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特表2024-533702医療機器用の単一のアクチュエータを使用した複数の器具の操作及び調整
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  • 特表-医療機器用の単一のアクチュエータを使用した複数の器具の操作及び調整 図1
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  • 特表-医療機器用の単一のアクチュエータを使用した複数の器具の操作及び調整 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】医療機器用の単一のアクチュエータを使用した複数の器具の操作及び調整
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/062 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61B17/062 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518626
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 US2022047863
(87)【国際公開番号】W WO2023076367
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/220,735
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/321,062
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィラード ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】スミス ジェフリー ティー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB23
4C160MM32
4C160NN01
4C160NN11
(57)【要約】
単一のユーザーアクチュエータを使用して、洗練された、かつ個々の動作プロファイルを有する、複数の作動器具を動作させることができる、医療機器用のシステム。システムは、各器具のためのスロットの対を有するハンドルと、各器具のための溝を有する、第一の位置と第二の位置との間の移動のために、ハンドル内に位置付けられるアクチュエータとを有する。各器具は、対のスロットに捕捉され、アクチュエータの溝によって駆動されるバレルをハンドルに結合させる。対のスロットの形状及び対応する溝は、組み合わされて、それ自体の対のスロット及び溝を有する任意の他の器具とは独立した器具の動作プロファイルを提供する。したがって、複数の器具は、同時に駆動されてもよく、単一のアクチュエータのユーザー操作に基づいて、複雑かつ調整された移動を有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器であって、
第一のスロット対及び第二のスロット対を有する、ハンドルと、
第一の位置と第二の位置との間の移動のために、前記ハンドル内に位置付けられたアクチュエータであって、前記アクチュエータが第一の溝及び第二の溝とを含む、アクチュエータと、
前記ハンドルの前記第一のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつ前記アクチュエータの前記第一の溝内に捕捉される、第一のバレルに接続される、第一の器具と、
前記ハンドルの前記第二のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつ前記アクチュエータの前記第二の溝内に捕捉される、第二のバレルに接続される、第二の器具と、
を備える、医療機器。
【請求項2】
前記第一の溝が、第一の形状を有し、前記第二の溝が、前記第一の形状とは異なる第二の形状を有する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記第一のスロット対が、第一の経路を画定し、前記第二のスロット対が、前記第一の経路とは異なる第二の経路を画定する、請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動によって、前記第一の溝が、前記第一のバレルを前記第一のスロット対の前記第一の経路に沿って平行移動させ、前記第二の溝が、前記第二のバレルを前記第二のスロット対の前記第二の経路に沿って平行移動させる、請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動が、前記第一の器具を第一の動作プロファイルで移動させ、前記第二の器具を前記第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルで移動させる、請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
