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特表2024-533681プリント回路基板及び信号伝送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】プリント回路基板及び信号伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240905BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 B
H05K1/02 C
H05K3/46 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518457
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2022080794
(87)【国際公開番号】W WO2023045276
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111110049.9
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 馨 丹
(72)【発明者】
【氏名】魏 仲 民
(72)【発明者】
【氏名】易 畢
(72)【発明者】
【氏名】任 永 会
(72)【発明者】
【氏名】畢 ▲ユィ▼
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA35
5E316BB02
5E316BB04
5E316BB15
5E316HH06
5E338AA03
5E338BB13
5E338BB15
5E338BB63
5E338CC01
5E338CC05
5E338CD13
5E338CD23
5E338EE11
(57)【要約】
本願の実施形態は、信号伝送の技術分野に関し、特に、プリント回路基板及び信号伝送システムに関する。上記プリント回路基板において、第1信号線(140)は、第1列構造ユニット(120)の1つの第1差動信号孔ペア(121)から、第2ホールセグメント(135)と第4ホールセグメント(137)との間を経由して、第2列構造ユニット(130)の第1列構造ユニットから離れた側まで延在し、或いは、第1信号線(340)は、第1列構造ユニット(320)の1つの第1差動信号孔ペア(321)から、すぐ隣の2つの第2グラウンドホール(332)の間を経由して、第2列構造ユニット(330)の第1列構造ユニット(320)から離れた側まで延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板本体(110)と、第1列構造ユニット(120)と、第2列構造ユニット(130)と、第1信号線(140)とを含み、
前記基板本体(110)には、その厚さ方向に沿って順に第1基板ブロック(111)及び第2基板ブロック(112)が設けられ、前記第2基板ブロック(112)は、第1配線引き出し層(113)を有し、
前記第1列構造ユニット(120)は、複数の第1差動信号孔ペア(121)及び複数の第1グラウンドホール(122)を含み、複数の前記第1差動信号孔ペア(121)は、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第1差動信号孔ペア(121)の間には、少なくとも1つの前記第1グラウンドホール(122)が設けられ、各前記第1差動信号孔ペア(121)及び各前記第1グラウンドホール(122)は、いずれも前記第1基板ブロック(111)及び前記第2基板ブロック(112)を貫通し、前記第1列構造ユニット(120)及び前記第2列構造ユニット(130)は、第2方向に沿って順に設けられ、前記第1方向は、前記第2方向と交差しており、
前記第2列構造ユニット(130)は、複数のビアホール(131)を含み、前記複数のビアホール(131)は、前記第1方向に沿って順に設けられ、前記複数のビアホール(131)は、第1ビアホール(132)と、前記第1ビアホール(132)のすぐ隣の第2ビアホール(133)とを含み、前記第1ビアホール(132)及び前記第2ビアホール(133)は、いずれも前記第1基板ブロック(111)及び前記第2基板ブロック(112)を貫通し、前記第1ビアホール(132)は、第1ホールセグメント(134)及び第2ホールセグメント(135)を含み、前記第2ビアホール(133)は、第3ホールセグメント(136)及び第4ホールセグメント(137)を含み、前記第1ホールセグメント(134)及び前記第3ホールセグメント(136)は、前記第1基板ブロック(111)内に位置し、前記第1ホールセグメント(134)と前記第3ホールセグメント(136)との間の間隔は、第1間隔であり、前記第2ホールセグメント(135)及び前記第4ホールセグメント(137)は、前記第2基板ブロック(112)内に位置し、前記第2ホールセグメント(135)と前記第4ホールセグメント(137)との間の間隔は、第2間隔であり、前記第1間隔は、前記第2間隔より小さく、
前記第1信号線(140)は、前記第1配線引き出し層(113)に位置し、前記第1信号線(140)は、前記第1列構造ユニット(120)の1つの前記第1差動信号孔ペア(121)から、前記第2ホールセグメント(135)と前記第4ホールセグメント(137)との間を経由して、前記第2列構造ユニット(130)の前記第1列構造ユニットから離れた側まで延在する、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1ホールセグメント(134)の軸線は、前記第2ホールセグメント(135)の軸線と重ならず、及び/又は、前記第1ホールセグメント(134)の直径は、前記第2ホールセグメント(135)の直径より大きい、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第3ホールセグメント(136)の軸線は、前記