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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ハウジングアセンブリ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/04 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H01H9/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518392
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022075269
(87)【国際公開番号】W WO2023046511
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】21198536.1
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シッパー ニルス
(72)【発明者】
【氏名】デ フリース カルスト ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】シュリーヴァスタヴァ アダルシュ
【テーマコード(参考)】
5G052
【Fターム(参考)】
5G052AA05
5G052AA11
5G052BB01
5G052HA01
5G052HA13
5G052HB10
(57)【要約】
第1の態様によれば、スイッチを受容するように構成された内部空間を画定するハウジング本体と、ハウジング本体の外部から内部空間へのアクセスを提供するように構成されたアパーチャと、アパーチャ内に配置され、内部空間とハウジング本体の外部との間でアパーチャを封止するようにハウジング本体に接合された軟質の封止要素であって、ハウジング本体内に配置されたときにスイッチを作動させるために弾性変形可能に構成された軟質の封止要素と、軟質の封止要素に固定された硬質のアイランドであって、前記ハウジング本体に配置されたときにスイッチを作動させるために軟質の封止要素を弾性変形するように、ハウジング本体から分離され、ハウジング本体に対して内部空間内へ移動可能である硬質のアイランドとを備えるハウジングアセンブリが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチを受容する内部空間を画定するハウジング本体と、前記ハウジング本体の外部から前記内部空間へのアクセスを提供するアパーチャと、
前記アパーチャ内に配置され、前記内部空間と前記ハウジング本体の前記外部との間で前記アパーチャを封止するように前記ハウジング本体に接合された軟質の封止要素であって、前記ハウジング本体内に配置されたときに前記スイッチを作動させるために弾性変形可能である、軟質の封止要素と、
前記軟質の封止要素に固定された硬質のアイランドであって、前記ハウジング本体に配置されたときに前記スイッチを作動させるために前記軟質の封止要素を弾性変形するように、前記ハウジング本体から分離され、前記ハウジング本体に対して前記内部空間内へ移動可能である、硬質のアイランドと
を備え、
前記ハウジング本体が、前記軟質の封止要素を受容する前記アパーチャから延在する凹状オーバーフロー領域をさらに画定し、前記凹状オーバーフロー領域が、前記アパーチャから延在するメインアームと、分岐アームを分離するリブを備えた前記メインアームから延在する少なくとも2つの前記分岐アームとを備える、ハウジングアセンブリ。
【請求項2】
前記軟質の封止要素の前記内部空間に対向する側で前記硬質のアイランドに結合されたユーザインターフェースボタンをさらに備える、請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングアセンブリの前記ハウジング本体は、前記アパーチャの縁部を取り囲むアパーチャシェルフを備え、前記アパーチャシェルフは、前記ハウジング本体の前記内部に向かう前記ユーザインターフェースボタンの移動を制限するために、前記ユーザインターフェースボタンへの止め具を提供する、請求項2に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項4】
