(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】発射ロックアウト機構を有する外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518657
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 IB2022058827
(87)【国際公開番号】W WO2023052898
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】バリル, ジェイコブ シー.
(72)【発明者】
【氏名】バナジー, ソーミャ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC07
4C160CC09
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
外科用ステープル留めデバイスは、ツールアセンブリ及びツールアセンブリを作動させるための駆動アセンブリを含む。ツールアセンブリは、ステープルカートリッジを有するカートリッジアセンブリ及びロックアウト機構を支持するアンビルアセンブリを含む。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体、並びに作動スレッド及びナイフを含む作動スレッド及びナイフアセンブリを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、カートリッジ本体からステープルを射出し、組織を切断するように、カートリッジ本体に対して移動可能である。アンビルアセンブリは、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能であるロックアウト部材を含む、ロックアウト機構を支持する。駆動アセンブリは、作動スレッド及びナイフアセンブリをその後退位置からその前進位置に移動させるために、後退位置から前進位置に移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留めデバイスであって、
近位部分及び遠位部分を有する細長い本体と、
前記細長い本体の前記遠位部分上に支持されたツールアセンブリであって、前記ツールアセンブリが、開位置とクランプ位置との間の前記ツールアセンブリの移動を容易にするために互いに結合されているカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを含み、前記カートリッジアセンブリが、カートリッジ本体、ステープル、プッシャ、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリを有するステープルカートリッジを含み、前記作動スレッド及びナイフアセンブリが、作動スレッド、及び上昇位置と下降位置との間の移動のために作動スレッド上に支持されたナイフを含み、前記作動スレッド及びナイフアセンブリが、前記ステープルを前記カートリッジ本体から射出して、前記カートリッジアセンブリと前記アンビルアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、前記カートリッジ本体内で後退位置から前進位置に移動可能であり、前記アンビルアセンブリが、ロック位置からロック解除位置に直線的に移動可能であるロックアウト機構を含み、前記作動スレッド及びナイフアセンブリは、前記作動スレッド及びナイフアセンブリがその後退位置にあるときに、前記ロックアウト機構をそのロック解除位置に付勢するように位置決めされている、ツールアセンブリと、
前記作動スレッド及びナイフアセンブリの近位に位置決めされた駆動アセンブリであって、前記ツールアセンブリを前記開位置と前記クランプ位置との間で移動させ、前記作動スレッド及びナイフアセンブリをその後退位置からその前進位置に移動させるように、後退位置と前進位置との間で前記ツールアセンブリに対して移動可能である、駆動アセンブリと、を備え、
前記ロックアウト機構は、前記ロックアウト機構がそのロック位置にあるときに、前記駆動アセンブリのその後退位置からその前進位置への移動を防止するように位置決めされている、外科用ステープル留めデバイス。
【請求項2】
前記ロックアウト機構が、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で移動可能であるロックアウト部材を含む、請求項1に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項3】
前記ロックアウト機構が、前記ロックアウト部材を前記ロック位置に付勢するように位置決めされている付勢部材を含む、請求項2に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項4】
前記アンビルアセンブリが、開口部を画定するハウジングを支持するアンビルプレートを含み、前記ロックアウト部材及び前記付勢部材が、前記ハウジング内に位置決めされている、請求項3に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項5】
前記ロックアウト部材が、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で前記ハウジング内の前記開口部を通って移動可能である、請求項4に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項6】
前記アンビルアセンブリが、長手方向軸を画定する中央ナイフスロットを画定するアンビルプレートを含み、前記ロックアウト部材は、前記ロックアウト部材が前記ロック位置にあるときに前記中央ナイフスロットの少なくとも一部分にわたって延在する、請求項2に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項7】
前記駆動アセンブリが、Iビーム構成を有する作用部材を含み、前記作用部材が、第1のビーム、第2のビーム、及び前記第1のビームを前記第2のビームに接続する垂直支柱を有し、前記垂直支柱は、前記駆動アセンブリがその後退位置と前進位置との間で移動するにつれて、前記アンビルプレートの前記中央ナイフスロットを通って並進するように位置決めされている、請求項6に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項8】
