(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ほふく性撮像用光音響プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/13 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61B8/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519754
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022077167
(87)【国際公開番号】W WO2023056290
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514092515
【氏名又は名称】セノ メディカル インストルメンツ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ、ハリス
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DE16
4C601EE11
4C601FE07
4C601GA03
4C601GB32
4C601HH35
(57)【要約】
プローブは、光経路に沿って伝送される光を生成して、光が組織部位と反応するときに光音響戻り信号及び超音波戻り信号を生成する、ように構成された光源と、遠位端に第1のトランスデューサを含み、かつ、遠位端に第2のトランスデューサを含むトランスデューサアセンブリとを備え、組織部位の二重撮像のために提供される。第1のトランスデューサは、光音響戻り信号を受信するように構成され、第1のトランスデューサ上に設けられた音響レンズを有し、第2のトランスデューサは、超音波戻り信号を受信するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位の二重撮像のためのプローブであって、前記プローブは、前記組織部位に接触するように動作可能な遠位端と、近位端とを有し、前記プローブは、
光経路に沿って伝送される光を生成して、前記光が前記組織部位と反応するときに光音響戻り信号及び超音波戻り信号を生成する、ように構成された光源と、
前記遠位端に第1のトランスデューサを含み、かつ、前記遠位端に第2のトランスデューサを含むトランスデューサアセンブリと、
前記光音響戻り信号を受信するように構成され、前記第1のトランスデューサ上に設けられた音響レンズを有する前記第1のトランスデューサと、
前記超音波戻り信号を受信するように構成された前記第2のトランスデューサと、
前記光経路に沿って前記組織部位に光を運ぶように構成された光学窓と、
1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサに結合されたメモリと、を含むマイクロコントローラであって、前記メモリは、プログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記1つ以上のプロセッサによって、
前記第1のトランスデューサからの前記光音響戻り信号を第1の画像に変換し、
前記第2のトランスデューサからの前記超音波戻り信号を第2の画像に変換する、
ように実行可能である、マイクロコントローラと、
を備える、プローブ。
【請求項2】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサから離間している、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサから180°である、請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサ上に積層されている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記第1のトランスデューサによって受信される前記光音響戻り信号は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲を有し、前記超音波戻り信号は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する、請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
前記光源は、レーザである、請求項1に記載のプローブ。
【請求項7】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサよりもさらに遠位に延在している、請求項1に記載のプローブ。
【請求項8】
前記光源を作動させるために前記光源に結合されたトリガアセンブリをさらに備える、請求項1に記載のプローブ。
【請求項9】
二重撮像プローブを用いて組織部位を撮像する方法であって、
組織部位に対して前記二重撮像プローブの遠位端に第1のトランスデューサを配置することと、
前記組織部位に光を放射するための光源を作動させることと、
前記第1のトランスデューサを用いて光音響戻り信号を受信することと、
前記光音響戻り信号を光音響画像に変換することと、
前記二重撮像プローブを回転させて、前記組織部位に当接して前記遠位端に第2のトランスデューサを配置することと、
前記第2のトランスデューサを用いて、超音波戻り信号を受信することと、
前記超音波戻り信号を超音波画像に変換することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記二重撮像プローブを回転させることは、前記二重撮像プローブを180°回転させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のトランスデューサによって受信される前記光音響戻り信号は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲を有し、前記超音波戻り信号は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記二重撮像プローブを回転させることは、前記二重撮像プローブを前記組織部位から引き抜くことを含まない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
二重撮像のためのプローブであって、前記プローブは、組織部位に接触するように動作可能な遠位端と、近位端とを有し、前記プローブは、
光経路に沿って伝送される光を生成して、前記光が前記組織部位と反応するときに光音響戻り信号及び超音波戻り信号を生成する、ように構成された光源と、
前記遠位端に第1のトランスデューサを含み、かつ、前記遠位端に第2のトランスデューサを含むトランスデューサアセンブリと、
前記光音響戻り信号を第1の位置で受信するように構成された前記第1のトランスデューサと、
前記超音波戻り信号を第2の位置で受信するように構成された前記第2のトランスデューサと、
前記光経路に沿って前記組織部位に光を運ぶように構成された光学窓と、
1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサに結合されたメモリと、含むマイクロコントローラであって、前記メモリは、プログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記1つ以上のプロセッサによって、
前記第1のトランスデューサからの前記光音響戻り信号を第1の画像に変換し、
前記第2のトランスデューサからの前記超音波戻り信号を第2の画像に変換する、
ように実行可能である、マイクロコントローラと、
を備える、プローブ。