前記硬質のアイランドの縁部と前記アパーチャの縁部との間の最小距離は、少なくとも1mmである、請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジング本体は、前記アパーチャから延在する複数の凹状脚部をさらに画定し、前記複数の凹状脚部は、前記軟質の封止要素を受容する、請求項1から4のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジング本体は、細長い軸に沿って延在する湾曲した輪郭を備え、前記複数の凹状脚部のそれぞれは、前記細長い軸に対して垂直な方向に前記アパーチャから延在する、請求項5に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジング本体及び硬質のアイランドは、実質的に同一の材料で形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースボタンは、締り嵌め結合又はスナップフィット結合によって、前記硬質のアイランドに結合される、請求項1から7に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項9】
前記硬質のアイランドは、前記軟質の封止要素を受容する複数の穴を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項10】
ハンドルと、前記ハンドル内に配置された請求項1から9のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリと備える、パーソナルケア装置。
【請求項11】
前記ハンドルは、前記ユーザインターフェースボタンが内部に配置されたボタンアパーチャを備える、請求項2に従属する請求項10に記載のパーソナルケア装置。
【請求項12】
ハウジングアセンブリを製造する方法であって、前記方法は、
スイッチを受容する内部空間を画定し、ハウジング本体の外部から前記内部空間へのアクセスを提供するアパーチャを備えるハウジング本体を第1の金型内で射出成形するステップであって、前記ハウジング本体が、前記軟質の封止要素を受容する前記アパーチャから延在する凹状オーバーフロー領域をさらに画定し、前記凹状オーバーフロー領域が、前記アパーチャから延在するメインアームと、分岐アームを分離するリブを備えた前記メインアームから延在する少なくとも2つの前記分岐アームとを備える、前記ハウジング本体を前記第1の金型内で射出成形するステップと、
前記アパーチャ内に配置され、前記ハウジング本体から分離されている硬質のアイランドを、前記第1の金型内で射出成形するステップと、
前記第1の金型内で、軟質の封止要素を形成するために軟質プラスチックを前記アパーチャ内へ、及び前記硬質のアイランドの周囲に射出形成し、その結果、前記軟質の封止要素が、前記アパーチャを封止するために前記ハウジング本体に接合し、前記軟質の封止要素の前記ハウジング本体の前記内部に対向する側で、前記硬質のアイランドを前記軟質の封止要素に固定するために前記硬質のアイランドと接合するステップと
を有する、方法。
【請求項13】
パーソナルケア装置を製造する方法であって、前記方法は、請求項12に記載のハウジングアセンブリを製造する方法のステップを有し、前記方法はさらに、第2の金型内で、前記ハウジング本体、前記軟質の封止要素、及び前記硬質のアイランドの周囲に、ハンドルをオーバーモールドするステップを有する、方法。
【請求項14】
前記ハウジングアセンブリは、請求項1から9のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリと一致する、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングアセンブリ、及びハウジングアセンブリとハンドルとを備えるパーソナルケア装置に関する。本発明はまた、ハウジングアセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア装置などの小型電気器具は、水又は他の種類の液体の侵入によって引き起こされる電気的損傷又は電気的障害のリスクがある環境で動作される。このため、ハウジングの内部空間への液体の侵入を防止又は緩和するように構成されたハウジングを備えた小型電気器具を提供することが知られている。
【0003】
ハウジングの内部空間は、例えば、スイッチを備える。したがって、ハウジングの内部空間への液体の侵入を防止し続けながら、このようなスイッチの作動を可能にするハウジングを備えた電気器具を提供することが望ましい。
【0004】
カナダ特許第2508836号は、剛性プラスチックから作られたハウジング本体を備えた電気器具ハウジングを開示しており、電気器具ハウジングには、開口部がハウジング本体内のスイッチを操作するために設けられている。開口部は、可撓性プラスチックから作られた膜によって封止されており、スイッチを操作するための操作ノブが膜の中又は膜上に設けられている。操作ノブは、膜に実質的に接続された剛性プラスチックのソケットに固定されている。操作ノブを支持するソケットは、弾性ブリッジによってハウジング本体に接続されている。
【0005】
中国特許第207616631号は、本体サブアセンブリを含む防水電気シェーバーボタンを開示しており、本体アセンブリは、ケーシングを含み、ケーシング内に回路基板を設置する。それは、回路基板上の制御スイッチと、別個のトリガ制御スイッチボタンと、封止部材とを備え、ボタンは、ケーシング内のキーホール内に設置され、封止部材は、ボタンと回路基板とを引き離している。