前記ロックアウト部材が、平面を画定する遠位に面するカム表面を有し、前記平面が、前記アンビルプレートの前記中央ナイフスロットの前記長手方向軸と鋭角を画定し、前記遠位に面するカム表面は、前記ロックアウト部材を前記ロック位置から前記ロック解除位置に移動させるために前記駆動アセンブリが前記前進位置からその後退位置に移動させられるにつれて、前記駆動アセンブリの前記垂直支柱に係合する、請求項7に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項9】
前記ロックアウト部材が、前記アンビルプレートの前記中央ナイフスロットの前記長手方向軸に対して実質的に垂直である平面を画定する、近位に面する停止面を含む、請求項2に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項10】
前記作動スレッド及びナイフアセンブリのナイフは、前記ロックアウト部材を前記ロック解除位置に保持するために前記作動スレッド及びナイフアセンブリが後退位置にあるときに前記ロックアウト部材に係合するように位置決めされている、請求項9に記載の外科用ステープル留めデバイス。
【請求項11】
ツールアセンブリであって、
カートリッジ本体、ステープル、プッシャ、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリを有するステープルカートリッジを含む、カートリッジアセンブリであって、前記作動スレッド及びナイフアセンブリが、作動スレッド、及び上昇位置と下降位置との間の移動のために前記作動スレッド上に支持されたナイフを含み、前記作動スレッド及びナイフアセンブリが、前記ステープルを前記カートリッジ本体から射出して、前記カートリッジアセンブリと前記アンビルアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、前記カートリッジ本体内で後退位置から前進位置に移動可能である、カートリッジアセンブリと、
開位置とクランプ位置との間での前記ツールアセンブリの移動を容易にするように、前記カートリッジアセンブリに結合されたアンビルアセンブリと、
前記アンビルアセンブリ上に支持されたロックアウト機構であって、ロックアウト部材が、ロック位置からロック解除位置に直線的に移動可能であり、前記作動スレッド及びナイフアセンブリは、前記作動スレッド及びナイフアセンブリがその後退位置にあるときに前記ロックアウト機構をそのロック解除位置に付勢するように位置決めされている、ロックアウト機構と、を備える、ツールアセンブリ。
【請求項12】
前記ロックアウト機構が、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で移動可能であるロックアウト部材を含む、請求項11に記載のツールアセンブリ。
【請求項13】
前記ロックアウト機構が、前記付勢部材を前記ロック位置に付勢するように位置決めされている付勢部材を含む、請求項12に記載のツールアセンブリ。
【請求項14】
前記アンビルアセンブリが、開口部を画定するハウジングを支持するアンビルプレートを含み、前記ロックアウト部材及び前記付勢部材が前記ハウジング内に位置決めされている、請求項13に記載のツールアセンブリ。
【請求項15】
前記ロックアウト部材が、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で前記ハウジング内の前記開口部を通って移動可能である、請求項14に記載のツールアセンブリ。
【請求項16】
前記アンビルアセンブリが、長手方向軸を画定する中央ナイフスロットを画定するアンビルプレートを含み、前記ロックアウト部材は、前記ロックアウト部材が前記ロック位置にあるときに前記中央ナイフスロットの少なくとも一部分にわたって延在する、請求項12に記載のツールアセンブリ。
【請求項17】
前記ロックアウト部材が、平面を画定する遠位に面するカム表面を有し、前記平面が、前記アンビルプレートの前記中央ナイフスロットの前記長手方向軸と鋭角を画定する、請求項16に記載のツールアセンブリ。
【請求項18】
前記ロックアウト部材が、前記アンビルプレートの前記中央ナイフスロットの前記長手方向軸に対して実質的に垂直である平面を画定する、近位に面する停止面を含む、請求項17に記載のツールアセンブリ。
【請求項19】
前記作動スレッド及びナイフアセンブリのナイフは、前記ロックアウト部材を前記ロック解除位置に保持するために前記作動スレッド及びナイフアセンブリが後退位置にあるときに前記ロックアウト部材に係合するように位置決めされている、請求項18に記載のツールアセンブリ。
【請求項20】
ツールアセンブリであって、
カートリッジ本体、ステープル、プッシャ、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリを有するステープルカートリッジを含む、カートリッジアセンブリであって、前記作動スレッド及びナイフアセンブリが、作動スレッド及びナイフを含み、前記作動スレッド及びナイフアセンブリが、前記ステープルを前記カートリッジ本体から射出して、前記カートリッジアセンブリと前記アンビルアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、前記カートリッジ本体内で後退位置から前進位置に移動可能である、カートリッジアセンブリと、
開位置とクランプ位置との間での前記ツールアセンブリの移動を容易にするように、カートリッジアセンブリに結合されたアンビルアセンブリと、
前記アンビルアセンブリ上に支持されたロックアウト機構であって、ロックアウト部材が、ロック位置からロック解除位置に直線的に移動可能であり、前記作動スレッド及びナイフアセンブリは、前記作動スレッド及びナイフアセンブリがその後退位置にあるときに前記ロックアウト機構をそのロック解除位置に付勢するように位置決めされている、ロックアウト機構と、を備える、ツールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステープルカートリッジを有する外科用ステープル留めデバイスに関し、より詳細には、ナイフがステープルカートリッジ内に存在しないときにステープル留めデバイスの発射を防止するロックアウト機構を有する外科用ステープル留めデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
