IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼットティーイー マイクロエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-533784メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
<>
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図1
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図2
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図3
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図4
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図5
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図6
  • 特表-メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/42 20220101AFI20240905BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H04L45/42
H04L27/26 400
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519478
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2022078911
(87)【国際公開番号】W WO2023060822
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202111189257.2
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】趙▲シン▼
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HC09
5K030JA05
5K030JA11
5K030LA15
(57)【要約】
本願の実施例は通信技術分野に関し、メッセージ処理方法、O-RUおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を開示する。メッセージ処理方法は、上りリンクデータから周波数領域IQデータを得て、周波数領域IQデータを予め設置された記憶空間に格納するステップと、O-DUが発した制御プレーンメッセージを受信し、制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得て、制御プレーンパラメータをキューグループ内の制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュするステップであって、キューグループ内のM個のキューはそれぞれM個のシンボルの制御プレーンパラメータを格納するために使用されるものであるステップと、キャッシュされた制御プレーンパラメータを読み取って、読み取った制御プレーンパラメータに基づいて、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成するステップと、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、記憶空間から周波数領域IQデータを読み取るステップと、読み取った周波数領域IQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得て、上りユーザプレーンメッセージをO-DUに送信するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープン無線アクセスネットワーク無線周波数ユニットO-RUに適用されるメッセージ処理方法であって、
アンテナが受信した上りリンクデータから周波数領域IQデータを得て、前記周波数領域IQデータを予め設置された記憶空間に格納するステップと、
オープン無線アクセスネットワーク分散ユニットO-DUが発した制御プレーンメッセージを受信し、前記制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得て、前記制御プレーンパラメータをキューグループ内の前記制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュするステップであって、キューグループ内のM個のキューはそれぞれM個のシンボルの制御プレーンパラメータを格納するために使用され、M個のシンボルはM個のキューに1対1で対応するものであるステップと、
キャッシュされた前記制御プレーンパラメータを読み取って、読み取った前記制御プレーンパラメータに基づいて、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成するステップと、
前記ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、前記記憶空間から周波数領域IQデータを読み取るステップと、
読み取った周波数領域IQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得て、前記上りユーザプレーンメッセージをO-DUに送信するステップと、を含む、
メッセージ処理方法。
【請求項2】
前記O-RUは複数の処理ユニットを含み、各前記処理ユニット内にキューグループが設置され、前記制御プレーンパラメータを前記制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュする前記ステップは、
前記制御プレーンパラメータの格納を要する処理ユニットを特定するステップと、
前記格納を要する処理ユニット内のすべてのアンテナキャリアのサブキャリア間隔の中で最大のサブキャリア間隔を得るステップと、
前記制御プレーンパラメータに基づいて、スロット番号、前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔およびアンテナキャリアシンボル番号を得るステップと、
取得した管理プレーン配置情報に基づいて、スロットに含まれるシンボルの個数を得るステップと、
前記最大のサブキャリア間隔、前記スロット番号、前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔、前記アンテナキャリアシンボル番号、前記スロットに含まれるシンボルの個数に基づいて、前記制御プレーンパラメータの格納を要する処理ユニット内に設置されたキューグループ内のキューの番号アドレスを得るステップと、
前記制御プレーンパラメータを前記番号アドレスに対応するキューにキャッシュするステップと、を含む、
請求項1に記載のメッセージ処理方法。
【請求項3】
前記最大のサブキャリア間隔、前記スロット番号、前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔、前記アンテナキャリアシンボル番号、前記スロットに含まれるシンボルの個数に基づいて、前記制御プレーンパラメータの格納を要する処理ユニット内に設置されたキューグループ内のキューの番号アドレスを得る前記ステップは、
前記キューの番号アドレスを以下の式
carrier_fifo_addr=slotId*symNum+max_scs/carrier_scs*(symId+1/2)
で計算し、
carrier_fifo_addrは計算された前記キューの番号アドレスであり、slotIdは前記スロット番号であり、symNumは前記スロットに含まれるシンボルの個数であり、max_scsは前記最大のサブキャリア間隔であり、carrier_scsは前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔であり、symIdは前記アンテナキャリアシンボル番号である、
請求項2に記載のメッセージ処理方法。
【請求項4】
前記制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得る前記ステップは、
前記O-RU内のハードウェア回路がバイトビット位置に従って、前記制御プレーンメッセージ内の共通ヘッダを解析することにより、前記共通ヘッダ内の制御プレーンパラメータを得るステップであって、前記共通ヘッダにおける制御プレーンパラメータは、タイミング情報、セグメント個数、セグメントタイプを含むステップと、
前記セグメントタイプと前記セグメント個数に基づいて、異なるメッセージタイプに基づいて前記制御プレーンメッセージ内の各セグメントと拡張フィールド情報を解析し、各セグメントと拡張フィールド情報内の制御プレーンパラメータを得るステップと、
あるいは、
前記O-RU内のCPUソフトコアが前記制御プレーンメッセージのメッセージ構造に従ってメッセージフィールド解析を完了することにより制御プレーンパラメータを得るステップと、を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法。
【請求項5】
前記O-RUは複数の処理ユニットを含み、キャッシュされた前記制御プレーンパラメータを読み取る前記ステップは、
前記制御プレーンパラメータを格納する処理ユニットを特定するステップと、
エアインタフェースタイミングと前記格納する処理ユニットのリンク伝送遅延とに基づいて、前記格納する処理ユニットの基準タイミングを特定するステップと、
前記基準タイミングに基づいて、キャッシュされた制御プレーンパラメータを読み取るステップと、を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法。
