(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】回転シャフト機構及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240905BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240905BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/30 308Z
H05K5/02 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519455
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2021121713
(87)【国際公開番号】W WO2023050150
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】長井 賢次
(72)【発明者】
【氏名】石黒 章郎
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ヤーコーァ
【テーマコード(参考)】
4E360
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
4E360AB05
4E360AB17
4E360AB18
4E360AB42
4E360BA01
4E360BA11
4E360BB02
4E360BB22
4E360EA14
4E360EA18
4E360EC11
4E360EC13
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED04
4E360ED07
4E360ED15
4E360ED16
4E360ED23
4E360ED30
4E360GA02
4E360GA12
4E360GA13
4E360GA51
4E360GA52
4E360GB26
4E360GB46
5C094AA47
5C094BA00
5C094CA19
5C094DA06
5C094HA08
5G435AA06
5G435BB00
5G435CC09
5G435EE02
5G435EE13
5G435EE16
5G435LL08
(57)【要約】
回転シャフト機構及び電子装置を提供する。回転シャフト機構(1)は、長さ維持機構(1a)及びメインシャフト・アセンブリ(1b)を含む。長さ維持機構(1a)は締結部材(101)及び2つの揺動アーム(102、103)を含み、2つの揺動アーム(102、103)は締結部材(101)に回転可能に接続される。揺動アームは、摺動ブロック(1021)、揺動ロッド(1022)、及び接続アセンブリ(1023)を含み、揺動ロッド(1022)は、摺動ブロック(1021)に沿って摺動することができる。揺動ロッド(1022)は締結部材(101)に回転可能に接続され、接続アセンブリ(1023)も締結部材(101)に回転可能に接続される。揺動ロッド(1022)が締結部材(101)に対して回転すると、接続アセンブリ(1023)を締結部材(101)の周りに回転させることができる。メインシャフト・アセンブリ(1b)はカバー板(105)を含む。長さ維持機構(1a)は、ハウジング(104)の収容溝(1041)内に収容される。カバー板(105)は、メインシャフト締結板(1051)及び2つの支持板(1052、1053)を含む。メインシャフト締結板(1051)はハウジング(104)に固定され、2つの支持板(1052、1053)はそれぞれメインシャフト締結板(1051)の両側に配置され、支持板は揺動アームを覆うことができる。支持板は接続アセンブリ(1023)に回転可能に接続され、支持板はさらに摺動ブロック(1021)に回転可能に接続され得る。接続アセンブリ(1023)が締結部材(101)に対して回転すると、支持板を移動させ、摺動ブロック(1021)及び揺動ロッド(1022)を互いに摺動させ、摺動ブロック(1021)と締結部材(101)との間の距離を調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ維持機構及びメインシャフト・アセンブリを含む回転シャフト機構であって、
長さ維持機構は、締結部材及び2つの揺動アームを含み、該2つの揺動アームはそれぞれ前記締結部材の両側に配置され、該締結部材に回転可能に接続され、
各揺動アームは、摺動ブロック、揺動ロッド、及び接続アセンブリを含み、前記摺動ブロックには摺動スロットが設けられ、
前記揺動ロッドは、前記摺動スロット内に収容され、該摺動スロット内で前記締結部材に近づく方向又は該締結部材から離れる方向に摺動可能であり、前記揺動ロッドの端部であって前記摺動ブロックから離れる端部が前記締結部材に回転可能に接続され、
前記接続アセンブリは、前記揺動ロッドの側であって前記締結部材に面する側に位置しており、前記接続アセンブリは前記締結部材に回転可能に接続され、前記揺動ロッドは、前記締結部材に対して回転することによって、前記接続アセンブリを前記締結部材に対して回転させることができ、
メインシャフト・アセンブリはカバー板を含み、該カバー板は2つの支持板を含み、各支持板は対応する側の前記揺動アームを覆い、各支持板の端部であって前記締結部材に面する端部は、前記接続アセンブリに回転可能に接続され、各支持板の端部であって前記締結部材から離れた端部が、前記摺動ブロックに回転可能に接続され、各接続アセンブリは、前記締結部材に対して回転することにより、前記支持板を前記摺動ブロックに対して回転させ、各支持板を前記締結部材に近づく方向又は該締結部材から離れる方向に移動させることができる、回転シャフト機構。
【請求項2】
前記揺動ロッドには突起部が設けられ、前記摺動スロットには摺動レールが設けられ、前記突起部は前記摺動レール内に収容され、前記突起部は前記摺動レール内で前記締結部材に近づく方向又は前記締結部材から離れる方向に摺動可能である、請求項1に記載の回転シャフト機構。
【請求項3】
各揺動ロッドの端部であって前記摺動ブロックから離れる端部には回転部分が設けられ、前記締結部材には第1の回転シャフトが設けられ、前記回転部分は、前記第1の回転シャフトを用いて前記締結部材に回転可能に接続される、請求項1又は2に記載の回転シャフト機構。
【請求項4】
各揺動ロッドには2つの回転部分が含まれ、該2つの回転部分は、当該回転シャフト機構の長さ方向に間隔をおいて配置され、2つの接続部分は第1の取付け空間を形成し、前記接続アセンブリの少なくとも一部が前記第1の取付け空間内に収容される、請求項3に記載の回転シャフト機構。
【請求項5】
各接続アセンブリは、第1の接続部材及び第2の接続部材を含み、該第2の接続部材は、前記第1の接続部材と前記揺動ロッドとの間に位置しており、前記締結部材には第2の回転シャフトがさらに設けられ、前記第1の接続部材は前記第2の回転シャフトに回転可能に接続され、
前記第1の接続部材には、第1の長孔及び第2の長孔が設けられ、前記第2の回転シャフトは、前記第1の長孔と前記第2の長孔との間に位置しており、前記第1の長孔は、前記第2の長孔に対して、前記第1の接続部材の端部であって前記締結部材に面する端部に位置しており、前記回転部分は、前記第1の長孔を貫通する第3の回転シャフトを用いて前記第1の接続部材に接続され、前記回転部分が前記第1の回転シャフトの周りに回転するときに、前記第3の回転シャフトは、前記第1の長孔に沿って摺動し、前記第1の接続部材を前記第2の回転シャフトの周りに回転させることができる、請求項3又は4に記載の回転シャフト機構。
【請求項6】
前記締結部材には第4の回転シャフトがさらに設けられ、前記第2の接続部材は、前記第4の回転シャフトに回転可能に接続され、前記第2の接続部材は、前記第2の長孔を貫通する第5の回転シャフトを用いて前記第1の接続部材に接続され、前記第1の接続部材が前記第2の回転シャフトの周りに回転するときに、前記第5の回転シャフトは、前記第2の長孔に沿って摺動し、前記第2の接続部材を前記第4の回転シャフトの周りに回転させることができ、
前記第2の接続部材は、第6の回転シャフトを用いて、前記支持板の端部分であって前記締結部材に面する端部分に回転可能に接続され、前記第2の接続部材が前記第4の回転シャフトの周りに回転するときに、前記支持板は前記摺動ブロックに対して回転するように駆動され、前記支持板は、前記締結部材に近づく方向又は前記締結部材から離れる方向に移動するように駆動される、請求項5に記載の回転シャフト機構。
【請求項7】
前記第1の接続部材の端部分であって前記締結部材から離れる端部分には接続部分が設けられ、該接続部分は前記第2の回転シャフトに回転可能に接続される、請求項5又は6に記載の回転シャフト機構。
【請求項8】
前記第1の接続部材は2つの接続部分を含み、該2つの接続部分は、当該回転シャフト機構の長さ方向に間隔をおいて配置され、前記2つの接続部分は第2の取付け空間を形成し、前記第2の接続部材の少なくとも一部が、第2の取付け空間内に収容される、請求項7に記載の回転シャフト機構。
【請求項9】
前記締結部材には第2の回転シャフトがさらに設けられ、前記接続アセンブリは前記第2の回転シャフトに回転可能に接続され、
前記接続アセンブリには長孔が設けられ、前記回転部分は第3の回転シャフトを用いて前記接続アセンブリに接続され、前記第3の回転シャフトは前記第1の回転シャフト及び前記長孔を貫通し、前記回転部分が回転すると、前記第3の回転シャフトは、前記長孔に沿って摺動し、前記接続アセンブリを前記第2の回転シャフトの周りに回転させることができる、請求項3又は4に記載の回転シャフト機構。
【請求項10】
前記接続アセンブリは2つの長孔を含み、当該回転シャフト機構の前記長さ方向において、前記第2の回転シャフトは前記2つの第2の長孔の間に位置しており、
回転部分が2つあり、回転シャフト機構の前記長さ方向において、2つの前記回転部分はそれぞれ、前記第3の回転シャフトを用いて2つの前記長孔と1対1の対応関係で接続される、請求項9に記載の回転シャフト機構。
【請求項11】
前記接続アセンブリは、前記支持板の端部分であって前記締結部材に面する端部分に回転可能に接続され、前記接続アセンブリが前記第2の回転シャフトの周りに回転するときに、前記支持板は前記摺動ブロックに対して回転するように駆動され、前記支持板は、前記締結部材に近づく方向又は該締結部材から離れる方向に移動するように駆動される、請求項9又は10に記載の回転シャフト機構。
【請求項12】
前記回転部分は前記第1の回転シャフトと同期して回転し、前記第1の回転シャフトの断面が異形断面である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の回転シャフト機構。
【請求項13】
前記メインシャフト・アセンブリはハウジングをさらに含み、該ハウジングには収容溝が設けられ、前記長さ維持機構は前記収容溝内に収容される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の回転シャフト機構。
【請求項14】
前記カバー板はメインシャフト締結板をさらに含み、該メインシャフト締結板は前記締結部材に締結され、前記2つの支持板はそれぞれ前記メインシャフト締結板の両側に配置され、前記締結部材は前記ハウジングと前記メインシャフト締結板との間に位置している、請求項13に記載の回転シャフト機構。
【請求項15】
フレキシブルディスプレイ、2つのハウジング、及び請求項1乃至14のいずれか一項に記載の回転シャフト機構を含む電子装置であって、
前記2つのハウジングはそれぞれ前記回転シャフト機構の両側に配置され、前記長さ維持機構の前記揺動アームの前記摺動ブロックは対応する側の前記ハウジングに固定して接続され、
前記フレキシブルディスプレイは前記2つのハウジングと前記回転シャフト機構を連続的に覆い、前記フレキシブルディスプレイは前記2つのハウジングに固定して接続される、
電子装置。
【請求項16】
