(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】面取りされた保護テープが形成された電池セル
(51)【国際特許分類】
H01M 50/595 20210101AFI20240905BHJP
H01M 50/54 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240905BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240905BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M50/595
H01M50/54
H01M50/533
H01M50/55 101
H01M10/04 Z
H01M10/058
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518538
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2022019689
(87)【国際公開番号】W WO2023106782
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0173785
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ダイ ヒエン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、タエ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウォン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヒュン チュル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホヨウン
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028CC05
5H028CC08
5H028CC11
5H028EE10
5H028HH05
5H029AJ12
5H029BJ12
5H029BJ27
5H029CJ03
5H029CJ04
5H029CJ05
5H029DJ05
5H029EJ12
5H029HJ04
5H029HJ12
5H043AA04
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA13
5H043EA02
5H043EA06
5H043EA22
5H043GA22
5H043GA27
5H043HA02E
5H043HA04
5H043HA11
5H043JA04
5H043JA07E
5H043KA24
5H043LA02
5H043LA21
(57)【要約】
本発明は、正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在された分離膜を含む電極組立体が電池ケースに組み込まれている二次電池用電池セルであって、
前記正極は、正極集電体から延びた正極タップが一側に形成されており、前記負極は、負極集電体から延びた負極タップが一側に形成されており、
前記正極タップと前記負極タップが突出している電極組立体の上段で前記正極タップと前記負極タップはそれぞれv字状に折り曲げられた第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部を有し、
前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部、及び前記第1、2折り曲げ部と隣接した電極組立体の上段には、これらをカバーするように保護テープが貼り付けられており、
前記保護テープの両端部の上部は面取りされている電池セルに関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在された分離膜を含む電極組立体が電池ケースに組み込まれている二次電池用電池セルであって、
前記正極は、正極集電体から延びた正極タップが一側に形成されており、前記負極は、負極集電体から延びた負極タップが一側に形成されており、
前記正極タップと前記負極タップが突出している前記電極組立体の上段で前記正極タップと前記負極タップはそれぞれv字状に折り曲げられた第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部を有し、
前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部、及び前記第1折り曲げ部と第2折り曲げ部とに隣接した前記電極組立体の上段には、これらをカバーするように保護テープが貼り付けられており、
前記保護テープの両端部の上部は面取りされている、電池セル。
【請求項2】
前記保護テープは、キャストポリプロピレン(casted polypropylene、CPP)からなる、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記保護テープは、曲線、対角線または長方形の形状に面取りされている、請求項1に記載の電池セル。
【請求項4】
