(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ウェークアップ回路およびこれを含むバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240905BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H02J1/00 307
H02J7/00 A
H02J1/00 304H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518717
(86)(22)【出願日】2023-07-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2023009347
(87)【国際公開番号】W WO2024010312
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0083198
(32)【優先日】2022-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨンミン・ジョ
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165AA01
5G165EA02
5G165KA01
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DB01
5G503GD07
(57)【要約】
バッテリーシステムは、複数のバッテリーセルを含むバッテリーパック、前記バッテリーパックをモニタリングして管理するバッテリー管理システム、前記バッテリー管理システムに電圧を供給するための電源、および第1CANバスラインと第2CANバスラインに連結されており、前記第1CANバスラインの第1電圧および前記第2CANバスラインの第2電圧の間の電圧差であるCANバス電圧差が所定の閾値レベル以上であるとき、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結するウェークアップ回路を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源とバッテリー管理システムとの連結を制御するウェークアップ回路において、
第1CANバスラインおよび第2CANバスラインの間に連結されているフォトダイオード、および前記フォトダイオードの発光によってオンされるフォトトランジスターを含むオプトカップラーと、
前記フォトトランジスターがオンされる時にオンされる制御トランジスターと、
前記制御トランジスターがオンされる時にオンされ、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結する電力トランジスターと、を含み、
前記フォトダイオードは、
前記第1CANバスラインの第1電圧および前記第2CANバスラインの第2電圧の間の電圧差であるCANバス電圧差が所定の閾値レベル以上である時にオンされて発光する、
ウェークアップ回路。
【請求項2】
前記フォトダイオードと前記第1CANバスラインおよび前記第2CANバスラインのいずれか一つの間に連結されており、前記CANバス電圧差が前記所定の閾値レベル未満である時点以降に前記バッテリー管理システムの制御によって開放されるリレーをさらに含む、
請求項1に記載のウェークアップ回路。
【請求項3】
前記第1CANバスラインと前記第2CANバスラインとの間に連結されているローパスフィルターをさらに含み、
前記ローパスフィルターを通じて前記CANバス電圧差が前記フォトダイオードに伝達される、
請求項2に記載のウェークアップ回路。
【請求項4】
前記電源は、前記フォトトランジスターの一端に連結されており、前記フォトトランジスターの他端に前記制御トランジスターの制御端が連結されている、
請求項1に記載のウェークアップ回路。
【請求項5】
前記フォトトランジスターの他端および前記制御トランジスターの制御端の間に連結されているローパスフィルターをさらに含む、
請求項4に記載のウェークアップ回路。
【請求項6】
前記制御トランジスターの制御端と一端との間に連結されている抵抗をさらに含み、
前記制御トランジスターの他端は、前記電力トランジスターのゲートに連結されている、
請求項5に記載のウェークアップ回路。
【請求項7】
前記電力トランジスターの一端は前記電源に連結されており、前記電力トランジスターの他端は前記バッテリー管理システムに連結されており、前記電力トランジスターのゲートは前記制御トランジスターの一端に連結されている、
請求項1に記載のウェークアップ回路。
【請求項8】
複数のバッテリーセルを含むバッテリーパックと、
前記バッテリーパックをモニタリングして管理するバッテリー管理システムと、
前記バッテリー管理システムに電圧を供給するための電源と、
第1CANバスラインと第2CANバスラインに連結されており、前記第1CANバスラインの第1電圧および前記第2CANバスラインの第2電圧の間の電圧差であるCANバス電圧差が所定の閾値レベル以上であるとき、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結するウェークアップ回路と、を含む、
バッテリーシステム。
【請求項9】
前記ウェークアップ回路は、