各ハウジングの端部分であって前記締結部材に面する端部分には開口溝が設けられ、前記摺動ブロックは、前記開口溝内で対応する側に位置しており、前記開口溝の溝壁に固定して接続される、請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記電子装置が開いた状態では、前記回転シャフト機構は、前記2つのハウジングの2つの前記開口溝を位置合わせして組み合わせることで形成される収容部分内に隠される、請求項16に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子装置技術の分野に関し、特に、回転シャフト機構及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信及び電子技術の急速な発展に伴い、携帯電話等の電子装置は人々の日常生活に不可欠なツールとなっている。現在、電子装置が提供する機能は益々多様化しており、ユーザもより大型で幅広のディスプレイを用いてその機能をより使いこなすことを期待している。しかしながら、ディスプレイが大きくなると、電子装置の全体的な構造も大きくなる。その結果、電子装置は携帯性に乏しく、コンパクトでなくなる。現段階では、フレキシブルディスプレイ技術は益々成熟しており、折畳み式電子装置を実現することができる。折畳み式電子装置は、大型ディスプレイ及び携帯性のため、消費者の間で人気が高い。
【0003】
フレキシブルディスプレイは、折畳み式電子装置の重要な構成要素であり、比較的壊れやすい。折り畳む過程でフレキシブルディスプレイが変形すると、フレキシブルディスプレイの各部分にかかる圧力又は引っ張り力が不均一になり、ひどい場合にはフレキシブルディスプレイが破損する可能性がある。従って、折畳み式電子装置の動き過程におけるフレキシブルディスプレイの変形をどのように回避するかは、当業者にとって喫緊に解決すべき課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本願は、フレキシブルディスプレイの変形を回避し、フレキシブルディスプレイの耐用年数を延ばし、電子装置の信頼性を向上させるための回転シャフト機構及び電子装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本願は回転シャフト機構を提供する。回転シャフト機構は、長さ維持機構及びメインシャフト・アセンブリを含んでもよい。本願では、複数の長さ維持機構が存在してもよく、複数の長さ維持機構は、回転シャフト機構の動作安定性を向上させるために、回転シャフト機構の長さ方向に間隔をおいて配置される。長さ維持機構を特に配置するときに、長さ維持機構は、締結部材及び2つの揺動アームを含んでもよい。2つの揺動アームは、締結部材の両側にそれぞれ配置され、締結部材に回転可能に接続される。各揺動アームは、摺動ブロック、揺動ロッド、及び接続アセンブリを含んでもよい。摺動ブロックは、揺動アームのベースとして使用され得、電子装置のハウジングに固定して接続されるように構成され得る。摺動ブロックには摺動スロットを設けてもよく、揺動ロッドは、摺動スロット内に収容され得、摺動スロット内で締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に摺動することができる。また、揺動ロッドの端部であって締結部材から離れた端部は、締結部材に回転可能に接続され得る。接続アセンブリは、揺動ロッドの側であって締結部材に面する側に位置している。接続アセンブリは締結部材にも回転可能に接続され得る。揺動ロッド及び接続アセンブリはリンク方式で接続され得、揺動ロッドが締結部材に対して回転すると、接続アセンブリを締結部材の周りに回転させることができる。
【0006】
メインシャフト・アセンブリはカバー板を含み得、カバー板は2つの支持板を含み得、各支持板は対応する側に配置された揺動アームを覆うことができる。各支持板の端部であって締結部材に面する端部は、接続アセンブリに回転可能に接続され得、支持板の端部であって締結部材から離れた端部は、摺動ブロックに回転可能に接続され得る。本願で提供する回転シャフト機構を用いると、接続アセンブリが締結部材に対して回転する過程で、支持板を締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に移動させることができる。支持板が移動する過程で、摺動ブロック及び揺動ロッドを互いに対して締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に摺動させることができ、摺動ブロックと締結部材との間の距離を調整することができる。
【0007】
本願では、メインシャフト・アセンブリはハウジングをさらに含んでもよく、ハウジングの表面を回転シャフト機構の外観面として使用してもよい。本願ではウジングには収容溝が設けられており、長さ維持機構を収容溝内に収容ことができ、それによってハウジングは長さ維持機構を保護することができる。
【0008】
また、カバー板はメインシャフト締結板をさらに含んでもよく、メインシャフト締結板はハウジングに固定され得、2つの支持板はそれぞれメインシャフト締結板の両側に配置され、締結部材はメインシャフト締結板とハウジングとの間に位置され得、それによって長さ保持構造は、メインシャフト締結板をハウジングに固定することによりハウジングの収容溝に制限される。
【0009】
本願では、揺動ロッドを摺動スロット内で安定して摺動させるために、各揺動ロッドには突起部が設けられ得、摺動スロットには摺動レールが設けられ得る。突起部は、対応する摺動スロット内に収容され得、対応する摺動スロット内で締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に摺動することができる。このようにして、突起部と摺動レールとの間の協働摺動によって、揺動ロッドの移動に対する案内機能を提供して、揺動ロッド及び摺動ブロックの相対運動の安定性を向上させることができる。本願の他のいくつかの実施形態では、代わりに、突起部を摺動スロット内に配置してもよく、案内レールを揺動ロッドに配置してもよい。これにより、揺動ロッド及び摺動ブロックの移動の案内機能も提供することができる。
【0010】
各揺動ロッドは、回転シャフトを用いて締結部材に回転可能に接続してもよい。具体的な実施態様では、各揺動ロッドの端部であって摺動ブロックから離れた端部には回転部分が設けられ得、締結部材には第1の回転シャフトが設けられ、それによって各揺動ロッドと摺動ブロックとの間の回転可能な接続が、回転部分と第1の回転シャフトとの間の回転可能な接続を介して実現される。各揺動ロッドは物理的なシャフトを用いて締結部材に回転可能に接続されるので、各揺動ロッドの回転安定性を効果的に向上させることができる。
【0011】
本願の可能な実施態様では、各揺動ロッドに2つの回転部分が存在してもよく、2つの回転部分は、第1の回転シャフトを用いて締結部材に回転可能に接続され、それによって各揺動ロッドと締結部材との間の回転の安定性を向上させることができる。また、2つの回転部分は、回転シャフト機構の長さ方向に間隔をあけて配置され、2つの回転部分の間に第1の取付け空間を形成することができ、接続アセンブリの少なくとも一部を第1の取付け空間内に収容することができ、それによって回転シャフト機構の構造がコンパクトになる。これにより、回転シャフト機構の体積を削減し、回転シャフト機構を使用する電子装置の小型化設計を実現するのに役立つ。
【0012】
各接続アセンブリが特に配置される場合に、各接続アセンブリは、第1の接続部材及び第2の接続部材を含んでもよく、第2の接続部材は、第1の接続部材と揺動ロッドとの間に配置してもよい。前述の説明から、各接続アセンブリが締結部材に回転可能に接続されることが分かり得る。具体的な実施態様では、締結部材には第2の回転シャフトが設けられ得、第1の接続部材は第2の回転シャフトに回転可能に接続され得る。第1の接続部材には第1の長孔及び第2の長孔がさらに設けられ、第2の回転シャフトは第1の長孔と第2の長孔との間に位置してもよく、第1の長孔は、第2の長孔に対して、第1の接続部材の端部であって締結部材に面する端部に位置する。回転部分は、第1の長孔を貫通する第3の回転シャフトを用いて第1の接続部材に接続してもよい。回転部分が第1の回転シャフトの周りに回転する過程で、第3の回転シャフトは、第1の長孔に沿って摺動して、第1の接続部材を第2の回転シャフトの周りに回転させることができる。
【0013】
本願では、第1の接続部材の端部分であって締結部材から離れた端部分には接続部分が設けられ得、接続部分は第2の回転シャフトに回転可能に接続されるように構成され得る。また、2つの接続部分が存在してもよく、2つの接続部分は、回転シャフト機構の長さ方向に間隔をあけて配置され、2つの接続部分の間に第2の取付け空間を形成してもよい。第2の接続部材の少なくとも一部を第2の取付け空間内に収容することができるので、回転シャフト機構の構造がコンパクトになる。これにより、回転シャフト機構の体積を削減し、回転シャフト機構を使用する電子装置の小型化設計を実現するのに役立つ。
【0014】
また、第2の接続部材は締結部材に回転可能に接続され、締結部材にはさらに第4の回転シャフトが設けられ、第2の接続部材は第4の回転シャフトに回転可能に接続される。第2の接続部材は、さらに、第1の接続部材の第2の長孔を貫通する第5の回転シャフトを用いて第1の接続部材に接続される。第1の接続部材が第2の回転シャフトの周りに回転する過程で、第5の回転シャフトは、第2の長孔に沿って摺動し、第2の接続部材を第4の回転シャフトの周りに回転させることができる。
【0015】
本願では、接続アセンブリと支持板との間の接続は、第2の接続部材と支持板との間の接続を介して実現され得る。具体的には、第2の接続部材は、第6の回転シャフトを用いて、支持板の端部分であって締結部材に面する端部分に回転可能に接続される。このようにして、第2の接続部材が第4の回転シャフトの周りに回転すると、支持板が摺動ブロックに対して回転するように駆動され、支持板は締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に移動するように駆動される。支持板が移動する過程で、摺動ブロック及び揺動ロッドを互いに対して締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に摺動させることができ、摺動ブロックと締結部材との間の距離を調整することができる。
【0016】
本願では、接続アセンブリは、前述の配置態様に加えて、別の可能な配置態様で配置してもよい。例えば、本願の可能な実施態様では、接続アセンブリは一体構造であってもよい。締結部材には第2の回転シャフトが設けられ得、一体構造の接続アセンブリは第2の回転シャフトに回転可能に接続してもよい。また、接続アセンブリには長孔が設けられ、揺動ロッドの回転部分は、第3の回転シャフトを用いて接続アセンブリに接続してもよい。具体的には、第3の回転シャフトは第1の回転シャフト及び長孔を貫通してもよい。このようにして、回転部分が回転する過程で、第3の回転シャフトは、長孔に沿って摺動して、接続アセンブリを第2の回転シャフトの周りに回転させることができる。
【0017】
接続アセンブリには2つの長孔が存在してもよく、第2の回転シャフトは2つの長孔の間に位置してもよい。また、揺動ロッドには2つの回転部分が存在してもよく、回転シャフト機構の長さ方向において、2つの回転部分は、第3の回転シャフトを用いて2つの長孔に1対1の対応関係でそれぞれ接続してもよい。揺動ロッドは、2つの回転部分を用いて接続アセンブリに接続される。これにより、接続アセンブリによる揺動ロッドとの連動動作の信頼性が向上し、回転シャフト機構全体の動作安定性を向上させるのに役立つ。
【0018】
本願では、接続アセンブリは、支持板の端部分であって締結部材に面する端部分に回転可能に接続され得る。このようにして、接続アセンブリが第2の回転シャフトの周りに回転する過程で、支持板を摺動ブロックに対して回転させることができるので、支持板は、締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に移動するように駆動される。支持板が移動する過程で、摺動ブロック及び揺動ロッドを互いに対して締結部材に近づく方向又は締結部材から離れる方向に摺動させることができるので、摺動ブロックと締結部材との間の距離を調整することができる。
【0019】
また、本願のこの実施態様では、回転部分は第1の回転シャフトと同期して回転することができ、第1の回転シャフトの断面は異形(special-shaped)断面である。第1の回転シャフトの断面は異形断面に設定されており、それによって異形断面を調整することで第1の回転シャフトの回転位置を調整することができる。
【0020】
第2の態様によれば、本願は電子装置をさらに提供する。電子装置は、フレキシブルディスプレイ、2つのハウジング、及び第1の態様における回転シャフト機構を含む。2つのハウジングは回転シャフト機構の両側にそれぞれ配置され得、長さ維持機構の揺動アームの摺動ブロックは、対応する側のハウジングに固定して接続され得る。フレキシブルディスプレイは、2つのハウジング及び回転シャフト機構を連続的に覆ってもよく、フレキシブルディスプレイは、2つのハウジングに固定して接続してもよい。