【0006】
米国特許第3,973,099号は、電子時計の時間表示を設定するための押しボタンスイッチを開示している。この押しボタンは、その可動接点に導電性ばねとして導電性エラストマー材料を有する。エラストマーの付勢接点は、時計のフレーム内のポートにあり、フレームを防水加工するためにそこに接合される。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様によれば、スイッチを受容するように構成された内部空間を画定するハウジング本体と、ハウジング本体の外部から内部空間へのアクセスを提供するように構成されたアパーチャと、アパーチャ内に配置され、内部空間とハウジング本体の外部との間でアパーチャを封止するようにハウジング本体に接合された軟質の封止要素であって、ハウジング本体内に配置されたときにスイッチを作動させるために弾性変形可能に構成された軟質の封止要素と、軟質の封止要素に固定された硬質のアイランドであって、ハウジング本体に配置されたときにスイッチを作動させるために軟質の封止要素を弾性変形させるように、ハウジング本体から分離され、ハウジング本体に対して内部空間内へ移動可能である硬質のアイランドと、を備えるハウジングアセンブリが開示されている。
【0008】
ハウジング本体は、軟質の封止要素を受容するアパーチャから延在する凹状オーバーフロー領域を画定し、凹状オーバーフロー領域は、アパーチャから延在するメインアームと、分岐アームを分離するリブを備えたメインアームから延在する少なくとも2つの分岐アームとを備える。
【0009】
ハウジングアセンブリは、軟質の封止要素の内部空間に対向する側で硬質のアイランドに結合されたユーザインターフェースボタンをさらに備える。ユーザインターフェースボタンは、締り嵌め結合又はスナップフィット結合によって、硬質のアイランドに結合され得る。
【0010】
硬質のアイランドは、ハウジング本体に対する硬質のアイランドの変位が軟質の封止要素のみによって制限されるように、軟質の封止要素によって支持され得る。硬質のアイランドは、ハウジング本体と接触していない。硬質のアイランドは、軟質の封止要素及びユーザインターフェースボタンのみと接触している。硬質のアイランドは、軟質の封止要素に接合される。硬質のアイランドは、軟質の封止要素にのみ接合される。
【0011】
ハウジングアセンブリのハウジング本体は、アパーチャの縁部を取り囲むアパーチャシェルフを備え、アパーチャシェルフは、ハウジング本体の内部に向かうユーザインターフェースボタンの移動を制限するために、ユーザインターフェースボタンへの止め具を設けるように構成される。
【0012】
硬質のアイランドの縁部とアパーチャの縁部との間の最小距離は、少なくとも1mmであり得る。硬質のアイランドは、5mmの最大幅、及び/又は5mmの最大高さを有する。
【0013】
ハウジング本体は、アパーチャから延在する複数の凹状脚部をさらに画定し、複数の凹状脚部は、軟質の封止要素を受容する。また、アパーチャはハウジング本体の複数の縁部によって画定され、複数の凹状脚部は、硬質のアイランドへの最小距離を有する1つの縁部又は複数の縁部においてアパーチャから延在し得る。ハウジング本体は、細長い軸に沿って延在する湾曲した輪郭を備えてもよく、複数の凹状脚部のそれぞれは、細長い軸に対して垂直な方向にアパーチャから延在する。凹状脚部は、細長い軸に対して垂直な方向にのみアパーチャから延在する。
【0014】
ハウジング本体及び硬質のアイランドは、実質的に同一の材料で形成され得る。
【0015】
硬質のアイランドは、軟質の封止要素の座屈領域に固定され得、硬質のアイランドは、ハウジング本体に押し込まれたときに、軟質の封止要素の座屈領域を弾性的に座屈させるように構成される。
【0016】
硬質のアイランドは、軟質の封止要素を受容する複数の穴を備える。
【0017】
第2の態様によれば、ハンドルと、ハンドル内に配置された第1の態様によるハウジングアセンブリとを備えるパーソナルケア装置が提供される。ハンドルは、ユーザインターフェースボタンが内部に配置されたボタンアパーチャを備える。
【0018】
第3の態様によれば、ハウジングアセンブリを製造する方法が提供され、その方法は、
スイッチを受容するように構成された内部空間を画定し、ハウジング本体の外部から内部空間へのアクセスを提供するように構成されたアパーチャを備えるハウジング本体を、第1の金型内で射出成形するステップと、
アパーチャ内に配置され、ハウジング本体から分離されている硬質のアイランドを、第1の金型内で射出成形するステップと、
第1の金型内で、軟質の封止要素を形成するために軟質プラスチックをアパーチャ内へ、及び硬質のアイランドの周囲に射出形成し、その結果、軟質の封止要素が、アパーチャを封止するためにハウジング本体に接合し、軟質の封止要素のハウジング本体の内部に対向する側で硬質のアイランドを軟質の封止要素に固定するために、硬質のアイランドと接合するステップとを有する。