縫合糸を取り付けることができる穿刺針であって、
第一のスロット対及び第二のスロット対を有する、ハンドルと、
第一の位置と第二の位置との間の移動のために、前記ハンドル内に位置付けられたアクチュエータであって、前記アクチュエータが第一の溝及び第二の溝とを含む、アクチュエータと、
前記ハンドルの前記第一のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつ前記アクチュエータの前記第一の溝内に捕捉される、第一のバレルに接続される、フックと、
前記ハンドルの前記第二のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつ前記アクチュエータの前記第二の溝内に捕捉される、第二のバレルに接続される、輪縄と、
を備える、穿刺針。
【請求項7】
前記第一の溝が、第一の形状を有し、前記第二の溝が、前記第一の形状とは異なる第二の形状を有する、請求項6に記載の穿刺針機器。
【請求項8】
前記第一のスロット対が、第一の経路を画定し、前記第二のスロット対が、前記第一の経路とは異なる第二の経路を画定する、請求項7に記載の穿刺針機器。
【請求項9】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動によって、前記第一の溝が、前記第一のバレルを、前記第一のスロット対の前記第一の経路に沿って平行移動させ、前記第二の溝が、前記第二のバレルを、前記第二のスロット対の前記第二の経路に沿って平行移動させる、請求項8に記載の穿刺針機器。
【請求項10】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動が、前記フックを第一の動作プロファイルで移動させ、前記輪縄を前記第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルで移動させる、請求項9に記載の穿刺針機器。
【請求項11】
前記第一の動作プロファイルに沿った前記フックの移動、及び前記第二の動作プロファイルに沿った前記輪縄の移動によって、前記フック及び前記輪縄に、前記医療機器の先端に近接して位置付けられる、縫合糸を取り付けることを可能にする、請求項9に記載の穿刺針機器。
【請求項12】
単一のユーザーアクションを介して少なくとも2つの器具を独立して制御する方法であって、
医療機器を提供するステップであって、前記医療機器が、第一のスロット対及び第二のスロット対を有するハンドルと、第一の位置と第二の位置との間の移動のために前記ハンドル内に位置付けられた、第一の溝及び第二の溝とを含むアクチュエータと、前記ハンドルの前記第一のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつ前記アクチュエータの前記第一の溝内に捕捉される第一のバレルに接続される第一の器具と、前記ハンドルの前記第二のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつ前記アクチュエータの前記第二の溝内に捕捉される第二のバレルに接続される第二の器具とを含む、ステップと、
前記アクチュエータに結合されたボタンを移動させ、前記アクチュエータを前記第一の位置と前記第二の位置との間で移動させるステップであって、前記第一の溝が、前記第一のバレルを前記第一のスロット対内で移動させ、前記第二の溝が、前記第二のスロット対内で移動させ、前記第一のバレルの移動が、前記第一の器具の移動を駆動し、前記第二のバレルの移動が、前記第二の器具の移動を駆動するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記第一のバレルの移動が、前記第一の溝の第一の形状によって制御され、前記第二のバレルの移動が、前記第一の形状とは異なる前記第二の溝の第二の形状によって制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第一のバレルの移動が、前記第一のスロット対の第一の経路によって追加的に制御され、前記第二のバレルの移動が、前記第一の経路とは異なる前記第二のスロット対の第二の経路によって追加的に制御される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