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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】基板処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240905BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01L21/304 651B
H01L21/304 651M
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518732
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022120824
(87)【国際公開番号】W WO2023046063
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111123098.6
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ショオナ
(72)【発明者】
【氏名】ル インシァオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シァオイェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シェン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン フゥピン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ヤン
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA37
5F131CA06
5F131CA70
5F131EA06
5F131EA24
5F131EB32
5F131EB81
5F131EB82
5F157AA09
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC03
5F157BB22
5F157CB14
5F157CB22
5F157CF34
5F157CF38
5F157DA21
(57)【要約】
本発明は半導体装置の分野に関する。基板処理装置および方法を提供する。本装置は、クランプ機構、噴射ヘッド機構、回転駆動機構、加熱機構、および制御機構を備える。加熱機構は、基板の下方に配置されている加熱板を備える。加熱板には径方向に並んで少なくとも二つのキャビティが設けられており、それらのキャビティは異なる半径上に位置する。液体ノズルが基板の径方向に沿って基板の中心から縁部に移動するプロセス中、液体ノズルが基板の上方のあるエリアへ移動したとき、制御機構は、あるエリアの対応する半径上に位置するキャビティ内の流体の熱エネルギーを制御し、それによって液体ノズルの下方の基板の局地温度を改善する。本装置は、基板領域の加熱を区分ごとに動的および正確に制御することができ、それによって、乾燥プロセスにおける基板の表面上の液体の表面張力および蒸発速度を正確に制御して、乾燥プロセスにおける基板の表面上の微細パターン構造が損傷することを回避する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御機構と、
基板を保持するように構成されているクランプ機構と、
前記クランプ機構に位置する基板の表面に液体を分配するように構成されている液体ノズルを含んでいる噴射ヘッド機構と、
前記クランプ機構を回転駆動させるように構成されている回転駆動機構と、
前記基板の下に配置された加熱板であって、径方向に並んで少なくとも二つのキャビティが設けられた前記加熱板を含んでいる加熱機構と、を備える基板処理装置であって、各キャビティは、それぞれ異なる半径上に位置しており、各キャビティの下部には流体導入孔が設けられており、各キャビティの上部には流体排出孔が設けられており、前記流体導入孔は流体供給管と接続されており、
前記液体ノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心から縁部に移動するプロセス中、前記液体ノズルが前記基板の上方のあるエリアへ移動したとき、前記制御機構は、前記あるエリアに対応する半径上に位置する前記キャビティ内の流体の熱エネルギーを制御し、それによって前記液体ノズルの下の前記基板の局地温度を上昇させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記加熱機構は、流体供給ユニットと、前記流体供給ユニットに設けられて前記流体供給ユニット内の流体を加熱する加熱装置と、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記加熱板は第一チャックおよび第二チャックを含み、前記第一チャックは前記第二チャックの上方に配置されており、前記第二チャックは前記第一チャックと結合しており、
前記第一チャックには径方向に並んで前記少なくとも二つのキャビティが設けられており、各キャビティは前記第一チャックの異なる半径上に位置しており、各キャビティの下部には複数の前記流体導入孔が設けられており、各キャビティの上部には前記複数の流体排出孔が設けられており、
前記第二チャックの内部には前記キャビティの数と等しい数の第一流体供給通路が設けられており、前記複数の第一流体供給通路は前記複数の流体導入孔を通じて複数の前記キャビティに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記加熱板は角度に応じてn等分されており、nは二以上の整数であることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
n等分された各部分におけるキャビティの数が互いに同じであり、前記複数のキャビティは異なる半径上に位置することを特徴とする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも二つのキャビティは円形であり、同心円状に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
複数の前記キャビティを流れる流体は気体または液体であることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記加熱板の各キャビティに開口する前記複数の流体排出孔の密度が同じであることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
各キャビティに接続されている複数の前記流体供給管は同じ流体供給主管に接続されており、各流体供給管には開閉弁および加熱装置が配置されており、前記流体供給主管にはマスフローコントローラが配置されており、
前記開閉弁は前記流体供給管を流れる流体を開放または遮断するように構成されており、
前記マスフローコントローラは前記流体供給主管を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されており、
前記加熱装置は各流体供給管内の流体を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御機構は、
複数の前記開閉弁を開き、
前記加熱装置を制御して前記流体供給管を流れる流体を第一熱エネルギーまで加熱し、前記第一熱エネルギーを持つ流体が各キャビティの前記複数の流体排出孔を通じて前記基板を第一温度まで加熱し、
前記液体ノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心から縁部へ移動しているプロセス中、前記液体ノズルが前記基板の上方の前記あるエリアに移動したとき、前記加熱装置を制御して前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体を第二熱エネルギーまで加熱し、前記第二熱エネルギーを持つ流体が前記あるエリアに対応する前記基板の領域を、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティの前記複数の流体排出孔を通じて第二温度まで加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
各キャビティに接続されている各流体供給管には開閉弁、マスフローコントローラ、および加熱装置が配置されており、
前記開閉弁は前記流体供給管を流れる流体を開放または遮断するように構成されており、
前記マスフローコントローラは各流体供給管を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されており、
前記加熱装置は前記流体供給管内の流体を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記制御機構は
複数の前記開閉弁を開き、
前記加熱装置を制御して前記流体供給管を流れる流体を第一熱エネルギーまで加熱し、前記第一熱エネルギーを持つ流体が各キャビティの前記複数の流体排出孔を通じて前記基板を第一温度まで加熱し、
前記液体ノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心から縁部へ移動しているプロセス中、前記液体ノズルが前記基板の上方のあるエリアに移動したとき、前記マスフローコントローラを制御することで前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体の流量を調整し、および/かつ前記加熱装置を制御して前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体を第二熱エネルギーに到達させることで前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体の温度を調整し、前記第二熱エネルギーを持つ流体が、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティの前記複数の流体排出孔を通じて前記あるエリアに対応する前記基板の領域を第二温度まで加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
各キャビティに接続されている各流体供給管は二つの流体供給支管に接続されており、各流体供給支管は流体供給主管に接続されており、各流体供給支管には開閉弁が配置されており、各流体供給主管にはマスフローコントローラおよび加熱装置が配置されており、
前記開閉弁は前記複数の流体供給支管を流れる流体を開放または遮断するように構成されており、
前記マスフローコントローラは各流体供給主管に流れる流体の流量を監視および調整するように構成されており、
前記加熱装置は各流体供給主管内の流体を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記制御機構は、
複数のマスフローコントローラを制御することで流体の流量を調整し、および/かつ複数の加熱装置を制御して第一流体供給主管を流れる流体の熱エネルギーを第一熱エネルギーに到達させ、かつ第二流体供給主管を流れる流体の熱エネルギーを第二熱エネルギーに到達させることで流体の温度を調整し、
複数の第一流体供給支管における複数の前記開閉弁を開き、前記第一熱エネルギーを持つ流体が各キャビティの前記複数の流体排出孔を通じて前記基板を第一温度まで加熱し、
前記液体ノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心から縁部に移動するプロセス中、前記液体ノズルが前記基板の上方のあるエリアに移動したとき、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティに接続されている第一流体供給支管における前記開閉弁を閉じ、同時に前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティに接続されている第二流体供給支管における開閉弁を開き、前記第二流体供給主管内の前記第二熱エネルギーを持つ流体が前記あるエリアに対応する前記基板の領域を、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティの前記複数の流体排出孔を通じて第二温度まで加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
各キャビティに接続されている各流体供給管は三つの流体供給支管に接続されており、各流体供給支管は流体供給主管に接続されており、各流体供給支管には開閉弁が配置されており、各流体供給主管にはマスフローコントローラが配置されており、加熱装置は第一流体供給支管および第二流体供給支管に接続されている複数の流体供給主管には、加熱装置が配置されており、
複数の開閉弁は複数の流体供給支管を流れる流体を開放または遮断するように構成されており、
複数のマスフローコントローラは各流体供給主管を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されており、