【0019】
硬質のアイランドは、成形中にアパーチャ内で浮遊している。ハウジング本体及び硬質のアイランドは、同時に射出成形される。ハウジング本体及び硬質のアイランドは、同じ材料で射出成形される。ハウジング本体及び硬質のアイランドは、2ショット射出成形プロセスの第1のショットにおいて一緒に射出成形され、軟質の封止要素は、2ショット射出成形プロセスの第2のショットにおいて射出成形される。
【0020】
第4の態様によれば、パーソナルケア装置を製造する方法が提供され、その方法は、第3の態様によるハウジングアセンブリを製造するステップを有し、第2の金型内で、ハウジング本体、軟質の封止要素、及び硬質のアイランドの周囲にハンドルをオーバーモールドするステップをさらに有する。
【0021】
第3又は第4の態様による方法は、ユーザインターフェースボタンを硬質のアイランドに結合するステップをさらに有する。ユーザインターフェースボタンを硬質のアイランドに結合するステップは、締り嵌め又はスナップフィットによるものである。
【0022】
第3の態様及び/第4の態様に従って製造されたハウジングアセンブリは、第1の態様に従っているものであり得る。
【0023】
これら及び他の態様は、以下に記載の実施形態から明らかになり、以下に記載の実施形態を参照して説明されるであろう。
【0024】
次に、例示的な実施例を、単なる例として、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】例示的なパーソナルケア装置の斜視図を概略的に示す。
図2】パーソナルケア装置のハウジングアセンブリの一部の正面図を概略的に示す。
図3図1のパーソナルケア装置の一部の内部図を概略的に示す。
図4図2に示す例示的なパーソナルケア装置の線A-Aを通る断面図を概略的に示す。
図5】例示的なハウジングアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図6A図4に示す方法の対応するステップの結果として製造される例示的なハウジングアセンブリの斜視図を概略的に示す。
図6B図4に示す方法の対応するステップの結果として製造される例示的なハウジングアセンブリの斜視図を概略的に示す。
図6C図4に示す方法の対応するステップの結果として製造される例示的なハウジングアセンブリの斜視図を概略的に示す。
図6D図4に示す方法の対応するステップの結果として製造される例示的なハウジングアセンブリの斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、ハンドル12と、ハウジングアセンブリ200(図2図4で最もよく分かる)のユーザインターフェースボタン250とを備える例示的なパーソナルケア装置を示しており、ハウジングアセンブリ200は、ハンドル12内に配置されている。この例では、ハンドル12は、実質的に円筒形であり、ユーザインターフェースボタン250が内部に配置されたボタンアパーチャ14を備える。ユーザインターフェースボタン250は、ハンドル内に配置されたスイッチ212(図4に示す)を作動させるために、ハンドルの内部に向かってハンドル12に対して移動可能である。
【0027】
パーソナルケア装置10は、例えば、口腔ケア装置、スキンケア装置、パーソナルグルーミング装置、シェービング装置、ヘアケア装置などである。ハウジングアセンブリ200は、図2及び図3を参照してさらに詳細に説明される。
【0028】
図2は、ユーザインターフェースボタン250のないハウジングアセンブリ200を示し、図3及び図4は、ハンドル12内にハウジングアセンブリ200を備えるパーソナルケア装置の内面図及び断面図をそれぞれ示す。図4の断面図は、図3に示す断面A-Aを通るものである。
【0029】
ハウジングアセンブリ200は、電子部品を受容するように構成された内部空間を画定するハウジング本体210を備える。この例では、スイッチ212(図4に示す)は、内部空間内に受容される。スイッチ212は、この例では、機械式スイッチである。他の例では、スイッチは、容量性スイッチ、誘導性スイッチ、又はホール効果型スイッチなどの非接触式スイッチである。スイッチ212は、電気回路と動作可能に関連付けられ得る。いくつかの例では、ハウジング本体210の内部空間は、スイッチと動作可能に関連付けられた電気回路を受容するようにさらに構成される。
【0030】
この例では、ハウジング本体210は、細長い軸150に沿って延在する湾曲した輪郭を備え、その結果、実質的に円筒形のハンドル12に嵌合して協働することが可能である。他の例では、ハウジング本体は、任意の適切な輪郭を有することが理解されるであろう。
【0031】
ハウジング本体210は、ハウジング本体210の外部から内部空間へのアクセスを提供するように構成されたアパーチャ220をさらに画定する。特に、アパーチャ220は、ハウジング本体210の外部からスイッチ212へのアクセスを提供するように構成される。
