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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】可視型尿管鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240905BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20240905BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B1/00 715
A61B1/00 621
A61B1/307
A61B1/06 531
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518660
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2022117842
(87)【国際公開番号】W WO2023045771
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111102333.1
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524111167
【氏名又は名称】寧波新躍医療科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO XINWELL MEDICAL TECHNOLOGY CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】524111178
【氏名又は名称】寧波大学附属第一医院
【氏名又は名称原語表記】THE FIRST AFFILIATED HOSPITAL OF NINGBO UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】単剣
(72)【発明者】
【氏名】程躍
(72)【発明者】
【氏名】黄俊俊
(72)【発明者】
【氏名】陳卿業
(72)【発明者】
【氏名】呉海良
(72)【発明者】
【氏名】方立
(72)【発明者】
【氏名】李強
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA15
4C161CC06
4C161FF35
4C161FF42
4C161FF43
4C161HH56
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
該尿管鏡用先端(20)は先端部(21)と画像取得装置(22)を含み、先端部(21)は撮像端面(2101)と撮像端面(2101)よりも前方に位置する吸引端面(2102)を有し、先端部(21)は尿管鏡本体(10)の吸引通路(101)に連通する吸引孔(211)と作動部材(12)を通すための作業孔(212)を含み、吸引孔(211)は吸引通路(101)から吸引端面(2102)まで軸方向の前方に延びて吸引開口(2110)を形成し、作業孔(212)は斜め前方に延びて作業孔(212)から出た作動部材(12)を先端部(21)から斜め前方に張り出させ、画像取得装置(22)は先端部(21)の撮像端面(2101)に取り付けられるカメラ(221)を含み、吸引開口(2110)と、作業孔(212)から出た作動部材(12)の頭部(120)はいずれもカメラ(221)の視野範囲内にある。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿管鏡本体と、尿管鏡用先端とを含み、
前記尿管鏡本体は、尿管鏡用管と、前尿管鏡用管に取り付けられる作動部材とを含み、 前記尿管鏡本体は、前記尿管鏡用管に沿って軸方向に延びる吸引通路を有し、
前記尿管鏡用先端は、前記尿管鏡本体に配置され、前記尿管鏡用先端は、先端部と、画像取得装置とを含み、
前記先端部は、前記尿管鏡用管の前端に設けられ、撮像端面と、前記撮像端面よりも前方に位置する吸引端面とを有し、前記先端部は、前記吸引通路に連通する吸引孔と、前記作動部材を通すための作業孔とを含み、前記吸引孔は、前記吸引通路から前記吸引端面まで軸方向の前方に延びて吸引開口を形成し、前記作業孔は、斜め前方に延びて前記作業孔から出た前記作動部材を前記先端部から斜め前方に張り出させ、
前記画像取得装置は、前記先端部の前記撮像端面に取り付けられるカメラを含み、前記吸引孔の前記吸引開口と、前記作業孔から出た前記作動部材の頭部とは、いずれも前記カメラの視野範囲内にある、ことを特徴とする可視型尿管鏡。
【請求項2】
前記先端部の前記吸引端面は、前記先端部の前記撮像端面から斜め前方に延びる、請求項1に記載の可視型尿管鏡。
【請求項3】
前記先端部の前記吸引端面は、前記撮像端面から前方に斜め下向きに延びる、請求項2に記載の可視型尿管鏡。
【請求項4】
前記先端部の前記吸引端面は、前記撮像端面から内向きに弧状に延びる凹部端面と、前記凹部端面から外向きに弧状に延びる突起部端面とを含み、前記吸引端面の前記凹部端面は、前記撮像端面に接する、請求項3に記載の可視型尿管鏡。
【請求項5】
前記先端部の前記作業孔の作業開口は、前記先端部の前記吸引孔の前記吸引開口に向いている、請求項1~4のいずれか一項に記載の可視型尿管鏡。
【請求項6】
前記先端部の前記作業孔の中心軸線は、前記吸引孔の中心軸線と交差する、請求項5に記載の可視型尿管鏡。
【請求項7】
前記先端部の前記作業孔は、上から下へ斜めに延びる、請求項6に記載の可視型尿管鏡。
【請求項8】
前記作業孔は、前記先端部の後端面から前記吸引孔の内壁面まで前方に斜め内向きに延びて、前記吸引孔の前記内壁面に前記作業開口を形成する、請求項5に記載の可視型尿管鏡。
【請求項9】
前記先端部の前記作業孔の中心軸線は、前記カメラのメリジオナル像面内にある、請求項8に記載の可視型尿管鏡。
【請求項10】
前記先端部の前記吸引孔の中心軸線は、前記カメラのメリジオナル像面内にある、請求項9に記載の可視型尿管鏡。
【請求項11】
前記カメラの光軸は、前記作業孔の前記中心軸線と交差する、請求項10に記載の可視型尿管鏡。
【請求項12】
前記尿管鏡本体は、前記尿管鏡用管内で軸方向に延びて、前記作動部材を貫装するための作業通路をさらに含み、前記先端部の前記作業孔は、前記尿管鏡本体の前記作業通路に連通する、請求項1~4のいずれか一項に記載の可視型尿管鏡。
【請求項13】
前記尿管鏡本体の前記吸引通路と前記作業通路とは、互いに連通する、請求項12に記載の可視型尿管鏡。
【請求項14】
