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特表2024-533794平らな圧延製品の製造ための設備および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】平らな圧延製品の製造ための設備および方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 1/00 20060101AFI20240905BHJP
   B21B 1/26 20060101ALI20240905BHJP
   B21B 1/02 20060101ALI20240905BHJP
   B21B 39/00 20060101ALI20240905BHJP
   B21B 45/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B21B1/00 B
B21B1/26 E
B21B1/02 E
B21B39/00 A
B21B45/00 N
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024519577
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2022077112
(87)【国際公開番号】W WO2023052500
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021211091.6
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022208767.4
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】フクス・ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】パトベルク・ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ペータース・マティアス
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002AA04
4E002AB03
4E002AD02
4E002AD04
4E002CB07
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備1および方法に関し、この設備が:i) 少なくとも1つの連続鋳造装置3を備え、前記連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有する平らなストランド材料が連続的に鋳造可能であり;ii) 少なくとも1つの前記連続鋳造装置3に引き続いて配置された分離装置4を備え、この分離装置を用いて、前記平らなストランド材料が、個々の厚いスラブへと分離可能であり;iii) 熱間圧延機5を備え、この熱間圧延機を介して、前記厚いスラブが前記平らな圧延製品へと圧延可能であり、この熱間圧延機5が、それぞれに少なくとも1つの圧延スタンドを有する、粗圧延ライン8と仕上げ圧延ライン9とを備えており、且つ、少なくとも1つの前記連続鋳造装置3を有する共通の輸送ラインT1内において配置されており;iv) 前記輸送ラインT1に対して横向きに配置され、並びに、前記分離装置4と前記熱間圧延機5との間に位置決めされた、少なくとも1つの厚いスラブ挿入装置15を備え;並びに、v) 輸送方向において前記熱間圧延機5の手前、特に輸送方向において前記粗圧延ライン8の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター7を備え、前記ヒーターを介して、少なくとも、共通の輸送ライン内において配置された前記連続鋳造装置3から来る厚いスラブが、全面的に圧延温度へと加熱可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備(1)において、この設備が:
i) 少なくとも1つの連続鋳造装置(3)を備え、前記連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有する平らなストランド材料が連続的に鋳造可能であり;
ii) 少なくとも1つの前記連続鋳造装置(3)に引き続いて配置された分離装置(4)を備え、この分離装置を用いて、前記平らなストランド材料が、個々の厚いスラブへと分離可能であり;
iii) 熱間圧延機(5)を備え、この熱間圧延機を介して、前記厚いスラブが前記平らな圧延製品へと圧延可能であり、
この熱間圧延機(5)が、それぞれに少なくとも1つの圧延スタンドを有する、粗圧延ライン(8)と仕上げ圧延ライン(9)とを備えており、且つ、少なくとも1つの前記連続鋳造装置(3)を有する共通の輸送ライン(T1)内において配置されており;
iv) 前記輸送ライン(T1)に対して横向きに配置され、並びに、前記分離装置(4)と前記熱間圧延機(5)との間に位置決めされた、少なくとも1つの厚いスラブ挿入装置(15)を備え;並びに、
v) 輸送方向において前記熱間圧延機(5)の手前、特に輸送方向において前記粗圧延ライン(8)の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター(7)を備え、
前記ヒーターを介して、少なくとも、共通の輸送ライン内において配置された前記連続鋳造装置(3)から来る厚いスラブが、全面的に圧延温度へと加熱可能である、
ことを特徴とする設備(1)。
【請求項2】
更に、輸送方向において前記仕上げ圧延ライン(9)の手前に配置された、少なくとも1つの電気的な粗ストリップヒーター(10)を備えることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)は、輸送兼加熱装置として形成されており、この厚いスラブ挿入装置を介して、輸送及び/または中間貯蔵された厚いスラブが、熱間圧延温度へと加熱可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の設備(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)は、直接的な熱挿入のための電気的な前記ヒーター(7)と、前記粗圧延ライン(8)との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の設備(1)。
【請求項5】
有利には輸送兼加熱装置として構成された、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)に、走入側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーター(16.1、16.2)が前接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の設備(1)。
【請求項6】
有利には輸送兼加熱装置として構成された、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)に、走出側で、少なくとも1つの電気的で補足的な厚いスラブヒーター(17)が後接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の設備(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの電気的で補足的な前記厚いスラブヒーター(17)は、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)と前記粗圧延ライン(8)との間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の設備(1)。
【請求項8】
更に、電気的で補足的な少なくとも1つの更に別の厚いスラブヒーター(18)を備えており、この更に別の厚いスラブヒーターが、有利には、電気的な厚いスラブヒーター(17)に前接続されていることを特徴とする請求項6または7に記載の設備(1)。
【請求項9】
更に、所属する計算ユニット(B)を有する制御装置(S)を備えており、この制御装置(S)が、
前記設備(1)を、最小限化されたエネルギー消費量及び/または最大化された処理量に基づいて、及び/または、製品特性及び/または製品寸法に基づいて、制御及び/または調節することのために形成されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の設備(1)。
【請求項10】
前記粗圧延ライン(8)は、輸送方向において、少なくとも1つの据込み装置(19)、並びに、少なくとも1つの第1の、有利には第2の粗圧延スタンド(20、21)を備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の設備(1)。
【請求項11】
前記据込み装置(19)は、少なくとも1つのスラブ据込みプレス、および、場合によっては、少なくとも1つの、有利には複数の据込み機を備えていることを特徴とする請求項10に記載の設備(1)。
【請求項12】
有利には、請求項1から11のいずれか一つに記載の設備(1)を用いての、
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための方法であって、この方法が、方法のステップ:即ち、
i) 少なくとも160mm厚さを有する、平らなストランド材料の連続的な鋳造、
この平らなストランド材料が、引き続いて、この個々の厚いスラブに分離され;
iia) 前記厚いスラブが、共通の輸送ライン(T1)内において配置された連続鋳造装置(3)から来る場合、
直接的な熱挿入のための電気的なヒーター(7)を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;および、
iib) 前記厚いスラブが、第2の輸送ライン(T2)から横向きに、第1の前記輸送ライン(T1)内へと輸送される場合、
補足的な少なくとも1つのヒーター(16.1、16.2)、及び/または、厚いスラブ挿入装置(15)を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;
iii) 前記厚いスラブが、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延されることによる、前記平らな圧延製品への、熱間圧延温度へと加熱された前記厚いスラブの熱間圧延、
の方法のステップを有していることを特徴とする方法。
【請求項13】
少なくとも500℃の温度を有する前記厚いスラブは、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターに供給されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
粗圧延された前記平らな圧延製品は、この粗圧延された前記平らな圧延製品が平らな圧延製品へと仕上げ圧延される以前に、
少なくとも950℃の温度へと、電気的な粗ストリップヒーター(10)を用いて加熱されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップii)及び/またはiii)は、制御装置(S)を用いて、
計算ユニット(B)によって算出された最小のエネルギー消費量及び/または最大の処理量、及び/または、製品特性及び/または製品寸法が達成されるように、制御されることを特徴とする請求項12から14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、
輸送方向(T1)において熱間圧延機(5)の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター(7)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備および方法、並びに、更に別の観点において、熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、輸送方向において熱間圧延機の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター、特に電気的な1つのヒーターの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、従来の設備および方法が公知されており、これら設備および方法において、厚いスラブが、直接的に鋳造熱の利用のもとで、または、スラブ貯蔵部内における中間貯蔵の後に初めて、先ず第一に、ガス作動される加熱装置を用いて加熱され、且つ、引き続いて、熱間圧延機に供給される。
