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特表2024-533763エアゾール発生装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】エアゾール発生装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20240905BHJP
【FI】
A24F40/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519084
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2022122825
(87)【国際公開番号】W WO2023051733
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111160239.1
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】操広平
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD22
(57)【要約】
エアゾール発生装置(10)及びその制御方法であって、方法は、ヒータ(101)に電力を出力するように電力源を制御し、ヒータ(101)を所望の温度範囲内にするか又は目標温度に維持するステップ(S11)と、ヒータ(101)を所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従ってヒータ(101)に電力を出力するように電力源を制御し、エアゾール発生装置(10)から発生する騒音のデシベル値を調整するステップ(S12)と、を含む。少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従ってヒータ(101)に電力を出力するように電力源を制御することで、エアゾール発生装置(10)から発生する騒音のデシベル値を調整し、騒音が大きすぎてユーザの体験が悪い問題を回避し、ユーザの使用体験を向上させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータ及び電力源を含むエアゾール発生装置の制御方法であって、
前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持することと、
前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整することと、を含むことを特徴とする、エアゾール発生装置の制御方法。
【請求項2】
前記電力パラメータは、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも1つ、及び/又は、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも1つに基づいて導出されたパラメータを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
可変な電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、且つ前記電力パラメータの変化量を制限することにより前記騒音のデシベル値を調整することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電力パラメータの変化量は電流又は電圧の変化量を含み、
前記方法は、
前記電流又は電圧の変化量を制御し、前記騒音のデシベル値を基準デシベル値以下に制限することをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電流の変化量を0~5A、又は0~4A、又は0~3A、又は0~2A、又は0~1A、又は0~0.5A、又は0~0.2Aに制御することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
交互に第1電力パラメータと該第1電力パラメータよりも小さい第2電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、且つ第1電力パラメータと第2電力パラメータとの差が予め設定された閾値を超えないように制限することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1電力パラメータと第2電力パラメータの交替頻度を制限することにより、前記騒音のデシベル値を調整することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1電力パラメータと前記第2電力パラメータは両方とも電圧を含み、前記第2電力パラメータの電圧値はゼロに等しいことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒータのリアルタイム温度を監視し、温度値に応じて前記電力源からヒータに供給される電圧を制御することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記エアゾール発生装置は電力源に接続される電圧調整回路をさらに含み、
前記方法は、
前記電圧調整回路を制御し、前記ヒータに異なる電圧を出力することをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電圧調整回路はスイッチングトランジスタを含み、
前記方法は、