前記尿管鏡本体は、前記尿管鏡用管内で軸方向に延びる注入通路をさらに含み、前記先端部は、前記注入通路に連通する注入孔をさらに含み、前記注入孔は、前記先端部の後端面から前記先端部の外周側面まで延びて、前記先端部の前記外周側面に1つ又は複数の注入開口を形成する、請求項12に記載の可視型尿管鏡。
【請求項15】
前記尿管鏡本体の前記注入通路は、前記吸引通路及び前記作業通路の周囲を覆うように環状構造を有する、請求項14に記載の可視型尿管鏡。
【請求項16】
前記尿管鏡本体の前記注入通路は、異形構造を有し、前記吸引通路の周囲を覆う、請求項14に記載の可視型尿管鏡。
【請求項17】
前記尿管鏡本体の前記注入通路と前記作業通路とは、互いに連通して、前記吸引通路の周囲に完全な環状通路を形成する、請求項16に記載の可視型尿管鏡。
【請求項18】
前記画像取得装置は、少なくとも1つの光源をさらに含み、前記光源と前記カメラとは、前記先端部に隣接して取り付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の可視型尿管鏡。
【請求項19】
前記作動部材は、レーザーを出射して結石破砕操作を行うための光ファイバである、請求項1~4のいずれか一項に記載の可視型尿管鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に、可視型尿管鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
泌尿器系結石は、よく見られる疾患であり、統計によると、成人の尿路結石の罹患率は、6.5%と高く、その5年内の再発率は、50%と高く、年々上昇する傾向にあり、人々の健康を深刻に脅かしている。近年、低侵襲治療技術の発展に伴い、尿管鏡は、このような疾患の重要な治療手段となっている。従来の泌尿器系の結石除去手術に使用される尿管鏡装置は、主に硬性尿管鏡と軟性尿管鏡の2種類があり、硬性尿管鏡は、その本体が硬くて湾曲できないため、尿管結石などの疾患の診療にのみ適用され、むしろ軟性尿管鏡は、泌尿器系結石の重要な治療手段となってきている。尿管鏡を例として、従来の軟性尿管鏡は、画像の取得、結石の破砕及び残りの結石の除去などにおいて十分でない場合があり、例えば、腎盂内の湾曲箇所で結石が視認可能であるが、光ファイバによって照準できなくなり、又は照準した後に画像が腎盂内壁に遮られて砕石状態を観察できなくなり、又は軟性尿管鏡の頭部に小さな通路のみがあるため、光ファイバによって結石を破砕しかできず、残りの結石を効率的に体外に排出できず、手術効率が低下するなどの問題がある。
【0003】
上記問題を解決するために、臨床家は、負圧吸引の原理を利用して破砕後の結石を体外にタイムリーに吸引することを提案している。例えば、図1に示すように、中国実用新案特許CN212574841Uには、カメラ10P、注入口20P、光ファイバ通路口30P及び吸引通路口40Pがいずれも尿管鏡の前端面に設けられ、かつ前記吸引通路口40Pが前記カメラ10Pの後方に位置し、カメラ10Pにより端部の作業画像を取得して、光ファイバを観察し、結石を破砕し、さらに水流で砕石を押し流し、吸引することにより、作動サイクルを形成することで、結石の除去効率を向上させるという自己注入排出式尿管鏡1Pが出願される。
【0004】
しかしながら、実際の試験中に、カメラの位置、光ファイバの方向、吸引通路口の形状及び注入通路の配置などの要因により、結石を破砕する際に作業死角が存在するため、医師が対応する正確な操作フィードバックを行うことが困難である。例えば、図2に示すように、カメラ10Pが吸引通路口40Pの前方に位置し、これにより、吸引通路口40Pが該カメラ10Pの視野範囲外に位置するため、破砕された結石が該吸引通路口40Pに入っているか否か、又は該吸引通路口40Pが塞がれているか否かは、いずれも観察されず、手術に大きな安全リスクを与えるおそれがある。
【0005】
また、図2及び図3に示すように、該光ファイバ通路口30Pから張り出す該光ファイバ50Pの画像が観察されるが、該光ファイバ通路口30Pから張り出す該光ファイバ50Pが該カメラ10Pの光軸に平行な方向に沿って該尿管鏡の真正面に向かって延びるため、該光ファイバ50Pの頭部が該尿管鏡の真正面にしか届かず、このように、結石が腎盂内の湾曲箇所に位置する場合、該カメラ10Pが結石を撮影するとき、該光ファイバ50Pの頭部が腎盂に遮られて照準できなくなり、該光ファイバ50Pの頭部が結石を照準するとき、該カメラ10Pの視野が該腎盂に遮られて結石の状態を観察できなくなり、つまり、該自己注入排出式尿管鏡1Pは、視認可能であるが破砕不能であり、破砕可能であるが視認不能であるという問題があり、手術に大きな安全リスクを与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、光ファイバの頭部を観察しながら、吸引孔の吸引開口を観察することができ、手術状態をタイムリーかつ正確に判断することに寄与する、可視型尿管鏡を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、前記吸引開口及び前記光ファイバの頭部をいずれも画像取得装置の視野範囲内に位置させることができ、これにより、光ファイバによる結石破砕を観察しながら、破砕された結石が該吸引孔の吸引開口に入っているか否か、又は該吸引孔の吸引開口が塞がれているか否かなどの現象をリアルタイムに観察する。
【0008】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、吸引が前、撮像が後という方式により、画像取得装置の視野角の制限から解放され、画像取得装置の視野角を大きくすることなく、該吸引開口及び該光ファイバの頭部がいずれも画像取得装置の視野範囲内にあることを確保する。
【0009】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、斜めの作業孔を介して光ファイバをガイドして斜め前方に張り出させることができ、これにより、尿管鏡を回転させるだけで前記光ファイバの頭部位置を変更することができ、結石を破砕する時に前記光ファイバの頭部を観察しやすくなる。
【0010】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡における前記作業孔の中心軸線が前記カメラのメリジオナル像面に位置し、これにより、前記作業孔から出た前記光ファイバの画像が前記カメラの視覚的中心軸線と重なり、かつ前記光ファイバの画像が前記カメラにより撮影される画像の下部に位置し、人間の観察習慣に適合しやすくなる。
【0011】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、光ファイバの頭部と吸引開口の状態を同時に観察し、前記可視型尿管鏡が円滑かつ効率的に作動することを確保するように、前記光ファイバを吸引開口から張り出させて前方に延ばすことができる。
