IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518399
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2022123582
(87)【国際公開番号】W WO2023051824
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202122407783.3
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122404603.6
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122433317.2
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122410246.4
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122410892.0
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122406183.5
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122411574.6
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122404672.7
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】徐 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇好
(72)【発明者】
【氏名】趙 俊
(72)【発明者】
【氏名】黄 鴻峰
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲トウ▼暉
(72)【発明者】
【氏名】何 秋波
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB05
3H062BB10
3H062BB11
3H062BB33
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF38
3H062GG04
3H062GG06
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
本出願は、収容室及び弁口を有し、弁口と収容室とは連通される弁体と、収容室内に設けられたガイドスリーブと、ガイドスリーブ内に移動可能に設けられた弁ヘッドであって、弁口を閉塞又は開放するために用いられ、内部に均衡化通路が設けられており、均衡化通路によって両端を相互に連通させる弁ヘッドと、を含み、ここで、弁ヘッドは、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は、弁口を閉塞するために用いられ、冷媒媒体と第1端とは第1力受け面積S1を有し、冷媒媒体と第2端とは第2力受け面積S2を有し、-1.3mm≦S1-S2≦1.3mmである、電子膨張弁を提供する。本出願で提供される技術態様により、従来の技術における電子膨張弁の動作の信頼性が低いという問題を解決することができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室(101)及び弁口(102)を有し、前記弁口(102)と前記収容室(101)とは連通される弁体(10)と、
前記収容室(101)内に設けられたガイドスリーブ(20)と、
前記ガイドスリーブ(20)内に移動可能に設けられた弁ヘッド(30)であって、前記弁口(102)を閉塞又は開放するために用いられ、内部に均衡化通路が設けられており、前記均衡化通路によって両端を相互に連通させる弁ヘッド(30)と、を含み、
前記弁ヘッド(30)は、対向して設けられた第1端(301)及び第2端(302)を有し、前記第1端(301)は、前記弁口(102)を閉塞するために用いられ、冷媒媒体と前記第1端(301)とは第1力受け面積S1を有し、冷媒媒体と前記第2端(302)とは第2力受け面積S2を有し、-1.3mm≦S1-S2≦1.3mmである、電子膨張弁。
【請求項2】
前記弁ヘッド(30)は、前記第1端(301)から前記第2端(302)への方向に沿って順次連通された第1連通孔(31)、第2連通孔(32)及び第3連通孔(33)を有し、前記第1連通孔(31)の孔径、前記第3連通孔(33)の孔径は、いずれも前記第2連通孔(32)の孔径より大きく、
前記電子膨張弁は、
前記収容室(101)内に移動可能に設けられ、一端が順に前記第3連通孔(33)、前記第2連通孔(32)を貫通して前記第1連通孔(31)内に入り込むスクリュ(40)と、
弁スリーブ(50)であって、前記第1連通孔(31)内に位置し、前記スクリュ(40)の端部に固定接続され、前記第1連通孔(31)と前記第2連通孔(32)とが形成する段付き面によって前記弁スリーブ(50)が軸方向に制限され、前記スクリュ(40)と前記第2連通孔(32)との間に第1隙間を有し、前記スクリュ(40)と前記弁スリーブ(50)との間に第2隙間を有し、前記第1隙間と前記第2隙間とが相互に連通されて前記均衡化通路が形成され、前記第1連通孔(31)と前記第3連通孔(33)とは前記均衡化通路によって相互に連通される弁スリーブ(50)と、を更に含み、
前記第1端(301)の端面の面積はS11、前記第1連通孔(31)と前記第2連通孔(32)とが形成する段付き面の面積はS12であり、S1はS11とS12との和であり、前記第2端(302)の端面の面積はS21、前記第3連通孔(33)と前記第2連通孔(32)とが形成する段付き面の面積はS22であり、S2はS21とS22との和である、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記弁ヘッド(30)の前記第1連通孔(31)に対応する部分の外径はD1、前記弁ヘッド(30)の前記第3連通孔(33)に対応する部分の外径はD2であり、D1=D2であり、前記第1連通孔(31)の孔径はd1、前記第3連通孔(33)の孔径はd2であり、-1mm≦d1-d2≦1mmである、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記第1端(301)の端部の外周面には面取りR1が設けられており、R0.04mm≦R1≦R0.8mmである、請求項3に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記第1端(301)の外径は前記第2端(302)の外径より大きく、前記第1端(301)の外径と前記第2端(302)の外径との差分値は4mm以下であり、前記第1連通孔(31)の孔径と前記第3連通孔(33)の孔径との差分値は-1mm~1mmである、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記第1端(301)の端部の外周面には面取りR2が設けられており、R0.04mm≦R2≦R3mmである、請求項5に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記弁ヘッド(30)の前記第1連通孔(31)に対応する部分は、前記第1端(301)から前記第2端(302)への方向に沿って順次接続された第1セグメント(311)、遷移セグメント(312)及び第2セグメント(313)を有し、前記第2セグメント(313)の外径は前記第1セグメント(311)の外径より小さく、前記遷移セグメント(312)の外径は、前記第1セグメント(311)から前記第2セグメント(313)への方向に沿って徐々に小さくなっている、請求項5に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記第1連通孔(31)は、段差状に連通された第1貫通孔(3101)及び第2貫通孔(3102)を含み、前記第1貫通孔(3101)の孔径は前記第2貫通孔(3102)の孔径より大きく、前記第1貫通孔(3101)は前記弁口(102)に近接して設けられ、前記第1貫通孔(3101)と前記第2貫通孔(3102)との間には段差面を有し、前記段差面の面積はS10であり、S1はS10、S11及びS12の和であり、及び/又は
前記第3連通孔(33)は、順次連通された第3貫通孔(331)及び第4貫通孔(332)を含み、前記第4貫通孔(332)はテーパ孔であり、前記第4貫通孔(332)の孔径は、前記弁口(102)から離れる方向に向かって徐々に大きくなっており、前記第4貫通孔(332)の力受け面積はS20であり、S2はS20、S21及びS22の和である、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記第2端(302)の端部の外周面には面取りR3が設けられている、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記弁ヘッド(30)は、前記第1端(301)から前記第2端(302)への方向に沿って順次連通された第1連通孔(31)、第2連通孔(32)及び第3連通孔(33)を有し、前記第1連通孔(31)の孔径、前記第3連通孔(33)の孔径は、いずれも前記第2連通孔(32)の孔径より大きく、
前記電子膨張弁は、
前記弁ヘッド(30)内に挿設され、軸方向に沿って順次設けられた第1ロッドセグメント(41)及び第2ロッドセグメント(42)を有し、側壁には、前記第1ロッドセグメント(41)の中間部から前記第2ロッドセグメント(42)の末端まで延在する断面構造(44)が設けられており、前記断面構造(44)と前記弁ヘッド(30)との間に均衡化通路を有するスクリュ(40)と、
第1連通孔(31)内に位置し、第1接続孔(51)を有し、前記第2ロッドセグメント(42)は前記第1接続孔(51)に接続され、前記断面構造(44)と前記第1接続孔(51)との間に第1隙間を有する弁スリーブ(50)と、を更に含み、
前記第1接続孔(51)の直径はD3、前記第1隙間の最大値はL1であり、0.5*D3>L1>0.1*D3である、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項11】
前記第1隙間の横断面積はSであり、S≧0.8mmである、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項12】
前記断面構造(44)の軸方向に沿う長さはL2であり、前記断面構造(44)と前記第2連通孔(32)との間に第2隙間を有し、前記第1隙間と前記第2隙間との軸方向に沿う長さの和はL3であり、L2≧1.3*L3である、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項13】
前記第2隙間は前記第1隙間より大きい、請求項12に記載の電子膨張弁。
【請求項14】
前記断面構造(44)の前記弁スリーブ(50)から離れた一端と前記弁ヘッド(30)の上端面との距離はL4であり、L4≦3mmである、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項15】
前記スクリュ(40)は第3ロッドセグメント(43)を更に有し、前記第3ロッドセグメント(43)は、前記第1ロッドセグメント(41)の前記弁口(102)から離れた一端に接続され、前記第3ロッドセグメント(43)の直径は前記第1ロッドセグメント(41)の直径より大きく、前記断面構造(44)の前記弁スリーブ(50)から離れた一端と前記第3ロッドセグメント(43)の前記弁口(102)に近接する一端との距離はL5であり、L5≧2*D3である、請求項10から14のいずれか一項に記載の電子膨張弁。
【請求項16】
前記第1ロッドセグメント(41)の直径は前記第2ロッドセグメント(42)の直径より大きい、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項17】
前記電子膨張弁は、
前記スクリュ(40)に嵌合され、一端が前記第3連通孔(33)と前記第2連通孔(32)との間の段差面に当接され、他端が前記第1ロッドセグメント(41)と前記第3ロッドセグメント(43)との間の段差面に当接されるバネ(60)を更に含む、請求項15に記載の電子膨張弁。
【請求項18】
前記ガイドスリーブ(20)には第1ガイド孔(201)が設けられており、前記第1ガイド孔(201)の直径はD31であり、前記弁ヘッド(30)は前記第1ガイド孔(201)内に移動可能に挿設され、前記弁ヘッド(30)の外側壁には環状凹溝(52)が設けられており、前記環状凹溝(52)と前記弁ヘッド(30)とは同軸に設けられ、
前記電子膨張弁は、
前記第1ガイド孔(201)と前記環状凹溝(52)との間に設けられ、外径がD32であり、D32はD31より大きく、且つD32とD31との差分値の範囲は0.1mm~0.5mmである封止リング(70)を更に含む、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項19】
前記環状凹溝(52)の内径はD34であり、前記封止リング(70)の内径はD35であり、且つD34とD35との差分値の範囲は-0.5mm~0.5mmである、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項20】
前記環状凹溝(52)の幅はL31、前記封止リング(70)の横断面直径はD33であり、L31はD33の1.1倍~1.4倍である、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項21】
前記封止リング(70)の外径D32の範囲は6.5mm~8.5mmである、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項22】
前記封止リング(70)の横断面直径D33の範囲は0.5mm~1mmである、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項23】
前記環状凹溝(52)は前記弁ヘッド(30)の中間部に位置する、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項24】
前記環状凹溝(52)の軸線に垂直な中心線から前記弁ヘッド(30)の端部までの距離はL32であり、L32は前記弁ヘッド(30)の長さL33の35%~65%である、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項25】
前記環状凹溝(52)の軸線に垂直な中心線から前記弁ヘッド(30)の端部までの距離L32の範囲は6.5mm~8mmである、請求項24に記載の電子膨張弁。
【請求項26】