複数の加熱装置は各流体供給主管内の流体を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記基板を前記クランプ機構から取り外したあと、前記第一流体供給支管および前記第二流体供給支管に配置されている複数の前記開閉弁を閉じ、第三流体供給支管に配置されている前記開閉弁を開き、低温の流体を前記第三流体供給支管に接続されている流体供給主管内に供給して、前記低温の流体が各キャビティを通り抜けて前記加熱板を冷却することを特徴とする、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
各キャビティに接続されている各流体供給管は三つの流体供給支管に接続されており、第一流体供給支管は第一流体供給主管に接続されており、第二流体供給支管は第二流体供給主管に接続されており、第三流体供給支管は第三流体供給主管に接続されており、各流体供給支管には開閉弁が配置されており、各流体供給主管にはマスフローコントローラおよび加熱装置が配置されており、
複数の開閉弁は前記複数の流体供給支管を流れる流体を開放または遮断するように構成されており、
複数のマスフローコントローラは各流体供給主管を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されており、
複数の加熱装置は各流体供給主管内の流体を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記制御機構は、
前記複数のマスフローコントローラを制御することで流体の流量を調整し、および/かつ前記複数の加熱装置を制御して前記第一流体供給主管内の流体の熱エネルギーを第一熱エネルギーに到達させ、前記第二流体供給主管内の流体の熱エネルギーを第二熱エネルギーに到達させ、かつ前記第三流体供給主管内の流体の熱エネルギーを第三熱エネルギーに到達させることで流体の温度を調整し、
各流体供給管に接続されている複数の第一流体供給支管における複数の前記開閉弁を開き、前記第一熱エネルギーを持つ流体が各キャビティの前記複数の流体排出孔を通じて前記基板を第一温度まで加熱し、
前記液体ノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心から縁部に移動するプロセス中、前記液体ノズルが前記基板の上方のあるエリアに移動したとき、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティに接続されている前記第一流体供給支管における前記開閉弁を閉じ、同時に前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティに接続されている前記第二流体供給支管における前記開閉弁を開き、前記第二流体供給主管内の前記第二熱エネルギーを持つ流体が前記あるエリアに対応する前記基板の領域を、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティの前記複数の流体排出孔を通じて第二温度まで加熱し、
同時に、前記加熱板の中心から離れる径方向において、前記あるエリアに対応する半径上に位置するキャビティに隣接する別のキャビティに接続されている前記第三流体供給支管における前記開閉弁を開き、前記第三流体供給主管内の前記第三熱エネルギーを持つ流体が前記別のキャビティに対応する前記基板の領域を、前記別のキャビティの前記複数の流体排出孔を通じて第三温度まで加熱するように構成されており、
前記第一温度は前記第三温度より低く、前記第三温度は前記第二温度より低いことを特徴とする、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
クランプ機構で基板を保持するプロセスと、
前記クランプ機構を駆動して前記基板を回転させるプロセスと、
噴射ヘッド機構の液体ノズルを介して前記基板の表面に液体を分配し、前記液体ノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心から縁部へ移動しているプロセス中に前記液体ノズルが前記基板の上方のあるエリアに移動したとき、第二熱エネルギーを持つ流体を前記基板の下部に噴射して前記あるエリアに対応する前記基板の領域を加熱し、前記液体ノズルの下方の前記基板の局地温度を上昇させるプロセスと、を備える基板処理方法。
【請求項20】
前記噴射ヘッド機構の液体ノズルを介して液体を前記基板の表面に分配する前に、前記基板の下部の全体に第一熱エネルギーを持つ流体を噴射することで前記基板の全体を予熱するプロセスをさらに備えることを特徴とする、請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記第二熱エネルギーを持つ流体を前記基板の下部に噴射することで前記あるエリアに対応する前記基板の領域を加熱する一方で、前記基板の下部に第三熱エネルギーを持つ流体を噴射することで、前記基板の中心から離れる径方向において前記あるエリアと隣接するエリアに対応する前記基板の領域を再予熱することを特徴とする、請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項22】
流体は気体または液体であることを特徴とする、請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項23】
温度および/または前記第二熱エネルギーを持つ流体の流量を制御して前記あるエリアに対応する前記基板の領域を局地的に加熱することで、前記液体ノズルの下方の前記基板の局地温度を上昇させることを特徴とする、請求項19に記載する基板処理方法。
【請求項24】
前記基板を前記クランプ機構から取り外したあとで低温の流体を供給することで加熱板を冷却するプロセスをさらに備えることを特徴とする、請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項25】
前記第一チャックおよび前記第二チャックの間に配置され、前記少なくとも二つのキャビティ内の流体を加熱する加熱素子をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項26】
前記第一チャックに配置される冷却部であって、前記第一チャックの温度を下げるために使用される前記冷却部を含む冷却機構をさらに備えることを特徴とする、請求項25に記載の基板処理装置。
【請求項27】
前記第一チャックの上面に配置される封止層をさらに備えることを特徴とする、請求項26に記載の基板処理装置。
【請求項28】
前記冷却部は前記第一チャックの上面に開口する冷却溝であることを特徴とする、請求項27に記載の基板処理装置。
【請求項29】
前記冷却部は冷却管であり、前記第一チャックの上面には収容溝が設けられており、前記冷却管は前記収容溝内に配置されており、前記複数のキャビティのそれぞれに前記冷却管が対応するように設けられていることを特徴とする、請求項27に記載の基板処理装置。
【請求項30】
前記冷却部は冷却キャビティであり、前記冷却キャビティは前記第一チャック内に配置されていることを特徴とする、請求項26に記載の基板処理装置。
【請求項31】
前記第一チャックは保護層で覆われていることを特徴とする、請求項26に記載の基板処理装置。
【請求項32】
前記冷却部は冷却管であり、前記第一チャック内には収容キャビティが設けられており、前記冷却管は前記収容キャビティ内に設けられており、前記複数のキャビティのそれぞれに前記冷却管が対応するように設けられていることを特徴とする、請求項26に記載の基板処理装置。
【請求項33】
前記第一チャックは金属材料からなり、
前記第二チャックは非金属材料からなることを特徴とする、請求項26に記載の基板処理装置。
【請求項34】
前記第二チャックに設けられる冷却部であって、前記第二チャックの温度を下げるために使用される冷却部を含む冷却機構をさらに備えることを特徴とする、請求項25に記載の基板処理装置。
【請求項35】
前記冷却部は冷却キャビティであり、前記冷却キャビティは前記第二チャック内に設けられていることを特徴とする、請求項34に記載の基板処理装置。
【請求項36】
前記第一チャックは非金属材料からなり、
前記第二チャックは金属材料からなることを特徴とする、請求項35に記載の基板処理装置。
【請求項37】
前記第二チャックおよび前記加熱素子の間に配置されている断熱層をさらに備えることを特徴とする、請求項25に記載の基板処理装置。
【請求項38】
前記冷却部の入口は前記冷却部内に液体を供給するための少なくとも一つの導入管に接続されており、前記導入管には前記導入管を流れる液体を冷却するための冷却装置が設けられており、
前記冷却部の出口は前記冷却部から液体を排出するための少なくとも一つの導出管に接続されていることを特徴とする、請求項26または34に記載の基板処理装置。
【請求項39】
前記冷却部の入口はさらに前記冷却部内に気体を供給するための少なくとも一つの吸気管に接続されており、
前記冷却部の出口は前記冷却部から気体を排出するための少なくとも一つの排気管に接続されていることを特徴とする、請求項38に記載の基板処理装置。
【請求項40】
前記導入管、導出管、吸気管、および排気管にはそれぞれ開閉弁が配置されていることを特徴とする、請求項39に記載の基板処理装置。
【請求項41】
前記制御機構は前記冷却機構を制御して前記第一チャックまたは第二チャックの温度を下げるように構成されていることを特徴とする、請求項40に記載の基板処理装置。
【請求項42】
前記制御機構は、
前記基板を加熱および乾燥するプロセスが完了したあとに前記導入管および導出管における複数の前記開閉弁を開き、
前記冷却装置を制御して前記導入管を流れる液体の温度を冷却し、冷却された液体が前記冷却部に入って前記冷却部を期間T1の間冷却して前記第一チャックまたは第二チャックの全体的な温度を室温まで下げてから、前記冷却装置と、前記導入管および導出管における複数の前記開閉弁とを閉じるように構成されていることを特徴とする、請求項41に記載の基板処理装置。
【請求項43】
前記制御機構は、
前記冷却装置と、前記導入管および導出管における複数の前記開閉弁とを閉じてから前記吸気管および排気管における複数の前記開閉弁を開き、気体を制御して期間T2の間前記冷却部に流れさせて前記冷却部を乾燥させてから前記導入管および導出管における複数の前記開閉弁を閉じるように構成されている、請求項42に記載の基板処理装置。
【請求項44】
前記冷却部内に供給される気体は乾燥ガスであることを特徴とする、請求項43に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の分野一般に関し、より詳細には基板処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路製造は一般には基板処理および製造を指す。基板の製造プロセスは、設計のレイアウトをマスクに変換し、マスク上の回路パターン情報をシリコンウェハに転写し、シリコンウェハ上の回路を成形して完全な回路チップを構築するプロセスである。集積回路製造は、フォトリソグラフィ、エッチング、蒸着、イオン注入、化学的機械研磨(CMP)、洗浄、およびその他のプロセスを含んでいる。そのうち、洗浄プロセスは、基板処理および製造において発生した全種類の汚染物や不純物を落とすプロセスである。このプロセスは、集積回路の製造におけるほとんどのステップに関わっており、全作業プロセスを通してほぼずっと行われるものである。汚染物や不純物とは、集積回路の製造プロセス中、チップの歩留まりや電気的性能を脅かすものを指す。具体的には、粒子、有機物、金属、および自然酸化物層を含んでいる。
【0003】
半導体洗浄技術は主に二つのプロセスルートに分けられる。二つのプロセスルートとは、ウェット洗浄プロセス、およびドライ洗浄プロセスである。ウェット洗浄プロセスにおいて、一般的には、基板は回転可能な基板固定具に固定されており、回転している基板の表面に処理を施すために薬液や脱イオン水が使用される。ウェットエッチングまたは洗浄プロセスが完了したあと、基板に乾燥プロセスが施される。
【0004】
従来の乾燥プロセスは、殆どの場合、高速で回転している基板を乾燥するのに、窒素パージまたはイソプロパノール(IPA)洗浄を採用する。しかしながら、高度な集積回路技術の発達により、フィーチャーサイズ(Feature Size)は縮小の一途をたどっている。乾燥プロセス中、基板における微細パターンの構造、寸法、深さ、幅、および密度は異なり、回転軸からの位置もまた異なる。微細パターン構造に付着する液体の流量および蒸発速度もまた異なる。複数の微細パターン構造内での液体の流量および蒸発速度が異なると、同じタイミングでも異なるパターンで液面の高さが異なるという結果につながる。これにより、液体の表面張力の作用下では隣接するパターン構造間で圧力が不均等になり、微細パターン構造の崩壊、癒着、および変形などの基板損傷問題が徐々に引き起こされ、やがてデバイスに不具合が起こったり、チップの歩留まりに影響したり、製品を廃棄する羽目になったりする。
【0005】
基板の表面上の微細パターン構造が乾燥プロセス中に損傷することを回避する上で特に重要なのは、乾燥プロセス中、基板の表面上のイソプロパノール(IPA)やその他の乾燥用製液の表面張力および蒸発速度を正確に制御することである。この目的のために、本発明は、基板処理装置および方法を提供する。