ガス燃焼された加熱装置内における厚いスラブの加熱は、一方では、特に厚いスラブがスラブ貯蔵部から来て、室内温度と類似の温度から、少なくとも1000℃へと加熱される必要がある場合に、高い燃料量を必要とし、および、他方では、長い加熱時間を必要とする。特に天然ガスのような化石の燃料の利用は、それに加えて、高いCO放出を誘起する。
【0003】
特許文献1から、1つの設備が公知されており、この設備を用いて、厚いスラブが、直接的に鋳造熱の利用のもとで、熱間圧延機に供給される。その際、厚いスラブの縁部は、相前後して配置された誘導性の一連の縁部加熱装置を介して、相応する熱間圧延温度へと加熱される。縁部の合目的な加熱は、確かに、スラブ中間部分の冷却を抑制するが、しかしながら、厚いスラブ全体の合目的な加熱をこの様式のヒーターが許容しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公6562223B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の背景から、本発明の根底をなす課題は、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための、従来技術に比べて改善された設備、並びに、従来技術に比べて改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従い、この課題は、請求項1の特徴を有する設備、並びに、請求項12の特徴を有する方法によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備は、
連続鋳造装置を備え、前記連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有するストランド材料が連続的に鋳造可能であり;
前記連続鋳造装置に引き続いて配置された分離装置を備え、この分離装置を用いて、前記平らなストランド材料が、個々の厚いスラブへと分離可能であり;
熱間圧延機を備え、この熱間圧延機を介して、前記厚いスラブが前記平らな圧延製品へと圧延可能であり、
この熱間圧延機が、それぞれに少なくとも1つの圧延スタンドを有する、粗圧延ラインと仕上げ圧延ラインとを備えており、且つ、少なくとも1つの前記連続鋳造装置を有する共通の(第1の)輸送ライン内において配置されており;
前記輸送ラインに対して横向きに配置され、並びに、前記分離装置と前記熱間圧延機との間に位置決めされた、少なくとも1つの厚いスラブ挿入装置を備え;並びに、
輸送方向において前記熱間圧延機の手前、特に輸送方向において前記粗圧延ラインの手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーターを備え、
前記ヒーターを介して、少なくとも、共通の輸送ライン内において配置された前記連続鋳造装置から来る厚いスラブが、全面的に圧延温度へと加熱可能である。
【0008】
本発明に従う設備を用いて、厚いスラブは、必要に応じて、予め与えられた圧延温度へと加熱され得る。輸送方向において熱間圧延機の手前、特に輸送方向において粗圧延ラインの手前に配置された、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターは、これに伴って、それぞれに、鋳造された鋼品質に関しての個々の温度制御を可能にする。
【0009】
概念「厚いスラブ」のもとで、本発明の趣旨において、少なくとも160mmの最小厚さ、有利には少なくとも180mmの最小厚さ、更に有利には少なくとも200mmの最小厚さを有するスラブが理解される。
厚いスラブの最大の厚さが、現在使用可能な連続鋳造装置に基づいて工業技術的に制限されているので、厚いスラブの最大の厚さは、有利には、300mm、更に有利には250mmである。この様式の厚いスラブは、典型的に、800から2500mmの範囲内、有利には1000から2300mmの範囲内における幅を有している。
【0010】
薄スラブに対して、厚いスラブの製造は、複数の有利な効果を有している。一方では、専ら処理量に関してだけで、歩留り量(Ausbringungsmenge)が向上可能であり、従って、熱間圧延機によって、より高いフル稼働の程度が達成され得る。
同様に品質に関しても、厚いスラブは、薄スラブに対して、著しい利点を有している。従って、厚いスラブは、薄スラブとの比較において、鋳造された材料1トン当たり、より小さな表面積を有している。
輸送ライン内において輸送されるスラブの不均等性は減少され得る。1トン当たり鋳造される材料に関してのより小さな表面積によって、スケールの形成は低減され、且つ、少しの鋳造残留物および表面欠陥が生じ、このことによって、材料損失が、これら鋳造残留物および表面欠陥の除去により低減され得る。
【0011】
本願において、同様に直接的な熱挿入のための電気的なヒーター、電気的な厚いスラブ予熱ヒーター、電気的な厚いスラブ後加熱ヒーター、電気的な粗ストリップヒーター、または、電気的で補足的な厚いスラブヒーターとしても称される、概念「電気的なヒーター」のもとで、一般的に、電気的に作動可能な装置が理解され、この装置を介して、厚いスラブが、電流を用いて加熱され得る。
電気的なヒーターが、有利には、誘導性のヒーター、導電性のヒーター、間接的な抵抗加熱を有する電気的なヒーターを備えることは可能である。特に有利には、電気的なヒーターが、誘導性のヒーター、または、導電性のヒーターであることは意図されている。
誘導性のヒーターは、厚いスラブの厚さ範囲に基づいて、有利には、長手方向磁場原理により作動可能であり、高いエネルギー密度に基づいて、迅速な加熱を可能にする。導電性のヒーターにおいて、それぞれの厚いスラブは、電流回路の一部を形成し、且つ、これに伴って、厚いスラブを通って通過する電流を介して直接的に加熱され、このことによって、極めて高い(1に近い)効率、および、特に迅速な加熱が可能とされる。
【0012】
誘導性及び/または導電性の電気的なヒーターは、それに加えて、これら誘導性及び/または導電性の電気的なヒーターが、厚いスラブの芯部のためと同様に、表面近傍の領域のために、個々の機構ユニットの直列接続体から構成されていることが可能である、ことの利点を有している。
【0013】
選択的または補足的に、同様に、抵抗ヒーターを介して作動される、電気的なトンネル炉が設けられていることも可能である。
【0014】
本発明に従う設備でもって、それぞれの厚いスラブ内における温度プロフィルは調節され得、この温度プロフィルが、その次の粗圧延プロセスに対して、特に、粗圧延の間じゅう生じる冷却に対して、特有に適合されている。
厚いスラブ表面の上で、例えばウォーキングビーム炉の使用の際に生じるコールドスポット(いわゆる「スキッドマーク(skid marks)」)が検知される限りは、これらコールドスポットが、特有に、瞬間的な加熱によって除去され得、このことによって、次いで生成される平らな圧延製品の品質は改善され得る。短い加熱は、それに加えて、スケールの形成を低減し、このことによって、歩留り量および表面品質が改善され得る。
更に、本発明に従う設備は、これら厚いスラブが、過熱または過冷却すること無しに、それぞれに工業技術的に必要な温度レベルへの、それぞれの厚いスラブの個々の加熱を可能にする。
【0015】
概念「全面的」のもとで、本発明の趣旨において、厚いスラブが電気的なヒーターを通っての通過の際に、この厚いスラブの全表面にわたって、および、特有の厚さにおいて、予め与えられた定格温度へと加熱されることが理解される。
【0016】
厚いスラブの定格温度は、3次元的な延在において、極めて十分に、均一的及び/または同一的であり、その際、許容される温度差が、目標/定格温度の≦±80℃、有利には≦±50℃、特に有利には≦±20℃であることは可能である。
【0017】
定格温度は、厚いスラブの更なる処理を容易化する。不均一的に加熱された厚いスラブは、更なる処理において、例えば圧延の際に、変動する成形条件を誘起する可能性があり、従って、厚いスラブの長さ及び/または幅にわたって、如何なる均一的な成形も行われず、および、これに伴って、スクラップの割合分が、必要な調製切断において増大する。
不均一的な温度は、同様に、不均一的な組織変化並びに幾何学的な形状の誤差、例えば平坦度誤差を誘起する可能性がある。全面的に加熱された温度レベルの早期の調節によって、これら問題および誤差は、これら問題および誤差の発生において回避され、または、少なくとも制限される。
これら誤差を補償するための、手間暇がかかる装置およびプロセスは、簡略的に作動され得るか、または、完全に省略され得る。所望された影響と、不均一的な温度レベルから与えられる応動との間の干渉は、同様に最小限化される。
【0018】
有利には、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターは、この電気的なヒーターを介して、厚いスラブが全面的に加熱可能であるように形成されている。換言すれば、そのようなヒーターは、縁部の特有の加熱だけでなく、それに加えて、これら縁部の間に位置する厚いスラブの中間部分の加熱も可能にする。
輸送方向において熱間圧延機の手前に、特に輸送方向において粗圧延ラインの手前に配置された、そのような直接的な熱挿入のための電気的なヒーターの更に別の利点は、このことによって、鋳造熱の最大の利用が可能にされることにあり、このことによって、スラブ貯蔵部からの従来の取り出しとの比較において、70%より多くのエネルギー節約が可能である。
【0019】
本発明の更に有利な構成は、従属請求項内において提示されている。従属請求項内において個々に記載された特徴は、工業技術的に有効な方法において、互いに組み合わせ可能であり、且つ、本発明の更に別の実施形態を規定可能である。更に、これら請求項内において記載された特徴を、明細書内において、詳細に明確に規定および説明し、その際、本発明の更に別の有利な実施形態が具現される。
【0020】
本発明に従う設備が、単に、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ためにだけ適合され、且つ、意図されていることは、指摘されるべきである。
そのような設備において、次いで製造された厚いスラブは、これら厚いスラブの典型的な寸法に基づいて、薄スラブの製造のために意図されている設備とは異なり、何の問題もなく中間貯蔵され得、または、第2の輸送ラインから容易に輸送され得る。通常、厚いスラブは、12mよりも短い、一部は10mよりも短い長さを有しており、他方、薄スラブが、通常、少なくとも25mの長さを有しており、且つ、それに従って、より手間暇をかけて、輸送および貯蔵されるべきである。
更に、この様式の設備の平らな圧延製品は、薄スラブの製造のために意図されている設備と相違している。従って、例えば包晶的な鋼品質、または、表面品質に対する極めて高い諸要件を有する鋼品質のような、特有の鋼品質は、従来の薄スラブ設備で、必要な品質において生産され得ない。
【0021】
特に熱挿入のためのそれぞれの厚いスラブの長さが、個々のコイル長さだけでなく、このコイル長さの倍数に相応することは可能である。何故ならば、輸送ラインに対して横向きの輸送、および、更に別の操作工程が省略されるからである。
【0022】
有利には、連続鋳造装置は、この連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有するストランド材料が、連続的に鋳造可能であるように形成されている。この連続鋳造装置は、例えば、単線式または多線式の(ein- oder als mehradrige)連続鋳造装置として形成されていることは可能である。
【0023】
有利な実施形態の変形例において、この設備が、輸送方向において前記仕上げ圧延ラインの手前に配置された、少なくとも1つの電気的な粗ストリップヒーターを備えることは可能であり、この粗ストリップヒーターが、特に有利には、この粗ストリップヒーターを介して、圧延された平らな圧延粗製品が全面的に、加熱可能であるように形成されている。
この粗ストリップヒーターを介して、粗圧延ラインを例えば1000℃未満の温度で離脱した圧延された平らな圧延粗製品は、特にエネルギー効率良く、仕上げ圧延プロセスのために特有に予め与えられた温度へと加熱され得、このことによって、平らな圧延製品のそれぞれに所望された特性が調節され得る。
