(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ヒューズおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 37/76 20060101AFI20240905BHJP
H01H 85/08 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01H37/76 P
H01H37/76 L
H01H85/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518529
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2022015309
(87)【国際公開番号】W WO2023075210
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0147220
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャン ボグ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サン エウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ギュ
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA02
5G502BA08
5G502BB13
5G502BB14
5G502JJ01
(57)【要約】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズは、印刷回路基板と、前記印刷回路基板上に配置される導電性パターンと、前記導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、前記導電性パターンの両側面または前記導電性パターンの上部に配置されるフィルムと、前記導電性パターンおよび前記フィルムの上部に配置されるコーティング剤と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に配置される導電性パターンと、
前記導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、前記導電性パターンの両側面または前記導電性パターンの上部に配置されるフィルムと、
前記導電性パターンおよび前記フィルムの上部に配置されるコーティング剤と、
を含む、ヒューズ。
【請求項2】
前記コーティング剤は、難燃素材を含む、請求項1に記載のヒューズ。
【請求項3】
前記難燃素材は、
V0等級の難燃物質を含む、請求項2に記載のヒューズ。
【請求項4】
前記開放された少なくとも一部の領域の形状は、四角形または円形である、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項5】
前記導電性パターンは、熱が蓄積できるように、前記印刷回路基板上に蛇行形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項6】
前記フィルムは、
前記導電性パターンの両側面において前記導電性パターンから離隔した距離に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項7】
前記フィルムは、
前記導電性パターンの上部の両側を少なくとも一部分を覆うように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項8】
前記コーティング剤は、
前記導電性パターンと前記コーティング剤との間にガスが満たされる場合に物理的に離隔できるように接合力が設定される、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項9】
前記フィルムの上部に配置され、熱放出を制限するダミー領域をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項10】
前記ダミー領域は、銅を含む、請求項9に記載のヒューズ。
【請求項11】
前記ダミー領域は、
前記導電性パターンの溶断部の上部を除いて配置される、請求項9に記載のヒューズ。
【請求項12】
前記印刷回路基板は、
PCB(Printed Circuit Board)またはFPCB(Flexible Printed Circuit Board)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項13】
印刷回路基板上に配置される導電性パターンを形成するステップと、
前記導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、前記導電性パターンの両側面または前記導電性パターンの上部に配置されるフィルムを形成するステップと、
前記導電性パターンおよび前記フィルムの上部に配置されるコーティング剤を形成するステップと、
を含む、ヒューズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年10月29日付けの韓国特許出願第10-2021-0147220号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本文書に開示された実施形態は、ヒューズおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電が可能な電池であり、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと、最近のリチウムイオン電池とをいずれも含む意味である。二次電池の中でも、リチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べて、エネルギー密度が遥かに高いという長所がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量に作製することができるため、移動機器の電源として用いられており、近年、電気自動車の電源にまでその使用範囲が拡張され、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を浴びている。
【0003】
電池のセンシングラインの場合、高い電圧により火災などの問題が発生し得るため、ヒューズを用いて火災などの問題を予防しなければならない。PCB上のセンシングラインに熱が蓄積できる形態で導電性パターンを用いる場合、導電性パターンが動作する温度になったときに上部フィルムに焼き付きが発生し、導電性パターンが断線した後に十分な絶縁抵抗が確保できないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本文書に開示された実施形態の一目的は、導電性パターンの上部フィルムに焼き付きが少なく発生するヒューズおよびその製造方法を提供することにある。
