(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】消費財の容器の束およびそのラッパー
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B65D75/62 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518442
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2022077198
(87)【国際公開番号】W WO2023052551
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ランジュ ロス
(72)【発明者】
【氏名】アンドロセンコ アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB99
3E067AC03
3E067AC11
3E067BA20A
3E067BB01A
3E067BC04A
3E067EA05
3E067EB03
3E067EE02
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB20
3E067FC01
3E067GD05
3E067GD10
(57)【要約】
消費財の容器(90)の束(1)であって、束(1)は、消費財の複数の容器(90)と、複数の容器の周りに包装されて束ハウジング(2)を形成するラッパー(100)とを備える。ラッパー(100)は、ラッパー(100)上において互いとは個別の第一および第二の開封部分(10、20)を備える。ラッパー(100)は、第一の開封部分(10)の第一の端セグメント(11)が、第二の開封部分(20)の第一の端セグメント(21)と重複してこれに貼り付けられて束(1)の開封ストリップを形成するように、複数の容器(90)の周りに包装される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財の容器の束であって、前記束が、
消費財の複数の容器と、
前記複数の容器の周りに包装されて、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む束ハウジングを形成する、ラッパーと、を備え、
前記ラッパーが、第一の開封部分および第二の開封部分を含み、前記第一の開封部分が、前記ラッパー上において前記第二の開封部分とは個別であり、
前記ラッパーが、前記第一の開封部分の第一の端セグメントが、前記第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて前記束の開封ストリップを形成するように、前記複数の容器の周りに包装され、前記開封ストリップが、前記束前部壁、前記第一の束側壁、および前記束後部壁に沿って延び、
前記第一の開封部分の前記第一の端セグメントが、略台形の形状を有する、束。
【請求項2】
前記第一の開封部分が、少なくとも前記束前部壁に沿って延びる前記開封ストリップの一部分を画定する、請求項1に記載の束。
【請求項3】
前記第二の開封部分が、少なくとも前記束後部壁に沿って延びる前記開封ストリップの一部分を画定する、請求項1または請求項2に記載の束。
【請求項4】
前記第二の開封部分の前記第一の端セグメントが、略台形の形状を有する、請求項1~3のいずれかに記載の束。
【請求項5】
前記第一の開封部分が、少なくとも一つの虚弱線によって区切られる、請求項1~4のいずれかに記載の束。
【請求項6】
前記第一の開封部分が、一対の離間した虚弱線によって区切られる、請求項1~5のいずれかに記載の束。
【請求項7】
前記第一の開封部分の前記一対の離間した虚弱線が、前記束前部壁に沿って互いに実質的に平行に延びる、請求項6に記載の束。
【請求項8】
前記第一の開封部分の前記一対の離間した虚弱線が、前記第一の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いから分岐している、請求項6または請求項7に記載の束。
【請求項9】
前記第一の開封部分の前記一対の離間した虚弱線が、前記第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いに実質的に平行に延びる、請求項6~8のいずれかに記載の束。
【請求項10】
前記ラッパーが、前記開封ストリップに沿って開封されて、前記束ハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するように構成される、請求項1~9のいずれかに記載の束。
【請求項11】
前記ラッパーが前記開封ストリップに沿って開封されたときに、前記束ハウジングの前記第一の部分が、前記束ハウジングの前記第二の部分から離れるように持ち上げられて、前記束ハウジング内の前記複数の容器へのアクセスが可能になるように構成されている、請求項10に記載の束。
【請求項12】
前記ラッパーが、前記第一の開封部分の第二の端セグメントが前記第二の開封部分の第二の端セグメントと重複してこれに貼り付けられるように、前記複数の容器の周りに包装される、請求項1~11のいずれかに記載の束。
【請求項13】
前記ラッパーが、紙またはボール紙のシートである、請求項1~12のいずれかに記載の束。
【請求項14】
前記ラッパーが、多層シートである、請求項1~13のいずれかに記載の束。
【請求項15】
前記多層シートが、セルロース系層およびポリマー層を含む、請求項14に記載の束。
【請求項16】
前記ポリマー層が、前記セルロース系層の内側に提供される、請求項15に記載の束。
【請求項17】
前記ポリマー層が、第一のポリマー層であり、
前記多層シートが、第二のポリマー層を含む、請求項15または請求項16に記載の束。
【請求項18】
前記第二のポリマー層が、前記セルロース系層と前記第一のポリマー層との間に位置する、請求項17に記載の束。
【請求項19】
前記第二のポリマー層が、防湿バリア層である、請求項18に記載の束。
【請求項20】
前記第一のポリマー層または前記第二のポリマー層が、
・エチレンのポリマーまたはコポリマー、
・プロピレンのポリマーまたはコポリマー、
・スチレンアクリレートのコポリマー、
・スチレンブタジエンのコポリマー、
・スチレンイソプレンのコポリマー、
・水添スチレンブタジエンのコポリマー、
・水添スチレンイソプレンのコポリマー、
・アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのコポリマー、
・酢酸ビニルのコポリマー、
・ポリブテンのコポリマー、のうちの一つ以上を含む組成物を含む、請求項15~19のいずれか一項に記載の束。
【請求項21】
前記組成物が、ワックスをさらに含む、請求項20に記載の束。
【請求項22】
前記組成物が、炭化水素樹脂をさらに含む、請求項20または21に記載の束。
【請求項23】
消費財の容器の束を形成するために、消費財の複数の容器の周りに包装するためのラッパーであって、前記ラッパーが、
複数のパネル、および前記複数のパネルを分離する複数の折り目を備え、前記複数のパネルが、前記複数の折り目を中心として折り畳まれて、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む束ハウジングを形成するように構成され、
前記ラッパーが、第一の開封部分および第二の開封部分をさらに備え、前記第一の開封部分が、前記ラッパー上において前記第二の開封部分とは個別であり、
前記第一および第二の開封部分が、前記ラッパーが折り畳まれて前記束ハウジングを形成するときに、前記第一の開封部分の第一の端セグメントが、前記第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて前記束の開封ストリップを形成するように、前記ラッパー上に配設され、前記開封ストリップが、前記束前部壁、前記第一の束側壁、および前記束後部壁に沿って延び、
前記第一の開封部分の前記第一の端セグメントが、略台形の形状を有する、ラッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財用の束、および束を形成するために消費財の周りに包装するためのラッパーに関する。本発明による束には、エアロゾル発生物品などの消費財の複数の容器の束としての特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品およびその他の消費財を剛直なボックス形状の容器内に包装して販売することは一般的に知られている。
【0003】
また、エアロゾル発生物品およびその他の消費財用の容器を、複数の容器を収容するマルチパックまたは束で陳列および販売することも知られている。複数の容器は、行および列のアレイで配設することができ、透明なフィルムラッパーで包装されて容器の束を形成してもよい。当該ラッパーは、典型的には、貯蔵および搬送のうちの一方または両方のために提供される。別の方法として、または追加的に、複数の容器は、ディスプレイカートン内に配置されて束を形成してもよい。ディスプレイカートンは、典型的には、容器が中に存在するボックスを形成する、折り畳まれた厚紙の層状ブランクから作製され得る。ディスプレイカートンは、複数の容器の周りに包装される透明なフィルムラッパーに加えて、またはその代わりに使用されてもよい。