従って、例えば、圧延された平らな圧延粗製品の頭部と終端部との間の温度差は、効果的に補償され得、このことによって、より高い圧延安定性、および、これに伴って、より高い歩留りが可能とされる。これに伴って現れるより均一的な温度分布は、それに加えて、生産された平らな圧延製品の、より少ない最終ストリップ厚さ、および、より均一的な機械的な特性を可能にする。
【0024】
本願において、絶対的な温度が提示される限りは、従って、これらは、専らそれぞれの基材の平均的な温度である。
【0025】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置は、有利には、輸送兼加熱装置として形成されており、この厚いスラブ挿入装置を介して、輸送及び/または中間貯蔵された厚いスラブが、場合によっては、全面的に熱間圧延温度へと加熱可能である。
その際、輸送兼加熱装置は、輸送と同時に、または、順次に、温度上昇、及び/または、温度の保持が可能とされるように構成されている。有利には、厚いスラブ挿入装置は、ウォーキングビーム炉の形態で形成されており、このウォーキングビーム炉が、少なくとも1つのセグメントを備えており、このセグメントが、電気的に作動される加熱体及び/またはガス作動される燃焼器を備えている。
【0026】
この様式で構成された設備は、これに伴って、第1の輸送ラインを備えており、この第1の輸送ラインを介して、厚いスラブが直接的に鋳造熱の利用のもとで、一時的に、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターを用いて、熱間圧延温度へと加熱され得、且つ、引き続いて、熱間圧延機に供給され得る。
この第1の輸送ラインに対して平行に、更に、第2の輸送ラインが設けられていることは可能であり、この第2の輸送ラインを介して、中間貯蔵され及び/または400から800℃へと冷却された、通常はスラブ貯蔵部及び/または保温ピット内において貯蔵される厚いスラブが、厚いスラブ挿入装置を介して、直接的に、熱間圧延温度へと加熱され、且つ、次いで、圧延プロセスに供給される。選択的または補足的に、それに加えて、第2の連続鋳造装置内において鋳造された厚いスラブが、この圧延プロセスに、厚いスラブ挿入装置を介して供給されることは可能である。
【0027】
有利な実施形態の変形例において、少なくとも1つの、有利には2つまたは複数の前記厚いスラブ挿入装置は、直接的な熱挿入のための電気的な前記ヒーターと、前記粗圧延ラインとの間に配置されている。
更に有利な実施形態の変形例において、設備が、それに加えて、少なくとも1つの、有利には2つの、または、多数の厚いスラブ挿入装置を、分離装置と、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターとの間で備えていることは可能である。
【0028】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置に対して補足的に、有利には、走入側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーターが前接続されていることは可能であり、前記厚いスラブ予熱ヒーターが、特に有利には、前記厚いスラブ予熱ヒーターを介して、厚いスラブが全面的に加熱可能であるように、形成されている。
この電気的な厚いスラブ予熱ヒーターは、特に、例えば強度のような機械的な特性の調節のために、生産されるべき平らな圧延製品が、短期間、より高い温度が必要とされ、且つ、引き続いて、通過する厚いスラブ挿入装置が、生産されるべき平らな圧延製品のために必要なより低い温度レベルで作動され得る場合、考慮に値する。
【0029】
更に有利な実施形態の変形例において、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置に、走出側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ後加熱ヒーターが後接続されており、前記電気的で付加的な厚いスラブヒーターが、特に有利には、前記電気的で付加的な厚いスラブヒーターを介して、厚いスラブが、全面的に加熱可能であるように形成されている。
特に有利には、この関連において、少なくとも1つの電気的な前記厚いスラブ後加熱ヒーターが、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置と前記粗圧延ラインとの間に配置されていることは意図されている。
一方では、エネルギー的に(energetisch)最適に生産することのため、および、他方では、物流的および工業技術的な圧延設備の諸要件に可能な限り最高に相応させることのために、走出側の電気的な厚いスラブ後加熱ヒーターは、更に設備のフレキシビリティを向上する。
【0030】
それに加えて、この設備が、電気的で補足的な少なくとも1つの厚いスラブヒーターを備えていることは可能であり、この厚いスラブヒーターが、有利には、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ後加熱ヒーターに前接続されている。
【0031】
一方では、鋳造幅の変更の際の移行幅による生産損失を低減するため、および、他方では、仕上げ圧延スタンド内におけるワークロールの摩耗を均衡化するため、並びに、ストリッププロフィル及び/またはストリップ平坦度に関する最適な結果を、設備による可能な限り大きな行程において保障するために、圧延機は、特有の圧延プログラムプロフィルを可能にするべきである。何故ならば、同じスラブ幅の使用の際に、熱間圧延機内における使用可能性が、必要なワークロール交換の増大により、低減するからである。
有利には、前記粗圧延ラインは、従って、輸送方向において、第1及び/または第2の粗圧延スタンドの他に、少なくとも1つの据込み装置を備えている。有利には、前記据込み装置が、少なくとも1つのスラブ据込みプレス、および、場合によっては、少なくとも1つの、有利には複数の据込み機を備えていることは意図されている。
場合によっては、少なくとも1つの据込み機との組み合わせにおける、スラブ据込みプレスのような、据込み装置の使用によって、幅およびプロフィルに関連付けられた、必要な最適な圧延プログラムは保障され得る。何故ならば、より大きな及び/または一定のスラブ幅が鋳造され得るからである。
有利には、据込み装置は、450mmまで、有利には350mmまでの、スラブ幅の低減が可能にされるように形成されている。付加的に、付加的な据込み機の使用は、100mmまでのスラブ幅の更なる低減を可能にする。
【0032】
更に、この設備が、有利な実施形態の変形例において、所属する計算ユニットを有する制御装置を備えていることは可能であり、この制御装置が、前記設備を、最小限化されたエネルギー消費量及び/または最大化された処理量に基づいて、及び/または、製品特性及び/または製品寸法に基づいて、制御及び/または調節することのために形成されている。
【0033】
最小限化されたエネルギー消費量に基づいての設備の調節のために、例えば、この設備の内部での、必要な温度レベル、可能な加熱ステップ、可能なヒーター、可能な温度損失、及び/または可能な温度挿入は、この設備が、最小限化されたエネルギー消費量によって調節されるように最適化される。計算ユニットは、その際、有利には、物理的なプロセスモデルを使用可能であり、このプロセスモデルが、熱的な挙動をマッピングし、且つ、設備の調節のための提案を算出する。
【0034】
選択的または補足的に、制御装置が、設備を、最大の処理量が達成されるように制御することは可能である。この目的のために、特別の厚さ、幅、及び/または、長さ寸法における、バッチのグループは、鋳造シーケンス、挿入シーケンス、輸送装置の最適化によって、及び/または、設計限界における圧延設備の作動によって形成され、これらバッチのグループを用いて処理量が増大され得る。
特に、ロール交換時間、鋳型交換時間、及び/または、鋳型改造時間のような、メンテナンスサイクルは、同時に考慮に入れられ得る。製品寸法という条件付きでの、バッチ及び/またはシーケンスのグループ化は、幅または厚さの変化における、移行部片による材料損失を可能な限り排除可能であることの利点を有している。
製品特性という条件付きでの、設備の制御は、同様に、計算ユニットによって行われ得る。例えば、極めて高い表面品質が要求される場合、計算ユニットが、相応して遅鈍な鋳造速度、より強度なスケール除去、相応する温度ガイダンス、等を調節することは可能である。同様に、より最適な磁気的な、機械的な、及び/または、幾何学的な特性は、最適化され得る。
【0035】
輸送道程での、粗圧延ライン内における、厚いスラブ及び/または平らな圧延粗製品のエネルギー損失及び/または温度損失を、効果的に低減するために、設備が、それに加えて、特有に配置された、複数の断熱フードを備えていることは可能である。これら断熱フードが、その際、能動的または受動的な断熱フードとして構成されていることは可能である。能動的な断熱フードは、有利には、「グリーンに」製造された燃料としての水素の使用のもとでの燃焼器でもって、または、電気的に作動される。
【0036】
従って、設備が、有利な実施形態の変形例において、分離装置と、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターとの間、並びに、場合によっては、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターと、熱間圧延機、特に粗圧延ラインとの間に、複数の断熱フードを備えていることは可能である。
【0037】
更に別の有利な実施形態の変形例において、設備が、それに加えて、粗圧延ラインの内部に、複数の断熱フードを備えていることは可能である。これら断熱フードは、例えば、輸送方向において、1つの据込み装置の手前及び/または後ろに、並びに、場合によっては、1つの粗圧延ラインの手前及び/または後ろに、及び/または、それぞれの粗圧延ラインの手前及び/または後ろに配置されていることは可能である。
【0038】
更に別の観点において、本発明は、
有利には、本発明に従う設備を用いての、
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための方法に関し、
この方法が、方法のステップ:即ち、
i) 少なくとも160mm厚さを有する、平らなストランド材料の連続的な鋳造、
この平らなストランド材料が、引き続いて、この個々の厚いスラブに分離され;
iia) 前記厚いスラブが、共通の輸送ライン内において配置された連続鋳造装置から来る場合、
直接的な熱挿入のための電気的なヒーターを用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;および、
iib) 前記厚いスラブが、第2の輸送ラインから横向きに、第1の前記輸送ライン内へと輸送される場合、
補足的な少なくとも1つのヒーター、及び/または、厚いスラブ挿入装置を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;
iii) 前記厚いスラブが、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延されることによる、前記平らな圧延製品への、熱間圧延温度へと加熱された前記厚いスラブの熱間圧延、
の方法のステップを有している。
【0039】
有利には、少なくとも500℃の温度を有する前記厚いスラブは、直接的な熱挿入のための第1の電気的なヒーターに供給される。
【0040】
更に、有利には、粗圧延された前記平らな圧延製品が、この粗圧延された前記平らな圧延製品が平らな圧延製品へと仕上げ圧延される以前に、少なくとも950℃の温度へと、電気的な粗ストリップヒーターを用いて加熱されることは意図されている。
【0041】
更に別の観点において、本発明は、更に、熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、輸送方向において熱間圧延機の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター、特に誘導性のヒーターの使用に関する。
【0042】
本発明並びに技術的な周域を、以下で、図に基づいて詳細に説明する。本発明が、示された実施例によって限定されるべきでないことは、指摘されるべきである。特に、明示的に異なって図示されていない限りは、図内において説明された事項の部分観点を抜粋すること、本願の明細書及び/または図からの、他の構成要素および認識と組み合わせることは、同様に可能である。
特に、図、および、特に図示された大きさの比率が、ただ概略的なだけであることは、指摘されるべきである。同じ参照符号は、同じ対象物を指示しており、従って、場合によっては、説明が、他の図から補足的に援用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明に従う第1の実施形態の変形例の図である。
