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▶ フォルマー ベルケ マシーネンファブリク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特表2024-533769細長いワークを研削加工する方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】細長いワークを研削加工する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 5/04 20060101AFI20240905BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240905BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B24B5/04
B24B41/06 J
B24B49/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519241
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2022076979
(87)【国際公開番号】W WO2023052421
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021125106.0
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514107093
【氏名又は名称】フォルマー ベルケ マシーネンファブリク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Vollmer Werke Maschinenfabrik GmbH
【住所又は居所原語表記】Ehinger Strasse 34, 88400 Biberach/Riss, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ベルクバウアー
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート ゼークミュラー
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
【Fターム(参考)】
3C034AA01
3C034BB72
3C034BB92
3C034CA03
3C034CA13
3C043AA02
3C043AA12
3C043CC03
3C043CC12
3C043DD02
3C043DD05
3C043DD06
(57)【要約】
本発明は、細長いワーク(14)を研削加工する方法であって、以下のステップ、すなわち:-ワーク(14)を緊締するステップであって、このときワーク(14)を、第1のワーク端部(82)において第1のセンタリング装置(44)を介して第1のワーク取付け部(12)に支持すると共に、第2のワーク端部(84)において第2のセンタリング装置(80)を介して第2のワーク取付け部(78)に支持する、ワーク(14)を緊締するステップと、-工具ユニット(18)により、ワーク(14)の少なくとも1つの第1の周面区間において第1の研削加工ステップを実施するステップと、-ワーク(14)を緊締し替えるステップであって、このときワーク(14)を第1および第2のセンタリング装置(44,80)から取り外し、ワーク端部(82,84)のうちの一方を第1のワーク取付け部(12)に取り付ける、ワーク(14)を緊締し替えるステップと、-工具ユニット(18)により、ワーク(14)の第2の周面区間において第2の研削加工ステップを実施するステップであって、このとき支持装置(69)が、ワーク(14)を、ワーク(14)の周面の少なくとも一部にわたり支持する、第2の研削加工ステップを実施するステップとを含む、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いワーク(14)を研削加工する方法であって、以下のステップ、すなわち:
-前記ワーク(14)を緊締するステップであって、このとき前記ワーク(14)を、第1のワーク端部(82)において第1のセンタリング装置(44)を介して第1のワーク取付け部(12)に支持すると共に、第2のワーク端部(84)において第2のセンタリング装置(80)を介して第2のワーク取付け部(78)に支持する、前記ワーク(14)を緊締するステップと、
-工具ユニット(18)により、前記ワーク(14)の少なくとも1つの第1の周面区間において第1の研削加工ステップを実施するステップと、
-前記ワーク(14)を緊締し替えるステップであって、このとき前記ワーク(14)を前記第1および第2のセンタリング装置(44,80)から取り外し、前記ワーク端部(82,84)のうちの一方を前記第1のワーク取付け部(12)に取り付ける、前記ワーク(14)を緊締し替えるステップと、
-前記工具ユニット(18)により、前記ワーク(14)の第2の周面区間において第2の研削加工ステップを実施するステップであって、このとき支持装置(69)が、前記ワーク(14)を、該ワーク(14)の周面の少なくとも一部にわたり支持する、第2の研削加工ステップを実施するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
緊締時に、前記ワーク(14)を、該ワーク(14)の一方の軸線方向端面および/または前記ワーク(14)の一方の軸線方向端面におけるセンタリング部および/または特に前記ワーク(14)の前記軸線方向端面に隣接する面取り部を介して前記第1のセンタリング装置(44)に連結し、かつ/または前記ワーク(14)の別の軸線方向端面および/または別の軸線方向端面における別のセンタリング部および/または特に前記ワーク(14)の前記別の軸線方向端面に隣接する別の面取り部を介して前記第2のセンタリング装置(80)に連結する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ワーク(14)を、少なくとも前記第1の研削加工ステップ中に、前記第1の区間において回転対称の形状に研削し、かつ/または
前記第1の区間は、前記ワーク(14)の周面全体を含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記緊締し替えの際に、前記ワーク(14)を、取外し前かつ/または取外し中に、前記支持装置(69)により、前記ワーク(14)の前記周面を介して支持し、特に前記支持装置(69)により挟み込み、かつ/または
前記第1のセンタリング装置(44)を把持するグリッパ(42)が設けられており、該グリッパ(42)は、前記緊締し替えの際に前記第1のセンタリング装置(44)を把持し、前記第1のワーク取付け部(12)と前記第1のワーク端部(82)との間の領域から離し、かつ/または
前記第2の区間は、前記第1の区間内に配置されているか、または前記第1の区間に相当し、かつ/または
特に前記第2の研削加工ステップ中に、前記工具ユニット(18)は前記ワーク(14)に、該ワーク(14)のワーク長手方向軸線(W)の方向で前記支持装置(69)の係合領域に対してずらされて、特に前記支持装置(69)の、前記第1のワーク取付け部(12)とは反対の側に係合している、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1および/または前記第2の研削加工ステップ中、前記ワーク(14)を、該ワーク(14)のワーク長手方向軸線(W)の方向において前記支持装置(69)に対して相対的に移動させ、かつ/または
前記第2の研削加工ステップ中、前記支持装置(69)と前記工具ユニット(18)とは、互いに一定に離間されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも前記第2の研削加工ステップ中、前記支持装置(69)を、前記ワーク(14)において、ワーク長手方向軸線(W)に対して固定の位置に配置し、
好適には、前記第2の研削加工ステップ中に、前記支持装置(69)と前記工具ユニット(18)との間の距離を変化させ、特に好適には減少させる、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記第2の研削加工ステップ中に、前記工具ユニット(18)を、前記第1の研削加工ステップに比べて少なくとも部分的に異なる方向に向ける、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記第2の研削加工ステップにおいて、第1のワーク周面(98)を第1のワーク直径に研削すると共に、第2のワーク周面(100)を第2のワーク直径に研削し、前記第1のワーク直径は前記第2のワーク直径よりも小さく、特に前記第2のワーク周面(100)は、前記第1のワーク周面(98)よりも前記第1のワーク取付け部(12)の近くに配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
2つの前記ワーク取付け部(12,78)のうちの少なくとも1つ、特に前記第1のワーク取付け部(12)は、回転駆動可能なワークスピンドル(16)を有しており、少なくとも前記第1および前記第2の研削加工ステップ中に回転駆動される前記ワークスピンドル(16)により、前記ワーク(14)を回転駆動する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記第1の研削加工ステップの後に、前記第1の区間における少なくとも1つのワーク直径の測定を行い、かつ/または前記第2の研削加工ステップの後に、前記第2の区間における少なくとも1つのワーク直径の測定を行う、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記緊締し替えの後に、ワーク長さ、特に前記第1または前記第2のワーク端部(82;84)の位置の測定を行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
細長いワーク(14)を研削加工する装置(10)であって、
-前記ワーク(14)の第1のワーク端部(82)を介して前記ワーク(14)を支持する第1のワーク取付け部(12)および前記ワーク(14)の第2のワーク端部(84)を介して前記ワーク(14)を支持する第2のワーク取付け部(78)と、
-前記ワーク(14)を研削加工する工具ユニット(18)と、
-前記ワーク(14)の周面の少なくとも一部にわたり、前記ワーク(14)を少なくとも段状に支持する支持装置(69)と
を有しており、
当該装置は、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されている、
装置(10)。
【請求項13】
前記支持装置(69)は、支持キャリッジ(65)上に配置されており、該支持キャリッジ(65)は、前記工具ユニット(18)に対して相対的にかつ前記第1のワーク取付け部(12)に対して相対的に、ワーク長手方向軸線(W)の方向に移動可能に形成されている、請求項12記載の装置(10)。