前記第1CANバスラインおよび前記第2CANバスラインの間に連結され、前記CANバス電圧差が所定の閾値レベル以上である時にオンされて発光するフォトダイオード、および前記フォトダイオードの発光によってオンされるフォトトランジスターを含むオプトカップラーと、
前記フォトトランジスターがオンされる時にオンされる制御トランジスターと、
前記制御トランジスターがオンされる時にオンされ、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結する電力トランジスターと、を含む、
請求項8に記載のバッテリーシステム。
【請求項10】
前記ウェークアップ回路は、
前記フォトダイオードと前記第1CANバスラインおよび前記第2CANバスラインのいずれか一つの間に連結されており、前記CANバス電圧差が前記所定の閾値レベル未満である時点以降に前記バッテリー管理システムの制御によって開放されるリレーをさらに含む、
請求項9に記載のバッテリーシステム。
【請求項11】
前記ウェークアップ回路は、
前記第1CANバスラインと前記第2CANバスラインとの間に連結されているローパスフィルターをさらに含み、
前記ローパスフィルターを通じて前記CANバス電圧差が前記フォトダイオードに伝達される、
請求項10に記載のバッテリーシステム。
【請求項12】
前記電源は、前記フォトトランジスターの一端に連結されており、前記フォトトランジスターの他端に前記制御トランジスターの制御端が連結されている、
請求項9に記載のバッテリーシステム。
【請求項13】
前記ウェークアップ回路は、
前記フォトトランジスターの他端および前記制御トランジスターの制御端の間に連結されているローパスフィルターをさらに含む、
請求項12に記載のバッテリーシステム。
【請求項14】
前記ウェークアップ回路は、
前記制御トランジスターの制御端と一端との間に連結されている抵抗をさらに含み、
前記制御トランジスターの他端は、前記電力トランジスターのゲートに連結されている、
請求項13に記載のバッテリーシステム。
【請求項15】
前記電力トランジスターの一端は前記電源に連結されており、前記電力トランジスターの他端は前記バッテリー管理システムに連結されており、前記電力トランジスターのゲートは前記制御トランジスターの一端に連結されている、
請求項9に記載のバッテリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(等)との相互引用
本出願は、2022年7月6日付の韓国特許出願第10-2022-0083198号に基づいた優先権の利益を主張して、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本開示は、ウェークアップ回路およびこれを含むバッテリーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
バッテリーシステムをウェークアップ(wake up)するためには、バッテリーシステムおよびバッテリーシステムを制御する外部システムそれぞれのトランシーバ(transceiver)およびメイン制御部(Main Control Unit)などが動作しなければならない。スリップモード(sleep mode)において、バッテリーシステムは、充電または放電動作を行わないが、待機状態において、外部システムから受信されるウェークアップ信号に従ってウェークアップ動作を行う。待機状態でバッテリーシステムによって消耗する待機電力量は少ないが、待機時間が長くなる場合、待機電力量が増加してバッテリーシステムをスリップモードで長期間維持し難い。特に気温が低い時期または地域では、バッテリーシステムをスリップモードで長期間管理し難い。したがって、スリップモードでバッテリーシステムの待機電力を減少させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が成そうとする課題は、スリップモードで待機電力を減少させることができるウェークアップ回路およびこれを含むバッテリーシステムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の一特徴に係る電源とバッテリー管理システムとの連結を制御するウェークアップ回路は、第1CANバスラインおよび第2CANバスラインの間に連結されているフォトダイオード、および前記フォトダイオードの発光によってオンされるフォトトランジスターを含むオプトカップラー、前記フォトトランジスターがオンされる時にオンされる制御トランジスター、および前記制御トランジスターがオンされる時にオンされ、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結する電力トランジスターを含み、前記フォトダイオードは、前記第1CANバスラインの第1電圧および前記第2CANバスラインの第2電圧の間の電圧差であるCANバス電圧差が所定の閾値レベル以上である時にオンされて発光することができる。
【0006】
前記ウェークアップ回路は、前記フォトダイオードと前記第1CANバスラインおよび前記第2CANバスラインのいずれか一つの間に連結されており、前記CANバス電圧差が前記所定の閾値レベル未満である時点以降に前記バッテリー管理システムの制御によって開放されるリレーをさらに含んでもよい。
【0007】
前記ウェークアップ回路は、前記第1CANバスラインと前記第2CANバスラインとの間に連結されているローパスフィルターをさらに含み、前記ローパスフィルターを通じて前記CANバス電圧差が前記フォトダイオードに伝達されてもよい。
【0008】
