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特表2024-533678プロバイオティクスを送達するための剤形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】プロバイオティクスを送達するための剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/745 20150101AFI20240905BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 31/702 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 1/00 20060101ALN20240905BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20240905BHJP
   A61P 25/20 20060101ALN20240905BHJP
   A61P 17/00 20060101ALN20240905BHJP
   A61P 37/08 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
A61K35/745
A61K9/20
A61K45/00
A61K31/702
A61K9/06
A61P1/00
A61P29/00
A61P25/20
A61P17/00
A61P37/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518429
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 US2022076693
(87)【国際公開番号】W WO2023049693
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/261,581
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/933,174
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョンノッティ・ザ・サード・アンソニー・アール
(72)【発明者】
【氏名】ゴラス・パトリシア・エル
(72)【発明者】
【氏名】ベシンギ・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ピライ・ショバ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA36
4C076BB01
4C076BB31
4C076CC01
4C076CC07
4C076CC16
4C076CC18
4C076DD63
4C076EE53
4C076EE55
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA28
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4C084NA14
4C084ZA05
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4C084ZB07
4C084ZB13
4C086EA01
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
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4C086MA35
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZB13
4C087BC59
4C087CA09
4C087MA28
4C087MA35
4C087MA52
4C087MA63
4C087NA14
4C087ZA05
4C087ZA08
4C087ZA66
4C087ZA89
4C087ZB07
4C087ZB13
(57)【要約】
ビフィドバクテリウムを含有する組成物の乳児への経口送達のための組成物及び方法が提供される。組成物は、人工乳首又はおしゃぶりに予め充填されるか、又はその上に直接配置されてもよく、介護者の皮膚及び/又は乳児の歯肉、歯又は頬の1つに直接適用されてもよい。本発明の組成物は、ソフトゲル充填物、溶解性若しくは崩壊性錠剤又は粉末若しくは半固体形態で提供され、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも24ヶ月間安定である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物を乳児に経口送達するための組成物であって、前記組成物が、溶解性又は崩壊性錠剤である、組成物。
【請求項2】
プレバイオティクス、食物アレルゲン及びビタミン、ミネラル又は栄養補助食品のうちの1つ以上を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも12ヶ月間安定である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも24ヶ月間安定である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物の乳児への経口送達のための方法であって、前記組成物が、介護者の皮膚に直接適用される、方法。
【請求項6】
前記組成物が、プレバイオティクスを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プレバイオティクスが、オリゴ糖である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プレバイオティクスが、天然オリゴ糖である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記プレバイオティクスが、天然オリゴ糖と機能的に等価な合成分子である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記プレバイオティクスが、ラクト-N-テトラオース(LNT)又は2’-フコシルラクトース(2’-FL)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、ラクトース不含である、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、抗酸化剤を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、ビタミン、ミネラル又は栄養補助食品を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