組織を同時にステープル留め及び切断するための外科用ステープル留めデバイスは、当該分野で周知であり、ツールアセンブリ及び駆動アセンブリを含む。ツールアセンブリは、アンビルアセンブリ並びにチャネル部材及びチャネル部材内に受容されるステープルカートリッジを有するカートリッジアセンブリを含む。典型的には、ステープルカートリッジは、ステープル、プッシャ、及び作動スレッドを支持するカートリッジ本体を含む。作動スレッドは、カートリッジ本体を通って後退位置から前進位置に移動可能であり、プッシャと順次係合して、ステープルをカートリッジ本体から順次射出する。
【0003】
いくつかのステープル留めデバイスでは、ナイフは、作動スレッド上に支持され、カートリッジ本体を通して作動スレッドとともに移動可能である。駆動アセンブリは、作動スレッドの近位に位置決めされており、ステープルカートリッジを通して作動スレッド及びナイフを前進させ、ツールアセンブリを開位置とクランプ位置との間で移動させ、カートリッジ本体からステープルを射出し、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、アンビルアセンブリ及びカートリッジアセンブリに対して移動可能である。ステープル留めデバイスが発射された後、作動スレッド及びナイフは、ステープルカートリッジの遠位部分内に残る。
【0004】
ステープル留めデバイスが、ステープルカートリッジの近位部分に存在する作動スレッド及び/又はナイフを有さないステープルカートリッジとともに発射されるとき、ステープルはステープルカートリッジから射出されず、組織は切断されない。スレッド及び/又はナイフがステープルカートリッジの近位部分に存在しないときに、ステープルカートリッジを通るステープル留めデバイスの駆動アセンブリの前進を防止することができる単純な構造のロック機構が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、カートリッジアセンブリ、アンビルアセンブリ、及び駆動アセンブリを含むツールアセンブリを有するステープル留めデバイスに関する。アンビルアセンブリは、ロックアウト機構を支持し、ロックアウト機構は、カートリッジアセンブリがカートリッジアセンブリの近位部分に存在する作動スレッド又はナイフを有さないときに、駆動アセンブリの前進を防止する。
【0006】
本開示の態様は、細長い本体、ツールアセンブリ、及び駆動アセンブリを含む外科用ステープル留めデバイスに関する。細長い本体は、近位部分及び遠位部分を有する。ツールアセンブリは、細長い本体の遠位部分上に支持され、開位置とクランプ位置との間のツールアセンブリの移動を容易にするために互いに結合されているカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体、ステープル、プッシャ、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリを有するステープルカートリッジを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、作動スレッド、及び上昇位置と下降位置との間の移動のために作動スレッド上に支持されたナイフを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、カートリッジ本体からステープルを射出し、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、カートリッジ本体内で後退位置から前進位置まで移動可能である。アンビルアセンブリは、ロック位置からロック解除位置まで直線的に移動可能であるロックアウト機構を含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、作動スレッド及びナイフアセンブリがその後退位置にあるとき、ロックアウト機構をそのロック解除位置に付勢するように位置決めされている。駆動アセンブリは、作動スレッド及びナイフアセンブリの近位に位置決めされており、ツールアセンブリを開位置とクランプ位置との間で移動させ、作動スレッド及びナイフアセンブリをその後退位置からその前進位置に移動させるように、後退位置と前進位置との間でツールアセンブリに対して移動可能である。ロックアウト機構は、ロックアウト機構がそのロック位置にあるときに、駆動アセンブリのその後退位置からその前進位置への移動を防止するように位置決めされている。
【0007】
本開示の態様では、ロックアウト機構は、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能であるロックアウト部材を含む。
【0008】
本開示のいくつかの態様では、ロックアウト機構は、付勢部材をロック位置に付勢するように位置決めされている付勢部材を含む。
【0009】
本開示のある態様では、開口部を画定するハウジングを支持するアンビルプレートを含み、ロックアウト部材及び付勢部材は、ハウジング内に位置決めされている。
【0010】
本開示の態様において、ロックアウト部材は、ロック位置とロック解除位置との間でハウジング内の開口部を通って移動可能である。
【0011】
本開示のいくつかの態様では、アンビルアセンブリは、長手方向軸を画定する中央ナイフスロットを画定するアンビルプレートを含み、ロックアウト部材は、ロックアウト部材がロック位置にあるときに中央ナイフスロットの少なくとも一部分にわたって延在する。
【0012】
本開示の特定の態様では、駆動アセンブリは、Iビームの形態のクランプ部材を含み、第1のビーム、第2のビーム、第1のビームを第2のビームに接続する垂直支柱を有する、作用部材を含む。
【0013】
本開示の態様では、垂直支柱は、駆動アセンブリがその後退位置と前進位置との間で移動するにつれて、アンビルプレートの中央ナイフスロットを通って並進するように位置決めされている。