第4ホールセグメント(137)の軸線と重ならず、及び/又は、前記第3ホールセグメント(136)の直径は、前記第4ホールセグメント(137)の直径より大きい、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第2列構造ユニット(130)の複数の前記ビアホール(131)は、複数の差動信号孔(101)及び複数の第2グラウンドホール(138)であり、複数の前記差動信号孔(101)は、前記第1方向に沿って順に設けられ、すぐ隣の2つの前記差動信号孔(101)は、第2差動信号孔ペア(139)を構成し、隣接する2つの前記第2差動信号孔ペア(139)の間には、少なくとも1つの前記第2グラウンドホール(138)が設けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1ビアホール(132)及び前記第2ビアホール(133)は、1つの前記第2差動信号孔ペア(139)における2つの差動信号孔(101)である、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
第2信号線(150)をさらに含み、
前記基板本体(110)は、第2配線引き出し層(114)をさらに有し、前記第2配線引き出し層(114)は、前記第1基板ブロック(111)又は前記第2基板ブロック(112)に位置し、
前記第2信号線(150)は、前記第2配線引き出し層(114)に位置し、前記第2信号線(150)は、第1接続線(151)及び第2接続線(152)を含み、前記第1接続線(151)及び前記第2接続線(152)は、それぞれ前記第1ビアホール(132)及び前記第2ビアホール(133)に接続される、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1ビアホール(132)は、前記第2ビアホール(133)に隣接し、前記第1ビアホール(132)及び前記第2ビアホール(133)は、1つの前記差動信号孔(101)及び1つの前記第2グラウンドホール(138)である、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1ビアホール(132)及び前記第2ビアホール(133)は、隣接する2つの前記第2差動信号孔ペア(139)の間に設けられる2つのグラウンドホール(138)である、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
第3信号線(160)をさらに含み、
前記第3信号線(160)は、前記第1配線引き出し層(113)に位置し、かつ前記第1列構造ユニット(120)と前記第2列構造ユニット(130)との間に位置し、前記第3信号線(160)は、折り曲げ部(161)及び延在部(162)を含み、前記折り曲げ部(161)は、前記第1列構造ユニット(120)の1つの前記第1差動信号孔ペア(121)から、前記第1列構造ユニット(120)から離れて前記延在部(162)に近接する方向に沿って折り曲げられて前記延在部(162)まで延在し、前記延在部(162)は、前記折り曲げ部(161)の前記第1信号線(140)から離れた側に位置し、前記第1方向に沿って延在しており、前記折り曲げ部(161)に接続された前記第1差動信号孔ペア(121)は、前記第1信号線(140)に接続された前記第1差動信号孔ペア(121)と異なる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
基板本体(310)と、第1列構造ユニット(320)と、第2列構造ユニット(330)と、第1信号線(340)とを含み、
前記基板本体(310)には、その厚さ方向に沿って順に第1基板ブロック(311)及び第2基板ブロック(312)が設けられ、前記第2基板ブロック(312)は、第1配線引き出し層(313)を有し、
前記第1列構造ユニット(320)は、複数の第1差動信号孔ペア(321)及び複数の第1グラウンドホール(322)を含み、複数の前記第1差動信号孔ペア(321)は、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第1差動信号孔ペア(321)の間には、少なくとも1つの前記第1グラウンドホール(322)が設けられ、各前記第1差動信号孔ペア(321)及び各前記第1グラウンドホール(322)は、いずれも前記第1基板ブロック(311)及び前記第2基板ブロック(312)を貫通し、前記第1列構造ユニット(320)及び前記第2列構造ユニット(330)は、第2方向に沿って順に設けられ、前記第1方向は、前記第2方向と交差しており、
前記第2列構造ユニット(330)は、複数の第2差動信号孔ペア(331)及び複数の第2グラウンドホール(332)を含み、複数の前記第2差動信号孔ペア(331)は、前記第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第2差動信号孔ペア(331)の間には、すぐ隣の2つの前記第2グラウンドホール(332)が設けられ、各前記第2差動信号孔ペア(331)及び各前記第2グラウンドホール(332)は、いずれも前記第1基板ブロック(311)及び前記第2基板ブロック(312)を貫通し、
前記第1信号線(340)は、前記第1配線引き出し層(313)に位置し、前記第1信号線(340)は、前記第1列構造ユニット(320)の1つの前記第1差動信号孔ペア(321)から、前記すぐ隣の2つの前記第2グラウンドホール(332)の間を経由して、前記第2列構造ユニット(330)の前記第1列構造ユニット(320)から離れた側まで延在する、プリント回路基板。
【請求項11】
第2信号線(350)をさらに含み、
