IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特表2024-533822カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置
<>
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図1
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図2
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図3
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図4
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図5
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図6
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図7
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図8
  • 特表-カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/44 20200101AFI20240905BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240905BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240905BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
A24F40/44
A24F40/10
A24F40/46
A24F40/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519793
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2022015645
(87)【国際公開番号】W WO2023068676
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0140612
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0019691
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0059802
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、テフン
(72)【発明者】
【氏名】パク、チュオン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ヒョンチン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チュンホ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC18
4B162AC41
(57)【要約】
カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置が開示される。本開示のカートリッジは、液体を貯蔵する第1チャンバーと、空気が通過可能な第2チャンバーと、前記第2チャンバーを横切って延び、前記第1チャンバーから液体を受ける芯と、前記芯を加熱するヒーティングコイルと、を含み、前記芯はシリカ芯(silica wick)であり、前記ヒーティングコイルは1.0Ω~1.3Ωの範囲の電気抵抗を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯蔵する第1チャンバーと、
空気が通過可能な第2チャンバーと、
前記第2チャンバーを横切って延び、前記第1チャンバーから液体を受ける芯と、
前記芯を加熱するヒーティングコイルと、を含み、
前記芯はシリカ芯(silica wick)であり、
前記ヒーティングコイルは1.0Ω~1.3Ωの範囲の電気抵抗を有する、カートリッジ。
【請求項2】
前記ヒーティングコイルの電気抵抗は1.15Ωである、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ヒーティングコイルの電気抵抗は1.20Ω~1.25Ωの範囲である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ヒーティングコイルは、前記芯の長手方向に、3.0mm~3.5mmの長さを有し、前記芯の周囲に7回~9回巻かれる、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記ヒーティングコイルは前記芯の周囲に8回巻かれる、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ヒーティングコイルは、前記芯の長手方向に0.38mm~0.42mmの間隔wで離隔するように前記芯の周囲に巻かれるワイヤーを含む、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第2チャンバーの両側に形成され、それぞれ前記芯の対応端部を収容する一対の芯溝をさらに含み、