、食物アレルゲンを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、ソフトゲル中に含まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、半固体である、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも3ヶ月間安定である、請求項5に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも6ヶ月間安定である、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも12ヶ月間安定である、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも24ヶ月間安定である、請求項5に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が、無水である、請求項5に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が、皮膚バリア機能及び/又は保湿を改善する必要がある皮膚に好適な成分を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、刺激された皮膚を鎮静化するか、又は皮膚刺激から保護するのに好適な成分を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項24】
ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物の乳児への経口送達のための方法であって、前記組成物が、前記乳児の歯肉、歯又は頬のうちの1つに、介護者の指を介して適用される、方法。
【請求項25】
ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物の乳児への経口送達のための方法であって、前記組成物が、人工乳首又はおしゃぶりに適用されるか、又は予め充填される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ビフィドバクテリウムなどプロバイオティクスの有効量を患者に送達するための剤形及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロバイオティクスは、摂取されるか又は身体に適用されたときに健康上の利益を有することが意図される生きた微生物である。プロバイオティクスは、乳児の消化の健康、疝痛、及び睡眠を含む無数の健康状態に対処するために投与され得る。プロバイオティクスは更に、免疫健康を支持し、アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーを含むアトピー性疾患を予防するために投与される場合が増えている(Sestito et al.Front.in Pediatr.22 December 2020;Henrick et al.Cell 22 July 2021 184(15):p.1-15)。
【0003】
プロバイオティクスは、乳児用調製粉乳、栄養補助食品、及び乳児又は小児のための食品に見出される。これらのプロバイオティクスは、典型的には、ビフィドバクテリウムからなり、ビフィドバクテリウムは、B.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせを含む。これは、ある種のビフィドバクテリウムが、ヒト乳中に見出される複合オリゴ糖を分解する能力を有するためである(米国特許第8,198,872号及び米国特許出願公開第2013/01958031号;Sela et al,2008,PNAS,105(48):p.18964-69を参照されたい)。好適なビフィドバクテリウムは、少なくとも1つのヒト乳オリゴ糖(human milk oligosaccharide、HMO)遺伝子クラスターを有するものであり得る。
【0004】
ビフィドバクテリウム産生からの発酵産物は、濃縮され、凍結乾燥されて、濃縮粉末を提供し得る。粉末は、サシェに包装されてもよく、又は食用油に懸濁されてもよい。米国特許第10,716,8176号は、活性ビフィドバクテリウム組成物を得るための方法を記載している。
【0005】
プロバイオティクスを含有する製品の一例は、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・インファンティス及びストレプトコッカス・サーモフィルスを含有する粉末である、Abbott(Abbott Park、IL)から入手可能なSimilac(登録商標)Probiotic Tri-Blendである。別の例は、ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する、Evolve BioSystems(Davis、CA)から入手可能なEvivo(登録商標)である。Evivoは、粉末又は中鎖トリグリセリド油(MCT油)懸濁液として入手可能である。
【0006】
ビフィドバクテリウム及び他のプロバイオティクスは、経時的に効力が低下し、この低下は、特定の温度、水分及び酸素への曝露によって引き起こされることができる。これは、製品の短い「貯蔵寿命」又は有効期限、並びに製剤化、輸送及び貯蔵における困難及び費用をもたらす。多くの現在のプロバイオティクスは、コールドチェーン輸送システムを使用して輸送される。プロバイオティクスは、産生から患者への送達まで摂氏25度(華氏77度)以下に維持されなければならないからである。したがって、水分及び酸素に対して耐性があり、より容易に輸送及び保存することができるプロバイオティクス剤形が引き続き必要とされている。
【0007】
ビフィドバクテリウム及び他のプロバイオティクスは、プレバイオティクス、ビタミン若しくは栄養補助食品及び/又は食物アレルゲン若しくは食物導入製品と同時投与される場合、それらの意図された目的に最も有効であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、プロバイオティクス及び1つ以上の追加成分の両方を含む安定な剤形、並びに/又はプロバイオティクス及び1つ以上の追加成分の両方を含むキットに対する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のビフィドバクテリウム及び/又はビフィドバクテリウムと他のプロバイオティクスとの組み合わせは、いくつかの異なるタイプの剤形に組み込まれ得る。これらの形態としては、ソフトゼラチンカプセル又はソフトゲルが挙げられ、ビフィドバクテリウムは、ゼラチンベースのシェル又はカプセルへの封入の前に、充填材料に組み込まれる。シェルは更に、ゼラチン以外の液体に溶解するシェル材料(例えば、ポリマー又はデンプン由来のもの)から構成され得る。シェルに好適なポリマーとしては、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリレート(複数可)、プルラン及びメチルセルロースが挙げることができる。ソフトゲルは、開口を容易にするためのツイストオフ部分、キャップ又は特徴を含んでもよく、それにより、直接摂取、食品若しくは他の食用媒体への組み込み、又は介護者の皮膚、乳児の口腔、頬若しくは歯肉、又は人工乳首若しくはおしゃぶりなどの送達デバイスの表面への適用のために充填物を露出させる。