【0021】
本願で提供する電子装置を使用すると、回転シャフト機構の第1の揺動アーム及び第2の揺動アームが物理的なシャフトを用いて締結部材に回転可能に接続されるので、回転シャフト機構の回転安定性を向上させることができ、それによって電子装置の動作安定性を向上させることができる。また、電子装置の第1のハウジング及び第2のハウジングが互いに対して回転する過程において、摺動ブロックと長さ維持機構の対応する揺動ロッドとの相対的な摺動により、第1のハウジング又は第2のハウジングと締結部材との間の距離を調整して、第1のハウジング及び第2のハウジングに固定したフレキシブルディスプレイが圧迫又は引っ張られるのを防ぎ、フレキシブルディスプレイの耐用年数を延ばし、電子装置の信頼性を向上させることができる。
【0022】
本願の可能な実施態様では、各ハウジングの端部分であって締結部材に面する端部分には開口溝が設けられ、揺動アームの摺動ブロックは、開口溝の対応する側に位置してもよく、開口溝の溝壁に固定して接続される。
【0023】
また、電子装置が開いた状態では、2つのハウジングの開口溝を位置合わせして組み合わせて収容部分を形成することができ、回転シャフト機構をこの収容部分内に隠すことができる。このようにして、電子装置は、一体設計の外観効果を有することができ、電子装置の外観美観を高める。
【0024】
本願では、電子装置が開いた状態にあるときに、支持板の表面をハウジングの表面に接続して平坦な支持面を形成するために、摺動ブロックの周りの支持板の回転位置を制限することができる。具体的な実施態様では、第1の支持板には第1の制限部分が設けられ得、摺動ブロックには第2の制限部分が設けられ、第1の制限部分は第2の制限部分に対応して配置される。第1の制限部分は切欠きであってもよく、第2の制限部分は突起部分であってもよい。あるいはまた、第1の制限部分が突起部であってもよく、第2の制限部分が切欠きであってもよい。このようにして、突起部が切欠きに収容され得、突起部が切欠きにスナップ留めされて第1の支持板の回転位置を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1a】本願の一実施形態による、閉じた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
【
図1b】本願の一実施形態による、開いた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
【
図2a】本願の別の実施形態による、閉じた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
【
図2b】本願の別の実施形態による、開いた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
【
図3】本願の一実施形態による電子装置の部分構造を示す概略図である。
【
図4】本願の一実施形態による長さ維持機構の構造を示す概略図である。
【
図5】本願の一実施形態による長さ維持機構の分解図である。
【
図6】本願の一実施形態による締結部材の構造を示す概略図である。
【
図7】本願の一実施形態による第1の接続部材の構造を示す概略図である。
【
図8】本願の一実施形態による第2の接続部材の構造を示す概略図である。
【
図9】本願の一実施形態による電子装置の部分構造を示す分解図である。
【
図10a】本願の一実施形態による、閉じた状態の電子装置の断面図である。
【
図11a】本願の別の実施形態による、閉じた状態の電子装置の断面図である。
【
図12a】本願の別の実施形態による、閉じた状態の電子装置の断面図である。
【
図13a】本願の別の実施形態による、閉じた状態の電子装置の断面図である。
【
図14】本願の一実施形態による回転シャフト機構の部分構造を示す概略図である。
【
図15】本願の一実施形態による第1の回転アームの構造を示す概略図である。
【
図16】本願の別の実施形態による長さ維持機構の構造を示す概略図である。
【
図17】本願の別の実施形態による長さ維持機構の分解図である。
【
図18】本願の別の実施形態による第1の接続アセンブリの構造を示す概略図である。 [参照符号] 1:回転シャフト機構; 1a:長さ維持機構; 101:締結部材; 1011:第1の回転シャフト; 1012:第2の回転シャフト; 1013:第3の回転シャフト; 1014:第4の回転シャフト; 1015:第5の回転シャフト; 1016:第6の回転シャフト; 1017:第7の回転シャフト; 1018:第1の取付け溝; 10181:溝孔; 102:揺動アーム; 1021:摺動ブロック; 10211:摺動スロット; 102111:摺動レール; 10212:第2の制限部分; 1022:第1の揺動ロッド; 10221:突起部; 10222:回転部分; 10222a:第1の取付け孔; 10222b:第2の取付け孔; 10222c:第3の取付け孔; 10223:第1の取付け空間; 1023:接続アセンブリ; 10231:第1の接続部材; 10231A:第1の取付け孔; 10231B:第2の取付け孔; 10231C:第3の取付け孔; 102311:接続部分; 102312:第2の取付け空間; 10232:第2の接続部材; 102321:第1の取付け孔; 102322:第2の取付け孔; 102323:第3の取付け孔; 103:第2の揺動アーム; 1031:摺動ブロック; 1032:揺動ロッド; 1033:接続アセンブリ; 1b:メインシャフト・アセンブリ; 104:ハウジング; 1041:収容溝; 105:カバー板; 1051:メインシャフト締結板; 10511:支持部分; 1052:第1の支持板; 10521:第1の制限部分; 1053:第2の支持板; 1c:同期ダンパーアセンブリ; 106:第1の回転アーム; 1061:第1のギヤ; 1061a:第1のカム構造体; 1061b:第2のカム構造体; 107:第2の回転アーム; 1071:第2のギヤ; 108:第1の締結部分; 1081:第1のキャビティ構造; 109:第2の締結部分; 1091:第2のキャビティ構造; 110:従動ギヤ; 111:第1の連結カム; 112:第2の連結カム; 113:第1のギヤシャフト; 114:第2のギヤシャフト; 115:第1のストッパ; 116:第1の弾性部材; 117:第2の弾性部材; 118:第2のストッパ; 119:中間ギヤシャフト; 120:第3の弾性部材; 2:第1のハウジング; 2a:第1面; 2b:第2面; 201:第1の開口溝; 3:第2のハウジング; 3a:第1面; 3b:第2面; 301:第2の開口溝; 4:フレキシブルディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下では、添付の図面を参照して本願についてさらに詳細に説明する。
【0027】
本願の実施形態で提供する回転シャフト機構1の理解を容易にするために、以下では、まず、回転シャフト機構1の適用シナリオについて説明する。回転シャフト機構1は、携帯電話、パームトップコンピュータ(携帯情報端末、PDA)、ノートブックコンピュータ、又はタブレットコンピュータ等を含むがこれに限定されない、折畳み式電子装置に使用することができる。本願の実施形態で提供する回転シャフト機構1を電子装置に使用する場合について、
図1aを参照されたい。
図1aは、本願の一実施形態による電子装置の構造を示す概略図である。回転シャフト機構1に加えて、電子装置は、通常、2つのハウジング及びフレキシブルディスプレイ(
図1aには図示せず)をさらに含んでもよい。本願では、説明の便宜上、2つのハウジングをそれぞれ第1のハウジング2及び第2のハウジング3と表すことがある。第1のハウジング2及び第2のハウジング3は、回転シャフト機構1の両側に位置しており、互いに対して回転シャフト機構1の周りに回転することができる。使用中に、異なる使用シナリオに基づいて電子装置を開閉することができる。
図1aに示される実施形態では、電子装置は閉じた状態にあり、
図1aは、電子装置が閉じた状態にあるときの回転シャフト機構1と2つのハウジングとの間の相対的な位置関係を示している。この場合に、回転シャフト機構1の表面、第1のハウジング2の第1面2a、第2のハウジング3の第1面3aを電子装置の外観面として兼用してもよい。第1のハウジング2の第1面2aは、第1のハウジング2の面であってフレキシブルディスプレイから離れる面であり、第2のハウジング3の第1面3aは、第2のハウジング3の面であってフレキシブルディスプレイから離れる面である。
【0028】
さらに、
図1bを参照されたい。
図1bは、開いた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
図1a及び
図1bに示される実施形態では、電子装置の同じ側の構造が示されることに留意されたい。
図1bから、第1のハウジング2の第1面2aと第2のハウジング3の第1面3aとを電子装置の外観面として利用してもよいことが分かり得る。
【0029】
図2aは、本願の別の実施形態による、閉じた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
図2aは、電子装置の開口端の構造を示す。開口端とは、電子装置が閉じた状態にあるときに、電子装置の端部であって回転シャフト機構1とは反対側の端部である。さらに、
図2bを参照されたい。
図2bは、開いた状態の電子装置の構造を示す概略図である。
図2bは、第1のハウジング2の第2面2bと第2のハウジング3の第2面3bとが位置する側の構造を示す。第1のハウジング2の第2面2bは、第1のハウジング2の面であってフレキシブルディスプレイを支持するように構成される面であり、第2のハウジング3の第2面3bは、第2のハウジング3の面であってフレキシブルディスプレイを支持するように構成される面である。フレキシブルディスプレイは、第1のハウジング2の第2面2bと第2のハウジング3の第2面3bとを覆ってもよく、フレキシブルディスプレイは、第1のハウジング2の第2面2bと第2のハウジング3の第2面3bとに固定して接続してもよい。その接続方法は接着であってもよいが、これに限定されない。このようにして、電子装置が開いた状態にあるときに、第1のハウジング2及び第2のハウジング3はフレキシブルディスプレイを支持することができる。第1のハウジング2及び第2のハウジング3が互いに対して開いた状態から閉じた状態に、又は閉じた状態から開いた状態に回転する過程で、フレキシブルディスプレイがそれに応じて折り畳まれ得る。
【0030】
電子装置が閉じた状態から開いた状態に、又は開いた状態から閉じた状態に変化する過程において、第1のハウジング2及び第2のハウジング3は、回転シャフト機構1の周りに回転して、フレキシブルディスプレイを駆動して折り畳んだ状態から展開した状態に、又は展開した状態から折り畳んだ状態に変化させることができることが理解されよう。電子装置が閉じた状態にあるときに、第1のハウジング2、回転シャフト機構1、及び第2のハウジング3の間に形成される空間がフレキシブルディスプレイの折り畳み要件を満たすことができない場合に、或いは電子装置が開いた状態にあるときに、第1のハウジング2、回転シャフト機構1、及び第2のハウジング3によって提供される支持面の延長長さがフレキシブルディスプレイの展開長さと一致しない場合に、フレキシブルディスプレイが圧迫される、又は引っ張られる可能性がある。電子装置を複数回折り畳んだ後に、フレキシブルディスプレイが損傷する可能性が高い。
【0031】
本願で提供する回転シャフト機構1は、前述の課題を解決することを意図している。第1のハウジング2、第2のハウジング3、及び回転シャフト機構1によって形成されるディスプレイ収容空間が、第1のハウジング2及び第2のハウジング3が互いに対して回転する過程におけるフレキシブルディスプレイの折り畳み要件を満たし、開いた状態における第1のハウジング2、第2のハウジング3、及び回転シャフト機構1によって形成される支持面の延長長さをフレキシブルディスプレイの展開長さと一致させることができるように、長さ維持機構が配置される。これにより、フレキシブルディスプレイの変形を回避し、フレキシブルディスプレイにかかる圧迫又は引っ張り応力を軽減し、フレキシブルディスプレイの耐用年数を延ばし、電子装置の信頼性を向上させることができる。本願の実施形態で提供する回転シャフト機構1の理解を容易にするために、以下では、添付の図面及び具体的な実施形態を参照しながら、回転シャフト機構1の構造について詳細に説明する。