動によって、前記第一の溝が、前記第一のバレルを、前記第一のスロット対の前記第一の経路に沿って平行移動させ、前記第二の溝が、前記第二のバレルを、前記第二のスロット対の前記第二の経路に沿って平行移動させる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動が、前記第一の器具を第一の動作プロファイルで移動させ、前記第二の器具を前記第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルで移動させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記医療機器が、穿刺針である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第一の器具が、フックであり、前記第二の器具が、輪縄である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第一の位置と前記第二の位置との間の前記アクチュエータの移動によって、前記フック及び前記輪縄が、前記穿刺針の先端に近接して位置付けられた縫合糸を捕捉する、請求項19に記載の方法。
【請求項20】
前記フック及び前記輪縄が、前記アクチュエータが前記第一の位置から前記第二の位置へと移動する時に、前記第一の動作プロファイルを通って移動する前記フックと、前記第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルを通って移動する前記輪縄とによって、前記縫合糸を捕捉する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月26日に出願された米国仮特許出願第63/220735号、及び2022年3月17日に出願された米国仮特許出願第63/321062号に対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、医療機器に関し、より具体的には、単一のユーザーアクチュエータを有する医療機器内での複数の器具の移動を操作及び調整するためのアプローチに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
医療機器は、複数の作動器具(形成されたワイヤ器具、機械加工された器具、管状器具など)を有してもよく、その各々は、医療機器が特定のタスクを行うことを可能にするために、互いに協調して移動することを含む、互いに対して、及びそれらのアクチュエータ(ボタン、スライダー、レバーなど)に対して、洗練された、かつ個別の動作プロファイルを必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明者らは、(上で論じたように)複数の作動器具を有する従来の又は既存の医療機器に関連付けられた、制限があることを認識する。従来のアプローチは、複数のアクチュエータの使用を必要とし、またユーザーが複数の器具の動作を適切にタイミングをとり調整することに依存する。これらのアプローチはまた、複数の器具の相対的な動作速度、及び印加される動作力の量を制御する能力を欠いており、これには1つの器具が、別の器具が所定の位置に移動するまで、一時的に停止する必要がある場合を含む。したがって、単一のユーザー動作式アクチュエータの使用全般を通して、複数の器具の動作を制御し、それらの器具の相対的移動を調整し、移動速度及びそれに伴う力を制御することができる、複数の器具医療機器を動作させるための、改善されたアプローチに対する需要がある。設計の様々な態様では、1つ以上の作動器具の洗練された動作プロファイルは、ユーザーによるアクチュエータの単一の移動の1つのみで達成されることができ、それによって、複数の作動器具のより複雑な動作を実施することを可能にし、医療機器のユーザーにとってより大きな使用の簡略化をもたらし、ユーザーによるエラーの可能性を低減し、そうでなければユーザーが必要な複雑な動作及び調整された動作を手動で実行できないために達成できない医療機器の機能を可能にする。
【0005】