【請求項6】
前記ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、前記RAMから周波数領域IQデータを読み取る前記ステップは、
前記ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、物理リソースブロックPRBの開始番号、前記PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの前記記憶空間における領域アドレスを得るステップと、
前記PRBの開始番号、前記PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの前記記憶空間における領域アドレスから、前記記憶空間におけるPRBの記憶アドレスを計算するステップと、
前記記憶空間における前記PRBの記憶アドレスにおいて、周波数領域IQデータを読み取るステップと、を含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法。
【請求項7】
前記PRBの開始番号、前記PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの前記記憶空間における領域アドレスから、前記記憶空間におけるPRBの記憶アドレスを計算する前記ステップは、
前記RBの個数に対応するデータ長がイーサネット最大メッセージ長を超えている場合、アプリケーション層スライスを行い、前記制御プレーンパラメータを複数の制御プレーンサブパラメータに分割して、各スライスのPRBの開始番号と前記各スライスのPRB内のRBの個数を再計算するステップと、
再計算された各スライスのPRBの開始番号、前記各スライスのPRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの記憶空間における領域アドレスから、前記記憶空間におけるPRBの記憶アドレスを計算するステップと、を含む、
請求項6に記載のメッセージ処理方法。
【請求項8】
前記制御プレーンパラメータは、各セグメントの圧縮モードと圧縮ビット幅を含み、読み取った周波数領域IQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得る前記ステップは、
前記各セグメントの圧縮モードと圧縮ビット幅に基づいて、読み取った周波数領域IQデータを圧縮処理し、圧縮処理後のIQデータを得るステップと、
圧縮処理後のIQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得ることを含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法。
【請求項9】
前記O-RUは複数のオープン無線アクセスネットワークORAN処理チャネルを含み、各前記ORAN処理チャネルは複数の処理ユニットを含み、且つ各前記ORAN処理チャネルは複数の種類のアンテナの構成をサポートし、各種前記アンテナは5M帯域幅から100M帯域幅までの搬送波処理能力を少なくともサポートする、
請求項1~8のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法。
【請求項10】
各前記ORAN処理チャネルは、複数の規格のデータの伝送をサポートし、前記複数の規格のデータは、
ロングタームエボリューションLTE、狭帯域IoT NB-IoT、5GニューラジオNR、物理ランダムアクセスチャネルPrachの任意の組み合わせを少なくとも含む、
請求項9に記載のメッセージ処理方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されたメモリと、を含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~10のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法を実行できるようにする、
O-RU。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時に、請求項1~10のいずれか一項に記載のメッセージ処理方法を実現する、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、通信技術分野に関し、特に、メッセージ処理方法、O-RU、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関するものである。
【0002】
本願は、出願番号を第202111189257.2号とし、出願日を2021年10月12日とする中国特許出願を基に提出するものであって、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を参照により本願に援用する。
【背景技術】
【0003】
通信システムの発展に伴い、汎用公衆無線インタフェース(Common Public Radio Interface、CPRI)プロトコル、eCPRIプロトコル、オープン無線アクセスネットワーク(Open Radio Access Network、ORAN)プロトコルなどのような、複数のフロントホールインタフェースプロトコルが続々と登場している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ORANフロントホールインタフェースCプレーンプロトコルは5Gの混合パラメータセット伝送をサポートするために、複数のパラメータセットが共存する際のリソースブロック(Resource Block、RB)番号の配列方式とスロットタイミング番号の統一符号化方式を明確にしているが、現在のところ、異なるサブキャリア間隔のアンテナ伝送時にどのように統一してスケジューリングするかという技術手段は存在せず、異なるパラメータセットの混合伝送のシーンに適応することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、オープン無線アクセスネットワーク無線周波数ユニットO-RUに適用されるメッセージ処理方法であって、アンテナが受信した上りリンクデータから周波数領域IQデータを得て、前記周波数領域IQデータを予め設置された記憶空間に格納するステップと、オープン無線アクセスネットワーク分散ユニットO-DUが発した制御プレーンメッセージを受信し、前記制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得て、前記制御プレーンパラメータをキューグループ内の前記制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュするステップであって、キューグループ内のM個のキューはそれぞれM個のシンボルの制御プレーンパラメータを格納するために使用され、M個のシンボルはM個のキューに1対1で対応するものであるステップと、キャッシュされた前記制御プレーンパラメータを読み取って、読み取った前記制御プレーンパラメータに基づいて、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成するステップと、前記ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、前記記憶空間から周波数領域IQデータを読み取るステップと、読み取った周波数領域IQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得て、前記上りユーザプレーンメッセージをO-DUに送信するステップと、を含む、メッセージ処理方法を提供する。
【0006】
本願の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されたメモリと、を含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記少なくとも1つのプロセッサが上記のメッセージ処理方法を実行できるようにする、O-RUをさらに提供する。
【0007】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時に、上記のメッセージ処理方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本願の実施例におけるメッセージ処理方法のフローチャートである。
図2図2は、本願の実施例における、制御プレーンパラメータを制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュすることの実現過程のフローチャートである。
図3図3は、本願の実施例におけるアプリケーション層スライスの概略図である。
図4図4は、本願の実施例におけるメッセージ伝送方法を実現する構成図である。
図5図5は、本願の実施例における下りO-RU受信方向でのメッセージ処理のフローチャートである。
図6図6は、本願の実施例における上りO-RU送信方向でのメッセージ処理のフローチャートである。
図7図7は、本願の実施例におけるO-RUの構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の実施例の主な目的は、異なるパラメータセット混合伝送のシーンに適応できるように、メッセージ処理方法、O-RU、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することである。
【0010】