【0004】
一部の公知の束では、容器を取り囲むラッパーには、束の開封を容易にするための開封ストリップまたは穿孔が設けられる。例えば、消費者は、束ラッパーの一部分を束から離れるよう持ち上げるか、または除去して内部の容器を露出させることができるように、ストリップまたは穿孔に沿って開封することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
少なくとも容器へのアクセスが望まれるまで、束が複数の容器を緊密に包装された束として維持する、消費財の容器の束および束のラッパーを提供することが一般的に望ましい。しかしながら、一部の従来の束では、こうした目的で機能するラッパーは、束が開封された後は、さらなる機能を提供することなく破棄されるのみである。
【0006】
さらに、一部の従来の束では、まず複数の容器を周囲のディスプレイカートンハウジングから取り出し、その後、周囲のラッパーを複数の容器から除去しなければ、容器のいずれかに完全にアクセスできない場合がある。したがって、こうした配設は、束を使用または取り扱う者にとって過度に負担となり得る。さらに、こうした配設は、異なる材料で形成される可能性がある、複数の異なる構成要素の使用を伴う場合がある。これは、環境的理由および費用的理由のうちの一方または両方にとって望ましくない場合がある。
【0007】
したがって、複数の容器を一緒に束内にしっかりと保持することができる一方で、上述の欠点のうちの一つ以上に悩まされることなく、望まれるときに容器への簡単なアクセスが可能である、消費財の容器の束およびそのラッパーを提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一の実施形態による消費財の容器の束の斜視図を示す。
【
図2】部分的に開封された状態にある束のラッパーを有する
図1の束を示す。
【
図3】ラッパーの開封ストリップが束のハウジングを二つの部分に分割するよう完全に除去された、
図2の束を示す。
【
図4】ハウジングの第一の部分を束の残りの部分から離れるように移動させた
図3の束を示す。
【
図5】
図1の束を形成するために、消費財の複数の容器の周りに包装するためのラッパーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、消費財の容器の束に関する。束は、消費財の複数の容器と、複数の容器の周りに包装されて束ハウジングを形成するラッパーとを備え得る。束ハウジングは、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含み得る。ラッパーは、第一の開封部分および第二の開封部分を含み得る。第一の開封部分は、ラッパー上において第二の開封部分とは個別であってもよい。ラッパーは、第一の開封部分の第一の端セグメントが、第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて束の開封ストリップを形成するように、複数の容器の周りに包装されてもよい。開封ストリップは、束前部壁、第一の束側壁、および束後部壁に沿って延びてもよい。
【0010】
本発明の一態様によると、消費財の容器の束が提供されており、束は、消費財の複数の容器と、複数の容器の周りに包装されて、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む束ハウジングを形成する、ラッパーとを備え、ラッパーは、第一の開封部分および第二の開封部分を含み、第一の開封部分は、ラッパー上において第二の開封部分とは個別であり、ラッパーは、第一の開封部分の第一の端セグメントが、第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて束の開封ストリップを形成するように、複数の容器の周りに包装され、開封ストリップは、束前部壁、第一の束側壁、および束後部壁に沿って延びる。
【0011】
本発明による束の構成要素の相対的位置を説明するために使用される「側部」、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」および他の用語は、本明細書で使用される場合、束の複数の容器のアクセス開口部が上部にある、直立位置にある束を意味する。本発明による束を説明するとき、説明されている束の向きに関係なく、これらの用語が使用される。束の「底部」は、束の「上部」の反対側にある束の側面を意味する。
【0012】
「パネル」という用語は、束または消費財の容器を形成する材料の単一の連続的な部分から形成される、束または消費財の容器の一部分を意味する。「壁」という用語は、より一般的に束または消費財の容器の面を意味し、壁は、単一のパネルまたはフラップから形成されてもよく、または壁は、二つ以上の、当接するか、または重複するパネルまたはフラップから形成されてもよい。
【0013】
「封筒折り」という用語は、本明細書では、ラッパーの二つ以上のパネルまたはフラップが少なくとも部分的に重複して壁を形成する、折り畳みの結果を説明するために使用される。したがって、封筒折りによって形成される壁は、二つ以上の部分的に重複するパネルまたはフラップが重複する、重複する壁部分と、部分的に重複するパネルまたはフラップの非重複部分によって形成される、重複しない壁部分とから成る。
【0014】
「従属」という用語は、本明細書では、本発明による束の二つの要素間の物理的接続を説明するために使用される。より詳細には、「従属する」という用語は、束またはブランクの二つの壁またはパネルなどの二つの要素間に材料の連続性があることを示すために使用される。これは、壁またはパネルが、隣接する壁またはパネルに直接的に従属する場合、ならびに中間の壁またはパネルが二つの壁またはパネルを効果的に接続する場合の両方を包含する。
【0015】
一例として、側壁または側方パネルは、隣接する前部壁または前部パネルに直接的に従属し得る。こうした場合、壁またはパネルは典型的に、隣接する壁から折り目に沿って従属する。別の方法として、丸みのあるまたは面取りされた縁を有する束では特に、側壁または側方パネルは、前部壁または前部パネルに間接的に従属してもよい。こうしたケースでは、丸みのあるまたは面取りされた縁を有する壁またはパネルは、側壁または側方パネルと前部壁または前部パネルとを接続する。面取りされた縁の場合、側壁または側方パネルおよび前部壁または前部パネルはどちらも、それぞれの折り目に沿って接続する面取りされた縁端を有する壁またはパネルに従属してもよい。
【0016】
「長軸方向」という用語は、側面から側面への方向を意味する。「横断方向」という用語は、前部から後部への、またはその逆で後部から前部への、長軸方向に対して直角を成す方向を意味する。「垂直」という用語は、底部から上部への、またはその逆で上部から底部への、長軸方向および横断方向の両方に対して直角を成す方向を意味する。
【0017】
「長さ」という用語は、長軸方向に測定される、ブランクのパネル、または束または消費財の容器の壁などの要素の寸法を指す。
【0018】
「幅」という用語は、横断方向に測定される、ブランクのパネル、または束または消費財の容器の壁などの要素の寸法を説明するために使用される。「高さ」という用語は、垂直方向に測定される、一つのこうした要素の寸法を説明するために使用される。ブランクのパネル、または束または消費財の容器の壁などの容器の要素を説明する場合、概して平坦な状態にある要素に言及している。
【0019】
「虚弱線」という用語は本明細書において、束(または束を形成するブランク)の表面の一部分であって、束(またはブランク)を形成する材料の構造強度が、例えば虚弱線に沿った曲げ、折り畳み、または開封に関して任意の適切な技法によって弱化されている部分を説明するために使用される。虚弱線は、直線、曲線、断片的もしくは連続的な線、またはそれらの組み合わせであってもよい。虚弱線は、材料を除去することによって、材料を変位させることによって、材料を圧縮することによって、材料を一緒に保持する力を局所的に低減することによって(例えば、繊維質材料内の繊維を破断することによって)、また上記すべての組み合わせによって作り出すことができる。例えば、虚弱線は、スコアライン、筋付け線、切除線、または穿孔線として形成されてもよい。
【0020】
「スコアライン」という用語は、ブランクの材料に部分的に切り込みを入れることによって形成される線を説明するために使用される。スコアラインは、ブランクから材料を除去することによって、すなわち、ブランク内に溝または谷を形成することによって形成されてもよい。別の方法として、スコアラインは、ブランクから任意の材料を除去することなく形成されてもよい。これは、一般的に、部分的な側方向の変位および材料の圧縮を伴う。
【0021】
「筋付け線」という用語は一般に、ブランクの平面に対して実質的に直角を成す材料の一部分を変位することによって形成される線を指し、これはブランク内の溝または谷の形成をもたらす。変位は圧縮を伴う場合があり、一般的に、ローラーなどの圧縮ツールによって達成される。別の方法として、または追加的に、筋付け線内の材料は、ブランクの反対側から少なくとも部分的に突き出るように変位されてもよい。一般的に、筋付け線が形成される時に、材料は除去されない。