前記ヒーティングコイルは前記一対の芯溝の間で前記芯の周囲に巻かれ、
前記一対の芯溝の間の距離は4.7mm~5.1mmの範囲である、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記芯は6mm~12mmの長さを有する、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記芯は2.5mm~3.0mmの外径を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記芯の外径は2.5mmである、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記ヒーティングコイルが巻かれた前記芯の中心部は1.9mm~2.1mmの外径を有し、
前記ヒーティングコイルが巻かれていない前記芯の周辺部は2.5mm~3.0mmの外径を有する、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記ヒーティングコイルの両端部に電気的に連結され、前記芯から外側に延び、前記ヒーティングコイルの素材よりも低い抵抗の温度係数(TCR)を有する素材で形成されるリードをさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記ヒーティングコイルは、カンタル、ニクロム、又はステンレススチールのうちのいずれか1種で形成され、
前記リードは、ニッケル、金、又は銀のうちのいずれか1種で形成される、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記ヒーティングコイルは、316Lステンレススチールを含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項15】
請求項1に記載のカートリッジと、
前記カートリッジが結合されるボディーと、
前記ボディーの内部に形成され、前記カートリッジと前記エアロゾル生成装置の外部とを連通させる挿入空間と、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成装置はエアロゾルを介して媒質又は物質から所定の成分を抽出するためのものである。媒質は多様な成分の物質を含むことができる。媒質に含まれる物質は多様な成分の香味物質であり得る。例えば、媒質に含まれる物質は、ニコチン成分、ハーブ成分及び/又はコーヒー成分などを含むことができる。近年、このようなエアロゾル生成装置に対する多くの研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は前述した問題及び他の問題を解決することを目的とする。
【0004】
本開示の他の目的は、パフに対する使用者の満足度を改善することである。
【0005】
本開示のさらに他の目的は、過度な電力消耗を減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するための本開示の一側面によれば、液体を貯蔵する第1チャンバーと、空気が通過可能な第2チャンバーと、前記第2チャンバーを横切って延び、前記第1チャンバーから液体を受ける芯と、前記芯を加熱するヒーティングコイルと、を含み、前記芯はシリカ芯(silica wick)であり、前記ヒーティングコイルは1.0Ω~1.3Ωの電気抵抗を有するカートリッジを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施例のうちの少なくとも一つによれば、パフに対する使用者の満足度が改善することができる。
【0008】
本開示の実施例のうちの少なくとも一つによれば、過度な電力消耗を減らすことができる。
【0009】
本開示の適用可能な追加的な範囲は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本開示の思想及び範囲内で多様な変更及び修正は当業者に明らかに理解可能であるので、詳細な説明及び本開示の好適な実施例のような特定の実施例はただ例示として与えられたものと理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図2】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図3】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図4】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図5】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図6】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図7】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図8】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
図9】本開示の実施例によるエアロゾル生成装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照してこの明細書に開示する実施例を詳細に説明する。同一又は類似の構成要素は相異なる図面に図示されていても同じ参照番号を付与し、それについての重複説明は省略する。
