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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】医療用スネア装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20240905BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20240905BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B17/22 528
A61B17/32 528
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518783
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2021016417
(87)【国際公開番号】W WO2023048331
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0126688
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524113334
【氏名又は名称】ジャン,ヨン-ヒョン
【氏名又は名称原語表記】JANG, Young-Hyun
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ヨン-ヒョン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE28
4C160KK06
4C160KK16
4C160KK57
4C160MM32
4C160NN03
4C160NN13
4C160NN14
(57)【要約】
本発明は、人体の臓器に発生したポリープを正確かつ迅速に切除することができることはもちろん、前記ポリープが切除された部分の出血を最小化できるようにした医療用スネア装置に関するものであって、その構成は、上/下部ガイドホールが形成された本体と、ポリープ除去ラインと薬液ラインをガイドする回転体と、ポリープ除去ラインと薬液ラインを収容保護する体内進入部と、ポリープ除去ラインを前/後進させるポリープ除去ライン作動手段と、薬液ラインを前/後進させる薬液ライン作動手段からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が中空(110)であり、後端に固定具(120)が形成され、その固定具の前方の長手方向に沿って上部ガイドホール(130)が形成され、その上部ガイドホールの前方に長手方向に沿って下部ガイドホール(140)を形成させた本体(100)と、
前記本体の先端に空回り可能に設けられた状態で先端にループ(310)が設けられたポリープ除去ライン(320)と先端にニードル(330)が設けられた薬液供給ライン(340)を前/後進方向にガイドして回転される回転体(200)と、
前記回転体と連結して設けられて、ポリープ除去ラインと薬液供給ラインを収容した状態で体内に進入されて、ループ作動手段(400)とニードル作動手段(500)の作動によってループまたはニードルを外部に露出または内部に進入させる体内進入部(300)と、
前記ポリープ除去ラインの後端が設けられた状態で本体に沿って前/後進されるループ移動体(410)が設けられ、そのループ移動体の一側には電流供給口(420)を他側にはループ作動具(430)を形成させてなるループ作動手段(400)と、
前記薬液供給ラインの後端が設けられた状態で本体に沿って前/後進するニードル移動体(510)が設けられ、そのニードル移動体の一側と他側には薬液供給口(520)とニードル作動具(530)を形成させてなるニードル作動手段(500)と、
前記ニードル作動手段が前/後進する領域の本体一側に開閉可能に設けられてニードル作動手段を本体から分離結合できるようにするキャップ(600)と、を含む構成を特徴とする医療用スネア装置。
【請求項2】
前記キャップ(600)の前/後方には、ニードル作動手段の作動によりニードルが体内進入部の外部へ完全に露出した時と、ニードルが体内進入部の内部に完全に進入した時、ニードル作動手段が任意に作動されないように制御する弾性力を有する制御片(610)が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項3】
前記制御片(610)の内面には、ニードル作動手段に圧を加える突出部(620)が形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の医療用スネア装置。
【請求項4】
前記固定具(120)は、本体の後端部に指を入れて固定するようにリング状に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項5】