【請求項14】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサから離間している、請求項13に記載のプローブ。
【請求項15】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサから180°である、請求項13に記載のプローブ。
【請求項16】
前記プローブは、前記第1の位置と前記第2の位置との間で180°回転する、請求項15に記載のプローブ。
【請求項17】
前記第1のトランスデューサによって受信される前記光音響戻り信号は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲を有し、前記超音波戻り信号は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する、請求項13に記載のプローブ。
【請求項18】
前記光源は、レーザである、請求項13に記載のプローブ。
【請求項19】
前記第1のトランスデューサは、前記第2のトランスデューサよりもさらに遠位に延在している、請求項13に記載のプローブ。
【請求項20】
前記光源を作動させるために前記光源に結合されたトリガアセンブリをさらに備える、請求項13に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第63/250,357号(2021年9月30日出願)の優先権を主張し、その出願の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して医療撮像の分野に関し、特に二重撮像(dual imaging)のためのプローブに関するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
光音響(OA)撮像システムは、組織部位で薄い組織断片を視覚化する。組織部位は、例えば、腫瘍、血管、組織層、及び血液の成分を含み得る様々な組織構造を包含し得る。光音響撮像システムでは、光は、組織構造による光吸収の結果として音響波を生成する組織部位の平面断片に光エネルギーを送達するために使用される。組織部位を空間的に表す画像は、超音波トランスデューサアレイに戻る音響信号に対して画像再構成を実行することによって生成することができる。生体組織は衝突する光エネルギーを多くの方向に散乱させるので、光エネルギーは標的領域の外側の組織構造によって吸収されることができ、標的領域内の組織構造の撮像を妨げる音響戻り信号を発生させることができる。典型的には、OA撮像システムによって得られる信号の周波数は、250MHz~2.5MHzの範囲である。
【0004】
光音響撮像システムは、乳房、ほふく性(prostrate)などの標的領域に利用することができる。ほふく性撮像を含むいくつかの用途では、光音響画像は、超音波撮像を含む他の撮像システムで補完することができる。超音波撮像は、最大25MHzの高周波トランスデューサを利用して、診断及び撮像の案内を支援するためにより高い解像度を得る。
【発明の概要】
【0005】
光音響撮像を提供するための新規かつ有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。例示的な実施形態はまた、当業者が特許請求される主題を利用することを可能にするために提供される。
【0006】
特許請求される主題を作成及び使用する目的、利点、及び好ましい形態は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明と共に添付の図面を参照することによって最もよく理解され得る。
【0007】
本明細書の実施形態によれば、組織部位の二重撮像のためのプローブが提供される。プローブは、組織部位に接触するように動作可能な遠位端と、近位端とを有する。プローブは、光経路に沿って伝送される光を生成(generate)して、光が組織部位と反応するときに光音響戻り信号及び超音波戻り信号を生成する、ように構成された光源と、遠位端に第1のトランスデューサを含み、かつ、遠位端に第2のトランスデューサを含むトランスデューサアセンブリとを備える。第1のトランスデューサは、光音響戻り信号を受信するように構成され、第1のトランスデューサ上に設けられた音響レンズを有し、第2のトランスデューサは、超音波戻り信号を受信するように構成される。プローブはまた、光経路に沿って組織部位に光を運ぶ(carry)ように構成された光学窓と、1つ以上のプロセッサを含むマイクロコントローラと、1つ以上のプロセッサに結合(couple)されたメモリとを含む。メモリは、プログラム命令を格納し、プログラム命令は、第1のトランスデューサからの光音響戻り信号を第1の画像に変換し、第2のトランスデューサからの超音波戻り信号を第2の画像に変換する、ように1つ以上のプロセッサによって実行可能である。
【0008】
任意選択的に、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサから離間している。一態様では、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサから180°である。別の態様では、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサ上に積層される。一例では、第1のトランスデューサによって受信された光音響戻り信号は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲を有し、超音波戻り信号は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する。別の例では、光源は、レーザである。さらに別の例では、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサよりもさらに遠位に延在する。一実施形態では、プローブはまた、光源を作動させるために光源に結合されたトリガアセンブリを含む。
【0009】
本明細書の実施形態によれば、二重撮像プローブで組織部位を撮像する方法が提供される。本方法は、組織部位に対して二重撮像プローブの遠位端に第1のトランスデューサを配置することと、組織部位に光を放射するための光源を作動させることと、第1のトランスデューサを用いて光音響戻り信号を受信することとを含む。本方法はまた、光音響戻り信号を光音響画像に変換することと、組織部位に当接して遠位端に第2のトランスデューサを配置するために二重撮像プローブを回転させることとを含む。本方法はまた、第2のトランスデューサで超音波戻り信号を受信することと、超音波戻り信号を超音波画像に変換することと、を含む。
【0010】
任意選択的に、二重撮像プローブを回転させることは、二重撮像プローブを180°回転させることを含む。一態様では、第1のトランスデューサによって受信された光音響戻り信号は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲を有し、超音波戻り信号は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する。別の態様では、二重撮像プローブを回転させることは、二重撮像プローブを組織部位から引き抜くことを含まない。
【0011】