【発明の概要】
【0006】
基板の微細パターン構造が乾燥プロセス中に損傷することを防ぐため、かつ、乾燥プロセス中、基板の表面上のイソプロパノール(IPA)やその他の乾燥調合薬液の表面張力および蒸発速度をより正確に制御するために、本発明は基板処理装置および方法を提案する。
【0007】
本発明は基板処理装置を提供する。
本基板処理装置は、制御機構と、基板を保持するように構成されているクランプ機構と、クランプ機構に位置する基板の表面に液体を分配するように構成されている液体ノズルを含んでいる噴射ヘッド機構と、クランプ機構を回転駆動させるように構成されている回転駆動機構と、基板の下に配置された加熱板であって、径方向に並んで少なくとも二つのキャビティが設けられた加熱板を含んでいる加熱機構と、を備える。各キャビティは、それぞれ異なる半径上に位置しており、各キャビティの下部には流体導入孔が設けられ、各キャビティの上部には複数の流体排出孔が設けられている。流体導入孔は流体供給管と接続されている。
【0008】
液体ノズルが基板の径方向に沿って基板の中心から縁部に移動するプロセス中、液体ノズルが基板の上方のあるエリアへ移動したとき、制御機構は、そのエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体の熱エネルギーを制御し、それによって液体ノズルの下の基板の局地温度を上昇させる。
【0009】
本発明は基板処理方法を提供する。
本基板処理方法は、クランプ機構で基板を保持するプロセスと、クランプ機構を駆動して基板を回転させるプロセスと、噴射ヘッド機構の液体ノズルを介して基板の表面に液体を分配するプロセスと、を備える。液体ノズルが径方向において基板の中心から縁部に移動するプロセス中、液体ノズルが基板の上方のあるエリアへ移動したとき、そのエリアと同じ半径の基板領域は、第二熱エネルギーを持つ流体を基板の下部に噴射することで加熱され、液体ノズルの下の基板の局地温度が上昇する。
【0010】
上述のように、本発明によって提供される基板処理装置および方法は、基板領域の加熱を区分ごとに動的および正確に制御し、基板およびその表面の液体の温度を正確に制御することで、乾燥プロセス中、基板の表面上の様々な場所における液体の表面張力および蒸発速度を制御するというプロセスの目的を達成し、基板の微細パターン構造が損傷することを回避することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴や利点は続く明細書において説明される。また、その一部は明細書から自明となるか、もしくは本発明を実施することで既知となる。本発明の目的およびその他の利点は、明細書および添付の図面において示唆された構成によって実現および獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施形態、または従来技術における技術的解決策をより明確に説明するため、実施形態または従来技術の説明で使用される必要がある図面を簡潔に紹介する。以下の説明において、添付の図面は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば創造的な努力なしでこれらの図面に基づいてその他の図面を得ることができるのは明らかである。
図1図1は、本発明の実施形態にかかる基板処理装置を示す斜視図である。
図2図2図1における部分Aの拡大図である。
図3図3は、本発明の実施形態にかかる基板処理装置を示す正面図である。
図4図4は、本発明の実施形態にかかる基板処理装置を示す上面図である。
図5図5は、図4における断面B-Bを示す概略断面図である。
図6図6は、本発明の実施形態にかかる、四等分されている第一チャックのレイアウトを示す上面図である。
図7図7は、本発明の実施形態にかかる、四等分されている第一チャックのレイアウトを示す底面図である。
図8図8は、本発明の実施形態にかかる、第二チャックにおける第一流体供給通路のレイアウトを示す概略図である。
図9図9は、本発明の実施形態にかかる軸体を示す上面図である。
図10図10は、本発明の実施形態にかかる、第一チャックおよび第二チャックの組み立て後の加熱板の構成を示す概略斜視図である。
図11図11は、本発明の実施形態にかかる、組み立て後の第一チャックおよび第二チャックの概略横断面図である。
図12図12は、本発明の実施形態にかかる、二等分されている第一チャックのレイアウトを示す上面図である。
図13図13は、本発明の第三実施形態にかかる第一チャックのレイアウトを示す上面図である。
図14a図14aは、本発明の実施形態にかかる、流体の流速および加熱エリアとの関係を示す概略図である。
図14b図14bは、本発明の実施形態にかかる、流体の流速および加熱エリアとの関係を示す概略図である。
図15図15は、本発明の第一実施形態にかかる基板処理方法の流体制御図を示す。
図16図16は、本発明の第四実施形態にかかる基板処理方法の流体制御図を示す。
図17図17は、本発明の第五実施形態にかかる基板処理方法の流体制御図を示す。
図18図18は、本発明の第六実施形態にかかる基板処理方法の流体制御図を示す。
図19図19は、本発明の第七実施形態にかかる基板処理方法の流体制御図を示す。
図20図20は、本発明の第八実施形態にかかる、組み立て後の第一チャックおよび第二チャックを示す概略横断面図である。
図21図21は、本発明の第九実施形態にかかる、組み立て後の第一チャックおよび第二チャックを示す概略横断面図である。
図22図22は、本発明の第九実施形態において、冷却部が冷却管であり、かつ第一チャック内に配置されている状態を示す概略図である。
図23図23は、本発明の第九実施形態において、冷却部が冷却管であり、かつ第一チャックの上面に配置されている状態を示す概略図である。
図24図24は、本発明の第九実施形態における冷却管を示す概略図である。
図25図25は、本発明の第九実施形態において、冷却部が冷却キャビティである状態を示す概略図である。
図26図26は、本発明の第九実施形態において、冷却部が冷却溝である状態を示す概略図である。
図27図27は、本発明の実施形態にかかる、第二チャックを冷却する冷却機構を示す例示的な概略図である。
図28図28は、本発明の第九実施形態にかかる、第一チャックを冷却する冷却機構を示す例示的な概略図である。
図29図29は、本発明の実施形態にかかる、第一熱エネルギーに到達する流体を用いた基板の予熱に関する温度曲線変化グラフを示す。
図30a-30c】図30a図30cは、本発明の第一実施形態、第四実施形態、および第五実施形態の基板処理方法に従って基板を処理する際の液体ノズルの移動に伴う基板の異なる領域の温度変化曲線を示す。
図31a-31c】図31a図31cは、本発明の第七実施形態の基板処理方法に従って基板に処理する際の液体ノズルの移動に伴う基板の異なる領域の温度変化曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の目的、技術的解決策、および利点を明確にするため、本発明の実施形態における技術的解決策を、添付の図面とあわせて明確にかつ完全に説明する。説明されるのは本発明のいくつかの実施形態であってすべての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者によって創造的な努力なしに得られるその他すべての実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0014】
<第一実施形態>
図1図5、および図15図19を参照されたい。本発明は基板処理装置を提供する。基板処理装置は、クランプ機構200、回転駆動機構300、加熱機構400、制御機構、および噴射ヘッド機構600を含んでいる。クランプ機構200は基板100を水平状態に保つために使用され、基板100の周囲に配置されている複数の位置決めピン201を含んでいる。図2を参照されたい。図2図1における部分Aの拡大図であり、本実施形態の基板処理装置における基板100および位置決めピン201の位置を示す。すなわち、基板と位置決めピンを示す斜視図である。六つの位置決めピンが基板100の縁部に配置されている。各位置決めピン201の上部の側壁には、制限溝2011が設けられている。制限溝2011の底壁は基板100を支持するために使用され、制限溝2011の側壁は基板100をクランプするために使用される。シリンダ(図示せず)はテンション機構203の動作を駆動し、各位置決めピン201を基板100から遠ざけて確実に基板100を解放したり、基板100に近づかせて確実に基板100をクランプしたりすることにより、基板100の締付および制限、および基板100の着脱を簡単にすることができる。クランプ機構200はさらに支持部202を含んでいる。各位置決めピン201の下端は支持部202に着脱可能に接続されており、支持部202の下部は、伝動機構(図示せず)を介して回転駆動機構300に接続されている。例えば、本実施形態において、伝動機構は伝動ベルトである。また、回転駆動機構300は実際の使用時の作業要件に基づいて選択可能である。例えば、本実施形態において、サーボモータが回転駆動機構300として選択される。回転駆動機構300は、支持部202を駆動することにより、基板100の中心を通る垂直線を軸として基板100を回転させる。支持部202の中部には上下に貫通する貫通孔が設けられており、非回転部材をいくつか収容する。
【0015】
加熱機構400は加熱板および流体供給ユニットを含んでいる。加熱板は基板100の下に配置されており、支持部202の中部に開口する貫通孔に収容されており、作業中は基板100と平行に配置されている。加熱板は、対応する第一チャック401および第二チャック402を含んでいる。複数のブロックが第一チャック401に配置されており、複数のスロットが第二チャック402に配置されている。設置時、第一チャック401のブロックが第二チャック402のスロットと係合して安定した構成になる。第一チャック401は、角度に応じて、n等分されている。nは二以上の整数である。第一チャック401には、径方向に並んで少なくとも二つのキャビティ4011が設けられる。複数のキャビティ4011は、径方向に並んで第一チャック401の異なる半径上に位置する。第一チャック401の等分された各部分におけるキャビティ4011の数は均等であり、キャビティ4011はそれぞれ異なる半径上に位置する。流体導入孔4012がキャビティ4011の下部に開口しており、流体排出孔4013が上部に開口している。キャビティ4011に開口している複数の流体排出孔4013の密度は同じである。第二チャック402は第一チャック401の下方に、第一チャック401を固定および支持するため、および第一チャック401と流体供給ユニットとを接続するために配置されている。第二チャック402には複数の第一流体供給通路4021が設けられている。第一流体供給通路4021の数はキャビティ4011の数と等しい。第二チャック402における各第一流体供給通路4021の一端は、第一チャック401に開口する各キャビティ4011の下部における流体導入孔4012と連通している。各第一流体供給通路4021の他端は流体供給ユニットと連通している。プロセス中、基板100は回転し、加熱機構400は回転しない。基板100が1周回転すると、各キャビティ4011によって加熱された基板100の領域は円環状または円形状となる。
【0016】
図5および図15を参照すると、流体供給ユニットは、軸体403、複数のコネクタ404、複数の流体供給管、および流体供給主管406とを含んでいる。軸体403の一端は第二チャック402の下部に固定的に接続されている。複数の第二流体供給通路4031は軸体403に配置されている。第二流体供給通路4031の数はキャビティ4011の数と等しい。各第二流体供給通路4031の一端は、第二チャック402における各第一流体供給通路4021と接続されている。軸体403の側壁には複数の開口が設けられている。これらの開口の数は第二流体供給通路4031の数と等しい。各開口にはコネクタ404が設けられており、各コネクタ404は各流体供給管に接続されている。複数の流体供給管は、同じ流体供給主管406に同時に接続されている。
【0017】
制御機構は、複数の開閉弁501、マスフローコントローラ502、および複数の加熱装置503を有する。各キャビティ4011に接続されている複数の流体供給管は、同じ流体供給主管406に連通している。開閉弁501および加熱装置503は各流体供給管に配置されており、マスフローコントローラ502は流体供給主管406に配置されている。各開閉弁501は、流体供給管を流れる流体を開放または遮断する。マスフローコントローラ502は、流体供給主管406を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されている。各加熱装置503は流体供給管内の流体を加熱するように構成されている。制御機構は、液体ノズルに対応する基板100の下方にあるキャビティ4011内の流体の熱エネルギーを制御し、それによって液体ノズルの下の基板100の局地温度を上昇させる。
【0018】