前記スイッチングトランジスタのデューティ比及び/又はスイッチング周波数を制御し、異なる電圧を出力することをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つの異なる電力をヒータに交互に出力するように前記電力源を制御し、且つ前記少なくとも2つの異なる電力の変化周波数を制限することで、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整することをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つの異なる電力の変化周波数を0.05Hz~10Hz、又は0.05Hz~5Hz、又は0.05Hz~2Hz、又は0.05Hz~1Hz、又は0.05Hz~0.8Hz、又は0.05Hz~0.5Hz、又は0.1Hz~0.5Hzに制限することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エアゾール発生装置はスイッチング回路をさらに含み、
前記方法は、
前記スイッチング回路のスイッチング周波数を制御し、前記電力源が電力出力を変化させる頻度を調整することをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータ及び電力源を含むエアゾール発生装置の制御方法であって、
前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持することと、
前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、前記ヒータに電力を断続的に出力するように電力源を制御し、且つ電力を出力する動作の頻度を制限することにより、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整することと、を含むことを特徴とする、エアゾール発生装置の制御方法。
【請求項16】
電力源と、
エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータと、
前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持し、そして前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整するように構成されるコントローラと、を含むことを特徴とする、エアゾール発生装置。
【請求項17】
電圧調整回路をさらに含み、
前記電圧調整回路は、前記コントローラの制御を受けて、前記ヒータに供給される電圧を調整するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載のエアゾール発生装置。
【請求項18】
前記電圧調整回路は昇圧回路及び/又は降圧回路を含むことを特徴とする、請求項17に記載のエアゾール発生装置。
【請求項19】
前記電圧調整回路は、BUCK変換回路、BOOST変換回路、BUCK-BOOST変換回路、CUK変換回路、ZETA変換回路、SEPIC変換回路のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項18に記載のエアゾール発生装置。
【請求項20】
前記ヒータは電力源に接続される抵抗加熱素子を含み、前記コントローラは、前記抵抗加熱素子に変化する電流が流れる時に、前記ヒータの騒音のデシベル値を調整するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載のエアゾール発生装置。
【請求項21】
前記ヒータは、電力源に接続される誘電コイル及び前記誘電コイルに電磁的に結合される誘導発熱体を含み、前記コントローラは、前記誘電コイルに変化する電流が流れる時に、前記誘電コイルの騒音のデシベル値を調整するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載のエアゾール発生装置。
【請求項22】
前記ヒータは、前記エアゾール形成基質に挿入して加熱できるように細長いヒータとして構造されることを特徴とする、請求項16に記載のエアゾール発生装置。
【請求項23】
スイッチング回路をさらに含み、
前記スイッチング回路は、前記コントローラの制御を受けて、電池セルと前記ヒータとの間の電気的接続を導通又は切断するように構成されることを特徴とする、請求項22に記載のエアゾール発生装置。
【請求項24】
前記スイッチング回路は第1スイッチングトランジスタ及び第2スイッチングトランジスタを含み、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタは両方とも入力接続端、出力接続端及び制御端を含み、
前記第1スイッチングトランジスタの制御端は前記コントローラの制御を受けるために用いられ、前記第1スイッチングトランジスタの入力接続端は前記第2スイッチングトランジスタの制御端に電気的に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの出力接続端は接地され、前記第2スイッチングトランジスタの入力接続端は電池セルに電気的に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの出力接続端は前記ヒータに電気的に接続されることを特徴とする、請求項23に記載のエアゾール発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、喫煙具の技術分野に関し、特にエアゾール発生装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコのようなものは、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を発生させるものである。タバコを燃焼させるこれらの製品の代替として、燃焼せずに化合物を放出する製品を製造する努力が試みられていた。このような製品の一例は、タバコ加熱製品、又はタバコ加熱機器、又はエアゾール発生装置とも呼ばれるいわゆる加熱式非燃焼型製品であり、該製品又は機器は、材料を燃焼ではなく加熱することで化合物を放出させる。材料は、例えば、ニコチンを含んでも含まなくてもよいブレンド混合物のようなタバコ又は他の非タバコ製品又はその組み合わせであり得る。