【0032】
以下の実施形態で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明することを意図したものであり、本願を限定することを意図したものではないことに留意されたい。本明細書及び本願の添付の特許請求の範囲で使用する単数形の「1つの(one, a)」、「その(the)」、「前述の(the forgoing)」、「この(this)」、及び「その1つ(the one)」という用語は、文脈の中で明確に指定されていない限り、「1つ又は複数」のような形態も含むものとする。
【0033】
本明細書に記載する「一実施形態」、又は「いくつかの実施形態」等への言及は、本願の1つ又は複数の実施形態が、実施形態を参照して説明する特定の特徴、構造、又は特性を含むことを示す。従って、本明細書の異なる箇所に現れる「一実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「いくつかの他の実施形態では」、及び「他の実施形態では」等の表現は、必ずしも同じ実施形態への言及を意味するものではない。代わりに、別の方法で特に強調しない限り、これらの表現は「全てではないが、1つ又は複数の実施形態」を意味する。「含む、有する(include)」、「備える、含む、有する(comprise)」、「有する、含む(have)」という用語、及びそれらの変形は全て、別の方法で特に強調しない限り、「含むがこれらに限定されない」を意味する。
【0034】
図3は、
図2bに提供される電子装置の部分構造を示す概略図である。
図3から、第1のハウジング2及び第2のハウジング3が回転シャフト機構1の対向する両側に位置していることが分かり得る。本願では、回転シャフト機構1は長さ維持機構1aを含んでもよく、長さ維持機構1aは複数あってもよく、複数の長さ維持機構1aは回転シャフト機構1の長さ方向に間隔をあけて配置され得る。複数の長さ維持機構1aを用いて、第1のハウジング2及び第2のハウジング3を回転可能に接続してもよい。複数の長さ維持機構1aが間隔をあけて配置されるので、回転シャフト機構1の回転安定性を効果的に向上させることができ、電子装置の第1のハウジング2及び第2のハウジング3の相対的な回転安定性を向上させることができる。
【0035】
長さ維持機構1aの具体的な配置については、
図4を参照されたい。
図4は、本願の可能な実施形態による長さ維持機構1aの構造を示す概略図である。この実施形態では、長さ維持機構1aは、締結部材101及び2本の揺動アームを含んでもよい。説明を容易にするため、本願では、2つの揺動アームをそれぞれ、第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103と表すことがある。第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103は、締結部材101の両側にそれぞれ配置され、締結部材101に回転可能に接続される。また、第1の揺動アーム102は第1のハウジング2に固定して接続され得、第2の揺動アーム103は第2のハウジング3に固定して接続され得る。この場合に、第1のハウジング2及び第2のハウジング3が互いに対して回転する過程において、第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103は、締結部材101の周りに回転するように駆動され得る。
【0036】
図5は、
図4に示される長さ維持機構1aの分解図である。この実施形態では、第1の揺動アーム102は、摺動ブロック1021、揺動ロッド1022、及び接続アセンブリ1023を含む。摺動ブロック1021は、
図3に示される第1のハウジング2に固定して接続され得、その接続方法は、ネジ等の締結具を用いた固定接続であってもよいが、これに限定されない。また、摺動ブロック1021には摺動スロット10211が設けられており、摺動スロット10211は、例えば、摺動ブロック1021に形成されたキャビティ構造であってもよい。
【0037】
揺動ロッド1022は、摺動スロット10211内に収容され、摺動ブロック1021の摺動スロット10211内で締結部材101に近づく方向又は締結部材101から離れる方向に摺動することができる。本願では、揺動ロッドには突起部10221を設けてもよく、突起部10221は1つ又は複数あってもよい。例えば、
図5に示される実施形態では、揺動ロッド1022には2つの突起部10221が設けられる。また、摺動スロット10211には摺動レール102111を設けてもよく、摺動レール102111の数量は突起部10221の数量以上であるため、各突起部10221を、1つの摺動レール102111内に収容することができ、摺動レール102111内で締結部材101に近づく方向又は締結部材101から離れる方向に摺動させることができる。本願のいくつかの他の可能な実施形態では、代わりに、摺動レール102111を揺動ロッド1022に配置してもよく、突起部10221を摺動スロット10211内に配置してもよいことが理解されよう。突起部10221と摺動レール102111との間の協働摺動によって、摺動スロット10211内での揺動ロッド1022の摺動のための案内機能を提供することができ、摺動スロット10211内での揺動ロッド1022の摺動の安定性を向上させることができる。これにより、回転シャフト機構1全体の動作安定性を向上させ、回転シャフト機構1を用いた電子装置の回転安定性を向上させるのに役立つ。
【0038】
引き続き
図5を参照されたい。揺動ロッド1022の端部であって摺動ブロック1021から離れた端部は、締結部材101に回転可能に接続され得る。特定の実施態様では、揺動ロッド1022の端部であって摺動ブロック1021から離れた端部には回転部分10222を設けてもよく、回転部分10222には第1の取付け孔10222aが設けられ、第1の取付け孔10222aは丸孔であってもよい。さらに、
図5と
図6との両方を参照されたい。
図6は、
図5の締結部材101の構造を示す概略図である。締結部材101には第1の回転シャフト1011が設けられており、第1の回転シャフト1011の軸(axial)方向は回転シャフト機構1の長さ方向と同じであってもよく、第1の回転シャフト1011は第1の取付け孔10222aを貫通してもよく、これにより、回転部分10222は第1の回転シャフト1011に回転可能に接続される。
【0039】
引き続き
図5及び
図6を参照されたい。本願では、揺動ロッド1022には2つの回転部分10222を設けてもよく、2つの回転部分10222は、回転シャフト機構1の長さ方向に間隔をあけて配置され、2つの回転部分10222の間に第1の取付け空間10223を形成する。揺動ロッド1022は、2つの回転部分10222を用いて締結部材101に回転可能に接続される。これにより、締結部材101の周りの揺動ロッド1022の回転の安定性を向上させるのに役立ち得る。
【0040】
引き続き
図5を参照されたい。本願のこの実施形態では、接続アセンブリ1023の少なくとも一部が、揺動ロッド1022の2つの回転部分10222の間の第1の取付け空間10223内に収容され得る。このようにして、回転シャフト機構1の構造をコンパクトにすることができる。接続アセンブリ1023は、第1の接続部材10231及び第2の接続部材10232を含んでもよい。
【0041】
図7は、本願の可能な実施形態による第1の接続部材10231の構造を示す概略図である。この実施形態では、第1の接続部材10231には第1の取付け孔10231Aが設けられており、第1の取付け孔10231Aは丸孔であってもよい。
図6と
図7との両方を参照されたい。締結部材101には第2の回転シャフト1012がさらに設けられており、第2の回転シャフト1012が第1の取付け孔10231Aを通過することにより、第1の接続部材10231は第2の回転シャフト1012に回転可能に接続される。
【0042】
引き続き
図7を参照されたい。第1の接続部材10231の端部分であって締結部材101から離れる端部分には接続部分102311を設けてもよく、第1の取付け孔10231Aを接続部分102311に設けてもよい。また、本願では、第1の接続部材10231には2つの接続部分102311を設けてもよく、2つの接続部分102311は、回転シャフト機構1の長さ方向に間隔をあけて配置され、2つの接続部分の間に第2の取付け空間102312を形成する。第1の接続部材10231は、2つの接続部分102311を用いて締結部材101に回転可能に接続される。これにより、締結部材101の周りの第1の接続部材10231の回転の安定性を効果的に向上させることができる。
【0043】
第1の接続部材10231の端部分であって締結部材101に面する端部分には第2の取付け孔10231Bが設けられ、第2の取付け孔10231Bは長孔であり、第2の取付け孔10231Bは、回転シャフト機構1の長さ方向に設けられた貫通孔である。第1の接続部材10231の接続部分102311には第3の取付け孔10231Cがさらに設けられており、第3の取付け孔10231Cは長孔である。また、第1の接続部材10231の同じ端面において、第1の取付け孔10231Aは、第2の取付け孔10231Bと第3の取付け孔10231Cとの間に位置している。この場合に、第2の回転シャフト1012は、第2の取付け孔10231Bと第3の取付け孔10231Cとの間に位置しており、第2の取付け孔10231Bの長軸方向と第3の取付け孔10231Cの長軸方向とが交差してもよい。
【0044】
さらに
図5を参照されたい。揺動ロッド1022には第2の取付け孔10222bがさらに設けられており、第2の取付け孔10222bは、第1の取付け孔10222aの側であって締結部材101に面する側に位置している。また、揺動ロッド1022の第2の取付け孔10222bは、第3の回転シャフト1013を用いて第1の接続部材10231の第2の取付け孔10231Bに接続されており、第3の回転シャフト1013はピン等であってもよいが、これに限定されない。前述の実施形態の説明から、第1の接続部材10231の第2の取付け孔10231Bは、揺動ロッド1022の2つの回転部分10222の間に位置してもよいことが分かり得る。この場合に、第3の回転シャフト1013は、揺動ロッド1022の2つの回転部分10222の第2の取付け孔10222bと、第1の接続部材10231の第2の取付け孔10231Bとを貫通してもよい。本願では、第3の回転シャフト1013は、揺動ロッドの2つの回転部分10222に回転可能に接続され得る。これは本明細書では限定されない。このようにして、揺動ロッド1022が締結部材101の第1の回転シャフト1011の周りに回転する過程で、第3の回転シャフト1013が第1の接続部材10231の第2の取付け孔10231Bに沿って摺動することができ、それによって第1の接続部材10231が第2の回転シャフト1012の周りに回転するように駆動される。本願では、第2の取付け孔10231Bの長軸方向を調整することにより、第1の接続部材10231の回転軌跡を調整することができることが理解されよう。
【0045】
図5に示されるように、第2の接続部材10232の少なくとも一部は、第1の接続部材10231の第2の取付け空間102312に位置してもよい。この場合に、第2の接続部材10232は、第1の接続部材10231と揺動ロッド1022との間に位置する。
図8は、本願の可能な実施形態による第2の接続部材10232の構造を示す概略図である。
図5と
図8との両方を参照されたい。第2の接続部材10232の側であって締結部材101に面する側には、第1の取付け孔102321が形成され、第1の取付け孔102321は丸孔であってもよい。さらに、
図6を参照されたい。締結部材101には第4の回転シャフト1014がさらに設けられ、第4の回転シャフト1014は第1の取付け孔102321を通過し、それによって第2の接続部材10232の第1の取付け孔102321は、第4の回転シャフト1014を用いて締結部材101に回転可能に接続される。
図5と
図6との両方を参照されたい。本願では、第4の回転シャフト1014は、第2の回転シャフト1012に対して、締結部材101の側であって第2の接続部材10232に面する側に位置している。
【0046】
さらに
図5及び