【0010】
ビフィドバクテリウムは更に、摂取又は皮膚への直接適用のために食用半固体に組み込まれ得る。この食用半固体は、エマルジョン、局所ゲル、クリーム、ペースト、軟膏又はバームの形態であってもよく、少なくとも1つの脂質材料を組み込んでもよい。この食用半固体は完全に無水であってもよい。特定の適用において、半固体は、乳児の授乳の間のビフィドバクテリウムの摂取のために皮膚に適用される。この適用方法は、異なる工程を含んでもよい。組成物は、介護者又は親の乳首又は周囲の皮膚領域に直接適用することができる。組成物は更に、乳児用調製粉乳又は母乳などの液体中に混合又は希釈され、続いて乳首又は周囲の皮膚領域に適用されてもよい。組成物は更に、適用又は事前適用されてもよく、例えば、摂取のためにおしゃぶり又は人工乳首に充填されてもよい。別の適用では、おしゃぶり又は人工乳首は、プレバイオティクスなどの組成物の一部分を含んでもよく、プロバイオティクスは別の部分で投与される。この別個の部分は、乳児への直接経口投与を通して、又は乳首、周囲の皮膚若しくは指への適用を通して提供され得る。他の特定の適用において、局所ゲルは、介護者の指に配置され得、乳児の歯肉又は頬に直接適用されることができる。
【0011】
ビフィドバクテリウムは、ラクトースを実質的に含まない固体粉末又は錠剤に組み込まれてもよい。本明細書で定義される場合、ラクトースを含まない、又はラクトース不含とは、形態の1.0重量%未満、例えば0.2重量%未満のラクトースとして定義される。本発明の固体剤形は更に、分散性錠剤、又は投与前に液体媒体中に入れて溶解することができる錠剤を含んでもよい。本発明の固体剤形は更に、投与前に液体又は半固体媒体中に溶解することができる溶解性錠剤を含んでもよい。他の固体剤形としては、投与前に液体又は半固体媒体に直接組み込むことができる粉末組成物が挙げられる。これらの粉末組成物は、投与前に、サシェ、パウチ、ボトル又はブリスタ中に個々の用量として包装され得る。粉末組成物は更に、ハードシェルカプセル中に、又は溶解性カプセルシェル内に組み込まれ得、投与前に手動で開くことができるか、又は液体若しくは半固体中に溶解されることができる。本発明の組成物を組み込む目的のための半固体は、クリーム、油、又は果物及び野菜を含むピューレ若しくはブレンド食品を含んでもよい。
【0012】
ラクトースを含まない固体剤形の場合、代替の不活性粉末担体が使用され得る。好適な不活性粉末担体としては、デンプン(複数可)、セルロース(複数可)、糖及び糖アルコールが挙げられる。
【0013】
いくつかの例では、ビフィドバクテリウムは、ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、システイン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤を含有する剤形に組み込まれる。
【0014】
いくつかの例では、ビフィドバクテリウム含有剤形は、オリゴ糖又は合成等価物などのプレバイオティクスを含む。
【0015】
いくつかの例では、ビフィドバクテリウム含有剤形は、ビタミン、栄養補助食品、又はミネラルを含む。
【0016】
いくつかの例において、ビフィドバクテリウム含有剤形は、食物アレルゲン又は食物導入製品、例えば、牛乳、卵、ピーナッツ、小麦、大豆、ゴマ、魚、甲殻類及び木の実の群から選択されるアレルゲンを含む。
【0017】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」から容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
背景技術において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載し、これら参照文献のそれぞれはその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
【0019】
特に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。
【0020】
本明細書で使用される場合、「プロバイオティクス」という用語は、適切な量で投与された場合に宿主に健康利益を与える生きた微生物を指す。これらのプロバイオティクス株は、概して、消化管の上部を通過しても生存する能力を有する。これらは非病原性、非毒性であり、一方では消化管内の常在菌叢との生態的相互作用を介して、他方では免疫系に正の影響を及ぼすことができることを介して、健康に有益な効果を及ぼす。プロバイオティクスの組成に応じて、これらの微生物は、十分な数で与えられた場合、腸を通って生きて進行する能力を有するが、それらは腸バリアを通過せず、それらの主要な効果は、胃腸管の管腔及び/又は壁において誘導される。次いで、それらは投与期間中に常在菌叢の一部を形成する。このコロニー形成(又は一過性コロニー形成)は、プロバイオティクス微生物が有益な効果、例えば、細菌叢に存在する潜在的に病原性の微生物の抑制及び腸の免疫系との相互作用を発揮することを可能にする。
【0021】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、所望の効果を誘導するのに十分な量を意味する。「安全な量」という用語は、重篤な副作用を回避するのに十分低い量を意味する。化合物、抽出物、又は組成物の安全及び/又は有効な量は、例えば、エンドユーザの年齢、健康状態、及び環境への曝露、治療の期間及び性質、使用される特定の抽出物、成分、又は組成物、利用される具体的な薬学的に許容される担体、並びに同様の要因に応じて異なるであろう。
【0022】
本明細書で使用するとき、成分を「本質的に含まない」又は「実質的に含まない」とは、成分を0.1重量パーセント未満若しくは0.01重量パーセント未満しか含有しないか、又は全く含有しないことを意味する。特に指定しない限り、成分の量を表すために使用されるパーセンテージは、重量パーセンテージである(「重量%」、「wt%」、「重量パーセント」又は「%(w/体積)」と称される)。同様に、成分の相対的割合を表すために用いられる重量比も重量パーセントを用いて求められる(すなわち、重量比は、ある成分の重量パーセントを別の成分の重量パーセントで除することによって計算される)。
【0023】
組成物