【0032】
ハウジングアセンブリ200は、アパーチャ220内に配置されて内部空間とハウジング本体210の外部との間でアパーチャ220を封止するようにハウジング本体210に接合された軟質の封止要素230をさらに備える。軟質の封止要素230は、スイッチ212を作動させるために弾性変形可能であるように構成される。この例では、軟質の封止要素230は、作動領域232と、作動領域232の内部を取り囲む接合領域234とを備える。作動領域232は、ハウジング本体210の内部へオフセットされた平面を有する。ハウジング本体210の内部への軟質の封止要素230の弾性変形により、軟質の封止要素230の作動領域232がスイッチ212と接触し、それによって、スイッチ212が作動する。他の例では、軟質の封止要素は、非接触式スイッチを作動させるために、軟質の封止要素の作動領域を非接触式スイッチに近接させるのに十分な弾性変形のみを可能にする。
【0033】
ハウジングアセンブリ200は、軟質の封止要素230に固定されるように軟質の封止要素230に接合された硬質のアイランド240をさらに備える。この例では、硬質のアイランド240は、軟質の封止要素230の作動領域232に直接固定される。いくつかの例では、硬質のアイランドは、任意の適切な固定手段によって軟質の封止要素230に固定される。
【0034】
この例では、硬質のアイランド240は、軟質の封止要素230を受容する複数の穴245を備え、硬質のアイランド240と軟質の封止要素230との間のより大きな界面表面積を提供し、それによって、硬質のアイランド240と軟質の封止要素230との間の接合強度を向上させる。他の例では、硬質のアイランドは、そのような穴を備えず、そうでなければ、軟質の封止要素に接合される又は埋め込まれるようにプロファイリングされる。
【0035】
硬質のアイランド240は、軟質の封止要素230を弾性変形させるように、ハウジング本体210から分離され、ハウジング本体210に対して内部空間内へ移動可能である。したがって、硬質のアイランド240は、ハウジング本体210とは独立して移動可能であるように、ハウジング本体210から切り離される(すなわち、接触しない)。
【0036】
この例では、ハウジングアセンブリ200は、軟質の封止要素230の内部空間に対向する側で硬質のアイランド240に結合されたユーザインターフェースボタン250(図4に示す)をさらに備える。したがって、この例では、硬質のアイランド240は、軟質の封止要素230及びユーザインターフェースボタン250の両方と接触している。
【0037】
使用中、硬質のアイランド240は、例えば、ユーザの指又は親指によってユーザインターフェースボタン250に加えられる作動力によって、ハウジング本体210に対して移動される。硬質のアイランド240が内部空間内へ変位することによって、軟質の封止要素230が弾性変形し、それによって、スイッチ212の作動が引き起こされる。この例では、硬質のアイランド240の変位、ひいては軟質の封止要素230のハウジング本体210内への変位は、アパーチャ220の縁部を取り囲むアパーチャシェルフ270によって制限される。アパーチャシェルフ270は、ハウジング本体210の内部に向かうユーザインターフェースボタン250の移動を制限するために、ユーザインターフェースボタン250への止め具を設け、それにより、軟質の封止要素230及びスイッチ212を、そこに加えられる過剰な力から守る。
【0038】
硬質のアイランド240は、約4mmの幅及び約4mmの高さを有する実質的に正方形の断面輪郭を有する。他の例では、硬質のアイランドは、適切な寸法を有し、いくつかの例では、硬質のアイランド240の高さ又は幅は5mm以下である。
【0039】
高さ及び幅が5mm以下である硬質のアイランド240を有することにより、スイッチ212を作動させるために硬質のアイランド240を十分に変位させるのに必要な力が低減される。なぜなら、硬質のアイランド240とともに変位されなければならない軟質の封止要素230の量もまた、例えば、より大きな硬質のアイランドと、又は単に軟質の封止要素230を変形させるユーザの指や親指と比較して、減少するからである。
【0040】
硬質のアイランド240は、アパーチャ220の中心に配置され、硬質のアイランド240の縁部と、それぞれのアパーチャ220の最も近い縁部との間の距離は、約2mmである。他の例では、それぞれの最も近い縁部間の距離は、任意の適切な距離であり、又は少なくとも1mmである。アパーチャの縁部と硬質のアイランドの縁部との間に少なくとも1mmの距離を有することにより、スイッチを作動させるために硬質のアイランドを十分に変位させるのに必要な力がさらに減少する。なぜなら、縁部間の軟質の封止要素の一部の伸長と、軟質の封止要素のその一部の伸長されていない長さとの比が、より小さいためである。
【0041】
