビームのたるみ領域から延びており前記ダストパン形成ラインまで延びている、請求項1に記載のロードビーム。
【請求項9】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記ロードビームの前記たるみ領域と前記基端との間の位置から延びており、前記ダストパン形成ラインまで延びている、請求項8に記載のロードビーム。
【請求項10】
サスペンションであって、
フレクシャアセンブリと、
前記フレクシャアセンブリに対し取り付けられているロードビームであって、
先端に向かって延びているリフタタブと、
前記基端におけるダストパン形成ラインと前記先端における前記リフタタブとによって画定されているダストパンと、を備えるロードビームと、
長手方向軸の第1の側部にある第1の複数のレール区画と、
前記長手方向軸の第2の側部にある第2の複数のレール区画と、を備え、
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画は、後部レール、中間レール、および前部レールを各々備え、前記後部レールは、前記ロードビームの前記基端から前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールまで延びており、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記後部レールから前記ダストパン形成ラインまで延びており、前記前部レールは、前記ダストパン形成ラインから前記リフタタブの基端まで延びている、サスペンション。
【請求項11】
熱アシスト磁気記録(HAMR)サスペンションとして構成されている、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項12】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールおよび前記中間レールは、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールと前記中間レールとの間の形成角度差が負であるように構成されている、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項13】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールは、前記ロードビームの前記基端からロードビーム窓の後縁部まで延びている、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項14】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールは、前記長手方向軸と前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記後部レールとの間のある角度にて配置されている、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項15】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記長手方向軸と前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールとの間のある角度にて配置されている、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項16】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールは、前記前部レールの基端および先端が前記長手方向軸から等距離にあるように、前記長手方向軸に平行である、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項17】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールの角度は、前記長手方向軸に対し負であり、前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールの基端が前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記前部レールの先端よりも前記長手方向軸に近い、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項18】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記ロードビームのたるみ領域から延びており、前記ダストパン形成ラインまで延びている、請求項10に記載のサスペンション。
【請求項19】
前記第1の複数のレール区画および前記第2の複数のレール区画の各々の前記中間レールは、前記ロードビームの前記たるみ領域と前記基端との間の位置から延びており、前記ダストパン形成ラインまで延びている、請求項18に記載のサスペンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ハードディスクドライブシステム用のサスペンションシステムに関する。より詳細には、本開示は、ハードディスクドライブサスペンションアセンブリにおいて使用されるロードビームに関する。