本文書に開示された実施形態の一目的は、導電性パターンの上部フィルムを開放して絶縁抵抗が低下する現象を防止することができ、導電性パターンの動作時に内部で発生するガスにより上部が膨らむ現象を防止することができるヒューズおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズは、印刷回路基板(printed circuit board、PCB)と、前記PCB上に配置される導電性パターンと、前記導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、前記導電性パターンの両側面または前記導電性パターンの上部に配置されるフィルムと、前記導電性パターンおよび前記フィルムの上部に配置されるコーティング剤と、を含むことができる。
【0007】
一実施形態において、前記コーティング剤は、難燃素材を含むことができる。
一実施形態において、前記難燃素材は、V0等級の難燃物質を含むことができる。
【0008】
一実施形態において、前記開放された少なくとも一部の領域の形状は、四角形または円形であってもよい。
一実施形態において、前記導電性パターンは、熱が蓄積できるように、前記PCB上に蛇行形状で実現されることができる。
【0009】
一実施形態において、前記フィルムは、前記導電性パターンの両側面において前記導電性パターンから離隔した距離に配置されることができる。
一実施形態において、前記フィルムは、前記導電性パターンの上部の両側をカバーするように配置されることができる。
【0010】
一実施形態において、前記コーティング剤は、前記導電性パターンと前記コーティング剤との間にガスが満たされる場合に物理的に離隔できるように接合力が設定されることができる。
【0011】
一実施形態において、前記フィルムの上部に配置され、熱放出を制限するためのダミー領域をさらに含むことができる。
一実施形態において、前記ダミー領域は、銅を含むことができる。
一実施形態において、前記ダミー領域は、前記導電性パターンの溶断部の上部を除いて配置されることができる。
【0012】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの製造方法は、前記PCB上に配置される導電性パターンを形成するステップと、前記導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、前記導電性パターンの両側面または前記導電性パターンの上部に配置されるフィルムを形成するステップと、前記導電性パターンおよび前記フィルムの上部に配置されるコーティング剤を形成するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズおよびその製造方法は、導電性パターンの上部の一部の領域を開放し、フィルムに焼き付きが発生して絶縁抵抗が低下する現象を防止することができる。
【0014】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズおよびその製造方法は、導電性パターンの動作時に内部で発生するガスにより導電性パターンの上部が膨らむ現象を防止することができる。
【0015】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズおよびその製造方法は、導電性パターンの上部の開放された領域を最小化し、導電性パターンの移動を防止する安定した構造を提供することができる。
【0016】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズおよびその製造方法は、難燃等級の高いコーティング剤を用い、導電性パターンの動作時にPCBに火災が発生するのを防止することができる。
【0017】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズおよびその製造方法は、コーティング剤の接合力を設定し、導電性パターンの動作時に導電性パターンとコーティング剤が物理的に離れるようにすることができる。
【0018】
本文書に開示された一実施形態に係るヒューズおよびその製造方法は、フィルム上にダミーを用いて断線させようとする領域の熱放出を最小化することができる。
この他に、本文書により、直接的または間接的に把握される多様な効果が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズを示す図である。
【
図2】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの断面を示すブロック図である。
【
図3】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの上部が開放された例示を示す図である。
【
図4】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの上部が開放された例示を示す図である。
【
図5】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの上部が開放された例示を示す図である。
【
図6】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズのダミー領域を示す図である。
【
図7】本文書に開示された他の実施形態に係るヒューズの断面を示す図である。
【
図8】本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本文書に開示された実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するに際し、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本文書に開示された実施形態を説明するに際し、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本文書に開示された実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0021】
本文書に開示された実施形態の構成要素を説明するに際し、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いてもよい。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されることはない。また、他に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0022】
図1は、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズを示す図である。
図1を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズ100は、印刷回路基板(printed circuit board、PCB)110、導電性パターン120、フィルム130、およびコーティング剤140を含むことができる。