前記弁体(10)は弁座(11)を含み、前記弁座(11)が弁チャンバ(1101)及び前記弁口(102)を有し、前記弁口(102)は、順に接続された第1テーパ孔セグメント(1021)、直孔セグメント(1022)及び第2テーパ孔セグメント(1023)を有し、前記第1テーパ孔セグメント(1021)の前記直孔セグメント(1022)から離れた端部の直径は、前記第1テーパ孔セグメント(1021)の前記直孔セグメント(1022)に接続された端部の直径より大きく、前記第2テーパ孔セグメント(1023)の前記直孔セグメント(1022)から離れた端部の直径は、前記第2テーパ孔セグメント(1023)の前記直孔セグメント(1022)に接続された端部の直径より大きく、前記直孔セグメント(1022)の高さはL41、前記第2テーパ孔セグメント(1023)のテーパ角度はA4であり、前記直孔セグメント(1022)の長さL41は0.5mm~1.5mmであり、前記第2テーパ孔セグメント(1023)のテーパ角度A4は20°~60°である、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項27】
前記弁ヘッド(30)は第1外側壁を有し、前記第1外側壁と前記第1テーパ孔セグメント(1021)の内壁とが係合されて前記弁口(102)を閉塞し、前記第1外側壁の直径はD41であり、ここで、D41の値は5mm~8mmである、請求項26に記載の電子膨張弁。
【請求項28】
前記直孔セグメント(1022)の直径はD42であり、ここで、D41-D42≧0.2mmである、請求項26に記載の電子膨張弁。
【請求項29】
前記第1テーパ孔セグメント(1021)のテーパ角は、前記第2テーパ孔セグメント(1023)のテーパ角より大きい、請求項26に記載の電子膨張弁。
【請求項30】
前記第1テーパ孔セグメント(1021)のテーパ角はB4であり、B4の値は25°~65°である、請求項29に記載の電子膨張弁。
【請求項31】
前記第1テーパ孔セグメント(1021)の最大直径は、前記第2テーパ孔セグメント(1023)の最大直径より大きい、請求項26に記載の電子膨張弁。
【請求項32】
前記第1テーパ孔セグメント(1021)の最大直径はD43であり、D43の値は6mm~9.5mmであり、前記第2テーパ孔セグメント(1023)の最大直径はD44であり、D44の値は7mm~8.5mmである、請求項26に記載の電子膨張弁。
【請求項33】
前記ガイドスリーブ(20)は前記弁座(11)に固定され、且つ前記ガイドスリーブ(20)の一部は前記弁チャンバ(1101)内に位置する、請求項26に記載の電子膨張弁。
【請求項34】
前記弁座(11)は、軸線に沿って段差状に設けられた第1孔セグメント(111)及び第2孔セグメント(112)を更に含み、前記第2孔セグメント(112)の一端は前記第1孔セグメント(111)に接続され、前記第2孔セグメント(112)の他端は前記弁チャンバ(1101)に接続され、前記第1孔セグメント(111)の直径は前記第2孔セグメント(112)の直径より大きく、前記ガイドスリーブ(20)と前記第2孔セグメント(112)とはトランジションフィットされる、請求項33に記載の電子膨張弁。
【請求項35】
前記弁体(10)は弁座(11)を含み、前記弁座(11)は、軸線に沿って順次接続された第1孔セグメント(111)、第2孔セグメント(112)及び弁チャンバ(1101)を有し、前記弁座(11)には前記弁口(102)が設けられており、前記弁口(102)は前記弁チャンバ(1101)の前記第2孔セグメント(112)から離れた一端に接続され、前記第2孔セグメント(112)の直径は前記第1孔セグメント(111)の直径より小さく、
前記ガイドスリーブ(20)は前記弁座(11)に固定して設けられ、前記ガイドスリーブ(20)は、軸線に沿って相互に接続された接続セグメント(21)及びガイドセグメント(22)を有し、前記接続セグメント(21)は前記第1孔セグメント(111)及び第2孔セグメント(112)に対応して設けられ、前記ガイドセグメント(22)は前記弁チャンバ(1101)内に位置し、前記接続セグメント(21)の外側壁には溶接リング溝(23)が環状に設けられており、
前記第1孔セグメント(111)の直径はD51、前記接続セグメント(21)の直径はD53であり、ここで、0.1mm≧D51-D53≧0.02mmである、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項36】
前記接続セグメント(21)と前記第2孔セグメント(112)とはインターフェアランスフィットされる、請求項35に記載の電子膨張弁。
【請求項37】
前記第2孔セグメント(112)の直径はD52であり、ここで、0.05mm≧D53-D52≧0mmである、請求項36に記載の電子膨張弁。
【請求項38】
前記第2孔セグメント(112)の直径はD52であり、ここで、D51-D52≧0.02mmである、請求項35に記載の電子膨張弁。
【請求項39】
前記接続セグメント(21)は、第1接続セグメント(211)及び第2接続セグメント(212)を有し、前記溶接リング溝(23)は前記第1接続セグメント(211)と前記第2接続セグメント(212)との間に位置し、前記第2接続セグメント(212)は前記第2孔セグメント(112)内に位置し、前記第2接続セグメント(212)の高さはL51、前記第2孔セグメント(112)の高さはL52、前記第1接続セグメント(211)の前記弁口(102)に近接する一端と前記接続セグメント(21)の前記弁口(102)に近接する一端との間の間隔はL53であり、L53>L52>L51である、請求項35に記載の電子膨張弁。
【請求項40】
L51≧1mmである、請求項39に記載の電子膨張弁。
【請求項41】
前記第1接続セグメント(211)の高さはL54であり、ここで、L54≧0.5mmである、請求項39に記載の電子膨張弁。
【請求項42】
前記電子膨張弁は、
前記弁座(11)に接続され、前記弁座(11)との間に取り付けチャンバ(121)を有するハウジング(12)と、
前記取り付けチャンバ(121)内に設けられたナットスリーブ(80)と、
前記取り付けチャンバ(121)内に移動可能に設けられ、前記ナットスリーブ(80)に挿設され且つ前記ナットスリーブ(80)に螺合されるスクリュ(40)と、を更に含み、
前記弁ヘッド(30)は前記ガイドスリーブ(20)内に移動可能に設けられ、前記弁ヘッド(30)は前記スクリュ(40)に駆動連結され、前記スクリュ(40)は、前記弁ヘッド(30)を駆動して前記弁口(102)を開放又は閉塞するために用いられる、請求項35に記載の電子膨張弁。
【請求項43】
前記弁体(10)の側壁には第1開口(103)が設けられており、前記弁体(10)の底端には第2開口(104)が設けられており、前記弁口(102)と前記第2開口(104)とは同軸に設けられ、前記第2開口(104)は前記弁口(102)を介して前記収容室(101)と連通され、
前記ガイドスリーブ(20)は前記弁体(10)に固定接続され、前記ガイドスリーブ(20)と前記弁口(102)とは同軸に設けられ、前記ガイドスリーブ(20)は、順次接続された接続セグメント(21)、第1円柱セグメント(24)、緩衝セグメント(25)及び第2円柱セグメント(26)を含み、前記接続セグメント(21)は前記弁体(10)に固定接続するために用いられ、前記第2円柱セグメント(26)は前記弁口(102)に近接して設けられ、前記第2円柱セグメント(26)の直径は前記第1円柱セグメント(24)の直径より小さく、前記緩衝セグメント(25)の直径は、前記第1円柱セグメント(24)から前記第2円柱セグメント(26)への方向に沿って徐々に小さくなっている、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項44】
前記第1円柱セグメント(24)の直径はD61、前記第2円柱セグメント(26)の直径はD62であり、ここで、D61-D62≧1mmである、請求項43に記載の電子膨張弁。
【請求項45】
前記緩衝セグメント(25)は円錐セグメントであり、前記緩衝セグメント(25)のテーパ角はδであり、δの範囲は30°~90°である、請求項43に記載の電子膨張弁。
【請求項46】
前記円錐セグメントの前記弁口(102)に近接する一端の直径は前記第2円柱セグメント(26)の直径と等しく、前記円錐セグメントの前記弁口(102)から離れた一端の直径は前記第1円柱セグメント(24)の直径と等しい、請求項45に記載の電子膨張弁。
【請求項47】
前記電子膨張弁は接続管(1031)を更に含み、前記接続管(1031)は前記第1開口(103)に接続され、前記ガイドスリーブ(20)の底端は前記接続管(1031)の内壁の底端より高く、前記接続管(1031)の内壁の底端から前記ガイドスリーブ(20)の底端までの間隔はL61であり、L61は1mm以上であり、請求項43に記載の電子膨張弁。
【請求項48】
前記接続管(1031)の径方向において、前記ガイドスリーブ(20)の底端の端面は前記接続管(1031)の軸線に近接して設けられる、請求項47に記載の電子膨張弁。
【請求項49】
前記緩衝セグメント(25)の前記弁口(102)から離れた一端は前記接続管(1031)の内壁の先端より高い、請求項47に記載の電子膨張弁。
【請求項50】
前記緩衝セグメント(25)の前記弁口(102)から離れた一端と前記接続管(1031)の内壁の先端との間の距離はL62であり、L62は1mm以上である、請求項47に記載の電子膨張弁。
【請求項51】
前記第1円柱セグメント(24)の直径D61の範囲は8.5mm~13mmである、請求項43に記載の電子膨張弁。
【請求項52】
前記接続管(1031)の内壁の直径はD63であり、D63の範囲は8mm~14mmである、請求項47に記載の電子膨張弁。
【請求項53】
前記弁体(10)は弁チャンバ(1101)を有し、前記弁チャンバ(1101)と前記弁口(102)とは連通され、前記弁チャンバ(1101)は、段差状に設けられた第1取り付けセグメント(11011)及び第2取り付けセグメント(11012)を含み、前記第1取り付けセグメント(11011)の内径は前記第2取り付けセグメント(11012)の内径より大きく、
前記電子膨張弁は、外周に環状取り付け板(81)が設けられており、前記環状取り付け板(81)は前記第1取り付けセグメント(11011)内に位置し、前記環状取り付け板(81)は前記第1取り付けセグメント(11011)の内壁に溶接接続され、前記環状取り付け板(81)と前記第1取り付けセグメント(11011)の側面とはクリアランスフィットされるナットスリーブ(80)を更に含み、
前記ナットスリーブ(80)の前記弁口(102)に近接する一端には第2ガイド孔(801)を有し、前記ガイドスリーブ(20)の一部は前記弁チャンバ(1101)内に位置し、且つ前記ガイドスリーブ(20)は前記ナットスリーブ(80)の前記弁口(102)に近接する一端に位置し、前記ガイドスリーブ(20)の前記弁口(102)から離れた一端は前記第2ガイド孔(801)内に入り込み、前記ガイドスリーブ(20)と前記ナットスリーブ(80)とは同軸に設けられ、前記ガイドスリーブ(20)と前記第2ガイド孔(801)とはインターフェアランスフィットされる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項54】
前記第1取り付けセグメント(11011)の内径はD71、前記環状取り付け板(81)の外径はD72であり、D71-D72の範囲は0.02mm~0.08mmである、請求項53に記載の電子膨張弁。
【請求項55】
前記第2ガイド孔(801)の内径はD73、前記ガイドスリーブ(20)の前記弁口(102)から離れた一端の外径はD74であり、ここで、0≦D74-D73≦0.1mmである、請求項54に記載の電子膨張弁。
【請求項56】
6.5mm≦D74≦8mmである、請求項55に記載の電子膨張弁。
【請求項57】
前記環状取り付け板(81)の厚さはL71、前記第1取り付けセグメント(11011)の高さはL72であり、ここで、L71はL72より大きい、請求項53に記載の電子膨張弁。
【請求項58】
前記環状取り付け板(81)の厚さL71の範囲は0.3mm~1.2mmである、請求項57に記載の電子膨張弁。
【請求項59】
前記第1取り付けセグメント(11011)の内径D71の範囲は13mm~15mmである、請求項53に記載の電子膨張弁。
【請求項60】
前記弁体(10)は、弁座(11)及びハウジング(12)を含み、前記弁座(11)には前記弁チャンバ(1101)及び前記弁口(102)が設けられており、前記弁チャンバ(1101)は前記弁座(11)の一端に位置し、前記弁口(102)は前記弁座(11)の他端に位置し、前記ハウジング(12)は前記弁座(11)の前記弁チャンバ(1101)が位置する一端に接続され、且つ前記ハウジング(12)は前記ナットスリーブ(80)の外側に覆設される、請求項53に記載の電子膨張弁。
【請求項61】
前記ナットスリーブ(80)には、前記第2ガイド孔(801)と連通された第2接続孔(802)が更に設けられており、前記第2接続孔(802)は、前記第2ガイド孔(801)の前記弁口(102)から離れた一端に位置し、前記第2接続孔(802)と前記第2ガイド孔(801)とは同軸に設けられ、前記電子膨張弁はスクリュ(40)を更に含み、前記スクリュ(40)は、前記ナットスリーブ(80)内に挿設され且つ前記第2接続孔(802)に螺合される、請求項54に記載の電子膨張弁。
【請求項62】
前記弁ヘッド(30)と前記スクリュ(40)の前記弁口(102)に近接する一端とは係合され、前記スクリュ(40)は、前記弁ヘッド(30)を駆動して移動させて前記弁口(102)を閉塞又は開放する、請求項61に記載の電子膨張弁。
【請求項63】
前記電子膨張弁は、前記収容室(101)内に設けられ、前記弁体(10)に固定接続され、前記弁口(102)に近接する一端に第2ガイド孔(801)が設けられているナットスリーブ(80)を更に含み、
前記ガイドスリーブ(20)は前記収容室(101)内に設けられ、前記ガイドスリーブ(20)は前記弁体(10)に固定接続され、前記ガイドスリーブ(20)の頂部は前記第2ガイド孔(801)内に入り込み、前記第2ガイド孔(801)と前記ガイドスリーブ(20)とはインターフェアランスフィットされ、前記ガイドスリーブ(20)の前記第2ガイド孔(801)内に入り込む長さはL81、前記ガイドスリーブ(20)の前記第2ガイド孔(801)内に入り込む部分の直径はD81であり、L81≧D81/3である、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項64】
前記第2ガイド孔(801)の長さはL82であり、L81≦0.9*L82である、請求項63に記載の電子膨張弁。
【請求項65】
前記第2ガイド孔(801)の直径はD82であり、0≦D81-D82≦0.1mmである、請求項63に記載の電子膨張弁。
【請求項66】
前記電子膨張弁はスクリュ(40)を更に含み、前記ナットスリーブ(80)内には第2接続孔(802)が設けられており、前記スクリュ(40)と前記第2接続孔(802)とは螺合され、前記第2ガイド孔(801)は前記ナットスリーブ(80)の前記弁口(102)に近接する一端に設けられ、前記第2ガイド孔(801)と前記第2接続孔(802)とは連通される、請求項63に記載の電子膨張弁。
【請求項67】
前記弁ヘッド(30)は前記ガイドスリーブ(20)内に移動可能に設けられ、前記弁ヘッド(30)と前記弁口(102)とは同軸に設けられ、前記弁ヘッド(30)は、前記弁口(102)を閉塞又は開放するために用いられる、請求項66に記載の電子膨張弁。
【請求項68】