前記回転体(200)は、本体の先端部からその場で空回りするように設けられる回転具(210)と、その回転具の内部に回転具と一体に形成され、内部にはポリープ除去ラインと薬液供給ラインが貫通して進行し、先端には外部チューブ(350)が結合されるスリーブ(220)が形成され、そのスリーブの後方には、内部には、ポリープ除去ラインと薬液供給ラインが貫通進行し、先端に内部チューブ(360)が連結して設けられる案内具(230)を設けてなることを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項6】
前記ポリープ除去ライン(320)は、ループ作動手段から回転体までは内部が中空である硬質の「-」字型鋼線(321)が設けられ、その鋼線の内部中空には電流が流れるワイヤ(322)が貫通し、前記鋼線を貫通するワイヤの一側端は電流供給口と連結して設けられ、前記ワイヤの他側端にはループが設けられ、前記鋼線が終わる部分からループが設けられる部分までのワイヤにはワイヤ保護チューブ(323)が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項7】
前記ループ(310)は、ワイヤ(322)が終わる部分に連結して設けられ、体内進入部の外部へ露出されると弧状をなし、体内進入部の内部に進入するときには、前記弧状が一字型に重なる電流が流れて弾性力を有する芯線で形成されたことを特徴とする、請求項1又は6に記載の医療用スネア装置。
【請求項8】
前記薬液供給ライン(340)は、ニードル作動手段から回転体までは内部が中空である硬質の「-」字型の鋼線(341)が設けられ、その鋼線の内部には薬液チューブ(342)が貫通し、前記薬液供給口と連結して設けられ、前記鋼線(341)が終わる部分からニードル(330)が設けられる部分までは薬液チューブが延長され、その延びた薬液チューブには薬液保護チューブ(343)を設けてなることを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項9】
前記体内進入部(300)は、ポリープ除去ラインと薬液供給ラインを収容した状態でループとニードルが出入りする内部チューブ(360)と、前記回転体の先端で内部チューブの一部を収容する外部チューブ(350)から構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項10】
前記体内進入部(300)の先端には、ループとニードルが出入りするチップ(370)が設けられ、前記チップにはループ出入孔(371)とニードル出入孔(372)が形成され、前記ニードル出入孔の後方には係止顎(373)が形成され、その後方に係止顎が形成されたニードル出入孔にはニードルをガイドするニードルガイド(374)を設けてなることを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項11】
前記ループ移動体(410)は、本体を収容するように嵌合結合され、本体の長手方向に沿って移動する内部が中空であるパイプ状に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項12】
前記ループ作動具(430)は、2本の指が入るように、ループ移動体の両側にリング状に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項13】
前記電流供給口(420)は、内部が中空である電流供給体(421)が設けられ、該電流供給体の内側下部には、ポリープ除去ラインの後端部を固定誘導するネジ孔(423)が形成された固定誘導口(422)が挿設され、前記固定誘導口の下端部には、「-」字型鋼線(321)が嵌めて固定する固定孔(424)が形成され、前記ネジ孔には、ポリープ除去ラインの後端部を固定する固定ネジ(425)が螺合され、該固定ネジの後方ネジ孔には電流を供給する電流供給片(426)を設けてなることを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項14】
前記ニードル移動体(510)には、薬液供給ラインの構成である「-」字型の鋼線が結合固定される固定具(511)が形成され、該固定具の上部には、ポリープ除去ラインをガイドするガイド部(512)が形成され、前記ガイド部の上部には、キャップ(600)の構成である制御片(610)の突出部(620)が安着される安着溝(513)が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項15】
前記薬液供給口(520)は、ニードル移動体の一側に注射器の入口を挿入し、薬液を注入できる挿入ホール(521)が外部に突出するように形成され、その挿入ホールには薬液を供給する時は開いて薬を供給し、薬液供給後には閉じて密閉させる栓(522)が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【請求項16】