【請求項14】
前記工具ユニット(18)は、第1の研削工具(22)と第2の研削工具(26)とを含み、
前記第1の研削工具(22)は、第1の工具キャリッジ(48)上に配置されており、前記第2の研削工具(26)は、前記研削工具(22,26)を前記ワーク(14)のワーク長手方向軸線(W)に対して垂直でありかつ/または高さ方向(Z1)に対して垂直な並進方向に移動させる第2の工具キャリッジ(50)上に配置されており、
好適には、前記第1および/または前記第2の工具キャリッジ(48,50)はさらに、工具キャリッジ回転軸線(C1)を中心として前記研削工具(22,26)を旋回させる旋回装置(49)上に配置されており、前記工具キャリッジ回転軸線(C1)は、前記高さ方向(Z1)に向けられている、
請求項12または13記載の装置(10)。
【請求項15】
研削加工する当該装置(10)は、前記第1のワーク取付け部(12)が配置されたガイドキャリッジ(38)を有しており、かつ前記第2のワーク取付け部(78)が配置されたワーク取付けキャリッジ(121)を有しており、前記ガイドキャリッジ(38)はワークキャリッジ方向(X1)に沿って移動可能であり、前記ワーク取付けキャリッジ(121)はワーク取付けキャリッジ方向(X3)に沿って移動可能である、請求項12から14までのいずれか1項記載の装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長いワークを研削加工する方法および装置に関する。
【0002】
ワークは、様々な形式で研削加工され得る。回転対称の細長いワークの場合には一般に、まずワークのブランクを回転対称の形状にもたらし、次いでワークにおいて引き続く研削加工を実施することが必要である。ブランクを回転対称に研削するためには、ワークを、その端面にわたり支持することが有利であり、これにより、ワークの周面全体を自由に加工することができる。
【0003】
ワークのワーク長さ対ワーク直径の比が特に大きいか、または研削加工により惹起される材料除去に基づき大きくなり、かつワークの第1の端部まで研削加工されるべき回転対称のワークの場合には、ワークを、その第2の端部においてのみワーク取付け部において支持すると共に、さらに工具の近傍では、ワークの周面にわたり載置部により支持することが周知である。このようにして、研削加工に必要な圧力を、研削工具によりワークに加えることができると同時に、工具の近傍で支持することにより、圧力を吸収する、ワークの十分な支持を保証することができる。これにより、所望のワーク輪郭との差を回避することができる。
【0004】
欧州特許明細書の翻訳(DE69421859T2)には、ワーク長さ対ワーク直径の大きな比を有する回転対称のワークを切削加工する研削機が開示されている。ワークの一方の端部を支持するスピンドルが、スピンドルヘッドでもって、対向して位置する2つの研削ディスクに対して相対的に、ワーク長手方向軸線に沿って移動可能に機械ベッドに支持されている。機械ベッドにはさらに、ワークをその周面にわたり支持する載置部が定置で配置されている。回転対称のワークを予め設定された直径寸法に研削するために、ワークおよび研削ディスクは回転駆動され、ワークは、スピンドルヘッドを介して機械ベッドに対して相対的にかつ研削ディスクに向かって、ワーク軸線に沿って移動させられる。
【0005】
上で説明したこれらの様々な研削加工工程は一般に、個々の研削加工工程に合わせて調整された様々な研削装置において実施される。
【0006】
しかし、様々な研削装置の多くは、高い投資コストに結び付いている。このことは、特に比較的少ない個数の場合に不利である。さらに、ワークが通過し得る研削装置の多くは、一般にワークの長い通過継続時間を生ぜしめる。
【0007】
よって、細長いワークの、時間的に最適であると同時に簡単な研削加工を提供する必要がある。
【0008】
この課題は、請求項1記載の方法により解決される。さらにこの課題は、請求項12記載の装置により解決される。従属請求項は、本発明の有利な改良に関する。
【0009】
細長いワークを研削加工する本発明による方法は、以下のステップ、すなわち:
-ワークを緊締するステップであって、このときワークを、第1のワーク端部において第1のセンタリング装置を介して第1のワーク取付け部に支持すると共に、第2のワーク端部において第2のセンタリング装置を介して第2のワーク取付け部に支持する、ワークを緊締するステップと、
-工具ユニットにより、ワークの少なくとも1つの第1の周面区間において第1の研削加工ステップを実施するステップと、-ワークを緊締し替えるステップであって、このときワークを第1および第2のセンタリング装置から取り外し、ワーク端部のうちの一方を第1のワーク取付け部に取り付ける、ワークを緊締し替えるステップと、
-工具ユニットにより、ワークの第2の周面区間において第2の研削加工ステップを実施するステップであって、このとき支持装置が、ワークを、ワークの周面の少なくとも一部にわたり支持する、第2の研削加工ステップを実施するステップと
を含む。
【0010】
ワーク端部におけるワークの緊締は、ワークをフレキシブルに、特にワークの周面全体にわたり加工することができる、ということを可能にする。さらに、周面の凹凸にもかかわらず、ワークをワーク取付け部により支持することができる、ということが可能になる。つまり、ワーク長手方向軸線を有するワークを、たとえこのワークがワーク長手方向軸線に対して最初は非回転対称の形状を有していても、簡単に緊締して支持することができる。
【0011】
センタリング装置により、緊締されたワークがワーク取付け部に対して、ひいては工具ユニットに対しても所定の位置を占める、ということが達成され得る。つまり換言すると、ワークが所定のワーク長手方向軸線を有しており、この長手方向軸線にワークの回転対称性が関連付けられる、ということがセンタリング装置により達成され得る。このワーク長手方向軸線を中心としてワークを回転させることができる。
【0012】
第1の研削加工ステップにより、ワークの第1の区間に所望の幾何学形状もしくは外側輪郭を形成することができる。この場合、第1の研削加工ステップ用に、ワークの周面全体が提供されている。それというのも、ワークは両ワーク端部を介して支持されているからである。周面は、両ワーク端部の間に延在している。支持装置は、第1の研削加工ステップ中にはワークに係合していないか、もしくはワークを支持していない。
【0013】
緊締し替えることにより、ワークは最早センタリング装置に接触していない、ということが達成される。さらに、ワークは最早第2のワーク取付け部によっては支持されない、ということが達成される。つまり、ワークを第1のワーク取付け部に取り付けるワークの向きに応じて、例えばワーク周面の、第2のワーク端部に対応して配置された領域を、そこで支持装置がワークを直接支持していない限り、フレキシブルに加工することができる。このことは、ワークの一方の端部まで加工を必要とする回転対称のワークにとって特に有利である。第1のワーク取付け部に一方のワーク端部を取り付けることにより、ワークの所定の支持が達成され得る。この場合、第1のワーク取付け部は、ワークを、ワーク周面の第1または第2のワーク端部に対応して配置された領域において周面係合して支持する、ということが想定されていてよい。これにより、第1のワーク取付け部における確実な把持もしくは支持を達成することができる。つまり、第1の研削加工ステップにおいてワーク周面を少なくとも第1の区間において加工した後に、ワークをそこで把持し、これにより、ワークを規定通りに支持することができる。
【0014】
ワークを第2の研削加工ステップ中に支持する支持装置に基づき、ワークが比較的細長くても、ワークを加工することができる。研削加工に基づき生じる力は、支持装置を介して吸収され得る。ワークの撓みは、効果的に回避することができる。つまり、ワーク長さ対ワーク直径の特に大きな比を有するワークも、高い精度で加工することができる。
【0015】
全体として本発明による方法により、細長いワークの効率的な研削加工が提供される。
【0016】
本発明の1つの改良では、緊締時に、ワークを、ワークの一方の軸線方向端面および/またはワークの一方の軸線方向端面におけるセンタリング部および/または特にワークの軸線方向端面に隣接する面取り部を介して第1のセンタリング装置に連結し、かつ/またはワークの別の軸線方向端面および/または別の軸線方向端面における別のセンタリング部および/または特にワークの別の軸線方向端面に隣接する別の面取り部を介して第2のセンタリング装置に連結する、ということが想定されていてよい。これにより、ワークの周面全体を実質的にまたは完全に自由に加工することができる、ということが達成され得る。同時に、ワークは規定通りに支持されている。緊締に際して、両端面が互いに平行に配置されていると有利である。このことが当てはまらない場合には、先行の加工ステップにおいてワークの端面を加工し、これにより、端面が互いに平行になる、ということが想定されていてよい。ワークに関する「軸線方向」とは、一般にワーク長手方向軸線の方向を意味する。
【0017】
本発明の1つの態様では、第1の研削加工ステップ中に、工具ユニットの第1のワーク取付け部は、第1の速度で接近する、ということが想定されていてよい。このようにして、第1の区間に沿って簡単な加工が達成され得る。択一的に、第1の研削加工ステップ中に、工具ユニットの第1のワーク取付け部は、第1の速度で離れる、ということが想定されていてもよい。
【0018】
本発明の1つの構成では、第1の研削加工ステップ中に、工具ユニットの第1の支持装置は、第2の速度で接近する、ということが想定されていてよい。
【0019】
本発明の1つの態様では、第2の速度は第1の速度よりも低い、ということが想定されていてよい。これにより、支持装置は第1のワーク取付け部に徐々に接近する。
【0020】
本発明の1つの改良では、第1および/または第2の研削加工ステップは、ピーリング研削を含む、ということが想定されていてよい。
【0021】
本発明の1つの態様では、ワークは少なくとも第1の研削加工ステップ中に、第1の区間において回転対称の形状に研削される、ということが想定されていてよい。回転対称性は、ワーク長手方向軸線に対するものである。このことは、引き続く研削加工に関して有利であり、緊締し替える際に、第1のワーク取付け部にワークを規定通りに取り付けることを可能にする。
【0022】
本発明の1つの実施形態では、第1の区間は、ワークの周面全体を含む、ということが想定されていてよい。つまり、第1の研削加工ステップにおいて、ワークの周面の完全な研削加工が達成され得る。このことは、取扱い、後続の研削加工ステップおよび後続の保管を容易にする。
【0023】
本発明の1つの態様では、緊締し替えの際に、ワークを、取外し前かつ/または取外し中に、支持装置により、ワークの周面を介して支持し、特に支持装置により挟み込む、ということが想定されていてよい。これにより、緊締し替える間のワークの所定の位置が達成され得る。挟み込みは、ワークの望ましくない傾倒または滑落を阻止する。ワークは確実に保持され得る。