前記第2信号線(350)は、前記第1配線引き出し層(313)に位置し、かつ前記第1列構造ユニット(320)と前記第2列構造ユニット(330)との間に位置し、前記第2信号線(350)は、折り曲げ部(351)及び延在部(352)を含み、前記折り曲げ部(351)は、前記第1列構造ユニット(320)の1つの前記第1差動信号孔ペア(321)から、前記第1列構造ユニット(320)から離れて前記延在部(352)に近接する方向に沿って折り曲げられて前記延在部(352)まで延在し、前記延在部(352)は、前記折り曲げ部(351)の前記第1信号線(340)から離れた側に位置し、前記第1方向に沿って延在しており、前記折り曲げ部(351)に接続された前記第1差動信号孔ペア(321)は、前記第1信号線(340)に接続された前記第1差動信号孔ペア(321)と異なる、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のプリント回路基板を含む、信号伝送システム。
【請求項13】
コネクタをさらに含み、
前記プリント回路基板は、請求項1~9のいずれか1項に記載のプリント回路基板であり、
前記コネクタは、本体と、いずれも前記本体に固定された複数の端子とを含み、
複数の前記第1差動信号孔ペア、複数の前記第1グラウンドホール及び複数の前記ビアホールの前記第1基板ブロック内に位置する部分は、それぞれ前記複数の端子のうちの1つに挿着される、請求項12に記載の信号伝送システム。
【請求項14】
コネクタをさらに含み、
前記プリント回路基板は、請求項10又は11に記載のプリント回路基板であり、
前記コネクタは、本体と、いずれも前記本体に固定された複数の端子とを含み、
複数の前記第1差動信号孔ペア、複数の前記第1グラウンドホール、複数の前記第2差動信号孔ペア、及び複数の前記第2グラウンドホールの前記第1基板ブロック内に位置する部分は、それぞれ前記複数の端子のうちの1つに挿着される、請求項12に記載の信号伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年9月23日に中国国家知識産権局に提出された中国特許出願第202111110049.9号に基づくものであり、かつ該中国特許出願の優先権を主張するものであり、該中国特許出願の全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
[技術分野]
本願の実施形態は、信号伝送の技術分野に関し、特に、プリント回路基板及び信号伝送システムに関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展に伴い、超高速大容量伝送システムは、迅速な発展を遂げており、高速コネクタは、超高速大容量伝送システムにおける最も重要な信号伝送デバイスの1つとして、電子機器に広く適用され、電子機器の重要な接続位置にある。
【0004】
通常、高速コネクタは、ピン末端の魚眼構造によってプリント回路基板のパッケージ構造と互いに接続される。図1を参照すると、プリント回路基板のパッケージ構造は、プリント回路基板本体に位置する複数の列構造ユニットからなり、各列構造ユニットは、いずれも第1方向に沿って順に設けられた複数のビアホールを含み、複数のビアホールは、複数の差動信号孔ペア及び複数のグラウンドホールからなり、複数の列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられ、第1方向は、第2方向と交差し、プリント回路基板のパッケージ構造の配線方式は、配線引き出し層に位置する信号線が、ある列構造ユニットにおける差動信号孔ペアに接続された後、当該列構造ユニットとそれに接続された列構造ユニットとの間の隙間から引き出されることであり、配線方式は、単一である。このため、各列構造ユニットは、同一の配線引き出し層において1本のみの信号線が配線されることができ、さらに、列構造ユニットにおける複数の差動信号孔ペアに信号線が接続されるように配線引き出し層の数量を増加させる必要があり、配線引き出し層の数量を増加させることは、プリント回路基板本体の層数を増加させ、プリント回路基板の製造コストを高くする。
【0005】
したがって、列構造ユニットにおける複数の差動信号孔ペアに信号線が接続されることを確保するという前提で、プリント回路基板本体の層数を減少させ、プリント回路基板の製造コストを低減するプリント回路基板及び信号伝送システムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態は、基板本体と、第1列構造ユニットと、第2列構造ユニットと、第1信号線とを含み、前記基板本体には、その厚さ方向に沿って順に第1基板ブロック及び第2基板ブロックが設けられ、前記第2基板ブロックは、第1配線引き出し層を有し、前記第1列構造ユニットは、複数の第1差動信号孔ペア及び複数の第1グラウンドホールを含み、複数の前記第1差動信号孔ペアは、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第1差動信号孔ペアの間には、少なくとも1つの前記第1グラウンドホールが設けられ、各前記第1差動信号孔ペア及び各前記第1グラウンドホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1列構造ユニット及び前記第2列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられ、前記第1方向は、前記第2方向と交差しており、前記第2列構造ユニットは、複数のビアホールを含み、前記複数のビアホールは、前記第1方向に沿って順に設けられ、前記複数のビアホールは、第1ビアホールと、前記第1ビアホールに隣接する第2ビアホールとを含み、前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1ビアホールは、第1ホールセグメント及び第2ホールセグメントを含み、前記第2ビアホールは、第3ホールセグメント及び第4ホールセグメントを含み、前記第1ホールセグメント及び前記第3ホールセグメントは、前記第1基板ブロック内に位置し、前記第1ホールセグメントと前記第3ホールセグメントとの間の間隔は、第1間隔であり、前記第2ホールセグメント及び前記第4ホールセグメントは、前記第2基板ブロック内に位置し、前記第2ホールセグメントと前記第4ホールセグメントとの間の間隔は、第2間隔であり、前記第1間隔は、前記第2間隔より小さく、前記第1信号線は、前記第1配線引き出し層に位置し、前記第1信号線は、前記第1列構造ユニットの1つの前記第1差動信号孔ペアから、前記第2ホールセグメントと前記第4ホールセグメントとの間を経由して、前記第2列構造ユニットの前記第1列構造ユニットから離れた側まで延在する、プリント回路基板を提供する。