ビフィドバクテリウムは、B.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0024】
ビフィドバクテリウムは、使用が容易であり、一貫した投薬を可能にする組成物に製剤化され得る。ビフィドバクテリウム産生からの発酵産物は、濃縮され、凍結乾燥されて、濃縮粉末を提供し得る。組成物は、乾燥重量1グラム当たり約100万、5億、10億、20億、30億、40億、50億、60億、70億、80億、90億、100億、又は120億~約80億、90億、100億、200億、300億、400億、500億、600億、700億、800億、900億、1000億、2000億、2500億、又は5000億コロニー形成単位(colony forming unit、CFU)のビフィドバクテリウムを含有し得る。
【0025】
ビフィドバクテリウムは更に、プレバイオティクスとともに製剤化されてもよい。本明細書中で使用される場合、「プレバイオティクス」という用語は、宿主に対して消化不可能であるが、微生物によって代謝されることができ、一旦代謝されると、宿主内でその微生物の増殖を促進し得る物質を指す。プレバイオティクスとは、胃腸の微生物叢における組成及び/又は活性の特定の変化を可能にする成分を指す。いくつかの例において、プレバイオティクスは、食用食品若しくは飲料又はそれらの成分であり得る。プレバイオティクスは、複合炭水化物、アミノ酸、ペプチド、ミネラル、又は細菌組成物の生存のための他の必須栄養成分を含み得る。プレバイオティクスとしては、アミノ酸、ビオチン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ヘミセルロース(例えば、アラビノキシラン、キシラン、キシログルカン、及びグルコマンナン)、イヌリン、キチン、ラクツロース、マンナンオリゴ糖、オリゴフルクトース強化イヌリン、ガム(例えば、グアーガム、アラビアガム、及びカラギナン)、オリゴフルクトース、オリゴデキストロース、タガトース、耐性マルトデキストリン(例えば、耐性デンプン)、トランスガラクトオリゴ糖、ペクチン(例えば、キシロガラクツロナン、シトラスペクチン、リンゴペクチン、及びラムノガラクツロナン-I)、食物繊維(例えば、大豆繊維、サトウダイコン繊維、エンドウ豆繊維、トウモロコシふすま、及びカラスムギ繊維)、キシロオリゴ糖、並びにグリコシド結合した複数の単糖からなる任意の他のグリカン又は化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
ビフィドバクテリウムによって代謝されることができるプレバイオティクスは、オリゴ糖を含む。本明細書で使用される場合、「オリゴ糖」という用語は、2~20、2~10、3~20、又は3~10単糖単位を含有する糖ポリマーを指す。オリゴ糖は、ヒト乳オリゴ糖、ヒト乳グリカン又は「HMO」として知られる哺乳動物の乳(例えば、ヒト、又はウシ)中に天然に見出されるものであってもよい。オリゴ糖は、合成されていてもよい。DSM Nutritional Products AGによって提供されるGlycan(商標)製品を含むいくつかの市販のHMOがある。ビフィドバクテリウムによって代謝されることができるプレバイオティクスは更に、ラクト-N-テトラオース(LNT)及び2’-フコシルラクトース(2’-FL)などの天然HMOとは構造的に異なるが機能的に同等である合成分子を含む。
【0027】
ビフィドバクテリウムを含有する組成物はまた、補助成分を含有してもよい。そのような補助成分は、当技術分野で一般的に使用されるものであり、代謝産物、流動剤、又はそれらの組合せから選択され得る。流動剤の例としては、デンプン、二酸化ケイ素、セルロース、重炭酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。補助成分は、乳タンパク質又は構成成分であってもよい。補助成分は、ラクトースを含んでもよい。すなわち、そのような例では、ビフィドバクテリウムは、ラクトースと混合された粉末形態及びその誘導体である。ラクトース誘導体には、ラクツロース、ラクチトール、ラクトビオン酸、ガラクトオリゴ糖(GOS)、ラクトース一水和物及びタガトースを含んでもよい。
【0028】
組成物は更に、ラクトース感受性を緩和するためにラクトースを実質的に含まなくてもよい。好適なラクトース代替物としては、デンプン(複数可)、セルロース(複数可)、糖及び糖アルコールが挙げられる。
【0029】
ビフィドバクテリウムを含有する組成物は更に、抗酸化剤を含有してもよい。抗酸化剤の例としては、ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、システイン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。抗酸化剤を含む組成物の最終形態は、当技術分野で既知の任意のものであり得る。上記のように、ビフィドバクテリウムは、粉末として乾燥形態(例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥)であってもよい。当該粉末は、パケット、サシェ、錠剤、食品、カプセル、ロゼンジ、錠剤、懸濁液、乾燥形態などとして投与され得る。
【0030】
組成物の最終形態は、ビタミン、栄養補助食品又はミネラルを更に含んでもよい。好適なビタミン、栄養補助食品及びミネラルとしては、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、鉄、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)必須脂肪酸、マグネシウム塩、カルシウム塩及びカリウム塩などのオメガ3脂肪酸、例えば、を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0031】
組成物の最終形態は、食物アレルゲン又は食物導入製品を更に含んでもよい。好適な食物アレルゲンとしては、牛乳、卵、ピーナッツ、小麦、大豆、ゴマ、魚、甲殻類及び木の実が挙げられる。
【0032】
組成物の最終形態は、25℃及び65%相対湿度(RH)で保存した場合、少なくとも24ヶ月まで安定であり得、又は25℃及び65%相対湿度(RH)で保存した場合、少なくとも12ヶ月まで安定であり得、25℃及び65%相対湿度(RH)で保存した場合、少なくとも6ヶ月まで安定であり得、又は40℃及び75%相対湿度(RH)で保存した場合、少なくとも3ヶ月まで安定であり得、又は40℃及び75%相対湿度(RH)で保存した場合、少なくとも1ヶ月まで安定であり得、又は50℃で保存した場合、少なくとも6ヶ月まで安定であり得る。
【0033】
組成物の最終形態は、添加された糖を含まなくてもよく、又は添加された糖を実質的に含まなくてもよく、又は「糖無添加」と定義されてもよい。プレバイオティクスが組成物に添加され、プレバイオティクス部分が炭水化物又は糖を含む場合、プロバイオティクス部分は別個であってもよく、添加された糖を含まなくてもよく、又は添加された糖を実質的に含まなくてもよい。