図2】本発明に従う第2の実施形態の変形例の図である。
図3】本発明に従う第3の実施形態の変形例の図である。
図4】本発明に従う第4の実施形態の変形例の図である。
図5】本発明に従う第5の実施形態の変形例の図である。
図6】粗圧延ラインの実施形態の変形例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1内において、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る圧延製品の製造ための設備1の第1の実施形態の変形例が示されている。この設備1は、輸送ラインT内において配置された連続鋳造装置3を備えており、この連続鋳造装置が、ここで、連続的に、200から250mmまでの範囲内における厚さを有するストランド材料を鋳造することのために構成されている。
次いで、得られたストランド材料(図示されていない)は、直ちに、分離装置4、例えば揺動せん断機またはストランド材料燃焼装置を用いて、個々の厚いスラブへと分離され、且つ、直接的に、鋳造熱の利用のもとで熱間圧延機5に供給され、この熱間圧延機内において、これら厚いスラブが、次いで、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延される。
【0045】
この目的のために、設備1は、第1の輸送ラインT内において、ローラーテーブル6を有しており、このローラーテーブルが、設備1を通って延在している。
このローラーテーブル6が、区分的に、複数の能動的または受動的な断熱フード22によって屋根状に覆われていることは可能であり、これら断熱フードの内、今ここで問題になっている実施形態の変形例において、正に例示的に2つが図示されている。このことによって、熱間圧延機5への輸送道程での厚いスラブのエネルギー損失および温度損失は、可能な限り少なく保持され得る。
【0046】
熱的な遮蔽にもかかわらず、熱間圧延機5への輸送道程での厚いスラブは、通常、800から900℃の平均的な温度に冷却する。
本発明に従い、従って、厚いスラブが、輸送方向において、熱間圧延機5の手前で、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7を用いて、全面的に、1100から1300℃の熱間圧延温度へと加熱されることは意図されている。このヒーター7は、今ここで問題になっている実施形態の変形例において、長手方向磁場誘導子として形成されており、且つ、これに伴って、特有の熱間圧延温度への、冷却された厚いスラブの短期間の加熱を可能にする。
【0047】
更に、図1内において図示された実施形態の変形例は、制御装置Sを備えており、この制御装置が、計算ユニットBを備えている。この計算ユニットが、最小限化されたエネルギー消費量を有する作動調節を算出することは可能である。
制御装置Sは、その際、信号技術的に設備1と接続されており、且つ、厚いスラブの生産のための、この目的のために必要な設備1の調節を行う。比較可能な方法において、補足的及び/または選択的に、作動調節の最適化は、最大の処理量、及び/または、製品特性、及び/または、製品寸法に従って行われ得る。
【0048】
図2内において、本発明に従う設備1の更に別の実施形態の変形例が図示されている。図1内において示されている実施形態の変形例に対する相違において、設備1は、熱間圧延機5の粗圧延ライン8と仕上げ圧延ライン9との間に、付加的に、電気的な粗ストリップヒーター10を備えている。
電気的な粗ストリップヒーター10は、この粗ストリップヒーターを介して、粗圧延された平らな圧延製品が全面的に加熱可能であるように、同様に長手方向磁場誘導子もしくは誘導子組み合わせ体として形成されている。粗ストリップヒーター10を用いて、粗圧延ライン8から1100℃未満の温度を有して離脱する、粗圧延された平らな圧延製品は、特にエネルギー効率良く、仕上げ圧延プロセスのために特有の950から1100℃の予め与えられた温度へと加熱される。
【0049】
図3は、本発明に従う設備1の更に別の実施形態の変形例を示している。
図2内において示された実施形態の変形例に対して補足的に、設備1は、第1の輸送ラインT1に対して平行に配置された第2のローラーテーブル6.2と、同様に連続的に、200から250mmの範囲内における厚さを有するストランド材料を鋳造することの目的のために構成されている第2の連続鋳造装置11と、並びに、第2の分離装置12とを備える、第2の輸送ラインT2を備えている。
同様に第2の分離装置12が、揺動せん断機またはストランド材料燃焼装置の形態で形成されていることも可能である。そのことが相違に基づいて認識可能であるように、同様に、第2のローラーテーブル6.2が、区分的に、複数の能動的または受動的な断熱フード22によって屋根状に覆われていることも可能である。
【0050】
このライン内において生成される厚いスラブは、一方では、第2の分離装置12の直後に配置されたスラブ貯蔵部13内において中間貯蔵され、且つ、冷却される。更に、個々の厚いスラブが、より少ない温度損失を有する保温ピット14内において中間貯蔵されることは可能である。
【0051】
図3内における図示から見て取れ得るように、この実施形態の変形例における設備1は、それに加えて、厚いスラブ挿入装置15を備えており、この厚いスラブ挿入装置が、ガス作動される輸送兼加熱装置として形成されている。厚いスラブ挿入装置15は、その際、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7と粗圧延ライン8との間で、且つ、輸送方向に対して横向きに配置されている。
【0052】
厚いスラブ挿入装置15に対して補足的に、設備1は、2つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーター16.1、16.2を備えており、これら厚いスラブ予熱ヒーターが、この厚いスラブ挿入装置15に、走入側で前接続されている。
両方のこれら予熱ヒーター16.1、16.2は、これら予熱ヒーターを介して、粗圧延された平らな圧延製品が全面的に加熱可能であるように、同様に長手方向磁場誘導子もしくは誘導子組み合わせ体として形成されている。
【0053】
両方の図4および5内において、本発明に従う設備1の2つの選択的な実施形態の変形例が示されている。図4内において図示された実施形態の変形例において、設備1は、2つの電気的なヒーター7、17の連続を備えており、これら電気的なヒーターが、輸送方向において、スラブ貯蔵部13と粗圧延ライン8との間に配置されている。
このことと相違して、図5に従う実施形態の変形例において、3つの電気的なヒーター7、17、18の連続が、スラブ貯蔵部13と粗圧延ライン8との間に配置されている。更に、図5内において示された実施形態の変形例は、第2の輸送ラインT2内において配置された、電気的なヒーター16.1、16.2を備えている。
これら多数のヒーター7、16.1、16.2、17、18は、出力損失または過大に寸法設定された構造指定無しに、特に個々の且つ出力に関連付けられた構造指定と、これらヒーターの作動とを行うことを可能にする。
【0054】
これら実施例の全てのヒーター7、10、16.1、16.2、17、18は、単に概略的に図示されており、且つ、通常、順次に通過され得る複数の個々の誘導子を備えている。個々の接続および遮断、並びに、個々の出力調節は、所望された、例えば必要な温度上昇の極めて精確な調節を可能にする。専ら長手方向磁場誘導子としてだけ構成された誘導子と並んで、同様に、長手方向磁場誘導子と横方向磁場誘導子から成る、順次に通過され得る組み合わせ列もある。
【0055】
図1による実施形態の変形例において、それに加えて、更に別の厚いスラブが、厚いスラブ挿入装置15によって、第1の輸送ラインT1内へと、しかも、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7の上流側または下流側に配置されている1つの位置において、装入され得る。完全にまたは部分的に冷却された厚いスラブは、その際、スラブ貯蔵部13から、厚いスラブ挿入装置15内へと装入され、且つ、同時に、熱間圧延温度へと加熱され、且つ、輸送される。
【0056】
図2による実施形態の変形例において、同様に、更に別の厚いスラブが、厚いスラブ挿入装置15によって、第1の輸送ラインT1内へと、しかも、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7の上流側(stromaufwaerts)に配置されている1つの位置において、装入され得る。完全にまたは部分的に冷却された厚いスラブは、その際、スラブ貯蔵部13から、または、選択的に保温ピット14から、厚いスラブ挿入装置15内へと装入され、且つ、同時に、熱間圧延温度へと加熱され、且つ、輸送される。
【0057】
厚いスラブ挿入装置15の配置および数は、適宜に、可変に構成可能である。公知の構造様式において、厚いスラブ挿入装置15が、電気的及び/またはガス作動される連続炉、及び/または、ウォーキングビーム炉であることは可能である。選択的に、厚いスラブ挿入装置15に所属するヒーターは、厚いスラブを、幾分上昇された温度へと予熱可能であり、輸送が、自体、次いで能動的な熱入力無しに、有利には断熱された輸送経路またはウォーキングビームを介して行われる。
【0058】
この厚いスラブが次いで第1のローラーテーブル6.1を介して圧延プロセスに供給される以前に、厚いスラブ挿入装置15を介して、スラブ貯蔵部13内において中間貯蔵され且つ冷やされた厚いスラブ、または、保温ピット14内において200から800℃で中間貯蔵され且つほんの少しだけ冷却された厚いスラブは、熱間圧延温度へと加熱され得る。
【0059】
図6内において、それに加えて、粗圧延ライン8の実施形態の変形例が示されており、この粗圧延ラインが、輸送方向において、据込み装置19、並びに、少なくとも1つの、第1の、および、有利には、第2の粗圧延スタンド20、21を備えており、前記粗圧延スタンドが、それぞれ1つの、横型ロールスタンド、および、有利には、竪型ロールスタンドを有している。同様に、その際にも、粗圧延ライン8内における、厚いスラブもしくは粗圧延された平らな圧延製品のエネルギー損失及び/または温度損失を少しに保持するために、一連の断熱フード22が設けられている。
【符号の説明】
【0060】
1 設備
3 (第1の)連続鋳造装置
4 (第1の)分離装置
5 熱間圧延機
6.1 第1のローラーテーブル
6.2 第2のローラーテーブル
7 直接的な熱挿入のためのヒーター
8 粗圧延ライン
9 仕上げ圧延ライン
10 粗ストリップヒーター
11 (第2の)連続鋳造装置
12 第2の分離装置
13 スラブ貯蔵部
14 保温ピット
15 厚いスラブ挿入装置
16.1 予熱ヒーター
16.2 予熱ヒーター
17 補足的な(後加熱)ヒーター
18 補足的な(後加熱)ヒーター
19 据込み装置
20 (第1の)粗圧延スタンド
21 (第2の)粗圧延スタンド
22 断熱フード
T(1) 第1の輸送ライン
T(2) 第2の輸送ライン
S 制御装置
B 計算ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備および方法、並びに、更に別の観点において、熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、輸送方向において熱間圧延機の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター、特に電気的な1つのヒーターの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、従来の設備および方法が公知されており、これら設備および方法において、厚いスラブが、直接的に鋳造熱の利用のもとで、または、スラブ貯蔵部内における中間貯蔵の後に初めて、先ず第一に、ガス作動される加熱装置を用いて加熱され、且つ、引き続いて、熱間圧延機に供給される。
ガス燃焼された加熱装置内における厚いスラブの加熱は、一方では、特に厚いスラブがスラブ貯蔵部から来て、室内温度と類似の温度から、少なくとも1000℃へと加熱される必要がある場合に、高い燃料量を必要とし、および、他方では、長い加熱時間を必要とする。特に天然ガスのような化石の燃料の利用は、それに加えて、高いCO放出を誘起する。
【0003】