前記ニードル作動具(530)は、ニードル移動体の両側に手で把持することができるハンドル(531)が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用スネア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の臓器に発生したポリープを正確かつ迅速に切除することができることはもちろん、前記ポリープが切除された部分の出血を最小化することができるようにした医療用スネア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡は、胃や食道などのようにその内部が空いている中空臓器の内面や胸腔または腹腔などのように身体の内部を直接見ることができるようにしたものであって、その使用用途によって気管支鏡、喉頭鏡、食道鏡、胃/腸内視鏡、子宮鏡、尿道鏡、関節鏡、膀胱鏡、腹腔鏡などのような非常に多様な種類に細分されており、当該人体内部の状態を観察すると同時に、組織の切除と分泌物の採取などを容易に行えるようにして、病気の発見及び診断とその治療に多くの手助けをしている医療用器具である。
【0003】
前記のような内視鏡を用いて大腸内視鏡を検査した際に、ポリープが発見された場合、複数の施術器具を内視鏡と共に人体の内部に挿入させた状態で内視鏡で患部を観察しながらポリープを除去する施術を行う。
【0004】
すなわち、既存のポリープを除去する方法は、先にポリープを切除する処置具であるスネア(Snare)を内視鏡を介して人体の内部に挿入して発見されたポリープに近接させ、操作部を通じてスネアのワイヤを内視鏡のチューブから突出させ、高周波電流が供給されるワイヤを用いてポリープを切除した後、内視鏡からスネアを分離し、別途の止血具を内視鏡チューブに挿入し、ポリープが切除された身体の一側を止血する施術方式が行われている。
【0005】
前記のようなスネアは、ポリープ等の組織にループをかけるように、ループの方向を制御する必要性がある。すなわち、ループの内側を患部の組織及びポリープなどの隆起にひっかけるようにし、ループを締め付けなければ適切な治療をすることができない仕組みである。
【0006】
したがって、従来は、内視鏡のチューブの内側に引き込まれたスネアは、装置具と作動具などの操作部を回転させて、可撓性の絶縁チューブ及びその内側に引き込まれたワイヤコードが捻れるように操作することによって内視鏡を通じて体内に挿入されたループまで捻り回転力が伝達されるように構成されており、前記装置具及び作動具などの操作部を施術者が内視鏡を見ながらループの方向を調整するものである。
【0007】
しかし、前記のような従来のスネアは、ループの方向を調整することが不便で難しいという欠点があった。
【0008】
したがって、本発明者は、前記のような問題点を解消するために、図1及び図2に示すような(特許文献1)先出願され公告された大韓民国登録特許第10-2262289号公報の医療用スネア装置の構成についてみていくと、以下のとおりである。
【0009】
-記-
チューブ12を貫通して設けられ、先端にループ11を形成させてなるワイヤコード10と、該ワイヤコードと連結して設けられ、ワイヤコードを回転させる回転体20と、該回転体と連結して設けられ、回転体と共にワイヤコードを前/後進させるハンドル30からなる医療用スネア装置であって、前記回転体20は、内部が空いており、前方が開放され、一側には長いホール21aが形成され、他側には電極ホール21bを形成させてなるスリーブ21が設けられ、該スリーブの開放部には一側に前記ワイヤコードが貫通して接触する高周波電極22bが設けられており、後方中央にはガイドホール22aが形成されてなる固定具22が設けられ、前記固定具の後方には前記ガイドホールに嵌められ、前/後進するガイド23aが形成されており、そのガイドの後方端面において、一側は下部垂直部23b-1が形成され、その垂直部の上段には他側には下向きに傾く下部傾斜面23b-2が形成された下部歯23bを形成させてなる下部回転体23が連結して設けられ、前記下部回転体の上部には先端面において、一側は上部垂直部24b-1が形成され、その垂直部の上段には他側には下向きに傾く上部傾斜面24b-2が形成された上部歯24bが形成され、一側に作動レバー24aを設けてなる上部回転体24が連結して設けられ、前記固定具22と下部回転体23との間と前記上部回転体とスリーブの末端の間にはそれぞれの弾性スプリング25、26を設けてなる。
【0010】
前記のような構成を有する(特許文献1)の大韓民国登録特許第10-2262289号公報は、ループ11を回転させる構成が複雑であり、ループの回転が円滑に行われない問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解消すべく発明したものであって、その目的は、臓器に発生したポリープを除去する際に、ループを容易にかけられるように、ポリープに薬液を注入してポリープの大きさを大きくできるように膨らませるニードルと、ポリープを切り取るループの前/後進が正確になされることはもちろん、前記ループの回転が精密に行われ、また前記ループによって切除された部分の出血を最小化して患者の苦痛を減らし、回復が迅速に行われるようにする医療用スネア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明の医療用スネア装置に係る課題解決手段の構成は、内部が中空110であり、後端に固定具120が形成され、その固定具の前方の長手方向に沿って上部ガイドホール130が形成され、その上部ガイドホールの前方に長手方向に沿って下部ガイドホール140を形成させてなる本体100と、