一態様では、医療機器は、第一のスロット対及び第二のスロット対を有するハンドルと、第一の位置と第二の位置との間の移動のためにハンドル内に位置付けられ、第一の溝及び第二の溝とを含むアクチュエータと、ハンドルの第一のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつアクチュエータの第一の溝内に捕捉される、第一のバレルに接続される第一の器具と、ハンドルの第二のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつアクチュエータの第二の溝内に捕捉される、第二のバレルに接続される第二の器具とを含む。第一の溝は、第一の形状を有してもよく、第二の溝は、第一の形状とは異なる第二の形状を有してもよい。第一のスロット対は、第一の経路を画定してもよく、第二のスロット対は、第一の経路とは異なる第二の経路を画定してもよい。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動によって、第一の溝が第一のバレルを第一のスロット対の第一の経路に沿って平行移動させ、第二の溝が第二のバレルを第二のスロット対の第二の経路に沿って平行移動させる。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動は、第一の器具を第一の動作プロファイルで移動させ、第二の器具を第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルで移動させる。
【0006】
別の態様では、縫合糸を取り付けることができる穿刺針は、第一のスロット対及び第二のスロット対を有するハンドルと、第一の位置と第二の位置との間の移動のためにハンドル内に位置付けられ、第一の溝及び第二の溝とを含む、アクチュエータと、ハンドルの第一のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつアクチュエータの第一の溝内に捕捉される第一のバレルに接続されるフックと、ハンドルの第二のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつアクチュエータの第二の溝内に捕捉される第二のバレルに接続される輪縄とによって形成される。第一の溝は、第一の形状を有してもよく、第二の溝は、第一の形状とは異なる第二の形状を有してもよい。第一のスロット対は、第一の経路を画定してもよく、第二のスロット対は、第一の経路とは異なる第二の経路を画定してもよい。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動によって、第一の溝が第一のバレルを第一のスロット対の第一の経路に沿って平行移動させ、第二の溝が第二のバレルを第二のスロット対の第二の経路に沿って平行移動させる。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動は、フックを、第一の動作プロファイルで移動させ、輪縄を、第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルで移動させる。
【0007】
更なる態様では、単一のユーザーアクションを介して少なくとも2つの器具を独立して制御する方法は、第一のスロット対及び第二のスロット対を有するハンドルと、第一の位置と第二の位置との間の移動のためにハンドル内に位置付けられる、第一の溝及び第二の溝と含む、アクチュエータと、ハンドルの第一のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつアクチュエータの第一の溝内に捕捉される第一のバレルに接続される第一の器具と、ハンドルの第二のスロット対の間に延在し、その中に位置付けられ、かつアクチュエータの第二の溝内に捕捉される第二のバレルに接続される、第二の器具とを含む、医療機器を提供することによって実施される。次に、アクチュエータに結合されたボタンを使用して、アクチュエータを第一の位置と第二の位置との間で移動させてもよく、その結果、第一の溝は、第一のバレルを第一のスロット対内で移動するよう駆動させ、第二の溝は、第二のスロット対内で移動するようにし、第一のバレルの移動は第一の器具の移動を駆動し、第二のバレルの移動は第二の器具の移動を駆動する。第一のバレルの移動は、第一の溝の第一の形状によって制御され、第二のバレルの移動は、第一の形状とは異なる第二の溝の第二の形状によって制御される。第一のバレルの移動は、第一のスロット対の第一の経路によって、追加的に制御され、第二のバレルの移動は、第一の経路とは異なる第二のスロット対の第二の経路によって、追加的に制御される。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動によって、第一の溝が、第一のバレルを、第一のスロット対の第一の経路に沿って平行移動させ、第二の溝が、第二のバレルを、第二のスロット対の第二の経路に沿って平行移動させる。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動は、第一の器具を第一の動作プロファイルで移動させ、第二の器具を第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルで移動させる。