【0022】
「切除線」という用語は、代わりに、ブランクの表面から、切除によって所定の深さだけ材料を除去することによって(レーザービームまたはブレードによるなど)形成される線を説明するために使用される。
【0023】
「穿孔線」という用語は、ブランク内の個別の孔またはスロットの線または配列を説明する。孔は、ブランクを通して物体を押し出すことによって形成されてもよく、その結果、材料がブランクから、例えば打ち抜きによって除去されうる。別の方法として、孔は事実上材料を除去することなく、物体を使用して孔の中心から外向きに材料を押し出すことによって作り出されてもよい。
【0024】
本明細書で使用される「サセプタ要素」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換することができる材料を指す。変動電磁場内に位置する場合、サセプタ要素中の誘導された渦電流はサセプタ要素の加熱を引き起こす。
【0025】
上記で簡単に説明したように、本発明は、消費財の容器の束に関する。束は、消費財の複数の容器と、複数の容器の周りに包装されて束ハウジングを形成するラッパーとを備え得る。ラッパーは、ラッパーを複数の容器の周りに包装したときに互いに重複して貼り付けられる、第一および第二の個別の開封部分を有してもよい。第一および第二の開封部分、およびそれらの重複する端セグメントは、束内の容器へのアクセスを可能にするよう開封することができる開封ストリップを形成する。
【0026】
組み立てられた束において、互いに重複して貼り付けられる端セグメントを有するように個別の開封部分を配設することにより、開封部分のうちの一方に沿ってラッパーを開封する動作を、中断することなく、開封部分のうちの他方に沿ってラッパーを開封する動作へと続行することができる。これにより、二つの個別の開封部分から、単一の開封ストリップをラッパー内に形成することが可能になる。例えば、消費者が第一の開封部分をラッパーの残りの部分から引き離して、第一の開封部分に沿ってラッパーを開封する場合、こうした開封動作により、続行される場合、最終的には、ラッパーが第一の開封部分の第一の端セグメントにおいても開封される。この時点で、当該開封動作は、第一の開封部分の第一の端セグメントが第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられているために、ラッパーの第二の開封部分へと移行することになる。結果として、組み立てられた束において当該開封部分の端が互いに重複して貼り付けられているために、ユーザーは、二つの個別の開封部分に沿ったラッパーの連続的な開封を体験することになる。したがって、開封ストリップは、束前部壁に沿って、第一の束側壁にわたり、その後束後部壁上へと連続的に延びるものとみなされ得る。
【0027】
本発明の束およびラッパーは、消費財の束およびそのラッパーの先行技術と比較して一つ以上の進歩を提供する。既存の束とは対照的に、本発明による束は、束の容器への容易なアクセスを可能にする一方で、ラッパーを開封ストリップに沿って開封した後に、束のラッパーが少なくとも一つのさらなる目的に機能することを可能にする、開封ストリップ配設を有する。特に、開封ストリップ配設は、ラッパーが、束ハウジングの第一の部分を持ち上げて複数の容器へのアクセスを可能にすることができる一方で、束ハウジングの第二の部分は複数の容器の周りに包装されたままである、束ハウジングを形成することを可能にする。次に、束ハウジングの第二の部分は、複数の容器が中に存在することができる便利な構造を提供し得る。これは有利なことに、容器が、容易に視認可能かつアクセス可能になることを可能にし、さらにラッパーの一部分が束から除去された後でもしっかりと一緒に保持されたままであることを可能にする。こうした構造またはトレイは、小売環境において消費財の容器の束を陳列したい小売業者にとって望ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、こうしたトレイは、消費者が束を取得した後に消費者が利用することが望ましい場合がある。
【0028】
さらに、組み立てられた束において、互いに重複して貼り付けられた端セグメントを有する二つの個別の開封部分から形成されるように開封ストリップを配設することによって、有利なことに、束を開封するのに単一の開封ストリップが使用され得る。開封ストリップは、単純な設計を有してもよい。開封ストリップは、ラッパーへのわずかな修正を必要とするのみであり得る。開封ストリップはまた、ラッパー設計に組み込まれてもよく、これは、高速機械環境での使用に特に適している。
【0029】
さらに、一部の先行技術の束とは対照的に、本発明のラッパーは、保護ラッパーとして作用するように構成することができ、これは、望まれるときに容器へのアクセスを可能にするように容易に除去することができるとともに、ラッパーの一部が除去されたときに、トレイの形態で、ディスプレイハウジングとして作用することができる。束の単一の構成要素からのこうした二重機能は、簡略化されたユーザーの体験を提供することができる。さらに、束の単一の構成要素からのこうした二重機能は、束またはカートン構造全体を形成するのに必要な材料が少なくて済むことも意味し得る。これは、こうした束の製造に関連する費用および持続可能性のうちの一方または両方に関する改善につながり得る。
【0030】
第一の開封部分の第一の端セグメントは、第一の束側壁において第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられ得る。束の側壁に重複が生じるように配設することにより、束前部壁、束上部壁、束後部壁、および束底部壁のうちの一つ以上などの束の別の壁またその他の壁上に、ラッパーの重複が必要となる機会が低減し得る。これは有利なことに、当該その他の一つまたはそれ以上の壁が、当該一つまたはそれ以上の壁上のラッパーの重複によって生じる視認可能な中断を有する可能性が少なくとなることを意味し得る。これは、当該その他の一つまたはそれ以上の壁が、例えば、一つ以上のしるしを担持することによる、伝達目的のために使用される場合に望ましい場合がある。
【0031】
第一の束側壁は、ラッパーの封筒折りによって形成されてもよい。第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとの重複は、第一の束側壁においてラッパーの封筒折りの一部を重複させることによって形成されてもよい。第二の束側壁が、ラッパーの封筒折りによって形成されてもよい。当然のことながら、封筒折りは、第一の束側壁においてラッパーに重複を形成するのに使用することができる一つのタイプの折り畳みの例示に過ぎない。第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとの間に重複をもたらす他の形態の折り畳みの形態は、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0032】
第一の開封部分は、少なくとも束前部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分を画定し得る。言い換えれば、第一の開封部分は、少なくとも束前部壁に沿って延び得る。少なくとも束前部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分は、束前部壁の第一の側縁から束前部壁の対向する第二の側縁へと延びてもよい。開封ストリップは、束前部壁の少なくとも全長にわたって延びてもよい。
【0033】
第二の開封部分は、少なくとも束後部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分を画定し得る。言い換えれば、第二の開封部分は、少なくとも束後部壁に沿って延び得る。少なくとも束後部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分は、束後部壁の第一の側縁から束後部壁の対向する第二の側縁へと延びてもよい。開封ストリップは、束後部壁の少なくとも全長にわたって延びてもよい。
【0034】
開封ストリップは、第二の束側壁に沿ってさらに延びてもよい。開封ストリップは、少なくとも第二の束側壁の全幅にわたってもよい。
【0035】
開封ストリップは、束を完全に囲んでもよい。開封ストリップは、束前部壁の全長、束後部壁の全長、および第一および第二の束側壁の各々の全幅にわたって延びてもよい。
【0036】
開封ストリップは、束上部壁および束底部壁のうちの一方または両方から離間していてもよい。開封ストリップは、束の高さの少なくとも約20パーセント、より好ましくは、束の高さの少なくとも約40パーセントに等しい距離だけ束上部壁から離間していることが好ましい。開封ストリップは、束の高さの少なくとも約20パーセント、より好ましくは、束の高さの少なくとも約40パーセントに等しい距離だけ束底部壁から離間していることが好ましい。これにより、有利なことに、十分な量のラッパーが束から除去されて容器へのアクセスが可能になる一方で、ラッパーによって形成されるトレイが十分に高い側壁を有することができることも確保される。