噴射ヘッド機構600は、クランプ機構200に位置する基板100の表面に液体を分配するように構成されている液体ノズルを含んでいる。
【0019】
図6図11を参照されたい。本発明の本実施形態において、第一チャック401のレイアウトは、第一チャック401が角度に応じて四等分されているように設計されている。つまり、第一チャック401は四つの四分円に分けられており、第一チャック401には、径方向に並んで十六個のキャビティ4011が設けられている。これらの十六個のキャビティ4011は第一チャック401の四つの四分円に均等に配置されている。図6は、四等分されている第一チャック401のレイアウトを示す上面図である。図7は、四等分されている第一チャック401のレイアウトを示す底面図である。図8は、第二チャック402における複数の第一流体供給通路4021のレイアウトを示す概略図である。図9は、軸体403を示す上面図である。図10は、第一チャック401および第二チャック402の組み立て後の加熱板の構成を示す概略斜視図である。図11は、組み立て後の第一チャック401および第二チャック402を示す概略横断面図である。
【0020】
本発明の装置は、ウェットエッチングや洗浄プロセスが完了したあとの基板100を乾燥させるのに適切であるだけではなく、エッチングプロセス中にも使用することができる。
【0021】
本発明の本実施形態は、基板処理方法も提供する。図15を参照されたい。図15は、本発明の本実施形態にかかる流体制御図を示す。作業中、クランプ機構200は基板100をクランプして基板100を水平状態に保つ。噴射ヘッド機構600は基板100の上方に配置される。回転駆動機構300は、支持部202を駆動することにより、基板100の中心を通る垂直線を軸として基板100を回転させる。本実施形態において、噴射ヘッド機構600の液体ノズルによって基板100へ分配される液体は、IPA乾燥液である。液体ノズルが基板100の中心の上方を移動するとき、基板100の表面に液体を分配する前に、制御機構は複数の加熱装置503を制御して、複数の流体供給管を流れる流体を第一熱エネルギーまで加熱する。第一熱エネルギーに到達した液体は、各キャビティ4011の流体排出孔4013を通じて基板100を第一温度まで加熱する。第一温度は予熱のための温度であり、基板100の全体を均一に加熱する役割がある。IPAを例にすると、好適な処理温度は60~70℃の範囲にある。第一熱エネルギーは、基板100を第一温度まで加熱するのに必要な熱エネルギーを指す。
【0022】
液体ノズルが基板100の径方向に沿って基板100の中心から縁部に移動する間、液体ノズルが基板100の上方のあるエリアへ移動したとき、制御機構は、加熱装置503を制御してそのエリアに対応する半径上に位置するキャビティ4011内の流体を第二熱エネルギーまで加熱する。そして、第二熱エネルギーに到達した流体は、各キャビティ4011における複数の流体排出孔4013を通じてそのエリア内の基板100を第二温度まで加熱する。第二温度は、おおよそ、液体ノズルによって基板100に分配される液体が沸点に到達する温度である。本実施形態において、第二温度は液体の沸点以上である。IPAを例にすると、好適な処理温度は78~85℃の範囲にある。
【0023】
例えば、液体ノズルが液体を分配する前に、複数のキャビティ4011へ送られた流体がまず加熱され、その液体が複数の流体供給管および複数の第二流体供給通路4031を介して加熱板の第二チャック402における複数の第一流体供給通路4021に送られる。流体はそのあと第一チャック401の複数のキャビティ4011に入ってから、複数のキャビティ4011の上部に開口する流体排出孔4013を通じて加熱板を流れ出ていき、加熱板の上方にある基板100を70℃まで加熱する。
【0024】
液体ノズルが基板100の表面に液体を分配する際、液体ノズルの移動に伴い液体ノズルが基板100の上方のあるエリアへ移動したとき、制御機構は、加熱装置503を制御して、そのエリアに対応する半径上に位置するキャビティ4011に接続されている流体供給管内の流体を加熱する。その後、その半径上に位置するキャビティ4011の複数の流体排出孔4013から流れ出る流体の熱エネルギーを第二熱エネルギーに制御する。第二熱エネルギーに到達した流体は、キャビティ4011の複数の流体排出孔4013を通じて、基板100を80℃まで加熱する。
【0025】
具体的には、図7を参照すると、第一チャック401に開口する十六個のキャビティ4011には、第一チャック401の中心から縁部にかけて対応する半径が徐々に増加するキャビティの順に、40111、40112、40113、40114、40115、40116、40117、40118、40119、401110、401111、401112、401113、401114、401115、および401116という番号が振られている。対応する第二チャック402の構成の概略図は、図8を参照されたい。複数のキャビティ4011に接続されており、かつ第二チャック402に配置されている第一流体供給通路4021には、それぞれ40211、40212、40213、40214、40215、40215、40216、40217、40218、40219、402110、402111、402112、402113、402114、402115、および402116という番号が振られている。図9を参照すると、軸体403における複数の第二流体供給通路4031にはそれぞれ40311、40312、40313、40314、40315、40316、40317、40318、40319、403110、403111、403112、403113、403114、403115、および403116という番号が振られている。図10および図11を参照されたい。図10および図11は、どちらも第一チャック401および第二チャック402の組み立て後の加熱板の構成を示す斜視図である。図5および図15を参照すると、軸体403は、複数のコネクタ404を介して十六個の流体供給管に接続され、この十六個の流体供給管にはそれぞれ4051、4052、4053、4054、4055、4056、4057、4058、4059、40510、40511、40512、40513、40514、40515、および40516という番号が振られている。開閉弁501および加熱装置503は各流体供給管に配置されている。複数の流体供給管は同じ流体供給主管406に接続されており、マスフローコントローラ502は流体供給主管406に配置されている。
【0026】
液体ノズルが基板100に液体を分配し始める前に、制御機構が各流体供給管における加熱装置503を制御して各流体供給管を流れる流体を加熱することで、流体の熱エネルギーが第一熱エネルギーに到達するようにする。流体の熱エネルギーが第一熱エネルギーに到達する前に、流体はバイパス支管407を通って装置から流れ出る。そして、第一熱エネルギーに到達した流体は、各キャビティ4011の複数の流体排出孔4013を通じて、基板100を70℃まで加熱する。
【0027】
液体ノズルが基板100に液体を分配し始め、かつ基板100の中心から縁部へ径方向に沿って移動する場合に、液体ノズルが基板100の上方のあるエリアに移動したとき、キャビティ40111がそのエリアに対応する加熱板の半径上に位置する。制御機構は、キャビティ40111に連通する流体供給管4051における加熱装置503を制御して加熱を開始し、これにより、加熱装置503が流体供給管4051を流れる流体を第二熱エネルギーまで加熱する。具体的には、制御機構は流体供給管4051に配置されている加熱装置503を制御して稼働を開始させ、管内流体を加熱する。そして、その管内の流体の熱エネルギーが第二熱エネルギーに到達する前に、流体はまずバイパス支管407を介して装置の外へ排出される。流体の熱エネルギーが目標の熱エネルギーに到達すると、流体は流体供給管4051を介してキャビティ40111に送られ、その管により加熱板へ供給される流体の熱エネルギーが、設定された第二熱エネルギーに確実に到達するようにする。流体はキャビティ40111に開口する複数の流体排出孔4013を通じて加熱板を流れ出て、基板100まで流れていき、キャビティ40111が配置されている半径エリアに対応する基板100の領域を加熱して、基板100のその領域における温度を80℃まで急速に上昇させる。基板100のその領域における液体は急速に蒸発する。液体の蒸発プロセスが十分に速い場合、乾燥する瞬間、液体による乾燥ではなく、蒸発による乾燥が行われるため、表面張力が抑えられる。液面の張力は、隣接するパターン構造間の引っ張り力が無視できるほど小さい。本プロセス中、隣接するパターン構造が液体の表面張力により引き離されることはなく、それによって基板100の表面上の微細パターン構造が乾燥中に損傷することを効果的に防ぐ。
【0028】
加熱される流体は、清潔な空気、窒素、または不活性ガスなどの気体とすることができる。加熱される流体は、液体とすることもできる。
【0029】
装置がIPA乾燥に使用される場合、噴射ヘッド機構600は窒素パージのための窒素ノズルをさらに含んでいる。
【0030】
装置がウェットエッチングプロセスにおいて使用される場合、エッチング薬液または調合薬液は、噴射ヘッド機構を介して回転している基板の表面へ運ばれ、基板の表面上のフィルムが部分的にエッチングされるか、もしくは完全に除去される。
【0031】
ウェットエッチングプロセスにおいて、通常、エッチング薬液または調合薬液は、噴射ヘッド機構600を介して回転している基板100の表面へ運ばれ、基板100の表面上のフィルムが部分的にエッチングされるか、もしくは完全に除去される。温度は、腐食速度および均一性に影響する重要なパラメータの一つである。そのため、本出願の装置、および上述の処理方法を通じて、基板およびその表面の液体の温度を、区分ごとに動的および正確に制御することができる。それにより、良好なエッチング速度および均一な制御を得ることができ、集積回路のウェットエッチングプロセスの加工精度および安定性が向上する。
【0032】
これには限られないが、エッチング薬液が、フッ化水素酸、アンモニア水、塩酸、硫酸、過酸化水素、フッ化水素酸と硝酸の混合液、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合液、アンモニアと過酸化水素と純水の混合液、および塩酸と過酸化水素と純水の混合液などを含む場合、第二温度は19~75℃の範囲にある。
【0033】
これには限られないが、エッチング薬液が硫酸と過酸化水素の混合液を含む場合、第二温度は80~200℃の範囲にある。
【0034】
これには限られないが、エッチング薬液がリン酸を含む場合、第二温度は120~165℃の範囲にある。
【0035】
<第二実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は、第一実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図12に示すように、第一チャック401が二等分されている点である。第一チャック401には、径方向に並んで十六個のキャビティが設けられており、各キャビティの上端面には、複数の流体排出孔4013が均等に配置されている。十六個のキャビティは、第一チャック401の二つの領域に均等に配置されている。二つの領域のそれぞれに、キャビティが八つずつ配置されている。図12は第一チャック401のレイアウトを示す上面図である。
【0036】
その他すべての構成は第一実施形態と同じである。
【0037】
<第三実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は、第一実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図13に示すように、第一チャック401が丸まま使用されており、径方向に並んだ十六個のキャビティが直接、第一チャック401に設けられているという点である。各キャビティの上端面には、複数の流体排出孔4013が均等に配置されている。十六個のキャビティ4011は、第一チャック401において異なる半径上に均等に位置する。十六個のキャビティ4011の形状は円形であり、同心円状に配置されている。図13は、このような第一チャック401のレイアウトを示す上面図である。
【0038】
その他すべての構成は第一実施形態と同じである。
【0039】
<第四実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は第一実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図16に示すように、開閉弁501、マスフローコントローラ502、および加熱装置503が、各キャビティに接続されている流体供給管に配置されているという点である。開閉弁501は、各流体供給管を流れる流体の切換を制御するように構成されている。マスフローコントローラ502は、各流体供給管を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されている。加熱装置503は各流体供給管内の流体を加熱するように構成されている。マスフローコントローラ502を、第一実施形態における流体供給主管406ではなく各流体供給管に配置するように調整する。この場合、マスフローコントローラ502を制御及び調整することで流体の流速を制御可能であり、それによって流体を用いた基板100の加熱を制御する。また、加熱装置503を制御して各流体供給管内の流体を加熱し、流体の温度を調整することによって、基板100の加熱を制御する。実際のプロセスにおいて、マスフローコントローラ502が別に制御および調整可能であるか、加熱装置503が別に制御および調整可能であるか、もしくはマスコントローラ502および加熱装置503の両方が同時に調整可能である。複数の制御スキームは様々な状況に適応可能であり、制御をより便利に、効率的に、調整可能に、制御可能に、および正確にする。