【0012】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡における吸引端面と光ファイバとは、前記カメラの同じ側に位置し、かつ前記吸引端面と前記光ファイバとは、いずれも斜め前方に延び、これにより、前記吸引開口を観察しながら、視認可能であれば破砕できるという効果を実現する。
【0013】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡における前記カメラのメリジオナル像面が前記吸引孔の前記吸引開口を通過することにより、前記カメラの視覚的中心軸線が前記吸引開口を通過し、前記吸引開口の状態を観察しやすくなる。
【0014】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、斜めに設計された吸引開口により、先端部の動作状態を可視化し、医師が手術状態を把握することに寄与する。
【0015】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、前記吸引開口のサイズを大きくし、吸引開口が塞がれるリスクを低減するように、前記吸引開口が先端部の前端面全体をできるだけ覆うことができる。
【0016】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、本発明の一実施例において、前記可視型尿管鏡は、斜め前置きの吸引開口により前記吸引開口を前記カメラの視野範囲内にし、前記吸引開口の状態を観察することに寄与する。
【0017】
本発明の別の目的は、可視型尿管鏡を提供することであり、上記目的を達成するために、本発明において複雑な構造又は設計を使用する必要がない。したがって、本発明は、簡単な可視型尿管鏡を提供するだけでなく、前記可視型尿管鏡の実用性及び信頼性を向上させる解決手段を成功かつ効果的に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記少なくとも1つの利点又は他の利点及び目的を実現するために、本発明に係る可視型尿管鏡は、尿管鏡本体と、尿管鏡用先端とを含み、
前記尿管鏡本体は、尿管鏡用管と、前尿管鏡用管に取り付けられる作動部材とを含み、前記尿管鏡本体は、前記尿管鏡用管に沿って軸方向に延びる吸引通路を有し、
前記尿管鏡用先端は、前記尿管鏡本体に配置され、前記尿管鏡用先端は、先端部と、画像取得装置とを含み、
前記先端部は、前記尿管鏡用管の前端に設けられ、撮像端面と、前記撮像端面よりも前方に位置する吸引端面とを有し、前記先端部は、前記吸引通路に連通する吸引孔と、前記作動部材を通すための作業孔とを含み、前記吸引孔は、前記吸引通路から前記吸引端面まで軸方向の前方に延びて吸引開口を形成し、前記作業孔は、斜め前方に延びて前記作業孔から出た前記作動部材を前記先端部から斜め前方に張り出させ、
前記画像取得装置は、前記先端部の前記撮像端面に取り付けられるカメラを含み、前記吸引孔の前記吸引開口と、前記作業孔から出た前記作動部材の頭部とは、いずれも前記カメラの視野範囲内にある。
【0019】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記吸引端面は、前記先端部の前記撮像端面から斜め前方に延びる。
【0020】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記吸引端面は、前記撮像端面から前方に斜め下向きに延びる。
【0021】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記吸引端面は、前記撮像端面から内向きに弧状に延びる凹部端面と、前記凹部端面から外向きに弧状に延びる突起部端面とを含み、前記吸引端面の前記凹部端面は、前記撮像端面に接する。
【0022】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記作業孔の作業開口は、前記先端部の前記吸引孔の前記吸引開口に向いている。
【0023】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記作業孔の中心軸線は、前記吸引孔の中心軸線と交差する。
【0024】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記作業孔は、上から下へ斜めに延びる。
【0025】
本願の一実施例によれば、前記作業孔は、前記先端部の後端面から前記吸引孔の内壁面まで前方に斜め内向きに延びて、前記吸引孔の前記内壁面に前記作業開口を形成する。
【0026】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記作業孔の中心軸線は、前記カメラのメリジオナル像面内にある。
【0027】
本願の一実施例によれば、前記先端部の前記吸引孔の中心軸線は、前記カメラのメリジオナル像面内にある。
【0028】
本願の一実施例によれば、前記カメラの光軸は、前記作業孔の前記中心軸線と交差する。
【0029】
本願の一実施例によれば、前記尿管鏡本体は、前記尿管鏡用管内で軸方向に延びて、前記作動部材を貫装するための作業通路をさらに含み、前記先端部の前記作業孔は、前記尿管鏡本体の前記作業通路に連通する。
【0030】
本願の一実施例によれば、前記尿管鏡本体の前記吸引通路と前記作業通路とは、互いに連通する。
【0031】
本願の一実施例によれば、前記尿管鏡本体は、前記尿管鏡用管内で軸方向に延びる注入通路をさらに含み、前記先端部は、前記注入通路に連通する注入孔をさらに含み、前記注入孔は、前記先端部の後端面から前記先端部の外周側面まで延びて、前記先端部の前記外周側面に1つ又は複数の注入開口を形成する。
【0032】
本願の一実施例によれば、前記尿管鏡本体の前記注入通路は、前記吸引通路及び前記作業通路の周囲を覆うように環状構造を有する。
【0033】
本願の一実施例によれば、前記尿管鏡本体の前記注入通路は、異形構造を有し、前記吸引通路の周囲を覆う。
【0034】
本願の一実施例によれば、前記尿管鏡本体の前記注入通路と前記作業通路とは、互いに連通して、前記吸引通路の周囲に完全な環状通路を形成する。
【0035】
本願の一実施例によれば、前記画像取得装置は、少なくとも1つの光源をさらに含み、前記光源と前記カメラとは、前記先端部に隣接して取り付けられる。
【0036】
本願の一実施例によれば、前記作動部材は、レーザーを出射して結石破砕操作を行うための光ファイバである。
【0037】
本発明のさらに他の目的及び利点は、後述する説明及び図面に対する理解から明らかになるであろう。