【0003】
従来のエアゾール発生装置は予熱の時、ヒータの温度が予め設定された温度まで上昇した後、喫煙段階に入る前に該予め設定された温度で一定時間維持することができる。該装置には、喫煙段階で機械的振動が発生しやすく、その結果騒音が発生し、ユーザの体験が悪いという問題がある。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来のエアゾール発生装置の騒音問題を解決することを目的とするエアゾール発生装置及びその制御方法を提供する。
【0005】
第1態様において、本出願の実施例は、エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータ及び電力源を含むエアゾール発生装置の制御方法であって、前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にするか又は目標温度に維持するステップと、前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整するステップと、を含む、エアゾール発生装置の制御方法を提供する。
【0006】
一例において、前記電力パラメータは、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも1つ、及び/又は、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも1つに基づいて導出されたパラメータを含む。
【0007】
一例において、前記方法は、可変な電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、且つ前記電力パラメータの変化量を制限することにより前記騒音のデシベル値を調整するステップを含む。
【0008】
一例において、前記電力パラメータの変化量は電流又は電圧の変化量を含み、前記方法は、前記電流又は電圧の変化量を制御し、前記騒音のデシベル値を基準デシベル値以下に制限するステップをさらに含む。
【0009】
一例において、前記電流の変化量を0~5A、又は0~4A、又は0~3A、又は0~2A、又は0~1A、又は0~0.5A、又は0~0.2Aに制御する。
【0010】
一例において、前記方法は、交互に第1電力パラメータと該第1電力パラメータよりも小さい第2電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、且つ第1電力パラメータと第2電力パラメータとの差が予め設定された閾値を超えないように制限するステップを含む。
【0011】
一例において、前記第1電力パラメータと第2電力パラメータの交替頻度を制限することにより、前記騒音のデシベル値を調整する。
【0012】
一例において、前記第1電力パラメータと前記第2電力パラメータは両方とも電圧を含み、前記第2電力パラメータの電圧値はゼロに等しい。
【0013】
一例において、前記ヒータのリアルタイム温度を監視し、温度値に応じて前記電力源からヒータに供給される電圧を制御する。
【0014】
一例において、前記エアゾール発生装置は電力源に接続される電圧調整回路をさらに含み、前記方法は、前記電圧調整回路を制御し、前記ヒータに異なる電圧を出力するステップをさらに含む。
【0015】
一例において、前記電圧調整回路はスイッチングトランジスタを含み、前記方法は、前記スイッチングトランジスタのデューティ比及び/又はスイッチング周波数を制御し、異なる電圧を出力するステップをさらに含む。
【0016】
一例において、前記方法は、少なくとも2つの異なる電力をヒータに交互に出力するように前記電力源を制御し、且つ前記少なくとも2つの異なる電力の変化周波数を制限することで、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整するステップをさらに含む。
【0017】
一例において、前記少なくとも2つの異なる電力の変化周波数を0.05Hz~10Hz、又は0.05Hz~5Hz、又は0.05Hz~2Hz、又は0.05Hz~1Hz、又は0.05Hz~0.8Hz、又は0.05Hz~0.5Hz、又は0.1Hz~0.5Hzに制限する。
【0018】
一例において、前記エアゾール発生装置はスイッチング回路をさらに含み、前記方法は、前記スイッチング回路のスイッチング周波数を制御し、前記電力源が電力出力を変化させる頻度を調整するステップをさらに含む。
【0019】
第2態様において、本出願の実施例は、エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータ及び電力源を含むエアゾール発生装置の制御方法であって、前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にするか又は目標温度に維持するステップと、前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、前記ヒータに電力を断続的に出力するように電力源を制御し、且つ電力を出力する動作の頻度を制限することにより、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整するステップと、を含む、エアゾール発生装置の制御方法をさらに提供する。
【0020】