【0040】
本実施形態のその他の構成は、第一実施形態の構成と同じである。
【0041】
本実施形態にかかる基板処理方法は、第一実施形態における基板処理方法とほぼ同じである。異なる点は、本実施形態において、マスフローコントローラを制御してあるエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体の流量を調整し、および/または加熱装置を制御してそのエリアに対応する半径上に位置するキャビティ内の流体の熱エネルギーを調整することで、各流体供給管内の流体の熱エネルギーは制御され、それによって、液体ノズルに対応する基板100の下方に配置されているキャビティ4011内の流体の熱エネルギーを制御して、そのキャビティ4011における複数の流体排出孔4013から噴射される流体の熱エネルギーを第二熱エネルギーに到達させ、第二熱エネルギーを持つ流体が基板100を第二温度まで加熱する点である。液体ノズルが、基板100の径方向に沿って基板100の中心から縁部へ移動する間、制御機構は複数のキャビティ4011内の流体の流量を制御することにより、基板100の局地温度を急速に上昇させて第二温度にする。この点において、複数のキャビティ4011は基板100の中心から縁部にかけて、徐々に大きくなるように放射状に配置されており、それぞれ対応する基板100の領域が確実に急速に加熱されるようにしている。
【0042】
マスフローコントローラ502を制御および調整することで流体の流速を調整し、流体に含まれる熱エネルギーを第二熱エネルギーに到達させる場合、制御機構は、基板100が実際に加熱される領域および加熱の均一性に応じて、流体の流速をマスフローコントローラ502を通じて調整する。それによって、上述の目的および効果が実現される。
【0043】
詳細は図14aおよび図14bを参照されたい。図14aおよび図14bは、複数の流体排出孔4013から排出される流体の噴流の流速および軌道を示す。各流体供給管におけるマスフローコントローラ502を調整することで、複数の流体排出孔4013から流れ出る流体の流速を変更することができ、それによって角度θの大きさを変更する。角度2θは、流体の噴流の軌道の境界線によって形成される円錐の頂角を表す。流速が大きく、角度θが小さいほど、その流速の状態におけるキャビティ4011に対応する基板100の加熱領域が小さくなる。逆に、流速が小さく、角度θが大きいほど、その流速の状態におけるキャビティ4011に対応する基板100の加熱領域が大きくなる。角度θが大きいほど、各流体排出孔4013から噴射される流体が基板100を加熱する領域が大きくなる。それにより、キャビティ4011に対応する基板100の領域を加熱しつつ、キャビティ4011に隣接する隣接キャビティに対応する基板100の領域を予熱することが可能となる。したがって、キャビティ4011に隣接する隣接キャビティに対応する基板100の領域も加熱する場合、基板100を所望の温度に到達させるのに必要な時間が減少し、より効率的になる。
【0044】
本実施形態において、流体に含まれる熱エネルギーの調整が加熱装置503によって実現される場合、その制御方法は第一実施形態における制御方法と同じである。
【0045】
<第五実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は第一実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図17に示すように、各キャビティにつながっている流体供給管が、第一流体供給支管および第二流体供給支管に接続されている点である。開閉弁501aは各第一流体供給支管に配置されており、開閉弁501bは各第二流体供給支管に配置されている。
【0046】
複数の第一流体供給支管は第一流体供給主管4061に接続されており、複数の第二流体供給支管は第二流体供給主管4062に接続されている。マスフローコントローラ502aおよび加熱装置503aは第一流体供給主管4061に配置されており、マスフローコントローラ502bおよび加熱装置503bは第二流体供給主管4062に配置されている。そのうち、開閉弁501a、501bは、それぞれ対応する流体供給支管を流れる流体を開放または遮断するように構成されている。マスフローコントローラ502a、502bは、それぞれ第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されている。加熱装置503a、503bは、それぞれ第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062内の流体を加熱するように構成されている。第一流体供給主管4061はバイパス支管407aと接続されており、第二流体供給主管4062はバイパス支管407bと接続されている。
【0047】
本実施形態のその他の構成は、第一実施形態の構成と同じである。
【0048】
本実施形態にかかる基板処理方法は、第一実施形態における基板処理方法とほぼ同じである。異なる点は、流体供給主管は、本実施形態においては第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062の二つ設けられているという点である。加えて、各流体供給管は二つの流体供給支管に接続されており、二つの流体供給支管は二つの流体供給主管4061、4062に接続されている。
【0049】
制御機構が加熱機構400を制御して基板100を加熱するプロセス中、まず、第一流体供給主管4061に接続されている複数の第一流体供給支管におけるすべての開閉弁501aが制御されて開く。加熱装置503aが制御されて、第一流体供給主管4061を流れる流体を加熱する。流体は複数の第一流体供給支管および流体供給管を流れ、各キャビティの複数の流体排出孔4013を通じて基板100の全体を第一温度まで予熱する。第一流体供給主管4061内の流体の熱エネルギーが第一熱エネルギーに到達する前に、流体はバイパス支管407aを介して装置の外へ排出される。
【0050】
液体ノズルが基板100の径方向に沿って基板の中心から縁部に移動する間、液体ノズルが基板100の上方のあるエリアへ移動しているとき、そのエリアに対応する加熱板の半径上に位置するキャビティにつながっている流体供給管に接続されている第一流体供給支管における開閉弁501aは、閉じられる。その一方で、第二流体供給支管における開閉弁501bは開かれる。液体ノズルの位置に対応する基板100の下方のキャビティに接続されている第二流体供給主管4062を流れる流体は加熱され、そのキャビティにおける複数の流体排出孔4013を通じて、液体ノズルの位置に対応する基板の領域を第二温度まで加熱する。第二流体供給主管4062内の流体の熱エネルギーが第二熱エネルギーに到達する前に、流体はバイパス支管407bを介して装置の外へ排出される。
【0051】
二つの流体供給主管4061、4062を配置することで、二つの流体供給主管4061、4062内の流体の熱エネルギーが異なる。第一流体供給主管4061は、基板100の全体を予熱することができる。第二流体供給主管4062内の流体は、第二流体供給主管4062によって複数の流体供給管に供給される前に、加熱されて第二熱エネルギーになる。流体が複数の流体供給管へ流れる際に温度変化はより速くなり、基板100の加熱の制御はより正確になり、作業効率はより高くなる。
【0052】
<第六実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は第五実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図18に示すように、各キャビティにつながっている流体供給管が、第一流体供給支管、第二流体供給支管、および第三流体供給支管に接続されている点である。開閉弁501aは各第一流体供給支管に配置されている。開閉弁501bは各第二流体供給支管に配置されている。開閉弁501cは各第三流体供給支管に配置されている。複数の第一流体供給支管は第一流体供給主管4061に接続されており、複数の第二流体供給支管は第二流体供給主管4062に接続されており、複数の第三流体供給支管は第三流体供給主管4063に接続されている。第一流体供給主管4061はバイパス支管407aに接続されており、第二流体供給主管4062はバイパス支管407bに接続されている。マスフローコントローラ502a、502b、502cは、それぞれ第一流体供給主管4061、第二流体供給主管4062、および第三流体供給主管4063に配置されている。加熱装置503a、503bは、それぞれ第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062に配置されている。そのうち、開閉弁501a、501b、501cは、それぞれ対応する流体供給支管を流れる流体を開放または遮断するように構成されている。マスフローコントローラ502a、502b、502cは、それぞれ流体供給主管4061、4062、4063を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されている。加熱装置503a、503bは、それぞれ第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062内の流体を加熱するように構成されている。
【0053】
本実施形態のその他の構成は、第一実施形態の構成と同じである。
【0054】
基板100をクランプ機構200から取り外したあと、次の基板処理を進めるために加熱板を冷却する必要がある。このとき、第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062に接続されている第一流体供給支管および第二流体供給支管に配置されている開閉弁501a、501bを閉じ、第三流体供給主管4063に接続されている第三流体供給支管に配置されている開閉弁501cを開く。これにより、低温の流体を加熱板の各キャビティに供給し、加熱板を急速に冷却し、加熱板の冷却速度を高めて、処理の効率が向上する。
【0055】
ここでの低温の流体とは、室温よりも低い温度の流体のことを指す。低温の流体は、加熱板の複数の流体排出孔4013から流れ出て広がり、クランプ機構200を通り抜け、加熱板が冷却される間、クランプ機構200を冷却する。
【0056】
冷却プロセス中、加熱装置503a、503bを頻繁に切り換えることで装置の寿命に影響が及ぶことを防ぐため、第一流体供給主管4061および第二流体供給主管4062内の流体は、バイパス支管407a、407bを介して装置の外に排出される。次の基板100が乾燥のために装置に入る際、必要な熱エネルギーを持つ流体にすばやく切り換えて基板100の領域の温度を正確に制御することができる。
【0057】
<第七実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は第一実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図19に示すように、各キャビティにつながっている流体供給管が、第一流体供給支管、第二流体供給支管、および第三流体供給支管に接続されている点である。開閉弁501aは各第一流体供給支管に配置されている。開閉弁501bは各第二流体供給支管に配置されている。開閉弁501cは各第三流体供給支管に配置されている。第一流体供給支管は、第一流体供給主管4061に接続されている。第二流体供給支管は、第二流体供給主管4062に接続されている。第三流体供給支管は、第三流体供給主管4063に接続されている。マスフローコントローラ502aおよび加熱装置503aが第一流体供給主管4061に、マスフローコントローラ502bおよび加熱装置503bが第二流体供給主管4062に、マスフローコントローラ502cおよび加熱装置503cが第三流体供給主管4063に配置されている。そのうち、開閉弁501a、501b、501cは、それぞれ対応する流体供給支管を流れる流体を開放または遮断するように構成されている。マスフローコントローラ502a、502b、502cは、それぞれ流体供給主管4061、4062、4063を流れる流体の流量を監視および調整するように構成されている。加熱装置503a、503b、503cは、それぞれ対応する流体供給主管4061、4062、4063内の流体を加熱するように構成されている。第一流体供給主管4061はバイパス支管407aに接続されており、第二流体供給主管4062はバイパス支管407bに接続されており、第三流体供給主管4063はバイパス支管407cに接続されている。
