(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリー
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B62B3/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519773
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2022075688
(87)【国際公開番号】W WO2023052140
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021000025016
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510147581
【氏名又は名称】ピ・エ・ラベレルス・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】P.E. LABELLERS S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ボナルディ,ルカ
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA11
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050FF03
3D050GG01
(57)【要約】
ラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーであって、車輪(3)が設けられて、上部領域にラベリングステーションを支持するための作業面(4)を画定するトロリー本体(2)と、少なくとも1つの車輪(3)のための少なくとも1つの支持ブラケット(8)とを備え、支持ブラケット(8)は、少なくとも1つのそれぞれの車輪(3)を取り付けるための少なくとも1つの連結部(9)を有し、支持ブラケット(8)は、さらに、トロリー本体(2)に対する連結部(9)の高さ方向の位置を変更するために、少なくとも2つの異なる配置でトロリー本体(2)に固定可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーであって、車輪(3)が設けられて、上部領域にラベリングステーションを支持するための作業面(4)を画定するトロリー本体(2)を備え、少なくとも1つの前記車輪(3)のための少なくとも1つの支持ブラケット(8)を備え、前記支持ブラケット(8)は、少なくとも1つのそれぞれの車輪(3)を取り付けるための少なくとも1つの連結部分(9)を有し、前記支持ブラケット(8)は、前記トロリー本体(2)に対する前記少なくとも1つの連結部分(9)の高さ方向の位置を変更するために、少なくとも2つの異なる配置で前記トロリー本体(2)に固定可能であることを特徴とする、トロリー。
【請求項2】
前記少なくとも1つの支持ブラケット(8)は、前記車輪(3)の少なくとも2つのための連結部分を備え、前記支持ブラケット(8)は、それぞれの連結部分(9)が前記トロリー本体(2)に対して第1の垂直距離で配置される少なくとも1つの第1の配置、又は、前記連結部分(9)が前記トロリー本体(2)に対して第2の垂直距離で配置される少なくとも1つの第2の配置で、選択的に前記トロリー本体(2)に固定可能であることを特徴とする、請求項1に記載のトロリー。
【請求項3】
前記少なくとも1つの支持ブラケット(8)は、少なくとも1つの実質的に板状の部分(10)と、それぞれの車輪(3)のための少なくとも1つの対応する固定領域(9a)を画定する少なくとも2つのそれぞれの連結部分(9)とを有し、前記連結部分(9)は、前記実質的に板状の部分(10)の互いに対向する端部に配置され、前記実質的に板状の部分(10)の配置平面に対して同じ側に位置し、各連結部分(9)の固定領域(9a)は、前記実質的に板状の部分(10)の配置平面に対して実質的に垂直な方向に沿って、前記実質的に板状の部分(10)の配置平面から離間して配置され、前記実質的に板状の部分は、前記実質的に板状の部分(10)の配置平面に対して前記連結部分(9)のそれぞれを上方または下方に配置するために、前記トロリー本体(2)の下面(2a)に、その一方の面または反対側の面で選択的に固定可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトロリー。
【請求項4】
実質的に板状の部分の対向する端部に、2対の連結部分(9)を有する単一の支持ブラケット(8)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のトロリー。
【請求項5】
各連結部分(9)の固定領域(9a)は、前記実質的に板状の部分(10)の配置平面に対して実質的に垂直な平面上に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のトロリー。
【請求項6】
前記車輪(3)の各々は、それぞれ、実質的に垂直方向に延びる調整ピン(5)を有し、固定ネジ(7)によって対応する連結部分(9)に前記調整ピン(5)を固定するために、対応する連結部分(9)の固定領域(9a)に画定された係合孔(11)と位置合わせされるように選択的に位置決め可能な複数の固定孔(6)が前記調整ピン(5)に沿って設けられることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のトロリー。
【請求項7】
前記連結部分(9)は、少なくともその一部分が、前記トロリー本体(2)の側壁に対して横方向に離間して配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のトロリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーに関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール式のカルーセルラベリング機械が知られている。このマシンでは、ラベリングステーションが、カルーセルのフレームに着脱自在に連結される車輪を備えたトロリーによって支持されており、例えば、予め糊付けされたラベルを備えたステーションや、ホットグルーまたはコールドグルーで糊付けするための装置を備えたステーションなど、異なるラベリングステーションを容易に装備することができ、結果として、コストを節約することができる。