本方法の医療機器は、第一の器具がフックであり、第二の器具が輪縄である、穿刺針であってもよい。第一の位置と第二の位置との間のアクチュエータの移動によって、フック及び輪縄は、穿刺針の先端に近接して位置付けられた縫合糸を捕捉する。フック及び輪縄は、アクチュエータが第一の位置から第二の位置へと移動する時に、第一の動作プロファイルを通って移動するフックと、第一の動作プロファイルとは異なる第二の動作プロファイルを通って移動する輪縄とによって、縫合糸を捕捉する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、単一のアクチュエータを介した複数の器具の、制御及び調整された移動のために装着された、例示的な医療機器の側面図である。
図2図2は、調整された様式で移動される、2つの作動器具を示す、例示的な医療機器の部分側面図である。
図3図3Aは、縫合糸などの物体を捕捉するために、第一の位置へと、調整された様式で移動される、2つの作動器具を示す、例示的な医療機器の斜視図である。図3Aは、縫合糸などの物体が捕捉される、第二の位置へと、調整された様式で移動される、2つの作動器具を示す、例示的な医療機器の斜視図である。図3Cは、捕捉され相互係止された関係で示される、調整された様式で移動される、例示的な医療機器の2つの作動器具の部分側面図である。
図4図4は、単一のアクチュエータを介した複数の器具の、制御及び調整された移動のために装着された、部分的に分解された例示的な医療機器の側面図である。
図5図5は、単一のアクチュエータを介した複数の器具の、制御及び調整された移動のために装着された、部分的に分解された医療機器ハンドルの側面図である。
図6図6は、単一のアクチュエータを介した複数の器具の、制御及び調整された移動のために装着された、部分的に分解された医療機器ハンドルの別の側面図である。
図7図7は、単一のアクチュエータを介した複数の器具の、制御及び調整された移動のための、アクチュエータの斜視図である。
図8図8は、複数の作動器具に結合された、ハンドルの側面図である。
図9図9は、溝及びスロットの相互作用を示すために、アクチュエータが部分的に透明である側面図である。
図10図10は、ユーザーアクチュエータが、第一の図の第一の位置から第二の図の第二の位置へ移動するのに応答した、関連する構造の位置決めを示す、ハンドルの内側の関連する部分の第一及び第二の側面図である。
図11図11は、ハンドルの内側の関連する部分の側面図であり、作動器具のバックドライブを防止する配置を示す。
図12図12は、ユーザーアクチュエータが、第一の図の第一の位置から第二の図の第二の位置へ移動するのに応答した、機械的な力の増幅及び速度の低減を示す、ハンドルの内側の関連する部分の第一及び第二の側面図である。
図13図13は、ユーザーがユーザーアクチュエータへの力の印加を停止した後に、作動器具に印加される力を維持する配置を示す、ハンドルの内側の関連する部分の側面図である。
図14図14は、ユーザーアクチュエータが、第一の図の第一の位置から第二の図の第二の位置へ移動するのに応答した、各作動器具に対する、独立した複雑な動作プロファイルを示す、ハンドルの内側の関連する部分の第一及び第二の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を参照すると、全体を通して、同様の数字は同様の部分を指しており、図1には、単一のユーザー操作アクチュエータ16のユーザー操作を介して、医療機器14内の複数の作動器具12の移動を提供するための、システム10の実施例が示される。システム10は、複数の速度、複数の力、及び複雑な調整された動作を有する、複雑な動作プロファイルを提供してもよい。図では、システム10は、関節鏡下股関節唇修復手術で使用されるものなど、唇縫合糸パサーと共に使用するために図示されているが、単一のユーザーアクチュエータの使用全般を通して、作動器具間の調整を含む、異なる動作プロファイルを必要とする複数の作動器具を有する、多くの異なるタイプの医療機器と併せて使用してもよい。
【0010】
医療機器14は、図2に見られる、湾曲した穿刺カニューレ針20を含み、これは、2つの器具12、すなわち、針20の先端26から延在して協働して縫合糸を取り付ける、フック22及び輪縄24を収容する。医療機器14としての縫合糸パサーの実施例では、フック22は、例えば、輪縄24及び/又はフックのワイヤに予め屈曲を含むことなどによって、輪縄24から別個に延在して、フック22と輪縄24との間に縫合糸捕捉開口部を形成してもよい。図2に更に見られるように、フック22及び輪縄24は、フック22と輪縄24との間に位置付けられた任意の縫合糸が、そこに引掛けられたまま、フック22が輪縄24の端部に捕捉され、両方が穿刺針20内に引き込まれ、それによって縫合糸を確実に把持するように、独立して、かつ異なる動作プロファイルを通して引き込まれてもよい。