本明細書の実施形態によれば、二重撮像のためのプローブが提供される。プローブは、組織部位に接触するように動作可能な遠位端と、近位端とを有し、プローブは、光経路に沿って伝送される光を生成して、光が組織部位と反応するときに光音響戻り信号及び超音波戻り信号を生成する、ように構成された光源を含む。プローブはまた、遠位端に第1のトランスデューサを含み、かつ、遠位端に第2のトランスデューサを含むトランスデューサアセンブリを含む。第1のトランスデューサは、第1の位置で光音響戻り信号を受信するように構成され、第2のトランスデューサは、第2の位置で超音波戻り信号を受信するように構成される。プローブはまた、光経路に沿って組織部位に光を運ぶように構成された光学窓と、1つ以上のプロセッサを含むマイクロコントローラと、1つ以上のプロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリは、プログラム命令を格納し、プログラム命令は、第1のトランスデューサからの光音響戻り信号を第1の画像に変換し、第2のトランスデューサからの超音波戻り信号を第2の画像に変換する、ように1つ以上のプロセッサによって実行可能である。
【0012】
任意選択的に、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサから離間している。一態様では、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサから180°である。別の態様では、プローブは、第1の位置と第2の位置との間で180°回転する。一例では、第1のトランスデューサによって受信された光音響戻り信号は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲を有し、超音波戻り信号は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する。別の例では、光源は、レーザである。さらに別の例では、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサよりもさらに遠位に延在する。一実施形態では、プローブはまた、光源を作動させるために光源に結合されたトリガアセンブリを含む。
【0013】
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に示されているような好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。添付の図面において、参照符号は、様々な図を通して同じ部分を指す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本明細書に開示される方法及びデバイスのためのプラットフォームとして使用され得る組み合わされた光音響システム及び超音波システムの一実施形態を示す概略ブロック図を示す。
【0015】
【
図2A】本明細書に開示される方法及び他のデバイスに関連して使用され得るプローブの一実施形態の側面図を示す。
【0016】
【
図2B】本明細書に開示される方法及び他のデバイスに関連して使用され得るプローブの一実施形態の底面図を示す。
【0017】
【
図3】本明細書に開示される方法及び他のデバイスに関連して使用され得るプローブの一実施形態の側面図を示す。
【0018】
【
図4】本明細書に開示される方法及び他のデバイスに関連して使用されるプローブの断面図を示す。
【0019】
【
図5】本明細書に開示される方法及び他のデバイスに関連して利用されるマイクロコントローラの概略ブロック図である。
【0020】
【
図6】本明細書に開示される方法及び他のデバイスに関連する二重撮像のためのプローブを用いて組織部位を撮像するための方法の概略ブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、様々な変更及び代替形態を受け入れることができるが、その詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本発明を記載された特定の実施形態に限定するものではないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本発明の精神及び範囲内に入るすべての変更、等価物、及び代替物を網羅することである。
【0022】
以下の説明及び図面は例示であり、限定として解釈されるべきではない。十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、特定の事例では、説明を不明瞭にすることを避けるために、周知又は従来の詳細は説明されない。本開示における1つの又は一実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態への言及ではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味する。
【0023】
本明細書における「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「1つの実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではなく、他の実施形態と相互排他的な別個の又は代替の実施形態でもない。さらに、いくつかの実施形態によって示され、他の実施形態によって示されない可能性がある様々な特徴が記載される。同様に、いくつかの実施形態の要件であり得るが他の実施形態の要件ではない様々な要件が記載される。
【0024】
システム及び方法は、とりわけ、面外アーチファクト抑制を伴う光音響イメージングを提供するための方法及びデバイスのブロック図、動作図及びアルゴリズムを参照して以下に説明される。ブロック図の各ブロック、動作図及びアルゴリズム、ならびにブロック図内のブロック、動作図及びアルゴリズムの組み合わせは、アナログ又はデジタルのハードウェア及びコンピュータプログラム命令によって実装することができることを理解されたい。
【0025】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納され、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ASIC、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供することができ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令は、ブロック図、1つ又は複数の動作ブロック及び/又はアルゴリズムで指定された機能/動作を実装する。
【0026】
場合によっては、周波数領域ベースのアルゴリズムは、性能のために0又は対称パディングを必要とする。このパディングは、アルゴリズムの実施形態を説明するために必須ではないため、処理ステップの説明から省略される場合がある。場合によっては、パディングがステップに開示されている場合、アルゴリズムはパディングなしで実行されてもよい。しかしながら、場合によっては、パディングは必須であり、データを破損することなく除去することはできない。
【0027】
いくつかの代替の実装形態では、ブロック内に示されている機能/動作は、動作図に示されている順序とは異なる順序で行われ得る。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際にはほぼ同時に実行することができ、又はブロックは、関連する機能/動作に応じて逆の順序で実行されることがあり得る。
【0028】
ここで、本発明の様々な実施形態をより詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。当業者には明らかなように、本明細書に記載のデータ構造及び処理ステップは、本明細書の本開示の趣旨及び本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で実装することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の概念を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0029】
