IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-二次電池 図1
  • 特表-二次電池 図2
  • 特表-二次電池 図3
  • 特表-二次電池 図4
  • 特表-二次電池 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/167 20210101AFI20240905BHJP
   H01M 50/578 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/19 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M50/167
H01M50/578
H01M50/152
H01M50/184 D
H01M50/531
H01M50/188
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/19
H01M50/107
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519054
(86)(22)【出願日】2023-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 KR2023007085
(87)【国際公開番号】W WO2023234625
(87)【国際公開日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0067812
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドンチャン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ワン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨウンハク
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC06
5H011DD15
5H011FF03
5H011GG02
5H011KK01
5H011KK03
5H043AA04
5H043BA11
5H043CA03
5H043EA06
5H043EA29
5H043GA13
5H043GA23
5H043GA24
5H043HA08D
5H043JA12D
(57)【要約】
本発明は、電極組立体;前記電極組立体を収容する缶;ベントと、前記ベントの下部に位置する電流遮断器(CID)フィルターと、前記電流遮断器フィルターの一端に位置するCIDガスケットを含み、前記缶の開放された上部を仕上げるキャップ組立体;及び前記キャップ組立体と前記缶の上部との間に介在したまま圧着し、前記キャップ組立体と前記缶との間の絶縁及び密閉を維持させるガスケット;を含み、前記キャップ組立体の前記ベントは、端部の外側面、上面及び下面はそれぞれ前記ガスケットの内側面と上面に密着し、前記ベントの端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径が0.3mm以下であることを特徴とする、二次電池に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体;
前記電極組立体を収容する缶;
ベントと、前記ベントの下部に位置する電流遮断器(CID)フィルターと、前記電流遮断器フィルターの一端に位置するCIDガスケットを含み、前記缶の開放された上部を仕上げるキャップ組立体;及び
前記キャップ組立体と前記缶の上部との間に介在したまま圧着し、前記キャップ組立体と前記缶との間の絶縁及び密閉を維持させるガスケット;を含み、
前記キャップ組立体の前記ベントは、端部の外側面、上面及び下面はそれぞれ前記ガスケットの内側面と上面に密着し、
前記ベントの端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径が0.3mm以下である二次電池。
【請求項2】
前記ベントの端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径が0.1~0.3mmである、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記ベントの端部の外側面と上面のうち少なくとも一部に接着層を形成するか、両面接着テープを付着する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記電流遮断器(CID)フィルターは、前記電極組立体の一方の電極から上方へ引き出された電極タブと接合する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記ベントの端部は、金属プレートが上方へ180°折り曲げられて2段に重なっている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記缶の外形は円筒形であり、前記ベントは平面状の円板形である、請求項1から5のいずれか一項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年6月2日付の韓国特許出願第10-2022-0067812号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含む。
【0002】