【0007】
本願の実施形態は、基板本体と、第1列構造ユニットと、第2列構造ユニットと、第1信号線とを含み、前記基板本体には、その厚さ方向に沿って順に第1基板ブロック及び第2基板ブロックが設けられ、前記第2基板ブロックは、第1配線引き出し層を有し、前記第1列構造ユニットは、複数の第1差動信号孔ペア及び複数の第1グラウンドホールを含み、複数の前記第1差動信号孔ペアは、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第1差動信号孔ペアの間には、少なくとも1つの前記第1グラウンドホールが設けられ、各前記第1差動信号孔ペア及び各前記第1グラウンドホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1列構造ユニット及び前記第2列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられ、前記第1方向は、前記第2方向と交差しており、前記第2列構造ユニットは、複数の第2差動信号孔ペア及び複数の第2グラウンドホールを含み、複数の前記第2差動信号孔ペアは、前記第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第2差動信号孔ペアの間には、隣接する2つの前記第2グラウンドホールが設けられ、各前記第2差動信号孔ペア及び各前記第2グラウンドホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1信号線は、前記第1配線引き出し層に位置し、前記第1信号線は、前記第1列構造ユニットの1つの前記第1差動信号孔ペアから、前記隣接する2つの前記第2グラウンドホールの間を経由して、前記第2列構造ユニットの前記第1列構造ユニットから離れた側まで延在する、プリント回路基板をさらに提供する。
【0008】
本願の実施形態は、上記プリント回路基板を含む信号伝送システムをさらに提供する。
本願の実施形態における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明し、明らかなように、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】プリント回路基板のパッケージ構造が配線引き出し層に位置する構造を示す概略図である。
図2】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板のパッケージ構造が第1配線引き出し層に位置する構造を示す概略図である。
図3】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板の本体を示す部分断面図である。
図4】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板の本体を示す部分断面図である。
図5】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板の本体を示す部分断面図である。
図6】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板のパッケージ構造が第1配線引き出し層に位置する構造を示す概略図である。
図7】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板の本体を示す部分断面図である。
図8】本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板のパッケージ構造が第1配線引き出し層に位置する構造を示す概略図である。
図9】本願のいくつかの実施形態に係る別のプリント回路基板のパッケージ構造が第1配線引き出し層に位置する構造を示す概略図である。
図10】本願のいくつかの実施形態に係る別のプリント回路基板の本体を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の実施形態は、列構造ユニットにおける複数の差動信号孔ペアに信号線が接続されることを確保するという前提で、プリント回路基板本体の層数を減少させ、プリント回路基板の製造コストを低減することができる、プリント回路基板及び信号伝送システムを提供することを主な目的とする。
【0011】
当業者であれば理解されるように、本願の各実施形態において、読者が本願をよりよく理解するために多くの技術詳細を提供する。しかしながら、これらの技術詳細と以下の各実施形態に基づく様々な変更及び修正がなくても、本願が特許請求している技術的手段を実現することができる。以下の各実施形態の区分は、説明を容易にするためのものであり、本願の具体的な実現方式に対していかなる限定を加えるものではなく、各実施形態は、矛盾しない限り、互いに組み合わせて援用することができる。
【0012】