図3A~3Cに見られるように、フック22及び輪縄24は、弾性ワイヤから形成され、縫合糸の捕捉を支援する先端26から引き伸ばされた時に、ばねによって所定の構成になり、針20内に引き込まれた時に、輪縄24に捕捉されたフック22と相互係止するように形成される。縫合糸を捕捉するために、フック22及び輪縄24は、互いに独立して、異なる動作プロファイル、すなわち、異なる距離で横断し、異なる動作の速度、及び異なる力が印加されて、縫合糸を最も効果的に捕捉し、少なくとも部分的に先端26に戻って、縫合糸を確固として把持する。縫合糸が取り付けられると、図3Cに見られるように、縫合糸は、屈曲又は他の特徴にあるフック22に捕捉され、ループ24によって逸脱が防止される。フック22の屈曲又は輪郭は、捕捉後にユーザーが縫合糸を手動で摺動することを可能にするために、縫合糸を横断方向に摺動させながら、縫合糸を入れるのに十分なサイズ及び断面であってもよいことが、認識されるべきである。代替的に及び追加的に、フック22の屈曲又は開口部が、シャフト20が開口部又は屈曲部を閉塞又は部分的に閉塞する大きさに、近位方向へ、シャフト20のカニューレ内に引き込まれる時、この引き込みは、縫合糸を挟み込み、縫合糸を横断方向に摺動させることをもはや不可能にするのに十分な力を印加し、それによって、縫合糸保持機能を提供してもよい。医療機器14は、切り刃、顎部、又は枢動接合部など、異なる器具を含んでもよく、したがって、器具は、システム10の一実施例として図3に示されるように、ワイヤ以外の構造から構築されてもよい。
【0011】
図4を参照すると、医療機器14のハンドル30は、シャフト32を介して針20に結合され、ユーザーが手動で針20を方向付け、位置付けることを可能にする。ハンドル30は、ユーザーが移動させることができるハンドル30から外向きに延在する、ユーザーがアクセス可能なボタン36を有するアクチュエータ34を含み、図4の例では、移動は、医療機器14の長手方向軸X-Xに平行に図示されるが、対角線方向又は横方向などの、医療機器14に対する任意の方向であってもよい。ハンドル30は、例示の目的で、一方の側が取り外される2ピース構造として示されているが、ハンドル30の反対側は、図4に示される側面の鏡像となることが理解されるべきである。ハンドル30はまた、任意の非対称片の組立体が本明細書に記載の構造をもたらす限り、非対称であってもよい。
【0012】
図5を参照すると、システム10によって独立して動作及び制御される各器具は、シャフト32を通って延在し、ハンドル30の内部を横切って横断方向に延在するバレル42に固定される、ワイヤ40によって、ハンドル30に相互接続される。本実施例は、2つの器具、したがって、2つのワイヤ40及び2つのバレル42を有するが、医療機器14は、対応するワイヤ40及びバレル42を有する、追加の器具を含んでもよい。フック22及び輪縄24は、各々、ハンドル30を横切って横断方向に延在する対応するバレル42を介して、その近位端でハンドル30に結合される。フック22及び輪縄24は、ワイヤから形成されるため、バレル42に直接接続されるものとして示されているが、非ワイヤ器具は、専用のワイヤ40を使用して、ハンドル30に接続されてもよい。当然のことながら、異なる構造は、そのような構造がワイヤと同一の様式で力を伝えるのに十分に剛直である限り、ワイヤの代わりに使用されてもよい。
【0013】
図6及び7を参照すると、各バレル42の中間部分は、アクチュエータ34に形成された対応する溝44に捕捉され、各バレル42の端部は、ハンドル30の各側面の内部表面に形成された、対向するスロット46に捕捉される。各溝44の形状、及び対応するスロット46によって画定される経路は、アクチュエータ34がユーザーによって移動された時に、その溝44及びそれらのスロット46内に捕捉されたバレル42の移動を制御する。溝44は、バレル42に当接する特定の輪郭を有し、したがって、バレル42が各々のスロット46に沿うように移動するように、アクチュエータ34が移動した時に、バレルに力を印加してもよい。したがって、溝44によって形成される経路の角度は、アクチュエータ34がユーザーによって移動されるときに、溝44においてバレル42に対して力を印加するが、単純化のために軸X-Xに平行として図示される、溝44が同一の軸及びアクチュエータ34の移動軸に沿って延在する場合、バレル42に印加される力はゼロであってもよい。図6に更に示されるように、溝44は、アクチュエータ34の移動の異なる点で異なる力を提供するために、互いに独立して形状付けられてもよい。図7に更に示されるように、ハンドル30の内側のスロット46はまた、溝44によって提供される力に応答してバレル42の移動を管理する、所定の経路に沿って延在し、各スロット46は、スロット46内のバレル42の移動が独立して制御されるように、異なる経路形状を有してもよい。