特許文献1から、1つの設備が公知されており、この設備を用いて、厚いスラブが、直接的に鋳造熱の利用のもとで、熱間圧延機に供給される。その際、厚いスラブの縁部は、相前後して配置された誘導性の一連の縁部加熱装置を介して、相応する熱間圧延温度へと加熱される。縁部の合目的な加熱は、確かに、スラブ中間部分の冷却を抑制するが、しかしながら、厚いスラブ全体の合目的な加熱をこの様式のヒーターが許容しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公6562223B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の背景から、本発明の根底をなす課題は、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための、従来技術に比べて改善された設備、並びに、従来技術に比べて改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従い、この課題は、請求項1の特徴を有する設備、並びに、請求項12の特徴を有する方法によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備は、
連続鋳造装置を備え、前記連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有するストランド材料が連続的に鋳造可能であり;
前記連続鋳造装置に引き続いて配置された分離装置を備え、この分離装置を用いて、前記平らなストランド材料が、個々の厚いスラブへと分離可能であり;
熱間圧延機を備え、この熱間圧延機を介して、前記厚いスラブが前記平らな圧延製品へと圧延可能であり、
この熱間圧延機が、それぞれに少なくとも1つの圧延スタンドを有する、粗圧延ラインと仕上げ圧延ラインとを備えており、且つ、少なくとも1つの前記連続鋳造装置を有する共通の(第1の)輸送ライン内において配置されており;
前記輸送ラインに対して横向きに配置され、並びに、前記分離装置と前記熱間圧延機との間に位置決めされた、少なくとも1つの厚いスラブ挿入装置を備え;並びに、
輸送方向において前記熱間圧延機の手前、特に輸送方向において前記粗圧延ラインの手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーターを備え、
前記ヒーターを介して、少なくとも、共通の輸送ライン内において配置された前記連続鋳造装置から来る厚いスラブが、全面的に圧延温度へと加熱可能である。
【0008】
本発明に従う設備を用いて、厚いスラブは、必要に応じて、予め与えられた圧延温度へと加熱され得る。輸送方向において熱間圧延機の手前、特に輸送方向において粗圧延ラインの手前に配置された、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターは、これに伴って、それぞれに、鋳造された鋼品質に関しての個々の温度制御を可能にする。
【0009】
概念「厚いスラブ」のもとで、本発明の趣旨において、少なくとも160mmの最小厚さ、有利には少なくとも180mmの最小厚さ、更に有利には少なくとも200mmの最小厚さを有するスラブが理解される。
厚いスラブの最大の厚さが、現在使用可能な連続鋳造装置に基づいて工業技術的に制限されているので、厚いスラブの最大の厚さは、有利には、300mm、更に有利には250mmである。この様式の厚いスラブは、典型的に、800から2500mmの範囲内、有利には1000から2300mmの範囲内における幅を有している。
【0010】
薄スラブに対して、厚いスラブの製造は、複数の有利な効果を有している。一方では、専ら処理量に関してだけで、歩留り量(Ausbringungsmenge)が向上可能であり、従って、熱間圧延機によって、より高いフル稼働の程度が達成され得る。
同様に品質に関しても、厚いスラブは、薄スラブに対して、著しい利点を有している。従って、厚いスラブは、薄スラブとの比較において、鋳造された材料1トン当たり、より小さな表面積を有している。
輸送ライン内において輸送されるスラブの不均等性は減少され得る。1トン当たり鋳造される材料に関してのより小さな表面積によって、スケールの形成は低減され、且つ、少しの鋳造残留物および表面欠陥が生じ、このことによって、材料損失が、これら鋳造残留物および表面欠陥の除去により低減され得る。
【0011】
本願において、同様に直接的な熱挿入のための電気的なヒーター、電気的な厚いスラブ予熱ヒーター、電気的な厚いスラブ後加熱ヒーター、電気的な粗ストリップヒーター、または、電気的で補足的な厚いスラブヒーターとしても称される、概念「電気的なヒーター」のもとで、一般的に、電気的に作動可能な装置が理解され、この装置を介して、厚いスラブが、電流を用いて加熱され得る。
電気的なヒーターが、有利には、誘導性のヒーター、導電性のヒーター、間接的な抵抗加熱を有する電気的なヒーターを備えることは可能である。特に有利には、電気的なヒーターが、誘導性のヒーター、または、導電性のヒーターであることは意図されている。
誘導性のヒーターは、厚いスラブの厚さ範囲に基づいて、有利には、長手方向磁場原理により作動可能であり、高いエネルギー密度に基づいて、迅速な加熱を可能にする。導電性のヒーターにおいて、それぞれの厚いスラブは、電流回路の一部を形成し、且つ、これに伴って、厚いスラブを通って通過する電流を介して直接的に加熱され、このことによって、極めて高い(1に近い)効率、および、特に迅速な加熱が可能とされる。
【0012】
誘導性及び/または導電性の電気的なヒーターは、それに加えて、これら誘導性及び/または導電性の電気的なヒーターが、厚いスラブの芯部のためと同様に、表面近傍の領域のために、個々の機構ユニットの直列接続体から構成されていることが可能である、ことの利点を有している。
【0013】
選択的または補足的に、同様に、抵抗ヒーターを介して作動される、電気的なトンネル炉が設けられていることも可能である。
【0014】
本発明に従う設備でもって、それぞれの厚いスラブ内における温度プロフィルは調節され得、この温度プロフィルが、その次の粗圧延プロセスに対して、特に、粗圧延の間じゅう生じる冷却に対して、特有に適合されている。
厚いスラブ表面の上で、例えばウォーキングビーム炉の使用の際に生じるコールドスポット(いわゆる「スキッドマーク(skid marks)」)が検知される限りは、これらコールドスポットが、特有に、瞬間的な加熱によって除去され得、このことによって、次いで生成される平らな圧延製品の品質は改善され得る。短い加熱は、それに加えて、スケールの形成を低減し、このことによって、歩留り量および表面品質が改善され得る。
更に、本発明に従う設備は、これら厚いスラブが、過熱または過冷却すること無しに、それぞれに工業技術的に必要な温度レベルへの、それぞれの厚いスラブの個々の加熱を可能にする。
【0015】
概念「全面的」のもとで、本発明の趣旨において、厚いスラブが電気的なヒーターを通っての通過の際に、この厚いスラブの全表面にわたって、および、特有の厚さにおいて、予め与えられた定格温度へと加熱されることが理解される。
【0016】
厚いスラブの定格温度は、3次元的な延在において、極めて十分に、均一的及び/または同一的であり、その際、許容される温度差が、目標/定格温度の≦±80℃、有利には≦±50℃、特に有利には≦±20℃であることは可能である。
【0017】
定格温度は、厚いスラブの更なる処理を容易化する。不均一的に加熱された厚いスラブは、更なる処理において、例えば圧延の際に、変動する成形条件を誘起する可能性があり、従って、厚いスラブの長さ及び/または幅にわたって、如何なる均一的な成形も行われず、および、これに伴って、スクラップの割合分が、必要な調製切断において増大する。
不均一的な温度は、同様に、不均一的な組織変化並びに幾何学的な形状の誤差、例えば平坦度誤差を誘起する可能性がある。全面的に加熱された温度レベルの早期の調節によって、これら問題および誤差は、これら問題および誤差の発生において回避され、または、少なくとも制限される。
これら誤差を補償するための、手間暇がかかる装置およびプロセスは、簡略的に作動され得るか、または、完全に省略され得る。所望された影響と、不均一的な温度レベルから与えられる応動との間の干渉は、同様に最小限化される。
【0018】
有利には、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターは、この電気的なヒーターを介して、厚いスラブが全面的に加熱可能であるように形成されている。換言すれば、そのようなヒーターは、縁部の特有の加熱だけでなく、それに加えて、これら縁部の間に位置する厚いスラブの中間部分の加熱も可能にする。
輸送方向において熱間圧延機の手前に、特に輸送方向において粗圧延ラインの手前に配置された、そのような直接的な熱挿入のための電気的なヒーターの更に別の利点は、このことによって、鋳造熱の最大の利用が可能にされることにあり、このことによって、スラブ貯蔵部からの従来の取り出しとの比較において、70%より多くのエネルギー節約が可能である。
【0019】
本発明の更に有利な構成は、従属請求項内において提示されている。従属請求項内において個々に記載された特徴は、工業技術的に有効な方法において、互いに組み合わせ可能であり、且つ、本発明の更に別の実施形態を規定可能である。更に、これら請求項内において記載された特徴を、明細書内において、詳細に明確に規定および説明し、その際、本発明の更に別の有利な実施形態が具現される。
【0020】
本発明に従う設備が、単に、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ためにだけ適合され、且つ、意図されていることは、指摘されるべきである。
そのような設備において、次いで製造された厚いスラブは、これら厚いスラブの典型的な寸法に基づいて、薄スラブの製造のために意図されている設備とは異なり、何の問題もなく中間貯蔵され得、または、第2の輸送ラインから容易に輸送され得る。通常、厚いスラブは、12mよりも短い、一部は10mよりも短い長さを有しており、他方、薄スラブが、通常、少なくとも25mの長さを有しており、且つ、それに従って、より手間暇をかけて、輸送および貯蔵されるべきである。
更に、この様式の設備の平らな圧延製品は、薄スラブの製造のために意図されている設備と相違している。従って、例えば包晶的な鋼品質、または、表面品質に対する極めて高い諸要件を有する鋼品質のような、特有の鋼品質は、従来の薄スラブ設備で、必要な品質において生産され得ない。
【0021】
特に熱挿入のためのそれぞれの厚いスラブの長さが、個々のコイル長さだけでなく、このコイル長さの倍数に相応することは可能である。何故ならば、輸送ラインに対して横向きの輸送、および、更に別の操作工程が省略されるからである。
【0022】
有利には、連続鋳造装置は、この連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有するストランド材料が、連続的に鋳造可能であるように形成されている。この連続鋳造装置は、例えば、単線式または多線式の(ein- oder als mehradrige)連続鋳造装置として形成されていることは可能である。
【0023】
有利な実施形態の変形例において、この設備が、輸送方向において前記仕上げ圧延ラインの手前に配置された、少なくとも1つの電気的な粗ストリップヒーターを備えることは可能であり、この粗ストリップヒーターが、特に有利には、この粗ストリップヒーターを介して、圧延された平らな圧延粗製品が全面的に、加熱可能であるように形成されている。
この粗ストリップヒーターを介して、粗圧延ラインを例えば1000℃未満の温度で離脱した圧延された平らな圧延粗製品は、特にエネルギー効率良く、仕上げ圧延プロセスのために特有に予め与えられた温度へと加熱され得、このことによって、平らな圧延製品のそれぞれに所望された特性が調節され得る。
従って、例えば、圧延された平らな圧延粗製品の頭部と終端部との間の温度差は、効果的に補償され得、このことによって、より高い圧延安定性、および、これに伴って、より高い歩留りが可能とされる。これに伴って現れるより均一的な温度分布は、それに加えて、生産された平らな圧延製品の、より少ない最終ストリップ厚さ、および、より均一的な機械的な特性を可能にする。
【0024】
本願において、絶対的な温度が提示される限りは、従って、これらは、専らそれぞれの基材の平均的な温度である。
【0025】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置は、有利には、輸送兼加熱装置として形成されており、この厚いスラブ挿入装置を介して、輸送及び/または中間貯蔵された厚いスラブが、場合によっては、全面的に熱間圧延温度へと加熱可能である。