本願の実施例の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下に図面を組み合わせて本願の各実施例について詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施例では、読者に本願をよりよく理解させるために多くの技術的詳細を提示していると理解することができる。しかし、これらの技術的詳細と以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願の請求しようとする技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は説明に便宜を図るものであって、本願の具体的な実現形態に対していかなる限定も構成せず、各実施例は矛盾しないことを前提として互いに組み合わせて互いに参照することができる。
【0011】
本願の実施例への理解に便宜を図るために、以下ではまず、本願に係る関連技術について簡単に説明する。
【0012】
分散型基地局(Distributed Radio Access Network Radio、D-RAN)システムと集中型無線アクセスCentralized RAN(Cloud-RANを指してもよい)において、リモート無線ユニット(Remote Radio Unit、RRU)は通常、カバーする必要がある領域に実装され、基地局処理ユニット(Base Band Unit、BBU)との間で1本または複数本の光ファイバを介して通信する。このようなスキームのRRUはアンテナに無限に近く、フィーダ(アンテナとRRUの接続)による減衰を大幅に低減しており、同時にBBUは中央機械室に移転、統合され、BBUベースバンドプールを形成する。一方、中央機械室とRRUは光ファイバリンクからなるフロントホールネットワークを介して接続されており、セル間の連携作業に非常に有利であり、伝送中に生じる減衰を減少させており、コストが削減される。
【0013】
通信システムの発展に伴い、CPRIプロトコル、IRプロトコル、eCPRIプロトコル、RoEプロトコル、ORANプロトコルなど、複数のフロントホールインタフェースプロトコルが続々と登場している。そのうちORANプロトコルは、チャイナモバイルなどの事業者が2018年に提案したもので、当初はRANシステムにおける非リアルタイムのアプリケーションソフトウェアを専用ハードウェアから切り離すことで、RANシステム機器全体に一括投入されるコストを削減しようとしていた。したがって、ORANの最も重要な実施配備の目標は、5G RANシステムにおける個々のネットワーク要素である。ORANは5G 3GPP(登録商標)の既存の個々のネットワーク要素インタフェースプロトコルを基に拡張を行い、新たな開放性の要求をサポートしており、ORANプロトコルは:4G/5Gの3GPPプロトコルを含む。
【0014】
ORANは、開放性と自己エネルギー性の目標のために新たに追加されたプロトコルと仕様である。そのうち、ORANフロントホールインタフェースのプロトコルは、制御プレーン(Control Plane、Cプレーン)プロトコル、ユーザプレーン(User Plane、Uプレーン)プロトコル、同期プレーン(Synchronization Plane、Sプレーン)プロトコル、管理プレーン(Management Plane、Mプレーン)プロトコルに分けられる。拡張サイクリックプレフィックス(cyclick prefic、CP)とマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(Multimedia Broadcast Multicast Service、MBMS)を考慮しない場合、4G LTEエアインタフェースは物理層波形のみで、つまりサブキャリア間隔は15KHzしかない。一方、5Gサービスで使用される周波数帯の幅は大きく、配置方式も多種多様であるため、柔軟に拡張できる直交波周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)パラメータセット(numerology)が必要である。3GPP Release 15プロトコルは5Gエアインタフェースに5種類の物理層波形を規定し、対応するサブキャリア間隔はそれぞれ15KHz、30KHz、60KHz、120KHz、240KHzである。
【0015】
異なるパラメータセットのスロットとOFDMシンボルは時間領域において整列されており、これは時分割複信(Time Division Duplexing、TDD)ネットワークにとって重要な意味を持っている。パラメータセットの選択は、配置の方法(周波数分割複信または時分割複信)、キャリア周波数、トラフィック要件(遅延、信頼性、データレート)、ハードウェア品質(局所結晶振動の位相雑音)、移動性、実現の複雑さを含む多くの要素に依存する。
【0016】
15 KHzのサブキャリア間隔に基づき、より大きなサブキャリア間隔のnumerologyを設計すると、5G NRはURLLCサービスのような遅延に対して厳しい要件を有するサービスをユーザに提供することができ、このような能力はLTEでは提供できない。すべてのnumerologyにおいて、各スロットにおけるOFDMシンボルの数はみな同じであり(14 OFDMシンボル/スロット)、スケジューリング機構と参照信号設計を簡略化している。OFDMシンボルの持続時間はサブキャリア間隔に反比例し、大きなサブキャリア間隔を使用すると、遅延が減少する。
【0017】
また、OFDM変調器の最大高速フーリエ変換(Fast Fourier Transformation、FFT)サンプル数とサブキャリア間隔はチャネル帯域幅を決定するため、大きなサブキャリア間隔のnumerologyは大きな信号帯域幅を必要とし、小さなサブキャリア間隔のnumerologyであれば逆である。5GNRで使用される周波数帯は2つに大別することができ、6GHz未満の周波数帯(sub6GHz)で、周波数範囲が450MHz~6000MHzであるものと、ミリ波周波数帯(mmWave)で、周波数範囲が24250MHz~52600MHzであるものである。sub6GHz周波数帯において、最大帯域幅は100MHzであり、mmWave周波数帯において、最大帯域幅は400 MHzに達することができる。したがって、サブキャリア間隔が15 KHzと30 KHzのnumerologyはsub6GHz周波数帯にしか使用できず、サブキャリア間隔が120 KHzのnumerologyはミリ波周波数帯にしか使用できないが、サブキャリア間隔が60 KHzのnumerologyは2種類の周波数帯のどちらにも使用できる。
【0018】
本願の発明者は、現在ORANフロントホールインタフェースCプレーンプロトコルが5Gの混合パラメータセット伝送をサポートするために、異なるパラメータセットの混合伝送時にCプレーンメッセージフォーマットを多重化できるように、複数のパラメータセットが共存する際のRB番号の配列方式とslotスロットタイミング番号の統一符号化方式を明確にしているが、ORANプロトコルは異なるパラメータセットの混合送信時に異なるアンテナデータ間でどのようにスケジューリングするか、どのように混合パラメータセット内の各アンテナのリンク遅延補償を実現するかを示しておらず、メッセージ送信の時効性が低下しやすいということを研究により発見した。これを踏まえ、本願の実施例では、オープン無線アクセスネットワーク無線周波数ユニット(Open Radio Access Network Radio Unit,O-RU)に適用されるメッセージ処理方法を提供し、ここで、O-RUは、オープン無線アクセスネットワーク(Open Radio Access Network,ORAN)における無線周波数リモートユニットとして理解することもできる。本願の実施例におけるメッセージ処理方法は、5Gプロトコル混合パラメータセットシーンにおける無線基地局と無線周波数リモートユニットとの間のメッセージ伝送に適用することができる。無線基地局は、オープン無線アクセスネットワーク分散ユニット(Open Radio Access Network Distributed Unit,O-DU)と理解することもできる。以下に、本実施例のメッセージ処理方法の実現詳細について具体的に説明する。以下の内容は、提供する実現詳細への理解に便宜を図るためのものにすぎず、本スキームの実施に必須のものではない。
【0019】
本実施形態におけるメッセージ処理方法のフローチャートは、図1に示す通りであり、以下のステップを含む。
【0020】
ステップ101:アンテナが受信した上りリンクデータから周波数領域IQデータを得て、周波数領域IQデータを予め設置された記憶空間に格納する。
【0021】
ステップ102:O-DUが発した制御プレーンメッセージを受信し、制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得て、制御プレーンパラメータをキューグループ内の前記制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュするステップであって、キューグループ内のM個のキューはそれぞれM個のシンボルの制御プレーンパラメータを格納するために使用され、M個のシンボルはM個のキューに1対1で対応するものである。
【0022】
ステップ103:キャッシュされた制御プレーンパラメータを読み取って、読み取った前記制御プレーンパラメータに基づいて、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成する。
【0023】
ステップ104:ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、記憶空間から周波数領域IQデータを読み取る。
【0024】
ステップ105:読み取った周波数領域IQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得て、上りユーザプレーンメッセージをO-DUに送信する。
【0025】