【0003】
通常、ラベリングステーションを支持するトロリーは、対応するラベリングステーションの構成要素が取り付けられる作業面を備えている。
【0004】
特に、トロリーは、カルーセルのフレームに結合されると、トロリーの作業面がカルーセルの平面と位置合わせされ、同じ高さになるように予め組み立てられる。
【0005】
しかし、建物の床の凹凸や傾斜により、マシンを設置する際に、予め組み立てられたトロリーの作業面が、床から正しい高さではなくカルーセルの平面と一致しないことが判明することがしばしば発生する。
【0006】
トロリーの作業面の床からの高さを調節可能にするため、現状、トロリーの車輪には、複数の異なる高さに配置され、車輪をトロリー本体に直接固定するためのネジを用いて選択的に係合可能な孔が画定された垂直調節ピンがそれぞれ設けられる。
【0007】
しかしながら、この解決策では、調整ピンが非常に長い場合を除いて、すべての使用例で、トロリーがカルーセルに連結された際のトロリーの作業面とカルーセルの平面との間に生じ得る高さの差を簡単に補正することができない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上述した態様における1又は複数の既知の技術を改良することができるラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーを提供することである。
【0009】
この目的の範囲内で、本発明の目的は、カルーセルの平面に対して、トロリーの作業面を床から正しい高さ位置に確保にすることを可能にするラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、オペレータにとって使いやすく実用的なラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、非常にシンプルな構造のラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーを提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、使用中に信頼性が高く安全なラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーを提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は、既存の解決策に代わる態様で背景技術の欠点を克服することである。
【0014】
本発明の別の目的は、純粋に経済的な観点からも競争力のあるラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーを提供することである。
【0015】
この目的及びこれらの目的、並びに、以下の説明でより明らかになる他の目的は、請求項1に記載のラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーであって、任意的には、従属請求項における1又は複数の特徴を備えるトロリーによって達成される。
【0016】
本発明の更なる特徴、及び、利点は、添付の図面において非限定的な例として示されている、本発明によるラベリング機械のラベリングステーションを支持するためのトロリーの排他的ではない実施形態の詳細な説明から更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】車輪用支持ブラケットが第1の配置にある本発明に係るラベリングステーションの支持トロリーを示す斜視図。
【
図2】支持ブラケットが第1の配置にある本発明に係るトロリーを示す側面図。
【
図3】支持ブラケットが第1の配置にある本発明に係るトロリーを示す正面図。
【
図4】支持ブラケットが第1の配置にある本発明に係るトロリーを示す平面図。
【
図5】支持ブラケットが第2の配置にある本発明に係るトロリーを示す斜視図。
【
図6】支持ブラケットが第2の配置にある本発明に係るトロリーを示す側面図。
【
図7】支持ブラケットが第2の配置にある本発明に係るトロリーを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図を参照すると、本発明に係るラベリング機械のラベリングステーションを支持するための、全体的に参照数字1で示されるトロリーは、トロリー本体2を備える。トロリー本体2は、下部領域に車輪3を備え、上部領域に不図示のラベリングステーションが取り付けられる作業面4が画定される。
【0019】
トロリー本体2は、その前部に、不図示のマシンのカルーセルの周辺領域に固定することができるようにする、簡略化のため図示されていない従来の手段を有利に設けることができる。
【0020】
好適には、車輪3にはそれぞれ調整ピン5が設けられ、実質的に垂直方向に沿った異なる位置で車輪3はトロリー本体2に接続可能である。
【0021】
特に、各車輪3の調整ピン5は、対応する車輪3が回転可能に取り付けられるベース5aから実質的に垂直に延びている。
【0022】
より具体的には、複数の固定孔6は、調整ピン5に沿って、好適には縦方向の平坦な領域に画定され、有利には、調整ピン5の軸に平行に互いに等間隔に配置され、トロリー本体2の所望の位置に車輪3を接続するために、固定ネジ7を用いて選択的に係合可能である。
【0023】
本発明の特徴は、少なくとも1つの支持ブラケット8を備え、この支持ブラケット8は、少なくとも1つの車輪3のそれぞれを取り付けるための少なくとも1つの連結部分9を有し、より好ましくは、少なくとも2つの車輪3を取り付けるための複数の連結部分9を有する点にある。
【0024】
特に、支持ブラケット8は、トロリー本体2に対する連結部分9の高さ方向の位置、つまり、実質的に垂直方向に沿った位置の変更の可能性を許容するため、少なくとも2つの異なる配置でトロリー本体2に固定可能である。これにより、トロリー本体2に対する対応する車輪3の位置の調整能力を拡張することができ、結果、車輪3の調整ピン5の長さが同じである場合の床に対する作業面4の高さ方向の位置の調整能力を高めることができる。