図8を参照されたい。第2の接続部材10232は、第2の取付け孔102322及び第3の取付け孔102323をさらに含む。第2の取付け孔102322と第3の取付け孔102323との両方は丸孔であってもよく、第2の取付け孔102322は第1の取付け孔102321と第3の取付け孔102323との間に位置しており、第1の取付け孔102321、第2の取付け孔102322、及び第3の取付け孔102323の軸線は、互いに平行であってもよい。また、本願では、第2の接続部材10232の第2の取付け孔102322は、第5の回転シャフトを用いて第1の接続部材10231の第3の取付け孔10231Cに回転可能に接続してもよい。
【0047】
さらに
図4及び
図5を参照されたい。本願では、第2の揺動アーム103及び第1の揺動アーム102は、締結部材101に対して対称に配置され得る。第2の揺動アーム103は、摺動ブロック1031、揺動ロッド1032、及び接続アセンブリ1033を含んでもよい。
図3に示される実施形態では、摺動ブロック1031を電子装置の第2のハウジング3に固定してもよい。摺動ブロック1031、揺動ロッド1032、及び接続アセンブリ1033の具体的な配置態様、相対位置、及び接続関係、並びにこれらと締結部材101との接続関係については、第1の揺動アーム102を参照されたい。詳細について、ここでは再び説明しない。
【0048】
本願では、長さ維持機構1aの露出を防止するために、回転シャフト機構1はメインシャフト・アセンブリ1bをさらに含んでもよい。
図9は、本願による電子装置の部分構造を示す分解図である。
図9から、メインシャフト・アセンブリ1bはカバー板105を含んでもよいことが分かり得る。カバー板105は2つの支持板を含んでもよい。説明を容易にするために、本願では、2つの支持板をそれぞれ第1の支持板1052及び第2の支持板1053として表す。また、カバー板105はメインシャフト締結板1051をさらに含んでもよく、メインシャフト締結板1051の長さ方向が、回転シャフト機構1の長さ方向と同じである。第1の支持板1052及び第2の支持板1053は、メインシャフト締結板1051の両側に位置してもよく、第1の支持板1052及び第2の支持板1053の長さ方向は、メインシャフト締結板1051の長さ方向と同じである。
【0049】
また、支持部分10511が、メインシャフト締結板1051の2つの側面であって第1の支持板1052及び第2の支持板1053に面する2つの側面に分かれて配置される。複数の支持部分10511がメインシャフト締結板1051の同じ側に位置してもよく、複数の支持部分10511は、メインシャフト締結板1051の長さ方向に間隔をおいて配置され得る。第1の支持板1052及び第2の支持板1053の側面であってメインシャフト締結板1051に面する側面は、対応する支持部分10511の面であってハウジング104から離れた面に別れて配置され得、対応する支持部分10511の面であってハウジング104から離れた面に沿って摺動し得る。
【0050】
さらに
図9を参照されたい。本願では、メインシャフト・アセンブリ1bはハウジング104をさらに含んでもよく、ハウジング104を回転シャフト機構1の外観部材として使用して、回転シャフト機構1の美観を高めることができる。ハウジング104には収容溝1041が設けられる。
図4に示される長さ維持機構1aは、収容溝1041内に収容され、ハウジング104に固定され得る。長さ維持機構1aは、締結部材101をハウジング104に固定することにより、ハウジング104に固定してもよい。締結部材101は、ネジ等の締結具を用いてハウジング104に固定して接続してもよい。これは本明細書では限定されない。また、メインシャフト締結板1051はハウジング104に固定される。長さ維持機構1aはメインシャフト締結板1051とハウジング104との間に位置してもよく、メインシャフト締結板1051はハウジング104に固定して接続され、これにより、長さ維持機構1aをハウジング104内で押し込んで、締結部材101のぐらつきを低減することができる。回転シャフト機構1が電子装置に使用される場合に、カバー板105は、フレキシブルディスプレイ4を支持するように構成され得ることが理解されよう。
【0051】
引き続き
図9を参照されたい。本願では、第1の支持板1052は第1の揺動アーム102を覆うことができ、第1の支持板1052の端部であって締結部材101に面する端部は、第6の回転シャフト(
図9には図示せず)を用いて、
図8に示される第2の接続部材10232の第3の取付け孔102323に回転可能に接続される。また、第1の支持板1052の端部であって締結部材101から離れる端部は、第7の回転シャフト(
図9には図示せず)を用いて、摺動ブロック1021の端部であって締結部材101から離れる端部に回転可能に接続される。
【0052】
同様に、第2の支持板1053は第2の揺動アーム103を覆うことができ、第2の支持板1053の端部であって締結部材101に面する端部は、第2の揺動アーム103の接続アセンブリ1033に回転可能に接続される。また、第2の支持板1053の端部であって締結部材101から離れる端部は、第2の揺動アーム103の摺動ブロック1031の端部であって締結部材101から離れる端部に回転可能に接続される。
【0053】
前述の実施形態の説明から、摺動ブロック1021は電子装置の第1のハウジング2に固定してもよく、摺動ブロック1031は電子装置の第2のハウジング3に固定してもよいことが分かる。引き続き
図9を参照されたい。本願の実施形態では、第1のハウジング2の側であって第2のハウジング3に面する側には第1の開口溝201が設けられ、第2のハウジング3の側であって第1のハウジング2に面する側には第2の開口溝301が設けられる。この場合に、摺動ブロック1021は、第1の開口溝201内に位置してもよく、第1の開口溝201の溝壁に固定して接続される。摺動ブロック1031は、第2の開口溝301内に位置してもよく、第2の開口溝301の溝壁に固定して接続される。
【0054】
さらに、
図3と
図9との両方を参照されたい。電子装置が開いた状態にあるときに、第1の開口溝201及び第2の開口溝301は、互いに位置合わせされて組み合わされるように設けられ、第1のハウジング2と第2のハウジング3との間に収容部分を形成する。
図3から、電子装置が開いた状態にあるときに、回転シャフト機構1の全体が収納部分内に隠され得ることが分かり得る。さらに、
図1bと
図3との両方を参照されたい。電子装置の第1のハウジング2の第1面2aと第2のハウジング3の第1面3aとを互いに接続することができ、それによって電子装置は、比較的ギャップの少ない平坦な外観面を有して、電子装置の外観の統合デザインを改善し、電子装置の外観の審美性を向上させることができる。
【0055】
本願で提供する回転シャフト機構1を電子装置に使用する際の各種機構同士の間の連係関係を理解し易くするために、以下では、添付の図面を参照しながら、電子装置が閉じた状態及び開いた状態にあるときの機構の状態について説明する。本願では、第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103の構造は同一であってもよく、第1の揺動アーム102と締結部材101との間の接続関係は、第2の揺動アーム103と締結部材101との間の接続関係と同じであってもよいことに留意されたい。説明の簡潔化のために、本願の以下の実施形態では、主に第1の揺動アーム102について具体的に説明し、第2の揺動アーム103は第1の揺動アーム102を参照して配置してもよい。詳細について、ここでは再び説明しない。
【0056】
まず、
図10aを参照されたい。
図10aは、本願の一実施形態による電子装置の断面図である。
図10aは、閉じた状態の電子装置の揺動ロッド1022における断面図である。この実施形態では、第1の支持板1052の端部であって第2の接続部材10232に接続されるように構成された端部は、第1の支持板1052の端部であって摺動ブロック1021に接続されるように構成された端部に対して、メインシャフト締結板1051の側であって第1のハウジング2に面する側に位置しており、それによって第1の支持板1052はメインシャフト締結板1051から離れる側に傾斜する。同様に、第2の支持板1053もメインシャフト締結板1051から離れる側に傾斜している。引き続き
図10aを参照されたい。第1の支持板1052及び第2の支持板1053の端部であって、対応する接続部材に接続される端部は、互いに離れて配置され、第1の支持板1052及び第2の支持板1053の端部であって、対応する摺動ブロックに接続される端部は、互いに近づけて配置されて、第1の支持板1052と第2の支持板1053との間にディスプレイ収容空間を形成する。フレキシブルディスプレイ4の折り畳まれた部分が、ディスプレイ収容空間内に収容され得る。
【0057】
図10bは、
図10aに示される開いた状態の電子装置の断面図である。
図10aと
図10bとの間の比較から、
図10aに示される開いた状態から
図10bに示される開いた状態への過程において、揺動ロッド1022が第1の回転シャフト1011の周りに回転することができ、同時に、摺動ブロック1021の摺動スロット10211内の揺動ロッド1022の位置が変化することが分かり得る。この場合に、摺動ブロック1021は、揺動ロッド1022に対して締結部材101に近づく方向に摺動する。従って、摺動ブロック1021と締結部材101との間の距離は摺動によって調整され、それによって第1の支持板1052と締結部材101との間の距離が調整される。このようにして、第1の支持板1052と第2の支持板1053との間に形成されるディスプレイ収容空間は、ディスプレイ収容空がフレキシブルディスプレイ4の折り畳み要件を満たすように、摺動距離を適切に設計することによって調整することができる。従って、電子装置の折り畳み過程においてフレキシブルディスプレイ4が圧迫される又は引っ張られるのを防止して、フレキシブルディスプレイ4の耐用年数を延ばすことができる。
【0058】
次に、
図11aを参照されたい。
図11aは、本願の別の実施形態による電子装置の断面図である。
図11aは、閉じた状態の電子装置の第1の接続部材10231における断面図である。この状態では、第3の回転シャフト1013は、第1の接続部材10231の第2の取付け孔10231Bの側であってメインシャフト・アセンブリ1bのハウジング104に近い側に位置しており、第3の取付け孔10231Cは、第2の取付け孔10231Bに対して、メインシャフト・アセンブリのハウジング104から離れる側に位置している。
【0059】
図11bは、
図11aに示される開いた状態の電子装置の断面図である。前述の実施形態の説明から、揺動ロッド1022は、第3の回転シャフト1013を用いて第1の接続部材10231に回転可能に接続されることが分かり得る。この場合に、
図11aに示される開いた状態から
図11bに示される開いた状態への過程において、揺動ロッド1022が回転すると、第3の回転シャフト1013が第1の接続部材10231の第2の取付け孔10231B内で摺動し、それによって第1の接続部材10231が第2の回転シャフト1012の周りに回転するように駆動される。また、
図11aと
図11bとの間の比較から、この過程において、第1の接続部材10231は反時計回り方向に回転することができることが分かり得る。第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103を締結部材101に対して対称に配置することができるため、前述の過程において、第2の揺動アーム103の構成要素であって、第1の接続部材10231に対応するように配置される構成要素が、時計回り方向に回転することができることが理解されよう。
【0060】
次に、
図12aを参照されたい。
図12aは、本願の別の実施形態による電子装置の断面図である。
図12aは、閉じた状態の電子装置の第2の接続部材10232における断面図である。前述の実施形態の説明から、第2の接続部材10232の第3の取付け孔102323は、第6の回転シャフト1016を用いて第1の支持板1052に回転可能に接続されることが分かり得る。
図12aに示されるように、閉じた状態では、第2の接続部材10232の第2の取付け孔102322は、第1の取付け孔102321に対してメインシャフト締結板1051に面する側に位置しており、第3の取付け孔102323は、第2の取付け孔102322に対して摺動ブロック1021に面する側に位置している。この場合に、第1の支持板1052は、第2の接続部材10232の作用により、メインシャフト締結板1051から離れる側に傾斜している。同様に、第2の支持板1053もメインシャフト締結板1051から離れる側に傾斜している。引き続き