本願の実施例では、異なるパラメータセットが混合伝送されるシーンに対して、異なるアンテナデータ間のスケジューリングポリシーを提供している。それぞれM個のシンボルの制御プレーンパラメータを格納するためのキューグループを設置することにより、異なるシンボルの制御プレーンパラメータは異なるキューに対応し、即ち、異なる制御プレーンパラメータのキャッシュをサポートする。サブキャリア間隔は制御プレーンパラメータのうちの1つのパラメータであるため、異なる制御プレーンパラメータは異なるサブキャリア間隔に対応し、異なるサブキャリア間隔は異なるパラメータセットに対応し、これにより、本願の実施例は異なるパラメータセットの混合伝送のシーンに適用することができるようになる。異なるパラメータセットの混合伝送のシーンでは、解析して得た制御プレーンパラメータをキューグループ内の制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュすることにより、即ち、異なる制御プレーンパラメータをキューグループ内の異なるキューにキャッシュすることができ、異なるキューにキャッシュされた制御プレーンパラメータを読み取った後に、データキャッシュにアクセスする伝送コマンドであるユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成することができる。1つのキューにキャッシュされた制御プレーンパラメータを読み取る度に、1つまたは複数のユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成することができることから、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドのシーケンスに従って記憶空間から周波数領域IQデータを順次読み取ることができ、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得て、上りユーザプレーンメッセージをO-DUに送信し、異なるパラメータセットの混合伝送のシーンにおけるメッセージ伝送の適時性を向上させることができると理解できる。
【0026】
ステップ101において、エアインタフェースアンテナがユーザ側装置の上りリンクデータを受信した後、O-RUは、この上りリンクデータを中間無線周波数時間領域処理して、時間領域同相直交(in-phase quadrature、IQ)データを得て、時間領域IQデータを予め設置された記憶空間に格納してもよく、そのうち、予め設置された記憶空間はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であってもよい。その後、O-RU内のFFT加速器はRAMにキャッシュされた時間領域IQデータを読み取って、時間領域IQデータをFFT処理した後、時間領域IQデータを周波数領域IQデータに変換し、周波数領域IQデータをRAM内の指定アドレスに格納する。ここで、異なるアンテナは異なる指定アドレスに対応することができ、例えば、予めアンテナの番号とRAM内の指定アドレスとの対応関係を生成しておくことができ、この対応関係は予め設置されたアドレステーブルとして表現することができ、このアドレステーブルに基づいて周波数領域IQデータの格納を要するRAM内の指定アドレスを問い合わせることができる。
【0027】
ステップ102において、O-RUは、O-DUが発した制御プレーン(Control Plane、Cプレーン)メッセージを受信し、Cプレーンメッセージを解析してCプレーンパラメータを得て、キューグループ内の制御プレーンパラメータに対応するキューにCプレーンパラメータをキャッシュすることができる。そのうち、キューは先入先出しキュー(First Input First Output、FIFO)であってよく、つまり、FIFOグループ内の解析されたCプレーンパラメータに対応するFIFOにCプレーンパラメータをキャッシュすることができ、異なるCプレーンパラメータは異なるFIFOに格納することができる。FIFOグループにおけるM個のFIFOは、それぞれ単位サブフレームに対応するM個のシンボルのCプレーンパラメータを格納するために使用され、M個のシンボルはM個のFIFOに一対一で対応する。ここで、単位サブフレームは1ミリ秒サブフレームとしてよく、FIFOグループ内のM個のFIFOはそれぞれ1ミリ秒サブフレームに対応するM個のシンボルのCプレーンパラメータを格納するために使用される。
【0028】
一例において、Cプレーンメッセージを解析した後に得られる主要なCプレーンパラメータは下表1に示す通りである。
【0029】
【表1】
【0030】
ステップ103において、O-RU内の各ORAN処理チャネルの複数の処理ユニットbankはいずれも基準タイミングを独立して割り当てることができ、各処理ユニットはそれぞれの基準タイミングに従って、キャッシュされたCプレーンパラメータを読み取って、それぞれ読み取ったCプレーンパラメータに基づいて、ユーザプレーン(User Plane、Uプレーン)メッセージ伝送スケジューリングコマンドのシーケンスを生成する。各bankの基準タイミングであれば、キャッシュされたCプレーンパラメータを各bankが読み取る時刻は異なり、Uプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成する時刻も異なり、これにより、異なるUプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドの生成時刻に基づいて、Uプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドのシーケンスを形成することができる。各bankの独立したタイミング、bank間のラウンドロビンスケジューリングは、独立時間ウィンドウスケジューリングの遅延配置の需要を満たすことができるほか、異なるbank共有バス帯域幅アクセスRAMを実現することができる。
【0031】
具体的な実現において、Cプレーンパラメータに基づいて、送信すべき上りデータ(例えば上りUプレーンメッセージ)の時期送信(即ち、送信時刻)、およびどのように送信するか(即ち、送信方式)を決定することができ、これによりCプレーンパラメータを1つのUプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに統合し、上りUプレーンメッセージの送信を制御する。
【0032】
ステップ104において、O-RUはメッセージ伝送スケジューリングコマンドのシーケンスに従って、記憶空間、即ち、RAMから周波数領域IQデータを順次読み取ることができる。
【0033】
ステップ105において、O-RUはRAMから取り出した周波数領域IQデータを圧縮処理し、圧縮された周波数領域IQデータにUプレーンアプリケーション層メッセージヘッダを追加してUプレーングループパケットを完了することができる。ここで、Uプレーングループパケットの過程において、Uプレーンメッセージ構造に従って共通ヘッダ、セグメントヘッダ、PRBフィールドフィールドを追加することができる。その後、トランスポート層処理へ移行し、即ち実際の必要に応じてUプレーンパケットにトランスポート層eCPRIメッセージヘッダ、またはRoEメッセージヘッダを追加し、これにより、送信すべき上りUプレーンメッセージを得る。最後に、MAC層ルーティング処理を経て、各ORAN処理チャネルの上りUプレーンメッセージを、対応するイーサネットインタフェースにルーティングし、イーサネットフロントホールネットワークを経てO-DUに送る。
【0034】
一実施例において、前記O-RUは複数のオープン無線アクセスネットワークORAN処理チャネルを含み、各前記ORAN処理チャネルは複数の処理ユニットを含み、且つ各ORAN処理チャネルは複数種類のアンテナの構成をサポートし、各種前記アンテナは5M帯域幅から100M帯域幅までの搬送波処理能力を少なくともサポートする。ここで、O-RUにおけるORAN処理チャネルの数、各ORAN処理チャネルにおける処理ユニットbankの数、および各ORAN処理チャネルがサポートするアンテナ構成の数は、実際の必要に応じて設置することができる。例えば、O-RU製品形態は2つの25 Gbps線速度のイーサネットポートをサポートし、内部には4つのORAN処理チャネルがあり、各チャネルは8つの処理ユニットに分かれており、各チャネルは64のアンテナ構成をサポートできるほか、各アンテナは8つの処理ユニットのいずれかを使用するように独立して構成できる。各アンテナは、5M帯域幅から100M帯域幅までの搬送波処理能力をサポートすることができる。
【0035】
従来のフロントホールリンクにおいて、各伝送チャネルは一種類のサブキャリア間隔またはパラメータセットしかサポートできず、本実施例では1つの処理チャネル内の複数の種類のサブキャリア間隔、複数の種類のパラメータセット、大小帯域幅混合モードをサポートすることができ、リアルタイム性の比較的高いトラフィックタイプではより大きなサブキャリア間隔を使用し、小帯域幅シーンではより多くのアンテナ伝送をサポートすることができ、小帯域幅の場合はアンテナ配置リソースを十分に利用することができ、大帯域幅の場合にもチャネル伝送帯域幅能力を十分に利用することができ、伝送リアルタイム性、帯域幅利用率とより多くの伝送アンテナの両立を実現している。
【0036】
一実施例において、各前記ORAN処理チャネルは、複数の規格のデータの伝送をサポートし、前記複数の規格のデータは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)、狭帯域IoT(Narrow Band Internet of Things、NB-IoT)、5GニューラジオNR(New Radio、NR)、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、Prach)の任意の組み合わせを少なくとも含む。つまり、本実施例では、1つのORAN処理チャネルにおける異なる規格データの混合伝送をサポートしており、適用性がより広い。
【0037】