使用中、作動力を加えると、軟質の封止要素230が、対向する反力を提供し、したがって軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域、及び、硬質のアイランド240と軟質の封止要素230との間の界面領域で、反応応力が発生する。したがって、スイッチ212を作動させるのに必要な力を低減させることにより、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合界面で経験された反応応力も低減される。軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域で発生した反応応力の大きさが低減されることにより、それらの間の接合の耐久性も向上する。
【0042】
この例でのユーザインターフェースボタン250は、ハウジング本体210内に配置されたとき、ユーザがスイッチ212を作動させるために、硬質のアイランド240が別の方法で提供するよりも人間工学的なインターフェースを提供する。特に、硬質のアイランド240の形状は、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域内で発生する反応応力を低減するように選択される。一方、ユーザインターフェースボタン250の形状は、純粋に人間工学的な考慮事項に基づいて選択される。さらに、別個のユーザインターフェースボタン250及び硬質のアイランド240を有するということは、ユーザインターフェースボタン250が、硬質のアイランド240が形成される材料とは異なる材料で形成されることを意味する。これにより、硬質のアイランド240が形成される材料と、ユーザインターフェースボタン250が形成される材料とを、異なる材料選択基準に従って選択することが可能である。例えば、硬質のアイランド240の材料は、軟質の封止要素230との接合品質に基づいて選択され、一方、ユーザインターフェースボタンは、設計寿命を最大限にするために、耐摩耗性の品質のために選択される。他の例では、ユーザインターフェースボタンはなく、ユーザは、スイッチを作動させるために硬質のアイランドに直接力を加えることが理解されよう。
【0043】
この例では、ユーザインターフェースボタン250は、スナップフィット結合によって硬質のアイランド240に結合される。他の例では、ユーザインターフェースボタンは、締り嵌めによって、又は、ねじ若しくは接着剤などの任意の他の適切な固定手段によって硬質のアイランドに結合される。締り嵌め結合又はスナップフィット結合の使用により、ハウジングアセンブリの耐用期間中に、ユーザインターフェースボタン250を容易に取り外し及び/又は交換することが可能であり、例えば、接着剤と同じ材料に限定されない。
【0044】
硬質のアイランド240は、軟質の封止要素230が形成される材料の弾性率よりも大きい弾性率を有する材料で形成される。この例では、硬質のアイランド240の弾性率は、スイッチ212を作動させるのに必要な力に等しい力が加えられることに応じて、硬質のアイランド240が大きく変形しない程度に十分高く、軟質の封止要素の弾性率は、平均的なユーザが、スイッチ212を作動させるのに十分な軟質の封止要素230を手動で変形させることができるほど十分に低い。この例では、ハウジング本体210、軟質の封止要素230、及び硬質のアイランド240のそれぞれは、射出成形プロセスでの使用に適した材料を含む。この例では、ハウジング本体210と硬質のアイランド240は、製造を容易にするために実質的に同じ材料で構成される。他の例では、ハウジング本体の材料は、硬質のアイランドの材料と同じではない。
【0045】
硬質のアイランド240は、内部空間内への硬質のアイランド240の変位が、軟質の封止要素230の弾性変形のみによって抑制されるように、軟質の封止要素230に固定され、軟質の封止要素230によって支持される。言い換えれば、内部空間内への硬質のアイランド240の変位は、軟質の封止要素230以外のものによって抑制されない。したがって、内部空間内への硬質のアイランド240の変位は、弓状又は半径方向の軌道などの所定の軌道に従うように抑制されない。したがって、硬質のアイランド240は、スイッチ212のより正確な作動を可能にする。
【0046】
硬質のアイランド240がハウジングアセンブリ200に設けられていない場合、例えば、ユーザの指又は親指によって軟質の封止要素230に直接加えられる作動力により、アパーチャ220の縁部の近い位置において、軟質の封止要素230の弾性変形の大きさを比較的大きくすることができる。したがって、軟質の封止要素230に硬質のアイランド240を設けることにより、ユーザによる作動力の正確且つ一貫した印加が保証され、その結果、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域に大きな反応応力が発生する可能性が低減される。したがって、軟質の封止要素230に硬質のアイランド240を設けることにより、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合の耐久性が向上する。