前記スクリュ(40)と前記弁ヘッド(30)とは同軸に設けられ、前記スクリュ(40)の前記弁口(102)に近接する一端は前記弁ヘッド(30)に接続され、前記スクリュ(40)は前記弁ヘッド(30)を連動して移動させて前記弁口(102)を閉塞又は開放する、請求項67に記載の電子膨張弁。
【請求項69】
6.5mm≦D81≦8mmである、請求項63に記載の電子膨張弁。
【請求項70】
3mm≦L82≦5mmである、請求項64に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122404672.7であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122433317.2であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122410246.4であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122407783.3であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122404603.6であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122410892.0であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122406183.5であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張し、
本出願は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122411574.6であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は弁の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
電子膨張弁は、一種の新型の制御素子として、冷却システムの知能化の重要な構成部分となっている。通常、電子膨張弁は弁体及び弁ヘッドを含み、弁体は収容室及び弁口を有し、弁ヘッドは弁チャンバ内に移動可能に設けられて弁口を開閉する。しかしながら、従来の電子膨張弁は、弁ヘッドの両端が受ける圧力の差が大きすぎるため、電子膨張弁の動作の信頼性が低くなってしまう。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来の技術における電子膨張弁の動作の信頼性が低いという問題を解決するための電子膨張弁を提供する。
【0005】
本出願は、収容室及び弁口を有し、弁口と収容室とは連通される弁体と、収容室内に設けられたガイドスリーブと、ガイドスリーブ内に移動可能に設けられた弁ヘッドであって、弁口を閉塞又は開放するために用いられ、内部に均衡化通路が設けられており、均衡化通路によって両端を相互に連通させる弁ヘッドと、を含み、ここで、弁ヘッドは、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は弁口を閉塞するために用いられ、冷媒媒体と第1端とは第1力受け面積S1を有し、冷媒媒体と第2端とは第2力受け面積S2を有し、-1.3mm≦S1-S2≦1.3mmである、電子膨張弁を提供する。
【0006】
本出願の技術態様を適用すると、第1力受け面積及び第2力受け面積を上記の区域内に限定することで、冷媒媒体が弁口から均衡化通路を経て収容室内へ流れ込むとき、弁ヘッドの第1端及び第2端への収容室内の冷媒媒体の圧力の強度が同じになる。S1及びS2を上記の範囲内に設けることで、S1とS2とが互いに接近するようにし、電子膨張弁を閉じた後、弁ヘッドの第1端及び第2端が受ける圧力が互いに接近し、弁ヘッドが開閉する過程で摩擦力のみを克服すればよく、このようにして、弁ヘッドアセンブリの動作の性能を確保し、電子膨張弁の動作の信頼性を向上させることができる。
【0007】
更に、弁ヘッドは、第1端から第2端への方向に沿って順次連通された第1連通孔、第2連通孔及び第3連通孔を有し、第1連通孔の孔径、第3連通孔の孔径は、いずれも第2連通孔の孔径より大きく、電子膨張弁は、収容室内に移動可能に設けられ、一端が順に第3連通孔、第2連通孔を貫通して第1連通孔内に入り込むスクリュと、弁スリーブであって、第1連通孔内に位置し、スクリュの端部に固定接続され、第1連通孔と第2連通孔とが形成する段付き面によって弁スリーブが軸方向に制限され、スクリュと第2連通孔との間に第1隙間を有し、スクリュと弁スリーブとの間に第2隙間を有し、第1隙間と第2隙間とが相互に連通されて均衡化通路が形成され、第1連通孔と第3連通孔とは均衡化通路によって相互に連通される弁スリーブと、を更に含み、ここで、第1端の端面の面積はS11、第1連通孔と第2連通孔とが形成する段付き面の面積はS12であり、S1はS11とS12との和であり、第2端の端面の面積はS21、第3連通孔と第2連通孔とが形成する段付き面の面積はS22であり、S2はS21とS22との和である。上記の設計により、第1力受け面積がS11、S12を含み、第2力受け面積がS21、S22を含むようになり、このようにして、電子膨張弁を設計する際、S11とS21とができる限り接近し、S12とS22とができる限り接近するようにし、最終的にS1とS2とができる限り接近するようにすることができる。
【0008】
更に、弁ヘッドの第1連通孔に対応する部分の外径はD1、弁ヘッドの第3連通孔に対応する部分の外径はD2であり、D1=D2であり、第1連通孔の孔径はd1、第3連通孔の孔径はd2であり、-1mm≦d1-d2≦1mmである。d1及びd2を上記の範囲内に設けることで、S12とS22とができる限り接近するようにし、更にはS1とS2とができる限り接近することを確保する。
【0009】
更に、第1端の端部の外周面には面取りR1が設けられており、R0.04mm≦R1≦R0.8mmである。R1を上記の範囲内に設けることで、面取り加工の利便性を確保し、弁ヘッドの寿命を確保できるだけでなく、S11とS12との差が大きくなりすぎることを回避することもできる。
【0010】
更に、第1端の外径は第2端の外径より大きく、第1端の外径と第2端の外径との差分値は4mm以下であり、第1連通孔の孔径と第3連通孔の孔径との差分値は-1mm~1mmである。本態様では、第1端の外径と第2端の外径との差分値と、第1連通孔の孔径と第3連通孔の孔径との差分値とを協働して上記の範囲内に設けることで、S1とS2との差分値をできる限り減少させることができる。
【0011】
更に、第1端の端部の外周面には面取りR2が設けられており、R0.04mm≦R2≦3mmである。R2を上記の範囲内に設けることで、面取り加工の利便性を確保し、弁ヘッドの寿命を確保できるだけでなく、S11とS12との差が大きくなりすぎることを回避することもできる。
【0012】
更に、第1連通孔に対応する弁ヘッドの部分は、第1端から第2端への方向に沿って順次接続された第1セグメント、遷移セグメント及び第2セグメントを有し、第2セグメントの外径は第1セグメントの外径より小さく、遷移セグメントの外径は、第1セグメントから第2セグメントへの方向に沿って徐々に小さくなっている。このように設けると、弁ヘッドの外周面に段差構造が現われることを回避することができ、更には、弁ヘッドの外周面の平滑性を確保することができ、弁ヘッドの加工成形を容易にすることもできる。
【0013】
更に、第1連通孔は、段差状に設けられた第1貫通孔及び第2貫通孔を含み、第1貫通孔の孔径は第2貫通孔の孔径より大きく、第1貫通孔は弁口に近接して設けられ、第1貫通孔と第2貫通孔との間には段差面を有し、段差面の面積はS10であり、S1はS10、S11及びS12の和であり、及び/又は、第3連通孔は、順次連通された第3貫通孔及び第4貫通孔を含み、第4貫通孔はテーパ孔であり、第4貫通孔の孔径は、弁口から離れる方向に向かって徐々に大きくなっており、第4貫通孔の力受け面積はS20であり、S2はS20、S21及びS22の和である。上記のように設けることで、作業者が弁ヘッドの両端部を区別することが容易になり、更には作業者が弁ヘッドを組み立てることが容易になる。また、上記のように設けることで、第1力受け面積S1と第2力受け面積S2との差分値への影響が比較的小さくなる。
【0014】
更に、第2端の端部の外周面には面取りR3が設けられている。R3の設置により、第2端の端部にバリが発生することを回避することができ、更には弁ヘッドの移動のスムーズ性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0016】
図1】本出願で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図2】本出願で提供される弁ヘッドの構造模式図を示す。
図3】本出願で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図4】本出願で提供される弁ヘッドの構造模式図を示す。
図5】本出願の実施例で提供されるスクリュ、弁スリーブ及び弁ヘッドの組み立て後の断面図を示す。
図6】本出願で提供されるスクリュ、弁スリーブ及び弁ヘッドの組み立て後の寸法模式図を示す。
図7図6におけるA-A箇所の断面図を示す。
図8】本出願で提供される弁スリーブの構造模式図を示す。
図9】本出願で提供されるガイドスリーブの構造模式図を示す。
図10】本出願で提供される封止リングの構造模式図を示す。
図11】本出願で提供される電子膨張弁の断面図を示す。
図12】本出願で提供される弁座の断面図を示す。
図13図11におけるA箇所の寸法模式図を示す。
図14】本出願の実施例で提供される弁座とガイドスリーブとの組み立て後の断面図を示す。
図15】本出願で提供されるガイドスリーブの断面図を示す。
図16】本出願で提供される弁座の断面図を示す。
図17】本出願で提供される弁座とガイドスリーブとの寸法模式図を示す。
図18】本出願で提供される電子膨張弁の断面図を示す。
図19】本出願で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図20図19におけるB部分の拡大図を示す。
図21】本出願で提供されるガイドスリーブの構造模式図を示す。
図22】本出願で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図23図22における弁座とガイドスリーブとの組み立ての構造模式図を示す。
図24図22におけるナットスリーブの構造模式図を示す。
図25図22におけるガイドスリーブの構造模式図を示す。
図26】本出願で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図27図26におけるナットスリーブの構造模式図を示す。
図28図26におけるガイドスリーブの構造模式図を示す。
【0017】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁体、
101 収容室、
102 弁口、1021 第1テーパ孔セグメント、1022 直孔セグメント、1023 第2テーパ孔セグメント、
103 第1開口、1031 接続管、104 第2開口、
11 弁座、1101 弁チャンバ、11011 第1取り付けセグメント、11012 第2取り付けセグメント、
12 ハウジング、121 取り付けチャンバ、
111 第1孔セグメント、112 第2孔セグメント、
20 ガイドスリーブ、201 ガイド孔、
21 接続セグメント、211 第1接続セグメント、212 第2接続セグメント、
22 ガイドセグメント、
23 溶接リング溝、
24 第1円柱セグメント、25 緩衝セグメント、26 第2円柱セグメント、
30 弁ヘッド、301 第1端、302 第2端、
31 第1連通孔、
311 第1セグメント、312 遷移セグメント、313 第2セグメント、3101 第1貫通孔、3102 第2貫通孔、
32 第2連通孔、
33 第3連通孔、
331 第3貫通孔、332 第4貫通孔、
40 スクリュ、41 第1ロッドセグメント、42 第2ロッドセグメント、43 第3ロッドセグメント、44 断面構造、
50 弁スリーブ、51 第1接続孔、52 環状凹溝、
60 バネ、
70 封止リング、
80 ナットスリーブ、81 環状取り付け板、801 第2ガイド孔、802 第2接続孔。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭に且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0019】
図1に示すように、本出願の実施例は、弁体10、ガイドスリーブ20及び弁ヘッド30を含む電子膨張弁を提供する。ここで、弁体10は、収容室101及び弁口102を有し、弁口102と収容室101とは連通される。ガイドスリーブ20は収容室101内に設けられる。弁ヘッド30はガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、弁ヘッド30は弁口102を閉塞又は開放するために用いられ、弁ヘッド30内には均衡化通路が設けられており、均衡化通路によって弁ヘッド30の両端を相互に連通させる。ここで、弁体30は、対向して設けられた第1端301及び第2端302を有し、第1端301は弁口102を閉塞するために用いられ、冷媒媒体と第1端301とは第1力受け面積S1を有し、冷媒媒体と第2端302とは第2力受け面積S2を有し、-1.3mm≦S1-S2≦1.3mmである。
【0020】
本出願の技術態様を適用すると、第1力受け面積及び第2力受け面積を上記の区域内に限定することで、冷媒媒体が弁口102から均衡化通路を経て収容室101内へ流れ込み、弁ヘッド30の第1端301及び第2端302への収容室101内の冷媒媒体の圧力の強度が同じになる。S1及びS2を上記の範囲内に設けることで、S1とS2とが互いに接近するようにし、電子膨張弁を閉じた後、弁ヘッド30の第1端301及び第2端302が受ける圧力が互いに接近し、弁ヘッド30が開閉する過程で摩擦力のみを克服すればよく、このようにして、弁ヘッド30アセンブリの動作の性能を確保し、電子膨張弁の動作の信頼性を向上させることができる。
【0021】
図1図2とを参照して示すように、弁ヘッド30は、第1端301から第2端302への方向に沿って順次連通された第1連通孔31、第2連通孔32及び第3連通孔33を有し、第1連通孔31の孔径、第3連通孔33の孔径は、いずれも第2連通孔32の孔径より大きく、電子膨張弁は、スクリュ40及び弁スリーブ50を更に含み、ここで、スクリュ40は収容室101内に移動可能に設けられ、スクリュ40の一端は順に第3連通孔33、第2連通孔32を貫通して第1連通孔31内に入り込み、弁スリーブ50は、第1連通孔31内に位置し、スクリュ40の端部に固定接続され、第1連通孔31と第2連通孔32とが形成する段付き面によって弁スリーブ50が軸方向に制限され、スクリュ40と第2連通孔32との間に第1隙間を有し、スクリュ40と弁スリーブ50との間に第2隙間を有し、第1隙間と第2隙間とが相互に連通されて均衡化通路が形成され、第1連通孔31と第3連通孔33とは均衡化通路によって相互に連通され、ここで、示す第1端301の端面の面積はS11、第1連通孔31と第2連通孔32とが形成する段付き面の面積はS12であり、S1はS11とS12との和であり、第2端302の端面の面積はS21、第3連通孔33と第2連通孔32とが形成する段付き面の面積はS22であり、S2はS21とS22との和である。上記の設計により、第1力受け面積がS11、S12を含み、第2力受け面積がS21、S22を含むようになり、このようにして、電子膨張弁を設計する際、S11とS21とができる限り接近し、S12とS22とができる限り接近するようにし、最終的にS1とS2とができる限り接近するようにすることができる。