図12aを参照されたい。第1の支持板1052及び第2の支持板1053の端部であって、対応する接続部材に接続されるように構成される端部は、互いに離れて配置され、第1の支持板1052及び第2の支持板1053の端部であって、対応する摺動ブロックに接続されるように構成される端部は、互いに近づけて配置され、第1の支持板1052と第2の支持板1053との間にディスプレイ収容空間を形成する。フレキシブルディスプレイ4の折り畳まれた部分が、ディスプレイ収容空間内に収容され得る。
【0061】
図12bは、
図12aに示される開いた状態の電子装置の断面図である。前述の実施形態の説明から、第2の接続部材10232の第2の取付け孔102322は、第5の回転シャフト1015を用いて、
図11bに示される第1の接続部材10231の第3の取付け孔10231Cに回転可能に接続されることが分かり得る。
図12aに示される開いた状態から
図12bに示される開いた状態への過程において、第1の接続部材10231が反時計回りに回転すると、第2の接続部材10232は第4の回転シャフト1014の周りに回転するように駆動される。また、
図12aと
図12bとの間の比較から、この過程において、第2の接続部材10232は時計回り方向に回転することができることが分かり得る。第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム102を締結部材101に対して対称に配置することができるため、前述の過程において、第2の揺動アームの構成要素であって第2の接続部材10232に対応するように配置される構成要素が、反時計回り方向に回転することができることが理解されよう。
【0062】
引き続き
図12a及び
図12bを参照されたい。
図12aに示される開いた状態から
図12bに示される開いた状態への過程では、第2の接続部材10232は、第1の支持板1052を駆動してメインシャフト締結板1051に近づく方向に移動させる。また、第1の支持板1052の端部であってメインシャフト締結板1051から離れる端部が、摺動ブロック1021に回転可能に接続され、摺動ブロック1021が第1のハウジング2に固定して接続されるため、第1の支持板1052がメインシャフト締結板1051に近づく方向に移動する過程で、摺動ブロック1021を駆動して揺動ロッド1022に対して摺動させることができ、それによって摺動距離を調整することにより、第1のハウジング2と締結部材101との間の距離を調整することができる。
【0063】
図12bから、電子装置が開いた状態にあるときに、第1の支持板1052、第2の支持板1053、及びメインシャフト締結板1051を接続して平坦面を形成することができることが分かり得る。このようにして、第1の支持板1052、第2の支持板1053、及びメインシャフト締結板1051は、フレキシブルディスプレイ4の部分であってカバー板105を覆う部分に対して比較的完全な支持を与えて、この位置でのフレキシブルディスプレイ4の崩壊を回避し、フレキシブルディスプレイ4の変形を減少させることができる。これにより、フレキシブルディスプレイ4の構造の信頼性を向上させるのに役立つ。
【0064】
最後に、
図13aを参照されたい。
図13aは、本願の別の実施形態による電子装置の断面図である。
図13aは、閉じた状態の電子装置の第1の支持板1052における断面図である。前述の実施形態の説明から、第2の接続部材10232の回転により、第1の支持板1052が第7の回転シャフト1017の周りに回転することができることが分かり得る。本願では、制限構造を第1の支持板1052と摺動ブロック1021との間に配置して、電子装置が開いた状態にあるときに、第1の支持板1052の面と第1のハウジング2の第2面2bとを位置合わせすることができ、それによって第1の支持板1052と第1のハウジング2の第2面2bとを接続して平坦面を形成する。制限構造は、電子装置が開いた状態にあるときに、第1の支持板1052の回転位置が制限されるように配置される。
【0065】
引き続き
図13aを参照されたい。特定の実施態様では、第1の支持板1052には第1の制限部分10521が設けられ、摺動ブロック1021には第2の制限部分10212が設けられ、第1の制限部分10521は第2の制限部分10212に対応するように配置される。可能な実施形態では、第1の制限部分10521は切欠きであってもよく、第2の制限部分10212は突起部分であってもよい。このようにして、突起部分を切欠き内に収容することができ、それによって突起部分が切欠きにスナップ留めされて、第1の支持板1052の回転位置を制限する。確かに、本願のいくつかの他の可能な実施形態では、切欠きは、代替的に、摺動ブロック1021に設けてもよく、突起部は第1の支持板1052に配置してもよい。これによって、第1の支持板1052の回転位置を制限することもできる。第2の支持板1053の回転位置も、同様の設計を用いて制限することができることが理解されよう。
【0066】
図13bは、
図13aに示される開いた状態の電子装置の断面図である。
図13bに示される開いた状態では、第1の支持板1052、第2の支持板1053、及びメインシャフト締結板1051が平坦面を形成する場合に、第1の支持板1052は第1のハウジング2の第2面2bに接続され、第2の支持板1053は第2のハウジング3の第2面3bに接続され、平坦面を形成することができる。従って、本願で提供する電子装置を使用すると、電子装置が開いた状態にあるときにフレキシブルディスプレイ4を完全に支持することができる。これにより、フレキシブルディスプレイ4の平坦性を向上させ、フレキシブルディスプレイ4の変形を低減し、電子装置全体の構造的な信頼性を向上させることができる。
【0067】
本願で提供する回転シャフト機構1を使用すると、第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103が物理的なシャフトを用いて締結部材101に対して回転可能に接続されるため、回転シャフト機構1の回転安定性を向上させることができる。また、本願で提供する回転シャフト機構1が電子装置に使用され、電子装置が開いた状態にあるときに、回転シャフト機構1が第1のハウジング2と第2のハウジング3との間に隠され得るため、電子装置は統合デザインの外観効果を有している。回転シャフト機構1のカバー板105、第1のハウジング2、及び第2のハウジング3は、共同して平坦な支持面を形成して、フレキシブルディスプレイ4に比較的完全な支持を与え、フレキシブルディスプレイ4の崩壊を回避し、及びフレキシブルディスプレイ4の変形を低減することができる。電子装置の第1のハウジング2及び第2のハウジング3が互いに対して回転する過程において、第1の支持板1052と第2の支持板1053との間に形成されるディスプレイ収容空間は、ディスプレイ収容空間がフレキシブルディスプレイの折り畳み要件を満たすように、摺動ブロックと長さ維持機構1aの対応する揺動ロッドとの相対的な摺動を通じて調整して、第1のハウジング2及び第2のハウジング3に固定されるフレキシブルディスプレイ4が圧迫される又は引っ張られるのを防止し、フレキシブルディスプレイ4の耐用年数を長くし、電子装置の信頼性を向上させることができる。
【0068】
本願のいくつかの実施形態では、前述の構造に加えて、回転シャフト機構1には別の可能な構造をさらに設けてもよい。例えば、
図14を参照されたい。
図14は、本願の一実施形態による回転シャフト機構1の部分構造を示す概略図である。この実施形態では、回転シャフト機構1は、同期ダンパーアセンブリ1cをさらに含んでもよい。同期ダンパーアセンブリ1cは、瞬間的な力がフレキシブルディスプレイに加わるのを避けるために、第1のハウジング2及び第2のハウジング3が同期して回転できるように配置される。さらに、同期ダンパーアセンブリ1cは、第1のハウジング2及び第2のハウジング3が互いに対して回転する過程で特定の減衰力を与えるように構成することができるため、ユーザは電子装置の折り畳み又は展開過程の感覚を比較的明瞭に感じることができる。また、同期ダンパーアセンブリ1cを配置することにより、電子装置の偶発的な開閉を回避することもでき、2つのハウジングを所定の位置で留め置く(suspend)ことができる。
【0069】
図3と
図14との両方を参照されたい。本願では、複数の同期ダンパーアセンブリ1cが存在してもよく、複数の同期ダンパーアセンブリ1cは回転シャフト機構1の長さ方向に間隔をあけて配置され、複数の同期ダンパーアセンブリ1cはメインシャフト・アセンブリ1bのハウジング104の収容溝1041内に収容してもよい。また、同期ダンパーアセンブリ1cは、長さ維持機構1aと対で配置してもよく、又は別個に配置してもよい。例えば、
図3に示される実施形態では、同期ダンパーアセンブリ1c及び長さ維持機構1aが対になって回転シャフト機構1の長さ方向の両端部のそれぞれに配置され得る。
【0070】
同期ダンパーアセンブリ1cの具体的な配置については、引き続き
図14を参照されたい。同期ダンパーアセンブリ1cは、第1の回転アーム106及び第2の回転アーム107を含む。第1の回転アーム106及び第2の回転アーム107は対称に配置され得、第1の回転アーム106の端部であって
図3に示される第1のハウジング2に面する端部は、第1のハウジング2に摺動可能に接続され得、第2の回転アーム107の端部であって
図3に示される第2のハウジング3に面する端部は、第2のハウジング3に摺動可能に接続され得る。
図14に示されるように、本願のいくつかの実施形態では、同期ダンパーアセンブリ1cは、第1の締結部分108及び第2の締結部分109を含んでもよい。第1の締結部分108は第1のハウジング2に固定して接続され、その接続方法はネジ接続であってもよいが、これに限定されない。第1の締結部分108には第1のキャビティ構造1081が設けられており、第1の回転アーム106の端部であって第1のハウジング2に面する端部は、第1のキャビティ構造1081内に収容され得、第1のキャビティ構造に沿って第1のハウジング2に近づく方法に又は第1のハウジング2から離れる方向に摺動され得る。同様に、第2の締結部分109は第2のハウジング3に固定して接続されており、その接続方法はネジ接続であってもよいが、これに限定されない。第2の締結部分109には第2のキャビティ構造1091が設けられており、第2の回転アーム107の端部であって第2のハウジング3に面する端部は、第2のキャビティ構造1091内に収容され得、第2のキャビティ構造1091に沿って第2のハウジング3に近づく方向又は離れる方向に摺動され得る。
【0071】
さらに、
図15を参照されたい。
図15は、本願の可能な実施形態による第1の回転アーム106の構造を示す概略図である。
図14と
図15との両方を参照されたい。第1の回転アーム106の端部であって第2の回転アーム107に面する端部には、第1のギヤ1061が設けられる。同様に、第2の回転アーム107の端部であって第1の回転アーム106に面する端部には、第2のギヤ1071が設けられ、第1のギヤ1061は、変速機を介して第2のギヤ1071に接続され得る。このようにして、第1のハウジング2が第2のハウジング3に対して回転する過程において、第1のギヤ1061の回転により第2のギヤ1071が逆方向に回転し、それによって第1のハウジング2及び第2のハウジング3は同期して回転する。
【0072】
さらに
図14を参照されたい。本願のこの実施形態では、従動ギヤ110が第1のギヤ1061と第2のギヤ1071との間に配置され得、従動ギヤ110の数量は偶数であり得る。第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071は、従動ギヤ110を用いて変速機を介して接続されており、同期ダンパーアセンブリ1cの回転安定性を確保している。
【0073】
また、同期ダンパーアセンブリ1cは、第1の連結カム111及び第2の連結カム112をさらに含んでもよい。回転シャフト機構1の長さ方向において、第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071は、第1の連結カム111と第2の連結カム112との間に位置する。さらに