【0034】
組成物の最終形態の賦形剤は、「植物ベース」と定義されるように、植物から直接由来してもよく、又は植物から直接供給されてもよい。組成物の最終形態の賦形剤は、遺伝子改変されていない生物(「非GMO」)から供給されてもよい。組成物の最終形態の賦形剤の少なくとも95%は、植物ベース又は非GMOであり得る。
【0035】
エマルジョン又は食用半固体
ビフィドバクテリウムを含有するエマルション又は半固体組成物は更に、皮膚バリア機能及び保湿改善する必要がある皮膚に適した成分、又はヒアルロン酸、グリセリン、ワセリン及びプロピレングリコールなどの皮膚刺激に対する鎮静又は保護に好適な成分を含有してもよい。本発明で使用するとき、「皮膚のバリア機能及び保湿を改善する必要がある皮膚」とは、水分が欠如している、皮脂が欠如している、ひび割れしている、乾燥している、痒みがある、鱗屑性である、乾皮症である、脱水状態である、柔軟性が欠如している、輝きが欠如している、くすんでいる、又は脂質が欠如しているが、これらに限定されない皮膚を意味する。
【0036】
様々な油が、ビフィドバクテリウムを含むエマルション又は食用半固体組成物内の担体として使用され得る。担体には、植物油、魚油、オリーブ油、大豆油、ナッツ油、鉱油、及びアボカド油が挙げることができるが、これらに限定されない。更なる担体としては、ベヘン酸グリセリル及びステアリン酸グリセリルが挙げられる。食用油の組成物において、組成物は、5重量パーセント~95重量パーセントの担体、例えば、30重量パーセント~約90重量パーセントの担体を含でもよい。
【0037】
本明細書で使用するとき、「乳化剤」という用語は、成分(油及び水など)がエマルション中で分離しないようにするのを助ける成分を指す。組成物は、乳化剤、例えばワックス、蜜ろう、マイクロクリスタリンワックス、レシチン、エステル(PGE)、ポリソルバート、ステアロイルラクチレート、プロピレングリコールエステル(PGMS)、及びスクロースエステルを含んでもよい。
【0038】
本発明のエマルション又は食用半固体は、ソフトゲルに添加されてもよい。ソフトゲルは、直接投与、液体中での再構成、又は皮膚表面への投与のための担体としてであってもよい。いくつかの例では、ソフトゲル形態は、直接摂取、食品若しくは他の食用媒体への組み込み、又は介護者の皮膚、乳児の口腔、頬若しくは歯肉、又は人工乳首若しくはおしゃぶりなどの送達デバイスの表面への適用のために、エマルジョン又は食用半固体充填物を露出させるように、ツイストオフ部分、キャップ、又は特徴を有する。
【0039】
ビフィドバクテリウム・インファンティスを含む組成物の部分は、酸素、水又は周囲の組成物からビフィドバクテリウム・インファンティスを保護するために、ナノエマルション又はコーティングされた粒子の形態で提供されてもよい。好適なコーティング技術としては、参照により本明細書に記載されている米国特許第11,433,107号に記載されているものなどのマイクロ封入組成物が挙げられる。好適なナノエマルション組成物としては、参照により本明細書に記載されている米国特許第8,993,019号に記載されているタイプが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
固体形態
ビフィドバクテリウムは、組成物に添加され得、固体形態として送達され得る。本明細書で使用される場合、「固体形態」は、口腔内崩性壊錠剤、溶解性錠剤又は粉末組成物として定義され得る。固体形態は、乳児に直接投与されてもよく、又は投与前に液体若しくは半固体などの別の組成物に溶解若しくは混合されてもよい。
【0041】
固体形態は、様々な賦形剤を含でもよい。好適な賦形剤の例としては、充填剤、吸着剤、崩壊剤、潤滑剤、滑剤、甘味料、超崩壊剤、香味料及び芳香剤、酸化防止剤、防腐剤、テクスチャー向上剤、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。上記成分のうちの1つ以上が、粉末ブレンドの同じ粒子上に存在してもよい。
【0042】
好適な充填剤としては、これらに限定されるものではないが、(本明細書で考察した)炭水化物、非水溶性塑性変形材料(例えば、微結晶セルロース又は他のセルロース誘導体)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
好適な崩壊剤としては、これらに限定されるものではないが、グリコール酸ナトリウムデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶セルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0044】
好適な潤滑剤としては、これらに限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸などの長鎖脂肪酸及びそれらの塩、タルク、グリセリドワックス、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
好適な流動促進剤としては、コロイド状二酸化珪素が挙げられるが、それに限定されない。
【0046】
甘味料の例としては、合成の糖又は天然の糖、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファム、タウマチン、グリチルリチン、スクラロース、ジヒドロカルコン、アリテーム、ミラクリン、モネリン及びステブシドなどの人工甘味料、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ラクチトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール、サトウキビ及びサトウダイコンから抽出される糖(スクロース)、デキストロース(グルコースとも呼ばれる)、フルクトース(レブロースとも呼ばれる)、及びラクトース(乳糖とも呼ばれる)、イソマルト、それらの塩、及びそれらの混合物、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
超崩壊剤の例としては、これらに限定されるものではないが、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、及び架橋ポビドン(クロスポビドン)が挙げられる。一実施形態では、錠剤は、このような超崩壊剤を最大約5重量%含有する。
【0048】