【0037】
第一の開封部分は、第二の端セグメントを含み得る。第一の開封部分の第二の端セグメントは、プルタブを含んでもよい。プルタブは、第二の束側壁に配置されてもよい。
【0038】
ラッパーは、ラッパーの対向する縁が、束前部壁、束後部壁、束上部壁、および束底部壁のうちの一つに沿って延びる重複を形成するように、複数の容器の周りに包装されてもよい。重複は、ラッパーの継ぎ目を形成し得る。継ぎ目は、ラッパーの重複する層間に配置される接着剤によって重複内に形成されてもよい。継ぎ目は、ラッパーの重複する層間の溶接によって重複内に形成されてもよい。継ぎ目は、束底部壁に沿って延びてもよい。
【0039】
本発明のラッパーおよび束では、第一の開封部分と第二の開封部分が、互いに良好に整列しないために、ラッパーが複数の容器の周りに包装されたときに当該開封部分の端において適切に重複しないというリスクがあり得る。こうした問題は、望ましくないことに、開封ストリップが、信頼できないものとなる、および効果的でないものとなる、のうちの一方または両方をもたらし得る。これは、第一の開封部分および第二の開封部分が、例えば、ラッパーまたは束の残りの部分と比較して比較的幅が狭い実施形態において特に該当する。
【0040】
したがって、本発明のラッパーには、第一の開封部分と第二の開封部分が互いに良好に整列しないため当該開封部分の端において適切に重複しないために、二つの個別の開封部分に沿ったラッパーの連続的な開封が行われない場合があるいう問題に対処するのに役立つ、以下の特徴のうちの一つ以上が提供され得る。
【0041】
例えば、第一の開封部分の第一の端セグメントは、略台形の形状を有してもよい。言い換えれば、第一の開封部分の第一の端セグメントは、第一の開封部分の第一の端セグメントの長さに沿って漸進的に増大する幅を有してもよい。特に、第一の開封部分の第一の端セグメントの幅は、第一の開封部分の第一の端セグメントの全長に沿って漸進的に増大してもよい。こうした配設により、第一の開封部分の第一の端セグメントに略台形の形状がもたらされるとみなされ得る。第一の開封部分が一対の離間した虚弱線によって区切られる場合、第一の開封部分の幅は、当該虚弱線間の距離とみなされ得る。
【0042】
第一の開封部分の第一の端セグメントの長さに沿って第一の開封部分の幅を増大させることによって、第二の開封部分と重複させるのに利用可能な第一の開封部分の全体的な面積が、第一の開封部分の残りの部分に対して増大し得る。これにより、ラッパーおよび組み立てられた束のうちの一方または両方上に、第一の開封部分と第二の開封部分の精密な整列を必要とすることなく、第一の開封部分と第二の開封部分との間により効果的な重複が生じることが可能になり得る。結果として、第一の開封部分から第二の開封部分への開封動作のより効果的な移行が達成され得る。こうした配設はまた、有利なことに、ラッパーに印加される開封力をより良好に分配するのに役立ち、それ故に、開封ストリップの意図しない破断を回避するのに役立ち得る。
【0043】
本開示はまた、第一の開封部分にこうした特徴を提供することに代替的に、または追加的に、こうした整列問題に対処するための特徴を第二の開封部分に提供することを企図する。したがって、第二の開封部分の第一の端セグメントは、略台形の形状を有してもよい。第二の開封部分の第一の端セグメントは、第二の開封部分の第一の端セグメントの長さに沿って漸進的に増大する幅を有してもよい。特に、第二の開封部分の第一の端セグメントの幅は、第二の開封部分の第一の端セグメントの全長に沿って漸進的に増大してもよい。
【0044】
第一の開封部分の第一の端セグメントおよび第二の開封部分の第一の端セグメントは、それらの最も広い部分が互いに重複するように構成されてもよい。
【0045】
第一の開封部分は、少なくとも一つの虚弱線によって区切られてもよい。本明細書で説明した虚弱線は、スコアライン、筋付け線、切除線、および穿孔線のうちの一つ以上として形成され得る。虚弱線は、穿孔線として形成されることが好ましい。
【0046】
第一の開封部分は、一対の離間した虚弱線によって区切られてもよい。これにより、それによってラッパーを第一の開封部分に沿って開封することができる容易さが改善され得る。さらに、これはラッパーの開封の一貫性を改善し得る。
【0047】
第一の開封部分の一対の離間した虚弱線は、束前部壁に沿って互いに実質的に平行に延びてもよい。結果として、開封ストリップは、束前部壁に沿って一定の幅を有し得る。
【0048】
第一の開封部分の一対の離間した虚弱線は、第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いに実質的に平行に延びてもよい。結果として、開封ストリップは、第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って一定の幅を有し得る。
【0049】
第一の開封部分の一対の離間した虚弱線は、第一の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いから分岐してもよい。第一の開封部分の一対の離間した虚弱線は、第一の開封部分の第一の端セグメントにおいて互いから分岐してもよい。これにより、第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとが重複する束の領域において、開封動作が第一の開封部分から第二の開封部分へと移行する確実性が改善され得る。特に、束のこの領域において虚弱線を互いから分岐させることによって、当該領域における第一の開封部分の幅、および結果として開封ストリップの幅が増大し得る。これにより、次いで、第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとの間により大きな重複が生じる可能性が増大する。結果として、第一の開封部分から第二の開封部分へのより確実な開封動作の移行が実現され得る。さらに、こうした有利な特徴は、製造中に、第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとの間に精密な整列が達成される確実性が小さいことを意味する。結果として、この束の態様に関して、束の製造公差は、束の開封ストリップの機能を大きく損なうことなく相対的となり得る。
【0050】
第二の開封部分は、少なくとも一つの虚弱線によって区切られてもよい。虚弱線は、スコアライン、筋付け線、切除線、および穿孔線のうちの一つ以上として形成されてもよい。虚弱線は、穿孔線として形成されることが好ましい。
【0051】
第二の開封部分は、一対の離間した虚弱線によって区切られてもよい。これにより、それによってラッパーを第二の開封部分に沿って開封することができる容易さが改善され得る。さらに、これはラッパーの開封の一貫性を改善し得る。
【0052】
第二の開封部分の一対の離間した虚弱線は、束後部壁に沿って互いに実質的に平行に延びてもよい。結果として、開封ストリップは、束後部壁に沿って一定の幅を有し得る。
【0053】
第二の開封部分の一対の離間した虚弱線は、第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いに実質的に平行に延びてもよい。結果として、開封ストリップは、第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って一定の幅を有し得る。
【0054】
第二の開封部分の一対の離間した虚弱線は、第一の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いから分岐してもよい。第二の開封部分の一対の離間した虚弱線は、第二の開封部分の第一の端セグメントにおいて互いから分岐してもよい。これにより、第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとが重複する束の領域において、開封動作が第一の開封部分から第二の開封部分へと移行する確実性が改善され得る。特に、束のこの領域において虚弱線を互いから分岐させることによって、当該領域における第二の開封部分の幅、および結果として開封ストリップの幅が増大し得る。これにより、次いで、第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとの間により大きな重複が生じる可能性が増大する。結果として、第一の開封部分から第二の開封部分へのより確実な開封動作の移行が実現され得る。さらに、こうした有利な特徴は、製造中に、第一の開封部分の第一の端セグメントと第二の開封部分の第一の端セグメントとの間に精密な整列が達成される確実性が小さいことを意味する。結果として、この束の設計の態様に関して、束の製造公差は、束の開封ストリップの機能性を大きく損なうことなく比較的大きくなり得る。
【0055】
各虚弱線は、エンボス加工された線、デボス加工された線、筋付け線、および穿孔のうちの一つ以上を含んでもよい。束が第一の開封部分または第二の開封部分を画定する一つ以上の虚弱線を備え、当該虚弱線が穿孔を含む場合、束は、穿孔穴の少なくとも一部に塗布される接着剤をさらに含み得る。
【0056】