【0014】
図8を参照すると、アクチュエータ34は、溝44を画定し、ハンドル30から延在してユーザーボタン36を支持することができるポスト52を有する、本体50を備えてもよい。本体50は、ハンドル30の内側と摺動して係合し、アクチュエータ34に安定性を提供し、ユーザーによってボタン36に印加された力に応答して、アクチュエータ34が内側ハンドル30に沿って摺動することを可能にする、任意の数の外側に延在する特徴54を含んでもよい。アクチュエータ34はまた、ハンドル30内のホーム位置にあるアクチュエータ34を解放可能に捕捉するためのラッチ56を含んでもよい。
【0015】
図9を参照すると、バレル42は、所与のバレル42に対するアクチュエータ34の溝44が、そのバレル42に対するハンドル30の対応するスロット46と交差する、ハンドル30内の特定の場所に位置付けられる。したがって、各バレル42は、アクチュエータ34の所与の溝44と、ハンドル30の対応するスロット46との交差によって決定される位置に存在する。したがって、溝44及びスロット46の、特定の及び相対的な幾何学的形状は、本明細書で説明されるように、いくつかの有利な動作を提供してもよい。
【0016】
図10を参照すると、システム10は、アクチュエータ34の継続的な移動にも関わらず、1つ以上の作動器具の移動を停止させてもよい。器具が移動を停止することが望ましい場合、対応する溝44は、装置の長手方向軸X-Xに沿って図示されたアクチュエータ34の動作に平行に延在してもよい。例えば、図10に見られるように、上部パネルから下部パネルへの左へのアクチュエータ34の水平方向の移動は、溝44がアクチュエータ34の移動(図10に水平として示される)と同一の方向に延在し、スロット46が移動方向(図10に垂直として示される)に対して直角に延在するため、いずれのバレル42の移動ももたらさない。したがって、システム10は、器具に対して対応する動作が発生しないアクチュエータ34の移動に、不動帯を提供してもよい。
【0017】
図11を参照すると、システム10は、作動器具への任意の負荷の印加によって、作動器具を戻すことができない位置を提供するように構成され得る。図11に見られるように、溝44が動作の方向に平行であり、スロット46が動作の方向に垂直な位置(各々水平及び垂直として示される)に、バレル42を位置付けると、ワイヤ40に印加される任意の軸方向の力によって、バレル42がスロット46の垂直(直角をなす)壁に押し込まれ、結果として、バレルの動作は生じることができない。したがって、バレル42が図11に図示される動作プロファイル内の位置にある時、バレル42に接続された任意の器具は、バックドライブすることができない。
【0018】
図12を参照すると、システム10は、アクチュエータ34の入力動作に対して、作動器具の動作の機械的な力の増幅及び機械的な速度の低減を提供し得る。バレル42が、傾斜しているが異なる量の傾斜を有する溝44及びスロット46の領域内にある時、バレル42は異なって移動する。例えば、ハンドル30のスロット46が、対応する溝44よりも急激に傾斜している場合、アクチュエータ34の軸方向移動は、スロット46内のバレル42の比較的少量の垂直移動、及び、したがって、バレル42に結合されたワイヤ40のより少量の軸方向移動をもたらし、それによって、機械的利点を提供する。より具体的には、この配置によって生成される力は、装置のユーザーによって入力される力よりも大きく、作動器具の動作速度は、アクチュエータ34の動作速度よりも小さく、したがって、ユーザーが作動器具の微細な動作を作り出すための、より大きな能力を提供する。
【0019】
図13を参照すると、システム10はまた、アクチュエータ34がユーザーによって移動されるまで、作動器具を位置に移動させ、その後、更なる移動に対して定位置に係止することを可能にする。したがって、システム10は、作動器具が、動作を介して相当な力が展開される構成に配置され得るが、ユーザーによる力印加が停止されると、器具の静止位置は、いかなる維持されたユーザー力入力も伴わずに、システム10によって維持される、動作プロファイルを提供し得る。バックドライブの防止と同様に、システム10は、バレル42の動作が発生する時(すなわち、バレル42が滞留領域又は不動帯にない時)、ユーザーによって印加される力が除去されたとしても、バレル42が器具上に力を維持するように、浅い溝44及び急傾斜のスロットを採用してもよい。図13に見られるように、(示されるように、垂直よりも水平である)浅い溝44と結合されたハンドル30の(示されるように、水平よりも垂直な)急傾斜のスロット46は、スロット46の角度が、ワイヤ40の引張り方向に対するスロット46の角度の接線が、スロット46のバレルの摩擦係数よりも小さいような大きさであるので、バレル42がワイヤ40に印加される張力によって定位置に係止される構成を作り出し、バレルを遠位に引張るワイヤ40の張力によって、バレル42をバックドライブさせる(下の画像では、左に引張る)ことを不可能にする。結果として、ユーザーは、バレルへの力を保持しながら、アクチュエータボタン36を解放し得る。