本明細書の実施形態は、以下の特許、刊行物及び/又は公開出願のうちの1つ以上に記載されるシステム及び方法のうちの1つ以上に関連して実装することができ、これらのすべてが、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0030】
2007年7月23日に出願された「Laser-Activated Nanothermolysis Of Cells」と題する米国特許第7,999,161号明細書、
【0031】
2012年6月13日に出願された「System and method for Acquiring Optoacoustic Data and Producing Parametric Maps Thereof」と題する米国特許第9,289,191号明細書、
【0032】
2013年11月25日に出願された「System And Method For Acquiring Optoacoustic Data And Producing Parametric Maps Using Subband Acoustic Compensation」と題する米国特許第9,517,055号明細書、
【0033】
2013年12月13日に出願された「System And Method For Mixed Modality Acoustic Sampling」と題する米国特許第9,724,072号明細書、
【0034】
2013年12月19日に出願された「System And Method For Acquiring Optoacoustic Data And Producing Parametric Maps Using Interframe Persistent Artifact Removal」と題する米国特許第9,456,805号明細書、
【0035】
2016年3月22日に出願された「System And Method For Acquiring Optoacoustic Data And Producing Parametric Maps thereof」と題する米国特許出願公開第2016/0199037号明細書、
【0036】
2016年10月18日に出願された「System And Method For Mixed Modality Acoustic Sampling」と題する米国特許出願公開第2017/0035388号明細書、
【0037】
2016年11月17日に出願された「System And Method For Acquiring Optoacoustic Data And Producing Parametric Maps Using Subband Acoustic Compensation」と題する米国特許第9,792,686号明細書、
【0038】
2017年6月30日に出願された「System And Method For Mixed Modality Acoustic Sampling」と題する米国特許出願公開第2017/0296151号明細書、
【0039】
2011年11月2日に出願された「Handheld Optoacoustic Probe」と題する米国特許出願公開第2013/0109950号明細書、
【0040】
2016年5月2日に出願された「Handheld Optoacoustic Probe」と題する米国特許出願公開第2016/0296121号明細書、
【0041】
2011年12月31日に出願された「System And Method For Adjusting The Light Output Of An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第8,686,335号明細書、
【0042】
2014年3月31日に出願された「System And Method For Adjusting The Light Output Of An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,528,936号明細書、
【0043】
2016年12月27日に出願された「System And Method For Adjusting The Light Output Of An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2017/0108429号明細書、
【0044】
2013年3月11日に出願された「Statistical Mapping In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,330,452号明細書、
【0045】
2016年5月3日に出願された「Statistical Mapping In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,836,838号明細書、
【0046】
2017年11月6日に出願された「Statistical Mapping In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2018/0061050号明細書、
【0047】
2012年6月13日に出願された「System And Method For Producing Parametric Maps Of Optoacoustic Data」と題する米国特許第9,610,043号明細書、
【0048】
2016年12月21日に出願された「System And Method For Producing Parametric Maps Of Optoacoustic Data」と題する米国特許出願公開第2017/0100040号明細書、
【0049】
2012年6月13日に出願された「System And Method For Storing Data Associated With The Operation Of A Dual Modality Optoacoustic/Ultrasound System」と題する米国特許出願公開第2013/0338501号明細書、
【0050】
2012年6月13日に出願された「Optoacoustic Imaging System With Fiber Optic Cable」と題する米国特許出願公開第2013/0338475号明細書、
【0051】
2014年1月13日に出願された「Multi-Layer Coating For Optoacoustic Probe」と題する米国特許出願公開第2014/0194723号明細書、
【0052】
2017年1月31日に出願された「Optoacoustic Probe With Multi-Layer Coating」と題する米国特許出願公開第2017/0150890号明細書、
【0053】
2012年6月14日に出願された「Methods And Compositions For Carrier Agents And Clearing Agents Used In Optoacoustic Imaging Systems」と題する米国特許第9,615,750号明細書、
【0054】
2012年10月19日に出願された「Optoacoustic Imaging Systems And Methods With Enhanced Safety」と題する米国特許出願公開第2013/0116538号明細書、
【0055】
2015年1月23日に出願された「Optoacoustic Imaging Systems And Methods With Enhanced Safety」と題する米国特許出願公開第2015/0297090号明細書、