一実施例において、O-RUは複数の処理ユニットを含み、各処理ユニット内にキューグループが設置され、ステップ102で言及した、制御プレーンパラメータを制御プレーンパラメータに対応するキューにキャッシュすることは、図2を参照して以下のステップによって実現することができる。
【0038】
ステップ201:前記制御プレーンパラメータの格納を要する処理ユニットを特定する。
【0039】
ステップ202:格納を要する処理ユニット内のすべてのアンテナキャリアのサブキャリア間隔の中で最大のサブキャリア間隔を得る。
【0040】
ステップ203:制御プレーンパラメータに基づいて、スロット番号、前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔およびアンテナキャリアシンボル番号を得る。
【0041】
ステップ204:取得した管理プレーン配置情報に基づいて、スロットに含まれるシンボルの個数を得る。
【0042】
ステップ205:最大のサブキャリア間隔、スロット番号、前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔、アンテナキャリアシンボル番号、スロットに含まれるシンボルの個数に基づいて、制御プレーンパラメータの格納を要する処理ユニット内に設置されたキューグループ内のキューの番号アドレスを得る。
【0043】
ステップ206:制御プレーンパラメータを番号アドレスに対応するキューにキャッシュする。
【0044】
本実施例では、キューグループ内の各キューに予め番号アドレスを設置し、ステップ205で得た番号アドレスに対応するキューを制御プレーンパラメータに対応するキューとし、これにより、その番号アドレスに対応するキューに制御プレーンパラメータを格納することができる。キューの番号アドレスを取得する際には、最大のサブキャリア間隔、スロット番号、前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔、アンテナキャリアシンボル番号、スロットに含まれるシンボルの個数を考慮に入れており、異なるパラメータセットを統一されたタイミング基準を持つアドレスに正規化し、異なるサブキャリア間隔間のシンボルタイミング差異を正規化する処理に有利であり、統一されたタイミング基準により、システムの同期性を向上させることができ、即ち、メッセージ伝送の同期性を向上させる。
【0045】
ステップ201において、各アンテナキャリアは、対応するCプレーンパラメータをどの処理ユニットbank内のFIFOグループに格納するかを予め配置選択することができ、即ち、異なる処理ユニットと異なるCプレーンパラメータとの対応関係が予め設置されており、この対応関係により、現在解析して得たCプレーンパラメータの格納を要する処理ユニットを特定することができる。
【0046】
ステップ202において、O-RUは、格納を要する処理ユニット内のすべてのアンテナキャリアのサブキャリア間隔の中で最大のサブキャリア間隔を取得することができ、即ち、1つのbank内のすべてのアンテナキャリアの中で最大のサブキャリア間隔を取得する。
【0047】
ステップ203において、Cプレーンパラメータに基づいて、スロット番号slotId、前記Cプレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔carrier_scs、およびアンテナキャリアシンボル番号symIdを得ることができる。具体的な実現において、slotId、carrier_scs、symIdは、解析されたCプレーンパラメータのフィールドから得ることができる。
【0048】
ステップ204において、スロットに含まれるシンボルの個数symNmumは、管理プレーン(Management Plane、Mプレーン)構成情報から取得することができる。
【0049】
ステップ205において、前記キューの番号アドレスは以下の式
carrier_fifo_addr=slotId*symNum+max_scs/carrier_scs*(symId+1/2)
で計算でき、
【0050】
そのうち、carrier_fifo_addrは計算された前記キューの番号アドレスであり、slotIdは前記スロット番号であり、symNumは前記スロットに含まれるシンボルの個数であり、max_scsは前記最大のサブキャリア間隔であり、carrier_scsは前記制御プレーンパラメータのアンテナキャリアのサブキャリア間隔であり、symIdは前記アンテナキャリアシンボルの番号である。キューがFIFOである場合、carrier_fifo_addrは、アンテナキャリアのCプレーンパラメータがbank内のFIFOグループに格納されるFIFO番号アドレス、即ち、Cプレーンパラメータのキャッシュアドレスと理解することができる。
【0051】
上述の式によりキャッシュFIFO番号アドレスを計算することにより、一方ではCプレーンパラメータを符号順にソートし、フロントホールネットワーク伝送時のCプレーンメッセージの遅延ジッタの吸収を実現することができ、また一方では、異なるサブキャリア間隔のCプレーンパラメータを統一されたタイミング基準を有するキャッシュFIFOにマッピングし、異なるサブキャリア間隔間のシンボルタイミング差異を正規化する処理を実現することができる。
【0052】
一実施例では、ステップ102において言及した、前記制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得るステップは、前記O-RU内のハードウェア回路がバイトビット位置に従って、前記制御プレーンメッセージ内の共通ヘッダを解析することにより、前記共通ヘッダ内の制御プレーンパラメータを得るステップであって、前記共通ヘッダにおける制御プレーンパラメータは、タイミング情報、セグメント個数、セグメントタイプを含むステップと、前記セグメントタイプと前記セグメント個数に基づいて、異なるメッセージタイプに基づいて前記制御プレーンメッセージ内の各セグメントと拡張フィールド情報を解析し、各セグメントと拡張フィールド情報内の制御プレーンパラメータを得るステップと、を含む。ここで、O-RUにおけるハードウェア回路は、メッセージ解析のために特別に設計された集積回路(Integrated Circuit、IC)チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)などであり得る。
【0053】
本実施例におけるCプレーンパラメータの解析方式は、ハードウェア論理(即ち、ハードウェア回路)解析方式であり、Cプレーンメッセージを1つ受信する度に、上記表1を参照して、ハードウェア回路は、まず、バイトビット位置に従って共通メッセージヘッダ(Common Header)を解析し、メッセージフレーム番号(frameId)、サブフレーム番号(subframeId)、スロット番号(slotId)、開始シンボル番号(startSymbolId)などのタイミング情報、およびセグメント数(numberOfsections)とセグメントタイプ(sectionType)などのフィールドを得るというものであると理解できる。次に、セグメントタイプに従って、パケットのすべてのセグメントの解析が完了するまで、異なるメッセージタイプに応じて各セグメント(Section Fields)と拡張フィールド情報(extend command)を解析する。
【0054】
一例において、ハードウェア回路は、アプリケーション層メッセージヘッダが携帯するメッセージタイミング情報を取得し、Mプレーン構成情報におけるタイムウィンドウ構成に従って、メッセージがタイムウィンドウ内で時間通りに受信されたかどうか、および早着、遅着のメッセージ数を統計することができる。早着、遅着のメッセージに対してパケットロス処理を行う。
【0055】
一実施例では、ステップ102において言及した、前記制御プレーンメッセージを解析して制御プレーンパラメータを得るステップは、O-RU内のCPUソフトコアが制御プレーンメッセージのメッセージ構造に従ってメッセージフィールド解析を完了することにより制御プレーンパラメータを得るステップを含む。例えば、O-RU内のハードウェア回路は、受信したCプレーンメッセージを記憶空間RAMに透過的に書き込んで、CPUソフトコアに通知し、CPUソフトコアがCプレーンメッセージDEメッセージ構造に従ってメッセージフィールドの解析を完了してCプレーンパラメータを得ることができる。CPUソフトコアはCプレーンパラメータを解析して得た後、解析して得たCプレーンパラメータをハードウェア回路に送ることができる。
【0056】
本実施例におけるCプレーンパラメータの解析方式は、ソフトウェア論理(即ち、CPUソフトコア)解析方式であり、ハードウェア回路が、受信したCプレーンメッセージをデータキャッシュRAMに透過的に書き込むとともに、CPUソフトコアに割り込み通知することにより、ソフトウェア論理によりメッセージ構造に従ってメッセージブロック解析を完了して、解析結果をハードウェア論理に送るというものであると理解できる。ソフトウェア解析方式はORANプロトコルのアップグレードを容易にサポートし、ソフトウェアのリアルタイム性に対する要求は高い。
【0057】
本実施例では、Cプレーンメッセージのハードウェア論理解析をサポートするとともに、Cプレーンメッセージソフトウェア解析の処理チャンネルを提供しており、Cプレーンパラメータのハードウェア論理解析は、メッセージ処理の高リアルタイム性シーンの要件を満たし、Cプレーンパラメータソフトウェア解析は、一方で後続のORANプロトコルの進化とアップグレードの際に便利であり、ソフトウェア方式により、硬化したハードウェア論理ではサポートできないプロトコルの新特性をサポートし、また一方では、ソフト解析インタフェースをハードウェア論理自己リング調整にも使用でき、O-DUが接続されていないシーンにおいてO-RUは自己リング自己測定する。
【0058】