前記本体の先端に空回り可能に設けられた状態で先端にループ310が設けられたポリープ除去ライン320と先端にニードル330が設けられた薬液供給ライン340を前/後進方向にガイドして回転される回転体200と、
前記回転体と連結して設けられ、ポリープ除去ラインと薬液供給ラインを収容した状態で体内に進入され、ループ作動手段400とニードル作動手段500の作動によってループまたはニードルを外部に露出または内部に進入させる体内進入部300と、
前記ポリープ除去ラインの後端が設けられた状態で本体に沿って前/後進されるループ移動体410が設けられ、そのループ移動体の一側には電流供給口420を他側にはループ作動具430を形成させてなるループ作動手段400と、
前記薬液供給ラインの後端が設けられた状態で本体に沿って前/後進するニードル移動体510が設けられ、そのニードル移動体の一側と他側には薬液供給口520とニードル作動具530を形成させてなるニードル作動手段500と、
前記ニードル作動手段が前/後進する領域の本体の一側に開閉可能に設けられ、ニードル作動手段を本体から分離結合できるようにするキャップ600と、を含む構成からなる。
【発明の効果】
【0013】
前記のような構成を有する本発明の医療用スネア装置は、前記目的にて述べたように、臓器に発生したポリープを除去する際、ループを容易にかけられるように、ポリープに薬液を注入してポリープの大きさを大きくできるように膨らませるニードルと、ポリープを切り取るループの前/後進が正確になされることはもちろん、前記ループの回転が精密に行われ、また前記ループによって切除された部分の出血を最小化して患者の苦痛を減らし、回復が迅速に行われる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来の医療用スネア装置の構成を述べるための分解斜視図である。
図2】従来の医療用スネア装置におけるループ回転構造を示す分解斜視図である。
図3】本発明の医療用スネア装置の斜視図である。
図4】本発明の医療用スネア装置の断面図である。
図5】本発明の医療用スネア装置における本体抜粋斜視図である。
図6a】本発明の医療用スネア装置における回転体の構成図である。
図6b】本発明の医療用スネア装置における回転体の構成図である。
図7】本発明の医療用スネア装置におけるポリープ除去ラインの抜粋斜視図である。
図8】本発明の医療用スネア装置における薬液供給ラインの抜粋斜視図である。
図9】本発明の医療用スネア装置におけるループ作動手段の抜粋斜視図である。
図10】本発明の医療用スネア装置におけるニードル作動手段の抜粋斜視図である。
図11】本発明の医療用スネア装置におけるキャップの抜粋底面斜視図である。
図12】本発明の医療用スネア装置におけるチップ結合の断面図である。
図13】本発明の医療用スネア装置における電流供給口の抜粋拡大断面図である。
図14a】本発明の医療用スネア装置におけるループとニードルとの作動関係を示す断面図である。
図14b】本発明の医療用スネア装置におけるループとニードルとの作動関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の医療用スネア装置は、図3及び図4に示すように、体内の臓器に発生したポリープに薬液を供給して、ポリープを膨らませ、その膨らんだポリープにループをひっかけてから、高周波電流を供給し、ポリープを切り取って出血を最小化すると同時に迅速かつ容易にポリープを除去することができるようにしたものである。
【0016】
前記のように臓器に発生したポリープを除去する際に出血を最小化しながら迅速かつ容易にポリープを除去するための本発明の医療用スネア装置は、図3図5に示すように、内部が中空110であり、後端に固定具120が形成されており、その固定具の前方の長手方向に沿って上部ガイドホール130が形成され、その上部ガイドホールの前方に長手方向に沿って下部ガイドホール140を形成させてなる本体100が設けられる。
【0017】
前記本体100内部に中空110を形成させた理由は、以下に述べるループ作動手段400とニードル作動手段500を装着し、その装着されたループ作動手段400とニードル作動手段500が前/後進できるようにするためである。
【0018】
また、前記固定具120を形成させた理由は、ポリープを手術する医師の指を入れて本体100を支持できるようにするためであり、前記上部ガイドホール130を形成させた理由は、ループ作動手段400の前/後進範囲を限定するためであり、下部ガイドホール140を形成させた理由は、ニードル作動手段500の前/後進範囲を限定するためである。