【0058】
本実施形態のその他の構成は、第一実施形態の構成と同じである。
【0059】
本実施形態にかかる基板処理方法は、第一実施形態における基板処理方法とほぼ同じである。異なる点は、本実施形態において流体供給主管は三つあり、各流体供給管は三つの流体供給支管に接続されており、三つの流体供給支管はそれぞれ三つの流体供給主管に接続されている点である。
【0060】
制御機構500が加熱機構400を制御して基板100を加熱するプロセス中、制御機構500は、加熱装置503aを制御して第一流体供給主管4061に流れる流体を加熱する。その後、加熱された流体は、各キャビティの複数の流体排出孔4013を通じて、基板100を第一温度まで加熱するのに使用される。
【0061】
液体ノズルが基板100の径方向に沿って基板100の中心から縁部に移動するプロセス中、液体ノズルが基板100の上方のあるエリアへ移動したとき、そのエリアに対応する加熱板の半径上に位置するキャビティの流体供給管に接続されている第一流体供給支管および第三流体供給支管における開閉弁501a、501cは、閉じられる。その一方で、当該キャビティの流体供給管に接続されている第二流体供給支管における開閉弁501b、および当該キャビティに隣接する別のキャビティの流体供給管に接続されている第三流体供給支管における開閉弁501cは、開かれる。ここでは、隣接する別のキャビティは当該キャビティよりも加熱板の中心から離れている。液体ノズルの位置に対応する基板100の下方の当該キャビティに接続されている第二流体供給主管4062内の流体は、複数の流体排出孔4013を通じて当該キャビティに対応する基板100の領域を第二温度まで加熱する。同時に、第三流体供給主管4063内の、第三熱エネルギーに達した流体は、当該キャビティに隣接する別のキャビティに開口する複数の流体排出孔4013を通じて当該キャビティに流れ、この隣接する別のキャビティに対応する基板100の領域を第三温度まで再予熱する。
【0062】
第三温度は再予熱の際の温度である。第三温度は第一温度より高いが、第二温度よりは低い。本実施形態において、第三温度は、液体の沸点温度よりも低くなるように設定されている。IPAを例にすると、好適な温度は70~78℃の範囲にある。
【0063】
三つの流体供給主管4061、4062、4063を設けることで、三つの流体供給主管4061、4062、4063内の流体の熱エネルギーが異なる。三つの流体供給主管4061、4062、4063内の流体は、流体供給主管内で既に加熱されている。流体を各流体供給管に供給する際、流体供給管内で流体を再加熱する必要はない。これにより、目標領域の温度の正確な制御に影響が及びうる状況を回避する。第一流体供給主管4061は、基板100を予熱するための流体を供給する。第三流体供給主管4063は、第一流体供給主管4061が供給する流体よりも高い温度の流体を供給し、基板100を再予熱する。第二流体供給主管4062は、液体ノズルによって分配される液体の温度を液体の沸点付近の温度に到達させることができる流体を供給することで、液体が基板100に分配されたあと基板100を急速に加熱し、急速に乾燥するという目的を実現することができる。第三流体供給主管4063内の再予熱のための流体は、液体ノズルに対応する基板100の領域の下方のキャビティに隣接する別のキャビティに供給され、隣接する別のキャビティは、液体ノズルに対応する基板100の領域の下方のキャビティよりも加熱板の中心から径方向に離れているということを留意されたい。
【0064】
さらなる詳細については、図7を参照されたい。液体ノズルがキャビティ40111に対応する基板100の領域の上方を移動するとき、基板100は回転駆動機構300によって回転駆動されており、液体ノズルが環状領域または円形領域に液体を分配する。キャビティ40111が扇形である場合、液体ノズルによって分配される液体に対応する領域は円形領域である。キャビティ40111が円弧形の場合、液体ノズルによって分配される液体に対応する領域は環状領域である。このとき、キャビティ40111につながっている複数の流体供給支管における開閉弁の開状態および閉状態は以下の通りである。つまり、第一流体供給主管4061に接続されている第一流体供給支管における開閉弁501aは閉じている。また、第二流体供給主管4062に接続されている第二流体供給支管における開閉弁501bは、第二温度に達している流体をキャビティ40111に供給するために開いている。さらに、第三流体供給主管4063に接続されている第三流体供給支管における開閉弁501cは、閉じている。同時に、加熱板の中心から離れる径方向において、キャビティ40111に隣接するキャビティ40112につながっている複数の流体供給支管における開閉弁の開状態および閉状態は以下の通りである。つまり、第一流体供給主管4061に接続されている第一流体供給支管における開閉弁501a、および第二流体供給主管4062に接続されている第二流体供給支管における開閉弁501bは、閉じている。また、第三流体供給主管4063に接続されている第三流体供給支管における開閉弁501cは、第三熱エネルギーを持つ流体をキャビティ40112に供給するために開いている。液体ノズルが基板の縁部に向かって移動し続けてキャビティ40111を離れ、キャビティ40112に到達する場合、キャビティ40112につながっている複数の流体供給支管における開閉弁の開状態および閉状態は以下の通りである。つまり、第一流体供給主管4061に接続されている第一流体供給支管における開閉弁501aは、閉じている。また、第二流体供給主管4062に接続されている第二流体供給支管における開閉弁501bは、第二熱エネルギーを持つ流体をキャビティ40112に供給するために開いている。さらに、第三流体供給主管4063に接続されている第三流体供給支管における開閉弁501cは、閉じている。同時に、加熱板の中心から離れる径方向において、キャビティ40112に隣接するキャビティ40113には第三熱エネルギーを持つ流体が供給される。やがて、液体ノズルは基板100の縁部に移動して加熱及び乾燥プロセスが完了する。
【0065】
さらに、実際のニーズに合わせて、四つまたは五つの流体供給主管などを設け、基板100を乾燥させる温度をより正確に制御するための目標要件を満たすこともできる。例えば、四つの流体供給主管が設けられている場合、各流体供給管は四つの流体供給支管に接続されており、開閉弁が各流体供給支管に設けられる。液体ノズルが、キャビティ40111に対応する基板100の領域の上方を移動して基板100に液体を分配する場合、キャビティ40111につながっている複数の流体供給支管における開閉弁の開状態および閉状態は以下の通りである。つまり、第一流体供給主管に接続されている第一流体供給支管における開閉弁は、閉じている。また、第二流体供給主管に接続されている第二流体供給支管における開閉弁は、第二熱エネルギーを持つ流体をキャビティ40111に供給するために開いている。さらに、第三流体供給主管に接続されている第三流体供給支管における開閉弁、および第四流体供給主管に接続される第四流体供給支管における開閉弁は、閉じている。同時に、加熱板の中心から離れる径方向において、キャビティ40111に隣接するキャビティ40112につながっている複数の流体供給支管における開閉弁の開状態および閉状態は以下の通りである。つまり、第一流体供給主管に接続されている第一流体供給支管における開閉弁、および第二流体供給主管に接続されている第二流体供給支管における開閉弁は閉じている。また、第三流体供給主管に接続されている第三流体供給支管における開閉弁は、第三熱エネルギーを持つ流体をキャビティ40112に供給するために開いている。さらに、第四流体供給主管に接続されている第四流体供給支管における開閉弁は閉じている。同時に、加熱板の中心から離れる径方向において、キャビティ40112に隣接するキャビティ40113につながっている複数の流体供給支管における開閉弁の開状態および閉状態は以下の通りである。つまり、第一流体供給主管に接続されている第一流体供給支管における開閉弁、第二流体供給主管に接続されている第二流体供給支管における開閉弁、および第三流体供給主管に接続されている第三流体供給支管における開閉弁は、閉じている。また、第四流体供給主管に接続されている第四流体供給支管における開閉弁は、第四熱エネルギーを持つ流体をキャビティ40113に供給するために開いている。第一温度は保温温度である。第二温度は、おおよそ、液体ノズルによって基板100に分配される液体が沸点に到達する温度である。第三温度および第四温度は予熱温度である。第三温度および第四温度は同じ温度でも異なる温度でもよいが、どちらも第一温度より高く、第二温度より低い必要がある。予熱温度を沸点温度よりも低く設定することで、液体ノズルが当該領域に到達する前に当該領域内の液体が沸騰しないことを保証できる。
【0066】
基板処理方法は、基板をクランプ機構で保持するプロセスと、クランプ機構を駆動させて基板を回転するプロセスと、噴射ヘッド機構の液体ノズルを介して基板の表面に液体を分配するプロセスと、を備える。液体ノズルが基板の中心から縁部に径方向に移動するプロセス中、液体ノズルが基板の上方のあるエリアへ移動したとき、そのエリアと同じ半径の基板領域は、第二熱エネルギーを持つ流体を基板の下部に噴射することで加熱され、液体ノズルの下の基板の局地温度が上昇する。
【0067】
さらに、本方法は、噴射ヘッド機構の液体ノズルを介して基板の表面に液体を分配する前に、第一熱エネルギーを持つ流体を基板の下部の全体に噴射して基板の全体を予熱するプロセスを備える。
【0068】
さらに、基板上のあるエリアと同じ半径の基板領域を、第二熱エネルギーを持つ流体を基板の下部に噴射することで加熱しつつ、基板上のそのエリアと同じ半径の基板領域と隣接する別の領域を、第三熱エネルギーを持つ流体を基板の下部に噴射することで再予熱する。隣接する別の領域とは、そのエリアに隣接する領域に対応する。
【0069】
さらに、流体は気体または液体である。
【0070】
さらに、温度、および/または第二熱エネルギーを持つ流体の流量を制御して局地的に基板上のそのエリアと同じ半径の基板領域を加熱することで、液体ノズルの下の基板の局地温度を上昇させる。
【0071】
さらに、基板をクランプ機構から取り外したあと、低温の流体を供給することで加熱板の温度を下げる。
【0072】
<第八実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は第一実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、図20における、本発明の本実施形態にかかる、組み立てられた第一チャックおよび第二チャックの横断面図が示すとおりである。図20に示すように、加熱素子408が第一チャック401および第二チャック402の間に配置されている。加熱素子408は、キャビティ4011内の流体を加熱すると共に、第一チャック401の全体を加熱するために使用される。プロセス中、加熱要件に応じて、加熱素子408の数は一つ以上とすることができる。加熱素子408の数が一つよりも大きい場合、加熱素子408の配置位置および構造設計は実際の要件に応じて設定することができる。本実施形態では、主に加熱素子408の数が一つである場合について説明する。本実施形態における加熱素子408は板状構造である。複数の連通孔4081が加熱素子408に設けられており、それらの連通孔4081は第一流体供給通路4021を複数の流体導入孔4012とつなげている。図5を参照すると、流体が、軸体403における第二流体供給通路4031および第二チャック402における第一流体供給通路4021を通って第一チャック401におけるキャビティ4011に流れるとき、流体は、加熱素子408における連通孔4081および第一チャック401における流体導入孔4012を通じてキャビティ4011に入る。加熱素子408は直接的にキャビティ4011内の流体を加熱し、同時に、板型構造の加熱素子408は第一チャック401と直接接触する位置により熱放射によって第一チャック401の全体を直接加熱する。これにより、第一チャック401の温度を上昇させる。したがって、基板100を予熱する際、予熱効果をより速く実現することができる。
【0073】
プロセス中、流体が、流体供給管、第二流体供給通路4031、第一流体供給通路4021、および流体導入孔4012を通ってキャビティ4011に到達する際、各部品は室温であるが流体は高温の熱エネルギーを持つため、流体の温度は通り抜ける部品の温度よりも高い。したがって、流体は、通り抜ける部品との対流熱交換を通じて熱を各部品に移し、自身が持つ熱エネルギーを減らす。結果として、流体がキャビティ4011を流れ出るときは熱エネルギーが不十分になる。流体が基板100に流れたとき、基板100上の対応する位置の温度を目標温度まで急速に上昇させることができず、基板100上の液体の蒸発および乾燥効果に影響が及ぶ。隣接する特徴パターン構造が液体の表面張力により引っ張られるかもしれず、それによって特徴パターン構造が損傷して基板100の処理の歩留まりに影響が及ぶ可能性がある。
【0074】