【0024】
本発明の1つの改良では、第1のセンタリング装置を把持するグリッパが設けられており、グリッパは、緊締し替えの際に第1のセンタリング装置を把持し、第1のワーク取付け部と第1のワーク端部との間の領域から離す、ということが想定されていてよい。つまり、第1のワーク取付け部とワークとの間では、所定の軸線に沿った互いに相対的な並進運動が必要なことだけで十分であってよい。これにより、全体として簡単に時間を節約して緊締し替えることが達成され得る。
【0025】
本発明の1つの構成では、第2の区間は、第1の区間内に配置されているか、または第1の区間に相当する、ということが想定されていてよい。これにより、第2の研削加工ステップにより、第1の研削加工ステップにおいて予め既に加工されたワークの周面領域を加工する、ということが達成され得る。
【0026】
本発明の1つの改良では、特に第2の研削加工ステップ中に、工具ユニットはワークに、ワークのワーク長手方向軸線の方向で支持装置の係合領域に対してずらされて、特に支持装置の、第1のワーク取付け部とは反対の側に係合している、ということが想定されていてよい。このずれにより、工具を支持するための、ワークにおける大きな係合領域が達成され得る。同時に、研削加工は、支持装置が同時にワークを支持している場所では行われない。これにより、支持装置による確実な支持が保証されている。ワーク長さに対するずれは小さく、例えば1/20、1/30または1/40である、ということが想定されていてよい。このことは、研削加工に基づきワークに良好にもしくは短距離で力伝達された力が、支持装置により吸収され得る、ということを可能にする。研削加工に基づくワークの変形もしくは撓みを回避するか、または少なくとも減らすことができる。目標は、支持装置の可能な限り近傍でワークを工具ユニットにより加工することである。
【0027】
本発明では、第1および/または第2の研削加工ステップ中、ワークを、ワークのワーク長手方向軸線の方向において支持装置に対して相対的に移動させる、ということが想定されていてよい。この場合、ワークは、少なくとも第2の研削加工ステップ中は、ワーク長手方向軸線の方向に摺動可能にもしくは滑動するように、支持装置に支持されていてよい。
【0028】
本発明の1つの改良では、第2の研削加工ステップ中、支持装置と工具ユニットとは、互いに一定に離間されている、ということが想定されていてよい。
【0029】
択一的に、本発明の1つの態様では、少なくとも第2の研削加工ステップ中、支持装置はワークにおいて、ワーク長手方向軸線に対して固定の位置に配置される、ということが想定されていてもよい。この場合、支持装置は、ワーク長手方向軸線の方向に、第1のワーク取付け部と同時に移動する。
【0030】
択一的な態様の1つの改良では、第2の研削加工ステップ中に、支持装置と工具ユニットとの間の距離を変化させ、好適には減少させる、ということが想定されていてよい。全体として、択一的な構成は、加工すべきワーク長さに、第2の研削加工ステップ中に支持装置の影響を受けることなしに自由に接近可能な、いわゆる片持ち式の加工を可能にする。このことは、ワークに非回転対称のプロファイルまたは輪郭を形成する場合、および/または第2の研削加工ステップを複数回繰り返す場合に特に有利である。
【0031】
本発明の1つの態様では、第2の研削加工ステップ中に、工具ユニットを、第1の研削加工ステップに比べて少なくとも部分的に異なる方向に向ける、ということが想定されていてよい。つまり、例えばワークに係合している1つまたは複数の加工工具が同じであるにもかかわらず、第1の研削加工ステップに比べて異なる形式の研削加工が達成され得る。
【0032】
本発明の1つの改良では、第2の研削加工ステップにおいて、第1のワーク周面の領域を第1のワーク直径に研削すると共に、第2のワーク周面の領域を第2のワーク直径に研削する、ということが想定されていてよく、この場合、第1の直径は第2の直径よりも小さい。この場合、ワークの第2の周面は、ワークの第2の周面よりも第1のワーク取付け部の近くに配置されている、ということが想定されてよい。また、ワークの第3、第4の周面等の領域を、対応する直径に研削する、ということが想定されていてもよい。全ての直径またはいくつかの直径が異なっていてもよい。直径は、第1のワーク取付け部から離れるにつれて減少または増大する、ということが想定されていてよい。
【0033】
本発明の1つの別の態様では、第2の研削加工ステップにおいて、第1のワーク周面の領域に、可変の直径、特にワーク長手方向軸線に沿って一定の直径、または所定の関数に従って推移する直径を形成する、ということが想定されていてよい。
【0034】
本発明の1つの改良では、2つのワーク取付け部のうちの少なくとも1つ、特に第1のワーク取付け部は、回転駆動可能なワークスピンドルを有しており、少なくとも第1および第2の研削加工ステップ中に回転駆動されるワークスピンドルにより、ワークを回転駆動する、ということが想定されていてよい。回転駆動は、ワーク長手方向軸線を中心として行われる。
【0035】
本発明の1つの態様では、第1の研削加工ステップの後に、第1の区間における少なくとも1つのワーク直径の測定を行い、かつ/または第2の研削加工ステップの後に、第2の区間における少なくとも1つのワーク直径の測定を行う、ということが想定されていてよい。これにより、ワークが所定の寸法に達したか否かを検査することができる。達していない場合には、例えば第1または第2の研削加工ステップを繰り返す、ということが想定されていてよい。
【0036】
本発明の1つの改良では、測定を少なくとも1回繰り返し、場合により、ワークが所定の寸法に達するまで第1の研削加工ステップを繰り返す、ということが想定されていてよい。
【0037】
さらに本発明の1つの態様では、緊締し替えた後に、ワーク長さ、特に第1または第2のワーク端部の位置の測定を行う、ということが想定されていてよい。第1のワーク端部の位置を測定するのか、または第2のワーク端部の位置を測定するのかは、第1のワーク取付け部にワークがどの向きで取り付けられているのかに左右される。換言すると、第1のワーク取付け部とは反対の側のワーク端部の位置を測定することが有利である。このことは、第2の研削加工ステップを高い精度で実施すると共に、第2の研削加工ステップを第1もしくは第2のワーク端部においてすぐに開始するために必要とされていてよい。
【0038】
上述した測定は、各測定装置により、または1つの共通の測定装置、特に測定プローブにより行われてよい。
【0039】
上述の方法および/または本方法の上述の改良は、有利には単一の装置、特に研削加工装置において実施され得る。
【0040】
本発明の1つの改良では、細長いワークは、第2の研削加工ステップの後に、少なくとも第2の区間に非回転対称の形状を有しており、好適には第2の研削加工ステップにより、細長いワークの非回転対称の形状を生ぜしめる、ということが想定されていてよい。この場合、細長いワークは、第2の研削加工ステップ後に、多角形、楕円形または別の複雑な形状を有している、ということが想定されていてよい。このことは特に、工具ユニットに対して相対的に、ワーク長手方向軸線の方向に互いに調整されたワークの移動により実行され得る。
【0041】
さらに、本発明に基づく課題は、細長いワークを研削加工するための装置であって、この装置は、
-ワークの第1のワーク端部を介してワークを支持する第1のワーク取付け部およびワークの第2のワーク端部を介してワークを支持する第2のワーク取付け部と、
-ワークを研削加工する工具ユニットと、
-ワークの周面の少なくとも一部にわたり、ワークを少なくとも段状に支持する支持装置と
を有しており、
本装置は、上述の方式のうちの1つによる方法を実施するように構成されている、装置により解決される。
【0042】
ワーク取付け部は、それぞれが、かつまた共に、ワークのワーク端部を介したワークの支持を可能にする。この場合、ワーク端部を介した支持とは、ワークが直接、または中間部材を介して、例えばセンタリング装置を介して、各ワーク取付け部に結合されていてよい、ということを意味する。
【0043】
本発明の1つの改良では、支持装置は、支持凹部を備えた載置部を有している、ということが想定されていてよい。支持凹部は、ワークを支持するが、それにもかかわらず支持装置に対して相対的な、ワーク長手方向軸線の方向でのワークの移動を可能にするために用いることができる。支持凹部に対して相対的なワークの滑動を改良するために、支持凹部は、小さな摩擦係数を有する材料から形成されているかまたはコーティングされていてよい。
【0044】
本発明の1つの別の構成では、載置部は、高さ方向においてワーク長手方向軸線に対して垂直に高さ調節可能である、ということが想定されていてよい。つまり、ワークの直径が異なっていても、支持装置はワークを支持することができる。
【0045】
本発明の1つの態様では、支持装置はさらに、載置部に対向して配置された押当て装置、特に押当てローラを有している、ということが想定されており、この場合、支持装置はワークを、載置部と押当て装置との間で支持する。押当て装置により、ワークが載置部に、特に支持凹部内に確実に留まる、ということが保証され得る。押当てローラはさらに、ワークが支持されている間に支持装置に対して相対的に回転運動を行うことができる、ということを可能にする。
【0046】
本発明の1つの改良では、支持装置は、支持キャリッジ上に配置されており、支持キャリッジは、工具ユニットに対して相対的にかつ第1のワーク取付け部に対して相対的に、支持キャリッジ方向に移動可能に形成されている、ということが想定されていてよい。この場合、支持キャリッジ方向は、少なくとも第1または第2の研削加工ステップ中は、ワーク長手方向軸線に相応していてよい。移動可能であることにより、支持装置を介してワークを簡単に緊締し替え、さらに第2の研削加工ステップ中に簡単に支持することができる、ということが可能になる。
【0047】
本発明の1つの構成では、工具ユニットは、第1の研削工具を備えた第1の回転駆動可能な工具スピンドルと、第2の研削工具を備えた第2の回転駆動可能な工具スピンドルとを有している、ということが想定されていてよい。
【0048】
この場合、本発明では、第1の研削工具は粗削りディスクを有しており、かつ/または第2の研削工具は仕上げディスクを有している、ということが想定されていてよい。
【0049】
これにより、特に異なる粗さの様々な研削加工を可能にすることができる。
【0050】
さらに本発明では、ワークは研削加工時に第1の研削工具と第2の研削工具との間に配置されている、ということが想定されていてよい。
【0051】