ラッパーは、開封ストリップに沿って開封されて、束ハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するように構成されてもよい。ラッパーが開封ストリップに沿って開封されたときに、束ハウジングの第一の部分は、束ハウジングの第二の部分から離れるように持ち上げられて、束ハウジング内の複数の容器へのアクセスが可能になるように構成されてもよい。ラッパーが開封ストリップに沿って開封されたときに、束ハウジングの第一の部分が、束の残りの部分から取り外し可能であってもよい。
【0057】
束ハウジングの第二の部分は、束底部壁および束前部壁の各々の少なくとも一部分、束後部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含み得る。
【0058】
束ハウジングの第二の部分は、一つ以上のしるしを担持してもよい。
【0059】
束ハウジングの第一の部分は、束上部壁および束前部壁の各々の少なくとも一部分、束後部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含み得る。
【0060】
束ハウジングは、直方体の形状であってもよい。直方体は、長軸方向の直角の縁および横断方向の直角の縁を含み得る。束ハウジングは、一つ以上の長軸方向の丸み付きの縁、横断方向の丸み付きの縁、長軸方向の面取り付きの縁、または横断方向の面取り付きの縁、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。直方体は、幅がより狭い二つの側壁によって離間した、前部壁および後部壁などの幅がより広い二つの壁を含み得る。
【0061】
第一の開封部分の第一の端セグメントは、接着剤によって第二の開封部分の第一の端セグメントに貼り付けられてもよい。適切な接着剤には、ポリビニルアセテート、スチレンアクリレート、およびラテックスが含まれる。
【0062】
第一の開封部分の第一の端セグメントは、溶接によって第二の開封部分の第一の端セグメントに貼り付けられてもよい。こうした熱溶接は、ラッパーがポリマー層を含む層状ブランクで作製される場合に特に適用可能であり得る。
【0063】
ラッパーは、第一の開封部分の第二の端セグメントが第二の開封部分の第二の端セグメントと重複するように、複数の容器の周りに包装されてもよい。第一の開封部分の第二の端セグメントは、第二の開封部分の第二の端セグメントに貼り付けられてもよい。第一の開封部分の第二の端セグメントは、接着剤によって第二の開封部分の第二の端セグメントに貼り付けられてもよい。第一の開封部分の第二の端セグメントは、第二の束側壁において第二の開封部分の第二の端セグメントと重複してもよい。
【0064】
ラッパーは、折り畳まれた層状ブランクであってもよい。ラッパーは、紙またはボール紙のシートであってもよい。一部の好ましい実施形態では、ラッパーは、多層シートであってもよい。多層シートは、セルロース系層およびポリマー層を含み得る。ポリマー層は、セルロース系層の内側およびセルロース系層の外側のうちの一方または両方上に提供されてもよい。ポリマー層は、セルロース系層の内側(すなわち、収容された容器に面する側面)上に提供されることが好ましい。ポリマー層は、ラッパーに防湿バリアおよびヒートシール性層のうちの一方または両方を提供し得る。ラッパーは、約70マイクロメートル~約110マイクロメートルの厚さを有してもよい。こうしたラッパーは、収縮包装などの追加のプロセス工程を必ずしも必要とすることなく折り畳んで束を形成することができるため、製造の容易さにおいて他のラッパー材料と比較して好ましい場合がある。紙ラッパーはまた、ユーザーが単一の動作で束を容易に開封することを可能にする一方で、開封後に複数の容器をしっかりと保持するための便利なトレイを提供し得る。紙ラッパーはまた、印刷に好適であり得、これはラッパーが容器用のトレイを形成する場合に特に望ましい場合がある。
【0065】
ラッパーは、金属化層を含むことが好ましい。
【0066】
金属化層、または金属化ラッパーを有するラッパーを提供することによって、ラッパーのバリア特徴が改善され得る。金属化ラッパーは、酸素または水分などの気体または蒸気に対する浸透性が著しく低いため、束ハウジング内に収容された消費財に対するさらなる保護を提供し得る。
【0067】
ラッパーは追加的な層を含んでもよく、例えば追加的なバリア層を、結果として得られる束のバリア性能を強化する目的で追加してもよい。例えば、予め被覆されたセルロース系層を、本発明のラッパーの製造のための基体として使用してもよい。予め被覆されたセルロース系層は、例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレン-co-ビニルアルコール(EVOH)、二塩化ポリ塩化ビニリデン被覆(PVDC)、およびスチレン-ブタジエンまたはスチレン-アクリレート系ラテックスの一つ以上の層を含んでもよい。これらの予め塗布された被覆(多くの場合、ペーパーミルに塗布される)は、優れた表面平面性を有するセルロース系層を達成するのに役立ち、よって本発明に記述される被覆の性能をさらに強化し得る。さらに、PVOH、EVOH、およびPVDCなどの予め塗布された被覆は、臭気、芳香、および酸素に対するバリアなどの追加的な機能性を、本発明の結果として得られる束に追加し得る。このようにして予め塗布された被覆は、炭酸カルシウム、カオリン、タルカム、雲母、または他の血小板型ミネラルなどのミネラル充填剤を含有することが多い。
【0068】
第一のポリマー層がヒートシール性ポリマー層である場合、ヒートシール性ポリマー層は、第一のヒートシール性ポリマー層であってもよい。本発明による束は、ラッパー上に第二のポリマー層を含んでもよい。第二のポリマー層は、セルロース系層と第一のヒートシール性ポリマー層との間にあってもよい。別の方法として、第二のポリマー層は、セルロース系層の外表面上にあってもよい。第二のポリマー層は、防湿バリアであってもよい。防湿バリアは、束の外側と束の内側との間により良好なバリアを提供し得るため、束内に収容された消費財に追加的な保護を提供し得る。第二のポリマー層は、炭酸カルシウム、カオリン、タルカム、雲母、または他の血小板型ミネラルなどの充填剤を含んでもよい。好ましくは、第二のポリマー層はシール性ではなく、架橋されるか、または架橋剤を含んでもよい。
【0069】
第二のポリマー層は、ラッパーの内表面の少なくとも50パーセント上にあってもよく、第二のポリマー層は、ラッパーの内表面の少なくとも80パーセント上にあることが好ましく、第二のポリマー層は、ラッパーの内表面全体にわたって延びることがより好ましい。第二のポリマー層の被覆度が大きくなるほど、束の内側とラッパーの外側との間に達成されるシールが大きくなるため、大きな被覆面積の第二のポリマー層を有することが望ましい。
【0070】
第一または第二のポリマー層のうちの一方または両方は、エチレンのポリマーまたはコポリマー、プロピレンのポリマーまたはコポリマー、スチレンアクリレートのコポリマー、スチレンブタジエンのコポリマー、スチレンイソプレンのコポリマー、水添スチレンブタジエンのコポリマー、水添スチレンイソプレンのコポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、またはポリブテンのコポリマーのうちの一つ以上を含む組成物を含むことが好ましい。
【0071】
好ましくは、組成物は、エチレン、およびプロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-オクテン、1-エキセン、ノルボルネン、酢酸ビニル、アクリルまたはメタクリル酸エステル、アクリルまたはメタクリル酸、ジシクロペンタジエンのうちの一つのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含む。
【0072】
好ましくは、組成物は、プロピレン、およびエチレン、1-ブテン、イソブチレン、1-オクテン、1-エキセン、ノルボルネン、酢酸ビニル、アクリルまたはメタクリル酸エステル、アクリルまたはメタクリル酸、ジシクロペンタジエンおよびポリブテンのうちの一つのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含む。
【0073】
組成物は、ワックスをさらに含むことが好ましい。ワックスは、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリプロピレンワックスのうち一つ以上を含み得る。組成物は、任意の含有率のワックスを有してもよい。ワックスの含有量は、組成物の10重量パーセント~40重量パーセントから成ってもよいことが好ましい。
【0074】
組成物は、炭化水素樹脂をさらに含むことが好ましい。炭化水素樹脂は、水添炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂のうちの一つ以上を含み得る。組成物は、任意の含有率の炭化水素樹脂を有してもよい。炭化水素樹脂の含有量は、組成物の30重量パーセント~50重量パーセントから成ることが好ましい。
【0075】
ポリマーまたはコポリマーの含有量は、組成物の30重量パーセント~50重量パーセントから成ることが好ましい。
【0076】