一実施例において、ステップ103で言及した、キャッシュされた前記制御プレーンパラメータを読み取るステップは、前記制御プレーンパラメータを格納する処理ユニットを特定するステップと、エアインタフェースタイミングと前記格納する処理ユニットのリンク伝送遅延とに基づいて、前記格納する処理ユニットの基準タイミングを特定するステップと、前記基準タイミングに基づいて、キャッシュされた制御プレーンパラメータを読み取るステップと、を含む。ここで、O-RU側基準タイミングソースは、同期プレーン(Synchronization Plane、Sプレーン)タイミング同期プロトコルを使用して1588、SyncE、またはGPSなどの方法でネットワーク基準タイミングを取得し、このネットワーク基準タイミングに基づいてエアインタフェースタイミングを得ることができる。異なる処理ユニットbankのリンク伝送遅延は完全には同じでない可能性があるため、エアインタフェースタイミングと、異なるbankのリンク伝送遅延に応じて、異なるbankに対して基準タイミングを独立して配置することができ、異なるbankはそれぞれの基準タイミングに応じて、キャッシュされた制御プレーンパラメータを順次読み取ることができる。ここで、各bankに対して基準タイミングを独立して配置することは読み取りタイミング、つまり、各bankの読み取りタイミングが独立して配置でき、制御プレーンパラメータを読み取った後に、データキャッシュにアクセスする伝送コマンドであるUプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成するためであるとも理解できる。
【0059】
本実施例では、柔軟なメッセージ送信遅延スケジューリングと遅延補償管理をサポートし、各ORAN処理チャネルは複数の処理ユニットを内部サポートでき、各処理ユニットは異なる基準タイミングを採用することができ、各処理ユニット内部は、アンテナ間の遅延が最小遅延の倍数関係であることもサポートし、各キャリアアンテナのスケジューリング遅延を柔軟に配置することができる。同時に、各処理ユニットは受信したCプレーンメッセージが順不同であるのを並べ替えることをサポートすることができ、Cプレーンメッセージが順不同であっても、O-DUの所定のフレーム構造に従って指定されたシンボルにおいて対応するUプレーンメッセージを伝送することができる。また、データキャッシュRAMにより、下りUプレーンメッセージの早期到着の遅延を安定ウィンドウに吸収するのを支援し、上り遅延補償のIQデータキャッシュ空間としても使用する。
【0060】
一実施例において、ステップ104において言及した、前記ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、前記RAMから周波数領域IQデータを読み取るステップは、前記ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに基づいて、物理リソースブロック(Physical Resource Block、PRB)の開始番号、前記PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの前記記憶空間における領域アドレスを得るステップと、前記PRBの開始番号、前記PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの前記記憶空間における領域アドレスから、前記記憶空間におけるPRBの記憶アドレスを計算するステップと、前記記憶空間における前記PRBの記憶アドレスにおいて、周波数領域IQデータを読み取るステップと、を含む。ここで、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドには、物理リソースブロックPRBの開始番号、PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの記憶空間における領域アドレスを携帯することができ、これにより、ユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドが携帯するデータに基づきデータキャッシュRAMにおけるPRBの記憶アドレスを計算してから、その記憶アドレスから周波数領域IQデータを取り出すことができる。
【0061】
一実施例において、上述したPRBの開始番号、前記PRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの前記記憶空間における領域アドレスから、前記記憶空間におけるPRBの記憶アドレスを計算するステップは、前記RBの個数に対応するデータ長がイーサネット最大メッセージ長を超えている場合、アプリケーション層スライスを行い、前記制御プレーンパラメータを複数の制御プレーンサブパラメータに分割して、各スライスのPRBの開始番号と前記各スライスのPRB内のRBの個数を再計算するステップと、再計算された各スライスのPRBの開始番号、前記各スライスのPRBにおけるRBの個数、予め配置されたアンテナキャリアの記憶空間における領域アドレスから、前記記憶空間におけるPRBの記憶アドレスを計算するステップと、を含む。つまり、Uプレーン伝送コマンドが発生した時、PRBにおけるRB個数に対応するデータ量がイーサネット最大メッセージ長を超えているかどうかを判断する必要があり、1つのPRBに含まれるRB個数が多すぎる場合、アプリケーション層スライスを行い、1つのCプレーンパラメータを複数のCプレーンパラメータに分割し、各スライスにおけるPRBの開始番号とRB個数を再計算する必要がある。
【0062】
一例において、アプリケーション層スライスの効果は、図3に示す通りであってよく、1つの100M帯域幅アンテナキャリア、1つのシンボル周波数領域データ量は273RB、32RBに従って9つのスライスに分割し、最初の8つのスライスのそれぞれは32RBを含み、最後のスライスは17RBを含み、この9つのスライスは同じセグメントに属し、同じセグメント番号を持つ。図3において、9つのスライスの識別子は順に、U-Plane msg#1、U-Plane msg#2、U-Plane msg#3、U-Plane msg#4……U-Plane msg#9であり、9つのスライスが持つ同じセグメント番号はsectionid=ABC’hである。
【0063】
本実施例では、アプリケーション層スライスにより、1つのUプレーンパケット内のRB個数が多すぎることを回避するのに有利である。制御プレーンパラメータを複数の制御プレーンパラメータに分割し、複数の制御プレーンパラメータに基づいて複数のユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成することができ、1つの制御プレーンパラメータが1つのユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドに対応でき、つまり、1つの制御プレーンパラメータに基づいて複数のユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成することができ、これによって、複数のユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドによってスケジューリングを行うことができ、スケジューリングの速度を速め、データ伝送の速度を速めることに有利である。具体的な実現において、制御プレーンパラメータを分割しない場合、この制御プレーンパラメータに基づいてユーザプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成することができる。
【0064】
一実施例において、前記制御プレーンパラメータは、各セグメントの圧縮モードと圧縮ビット幅を含み、ステップ105で言及した、読み取った周波数領域IQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得るステップは、各セグメントの圧縮モードと圧縮ビット幅に基づいて、読み取った周波数領域IQデータを圧縮処理し、圧縮処理後のIQデータを得るステップと、圧縮処理後のIQデータに基づいて、送信すべき上りユーザプレーンメッセージを得るステップと、を含む。本実施例では、複数のセグメントが異なる圧縮モードと圧縮ビット幅を使用することをサポートし、柔軟性がより高く、異なる伝送要件を満たすのに有利である。
【0065】
そのうち、読み取った周波数領域IQデータを圧縮処理することは、ORANプロトコルにより定義された6種類の圧縮アルゴリズムのいずれかで読み取った周波数領域IQデータを圧縮処理することであってよい。例えばブロック浮動小数点(Block Floating Point、BFP)圧縮アルゴリズムにより圧縮することができる。通常、12個のIQデータは1つのRBであり、BFP圧縮アルゴリズムでは1つのRBを単位として、12個のI路と12個のQ路データの中で絶対値が最大のデータから最大有効データビット幅を決定し、圧縮ビット幅と実際のデータの最大有効ビット幅から圧縮因子を計算し、データの右シフト圧縮因子を圧縮する。
【0066】
本実施例では、動的圧縮構成をサポートしており、Cプレーンパラメータにおける各セグメントsectionの圧縮モード、圧縮ビット幅に基づいて各sectionのIQデータを圧縮することができる。本実施例では、各シンボル内のRBデータを複数のsectionに分割して異なる圧縮モードと圧縮ビット幅を使用することをサポートするほか、リアルタイムのオンライン圧縮モードとビット幅の改質をサポートする。リンク帯域幅と異なるユーザ、異なるトラフィックタイプの伝送品質要求に基づいて、オンラインリアルタイムで圧縮モードとビット幅を切り替えることができ、伝送帯域幅とサービス品質の間の動的バランスを両立する。
【0067】
本実施例への理解に便宜を図るために、以下では例示的なシーンにより本実施例のメッセージ処理方法について説明する。
【0068】