【0012】
以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は明細書の説明の容易性のみを考慮して使用されるものである。「モジュール」及び「部」は互いに区別される意味又は役割を有するものではない。
【0013】
また、本明細書に開示された実施例の以降の説明において、関連した公知の技術についての具体的説明が本明細書に開示された実施例の要旨をあいまいにする可能性がある場合はその詳細な説明を省略する。また、添付図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解することができるようにするためのものであり、添付図面によって本明細書に開示された技術的思想が限定されない。したがって、添付図面は本開示の思想及び範囲に含まれるすべての変更、均等物及び代替物を含むものと解釈されなければならない。
【0014】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使われることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されないことを理解しなければならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。
【0015】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」されていると言及するときには、中間に他の構成要素が存在することもできると理解可能であろう。一方で、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されていると言及するときには、中間に他の構成要素が存在しないと理解可能であろう。
【0016】
単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。
【0017】
図1及び図2を参照すると、エアロゾル生成装置は、バッテリー10、制御部20、ヒーター30及びカートリッジ40のうちの少なくとも一つを含むことができる。バッテリー10、制御部20、ヒーター30及びカートリッジ40のうちの少なくとも一つはエアロゾル生成装置のボディー110内部に配置され得る。
【0018】
ボディー110はスティック200が挿入可能な挿入空間34を備えることができる。挿入空間34は上側に開口し得る。挿入空間34は上下方向に長く延びる円筒形状を有し得る。ヒーター30は挿入空間34の周辺に形成され得る。例えば、ヒーター30は挿入空間34の周囲を取り囲むことができる。
【0019】
図1を参照すると、バッテリー10、制御部20、カートリッジ40及びヒーター30が一列に配置され得る。図2を参照すると、カートリッジ40及びヒーター30が互いに向き合うように並んで配置され得る。エアロゾル生成装置100の内部構造は図示のものに限定されない。
【0020】
バッテリー10は、制御部20、ヒーター30及びカートリッジ40のうちの少なくとも一つが動作するように電力を供給することができる。バッテリー10は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサー、モーターなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0021】
制御部20は、エアロゾル生成装置100全般の動作を制御することができる。制御部20は、バッテリー10、ヒーター30及びカートリッジ40のうちの少なくとも一つの動作を制御することができる。制御部20は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサー、モーターなどの動作を制御することができる。制御部20は、エアロゾル生成装置100の構成のそれぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるかを判断することができる。
【0022】
ヒーター30は、バッテリー10から供給された電力によって発熱することができる。ヒーター30は挿入空間34に挿入されたスティック200を加熱することができる。
【0023】
カートリッジ40はエアロゾルを生成することができる。カートリッジ40で生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100に挿入されたスティック200を通過して使用者に伝達され得る。
【0024】
スティック200の下部は挿入空間34に挿入され、上部は外部に露出され得る。使用者はスティック200の上部を口で銜えて空気を吸入することができる。使用者がスティック200を通して空気を吸入すると、空気はカートリッジ40に流入した後、エアロゾルを伴い、挿入空間34及び挿入空間34に挿入されたスティック200を通過して使用者に提供され得る。
【0025】
図3を参照すると、カートリッジ40は第1コンテナ41及び第2コンテナ42を含むことができる。第2コンテナ42は第1コンテナ41の下側に結合され得る。カートリッジ流入口414はカートリッジ40の一側が開口することによって形成され得る。カートリッジ流入口414は第1コンテナ41の上端が開口することによって形成され得る。カートリッジ流入口414は外部と連通し得る。カートリッジ40の外部の空気はカートリッジ流入口414を通してカートリッジ40の内部に流入することができる。
【0026】