その際、輸送兼加熱装置は、輸送と同時に、または、順次に、温度上昇、及び/または、温度の保持が可能とされるように構成されている。有利には、厚いスラブ挿入装置は、ウォーキングビーム炉の形態で形成されており、このウォーキングビーム炉が、少なくとも1つのセグメントを備えており、このセグメントが、電気的に作動される加熱体及び/またはガス作動される燃焼器を備えている。
【0026】
この様式で構成された設備は、これに伴って、第1の輸送ラインを備えており、この第1の輸送ラインを介して、厚いスラブが直接的に鋳造熱の利用のもとで、一時的に、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターを用いて、熱間圧延温度へと加熱され得、且つ、引き続いて、熱間圧延機に供給され得る。
この第1の輸送ラインに対して平行に、更に、第2の輸送ラインが設けられていることは可能であり、この第2の輸送ラインを介して、中間貯蔵され及び/または400から800℃へと冷却された、通常はスラブ貯蔵部及び/または保温ピット内において貯蔵される厚いスラブが、厚いスラブ挿入装置を介して、直接的に、熱間圧延温度へと加熱され、且つ、次いで、圧延プロセスに供給される。選択的または補足的に、それに加えて、第2の連続鋳造装置内において鋳造された厚いスラブが、この圧延プロセスに、厚いスラブ挿入装置を介して供給されることは可能である。
【0027】
有利な実施形態の変形例において、少なくとも1つの、有利には2つまたは複数の前記厚いスラブ挿入装置は、直接的な熱挿入のための電気的な前記ヒーターと、前記粗圧延ラインとの間に配置されている。
更に有利な実施形態の変形例において、設備が、それに加えて、少なくとも1つの、有利には2つの、または、多数の厚いスラブ挿入装置を、分離装置と、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターとの間で備えていることは可能である。
【0028】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置に対して補足的に、有利には、走入側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーターが前接続されていることは可能であり、前記厚いスラブ予熱ヒーターが、特に有利には、前記厚いスラブ予熱ヒーターを介して、厚いスラブが全面的に加熱可能であるように、形成されている。
この電気的な厚いスラブ予熱ヒーターは、特に、例えば強度のような機械的な特性の調節のために、生産されるべき平らな圧延製品が、短期間、より高い温度が必要とされ、且つ、引き続いて、通過する厚いスラブ挿入装置が、生産されるべき平らな圧延製品のために必要なより低い温度レベルで作動され得る場合、考慮に値する。
【0029】
更に有利な実施形態の変形例において、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置に、走出側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ後加熱ヒーターが後接続されており、前記電気的で付加的な厚いスラブヒーターが、特に有利には、前記電気的で付加的な厚いスラブヒーターを介して、厚いスラブが、全面的に加熱可能であるように形成されている。
特に有利には、この関連において、少なくとも1つの電気的な前記厚いスラブ後加熱ヒーターが、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置と前記粗圧延ラインとの間に配置されていることは意図されている。
一方では、エネルギー的に(energetisch)最適に生産することのため、および、他方では、物流的および工業技術的な圧延設備の諸要件に可能な限り最高に相応させることのために、走出側の電気的な厚いスラブ後加熱ヒーターは、更に設備のフレキシビリティを向上する。
【0030】
それに加えて、この設備が、電気的で補足的な少なくとも1つの厚いスラブヒーターを備えていることは可能であり、この厚いスラブヒーターが、有利には、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ後加熱ヒーターに前接続されている。
【0031】
一方では、鋳造幅の変更の際の移行幅による生産損失を低減するため、および、他方では、仕上げ圧延スタンド内におけるワークロールの摩耗を均衡化するため、並びに、ストリッププロフィル及び/またはストリップ平坦度に関する最適な結果を、設備による可能な限り大きな行程において保障するために、圧延機は、特有の圧延プログラムプロフィルを可能にするべきである。何故ならば、同じスラブ幅の使用の際に、熱間圧延機内における使用可能性が、必要なワークロール交換の増大により、低減するからである。
有利には、前記粗圧延ラインは、従って、輸送方向において、第1及び/または第2の粗圧延スタンドの他に、少なくとも1つの据込み装置を備えている。有利には、前記据込み装置が、少なくとも1つのスラブ据込みプレス、および、場合によっては、少なくとも1つの、有利には複数の据込み機を備えていることは意図されている。
場合によっては、少なくとも1つの据込み機との組み合わせにおける、スラブ据込みプレスのような、据込み装置の使用によって、幅およびプロフィルに関連付けられた、必要な最適な圧延プログラムは保障され得る。何故ならば、より大きな及び/または一定のスラブ幅が鋳造され得るからである。
有利には、据込み装置は、450mmまで、有利には350mmまでの、スラブ幅の低減が可能にされるように形成されている。付加的に、付加的な据込み機の使用は、100mmまでのスラブ幅の更なる低減を可能にする。
【0032】
更に、この設備が、有利な実施形態の変形例において、所属する計算ユニットを有する制御装置を備えていることは可能であり、この制御装置が、前記設備を、最小限化されたエネルギー消費量及び/または最大化された処理量に基づいて、及び/または、製品特性及び/または製品寸法に基づいて、制御及び/または調節することのために形成されている。
【0033】
最小限化されたエネルギー消費量に基づいての設備の調節のために、例えば、この設備の内部での、必要な温度レベル、可能な加熱ステップ、可能なヒーター、可能な温度損失、及び/または可能な温度挿入は、この設備が、最小限化されたエネルギー消費量によって調節されるように最適化される。計算ユニットは、その際、有利には、物理的なプロセスモデルを使用可能であり、このプロセスモデルが、熱的な挙動をマッピングし、且つ、設備の調節のための提案を算出する。
【0034】
選択的または補足的に、制御装置が、設備を、最大の処理量が達成されるように制御することは可能である。この目的のために、特別の厚さ、幅、及び/または、長さ寸法における、バッチのグループは、鋳造シーケンス、挿入シーケンス、輸送装置の最適化によって、及び/または、設計限界における圧延設備の作動によって形成され、これらバッチのグループを用いて処理量が増大され得る。
特に、ロール交換時間、鋳型交換時間、及び/または、鋳型改造時間のような、メンテナンスサイクルは、同時に考慮に入れられ得る。製品寸法という条件付きでの、バッチ及び/またはシーケンスのグループ化は、幅または厚さの変化における、移行部片による材料損失を可能な限り排除可能であることの利点を有している。
製品特性という条件付きでの、設備の制御は、同様に、計算ユニットによって行われ得る。例えば、極めて高い表面品質が要求される場合、計算ユニットが、相応して遅鈍な鋳造速度、より強度なスケール除去、相応する温度ガイダンス、等を調節することは可能である。同様に、より最適な磁気的な、機械的な、及び/または、幾何学的な特性は、最適化され得る。
【0035】
輸送道程での、粗圧延ライン内における、厚いスラブ及び/または平らな圧延粗製品のエネルギー損失及び/または温度損失を、効果的に低減するために、設備が、それに加えて、特有に配置された、複数の断熱フードを備えていることは可能である。これら断熱フードが、その際、能動的または受動的な断熱フードとして構成されていることは可能である。能動的な断熱フードは、有利には、「グリーンに」製造された燃料としての水素の使用のもとでの燃焼器でもって、または、電気的に作動される。
【0036】
従って、設備が、有利な実施形態の変形例において、分離装置と、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターとの間、並びに、場合によっては、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターと、熱間圧延機、特に粗圧延ラインとの間に、複数の断熱フードを備えていることは可能である。
【0037】
更に別の有利な実施形態の変形例において、設備が、それに加えて、粗圧延ラインの内部に、複数の断熱フードを備えていることは可能である。これら断熱フードは、例えば、輸送方向において、1つの据込み装置の手前及び/または後ろに、並びに、場合によっては、1つの粗圧延ラインの手前及び/または後ろに、及び/または、それぞれの粗圧延ラインの手前及び/または後ろに配置されていることは可能である。
【0038】
更に別の観点において、本発明は、
有利には、本発明に従う設備を用いての、
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための方法に関し、
この方法が、方法のステップ:即ち、
i) 少なくとも160mm厚さを有する、平らなストランド材料の連続的な鋳造、
この平らなストランド材料が、引き続いて、この個々の厚いスラブに分離され;
iia) 前記厚いスラブが、共通の輸送ライン内において配置された連続鋳造装置から来る場合、
直接的な熱挿入のための電気的なヒーターを用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;および、
iib) 前記厚いスラブが、第2の輸送ラインから横向きに、第1の前記輸送ライン内へと輸送される場合、
補足的な少なくとも1つのヒーター、及び/または、厚いスラブ挿入装置を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;
iii) 前記厚いスラブが、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延されることによる、前記平らな圧延製品への、熱間圧延温度へと加熱された前記厚いスラブの熱間圧延、
の方法のステップを有している。
【0039】
有利には、少なくとも500℃の温度を有する前記厚いスラブは、直接的な熱挿入のための第1の電気的なヒーターに供給される。
【0040】
更に、有利には、粗圧延された前記平らな圧延製品が、この粗圧延された前記平らな圧延製品が平らな圧延製品へと仕上げ圧延される以前に、少なくとも950℃の温度へと、電気的な粗ストリップヒーターを用いて加熱されることは意図されている。
【0041】
更に別の観点において、本発明は、更に、熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、輸送方向において熱間圧延機の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター、特に誘導性のヒーターの使用に関する。
【0042】
本発明並びに技術的な周域を、以下で、図に基づいて詳細に説明する。本発明が、示された実施例によって限定されるべきでないことは、指摘されるべきである。特に、明示的に異なって図示されていない限りは、図内において説明された事項の部分観点を抜粋すること、本願の明細書及び/または図からの、他の構成要素および認識と組み合わせることは、同様に可能である。
特に、図、および、特に図示された大きさの比率が、ただ概略的なだけであることは、指摘されるべきである。同じ参照符号は、同じ対象物を指示しており、従って、場合によっては、説明が、他の図から補足的に援用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明に従う第1の実施形態の変形例の図である。
図2】本発明に従う第2の実施形態の変形例の図である。
図3】本発明に従う第3の実施形態の変形例の図である。
図4】本発明に従う第4の実施形態の変形例の図である。
図5】本発明に従う第5の実施形態の変形例の図である。