【0019】
前記ループ作動手段400とニードル作動手段500の前/後進範囲が限定されなければ、ループ作動手段400とニードル作動手段500が必要以上に前進し、ループ310とニードル330が必要以上に体内進入部300の先端外部へ必要以上に引き出されてポリープ除去手術に困難があり得、また、ポリープ除去部分がループ310とニードル330によって損傷しうるため、前記ループ作動手段400とニードル作動手段500の前進量は制限されることが好ましい。
【0020】
また、前記の固定具120の形態は、ポリープ除去手術をする医師の指を入れて固定されるようにリング状に形成させることが好ましいが、その他にも医師の指で本体100を固定することができる形態であれば全部可能である。
【0021】
前記本体100の先端部には、ポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340が貫通して進行し、回転体200が空回りするように設けられる回転体結合部150が形成される。
【0022】
また、前記回転体結合部150には、ポリープ除去ライン320または薬液供給ライン340を回転体結合部150に進入させるための切開部160を形成させることができる。
【0023】
また、本発明の回転体200は、図6a及び図6bに示すように、本体100の先端に形成された回転体結合部150に空回り可能に結合して設けられた状態で先端にループ310が設けられたポリープ除去ライン320と先端にニードル330が設けられた薬液供給ライン340が貫通して進行し、前記ポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340を前/後進ガイドする役割をする。
【0024】
前記のような役割をする前記回転体200を本体100の先端に形成された回転体結合部150から空回り可能に設置する理由は、ループ310をポリープにかける際、ループ310の方向をポリープにかけておくことができる方向に合わせるために回転させなければならないが、この時、回転体200を手で握って本体100を所望の方向に回転させて、前記ポリープ除去ライン320と共にループ310を所望とする方向に容易に回転させることができるようにするためである。
【0025】
前記のような作用をする回転体200の一実施例の構成は、図6a及び図6bに示すように、本体100の先端部からその場で空回りするように設けられる回転具210と、その回転具の内部に回転具と一体に形成され、内部にはポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340が貫通して進行し、先端には外部チューブ350が結合されるスリーブ220が形成され、そのスリーブの後方には、内部へはポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340が貫通して進行し、先端に内部チューブ360が連結して設けられる案内具230を設けてなる。
【0026】
前記の回転体200の一実施例の構成において、スリーブ220の後方と案内具230の前方は、相互緊密に結合されて一体になるようにすることによって、回転具210と共に連動されるようにすることが好ましい。したがって、前記ループ310を回転させるべく回転具210を手で把持して本体100を回転させると、ポリープ除去ライン320が本体100と共に回転されると同時にループ310が回転されるようになる。
【0027】
ただし、前記ループ310を回転させる時には、ループ310が下記にて述べる体内進入部300の外部へ露出されたときである。そして、前記本体100を回転させると、薬液供給ライン340も共に回転されるようになる。
【0028】
前記本体100の回転は、回転具200を手で把持して固定具120を回転させると本体100が回転されると同時にポリープ除去ライン320の先端に設けられたループ310が回転されるものであり、その他にも、ループ作動手段400を回転させると、本体100が回転されると同時にポリープ除去ライン320の先端に設けられたループ310が回転される。
【0029】
また、前記スリーブ220と案内具230は、ポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340が円滑に貫通して進行されるように内部が中空の円筒状に形成することが好ましく、スリーブ220と案内具230との結合は一度結合されると任意に分離されない縛りばめ方式または螺合方式を選択することが好ましい。
【0030】
前記先端にループ310が設けられるポリープ除去ライン320の一実施例の構成は、図7に示すように、以下に述べるループ作動手段400から回転体200までは内部が中空である硬質の「-」字型鋼線321が設けられ、その鋼線の内部中空には通電ワイヤ322が貫通し、前記鋼線321を貫通するワイヤ322の一側端は電流供給口420と連結して設けられ、前記ワイヤ322の他側端にはループ310が設けられ、前記鋼線321が終わる部分からループ310が設けられる部分までのワイヤ322にはワイヤ保護チューブ323が設けられるものからなる。