【0025】
より具体的には、例えば
図1に示すように、支持ブラケット8は、それぞれの連結部分9がトロリー本体2に対して第1の垂直距離で配置される少なくとも1つの第1の配置、又は、例えば
図5に示すように、連結部分9がトロリー本体2に対して異なる、例えば第1距離よりも大きい、第2の垂直距離で配置される少なくとも1つの第2の配置で、選択的にトロリー本体2に固定可能である。
【0026】
より詳細には、支持ブラケット8(又は、支持ブラケット8の各々)は、有利には、少なくとも1つの実質的に板状の部分10と、少なくとも2つのそれぞれの連結部分9とを有し、それぞれの連結部分9は、それぞれの車輪3のために少なくとも1つの対応する固定領域9aを画定する。
【0027】
特に、連結部分9は、実質的に板状の部分10の互いに対向する端部に配置され、実質的に板状の部分10の配置面に対して同じ側に位置する。
【0028】
より具体的には、各連結部分6の固定領域9aは、実質的に板状の部分7の配置平面に対して実質的に垂直な方向に沿って、実質的に板状の部分7の配置平面から、順に、離間して配置される。
【0029】
実質的に板状の部分10は、更に、板状の部分10の面10aまたはその反対側の面10bのいずれかで選択的にトロリー本体2の実質的に水平な下面2aに固定可能であり、必要に応じて、実質的に板状の部分10の配置面に対して下方又は上方に連結部分9のそれぞれを配置することができる。
【0030】
支持ブラケット8の実質的に板状の部分10の固定は、好適には、例えばネジなどの着脱可能な接続手段を用いて行われる。
【0031】
好ましくは、図に示すように、実質的に板状の部分10の対向する端部に、2対の連結部分9を有する単一の支持ブラケット8とすることができる。
【0032】
特に、単一の支持ブラケット8は、トロリー本体2の長手方向の延長に沿って配置された実質的に板状の部分10の両端に1対の連結部分9、すなわち、トロリー本体2の前部に配置されることが意図される端部に1対、トロリー本体2の後部に配置されることが意図される端部に1対の連結部分9を有する。
【0033】
有利には、各連結部分9の固定領域9aは、実質的に板状部分10の配置平面に対して実質的に垂直な平面上に配置され、車輪3を連結部分9に接続するための1、又は、複数の係合孔11を備える。
【0034】
特に、車輪3の調整ピン5の固定孔6を、対応する連結部分9の固定領域9aに画定された係合孔11と位置合わせされるように選択的に位置決めし、対応する連結部分9の固定領域9aに画定された係合孔11、及び、係合孔6と位置合わせされるように位置決めされた調整ピン5の選択された固定孔6を通して、例えば固定孔6に画定された雌ねじ座にねじ込むことが可能な固定ネジ7のそれぞれを挿入することによって、対応する車輪3がトロリー本体2に対してその位置にある状態で、調整ピン5を対応する連結部分9へ固定することが可能であり、これにより、カルーセルの平面に対する作業面4の正しい位置決めが得られるようになる。
【0035】
好ましくは、トロリーの安定性を高めるために、連結部分9は、有利には、少なくともその一部分が、トロリー本体2の側壁に対して横方向に離間して配置される。
【0036】
好ましくは、車輪3の支持ブラケット8は、好ましくは金属で作られた成形プレートによって提供される。
【0037】
特に、支持ブラケット8を提供するプレートは、側面視で、すなわち、トロリー本体2の長手方向の延長に沿って配置されることが意図されるその縁部の側から見て、
図2及び
図6から分かるように、実質的にCのような形状を有するように形成され、一方、トロリー本体2の長手方向の延長に沿って配置された端部では、正面視で、
図3及び
図7から分かるように、実質的にΩのような形状を有する。
【0038】
本発明のラベリングステーション支持トロリーの使用方法は以下の通りである。
【0039】
トロリーがカルーセルに近接した状態で、作業者は、作業面4が床から正しい高さにあることを確認する。
【0040】
作業面4の位置の調節を行う必要があって、作業面4の高さ方向の位置を正しい位置とするには調節ピン5の長さが十分でない場合、作業者は、支持ブラケット8の配置を変更して、トロリー本体2に対する連結部分9の高さ方向の位置を変更し、結果、より広い調節範囲が利用できる。
【0041】
従って、例えば、より低い高さの作業面4のトロリー構成が要求される場合、支持ブラケット8は、第1の配置でトロリー本体2に固定することができ、一方、より高い高さの作業面のトロリー構成が要求される場合、支持ブラケット8は、トロリー本体2から取り外された後、その実質的に板状の部分10の配置平面と平行な軸を中心に180度回転されて、連結部分9がその実質的に板状の部分10の配置平面の下方に配置されるように、実質的に板状の部分10の他方の面がトロリー本体2の下面2bに再び固定される。
【0042】
実際に、本発明が意図された目的と目標を完全に達成することが見出され、特に、本発明に係るトロリーは、車輪のための支持ブラケットの存在とその配置変更の可能性とによって、車輪の調整ピンをかなり長くする必要なく、ラベリングステーションが取り付けられる作業面の高さ方向の位置の調整範囲を拡大することが可能であるという事実が注目される。
【0043】
このようにして考案された本発明は、多数の修正および変更が可能であり、そのすべては添付の特許請求の範囲に含まれる。更に、すべての細部は、他の技術的に等価な要素で置き換えることができる。
【0044】
実際には、使用される材料、および付随する形状や寸法は、要件や技術状況に応じて任意である。
【0045】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第102021000025016号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
特許請求の範囲に記載された技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、特許請求の範囲の分かりやすさを向上させることのみを目的として付されており、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例示的に特定される各要素の解釈に対して何ら限定的な効果を有するものではない。
【国際調査報告】