【0038】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】従来技術における自己注入排出式尿管鏡の部分構造を示す概略図である。
図2】上記自己注入排出式尿管鏡の応用を示す概略図である。
図3】上記自己注入排出式尿管鏡の応用を示す概略図である。
図4】本発明の一実施例に係る可視型尿管鏡の状態を示す概略図である。
図5】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡を示す部分拡大図である。
図6】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の応用を示す概略図である。
図7】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡を示す部分断面図である。
図8】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡を示す上面図である。
図9】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の尿管鏡本体を示す部分断面図である。
図10】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の結石破砕操作を示す概略図である。
図11】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の前記尿管鏡本体の第1例を示す図である。
図12】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の前記尿管鏡本体の第2例を示す図である。
図13】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の前記尿管鏡本体の第3例を示す図である。
図14】本発明の上記実施例に係る前記可視型尿管鏡の前記尿管鏡本体の第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の記載は、本発明を開示して当業者が本発明を実現できるようにするものである。以下に記載の好ましい実施例は、例示に過ぎず、当業者は、他の明らかな変化形を容易に想到できる。以下の記載において定義された本発明の基本的な原理は、他の実施形態、変形形態、改善形態、均等形態及び本発明の趣旨と範囲から離脱しない他の技術構成に適用できる。
【0041】
本発明の開示において、用語「縦」、「横」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが示す方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくもので、本発明を説明しやすく、簡単に説明するためのものであり、対象の装置又は素子が必然的に特定の方位、特定の方位のある構造及び操作を示し、又は示唆するものではなく、このため上記用語は本発明に対する制限と理解することはできないことは、当業者には理解されるところである。
【0042】
本発明において、特許請求の範囲及び明細書における用語「1つ」は、「1つ又は複数」と理解すべきであり、即ち、1つの実施例において、1つの素子の数は、1つとすることができ、他の実施例において、該素子の数は、複数とすることができる。本発明の開示において、該素子の数が1つのみであることを明示的に示す場合を除き、用語「1つ」は、唯一又は単一であると理解されるべきではなく、用語「1つ」は、数に対する制限と理解されるべきではない。
【0043】
本発明の説明において、「第1」、「第2」などの用語は、目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示すると理解されるべきではない。なお、本発明の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的に接続されてもよく、媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0044】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指してはいない。さらに、具体的な特徴、構造、材料、又は特性を、1つ以上の実施例又は例において任意の適切なやり方で組み合わせることができる。なお、互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書において説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を組み合わせることができる。
【0045】
出願の概要
背景技術で説明したように、従来の自己注入排出式尿管鏡は、実際の試験中に、カメラの位置、光ファイバの方向、吸引通路口の形状及び注入通路の配置などの要因により、結石を破砕する際に作業死角が存在するため、医師が対応する正確な操作フィードバックを行うことが困難である。例えば、カメラが吸引通路口の前方に位置し、これにより、吸引通路口が該カメラの視野範囲外に位置するため、破砕された結石が該吸引通路口に入っているか否か、又は該吸引通路口が塞がれているか否かは、いずれも観察されず、また、該ファイバ通路口から張り出す該光ファイバが該カメラの光軸に平行な方向に沿って該尿管鏡の真正面に向かって延びるため、該光ファイバの頭部が該尿管鏡の真正面にしか届かず、このように、結石が腎盂内の湾曲箇所に位置する場合、該カメラが結石を撮影するとき、該光ファイバの頭部が腎盂に遮られて照準できなくなり、該光ファイバの頭部が結石を照準するとき、該カメラの視野が該腎盂に遮られて結石の状態を観察できなくなり、つまり、該自己注入排出式尿管鏡は、視認可能であるが破砕不能であり、破砕可能であるが視認不能であるという問題があり、手術に大きな安全リスクを与えるおそれがある。
【0046】
具体的には、本願の技術的思想は、結石破砕手術の特性及び尿管鏡の実際の使用シーンを十分に考慮したうえで、尿管鏡の先端を創造的に設計することであり、このように、低侵襲治療手術を行う際に、吸引開口の作業状態をリアルタイムに観察するだけでなく、視認可能であれば破砕できるという効果を実現し、医師が手術状態をタイムリーかつ正確に判断することに寄与し、結石の破砕効率を向上させる。
【0047】