【背景技術】
【0002】
情報記憶デバイスは、典型的には、リジッドディスクドライブ内のディスクなどの記憶媒体上にデータを読み出すおよび/または書き込むためのヘッドを備える。アクチュエータ機構は、ディスクドライブの使用に従ってヘッドを特定の位置またはトラックに位置決めするために使用される。ヘッドの動き方に基づいて、線形および回転アクチュエータが知られている。ヘッドサスペンションがアクチュエータとヘッドとの間に提供され、ヘッドをディスク表面に対して適切な配向に支持する。
【0003】
リジッドディスクドライブには、読出し/書込みヘッドを支持してリジッドディスクが回転しているときにリジッドディスクの表面上を浮動させるヘッドサスペンションが提供されている。具体的には、ヘッドは、典型的には、空気力学的設計を有するスライダ上に配置され、その結果、スライダは、回転するディスクによって生成される空気軸受上を浮動する。浮動高さを確立するために、ヘッドサスペンションには、空気力学的揚力に反作用するばね力も提供される。
【0004】
リジッドディスクドライブに使用される種類のヘッドサスペンションは、ロードビームと、スライダが取り付けられるフレクシャとを備える。ロードビームは、通常、アクチュエータ取付部分と、剛性区画と、アクチュエータ取付領域と剛性区画との間の、前述のばね力を提供するためのばね領域と、を有する。フレクシャは、スライダが取り付けられるロードビームの先端に提供され、スライダのピッチ運動およびロール運動がディスク表面変動に追従することを可能にする。フレクシャは、ロードビームの設計へと一体化され、ロードビームの剛性領域に固定される別個の要素として形成されることが知られている。
【0005】
スライダに対する空気力学的揚力に反作用するためにロードビームの剛性区画にばね力を与える際に、ロードビームのばね領域に予め形成された曲げまたは半径が形成される。半径は、ばね力を提供し、したがって、所定のオフセット高さに対するスライダへの所望のグラム負荷を提供し、オフセット高さは、ヘッドサスペンションの取付け高さと「浮動」高さにあるスライダとの間の距離の測定値である。ドライブ内のディスクの間隔を含むドライブ設計の制約は、所定のオフセット高さを考慮に入れる。いずれにしても、オフセット高さにおけるグラム負荷は、空気力学的揚力に対する反作用力を提供して、ディスク表面上のスライダの「浮動」高さを確立する。以下で使用されるように、「負荷された」ヘッドサスペンションという用語は、「浮動」高さにあり、空気力学的揚力および反対に作用するばね力の影響下で平衡状態にあるスライダと組み合わされたヘッドサスペンションを意味する。
【発明の概要】
【0006】
ロードビームおよび関連する方法が記載される。ロードビームの1つの実施形態は、先端に向かって延びるリフタタブと、基端におけるダストパン形成ラインおよび先端におけるリフタタブによって画定されているダストパンと、長手方向軸によって分離されている第1の複数のレール区画および第2の複数のレール区画と、を備える。第1および第2の複数のレール区画は、後部レール、中間レール、および前部レールを含む。後部レールは、ロードビームの基端から第1の中間レールまで延び、中間レールは、第1の後部レールからダストパン形成ラインまで延び、前部レールは、ダストパン形成ラインからリフタタブの基端まで延びる。
【0007】
本発明の実施形態の他の特徴および利点は、添付の図面および以下の詳細な説明から明らかになる。
本発明の実施形態は、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面の図において、限定ではなく例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一例に係るサスペンションアセンブリを示す図。
図2】本開示の一例に係る図1のサスペンションアセンブリのロードビームの上面図。
図3】本開示の一例に係る図2のロードビームの側面図。
図4】本開示の一例に係るサスペンションアセンブリのロードビームの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
先端に向かって延びるリフタタブと、基端におけるダストパン形成ラインおよび先端におけるリフタタブによって画定されるダストパンと、長手方向軸によって分離された第1および第2の複数のレール区画とを備えるロードビームの例が本明細書に記載される。第1および第2の複数のレール区画は、後部レール、中間レール、および前部レールを含む。後部レールは、ロードビームの基端から第1の中間レールまで延び、中間レールは、第1の後部レールからダストパン形成ラインまで延び、前部レールは、ダストパン形成ラインからリフタタブの基端まで延びる。
【0010】
図1は、本開示の一例に係るサスペンションアセンブリ100を示す。サスペンションアセンブリ100は、熱アシスト磁気記録(HAMR)サスペンションとして構成されることが可能である。HAMRは、一般に、熱源によって引き起こされる媒体の一時的な軟磁性化の間に、印加された書込み磁界が媒体の磁化をより容易に方向付けることができるように、記録媒体を局所的に加熱して媒体の保磁力を低減する概念を指す。録媒体の一部を加熱するように、レーザダイオード120が使用されてよい。次に、加熱された部分は、加熱された部分の磁化の方向を設定する磁場にさらされる。本開示は、任意のディスクドライブサスペンションアセンブリにおいて実装され得ることが理解される。