【0014】
本開示のいくつかの態様では、ロックアウト部材は、アンビルプレートの中心ナイフスロットの長手方向軸と鋭角を形成する平面を画定する、遠位に面するカム表面を有する。
【0015】
本開示の特定の態様では、駆動アセンブリが前進位置から後退位置に移動して、ロックアウト部材をロック位置からロック解除位置に移動させるにつれて、遠位に面するカム面が駆動アセンブリの垂直支柱に係合する。
【0016】
本開示の態様において、ロックアウト部材は、アンビルプレートの中央ナイフスロットの長手方向軸に対して実質的に垂直である平面を画定する、近位に面する停止面を含む。
【0017】
本開示のいくつかの態様では、作動スレッド及びナイフアセンブリのナイフは、ロックアウト部材をロック解除位置に保持するために作動スレッド及びナイフアセンブリが後退位置にあるときにロックアウト部材に係合するように位置決めされている。
【0018】
本開示の他の態様は、カートリッジアセンブリ、アンビルアセンブリ、及びロックアウト機構を含む、ツールアセンブリに関する。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体、ステープル、プッシャ、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリを有するステープルカートリッジを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、作動スレッド及び上昇位置と下降位置との間の移動のために作動スレッド上に支持されているナイフを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、カートリッジ本体からステープルを射出し、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、カートリッジ本体内で後退位置から前進位置まで移動可能である。アンビルは、開位置とクランプ位置との間でのツールアセンブリの移動を容易にするように、カートリッジアセンブリに結合されている。ロックアウト機構は、アンビルアセンブリ上に支持されており、ロック位置からロック解除位置まで直線的に移動可能である。作動スレッド及びナイフアセンブリは、作動スレッド及びナイフアセンブリがその後退位置にあるとき、ロックアウト機構をそのロック解除位置に付勢するように位置決めされている。
【0019】
本開示の更に他の態様は、カートリッジアセンブリ、アンビルアセンブリ、及びロックアウト機構を含む、ツールアセンブリに関する。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体、ステープル、プッシャ、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリを有するステープルカートリッジを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、作動スレッド及びナイフを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、カートリッジ本体からステープルを射出し、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間にクランプされた組織を切断するように、カートリッジ本体内で後退位置から前進位置まで移動可能である。アンビルは、開位置とクランプ位置との間でのツールアセンブリの移動を容易にするように、カートリッジアセンブリに結合されている。ロックアウト機構は、アンビルアセンブリ上に支持されており、ロック位置からロック解除位置まで直線的に移動可能である。作動スレッド及びナイフアセンブリは、作動スレッド及びナイフアセンブリがその後退位置にあるとき、ロックアウト機構をそのロック解除位置に付勢するように位置決めされている。
【0020】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【0021】
本開示の様々な態様を、図面を参照して本明細書で以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】開位置にあるツールアセンブリを含む、本開示の態様による外科用ステープル留めデバイスの側面斜視図である。
【0023】
【
図2】カートリッジアセンブリがツールアセンブリのチャネル部材から分離された、
図1に示す外科用ステープル留めデバイスのツールアセンブリの側面斜視図である。
【0024】
【
図3】アンビルアセンブリの近位部分を示す、
図2に示される表示された詳細領域の拡大図である。
【0025】
【
図4】
図2に示されたステープルカートリッジの作動スレッド及びナイフアセンブリの側面斜視分解図である。
【0026】
【
図5】
図2に示されたカートリッジアセンブリのステープルカートリッジの分解斜視図である。
【0027】
【
図5A】
図5に示されたステープルカートリッジのア作動スレッド及びナイフアセンブリの側面斜視分解図である。
【0028】
【
図6】
図2に示されたツールアセンブリのアンビルアセンブリの側面斜視図である。
【0029】
【
図7】ロックアウト機構を示す、
図6に示される表示された詳細領域の拡大図である。
【0030】
【
図8】
図7に示されたロックアウト機構のロックアウト部材の側面斜視図である。
【0031】
【
図9】
図7に示されたロックアウト機構のロックアウト部材の上面斜視図である。
【0032】
【
図10】
図6に示されたアンビルアセンブリの近位部分の上面図である。
【0033】
【
図11】
図10に示される表示された詳細領域の拡大図である。
【0034】
【
図12】
図1に示されたステープル留めデバイスの駆動アセンブリの遠位部分の第1の側面からの斜視図である。
【0035】
【
図13】
図12に示された駆動アセンブリの遠位部分の第2の側面からの側断斜視図である。
【0036】
【
図14】
図2に示される表示された詳細領域の拡大図である。
【0037】
【
図15】
図1に示されたステープル留めデバイスのツールアセンブリの近位部分の側面斜視図であり、アンビルアセンブリ及びカートリッジアセンブリは、駆動アセンブリの作用部材が後退位置からツールアセンブリをクランプ位置に移動させる位置まで前進させられるときの仮想線で示されている。