本発明の本実施形態において、加熱素子408は第一チャック401および第二チャック402の間に配置されている。プロセス中、流体は、各流体供給管、第二流体供給通路4031、および第一流体供給通路4021を通ったあと、流体は第一チャック401における流体導入孔4012を通じてキャビティ4011に流れ込む。加熱素子408は、キャビティ4011内の流体を加熱して流体の熱エネルギーを増加させる。流体の熱エネルギーが増加して、基板100上の対応する位置の温度を目標温度まで急速に上昇させる要件を満たす。そのあと、流体はキャビティ4011に開口する複数の流体排出孔4013を流れ出て基板100に向かって流れ、基板100を急速に加熱する。加熱素子408は流体の二次的な加熱の効果を実現して、基板100上の対応する位置の温度を急速に目標温度まで上昇させることを保証し、基板100上の当該位置における液体の気化プロセスを十分に速くできる。また、隣接する特徴パターン構造が液体の表面張力により引っ張られないようにし、乾燥プロセス中、基板100の表面上の微細パターン構造が損傷することを効果的に回避する。
【0075】
本実施形態のその他の構成は、第一実施形態の構成と同じである。
【0076】
本実施形態にかかる基板処理方法は、第一実施形態における基板処理方法とほぼ同じである。異なる点は、本実施形態におけるプロセス中、制御機構は各加熱装置503を制御して流体を加熱する際、同時に、加熱素子408がオンになる点である。加熱素子408の加熱温度は事前に設定される。加熱素子408の加熱温度は、実際のプロセス要件に応じて設定することができ、本発明においては限定されるものではないということを理解されたい。例えば、本発明のこの例示的な実施形態において、加熱素子408の加熱温度は80℃に設定されて、第一チャック401内のキャビティ4011に入るところである流体の対流加熱に備えられている。
【0077】
<第九実施形態>
本実施形態は基板処理装置を提供する。本装置の構成は第八実施形態における基板処理装置の構成とほぼ同じである。異なる点は、本発明の本実施形態にかかる組み立てられた第一チャックおよび第二チャックの横断面図を示す図21を参照する。図21に示すように、基板処理装置はさらに冷却機構を含む。冷却機構は、第一チャック401に設けられている冷却部を含む。冷却部の実際の選択肢は、複数の冷却溝、複数の冷却キャビティ、複数の冷却管、およびそれらの様々な組み合わせを含むが、これらに限定されない。具体的な種類は、実際のプロセス要件に応じて選択することができる。冷却部は、第一チャック401または第二チャック402の温度を下げるように構成されており、それにより、現在のプロセス作業の完了後、次の基板100のRCAプロセス(化学標準プロセス)が、第一チャック401または第二チャック402が高温であることの影響を受けることが回避される。
【0078】
冷却プロセス中、冷却部が第一チャック401の温度を下げるように構成されている場合、冷却部の形式は以下を含むがこれらに限定されない。
【0079】
一つ目の形式において、冷却部701は冷却管である。図22を参照されたい。図22は、本発明の実施形態において、冷却部が冷却管であり、かつ第一チャック内に配置されている場合の構成を示す概略図である。図22に示すように、冷却部701は第一チャック401に埋め込まれている。さらに、第一チャック401の各キャビティ4011の周囲にはそれぞれ収容キャビティが配置されており、冷却部701は収容キャビティの中に設けられている。
【0080】
二つ目の形式において、冷却部701は冷却管である。図23を参照されたい。図23は、本発明の実施形態において、冷却部が冷却管であり、かつ第一チャックの上面に配置されている場合の構成を示す概略図である。図23に示すように、冷却部701は第一チャック401の上面に設けられており、各キャビティ4011の上方にはそれぞれ対応する冷却部701が設けられている。具体的には、第一チャック401の上面には収容溝が開口しており、この収容溝内に冷却部701は配置されている。同時に、第一チャック401の上面には封止層410が設けられている。複数の冷却部701がそれぞれの収容溝内に配置されたあと、封止層410が第一チャック401に固定的に接続されることで複数の収容溝の開口端を封止する。実際の設計プロセスにおいて、冷却部701の数および形状は、実際のニーズに合わせて選択可能である。本発明の本実施形態において、複数のキャビティ4011とそれぞれ対応するエリアに設けられている冷却管は、同じ冷却管である。具体的な構成については、図24を参照されたい。図24は、本発明の実施形態における冷却管の構成を示す概略図である。図24に示すように、冷却管はコイル状の構造を備える。
【0081】
三つ目の形式については図25を参照されたい。図25は、本発明の実施形態において、冷却部が冷却キャビティである場合の構成を示す概略図である。図25に示すように、冷却部701が冷却キャビティの場合、冷却キャビティは第一チャック401内に配置されている。本形式は、一つ目の形式における収容キャビティから冷却管を取り除いた形式であり、冷却キャビティは冷却部701として直接機能することを理解されたい。
【0082】
四つ目の形式は図26を参照されたい。図26は、本発明の実施形態において、冷却部が冷却溝である場合の構成を示す概略図である。図26に示すように、冷却部701が冷却溝である場合、冷却溝は第一チャック401の上面に開口する。同様に、封止層410が第一チャック401の上面に設けられており、第一チャック401に固定的に接続されることで複数の冷却溝の開口端を封止する。本形式は、二つ目の形式における収容溝から冷却管を取り除いた形式であり、冷却溝が冷却部701として直接機能することを理解されたい。
【0083】
さらに、第一チャック401は保護層で覆われている。第一チャック401の上面に設けられている封止層410は保護層を兼ねることができる。例えば、冷却部701が上述の二つ目または四つ目の形式で設計される場合、封止層410は保護層として機能する。また、封止層410は、テフロン(登録商標)などの耐食性、耐熱性、および断熱性に優れた材料からなる。テフロン製の封止層410は、プロセス中、第一チャック401が薬液により腐食することを防ぐことができる。冷却部701が上述の二つ目または四つ目の形式で設計され、かつ封止層410および保護層が独立して設けられている場合、保護層は、封止層410の上面および側面、および第一チャック401の外面を覆い、耐食性、耐熱性、および断熱性に優れたテフロン材が、保護層の材料として使用される。冷却部701が上述の一つ目または三つ目の形式で設計される場合、封止層410が設けられていないため、保護層が第一チャック401の外面を覆い、耐食性、耐熱性、および断熱性に優れたテフロン材が、保護層の材料として使用される。保護層の設置は、加熱板内に熱を閉じ込める助けになる。
【0084】
冷却部として三つ目および四つ目の形式が選択されると、冷却管が除去され、冷却溝および冷却キャビティが第一チャック401上に直接設計される。これにより、装置の準備が単純になり、費用対効果が高くなる。
【0085】
冷却部701が第二チャック402の温度を下げるように構成されている場合、上述の二つ目の形式を採用できる。つまり、冷却部701は冷却管であり、第二チャック402内に直接埋め込まれている。または、三つ目の形式を採用できる。つまり、第二チャック402内に配置されている冷却キャビティが冷却部701として機能する。実際のプロセスにおける作業の利便性を考慮して、本実施形態においては、冷却キャビティは第二チャック402内に配置されている。図27は、本発明の実施形態にかかる、第二チャックを冷却する冷却機構を示す例示的な概略図である。
【0086】
図28を参照されたい。図28は、本発明の実施形態にかかる、第一チャックを冷却する冷却機構を示す例示的な概略図である。図22図23図25図26、または図27とあわせた図28に示すように、冷却部701の入口は、第二チャック402に開口する冷却液入口4022に接続されている。また、冷却液入口4022は、軸体403に配置される第三流体供給通路4032に接続されている。冷却部701の出口は、第二チャック402に開口する冷却液出口4023に接続されている。また、冷却液出口4023は、軸体403に配置されている第四流体供給通路4033に接続されている。軸体403の下部には、第三流体供給通路4032につながるコネクタ4041、および第四流体供給通路4033につながるコネクタ4042が設けられている。
【0087】
ある実施形態において、冷却部701の入口は供給管に接続されており、この共有管は、第二チャック402に開口する冷却液入口4022、および軸体403内の第三流体供給通路4032を通って外側に到達してコネクタ4041とつながっている。また、冷却部701の出口は供給管に接続されており、この供給管は、第二チャック402に開口する冷却液出口4023、および軸体403内の第四流体供給通路4033を通って外側に到達してコネクタ4042とつながっている。
【0088】
第三流体供給通路4032に接続されているコネクタ4041は、液体を冷却部701に供給するための少なくとも一つの導入管に接続されている。本発明の本実施形態では、コネクタ4041は、液体を冷却部701に供給するための導入管40222を接続するように選択されている。液体を各冷却部701に供給するためにコネクタ4041に接続される導入管の数は、ニーズに合わせて選択可能である。冷却部701に液体を供給するための導入管には、導入管を流れる液体を冷却するための冷却装置402221が備え付けられている。第四流体供給通路4033に接続されているコネクタ4042は、各冷却部701から液体を排出するための少なくとも一つの導出管に接続されている。本発明の本実施形態において、コネクタ4042は、冷却部701から液体を排出するための導出管40224を接続するように選択されている。開閉弁は、導入管40222および導出管40224のそれぞれに配置されており、導入管40222および導出管40224を流れる液体を開放または遮断するように構成されている。図28に示すように、本発明の本実施形態において、開閉弁4043が導入管40222に配置されており、開閉弁4046が導出管40224に配置されている。
【0089】
第三流体供給通路4032に接続されているコネクタ4041は、気体を冷却部701に供給するための少なくとも一つの吸気管に接続されている。本発明の本実施形態において、コネクタ4041は、気体を冷却部701に供給するための吸気管40221を接続するために設けられている。気体を冷却部701に供給するための吸気管の数は、実際のニーズに合わせて選択可能である。第四流体供給通路4033に接続されているコネクタ4042は、冷却部701から気体を排出するための少なくとも一つの排気管に接続されている。本発明の本実施形態において、コネクタ4042は、冷却部701から気体を排出するための排気管40223に接続されている。同様に、開閉弁が吸気管40221および排気管40223のそれぞれに配置されており、吸気管40221および排気管40223を流れる気体を開放または遮断する。図28に示すように、本発明の本実施形態において、開閉弁4044が吸気管40221に配置されており、開閉弁4045が排気管40223に配置されている。
【0090】
ある実施形態において、第一チャック401の製造材料は金属である。この例示的な実施形態において、第一チャック401の製造材料の選択肢は、ハステロイ、アルミニウム合金、およびニッケル基合金を含むが、これらには限定されない。第一チャック401は金属材料からなるため、良好な熱伝導性、および急速な放熱といった特徴を持つ。良好な断熱性および耐食性を持つ封止層410は、プロセス中に第一チャック401が急速に放熱しすぎて基板100における流体の加熱効果に影響が及ぶことを防ぐことができる。第二チャック402の製造材料は非金属である。この例示的な実施形態において、第二チャック402の製造材料の選択肢は、PEEKやテフロンなどの耐熱性および耐食性を持つプラスチックを含む。異なる熱伝導性および熱膨張係数を持つ複数の材料の特性に基づいて、第一チャック401の製造材料として高い熱伝導性および低い熱膨張係数を持つ金属材料を使用し、第二チャック402の製造材料として低い熱伝導性を持つ非金属材料を使用する。
【0091】
基板100上での高熱の流体による乾燥プロセスが完了したあと、第一チャック401の温度が高すぎて、次の基板100の乾燥に影響が及びやすい。本発明における冷却機構は、乾燥プロセス後、第一チャック401に対して良好な冷却効果を持つ。
【0092】
別の実施形態において、第一チャック401の製造材料は非金属である。この例示的な実施形態において、第一チャック401の製造材料の選択肢は、PEEKやテフロンなどの耐熱性および耐食性を持つプラスチックを含む。第二チャック402の製造材料は金属である。この例示的な実施形態において、第二チャック402の製造材料の選択肢は、アルミニウム合金、ハステロイ、およびニッケル基合金などを含む。本発明の本実施形態において、異なる熱伝導性および熱膨張係数を持つ複数の材料の特性質に基づいて、第一チャック401の製造材料として低い熱伝導性を持つ非金属を使用することで、流体が第一チャック401を通り抜けるときの熱損失を確実に最小限にする。同時に、本プロセス作業の完了後、第一チャック401が高温であることで次の基板100に対するRCAプロセス(化学標準プロセス)に影響が及ぶことを回避することができる。第二チャック402の製造材料として、低い熱膨張係数を持つ金属を使用することで、高温の流体が通り抜けるときに第二チャック402が変形しにくいことを保証できる。第一チャック401および第二チャック402は互いに支持している。また、第二チャック402の熱膨張係数が低いことも第一チャック401の助けになっており、これによって第一チャック401が変形するのを防ぐ。