【0047】
ハウジング本体210はまた、軟質の封止要素230を受容してアパーチャ220から延在している凹状のオーバーフロー領域224を画定する。言い換えれば、オーバーフロー領域224は、ハウジング本体210(図1に示す)の内面における凹部によって画定される。オーバーフロー領域224は、アパーチャ220から直接延在するメインアーム225と、メインアーム225から延在し、リブ228によって分離される少なくとも2つの分岐アーム226とを備える。リブ228は、オーバーフロー領域224に付加的な強度を与え、これにより、ハウジング本体210は、例えば、オーバーモールディングプロセスによって、より効果的に他の構成要素に取り付けられるか、又は他の構成要素に組み込むことが可能である。
【0048】
オーバーフロー領域224は、射出成形プロセス中に、軟質の封止要素230と、硬質のアイランド240を取り囲むハウジング本体210との間の界面領域の重要な部分からエアポケットが遠ざかるための経路を提供する。したがって、オーバーフロー領域224は、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域の重要な部分において、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合の質を向上させる。
【0049】
軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合の強度は、それらの間の接合の質に関係しており、とりわけ、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域の重要な部分におけるエアポケットの存在に左右される。軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域の重要な部分は、硬質のアイランド240に近い界面領域の部分に対応してもよく、したがって、作動力を加えている間に、より大きな反応応力を受ける。したがって、オーバーフロー領域224を設けることによって、アパーチャ220内の硬質のアイランド240を取り囲む軟質の封止要素の重要な部分からエアポケットを除去することにより、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合の強度が向上する。さらに、ハウジング本体の厚さを貫通して延びるオーバーフロー領域ではなく、凹状オーバーフロー領域224を設けることにより、ハウジング本体210の強度も向上する。
【0050】
ハウジング本体210はまた、図2に示すように、軟質の封止要素230を受容するように構成されてアパーチャ220から延在する複数の凹状脚部222を画定する。言い換えれば脚部222はそれぞれ、ハウジング本体210の内面における凹部によって画定される。複数の脚部222は、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の伸長界面領域を提供し、それによって、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合の強度を向上させ、次に、ハウジングアセンブリ200の耐久性を向上させる。
【0051】
ハウジング本体210の厚さを貫通して完全に延びていない複数の凹状脚部222を有することにより、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の界面領域がさらに拡大され、したがって、軟質の封止要素230とハウジング本体210との間の接合強度がさらに向上する。さらに、ハウジング本体の厚さを貫通して延びるのではなく、脚部222を凹ませることにより、ハウジング本体210の強度も向上する。
【0052】
複数の凹状脚部222のそれぞれは、アパーチャ220から、ハウジング本体210の湾曲面が沿って延びている細長い軸150に実質的に垂直な方向に延在する。これにより、最も脆弱な方向(すなわち、細長い軸150に垂直な平面内)で、接合が向上する。なぜなら、細長い軸150に垂直な平面内のハウジング本体210の湾曲により、細長い軸150に垂直な方向に空間制約を導入し、アパーチャ220と硬質のアイランド240との間の距離は、その方向において最も小さくなり、これにより、細長い軸150に垂直な方向の反応応力が増大し、その方向の接合性能が低下する。いくつかの例では、複数の凹状脚部は、アパーチャから細長い軸に実質的に垂直な方向にのみ延在してもよく、接合を向上させるために最も脆弱な領域のみを対象とすることによって、軟質の封止要素の材料の最も効率的な使用となる。
【0053】