香味料及び芳香剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アルコール、エステル、アルデヒド、及びラクトンの混合物を含有する細断された花、葉、果皮、若しくはパルプ化全果実の蒸留物、溶媒抽出物、又は冷圧搾物を含む精油、精油の希釈溶液、又は果実(例えば、イチゴ、ラズベリー、及びクロスグリ)の天然の風味と一致するようにブレンドされた合成化学物質の混合物のいずれかを含む、エッセンス、例えば、コニャック、ウィスキー、ラム、ジン、シェリー、ポート、及びワインなどの醸造酒及び蒸留酒の人工並びに天然香味料、タバコ、コーヒー、茶、ココア、及びミント、レモン、オレンジ、及びライムなどの、水洗い、擦り洗いした果物から圧搾された果汁を含む果汁、スペアミント、ペパーミント、ヒメコウジ、シナモン、ココエ(cacoe)/ココア、バニラ、カンゾウ、メントール、ユーカリノキ、アニスシードナッツ(例えば、ピーナッツ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、クリ、クルミ、コーラナット)、アーモンド、レーズン、並びにニコチンの濃度に有意に寄与しない量の、タバコ植物部分、例えばタバコ属(ニコチアナ属)、及びショウガを含む、粉末、細粉、又は野菜材料部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
酸化防止剤の例としては、これらに限定されるものではないが、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸、及びエデト酸塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
防腐剤の例としては、これらに限定されるものではないが、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、及びソルビン酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
一実施形態において、固体形態は、少なくとも1つの炭水化物を含む。炭水化物は、錠剤の溶解性及び口当たりに寄与し、より広い表面積にわたって溶融性結合剤を分配するのを助け、薬学的に活性な薬剤を希釈及び緩衝することができる。炭水化物の例としては、糖(例えば、デキストロース、スクロース、マルトース、イソマルト、及びラクトース)、デンプン(例えば、コーンスターチ)、糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、及びキシリトール)、及びデンプン加水分解物(例えば、デキストリン、及びマルトデキストリン)などの水溶性圧縮性炭水化物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
包装
組成物の最終形態は、ブリスタ、ボトル、バイアル又はサシェに包装されてもよく、窒素下で包装されてもよい。代替として、組成物が酸素又は空気と接触することを許容しない、又は分配時に空気の導入を許容するディスペンサに、組成物は包装されてもよい。このタイプの分配は、Aptar corporation(Aptarinc)によって供給され、それらの「エアレス」ポンプ技術の下で販売され、米国特許第11,213,843号にも記載され、参照により本明細書に記載されるものなどのディスペンサを用いて達成され得る。
【0053】
予想実施例:ソフトゲル
【0054】
【表1】
用量当たり8,000,000,000 CFUカウントに相当、バッチ重量に含まれない
1.イタリア特許出願第RM2009A000104号に記載の方法に従って、Bifidobaacterium infantisをポリグリセリルジステアレート(Plurol Stearique WL1009)でモノコーティングする。
2.懸濁液については、蜜ろうを大豆油中で約65℃で融解する。次いで、大豆レシチンを混合物に添加し、合わせた製剤を約25℃以下で冷却する。
3.マイクロ封入プロバイオティクス細菌を、大豆油、蜜蝋及び大豆レシチンの冷却懸濁製剤中に懸濁させ、25℃未満で10分間混合した。
4.温度を25℃未満に10分間維持しながら、製剤の酸化を防ぐために真空下及び窒素下で、混合された充填物を粉砕する。
5.次いで、粉砕された充填物を、以下のように、標準的な回転ダイ封入機械を使用してソフトゼラチンカプセル中に封入する。粉砕された充填物及びシェル材料を、機械に接続された別個の受け器中に装填する。機械は、溶融シェル材料から固体リボンの2つのバンドを調製し、冷却し、中鎖トリグリセリド及びレシチンの混合物で潤滑する。バンドは、カプセルの形成に必要なサイズ及び形状の特定のポケットを有する2つの回転ダイの位置に方向付けられる。対向するダイの連続的な逆回転は、ダイに接触する2つのリボンの間にシールを形成し、同時に充填材料が、そのように形成されたカプセルの本体内に注入される。ダイの連続回転により、リボンから新たに形成されたカプセルが切断される。
【0055】
予想実施例:半固体
【0056】
【表2】
用量当たり8,000,000,000 CFUカウントに相当、バッチ重量に含まれない
【0057】
ブレンディング:ブレンドを以下のように(表2の処方に従って)調製する。
1.ココナッツオイル、シアバターを好適な容器に添加し、60℃で十分に均一になるまでプレブレンドする。コーンスターチを100RPMで混合しながら添加する。
2.混合物を25℃に冷却する。
3.ビフィドバクテリウム・インファンティスを工程2からの混合物に添加し、比較的低速(100RPM未満)で均一になるまで25℃で混合する。
4.ブレンドを窒素下で個々のバイアルに加え、キャップをする。
【0058】
予想実施例:溶解性/崩壊性圧縮錠剤
【0059】
【表3】
用量当たり8,000,000,000 CFUカウントに相当、バッチ重量に含まれない
【0060】
溶解性/崩壊性錠剤処方A
パートA:ブレンディング:ブレンドを以下のように(表3の処方に従って)調製する。
1.ラクトース一水和物及びPearlitol Flashの一部を、V-Blenderで十分に均一になるまでプレブレンドする。Pearlitol Flashは、Roquette Corporationから市販されている。
2.ステアリン酸マグネシウム及び少量のPearlitol Flashを除く、ビフィドバクテリウム・インファンティスなど他の材料を添加し、更なる時間ブレンドする。
3.ステアリン酸マグネシウム及び残りのPearlitol Flashを30メッシュスクリーンに通し、添加し、更に5分間ブレンドする。
【0061】
パートB:圧縮:丸工具を用いてブレンドを5.0kPの硬度に圧縮して錠剤にする。
【0062】
【表4】
コロニー形成単位
【0063】
溶解性/崩壊性錠剤処方B(ラクトース不含)
パートA:ブレンディング:ブレンドを以下のように(表4の処方に従って)調製する。
1.マンニトール、スクラロース、アセスルファムK、ヒドロキシプロピルセルロース、香味料及びビフィドバクテリウム・インファンティスを60メッシュスクリーンに通し、材料の塊を除く。