【0093】
図25および図26を参照すると、断熱層409が第二チャック402および加熱素子408の間に設けられている。断熱層409を設けることで、キャビティ4011内の流体を加熱するために使用される熱を最大にするために、加熱素子408からの熱が第二チャック402の上方に隔離される。
【0094】
本発明の本実施形態において、第二チャック402の外面を耐食層で覆い、プロセス中に金属材料からなる第二チャック402が薬液およびプロセス環境により腐食するのを防ぐことで、装置を保護する。例えば、テフロンコーティングが耐食層として選択される。
【0095】
本実施形態のその他の構成は、第八実施形態の構成と同じである。
【0096】
本実施形態にかかる基板処理方法は、第八実施形態における基板処理方法とほぼ同じである。異なる点は、本実施形態において、制御機構が、第一チャック401または第二チャック402を冷却するために冷却機構を制御するようにも構成されている点である。
【0097】
具体的には、基板100を加熱および乾燥するプロセスが完了したあと、制御機構は、冷却部701の入口および出口に接続されている導入管40222および導出管40224における開閉弁4043、4046を開く。冷却装置402221を制御し、導入管40222を流れる液体の温度を冷却して低温にする。本発明の本実施形態における低温とは、20℃以下の範囲の温度を指す。冷却された低温の液体は、軸体403内の第三流体供給通路4032、冷却液入口4022、および冷却部701の入口を介して冷却部701に入り、第一チャック401または第二チャック402を冷却する。続けて、液体は冷却部701の出口、冷却液出口4023、および軸体403内の第四流体供給通路4033を介して冷却部701を流れ出て、冷却部701の出口に接続されている導出管40224を介して排出される。低温の液体を供給する期間はT1であり、その間に第一チャック401または第二チャック402の全体の温度を室温まで下げる。それから、冷却装置402221を閉じ、開閉弁4043、4046を閉じる。
【0098】
さらに、第一チャック401または第二チャック402の全体の温度が室温まで下がったら、制御機構は、冷却装置402221および開閉弁4043、4046を閉じたあと、吸気管40221および排気管40223における開閉弁4044、4045を開く。気体は、軸体403における第三流体供給通路4032、冷却液入口4022、および冷却部701の入口を介して冷却部701に入る。そのあと、冷却部701の出口、冷却液出口4023、および軸体403内の第四流体供給通路4033を介して冷却部701を流れ出て、冷却部701の出口に接続されている排気管40223を介して排出される。気体は期間T2の間、冷却部701の内部を通って冷却部701の内部を乾燥させる。好適には、乾燥プロセスを速めるために、冷却部701内に供給される気体として乾燥ガスを選択する。
【0099】
期間T1および期間T2の間、冷却機構が処理したあと、第一チャック401または第二チャック402はすぐに室温まで戻り、冷却部701の内部環境もまた乾燥状態に戻る。
【0100】
上述のように、乾燥プロセス中、ある実施形態において、基板100の回転速度を1100rpm、第一熱エネルギーを持つ流体の流量を280L、第一熱エネルギーを持つ流体の温度を80℃に設定した条件のもとで、本発明により提供される基板処理方法は基板を処理するために使用される。実験結果は、図29を参照されたい。図29は、本発明の実施形態にかかる、第一熱エネルギーを持つ流体を用いた基板の予熱に関する温度曲線変化を示す。図29に示すように、模擬実験によると、基板100の表面の温度は、第一熱エネルギーに到達した流体を用いた予熱によって、15秒以内に室温から70℃に到達することができる。
【0101】
図30a図30cは、本発明の第一実施形態、第四実施形態、および第五実施形態の基板処理方法に従って基板を処理する場合に液体ノズルが移動することによって起こる、基板の異なる領域の温度変化曲線を示す。図15図16図17、および図30a図30cをあわせて参照すると、ある実施形態において、IPAが例示的な乾燥用流体である場合、基板100の乾燥プロセスは、第一実施形態、第四実施形態、および第五実施形態の方法を用いて実行される。また、第一チャック401における複数のキャビティ4011の一つにはRという符号が振られている。さらに、径方向において、第一チャック401の中心に近い側でキャビティRに隣接するキャビティにはR-1、第一チャック401の縁部に近い側でキャビティRに隣接するキャビティにはR+1という符号が振られている。キャビティR+1に隣接するキャビティにはR+2という符号が振られている。ここでは、Rは一以上の正の整数である。Rが一と等しい場合、液体ノズルが基板100の中心に位置することを示す。液体ノズルが基板100の中心の上方を移動するとき、基板100の表面に液体を分配する前に、制御機構は加熱装置503を制御して、流体供給管を流れる流体を第一熱エネルギーまで加熱する。第一熱エネルギーに到達した液体は、各キャビティ4011の複数の流体排出孔4013を通じて基板100を第一温度まで加熱する。第一温度は予熱温度であり、予熱温度は本実施形態においては70℃である。図29における実験結果のデータをあわせて参照すると、基板100の表面は15秒以内に室温から70℃に到達することができ、基板100の予熱が完了する。
【0102】
液体ノズルが基板100の径方向に沿って基板100の中心から縁部に移動する間、液体ノズルが基板100の上方のあるエリアへ移動したとき、制御機構は、加熱装置503を制御してR-1と符号が振られているキャビティ4011内の流体を第二熱エネルギーまで加熱する。ここで、R-1と符号が振られているキャビティ4011は、そのエリアに対応する半径上に位置する。そして、第二熱エネルギーを持つ流体が、R-1と符号が振られているキャビティ4011における複数の流体排出孔4013を通じてそのエリアに対応する基板100の領域を第二温度まで加熱する。本プロセスの第二温度は82℃であり、そのエリアに対応する基板100の領域の温度は70℃から82℃まで急速に上昇する。このとき、図30aに参照するように、R-1と符号が振られているキャビティ4011から径方向に離れたキャビティR、キャビティR+1、およびキャビティR+2の温度は、70℃の予熱状態を保つ。液体ノズルが基板100の上方において、そのエリアに径方向に隣接する次のエリアへ移動したとき、つまり、液体ノズルがRと符号が振られているキャビティ4011に対応する基板100の上方のエリアへ移動したとき、制御機構は加熱装置503を制御してRと符号が振られているキャビティ4011内の流体を第二熱エネルギーまで加熱する。そして、第二熱エネルギーを持つ流体が、Rと符号が振られているキャビティ4011における複数の流体排出孔4013を通じて、そのエリアに隣接するエリアに対応する基板100の領域を第二温度まで加熱する。第二温度は82℃で、そのエリアに隣接するエリアに対応する基板100の領域の温度は70℃から82℃まで急速に上昇し、やがて基板100の全体の表面が処理される。
【0103】
別の実施形態において、IPAが例示的な乾燥用流体であり、かつ第七実施形態の基板処理方法を用いて基板100を乾燥する場合、図19および図31a~図31cを参照されたい。図31a図31cは、本発明の第七実施形態の基板処理方法に従って基板を処理する際の液体ノズルの移動に伴う基板の異なる領域の温度変化曲線を示す。同様に、第一チャック401における複数のキャビティ4011の一つにはRという符号が振られている。また、第一チャック401の径方向において、第一チャック401の中心に近い側でキャビティRに隣接するキャビティ4011にはR-1、第一チャック401の縁部に近い側でキャビティRに隣接するキャビティ4011にはR+1という符号が振られている。さらに、キャビティR+1に隣接するキャビティ4011にはR+2という符号が振られている。制御機構は、加熱装置503aを制御して第一流体供給主管4061を流れる流体を加熱する。加熱された流体が、各キャビティの複数の流体排出孔4013を通じて基板100を第一温度まで加熱することで、基板100の予熱が完了する。第一温度は70℃である。
【0104】
その後の基板処理において、液体ノズルが基板100の径方向に沿って基板100の中心から縁部に移動する間、液体ノズルが基板100の上方のあるエリアに移動すると、加熱板の、そのエリアに対応する半径上に位置し、R-1と符号が振られているキャビティ4011につながっている流体供給管に接続されている第一流体供給支管における開閉弁501a、および第三流体供給支管における開閉弁501cは、閉じられる。また、R-1と符号が振られているキャビティ4011に接続されている第二流体供給支管における開閉弁501bは、開かれる。さらに、Rと符号が振られているキャビティ4011に接続されている第三流体供給支管における開閉弁501cは、開かれ、第一流体供給支管および第二流体供給支管における開閉弁501a、501bは、閉じられる。液体ノズルの位置に対応する基板100の下方のキャビティに接続されている第二流体供給主管4062内の流体を制御することで、R-1と符号が振られているキャビティ4011の複数の流体排出孔4013を通じて流体がそのキャビティ4011に対応する基板100の領域を第二温度、つまり82℃まで加熱する。R-1と符号が振られているキャビティ4011に対応する基板100の領域の、本プロセス中の温度変化曲線は図31aに示される。また、第三流体供給主管4063における第三熱エネルギーを持つ流体は、Rと符号が振られているキャビティ4011の複数の流体排出孔4013を通じて、そのキャビティ4011に対応する基板100の領域を第三温度、つまり78℃まで再予熱する。Rと符号が振られているキャビティ4011に対応する基板100の領域の、本プロセス中の温度変化曲線は図31bに示される。このとき、図31a図31b、および図31cに示すように、Rと符号が振られているキャビティは78℃まで再予熱されている。また、R+1と符号が振られているキャビティ、およびR+2と符号が振られているキャビティは、70℃に再予熱された状態を保っている。液体ノズルが基板100の上方のあるエリアに隣接する次のエリアまで移動し続けると、つまり、液体ノズルがRと符号が振られているキャビティ4011に対応する、基板100の上方のエリアまで移動すると、制御機構はRと符号が振られているキャビティに接続される第一流体供給支管における開閉弁501a、およびそのキャビティに接続される第三流体供給支管における開閉弁501cを制御して閉じる。制御機構は、Rと符号が振られているキャビティに接続される第二流体供給支管における開閉弁501bを制御して開き、第二熱エネルギーを持つ流体は、Rと符号が振られているキャビティに対応する基板100の領域を82℃の第二温度まで加熱する。Rと符号が振られているキャビティに対応する基板100の領域の温度は、78℃から82℃まで急速に上昇する。一方で、R+1と符号が振られているキャビティ4011に対応する基板100の領域は、78℃に再予熱された状態である。このとき、R+1と符号が振られているキャビティに接続されている第一流体供給支管における開閉弁501a、および第三流体供給支管における開閉弁501cはどちらも閉じられており、第二流体供給支管における開閉弁501bは開いている。これにより、R+1と符号が振られているキャビティに対応する基板100の領域の温度を70℃から78℃まで急速に上昇させることができる。基板100の表面全体が処理されるまでこれが繰り返される。Rは一以上の正の整数である。Rが一と等しい場合、液体ノズルが基板100の中心の上方に配置されることを示す。液体ノズルが基板100の中心の上方にあるとき、基板100の中心に最も近いキャビティ4011を選択して再予熱するか、またはそのキャビティ4011を第二温度まで直接加熱することが可能である。基板100の中心の領域の範囲は狭いため、この二つの処理方法の結果の差は小さく、処理結果に大きな影響を及ぼさない。
【0105】
上述の実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、上述の実施形態において説明される技術的解決策を変更すること、または一部または全ての技術的特徴を同等のものと置換することが可能であり、これらの変更や置換のせいで対応する技術的解決策の本質が本発明の各実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することはないと理解されたい。
図1
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図29
図30a-30c】
図31a-31c】
【国際調査報告】