【0023】
印刷回路基板110は、PCBまたはFPCBを含むことができる。
導電性パターン120は、印刷回路基板110上に配置されることができる。例えば、導電性パターン120は、熱が蓄積できるように、印刷回路基板110上に蛇行形状で実現されることができる。他の例を挙げると、導電性パターン120は、銅を含むことができる。この場合、導電性パターン120は、1040℃以上で動作することができる。他の例を挙げると、導電性パターン120は、設定温度以上で溶けることができる。
【0024】
フィルム130は、導電性パターン120の両側面または導電性パターン120の上部に配置されることができる。フィルム130は、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域が開放されるように配置されることができる。例えば、フィルム130は、導電性パターン120の両側面において導電性パターン120から離隔した距離に配置されることができる。一実施形態において、フィルム130は、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域が開放されるように配置されるため、導電性パターン120の断線過程で高熱が発生しても焼き付きが発生しない。一実施形態において、開放される導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域の形状は、四角形、円形、および多角形のうちいずれか1つであってもよい。
【0025】
コーティング剤140は、導電性パターン120およびフィルム130の上部に配置されることができる。例えば、コーティング剤140は、難燃素材を含むことができる。一実施形態において、難燃素材は、V0等級の難燃物質を含むことができる。すなわち、コーティング剤140は、導電性パターン120が動作する場合に高熱が発生しても火災(火炎)を防止することができる。コーティング剤140は、フィルム130により開放された導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域をカバーすることができる。
【0026】
コーティング剤140は、吸熱性の低い素材を含むことができる。例えば、コーティング剤140は、導電性パターン120と当接する領域で導電性パターン120の断線が容易となるように、吸熱性の低い素材を適用することができる。
【0027】
導電性パターン120が動作する場合、内部で発生するガスにより導電性パターン120の上部が膨らむ現象が発生し得るが、導電性パターン120の上部をカバーするコーティング剤140は、導電性パターン120の上部が膨らむ現象の発生を防止することができる。
【0028】
一実施形態において、コーティング剤140は、導電性パターン120とコーティング剤140との間にガスが満たされると物理的に離隔できるように接合力が設定されることができる。例えば、導電性パターン120に過電流が印加される場合、フィルム130および接着剤に熱が加えられてガスが発生し得、発生したガスにより導電性パターン120とコーティング剤140に離隔が発生し得る。ガスによる離隔を防止するために導電性パターン120が速く動作する必要があるが、過電流が導電性パターン120に印加される場合、コーティング剤140を物理的に離隔できるようにコーティング剤140の接合力を設定することができる。
【0029】
一実施形態において、フィルム130またはコーティング剤140は、導電性パターン120の上部をカバーすることができ、したがって、導電性パターン120の移動を防止可能な安定した構造を提供することができる。
【0030】
図2は、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの断面を示すブロック図である。
図2を参照すると、ヒューズ100は、下部に印刷回路基板110が配置されることができる。
【0031】
印刷回路基板110の上部に導電性パターン120が配置されることができる。実施形態により、印刷回路基板110と導電性パターン120との間には、フィルムまたは接着剤がさらに含まれることができる。
【0032】
フィルム130は、印刷回路基板110の上部に付着されることができ、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域が開放されるように配置されることができる。
図2ではフィルム130が導電性パターン120の上部の全体領域が開放されるように配置される例示を示しているが、これに限定されない。
【0033】
フィルム130は、導電性パターン120の両側面に配置されることができる。例えば、フィルム130は、導電性パターン120の両側面において導電性パターン120から離隔した距離に配置されることができる。
【0034】
コーティング剤140は、導電性パターン120およびフィルム130の上部をカバーするように配置されることができる。例えば、フィルム130が導電性パターン120の上部をカバーしていない領域において、コーティング剤140は、導電性パターン120の上部をカバーすることができる。
【0035】
図3~
図5は、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの上部が開放された例示を示す図である。
図3を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズ100に含まれたフィルム130は、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域10を開放することができる。例えば、フィルム130が導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域10を開放し、コーティング剤140がフィルム130および導電性パターン120の上部をカバーするように配置されることができる。
【0036】
導電性パターン120の上部の開放された一部の領域10は長方形の形状であるが、開放された一部の領域10が大きいほど導電性パターン120の固定が難しくて安定的ではない。すなわち、開放された一部の領域10が大きいと、導電性パターン120が動き、導電性パターン120が動作して断線した場合にも再び短絡する場合が発生し得る。したがって、開放された一部の領域10は最小化されなければならない。
【0037】
図4を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズ100に含まれたフィルム130は、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域20を開放することができる。例えば、少なくとも一部の領域20の形状は四角形であってもよい。
【0038】
開放された導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域20は複数であってもよい。例えば、