【0056】
2012年11月2日出願に出願された「Dual Modality Imaging System For Coregistered Functional And Anatomical Mapping」と題する米国特許出願公開第2013/0289381号明細書、
【0057】
2012年11月2日に出願された「Method For Dual Modality Optoacoustic Imaging」と題する米国特許第9,757,092号明細書、
【0058】
2013年1月22日に出願された「Optoacoustic Imaging System Having Handheld Probe Utilizing Optically Reflective Material」と題する米国特許出願公開第2014/0039293号明細書、
【0059】
2016年9月27日に出願された「Dual Modality Imaging System For Coregistered Functional And Anatomical Mapping」と題する米国特許出願公開第2017/0014101号明細書、
【0060】
2012年11月2日に出願された「System And Method For Dynamically Varying The Angle Of Light Transmission In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2013/0303875号明細書、
【0061】
2012年12月21日に出願された「System And Method For Normalizing Range In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,445,785号明細書、
【0062】
2012年12月21日に出願された「System And Method For Detecting Anomalous Channel In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,282,899号明細書、
【0063】
2012年12月21日に出願された「System And Method For Providing Selective Channel Sensitivity In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2014/0005544号明細書、
【0064】
2016年7月11日に出願された「System And Method For Providing Selective Channel Sensitivity In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2016/0317034号明細書、
【0065】
2013年1月22日に出願された「Interframe Energy Normalization In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,445,786号明細書、
【0066】
2016年9月19日に出願された「Interframe Energy Normalization In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2017/0000354号明細書、
【0067】
2013年1月22日に出願された「Probe With Optoacoustic Isolator」と題する米国特許出願公開第2014/0206978号明細書、
【0068】
2013年3月15日に出願された「Playback Mode In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許第9,743,839号明細書、
【0069】
2017年7月27日に出願された「Playback Mode In An Optoacoustic Imaging System」と題する米国特許出願公開第2017/0332916号明細書、
【0070】
2014年3月11日に出願された「System And Method For Diagnostic Vector Classification Support」と題する米国特許第9,398,893号明細書、
【0071】
2016年7月19日に出願された「System And Method For Diagnostic Vector Classification Support」と題する米国特許第10,026,170号明細書、
【0072】
2018年6月28日に出願された「System And Method For Diagnostic Vector Classification Support」と題する米国特許出願第16/022,138号明細書、
【0073】
2013年3月15日に出願された「Diagnostic Simulator」と題する米国特許第9,730,587号明細書、
【0074】
2017年7月27日に出願された「Diagnostic Simulator」と題する米国特許出願公開第2017/0332915号明細書、
【0075】
2013年3月15日に出願された「Light Output Calibration In An Optoacoustic System」と題する米国特許第8,823,928号明細書、
【0076】
2014年7月11日に出願された「Light Output Calibration In An Optoacoustic System」と題する米国特許第9,163,980号明細書、
【0077】
2013年3月15日に出願された「Noise Suppression In An Optoacoustic System」と題する米国特許第9,814,394号明細書、
【0078】
2017年11月13日に出願された「Noise Suppression In An Optoacoustic System」と題する米国特許出願公開第2018/0078144号明細書、
【0079】
2013年3月15日に出願された「Optoacoustic Component Utilization Tracking」と題する米国特許第9,733,119号明細書、
【0080】
2017年7月27日に出願された「Optoacoustic Component Utilization Tracking」と題する米国特許出願公開第2017/0322071号明細書、
【0081】
2014年10月13日に出願された「Systems And Methods For Component Separation In Medical Imaging」と題する米国特許出願公開第2015/0101411号明細書、
【0082】
2015年2月27日に出願された「Probe Adapted To Control Blood Flow Through Vessels During Imaging And Method Of Use Of Same」と題する米国特許出願公開第2015/0305628号明細書、
【0083】
2015年10月30日に出願された「Opto-Acoustic Imaging System With Detection Of Relative Orientation Of Light Source And Acoustic Receiver Using Acoustic Waves」と題する米国特許出願公開第2016/0187481号明細書。
【0084】