図15を参照されたい。第1のギヤ1061の端面であって第1の連結カム111に面する端面には第1のカム構造体1061aが設けられ、第1のギヤ1061の端面であって第2の連結カム112に面する端面には第2のカム構造体1061bが設けられる。同様に、第2のギヤ1071の端面であって第1の連結カム111に面する端面には第1のカム構造体が設けられ、第2のギヤ1071の端面であって第2の連結カム112に面する端面には第2のカム構造体が設けられる。また、第1の連結カム111の端面であって第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071に面する端面には、第1のカム構造体及び第2のカム構造体が設けられており、第2の連結カム112の端面であって第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071に面する端面には、第1のカム構造体及び第2のカム構造体が設けられる。本願では、カム構造体は複数の凸部及び凹部を含むことに留意されたい。対向配置された2つのカム構造体において、一方のカム構造体の凸部が他方のカム構造体の凹部に位置すると、2つのカム構造体が互いに係合する。対向配置され2つのカムからなる2つのカム構造体において、一方のカム構造体の突起部と他方のカム構造体の突起部とが接触すると、2つのカム構造体が互いに当接する。
【0074】
第1のギヤ1061の第1のカム構造体1061aは、第1の連結カム111の第1のカム構造体に対向して配置され、第1のギヤ1061の第2のカム構造体1061bは、第2の連結カム112の第1のカム構造体に対向して配置してもよい。第2のギヤ1071の第1のカム構造体は、第1の連結カム111の第2のカム構造体に対向して配置してもよく、第2のギヤ1071の第2のカム構造体は、第2の連結カム112の第2のカム構造体に対向して配置してもよい。
【0075】
さらに
図14を参照されたい。第1のギヤ1061は、第1のギヤシャフト113を用いて第1の連結カム111及び第2の連結カム112に接続される。第1のギヤシャフト113は、第1のカム構造体1061aa、第2のカム構造体1061bb、第1のカム構造体1061a1、及び第3のカム3の軸線に配置され、第1のギヤ1061、第1の連結カム111、及び第2の連結カム112を通過する。また、第2のギヤ1071は、第2のギヤシャフト114を用いて第1の連結カム111及び第2の連結カム112に接続される。第2のギヤシャフト114は、第1のカム構造体1061aA、第2のカム構造体1061bB、第2のカム構造体1061b2、及び第4のカム4の軸線に配置され、第1のギヤ1061、第1の連結カム111、及び第2の連結カム112を通過する。
【0076】
第1の連結カム111の側であって第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071から離れる側には、第1のストッパ115が設けられており、第1のストッパ115は第1のギヤシャフト113及び第2のギヤシャフト114に固定され、第1のストッパ115はサークリップであってもよいが、これに限定されない。第1のストッパ115は、第1の連結カム111を第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071に押し付け、第1の連結カム111が第1のギヤシャフト113及び第2のギヤシャフト114から脱落するのを防止するように配置され、回転シャフト機構1の信頼性を向上させることができる。
【0077】
また、第2の連結カム112の側であって第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071から離れる側には、第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117が設けられており、第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117は、第2の連結カム112を第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071に押し付けるように構成され得る。例えば、第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117はバネであってもよく、第1の弾性部材116は第1のギヤシャフト113にスリーブ化することができ、第2の弾性部材117は第2のギヤシャフト114にスリーブ化することができる。引き続き
図14を参照されたい。第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117の側であって第2の連結カム112から離れる側には、第2のストッパ118を設けてもよく、第2のストッパ118は第1のギヤシャフト113及び第2のギヤシャフト114に固定され、第2のストッパ118はサークリップであってもよいが、これに限定されない。第2のストッパ118は、第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117が第1のギヤシャフト113及び第2のギヤシャフト114から脱落するのを防止することができ、第2の連結カム112をギヤ1061及び第2のギヤ1071に押し付けることができるように配置される。
【0078】
このようにして、第1の回転アーム106及び第2の回転アーム107が第1のハウジング2及び第2のハウジング3と共に互いに対して回転する過程で、第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071のカム構造体と、第1の連結カム111及び第2の連結カム112の対応するカム構造体とが、係合状態と当接状態との間で切り替わることができる。第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117は、弾性力を第2の接続部材10232に加えて第2の連結カム112を第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071に押し付けることができるため、互いに対向して配置されたカム構造体が係合状態又は当接状態になると、外力が除去されても、弾性部材の弾性力と、第2の連結カム112と第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071のカム構造体との間の摩擦力により、第2の連結カム112を対応する回転位置に依然として保持することができ、それによって第1の回転アーム106及び第2の回転アーム107を対応する回転位置に留め置くことができる。
【0079】
引き続き
図14を参照されたい。本願のいくつかの実施形態では、カム構造体は、従動ギヤ110の端面であって第1の連結カム111及び第2の連結カム112に面する端面に配置され得、カム構造体は第1の連結カム111及び第2の連結カム112の対応する位置にも配置され得るため、従動ギヤ110は、互いに一致する(matched)カム構造体を用いて第1の連結カム111及び第2の連結カム112に接続することができる。また、中間ギヤシャフト119が、従動ギヤ110、第1の連結カム111、及び第2の連結カム112の互いに一致するカム構造体の軸線に配置され得、中間ギヤシャフト119は、従動ギヤ110、第1の連結カム111、及び第2の連結カム112を通過するように配置され得る。さらに、第3の弾性部材120は中間ギヤシャフト119にスリーブ化することができる。第3の弾性部材120の具体的な配置については、第1の弾性部材116及び第2の弾性部材117を参照されたい。このようにして、第3の弾性部材120は、弾性力を与えて第2の連結カム112を第1のギヤ1061及び第2のギヤ1071に押し付ける。これにより、同期ダンパーアセンブリ1cの第1の回転アーム106及び第2の回転アーム107が互いに対して回転する過程において、減衰力の増大に寄与し、回転シャフト機構1の動作安定性を向上させる。
【0080】
前述の実施形態で提供した配置方法に加えて、本願で提供する回転シャフト機構1の長さ維持機構1aは、代替的に、別の可能な方法で配置してもよい。例えば、
図16を参照されたい。
図16は、本願の別の実施形態による長さ維持機構1aの構造を示す概略図である。この実施形態では、長さ維持機構1aは、締結部材101、第1の揺動アーム102、及び第2の揺動アーム103を含む。第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103は、締結部材101の両側に配置されており、締結部材101に回転可能に接続され得る。第1の揺動アーム102は、摺動ブロック1021、揺動ロッド1022、及び接続アセンブリ1023を含み、第2の揺動アーム103は、摺動ブロック1031、揺動ロッド1032、及び接続アセンブリ1023を含む。摺動ブロック1021及び摺動ブロック1031は、
図16に示されておらず、
図4及び
図5に示される実施形態の長さ維持機構1aにおける摺動ブロック1021及び摺動ブロック1031を参照して配置され得ることに留意されたい。
【0081】
さらに、
図17を参照されたい。
図17は、
図16に示される長さ維持機構1aの分解図である。この実施形態では、揺動ロッド1022の端部であって締結部材101に面する端部は、締結部材101に回転可能に接続され得る。特定の実施態様では、揺動ロッド1022には第1の取付け孔10222aが設けられる。ただし、この実施形態では、前述の実施形態とは異なり、揺動ロッド1022の第1の取付け孔10222aが異形(special-shaped)孔となっている。また、締結部材101には第1の取付け溝1018が設けられる。回転シャフト機構1の長さ方向において、第1の取付け溝1018の対向配置された2つの溝壁にそれぞれには1つの溝孔1018が設けられ、揺動ロッド1022及び締結部材101は、第1の取付け孔10222a及び溝孔10181を貫通する第1の回転シャフト1011を用いて回転可能に接続される。
【0082】
この実施形態では、第1の回転シャフト1011の断面形状は、第1の取付け孔10222aの形状と同じであることに留意されたい。この場合に、第1の回転シャフト1011の断面は異形断面であるため、第1の回転シャフト1011は揺動ロッド1022と同期して回転することができる。また、第1の取付け溝1018の溝壁に設けられた溝孔10181も異形孔であってもよい。第1の回転シャフト1011は溝孔10181内で回転することができ、第1の回転シャフト1011の断面の形状と溝孔10181の形状とを調整することによって、第1の回転シャフト1011の回転位置を調整することができる。
【0083】
引き続き
図17を参照されたい。揺動ロッド1022には2つの回転部分10222を設けてもよく、2つの回転部分10222は、回転シャフト機構1の長さ方向に間隔をあけて配置され、2つの回転部分10222の間に第1の取付け空間10223を形成する。揺動ロッド1022は、2つの回転部分10222を用いて締結部材101に回転可能に接続される。これにより、締結部材101の周りの揺動ロッド1022の回転の安定性を向上させるのに役立ち得る。
【0084】
接続アセンブリ1023の第1の接続部材10231の少なくとも一部は、揺動ロッド1022の2つの回転部分10222の間の第1の取付け空間10223内に収容され得る。このようにして、回転シャフト機構1の構造をコンパクトにすることができる。前述の実施形態とは異なり、この実施形態では、接続アセンブリ1023が一体構造となっている。
【0085】
図18は、本願の一実施形態による接続アセンブリ1023の構造を示す概略図である。接続アセンブリ1023には第1の取付け孔10231Aが設けられ、第1の取付け孔10231は丸孔であってもよく、第1の取付け孔10231Aは、
図17に示される第2の回転シャフト1012を用いて締結部材101に回転可能に接続してもよい。
【0086】
さらに、接続アセンブリ1023には第2の取付け孔10231Bがさらに設けられており、第2の取付け孔10231Bは長孔である。
図17と
図18との両方を参照されたい。接続アセンブリ1023には2つの取付け孔10231Bが設けられる。回転シャフト機構1の長さ方向において、2つの第2の接続孔10231Bは、第1の取付け孔10231Aの両側に位置している。
図17を参照されたい。第1の回転シャフト1011には第2の取付け孔10222bが設けられ、第2の取付け孔10222bは、第3の回転シャフト(