第3態様において、本出願の実施例は、電力源と、エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータと、前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にするか又は目標温度に維持し、そして前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整するように構成されるコントローラと、を含む、エアゾール発生装置をさらに提供する。
【0021】
一例において、前記エアゾール発生装置は電圧調整回路をさらに含み、前記電圧調整回路は、前記コントローラの制御を受けて、前記ヒータに供給される電圧を調整するように構成される。
【0022】
一例において、前記電圧調整回路は昇圧回路及び/又は降圧回路を含む。
【0023】
一例において、前記電圧調整回路は、BUCK変換回路、BOOST変換回路、BUCK-BOOST変換回路、CUK変換回路、ZETA変換回路、SEPIC変換回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
一例において、前記ヒータは電力源に接続される抵抗加熱素子を含み、前記コントローラは、前記抵抗加熱素子に変化する電流が流れる時に、前記ヒータの騒音のデシベル値を調整するように構成される。
【0025】
一例において、前記ヒータは、電力源に接続される誘電コイル及び前記誘電コイルに電磁的に結合される誘導発熱体を含み、前記コントローラは、前記誘電コイルに変化する電流が流れる時に、前記誘電コイルの騒音のデシベル値を調整するように構成される。
【0026】
一例において、前記ヒータは、前記エアゾール形成基質に挿入して加熱できるように細長いヒータとして構造される。
【0027】
一例において、前記エアゾール発生装置はスイッチング回路をさらに含み、前記スイッチング回路は、前記コントローラの制御を受けて、電池セルと前記ヒータとの間の電気的接続を導通又は切断するように構成される。
【0028】
一例において、前記スイッチング回路は第1スイッチングトランジスタ及び第2スイッチングトランジスタを含み、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタは両方とも入力接続端、出力接続端及び制御端を含み、前記第1スイッチングトランジスタの制御端は前記コントローラの制御を受けるために用いられ、前記第1スイッチングトランジスタの入力接続端は前記第2スイッチングトランジスタの制御端に電気的に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの出力接続端は接地され、前記第2スイッチングトランジスタの入力接続端は電池セルに電気的に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの出力接続端は前記ヒータに電気的に接続される。
【0029】
本出願で提供されるエアゾール発生装置の制御方法は、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従ってヒータに電力を出力するように電力源を制御することにより、エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整し、騒音が大きすぎてユーザの体験が悪い問題を回避し、ユーザの使用体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
1つ又は複数の実施例についてはそれに対応する添付図面中の図によって例示的に説明するが、これらの例示的説明は実施例を限定するものではなく、図面において同じ参照用数字符号を付けた素子は類似的な素子であることを示し、特に断らない限り、添付図面中の図は比例を制限するものではない。
【0031】
図1】本出願の実施形態で提供されるエアゾール発生装置の制御方法の模式図である。
図2】本出願の実施形態で提供されるエアゾール発生装置の模式図である。
図3】本出願の実施形態で提供されるヒータの温度曲線の模式図である。
図4】本出願の実施形態で提供されるヒータの電圧波形の模式図である。
図5】本出願の実施形態で提供される電圧調整回路の模式図である。
図6】本出願の実施形態で提供される別の電圧調整回路の模式図である。
図7】本出願の実施形態で提供されるさらに別の電圧調整回路の模式図である。
図8】本出願の実施形態で提供されるさらに別の電圧調整回路の模式図である。
図9】本出願の実施形態で提供される別のエアゾール発生装置の模式図である。
図10】本出願の実施形態で提供されるさらに別のエアゾール発生装置の模式図である。
図11】本出願の実施形態で提供される別のエアゾール発生装置におけるスイッチング回路の模式図である。
図12】本出願の実施形態で提供される別の電圧波形の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願を容易に理解するために、以下、図面と具体的な実施形態を関連付けて、本出願をより詳しく説明する。説明すべきことは、素子が別の素子に「固定」されていると記述される場合、それは別の素子に直接位置してもよく、又はその間に1つ又は複数の介在素子が存在してもよい点である。1つの素子が別の素子に「接続」されていると記述される場合、それは別の素子に直接接続されてもよく、又はその間に1つ又は複数の介在素子が存在してもよい。本明細書で使用される用語「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」及び同様の記述は、説明を目的とするものに過ぎない。
【0033】