図4図6を参照すると、カートリッジ40は、第1コンテナ41及び第2コンテナ42を含むことができる。第1コンテナ41は第2コンテナ42の上側に結合され得る。プレート45は第1コンテナ41と第2コンテナ42との間又は第1コンテナ41とフレーム43との間に結合され得る。
【0027】
第1コンテナ41は内部に液体を貯蔵することができる第1チャンバーC1を備えることができる。第1コンテナ41は第1チャンバーC1を取り囲み、第1チャンバーC1の下部は開口し得る。第1チャンバーC1の開口はプレート45によって覆われ得る。
【0028】
第1コンテナ41は空気が通過する流入路412を備えることができる。第1チャンバーC1と流入路412とは互いに隔離され得る。流入路412は第1コンテナ41の一側で上下に長く延び得る。第1チャンバーC1と流入路412とは互いに並んで形成され得る。
【0029】
第1コンテナ41はカートリッジ流入口411を備えることができる。カートリッジ流入口411は第1コンテナ41の上部が開口することによって形成され、流入路412と連通し得る。カートリッジ流入口411は流入路412の上端と連通し得る。流入路412の下端は連結ホール451、フレーム流路451及びチャンバー流入口431と連通し得る。
【0030】
第2コンテナ42は第1コンテナ41の下部に結合され得る。第2コンテナ42は、上部が開口し、下部が覆われた空間424を備えることができる。フレーム43は第2コンテナ42の空間424の内部に収容され得る。
【0031】
第2コンテナ42はカートリッジ排出口422を備えることができる。カートリッジ排出口422は第2コンテナ42の一側部に形成され得る。カートリッジ排出口422は第2コンテナ42の側部から厚さ方向に突出した排出ポート423の内側に形成され得る。カートリッジ排出口422は第2コンテナ42の内部の空間424と連通し得る。
【0032】
フレーム43は第2コンテナ42の内部の空間424に挿入され、第2コンテナ42と結合され得る。第2コンテナ42の側壁から空間424に突出した締結部材426はフレーム43と締結されることによってフレーム43を固定することができる。
【0033】
フレーム43は内部に第2チャンバーC2を備えることができる。フレーム43は第2チャンバーC2を取り囲み、第2チャンバーC2の上部は開口し得る。第2チャンバーC2の上部はプレート45によって覆われ得る。
【0034】
フレーム43はチャンバー流入口431を備えることができる。チャンバー流入口431は第2チャンバーC2を取り囲む側壁の一面が開口することによって形成され得る。チャンバー流入口431は第2チャンバーC2と連通し得る。フレーム流路4310はフレーム43の上側に開口し得る。チャンバー流入口431はフレーム流路4310の一端に連結され得る。フレーム流路4310はフレーム流路4310の上端から下側に延び、前記チャンバー流入口431まで曲線形に延び得る。
【0035】
フレーム43はチャンバー排出口432を備えることができる。チャンバー排出口432はフレーム43の一側部に形成され得る。チャンバー排出口432は第2チャンバーC2と連通し得る。チャンバー排出口432はフレーム43の側部から厚さ方向に突出したポートの内側に形成され得る。チャンバー排出口432は第2チャンバーC2と連通し得る。チャンバー排出口432はカートリッジ排出口422に対応する位置に形成され得る。チャンバー排出口432は第2チャンバーC2に対して第2チャンバー流入口431の反対位置に形成され得る。フレーム43が第2コンテナ32と結合されると、チャンバー排出口432とカートリッジ排出口422とは互いに連通し得る。
【0036】
フレーム43は内部に芯溝434を備えることができる。芯溝434は第2チャンバーC2と連通し得る。芯溝434は第2チャンバーC2が一側に陥没することによって形成され得る。芯溝434は一対として形成され得る。一対の芯溝434は第2チャンバーC2の両側に形成され得る。一対の芯溝434は第2チャンバーC2を中心に互いに対して対向し得る。芯溝434の上部は開口し得る。
【0037】
芯441は第2チャンバーC2で横に長く延びる円筒形状を有し得る。芯441の両端は一対の芯溝434のそれぞれに挿入されて位置し得る。芯441の中心部は第2チャンバーC2に位置し得る。芯441は第2チャンバーC2の一側から他側に長く延びることができる。芯441は第1チャンバーC1と連結され、第1チャンバーC1から液体を受けることができる。芯441は芯溝434でフレーム43及びプレート45によって固定され得る。
【0038】
ヒーティングコイル442は芯441の中心部の周囲に巻かれ得る。ヒーティングコイル442は芯441の長手方向に沿って巻かれ得る。ヒーティングコイル442は第2チャンバーC2に配置され得る。ヒーティングコイル442は一対の芯溝434の間に位置し得る。
【0039】
ヒーティングコイル442は電気抵抗性ヒーターであり得る。ヒーティングコイル442は、電流を受けると、内部抵抗によって熱が発生し、熱が外部に放出され得る。ヒーティングコイル442は発熱して芯441を加熱することができる。ヒーティングコイル442は導体であり得る。
【0040】
リード443はヒーティングコイル442の端部に電気的に連結され得る。リード443は一対として形成され、ヒーティングコイル442の両端部のそれぞれに電気的に連結され得る。リード443はヒーティングコイル442の端部から芯441の外側に延び得る。リード443はフレーム43の底を貫通し、第2コンテナ42の底に配置された電極に電気的に連結され得る。バッテリー10はリード443及びヒーティングコイル442に順次電流を印加してヒーティングコイル442を発熱させることができる。リード443は伝導体であり得る。