前記電源は、前記フォトトランジスターの一端に連結されており、前記フォトトランジスターの他端に前記制御トランジスターの制御端が連結されていてもよい。
【0009】
前記ウェークアップ回路は、前記フォトトランジスターの他端および前記制御トランジスターの制御端の間に連結されているローパスフィルターをさらに含んでもよい。
【0010】
前記ウェークアップ回路は、前記制御トランジスターの制御端と一端との間に連結されている抵抗をさらに含み、前記制御トランジスターの他端は、前記電力トランジスターのゲートに連結されていてもよい。
【0011】
前記電力トランジスターの一端は前記電源に連結されており、前記電力トランジスターの他端は前記バッテリー管理システムに連結されており、前記電力トランジスターのゲートは前記制御トランジスターの一端に連結されていてもよい。
【0012】
発明の他の特徴に係るバッテリーシステムは、複数のバッテリーセルを含むバッテリーパック、前記バッテリーパックをモニタリングして管理するバッテリー管理システム、前記バッテリー管理システムに電圧を供給するための電源、および第1CANバスラインと第2CANバスラインに連結されており、前記第1CANバスラインの第1電圧および前記第2CANバスラインの第2電圧の間の電圧差であるCANバス電圧差が所定の閾値レベル以上であるとき、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結するウェークアップ回路を含んでもよい。
【0013】
前記ウェークアップ回路は、前記第1CANバスラインおよび前記第2CANバスラインの間に連結され、前記CANバス電圧差が所定の閾値レベル以上である時にオンされて発光するフォトダイオード、および前記フォトダイオードの発光によってオンされるフォトトランジスターを含むオプトカップラー、前記フォトトランジスターがオンされる時にオンされる制御トランジスター、および前記制御トランジスターがオンされる時にオンされ、前記電源と前記バッテリー管理システムとを連結する電力トランジスターを含んでもよい。
【0014】
前記ウェークアップ回路は、前記フォトダイオードと前記第1CANバスラインおよび前記第2CANバスラインのいずれか一つの間に連結されており、前記CANバス電圧差が前記所定の閾値レベル未満である時点以降に前記バッテリー管理システムの制御によって開放されるリレーをさらに含んでもよい。
【0015】
前記ウェークアップ回路は、前記第1CANバスラインと前記第2CANバスラインとの間に連結されているローパスフィルターをさらに含み、前記ローパスフィルターを通じて前記CANバス電圧差が前記フォトダイオードに伝達されてもよい。
【0016】
前記電源は、前記フォトトランジスターの一端に連結されており、前記フォトトランジスターの他端に前記制御トランジスターの制御端が連結されていてもよい。
【0017】
前記ウェークアップ回路は、前記フォトトランジスターの他端および前記制御トランジスターの制御端の間に連結されているローパスフィルターをさらに含んでもよい。
【0018】
前記ウェークアップ回路は、前記制御トランジスターの制御端と一端との間に連結されている抵抗をさらに含み、前記制御トランジスターの他端は、前記電力トランジスターのゲートに連結されていてもよい。
【0019】
前記電力トランジスターの一端は前記電源に連結されており、前記電力トランジスターの他端は前記バッテリー管理システムに連結されており、前記電力トランジスターのゲートは前記制御トランジスターの一端に連結されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
スリップモードで待機電力を減少させることができるウェークアップ回路およびこれを含むバッテリーシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一実施例に係るバッテリーシステムを図式的に示した図である。
【
図2】
図2は、一実施例に係るウェークアップ回路を示した図である。
【
図3】
図3は、一実施例に係るウェークアップ回路の一部を示した図である。
【
図4】
図4は、一実施例に係る二つのCANバス電圧、ウェークアップホールディング信号、およびリレー開放信号を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけが考慮されて与えられるか混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、明細書に記載された「…部」、「…期」、「モジュール」などの用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの結合で具現することができる。
【0023】
また、本明細書に開示された実施例を説明するにあたり、関連公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものであるだけで、添付の図面によって本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものと理解されなければならない。
【0024】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接に連結されているかまたは接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきである。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0026】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0027】