「光音響画像」及び「OA画像」という用語は、組織部位への1つ以上の周波数の透過光を利用し、OA画像に変換される光音響画像データを生成するために処理される光音響トランスデューサで光音響戻り信号を受信する撮像システムによって取り込まれた画像を指す。例示的な実施形態では、光音響戻り信号は、250Hz~2.5MHzの範囲内にある。
【0085】
「超音波画像」という用語は、組織部位への1つ以上の周波数の透過光を利用し、超音波画像に変換される超音波画像データを生成するために処理される超音波トランスデューサで超音波戻り信号を受信する撮像システムによって取り込まれた画像を指す。例示的な実施形態では、超音波戻り信号は、200MHz~25MHzの範囲内にある。
【0086】
本明細書で使用される場合、「光」という用語は、UV放射、可視光、赤外線などを含むがこれらに限定されない、ありとあらゆる電磁放射を指すものとする。本明細書で使用される光は、決して可視スペクトルに限定されない。光は、偏光、波長、周波数などを含む特性を含むことができる。光の特性が変化され、増強され、減少され、変更されるなどの場合、光は、変換され、変化され、増強され、減少され、変更されるなどと見なされ得る。
【0087】
「組織部位」という用語は、動物及びヒトの組織及び器官、例えば乳房組織の位置又は標的を広く指す。組織部位は、例えば、腫瘍、血管、組織層、及び血液の成分を含み得る様々な「組織構造」を包含し得る。後述するように、サイノグラムは、組織部位に衝突する1つ以上の光事象に応答して一定期間にわたって発生する音響活動のサンプル記録を包含することができる。サイノグラムに取り込まれた音響活動は、光音響応答、すなわち、電磁エネルギーが組織部位内の材料、例えば電磁エネルギーを吸収する様々な組織構造内の材料によって吸収される結果として生成される音響信号を含むことができる。これらの光学信号は、光事象に応答した組織構造内の熱弾性応力閉じ込めの解放から生じる。
【0088】
より高い周波数の戻り信号(例えば、20メガヘルツ(MHz)及び25MHz)を取り込む超音波プローブと、より低い周波数の戻り信号(例えば、250ヘルツ(Hz)及び2.5MHz)を取り込む光音響プローブとを組み合わせる二重撮像プローブが提供される。その結果、異なるプローブを再挿入する必要なく、組織部位の体腔への1回の挿入中に超音波撮像と光音響撮像の両方を得ることができる。二重撮像機能を提供するために、より高い周波数の戻り信号を取得するための第1のトランスデューサと、より低い周波数の戻り信号を取得するための第2のトランスデューサとの両方が、プローブの遠位端のプローブ側壁に配置される。一例では、第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサから180度に配置される。或いは、180度の間隔を設ける代わりに、同じ側壁に位置合わせされたときにより多くの空間を提供するために、第2のトランスデューサを第1のトランスデューサと互い違いにすることができる。いずれの場合も、ユーザは、超音波用の高周波トランスデューサを用いて撮像データを取得することができ、OA撮像を開始する準備ができたとき、ユーザは、2つのプローブを有して、必要に応じてそれぞれを交換する必要なしに、OA撮像のためにプローブを180度回転させるか、又はプローブを横方向に移動させる。
【0089】
図1を参照すると、概して、マルチモダリティ、光音響及び超音波を組み合わせたシステムとして使用することができる二重撮像用のデバイス100。一実施形態では、デバイス100は、光経路132及び電気路108を介してシステムシャーシ101に接続される二重撮像のためのプローブ102を含む。システムシャーシ101内には、光経路の光を放射するために1つ以上のレーザを利用するレーザアセンブリ129と、コンピューティングサブシステム128とが収容される。
【0090】
コンピューティングサブシステム128は、超音波制御及び分析ならびに光音響制御及び分析のための1つ以上のコンピューティング構成要素を含み、これらの構成要素は、別個であってもよく、又は一体化されていてもよい。一実施形態では、コンピューティングサブシステム128は、マイクロコントローラであるか、又はマイクロコントローラを含む。一例では、コンピューティングサブシステムは、中継システム110、トリガシステム135、光音響処理及びオーバーレイシステム140、ならびに超音波機器150を備える。一実施形態では、トリガシステム135は、光を放射するためにレーザ130の動作を作動及び制御するように構成される。
【0091】
一実施形態では、レーザアセンブリ129は、少なくとも2つの異なる波長の光のパルスを様々な周波数で生成することができる。一例では、光のパルスを提供して、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)などのより低い周波数範囲を有する光音響戻り信号をもたらし、また20MHz~25MHzなどのより高い周波数範囲を有する超音波戻り信号をもたらすことができる。このようにして、プローブ102は、プローブを交換する必要なしに光音響画像及び超音波画像の両方を提供するための二重機能を含むことができる。
【0092】
レーザアセンブリ129のレーザ130の出力は、光経路132を介してプローブ102に送達される。レーザ光は、組織部位160、或いは胸又はほふく性などの体積の標的領域に放射され、物体のレーザ跳ね返りの結果として音波が形成される。次いで、これらの音波を利用して、分析のために体積の標的領域の光音響画像と超音波画像の両方を提供する。
【0093】
タッチスクリーンディスプレイであり得る1つ又は複数のディスプレイ112、114は、画像及びデバイス100のユーザインタフェースの全部又は一部を表示するために設けられる。表示画像は、光音響画像である第1の画像と、超音波画像である第2の画像とを含むことができる。オペレータからの入力を受信するために、キーボード、マウス、及び様々な他の入力デバイス(例えば、ダイヤル及びスイッチ)などの1つ又は複数の他のユーザ入力デバイス(図示せず)を設けることができる。
【0094】
ここで
図2A及び
図2Bを参照すると、プローブ102は、遠位端208から近位端210まで延在する。側壁に沿ったプローブ102の遠位端208には、それが含むことができるのは第1のトランスデューサ212であるトランスデューサアセンブリ211がある。一例における第1のトランスデューサ212は、音響レンズ205によって覆われている。別の例では、第1のトランスデューサ212は、250Hz~2.5MHzなどのより低い周波数範囲を有する光音響戻り信号を受信するように構成される。さらに、一例では、少なくとも1つの光バー213が、プローブ102の側壁上の第1のトランスデューサに隣接して位置付けられる。光バー213は、撮像のために第1のトランスデューサ212によって得られる信号を生成するために設けられる。一例では、
図2Bに示すように、第1の光バー及び第2の光バーが第1のトランスデューサの両側に間隔を置いて設けられる。
【0095】
さらに、トランスデューサアセンブリ211は、プローブ102の側壁上又は側壁にも配置された第2のトランスデューサ214を含むことができる。一例では、第2のトランスデューサ214は、20MHz~25MHzなどのより高い周波数範囲を有する超音波戻り信号を受信するように構成される。特に、プローブ102がほふく性プローブとして利用される場合の実施形態では、前立腺(prostate)プローブのサイズは、快適さのために可能な限り小さい。ほふく性プローブがどの程度小さくなり得るかの制限因子は、プローブの遠位端のトランスデューサに基づく。一例では、プローブ102は、第1のトランスデューサ212及び第2のトランスデューサ214の両方のための空間を作るために、プローブの遠位端208により大きな突起を有し、次いで、プローブの本体は、プローブの長さのために薄くなる。これは、ハウジングが、第1のトランスデューサ212及び第2のトランスデューサ214をシステムに接続する同軸のワイヤ又はコードを保持するだけでよいためである。したがって、第1のトランスデューサ212に直接隣接する領域にはより多くの空間があり、第2のトランスデューサ214はハンドルを通って上方に延在する。