前記面取りは、前記保護テープのそれぞれの両端部から前記正極タップ及び前記負極タップが形成された部位以内で行われる、請求項1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記保護テープの厚さは、10μmから100μmである、請求項1に記載の電池セル。
【請求項6】
前記保護テープの長さは、前記正極タップと前記負極タップに隣接した前記電極組立体の上段を覆うことができる長さである、請求項1に記載の電池セル。
【請求項7】
前記正極と負極はそれぞれ活物質層が一定の厚さを有する平坦部と前記平坦部で活物質層の厚さが漸進的に小さくなる傾斜部を有し、
前記傾斜部は、前記正極の正極タップと前記負極の負極タップが突出する方向の端部に形成されており、
前記保護テープが形成される前記電極組立体の上段は、前記傾斜部に対応する部位である、請求項1に記載の電池セル。
【請求項8】
前記正極タップと前記負極タップはそれぞれ正極リードと負極リードに結合されており、前記正極リードと前記負極リードは前記正極タップの第1折り曲げ部と前記負極タップの第2折り曲げ部に結合されている、請求項1に記載の電池セル。
【請求項9】
前記正極リードと前記負極リードは前記電池ケースの外部に突出しており、前記正極リードと前記負極リードが前記電池ケースと接触する部位には絶縁テープが形成されている、請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記絶縁テープは、ポリフェニレンエーテル(polyphenyleneether;PPE)、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエーテルテレフタレート(polyethyleneterephthalate;PET)、ポリフェニレンスルファイド(polyphenylene sulfide;PPS)、及びポリエチレン(polyethylene;PE)からなる群より選択される1種以上の物質からなる、請求項9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電池セルは、リチウム二次電池である、請求項1から10のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項12】
二次電池用保護テープを製造する方法であって、
長い棒状の保護テープリールを電極組立体の幅に対応する間隔でY字状のパンチでカッティングして製造する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(等)との相互引用
本出願は、2021年12月07日付の韓国特許出願第10-2021-0173785号に基づいた優先権の利益を主張して、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、面取りされた保護テープが形成された電池セルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加により、エネルギー源としての二次電池に対して需要が急激に増加しており、それらの二次電池の中でも、高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化して幅広く用いられている。
【0004】
また、最近は、電子デバイスのデザイン自体が需要者の製品選択において非常に重要な要素として作用しており、消費者の好みに応じて電子デバイスがますます小型化、薄型化していく傾向である。そのために、電子デバイスの内部空間の不必要な浪費を最少化するために、リチウム二次電池も、小型化、薄形化が要求されており、これに対する需要が高まっている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、正極と負極を製造し、これを分離膜と共に積層して電極組立体を形成し、このような電極組立体を二次電池ケースに電解液と共に組み込むことによって製造される。
【0006】
一方、このとき、電極組立体のタップとリードとの結合部には保護テープを貼り付け、タップをv-フォーミングする工程を経る。しかし、このような保護テープは一般的に負極部位にだけ貼り付けており、これにより、製造された電極組立体の加圧工程などによって正極と負極間の圧力偏差が発生して不均一な接着性を引き起こし、このような不均一な接着性が結局二次電池のサイクルによる内部抵抗の偏差を引き起こすという問題があった。
【0007】
したがって、このような問題を解決できる二次電池に対する技術の開発が切実な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、正極タップ及び負極タップが形成されている電極組立体の上段で発生する長さ方向での圧力偏差を減らし、不均一な圧力による内部抵抗偏差を減少させ、セル性能を向上させることができる電池セルを提供することを目的とする。
【0009】
また、このような過程で発生し得る保護テープの縁での工程問題を解決することによって以降保護テープが電池ケースと干渉を引き起こすシーリング性低下の問題を解消できる電池セルを提供することを目的とする。
【0010】
さらに、このような電池セルに用いられる保護テープを製造する非常に簡単な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例に係る電池セルは、