2.工程1からの材料を好適なV-Blenderに入れ、10分間ブレンドする。
3.ステアリン酸マグネシウムを30メッシュスクリーンに通し、添加し、更に5分間ブレンドする。最終ブレンドをプラスチックバッグに排出する。
【0064】
パートB:圧縮:丸工具を用いてブレンドを5.0kPの硬度に圧縮して錠剤にする。
【0065】
ビフィドバクテリウム又はビフィドバクテリウム及び他の成分の組み合わせの投与
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、所定の用量のビフィドバクテリウムを乳児に、乳児らの定期的な摂食の一部として提供することを指す(すなわち、栄養補助食品として使用される)。ビフィドバクテリウムは、ビフィドバクテリウムを乳児に投与する前に、母乳、乳児用調製粉乳、水、又は食物を含む、乳児によって摂取されることができる任意の媒体と混合され得、又は提供剤形で乳児に投与し得る。
【0066】
投与前に媒体と混合する場合には、ビフィドバクテリウムを母乳に混合してもよい。代替として、ビフィドバクテリウムは、ビフィドバクテリウムを母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合されてもよい。ビフィドバクテリウムは、乳児がビフィドバクテリウムを完全に組み込むことができるように、かつ乳児がビフィドバクテリウムの全用量を依然として摂取する可能性があり、摂取することができるように、十分な乳児用調製粉乳又は母乳と混合される。したがって、ビフィドバクテリウムは、ビフィドバクテリウムを母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳又は乳児用調製粉乳と混合されてもよい。ビフィドバクテリウム組成物は、ボウル中で組成物を媒体(例えば、乳児用調製粉乳、母乳、水)と単に撹拌すること(又は混合物を得るための任意の他の好適な手段)を含む、任意の好適な手段によって混合され得る。乳児用調製粉乳又は母乳と混合された組成物は、次いで、任意の適切な手段によって乳児に供給され得る。乳児に対する摂食の好適な手段としては、摂食用シリンジ、スプーン、又はボトルの使用が挙げられる。ビフィドバクテリウムは、乳児が空腹である可能性がより高いときに、乳児に摂食させる前に投与されてもよく、これは、乳児が用量の全体を消費する可能性を増加させると考えられている。
【0067】
ビフィドバクテリウム剤形は、母乳、調製粉乳又は水と混合することなく、乳児に直接投与されてもよい。ビフィドバクテリウム剤形は、授乳前に母親の皮膚に直接適用されてもよい。ビフィドバクテリウム剤形は、摂食前に、ボトル乳首又はおしゃぶりに直接適用されてもよい。ビフィドバクテリウム剤形は、指又は可撓性投薬デバイスに適用されてもよく、乳児の口の内側の歯肉又は頬に直接適用されてもよい。
【0068】
組成物は更に、適用又は事前適用されてもよく、例えば、摂取のためにおしゃぶり又は人工乳首に充填されてもよい。別の適用では、おしゃぶり又は人工乳首は、プレバイオティクスなどの組成物の一部分を含んでもよく、プロバイオティクスは別の部分で投与される。この別個の部分は、乳児への直接経口投与を通して、又は乳首、周囲の皮膚若しくは指への適用を通して提供され得る。
【0069】
用量及び投与頻度は、要望通りに選択され得る。例えば、ビフィドバクテリウムは、1日1回投与され得る。そのような例において、1日1回の用量は、約50~150億又は約80億CFUを含有し得る。所望の総用量をより少ない用量に分割することも企図される。例としては、1日を通して数回のより少ない用量(例えば、1日当たり2、3、4、又は5回)が挙げられ得る。
【0070】
1日当たりに与えられる総用量は、約100万、5億、10億、20億、30億、40億、50億、60億、70億、80億、90億、100億、又は120億から約80億、90億、100億、200億、300億、400億、500億、600億、700億、800億、900億、1000億、2000億、2500億、又は5000億コロニー形成単位(CFU)のビフィドバクテリウムの範囲であり得る。1日当たりに与えられる総用量は、約50~約150億CFUの範囲であってもよいか、又は約80億CFUであってもよい。そのような総用量値は、1回の用量で与えられ得る。
【0071】
Bifidobacteriumは、生後1、2、3、4、5、6日目、若しくは生後1週目に開始して、又は生後最初の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12週以内に開始して、又は生後最初の3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12ヶ月に開始して投与され得る。本明細書で使用するとき、「生後」という用語は、出生後を意味する。一旦開始されると、ビフィドバクテリウムは、生後4、5、6、7、8、9、10、11、12週目まで、又は生後3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12ヶ月目まで投与され続け得る。ビフィドバクテリウムは、生後最初の2週間以内に最初に投与され得る。ビフィドバクテリウムは、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与され得る。
【0072】
乳児は、母乳で育てられている乳児又は調製粉乳で育てられている乳児又は両方の組合せであってもよい。本明細書で使用される場合、「母乳で育てられている」という用語は、乳児がヒト母乳からのその栄養の少なくとも一部を得ることを意味する。乳児は、授乳してもよいか、又は母乳は、圧搾され(例えば、ポンプされるか、又は手で搾乳される)、乳児に与えられてもよいかのいずれかである。母乳で育てられている乳児は、少なくとも約50、60、75、80、90%、又は95%母乳で育てられてもよい。乳児の栄養の残りは、乳児用調製粉乳又は他の食品に由来してもよい。代替として、母乳で育てられている乳児は、母乳のみで育てられてもよい。本明細書で使用される場合、「母乳のみで育てられる」という用語は、ビフィドバクテリウムと混合して乳児に投与するという唯一の目的のために少量の乳児用調製粉乳が使用され得ることを除いて、乳児が乳児用調製粉乳を受けないことを意味する。乳児の場合、薬剤、ビフィドバクテリウム組成物、又はビフィドバクテリウムを送達するために使用される任意の媒体などを含む、生後最初の3ヶ月間の他の供給源からの任意のカロリー寄与は、無視できると考えられる。調製粉乳で育てられている乳児の場合、ビフィドバクテリウム剤形は、オリゴ糖などのプレバイオティクスを含有する。
【0073】