第一のヒートシール性ポリマー層は、4グラム/平方メートル~10グラム/平方メートルの坪量を有することが好ましい。
【0077】
第二のポリマー層は、5グラム/平方メートル~10グラム/平方メートルの坪量を有することが好ましい。
【0078】
第一のヒートシール性ポリマー層は、示差走査熱量測定(DSC)に従って測定された摂氏120度未満の融点を有することが好ましい。
【0079】
第二のポリマー層は、第一のヒートシール性ポリマー層を溶融するために使用される温度および圧力にて熱可塑性挙動を示さないことが好ましい。これにより、第二のポリマー層が第一のヒートシール性ポリマー層の加熱によって影響を受けないことが確保され得る。したがって、第一のヒートシール性ポリマー層が加熱されてラッパーを束上にシールするときに、第二のポリマー層は無傷のままである。
【0080】
第二のポリマー層は、第一のヒートシール性ポリマー層の融解温度よりも高い示差走査熱量測定(DSC)に従って測定される融点を有することが好ましい。
【0081】
ラッパーは、金属化層を含むことが好ましい。例えば、予め被覆されたセルロース系層は、金属化紙であってもよい。本発明の目的のために、セルロース系層は、一つ以上のポリマー層を塗布する前に金属化されてもよい。金属化層は、結果として得られる束のバリア性能を強化することを目的としたバリア層であってもよい。金属化層を有するラッパー、または金属化ラッパーを提供することによって、ラッパーのバリア特徴が改善され得る。金属化ラッパーは、酸素または水分などの気体または蒸気に対する浸透性が著しく低いため、束内に収容された消費財に対するさらなる保護を提供し得る。金属化層はまた、装飾目的で使用されてもよい。
【0082】
好ましくは、金属化層は、セルロース系層に適用されてもよい。
【0083】
金属化層は、セルロース系層の内表面上にあってもよい。別の方法として、金属化層は、セルロース系層の外表面上にあってもよい。金属化層がセルロース系層の外表面上にある場合、金属化層は、ラッパーにより魅力的な外観を付与し得る。
【0084】
金属化層は、アルミニウム層であることが好ましい。しかしながら、金属化層は、任意の適切な金属を含む層であってもよい。
【0085】
金属化層は、セルロース系層と第一のポリマー層との間にあることが好ましい。
【0086】
第一のポリマー層は、金属化層の内表面の少なくとも50パーセント上にあってもよく、第一のポリマー層は金属化層の内表面の少なくとも80パーセント上にあることが好ましく、第一のポリマー層は金属化層の内表面全体上にあることがより好ましい。
【0087】
金属化層は、少なくとも10ナノメートルの厚さを有してもよく、金属化層は、少なくとも15ナノメートルの厚さを有することが好ましい。
【0088】
金属化層は、高真空下で物理蒸着(PVD)技術を使用して蒸着されてもよい。
【0089】
プライマー層が、セルロース系層と金属化層との間にあってもよい。プライマー層は、セルロース系層の表面を平滑化し、金属化層の蒸着に好適な固定層を提供し得る。
【0090】
保護層で、金属化層を覆ってもよい。保護層は、束の取り扱いおよび形成中に生じ得る損傷から金属化層を保護し得る。保護層は、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸の重縮合物などの適切なポリエステル樹脂、およびエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4プロパンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオールなどの一種以上のジオールの溶液または分散液を塗布することによって製造することができる。保護層はまた、少なくとも二種の二塩基酸またはそのメチルエステルモノマーと、金属層に対する溶解性および接着性に優れたポリマーを得ることができる少なくとも一種以上のグリコールとの混合物から製造することもできる。トップコーティングの製造に適したその他の適切な組成物は、酢酸セルロースまたはプロピオン酸セルロースなどのポリマーの溶液、エチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸などの様々なオレフィンのコポリマーの分散液、水添炭化水素樹脂の溶液または分散液を含む。
【0091】
セルロース系層は、40グラム/平方メートル~70グラム/平方メートルの坪量を有することが好ましい。
【0092】
束は、各容器内に収容された複数の消費財を含み得る。複数の消費財は、複数のエアロゾル発生物品であってもよい。各エアロゾル発生物品は、たばこ材料などのニコチン含有材料を含み得るエアロゾル発生基体を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、サセプタ要素を備えてもよい。エアロゾル発生基体は、サセプタ要素を含み得る。
【0093】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体が、燃焼して煙を形成するたばこ材料を含む、フィルター付き紙巻たばこまたは他の喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体、例えばたばこ材料が、燃焼されるのではなく加熱されてエアロゾルを形成する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、ニコチン含有エアロゾルが、燃焼を用いずに、また一部の事例では加熱を用いずに、例えば化学反応を通して、たばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン供与源から発生する物品であってもよい。
【0094】
複数の消費財は、細長いエアロゾル発生物品などの複数の細長い物品を含み得る。細長い物品それぞれは、実質的に円筒形であってもよい。
【0095】
束の各容器は、ボックス部分と、ヒンジ線でボックス部分にヒンジで接続されるリッド部分とを含み得る。リッド部分は、リッド部分がボックス部分の開口部を覆う閉位置と、消費財をボックス部分から取り出すことができる開位置との間で、ヒンジ線を中心として旋回可能であってもよい。リッド部分は、リッド部分前部壁、リッド部分後部壁、リッド部分上部壁、および第一および第二の対向するリッド部分側壁を含み得る。 ボックス部分は、ボックス部分前部壁、ボックス部分後部壁、ボックス部部分底部壁、および第一および第二の対向するボックス部分側壁を含み得る。
【0096】
束の各容器は、直方体の形状であってもよい。直方体は、長軸方向の直角の縁および横断方向の直角の縁を含み得る。容器は、一つ以上の長軸方向の丸み付きの角、横断方向の丸み付きの角、長軸方向の面取り付きの角、または横断方向の面取り付きの角、またはこれらの組み合わせを備えてもよい。直方体は、幅がより狭い二つの側壁によって離間した、前部壁および後部壁などの幅がより広い二つの壁を含み得る。
【0097】
本発明の別の態様によると、消費財の容器の束を形成するために、消費財の複数の容器を包装するためのラッパーが提供されており、ラッパーは、複数のパネル、および複数のパネルを分離する複数の折り目を備え、複数のパネルは、複数の折り目を中心として折り畳まれて、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む束ハウジングを形成するように構成され、ラッパーは、第一の開封部分および第二の開封部分をさらに備え、第一の開封部分は、ラッパー上において第二の開封部分とは個別であり、第一の開封部分および第二の開封部分は、ラッパーが折り畳まれて、束ハウジングを形成するときに、第一の開封部分の第一の端セグメントが、第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて束の開封ストリップを形成するように、ラッパー上に配設され、開封ストリップは、束前部壁、第一の束側壁、および束後部壁に沿って延びる。ラッパーは、本発明の束に関して上述したラッパーの任意の特徴または特徴の組み合わせを有し得る。
【0098】
一実施例または一実施形態に関して説明される特徴はまた、その他の実施例および実施形態にも適用可能であり得る。
【0099】
[実施例]
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例または実施形態の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0100】
実施例1.
消費財の容器の束であって、束が、消費財の複数の容器と、複数の容器の周りに包装されて、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む束ハウジングを形成する、ラッパーと、を備え、ラッパーが、第一の開封部分および第二の開封部分を含み、第一の開封部分が、ラッパー上において第二の開封部分とは個別であり、ラッパーが、第一の開封部分の第一の端セグメントが、第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて束の開封ストリップを形成するように、複数の容器の周りに包装され、開封ストリップが、束前部壁、第一の束側壁、および束後部壁に沿って延びる、束。
実施例2.