特に定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語と科学用語は、本出願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味である。本明細書では、本出願の明細書において使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するためのものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列挙された項目の任意と全ての組合せを含む。
【0034】
図1は本出願の実施形態で提供されるエアゾール発生装置の制御方法の模式図である。
【0035】
前記エアゾール発生装置は、エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるためのヒータを含み、ヒータは、周辺又は周方向加熱構造(ヒータはエアゾール形成基質の少なくとも一部を囲む)として構成されてもよく、中心加熱構造(ヒータの外周はエアゾール形成基質に直接接触する)として構成されてもよい。加熱方式は、抵抗加熱、赤外線加熱、電磁加熱等であってもよく、ここでは限定しない。
【0036】
前記方法は次のステップS11とステップS12を含む。
ステップS11で、前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記ヒータを所望の温度範囲内にするか又は目標温度に維持する。
ステップS12で、前記ヒータを所望の温度範囲内にする又は目標温度に維持する間に、少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御し、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値を調整する。
【0037】
前記ヒータが所望の温度範囲内にある又は目標温度に維持されている時、ユーザは、前記予め設定された持続時間内で前記エアゾール発生装置から発生するエアゾールを吸うことができる。一般的に、目標温度は、150℃~350℃、又は150℃~300℃、又は150℃~250℃、又は150℃~200℃である。所望の温度範囲は、目標温度に基づいて上下に変動することができる。
【0038】
少なくとも1つの所定値又は所定範囲内の電力パラメータに従って前記ヒータに電力を出力するように電力源を制御することにより、前記エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値をユーザが許容できる範囲に制御することができる。一例として、ユーザは、ユーザ喫煙時にエアゾール発生装置から発生する振動騒音がユーザの体験に影響を与えないよう、エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値が基準デシベル値以下、例えば、45bBの基準デシベル値以下に制限されることを望む。好ましい実施形態として、また例えば、エアゾール発生装置から発生する騒音のデシベル値が0dB~32dB、0dB~30dB、0dB~26dB、0dB~20dB、又は5dB~20dB等のユーザが許容できる範囲に維持するように制限する。
【0039】
前記電力パラメータは、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも1つ、及び/又は、例えば変化量、変化率等、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも1つに基づいて導出されたパラメータを含む。
【0040】
以下において図2図8を参照しながら、本出願の好ましい一実施形態を説明する。
【0041】
図2に示すように、エアゾール発生装置10は、ヒータ101、コントローラ102及び電池セル103を含む。
【0042】
ヒータ101は、電池セル103により提供される電力で熱を発生させ、エアゾール発生装置10内に配置された製品20を加熱し、製品20中のエアゾール形成基質からユーザ喫煙用のエアゾールを発生させるために用いられる。
【0043】
図2の例において、ヒータ101は、周辺又は周方向加熱構造(ヒータ101はエアゾール形成基質の少なくとも一部を含む)として構成され、加熱方式は、抵抗加熱、赤外線加熱、電磁加熱等であってもよい。
【0044】
コントローラ102は、それぞれヒータ101及び電池セル103に接続され、電池セル103からヒータ101に供給される電力を制御するか又はヒータ101に電力を出力するように制御し、さらにヒータ101の加熱温度を制御し、エアゾール形成基質を加熱してエアゾールを発生させるために用いられる。
【0045】
コントローラ102はさらに、エアゾール発生装置10の制御方法を実行するために構成される。
【0046】
エアゾール発生装置10は、エアゾール発生装置10の制御方法を実行するプログラムを記憶するための記憶媒体をさらに含んでもよく、コントローラ102は、前記記憶媒体に記憶されたエアゾール発生装置10の制御方法のプログラムを読み取って実行し、エアゾール発生装置10の制御方法を実現することができる。記憶媒体は、エアゾール発生装置10に設けられる独立した記憶デバイスであってもよいし、コントローラ102に内蔵される記憶媒体であってもよい。記憶媒体は、不揮発性記憶媒体を含むが、これに限定されない。
【0047】
電池セル103は電力源であり、ヒータ101及びコントローラ102に電力を供給するために用いられる。電池セル103は、充電式電池セルであってもよいし、非充電式電池セルであってもよい。
【0048】
図2の例において、エアゾール発生装置10は、ヒータ101と電池セル103の間に結合される電圧調整回路104をさらに含み、電圧調整回路104は、昇圧回路及び/又は降圧回路を含み、例えば、図5図8に示すBUCK-BOOST変換回路、図6に示すBOOST変換回路、図7に示すBUCK変換回路、CUK変換回路(図示せず)、ZETA変換回路(図示せず)、SEPIC変換回路(図示せず)のうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