O-RU製品形態は2つの25 Gbps線速度のイーサネットポートをサポートし、内部には4つのORAN処理チャネルがあり、各チャネルは8つの処理ユニットに分かれており、各チャネルは64のアンテナ構成をサポートできるほか、各アンテナは8つの処理ユニットのいずれかを使用するように独立して構成できると仮定する。各アンテナは、5M帯域幅から100M帯域幅までの搬送波処理能力をサポートすることができる。
【0069】
一実施例において、本願におけるメッセージ送信方法は、図4に示すアーキテクチャ図によって実現することができ、メッセージ処理方法は、下りO-RU受信方向でのメッセージ処理を含み、図5を参照すれば分かるように、以下のステップを含む。
【0070】
ステップ401:O-RUがCプレーン、Uプレーン、Sプレーン、Mプレーンのメッセージを受信した後、CプレーンとUプレーンのメッセージを対応するO-RUチャネルに割り当てて、SプレーンとMプレーンのメッセージをCPUソフトコアに直接伝送して処理する。
【0071】
そのうち、下りO-DUがO-RUに送信したCプレーン、Uプレーン、Sプレーン、Mプレーンのメッセージは、イーサネットフロントホールネットワークを介してO-RU上の2つのイーサネットインタフェースに送信される。O-RUはORANメッセージを受信した後、イーサネットMAC層交換処理を経て、MACアドレス、VLAN id、ポート番号またはeAxC idなどのフィールドを通じてCプレーンとUプレーンのメッセージを対応するO-RUチャネルに割り当て、SプレーンとMプレーンのメッセージをCPUソフトウェア処理に直接伝送して処理する。
【0072】
ステップ402:CプレーンメッセージとUプレーンメッセージのトランスポート層処理。
【0073】
図4における、eCPRI/ROEトランスポート層メッセージヘッダ処理は、ステップ402での処理として理解することができる。SプレーンメッセージとMプレーンメッセージは標準的なイーサネットメッセージパッケージではなく、CプレーンメッセージとUプレーンメッセージはイーサネットL2層の上にオプションのIP層と、eCPRIプロトコルまたはRoEプロトコルパッケージのトランスポート層とをパッケージしている。CプレーンメッセージとUプレーンメッセージに対してトランスポート層メッセージヘッダ処理を行う場合、まずイーサネットMAC層とIPメッセージヘッダを得て、VLANを除去して、トランスポート層メッセージを得る。そして、eCPRIとRoEトランスポート層プロトコルの違いに基づいてトランスポート層ヘッダを得て、ORAN定義のトランスポート層フィールドを取得する。
【0074】
トランスポート層処理は、主にORANプロトコルがeCPRI/ROEプロトコルで定義したeAxC_ID、Message Typeなどのフィールドを解析し、eAxC_IDを内部の各ORAN処理チャネルのアンテナ番号にマッピングし、CプレーンメッセージとUプレーンメッセージをそれぞれ対応する処理ユニットに送る。
【0075】
ステップ403:Cプレーンメッセージ解析と下りUプレーンメッセージ解析。
【0076】
そのうち、ORANプロトコルに従ってアプリケーション層メッセージフィールドを定義、解析できる。ORANのCプレーンおよびUプレーンアプリケーション層メッセージは、共通メッセージヘッダ(Common Header)とセグメントメッセージヘッダ(Section Header)を含み、Uプレーンメッセージは、周波数領域RBデータを伝送するための追加のPRBフィールドを含む。各CプレーンおよびUプレーンメッセージは、1つの共通メッセージヘッダと少なくとも1つのセグメントメッセージヘッダを含み、Uプレーンの各セグメントメッセージヘッダはPRBデータフィールドに続き、Cプレーンの各セグメントメッセージフィールドは拡張フィールド(Section Extension Commands)を付加することもできる。Cプレーンメッセージ解析はハードウェア論理解析とソフトウェア解析の2つの方法をサポートすることができ、そのうち、ハードウェア論理解析とソフトウェア解析の2つの方法については既に説明しており、重複を避けるために、ここではこれ以上述べない。
【0077】
Uプレーンメッセージの時間管理とCプレーンメッセージの時間管理は、ハードウェア論理がアプリケーション層メッセージヘッダ(Uプレーンアプリケーション層メッセージヘッダまたはCプレーンアプリケーション層メッセージヘッダ)において携帯するメッセージのタイミング情報を取得した後、Mプレーンメッセージの時間ウィンドウ配置に従ってUプレーンメッセージまたはCプレーンメッセージが時間ウィンドウ内で時間通りに受信されたかどうか、および早着、遅着のメッセージ数を統計するというものであると理解できる。早着、遅着のメッセージに対してパケットロス処理を行う。
【0078】
ステップ404:Uプレーンメッセージ解析後、アプリケーション層タイミング情報を除去して、残りのSectionフィールドのIQ圧縮データを伸張処理する(即ち、図4におけるBFP伸張)。
【0079】
伸長処理は、BFP伸長処理であってもよいし、他の伸長処理方式であってもよい。BFP伸長はBFP圧縮の逆過程であり、Uプレーンsectionで伝送する圧縮因子と圧縮データに基づいて、I路データとQ路データの左シフト圧縮因子ビットを非圧縮データに復元する。UプレーンIQデータを伸張した後、O-RU内の下りダイレクトメモリアクセス(Direct Memory Access、DMA)データ移動モジュールに送ることができる。
【0080】
図4におけるCプレーン解析パラメータ割り当ては、Cプレーンメッセージ解析後、メッセージパラメータ情報であるCプレーンパラメータを取得し、Cプレーンパラメータを上り、下りのリンクに応じて上りの伝送コマンド生成モジュールと下りDMAデータ移動モジュールにそれぞれ送る。Cプレーンパラメータは上りCプレーンパラメータと下りCプレーンパラメータとを含んでよく、上りCプレーンパラメータはUプレーン伝送コマンド生成モジュールに送信され、下りCプレーンパラメータは下りDMAデータ移動モジュールに送信される。
【0081】
ステップ405:伸張後の周波数領域IQデータを、汎用データバスを介してデータキャッシュRAM内の指定アドレスに移動する(即ち、図4における下りDMAデータ移動)。
【0082】
そのうち、ステップ405は、O-RU内のDMAデータ移動モジュールによって実行することができ、DMAデータ移動モジュールは主にデータキャッシュRAMへの読み書きアクセス制御、データビット幅変換、大小端変換、伝送流量制御などの機能を実現する。Uプレーンメッセージ、各セグメントsectionは、いずれもPRBの1つのシンボル先頭のRB番号とRB個数情報を含み、DMAデータの移動時に、セグメントのPRBの開始番号、各アンテナのデータキャッシュRAM内のアドレスパーティションに基づいて、伸張されたRBデータブロックをデータキャッシュRAM内の指定位置に格納する。
【0083】
ステップ406:RAM内の周波数領域IQデータを読み取り、逆FFT処理を行った後、周波数領域IQデータを時間領域IQデータに変換し、データキャッシュRAMに再び書き戻す。
【0084】
そのうち、ステップ406は、O-RUにおける高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)加速器によって実行することができる。
【0085】
ステップ407:時間領域側DMAシフトモジュールが時間領域IQデータをRAMから読み取った後、中間無線周波数リンク処理を経てアンテナポートに送信することで、下りリンクIQデータがO-DUからO-RUアンテナポートを経て最終的にユーザ側デバイスUEへ至る送信プロセスが完了する。
【0086】
一実施例において、メッセージ処理方法は上りリンクO-RU送信方向のメッセージ処理を含み、図6を参照すれば分かるように、以下のステップを含む。
【0087】
ステップ501:エアインタフェースアンテナは、ユーザ側機器の上りリンクデータを受信した後、中間無線周波数時間領域処理を経て、時間領域IQデータをRAMに格納する。
ステップ502:FFT加速器がRAM内の時間領域IQデータを読み取り、FFT処理後、時間領域IQデータを周波数領域IQデータに変換して、周波数領域IQデータをRAM内の指定アドレスに格納する。
具体的な実現において、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、Prach)加速器も、時間領域IQデータからPrachデータを取得した後、同様にFFT処理を経て、周波数領域Prachデータ格納データキャッシュRAM指定アドレスに変換することができる。
ステップ503:エアインタフェースタイミングとリンク伝送遅延に基づいて上りパケット送信の基準タイミングを生成し、基準タイミングに基づいて、キャッシュされたCプレーンパラメータを読み取って、読み取ったCプレーンパラメータに基づいてUプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドを生成する。
【0088】
そのうち、上りパケット送信の基準タイミングである図4におけるUプレーンメッセージ送信タイミング管理を生成する。Uプレーンメッセージスケジューリングコマンドが生成された(すなわち図4のUプレーン伝送コマンド生成)時、Mプレーン配置情報に基づいてアプリケーション層パケット処理が行われる。上りDMA移動モジュールは、Uプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンドのシーケンスに従ってRAMから周波数領域IQデータ(即ち、図4の上りDMAデータ移動)を順次読み取る。
【0089】
ステップ503では主に(1)Cプレーンパラメータキャッシュ、(2)Uプレーン送信タイミングスケジューリング、(3)Uプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンド生成、(4)アプリケーションスライスに関わる。以下に、この4つの点について順次説明する。