正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在された分離膜を含む電極組立体が電池ケースに組み込まれている二次電池用電池セルであって、
前記正極は、正極集電体から延びた正極タップが一側に形成されており、前記負極は、負極集電体から延びた負極タップが一側に形成されており、
前記正極タップと前記負極タップが突出している電極組立体の上段で前記正極タップと前記負極タップはそれぞれv字状に折り曲げられた第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部を有し、
前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部、及び前記第1折り曲げ部と第2折り曲げ部とに隣接した電極組立体の上段には、これらをカバーするように保護テープが貼り付けられており、
前記保護テープの両端部の上部は面取りされていることを特徴とする。
【0012】
ここで、保護テープは、キャストポリプロピレン(casted polypropylene、CPP)からなってもよい。
【0013】
前記保護テープは、曲線、対角線、または長方形の形状に面取りされているものであってもよい。
【0014】
このとき、前記面取りは、前記保護テープのそれぞれの両端部から正極タップ及び負極タップが形成された部位以内で行われるものであってもよい。
【0015】
前記保護テープの厚さは、10μmから100μmであってもよい。
【0016】
前記保護テープの長さは、前記正極タップと前記負極タップに隣接した電極組立体の上段を覆うことができる長さであってもよい。
【0017】
一方、前記正極と負極はそれぞれ活物質層が一定の厚さを有する平坦部と前記平坦部で活物質層の厚さが漸進的に小さくなる傾斜部を有し、
前記傾斜部は、前記正極の正極タップと前記負極の負極タップが突出する方向の端部に形成されており、
前記保護テープが形成される前記電極組立体の上段は、前記傾斜部に対応する部位であってもよい。
【0018】
前記正極タップと前記負極タップはそれぞれ正極リードと負極リードに結合されており、前記正極リードと前記負極リードは前記正極タップの第1折り曲げ部と前記負極タップの第2折り曲げ部に結合されていてもよい。
【0019】
また、前記正極リードと前記負極リードは前記電池ケースの外部に突出しており、前記正極リードと前記負極リードが前記電池ケースと接触する部位には絶縁テープが形成されていてもよい。
【0020】
このとき、前記絶縁テープは、ポリフェニレンエーテル(polyphenyleneether;PPE)、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエーテルテレフタレート(polyethyleneterephthalate;PET)、ポリフェニレンスルファイド(polyphenylene sulfide;PPS)、及びポリエチレン(polyethylene;PE)からなる群より選択される1種以上の物質からなってもよい。
【0021】
一方、前記電池セルは、リチウム二次電池であってもよい。
【0022】
本発明は、また、前記電池セルに用いられる二次電池用保護テープを製造する方法であって、
長い棒状の保護テープリールを電極組立体の幅に対応する間隔でY字状のパンチでカッティングして製造する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例に係る電池セルのタップのvフォーミング前の平面透過図である。
【
図2】
図1の電池セルでタップのvフォーミング後の平面透過図である。
【
図4】
図1に用いられる保護テープの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味で解釈されてはならず、発明者等はその自身の発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立って本発明の技術的な思想に合致する意味と概念で解釈されなければならない。したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の好ましい実施例に過ぎないだけで、本発明の技術的な思想を全て代弁するものではないので、本出願時点において、これらを代替できる多様な均等物と変形例が可能であり、本発明の範囲が次に記述する実施例に限定されるものではない。
【0025】
以下、本発明を図面及び実施例を参照して詳細に説明することにする。本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者はその自身の発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立って本発明の技術的な思想に合致する意味と概念で解釈されなければならない。
【0026】
また、以下、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎないだけで、本発明の技術的な思想を全て代弁するものではないので、本出願時点において、これらを代替できる多様な均等物と変形例が可能であることを理解されるべきである。
【0027】
本発明は、一実施例によると、
正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在された分離膜を含む電極組立体が電池ケースに組み込まれている二次電池用電池セルであって、