【0096】
この目的のために、一実施形態では(例えば、
図2A~
図2B)、第1のトランスデューサ212及び第2のトランスデューサ214は、プローブ側壁上で互いに離間している。特に、
図2Aの例示的な実施形態では、プローブ側壁は、第1の弓形側面218と、第1の弓形側面218の反対側の第2の弓形側面220とを含む。一例では、第1のトランスデューサ212及び光バー213は第1の弓形側面218上に位置し、第2のトランスデューサ214は第2の弓形側面220上に位置する。一例では、第1のトランスデューサ212は、第2のトランスデューサ214から180°に配置される。任意選択的に、第1のトランスデューサが組織部位160から光音響戻り信号を受信するための第1の位置にあるとき、第2のトランスデューサ214は組織部位から超音波戻り信号を受信するための空間位置にない。しかしながら、プローブ102を第2の位置まで180°回転させると、第2のトランスデューサ214は、組織部位160からの超音波戻り信号を受信するための空間位置にあり、一方、第1のトランスデューサ212は、組織部位160からの光音響戻り信号を受信するための空間位置にはない。したがって、
図2A~
図2Bの実施形態では、プローブ102の機能は、光音響画像である第1の画像を提供するために利用されるプローブ102から、プローブ102を180°回転させることによって超音波画像である第2の画像を提供するために利用されるプローブ102に変更され得る。結果として、第1の画像及び第2の画像の両方を得るためにプローブを取り外す必要はない。任意選択で、第2のプローブを設ける必要はなく、検査に費やされる時間が短縮される。これにより、ユーザは、超音波用の高周波第2のトランスデューサ214で撮像することができ、光音響撮像を開始する準備ができたとき、ユーザは、プローブ102を180°回転させるだけで、2つのプローブを有する必要なく光音響で撮像を開始し、必要に応じてそれぞれを交換することができる。
【0097】
図3~
図4は、
図2A~
図2Bの実施形態の代替を示す。特に、
図3~
図4の実施形態では、トランスデューサアセンブリ311はまた、遠位端308から近位端310まで延在する。この例では、第1のトランスデューサ312及び第2のトランスデューサ314は、第2のトランスデューサ314が第1のトランスデューサ312よりもさらに遠位に延在することができるように、単一の弓形側面318、320上に位置合わせさせることができる。例示的な実施形態では、
図2A~
図2Bの実施形態と同様に、第1のトランスデューサ312は、250Hz~2.5MHzなどのより低い周波数範囲を有する光音響戻り信号を受信するように構成することができ、一方、第2のトランスデューサは、20MHz~25MHzなどのより高い周波数範囲を有する超音波戻り信号を受信するように構成することができる。第1のトランスデューサ312はまた、音響レンズ305を含んでもよく、間隔を空けて両側に位置付けられた光バー313を有してもよい。一例では、第2のトランスデューサ314は、第1のトランスデューサ312から、ワイヤのみで占められるより多くの空間が存在するところまで互い違いに配置される。超音波撮像用のハウジングは、第2のトランスデューサ314をシステムに同軸に接続するワイヤ又はコードを保持するだけでよい。したがって、プローブ102のハンドルを介して第2のトランスデューサ314に直接隣接する領域により多くの空間がある。
【0098】
図1に戻って参照すると、プローブ102はまた、光が光経路132上を運ばれ、これを通して組織部位160の表面、例えば三次元体積に透過されることができる1つ以上の光学窓103を含むことができる。任意選択的に、プローブ102は、内部に例えば腫瘍などの1つ以上の不均質性161、162を有し得る有機組織、ファントム(phantom)、又は他の組織部位160に近接して配置されてもよい。超音波ゲル(図示せず)又は他の材料を使用して、プローブ102と組織部位160の表面との間の音響結合を改善し、及び/又は光エネルギー伝達を改善することができる。
【0099】
図5は、マイクロコントローラ500の概略ブロック図を示す。一例では、マイクロコントローラ500は、
図1のコンピューティングサブシステム128である。代替で、マイクロコントローラ500は、
図1のコンピューティングサブシステム128の構成要素である。マイクロコントローラ500は、1つ以上のプロセッサ502と、1つ以上のプロセッサ502に結合されたメモリ504とを含む。メモリ504は、1つ以上のプロセッサ502によって実行され得る命令を格納する。命令は、本明細書に記載のプロセス及び方法を実行するための命令を含むことができる。マイクロコントローラ500はまた、外部システム508と共に、プローブの構成要素及びシステムと通信するためのトランシーバ506を含むことができる。外部システム508は、光音響画像、超音波画像などを含む画像を表示するためにディスプレイ510を有する撮像システムを含む。
【0100】
マイクロコントローラ500はまた、プローブに光を供給するための光源に結合されるトリガシステム512を含む。一例では、マイクロコントローラは、トリガシステム512を利用する光源によって放射される光の波長、強度、周波数などを含む光特性を変化させることができる。或いは、マイクロコントローラ500又は外部デバイス508を利用して、光特性を変化させることができる。
【0101】
一例では、メモリ504内には、撮像アプリケーション514が格納される。撮像アプリケーション514は、命令を含み、光音響戻り信号を、第1の画像としてディスプレイ上に提供することができる光音響画像データに変換するように構成され、超音波戻り信号を、第2の画像としてディスプレイ上に提供することができる超音波画像データに変換するように構成される。一例では、撮像アプリケーション514は、250ヘルツ(Hz)~2.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲内にある受信された戻り信号を変換して、光音響戻り信号を第1の画像に変換する。さらに、撮像アプリケーション514は、20MHz~25MHzの周波数範囲を有する超音波戻り信号を変換して、超音波戻り信号を第2の画像に変換する。さらに、撮像アプリケーション514は、撮像中に光特性を変化させることを含む、トリガシステムを作動させるように構成される。別の例では、撮像アプリケーションは、画像を格納し、画像を遠隔デバイスに伝達するなどするように構成される。
【0102】
図6は、二重撮像のためのプローブを用いて組織部位を撮像する方法600の概略フローブロック図を示す。一例では、
図1~
図4のプローブは二重撮像プローブである。別の例では、
図5の撮像アプリケーション514は、方法600のステップの少なくともいくつかを実行するための命令を含む。
【0103】
602において、二重撮像プローブの遠位端上の第1のトランスデューサが組織部位に当接して配置される。一例では、第1のトランスデューサは、光学窓が組織部位に係合している間、プローブ側壁上の組織部位から離間している。組織部位は、ほふく性、乳房などであり得る。
【0104】
604において、1つ以上のプロセッサは、組織部位に光を放射するための光源を作動させる。一例では、1つ以上のプロセッサは、臨床医によって制御されるトリガシステムから受信した信号に基づいて光源を作動させる。別の例では、光源はレーザを含む。一例では、光源は、第1の波長で光を放射する第1のレーザと、第2の波長で光を放射する第2のレーザとを含む。一実施形態における光は、光経路に沿って進み、光学窓を出る。