【0041】
ヒーティングコイル442及びリード443は互いに異なる素材で形成され得る。リード443はヒーティングコイル442よりも抵抗が低い材料で形成され得る。リード443はヒーティングコイル442よりも抵抗の温度係数(TCR;Temperature Coefficient of Resistance、以下、TCRという)が小さい素材で形成され得る。ヒーティングコイル442はTCRの大きい素材で形成され、リード443はTCRが比較的に小さい素材で形成され得る。
【0042】
例えば、ヒーター30及びヒーティングコイル442は、カンタル、ニクロム、又はステンレススチールのうちのいずれか1種を含むことができる。ヒーター30は、ステンレススチールの一種であり、316Lステンレススチール素材を含むことができる。例えば、リード443は、ニッケル、金、又は銀のうちのいずれか1種を含むことができる。しかし、ヒーティングコイル442及びリード443の素材は前記例示に限定されない。
【0043】
よって、電流が流れるとき、リード443の抵抗変化量は相対的に少なく、抵抗に対する高い安全性を有し得る。
【0044】
ヒーター30はステンレススチールのうちの1種であり、316Lステンレススチール素材を含むことができる。316Lステンレススチールは低炭素鋼であり、耐粒界腐食性及び耐熱性に優れる。よって、温度及び湿度が高いカートリッジの内部環境でヒーター30がより安定になることができる。
【0045】
プレート451は第1コンテナ41と第2コンテナ42との間又は第1コンテナ41とフレーム43との間に結合され得る。プレート45は第1チャンバーC1の開口部分を覆って密閉することができる。プレート45はフレーム43の上部を覆うことができる。プレート45は第2チャンバーC2の開口部分を覆って密閉することができる。プレート45は第1チャンバーC1と第2チャンバーC2との間に配置され、第1チャンバーC1と第2チャンバーC2とを分離することができる。
【0046】
プレート45は一側に連結ホール451を備えることができる。連結ホール451は流入路412とフレーム流路4310との間に位置し得る。連結ホール451は流入路412とフレーム流路4310とを連結することができる。
【0047】
プレート45は液体流入ホール454を備えることができる。液体流入ホール454は芯溝434に対応する位置に一対が形成され得る。一対の液体流入ホール454は芯441の両端の上側に位置し得る。液体流入ホール454は、第1チャンバーC1と芯溝434とを連結することができる。芯441は液体流入ホール454を介して第1チャンバーC1と連結され得る。
【0048】
フック溝435はチャンバー排出口432に隣接した位置でチャンバー排出口432の上側に形成され得る。フック453はプレート45の一側から下側に突出し得る。フック453はフレーム43の上部に形成されたフック溝435に挿入されて締結され得る。プレート45がフレーム43に締結され、第2コンテナ42に結合された第1コンテナ41はプレート45のエッジ部をフレーム43に向けて押すことができる。
【0049】
空気はカートリッジ流入口411を通してカートリッジ40の内部に流入し、カートリッジ排出口422を通してカートリッジ40の外部に排出され得る。カートリッジ40の内部に流入した空気は、流入路412、連結ホール451、フレーム流路4310、チャンバー流入口431、第2チャンバーC2、チャンバー排出口432及びカートリッジ排出口422を順次通過して外部に排出され得る。
【0050】
ヒーティングコイル442が発熱して芯441を加熱すると、芯441から第2チャンバーC2内にエアロゾルが形成され得る。カートリッジ40を通過する空気は第2チャンバーC2でエアロゾルを伴ってカートリッジ排出口422に排出され得る。
【0051】
図7及び図8を参照すると、一対の芯溝434は第2チャンバーC2の両側に形成され得る。一対の芯溝434の間の距離L3は、芯441の長手方向を基準に、一対の芯溝434のそれぞれの内側端部の間の距離と定義することができる。一対の芯溝434の間の距離L3は、第2チャンバーC2の一側から他側までの距離L3又は第2チャンバーC2の幅l3と同一であり得る。例えば、一対の芯溝434の間の距離L3は約4.5mm~5.4mmであり得る。他の例として、一対の芯溝434の間の距離L3は約4.9mmであり得る。
【0052】
芯441は一側に長く延びることができる。芯441は周辺部441a及び中心部441bを備えることができる。周辺部441aは両端に形成され、中心部441bは一対の周辺部441aの間に形成され得る。
【0053】
芯441の両端のそれぞれは、一対の芯溝434のそれぞれに挿入されて配置され得る。一対の周辺部441aのそれぞれは一対の芯溝434のそれぞれに位置し、中心部441bは第2チャンバーC2の内部に位置し得る。芯441は芯溝434の一側から他側に延びることができる。芯441の長さL1は一対の芯溝434の間の距離L3よりも長くてもよい。例えば、芯441の長さL1は約6mm~12mmであり得る。他の例として、芯441の長さは約8mm~10mmであり得る。他の例として、芯441の長さL1は約9mmであり得る。
【0054】