前記正極は、正極集電体から延びた正極タップが一側に形成されており、前記負極は、負極集電体から延びた負極タップが一側に形成されており、
前記正極タップと前記負極タップが突出している電極組立体の上段で前記正極タップと前記負極タップはそれぞれv字状に折り曲げられた第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部を有し、
前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部、及び前記第1折り曲げ部と第2折り曲げ部とに隣接した電極組立体の上段には、これらをカバーするように保護テープが貼り付けられており、
前記保護テープの両端部の上部は面取りされている電池セルが提供される。
【0028】
このとき、前記保護テープをなす物質は、絶縁性、粘着性を有する有機材料であれば限定されないが、詳細にはキャストポリプロピレン(CPP)であってもよい。
【0029】
前記キャストポリプロピレンは、電解液など内部物質との反応性が低く、シーリングのために適用されている電池ケース内部のPPと同じ素材であるので、仮に、シーリング領域に重なってもシーリング性が急激に悪化する現象を防止することができるので、このような保護テープの使用に適している。
【0030】
一方、前記保護テープは、両端部の上部が面取りされた構造を有してもよい。
【0031】
先に説明したように、一般的なパウチ型電池セルで電極組立体がラミネートシートの電池ケースに取り付けられる場合、上部空間の効率増大のために電極タップをV-フォーミング(forming)して電極リードに連結することになる。この過程で、衝撃、落下などの原因で最外郭を構成する電極から短絡が起きることがあるので、これを保護できる装置が必要である。
【0032】
そのために、従来は保護テープを貼り付けていたが、主に最外郭に負極が位置するように製造されていたため、負極のタップv-フォーミング部及びこれに連結される電極組立体の上段の一部にだけ保護テープを貼り付けた。
【0033】
しかし、このように貼り付ける場合、前記正極タップ及び負極タップが形成されている電極組立体の上段で発生する長さ方向での不均一な圧力による内部抵抗偏差が発生することになり、セル性能の低下問題があった。
【0034】
そこで、本出願の発明者等は、正極タップの第1折り曲げ部と負極タップの第2折り曲げ部に隣接した電極組立体の上段を全てカバーするように、上下部に全体的に保護テープを貼り付けることによって前記抵抗偏差の問題を解消できることを確認した。
【0035】
しかし、前記保護テープを貼り付ける場合、保護テープの上段の縁がタップのvフォールディング工程時にきちんと折りたたまれずに広がってしまい、シーリング領域と干渉を引き起こしてシーリング問題を発生させるという問題があった。
【0036】
したがって、本出願の発明者等は、このような問題を解決するために、深みのある研究を重ねた末に、両端部の上部が面取りされた構造の前記保護テープを貼り付ける場合、以降保護テープが電池ケースと干渉を引き起こすシーリング性低下の問題を減少できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0037】
このような効果を最も効果的に得るためには、タップのvフォーミング時に最も折りたたまれず、これによりシーリング干渉が起こりやすい部位には前記保護テープが形成されず、タップは全体的に保護できる構造を有することが好ましいため、両端部の上部が面取りされている形状であることが好ましい。
【0038】
このような構成を下記
図1から
図4に示しており、以下では、図面を参照してより具体的には説明する。
【0039】
まず、
図1には、本発明の一実施例に係る電池セルのタップのvフォーミング前の平面透過図が示されており、
図2には、
図1の電池セルでタップのvフォーミング後の平面透過図が示されている。
【0040】
また、v-フォーミングが行われる折り曲げ部をより具体的には説明するために、
図3には、
図1の電池セルの断面図が示されており、
図4には保護テープの形状をより具体的には説明するための保護テープの模式図が示されている。
【0041】
図1から
図4を参照すると、電池セル100は、電極組立体110が電池ケース120に組み込まれており、正極タップ111と負極タップ112が電極組立体110の正極集電体、負極集電体からそれぞれ重ならないように並んで延長突出しており、前記正極タップ111と負極タップ112はそれぞれ正極リード141と負極リード142に結合されている構造からなっている。
【0042】
ここで、正極タップ111と負極タップ112は、
図3のようにそれぞれvフォーミング工程によってv字状に折り曲げられた第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部を有する。
【0043】
このような折り曲げ部で正極リード141と負極リード142はそれぞれ正極タップ111と負極タップ112に結合されており、正極リード141と負極リード142はそれぞれ電池ケース120の外部に突出しており、電池ケース120と接触する部位には絶縁テープ151、152が形成されている。
【0044】