【0031】
前記ポリープ除去ライン320の一実施例の構成において、鋼線321を内部が中空である硬質の「-」字型にする理由は、ワイヤ322が貫通して通過し、ループ作動手段400の作動とともに前/後進するときに、曲げ及び変形が行われず、「-」字型に前/後進できるようにするためである。
【0032】
また、前記ワイヤ322は、本体100を回転させるときに共に回転し得る金属材からなることが好ましいが、その金属材からなるワイヤ322は、曲げが可能であり、曲げ後に復元される弾性力を有する金属材からならなければならない。
【0033】
その理由は、体内進入部300が人体の臓器内に進入する際、臓器の屈曲に沿って容易に屈曲して進入できるようにするためである。
【0034】
一方、前記弾性力を有する金属材からなるワイヤ322は、樹脂材のワイヤ保護チューブ323が緊密に嵌合結合されるが、その理由は、本体100を回転させるとき、ワイヤ322も共に回転されながらワイヤ322の変形を防止して本体100の回転力がワイヤ322に全て伝達され、ワイヤ322の正確な回転によるループ310の回転が精密に行われるようにすると同時にワイヤ322へ流れる電流が薬液供給ライン340に伝達されないようにするためである。
【0035】
前記ループ310の一実施例の構成は、図14aに示すように、ワイヤ322が終わる部分に連結して設けられ、体内進入部300の外部へ露出されると弧状をなし、体内進入部300の内部へ進入されるときには、図14bに示すように、前記弧状が一字型に重なる芯線からなることが好ましいが、このような芯線は電流が流れ、弾性力を有する金属材からなる。
【0036】
前記のような構成のループ310を芯線(ワイヤ322よりも薄い鋼線)にする理由は、ポリープを締め付けてから引っ張ったとき、ポリープが容易に切り取られるようにするためである。
【0037】
また、前記ループ310は、体内進入部300の外部へ露出されると弧状をなし、体内進入部300の内部へ進入される際には、前記弧状が一字型に重なりながら進入されるが、その理由は、前記ループ310は弾性力を有しているため、体内進入部300の内部に露出されると元の形状通りにポリープを嵌合結合されるように弧状をなし、体内進入部300の内部へ進入されるときには、弾性力によって一字型に重なりながら進入される。
【0038】
また、本発明の薬液供給ライン340は、図8に示すように、ニードル作動手段500から回転体200までは内部が中空である硬質の「-」字型鋼線341が設けられ、その鋼線の内部には薬液チューブ342が貫通し、前記薬液供給口520と連結して設けられ、前記鋼線341が終わる部分からニードル330が設けられる部分までは薬液チューブ342が延長され、その延長された薬液チューブには薬液保護チューブ343を設けてなる。
【0039】
前記のような構成の前記薬液供給ライン340にて鋼線341を内部が中空である硬質の「-」字型にする理由は、薬液チューブ342が貫通すると同時にニードル作動手段500の作動と共に前/後進する時に曲げ及び変形が行われず「-」字型、すなわち、水平方向に前/後進するようにするためであり、前記薬液チューブ342は、薬液供給口520から注入される薬液をニードル330に供給するものであり、薬液保護チューブ343は、薬液チューブ342を収容して保護する役割をする。
【0040】
一方、本発明の体内進入部300は、前記回転体200と連結して設けられて、ポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340を収容した状態で体内に進入され、ループ作動手段400とニードル作動手段500の作動方向に沿ってループ310またはニードル330を外部に露出または内部に進入させる役割をする。
【0041】
前記のように、ループ310またはニードル330を体内進入部300に外部へ露出または内部に進入させる作用は、図14aに示すように、ループ310が体内進入部300の外部へ露出されるときには、ニードル330が体内進入部300の内部に進入された状態となり、図14bに示すように、ニードル330が体内進入部300の外部へ露出されるときには、ループ310が体内進入部300の内部に進入された状態となる。
【0042】
前記のような作用をする体内進入部300の一実施例の構成は、前記ポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340を収容した状態でループ310とニードル330が出入りする内部チューブ360と、前記回転体210の先端にて内部チューブ360の一部を収容する外部チューブ350からなる。
【0043】
前記の体内進入部300の一実施例の構成において、内部チューブ360は、ポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340を収容保護するとともに、体内にポリープ除去ライン320と薬液供給ライン340を容易に進入させて、その進入後、体内の有害性を与えない役割をし、外部チューブ350は、回転体200と内部チューブ360の連結部分が折れずに保護されるようにする役割をする。