本発明は、二次電池に関し、より詳しくは、円筒形電池のベント部のたわみを改善した二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するに伴い、再充電が可能な二次電池は、様々なモバイル機器のエネルギー源として広範囲に使用されている。また、二次電池は、従来のガソリン車両やディーゼル車両の大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車、ハイブリッド自動車などのエネルギー源としてもまた注目されている。
【0004】
二次電池は、電極組立体が内蔵される電池ケースの形状により、コイン形電池、円筒形電池、角形電池及びポーチ形電池に分類される。
【0005】
このうち円筒形電池の場合、電極組立体と、この電極組立体を収納する円筒形の缶と、キャップ組立体と、ガスケットを含めて構成される。
【0006】
前記電極組立体は、正極と負極及びこれら二つの電極との間に介在したセパレータが円筒形に巻かれており、正極及び負極から正極タブ及び負極タブをそれぞれ引き出すことができる。通常、正極タブは上方へ、負極タブは下方へ引き出すことができる。
【0007】
前記缶は、円筒形二次電池において、おおよそ円筒の形状を有する金属材質の容器であり、ディープドローイング(deep drawing)などの加工方法で形成することができる。従って、缶自体が端子の役割を果たすことも可能である。
【0008】
キャップ組立体は、缶の開放された上部を仕上げるものであり、キャップ組立体は下から上にベント、電流遮断器などを含むことができる。電極組立体の正極は、上方へ引き出された正極タブを通じて、キャップ組立体と電気接続することができ、負極は、下方へ引き出された負極タブを通じて、缶の底面に接合することができる。もちろん、極性を変えて設計することもできる。
【0009】
前記キャップ組立体と缶との間には、この二つを絶縁及び密閉させるガスケットが位置する。
【0010】
このような円筒形電池のCCR/CSZ(cylindrical crimping/cylindrical Sizing)工程中にH0寸法の散布が増加し、このようなH0寸法の増加はベントのたわみ量を増加させ、短絡圧低下を引き起こす可能性がある。
【0011】
このため、ベントのたわみを改善するための方法についての研究が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許第2019-0131794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、円筒形電池のCCR/CSZ工程中に発生する、ベント部のたわみが発生する問題を解決することができる最適形状のベント部を備えた二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、
本発明は、電極組立体;前記電極組立体を収容する缶;ベントと、前記ベントの下部に位置する電流遮断器(CID)フィルターと、前記電流遮断器フィルターの一端に位置するCIDガスケットを含み、前記缶の開放された上部を仕上げるキャップ組立体;及び前記キャップ組立体と前記缶の上部との間に介在したまま圧着し、前記キャップ組立体と前記缶との間の絶縁及び密閉を維持させるガスケット;を含み、前記キャップ組立体の前記ベントは、端部の外側面、上面及び下面はそれぞれ前記ガスケットの内側面と上面に密着し、前記ベントの端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径が0.3mm以下であることを特徴とする、二次電池を提供する。
【0015】
本発明の一実施態様において、前記ベントの端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径が0.1~0.3mmであってもよい。
【0016】
本発明の一実施態様において、前記ベントの端部の外側面と上面のうち少なくとも一部に接着層を形成するか、両面接着テープを付着することができる。
【0017】
本発明の一実施態様において、前記電流遮断器(CID)フィルターは、前記電極組立体の一方の電極から上方へ引き出された電極タブと接合することができる。
【0018】
本発明の一実施態様において、前記ベントの端部は、金属プレートが上方へ180°折り曲げられて2段に重なってもよい。
【0019】
本発明の一実施態様において、前記缶の外形は円筒形であり、前記ベントは平面状の円板形であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の二次電池は、最適形状のベント部を備えることにより、円筒形電池のCCR/CSZ工程中に発生するベント部のたわみを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例による円筒形二次電池の部分拡大断面図である。
図2】本発明の一実施例による円筒形二次電池の他の部分拡大断面図である。
図3】本発明の一実施例による解析モデルを示した模式図である。
図4】本発明の一実施例による解析モデルによる測定値グラフである。
図5】本発明の一実施例による解析モデルによるベント変形率の等高線を測定した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面に基づき、本発明について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0023】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体を通じて同一または類似の構成要素については、同じ参照符号を付するようにする。