いくつかの例では、軟質の封止要素は、作動領域を取り囲む座屈領域を備える。座屈領域は、ユーザインターフェースボタンを押す際により良好な人間工学的な感触を提供するために、突出位置と作動位置との間の作動領域をスナップ留めするS字形の輪郭を備える。このような例では、硬質のアイランドに作動力を加えている間に、軟質の封止要素の座屈領域は、ハウジング本体内に押し込まれるとき、作動領域を作動位置にスナップ留めするために座屈するように構成される。座屈領域の弾性座屈は、その座屈構造内にエネルギーを蓄積し、それにより、作動力を加えている間に、軟質の封止要素内の反力を低減させる。したがって、軟質の封止要素とハウジング本体との間の界面領域に発生する反応応力は低減され、ハウジングアセンブリの耐久性が向上する。
【0054】
図5は、図2図4を参照して説明するハウジングアセンブリ200などのハウジングアセンブリ500を製造する方法400を示すフローチャートである。図6A図6Dは、方法400の対応するステップの結果として製造されるハウジングアセンブリ500の構成要素の斜視図を示す。
【0055】
方法400は、ブロック402で始まり、その結果が図6Aに示される。ブロック402は、スイッチを受容するように構成された内部空間を画定し、且つハウジング本体510の外部から内部空間へのアクセスを提供するように構成されたアパーチャ520を備えるハウジング本体510を第1の金型内で射出成形するステップを有する。
【0056】
方法400はまた、ブロック404を有し、その結果が図6Bに示される。ブロック404は、アパーチャ520に配置され、且つハウジング本体510から分離された硬質のアイランド540を第1の金型内で射出成形するステップを有する。したがって、硬質のアイランド540は、成形中、アパーチャ520内で浮遊している。
【0057】
この例では、ブロック402及び404は、図6Bに示す構成要素を製造するために、実質的に同じ材料で同時に実行される。ブロック402及び404を同時に実行するということは、両方ともが2ショット射出成形の第1のショットで射出成形できることを意味する。これにより、ハウジングアセンブリの成形効率が向上する。他の例では、ブロック402及び404は、同時に起きるのではなく、むしろ任意の順序で連続的に起きる。
【0058】
次いで、方法400は、ブロック406に進み、その結果が図6Cに示される。ブロック406は、第1の金型内で、軟質の封止要素530を形成するために軟質プラスチックをアパーチャ520内へ、及び硬質のアイランド540の周囲に射出成形し、その結果、軟質の封止要素530は、アパーチャ520を封止するためにハウジング本体510に接合し、軟質の封止要素530のハウジング本体510の内部に対向する側で、硬質のアイランド540を軟質の封止要素530に固定するために硬質のアイランド540と接合する。したがって、ブロック406は、2ショット射出成形プロセスにおける第2のショットである。他の例では、ブロック402~406のそれぞれは、異なる金型で実行することができ、2ショット射出成形プロセスの一部として実行する必要はないということが理解されるであろう。ブロック406の結果は、スイッチ用の実質的に水密のハウジングアセンブリ500であり、これは、ハウジング本体510内のスイッチを作動させるために変形可能な軟質の封止要素530と、軟質の封止要素530を移動させてスイッチを作動させるためにユーザが押すための硬質のアイランド540とを備える。
【0059】
この例では、方法400は、ブロック408をさらに有し、その結果が図6Dに示される。ブロック408は、第2の金型内で、ハウジング本体510、軟質の封止要素530、及び硬質のアイランド540の周囲にハンドル52をオーバーモールドするステップを含む。ハンドル52は、図1を参照して説明されたハンドル12と一致していてもよい。ハンドル52は、ユーザのために、より人間工学的な握りを提供する。いくつかの例では、方法は、ブロック408を含まない。
【0060】
この例では、方法400は、ブロック410をさらに含む。ブロック410は、図1図4を参照して説明されたパーソナルケア装置10などのパーソナルケア装置を製造するために、ユーザインターフェースボタンを硬質のアイランド540に結合するステップを有する。この例では、ブロック410は、ブロック408の後に実行される。ブロック408が実行されない他の例では、ブロック410は、ブロック406の直後に実行される。さらに別の例では、ブロック410は、全く実行されない。
【0061】
開示された実施形態への変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、本明細書に記載された原理及び技術を実施する際に、当業者によって理解及び達成され得る。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、単数形の要素は、複数を除外するものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
【国際調査報告】