【0038】
【
図16】ロックアウト機構とのナイフの係合前の、ロックアウト機構、駆動アセンブリの作用部材、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリのナイフの位置を示す概略図である。
【0039】
【
図17】駆動アセンブリが作動スレッド及びナイフアセンブリのナイフを下降位置から上昇位置に持ち上げるときの、駆動アセンブリの作用部材並びに作動スレッド及びナイフアセンブリの側面斜視図である。
【0040】
【
図18】ロックアウト機構、駆動アセンブリの作用部材、並びに作動スレッド及びナイフアセンブリのナイフの位置を示す概略図であり、ナイフがロックアウト機構と係合して、ロックアウト機構をロック位置からロック解除位置に移動させている。
【0041】
【
図19】ロックアウト機構が駆動アセンブリによってロック解除位置に保持された状態で、ステープル留めデバイスが発射された後に、駆動アセンブリがその後退位置に戻るときの、アンビルアセンブリの近位部分及び駆動アセンブリの上面図である。
【0042】
【
図20】駆動アセンブリがその後退位置にあり、ロックアウト機構がロック位置にある、想像線で示されるアンビルアセンブリの近位部分及び駆動アセンブリの遠位部分の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで、開示される外科用ステープル留めデバイスを、図面を参照して詳細に説明するが、図面中の同様の参照番号は、複数の図のそれぞれにおける同一の又は対応する要素を示す。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。不必要に詳述することで本開示が曖昧になることを回避するため、周知の機能又は構成は、詳細には記載されていない。したがって、本明細書において開示されている特定の構造的及び機能的な詳細は、限定と解釈されず、単に特許請求の範囲の基礎として、及び本開示を実質的に任意の適切に詳述されている構造で様々に採用するよう当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0044】
この説明では、「近位」という用語は、一般に、通常の方法でステープル留めデバイスを使用する際に臨床者により近いデバイスの部分を指すために使用され、「遠位」という用語は、通常の方法でステープル留めデバイスを使用する際に、一般に、臨床医からより遠いデバイスの部分を指すために使用される。加えて、「臨床医」という用語は普通、医師、看護師、及び支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。更に、前方、後方、上方、下方、上部、底部及び同様の用語などの方向を示す用語は、説明の理解を助けるために使用され、本開示を限定することを意図していない。
【0045】
開示された外科用ステープル留めデバイスは、ツールアセンブリ及びツールアセンブリを作動させるための駆動アセンブリを含む。ツールアセンブリは、ステープルカートリッジを有するカートリッジアセンブリ及びロックアウト機構を支持するアンビルアセンブリを含む。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体、並びに作動スレッド及びナイフを含む作動スレッド及びナイフアセンブリを含む。作動スレッド及びナイフアセンブリは、カートリッジ本体からステープルを射出し、組織を切断するように、カートリッジ本体に対して移動可能である。アンビルアセンブリは、ロック位置とロック解除位置との間で直線的に移動可能であるロックアウト部材を含む、ロックアウト機構を支持する。駆動アセンブリは、作動スレッド及びナイフアセンブリをその後退位置からその前進位置に移動させるために、後退位置から前進位置に移動可能である。ロック位置では、ロックアウト部材は、駆動アセンブリが後退位置から前進位置に向かって移動するのを阻止する。
【0046】
図1は、概して、ステープル留めデバイス10として示される、本開示の態様による外科用ステープル留めデバイスを示す。ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12、細長い本体14、及びツールアセンブリ16を含む。細長い本体14は、長手方向軸「X」を画定する(
図1)。ハンドルアセンブリ12は、ハンドグリップ18a、アクチュエータボタン20及び回転ノブ22を画定する本体18を含む。回転ノブ22は、ハンドルアセンブリ12の本体18の遠位部分上に回転可能に支持されており、長手方向軸線「X」を中心とするハンドルアセンブリ12に対する細長い本体14及びツールアセンブリ16の回転を容易にするように、細長い本体14を支持する。アクチュエータボタン20は、組織の関節運動、クランプ、発射、及び切断を含む、ステープル留めデバイス10の様々な機能の動作を制御する。
【0047】
ツールアセンブリ16は、開位置とクランプ位置との間でのツールアセンブリ16の移動を容易にするために一緒に結合されている、アンビルアセンブリ24及びカートリッジアセンブリ26を含む。ステープル留めデバイス10は、電動式ステープル留めデバイスとして示されているが、本開示のツールアセンブリ16もまた、手動式外科用ステープル留めデバイス及びロボット動作式ステープル留めシステムでの使用に適切であり得ることが想定される。米国特許第9,055,943号は、動力式ハンドルアセンブリを含む外科用ステープル留めデバイスを開示し、米国特許第6,241,139号は、手動で作動されるハンドルアセンブリを含む外科用ステープル留めデバイスを開示し、米国特許第9,962,159号は、ロボットシステムとともに使用するために構成されているステープル留めデバイスを開示する。
【0048】
図2~
図5は、ステープルカートリッジ28及びステープルカートリッジ28を受容する凹部30aを画定するチャネル部材30を含むカートリッジアセンブリ26(
図1)を示す。本開示の態様では、ステープルカートリッジ28は、チャネル部材30の凹部30a内で解放可能に支持されており、ステープル留めデバイス10の再利用を容易にするように交換可能である。