図6】粗圧延ラインの実施形態の変形例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1内において、厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る圧延製品の製造ための設備1の第1の実施形態の変形例が示されている。この設備1は、輸送ラインT内において配置された連続鋳造装置3を備えており、この連続鋳造装置が、ここで、連続的に、200から250mmまでの範囲内における厚さを有するストランド材料を鋳造することのために構成されている。
次いで、得られたストランド材料(図示されていない)は、直ちに、分離装置4、例えば揺動せん断機またはストランド材料燃焼装置を用いて、個々の厚いスラブへと分離され、且つ、直接的に、鋳造熱の利用のもとで熱間圧延機5に供給され、この熱間圧延機内において、これら厚いスラブが、次いで、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延される。
【0045】
この目的のために、設備1は、第1の輸送ラインT内において、ローラーテーブル6を有しており、このローラーテーブルが、設備1を通って延在している。
このローラーテーブル6が、区分的に、複数の能動的または受動的な断熱フード22によって屋根状に覆われていることは可能であり、これら断熱フードの内、今ここで問題になっている実施形態の変形例において、正に例示的に2つが図示されている。このことによって、熱間圧延機5への輸送道程での厚いスラブのエネルギー損失および温度損失は、可能な限り少なく保持され得る。
【0046】
熱的な遮蔽にもかかわらず、熱間圧延機5への輸送道程での厚いスラブは、通常、800から900℃の平均的な温度に冷却する。
本発明に従い、従って、厚いスラブが、輸送方向において、熱間圧延機5の手前で、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7を用いて、全面的に、1100から1300℃の熱間圧延温度へと加熱されることは意図されている。このヒーター7は、今ここで問題になっている実施形態の変形例において、長手方向磁場誘導子として形成されており、且つ、これに伴って、特有の熱間圧延温度への、冷却された厚いスラブの短期間の加熱を可能にする。
【0047】
更に、図1内において図示された実施形態の変形例は、制御装置Sを備えており、この制御装置が、計算ユニットBを備えている。この計算ユニットが、最小限化されたエネルギー消費量を有する作動調節を算出することは可能である。
制御装置Sは、その際、信号技術的に設備1と接続されており、且つ、厚いスラブの生産のための、この目的のために必要な設備1の調節を行う。比較可能な方法において、補足的及び/または選択的に、作動調節の最適化は、最大の処理量、及び/または、製品特性、及び/または、製品寸法に従って行われ得る。
【0048】
図2内において、本発明に従う設備1の更に別の実施形態の変形例が図示されている。図1内において示されている実施形態の変形例に対する相違において、設備1は、熱間圧延機5の粗圧延ライン8と仕上げ圧延ライン9との間に、付加的に、電気的な粗ストリップヒーター10を備えている。
電気的な粗ストリップヒーター10は、この粗ストリップヒーターを介して、粗圧延された平らな圧延製品が全面的に加熱可能であるように、同様に長手方向磁場誘導子もしくは誘導子組み合わせ体として形成されている。粗ストリップヒーター10を用いて、粗圧延ライン8から1100℃未満の温度を有して離脱する、粗圧延された平らな圧延製品は、特にエネルギー効率良く、仕上げ圧延プロセスのために特有の950から1100℃の予め与えられた温度へと加熱される。
【0049】
図3は、本発明に従う設備1の更に別の実施形態の変形例を示している。
図2内において示された実施形態の変形例に対して補足的に、設備1は、第1の輸送ラインT1に対して平行に配置された第2のローラーテーブル6.2と、同様に連続的に、200から250mmの範囲内における厚さを有するストランド材料を鋳造することの目的のために構成されている第2の連続鋳造装置11と、並びに、第2の分離装置12とを備える、第2の輸送ラインT2を備えている。
同様に第2の分離装置12が、揺動せん断機またはストランド材料燃焼装置の形態で形成されていることも可能である。そのことが相違に基づいて認識可能であるように、同様に、第2のローラーテーブル6.2が、区分的に、複数の能動的または受動的な断熱フード22によって屋根状に覆われていることも可能である。
【0050】
このライン内において生成される厚いスラブは、一方では、第2の分離装置12の直後に配置されたスラブ貯蔵部13内において中間貯蔵され、且つ、冷却される。更に、個々の厚いスラブが、より少ない温度損失を有する保温ピット14内において中間貯蔵されることは可能である。
【0051】
図3内における図示から見て取れ得るように、この実施形態の変形例における設備1は、それに加えて、厚いスラブ挿入装置15を備えており、この厚いスラブ挿入装置が、ガス作動される輸送兼加熱装置として形成されている。厚いスラブ挿入装置15は、その際、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7と粗圧延ライン8との間で、且つ、輸送方向に対して横向きに配置されている。
【0052】
厚いスラブ挿入装置15に対して補足的に、設備1は、2つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーター16.1、16.2を備えており、これら厚いスラブ予熱ヒーターが、この厚いスラブ挿入装置15に、走入側で前接続されている。
両方のこれら予熱ヒーター16.1、16.2は、これら予熱ヒーターを介して、粗圧延された平らな圧延製品が全面的に加熱可能であるように、同様に長手方向磁場誘導子もしくは誘導子組み合わせ体として形成されている。
【0053】
両方の図4および5内において、本発明に従う設備1の2つの選択的な実施形態の変形例が示されている。図4内において図示された実施形態の変形例において、設備1は、2つの電気的なヒーター7、17の連続を備えており、これら電気的なヒーターが、輸送方向において、スラブ貯蔵部13と粗圧延ライン8との間に配置されている。
このことと相違して、図5に従う実施形態の変形例において、3つの電気的なヒーター7、17、18の連続が、スラブ貯蔵部13と粗圧延ライン8との間に配置されている。更に、図5内において示された実施形態の変形例は、第2の輸送ラインT2内において配置された、電気的なヒーター16.1、16.2を備えている。
これら多数のヒーター7、16.1、16.2、17、18は、出力損失または過大に寸法設定された構造指定無しに、特に個々の且つ出力に関連付けられた構造指定と、これらヒーターの作動とを行うことを可能にする。
【0054】
これら実施例の全てのヒーター7、10、16.1、16.2、17、18は、単に概略的に図示されており、且つ、通常、順次に通過され得る複数の個々の誘導子を備えている。個々の接続および遮断、並びに、個々の出力調節は、所望された、例えば必要な温度上昇の極めて精確な調節を可能にする。専ら長手方向磁場誘導子としてだけ構成された誘導子と並んで、同様に、長手方向磁場誘導子と横方向磁場誘導子から成る、順次に通過され得る組み合わせ列もある。
【0055】
図1による実施形態の変形例において、それに加えて、更に別の厚いスラブが、厚いスラブ挿入装置15によって、第1の輸送ラインT1内へと、しかも、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7の上流側または下流側に配置されている1つの位置において、装入され得る。完全にまたは部分的に冷却された厚いスラブは、その際、スラブ貯蔵部13から、厚いスラブ挿入装置15内へと装入され、且つ、同時に、熱間圧延温度へと加熱され、且つ、輸送される。
【0056】
図2による実施形態の変形例において、同様に、更に別の厚いスラブが、厚いスラブ挿入装置15によって、第1の輸送ラインT1内へと、しかも、直接的な熱挿入のための電気的なヒーター7の上流側(stromaufwaerts)に配置されている1つの位置において、装入され得る。完全にまたは部分的に冷却された厚いスラブは、その際、スラブ貯蔵部13から、または、選択的に保温ピット14から、厚いスラブ挿入装置15内へと装入され、且つ、同時に、熱間圧延温度へと加熱され、且つ、輸送される。
【0057】
厚いスラブ挿入装置15の配置および数は、適宜に、可変に構成可能である。公知の構造様式において、厚いスラブ挿入装置15が、電気的及び/またはガス作動される連続炉、及び/または、ウォーキングビーム炉であることは可能である。選択的に、厚いスラブ挿入装置15に所属するヒーターは、厚いスラブを、幾分上昇された温度へと予熱可能であり、輸送が、自体、次いで能動的な熱入力無しに、有利には断熱された輸送経路またはウォーキングビームを介して行われる。
【0058】
この厚いスラブが次いで第1のローラーテーブル6.1を介して圧延プロセスに供給される以前に、厚いスラブ挿入装置15を介して、スラブ貯蔵部13内において中間貯蔵され且つ冷やされた厚いスラブ、または、保温ピット14内において200から800℃で中間貯蔵され且つほんの少しだけ冷却された厚いスラブは、熱間圧延温度へと加熱され得る。
【0059】
図6内において、それに加えて、粗圧延ライン8の実施形態の変形例が示されており、この粗圧延ラインが、輸送方向において、据込み装置19、並びに、少なくとも1つの、第1の、および、有利には、第2の粗圧延スタンド20、21を備えており、前記粗圧延スタンドが、それぞれ1つの、横型ロールスタンド、および、有利には、竪型ロールスタンドを有している。同様に、その際にも、粗圧延ライン8内における、厚いスラブもしくは粗圧延された平らな圧延製品のエネルギー損失及び/または温度損失を少しに保持するために、一連の断熱フード22が設けられている。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備(1)において、この設備が:
i) 少なくとも1つの連続鋳造装置(3)を備え、前記連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有する平らなストランド材料が連続的に鋳造可能であり;
ii) 少なくとも1つの前記連続鋳造装置(3)に引き続いて配置された分離装置(4)を備え、この分離装置を用いて、前記平らなストランド材料が、個々の厚いスラブへと分離可能であり;
iii) 熱間圧延機(5)を備え、この熱間圧延機を介して、前記厚いスラブが前記平らな圧延製品へと圧延可能であり、
この熱間圧延機(5)が、それぞれに少なくとも1つの圧延スタンドを有する、粗圧延ライン(8)と仕上げ圧延ライン(9)とを備えており、且つ、少なくとも1つの前記連続鋳造装置(3)を有する共通の輸送ライン(T1)内において配置されており;
iv) 前記輸送ライン(T1)に対して横向きに配置され、並びに、前記分離装置(4)と前記熱間圧延機(5)との間に位置決めされた、少なくとも1つの厚いスラブ挿入装置(15)を備え;並びに、
v) 輸送方向において前記熱間圧延機(5)の手前、特に輸送方向において前記粗圧延ライン(8)の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター(7)を備え、
前記ヒーターを介して、少なくとも、共通の輸送ライン内において配置された前記連続鋳造装置(3)から来る厚いスラブが、全面的に圧延温度へと加熱可能である、
ことを特徴とする設備(1)。
2. 更に、輸送方向において前記仕上げ圧延ライン(9)の手前に配置された、少なくとも1つの電気的な粗ストリップヒーター(10)を備えることを特徴とする上記1に記載の設備(1)。
3. 少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)は、輸送兼加熱装置として形成されており、この厚いスラブ挿入装置を介して、輸送及び/または中間貯蔵された厚いスラブが、熱間圧延温度へと加熱可能であることを特徴とする上記1または2に記載の設備(1)。
4. 少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)は、直接的な熱挿入のための電気的な前記ヒーター(7)と、前記粗圧延ライン(8)との間に配置されていることを特徴とする上記3に記載の設備(1)。
5. 有利には輸送兼加熱装置として構成された、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)に、走入側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーター(16.1、16.2)が前接続されていることを特徴とする上記1から4のいずれか一つに記載の設備(1)。