【0020】
図14を参照すると、システム10は、複数の作動器具が、ユーザーによって印加される単一のアクチュエータ手段のみによって調整された様式で、複数の複雑な動作プロファイルを実行することを可能にしてもよい。図14に示されるように、右パネルのより近位位置から左パネルの遠位位置へのアクチュエータの移動は、ボタンが左に移動する時に下側バレル42が動作し、一方で上側バレル42は、移動が起こらない領域にわずかな距離しか移動しなかった。上側バレル42の動作は、限定されてはいるが、対応する溝44の異なる傾斜のために、下側バレル42よりも速い速度でなければならなかった。したがって、システム10は、各バレル42が別個かつ独立して移動するように、ボタン36の複数の溝44と協働する、ハンドル30の複数のスロット46を提供し得るが、所望の効果を達成するために、任意の他のバレル42と調整され得る。
【0021】
説明及び図は、機器10の遠位端にある三日月形状の穿刺要素を記載及び描写するが、関節鏡視下、より一般的には外科的処置、特定の処置のニーズに特有の先端形状を多く採用し、これらは、限定されないが、大半径の掃引弧と、直線状の穿刺先端と、それらの長さに沿って比較的鋭い屈曲を有する直線状の穿刺要素と、装置の矢状面における屈曲に加えて、左又は右(横方向)への屈曲も組み込む穿刺要素と、また回転式で組織に適用された時に貫通する様々なコルクねじ様の形状とを含んでもよい。
【0022】
説明及び図は、シャフト34の内径を軸方向に前後に移動する複数のワイヤ40を記載及描写するが、シャフト32の内径の内側のスリーブなどの低摩擦材料の追加は、装置10内で軸方向に前後に移動する際に、フック22、ループ24、及びワイヤ40の摩擦を低減する役割を果たすことも、予測可能である。更に、低摩擦スリーブの孔に1つだけのカニューレを有するのでなく、代わりに、2つ、3つ、更にそれ以上のカニューレを有し、低摩擦スリーブの各カニューレが、各カニューレ内にワイヤ40のみを有し、シャフト32の内径におけるそれらのワイヤ40の制御の改善をもたらし、それによって、ユーザー動作式アクチュエータ16を介してユーザーによってなされる入力に関して、ワイヤ40によって操作される本発明の要素の精度、平滑度、制御の改善がもたらされることが、予測可能である。
【0023】
複数の作動器具を有する様々な医療機器は、全てが複雑で調整された動作プロファイルに設定され、その動作プロファイルの任意の部分又は一部で、アクチュエータ手段に印加される力に対して、機械的な力の増幅がなされる機器内の任意の数の器具から利益を得てもよく、それによって、作動器具は、アクチュエータ手段(ボタン、スライダー、レバーなど)を介して、ユーザーによって入力された力を超える力が展開されることを可能にする。複数の作動器具を有する様々な医療機器はまた、1つの作動器具の移動速度を低減させ、ユーザーアクチュエータのより大きな移動に応答して、別の作動器具の非常に微細な移動が行われることを可能にする場合など、アクチュエータに対する移動速度の低減がもたらされる装置内の任意の作動器具から利益を得てもよい。各作動器具の動作プロファイルは、作動器具が、ユーザーアクチュエーションに関係なく、特定の位置に作動器具を止めるユーザーアクチュエータの動作にもかかわらず、完全に停止又は滞留し、それによって、アクチュエータの動作が作動器具のゼロ移動をもたらす不動帯を生成する期間を含む、変動する速度及び力を有してもよい。本明細書で論じる経路は、問題の医療機器の特定の使用に調整される、様々な形状及びサイズを含んでもよい(例えば、本明細書で論じるように、より大きな力、速度などのために)。例えば、経路は、医療機器(該当する場合)の本体の中心軸若しくは他の長手方向軸、又は機器ハンドルなどの医療機器の他の部分と平行であるか、又はそれらから角度付けられてもよい。経路は、平行な及び/又は異なる角度付き部分を含んでもよい。更に、少なくとも1つの経路は、機器内の少なくとも1つの他の経路と比較して、類似の及び/又は異なる、平行な及び/又は角度付き部分を有してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】