さらに本発明では、第1および/または第2の研削加工ステップ中に、第1の研削工具とワークとの接触領域は、第1のワーク取付け部に対する第2の研削工具とワークとの接触領域よりも、第1のワーク取付け部の近くに配置されている、ということが想定されていてよい。つまり各接触点は、ワーク長手方向軸線に関してそれぞれずらされて配置されている。これにより、工具ユニットに対するワークの相対移動と協働して、第1の研削工具により第1の研削加工を達成し、第2の研削工具により第2の後続の研削加工を達成することができる。全体として、ワークのこのような効率的な研削加工を達成することができる。このことは、第1の研削工具が粗削りディスクとして形成されており、第2の研削工具が仕上げディスクとして形成されている場合に特に有利である。
【0052】
本発明の1つの改良では、第1の研削工具は、第1の工具キャリッジ上に配置されており、第2の工具は、工具をワーク長手方向軸線に対して垂直でありかつ高さ方向に対して垂直な並進方向に移動させる第2の工具キャリッジ上に配置されている、ということが想定されていてよい。このようにして研削工具を、研削工具における摩耗またはワークにおける材料除去に簡単に適合させることができる。
【0053】
本発明の1つの構成ではさらに、第1および/または第2の工具キャリッジはさらに、工具キャリッジ回転軸線を中心として研削工具を旋回させる旋回装置上に配置されており、この場合、工具キャリッジ回転軸線は、高さ方向に、つまりワーク長手方向軸線に対して垂直に、かつ並進方向に対して垂直に向けられている、ということが想定されていてよい。これにより、第1もしくは第2の研削工具は様々な向きでワークに係合することができる、ということが可能になる。
【0054】
この場合、本発明の1つの改良では、第2の研削加工ステップ中に、第1の研削加工工具は、第1の研削加工ステップに比べて所定の角度だけ、第1の旋回軸線を中心として旋回させられて配置されている、ということが想定されていてよい。
【0055】
本発明の1つの改良では、研削加工する装置はさらに、ワークを収容するためのワークマガジンと、ワークグリッパとを含んでいてよく、この場合、ワークグリッパは、ワークマガジンと、ワーク取付け部間の位置との間でワークを移送するように構成されている。
【0056】
この場合、1つの改良では、ワークグリッパは、ワークを把持する少なくとも2つのワークグリッパアームを有している、ということが想定されていてよい。このことは、ワークグリッパが例えば加工すべきワークを一方のワークアームにおいて保持すると同時に、加工済みのワークを他方のワークアームにおいて持ち上げることができる、ということを可能にする。
【0057】
本発明の1つの態様では、研削加工する装置は、第1のワーク取付け部が配置されたガイドキャリッジを有しており、かつ第2のワーク取付け部が配置されたワーク取付けキャリッジを有しており、この場合、ガイドキャリッジはワークキャリッジ方向に沿って移動可能であり、ワーク取付けキャリッジはワーク取付けキャリッジ方向に沿って移動可能である、ということが想定されていてよい。ワークキャリッジ方向とワーク取付けキャリッジ方向とは、互いに平行もしくは同一であってよい。このことは、ワーク取付け部が異なる長さのワークを把持することができる、ということを可能にする。さらに、研削工具に対するワークの様々な位置が実現可能である。
【0058】
1つの改良では、第1のワーク取付け部は、第1のワーク取付け部の移動を高さ方向において可能にするキャリッジ上に配置されている、ということが想定されていてよい。この場合、高さ方向は、好適にはワーク長手方向軸線に対して垂直に、もしくはワークキャリッジ方向に対して垂直に向けられている。つまり、載置部が高さ方向に移動可能に配置されていない場合でも、研削加工する装置において様々な直径のワークを第2の研削加工ステップ中に加工することができる。択一的または追加的に、第2のワーク取付け部も、別のこのようなキャリッジ上に配置されていてよい。
【0059】
本発明の1つの改良では、研削加工する装置はさらに、この装置を制御する制御ユニットを含む。
【0060】
全体的に、方法に関連して説明した本発明の特徴、構成または利点は、装置にも当てはまることに留意されたい。つまり、方法の特徴は、装置により実現されていてよく、特に装置の特徴において具現化されていてよく、これらの装置の特徴を明示的に説明する必要はない。同じことが、反対に装置の特徴にも当てはまり、装置の特徴もやはり、方法に当てはまる。
【0061】
以下に、本発明を添付の図面に基づきさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】1つの実施例による、本発明による装置の斜視図である。
図2】1つの実施例による、本発明による装置の斜視詳細図である。
図3】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図4】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図5】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図6】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図7】1つの実施例による、本発明による装置の別の詳細図である。
図8】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図9】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図10】1つの実施例による、本発明による装置の別の斜視詳細図である。
図11a】第1の実施例によるセンタリング装置の断面図である。
図11b】第2の実施例によるセンタリング装置の断面図である。
図12a】本発明による装置の簡略化された詳細図である。
図12b】本発明による装置の簡略化された断面図である。
図13a】本発明による装置の簡略化された詳細図である。
図13b】本発明による装置の簡略化された詳細図である。
図14a】1つの研削加工ステップを変更して実施する本発明による装置の簡略化された詳細図である。
図14b】研削加工ステップを変更して実施する本発明による装置の簡略化された詳細図である。
【0063】
図1には、1つの実施例による、研削加工するための本発明による装置10の図が示されている。装置10は、第1のワーク取付け部12を有しており、第1のワーク取付け部12には、ワーク14が取り付けられており、第1のワーク取付け部12は、ワーク14を支持する回転駆動可能なワークスピンドル16を含む。さらに装置10は、内部に第1の研削工具22が配置された第1の回転駆動可能な工具スピンドル20を備えた工具ユニット18と、内部に第2の研削工具26が配置された第2の回転駆動可能な工具スピンドル24とを有している。さらに装置10は、ここでは部分的にしか見えない支持装置69を有しており、この支持装置69は、工具ユニット18により部分的に覆い隠されて示されている。押当てアーム74に設けられた押当てローラ72が、支持装置69の一部として見えている。支持装置69は、別の図面に関連してさらに詳しく説明する。さらに装置10は、別のワーク14’を備えたマガジン28を有している。装置10にはさらに、ワークグリッパ30が形成されている。
【0064】
第1のワーク取付け部12は、第1のガイドキャリッジ32に配置されており、第1のガイドキャリッジ32は、高さ方向Z1において第1のキャリッジガイド34の2つのレール36に沿って移動可能に配置されている。第1のキャリッジガイド34には、第2のガイドキャリッジ38もやはり形成されており、第2のガイドキャリッジ38は、装置10の基体40に形成された第2のキャリッジガイド39に沿って移動可能に配置されている。換言すると、第1のキャリッジガイド34は、第1のワーク取付け部12と共に、第1のワークキャリッジ方向X1に沿って、第2のガイドキャリッジ38および第2のキャリッジガイド39を介して移動可能である。第1のワークキャリッジ方向X1は、ワーク14がワーク取付け部12に取り付けられている場合に、ワーク長手方向軸線Wと合致している。
【0065】
第1のワーク取付け部12にはさらに、第1のセンタリング装置44またはワーク14を把持するためのグリッパ42が配置されている。グリッパ42は、第1のセンタリング装置44を第1のワーク取付け部12のワークスピンドル16内に挿入し、かつワークスピンドル16から取り出すように構成されている。このためにはグリッパ42がグリッパアクチュエータ46を介して、高さ方向Z1に延びる回転軸線C2を中心として旋回可能である。さらにグリッパ42は、グリッパキャリッジユニット47により第1のワーク取付け部12に連結されている。グリッパキャリッジユニット47は、第1のワーク取付け部12におけるグリッパ42の移動を、第1のワークキャリッジ方向X1に対して平行に配置されたグリッパキャリッジ方向X5に沿って可能にする。さらにグリッパ42は、操作可能なグリッパトング43を有しており、グリッパトング43でもってグリッパ42は、第1のセンタリング装置44またはワーク14を把持する。
【0066】
回転駆動可能なワークスピンドル16は、ワーク回転軸線A1を中心としてワーク14を回転駆動するように構成されている。ワーク回転軸線A1は、第1のワークキャリッジ方向X1に対して平行に延びている。
【0067】
工具ユニット18は、第1の工具キャリッジ48を含み、第1の工具キャリッジ48には第1の工具スピンドル20が形成されており、第1の工具キャリッジ48は、基体40に対して第1の工具キャリッジ方向Y2に移動可能である。第1の工具キャリッジ方向Y2は、高さ方向Z1に対して垂直に、かつ第1のワークキャリッジ方向X1に対して垂直に配置されている。工具ユニット18はさらに、第2の工具キャリッジ50を含み、第2の工具キャリッジ50には第2の工具スピンドル24が配置されており、第2の工具キャリッジ50は、第1の工具キャリッジ48から独立して基体40に対して第2の工具キャリッジ方向Y1に移動可能である。第2の工具キャリッジ方向Y1は、第1の工具キャリッジ方向Y2に対して平行に配置されている。
【0068】
第1の工具キャリッジ48はさらに、旋回装置49により基体40に対して工具キャリッジ回転軸線C1を中心として旋回可能であり、この場合、工具キャリッジ回転軸線C1は、高さ方向Z1に対して平行に向けられておりかつ第1の工具キャリッジ方向Y2に対して垂直に配置されている。第1の工具スピンドル20は、第1の研削工具22を、工具キャリッジ回転軸線C1に対して垂直に配置された第1の工具スピンドル回転軸線A2を中心として駆動する。第1の工具キャリッジ48の回転時に、第1の工具スピンドル回転軸線A2の向きを、空間内で基体40に対して変化させることができる。本実施例では、第1の工具スピンドル回転軸線A2は、第1のワークキャリッジ方向X1に対して平行に配置されている。第2の工具スピンドル24は、第2の研削工具26を、本実施例では第1のワークキャリッジ方向X1に対して平行に配置された第2の工具スピンドル回転軸線A3を中心として駆動する。
【0069】