本願のいくつかの実施形態は、プリント回路基板を提供し、前記基板本体には、その厚さ方向に沿って順に第1基板ブロック及び第2基板ブロックが設けられ、前記第2基板ブロックは、第1配線引き出し層を有し、前記第1列構造ユニットは、複数の第1差動信号孔ペア及び複数の第1グラウンドホールを含み、複数の前記第1差動信号孔ペアは、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第1差動信号孔ペアの間には、少なくとも1つの前記第1グラウンドホールが設けられ、各前記第1差動信号孔ペア及び各前記第1グラウンドホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1列構造ユニット及び前記第2列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられ、前記第1方向は、前記第2方向と交差しており、前記第2列構造ユニットは、複数のビアホールを含み、前記複数のビアホールは、前記第1方向に沿って順に設けられ、前記複数のビアホールは、第1ビアホールと、前記第1ビアホールのすぐ隣の第2ビアホールとを含み、前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1ビアホールは、第1ホールセグメント及び第2ホールセグメントを含み、前記第2ビアホールは、第3ホールセグメント及び第4ホールセグメントを含み、前記第1ホールセグメント及び前記第3ホールセグメントは、前記第1基板ブロック内に位置し、前記第1ホールセグメントと前記第3ホールセグメントとの間の間隔は、第1間隔であり、前記第2ホールセグメント及び前記第4ホールセグメントは、前記第2基板ブロック内に位置し、前記第2ホールセグメントと前記第4ホールセグメントとの間の間隔は、第2間隔であり、前記第1間隔は、前記第2間隔より小さく、前記第1信号線は、前記第1配線引き出し層に位置し、前記第1信号線は、前記第1列構造ユニットの1つの前記第1差動信号孔ペアから、前記第2ホールセグメントと前記第4ホールセグメントとの間を経由して、前記第2列構造ユニットの前記第1列構造ユニットから離れた側まで延在し、それにより、より多くの信号線の配線方式があり、各配線引き出し層に配線可能な信号線の数量を増加させることができ、プリント回路基板本体の層数を増加させることで信号線の数量を増加させる必要がなく、第1列構造ユニットにおける複数の差動信号孔ペアに信号線が接続されることを確保するという前提で、プリント回路基板本体の層数を減少させ、プリント回路基板の製造コストを低減することができる。
【0013】
本願のいくつかの実施形態の目的、技術的手段及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本願のいくつかの実施形態に係るプリント回路基板を詳細に説明する。
【0014】
図2及び図3を参照すると、本願のいくつかの実施形態に係るPCB(Printed Circuit Board、プリント回路基板)は、基板本体110と、第1列構造ユニット120と、第2列構造ユニット130と、第1信号線140とを含み、基板本体110には、その厚さ方向(図3に示すX方向)に沿って順に第1基板ブロック111及び第2基板ブロック112が設けられ、第2基板ブロック112は、第1配線引き出し層113を有し、第1列構造ユニット120は、複数の第1差動信号孔ペア121及び複数の第1グラウンドホール122を含み、複数の第1差動信号孔ペア121は、第1方向(図2に示すY方向)に沿って順に設けられ、隣接する2つの第1差動信号孔ペア121の間には、少なくとも1つの第1グラウンドホール122が設けられ、各第1差動信号孔ペア121及び各第1グラウンドホール122は、いずれも第1基板ブロック111及び第2基板ブロック112を貫通し、第1列構造ユニット120及び第2列構造ユニット130は、第2方向(図2に示すZ方向)に沿って順に設けられ、第1方向は、第2方向と交差しており、第2列構造ユニット130は、複数のビアホール131を含み、複数のビアホール131は、第1方向に沿って順に設けられ、複数のビアホール131は、第1ビアホール132と、第1ビアホール132のすぐ隣の第2ビアホール133とを含み、第1ビアホール132及び第2ビアホール133は、いずれも第1基板ブロック111及び第2基板ブロック112を貫通し、第1ビアホール132は、第1ホールセグメント134及び第2ホールセグメント135を含み、第2ビアホール133は、第3ホールセグメント136及び第4ホールセグメント137を含み、第1ホールセグメント134及び第3ホールセグメント136は、第1基板ブロック111内に位置し、第1ホールセグメント134と第3ホールセグメント136との間の間隔は、第1間隔W1であり、第2ホールセグメント135及び第4ホールセグメント137は、第2基板ブロック112内に位置し、第2ホールセグメント135と第4ホールセグメント137との間の間隔は、第2間隔W2であり、第1間隔W1は、第2間隔W2より小さく、第1信号線140は、第1配線引き出し層113に位置し、第1信号線140は、第1列構造ユニット120の1つの第1差動信号孔ペア121から、第2ホールセグメント135と第4ホールセグメント137との間を経由して、第2列構造ユニット130の第1列構造ユニット120から離れた側まで延在する。
【0015】
いくつかの実施形態において、隣接する2つの第1差動信号孔ペア121の間に2つの第1グラウンドホール122があり、このように、隣接する2つの第1差動信号孔ペア121の間の間隔を増加させ、隣接する2つの第1差動信号孔ペア121の間の信号クロストークを低減することができる。なお、本実施形態に係るPCBは、第3列構造ユニット、第4列構造ユニットなど(図示せず)をさらに有してもよく、第2列構造ユニット130と第3列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられてもよく、第3方向(図示せず)に沿って順に設けられてもよく、第3方向は、第2方向と交差し、かつ第1方向と交差する。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1ホールセグメント134の軸線は、第2ホールセグメント135の軸線と重ならず、及び/又は第1ホールセグメント134の直径は、第2ホールセグメント135の直径より大きい。
【0017】