【0011】
サスペンションアセンブリ100はまた、それぞれ第1の縁部174Aおよび第2の縁部174Bの少なくとも一部に沿って延びる側部レール175A、175Bを有するロードビーム90を備える。ロードビーム90の側部レール175A、175Bは、サスペンションアセンブリ100の周波数応答を改善するように提供される。ロードビーム90は、ステンレス鋼または他の許容可能な材料などの材料から形成され、ロードビーム90をアクチュエータアームに取り付けるように適合された取付領域を備える。取付領域は、ロードビーム90の基端20に向かって配置されている。
【0012】
ロードビーム90はまた、取付領域から先端に配置されロードビーム90の先端11に向かって長手方向に延びる剛性領域62を備える。
ディスクドライブからデータを読み出しデータを書き込むためのスライダを支持するフレクシャ80が、ロードビーム90に取り付けられている。いくつかの実施形態によれば、レーザダイオード120は、フレクシャ80から延びる。ロードビーム90は、レーザダイオード120がロードビーム90の剛性領域62を越えて延びることを可能にするように、ロードビーム窓140を画定することが可能である。いくつかの実施形態では、フレクシャ80およびロードビーム90は、フレクシャ80の一部がロードビーム90からほぼ自由に移動することを可能にするように一緒に固定される。ロードビーム90は、ディスクの表面に対してほぼ平行な姿勢および所望の高さでフレクシャ80に力を伝達するようにフレクシャ80に接触するように構成されているディンプル180を備える。
【0013】
図2は、本開示の一例に係る、図1のサスペンションアセンブリのロードビーム90の上面図を示す。ロードビーム90はさらに、剛性領域62から先端に延びるダストパン160およびリフタタブ110を備える。いくつかの実施形態によれば、ロードビーム90は、取付領域61からリフタタブ110まで延びる第1および第2の側部レール175A、175Bを備える。いくつかの実施形態によれば、第1の側部レール175Aは2つの領域を備える。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第1の側部レール175Aは、取付領域からダストパン形成位置161まで延びる第1の後部レール176Aと、ダストパン160の長さに延びる第1の前部レール173Aとを備える。第2の側部レールは2つの領域を備える。いくつかの実施形態によれば、第2の側部レール175Bは、取付領域からダストパン形成位置161まで延びる第2の後部レール176Bと、ダストパン160の長さに延びる第2の前部レール173Bとを備える。
【0015】
図3は、本開示の一例に係るロードビーム90の側面図を示す。ダストパン160は、第1の前部レール173Aと第2の前部レール173Bとの間に配置され、基端20から先端11まで長手方向に延びる。ダストパン160の先端は、ダストパン160の基端と比較してより高い高さである。リフタタブ110は、より高い高さに沿って先端11に向かって長手方向に延びる。ダストパン160の長さDは、現代のフレクシャ設計を考慮して、現代のサスペンションアセンブリでは短くされる。
【0016】
結果として、ダストパン形成角度Aは、リフタタブ110の目標オフセット高さHを達成するように増加される。このため、ダストパン形成位置161において、ロードビームの座屈が生じやすい。
【0017】
図4は、本開示の例に係る、サスペンションアセンブリのロードビームの上面図を示す。サスペンションアセンブリ100と同様に、サスペンションアセンブリは、熱アシスト磁気記録(HAMR)サスペンションとして構成されることが可能である。サスペンションアセンブリは、基端202から先端201まで延びる長手方向軸210を有するロードビーム190を備える。ロードビーム190はさらに、剛性領域262から先端に延びるダストパン260とリフタタブ211とを備える。ロードビーム190はまた、ロードビーム窓240を画定する。いくつかの実施形態によれば、ロードビーム窓240は、レーザダイオードがロードビーム190を越えて延びることを可能にするように構成されている。
【0018】
ロードビーム190は、長手方向軸210によって分離された第1の側部および第2の側部を備える。第1の側部は、複数のレール区画を備える。第2の側部は、複数のレール区画を備える。例えば、第1の側部は、第1の後部レール275A、第1の中間レール273A、および第1の前部レール271Aを備える。第2の側部は、第2の後部レール275B、第2の中間レール273B、および第2の前部レール271Bを備える。いくつかの実施形態では、ロードビーム190の側部レールは、サスペンションアセンブリの周波数応答を改善するように構成されている。一方の側部、すなわち第1の側部が詳細に説明されているが、長手方向軸210の反対側の第2の側部が同一の構造を有することが可能であることが理解される。例えば、第2の側部は、第1の側部と同一の第2の後部レール、第2の中間レール、および第2の前部レールを備える。
【0019】