図17には図示せず)を用いて接続アセンブリ1023の第2の取付け孔10231Bに接続される。第3の回転シャフトはピンであってもよいが、これに限定されず、第3の回転シャフトは、第2の取付け孔10222b及び接続アセンブリ1023の第2の取付け孔10231Bを通過してもよい。このようにして、揺動ロッド1022が締結部材101の第1の回転シャフト1011の周りに回転する過程において、第3の回転シャフトが接続アセンブリ1023の第2の取付け孔10231Bに沿って摺動することができ、それによって接続アセンブリ1023は第2の回転シャフト1012の周りに回転するように駆動される。本願では、接続アセンブリ1023の回転軌跡は、第2の取付け孔10231Bの長軸方向を調整することによって調整できることが理解されよう。
【0087】
さらに
図18を参照されたい。接続アセンブリ1023には第3の取付け孔10231Cをさらに設けてもよく、第3の取付け孔10231Cは1つ又は複数であってもよい。この実施形態で提供する回転シャフト機構1が電子装置に使用される場合に、接続アセンブリ1023の第3の取付け孔10231Cは、
図9に示される第1の支持板1052の端部分であって締結部材101に面する端部分に回転可能に接続されるように構成してもよい。このようにして、接続アセンブリ1023が第2の回転シャフト1012の周りに回転する過程において、第1の支持板1052はメインシャフト締結板1051に近づく方向に移動するように駆動される。
【0088】
また、第1の支持板1052の端部であってメインシャフト締結板1051から離れる端部が、摺動ブロック1021に回転可能に接続されており、摺動ブロック1021が第1のハウジング2に固定して接続されるため、第1の支持板1052がメインシャフト締結板1051に近づく方向に移動する過程で、摺動ブロック1021は揺動ロッド1022に対して摺動するように駆動され得、それによって摺動距離を調整することにより第1のハウジング2と締結部材101との間の距離を調整することができる。
【0089】
本願のこの実施形態では、第2の揺動アーム103の具体的な配置方法については、第1の揺動アーム102を参照すべきことが理解されよう。詳細について、ここでは再び説明しない。また、この実施形態で提供する回転シャフト機構1の他の構造は、前述の実施形態を参照して配置され得る。例えば、この実施形態の回転シャフト機構1はメインシャフト・アセンブリ1bも含んでもよく、長さ維持機構1aをメインシャフト・アセンブリ1b内に収容してもよい。また、回転シャフト機構1にはダンパー機構をさらに設けてもよい。詳細については、ここでは再び説明しない。
【0090】
本願のこの実施形態で提供する回転シャフト機構1を用いると、第1の揺動アーム102及び第2の揺動アーム103が物理的なシャフトを用いて締結部材101に回転可能に接続されるため、回転シャフト機構102の回転安定性を向上させることができる。また、本願で提供する回転シャフト機構1が電子装置に使用され、電子装置が開いた状態にあるときに、回転シャフト機構1は第1のハウジング2と第2のハウジング3との間に隠され得るため、電子装置は統合デザインの外観効果を有している。さらに、回転シャフト機構1のカバー板105、第1のハウジング2、及び第2のハウジング3は、共同して平坦な支持面を形成して、フレキシブルディスプレイ4を比較的完全に支持し、フレキシブルディスプレイ4の崩壊を回避し、フレキシブルディスプレイ4の変形を低減することができる。電子装置の第1のハウジング2及び第2のハウジング3が互いに対して回転する過程で、第1の支持板1052と第2の支持板1053との間に形成されるディスプレイ収容空間は、ディスプレイ収容空間がフレキシブルディスプレイの折り畳み要件を満たすように、摺動ブロックと長さ維持機構1aの対応する揺動ロッドとの相対的な摺動を通じて調整することができ、第1のハウジング2及び第2のハウジング3に固定されたフレキシブルディスプレイ4が圧迫される又は引っ張られるのを防止し、フレキシブルディスプレイ4の耐用年数を長くし、電子装置の信頼性を向上させる。
【0091】
当業者が、本願の保護範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正及び変形を加えることができることは明らかである。本願は、本願の特許請求の範囲及びそれらの同等の技術によって規定される範囲内にある限り、本願のこれらの修正及び変形を網羅することを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ維持機構及びメインシャフト・アセンブリを含む回転シャフト機構であって、
長さ維持機構は、締結部材及び2つの揺動アームを含み、該2つの揺動アームはそれぞれ前記締結部材の両側に配置され、該締結部材に回転可能に接続され、
各揺動アームは、摺動ブロック、揺動ロッド、及び接続アセンブリを含み、前記摺動ブロックには摺動スロットが設けられ、
前記揺動ロッドは、前記摺動スロット内に収容され、該摺動スロット内で前記締結部材に近づく方向又は該締結部材から離れる方向に摺動可能であり、前記揺動ロッドの端部であって前記摺動ブロックから離れる端部が前記締結部材に回転可能に接続され、
前記接続アセンブリは、前記揺動ロッドの側であって前記締結部材に面する側に位置しており、前記接続アセンブリは前記締結部材に回転可能に接続され、前記揺動ロッドは、前記締結部材に対して回転することによって、前記接続アセンブリを前記締結部材に対して回転させることができ、
メインシャフト・アセンブリはカバー板を含み、該カバー板は2つの支持板を含み、各支持板は対応する側の前記揺動アームを覆い、各支持板の端部であって前記締結部材に面する端部は、前記接続アセンブリに回転可能に接続され、各支持板の端部であって前記締結部材から離れた端部が、前記摺動ブロックに回転可能に接続され、各接続アセンブリは、前記締結部材に対して回転することにより、前記支持板を前記摺動ブロックに対して回転させ、各支持板を前記締結部材に近づく方向又は該締結部材から離れる方向に移動させることができる、回転シャフト機構。
【請求項2】
前記揺動ロッドには突起部が設けられ、前記摺動スロットには摺動レールが設けられ、前記突起部は前記摺動レール内に収容され、前記突起部は前記摺動レール内で前記締結部材に近づく方向又は前記締結部材から離れる方向に摺動可能である、請求項1に記載の回転シャフト機構。
【請求項3】
各揺動ロッドの端部であって前記摺動ブロックから離れる端部には回転部分が設けられ、前記締結部材には第1の回転シャフトが設けられ、前記回転部分は、前記第1の回転シャフトを用いて前記締結部材に回転可能に接続される、請求項
1に記載の回転シャフト機構。
【請求項4】
各揺動ロッドには2つの回転部分が含まれ、該2つの回転部分は、当該回転シャフト機構の長さ方向に間隔をおいて配置され、2つの接続部分は第1の取付け空間を形成し、前記接続アセンブリの少なくとも一部が前記第1の取付け空間内に収容される、請求項3に記載の回転シャフト機構。
【請求項5】
各接続アセンブリは、第1の接続部材及び第2の接続部材を含み、該第2の接続部材は、前記第1の接続部材と前記揺動ロッドとの間に位置しており、前記締結部材には第2の回転シャフトがさらに設けられ、前記第1の接続部材は前記第2の回転シャフトに回転可能に接続され、
前記第1の接続部材には、第1の長孔及び第2の長孔が設けられ、前記第2の回転シャフトは、前記第1の長孔と前記第2の長孔との間に位置しており、前記第1の長孔は、前記第2の長孔に対して、前記第1の接続部材の端部であって前記締結部材に面する端部に位置しており、前記回転部分は、前記第1の長孔を貫通する第3の回転シャフトを用いて前記第1の接続部材に接続され、前記回転部分が前記第1の回転シャフトの周りに回転するときに、前記第3の回転シャフトは、前記第1の長孔に沿って摺動し、前記第1の接続部材を前記第2の回転シャフトの周りに回転させることができる、請求項
3に記載の回転シャフト機構。
【請求項6】
前記締結部材には第4の回転シャフトがさらに設けられ、前記第2の接続部材は、前記第4の回転シャフトに回転可能に接続され、前記第2の接続部材は、前記第2の長孔を貫通する第5の回転シャフトを用いて前記第1の接続部材に接続され、前記第1の接続部材が前記第2の回転シャフトの周りに回転するときに、前記第5の回転シャフトは、前記第2の長孔に沿って摺動し、前記第2の接続部材を前記第4の回転シャフトの周りに回転させることができ、
前記第2の接続部材は、第6の回転シャフトを用いて、前記支持板の端部分であって前記締結部材に面する端部分に回転可能に接続され、前記第2の接続部材が前記第4の回転シャフトの周りに回転するときに、前記支持板は前記摺動ブロックに対して回転するように駆動され、前記支持板は、前記締結部材に近づく方向又は前記締結部材から離れる方向に移動するように駆動される、請求項5に記載の回転シャフト機構。
【請求項7】
前記第1の接続部材の端部分であって前記締結部材から離れる端部分には接続部分が設けられ、該接続部分は前記第2の回転シャフトに回転可能に接続される、請求項
5に記載の回転シャフト機構。
【請求項8】
前記第1の接続部材は2つの接続部分を含み、該2つの接続部分は、当該回転シャフト機構の長さ方向に間隔をおいて配置され、前記2つの接続部分は第2の取付け空間を形成し、前記第2の接続部材の少なくとも一部が、第2の取付け空間内に収容される、請求項7に記載の回転シャフト機構。
【請求項9】
前記締結部材には第2の回転シャフトがさらに設けられ、前記接続アセンブリは前記第2の回転シャフトに回転可能に接続され、
前記接続アセンブリには長孔が設けられ、前記回転部分は第3の回転シャフトを用いて前記接続アセンブリに接続され、前記第3の回転シャフトは前記第1の回転シャフト及び前記長孔を貫通し、前記回転部分が回転すると、前記第3の回転シャフトは、前記長孔に沿って摺動し、前記接続アセンブリを前記第2の回転シャフトの周りに回転させることができる、請求項
3に記載の回転シャフト機構。
【請求項10】
前記接続アセンブリは2つの長孔を含み、当該回転シャフト機構の前記長さ方向において、前記第2の回転シャフトは2つの第2の前記長孔の間に位置しており、
回転部分が2つあり、回転シャフト機構の前記長さ方向において、2つの前記回転部分はそれぞれ、前記第3の回転シャフトを用いて2つの前記長孔と1対1の対応関係で接続される、請求項9に記載の回転シャフト機構。
【請求項11】
前記接続アセンブリは、前記支持板の端部分であって前記締結部材に面する端部分に回転可能に接続され、前記接続アセンブリが前記第2の回転シャフトの周りに回転するときに、前記支持板は前記摺動ブロックに対して回転するように駆動され、前記支持板は、前記締結部材に近づく方向又は該締結部材から離れる方向に移動するように駆動される、請求項
9に記載の回転シャフト機構。
【請求項12】
前記回転部分は前記第1の回転シャフトと同期して回転し、前記第1の回転シャフトの断面が異形断面である、請求項
9に記載の回転シャフト機構。
【請求項13】
前記メインシャフト・アセンブリはハウジングをさらに含み、該ハウジングには収容溝が設けられ、前記長さ維持機構は前記収容溝内に収容される、請求項
1に記載の回転シャフト機構。
【請求項14】
前記カバー板はメインシャフト締結板をさらに含み、該メインシャフト締結板は前記締結部材に締結され、前記2つの支持板はそれぞれ前記メインシャフト締結板の両側に配置され、前記締結部材は前記ハウジングと前記メインシャフト締結板との間に位置している、請求項13に記載の回転シャフト機構。
【請求項15】
フレキシブルディスプレイ、2つのハウジング、及び請求項1乃至14のいずれか一項に記載の回転シャフト機構を含む電子装置であって、
前記2つのハウジングはそれぞれ前記回転シャフト機構の両側に配置され、前記長さ維持機構の前記揺動アームの前記摺動ブロックは対応する側の前記ハウジングに固定して接続され、
前記フレキシブルディスプレイは前記2つのハウジングと前記回転シャフト機構を連続的に覆い、前記フレキシブルディスプレイは前記2つのハウジングに固定して接続される、
電子装置。
【請求項16】
各ハウジングの端部分であって前記締結部材に面する端部分には開口溝が設けられ、前記摺動ブロックは、前記開口溝内で対応する側に位置しており、前記開口溝の溝壁に固定して接続される、請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記電子装置が開いた状態では、前記回転シャフト機構は、前記2つのハウジングの2つの前記開口溝を位置合わせして組み合わせることで形成される収容部分内に隠される、請求項16に記載の電子装置。
【国際調査報告】