第一の開封部分の第一の端セグメントが、第一の束側壁において第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられる、実施例1による束。
実施例3.
第一の束側壁が、ラッパーの封筒折りによって形成される、実施例1または2による束。
実施例4.
第二の束側壁が、ラッパーの封筒折りによって形成される、実施例1~3のいずれかによる束。
実施例5.
第一の開封部分が、少なくとも束前部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分を画定する、実施例1~4のいずれかによる束。
実施例6.
少なくとも束前部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分が、束前部壁の第一の側縁から束前部壁の対向する第二の側縁へと延びる、実施例5による束。
実施例7.
第二の開封部分が、少なくとも束後部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分を画定する、実施例1~6のいずれかによる束。
実施例8.
少なくとも束後部壁に沿って延びる開封ストリップの一部分が、束後部壁の第一の側縁から束後部壁の対向する第二の側縁へと延びる、実施例7による束。
実施例9.
開封ストリップが、第二の束側壁に沿っても延びる、実施例1による束。
実施例10.
第一の開封部分の第二の端が、プルタブを含む、実施例1~9のいずれかによる束。
実施例11.
プルタブが、第二の束側壁に配置される、実施例10による束。
実施例12.
ラッパーが、ラッパーの対向する縁が、束前部壁、束後部壁、束上部壁、および束底部壁のうちの一つに沿って延びる重複を形成するように、複数の容器の周りに包装される、実施例1~11のいずれかによる束。
実施例13.
重複が、継ぎ目を形成する、実施例12による束。
実施例14.
継ぎ目が、束底部壁に沿って延びる、実施例13による束。
実施例15.
第一の開封部分の第一の端セグメントが、略台形の形状を有する、実施例1~14のいずれかによる束。
実施例16.
第二の開封部分の第一の端セグメントが、略台形の形状を有する、実施例1~15のいずれかによる束。
実施例17.
第一の開封部分が、少なくとも一つの虚弱線によって区切られる、実施例1~16のいずれかによる束。
実施例18.
第一の開封部分が、一対の離間した虚弱線によって区切られる、実施例1~17のいずれかによる束。
実施例19.
第一の開封部分の一対の離間した虚弱線が、束前部壁に沿って互いに実質的に平行に延びる、実施例18による束。
実施例20.
第一の開封部分の一対の離間した虚弱線が、第一の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いから分岐している、実施例18または19による束。
実施例21.
第一の開封部分の一対の離間した虚弱線が、第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いに実質的に平行に延びる、実施例21および22のいずれかによる束。
実施例22.
第二の開封部分が、少なくとも一つの虚弱線によって区切られる、実施例1~21のいずれかによる束。
実施例23.
第二の開封部分が、一対の離間した虚弱線によって区切られる、実施例1~22のいずれかによる束。
実施例24.
第二の開封部分の一対の離間した虚弱線が、束後部壁に沿って互いに実質的に平行に延びる、実施例23による束。
実施例25.
第二の開封部分の一対の離間した虚弱線が、第二の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いに実質的に平行に延びる、実施例23または24による束。
実施例26.
第二の開封部分の一対の離間した虚弱線が、第一の束側壁の少なくとも一部分に沿って互いから実質的に離れるように延びる、実施例25~27のいずれかによる束。
実施例27.
各虚弱線が、エンボス加工された線、デボス加工された線、筋付け線、および穿孔のうちの一つ以上を含む、実施例1~26のいずれかによる束。
実施例28.
各虚弱線が、穿孔の列を含む、実施例27による束。
実施例29.
束が、穿孔に塗布される接着剤をさらに含む、実施例28による束。
実施例30.
第一の開封部分の第一の端セグメントが、第一の開封部分の第一の端セグメントの長さに沿って漸進的に増大する幅を有する、実施例1~29のいずれかによる束。
実施例31.
第二の開封部分の第一の端セグメントが、第二の開封部分の第一の端セグメントの長さに沿って漸進的に増大する幅を有する、実施例1~30のいずれかによる束。
実施例32.
ラッパーが、開封ストリップに沿って開封されて、束ハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するように構成される、実施例1または31による束。
実施例33.
ラッパーが開封ストリップに沿って開封されたときに、束ハウジングの第一の部分が、束ハウジングの第二の部分から離れるように持ち上げられて、束ハウジング内の複数の容器へのアクセスが可能になるように構成されている、実施例32による束。
実施例34.
ラッパーが開封ストリップに沿って開封されたときに、束ハウジングの第一の部分が取り出し可能である、実施例32または33による束。
実施例35.
束ハウジングの第二の部分が、束底部壁および束前部壁の各々の少なくとも一部分、束後部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む、実施例32~34のいずれかによる束。
実施例36.
束ハウジングの第一の部分が、束上部壁および束前部壁の各々の少なくとも一部分、束後部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁を含む、実施例32~36のいずれかによる束。
実施例37.
束ハウジングが、直方体の形状である、実施例1~36のいずれかによる束。
実施例38.
第一の開封部分の第一の端セグメントが、接着剤によって第二の開封部分の第一の端セグメントに貼り付けられる、実施例1~37のいずれかによる束。
実施例39.
ラッパーが、第一の開封部分の第二の端が第二の開封部分の第二の端と重複するように、複数の容器の周りに包装される、実施例1~38のいずれかによる束。
実施例40.
第一の開封部分の第二の端が、第二の開封部分の第二の端に貼り付けられる、実施例39による束。
実施例41.
第一の開封部分の第二の端セグメントが、接着剤によって第二の開封部分の第二の端セグメントに貼り付けられる、実施例40による束。
実施例42.
第一の開封部分の第二の端セグメントが、第二の束側壁において第二の開封部分の第二の端セグメントと重複する、実施例38~41のいずれかによる束。
実施例43.
ラッパーが、折り畳まれた層状ブランクである、実施例1~42のいずれかによる束。
実施例44.
ラッパーが、紙またはボール紙のシートである、実施例1~43のいずれかによる束。
実施例45.
ラッパーが、約XXマイクロメートル~約YYマイクロメートルの厚さを有する、実施例1~44のいずれかによる束。
実施例46.
各容器内に収容された複数の消費財をさらに備える、実施例1~45のいずれかによる束。
実施例47.
複数の消費財が、複数のエアロゾル発生物品である、実施例46による束。
実施例48.
消費財の容器の束を形成するために、消費財の複数の容器の周りに包装するためのラッパーであって、ラッパーが、複数のパネル、および複数のパネルを分離する複数の折り目を備え、複数のパネルが、複数の折り目を中心として折り畳まれて、束前部壁、束後部壁、束上部壁、束底部壁、第一の束側壁、および第二の束側壁、を含む束ハウジングを形成するように構成され、ラッパーが、第一の開封部分および第二の開封部分をさらに備え、第一の開封部分が、ラッパーが上において第二の開封部分とは個別であり、第一および第二の開封部分が、ラッパーが折り畳まれて束ハウジングを形成するときに、第一の開封部分の第一の端セグメントが、第二の開封部分の第一の端セグメントと重複してこれに貼り付けられて束の開封ストリップを形成するように、ラッパー上に配設され、開封ストリップが、束前部壁、第一の束側壁、および束後部壁に沿って延びる、ラッパー。
実施例49.