図1は、一実施例に係るバッテリーシステムを図式的に示した図である。
【0028】
図1で、バッテリーシステム100は、電力変換システム(Power Conversion System、PSC)200に連結されている。電力変換システム200は、バッテリーシステム100からエネルギーを供給され、電装負荷に電力を供給するか、外部から供給されるエネルギーを変換してバッテリーシステム100を充電することができる。電力管理システム(Power Management System、PMS)300は電力変換システム200による電力変換動作を制御することができる。例えば、電力管理システム300によって制御される電力変換動作は、電力変換システム200がバッテリーシステム100から供給されるエネルギーを変換して出力する電力変換動作または電力変換システム200に入力されるエネルギーを変換してバッテリーシステム100に供給する電力変換動作を含んでもよい。このために電力管理システム300は、バッテリーシステム100の両端P+、P-に連結することができ、電力変換システム200で電力変換動作を制御するための信号を送信することができる。また、電力管理システム300は電力変換システム200から電力変換動作を制御するために必要なフィードバック情報を受信することができる。バッテリーシステム100はESS(Energy Storage System)であってもよい。
【0029】
図1に示されているように、バッテリーシステム100、電力変換システム200、および電力管理システム300は、CAN通信を通じて制御に必要な情報を送受信することができる。CAN通信を具現するために、各システムはCANトランシーバを含み、各CANトランシーバは二つのCANバスCAN_H、CAN_Lに連結されている。バッテリーシステム100は、CANトランシーバ30を含み、CANトランシーバ30は、バッテリー管理システム(Battery Management System、BMS)20とデジタルデータを送受信することができる。電力変換システム200は、CANトランシーバ210とデジタルデータを送受信し、電力管理システム300は、CANトランシーバ310とデジタルデータを送受信する。各CANトランシーバ30、210、310は連結されたシステムから受信したデジタルデータを差動信号である二つの電圧に変換して二つのCANバスCAN_H、CAN_Lのそれぞれに伝達することができ、二つのCANバスCAN_H、CAN_Lから受信した二つの電圧差に基づいてデジタルデータを生成し、生成したデジタルデータを対応するシステムに伝達することができる。具体的には、各CANトランシーバは二つのCANバスCAN_H、CAN_L間の電圧差を感知し、感知した電圧差をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータのうち識別子を用いてメッセージの内容を識別して対応する情報を受信することができる。各CANトランシーバは付与されたIDによる順位に従って二つのCANバスCAN_H、CAN_Lにデジタルデータを変換した二つの電圧を伝送することができる。
【0030】
図1に示されたバッテリーシステム100、電力変換システム200、および電力変換システム200間のCANネットワークを通じたCAN通信は、発明を説明するための一例であって発明がこれに限定されるものではない。本発明は、公知された差動信号である二つの電圧が伝達される二つのCANバスを用いた多様なCAN通信方式に適用することができる。
【0031】
バッテリーシステム100は、バッテリーパック10、バッテリー管理システム20、CANトランシーバ30、ウェークアップ回路40、および電源50を含む。
【0032】
図1に示されたバッテリーパック10は直列連結された複数のバッテリーセル10_1-10_n(nは2以上の自然数)を含む。
図1では、バッテリーパック10が直列連結されたn個のバッテリーセル10_1-10_nを含むものと示されているが、これは、一例であって発明がこれに限定されない。例えば、並列連結された二つ以上のバッテリーセル単位で複数個が直列連結されていてもよい。または直列連結された複数のバッテリーセル単位で複数個が並列連結されていてもよい。バッテリーパック10の両端P+、P-は電力変換システム200に連結されており、両端P+、P-を通じてバッテリーパック10から電力変換システム200にエネルギーが供給されるか、電力変換システム200からバッテリーパック10にエネルギーが供給されてもよい。
【0033】
バッテリー管理システム20は、複数のバッテリーセル10_1-10_nに連結されており、複数のバッテリーセル10_1-10_4のそれぞれのセル電圧、バッテリーパック10のバッテリー電流、温度などを感知し、感知した情報に基づいてバッテリーパック10の充放電電流を制御し、複数のバッテリーセル10_1-10_4に対するセルバランシング動作を制御することができる。バッテリー管理システム20はウェークアップされると、ウェークアップ回路40を通じて電源50に連結されるための制御動作を行うことができる。バッテリー管理システム20は、このためにウェークアップホールディング信号HSおよびリレー開放信号ROを生成することができる。
【0034】