芯441は第1チャンバーC1(図5参照)から液体を受けて濡れることができる。芯441は液体吸収性及び耐熱性を考慮した材料で形成され得る。一例として、芯441はコットンで形成されたコットン芯(cotton wick)であり得る。他の例として、芯441はシリカ繊維で形成されたシリカ芯(silica wick)であり得る。シリカ芯は、二酸化珪素を90%以上含むことができる。コットン芯はシリカ芯よりも相対的に液体吸収性が良い。しかし、シリカ芯は摂氏1400度の高温でも溶けず、耐熱範囲が摂氏700度くらいの優れた耐熱性を有するので、コットン芯よりも耐熱性に優れることができる。芯441がシリカ芯の場合、芯441がヒーティングコイル442の発熱によって焼けてしまうことにより、使用者に不快な焼けた味が伝達されることを防止し、安定的な味を具現することできる。
【0055】
ヒーティングコイル442は芯441の長手方向に芯441の中心部441bに巻かれ得る。中心部441bはヒーティングコイル442の内側に配置され、周辺部441aはヒーティングコイル442の外側に配置され得る。
【0056】
ヒーティングコイル442の長さL2は芯441の長手方向の長さと定義することができる。ヒーティングコイル442は第2チャンバーC2の内部に配置され得る。ヒーティングコイル442の長さL2は芯溝434の一側から他側までの距離L3を考慮して決定することができる。ヒーティングコイル442の長さL2は芯441が延びる芯溝434の一側から他側までの距離L3よりも短くてもよい。例えば、ヒーティングコイル442は芯441の長手方向に約3.0mm~3.5mmの長さL2を有し得る。他の例として、ヒーティングコイル442の長さL2は約3.25mmであり得る。芯441の中心部441bの長さは、ヒーティングコイル442の長さL2と同一又は類似であり得る。よって、第2チャンバーC2で芯441を霧化させる範囲が増加することができる。
【0057】
図9は、第1チャンバーC1から液体を吸収する芯441及びヒーティングコイル442によって発生するエアロゾルの量を概略的に示すグラフである。芯441から発生するエアロゾルの量はパフ当たりの質量損失(ML)(ミリグラム)によって特定することができる。これは、固定特性及びヒーティングコイル442に印加される固定電圧を有する機械パフ(machine puff)によるカートリッジ40に対して測定された質量の減少に対応し得る。使用者の満足度の観点で、8mgのパフ当たりの質量損失が良好な目標と見なされる。
【0058】
芯441はシリカ繊維からなる芯、すなわちシリカ芯である。図9は、シリカ芯に対する1.0Ω、1.1Ω、1.2Ω、1.3Ω、1.4Ω、1.5Ω、及び1.6Ωのヒーティングコイル442の抵抗に対する結果を示す。図9は、相異なる抵抗値を有するヒーティングコイル442に同じ電圧を印加しながらパフ当たりの質量損失を測定することによって得た複数の測定値を示す。また、図9は、パフ当たりの平均質量損失値を互いに連結することによってパフ当たりの質量損失の変化傾向を示す。
【0059】
コイルの抵抗が高いほど、それぞれのパフに対してより低い電力が消耗される傾向を有することが分かる。ヒーティングコイル442の抵抗値が低いほど、コイルの温度が上昇してエアロゾルが円滑に発生することができるが、温度の過度な上昇によって液体が焼けた味を有することがあり、デバイスの電力消耗が増加することがある。一方、ヒーティングコイル442の抵抗値が高いほど、デバイスの電力消耗量は減少するが、エアロゾルが十分に発生しないことがある。
【0060】
ヒーティングコイル442は、約1.0Ω~1.3Ωの抵抗を有し得る。他の例として、ヒーティングコイル442は、約1.1Ω~1.25Ωの抵抗を有し得る。他の例として、ヒーティングコイル442は、約1.1Ωの抵抗を有し得る。ここで、カートリッジ組立品を基準とする電気抵抗は1.20Ω~1.25Ωの値を有することができる。よって、8mgのパフ当たりの目標質量損失を十分に達成することができる。
【0061】
図7図9を参照すると、ヒーティングコイル442の抵抗値は、ヒーティングコイル442の素材による透磁率、ヒーティングコイル442が芯441の周囲に巻かれる回数、ヒーティングコイル442のワイヤーの厚さ又は太さ(ゲージ;gauge)、ヒーティングコイル442の長さL2、ヒーティングコイル442が取り囲む領域の面積などによって影響を受けることができる。ヒーティングコイル442が芯441の周囲に巻かれる回数が多くなるほど、ヒーティングコイル442のゲージが高いほど、ヒーティングコイル442の長さL2が短いほど、及びヒーティングコイル442が取り囲む芯441の領域の面積が大きいほど、ヒーティングコイル442の抵抗値が大きくなることができる。ヒーティングコイル442は、所定の長さL2の範囲で、1.0Ω~1.3Ωの抵抗値を有するように構成され得る。以下、1.0Ω~1.3Ωの抵抗値を有するためのヒーティングコイル442の仕様について説明する。
【0062】
ヒーティングコイル442は芯441の中心部441bの周囲に巻かれて中心部441bの外径D2を形成することができる。芯441の外径D1は周辺部441aの外径D1と定義することができる。中心部441bの外径D2は周辺部441aの外径D1よりも小さくてもよい。例えば、周辺部441aの外径D1は約2mm~3.5mmであり得る。他の例として、周辺部441aの外径D1は約2.5mm~3.0mmであり得る。例えば、中心部441bの外径D2は約1.8mm~2.2mmであり得る。他の例として、中心部441bの外径D2は約2mmであり得る。ヒーティングコイル442が取り囲む領域の面積は中心部441bの外径D2によって決定され得る。