図4を参照すると、いくつかの実施形態において、第1ホールセグメント134の直径が第2ホールセグメント135の直径と同じであり、第1ホールセグメント134の軸線が第2ホールセグメント135の軸線と重ならないようにすることにより、第1間隔W1を第2間隔W2より小さくする。一実施形態において、第1ホールセグメント134の軸線が第2ホールセグメント135の軸線と重ならず、かつ第2ホールセグメント135の軸線が第1ホールセグメント134の軸線の第4ホールセグメント137の軸線から離れた側に位置し、それにより、第1間隔W1を第2間隔W2より小さくすることができる。
【0018】
図5を参照すると、別の実施形態において、第1ホールセグメント134の軸線は、第2ホールセグメント135の軸線と重なり、第1ホールセグメント134の直径は、第2ホールセグメント135の直径より大きい。このように、第1ホールセグメント134の側壁と第3ホールセグメント136の側壁との間の間隔を第2ホールセグメント135の側壁と第4ホールセグメント137の側壁との間の間隔より大きくし、第1間隔W1を第2間隔W2より小さくすることができる。
【0019】
引き続き図3を参照すると、いくつかの実施形態において、第1ホールセグメント134の軸線は、第2ホールセグメント135の軸線と重ならず、かつ第1ホールセグメント134の直径は、第2ホールセグメント135の直径より大きい。このように、第2間隔W2をさらに大きくすることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、第3ホールセグメント136の軸線は、第4ホールセグメント137の軸線と重ならず、及び/又は第3ホールセグメント136の直径は、第4ホールセグメント137の直径より大きい。
【0021】
引き続き図4を参照すると、いくつかの実施形態において、第3ホールセグメント136の直径が第4ホールセグメント137の直径と同じであり、第3ホールセグメント136の軸線が第4ホールセグメント137の軸線と重ならないようにすることにより、第1間隔W1を第2間隔W2より小さくする。一実施形態において、第3ホールセグメント136の軸線が第4ホールセグメント137の軸線と重ならず、かつ第4ホールセグメント137の軸線が第3ホールセグメント136の軸線の第1ホールセグメント134の軸線から離れた側に位置し、このように、第1間隔W1を第2間隔W2より小さくすることができる。
【0022】
引き続き図5を参照すると、別の実施形態において、第3ホールセグメント136の軸線は、第4ホールセグメント137の軸線と重なり、第3ホールセグメント136の直径は、第4ホールセグメント137の直径より大きい。このように、第3ホールセグメント136の側壁と第1ホールセグメント134の側壁との間の間隔を第4ホールセグメント137の側壁と第2ホールセグメント135の側壁との間の間隔より小さくし、第1間隔W1を第2間隔W2より小さくすることができる。
【0023】
引き続き図3を参照すると、いくつかの実施形態において、第3ホールセグメント136の軸線は、第4ホールセグメント137の軸線と重ならず、かつ第3ホールセグメント136の直径は、第4ホールセグメント137の直径より大きい。このように、本実施形態では、第1ホールセグメント134の軸線が第2ホールセグメント135の軸線と重ならず、かつ第1ホールセグメント134の直径が第2ホールセグメント135の直径より大きいため、第2間隔W2を最大化することができる。
【0024】
一実施形態において、PCBの第1ホールセグメント134の軸線が第2ホールセグメント135の軸線と重ならず、かつ第3ホールセグメント136の軸線が第4ホールセグメント137の軸線と重ならないため、PCBの第1ビアホール132及び第2ビアホール133の製造時に、まず、第1基板ブロック111の第2基板ブロック112から離れた側に穴を開け、第1ホールセグメント134及び第3ホールセグメント136を形成し、次に、第2基板ブロック112の第1基板ブロック111から離れた側に穴を開け、第2ホールセグメント135及び第4ホールセグメント137を形成することができる。
【0025】
一実施形態において、PCBの第1ホールセグメント134の直径が第2ホールセグメント135の直径より大きく、かつ第3ホールセグメント136の直径が第4ホールセグメント137の直径より大きいため、第1基板ブロック111に穴を開け、第1ホールセグメント134及び第3ホールセグメント136を形成する場合、大径ドリルビットを用いることができ、第2基板ブロック112に穴を開け、第2ホールセグメント135及び第4ホールセグメント137を形成する場合、小径ドリルビットを用いることができる。上記大径ドリルビットと小径ドリルビットとは、相対的なものであり、即ち、大径ドリルビットの方が小径ドリルビットよりも大径である。
【0026】
引き続き図2を参照すると、いくつかの実施形態において、第2列構造ユニット130の複数のビアホール131は、複数の差動信号孔101及び複数の第2グラウンドホール138であり、複数の差動信号孔101は、第1方向に沿って順に設けられ、すぐ隣の2つの差動信号孔101は、第2差動信号孔ペア139を構成し、隣接する2つの第2差動信号孔ペア139の間には、少なくとも1つの第2グラウンドホール138が設けられる。
【0027】
いくつかの実施形態において、隣接する2つの第2差動信号孔ペア139の間には、すぐ隣の2つの第2グラウンドホール138が設けられる。このように、第2列構造ユニット130における隣接する2つの第2差動信号孔ペア139の間の距離を増加させ、隣接する2つの第2差動信号孔ペア139の間の信号クロストークを低減することができる。隣接する2つの第2差動信号孔ペア139の間に設けられる2つの「第2グラウンドホール138」と同様に、第1ビアホール132及び第2ビアホール133も、隣接する2つの第2差動信号孔ペア139の間に設けられる「2つのグラウンドホール」である。
【0028】