CANトランシーバ30は、バッテリー管理システム20から受信されるデジタルデータを差動信号である二つの電圧に変換して二つのCANバスCAN_H、CAN_Lのそれぞれに送信することができる。CANトランシーバ30は二つのCANバスCAN_H、CAN_Lから受信される二つの電圧差をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータがバッテリー管理システム20が受信すべきメッセージである場合、メッセージをバッテリー管理システム20に伝達することができる。
【0035】
電源50は、バッテリー管理システム20をウェークアップするための電力を供給することができる。電源50は、バッテリーパック10に連結され、バッテリーパック10の電圧を用いて一定のレベルの電源電圧を生成することができる。または電源50は、バッテリーパック10と区分される別個のバッテリーからの電圧を用いて一定のレベルの電源電圧を生成することができる。
【0036】
ウェークアップ回路40は二つのCANバスCAN_H、CAN_Lから受信される二つの電圧差がバッテリー管理システム20のウェークアップを指示する場合、バッテリー管理システム20を電源50と連結することができる。
【0037】
以下、
図2を参照してウェークアップ回路40について説明する。
【0038】
図2は、一実施例に係るウェークアップ回路を示した図である。
【0039】
ウェークアップ回路40は、制御トランジスター41、電力トランジスター42、およびオプトカップラー(optocoupler)43を含む。オプトカップラー43を通じてウェークアップ信号が制御トランジスター41に伝達され、制御トランジスター41がウェークアップ信号によってオンにされる。制御トランジスター41がオンにされると、電力トランジスター42がオンにされ、電源50がバッテリー管理システム20に連結される。電源50から供給される電源電圧によってバッテリー管理システム20はウェークアップする。
【0040】
オプトカップラー43は、フォトダイオードPDおよびフォトトランジスターPTを含む。フォトダイオードPDのアノードは接点N1に連結されており、フォトダイオードPDのカソードは接点N2に連結されている。キャパシタC1は接点N1と接点N2との間に連結されており、抵抗R1は、CANバスCAN_Hと接点N1との間に連結されている。抵抗R1の一端は、接点N_HでCANバスCAN_Hと連結され、抵抗R1の他端は、接点N1に連結されている。リレー44は接点N2と接点N_Lとの間に連結されている。リレー44の一端は、接点N_LでCANバスCAN_Lと連結され、リレー44の他端は、接点N2に連結されている。リレー44はインダクタ45とスイッチ46とを含み、スイッチ46は基本的に閉状態であり、インダクタ45に電流が流れるときに開放することができる。
【0041】
抵抗R1とキャパシタC1とはローパスフィルターを構成することができ、ローパスフィルターを通じてCANバスCAN_Hの電圧とCANバスCAN_Lの電圧の間の電圧差(以下、CANバス電圧差)をフォトダイオードPDに伝達することができる。抵抗R1とキャパシタC1とを含むローパスフィルターはフォトダイオードPDに並列連結されている。バッテリー管理システム20をウェークアップさせるためにCANバス電圧差が所定の電圧以上であってもよい。例えば、電力管理システム300は、CANトランシーバ310を通じてCANバスCAN_Hに相対的に高い所定のレベルの電圧およびCANバスCAN_Lに相対的に低い所定のレベルの電圧を送信することができる。このとき、CANバス電圧差がフォトダイオードPDをオンさせることができるレベル(閾値レベル)以上であってもよい。フォトダイオードPDがCANバス電圧差によってオンされてフォトダイオードPDに電流が流れ、フォトダイオードPDは発光する。フォトダイオードPDが発光すると、フォトトランジスターPTをターンオンすることができる。フォトトランジスターPTは、フォトダイオードPDが発光する期間の間オンの状態に維持することができ、フォトダイオードPDは、CANバス電圧差が閾値レベル以上の期間の間発光することができる。
【0042】
フォトトランジスターPTのコレクターは電源50に連結されており、フォトトランジスターPTのエミッタは制御トランジスター41の制御端であるベースに連結されている。制御トランジスター41はnpn BJTで具現されている。抵抗R2はフォトトランジスターPTのエミッタと制御トランジスター41のベースとの間に連結されており、キャパシタC2は制御トランジスター41のベースとグラウンドとの間に連結されている。抵抗R2とキャパシタC2とはローパスフィルターを構成することができる。制御トランジスター41のコレクターは電力トランジスター42の制御端であるゲートに連結されており、制御トランジスター41のエミッタはグラウンドに連結されている。抵抗R3は制御トランジスター41のベースとエミッタとの間に連結されており、ベースとエミッタとの間の電圧差を維持することができる。電力トランジスター42のソースは電源50に連結されており、電力トランジスター42のドレインはバッテリー管理システム20に連結されている。
【0043】
フォトトランジスターPTのオン期間の間制御トランジスター41がオンされ、電力トランジスター42のゲートがオンの状態である制御トランジスター41を通じて接地に連結され、電力トランジスター42をオンすることができる。電力トランジスター42がオンされると、電源50の電圧をバッテリー管理システム20に供給することができる。