【0044】
また、本発明の前記体内進入部300の先端には、図12に示すように、ループ310とニードル330が出入りするループ出入孔371とニードル出入孔372が形成され、前記ニードル出入孔の後方には係止顎373が形成され、その後方に係止顎が形成されたニードル出入孔372にはニードル330をガイドするニードルガイド374を設けてなるチップ370が設けられる。
【0045】
前記チップ370の構成においてニードルガイド374を設ける理由は、ニードル330が体内進入部300の先端から出入りする際に「-」字型に正常に引き出されることができるようにするためであり、係止顎373を形成させた理由は、薬液チューブ342の先端が係止顎373に係止し、ニードル330が一定量のみ体内進入部300の外部に引き出されるようにすることによって、ポリープに薬液を注入するときに安定的に注入できるようにするためである。
【0046】
また、前記ループ出入孔371とニードル出入孔372は、ループ310とニードル330が円滑に出入りする直径で形成され、前記ループ出入孔371はニードル出入孔372よりも大きく形成させて、ループ310の出入りが容易になされるようにした。
【0047】
本発明のループ作動手段400は、図9に示すように、前記ポリープ除去ライン320の後端が設けられた状態で本体100に沿って前/後進されるループ移動体410が設けられ、そのループ移動体の一側には電流供給口420が設けられ、他側にはループ作動具430を形成させたものからなる。
【0048】
前記のような構成のループ作動手段400は、そのループ作動手段400を本体100の長手方向に沿って前/後進させると、その前/後進方向に沿って移動しながらポリープ除去ライン320を移動させて、ループ310を体内進入部300の外部へ露出させるか、または体内進入部300の内部に進入させる作用をするものである。
【0049】
前記のようなループ作動手段400の構成において、前記ループ移動体410は、本体100を収容するように嵌合結合され、本体100の長手方向に沿って移動する内部が中空であるパイプ状に形成されるが、前記ループ移動体410の形状は、本体100の外部形状と符合する形状に形成され、ループ移動体410が本体100に沿って安定的に移動されるようにした。
【0050】
前記のようなループ移動体410の中空部は、円形、楕円形、3角以上の角形に形成させて使用することができ、ループ移動体410が結合されて移動される領域の本体100の外部形状も前記ループ移動体410の中空部形状と符合する円形、楕円形、3角以上の角形に形成させて使用することができる。
【0051】
但し、前記ループ移動体410の中空部形状とループ移動体410とが結合されて移動される領域の本体100の外部形状は、楕円形又は3角以上の角形に形成させることが好ましいが、その理由は、ループ移動体410が本体100に沿って移動する過程で回転されずに直進方向に前/後進されるようにするためである。
【0052】
また、前記ループ作動具430は、2本の指が入るように、ループ移動体の両側にリング状に形成させて使用することが好ましいが、その理由は、ループ移動体410を安定的に前/後進させることができるようにするためである。
【0053】
また、前記電流供給口420は、図13に示すように、内部が中空である電流供給体421が設けられ、その電流供給体421の内側下部には、ポリープ除去ライン320の後端部を固定誘導するネジ孔423が形成された固定誘導口422が挿設され、前記固定誘導口422の下端部には、「-」字型鋼線321が嵌めて固定する固定孔424が形成された固定ネジ425が前記ネジ孔423に結合され、前記固定ネジ425の後方ネジ孔423には電流を供給する電流供給片426が設けられたものからなる。
【0054】
前記電流供給口420の構成において、電流供給体421は、固定誘導口422と電流供給片426が設けられるものであり、前記固定誘導口422のネジ孔423は、固定ネジ425が設けられるものであり、前記固定孔424は、ポリープ除去ライン320の後方の一部を嵌めて固定するものであり、前記固定ネジ425は、固定孔424に嵌合されたポリープ除去ライン320の後方を固定するものである。また、前記電流供給片426は、外部電流を供給して、ポリープ除去ライン320を介してループ310へ電流を供給するものである。
【0055】
本発明のニードル作動手段500は、図10に示すように、前記薬液供給ライン340の後端が設けられた状態で本体100に沿って前/後進するニードル移動体510が設けられ、そのニードル移動体の一側には薬液供給口520が形成され、他側にはニードル作動具530を形成させたものからなる。
【0056】
前記のような構成のニードル作動手段500は、そのニードル作動手段500を本体100の長手方向に沿って前/後進させると、その前/後進方向に沿って移動しながら薬液供給ライン340を移動させてニードル330を体内進入部300の外部へ露出させるか、体内進入部300の内部に進入させる作用をするものである。