【0090】
(1)Cプレーンパラメータキャッシュ
O-RU上りUプレーンメッセージを送信する前に、O-DUはまず対応するCプレーンメッセージをO-RUに送信し、Cプレーンメッセージを解析した後に対応するCプレーンパラメータを取得し、各メッセージにおける複数のsectionセグメントは個別のCプレーンパラメータに分割される。Cプレーンメッセージ解析後に得られた主なCプレーンパラメータについては、上記表1を参照することができる。ORAN処理チャネルごとに、取得したCプレーンパラメータを解析し、タイミング情報に応じてパラメータキャッシュFIFOグループにそれぞれ書き込み、FIFOグループは1つの1ミリ秒のサブフレームに対応するM個のシンボルのCプレーンパラメータをシンボル単位でそれぞれ格納し、M個のシンボルはM個のFIFOに一対一で対応する。各チャネルには8つの処理ユニットbankがあり、各アンテナキャリアは、キャリアCプレーンパラメータをどのbank内のパラメータキャッシュFIFOグループに格納するかを配置により選択することができる。異なるサブキャリア間隔のキャリア混合伝送(1つのサブキャリア間隔は1つのパラメータセットと理解できる)を実現するために、CプレーンパラメータがFIFOに格納された時、格納されたFIFO番号は以下の式、
carrier_fifo_addr=slotId*symNum+max_scs/carrier_scs*(symId+1/2)
で計算され、この公式については既に説明しており、重複を避けるために、ここではこれ以上述べない。
【0091】
(2)Uプレーン送信タイミングスケジューリング
各ORAN処理チャネルの8つの処理ユニットbankは独立してタイミングを割り当てることができ、各bankは3種類のサブキャリア間隔混合伝送をサポートすることができるが、具体的な実現では3種類を限度としない。例えば、O-RU側基準タイミングソースは、Sプレーンタイミング同期プロトコルにより1588、SyncEまたはGPSなどの方法でネットワーク基準タイミングを取得し、そのネットワーク基準タイミングに基づいてエアインタフェースタイミングを得る。Cプレーンパラメータを読み取った後に、データキャッシュにアクセスする伝送コマンドを生成するために、各bankの読み取りタイミングである基準タイミングを、異なる処理ユニットのリンク処理遅延タイミングとエアインタフェースに基づいて設置する。各bank内では、15kHz、30kHz、60kHzのような3種類のサブキャリア間隔構成をサポートすることができ、各キャリアはどのbankに割り当てられるかを選択することができ、同じbank内において、複数のキャリア間でシンボルレベルの遅延差をサポートすることができる。このような方式により、8つのbankの独立タイミング、bank間ラウンドロビンスケジューリングは、独立時間ウィンドウスケジューリングの遅延配置の要件を満たすことができ、異なるbank共有バス帯域幅アクセスデータキャッシュRAMを実現することもできる。
【0092】
(3)Uプレーンメッセージ伝送スケジューリングコマンド生成
Uプレーン伝送コマンドが発生した時、まず各bankの基準タイミングに基づいて、シンボルタイミングに従ってFIFOグループからCプレーンパラメータを順次読み取り、次にCプレーンパラメータを解析し、パラメータに記述されたPRBの開始番号、PRB内のRB個数情報、ソフトウェアによって構成されたアンテナキャリアのRAM内の領域アドレスからPRBのRAMにおける記憶アドレスを計算し、DMAデータ移動モジュールによってそのアドレスから周波数領域IQデータを取り出す。
【0093】
(4)アプリケーションスライス
Uプレーン伝送コマンドが発生した時、PRB内のRB個数対応データ量がイーサネット最大メッセージ長を超えているかどうかを判断することができ、1つのPRBに含まれるRB個数が多すぎる場合、アプリケーション層スライスを行い、1つのCプレーンパラメータを複数のCプレーンパラメータに分割し、各スライスにおけるPRBの開始番号とRB個数を再計算することができる。
【0094】
ステップ504:RAMから取り出したIQデータにBFP圧縮処理を行い、圧縮処理後のIQデータにUプレーンアプリケーション層メッセージヘッダを追加してUプレーングループパケットを完成する(即ち、図4における上りUプレーングループパケット)。
この過程は下りUプレーンパケット解除の逆過程であり、Uプレーンメッセージ構造に従って共通メッセージヘッダ、セグメントメッセージヘッダ、PRBドメインフィールドを追加することができる。
【0095】
ステップ505:トランスポート層メッセージスライス処理を含む上りUプレーンメッセージトランスポート層処理により、トランスポート層eCPRIまたはRoEメッセージヘッダを追加する。
【0096】
ステップ506:MAC層ルーティング処理により、8つのORAN処理チャネルの上りUプレーンメッセージを対応するイーサネットインタフェースにルーティングし、イーサネットフロントホールネットワークを経てO-DUに送る。
【0097】
本実施例は、パラメータセット内の各アンテナのタイミングスケジューリングとリンク遅延補償を実現することができるほか、動的圧縮モードのリアルタイム切り替えと複数の規格の混合伝送をサポートすることができる。
【0098】
典型的なシーンを例とすると、本願の実施例は、ハードウェア論理クロックの主周波数737.28MHzの時、単一のORAN伝送チャネルは、64個の20M帯域アンテナキャリア、または12個の100M帯域アンテナキャリアをサポートすることができる。100M帯域幅の場合、伝送効率が最大であり、純IQデータ(ORAN、eCPRI、MCA層などのメッセージヘッダを除く)の有効帯域幅は35.2Gbpsであり、1つの伝送チャネル自体の最大伝送帯域幅は47.2Gbpsであり、即ち、純IQデータの最大伝送効率は74.6%である。実際のところ、ORANインタフェースプロトコル伝送時には、各UプレーンIQメッセージはイーサネットメッセージヘッダ、トランスポート層メッセージヘッダ、アプリケーション層メッセージヘッダ、各sectionの圧縮因子などの情報を含み、メッセージ間のパケット間隔をさらに含み、これらは少なくとも5%の伝送帯域幅を占有するため、本願実施例の最大伝送効率は80%以上に達することができる。
【0099】
なお、本願の実施例における上記各例はいずれも理解の便宜上例を挙げて説明したものであり、本願の技術案について限定をなすものではない。
【0100】
上記の各方法のステップ区分は、明確に説明するためのものにすぎず、実現時には1つのステップとして統合したり、あるステップを分けたり、複数のステップとして分けてもよく、同じ論理関係を含む限り、本特許の保護範囲内にある。アルゴリズムにおいて、またはフローにおいて、重要ではない修正の追加、または重要ではない設計の導入がなされるが、そのアルゴリズムとフローを変更しない核心的な設計はみな当該特許の保護範囲内にある。
【0101】
本願の実施例は、図7に示すように、少なくとも1つのプロセッサ601と、前記少なくとも1つのプロセッサ601と通信接続されたメモリ602と、を含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記少なくとも1つのプロセッサが上記のメッセージ処理方法を実行できるようにする、O-RUをさらに提供する。
【0102】
そのうち、メモリ602とプロセッサ601はバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続バスとブリッジを含むことができ、バスは1つまたは複数のプロセッサ601とメモリ602の各種回路を接続する。バスは、周辺機器、レギュレータ、電力管理回路などの様々な他の回路を接続することもでき、これらはみな本分野の公知事項であるため、本明細書ではこれ以上説明しない。バスインタフェースは、バスとトランシーバの間にインタフェースを提供する。トランシーバは、1つの要素であってもよいし、複数の受信機や送信機などの複数の要素であってもよく、送信媒体上で様々な他の装置と通信するための手段を提供する。プロセッサ601によって処理されたデータは、アンテナを介して無線媒体上で伝送され、さらに、アンテナがデータを受信してプロセッサ601に伝送する。
【0103】
プロセッサ601はバスの管理と通常の処理を担当し、タイミング、周辺インタフェース、電圧調整、電源管理、その他の制御機能を含む様々な機能を提供することもできる。メモリ602は、動作を実行する際にプロセッサ601が使用するデータを記憶するために使用されてよい。
【0104】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時に、上記のメッセージ処理方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0105】
即ち、上述した実施例の方法におけるすべてのまたは一部のステップを実現することは、プログラムによって関連のハードウェアに命令することで完成されてよく、このプログラムは記憶媒体に記憶され、装置(モノリシックマシン、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法のすべてのまたは一部のステップを実行させるための若干の命令を含むと当業者は理解するであろう。前述の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0106】
当業者であれば、上述の各実施形態は本願を実現するための具体的な実施例であり、実際の応用においては、本願の精神および範囲から逸脱することなく形式的および詳細に種々の変更を行うことができると理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】