【0044】
リレー44はスイッチ47がオンされると、開放される。具体的には、スイッチ46は接点N2と接点N_Lとの間に連結されており、インダクタ45の一端には電圧VDCが供給され、インダクタ45の他端はスイッチ47の一端に連結されており、スイッチ47の他端はグラウンドに連結されている。スイッチ47はリレー開放信号ROにオンレベルによってオンされ、スイッチ47がオンされると、インダクタ45に電流が流れ、スイッチ46を開放することができる。
【0045】
ウェークアップホールディング信号HSは、制御トランジスター41のベースに供給することができる。ウェークアップホールディング信号HSがオンレベルである期間の間、制御トランジスター41をオンの状態に維持することができる。
【0046】
図2では、リレー44が接点N2と接点N_Lとの間に連結されているものと示されているが、発明がこれに限定されるものではない。リレーは接点N1と接点N_Hとの間に連結されていてもよい。
【0047】
図3は、一実施例に係るウェークアップ回路の一部を示した図である。
【0048】
図3に示されているように、リレイ51は接点N1と接点N_Hとの間に連結されている。リレー51はスイッチ52およびインダクタ53を含む。スイッチ52は接点N1と接点N_Hとの間に連結されており、インダクタ53の一端には電圧VDCが供給され、インダクタ53の他端はスイッチ54の一端に連結されており、スイッチ54の他端はグラウンドに連結されている。スイッチ54はリレー開放信号ROにしたがってターンオンレベルでオンされる。スイッチ47がオンにされると、インダクタ53に電流が流れ、スイッチ52を開放することができる。
【0049】
以下、
図4を参照してウェークアップ動作を説明する。
【0050】
図4は、一実施例に係る二つのCANバス電圧、ウェークアップホールディング信号、およびリレー開放信号を示す波形図である。
【0051】
図4に示されているように、時点T1にCANバスCAN_Hの第1電圧V_Hが上昇し、CANバスCAN_Lの第2電圧V_Lが下降する。例えば、第1電圧V_Hは電圧V3から電圧V4まで上昇し、第2電圧V_Lは電圧V2から電圧V1まで下降する。電圧V2と電圧V3は同一のレベルであってもよい。第1電圧V_Hと第2電圧V_Lとの間の電圧差であるCANバス電圧差が閾値レベル以上となって、フォトダイオードPDが発光してフォトトランジスターPTがターンオンされる。すると、先に説明したように、電力トランジスター42がターンオンされ、電源50がバッテリー管理システム20に電圧を供給する。バッテリー管理システム20は電源50から供給される電圧によってウェークアップされ、ウェークアップ後にバッテリーパック10に対するモニタリングなどのような必要な動作を行うことができる。また、バッテリー管理システム20は、時点T2にウェークアップホールディング信号HSをオンレベルに生成する。
図4に示された時点T2は、バッテリー管理システム20がウェークアップされた後から時点T3までの期間中の任意の時点であってもよい。
【0052】
時点T3に第1電圧V_Hが下降し、第2電圧V_Lが上昇する。例えば、第1電圧V_Hは電圧V4から電圧V3まで下降し、第2電圧V_Lは電圧V1から電圧V2まで上昇する。すると、第1電圧V_Hと第2電圧V_Lとの間の電圧差であるCANバス電圧差が閾値レベル未満となって、フォトダイオードPDはオフされて発光しない。これによりフォトトランジスターPTもターンオフすることができる。制御トランジスター41のベースには、ウェークアップホールディング信号HSがオンレベルで印加されるので、電力トランジスター42はオンの状態に維持される。バッテリー管理システム20は、ウェークアップされた後から必要な動作を完了する時点T5までウェークアップホールディング信号HSをオンレベルに維持することができる。
【0053】
バッテリー管理システム20は、時点T4にリレー開放信号ROをオンレベルに生成する。オンレベルのリレー開放信号ROによってリレー44が開放される。したがって、時点T4以後に、CANバスCAN_HとCANバスCAN_Lとを通じて伝送される電圧にウェークアップ回路40は影響を与えない。時点T4は時点T3以後の任意の時点であってもよい。
【0054】
図4で、第1電圧V_Hおよび第2電圧V_Lをハッチングした部分は、ウェークアップ以降にCANバスCAN_HおよびCANバスCAN_Lを通じて伝達される電圧レベルが制限されないことを示したものである。ウェークアップ以降の第1電圧V_Hおよび第2電圧V_Lは任意のCANトランシーバがCANバスCAN_HおよびCANバスCAN_Lに伝送する電圧に応じて変化し得る。
【0055】
従来は、バッテリー管理システムが低電力モードで不活性状態を維持しながらプロトコル上の下位ブロックメッセージに基づいて選択的ウェークアップを行った。しかし、本発明に係るウェークアップ方法は、低電力モードを維持する必要なく、二つのCANバスを通じて伝送される電圧間の差によってウェークアップすることができる。したがって、本発明に係るバッテリー管理システムは、スリップモードで長期間待機が可能である。
【0056】
以上で本発明の実施例に対して詳細に説明しているが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の色々な変形および改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
【国際調査報告】