【0022】
具体的には、スクリュ40の周面には、弁口102の方向に向かって延在し、スクリュ40と第2連通孔32との間に第1隙間が形成されるようにする切欠きが設けられている。弁スリーブ50には、弁スリーブ50の軸線方向に沿って延在する流通孔が設けられており、スクリュ40の切欠きが設けられている一端は、流通孔内に挿設されて弁スリーブ50に固定係合され、この切欠きによって、スクリュ40と流通孔との間に第2隙間が形成される。上記のように設けることで、第1隙間と第2隙間とがクリアランスフィットされて均衡化通路が形成されるように、第1隙間及び第2隙間がいずれもスクリュ40の同じ側に位置するように確保することができ、また、スクリュ40と弁スリーブ50との固定係合が容易になる。
【0023】
更に、弁ヘッド30の第1連通孔31に対応する部分の外径はD1、弁ヘッド30の第3連通孔33に対応する部分の外径はD2であり、D1=D2であり、第1連通孔31の孔径はd1、第3連通孔33の孔径はd2であり、-1mm≦d1-d2≦1mmである。d1及びd2を上記の範囲内に設けることで、S12とS22とができる限り接近するようにし、更にはS1とS2とができる限り接近することを確保する。具体的には、d1とd2とは、d1-d2=-1mm、d1=d2、d1-d2=1mmという関係を有してもよい。
【0024】
更に、第1端301の端部の外周面には面取りR1が設けられており、R0.04mm≦R1≦R0.8mmである。電子膨張弁が閉塞状態にある場合、第1端301の面取りR1が設けられている一端の外周面と弁口102とが係合されて、弁口102に対する閉塞を実現する。R1<0.04mmである場合、面取りの加工成形が不便であり、また、長期間使用した後は面取り部が摩耗しやすくなり弁ヘッド30の使用寿命が低下する。R1>0.8mmである場合、電子膨張弁が閉じたとき、弁ヘッド30の弁口102と接触する位置と弁ヘッド30の外周面との間の間隔が大きくなりすぎ、更にはS11とS21との差が大きくなってしまう。したがって、本実施例において、R1を上記の範囲内に設けることで、面取り加工の利便性を確保し、弁ヘッド30の寿命を確保できるだけでなく、S11とS12との差が大きくなりすぎることを回避することもできる。具体的には、R1は、0.04mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mmとしてもよい。
【0025】
更に、第1連通孔31は、段差状に連通された第1貫通孔3101及び第2貫通孔3102を含み、第1貫通孔3101の孔径は第2貫通孔3102の孔径より大きく、第1貫通孔3101は弁口102に近接して設けられ、第1貫通孔3101と第2貫通孔3102との間には段差面を有し、段差面の面積はS10であり、S1はS10、S11及びS12の和であり、及び/又は、第3連通孔33は、順次連通された第3貫通孔331及び第4貫通孔332を含み、第4貫通孔332はテーパ孔であり、第4貫通孔332の孔径は、弁口102から離れる方向に向かって徐々に大きくなっており、第4貫通孔332の力受け面積はS20であり、S2はS20、S21及びS22の和である。具体的には、第2貫通孔3102の孔径はd1、第3貫通孔331の孔径はd2である。本態様において、弁ヘッド30の両端の形状は互いに似ており、上記のように設けることで、作業者が弁ヘッド30の両端部を区別することが容易になり、更には作業者が弁ヘッド30を組み立てることが容易になることができる。また、上記のように設けることで、第1力受け面積S1と第2力受け面積S2との差分値への影響が比較的小さくなる。
【0026】
更に、第2端302の端部の外周面には面取りR3が設けられている。好ましくは、R0.2mm≦R3≦R1.3mmである。具体的には、R=0.2mm、0.5mm、1mm、1.3mmである。R3の設置により、第2端302の端部にバリが発生することを回避することができ、更には弁ヘッド30の移動のスムーズ性を確保することができる。
【0027】
本実施例において、D1=D2、d1=d2、R1=R0.04mmであり、上記のように設けることで、第1力受け面積と第2力受け面積との差分値が1.3mmの間にあるようにし、更には、弁ヘッド30の両端が受ける圧力の差を減少させ、電子膨張弁の動作の信頼性を確保することができる。
【0028】
図3及び図4に示すように、本出願の電子膨張弁は、更に、第1端301の外径が第2端302の外径より大きく、第1端301の外径と第2端302の外径との差分値が4mm以下であり、第1連通孔31の孔径と第3連通孔33の孔径との差分値が-1mm~1mmであるように設けられる。本態様では、第1端301の外径と第2端302の外径との差分値と、第1連通孔31の孔径と第3連通孔33の孔径との差分値とを協働して上記の範囲内に設けることで、S1とS2との差分値をできる限り減少させることができる。具体的には、第1端301の外径はD11、第1連通孔31の孔径はd11、第2端302の外径はD12、第3連通孔33の孔径はd12であり、且つD11、D12、d11、d12は、D11-D12=0.5mm、d11-d12=-1mm又はD11-D12=1.5mm、d11=d12又はD11-D12=4mm、d11-d12=1mmという関係を有してもよい。
【0029】
更に、第1端301の端部の外周面には面取りR2が設けられており、0.04mm≦R2≦3mmである。R2<0.04mmである場合、面取りの加工成形が不便であり、また、長期間使用した後は面取り部が摩耗しやすくなり弁ヘッド30の使用寿命が低下する。R2>3mmである場合、電子膨張弁が閉じたとき、弁ヘッド30の弁口102と接触する位置と弁ヘッド30の外周面との間の間隔が大きくなりすぎ、更にはS11とS21との差が大きくなってしまう。したがって、本実施例において、R2を上記の範囲内に設けることで、面取り加工の利便性を確保し、弁ヘッド30の寿命を確保できるだけでなく、S11とS12との差が大きくなりすぎることを回避することもできる。具体的には、R2は、0.04mm、1mm、2mm、3mmとしてもよい。
【0030】
具体的には、第1連通孔31に対応する弁ヘッド30の部分は、第1端301から第2端302への方向に沿って順次接続された第1セグメント311、遷移セグメント312及び第2セグメント313を有し、第2セグメント313の外径は第1セグメント311の外径より小さく、遷移セグメント312の外径は、第1セグメント311から第2セグメント313への方向に沿って徐々に小さくなっている。このように設けると、弁ヘッド30の外周面に段差構造が現われることを回避することができ、更には、弁ヘッド30の外周面の平滑性を確保することができ、弁ヘッド30の加工成形を容易にすることもできる。
【0031】
本実施例において、D11-D12=1.5mm、d11=d12、R2=R1mmである。上記のように設けることで、第1力受け面積と第2力受け面積との差分値が1.3mmの間にあるようにし、更には、弁ヘッド30の両端が受ける圧力の差を減少させ、電子膨張弁の動作の信頼性を確保することができる。
【0032】
図1及び図5に示すように、本出願の実施例の電子膨張弁は、弁体10、弁ヘッド30、スクリュ40及び弁スリーブ50を含む。ここで、弁体10は弁口102を有し、弁ヘッド30は、弁体10内に移動可能に設けられ、弁口102を閉塞又は開放することができ、軸方向に沿って順次連通された第1連通孔31、第2連通孔32及び第3連通孔33を有し、第1連通孔31は弁口102に近接して設けられ、且つ第2連通孔32の直径は第1連通孔31及び第3連通孔33の直径より小さく、スクリュ40は、弁ヘッド30内に挿設され、軸方向に沿って順次設けられた第1ロッドセグメント41及び第2ロッドセグメント42を有し、スクリュ40の側壁には、第1ロッドセグメント41の中間部から第2ロッドセグメント42の末端まで延在する断面構造44が設けられており、断面構造44と弁ヘッド30との間には均衡化通路を有し、弁スリーブ50は、第1連通孔31内に位置し、第1接続孔51を有し、第2ロッドセグメント42は第1接続孔51に接続され、断面構造44と第1接続孔51との間には第1隙間を有し、ここで、第1接続孔51の直径はD3、第1隙間の最大値はL1であり、0.5*D3>L1>0.1*D3である。
【0033】
ここで、L1>0.5D3である場合、第1隙間の最大値が大きくなり、このようにして、弁スリーブ50とスクリュ40との溶接強度が低下し、弁スリーブ50とスクリュ40との接続が失敗して、弁スリーブ50とスクリュ40との溶接後の構造強度に影響を与える。L1<0.1D3である場合、第1隙間の最大値が小さくなり、この場合でも、第1隙間を通過する媒体の流量が減少して、均衡化通路の均衡速度低下に影響する。したがって、本出願において、第1隙間の最大値L1を0.5*D3>L1>0.1*D3とすることで、均衡化通路の均衡速度を確保し、装置の作業効率を向上させる。具体的には、L1は、0.2D3、0.3D3又は0.4D3であってもよい。
【0034】
上記の構造を設けることにより、弁ヘッド30を弁体10内に移動可能に設け、スクリュ40を弁ヘッド30内に挿設することで、弁ヘッド30が弁体10内の弁口102を閉塞又は開放することを容易にし、同時に、スクリュ40と弁スリーブ50内の第1接続孔51とを挿設接続させ、また、スクリュ40の側壁に断面構造44を設け、断面構造44を利用して弁ヘッド30との間に均衡化通路を形成することで、均衡化通路の加工難易度を低下させ、均衡化通路の寸法を簡素化する。また、断面構造44と第1接続孔51との間に第1隙間を形成し、第1接続孔51の直径をD3とし、第1隙間の最大値をL1とし、0.5*D3>L1>0.1*D3とすることで、均衡化通路の加工難易度を低下させ、均衡化通路の寸法を簡素化できるだけでなく、上記の範囲により、均衡化通路の均衡速度を確保し、装置の作業効率を向上させることができる。
【0035】
図6及び図7に示すように、第1隙間の横断面積はSであり、S≧0.8mmである。上記のように設けることにより、実効的な均衡面積を提供して、均衡化通路の均衡速度を更に確保することができる。具体的には、Sは、0.8mm、0.9mm又は1.0mmであってもよい。
【0036】
具体的には、断面構造44の軸方向に沿う長さはL2であり、断面構造44と第2連通孔32との間に第2隙間を有し、第1隙間と第2隙間との軸方向に沿う長さの和はL3であり、L2≧1.3*L3である。このように設けると、均衡化通路の軸線方向に沿う長さが大きくなり、媒体が第1隙間を通過した後、弁ヘッド30の上端により迅速に到達して、均衡化通路の均衡化速度を更に向上させることができる。ここで、L2の値は、1.3*L3、1.4*L3又は1.5*L3であってもよい。
【0037】
更に、第2隙間は第1隙間より大きい。このように設けると、媒体についてより大きい流れ空間を提供することができ、媒体が第1隙間を通過した後、第2隙間をより迅速に通過することに有利であり、装置の流れ効率を向上させる。
【0038】
具体的には、断面構造44の弁スリーブ50から離れた一端と弁ヘッド30の上端面との距離はL4であり、L4≦3mmである。上記のように設けることにより、媒体が均衡化通路を通過した後、引き続いて、第1セグメントと第1連通孔との間の隙間を流れることを更に確保することができ、媒体が弁ヘッド30の上端に到達するまでの時間を短縮し、装置の均衡速度を更に向上させる。ここで、L4の値は、3mm、2mm又は1mmであってもよい。
【0039】
更に、スクリュ40は第3ロッドセグメント43を更に有し、第3ロッドセグメント43は、第1ロッドセグメント41の弁口102から離れた一端に接続され、第3ロッドセグメント43の直径は第1ロッドセグメント41の直径より大きく、断面構造44の弁スリーブ50から離れた一端と第3ロッドセグメント43の弁口102に近接する一端との距離はL5であり、L5≧2*D3である。このように設けると、装置の運転中にスクリュ40をガイドすることに有利であり、同時に、第3ロッドセグメント43の直径を第1セグメントの直径より大きくすることで、装置の運転中の安定性を確保することができる。ここで、L5の値は、2*D3、3*D3又は4*D3であってもよい。
【0040】
具体的には、第1ロッドセグメント41の直径は第2ロッドセグメント42の直径より大きい。このように設けると、スクリュ40の下部セグメントの構造強度を増加させるのに有利であり、装置の運転中の作業性能を確保する。
【0041】
更に、電子膨張弁は、スクリュ40に嵌合され、一端が第3連通孔33と第2連通孔32との間の段差面に当接され、他端が第1ロッドセグメント41と第3ロッドセグメント43との間の段差面に当接されるバネ60を更に含む。この構造により、弁ヘッド30は、他の外力の作用を受けずに弁口102を閉塞することができる。
【0042】
本出願で提供される技術態様により、弁ヘッド30を弁体10内に移動可能に設け、スクリュ40を弁ヘッド30内に挿設することで、弁ヘッド30が弁体10内の弁口102を閉塞又は開放することを容易にし、同時に、スクリュ40と弁スリーブ50内の第1接続孔51とを挿設接続させ、また、スクリュ40の側壁に断面構造44を設け、断面構造44を利用して弁ヘッド30との間に均衡化通路を形成することで、均衡化通路の加工難易度を低下させ、均衡化通路の寸法を簡素化する。また、断面構造44と第1接続孔51との間に第1隙間を形成し、第1接続孔51の直径をD3とし、第1隙間の最大値をL1とし、0.5*D3>L1>0.1*D3とすることで、均衡化通路の加工難易度を低下させ、均衡化通路の寸法を簡素化できるだけでなく、同時に、均衡化通路の均衡速度を確保し、装置の作業効率を向上させることもできる。同時に、スクリュ40にはバネ60が嵌合されており、この構造により、弁ヘッド30は、他の外力の作用を受けずに弁口102を閉塞することができる。
【0043】
図1図8から図10に示すように、本出願の実施例で提供される電子膨張弁は、弁体10、ガイドスリーブ20、弁ヘッド30及び封止リング70を含む。弁体10は収容室101を有し、弁体10には弁口102が設けられており、弁口102は収容室101と連通され、弁口102は流体を流すために用いられる。ガイドスリーブ20は収容室101内に設けられ、ガイドスリーブ20は弁体10に固定接続され、ガイドスリーブ20には第1ガイド孔201が設けられている。弁ヘッド30は第1ガイド孔201内に移動可能に挿設され、弁ヘッド30は弁口102を閉塞するために用いられる。第1ガイド孔201は、弁ヘッド30が弁口102を正確に閉塞するように、弁ヘッド30をガイドするために用いられる。弁ヘッド30の外側壁には環状凹溝52が設けられており、環状凹溝52と弁ヘッド30とは同軸に設けられ、封止リング70は第1ガイド孔201と環状凹溝52との間に設けられる。封止リング70は、第1ガイド孔201と弁ヘッド30との間のギャップを封止するために用いられ、流体がガイドスリーブ20の上方に入り込んで、電子膨張弁の部品が損傷したり腐食したりすることを防止することができるだけでなく、弁ヘッド30が動くことを防止することもできる。