前記絶縁テープは、電池ケースとの接着性を高めてシーリング性を向上させることができる物質であれば限定されず、例えば、ポリフェニレンエーテル(polyphenyleneether;PPE)、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエーテルテレフタレート(polyethyleneterephthalate;PET)、ポリフェニレンスルファイド(polyphenylene sulfide;PPS)、及びポリエチレン(polyethylene;PE)からなる群より選択される1種以上の物質からなってもよい。
【0045】
一方、本発明の一実施例に係る電池セル100は、このようなタップのvフォーミングにより折り曲げが行われる領域で、第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部と、前記第1折り曲げ部と第2折り曲げ部に隣接した電極組立体110の上段には、これらをカバーするように保護テープ130が上下部に貼り付けられている。
【0046】
図1及び
図4と共に参照すると、このような保護テープ130は、両端部の上部が面取りされた構造からなっている。
【0047】
このとき、保護テープ130は、両端部の上部が
図4の(a)のように曲線、(b)のように対角線、または(c)のように長方形の形状に面取りされた構造であってもよい。
【0048】
また、
図1から分かるように、このような面取りは、保護テープ130の両端部から正極タップ111及び負極タップ112が形成された部位以内で行われることによって、正極タップ111と負極タップ112は保護テープ130が全体的に覆っており、正極タップ111と負極タップ112には面取りが影響を与えることなく、前記タップ(正極タップ111、負極タップ112)を全体的に保護テープ130によって保護されるように形成され、保護テープ130のシーリング干渉の改善と共に短絡保護の役割は十分に果たせる構造を有する。
【0049】
このような面取りされた保護テープ130は、非常に簡単な方法で形成することができ、具体的には、長い棒状の保護テープリールを電極組立体の幅に対応する間隔でY字状のパンチでカッティングして製造することができる。したがって、本発明は、また、このような保護テープの製造方法を提供する。
【0050】
一方、図面に示してはないが、正極と負極はそれぞれ活物質層が一定の厚さを有する平坦部と前記平坦部で活物質層の厚さが漸進的に小さくなる傾斜部を有し、前記傾斜部は、正極タップ111と負極タップ112が突出する方向の端部に形成されている。このとき、保護テープ130が形成される電極組立体110の上段は、このような電極の傾斜部に対応する部位であってもよい。
【0051】
この場合、電極の傾斜部に対応する電極組立体110の上段に別途の保護テープ130が形成されることになり、以降ラミネーション工程などを行うとき、前記平坦部と前記傾斜部との厚さの差を保護テープ130がカバーすることができるので、電極の傾斜部に対応する部位も同様に圧力を受けることができ、好ましい。
【0052】
一方、従来の負極タップの一側にだけ保護テープが形成され、正極タップと隣接した電極組立体の上段部と負極タップと隣接した電極組立体の上段部とで発生する圧力偏差を減らすために、本発明に係る保護テープ130の長さは、正極タップ111と負極タップ112に隣接した電極組立体110の上段を覆うことができる長さ(l)で形成される。
【0053】
したがって、本発明によると、電極組立体の上段の長さ方向での圧力偏差が減少し、これにより内部抵抗偏差も減少することによって、さらに向上したセル性能を有することができる。
【0054】
さらに、保護テープ130の厚さ(t)は、電池セル100の体積を増加させない範囲で10μmから100μmであってもよく、詳細には、20μmから50μmであってもよい。
【0055】
前記範囲から外れ、過度に薄い場合、保護テープの効果が発揮できず、過度に厚い場合、電池セルの体積を増加させることがあるので、好ましくない。
【0056】
前記保護テープを除いた他の構成要素等、正極、負極、分離膜、電池ケースなどの具体的な製造方法と構成物質などは当業界に広く知られているので、これらの説明について本明細書では省略する。
【0057】
一方、本発明に係る電池セルは、具体的には、リチウム二次電池であってもよい。
【0058】
リチウム二次電池のその他の構成要素は当業界に広く知られているので、これらの説明について本明細書では省略する。
【0059】
本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、前記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る電池セルは、正極タップと負極タップの折り曲げ部を全て覆う形態に保護テープが形成されているので、正極タップ及び負極タップが形成されている電極組立体の上段で発生する長さ方向での圧力偏差を減らし、不均一な圧力による内部抵抗偏差を減少させ、セル性能を向上させることができる。
【0061】
また、前記保護テープがvフォーミングによってきちんと折り畳まれるように両端部の上部を面取りすることによって、保護テープが電池ケースと干渉を引き起こすシーリング性低下の問題を解消することができ、安全性及びセル性能を向上させることができる。
【0062】
さらに、非常に簡単な方法で、このような保護テープを製造できるという効果がある。
【国際調査報告】