電圧調整回路104はスイッチングトランジスタを含み、電圧調整回路104におけるスイッチングトランジスタのデューティ比及び/又はスイッチング周波数を制御することにより、ヒータ101に供給される電力信号の電圧を調整し、ヒータ101を流れる電流の変化量を予め設定された範囲に維持し、さらにエアゾール発生装置10から発生する騒音のデシベル値を制御することができる。
【0050】
ヒータ101のリアルタイム温度に応じて、ヒータ101に供給される電力の電圧を調整することができる。ヒータ101のリアルタイム温度は、コントローラ102に接続される温度センサ(図示せず)によって検出することができる。温度センサは、熱電対、抵抗温度係数を有する温度検出モジュールを含むが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、ヒータ101自体は抵抗温度係数を有し得、ヒータ101の抵抗値によってヒータ101のリアルタイム温度を確定することができる。
【0051】
この例において、ヒータ101に供給される電力の電圧波形は、方形波、三角波、ノコギリ波を含むが、これらに限定されない。
【0052】
図3に示すヒータの温度曲線の模式図において、温度曲線の横軸tは時間を表し、縦軸Tは温度を表す。
【0053】
t0時刻で、ヒータ101の初期温度はT0である。
【0054】
図3の例において、初期温度は周囲温度より高く、他の例において、初期温度は周囲温度であってもよい。
【0055】
t0~t1の期間に、コントローラ102は、最大電力又は他の予め設定された電力で加熱するように制御ヒータ101の電力を制御し、例えば、最大電力は36Wであり、t1時刻に、ヒータ101は予め設定された温度T1に加熱する。
【0056】
予め設定された温度は、エアゾール形成基質からエアゾールを発生させるのに最適な温度としてもよく、つまり、この温度では、エアゾール形成基質は、ユーザ喫煙に最も適した口当たりの良い煙量及び温度を提供することができる。本出願の実施形態で使用する予め設定された温度は、150℃~350℃、又は180℃~350℃、又は220℃~350℃、又は220℃~300℃、又は220℃~280℃、又は220℃~260℃である。
【0057】
t1~t2の期間に、コントローラ102は、電池セル103からヒータ101に供給される電力を制御し、ヒータ101が予め設定された温度T1(220℃)で一定時間(即ちt1~t2期間)維持するように制御する。説明すべきことは、他の例において、t1~t2期間を設けなくてもよい点である。
【0058】
t2時刻に、コントローラ102は、エアゾール喫煙の通知信号を出力し、ユーザに喫煙を促すことができる。具体的には、コントローラ102に接続される通知装置によって、コントローラ102から出力されたエアゾール喫煙可能の通知信号に基づいて通知操作を実行することができる。例えば、通知装置は振動モータであり、振動モータは、コントローラ102から出力されたエアゾール喫煙可能の通知信号(制御振動モータが動作するように制御するための起動信号を含む)に基づいて、エアゾールを喫煙可能であることを振動でユーザに知らせる。通知装置はLEDライトであり、LEDライトは、コントローラ102から出力されたエアゾール喫煙可能の通知信号に基づいて、点灯又は点滅してエアゾールを喫煙可能であることをユーザに知らせる。
【0059】
t2~t3の期間に、エアゾール喫煙可能の通知信号を出力した後、コントローラ102は、電池セル103からヒータ101に供給される電力を制御し、ヒータ101の温度がT1から目標温度T2に下がるように制御する。その後、コントローラ102は、電池セル103からヒータ101に供給される電力を制御し、ヒータ101が目標温度T2で維持するように制御する。
【0060】
ここで、t2~t3期間の値は、120秒~360秒又は6パフ~20パフ喫煙する時間であり得る。
【0061】
図4に示すように、t2~t3の期間に、ヒータ101に供給される電力の電力パラメータは、交互に提供される第1電力パラメータと第2電力パラメータを含み、図4に示す実施例において、第1電力パラメータと第2電力パラメータは電圧を含み、電力源により供給される電圧波形は方形波である。該方形波において、電力源により供給される電圧は、第1電圧と第2電圧を含み、且つ第2電圧は第1電圧よりも小さい。例えば、第1電圧Vmaxは、ヒータ101に供給される電力の最大電圧値であり、第2電圧Vminは、ヒータ101に供給される電力の最小電圧値である。エアゾール発生装置10から発生する騒音のデシベル値をユーザが許容できる範囲に制御するために、VmaxとVminは、
(Vmax-Vmin)/RX=Iという関係を満たし、式中RXはヒータ101の抵抗値で、Iは電力信号の電流変化量であり、その予め設定された範囲は0~5A、又は0~4A、又は0~3A、又は0~2A、又は0~1A、又は0~0.5A、又は0~0.2Aである。ヒータ101の抵抗値が一定である場合、ヒータ101に供給される電力の電圧変化量も対応する予め設定された範囲内にある。
【0062】
図5に示す具体的な回路模式図のように、電池セル103(図中のBATで示す)とヒータ101(図中のOUT+とOUT-はヒータ101である)の間に非同期降圧回路とBOOST昇圧回路が結合されている。
【0063】
図4のt0~t1期間を例にすると、スイッチングトランジスタQ3がオンになり、非同期降圧回路は動作せず、スイッチングトランジスタQ7とスイッチングトランジスタQ6からなるBOOST昇圧回路は動作し、電池セル103の電圧振幅よりも高い直流電圧を出力し、ヒータ101が予め設定された温度T1に加熱するようにする。