図6を参照すると、さらに別の実施形態において、第1ビアホール132及び第2ビアホール133は、1つの第2差動信号孔ペア139における2つの差動信号孔である。さらに、図7も参照すると、一実施形態において、PCBは、第2信号線150をさらに含み、基板本体110は、第2基板ブロック112に位置する第2配線引き出し層114をさらに有し、第2信号線150は、第2配線引き出し層114に位置し、第2信号線150は、第1接続線151及び第2接続線152を含み、第1接続線151及び第2接続線152は、それぞれ第1ビアホール132及び第2ビアホール133に接続される。第1信号線140が第1配線引き出し層113に位置し、第1信号線140が第1ビアホール132と第2ビアホール133との間を通過するため、第1ビアホール132及び第2ビアホール133に接続された第2信号線150が第2配線引き出し層114に位置するようにすることにより、即ち、第2信号線150が位置する配線引き出し層が、第1信号線140が位置する配線引き出し層と異なるようにすることにより、第1ビアホール132及び第2ビアホール133に接続された第2信号線150と第1信号線140との干渉を回避することができる。なお、当該実施形態において、第2配線引き出し層は、第1基板ブロックに位置してもよい。
【0029】
図8を参照すると、別の実施形態において、第1ビアホール132は、第2ビアホール133に隣接し、第1ビアホール132及び第2ビアホール133は、それぞれ1つの差動信号孔101及び1つの第2グラウンドホール138である。
【0030】
さらに、引き続き図2及び図3を参照すると、いくつかの実施形態において、PCBは、第3信号線160をさらに含み、第3信号線160は、第1配線引き出し層113に位置し、かつ第1列構造ユニット120と第2列構造ユニット130との間に位置し、第3信号線160は、折り曲げ部161及び延在部162を含み、折り曲げ部161は、第1列構造ユニット120の1つの第1差動信号孔ペア121から、第1列構造ユニット120から離れて延在部162に近接する方向に折り曲げられて延在部162まで延在し、延在部162は、折り曲げ部161の第1信号線140から離れた側に位置し、第1方向に沿って延在し、このように、延在部162と第1信号線140との干渉を回避することができる。また、折り曲げ部161に接続された第1差動信号孔ペア121は、第1信号線140に接続された第1差動信号孔ペア121と異なる。
【0031】
また、いくつかの実施形態において、第1方向は、第2方向と交差するが、垂直ではないため、第1列構造ユニット120における第1差動信号孔ペア121と第2列構造ユニット130の第2差動信号孔ペア139とが位置ずれし、さらに第1列構造ユニット120における第1差動信号孔ペア121と、第2列構造ユニット130における第2差動信号孔ペア139との間の信号クロストークを低減することができる。
【0032】
また、いくつかの実施形態において、第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139は、スルーホールであり、本実施形態に係るPCBの製造時に、第2基板ブロック112において第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139を穿孔して、第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139のスタブを除去することにより、第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139のスタブによる影響を低減し、さらに第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139の信号伝送性能を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139は、ブラインドビアである。このように、第2基板ブロック112において第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139を穿孔する必要がない。さらに別の実施形態において、第1差動信号孔ペア121及び第2差動信号孔ペア139は、高速コネクタの魚眼構造と接触する領域を含むベリードビアである。
【0034】
引き続き図3を参照すると、さらに、いくつかの実施形態において、上記基板本体110は、複数の誘電体層115、複数の導電プレーン層116及び複数の第3配線引き出し層117をさらに有し、導電プレーン層116、第1配線引き出し層113及び複数の第3配線引き出し層117は、いずれも導電層であり、誘電体層115は、隣接する2つの導電層を接着し、隣接する2つの導電層を絶縁するためのものである。本実施形態において、基板本体の誘電体層115、導電プレーン層116及び第3配線引き出し層117の数量は、特に限定されず、誘電体層115、導電プレーン層116及び第3配線引き出し層117の数量は、PCBの実際の応用ニーズに応じて変更することができる。
【0035】
本願のいくつかの実施形態は、PCBを含む信号伝送システムを提供する。本願のいくつかの実施形態に係るPCBは、上記いくつかの実施形態に係るPCBと同じであるため、本願のいくつかの実施形態に係る信号伝送システムに含まれるPCBも、上記いくつかの実施形態に係るPCBと同じ技術的効果を有し、詳細はここでは説明しない。
【0036】
いくつかの実施形態において、上記信号伝送システムは、コネクタをさらに含み、コネクタは、本体と、いずれも本体に固定された複数の端子とを含み、複数の第1差動信号孔ペア、複数の第1グラウンドホール及び複数のビアホールの第1基板ブロック内に位置する部分は、それぞれ複数の端子のうちの1つに挿着される。
【0037】