【0044】
ここで、封止リング70の外径はD32、第1ガイド孔201の直径はD31であり、D32をD31より大きくし、且つD32とD31との差分値の範囲を0.1mm~0.5mmの間に設ける。封止リング70の外径D32が第1ガイド孔201の直径D31より小さいと、封止リング70が第1ガイド孔201と弁ヘッド30との間のギャップを完全に封止することができないため、封止リング70の外径D32を第1ガイド孔201の直径D31より大きくすることで、第1ガイド孔201と弁ヘッド30との間のギャップが完全に封止されるようにすることができる。D32とD31との差分値が0.1mmより小さいと、ガイドスリーブと弁スリーブとの封止効果が良好でなく、D32とD31との差分値が0.5mmより大きいと、封止リングとガイドスリーブとの同士の押し付け力が比較的大きくなって、封止リングとガイドスリーブとの間の摩擦力が比較的大きくなり、更には、封止リングが摩耗されやすくなってしまうため、D32とD31との差分値の範囲を0.1mm~0.5mmとすることで、ガイドスリーブと弁スリーブとの封止効果を比較的良好にすることができるだけでなく、封止リングを摩耗されにくくして、封止リングの使用寿命を延長させることもできる。
【0045】
本出願の技術態様を適用すると、弁ヘッド30の外側壁に環状凹溝52が設けられており、封止リング70が第1ガイド孔201と環状凹溝52との間に設けられることで、封止リング70を第1ガイド孔201と弁ヘッド30との間に堅固に保持させることができる。D32とD31との差分値の範囲を0.1mm~0.5mmとすることで、ガイドスリーブ20と弁ヘッド30との封止効果を比較的良好にすることができ、封止リング70を摩耗されにくくすることもでき、更には封止リング70の使用寿命を延長させることができる。更に、封止リング70とガイドスリーブ20との間及び弁ヘッド30との間に摩擦力を有することで、弁ヘッド30がガイドスリーブ20に対して動くことを防止することができる。
【0046】
図8から図10に示すように、具体的には、環状凹溝52の内径はD34、封止リング70の内径はD35であり、且つD34とD35との差分値の範囲は-0.5mm~0.5mmである。D34からD35を減じた値が-0.5mmより小さいと、環状凹溝52と封止リング70との間の隙間が比較的大きくなり、封止リング70が第1ガイド孔201の内壁により押し付け変形されやすくなって、封止リング70とガイドスリーブ20又は環状凹溝52とが密着されず、更には封止リング70の封止性が比較的低くなる。D34からD35を減じた値が0.5mmより大きいと、封止リング70と環状凹溝52とが相互に押し付けられて、封止リング70が常に張り状態に保持され、封止リング70が疲労しすくなり、更には封止リング70の寿命が短くなる。したがって、D34とD35との差分値の範囲が-0.5mm~0.5mmであることで、封止リング70の封止性を比較的良好にすることができるだけでなく、封止リング70の寿命が比較的長いことを確保することもできる。
【0047】
本実施例において、環状凹溝52の幅はL31、封止リング70の横断面直径はD33であり、L31はD33の1.1倍~1.4倍である。L31がD33の1.1倍より小さいと、封止リング70とガイドスリーブ20とが相互に押し付けられるとき、環状凹溝52内に封止リング70を収容するのに十分な空間がなく、弁ヘッド30がガイドスリーブ20に沿って移動する際に、封止リング70が環状凹溝52から離脱しやすくなる。L31がD33の1.4倍より大きいと、環状凹溝52内の空間が大きくなりすぎ、弁ヘッド30がガイドスリーブ20に沿って移動する際に、封止リング70が環状凹溝52に対しても変位し、封止リング70と環状凹溝52及びガイドスリーブ20との間にいずれも摩擦力を有するようになり、更には封止リング70が摩耗しやすくなる。したがって、L31をD33の1.1倍~1.4倍とすることで、封止リング70を環状凹溝52に安定的に設けることができるだけでなく、封止リング70が過度に摩耗することを防止することもできる。
【0048】
具体的には、封止リング70の外径D32の範囲は6.5mm~8.5mmである。D32とD31との差分値の範囲が0.1mm~0.5mmであるため、第1ガイド孔201の直径D31の範囲は6mm~8.4mmである。D31が6mmより小さいと、第1ガイド孔201の加工が比較的複雑になる。D31が8.4mmより大きいと、ガイドスリーブ20の構造寸法が比較的大きくなって、収容室101の空間が減少してしまい、更には流体の流れ量を減少させる。したがって、D31の範囲を6mm~8.4mmとすることで、第1ガイド孔201の加工を容易にすることができるだけでなく、ガイドスリーブ20の構造寸法を比較的小さくすることもできる。具体的には、D32は、6.5mm、7.5mm又は8.5mmであってもよく、D31は、6mm、7mm又は8.4mmであってもよい。
【0049】
具体的には、封止リング70の横断面直径D33の範囲は0.5mm~1mmである。封止リング70の横断面直径Dが0.5mmより小さいと、封止リング70の寸法が比較的小さくなるため、加工が難しくなり、且つ耐摩耗性能が比較的低くなる。封止リング70の横断面直径Dが1mmより大きいと、封止リング70を加工するのに比較的多くの原材料が必要となり、コストが比較的高い。したがって、封止リング70の横断面直径D33の範囲を0.5mm~1mmとすることで、封止リング70の加工を容易にするだけでなく原材料も節約する。具体的には、D33は、0.5mm、0.75mm又は1mmであってもよい。
【0050】
本実施例において、環状凹溝52は弁ヘッド30の中間部に位置する。環状凹溝52が弁ヘッド30の中間部に設けられることで、弁ヘッド30及び環状凹溝52の構造強度を確保することができ、また、環状凹溝52を弁ヘッド30の中間部に設けることで、封止リング70が環状凹溝52から抜かれる可能性を減少させることもできる。
【0051】
ここで、環状凹溝52の軸線に垂直な中心線から弁ヘッド30の端部までの距離はL32であり、L32は弁ヘッド30の長さL33の35%~65%である。L32がL33の35%より小さいか又はL32がL33の65%より大きい場合、環状凹溝52が弁ヘッド30の縁部に近づくと、環状凹溝52により弁ヘッド30の構造強度が比較的低くなりやすい。したがって、L32をL33の35%~65%とすることで、弁ヘッド30の構造強度を比較的大きくすることができる。具体的には、L32は、L33の50%であってもよい。
【0052】
上記の比率関係を満たす前提で、環状凹溝52の軸線に垂直な中心線から弁ヘッド30の端部までの距離L32の範囲は6.5mm~8mmである。L32が6.5mmより小さいと、弁ヘッド30の全体の長さが比較的短くなり、製品の加工及び流量に対する制御に不利である。L32が8mmより大きいと、弁ヘッド30の全体が比較的長くなって、弁体10の構造寸法が比較的大きくなり、製品のコストが増大する。したがって、L32の範囲を6.5mm~8mmとすることで、弁ヘッド30の構造強度を確保することができ、また、流量の制御を容易にすることができる。具体的には、L32は、6.5mm、7.5mm又は8mmであってもよい。
【0053】
本出願の技術態様を適用すると、弁ヘッド30の外側壁に環状凹溝52が設けられており、封止リング70が第1ガイド孔201と環状凹溝52との間に設けられることで、封止リング70を第1ガイド孔201と弁ヘッド30との間に堅固に保持させることができる。D32とD31との差分値の範囲を0.1mm~0.5mmとすることで、ガイドスリーブ20と弁ヘッド30との封止効果を比較的良好にすることができ、封止リング70を摩耗されにくくすることもできる。環状凹溝52の内径がD34、封止リング70の内径がD35であり、D34とD35との差分値の範囲が-0.5mm~0.5mmであることで、封止リング70の封止性を比較的良好にすることができるだけでなく、封止リング70の寿命が比較的長いことを確保することもできる。環状凹溝52の軸線方向に沿う幅がL31、封止リング70の横断面直径がD33であり、L31がD33の1.1倍~1.4倍であることで、封止リング70を環状凹溝52内に安定的に設けることができるだけでなく、封止リング70が過度に摩耗することを防止することもできる。
【0054】
図11及び図12に示すように、本出願は、弁座11を含む弁体10を含み、弁ヘッド30を更に含む電子膨張弁を提供する。ここで、弁座11は弁チャンバ1101及び弁口102を有し、弁口102は、順に接続された第1テーパ孔セグメント1021、直孔セグメント1022及び第2テーパ孔セグメント1023を有し、第1テーパ孔セグメント1021の直孔セグメント1022から離れた端部の直径は、第1テーパ孔セグメント1021の直孔セグメント1022に接続された端部の直径より大きく、第2テーパ孔セグメント1023の直孔セグメント1022から離れた端部の直径は、第2テーパ孔セグメント1023の直孔セグメント1022に接続された端部の直径より大きく、直孔セグメント1022の高さはL41、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度はA4であり、直孔セグメント1022の長さL41は0.5mm~1.5mmであり、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4は20°~60°であり、弁ヘッド30は弁チャンバ1101内に移動可能に設けられ、弁ヘッド30は、弁口102を閉塞する閉塞位置及び弁口102を開放する開放位置を有する。
【0055】
ここで、直孔セグメント1022の長さL41が1.5mmより大きく、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4が20°より小さい場合、弁口102を流れる流体の流量が増加する。直孔セグメント1022の長さL41が0.5mmより小さく、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4が60°より大きい場合、弁口102を流れる流体の流量が減少する。上記の2種類の設定はいずれも弁口102の流量係数を低下させて、流体が弁口102を流れるときの圧力損失を増加させると同時に、装置の内部漏れ防止性能もそれに応じて低下させる。したがって、本出願において、直孔セグメント1022の長さL41を0.5mm~1.5mmの間に設け、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4を20°~60°の間に設け、第2テーパ孔セグメント1023を設けることで、直孔セグメント1022の長さL41を小さくすることができ、また、直孔セグメント1022の下端をテーパ面に置き換えることで、流体が弁口102を流れるときの弁口102の内壁との流れ抵抗を減少させ、流体が弁口102を流れるときの圧力損失を減少させることができ、更には弁口102の流量係数を効果的に向上させることができる。具体的には、直孔セグメント1022の長さL41は、0.5mm、1mm又は1.5mmであってもよく、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4は、20°、50°又は60°であってもよい。
【0056】
上記の構造を設けることにより、弁口102を、順に接続された第1テーパ孔セグメント1021、直孔セグメント1022及び第2テーパ孔セグメント1023の三段式の構造として設けると同時に、直孔セグメント1022の長さL41を0.5mm~1.5mmの間に設け、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4を20°~60°の間に設けることで、弁口102の流量係数を効果的に向上させ、流体が弁口102を流れるときの圧力損失を減少させることができると同時に、装置の内部漏れ防止性能を向上させることもでき、装置の運転中の安定性を確保する。
【0057】
更に、弁ヘッド30は第1外側壁を有し、第1外側壁と第1テーパ孔セグメント1021の内壁とが係合されて弁口102を閉塞し、第1外側壁の直径はD41であり、ここで、D41の値は5mm~8mmである。このように設けると、弁ヘッド30の構造が簡単になり、加工が容易になり、製造コストを節約すると同時に、第1外側壁の直径であるD41を5mm~8mmの間に設けることで、異なる寸法の電子膨張弁の取り付けを満たすことができ、弁ヘッド30の適用性をそれに応じて向上させる。具体的には、第1外側壁の直径Dは、5mm、6mm又は8mmであってもよい。
【0058】
図13に示すように、直孔セグメント1022の直径はD42であり、ここで、D41-D42≧0.2mmである。このように、弁ヘッド30と弁口102とが封止される場合、弁ヘッド30の全てが直孔セグメント1022の外周に覆われることができるように確保することができ、装置の封止がより確実になり、ここで、D41-D42の値は、0.2mm、0.5mm又は0.7mmであってもよい。
【0059】
更に、第1テーパ孔セグメント1021のテーパ角は、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角より大きい。上記のように設けることにより、直孔セグメント1022は、異なる規格の弁ヘッド30に適用できるようになり、このように、直孔セグメント1022と弁ヘッド30とが係合接続されるとき、直孔セグメント1022は、弁座11から流れ出る流体の流量を調節することを容易にすることができ、よって、装置の流体の流量を制御することが容易になる。
【0060】
具体的には、第1テーパ孔セグメント1021のテーパ角はB4であり、B4の値は25°~65°である。このように設けると、第1テーパ孔セグメント1021のテーパ角に対してより多くの選択可能な角度を提供し、第1テーパ孔セグメント1021の流量に対する調節範囲を増大させることができると同時に、装置の流量に対する制御もより容易になる。具体的には、第1テーパ孔セグメント1021のテーパ角B4は、25°、30°又は65°であってもよい。
【0061】
更に、第1テーパ孔セグメント1021の最大直径は、第2テーパ孔セグメント1023の最大直径より大きい。このように、弁口102の弁チャンバ1101に近接する箇所における流体の流れ空間を増大させるのに有利であり、装置の最大流れ面積を増加させることができる。
【0062】
具体的には、第1テーパ孔セグメント1021の最大直径はD43であり、D43の値は6mm~9.5mmであり、第2テーパ孔セグメント1023の最大直径はD44であり、D44の値は7mm~8.5mmである。上記のように設けることにより、流体の流量を調節すると同時に、流体が弁口102を流れる場合の流れ抵抗を減少させることができ、このようにして、装置の運転効率を向上させることができ、ここで、直孔セグメント1022の最大直径Dは6mm、7mm又は9.5mmであってもよい。
【0063】