【0049】
ステープルカートリッジ28は、カートリッジ本体32、作動スレッド及びナイフアセンブリ34(
図4)、プッシャ36(
図5)、ステープル38(
図5)、並びにベースプレート40を含む。カートリッジ本体32は、中央ナイフスロット42及びステープル受容ポケット44を画定する。本開示の態様では、ステープル受容ポケット44は、中央ナイフスロット42の各側に位置決めされている列に整列される。中央ナイフスロット42の各側に3列のステープル受容ポケット44が示されているが、カートリッジ本体32は、中央ナイフスロット42の各側に1列以上のステープル受容ポケット44を画定し得ることが想定される。ステープル受容ポケット44の各々は、ステープル38のうちの1つ及びプッシャ36のうちの1つを受容する。プッシャ36は、ステープル38を支持し、作動スレッド及びナイフアセンブリ34がカートリッジ本体32を通って前進して、ステープル38をカートリッジ本体32から射出するときに、作動スレッド及びナイフアセンブリ34の作動スレッド34aによって係合される。ベースプレート40は、カートリッジ本体32の底部に固定され、ステープル留めデバイス10(
図1)の発射前に、プッシャ36及びステープル38がカートリッジ本体32から落下することを防止する。
【0050】
図4~
図5Aは、作動スレッド34a、ナイフ66、及び付勢部材68(
図5A)を含む作動スレッド及びナイフアセンブリ34(
図5A)を示す。作動スレッド34aは、ナイフ66を支持し、カートリッジ本体32(
図5)内で後退位置から前進位置に移動可能である。作動スレッド34aは、中央部分52及び本体50の中央部分52の両側に位置決めされているカム面54を有する本体50(
図5A)を含む。カム表面54は、作動スレッド34aがその後退位置からその前進位置に向かって移動して、ステープル38をカートリッジ本体32から順次射出するにつれて、プッシャ36に係合するように位置決めされている傾斜面を画定する。
【0051】
作動スレッド34aの中央部分52は、ナイフ66を支持し、離間配置された壁56及びハウジング58を含む。離間配置された壁56の各々は、円形凹部60(
図5A)を画定する。ハウジング58は、離間配置された壁56によって画定された長手方向軸の遠位に延在し、長手方向軸の間に位置決めされている。ハウジング58は、カートリッジ本体32の中央ナイフスロット42と整列される凹部62を画定する。
【0052】
ナイフ66は、Z字形構成を有し、細長いアーム72、細長いアーム72の遠位端から下方に延在する第1の部分74、及び細長いアーム72の近位端から上方に延在する第2の部分76を含む本体70を有する。ナイフ66の本体70の第1の部分74は、ナイフ66が上昇位置と下降位置との間で作動スレッド34a上に枢動可能に支持されるように、作動スレッド34aの離間配置された壁56における円形凹部60内に受容される枢動部材78を支持する。ナイフ66の上昇位置において、ナイフ66の本体70の第1の部分74は、作動スレッド34aの中央部分52のハウジング58の凹部62内に受容される。ナイフ66の本体70の第2の部分76は、ナイフ66が下降位置にあるときにカートリッジ本体32の中央ナイフスロット42内に遮蔽され、ナイフ66が上昇位置にあるときに中央ナイフスロット42の上方に延在する、遠位に面する切断縁部80を画定する。ナイフ66の本体70はまた、細長いアーム72の横方向に延在する突出部82を含む。本開示の態様では、突出部82は、ナイフ66の細長いアーム72の近位部分に位置決めされている。
【0053】
作動スレッド及びナイフアセンブリ34の付勢部材68は、作動スレッド34aの中央部分52のハウジング58の凹部62内に受容され、ナイフ66の枢動部材78によって画定された軸の上方の位置でナイフ66の本体70の第1の部分74に係合して、ナイフ66を下降位置に向かって付勢する。本開示の態様では、付勢部材68はコイルばねを含むが、他のタイプの付勢機構又は部材がコイルばねの代わりに使用され得ることが想定される。
【0054】
図6及び
図7は、アンビルカバー90及びアンビルプレート92を含むアンビルアセンブリ24を示す。アンビルカバー90は、取り付け部分94、及びアンビルプレート92に沿って取り付け部分94から遠位に延在するカバー部分96(
図15)を含む。取り付け部分94は、ボア100を画定し、アンビルプレート92からカートリッジアセンブリ26のチャネル30に向かって下向きに延在する、離間配置された延在部98を含む。アンビルプレート92は、ツールアセンブリ16がクランプ位置(
図1)にあるときにステープルカートリッジ28と並置関係にある組織係合面102を含む。組織係合面102は、複数のステープル変形凹部104を画定する。離間配置された延在部98の遠位縁部は、最近位ステープル変形凹部104のわずかに遠位に位置決めされている組織停止部98aを画定する。アンビルプレート92は、細長い凹部91(
図16)を画定する、組織係合表面102の反対側の側面を有する。アンビルカバー90は、アンビルカバー90のカバー部分96(
図15)がアンビルプレート92の細長い凹部91を包囲して、アンビルアセンブリ24内にチャネル93(
図16)を画定するように、例えば、溶接又は圧着によって、アンビルプレート92に固定される。アンビルプレート92はまた、アンビルプレート92の組織係合面102を貫通して延在して、アンビルプレート92の細長い凹部(図示せず)と連通する中央ナイフスロット108を画定する。
【0055】
アンビルカバー90の延長部98内のボア100は、枢動部材112(
図2)を受容し、枢動部材112は、ボア100を通ってチャネル部材30(
図2)の近位部分内に画定されたボア(図示せず)内に延在し、アンビルアセンブリ24をカートリッジアセンブリ26に枢動可能に固定する。本開示の態様において、カートリッジアセンブリ26は、開位置とクランプ位置との間でアンビルアセンブリ24に向かって枢動することができる。ツールアセンブリ16(
図2)はまた、カートリッジアセンブリ26に向かって枢動するように構成され得ることが想定される。
【0056】
アンビルアセンブリ24は、
図6~
図11に示されるロックアウト機構114(