本願のいくつかの実施形態は、別のプリント回路基板を提供し、前記基板本体には、その厚さ方向に沿って順に第1基板ブロック及び第2基板ブロックが設けられ、前記第2基板ブロックは、第1配線引き出し層を有し、前記第1列構造ユニットは、複数の第1差動信号孔ペア及び複数の第1グラウンドホールを含み、複数の前記第1差動信号孔ペアは、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第1差動信号孔ペアの間には、少なくとも1つの前記第1グラウンドホールが設けられ、各前記第1差動信号孔ペア及び各前記第1グラウンドホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1列構造ユニット及び前記第2列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられ、前記第1方向は、前記第2方向と交差しており、前記第2列構造ユニットは、複数の第2差動信号孔ペア及び複数の第2グラウンドホールを含み、複数の前記第2差動信号孔ペアは、前記第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの前記第2差動信号孔ペアの間には、すぐ隣の2つの前記第2グラウンドホールが設けられ、各前記第2差動信号孔ペア及び各前記第2グラウンドホールは、いずれも前記第1基板ブロック及び前記第2基板ブロックを貫通し、前記第1信号線は、前記第1配線引き出し層に位置し、前記第1信号線は、前記第1列構造ユニットの1つの前記第1差動信号孔ペアから、前記すぐ隣の2つの前記第2グラウンドホールの間を経由して、前記第2列構造ユニットの前記第1列構造ユニットから離れた側まで延在する。
【0038】
本願のいくつかの実施形態の目的、技術的手段及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本願のいくつかの実施形態に係る別のプリント回路基板を詳細に説明する。
【0039】
図9及び図10を参照すると、本願のいくつかの実施形態に係るPCBは、基板本体310と、第1列構造ユニット320と、第2列構造ユニット330と、第1信号線340とを含み、基板本体310には、その厚さ方向(図10に示すX方向)に沿って順に第1基板ブロック311及び第2基板ブロック312が設けられ、第2基板ブロック312は、第1配線引き出し層313を有し、第1列構造ユニット320は、複数の第1差動信号孔ペア321及び複数の第1グラウンドホール322を含み、複数の第1差動信号孔ペア321は、第1方向(図9に示すY方向)に沿って順に設けられ、隣接する2つの第1差動信号孔ペア321の間には、少なくとも1つの第1グラウンドホール322が設けられ、各第1差動信号孔ペア321及び各第1グラウンドホール322は、いずれも第1基板ブロック311及び第2基板ブロック312を貫通し、第1列構造ユニット320及び第2列構造ユニット330は、第2方向(図9に示すZ方向)に沿って順に設けられ、第1方向は、第2方向と交差しており、第2列構造ユニット330は、複数の第2差動信号孔ペア331及び複数の第2グラウンドホール332を含み、複数の第2差動信号孔ペア331は、第1方向に沿って順に設けられ、隣接する2つの第2差動信号孔ペア331の間には、すぐ隣の2つの第2グラウンドホール332が設けられ、各第2差動信号孔ペア331及び各第2グラウンドホール332は、いずれも第1基板ブロック311及び第2基板ブロック312を貫通し、第1信号線340は、第1配線引き出し層313に位置し、第1信号線340は、第1列構造ユニット320の1つの第1差動信号孔ペア321から、すぐ隣の2つの第2グラウンドホール332の間を経由して、第2列構造ユニット330の第1列構造ユニット320から離れた側まで延在する。
【0040】
いくつかの実施形態において、隣接する2つの第1差動信号孔ペア321の間には、2つの第1グラウンドホール322がある。このように、隣接する2つの第1差動信号孔ペア321の間の間隔を増加させ、隣接する2つの第1差動信号孔ペア321の間の信号クロストークを低減することができる。なお、本実施形態に係るPCBは、第3列構造ユニット、第4列構造ユニットなど(図示せず)をさらに有してもよく、第2列構造ユニット330と第3列構造ユニットは、第2方向に沿って順に設けられてもよく、第3方向(図示せず)に沿って順に設けられてもよく、第3方向は、第2方向と交差し、かつ第1方向と交差する。
【0041】
いくつかの実施形態において、複数の第2グラウンドホール332は、第1方向に沿って順に設けられる。
【0042】
さらに、いくつかの実施形態において、上記PCBは、第2信号線350をさらに含み、第2信号線350は、第1配線引き出し層313に位置し、かつ第1列構造ユニット320と第2列構造ユニット330との間に位置し、第2信号線350は、折り曲げ部351及び延在部352を含み、折り曲げ部351は、第1列構造ユニット320の1つの第1差動信号孔ペア321から、第1列構造ユニット320から離れて延在部352に近接する方向に沿って折り曲げられて延在部352まで延在し、延在部352は、折り曲げ部351の第1信号線340から離れた側に位置し、第1方向に沿って延在しており、折り曲げ部351に接続された第1差動信号孔ペア321は、第1信号線340に接続された第1差動信号孔ペア321と異なる。
【0043】
本願のいくつかの実施形態は、PCBを含む信号伝送システムを提供する。本願のいくつかの実施形態に係るPCBは、上記いくつかの実施形態に係る別のPCBと同じであるため、本願のいくつかの実施形態に係る信号伝送システムに含まれるPCBも、上記いくつかの実施形態に係る別のPCBと同じ技術的効果を有し、詳細はここでは説明しない。
【0044】
さらに、いくつかの実施形態において、上記信号伝送システムは、コネクタをさらに含み、コネクタは、本体と、いずれも本体に固定された複数の端子とを含み、複数の第1差動信号孔ペア、複数の第1グラウンドホール、複数の第2差動信号孔ペア及び複数の第2グラウンドホールの第1基板ブロック内に位置する部分は、それぞれ複数の端子のうちの1つに挿着される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】