これに基づいて、本願は、尿管鏡本体と、前記尿管鏡本体に配置される尿管鏡用先端とを含む可視型尿管鏡を提供し、前記尿管鏡本体は、尿管鏡用管と、前記尿管鏡用管に取り付けられる作動部材とを含み、前記尿管鏡用管に沿って軸方向に延びる吸引通路を有し、前記尿管鏡用先端は、先端部と、画像取得装置とを含み、前記先端部は、前記尿管鏡用管の前端に設けられ、撮像端面と、前記撮像端面よりも前方に位置する吸引端面とを有し、前記先端部は、前記吸引通路に連通する吸引孔と、前記作動部材を通すための作業孔とを含み、前記吸引孔は、前記吸引通路から前記吸引端面まで軸方向の前方に延びて吸引開口を形成し、前記作業孔は、斜め前方に延びて前記作業孔から出た前記作動部材を前記先端部から斜め前方に張り出させ、前記画像取得装置は、前記先端部の前記撮像端面に取り付けられるカメラを含み、前記吸引孔の前記吸引開口と、前記作業孔から出た前記作動部材の頭部とは、いずれも前記カメラの視野範囲内にある。
【0048】
例示的な実施例
本発明の図面における図4図10に示すように、本発明の一実施例は、泌尿器系結石などの疾患の治療に適用可能な可視型尿管鏡1を提供する。説明を容易にするために、本願において、前記可視型尿管鏡1の体内に入る方向を前と定義し、体外に位置する方向を後と定義することは、当業者によって理解されるところである。
【0049】
具体的には、図4図6に示すように、前記可視型尿管鏡1は、尿管鏡本体10と、尿管鏡用先端20とを含んでもよい。前記尿管鏡本体10は、尿管鏡用管11と、前記尿管鏡用管11に取り付けられる作動部材12とを含み、前記尿管鏡用管11に沿って軸方向に延びる吸引通路101を有し、流体及び砕石を排出するために用いられる。前記尿管鏡用先端20は、前記尿管鏡本体10に配置されるように構成され、先端部21と、画像取得装置22とを含んでもよい。前記先端部21は、前記尿管鏡用管11の前端に設けられ、撮像端面2101と、前記撮像端面2101よりも前方に位置する吸引端面2102とを有し、前記先端部21は、前記吸引通路101に連通する吸引孔211と、前記作動部材12を通すための作業孔212とを含み、前記吸引孔211は、前記吸引通路101から前記吸引端面2102まで軸方向の前方に延びて吸引開口2110を形成し、前記作業孔212は、斜め前方に延びて前記作業孔212から出た前記作動部材12を前記先端部21から斜め前方に張り出させる。前記画像取得装置22は、前記先端部21の前記撮像端面2101に取り付けられるカメラ221を含み、前記吸引孔211の前記吸引開口2110と、前記作業孔212から出た前記作動部材12の頭部120とは、いずれも前記カメラ221の視野範囲内にある。
【0050】
本願の前記先端部21の前記撮像端面2101は、前記吸引端面2102と共に前記先端部21の前端面を形成し、前記先端部21の後端面は、前記尿管鏡用管11に接続される。このように、前記吸引孔211が前記先端部21の前記後端面から前記先端部21の前記前端面まで貫通して延びることにより、前記吸引孔211が前記吸引通路101に連通すると同時に、前記吸引端面2102まで前方に延びて前記吸引開口2110を形成し、このように、人体器官内の液体又は砕石は、前記吸引開口2110から先に前記吸引孔211に入り、次に前記吸引通路101を介して体外に排出される。
【0051】
なお、前記尿管鏡用先端20における前記カメラ221及び前記吸引孔211の前記吸引開口2110がそれぞれ対応して前記先端部21の前記撮像端面2101及び前記吸引端面2102に位置し、かつ前記吸引端面2102が前記撮像端面2101の前方に位置するため、図5及び図6に示すように、前記吸引孔211の吸引開口2110は、前記画像取得装置22の前方に位置し、これにより、吸引が前、撮像が後という技術的効果を実現し、前記吸引孔211の吸引開口2110の一部又は全部が前記カメラ221の視野範囲内にあることを確保しやすく、前記吸引開口2110の作業状態、例えば、砕石が前記吸引開口2110に入っているか否か、又は前記吸引開口2110が塞がれているか否かなどをリアルタイムに観察し、それと同時に、前記作業孔212が斜め前方に延びているため、前記作業孔212から出た前記作動部材12を前記カメラ221の視野範囲内まで斜め前方に張り出させ、これにより、前記カメラ221は、前記吸引開口2110及び前記作動部材12の頭部を同時に撮影することができ、医師が手術状態をタイムリーかつ正確に判断することに寄与する。
【0052】
より具体的には、図5及び図7に示すように、前記作動部材12は、光ファイバ121を介してレーザーを出射して結石破砕操作を行うように、光ファイバ121であってもよいが、これに限定されない。前記手術用尿管鏡1の適用シーンによって、前記作動部材12のタイプが異なってもよく、操作者がニーズに応じて選択することができることは、当業者によって理解されるところである。
【0053】
また、前記手術用尿管鏡1を用いて診療や手術を行う場合、前記尿管鏡用先端20が人体内に挿入され、即ち、前記尿管鏡用先端20が無光環境にあるため、図5及び図8に示すように、前記画像取得装置22は、画像を取得するために、通常、少なくとも1つの光源222をさらに含む必要があり、前記光源222は、光線を出射して被撮影物、例えば、腎盂内腔又は吸引開口2110などに照射し、前記カメラ221は、被撮影物により反射された光線を受け取って、該被撮影物の画像を撮影し、このように、撮影される画像データが体外に伝送されてディスプレイに表示され、医師などの人員が体内の状況を観察しやすくなる。
【0054】
例示的には、図5及び図8に示すように、前記カメラ221及び前記光源222は、いずれも前記先端部21の前記撮像端面2101に取り付けられ、前記光源222は、前記カメラ221の近傍に位置し、つまり、前記カメラ221及び前記光源222は、前記先端部21に隣接して取り付けられ、前記光源222から出射される光線が被撮影物により反射された後、前記カメラ221により受け取られて画像情報を取得することを確保することに役立つ。
【0055】
詳しくは、前記光源222は、LED又は冷光源であってもよいが、これに限定されず、前記光源222の数は、1つ又は1つ以上であってもよい。また、前記光源222は、前記カメラ221の片側又は両側に位置してもよく、具体的には、ニーズ及び空間に応じて配置されてもよく、本願では、これについて説明しない。前記カメラ221は、レンズ群及びCMOSイメージセンサからなるカメラモジュールであってもよいが、これに限定されず、画像情報を取得できれば、他のタイプのカメラモジュールであってもよいことを理解されたい。
【0056】