ワークグリッパ30は、ワークグリッパキャリッジユニット54におけるジョイントユニット52を介して基体40に結合されている。ジョイントユニット52は、ワークグリッパ旋回軸線B1を中心とした、ワークグリッパキャリッジユニット54に対するワークグリッパ30の旋回を可能にする。ワークグリッパ旋回軸線B1は、2つの工具キャリッジ方向Y2,Y1に対して平行に、もしくは高さ方向Z1およびワークキャリッジ方向X1に対して垂直に配置されている。ワークグリッパキャリッジユニット54は、基体40に対するワークグリッパ30の移動を、高さ方向Z1に対して平行な方向Z2と、1つの別の方向Y3とに可能にする。別の方向Y3は、工具キャリッジ方向Y2,Y1に対して平行に、もしくは高さ方向Z1およびワークキャリッジ方向X1に対して垂直に配置されている。
【0070】
マガジン28は、マガジン28をマガジンキャリッジ方向X4に沿って移動させるように構成されたマガジンキャリッジユニット56上に配置されている。マガジンキャリッジ方向X4は、ワークキャリッジ方向X1に対して平行に、もしくは高さ方向Z1および別の方向Y3に対して垂直に配置されている。マガジンキャリッジユニット56を介して、マガジン28をワークグリッパ30に対して位置決めすることが可能であり、これにより、ワークグリッパ30が、ワークをマガジン28から取り出すことができるか、またはマガジン28内に挿入することができるようになっている。本実施例では、図示の別のワーク14’が鉛直方向に、つまり高さ方向Z1に、個々のマガジンパレット58の孔内に挿入されている。本実施例では、6つのマガジンパレット58が設けられており、これらのマガジンパレット58は、それぞれ矩形に形成されていて、ワークを差し込むための各20の孔60を有している。
【0071】
工具ユニット18内の中心において、第1の工具スピンドル20と第2の工具スピンドル24との間には、第1のワーク取付け部12に対向して第2のワーク取付け部78が配置されている。第2のワーク取付け部78は、本実施例では部分的に覆い隠されて示されており、以下でさらに詳しく説明する。
【0072】
装置10は、装置10の別の構成部材が配置もしくは形成された主要本体として、基体40および機械ベッド66を含む。基体40は、実質的に直方体形に形成されている。基体40には、例えば一方の側に第2のガイドキャリッジ38が配置されており、かつ他方の側に、グリッパ30を備えたワークグリッパキャリッジユニット54が配置されている。基体40と機械ベッド66とは、互いに底部付近で結合されている。機械ベッド66は、細長い支持構造体として形成されており、支持構造体において、工具ユニット18と、支持装置69と、第2のワーク取付け部78とが、機械ベッド66の第1の部分に形成されており、隣接する機械ベッド66の第2の部分には、マガジン28が形成されている。
【0073】
以下で説明する図2図10は、本発明による方法の個々のステップを図示して説明するために用いることがある。この場合、本方法の個々のステップを簡単にわかりやすく図示するために、装置10はこれらの図面において簡略化されて図示されていてよい。個々の図2図10には、それぞれ同じ装置10が示されており、これらの図面は重なり合うように並べられているか、もしくは本方法の連続するステップもしくはスナップショットを示している。
【0074】
図2には、1つの実施例による、本発明による装置10の詳細図が示されており、この場合、装置10は、図1に比べて簡略化されて示されている。ワークグリッパ30が、第1のワークグリッパアーム62でもってワーク14を把持しており、この場合、ワーク14はまだ加工されておらず、第2のワークグリッパアーム64でもって、加工済みのワーク14’’を把持している。ワーク14用に、ワーク長手方向軸線Wが書き込まれており、このワーク長手方向軸線Wは、ワーク14がまだ緊締されていないため、ワークキャリッジ方向X1とまだ合致していない。図面の簡略化の理由から、ワークグリッパ30は自由に浮動しているように、ひいては基体40との連結部なしで示されている。
【0075】
さらに、第1のワーク取付け部12の回転駆動可能なワークスピンドル16は空である、すなわち、ワーク14,14’’のいずれも、また第1のセンタリング装置44も第1のワーク取付け部12に支持されていない。ただし、グリッパ42が、第1のセンタリング装置44を待機状態で保持し、第1のセンタリング装置44をワークスピンドル16に供給する。
【0076】
さらに図2には、工具ユニット18が示されているが、ただし工具ユニット18は、待機モードであり、ワーク14,14’’のいずれにも係合していないか、またはワーク14,14’’のいずれも加工していない。第1の工具スピンドル20内に挿入された第1の研削工具22は、粗削りディスクとして形成されている。第2の工具スピンドル24内に挿入された第2の研削工具26は、仕上げディスクとして形成されている。第1の工具キャリッジ48は、工具キャリッジ回転軸線C1を中心として回動させられて示されている。
【0077】
同様に図1からもわかるように、さらに、基体40に上述のように連結された機械ベッド66に、支持キャリッジ65が配置されており、支持キャリッジ65は、支持キャリッジユニット(ここに詳細には図示せず)に沿って、機械ベッド66に対して支持キャリッジ方向X2に移動可能である。支持キャリッジ65には、さらに図12aに関連してより詳しく説明するように、3つのガイド支柱67もやはり配置されている。支持キャリッジ65には、支持装置69の載置部68が支持凹部70を備えて形成されている。支持凹部70は、載置部68におけるV字形の凹部として形成されている。載置部68は、振れ止めと呼ばれることもある。さらに、載置部68の上側に、支持装置69の一部として押当てローラ72が配置されており、押当てローラ72は、一方の端部において支持キャリッジ65に直接結合された押当てアーム74に回転可能に結合されている。押当てアーム74は、その他方の端部においてアクチュエータ76に連結されており、アクチュエータ76もやはり、押当てアーム74を支持キャリッジ65に連結している。アクチュエータ76は、押当てアーム74を高さ方向Z1に動かすように構成されている。これにより、押当てローラ72がワークを載置部68の支持凹部70に押し込むか、または支持凹部70から解放する、つまりワークに圧力を加えない、ということが可能になる。本実施例では、押当てローラ72は、支持凹部70に対して間隔をあけて配置されており、支持凹部70内に、もしくは押当てローラ72と支持凹部70との間にワークは配置されていない。
【0078】
機械ベッド66ではさらに、図12aに関連してさらに詳しく説明するように、第2のワーク取付け部78がワーク取付けキャリッジ(ここに詳細には図示せず)に配置されている。ワーク取付けキャリッジは、ワーク取付けキャリッジ方向X3に沿って支持キャリッジ65に対して移動可能である。この場合、ワーク取付け部78を備えたワーク取付けキャリッジは、3つのガイド支柱67上を移動させられる。ガイド支柱67は、支持キャリッジ65に固く連結されている。ワーク取付けキャリッジ方向X3は、第1のワークキャリッジ方向X1に対して平行に向けられている。ワーク取付けキャリッジを介して、第2のワーク取付け部78を第1のワーク取付け部12から離すか、または第1のワーク取付け部12に接近させることが可能である。さらにこれにより、第1のワーク取付け部12に対する第2のワーク取付け部78の距離が不変の場合でも、第2のワーク取付け部78を、工具ユニット18に対して相対的に移動させることができる。このことは、特にワーク14の研削加工に際して重要である。第2のワーク取付け部78には、ワーク回転軸線A1を中心として自由に回転可能に、第2のセンタリング装置80が取り付けられている。第2のセンタリング装置80は、第2のワーク取付け部78の、第1のワーク取付け部12の方を向いた側に配置されている。さらに、マガジン28が少なくとも部分的に示されている。
【0079】
図3には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。図2に比べて、第1のセンタリング装置44は第1のワーク取付け部12のワークスピンドル16に取付けられていることが認められる。さらに、ワーク14は第1のセンタリング装置44に連結されており、第1のセンタリング装置44により第1のワーク回転軸線A1に対してセンタリングされる。グリッパ42は、最早第1のセンタリング装置44を把持していない。それというのも、第1のセンタリング装置44は、ワークスピンドル16により周面係合されて支持されているからである。ただしグリッパは、ワーク14を所定の位置に保持するために、ワーク14を把持している。ワーク14は、最早ワークグリッパ30によっては保持されない。その代わりに、グリッパ42がワーク14の第1のワーク端部82を第1のセンタリング装置44に押し付けている。ワーク14の第2のワーク端部84は自由に浮動しており、まだ第2のセンタリング装置80に連結されていない。つまりワーク14は、グリッパ42と、第1のセンタリング装置44との接触とによってのみ、所定の位置に保持される。
【0080】
図4には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。この場合、ワーク14が図3に示したように第1のセンタリング装置44に連結されており、第1のセンタリング装置44によりセンタリングされる状態が示されている。さらにワーク14は、グリッパ42により所定の位置に保持されかつ第1のセンタリング装置44に押し付けられる。図3においても同様であるように、第2のワーク端部84は、まだ第2のワーク取付け部78の第2のセンタリング装置80に連結されていない。ただし第2のワーク端部84は、第2のセンタリング装置80に連結される直前である。このためにワーク14は、第2のガイドキャリッジ38(図示せず)により、グリッパ42と第1のワーク取付け部12とを介して第1のワークキャリッジ方向X1の方向に移動させられる。さらに、支持キャリッジ65とワーク取付けキャリッジ78とがワークスピンドル16の方向に移動させられる(X3方向)。
【0081】
ワーク14は、載置部68の支持凹部70内に、ただし載置部68に対して約1~3mm上方に離間して配置されている。つまりこの方法ステップでは、載置部68により支持作用は得られない。押当てローラ72は、ワーク14の上側に、やはり離間して配置されており、ひいては載置部68に向かってワーク14に圧力を加えてはいない。
【0082】
図5には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されており、この場合、より良好な図示の理由から、押当てローラ72および押当てアーム74は省かれている。図4に比べて、ワーク14は第1のセンタリング装置44だけではなく、第2のセンタリング装置80にも連結されており、第2のセンタリング装置80により、やはりワーク回転軸線A1を中心としてセンタリングされて支持される。つまりワーク14は、2つのワーク取付け部12,78の間に緊締されている。
【0083】