図7)を含み、ロックアウト機構114は、アンビルプレート92の組織係合表面102の近位でアンビルアセンブリ24の取付け部分94の延長部98の間でアンビルプレート92上に支持される。本開示の態様では、ロックアウト機構114は、アンビルプレート92の組織係合面102に隣接するアンビルプレート92の外面102a上に支持される。ロックアウト機構114は、ロックアウト部材116及び付勢部材118を含む。ロックアウト部材116は、アンビルプレート92の表面102aに固定されたハウジング120内に受容され、空洞122を画定する。本開示の態様において、ハウジング120は、長方形の構成を有し、中央ナイフスロット108に面する開口部124(
図7)を画定する。
【0057】
ロックアウト部材116は、アンビルアセンブリ24のアンビルプレート92上に支持されたハウジング120の空洞122内に受容される第1の端及びアンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108に向かってハウジング120の開口部124を通って横方向に延在する第2の端を有する本体125を含む。ロックアウト部材116の本体125の第1の端部分は、本体125から遠位及び近位に延在するウィング128を支持する。ウィング128は、ロックアウト部材116が開口部124を完全に通過することを防止するために、ハウジング120によって画定された空洞122内で本体125から延在する。ロックアウト機構114のロック位置において、ウィング128は、開口部124を画定するハウジング120の内壁120a(
図11)に係合する。ロックアウト部材116の本体125の第2の端部分は、遠位に面するカム表面126及び近位に面する停止表面127を含む。遠位に面するカム表面126は、アンビルプレート92の中央ナイフスロット108によって画定された長手方向軸と鋭角を形成する平面を画定する。近位に面する停止表面127は、アンビルプレート92の中央ナイフスロット108の長手方向軸に対して実質的に垂直である平面を画定する。
【0058】
ロックアウト機構114の付勢部材118は、ハウジング120の空洞122内に位置決めされており、ロックアウト部材116を、アンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108の外側に離間配置されたロック解除位置からロック位置に向かって付勢する。ロック位置では、ロックアウト部材116は、少なくとも部分的にアンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108にわたって延在して、駆動アセンブリ130の前進を阻止する。本開示の態様では、付勢部材118は、ハウジング120の空洞122内のアンビルアセンブリ24上に支持されたポスト129に固定され、その結果、付勢部材118は、ポスト129とロックアウト部材116との間に圧縮状態で位置決めされる。本開示のいくつかの態様では、ロックアウト部材116は、付勢部材118の一端を受容するボア129a(
図8)を画定する。本開示の態様では、付勢部材118は、コイルばねを含むが、他のタイプの付勢部材が想定される。
【0059】
図12及び
図13は、弾性及び/又は可撓性駆動ビーム132及び作用部材134を含む、ステープル留めデバイス10(
図1)の駆動アセンブリ130を示す。弾性駆動ビーム132は、ステープル留めデバイス10(
図1)の細長い本体14内に支持された駆動ロッド(図示せず)に結合される近位部分(図示せず)及び作用部材134に結合される遠位部分を有する。本開示の態様では、弾性駆動ビーム132は、作用部材134に溶接されている材料、例えば、鋼の積層シートから形成される。代替的に、他の構成材料及び固定技術が想定される。
【0060】
駆動アセンブリ130の作用部材134は、Iビーム構成を有し、第1のビーム138、第2のビーム140、及び第1のビーム138を第2のビーム140に接続する垂直支柱142を含む。垂直支柱142は、第1のビーム138の下方に位置決めされており、ナイフ66がその上昇位置に移動すると、ナイフ66の第2の部分76(
図4)を受容する、切り欠き142a(
図13)を画定する。作用部材134は、作動スレッド34a(
図12)の近位に位置決めされており、作動スレッド及びナイフアセンブリ34を、ツールアセンブリ16(
図1)を通してその後退位置からその前進位置に移動させるように、ツールアセンブリ16を通して後退位置と前進位置との間で移動可能である。作用部材134がカートリッジアセンブリ26を通って移動するにつれて、第1のビーム138は、アンビルアセンブリ24(
図6)内に画定されたチャネル93(
図16)内に受容され、第2のビーム140は、カートリッジアセンブリ26と係合され、垂直支柱142は、それぞれ、カートリッジ本体32及びアンビルプレート92の中央ナイフスロット42(
図3)及び108(
図6)を通って移動する。
【0061】
垂直支柱142は、カムチャネル152を画定する。カムチャネル152(
図13)は、垂直支柱142の中心部分から上向きかつ近位に角度を付けられ、駆動アセンブリ130がその後退位置からその前進位置に向かって移動し、ナイフ66をその下降位置からその上昇位置に移動させるとき、ナイフ66の突出部82(
図4)を受容するように位置決めされている。
【0062】
図14は、後退位置にある駆動アセンブリ130を示している。駆動アセンブリ130がその後退位置にあるとき、ツールアセンブリ16は、開位置にあり、カートリッジアセンブリ26は、アンビルアセンブリ24から離れて枢動され、駆動アセンブリ130の作用部材134は、アンビルアセンブリ24と整合される。作動スレッド及び駆動アセンブリ34は、カートリッジアセンブリ26内に支持され、駆動アセンブリ130と整列されていない。駆動アセンブリ130の後退位置において、ロックアウト機構114のロックアウト部材116は、少なくとも部分的にアンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108(
図6)にわたって延在し、垂直支柱142の切り欠き142a内に位置決めされている。
【0063】
図15及び