【0024】
また、本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常であるか辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、その自身の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚し、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0025】
図1は、本発明の一実施例による二次電池の部分拡大断面図である。
【0026】
図1を参考にすると、本発明の一実施例による二次電池は、電極組立体(未図示);前記電極組立体を収容する缶(100);ベント(210)と前記ベント(210)の下部に位置する電流遮断器(CID)フィルター(220)と、前記電流遮断器フィルター(220)の一端に位置するCIDガスケット(230)を含み、前記缶(100)の開放された上部を仕上げるキャップ組立体;及び前記キャップ組立体と前記缶(100)の上部との間に介在したまま圧着し、前記キャップ組立体と前記缶(100)との間の絶縁及び密閉を維持させるガスケット(300);を含む。
【0027】
本発明の一実施例による二次電池において、前記電極組立体は、通常、電気容量を高めるために正極と負極を広い板形に形成した後、これらを相互に絶縁させる分離膜を前記正極と負極との間に位置させて積層し、円形に巻いていわゆる「ジェリーロール(Jelly Roll)」形態に作製することができる。前記正極と負極は、それぞれアルミニウムと銅の金属箔あるいは金属メッシュからなる集電体に活物質スラリーを塗布して成すことができる。電極板が巻かれる方向で集電体の始端と終端には、スラリーが塗布されない無地部が存在することがあるが、前記無地部には、一つの電極板に一つずつ電極タブが設置され、電極タブのうち一つは円筒形缶の開口部方向である上側に、もう一つは下側に電極から引き出されるように形成することもできる。ただし、本発明の内容は、これらに限定されない。
【0028】
本発明の一実施例による二次電池において、前記缶(100)は、円筒の形状を有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような軽量の電導性金属材質の容器であり、ディープドローイング(deep drawing)などの加工方法で形成することができる。この円筒形缶内に電極組立体(未図示)を備えることができる。この時、ジェリーロールの緩みを防止し、内部ガスの移動通路の役割を果たすセンターピン(未図示)がジェリーロールの中央の空いた空間に挿入されることもある。
【0029】
本発明の一実施例による二次電池において、前記キャップ組立体(200)は、ベント(210)と電流遮断器フィルター(220)及びCIDガスケット(230)を含み、図1に図示したように、電流遮断器、CIDガスケット(230)及びベント(210)が下から上へ順に位置する。
【0030】
本発明の一実施例による二次電池において、前記ベント(210)は、キャップ組立体(200)の上部に位置する。このベント(210)の下には、ベント(210)の突出部(112)が内部圧力によって上に凸状に変形することにより、破断するように構成された電流遮断器(CID:Current Interrupt Device)(120)が設置されている。
【0031】
本発明の一実施例による二次電池において、前記ベント(210)は、平面状の円板形であってもよい。
【0032】
本発明の一実施例による二次電池において、前記ベント(210)の端部は、金属プレートが上方へ180°折り曲げられて2段に重なってもよい。
【0033】
本発明の一実施例による二次電池において、前記電流遮断器フィルター(220)は、ベント(210)の下に位置し、ベント(210)の変形により破断するように設計されている。
【0034】
本発明の一実施例による二次電池において、前記CIDガスケット(230)は、電池内部にガスが溜まると、圧力によってCIDガスケットが落ち、電流遮断フィルターが電流を遮断させる機能を果たすことができる。
【0035】
本発明の一実施例による二次電池において、前記ガスケット(300)は、前記缶(100)の上部とキャップ組立体(200)との間に位置する。このガスケット(300)は、キャップ組立体(200)と缶(100)の上部との間に介在したまま圧着し、キャップ組立体(200)と缶(100)との間の絶縁及び密閉を維持させる役割を果たす。缶(100)の開口部を仕上げる過程を見ると、ガスケット(300)を缶(100)内部に挿入し、キャップ組立体(200)をガスケット(300)に載置させた後、クリッピング(crimping)工程を実施することができる。クリッピング工程は、ガスケット(300)の内側に投入されたキャップアップ(未図示)などを栓で円筒形缶の開口部上段に内側及び下側に圧力を加え、缶(100)を縫合する曲げ加工作業であり、これにより、缶(100)、ガスケット(300)及びキャップ組立体(200)との間が密閉される。
【0036】