本願の上記実施例によれば、図5及び図7に示すように、前記先端部21の前記吸引端面2102は、前記先端部21の前記撮像端面2101から斜め前方に延び、これにより、前記撮像端面2101に取り付けられる前記画像取得装置22が後方に位置し、前記吸引端面2102に形成される前記吸引開口2110が前方に位置し、かつ前記吸引開口2110が斜めの切り口であり、前記吸引開口2110の一部又は全部が前記画像取得装置22の視野範囲内にあることを確保しやすくなる。本願の上記例において、前記先端部21の前記吸引端面2102は、斜めの切断面であることを理解されたい。当然ながら、本願の他の例において、前記先端部21の前記吸引端面2102は、平面状の切断面であってもよく、この場合、前記先端部21の前記撮像端面2101は、前記吸引端面2102の切欠き又は前記吸引孔211内に位置してもよく、これにより、画像取得装置22は、依然として前記吸引開口2110の画像を取得することができる。
【0057】
例示的には、図5及び図7に示すように、前記先端部21の前記吸引端面2102は、前記撮像端面2101が前記吸引端面2102の上方に位置するように、前記撮像端面2101から前方へ斜め下向きに延び、これにより、カメラが上方に位置し、吸引孔が下方に位置する配置効果を実現し、このように、前記吸引開口2110の画像は、前記カメラ221によって撮影される画面の下部に位置し、人々の観察習慣に適合し、医師が画像フィードバックに基づいて前記可視型尿管鏡1を操作することに寄与する。本願に記載される上、下、左、右は、正置きの前記カメラ221に基づいて定義され、即ち、本願に記載される上、下、左、右は、それぞれ、前記カメラ221の正置き時の上方、下方、左方及び右方に対応することを理解されたい。
【0058】
好ましくは、図5及び図7に示すように、前記先端部21の前記吸引端面2102は、前記撮像端面2101から内向きに弧状に延びる凹部端面21021を含み、これにより、前記凹部端面21021が前記撮像端面2101の視野を遮ることを回避し、前記吸引端面2102に位置する前記吸引開口2110が前記カメラ221の視野範囲内に入ることを確保することに寄与する。それと同時に、前記先端部21の前記吸引開口2110のサイズは、前記凹部端面21021において前記吸引通路101の最大内径と同一となるまで迅速に拡大することができ、大きな砕石が前記吸引開口2110を塞ぐことを回避することに寄与する。
【0059】
より好ましくは、前記先端部21の前記吸引端面2102は、前記凹部端面21021から外向きに弧状に延びる突起部端面21022をさらに含み、これにより、前記先端部21が鈍頭構造を有し、前記先端部21が鋭利な頭部を形成することを回避し、前記先端部21が人体器官を損傷することを防止することに寄与する。
【0060】
最も好ましくは、前記吸引端面2102の前記突起部端面21022は、前記吸引端面2102の前記凹部端面21021に接し、かつ前記吸引端面2102の前記凹部端面21021は、前記撮像端面2101に接し、これにより、前記吸引端面2102の前記凹部端面21021は、前記撮像端面2101から前記突起部端面21022まで滑らかに延びて、前記先端部21が滑らかな端面を有することを確保し、さらに前記先端部21が人体器官を損傷することを回避する。
【0061】
なお、前記カメラ221の視野角は、120°であってもよいが、これに限定されない。本願の上記配置によれば、本願の前記可視型尿管鏡1は、前記カメラ221の視野角を大きくすることなく、前記尿管鏡用先端20を可視化することができ、前記先端部21の前記吸引開口2110が塞がれているか否か、又は砕石が前記吸引開口2110に入っているか否かを観察することに寄与する。当然ながら、本願の他の例では、前記カメラ221の視野角は、他の角度であってもよい。
【0062】
本願の上記実施例によれば、図5図7に示すように、前記先端部21の前記作業孔212の作業開口2120は、前記先端部21の前記吸引孔211の前記吸引開口2110に向かってもよく、これにより、前記作業孔212から出た前記光ファイバ121は、前記先端部21の前記吸引開口2110から張り出すことができ、前記光ファイバ121の張り出し部分が前記カメラ221の視野範囲内にあることを保証し、前記光ファイバ121の張り出し部分の位置及び状態を観察しやすくなる。
【0063】
なお、前記先端部21の前記作業孔212が斜め前方に延びており、前記作業孔212の作業開口2120が前記先端部21の前記吸引孔211の前記吸引開口2110に対応するため、前記作業孔212から出た前記光ファイバ121は、前記先端部21の前記吸引開口2110から斜め前方に張り出すことができる。このように、前記光ファイバ121を操作して前記吸引孔211の前記吸引開口2110から張り出させる場合、前記光ファイバ121から出射されるレーザーを用いて、人体器官内の結石を破砕して結石破砕操作を行うことができ、前記光ファイバ121を操作して前記吸引孔211の前記吸引開口2110に引っ込める場合、前記光ファイバ121から出射されるレーザーが前記吸引孔211内で放出され、このとき、前記吸引孔211内が砕石によって塞がれていると、放出されたホルミウムレーザーを用いて、詰まった砕石を破砕することで、前記吸引孔211を疎通させる効果を実現する。
【0064】
好ましくは、前記吸引開口2110及び前記吸引孔211から張り出す前記作動部材12とが前記カメラ221によって同時に撮影されるように、前記先端部21の前記作業孔212の中心軸線2121と前記吸引孔211の中心軸線2111とは、交差する。
【0065】
より好ましくは、前記作業孔212から出た前記光ファイバ121が前記吸引孔211の上側から下へ前記吸引開口2110から張り出すように、前記先端部21の前記作業孔212は、上から下へ斜めに延びる。このように、前記カメラ221によって撮影される画面において、前記光ファイバ121の画像も画面の下部に位置し、人々の観察習慣に適合する。
【0066】
例示的には、図7に示すように、前記先端部21の前記作業孔212は、前記先端部21の後端面から前記吸引孔211の内壁面まで前方かつ斜め内向きに延びて、前記吸引孔211の内壁面に前記作業開口2120を形成することができる。つまり、前記吸引孔211に対して、前記作業孔212は、傾斜孔であり、これにより、前記作業孔212から出た前記光ファイバ121が前記吸引孔211の内壁から張り出して、砕石又は流体が前記吸引孔211を介して前記吸引通路101に入って排出される際に、前記光ファイバ121による阻害を回避することができる。
【0067】
好ましくは、図6及び図7に示すように、前記先端部21の前記作業孔212の前記中心軸線2121は、前記カメラ221のメリジオナル像面2211内に位置し、つまり、前記吸引開口2110から張り出す前記光ファイバ121が前記カメラ221の前記メリジオナル像面2211内に延びて、前記光ファイバ121の画像は、基本的に前記カメラ221の視覚的中心軸線2210に沿って延び、このように、例えば、腎盂内腔の湾曲箇所において組織に遮られることがなく、視認可能であれば破砕できるという効果を実現する。