ラッパーが、第一の開封部分の第二の端セグメントが第二の開封部分の第二の端セグメントと重複してこれに貼り付けられるように、複数の容器の周りに包装される、実施例48によるラッパー。
【0101】
ここで、例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0102】
図1は、消費財の容器90の束1を示す。束1は、容器90の周りに包装されるラッパー100によって形成される外側ハウジング2を有する。
【0103】
束ハウジングは、直方体の形状であり、束前部壁3、束後部壁、束上部壁4、束底部壁、第一の束側壁5、および第二の束側壁を含む。束後部壁、束底部壁、および第二の束側壁は、
図1の斜視図では見えない。
【0104】
ラッパー100は、第一の端セグメント11を有する第一の開封部分10と、第一の端セグメント21を有する第二の開封部分20とを備える。
図5に関連する以下の説明からさらに明らかとなるように、第一の開封部分10は、ラッパー100上において第二の開封部分20とは個別である。
図1に示すように、ラッパー100が複数の容器90の周りに包装されるとき、第一の開封部分10の第一の端セグメント11は、第二の開封部分20の第一の端セグメント21と重複してこれに貼り付けられる。重複は、ラッパーの封筒折りの形態である。これにより、束1が、束1を開封して容器90へのアクセスが可能になるように、ラッパー100の残りの部分から開封することができる開封ストリップ30を有する。開封ストリップ30は、束前部壁2の全長に沿って、第一の束側壁5の全幅に沿って、および束後部壁の全長に沿って延びる。開封ストリップ30はまた、第二の束側壁に沿っても延びる。
【0105】
第一の開封ストリップ10は、一対の離間した穿孔線13、14によって区切られる。穿孔線13および14は、束前部壁2の全長にわたって互いに実質的に平行に延びる。穿孔線13および14は、第一の開封部分10の第一の端セグメント11において互いから分岐しており、具体的には、当該線13および14が第一の束側壁5に沿って延びる場所において互いから分岐している。これにより、第一の開封部分10の第一の端セグメント11が、第一の端セグメント11の幅がその長さに沿って漸進的に増大する略台形の形状を有する。
【0106】
第二の開封ストリップ20は、一対の離間した穿孔線23、24によって区切られる。穿孔線23および24は、束後部壁の全長にわたって互いに実質的に平行に延びる。穿孔線23および24は、第二の開封部分20の第一の端セグメント21において互いから分岐しており、具体的には、当該線23および24が第一の束側壁5に沿って延びる場所において互いから分岐している。これにより、第二の開封部分20の第一の端セグメント21が、第一の端セグメント20の幅がその長さに沿って漸進的に増大する略台形の形状を有する。
【0107】
図1および
図2から理解されるように、組み立てられた束1において、互いに重複して貼り付けられる端セグメント21、11を有するように個別の開封部分10、20を配設することにより、第一の開封部分10に沿ってラッパー100を開封する動作を、中断することなく、第二の開封部分20に沿ってラッパーを開封する動作へと続行することができる。これにより、二つの個別の開封部分110、120から、単一の開封ストリップ30をラッパー100内に形成することが可能になる。結果として、消費者が第一の開封部分10をラッパー100の残りの部分から引き離して、第一の開封部分10に沿ってラッパー100を開封する場合、こうした開封動作により、続行される場合、最終的には、ラッパー100が第一の開封部分10の第一の端セグメント11においても開封される。この時点で、当該開封動作は、第一の開封部分10の第一の端セグメント11が第二の開封部分20の第一の端セグメント21と重複してこれに貼り付けられているために、ラッパー100の第二の開封部分20へと移行することになる。開封動作が第二の開封部分20の残りの部分へと続行されて、束1から開封ストリップ30が完全に除去され得る。
【0108】
これにより、
図3に示す状態にある束1がもたらされ得る。
図3では、開封ストリップ30は完全に除去されている。ラッパー100は、束ハウジング2が第一の部分40と第二の部分50とを含むように二つに分割されている。束ハウジング2の第一の部分40は、束上部壁4および束前部壁3の各々の少なくとも一部分、束後部壁、第一の束側壁5、および第二の束側壁を含む。束ハウジングの第二の部分50は、束底部壁および束前部壁3の各々の少なくとも一部分、束後部壁、第一の束側壁5、および第二の束側壁を含む。
【0109】
図4から最もよく分かるように、束ハウジング2の第一の部分40を束の残りの部分から離れるように持ち上げて、第一の部分40の下に収容された容器90をさらに露出させることができる。この時点で、束1の各容器90は、容易にアクセス可能であり得る。さらに、ハウジング2の第二の部分50を定位置に残すことによって、第二の部分50が束2の容器90用のトレイとして機能し得る。こうした構造は、小売環境において容器90の束1を陳列したい小売業者にとって望ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、こうしたトレイは、消費者が束1を取得した後に消費者が利用することが望ましい場合がある。
【0110】
図5は、
図1の束1を形成するために、消費財の複数の容器90の周りに包装するためのラッパー100を示す。ラッパー100は、ラッパーが実質的に平面である、包装されていない状態で
図5に示されている。ラッパー100は、複数の折り目によって一緒に接続された複数のパネルを備える。具体的には、ラッパー100は、それぞれの折り目によって束上部壁パネル107に接続された束後部壁パネル106を備える。束上部壁パネル107は、それぞれの折り目によって束前部壁パネル103に接続される。
【0111】
ラッパーはまた、束底部壁を形成するための第一のパネル108aおよび第二のパネル108bを備える。当該パネル108a、108bは、ラッパー100が複数の容器90の周りに包装されて束底部壁を形成するときに、互いに部分的に重複するように構成されている。次に、パネル108a、108bの部分的な重複は、接着剤または溶接によって固定されて継ぎ目を形成し得る。束底部壁を形成するための第一のパネル108aは、それぞれの折り目によって束後部壁パネル106に接続される。束底部壁を形成するための第二のパネル108bは、それぞれの折り目によって束前部壁パネル103に接続される。
【0112】
ラッパーはまた、第一の束側壁5を形成するための、複数の相互接続されたパネル105を備える。当該パネル105は、それぞれの折り目を中心として折り畳まれて、第一の束側壁5に封筒折りを形成し得る。同様に、ラッパーは、第二の束側壁を形成するための、複数の相互接続されたパネル109をさらに備える。当該パネル109は、そのそれぞれの折り目を中心として折り畳まれて、第二の束側壁に封筒折りを形成し得る。
【0113】
一対の離間した虚弱線13、14は、ラッパー100の全長にわたって延び、具体的には、相互接続されたパネル109のうちの一つ、相互接続されたパネル105のうちの一つ、および束前部壁パネル103にわたって延びて、ラッパーの第一の開封部分110を画定する。虚弱線13、14は、相互接続されたパネル109および束前部壁パネル103にわたって互いに実質的に平行に延びる。しかしながら、その後、虚弱線13、14は、相互接続されたパネル105にわたって延びるにつれて、互いから分岐する。具体的には、虚弱線13と14の間の間隙は、虚弱線がパネル105にわたって、および束前部壁パネル103から離れるように延びるにつれて漸進的に増大する。これにより、略台形の形状を有する第一の開封部分110の第一の端セグメント111が画定される。
【0114】
同様に、一対の離間した虚弱線23、24は、ラッパー100の全長にわたって延び、具体的には、相互接続されたパネル109のうちの一つ、相互接続されたパネル105のうちの一つ、および束後部壁パネル106にわたって延びて、ラッパーの第二の開封部分120を画定する。虚弱線23、24は、相互接続されたパネル109および束後部壁パネル106にわたって互いに実質的に平行に延びる。しかしながら、その後、虚弱線23、24は、相互接続されたパネル105にわたって延びるにつれて、互いから分岐する。具体的には、虚弱線23と24の間の間隙は、虚弱線がパネル105にわたって、および束後部壁パネル106から離れるように延びるにつれて漸進的に増大する。これにより、略台形の形状を有する第二の開封部分120の第一の端セグメント121が画定される。
【0115】
第一の開封部分110の第二の端セグメント112は、ラッパー100が複数の容器90の周りに包装されたときに、第二の開封部分120の第二の端セグメント122と重複するように配設される。第一の開封部分110の第二の端セグメント112は、プルタブ60を含む。プルタブ60は、開封ストリップに沿ってラッパー100を開封することを望むときに、束1の適切なユーザーの把持点を提供するように構成されている。
【国際調査報告】