本発明の一実施例による二次電池において、前記キャップ組立体(200)の前記ベント(210)の端部の外側面、上面及び下面がそれぞれ前記ガスケット(300)の内側面と上面に密着する。また、前記ベント(210)の端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径を0.3mm以下に設定する。
【0037】
本発明の一実施例による二次電池において、前記ベント(210)の端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径は、0.1mm以上、0.2mm以上であってもよく、0.3mm以下、0.2mm以下であってもよい。前記範囲にベント(210)の端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径を限定する場合、本発明による二次電池のキャップ組立体(200)とガスケット(300)との間の密閉力が向上することができる。
【0038】
本発明の一実施例による二次電池において、前記ベント(210)の上部R値が大きくなるにつれ、2次クリッピング時、缶(100)とガスケット(300)間の接触面積の減少による接触圧力が増加(ガスケット押圧量増加)し、ベント(210)-ガスケット(300)間の接触終端位置が短くなる。これにより、ガスケット(300)がベント(210)の前端を押しながらベント(210)のモーメント(moment)が増加し、これはベント(210)に発生する変形率の増加によるベント(210)の角度の増加でH0寸法が大きくなることがある。
【0039】
本発明の一実施例による二次電池において、缶(100)とガスケット(300)間の接触圧力の増加は、ガスケット(300)に加わる圧力の増加により、ガスケット(300)がさらに押され、ベント(210)の変形率の増加を引き起こし、ベント(210)の角度が増加することがある。
【0040】
本発明の一実施例による二次電池において、ベント(210)の端部の外側面と上面のうち少なくとも一部に接着層を形成するか、両面接着テープを付着し、ベント(210)とガスケット(300)の密着力をさらに向上させることもできる。
【0041】
本発明の一実施例による二次電池において、前記電流遮断器(CID)フィルター(220)は、前記電極組立体の一方の電極から上方へ引き出された電極タブと接合することができる。
【0042】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を示すが、下記実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変更及び修正が添付された特許請求の範囲に属することも当然である。
【0043】
実施例
1. 解析モデル情報
図3のように解析モデルを構成した。また、荷重及び拘束条件は以下の通りである。まず、2D Cylindrical Axis Symmetric条件を適用した。具体的にCCR工程条件を反映して、1次CCRの高さは3.0mm、2次CCRの高さは2.2mmとし、CSZ固定条件も反映した。3-Jaw、1次/2次金型、Sizing金型のDisplacement移動条件を付与した。
【0044】
使用した材料の物性は下記表1の通りである。
【0045】
【表1】
【0046】
2. 解析結果
ベントの端部の外側面と上面が接する部位の曲率半径を表2のように変更しながら、缶、ベント、電流遮断器、CIDガスケットを備える円筒形二次電池のモデルを製造した。
【0047】
【表2】
【0048】
前記モデルについて、1)H0寸法、2)ベント角度、3)ベント変形率(Vent VonMises変形率)、4)缶とガスケット間の接触圧力、5)ベントとガスケット間の接触終端の位置を測定し、下記表3に示した。
【0049】
【表3】
【0050】
前記表3の結果を見ると、缶とガスケット間の接触圧力の増加は、ガスケットに加わる圧力の増加によりガスケットがさらに押され、ベントの変形率の増加を引き起こし、ベントの角度が増加することが分かる。ベントとガスケット間の接触終端の位置が短いと、ガスケットがベントの前端を押すことになり、これにより、ベントモーメントが増加することが分かる。
【0051】
図4には、ベント上部R値の変化によるH0値と角度(度)の値を示した。ベント上部R値が大きくなるにつれ、ベントの角度の増加によりH0寸法が増加する傾向を示した。具体的に、ベント上部R値が0.4mmである比較例1の場合、ベント上部R値が0.1mmである実施例1に比べて約9.5%増加することが分かる。従って、ベント上部R値が大きくなるにつれ、H0寸法が増加するため、H0散布の減少のためには、ベント部品のR値管理が必要と判断される。
【0052】
図5には、2次クリッピング(crimping)後のベント変形率の等高線(contour)を測定して示した。これを通じて、ベント上部R値が大きくなるにつれ、2次クリッピング時、缶とガスケット間の接触面積の減少による接触圧力が増加(ガスケット押圧量増加)し、ベント-ガスケット間の接触終端位置が短くなる。これにより、ガスケットがベントの前端を押しながらベントモーメント(moment)が増加し、これはベントに発生する変形率の増加によるベント角度の増加でH0寸法が大きくなると判断された。
【0053】
[符号の説明]
100:缶
200:キャップ組立体
210:ベント
220:電流遮断器フィルター
230:CIDガスケット
300:ガスケット
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】