【0068】
より好ましくは、前記先端部21の前記吸引孔211の前記中心軸線2111も前記カメラ221の前記メリジオナル像面2211内に位置し、これにより、前記吸引孔211の前記吸引開口2110の画像は、前記カメラ221の視覚的中心軸線2210を対称軸として、前記吸引開口2110の作業状態を最大限に観察しやすくなる。
【0069】
なお、本願の前記カメラ221の光軸2212は、前記吸引孔211の前記中心軸線2111に平行であってもよく、前記吸引孔211の前記中心軸線2111に平行でなくてもよく、前記吸引孔211の前記吸引開口2110の一部又は全部が前記カメラ221の視野範囲内にあることを確保すればよい。
【0070】
また、前記作業孔212から出た前記作動部材12が前記カメラ221の視野範囲内にあることを確保するように、本願の前記作業孔212の前記中心軸線2121と前記カメラ221の前記光軸2212とのなす角度は、前記カメラ221の半視野角より小さくてもよい。
【0071】
好ましくは、前記カメラ221の前記光軸2212は、前記吸引孔211の前記中心軸線2111に偏っており、前記可視型尿管鏡1の、視野角の大きいカメラに対する需要を低減することに寄与し、つまり、視野角の小さいカメラを選択することにより、前記吸引開口2110と前記作動部材12を同時に観察する効果を実現することができる。
【0072】
より好ましくは、図7に示すように、前記カメラ221の前記光軸2212が前記作業孔212の前記中心軸線2121と交差することにより、前記作業孔212から出た前記光ファイバ121は、前記カメラ221の視覚中心まで延びることができ、このように、前記可視型尿管鏡1を制御して、結石を前記カメラ221の視覚中心領域に位置させれば、前記光ファイバ121は、結石を狙って破砕することができ、結石の破砕効率を向上させ、腎盂内組織を誤って損傷するリスクを低減することに寄与する。
【0073】
本願の上記実施例によれば、図7に示すように、前記尿管鏡本体10は、前記尿管鏡用管11内で軸方向に延びる、前記作動部材12を貫装するための作業通路102をさらに含んでもよく、前記先端部21の前記作業孔212は、前記作業通路102に連通し、これにより、前記作業通路102に貫装される前記作動部材12は、前記カメラ221の視野範囲内にあるように、前記作業孔212を貫通して前記先端部21から斜め前方に張り出すことができる。前記作業通路102及び前記作業孔212に貫装された前記作動部材12は、移動可能であり、このように、前記作動部材12を押し引きすることにより、前記作業孔212から張り出す前記作動部材12の長さを増減させ、腎盂内の異なる位置の結石を破砕しやすくなることを理解されたい。例示的には、前記光ファイバ121を押し引きすることにより、前記作業孔212から前記光ファイバ121を張り出させ、引っ込めるように、前記光ファイバ121は、前記作業通路102に移動可能に取り付けられてもよい。
【0074】
言い換えれば、前記光ファイバ121を押し引きすることにより、前記吸引孔211の前記吸引開口2110から前記光ファイバ121を張り出させ、引っ込めるように、前記光ファイバ121は、前記作業通路102に移動可能に取り付けられてもよい。このように、前記光ファイバ121を操作して前記吸引孔211の前記吸引開口2110から張り出させる場合、前記光ファイバ121から出射されるレーザーを用いて、人体器官内の結石を破砕して結石破砕操作を行うことができ、前記光ファイバ121を操作して前記吸引孔211の前記吸引開口2110に引っ込める場合、前記光ファイバ121から出射されるレーザーが前記吸引孔211内で放出され、このとき、前記吸引孔211内が砕石によって塞がれていると、放出されたホルミウムレーザーを用いて、詰まった砕石を破砕することで、前記吸引孔211を疎通させる効果を実現する。
【0075】
例示的には、本願の第1例において、図7及び図11に示すように、前記尿管鏡本体10における前記吸引通路101及び前記作業通路102は、互いに独立してもよく、つまり、前記吸引通路101及び前記作業通路102は、それぞれ、前記尿管鏡本体10の前端と後端との間に延びている。前記吸引通路101と前記作業通路102とが互いに独立しているため、前記作業通路102内に取り付けられる前記作動部材12(例えば、前記光ファイバ121)が前記吸引通路101に入らず、前記作動部材12が流体又は砕石の前記吸引通路101内での移動を妨げることを回避し、前記吸引通路101が塞がれていることを回避することを理解されたい。
【0076】
なお、本願の第2例において、図12に示すように、前記尿管鏡本体10における前記吸引通路101と前記作業通路102とは、互いに連通してもよく、つまり、前記吸引通路101と前記作業通路102とは、同一の通路であってもよいが、前記作業孔212は、前記先端部21の前記吸引孔211の側壁から外から内へ斜めに延びているため、前記作業孔212から出た前記光ファイバ121は、前記吸引通路101の内壁に密着して延び、つまり、前記光ファイバ121は、まず、前記吸引通路101の内壁に密着して延び、次に、前記作業孔212を通過して前記吸引孔211の前記吸引開口2110から斜めに張り出し、この場合、前記光ファイバ121は、依然として、ある程度で流体又は砕石の前記吸引通路101内での移動を妨げることを回避し、前記吸引通路101が塞がれていることを回避することができる。前記尿管鏡本体10の前記吸引通路101と前記作業通路102とが同一の通路である場合、前記尿管鏡本体10の構造が最大限に簡略化され、前記尿管鏡本体10の製造難度及び製造コストの低減に寄与し、それと同時に、前記尿管鏡本体10の前記吸引通路101内が砕石によって塞がれていると、前記光ファイバ121の端部が前記吸引通路101内の砕石詰まり箇所に位置するように前記光ファイバ121を引っ張ることにより、前記光ファイバ121から出射されるレーザーを用いて、詰まった砕石を破砕することで、前記吸引通路101を疎通させることを理解されたい。
【0077】
本願の上記実施例によれば、図5及び図9に示すように、前記可視型尿管鏡1の前記尿管鏡本体10は、注入液(例えば、水など)を輸送するための注入通路103をさらに含んでもよく、前記尿管鏡用先端20の前記先端部21は、前記注入通路103に連通する注入孔213をさらに含み、前記注入通路103を介して輸送される注入液を前記先端部21から排出して人体器官内に注入する。このように、前記可視型尿管鏡1が操作される場合、前記可視型尿管鏡1が腎臓に挿入された後、水などの注入液がまず前記注入通路103を通って前記先端部21の前記注入孔213に流れ、次に前記注入孔213を通って腎臓に入って注入操作を実現し、光ファイバ121などの作動部材12が前記作業通路102から前記作業孔212まで延びて、前記吸引孔211の吸引開口2110から張り出して結石破砕操作を行い、それと同時に、余分な注入液及び砕石が前記吸引孔211から前記吸引通路101に流れて体外に排出される。