更に、電子膨張弁は、弁座11に固定され、且つ一部が弁チャンバ1101内に位置し、内部に弁ヘッド30が移動可能に設けられるガイドスリーブ20を更に含む。上記のように設けることにより、ガイドスリーブ20と弁座11とを固定接続し、このようにして、ガイドスリーブ20によって弁ヘッド30をガイドして、弁ヘッド30が軸方向に沿って安定的に移動するようにすることができる。
【0064】
更に、弁座11は、軸線に沿って段差状に設けられた第1孔セグメント111及び第2孔セグメント112を更に含み、第2孔セグメント112の一端は第1孔セグメント111に接続され、第2孔セグメント112の他端は弁チャンバ1101に接続され、第1孔セグメント111の直径は第2孔セグメント112の直径より大きく、ガイドスリーブ20と第2孔セグメント112とはトランジションフィットされる。上記の構造を設けることにより、ガイドスリーブ20と弁座11とを固定接続することができ、装置の運転中にガイドスリーブ20が変位することを防止し、装置の運転中の安定性を確保する。
【0065】
本出願で提供される技術態様により、弁口102を、順に接続された直孔セグメント1022、直孔セグメント1022及び第2テーパ孔セグメント1023の三段式の構造として設けると同時に、直孔セグメント1022の長さL41を0.5mm~1.5mmの間に設け、第2テーパ孔セグメント1023のテーパ角度A4を20°~60°の間に設けることで、弁口102の流量係数を効果的に向上させ、流体が弁口102を流れるときの圧力損失を減少させることができると同時に、装置の内部漏れ防止性能を向上させることもでき、装置の運転中の安定性を確保し、同時に、ガイドスリーブ20と弁座11とを固定接続するため、装置の運転中にガイドスリーブ20が変位することを防止し、装置の運転中の安定性を確保する。
【0066】
図14から図18に示すように、本出願で提供される電子膨張弁は弁体10を含み、弁体10は弁座11を含む。ここで、弁座11は、軸線に沿って順次接続された第1孔セグメント111、第2孔セグメント112及び弁チャンバ1101を有し、弁座11には弁口102が設けられており、弁口102は弁チャンバ1101の第2孔セグメント112から離れた一端に接続され、第2孔セグメント112の直径は第1孔セグメント111の直径より小さく、ガイドスリーブ20は弁座11に固定して設けられ、ガイドスリーブ20は、軸線に沿って相互に接続された接続セグメント21及びガイドセグメント22を有し、接続セグメント21は第1孔セグメント111及び第2孔セグメント112に対応して設けられ、ガイドセグメント22は弁チャンバ1101内に位置し、接続セグメント21の外側壁には溶接リング溝23が環状に設けられており、ここで、第1孔セグメント111の直径はD51、接続セグメント21の直径はD53であり、0.1mm≧D51-D53≧0.02mmである。
【0067】
ここで、D51-D53≦0.02である場合、第1孔セグメント111と接続セグメント21との隙間を減少させることで、溶接リングが隙間に入り込む面積を減少させ、更には溶接品質を低下させる。D51-D53≧0.1mmである場合、第1孔セグメント111と接続セグメント21との隙間を増大させ、ガイドスリーブ20と弁座11との組み立て、溶接に不利であり、また、溶接品質を確保するためには、溶接リングを増加させる必要があり製造コストが増加する。したがって、本出願において、D51-D53の値を0.02mm~0.1mmの間に設けることで溶接品質を確保することができる。具体的には、D51-D53の値は、0.02mm、0.05mm又は0.1mmであってもよい。
【0068】
上記の構造により、第1孔セグメント111の直径を接続セグメント21の直径より大きくすることで、第1孔セグメント111と接続セグメント21との間に隙間を有するようにし、また、両者の隙間を0.02mm~0.1mmの間に設け、この隙間によって、接続セグメント21と第1孔セグメント111との間に溶接ビードを形成させることができ、更には、溶接するとき、溶接リング溝23内の溶接リングが溶融して溶接ビードに入り込むことを容易にすることができ、このようにして、ガイドスリーブ20と弁座11との溶接の信頼性を向上させることができ、ガイドスリーブ20と弁座11との溶接後の係合がより密着、強固になるようにすることができる。
【0069】
更には、接続セグメント21と第2孔セグメント112とはインターフェアランスフィットされる。このように設けると、第2孔セグメント112を利用して接続セグメント21の弁座11における位置を制限することができ、取り付ける際にガイドスリーブ20を位置決めすることが容易になり、組み立て後の装置の安定性を向上させる。
【0070】
具体的には、第2孔セグメント112の直径はD52であり、ここで、0.05mm≧D53-D52≧0mmである。両者の間隔を0~0.05mmの間に設けることで、弁座11とガイドスリーブ20との位置決め作用を更に向上させることができると同時に、ガイドスリーブ20を取り付ける際に第2孔セグメント112内に配置することも容易にすることができ、上記の範囲限定により、装置の組み立ての安定性を向上させる。ここで、D53-D52の値は、0mm、0.02mm又は0.05mmであってもよい。
【0071】
更に、第2孔セグメント112の直径はD52であり、ここで、D51-D52≧0.02mmである。第1孔セグメント111の直径を第2孔セグメント112の直径より大きくすることで、第1孔セグメント111と第2孔セグメント112とが段差状に設けられるようにし、このように、取り付け過程において弁座11がガイドスリーブ20をガイドするのに有利となり、ガイドスリーブ20の取り付けが容易になり、組み立て効率を向上させる。具体的には、D51-D52の値は、0.02mm、0.04mm又は0.06mmであってもよい。
【0072】
更に、接続セグメント21は、第1接続セグメント211及び第2接続セグメント212を有し、溶接リング溝23は第1接続セグメント211と第2接続セグメント212との間に位置し、第2接続セグメント212は第2孔セグメント112内に位置し、第2接続セグメント212の高さはL51、第2孔セグメント112の高さはL52、第1接続セグメント211の弁口102に近接する一端と接続セグメント21の弁口102に近接する一端との間の間隔はL53であり、L53>L52>L51である。上記のように設けることにより、非閉鎖的な溶接ビード構造を構築することができ、溶接リングを充填することが容易になり、また、上記の構造を利用することで、溶接リングが第1孔セグメント111、第2孔セグメント112、第1接続セグメント211及び第2接続セグメント212の間に位置するようにし、このようにして、弁座11とガイドスリーブ20との溶接品質を向上させることができる。
【0073】
具体的には、L51≧1mmである。このようにして、ガイドスリーブを弁体内に安定的に固定することができ、且つガイドスリーブと弁体との効果的な接続を確保することができ、弁座11とガイドスリーブ20との溶接品質を更に向上させるのに有利である。ここで、L51の値は、1mm、2mm又は3mmであってもよい。
【0074】
図17に示すように、第1接続セグメント211の高さはL54であり、ここで、L54≧0.5mmである。上記のように設けることにより、弁体とガイドスリーブ20との実効的な溶接長さを確保することができ、弁体とガイドスリーブ20との溶接後の品質を更に向上させ、溶接後の装置の構造強度も向上させる。具体的には、L54の値は、0.5mm、0.8mm又は0.9mmであってもよい。
【0075】
図18に示すように、電子膨張弁は、ハウジング12、ナットスリーブ80及びスクリュ40を更に含む。ここで、ハウジング12は弁座11に接続され、ハウジング12と弁座11との間には取り付けチャンバ121を有し、ナットスリーブ80は取り付けチャンバ121内に設けられ、スクリュ40は取り付けチャンバ121内に移動可能に設けられ、スクリュ40はナットスリーブ80に挿設され且つナットスリーブ80に螺合され、弁ヘッド30はガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、弁ヘッド30はスクリュ40に駆動連結され、スクリュ40は、弁ヘッド30を駆動して弁口102を開放又は閉塞するために用いられる。弁ヘッド30が開位置と閉位置との間を移動することにより、取り付けチャンバ121と弁チャンバ1101とを連通させることができ、装置の運転時の安定性を確保する。
【0076】
本出願で提供される技術態様により、第1孔セグメント111の直径を接続セグメント21の直径より大きくすることで、第1孔セグメント111と接続セグメント21との間に隙間を有するようにし、また、両者の隙間を0.02mm~0.1mmの間に設け、この隙間によって、接続セグメント21と第1孔セグメント111との間に溶接ビードを形成させることができ、更には、溶接するとき、溶接リング溝23内の溶接リングが溶融して溶接ビードに入り込むことを容易にすることができ、このようにして、ガイドスリーブ20と弁座11との溶接の信頼性を向上させることができ、ガイドスリーブ20と弁座11との溶接後の係合がより密着、強固になるようにすることができる。同時に、弁ヘッド30が開位置と閉位置との間を移動することにより、取り付けチャンバ121と弁チャンバ1101とを連通させることができ、装置の運転時の安定性を確保する。
【0077】
図19に示すように、本出願の実施例で提供される電子膨張弁は、弁体10及びガイドスリーブ20を含む。弁体10は収容室101を有し、弁体10の側壁には第1開口103が設けられており、弁体10の底端には第2開口104が設けられており、弁体10には弁口102が設けられており、弁口102と第2開口104とは同軸に設けられ、第2開口104は弁口102を介して収容室101と連通され、ガイドスリーブ20は収容室101内に設けられ、ガイドスリーブ20は弁体10に固定接続され、ガイドスリーブ20と弁口102とは同軸に設けられ、ガイドスリーブ20は、順次接続された接続セグメント21、第1円柱セグメント24、緩衝セグメント25及び第2円柱セグメント26を含み、接続セグメント21は弁体10に固定接続するために用いられ、第2円柱セグメント26は弁口102に近接して設けられ、第2円柱セグメント26の直径は第1円柱セグメント24の直径より小さく、緩衝セグメント25の直径は第1円柱セグメント24から第2円柱セグメント26への方向に沿って徐々に小さくなっている。緩衝セグメント25の直径は徐々に小さくなっており、流体がガイドスリーブ20の側壁へ流れるとき、緩衝セグメント25を利用して流体の衝撃力を減少させることができ、且つ緩衝セグメント25を利用して流体をガイドすることができる。ここで、緩衝セグメント25は、外壁が傾斜面であるテーパ構造であってもよく、外壁が円弧面であるテーパ構造であってもよく、順に小さくなる複数の段差セグメントが順次接続して形成されていてもよい。
【0078】
本出願の技術態様を適用すると、ガイドスリーブ20が、順次設けられた接続セグメント21、第1円柱セグメント24、緩衝セグメント25及び第2円柱セグメント26を含み、第2円柱セグメント26が弁口102に近接して設けられ、緩衝セグメント25の直径が第1円柱セグメント24から第2円柱セグメント26への方向に沿って徐々に小さくなっており、緩衝セグメント25を設けることで、流体が第1開口103からガイドスリーブ20の外側壁へ流れるときに受ける衝撃力を減少させることができ、且つ緩衝セグメント25は、流体をガイドして流体をガイドスリーブ20の側壁に沿って第2開口104の方向へ流させることができ、更には単位時間当たりの流体の流量を増大させることができる。また、第2円柱セグメント26の直径を第1円柱セグメント24の直径より小さくすることで、収容室101内の流動空間を増大させることができ、更には電子膨張弁の単位時間当たりの流体の流量を更に増大させることができる。
【0079】
図21に示すように、具体的には、第1円柱セグメント24の直径はD61、第2円柱セグメント26の直径はD62であり、ここで、D61-D62≧1mmである。D61-D62<1mmであると、第2円柱セグメント26の直径が比較的大きくなって、収容室の空間を減少させ、即ち、流体の流れ空間が比較的小さくなり、更には単位時間当たりの電子膨張弁の流体の流量を減少させることができる。したがって、D61-D62≧1mmであることで、電子膨張弁内の流動空間を増加させることができ、電子膨張弁の単位時間当たりの流体の流量を増大させることができる。具体的には、D61-D62は、1mm、2mmであってもよい。
【0080】
図20に示すように、具体的には、緩衝セグメント25は円錐セグメントであり、緩衝セグメント25のテーパ角はδであり、δの範囲は30°~90°である。δが30°より小さいと、緩衝セグメント25の側面の傾斜角度が小さくなるため、緩衝セグメント25のガイド作用が弱まる。δが90°より大きいと、緩衝セグメント25の傾斜角度が比較的大きくなり、緩衝セグメント25の長さが比較的短くなり、緩衝セグメント25の緩衝作用が弱まる。したがって、δの範囲を30°~90°とすることで、緩衝セグメント25に良好な緩衝作用及びガイド作用を持たせることができる。具体的には、δは、20°、50°又は90°であってもよい。
【0081】
本実施例において、円錐セグメントの弁口102に近接する一端の直径は第2円柱セグメント26の直径と等しく、円錐セグメントの弁口102から離れた一端の直径は第1円柱セグメント24の直径と等しい。このように設けると、ガイドスリーブ20の外面が連続的で滑らかであるため、流体がガイドスリーブ20へ流れるときに受ける衝撃力を減少させることができ、更には流体の流量を増加させる。
【0082】
図20に示すように、本実施例において、電子膨張弁は接続管1031を更に含み、接続管1031は第1開口103に接続され、ガイドスリーブ20の底端は接続管1031の内壁の底端より高く、接続管1031の内壁の底端からガイドスリーブ20の底端までの間隔はL61であり、L61は1mm以上である。L61が1mmより小さいと、ガイドスリーブ20が接続管1031の開口を大幅に遮断して、接続管1031から第2開口104へ流れる流体の流量が減少してしまうため、L61が1mm以上であることで、電子膨張弁の流体の流量を増加させることができる。具体的には、L61は、1mm、2mm又は3mmであってもよい。
【0083】
具体的には、接続管1031の径方向において、ガイドスリーブ20の底端の端面は接続管1031の軸線に近接して設けられる。このように設けると、ガイドスリーブ20の長さの要求を満たすことを確保できるだけでなく、接続管1031の開口の遮断される部分が比較的小さくなるようにすることができ、電子膨張弁の流体の流量を増大させることができる。
【0084】
具体的には、緩衝セグメント25の弁口102から離れた一端は接続管1031の内壁の先端より高い。このように設けると、ガイドスリーブ20の接続管1031に対向する部分の直径が比較的小さくなり、更には、接続管1031の開口のガイドスリーブ20に遮断される範囲を減少させることができ、流体の流量が比較的大きくなる。
【0085】
図20に示すように、本実施例において、緩衝セグメント25の弁口102から離れた一端と接続管1031の内壁の先端との間の距離はL62であり、L62は1mm以上である。L62が1mmより小さいと、緩衝セグメント25の接続管1031に対向する部分の直径が比較的大きくなって、接続管1031の開口のより大きな部分が遮断されるため、L62が1mm以上であることで、接続管1031の開口の遮断される範囲を比較的小さくし、更には単位時間当たりの電子膨張弁の流体の流量を比較的大きくすることができる。具体的には、L62は、1mm、2mm又は2.5mmであってもよい。