【0064】
ヒータ101が予め設定された温度T1に加熱した後、スイッチングトランジスタQ6をオン、スイッチングトランジスタQ7をオフに制御することができ、即ちBOOST昇圧回路は動作を停止する。その後、スイッチングトランジスタQ3がPWMパルス信号を出力するように、コントローラ102によりスイッチングトランジスタQ14を制御し、これにより、スイッチングトランジスタQ3、ダイオードD7、インダクタL1、スイッチングトランジスタQ6、コンデンサC12及びC9からなる非同期降圧回路の、ヒータ101に印加する電力の電圧が低下し、温度もそれに伴って低下する。ヒータ101の温度がT1からT2に低下すると、この時の電圧ではヒータ101の温度を上昇傾向にすることができないため、BOOST昇圧回路を再びオンにして、ヒータ101の温度を上昇傾向にし、設定した温度値T2に達させる必要がある。t2~t3の期間に、BOOST昇圧回路と非同期降圧回路は交互に動作し、ヒータ101に供給される電力の電圧を制御し、ヒータ101を流れる電流の変化量を予め設定された範囲に維持し、ヒータ101が変化する電流の作用下で発生する変化する磁界環境において発生する機械的振動の振幅を抑制し、さらに、エアゾール発生装置10から発生する騒音のデシベル値を制御する。
【0065】
異なる電流変化量について騒音試験を行った。
試験数量(Qty):10。
試験方法:エアゾール発生装置を騒音収集器から10MM離し、完全に無音の測定実験室に動作中のエアゾール発生装置の騒音データをリアルタイムで収集し、エアゾール発生装置に製品(シガレット)を挿入し、電源投入後に恒温段階(t2~t3期間)の騒音の平均値を観察する。
試験条件:測定実験室のボトムノイズ19dB。
試験機器:A5オーディオアナライザー。
判定基準:環境騒音の基準として、0dB~30dBを非常に静かと定義し、30dB~50dBを静かと定義し、50dB~70dBを比較的静かと定義する。
【0066】
騒音試験の結果は次のとおりである。

【0067】
以上の試験結果から、ヒータ101を流れる電流の変化量が1A~5Aである場合、ジュージュー音が聞こえるが、試験デシベルがユーザが許容できる範囲(静かという範囲)にあり、ヒータ101を流れる電流の変化量が1A以下である場合、人の耳に近づけてもほとんど音が聞こえず、ユーザ体験が最高となることが分かる。ヒータ101を流れる電流の変化量が低下するにつれて、試験されたデシベル値もそれに応じて低下する。
【0068】
以下において、図9図12を参照しながら、本出願の別の好ましい実施形態を説明する。
【0069】
図9に示すように、エアゾール発生装置100中のヒータ1001は、図2の例と異なり、中心加熱構造(ヒータの外周はエアゾール形成基質に直接接触する)として構造され、加熱方式は限定されない。エアゾール発生装置100中のコントローラ102、電池セル103は前述したものと類似する。
【0070】
図9に示す実施例において、ヒータ1001は、エアゾール形成基質に挿入できるように細長状のヒータとして構造される。一例として、ヒータ1001は、細長いヒータ基体及びヒータ基体に結合された抵抗加熱素子を含み、抵抗加熱素子は電流が流れると熱を発生させることができる。電池セル103は、コントローラ102を介してヒータ1001の抵抗加熱素子に接続され、エアゾール発生装置100中のコントローラ102は、該抵抗加熱素子に変化する電流が流れる時、適切な電力パラメータを通じて電力を出力し、ヒータ1001の機械的振動の振幅又は頻度を抑制することで、前記ヒータの騒音のデシベル値を低いレベルに維持することができる。ここで、電池セル103は電力源とすることができる。
【0071】
図10に示すように、別の例として、ヒータは、電力源に接続される誘電コイル1003と、誘電コイル1003に電磁的に結合される誘導発熱体1002とを含んでもよく、誘導発熱体1002は、誘電コイル1003によって発生する変化する磁界で発熱してエアゾール形成基質を加熱し、電池セル103はコントローラ102を介して誘電コイル1003に接続され、エアゾール発生装置中のコントローラ102は、適切な電力パラメータで電力を誘電コイル1003に出力することができ、例えば、適切な周波数を通じて前記誘電コイルに変化する電流を供給することで、誘電コイル1003の振動を抑制し、その騒音のデシベル値を低いレベルに維持することができる。ここで、電池セル103は電力源とすることができる。
【0072】
エアゾール発生装置100は、ヒータ1001と電池セル103の間に結合されるスイッチング回路1004をさらに含む。図11に示すように、スイッチング回路1004は、スイッチングトランジスタQ2及びスイッチングトランジスタQ1を含み、スイッチングトランジスタQ2とスイッチングトランジスタQ1は両方とも入力接続端、出力接続端及び制御端を含む。この例において、スイッチングトランジスタQ2はNMOSトランジスタで、スイッチングトランジスタQ1はPMOSトランジスタである。スイッチングトランジスタQ2は入力接続端がドレインで、出力接続端がソースで、制御端がゲートである。スイッチングトランジスタQ1は入力接続端がソースで、出力接続端がドレインで、制御端がゲートである。スイッチングトランジスタQ2の制御端は、コントローラ102の制御を受けて、電池セル103とヒータ1001との間の電気的接続を導通又は切断するために用いられる。スイッチングトランジスタQ2の入力接続端はスイッチングトランジスタQ1の制御端に電気的に接続され、スイッチングトランジスタQ2の出力接続端は接地され、スイッチングトランジスタQ1の入力接続端は電池セルに電気的に接続され、スイッチングトランジスタQ1の出力接続端はヒータ101に電気的に接続される。
【0073】