図4に示されたように、少なくとも一部の領域20は複数の四角形であってもよい。他の例を挙げると、開放された導電性パターン120の上部の一部の領域20は最小化されなければならないため、複数の四角形領域を介して、フィルム130は、導電性パターン120の上部の一部の領域を開放することができる。
【0039】
図5を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズ100に含まれたフィルム130は、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域30を開放することができる。例えば、少なくとも一部の領域30の形状は円形であってもよい。
【0040】
開放された導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域30は複数であってもよい。例えば、
図5に示されたように、少なくとも一部の領域30は複数の円形であってもよい。他の例を挙げると、開放された導電性パターン120の上部の一部の領域30は最小化されなければならないため、複数の円形領域を介して、フィルム130は、導電性パターン120の上部の一部の領域を開放することができる。
【0041】
図6は、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズのダミー領域を示す図である。
図6を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズ100は、ダミー領域150をさらに含むことができる。
【0042】
ダミー領域150は、フィルム130の上部に配置されることができる。例えば、ダミー領域150は、熱放出を制限するために、フィルム130の上部に配置されることができる。他の例を挙げると、ダミー領域150は、熱放出を最小化するために、フィルム130の上部に配置されることができる。フィルム130は、導電性パターン120の上部に配置されることができるが、フィルム130のみが配置される場合には、弱くて破れる可能性があるため、ダミー領域150は、フィルム130の上部に配置され、フィルム130を保護する役割を行うことができる。一実施形態において、ダミー領域150は、銅を含むことができる。
【0043】
ダミー領域150は、導電性パターン120の溶断部の上部を除いて配置されることができる。例えば、導電性パターン120の溶断部の上部には、ダミー領域150を削除または最小化して熱放出を最小化させることができる。したがって、導電性パターン120の溶断部は、断線する可能性が高くなることができる。
【0044】
一実施形態において、ダミー領域150は、
図6に示された形状で実現されることができる。ただし、これに限定されず、ダミー領域150が、フィルム130の上部に配置され、導電性パターン120の溶断部の上部には配置されない多様な形状で実現されることができる。
【0045】
図7は、本文書に開示された他の実施形態に係るヒューズの断面を示す図である。
図7を参照すると、本文書に開示された他の実施形態に係るヒューズ200は、印刷回路基板210、導電性パターン220、フィルム230、およびコーティング剤240を含むことができる。一実施形態において、印刷回路基板210、導電性パターン220、フィルム230、およびコーティング剤240それぞれは、
図1の印刷回路基板110、導電性パターン120、フィルム130、およびコーティング剤140と実質的に同一であってもよい。
【0046】
フィルム230は、導電性パターン220の上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、導電性パターン220の上部に配置されることができる。例えば、フィルム230は、導電性パターン220の上部の両側をカバーするように配置されることができる。
フィルム230および導電性パターン220の上部をコーティング剤240がカバーすることができる。
【0047】
一実施形態において、
図7に示された本文書に開示された他の実施形態に係るヒューズ200の導電性パターン220は、
図3~
図5に示されたように、フィルム230により上部の少なくとも一部の領域が開放されることができる。
【0048】
図8は、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズの製造方法を示すフローチャートである。
図8を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るヒューズ100の製造方法は、印刷回路基板上に配置される導電性パターンを形成するステップ(S110)と、導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、導電性パターンの両側面または導電性パターンの上部に配置されるフィルムを形成するステップ(S120)と、導電性パターンおよびフィルムの上部に配置されるコーティング剤を形成するステップ(S130)と、を含むことができる。
【0049】
印刷回路基板上に配置される導電性パターンを形成するステップ(S110)において、PCB110の上部に配置される導電性パターン120を形成することができる。例えば、導電性パターン120は、PCB110の熱が蓄積できるように、PCB上に蛇行形状を有することができる。
【0050】
導電性パターンの上部の少なくとも一部の領域が開放されるように、導電性パターンの両側面または導電性パターンの上部に配置されるフィルムを形成するステップ(S120)において、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域が開放されるようにフィルム130を形成することができる。例えば、フィルム130は、導電性パターン120の両側面または導電性パターン120の上部に配置されることができる。他の例を挙げると、フィルム130は、導電性パターン120の上部の少なくとも一部の領域を四角形または円形の形状に開放することができる。
【0051】
導電性パターンおよびフィルムの上部に配置されるコーティング剤を形成するステップ(S130)において、導電性パターン120およびフィルム130の上部にコーティング剤140を形成することができる。例えば、コーティング剤140は、難燃素材を含むことができ、難燃素材は、V0等級の難燃物質を含むことができる。他の例を挙げると、コーティング剤140は、導電性パターン120とコーティング剤140との間にガスが満たされる場合に物理的に離隔できるように接合力が設定されることができる。
【0052】
以上の説明は本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。
【0053】
したがって、本文書に開示された実施形態は本文書に開示された技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は後述の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】