【0086】
図21に示すように、本実施例において、第1円柱セグメント24の直径D61の範囲は8.5mm~13mmである。ガイドスリーブ20の内部には弁ヘッド30が移動可能に設けられており、弁ヘッド30は弁口102を閉塞又は開放するために用いられ、第1円柱セグメント24の直径D61が8.5mmより小さいと、ガイドスリーブ20の内径が比較的小さくなり、弁ヘッド30の直径が比較的小さくなり、更には弁ヘッド30が弁口102を閉塞するための要求を満たすことができなくなる。第1円柱セグメント24の直径が13mmより大きいと、ガイドスリーブ20の構造寸法が比較的大きくなり、更には弁体10の構造寸法が比較的大きくなってしまう。したがって、第1円柱セグメント24の直径D61の範囲を8.5mm~13mmとすることで、弁体30が要求を満たすことを確保することができるだけでなく、弁体10の構造をコンパクトにすることもでき、電子膨張弁が占める空間を節約する。具体的には、D61は、8.5mm、11mm又は13mmであってもよい。
【0087】
図20に示すように、具体的には、接続管1031の内壁の直径はD63であり、D63の範囲は8mm~14mmである。D63が8mmより小さいと、接続管1031の内径が比較的小さくなり、電子膨張弁の流体の流量が比較的小さくなってしまう。D63が14mmより大きいと、接続管1031の内径が比較的大きくなり、電子膨張弁の体積が比較的大きくなってしまう。したがって、D63の範囲を8mm~14mmとすることで、電子膨張弁の流体の流量を比較的大きくすることができるだけでなく、電子膨張弁の構造がコンパクトであることを確保することもできる。具体的には、D63は、8mm、12mm又は14mmであってもよい。
【0088】
本出願の技術態様を適用すると、第2円柱セグメント26が弁口102に近接して設けられ、緩衝セグメント25の直径が、第1円柱セグメント24から第2円柱セグメント26への方向に沿って徐々に小さくなっており、緩衝セグメント25を設けることで、第1開口103からガイドスリーブ20へ流れる流体が受ける衝撃力が比較的小さくなり、且つ緩衝セグメント25は、流体をガイドして流体をガイドスリーブ20に沿って第2開口104の方向へ流させ、更には単位時間当たりの電子膨張弁の流体の流量を増大させることができる。第2円柱セグメント26の直径が第1円柱セグメント24の直径より小さく、第2円柱セグメント26の直径が比較的小さいことで、収容室101内の空間を増大させ、流体の流れ空間が比較的大きくなり、更には単位時間当たりの電子膨張弁の流体の流量を増大させることができる。第1円柱セグメント24の直径がD61、第2円柱セグメント26の直径がD62であり、D61-D62≧1mmであることで、電子膨張弁内の流体の流れ空間を比較的大きくすることができ、更には単位時間当たりの電子膨張弁の流体の流量が比較的大きいことを確保することができる。
【0089】
図22から図24に示すように、本出願の実施例は、弁体10及びナットスリーブ80を含む電子膨張弁を提供する。弁体10は、弁チャンバ1101及び弁口102を有し、弁チャンバ1101と弁口102とは連通され、弁チャンバ1101は、段差状に設けられた第1取り付けセグメント11011及び第2取り付けセグメント11012を含み、第1取り付けセグメント11011の内径は第2取り付けセグメント11012の内径より大きい。第1取り付けセグメント11011及び第2取り付けセグメント11012は弁チャンバ1101の内壁に設けられ、第1取り付けセグメント11011及び第2取り付けセグメント11012は弁体10と一体化して設けられる。ナットスリーブ80の外周には、環状取り付け板81が設けられており、環状取り付け板81は第1取り付けセグメント11011内に位置し、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011の内壁とは溶接接続され、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011の側面とはクリアランスフィットされる。ナットスリーブ80の弁口102に近接する一端には第2ガイド孔801を有し、電子膨張弁は、一部が弁チャンバ1101内に位置し、且つナットスリーブ80の弁口102に近接する一端に位置し、弁口102から離れた一端が第2ガイド孔801内に入り込み、ナットスリーブ80と同軸に設けられ、第2ガイド孔801とインターフェアランスフィットされるガイドスリーブ20を更に含む。以上の構造により、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との間で良好な同軸度を維持させることができる。ナットスリーブ80とガイドスリーブ20との間が固定接続されるように設けることで、環状取り付け板81を溶接するときに、ナットスリーブ80と弁体10とは、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との係合によってガイド・位置決めされ、両者の同軸度を更に向上させることができ、また、上記の構造を利用して位置決めを行うことで、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011との溶接時の同軸度への影響を減少させることができる。選択的には、環状取り付け板81とナットスリーブ80とは別体構造であってもよく、一体化構造として設けられてもよい。環状取り付け板81は、第1取り付けセグメント11011と第2取り付けセグメント11012との間の段差面に重ね継がれて、環状取り付け板81の安定性を強化する。
【0090】
本出願の技術態様を適用すると、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011とがクリアランスフィットされ、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80とが同軸に設けられ且つインターフェアランスフィットされることで、環状取り付け板81を溶接するときに、ナットスリーブ80と弁体10とは、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との係合によってガイド・位置決めされ、両者の同軸度を確保することができ、且つ第1取り付けセグメント11011と環状取り付け板81とを一体に溶接するとき、環状取り付け板81が熱を受けて変形余裕を有するようになり、環状取り付け板81が第1取り付けセグメント11011から反り上がる可能性を低減させ、ナットスリーブ80と弁体10との同軸度が比較的良好であることを確保する。
【0091】
本実施例において、第1取り付けセグメント11011の内径はD71、環状取り付け板81の外径はD72であり、D71-D72の範囲は0.02mm~0.08mmである。D71-D72が0.02mmより小さいと、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011との間の隙間が小さくなりすぎ、溶接時に環状取り付け板81が熱を受けて変形して反り上がりが生じやすくなる。D71-D72が0.08mmより大きいと、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011との間の隙間が大きくなりすぎ、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011とを溶接するときに操作が困難であり、且つ同軸度が比較的低い。したがって、D71-D72の範囲を0.02mm~0.08mmとすることで、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011との溶接難易度を低下させることができ、且つ溶接時に環状取り付け板81が変形して反り上がりにくくなって、両者が良好な同軸度を維持するようになる。
【0092】
図25に示すように、具体的には、第2ガイド孔801の内径はD73、ガイドスリーブ20の弁口102から離れた一端の外径はD74であり、ここで、0≦D74-D73≦0.1mmである。D74-D73が0より小さいと、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とがクリアランスフィットされ、環状取り付け板81を溶接するときに、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との係合はナットスリーブ80及び弁体10をガイド・位置決めすることができなくなる。D74-D73が0.1mmより大きいと、ガイドスリーブ20が第2ガイド孔801内に取り付けられにくいか、又は取り付けられないため、D74-D73を0以上0.1mm以下とすることで、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とをインターフェアランスフィットさせることができ、更には、環状取り付け板81を溶接するときに、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との係合によってガイド・位置決めされて、弁体10とナットスリーブ80との同軸度を向上させることができるだけでなく、ガイドスリーブ20を第2ガイド孔801内に比較的容易に取り付けることができる。具体的には、D74-D73は、0、0.03mm、0.06mm又は0.1mmであってもよい。
【0093】
具体的には、6.5mm≦D74≦8mmである。以上の態様により、6.44mm≦D73≦8mmであることが理解できる。本実施例において、D74は、6.5mm、7mm又は8mmであってもよく、D73は、6.44mm、6.95mm又は8mmであってもよい。
【0094】
本実施例において、環状取り付け板81の厚さはL71、第1取り付けセグメント11011の高さはL72であり、ここで、L71はL72より大きい。ナットスリーブ80は、通常、プラスチック材質を採用して作製される。L71をL72より大きくすることで、溶接時に第1取り付けセグメント11011がレーザをナットスリーブ80から離れる方向に反射することができ、レーザがナットスリーブ80に照射されて、ナットスリーブ80が熱を受けて変形が発生することを回避する。
【0095】
具体的には、環状取り付け板81の厚さL71の範囲は0.3mm~1.2mmである。L71が0.3mmより小さいと、環状取り付け板81の構造強度が比較的小さくなり、環状取り付け板81によってナットスリーブ80を安定的に支持することができない。L71が1.2mmより大きいと、環状取り付け板81が占める空間が比較的大きくなり、弁体10の体積が比較的大きくなってしまう。したがって、L71の範囲を0.3mm~1.2mmとすることで、ナットスリーブ80の構造強度を比較的高くすることができるだけでなく、環状取り付け板81が占める空間を比較的小さくすることもできる。具体的には、L71は、0.3mm、0.6mm、1mm又は1.2mmであってもよい。
【0096】
具体的には、第1取り付けセグメント11011の内径D71の範囲は13mm~15mmである。ここで、D71は、13mm、14mm又は15mmであってもよい。
【0097】
本実施例において、弁体10は弁座11及びハウジング12を含み、弁座11には弁チャンバ1101及び弁口102が設けられており、弁チャンバ1101は弁座11の一端に位置し、弁口102は弁座11の他端に位置し、ハウジング12は弁座11の弁チャンバ1101が位置する一端に接続され、且つハウジング12はナットスリーブ80の外側に覆設される。第1取り付けセグメント11011及び第2取り付けセグメント11012は弁チャンバ1101の弁口102から離れた一端に設けられ、第2取り付けセグメント11012と弁チャンバ1101の内壁とは同一面にあり、弁チャンバ1101の内壁の弁口102から離れた一端には、横断面がL7形状の凹溝が設けられており、凹溝が設けられて第1取り付けセグメント11011及び第2取り付けセグメント11012が形成される。
【0098】
本実施例において、ナットスリーブ80には、第2ガイド孔801と連通された第2接続孔802が更に設けられており、第2接続孔802は、第2ガイド孔801の弁口102から離れた一端に位置し、第2接続孔802と第2ガイド孔801とは同軸に設けられ、電子膨張弁は、ナットスリーブ80内に挿設され且つ第2接続孔802に螺合されるスクリュ40を更に含む。第2接続孔802はねじ孔であり、スクリュ40と第2接続孔802とは螺合され、スクリュ40は回転する際に第2接続孔802に沿って直線運動を行う。
【0099】
本実施例において、電子膨張弁は、ガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、スクリュ40の弁口102に近接する一端に固定接続され、スクリュ40の駆動により移動して弁口102を閉塞又は開放する弁ヘッド30を更に含む。スクリュ40、弁ヘッド30及び弁口102は同軸に設けられる。スクリュ40は回転する際に第2接続孔802に沿って直線運動を行い、スクリュ40が弁ヘッド30を駆動して直線運動を行わせ、弁ヘッド30が弁口102を閉塞又は開放する。
【0100】
本出願の技術態様を適用すると、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011とがクリアランスフィットされることで、第1取り付けセグメント11011と環状取り付け板81とを一体に溶接するとき、環状取り付け板81が熱を受けて変形余裕を有するようになり、環状取り付け板81が第1取り付けセグメント11011から反り上がる可能性を低減させ、ナットスリーブ80と弁体10との同軸度を比較的良好にすることができる。D71-D72の範囲を0.02mm~0.08mmとすることで、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011との溶接難易度を低下させることができ、且つ溶接時に環状取り付け板81が変形して反り上がりにくくなって、両者が良好な同軸度を維持するようになる。ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とがインターフェアランスフィットされ、即ち、ナットスリーブ80とガイドスリーブ20との間が固定接続されるように設けることで、環状取り付け板81を溶接するときに、ナットスリーブ80と弁体10とは、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との係合によってガイド・位置決めされ、両者の同軸度を更に向上させることができ、また、上記の構造を利用して位置決めを行うことで、環状取り付け板81と第1取り付けセグメント11011との溶接時の同軸度への影響を減少させて、ナットスリーブ80と弁体10との同軸度を更に確保することができる。環状取り付け板81の厚さがL71、第1取り付けセグメント11011の高さがL72であり、ここで、L71をL72より大きくすることで、溶接するとき第1取り付けセグメント11011がレーザを外部へ反射することができ、レーザ照射によりナットスリーブ80が熱を受けて変形が発生することを回避する。