図4に比べて、グリッパ42は、いまやワーク14から、かつ第1のセンタリング装置44からも外されて、待機位置にある。載置部68および押当てローラ72(ここには図示せず)は、図4におけるのと同様に、引き続きワーク14には接触していない。つまりワーク14は、その両端部においてのみ、各センタリング装置44,80を介して対応するワーク取付け部12,78に支持される。
【0084】
ワーク14は、ワークスピンドル16により回転駆動され、ワーク回転軸線A1を中心として回転させられる。未加工のワーク14は、本実施例では既に概ね円筒形に形成されているが、ただしまだ正確には円筒形に相応していないか、もしくは過度に大きな直径を有しているか、もしくはその周面に沿って凹凸を有している。
【0085】
工具ユニット18は、図5では第1の研削加工ステップを実施する。このためには、上述のようにワーク14が回転駆動される。さらに、粗削りディスクとして形成された第1の研削工具22が、粗削りディスクの周面側86でもってワーク14の一方の側でワーク14に接触している。さらに第1の研削工具22は、第1の工具スピンドル回転軸線A2を中心として第1の工具スピンドル20により回転駆動される。粗削りディスクは、比較的高い表面粗さを有している。第1の研削工具22とワーク14との間の相対運動と接触とに基づき、ワーク14から材料が除去される。
【0086】
第1の研削加工ステップのためにはさらに、仕上げディスクとして形成された第2の研削工具26が、第2の工具スピンドル回転軸線A3を中心として第2の工具スピンドル24により回転駆動される。さらに、第2の研削工具26は、第1の研削工具22とは異なる側でワーク14に接触している。仕上げディスクは、粗削りディスクに比べて小さな、しかしそれでもなお研削加工には十分な表面粗さを有している。第2の研削工具26とワーク14との間の相対運動と接触とに基づき、やはりワーク14から材料が除去される。第2の研削工具26は、ワーク14との接触領域を有しており、この接触領域は、第1の研削工具22とワーク14との接触領域と比較して、第1のワーク取付け部12から第1のワークキャリッジ方向X1の方向にさらに離れて配置されている。さらに、ワーク14は第1のワークキャリッジ方向X1の方向に移動させられ、これにより、ワーク14はその周面全体に沿って、第2のワーク端部84から始まり第1のワーク端部82まで、2つの研削工具22,26により研削加工される。両接触領域相互の間隔と、研削工具22,26に対するワーク14の相対移動とに基づき、粗削りディスクによる粗い研削加工に、仕上げディスクによる精密な研削加工が追従する、ということが達成され得る。
【0087】
図6には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。図5に比べて、ワーク14は第1の研削加工ステップにより、第2のワーク端部84から第1のワーク端部82まで、ワーク14の周面全体において完全に研削加工された。よって、今や第1の研削加工ステップは終了しており、ワーク14は円筒形で存在し、ひいてはワーク回転軸線A1と合致するワーク長手方向軸線に対して回転対称に形成されている。両研削工具22,26は、最早ワーク14に接触していない。
【0088】
ワーク14を緊締し替える前に、ワーク直径の測定がワーク14の周面に沿って行われる。このためには、互いに平行に配置された2つの測定アーム90を備えて形成されかつ支持キャリッジ65上に配置された第1の測定装置88が、ワーク14の周面に接触させられる。同時に、ワーク14は第1の測定装置88に対して相対的に、第1のワークキャリッジ方向X1の方向に移動させられ、ワークスピンドル16によりワーク回転軸線A1を中心として回転駆動される。これにより、ワーク直径が、第1のワーク端部82から第2のワーク端部84まで、ワーク14の周面に沿って測定される。この測定により、ワーク14の予め設定されたワーク直径ならびに回転対称性が達成されたか否かを検査することができる。達成されなかった場合には、少なくともワーク14の周面の特定の区間のために第1の研削加工ステップを繰り返すことができる。
【0089】
図7には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。この場合、ワーク14を緊締し替えるステップの少なくとも1つの部分ステップが示されている。ワーク14は今や、もはや回転駆動されない。このために第1の測定装置88は再び待機位置にあり、ワーク14に接触していない。図6に比べて、アクチュエータ76が押当てアーム74を下方に向かって押し退けており、今やワーク14は、押当てローラ72により支持凹部70に押し込まれる、ということが認められる。これにより、ワーク14を支持装置69のみにより、所定の位置に保持することが可能である。ワーク14は、支持装置69を介してのみ、装置10に連結されている。
【0090】
図6に比べて、両方のワーク取付け部12,78は、ワーク14から離間されていることが認められる。このためにはまず、第1のワーク取付け部12がワーク14と共に支持凹部70の方向に移動させられる(X1方向)。その後、グリッパ42がワーク14に向かって旋回させられ、これにより、グリッパ42がワーク14を把持する。次いでワーク14は、ワーク取付け部78の移動(X3方向)によりワーク取付け部78から離され、これにより、ワーク14はまず第1のワーク取付け部12とグリッパ42とによってのみ保持される。その後、ワークが支持凹部70に接触するまで、キャリッジ32がZ1方向に降下させられ、ひいてはワーク取付け部12およびグリッパ42も降下させられる。次いで、アクチュエータ76の作動により、押当てローラ72がワーク14に接触させられ、これにより、ワーク14は支持凹部70と押当てローラとの間に挟まれる。その後、グリッパ42がワークから取り外され、さらに第1のワーク取付け部12が、第1のワークキャリッジ方向X1に沿ってワーク14から、ひいては第2のワーク取付け部78からも離される。さらに支持装置69が、機械ベッド66に配置された支持キャリッジ65により同様に、つまり第1のワーク取付け部12の方向に移動させられる(X2方向)。つまり、ワークは今や、押当てローラ72と支持凹部70との間に挟まれることによってのみ保持される。次いで、グリッパ42が第1のセンタリング装置44に周面係合し、第1のワーク端部82と第1のセンタリング装置44との間に最早接触が生じなくなってから、グリッパ42は第1のセンタリング装置44を、第1のワーク端部82とワークスピンドル16との間の領域から移動させ、このとき、第1のセンタリング装置44をワークスピンドル16から外す。
【0091】
図8には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。図7に比べて、ワーク14は今や、第1の支持装置12もしくはワークスピンドル16において緊締し替えられていることが認められる。この場合、ワーク14が少なくともその周面の一部にわたり、ワークスピンドル16に接触するように緊締し替えられる。これによりワーク14は、今や第1の支持装置12において支持されており、これにより、ワーク14はワーク回転軸線A1に沿った所定の位置を有することになり、傾倒することはない。このようにして、支持装置69がワーク14に支持作用を及ぼすことなしに、少なくとも、ワーク長手方向軸線に対して横方向でワーク14に作用する軽微な横方向力を、第1の支持装置12により吸収することができる。本実施例では、ワーク14は支持装置69に接触していない。
【0092】
第1の支持装置12において緊締し替えることに基づき、装置10内でのワーク14の正確な位置を検出することが必要である。このためには、第2の測定装置94が測定プローブの形態で支持キャリッジ65上に設けられている。このためには測定装置94の測定ヘッド96が第2のワーク端部84の近傍に、より正確に言うと第2のワーク端部84の手前の領域内にもたらされる。次いで、第2のワーク端部84が測定ヘッド96に接触するまで、ワーク14がガイドキャリッジ38により、第1のワークキャリッジ方向X1に沿って測定ヘッド96に向かって移動させられる。これにより、第1のワークキャリッジ方向X1に関するワーク14もしくは第2のワーク端部84の位置が既知になるため、次いでワーク14の周面における研削加工を、第2のワーク端部84から始めて実施することができる。
【0093】
図9には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。この場合、図9には、第2の研削加工ステップの実施が示されている。第1の研削加工工具22は、今や第1の研削加工ステップに比べて、工具キャリッジ回転軸線C1を中心として約90度だけ、上から見て反時計回りに回動させられていることが認められる。このことは必須ではないが、ワーク14における材料除去の向上を可能にする。
【0094】
ワーク14は、ワークスピンドル16によりワーク回転軸線A1を中心として回転駆動される。さらに、ワーク14は支持凹部70において載置部68に載置されており、押当てローラ72により支持凹部70内に押し込まれる。第2のワーク端部84は、第1の研削加工ステップに比べて最早第2のワーク取付け部78には連結されておらず、第2のワーク取付け部78から離間されている。これにより、第2のワーク端部84におけるワーク14の自由な加工が可能になる。第2の研削加工ステップ中に、両研削加工工具22,26はワークに接触する。第2の研削工具26もやはり、ワーク14との接触領域を有しており、この接触領域は、第1の研削工具22とワーク14との接触領域と比較して、第1のワーク取付け部12から第1のワークキャリッジ方向X1の方向にさらに離れて配置されている。さらに、ワーク14は第1のワークキャリッジ方向X1の方向に移動させられ、これにより、ワーク14はその周面に沿って、第2のワーク端部84から始まり第1のワーク端部82の近傍の領域まで、または第1のワーク端部82に向かう所望の領域まで、両研削工具22,26により研削加工される(加工長さdx1)。両接触領域相互の間隔と、研削工具22,26に対するワーク14の相対移動とに基づき、粗削りディスクによる粗い研削加工に、仕上げディスクによる精密な研削加工が追従する、ということが達成され得る。
【0095】
本実施例では、両研削加工工具22,26が各工具キャリッジ48,50により移動させられ、これにより、ワーク14が予め設定されたワーク直径に加工される。本実施例では、ワーク14は、第2のワーク端部84に対応して配置された周面区間において第1のワーク直径に研削加工され、これに第1のワーク端部82の方向で続く周面区間において第2のワーク直径に研削加工され、この場合、本実施例では、第1のワーク直径の方が、第2のワーク直径よりも小さい。このことは別の形式で、例えば逆に行われてもよい。このことは、後続の図10においてさらに良好に明確になる。
【0096】
第2の研削加工ステップでは、ワーク直径が大幅に減じられる。同時に、研削加工工具22,26によりワーク14に力が加えられる。この力を少なくとも部分的に吸収し、高い加工クオリティを達成するために、支持装置69は、第2の研削加工ステップ中は、両研削加工工具22,26の接触領域の近傍に配置されている。この場合、接触領域は、好適には支持装置69とワーク14との接触領域から10mm以下、特に好適には5mm以下だけ、ただし少なくとも0.5mmだけ離間している。より正確に言うと、支持装置69は、第1のワーク取付け部12と両研削加工工具22,26との間の領域に配置されている。