6. 有利には輸送兼加熱装置として構成された、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)に、走出側で、少なくとも1つの電気的で補足的な厚いスラブヒーター(17)が後接続されていることを特徴とする上記1から5のいずれか一つに記載の設備(1)。
7. 少なくとも1つの電気的で補足的な前記厚いスラブヒーター(17)は、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)と前記粗圧延ライン(8)との間に配置されていることを特徴とする上記6に記載の設備(1)。
8. 更に、電気的で補足的な少なくとも1つの更に別の厚いスラブヒーター(18)を備えており、この更に別の厚いスラブヒーターが、有利には、電気的な厚いスラブヒーター(17)に前接続されていることを特徴とする上記6または7に記載の設備(1)。
9. 更に、所属する計算ユニット(B)を有する制御装置(S)を備えており、この制御装置(S)が、
前記設備(1)を、最小限化されたエネルギー消費量及び/または最大化された処理量に基づいて、及び/または、製品特性及び/または製品寸法に基づいて、制御及び/または調節することのために形成されている、
ことを特徴とする上記1から8のいずれか一つに記載の設備(1)。
10. 前記粗圧延ライン(8)は、輸送方向において、少なくとも1つの据込み装置(19)、並びに、少なくとも1つの第1の、有利には第2の粗圧延スタンド(20、21)を備えていることを特徴とする上記1から9のいずれか一つに記載の設備(1)。
11. 前記据込み装置(19)は、少なくとも1つのスラブ据込みプレス、および、場合によっては、少なくとも1つの、有利には複数の据込み機を備えていることを特徴とする上記10に記載の設備(1)。
12. 有利には、上記1から11のいずれか一つに記載の設備(1)を用いての、
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための方法であって、この方法が、方法のステップ:即ち、
i) 少なくとも160mm厚さを有する、平らなストランド材料の連続的な鋳造、
この平らなストランド材料が、引き続いて、この個々の厚いスラブに分離され;
iia) 前記厚いスラブが、共通の輸送ライン(T1)内において配置された連続鋳造装置(3)から来る場合、
直接的な熱挿入のための電気的なヒーター(7)を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;および、
iib) 前記厚いスラブが、第2の輸送ライン(T2)から横向きに、第1の前記輸送ライン(T1)内へと輸送される場合、
補足的な少なくとも1つのヒーター(16.1、16.2)、及び/または、厚いスラブ挿入装置(15)を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;
iii) 前記厚いスラブが、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延されることによる、前記平らな圧延製品への、熱間圧延温度へと加熱された前記厚いスラブの熱間圧延、
の方法のステップを有していることを特徴とする方法。
13. 少なくとも500℃の温度を有する前記厚いスラブは、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターに供給されることを特徴とする上記12に記載の方法。
14. 粗圧延された前記平らな圧延製品は、この粗圧延された前記平らな圧延製品が平らな圧延製品へと仕上げ圧延される以前に、
少なくとも950℃の温度へと、電気的な粗ストリップヒーター(10)を用いて加熱されることを特徴とする上記12または13に記載の方法。
15. 前記ステップii)及び/またはiii)は、制御装置(S)を用いて、
計算ユニット(B)によって算出された最小のエネルギー消費量及び/または最大の処理量、及び/または、製品特性及び/または製品寸法が達成されるように、制御されることを特徴とする上記12から14のいずれか一つに記載の方法。
16. 熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、
輸送方向(T1)において熱間圧延機(5)の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター(7)の使用。
【符号の説明】
【0060】
1 設備
3 (第1の)連続鋳造装置
4 (第1の)分離装置
5 熱間圧延機
6.1 第1のローラーテーブル
6.2 第2のローラーテーブル
7 直接的な熱挿入のためのヒーター
8 粗圧延ライン
9 仕上げ圧延ライン
10 粗ストリップヒーター
11 (第2の)連続鋳造装置
12 第2の分離装置
13 スラブ貯蔵部
14 保温ピット
15 厚いスラブ挿入装置
16.1 予熱ヒーター
16.2 予熱ヒーター
17 補足的な(後加熱)ヒーター
18 補足的な(後加熱)ヒーター
19 据込み装置
20 (第1の)粗圧延スタンド
21 (第2の)粗圧延スタンド
22 断熱フード
T(1) 第1の輸送ライン
T(2) 第2の輸送ライン
S 制御装置
B 計算ユニット
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための設備(1)において、この設備が:
i) 少なくとも1つの連続鋳造装置(3)を備え、前記連続鋳造装置を用いて、少なくとも160mmの厚さを有する平らなストランド材料が連続的に鋳造可能であり;
ii) 少なくとも1つの前記連続鋳造装置(3)に引き続いて配置された分離装置(4)を備え、この分離装置を用いて、前記平らなストランド材料が、個々の厚いスラブへと分離可能であり;
iii) 熱間圧延機(5)を備え、この熱間圧延機を介して、前記厚いスラブが前記平らな圧延製品へと圧延可能であり、
この熱間圧延機(5)が、それぞれに少なくとも1つの圧延スタンドを有する、粗圧延ライン(8)と仕上げ圧延ライン(9)とを備えており、且つ、少なくとも1つの前記連続鋳造装置(3)を有する共通の輸送ライン(T1)内において配置されており;
iv) 前記輸送ライン(T1)に対して横向きに配置され、並びに、前記分離装置(4)と前記熱間圧延機(5)との間に位置決めされた、少なくとも1つの厚いスラブ挿入装置(15)を備え;並びに、
v) 輸送方向において前記熱間圧延機(5)の手前、特に輸送方向において前記粗圧延ライン(8)の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター(7)を備え、
前記ヒーターを介して、少なくとも、共通の輸送ライン内において配置された前記連続鋳造装置(3)から来る厚いスラブが、全面的に圧延温度へと加熱可能である、
ことを特徴とする設備(1)。
【請求項2】
更に、輸送方向において前記仕上げ圧延ライン(9)の手前に配置された、少なくとも1つの電気的な粗ストリップヒーター(10)を備えることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)は、輸送兼加熱装置として形成されており、この厚いスラブ挿入装置を介して、輸送及び/または中間貯蔵された厚いスラブが、熱間圧延温度へと加熱可能であることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)は、直接的な熱挿入のための電気的な前記ヒーター(7)と、前記粗圧延ライン(8)との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の設備(1)。
【請求項5】
有利には輸送兼加熱装置として構成された、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)に、走入側で、少なくとも1つの電気的な厚いスラブ予熱ヒーター(16.1、16.2)が前接続されていることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項6】
有利には輸送兼加熱装置として構成された、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)に、走出側で、少なくとも1つの電気的で補足的な厚いスラブヒーター(17)が後接続されていることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの電気的で補足的な前記厚いスラブヒーター(17)は、少なくとも1つの前記厚いスラブ挿入装置(15)と前記粗圧延ライン(8)との間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の設備(1)。
【請求項8】
更に、電気的で補足的な少なくとも1つの更に別の厚いスラブヒーター(18)を備えており、この更に別の厚いスラブヒーターが、有利には、電気的な厚いスラブヒーター(17)に前接続されていることを特徴とする請求項6に記載の設備(1)。
【請求項9】
更に、所属する計算ユニット(B)を有する制御装置(S)を備えており、この制御装置(S)が、
前記設備(1)を、最小限化されたエネルギー消費量及び/または最大化された処理量に基づいて、及び/または、製品特性及び/または製品寸法に基づいて、制御及び/または調節することのために形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項10】
前記粗圧延ライン(8)は、輸送方向において、少なくとも1つの据込み装置(19)、並びに、少なくとも1つの第1の、有利には第2の粗圧延スタンド(20、21)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項11】
前記据込み装置(19)は、少なくとも1つのスラブ据込みプレス、および、場合によっては、少なくとも1つの、有利には複数の据込み機を備えていることを特徴とする請求項10に記載の設備(1)。
【請求項12】
有利には、請求項1から11のいずれか一つに記載の設備(1)を用いての、
厚く鋳造された鋼スラブ及び/または非鉄金属スラブから成る平らな圧延製品の製造ための方法であって、この方法が、方法のステップ:即ち、
i) 少なくとも160mm厚さを有する、平らなストランド材料の連続的な鋳造、
この平らなストランド材料が、引き続いて、この個々の厚いスラブに分離され;
iia) 前記厚いスラブが、共通の輸送ライン(T1)内において配置された連続鋳造装置(3)から来る場合、
直接的な熱挿入のための電気的なヒーター(7)を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;および、
iib) 前記厚いスラブが、第2の輸送ライン(T2)から横向きに、第1の前記輸送ライン(T1)内へと輸送される場合、
補足的な少なくとも1つのヒーター(16.1、16.2)、及び/または、厚いスラブ挿入装置(15)を用いての、少なくとも1000℃の温度への、前記厚いスラブの加熱;
iii) 前記厚いスラブが、先ず第一に粗圧延され、且つ、引き続いて仕上げ圧延されることによる、前記平らな圧延製品への、熱間圧延温度へと加熱された前記厚いスラブの熱間圧延、
の方法のステップを有していることを特徴とする方法。
【請求項13】
少なくとも500℃の温度を有する前記厚いスラブは、直接的な熱挿入のための電気的なヒーターに供給されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
粗圧延された前記平らな圧延製品は、この粗圧延された前記平らな圧延製品が平らな圧延製品へと仕上げ圧延される以前に、
少なくとも950℃の温度へと、電気的な粗ストリップヒーター(10)を用いて加熱されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップii)及び/またはiii)は、制御装置(S)を用いて、
計算ユニット(B)によって算出された少ないエネルギー消費量及び/または最大の処理量、及び/または、製品特性及び/または製品寸法が達成されるように、制御されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
熱間圧延温度への、少なくとも160mmの厚さを有する厚いスラブの加熱のための、
輸送方向(T1)において熱間圧延機(5)の手前に配置された、直接的な熱挿入のための少なくとも1つの電気的なヒーター(7)の使用。
【国際調査報告】