依然として図3に示すヒータの温度曲線の模式図を例にし、t2~t3の期間に、大きさの異なる出力電力を提供し、ヒータを目標温度に維持することができる。コントローラはさらに、例えば電圧の周波数等、ヒータに供給される電力に関する電力パラメータを所定値又は適切な範囲内に維持することによって、エアゾール発生装置100から発生する騒音のデシベル値を制御する。実現可能な一実施形態として、スイッチングトランジスタQ2の断続的な動作のスイッチング周波数を制御すれば、出力電圧の変化周波数を適切な範囲内に維持することができる。好ましい解決手段として、上記周波数は0.05Hz~10Hz、又は0.05Hz~5Hz、又は0.05Hz~2Hz、又は0.05Hz~1Hz、又は0.05Hz~0.8Hz、又は0.05Hz~0.5Hz、又は0.1Hz~0.5Hzである。
【0074】
一例において、コントローラは、ヒータに少なくとも2つの異なる電圧を交互に提供するように電力源を制御し、そのうちの1つの電圧はゼロに等しく、即ち電力源はヒータに断続的に供給する。実現可能な一実施形態として、図12に示すt2~t3の期間に、電力源からヒータ101に供給される電力信号の電圧波形は方形波である。該方形波において、Vmaxはヒータ101に供給される電力の最大電圧値であり、ヒータ101に供給される電力の最小電圧値はゼロである。
【0075】
異なるスイッチング周波数について騒音試験を行った。
試験数量(Qty):10。
試験方法:エアゾール発生装置を騒音収集器から10MM離し、完全に無音の測定実験室に騒音データをリアルタイムで収集し、エアゾール発生装置に製品(シガレット)を挿入し、電源投入後に恒温段階(t2~t3期間)の騒音の平均値を観察する。
試験条件:測定実験室のボトムノイズ19dB。
試験機器:A5オーディオアナライザー。
判定基準:環境騒音の基準として、0dB~30dBを非常に静かと定義し、30dB~50dBを静かと定義し、50dB~70dBを比較的静かと定義する。
【0076】
騒音試験の結果は次のとおりである。

【0077】
以上の試験結果から、ヒータに供給する異なる電力の変化周波数が低い場合、ヒータから発生する振動騒音を良好に抑制できることが分かる。好ましい解決手段として、スイッチングトランジスタQ2のスイッチング周波数が0.5Hz~10Hzである場合、音が聞こえるが、試験デシベルはユーザが許容できる範囲(非常に静かという範囲)にある。スイッチングトランジスタQ2のスイッチング周波数が0.5Hz以下である場合、人の耳に近づけてもほとんど音が聞こえず、ユーザ体験が最高となる。スイッチングトランジスタQ2のスイッチング周波数が低下するにつれて、試験されたデシベル値もそれに応じて低下する。実施時、コントローラは、ヒータに供給する異なる電力の変化周波数が0.5Hz~10Hzにおけるある特定値に維持し又は該範囲内で変動するように構成されてもよい。
【0078】
説明すべきことは、図9図12の電力信号の周波数制御方式は図2図8の例にも適する点である。一例において、ヒータ101を流れる電流の変化量と電力信号を断続的に提供する頻度を同時に制御することにより、エアゾール発生装置10から発生する騒音のデシベル値を制御する。
【0079】
以上に記載の装置の実施例は例示的なものに過ぎず、分離部材として説明した前記ユニットは物理的に分離されたものであってもなくてもよく、ユニットとして示した部材は物理ユニットであってもなくてもよく、即ち一箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてその一部又は全てのモジュールを選択して本実施例の解決手段の目的を実現することができる。
【0080】
以上の実施形態に対する説明によって、当業者であれば各実施形態はソフトウェアと共通ハードウェアプラットフォームとの組み合わせという形態で実現してもよく、当然ながら、ハードウェアによって実現してもよいことを明確に理解可能である。当業者であれば、上記実施例の方法におけるフローの全部又は一部は、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアに指示を出すことで実現でき、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、実行される時、上記各方法実施例のフローを含んでもよいことが理解可能である。ここで、前記記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)又はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)等であってもよい。
【0081】
最後に、説明すべきことは、以上の実施例は本出願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、制限的なものではない点である。本出願の構想の下で、以上の実施例又は異なる実施例における技術的特徴を組み合わせることもでき、ステップを任意の順序で実現でき、上述した本出願の異なる態様の多くのその他の変形が存在し、簡明にするために、それらを詳細に説明しない。上記の実施例を参照して本出願を詳しく説明したが、当業者であれば、上記の各実施例に記載の技術的解決手段に対する修正、又はその一部の技術的特徴の同等な置換が依然として可能であることを理解すべきである。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本出願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させることがない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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【国際調査報告】