【0097】
第2の研削加工ステップの間、両研削加工工具22,26ならびに支持装置69は、機械ベッド6に対して定置であり、相対運動を行わない。ワーク14は、両ワーク取付け部12,78により、第1のワークキャリッジ方向X1に沿って両研削加工工具22,26および支持装置69の方向に移動させられる。
【0098】
図10には、1つの実施例による、本発明による装置10の別の詳細図が示されている。図9に示した第2の研削加工ステップは、今や完全に終了している。加工が完了したワーク14は、最早両研削加工工具22,26と支持装置69とに接触しておらず、第1のワーク取付け部12のみより支持もしくは保持される。ワーク14は、第2の研削加工ステップに基づき、第2のワーク端部84に隣接する周面区間、つまり第1のワーク周面98に、第2のワーク直径よりも小さな第1のワーク直径を有しており、この区間に続いて第2のワーク直径が、第1のワーク端部82に向かってワーク14の別の周面区間、つまり第2のワーク周面100に形成されていることが認められる。ワークスピンドル16の領域と、ワークスピンドル16に隣接する領域、すなわち第3のワーク周面102では、ワーク14は、第2の研削加工ステップによっては加工されず、第1の研削加工ステップにより加工されているだけに過ぎない。
【0099】
次いで、第2の研削加工ステップを検査するために、第1の測定装置88によりワーク直径の測定が再び実施される。このためには、互いに平行に配置された2つの測定アーム90を備えた第1の測定装置88が、ワーク14の周面に接触させられる。同時に、ワーク14は第1の測定装置88に対して相対的に、第1のワークキャリッジ方向X1の方向に移動させられ、ワークスピンドル16によりワーク回転軸線A1を中心として回転駆動される。これにより、ワーク直径が少なくとも、第2の研削加工ステップにより加工されたワーク14の周面領域において測定される。この測定により、各周面区間において、ワーク14の予め設定されたワーク直径ならびに回転対称性が達成されたか否かを検査することができる。達成されなかった場合には、少なくともワーク14の周面の特定の区間のために第2の研削加工ステップを繰り返すことができる。
【0100】
運動学の1つの別の重要な利点は、Z1軸線が設けられていることにある。移動X2,Y1およびY2は、機械ベッド66に対して相対的に行われる。第1のガイドキャリッジ32(Z1方向)は、とりわけワーク回転軸線A1とワークスピンドル16とを支持している。これにより、第1の研削加工ステップ後に、ワーク14を支持用の載置部68に向かって移動させることが可能である。つまり、高い精度と剛性とを備えた、不動に取り付けられた載置部を使用することができる。さらに、この自由度により、載置部68の摩耗の補償が実施され得る。さらに、第2の研削加工ステップに際して様々なワーク直径を、載置部68の所定の幾何学形状において加工することができる。このためには第1のガイドキャリッジ(Z1軸線)だけを相応に移動させるだけで済む。技術的な実現において、載置部68は、交換可能なインサートを備えて形成される。
【0101】
測定が成功裏に終了すると、別のワーク14’を研削加工することができる。このためには既に、ワークグリッパ30により別のワーク14’が保持される。ワーク交換は、図2に示したように行うことができ、研削加工する方法を、図2図10に示したように再び進行させることができる。
【0102】
図11aには、第1の実施例による第1のセンタリング装置44の断面図が示されている。この場合、第1のセンタリング装置44は、その周面の一部にわたり、第1のワーク取付け部12に取り付けられており、第1のワーク取付け部12により支持されている。このために第1のワーク取付け部12は、緊締装置104(詳細には図示せず)を有していることが認められる。第1のセンタリング装置44の、第1のワーク取付け部12とは反対の側には、V字形の凹部106が形成されており、この場合、凹部106は、第1のセンタリング装置44の周面に隣接して、周方向に延在しかつ周面に対して斜めに配置されたセンタリング面108と、止まり穴110とを有している。
【0103】
図11aにはさらにワーク14が示されており、この場合、ワーク14は、その第1のワーク端部82に、周方向に延在する面取り部112を有している。ワーク14は、周方向に延在する面取り部112を介して、周方向に延在するセンタリング面108の一部に連結されており、これにより、ワーク14が支持されると共にセンタリングされる。図11aにより正確に示すセンタリングは、図1図10に示した実施例においても実現されている。完全を期すために明確にしておくと、ワーク14は、第1のワーク取付け部12とは反対の側では、より簡単な図示の理由から部分的にのみ示されている。
【0104】
図11bには、第2の実施例による第1のセンタリング装置44の断面図が示されている。図11aの場合と同様に、第1のセンタリング装置44は、その周面の一部にわたり、第1のワーク取付け部12に取り付けられており、第1のワーク取付け部12により支持されている。このために第1のワーク取付け部12は、緊締装置104(詳細には図示せず)を有していることが認められる。
【0105】
第1のセンタリング装置44の、第1のワーク取付け部12とは反対の側には、周方向に延在するセンタリング面116を備えたV字形の先端部114が形成されている。ワーク14の第1のワーク端部82には、V字形のセンタリング孔118がワーク14の中心に、つまりワーク軸線W上に形成されている。先端部114はセンタリング孔118内に係合している。これにより、ワーク14は第1のワーク取付け部12において支持されかつセンタリングされる。
【0106】
図12aには、本発明による装置10の簡略化された詳細図が示されており、この場合、装置10の個々の構成部材のみが示されている。支持キャリッジ65が、支持キャリッジユニット120を介して連結されており、ひいては機械ベッド66に対して相対的に、支持キャリッジ方向X2に移動可能であることが認められる。支持キャリッジユニット120は、支持キャリッジ65に配置された少なくとも2つのレール121を含み、レール121は、機械ベッド66に取り付けられたレールガイド123内でガイドされており、ひいては支持キャリッジ65をガイドしている。支持キャリッジ65および機械ベッド66に対するレール121およびレールガイド123の対応配置は、逆転していてもよい。さらに、支持キャリッジ65をX2方向に移動させるために、ねじ山付きスピンドル(図示せず)が支持キャリッジユニット120内に設けられていてよい。
【0107】
支持キャリッジ65には、3つのガイド支柱67が取り付けられており、これらのガイド支柱67上でも第2のワーク取付け部78が、ワーク取付けキャリッジ121を介してワーク取付けキャリッジ方向X3に移動可能である。ワークキャリッジ方向X3と支持キャリッジ方向X2とは、互いに平行に配置されている。ガイド支柱67は、支持キャリッジ65とは反対の側において、ストッパ122に互いに連結されている。
【0108】
ガイド支柱67の間にはさらに、空圧シリンダの形態の作動機構124が図示されている。作動機構124は、操作することができ、ひいては第2のワーク取付け部78をワーク取付けキャリッジ方向X3に、ガイド支柱67上で移動させることができる。この場合、さらに図12bとの関連において明らかになるように、作動機構124の構成に基づき、緊締されたワーク14無しで、ガイド支柱67上の終端位置に、つまり支持キャリッジ65またはストッパ122に当接するように移動可能であるだけに過ぎない。空圧シリンダを備えた構成に対して択一的に、作動機構124は、例えばねじ山付きスピンドルまたはサーボ駆動装置により実現されていてもよい。
【0109】
支持キャリッジ65にはさらに、押当てローラ72を備えた押当てアーム74と、アクチュエータ76と、載置部68とが配置されている。
【0110】
図12bには、本発明による装置10の簡略化された詳細図が示されており、この場合、図12aに示した図が断面されて示されている。支持キャリッジ65内には、中空シリンダ126が形成されており、この場合、作動機構124がピストンと同様に中空シリンダ126内で移動可能である。作動機構124を操作するために、一方では作動機構124のピストン状の構成の中空シリンダ126に、流体、例えば空気または油等を供給することができる。さらに、中空シリンダ124内に真空を形成することもできる。
【0111】
ワーク14を両ワーク取付け部12,18により支持しようとする場合には、ワーク14を、まず第1のワーク取付け部12に連結する。このとき、第2のガイドキャリッジ38は、ワークキャリッジ方向X1に沿って移動させられてよい。次いで、作動機構124を操作することにより、ワーク14を第2のワーク取付け部78に連結する。ワーク14のワーク長さと、ワークキャリッジ方向X1に沿った第2のキャリッジガイド39に対して相対的な第2のガイドキャリッジ38の位置に応じて、第2のワーク取付け部78は、支持キャリッジ65とストッパ122との間の位置を占めることもできる。ワーク14が挿入された状態では、ワーク取付けキャリッジ方向X3における第2のワーク取付け部78の移動は、ワークキャリッジ方向X1での第2のガイドキャリッジ38の移動に依存する。
【0112】
図13aには、本発明による装置10の簡略化された詳細図が示されており、この場合、キャリッジ相互の移動距離および依存関係を、図13bと合わせて示す。ワーク14は、加工長さdx1を有している。この長さを例えば第1の研削工具22により加工するためには、第1のワーク取付け部12をワークキャリッジ方向X1に、同じ値dx1だけ移動させる。さらに、支持キャリッジ65を距離dx2だけ移動させると共に、ワーク取付けキャリッジ121を距離dx3だけ移動させる。したがって、式として表すと、関係式dx1=加工長さ=dx2+dx3が得られる。
【0113】
図13bには、本発明による装置10の簡略化された詳細図が示されており、この場合、図13aに比べて第1のワーク取付け部12は加工長さdx1だけ移動させられており、支持キャリッジ65は距離dx2だけ移動させられており、ワーク取付けキャリッジ121は、ワーク14を介して第1のワーク取付け部12に連結されていることに基づき、支持キャリッジ65に対して相対的に距離dx3だけ移動させられている。機械ベッド66に対して、ワーク取付けキャリッジ121は、空間内で同様に加工長さdx1だけ移動させられている。
【0114】