図16は、駆動アセンブリ130がその後退位置からクランプ位置に向かって矢印「A」の方向に前進されるときのツールアセンブリ16の近位部分を示す。駆動アセンブリ130の作用部材134がそのクランプ位置に向かって前進すると、作用部材134は移動してツールアセンブリ16と係合し、ツールアセンブリ16を開位置(
図1)からクランプ位置に移動させる。駆動アセンブリ130のクランプ位置では、駆動アセンブリ130の作用部材134の垂直支柱142は、作動スレッド及びナイフアセンブリ34がその後退位置に留まるように、作動スレッド及びナイフアセンブリ34の作動スレッド34aの中央部分から依然として離間配置されている。ロックアウト機構114のロックアウト部材116もまた、ロック位置に留まり、少なくとも部分的にアンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108(
図6)にわたって垂直支柱142の切り欠き142a内に延在する。
【0064】
図16及び
図17。16は、駆動アセンブリ130がクランプ位置から前進して、ナイフ66を下降位置(
図15)から上昇位置(
図17)に移動させるときの、駆動アセンブリ130並びに作動スレッド及びナイフアセンブリ34の概略図を示す。駆動アセンブリ130がそのクランプ位置からその前進位置に向かって移動するとき、ナイフ66上の突出部82(
図4)は、駆動アセンブリ130の垂直支柱142内のカムチャネル152(
図13)内に受容される。駆動アセンブリ130が前進し続けるにつれて、ナイフ66の突出部82は、カムチャネル152を通って上方に移動して、ナイフ66を枢動部材78(
図4)の周りで、
図17の矢印「B」の方向に、下降位置から上昇位置まで枢動させる。ナイフ66が上昇位置にあるとき、駆動アセンブリ130の作用部材134の垂直支柱142は、駆動アセンブリ130の更なる前進が、ステープルカートリッジ28のカートリッジ本体32(
図5)を通して作動スレッド及びナイフアセンブリ34を前進させるように、作動スレッド34aの中央部分52に対して当接関係に位置決めされている。
【0065】
図18は、ナイフ66が下降位置から上昇位置に移動するときのナイフ66とロックアウト機構114との間の相互作用を示す。ナイフ66が、
図18の矢印「C」の方向に、下降位置から上昇位置に移動するとき、ナイフ66の本体70の第2の部分76(
図17)は、ロックアウト部材116の遠位に面するカム表面126に係合して、ロックアウト部材116を、付勢部材118の付勢に対して矢印「D」の方向に、少なくとも部分的にアンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108にわたって延在するロック位置からロックアウト機構114のハウジング120内に更にロック解除位置へと付勢する。ロックアウト機構114のロックアウト部材116が、ナイフ66の上昇位置への移動に応じて、ロック解除位置に移動すると、駆動アセンブリ130は、そのクランプ位置からその前進位置に自由に移動して、カートリッジ本体32(
図5)を通して作動スレッド及びナイフアセンブリ34を前進させ、ステープルカートリッジ28(
図5)からステープル38を射出し、アンビルアセンブリ24とカートリッジアセンブリ26との間にクランプされた組織を切断する。ロックアウト部材116は、駆動アセンブリ130が、駆動アセンブリ130の可撓性駆動ビーム132との係合を介してステープルカートリッジ28のカートリッジ本体32を通って移動するとき、ロック解除位置に保持されることに留意されたい。
【0066】
図19及び
図20は、駆動アセンブリ130がその前進位置からその後退位置に戻るように移動するときの駆動アセンブリ及びアンビルアセンブリ24を示す。駆動アセンブリ130が、
図19の矢印「E」の方向に、その前進位置からその後退位置に戻るように移動するとき、作動スレッド及びナイフアセンブリ34は、その前進位置に留まり、可撓性駆動ビーム132は、ロックアウト機構114のロックアウト部材116に係合して、ロックアウト部材116をロック解除位置に保持する。作用部材134がロックアウト機構114のロックアウト部材116を過ぎて近位方向に移動するとき、ロックアウト部材116は付勢部材118によってロック位置に戻るように移動する。ロック位置では、ロックアウト部材116は、駆動アセンブリ130の作用部材134の垂直支柱142の切り欠き142a内に戻るように移動し、その結果、近位に面する停止表面127は、少なくとも部分的にアンビルアセンブリ24の中央ナイフスロット108にわたって位置決めされ、駆動アセンブリ130の再前進を防止する。
【0067】
本開示のいくつかの態様では、駆動アセンブリの構成に応じて、ロックアウト部材116の遠位に面するカム表面126は、駆動アセンブリが前進位置からその後退位置に移動して、ロックアウト部材116をロック位置からロック解除位置に移動させるにつれて、駆動アセンブリ130の垂直支柱142に係合するように位置決めされてもよい。
【0068】
ステープルカートリッジ28が作動スレッド及びナイフアセンブリ34又はナイフ66を含まない場合、ロックアウト部材116は、上述したように、ロック位置(
図20)からロック解除位置に移動することができない。したがって、ステープル留めデバイス10(
図1)は、発射することができない。開示されるロックアウト機構114は、使用済みステープルカートリッジ28(
図5)を有するステープル留め10(
図1)の再発射を防止し、また、ナイフが存在しないステープルカートリッジを含むステープル留めデバイス10の発射も防止する。
【0069】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に例示されるデバイス及び方法が非限定的かつ例示的な実施形態であることを理解することができるであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示又は説明された要素及び特徴を、本開示の範囲から逸脱することなく、別の実施形態の要素及び特徴と組み合わされ得ることが想定される。同様に、当業者であれば、上述の実施形態に基づく本開示の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除いて、特に示され説明されているものによって限定されるものではない。
【国際調査報告】