【0105】
606において、第1のトランスデューサが位置決めされ、第1の間隔の間に光音響戻り信号を受信する。特に、第1の間隔は、臨床医が光音響画像データを取得している間に発生する。その間隔は、臨床医が光音響画像データを取得するためにプローブの位置決めを開始したときに始まり、臨床医が光音響画像データの取得の試みを停止したときに終了する。結果として、第1のトランスデューサは、それに応じて組織部位内の不均質性から反射された光を受光するように位置付けられる。一例では、第1のトランスデューサは、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサの各々が第1の光から戻り信号を受信するように位置付けられ得るように、第2のトランスデューサから離間される。したがって、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサは、プローブの動作中に戻り信号を受信するように位置付けられなければならない。或いは、光音響画像データを受信した後に超音波画像データを取得するためにプローブを移動及び再位置付けする必要がないように、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを互いに積層することができる。
【0106】
608において、一つ以上のプロセッサは光音響戻り信号を第1の画像に変換する。一例では、第1の画像は光音響画像である。特に、第1のトランスデューサによって受信された光音響戻り信号は解析され、プローブの出力又はスクリーン、外部システムなどに表示することができる画像データに形成される。
【0107】
610において、二重撮像プローブを第1の位置から第2の位置に移動させて、組織部位に当接して遠位端に第2のトランスデューサを配置する。ここでも、602と同様に、光学窓が組織部位に係合している間に、第2のトランスデューサをプローブ側壁の組織部位から離間させることができる。一例では、第2のトランスデューサは、横運動が二重撮像をもたらすように、第2のトランスデューサよりもさらに遠位に延在する。別の例では、二重撮像プローブは、第1の位置では、第1のトランスデューサは光音響信号を受信するように位置付けられ、第2の位置では、第2のトランスデューサは超音波信号を受信するように位置付けられる、第1の位置から第2の位置に180°回転される。二重撮像プローブを回転させることは、二重撮像プローブを組織部位から引き抜くことを含まない。特に、二重撮像プローブは、第1のトランスデューサが光音響信号を受信し、第2のトランスデューサを、同じ期間に、及び係合のため、又は組織部位と係合するために依然として挿入されている間、所定の位置に回転又は移動させて超音波信号を受信することを可能にする。したがって、第2のプローブを利用する必要はなく、時間を節約し、追加の撮像データが取得される。
【0108】
612において、第2のトランスデューサは、第2の間隔の間に超音波戻り信号を受信する。一例では、第2の間隔は、医師がトリガシステムを使用して超音波画像データを取得することを停止するまで、医師が超音波データを取得するために回転によるプローブの再位置付けを含む、超音波データの取得を試みる時間である。
【0109】
614において、1つ以上のプロセッサは、超音波戻り信号を第2の画像に変換する。一例では、第2の画像は超音波画像である。特に、第1のトランスデューサによって受信された超音波戻り信号は解析され、プローブの出力又はスクリーン、外部デバイスなどに表示することができる画像データに形成される。
【0110】
本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用される場合、「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ(at least one)」又は「1つ又は複数(one or more)」を意味する。さらに、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「一化合物」を含有する組成物への言及は、2つ以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「又は(or)」という用語は、一般に、その内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、「及び/又は(and/or)」を含む意味で使用される。
【0111】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、特性の測定値などを表すすべての数字は、文脈上他に明確に指示されない限り、すべての場合において「約(about)」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本発明の教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
【0112】
当業者は、本開示の方法及びシステムが多くの方法で実装されてもよく、したがって、前述の例示的な実施形態及び例によって限定されるべきではないことを認識するであろう。言い換えれば、単一又は複数のコンポーネントによって、ハードウェアとソフトウェア又はファームウェアとの様々な組み合わせで実行される機能要素、及び個々の機能は、クライアントレベル又はサーバレベルのいずれか又は両方でソフトウェアアプリケーション間で分散されてもよい。これに関して、本明細書に記載の異なる実施形態の特徴の任意の数は、単一又は複数の実施形態に組み合わせることができ、本明細書に記載の特徴のすべてよりも少ない又は多い代替の実施形態が可能である。機能はまた、全体的に又は部分的に、現在知られている又は知られるようになる方法で、複数の構成要素間で分散されてもよい。したがって、本明細書に記載の機能、特徴、インタフェース、及び好みを達成する際に、無数のソフトウェア/ハードウェア/ファームウェアの組み合わせが可能である。さらに、本開示の範囲は、記載された特徴及び機能及びインタフェースを実行するための従来から知られている方法、ならびに当業者によって現在及び今後理解されるであろう本明細書に記載されたハードウェア又はソフトウェア又はファームウェア構成要素に対して行われ得る変形及び修正を網羅する。
【0113】
さらに、本開示においてフローチャートとして提示及び説明される方法の実施形態は、本技術のより完全な理解を提供するために例として提供される。開示された方法は、本明細書に提示された動作及び論理フローに限定されない。様々な動作の順序が変更され、より大きな動作の一部であると記載されたサブ動作が独立して実行される代替実施形態が考えられる。
【0114】
本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本発明に対する様々な修正及び変更が当業者に明らかになるであろう。本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態及び例によって過度に限定されることを意図するものではなく、そのような実施形態及び例は、単に本発明を例示するために提示されており、本発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図していることを理解されたい。したがって、本発明をその好ましい実施形態を参照して特に示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。
【国際調査報告】