図14aおよび図14bには、本発明による装置10の簡略化された詳細図が示されているが、ただしこの場合、第2の研削加工ステップは、片持ち加工と呼ばれることもある代替的な手順で実行される。この場合、図14aには、第2の研削加工ステップの開始が示されている。上述とは異なり、第1および第2の研削工具22,27は、図14aから判るように、第2の研削加工ステップの開始時に、支持装置69から、つまり載置部68および押当てローラ72からも離れて配置されている。換言すると、この場合もワーク14の第2の研削加工ステップは第2のワーク端部84から始まり、第1のワーク端部82の方向に進むが、ただし支持装置69は、第2のワーク端部84の近傍に配置されているのではなく、本実施例では第1のワーク端部82の近傍もしくは第1のワーク取付け部12に取り付けられたワーク14の領域の近傍に配置されている。
【0115】
図14aおよび図14bを合わせて見ると、第2の研削加工ステップ中の、ワーク14ならびに第1のワーク取付け部12に対する支持装置69の位置は、片持ち加工に際して変更されないことが明らかになる。むしろ、第1のワーク取付け部12がX1方向に移動させられ、支持キャリッジ65がX2方向に共通して、つまり同程度かつ同時に、研削工具22,26の方向に移動させられ、これにより、ワーク14が加工長さdx1に沿って加工される。これにより、研削工具22,26に対する支持装置69の距離は、片持ち加工に際しては可変である一方で、上述の第2の研削加工ステップに際しては、実質的に一定である。
【0116】
片持ち加工に際しても、ワーク14は、第2の研削加工ステップの間は回転駆動される。ワーク14に非回転対称の幾何学形状をも形成するためには、ワーク14の回転運動に対して同期的に、特に工具22,26の揺動運動が工具軸Y1およびY2を介して実施されることが想定されていてよい。この場合、ワーク14の回転数は、好適には一定ではないが、ただし一定であってもよい。この場合、さらに、第2の研削加工ステップを複数回進行させることが想定されていてよい。ここでは、片持ち加工の長所の1つが明らかになる。それというのも、まさに非対称のワーク輪郭の場合には、ワーク14に沿った支持装置69の移動が場合により、様々なワーク輪郭に基づき問題となるからである。すなわち、支持装置69は、第2の研削加工ステップでは加工されないワーク14の領域に配置されている。当然ながら、支持作用が、支持装置69に対する工具22,26のより大きな距離に基づき低下されていることを考慮せねばならない。したがって好適には、片持ち加工の場合、工具22,26もしくは工具22,26の、ワーク14との係合領域と、支持装置69もしくは支持装置69の係合領域との間の距離は、0.5~100mmの範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b
図14a
図14b
【手続補正書】
【提出日】2023-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いワーク(14)を研削加工する方法であって、以下のステップ、すなわち:
-前記ワーク(14)を緊締するステップであって、このとき前記ワーク(14)を、第1のワーク端部(82)において第1のセンタリング装置(44)を介して第1のワーク取付け部(12)に支持すると共に、第2のワーク端部(84)において第2のセンタリング装置(80)を介して第2のワーク取付け部(78)に支持する、前記ワーク(14)を緊締するステップと、
-工具ユニット(18)により、前記ワーク(14)の少なくとも1つの第1の周面区間において第1の研削加工ステップを実施するステップと、
-前記ワーク(14)を緊締し替えるステップであって、このとき前記ワーク(14)を前記第1および第2のセンタリング装置(44,80)から取り外し、前記ワーク端部(82,84)のうちの一方を前記第1のワーク取付け部(12)に取り付ける、前記ワーク(14)を緊締し替えるステップと、
-前記工具ユニット(18)により、前記ワーク(14)の第2の周面区間において第2の研削加工ステップを実施するステップであって、このとき支持装置(69)が、前記ワーク(14)を、該ワーク(14)の周面の少なくとも一部にわたり支持する、第2の研削加工ステップを実施するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
緊締時に、前記ワーク(14)を、該ワーク(14)の一方の軸線方向端面および/または前記ワーク(14)の一方の軸線方向端面におけるセンタリング部および/または特に前記ワーク(14)の前記軸線方向端面に隣接する面取り部を介して前記第1のセンタリング装置(44)に連結し、かつ/または前記ワーク(14)の別の軸線方向端面および/または別の軸線方向端面における別のセンタリング部および/または特に前記ワーク(14)の前記別の軸線方向端面に隣接する別の面取り部を介して前記第2のセンタリング装置(80)に連結する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ワーク(14)を、少なくとも前記第1の研削加工ステップ中に、前記第1の区間において回転対称の形状に研削し、かつ/または
前記第1の区間は、前記ワーク(14)の周面全体を含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記緊締し替えの際に、前記ワーク(14)を、取外し前かつ/または取外し中に、前記支持装置(69)により、前記ワーク(14)の前記周面を介して支持し、特に前記支持装置(69)により挟み込み、かつ/または
前記第1のセンタリング装置(44)を把持するグリッパ(42)が設けられており、該グリッパ(42)は、前記緊締し替えの際に前記第1のセンタリング装置(44)を把持し、前記第1のワーク取付け部(12)と前記第1のワーク端部(82)との間の領域から離し、かつ/または
前記第2の区間は、前記第1の区間内に配置されているか、または前記第1の区間に相当し、かつ/または
特に前記第2の研削加工ステップ中に、前記工具ユニット(18)は前記ワーク(14)に、該ワーク(14)のワーク長手方向軸線(W)の方向で前記支持装置(69)の係合領域に対してずらされて、特に前記支持装置(69)の、前記第1のワーク取付け部(12)とは反対の側に係合している、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1および/または前記第2の研削加工ステップ中、前記ワーク(14)を、該ワーク(14)のワーク長手方向軸線(W)の方向において前記支持装置(69)に対して相対的に移動させ、かつ/または
前記第2の研削加工ステップ中、前記支持装置(69)と前記工具ユニット(18)とは、互いに一定に離間されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも前記第2の研削加工ステップ中、前記支持装置(69)を、前記ワーク(14)において、ワーク長手方向軸線(W)に対して固定の位置に配置し、
好適には、前記第2の研削加工ステップ中に、前記支持装置(69)と前記工具ユニット(18)との間の距離を変化させ、特に好適には減少させる、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記第2の研削加工ステップ中に、前記工具ユニット(18)を、前記第1の研削加工ステップに比べて少なくとも部分的に異なる方向に向ける、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記第2の研削加工ステップにおいて、第1のワーク周面(98)を第1のワーク直径に研削すると共に、第2のワーク周面(100)を第2のワーク直径に研削し、前記第1のワーク直径は前記第2のワーク直径よりも小さく、特に前記第2のワーク周面(100)は、前記第1のワーク周面(98)よりも前記第1のワーク取付け部(12)の近くに配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
2つの前記ワーク取付け部(12,78)のうちの少なくとも1つ、特に前記第1のワーク取付け部(12)は、回転駆動可能なワークスピンドル(16)を有しており、少なくとも前記第1および前記第2の研削加工ステップ中に回転駆動される前記ワークスピンドル(16)により、前記ワーク(14)を回転駆動する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記第1の研削加工ステップの後に、前記第1の区間における少なくとも1つのワーク直径の測定を行い、かつ/または前記第2の研削加工ステップの後に、前記第2の区間における少なくとも1つのワーク直径の測定を行う、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記緊締し替えの後に、ワーク長さ、特に前記第1または前記第2のワーク端部(82;84)の位置の測定を行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成された、細長いワーク(14)を研削加工する装置(10)であって、当該装置(10)は
-前記ワーク(14)の第1のワーク端部(82)を介して前記ワーク(14)を支持する第1のワーク取付け部(12)および前記ワーク(14)の第2のワーク端部(84)を介して前記ワーク(14)を支持する第2のワーク取付け部(78)と、
-前記ワーク(14)を研削加工する工具ユニット(18)と、
-前記ワーク(14)の周面の少なくとも一部にわたり、前記ワーク(14)を少なくとも段状に支持する支持装置(69)と
を有している、装置(10)。
【請求項13】
前記支持装置(69)は、支持キャリッジ(65)上に配置されており、該支持キャリッジ(65)は、前記工具ユニット(18)に対して相対的にかつ前記第1のワーク取付け部(12)に対して相対的に、ワーク長手方向軸線(W)の方向に移動可能に形成されている、請求項12記載の装置(10)。
【請求項14】
前記工具ユニット(18)は、第1の研削工具(22)と第2の研削工具(26)とを含み、
前記第1の研削工具(22)は、第1の工具キャリッジ(48)上に配置されており、前記第2の研削工具(26)は、前記研削工具(22,26)を前記ワーク(14)のワーク長手方向軸線(W)に対して垂直でありかつ/または高さ方向(Z1)に対して垂直な並進方向に移動させる第2の工具キャリッジ(50)上に配置されており、
好適には、前記第1および/または前記第2の工具キャリッジ(48,50)はさらに、工具キャリッジ回転軸線(C1)を中心として前記研削工具(22,26)を旋回させる旋回装置(49)上に配置されており、前記工具キャリッジ回転軸線(C1)は、前記高さ方向(Z1)に向けられている、
請求項12または13記載の装置(10)。
【請求項15】
研削加工する当該装置(10)は、前記第1のワーク取付け部(12)が配置されたガイドキャリッジ(38)を有しており、かつ前記第2のワーク取付け部(78)が配置されたワーク取付けキャリッジ(121)を有しており、前記ガイドキャリッジ(38)はワークキャリッジ方向(X1)に沿って移動可能であり、前記ワーク取付けキャリッジ(121)はワーク取付けキャリッジ方向(X3)に沿って移動可能である、請求項12から14までのいずれか1項記載の装置(10)。
【国際調査報告】