前述の説明は、本発明の例示的な実施形態を表すが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な追加、改変、及び置換が本明細書において行われ得ることが理解されるであろう。特に、本発明が、他の特定の形態、構造、配置、割合で、また他の要素、材料、及び構成要素を用いて、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく具現化され得ることが、当業者には明らかとなるであろう。当業者は、本発明が、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合される、本発明の実践において使用される、構造、配置、割合、材料、及び構成要素の多くの修正を伴って、並びに別の方法で、使用され得ることを認識するであろう。したがって、ここに開示される実施形態は、あらゆる点において、限定的なものではなく、例示的なものであるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されることはない。特許請求の範囲において、用語「含む/含んでいる」は、他の要素又は工程の存在を除外するものではないことは理解されよう。更に、単数形の参照は、複数性を排除するものではない。「a」、「an」、「第1の」、「第2の」などの用語は、複数性を排除するものではない。
【0074】
より正確な説明を提供するために、本明細書に示される量的表現の一部は、用語「約」で修飾されていない。用語「約」が明示的に用いられている/いないに関わらず、本明細書において与えられる全ての量は実際の所与の値を指すことを意味し、またこのような所与の値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されるこのような所与の値の近似値を指すことも意味することが理解される。
【0075】
より正確な記載を提供するため、本明細書において、定量的表現の一部は約X量から約Y量の範囲として引用される。範囲が挙げられている場合、その範囲は、挙げられている上限及び下限に限定されず、約X量から約Y量の全範囲、又はその範囲内の任意の量若しくは範囲を含むと理解される。
【0076】
百分率、部及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づいている。列挙された成分に関連するこのような重量は全て、記載する特定の成分のレベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれることがある担体又は副産物を含まない。
【0077】
〔実施の態様〕
(1) ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物の乳児への経口送達のための方法であって、前記組成物が、介護者の皮膚に直接適用される、方法。
(2) 前記組成物が、プレバイオティクスを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記プレバイオティクスが、オリゴ糖である、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記プレバイオティクスが、天然オリゴ糖である、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記プレバイオティクスが、天然オリゴ糖と機能的に等価な合成分子である、実施態様2に記載の方法。
【0078】
(6) 前記プレバイオティクスが、ラクト-N-テトラオース(LNT)又は2’-フコシルラクトース(2’-FL)である、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記組成物が、ラクトース不含である、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記組成物が、抗酸化剤を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記組成物が、ビタミン、ミネラル又は栄養補助食品を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記組成物が、食物アレルゲンを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0079】
(11) 前記組成物が、ソフトゲル中に含まれる、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記組成物が、半固体である、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも3ヶ月間安定である、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも6ヶ月間安定である、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも12ヶ月間安定である、実施態様1に記載の方法。
【0080】
(16) 前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも24ヶ月間安定である、実施態様1に記載の方法。
(17) 前記組成物が、無水である、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記組成物が、皮膚バリア機能及び/又は保湿を改善する必要がある皮膚に好適な成分を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(19) 前記組成物が、刺激された皮膚を鎮静化するか、又は皮膚刺激から保護するのに好適な成分を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(20) ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物の乳児への経口送達のための方法であって、前記組成物が、前記乳児の歯肉、歯又は頬のうちの1つに、介護者の指を介して適用される、方法。
【0081】
(21) ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物の乳児への経口送達のための方法であって、前記組成物が、人工乳首又はおしゃぶりに適用されるか、又は予め充填される、方法。
(22) ビフィドバクテリウム・インファンティスを含有する組成物を乳児に経口送達するための組成物であって、前記組成物が、溶解性又は崩壊性錠剤である、組成物。
(23) プレバイオティクス、食物アレルゲン及びビタミン、ミネラル又は栄養補助食品のうちの1つ以上を更に含む、実施態様22に記載の組成物。
(24) 前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも12ヶ月間安定である、実施態様22に記載の組成物。
(25) 前記組成物が、25℃及び相対湿度65%で保存した場合、少なくとも24ヶ月間安定である、実施態様22に記載の組成物。
【国際調査報告】