【0078】
好ましくは、図9及び図10に示すように、前記先端部21の前記注入孔213は、前記先端部21の後端面から前記先端部21の外周側面2103まで延びて、前記先端部21の前記外周側面2103に1つ又は複数の注入開口2130を形成し、これにより、注入液は、前記注入孔213の前記注入開口2130を通って前記先端部21の前記外周側面2103から外に流れて、前記先端部21の前方に制御可能で規則的な流体循環を形成し、全面的に砕石を巻き込んで前記吸引開口2110に移動させ、効率的に吸引することに寄与する。
【0079】
流体力学における運動量保存の法則及び負圧吸引の原理に基づいて、注入液が高速で流れる過程での運動エネルギーを利用して、腎盂の底部に堆積した、質量の重い、破砕された結石(砕石)を巻き込んで移動させ、腎盂内腔面によって妨げられる場合に方向を変え、さらに腎盂の内壁に沿って上向きに移動し、前記吸引開口2110の前方に到達する場合、前記吸引開口2110付近の圧力が低いため、注入液が前記吸引開口2110に強制的に流され、これにより、体外に排出されるまで砕石を巻き込んで前記吸引開口2110に進入させることを理解されたい。この過程において、持続的な液体注入と吸引により、注入液は、前記注入開口2130と前記吸引開口2110との間に略半円周の連続的な循環運動軌跡(渦流)を形成することができ、流量と吸引力の大きさを調整することにより、半円周の直径又は運動軌跡を制御することができ、砕石に対して的を絞った制御可能な吸引を行って、結石の除去効率を大幅に向上させる。
【0080】
また、前記先端部21の前記外周側面2103の面積が大きいため、前記注入孔213の前記注入開口2130の数及びサイズは、前記先端部21における面積が小さい端面によって制限される必要がなく、これにより、前記注入孔213の前記注入開口2130の有効面積を大幅に増大させ、低い注入圧で大きな注入流量を形成することに寄与し、同じ負圧で前記吸引孔211内に大きな吸引流量を形成することにより、最適な注入吸引比率に達し、結石の除去効率を向上させる。
【0081】
例示的には、本願の上記第1例及び第2例において、図11及び図12に示すように、前記尿管鏡本体10の前記注入通路103は、前記吸引通路101及び前記作業通路102の周囲を覆うように環状構造を有する。
【0082】
なお、本願の上記例において、前記尿管鏡本体10における前記注入通路103と、前記吸引通路101及び前記作業通路102とは、それぞれ互いに独立しているが、本願の他の例において、前記注入通路103は、前記作業通路102と連通してもよい。
【0083】
例示的には、本願の第3例において、図13に示すように、前記尿管鏡本体10における前記作業通路102と前記注入通路103とは、互いに連通してもよく、即ち、前記尿管鏡本体10における前記作業通路102と前記注入通路103とは、互いに連通して、前記吸引通路101の周りに完全な環状通路を形成し、前記尿管鏡本体10の構造を簡略化し、前記手術用尿管鏡1の製造コストを低減することに寄与する。
【0084】
当然ながら、本願の第4例において、図14に示すように、前記尿管鏡本体10における前記注入通路103は、異形構造を有してもよく、前記作業通路102と前記注入通路103とは、互いに独立しており、前記注入通路103と前記作業通路102とは、前記吸引通路101を覆うように前記吸引通路101の周囲に位置し、前記尿管鏡本体10の前記尿管鏡用管11の外径を大きくすることなく、前記注入通路103の有効直径を大きくし、注入流量の増大に寄与する。本願のこの例において、前記尿管鏡本体10の前記吸引通路101は、円形断面又は楕円形断面を有してもよく、前記尿管鏡本体10の前記注入通路103は、前記吸引通路101の周囲を部分的に覆うように切欠き環状断面を有してもよく、前記注入通路103と前記作業通路102とが共に前記吸引通路101を囲むように、前記吸引通路101の周囲に前記作業通路102を配置する切欠きが形成されることを理解されたい。
【0085】
本願に係る上記実施例において、図4に示すように、前記可視型尿管鏡1の前記尿管鏡本体10は、前記尿管鏡用管11の後端に設けられる操作部13をさらに含んでもよく、前記尿管鏡用管11は、前記操作部13から前方に延びる挿入部111と、前記挿入部111から前方に延びる屈曲可能部112とを含んでもよく、前記尿管鏡用先端20は、前記尿管鏡用管11の前記屈曲可能部112に設けられ、前記尿管鏡用管11の前記屈曲可能部112は、前記操作部13によって操作されて曲げたり伸ばしたりすることができ、これにより、前記尿管鏡用先端20を目標位置、例えば、腎盂内の結石位置などに近づける。
【0086】
また、図4に示すように、前記尿管鏡本体10の前記操作部13は、前記吸引通路101に連通する吸引ポート1301と、前記作業通路102に連通する作業ポート1302と、前記注入通路103に連通する注入ポート1303とを含んでもよく、前記操作部13の前記吸引ポート1301は、吸引装置に接続されて、前記吸引装置によって水と砕石を吸引して前記吸引通路101内で移動させて排出するように構成され、前記作業ポート1302は、前記作動部材12が挿通するように構成され、前記作業ポート1302を介して前記作動部材12が前記作業通路102に挿通され、前記注入ポート1303は、注入装置に接続されて、前記注入装置によって前記注入通路103内に注入液を注入するように構成される。
【0087】
特に、図4に示すように、前記尿管鏡本体10の前記操作部13は、前記画像取得装置22と通信可能に接続される情報インターフェース1304をさらに含んでもよく、前記情報インターフェース1304は、ディスプレイなどの端末機器に接続されて、前記画像取得装置22と前記端末機器とを通信可能に接続するように構成され、即ち、前記端末機器は、前記画像取得装置22によって取得される情報を処理又は表示することができる。
【0088】
当業者であれば理解できるように、上記説明及び図面に示された本発明の実施例は単なる例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の目的は、完全かつ効果的に実現される。本発明の機能及び構造原理は、実施例に示され説明され、前記原理から逸脱することなく、本発明の実施形態に対して任意の変形又は修正をすることができる。
図1
図2
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【国際調査報告】