【0101】
図26及び図28に示すように、本出願の実施例は、弁体10、ナットスリーブ80及びガイドスリーブ20を含む電子膨張弁を提供する。弁体10の内部には収容室101及び弁口102が設けられており、弁口102と収容室101とは連通され、ナットスリーブ80は収容室101内に設けられ、ナットスリーブ80は弁体10に固定接続され、ナットスリーブ80の弁口102に近接する一端には第2ガイド孔801が設けられており、ガイドスリーブ20は収容室101内に設けられ、ガイドスリーブ20は弁体10に固定接続され、ガイドスリーブ20の頂部は第2ガイド孔801内に入り込み、第2ガイド孔801とガイドスリーブ20とはインターフェアランスフィットされ、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801内に入り込む長さはL81、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801内に入り込む部分の直径はD81であり、L81≧D81/3である。L81≧D81/3であり、即ち、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801内に入り込む部分の長径比を1/3より大きくすることで、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との接続安定性を強化させることができる。具体的には、L81は、5*D81/12又はD81/3であってもよい。
【0102】
本出願の技術態様を適用すると、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とがインターフェアランスフィットされることで、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との位置決めの信頼性を比較的高くすることができる。ナットスリーブ80に第2ガイド孔801が設けられており、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801に入り込む長さがL81、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801に入り込む部分の直径がD81であり、L81≧D81/3であり、即ち、ガイドスリーブ20と固定孔1とが互いに係合される部分の長さと直径との比率が1/3以上であり、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との係合部分の長径比が比較的大きいことで、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との位置決めの信頼性を更に向上させることができ、更には、スクリュアセンブリ、弁芯アセンブリと弁口102との同軸度を強化させることができ、電子膨張弁の内部漏れを減少させることができる。
【0103】
図27に示すように、本実施例において、第2ガイド孔801の長さはL82であり、L81≦0.9*L82である。電子膨張弁は、組み立て過程において、まず、ガイドスリーブ20を弁体10に取り付けた後、ナットスリーブ80の第2ガイド孔801をガイドスリーブ20とインターフェアランスフィット接続し、最後に、ナットスリーブ80を弁体10に溶接する必要があり、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801に入り込む長さL81が0.9*L82より大きいと、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801との軸方向における隙間が小さくなりすぎて、電子膨張弁を組み立てる過程で、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80とが相互に干渉して、ナットスリーブ80を弁体10に取り付けられない可能性がある。したがって、L81を0.9*L82以下とすることで、電子膨張弁を組み立てる際に、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80とが相互に干渉することを防止することができる。具体的には、L81は、0.8*L82、0.6*L82又は0.9*L82であってもよい。
【0104】
具体的には、第2ガイド孔801の直径はD82であり、0≦D81-D82≦0.1mmである。D81-D82が0より小さいと、第2ガイド孔801とガイドスリーブ20とがクリアランスフィットされ、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80とが固定接続されず、更にはガイドスリーブ20とナットスリーブ80との位置決めの信頼性を低下させる。D81-D82が0.1mmより大きいと、ガイドスリーブ20を第2ガイド孔801内に取り付けることが比較的難しい。したがって、0≦D81-D82≦0.1mmと設けることで、第2ガイド孔801とガイドスリーブ20とをインターフェアランスフィットさせ、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との位置決めの信頼性を向上させることができ、ガイドスリーブ20を第2ガイド孔801内により迅速に且つ容易に取り付けることを実現することもできる。具体的には、ガイドスリーブD81-D82は、0、0.03mm又は0.1mmであってもよい。
【0105】
本実施例において、電子膨張弁はスクリュ40を更に含み、ナットスリーブ80内には第2接続孔802が設けられており、スクリュ40と第2接続孔802とは螺合され、第2ガイド孔801はナットスリーブ80の弁口102に近接する一端に設けられ、第2ガイド孔801と第2接続孔802とは連通される。スクリュ40と第2接続孔802とは螺合され、スクリュ40が第2接続孔802の周りを回転する際にスクリュ40は第2接続孔802の軸線に沿って直線運動を行い、スクリュ40と第2接続孔802とは互いに係合される構造により、スクリュ40を移動させる際に精密に位置決めさせることができる。
【0106】
本実施例において、電子膨張弁は、ガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、弁口102と同軸に設けられ、弁口102を閉塞又は開放するために用いられる弁ヘッド30を更に含む。ガイドスリーブ20が弁ヘッド30をガイドして、弁ヘッド30が傾斜することを防止し、弁ヘッド30が弁口102を正確に閉塞又は開放できるようにする。
【0107】
本実施例において、スクリュ40と弁ヘッド30とは同軸に設けられ、スクリュ40の弁口102に近接する一端は弁ヘッド30に固定接続され、スクリュ40は弁ヘッド30を連動して移動させて弁口102を閉塞又は開放する。スクリュ40が弁ヘッド30を連動して移動させる際に正確に位置決めすることができ、弁ヘッド30が弁口102を開放する程度を正確に制御することができ、更には電子膨張弁の流量を正確に制御することができる。
【0108】
具体的には、6.5mm≦D81≦8mmである。D81が6.5mmより小さいと、ガイドスリーブ20の内径が比較的小さくなり、弁ヘッド30がガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、即ち、弁ヘッド30の直径も比較的小さくなり、弁ヘッド30は弁口102を閉塞するための要求を満たすことができない。D81が8mmより大きいと、L81≧D81/3であるため、L81が8/3mmより大きくなり、ナットスリーブ80及びガイドスリーブ20の長さがいずれも比較的長くなり、更には、電子膨張弁の全体の体積が比較的大きくなり、電子膨張弁の全体の小型化の設計に不利である。したがって、6.5mm≦D81≦8mmとなるようにすることで、弁ヘッド30の直径が弁口102を閉塞する要求を満たすようにすることができ、電子膨張弁の構造をコンパクトにすることもできる。具体的には、D81は、6.5mm、7mm又は8mmであってもよい。
【0109】
具体的には、3mm≦L82≦5mmである。L82が3mmより小さいと、第2ガイド孔801の長さが比較的短くなって、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801内に入り込む部分の長径比が比較的小さくなり、更にはガイドスリーブ20とナットスリーブ80との構造安定性が比較的低くなる。L82が5mmより大きいと、第2ガイド孔801の長さが比較的大きくなって、ナットスリーブ80の全体の長さが比較的大きくなり、電子膨張弁の全体の小型化の設計に不利である。したがって、3mm≦L82≦5mmとなるようにすることで、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801内に入り込む部分の長径比を比較的大きくすることができるだけでなく、電子膨張弁の構造をコンパクトにすることもできる。具体的には、L82は、3mm、4mm又は5mmであってもよい。
【0110】
本出願の技術態様を適用すると、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とがインターフェアランスフィットされ、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80とが固定接続されることで、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との位置決めの信頼性をより高くすることができる。ナットスリーブ80に第2ガイド孔801が設けられており、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801に入り込む長さがL81、ガイドスリーブ20の第2ガイド孔801に入り込む部分の直径がD81であり、L81≧D81/3であり、即ち、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とが互いに係合される部分の長さと直径との比率が1/3以上であり、ガイドスリーブ20と第2ガイド孔801とが互いに係合される部分の長径比が比較的大きいことで、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80との位置決めの信頼性を更に向上させることができ、更にはスクリュアセンブリと弁芯アセンブリとの構造安定性を強化させることができる。第2ガイド孔801の長さがL82であり、L81≦0.9*L82であることで、電子膨張弁を組み立てる際に、ガイドスリーブ20とナットスリーブ80とが相互に干渉することを防止することができる。
【0111】
留意すべきこととして、ここで使用される用語は、単に具体的な実施形態を記述するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を制限することを意図していない。ここで使用されるように、文脈において別途に明瞭に明示していない限り、単数形式は複数形式も含むことを意図しており、更には、本明細書において「包含」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はこれらの組み合わせの存在を示すことも理解すべきである。
【0112】
別途の具体的な説明がない限り、これらの実施例で述べた部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を制限するものではない。同時に、記述の便宜上、図面に示された各部分の寸法は、実際の比例関係にしたがって描かれたものでないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及び設備に関して、詳細に論じないが、適切な場合において、記述した技術、方法及び設備は、許可された明細書の一部とみなされるべきである。ここに示し且つ論じた全ての例示において、いかなる具体的な値も単に例示的なものにすぎず、制限的なものとして解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施例の他の例示は、異なる値を有してもよい。類似の符号及び文字は以下の図面において類似の要素を示すことに留意すべきであり、したがって、1つの図面で一度いずれかの要素が定義されれば、それ以降の図面においては、それに対する更なる説明を必要としない。
【0113】
本出願の記述において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向」、「縦方向」、「垂直」、「水平」及び「頂部」、「底部」等の方位語で指示された方位又は位置関係は、通常、図示に基づく方位又は位置関係であって、単に本出願の記述の便宜上及び記述を簡略にするためのものにすぎず、相反する説明がされない場合に、これらの方位語は、指定された装置又は素子が特定の方位を有するか、あるいは特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示及び暗示するものではないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解されてはならず、方位語「内」、「外」は、各部材自体の輪郭に対する内、外を意味することを理解すべきである。
【0114】
記述の便宜上、ここでは、「~の上にある」、「~の上方にある」、「~上面にある」、「上面の」等のような空間的に相対的な用語が、図示された1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間的な位置関係を記述するために用いられてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に記述された方位に加えて、使用又は操作中のデバイスの異なる方位を包含することを意図するものとして理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスが逆になると、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」と記述されたデバイスは、それ以降、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」と位置決めされる。従って、例示的な用語「~上方にある」は、「~上方にある」及び「~下方にある」の両方の方位を含んでもよい。このデバイスは、他の異なる方式で(90度回転又は他の方位で)位置決めされ、且つここで使用される空間的に相対的な記述は、それに応じて解釈されてもよい。
【0115】
更に説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは、単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上述の単語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解してはならない。
【0116】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【国際調査報告】