第1の後部レール275Aは、いくつかの実施形態によれば、基端202からロードビーム窓240の後縁部280まで延びる。第1の後部レール275Aは、長手方向軸210と第1の後部レール275Aとの間の角度として定義される角度Aにて配置される。いくつかの実施形態によれば、第1の中間レール273Aは、ロードビーム窓240の後縁部280からダストパン形成ライン261まで延びる。第1の中間レール273Aは、長手方向軸210と第1の中間レール273Aとの間の角度として定義される角度Aにて配置される。
【0020】
第1の後部レール275Aおよび第1の中間レール273Aは、形成角度差Dが負であるように配置されることが可能である。形成角度差Dは、第1の後部レール275Aの角度Aと第1の中間レール273Aの角度Aとの間の角度差を表す。第1の前部レール271Aは、いくつかの実施形態では、ダストパン形成ライン261からリフタタブ211の基端まで延びる。
【0021】
第1の前部レール271Aは、長手方向軸210と第1の前部レール271Aとの間の角度として定義される角度Aにて配置される。本開示のいくつかの例では、ロードビーム190は、第1の前部レール271Aが長手方向軸210に平行またはほぼ平行であるように構成されている。この例では、第1の前部レール271Aの基端および先端は、長手方向軸210からほぼ同じ距離にある。
【0022】
本開示のいくつかの代替例では、ロードビーム190は、第1の前部レール271Aの角度Aが長手方向軸210に対して負であるように構成されることが可能である。この例では、第1の前部レール271Aの基端は、第1の前部レール271Aの先端よりも長手方向軸210に近い。
【0023】
第1の前部レール271Aおよび第1の中間レール273Aは、形成角度差D2が正であるように配置されることが可能である。形成角度差D2は、第1の前部レール271Aの角度A3と第1の中間レール273Aの角度A2との間の角度差を表す。
【0024】
本開示のいくつかの例では、第1の中間レール273Aの先端が長手方向軸210により近くなるように、角度A2は角度A1よりも大きい。これは、第1の前部レール271Aが、例えば、ロードビームにおける現在の最新技術の角度よりも小さい角度A3を有することを可能にする。第1の中間レール273Aの角度A3がゼロまたはさらには負の値に近づくにつれて、第1の前部レール271Aの角度A3と第1の中間レール273Aの角度A2との間の角度差D2は増加する。増加する角度差D2は、ダストパン形成ライン261の位置における座屈状態を、ロードビームにおける現在の最新技術よりも改善する。
【0025】
ロードビーム190はまた、取付領域263から先端に配置され、ロードビーム190の先端201に向かって長手方向に延びる剛性領域262を備える。いくつかの実施形態では、剛性領域262の表面は、曲げを導入することによって金属が形成されるときに見られる種類の折り目とは対照的に、剛性領域の表面における弓形である、たるみ領域281を備える。いくつかの例では、剛性領域262は、ほぼ平坦な表面から離れ、側部レールを形成するのに必要な圧縮および張力を補償する。
【0026】
本開示のいくつかの例では、たるみ領域は、剛性領域262にわたってほぼ一定の幅を有する。さらに別の例では、たるみ領域は、剛性領域262の全幅にわたって延びない。これに代えて、剛性領域262は、長手方向軸210の第1の側部および第2の側部の各々にたるみ領域を有する。
【0027】
本開示の代替例では、第1の中間レール273Aは、たるみ領域から延び、ダストパン形成ライン261まで延びてよい。本開示のさらなる代替例では、第1の中間レール273Aは、たるみ領域と基端202との間の位置から延び、ダストパン形成ライン261まで延びてよい。これらの例では、第1の中間レール273Aの先端は、長手方向軸210のより近くに配置され、第1の前部レール271Aがより大きい負の角度B3を有するようにし、それによって、ダストパン形成ライン261におけるレール座屈をさらに改善する。
【0028】
本明細書において使用される「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」、ならびにx方向、y方向、およびz方向などの用語は、任意の特定の空間または重力配向ではなく、互いに対する部品の空間関係を示す便宜上の用語として理解される。したがって、これらの用語は、アセンブリが、図面に示され、本明細書に記載される特定の向きに配向されているか、その向きから逆さまに配向されているか、または任意の他の回転変形であるかにかかわらず、コンポーネントのアセンブリを包含することが意図される。
【0029】
本明細書において使用される「本開示」という用語は、単一の必須要素または要素群を有する単一の開示のみが提示されることを意味すると解釈されるものではないことが理解される。同様に、「本開示」という用語は、別個の開示と各々みなされ得るいくつかの別個のイノベーションを包含することも理解される。本開示は、好ましい実施形態およびその図面に関して詳細に記載されているが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態の種々の適応および修正が達成され得ることが、当業者に明らかである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】