【0057】
前記のニードル作動手段500の構成において、ニードル移動体510は、薬液供給ライン340の構成である「-」字型鋼線341が結合固定される固定具511が形成され、その固定具の上部には、ポリープ除去ライン320をガイドするガイド部512が形成され、前記薬液供給ライン340の固定とポリープ除去ライン320を前/後進を円滑にする。
【0058】
また、前記ガイド部512には、後述するキャップ600に形成された制御片610の突出部620が安着される安着溝513が形成される。
【0059】
前記のニードル移動体510の構成において、固定具511は「-」字型鋼線341の後端部を固定するものであり、ガイド部512は、ポリープ除去ライン320が前/後進するときにニードル移動体510に引っ掛からずに円滑に前/後進できるように案内する役割をするものであり、安着溝513は、後述するキャップ600に形成された制御片610の突出部620が安着されてニードル作動手段500が任意に作動され得ないように制御するところである。
【0060】
また、前記薬液供給口520は、ニードル移動体510の一側に注射器の入口を挿入し、薬液を注入できる挿入ホール521が外部に突出されるように形成され、その挿入ホール521には薬液を供給する際は開いて薬を供給し、薬液供給後には閉じて密閉させる栓522が設けられたものからなる。
【0061】
前記の薬液供給口520の構成において、挿入ホール521は、薬液供給ライン340を介してニードル330に薬液が供給されるように注射器の入口を挿入するところであり、栓522は、薬液を供給しないとき、挿入ホール521の内部に異物が入らないように塞ぐ構成品である。
【0062】
また、前記ニードル作動具530は、ニードル移動体510の両側に手で把持することができるハンドル531を形成させたものであって、前記ニードル作動具530をニードル移動体510の両側に形成させた理由は、右手または左手のうち選択された手で把持してニードル移動体510を移動させることができるようにするためである。
【0063】
本発明のキャップ600は、図3及び図11に示すように、前記ニードル作動手段500が前/後進する領域の本体100の一側に開閉可能に設けられ、ニードル作動手段500を本体100から分離結合できるようにするものである。
【0064】
前記キャップ600を本体100から分離結合されるようにする理由は、ニードル作動手段500は、本体100の中空部110に嵌合結合しなければならないため、本体100の一側が開放されなければならない。
【0065】
したがって、本発明は、ニードル作動手段500が前/後進する領域の本体100の一側にキャップ600を開閉可能に形成させたものである。
【0066】
前記のキャップ600には、前/後方にニードル作動手段500の作動によりニードル330が体内進入部300の外部へ完全に露出した時と、ニードル330が体内進入部300の内部に完全に進入した時、ニードル作動手段500が任意に作動されないように制御する制御片610が形成され、その制御片610によってニードル作動手段500の任意作動を制御する。
【0067】
前記の制御片610の内面にはニードル作動手段500に圧を加える突出部620が形成され、ニードル330が体内進入部300の外部へ完全に露出された時は一側の突出部620が一側の安着溝513に安着されてニードル作動手段500が任意に移動されないようにし、ニードル330が体内進入部300の内部に完全に進入された時は他側の突出部620が他側の安着溝513に安着され、ニードル作動手段500が任意に移動されないようにすることによって、ポリープ除去手術時の安定性が確保されるようにした。
【0068】
図14aに示すように、ループ作動手段400を本体100から前進させると、ポリープ除去ライン320が前進しながら、ループ310が体内進入部300の外部へ露出され、ニードル作動手段500を本体100から前進させると、薬液供給ライン340が前進しながらニードル330が体内進入部300の外部へ露出され、前記ニードル330が露出される時は、ループ作動手段400を本体100から後進させて、ループ310が体内進入部300の内部に進入されるようにし、前記ループ310が露出される時はニードル作動手段500を本体100から後進させてニードル330が体内進入部300の内部に進入されるようにする。
【0069】
上述したような本発明の医療用スネア装置は、前記効果にて述べたように、臓器に発生したポリープを除去する際に、ループを容易にかけられるように、ポリープに薬液を注入してポリープの大きさを大きくできるように膨らませるニードルと、ポリープを切り取るループの前/後進が正確になされることはもちろん、前記ループの回転が精密になされ、また前記ループによって切り取られた部分の出血を最小化して患者の苦痛を減らし、回復が迅速に行われる長所がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
【国際調査報告】