【0063】
前述したように、ヒーティングコイル442の長さL2は、芯溝434の一側から他側までの距離L3を考慮して決定することができる。例えば、ヒーティングコイル442の長さL2は3.0mm~3.5mmであり得る。他の例として、ヒーティングコイル442の長さL2は3.25mmであり得る。
【0064】
ヒーティングコイル442のワイヤーは、芯441の長手方向に互いに接触せず、所定の間隔wで離隔し、芯441の周囲に巻かれ得る。中心部441bで、ヒーティングコイル442のワイヤーの間の間隔wは0.38mm~0.42mmであり得る。よって、電流が流れるヒーティングコイル442のワイヤーの間の接触によって発生し得る短絡を防止することができる。
【0065】
ヒーティングコイル442は、所定の長さL2の範囲及び直径D2の範囲で、芯の加熱部分の面積及び目標抵抗値を考慮して、ワイヤーが互いに干渉しないように芯441の周囲に巻かれ得る。例えば、ヒーティングコイル442は芯441の周囲に7回~9回巻かれ得る。他の例として、ヒーティングコイル442は芯441の周囲に8回巻かれ得る。
【0066】
ヒーティングコイル442は、上述したヒーティングコイル442の仕様によって、1.0Ω~1.3Ωの抵抗値を有するための適切なゲージを有する素材で形成され得る。例えば、ヒーティングコイル442は、20Ga~30Gaの厚さを有するように形成され得る。例えば、ヒーティングコイル442は、22Ga、24Ga、26Ga、28Ga、又は30Gaのうちのいずれか一つの厚さを有するように形成され得る。例えば、ヒーティングコイル442は、カンタル、ニクロム、ステンレススチールなどの金属のうちのいずれか1種で形成され得る。例えば、ヒーティングコイル442は、ステンレススチールの1種である316Lステンレススチールで形成され得る。しかし、ヒーティングコイル442のゲージ及び素材は適宜組み合わせられ得る。
【0067】
本発明の一実施例で、芯441はシリカ芯であり得る。ここで、ヒーティングコイル442の電気抵抗は1.10Ω~1.20Ωであり得る。ここで、ヒーティングコイル442の電気抵抗値は1.15Ωを有することができる。ここで、前記ヒーティングコイル442の電気抵抗の条件を達成するために、ヒーティングコイル442は、芯441の長手方向に3.25mm前後の長さL2で芯441の周囲に8回巻かれ得る。ここで、芯441の外径は2.5mm前後であり得る。ここで、ヒーティングコイル442は、コイルが互いに接触しないように巻かれ得る。ここで、ヒーティングコイル442はステンレススチール素材のうちの1種であり、316Lステンレススチールを含むことができる。本実施例によるカートリッジを含むエアロゾル生成装置によって気化したグリセリン成分を分析した結果、エアロゾル生成装置は熱分解を効果的に防止することが分かる。その結果、エアロゾル生成装置は、ヒーティングコイル442の温度の過度上昇によって芯441が焼ける現象を防止し、よって使用者に安定的なエアロゾルを提供することできる。
【0068】
図1図9を参照すると、本開示の一側面によるカートリッジは、液体を貯蔵する第1チャンバーと、空気が通過可能な第2チャンバーと、前記第2チャンバーを横切って延び、前記第1チャンバーから液体を受ける芯と、前記芯を加熱するヒーティングコイルと、を含み、前記芯はシリカ芯(silica wick)であり、前記ヒーティングコイルは1.0Ω~1.3Ωの範囲の電気抵抗を有し得る。
【0069】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルの電気抵抗は1.15Ωであり得る。
【0070】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルの電気抵抗は1.20Ω~1.25Ωの範囲であり得る。
【0071】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルは、前記芯の長手方向に、3.0mm~3.5mmの長さを有し、前記芯の周囲に7回~9回巻かれ得る。
【0072】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルは、前記芯の周囲に8回巻かれ得る。
【0073】
本開示の他の側面によれば、ヒーティングコイルのワイヤーは、前記芯の長手方向に互いに0.38mm~0.42mmの間隔wで離隔して前記芯の周囲に巻かれ得る。
【0074】
本開示の他の側面によれば、前記カートリッジは、前記第2チャンバーの両側に形成され、それぞれ前記芯の対応端部を収容する一対の芯溝を含み、前記ヒーティングコイルは前記一対の芯溝の間で前記芯の周囲に巻かれ、前記一対の芯溝の間の距離は4.7mm~5.1mmの範囲であり得る。
【0075】
本開示の他の側面によれば、前記芯は6mm~12mmの長さL1を有し得る。
【0076】
本開示の他の側面によれば、前記芯は2.5mm~3.0mmの外径D1を有し得る。
【0077】
本開示の他の側面によれば、前記芯の外径D1は、2.5mmであり得る。
【0078】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルが巻かれた前記芯の中心部は1.9mm~2.1mmの外径D2を有し、前記ヒーティングコイルが巻かれていない前記芯の周辺部は2.5mm~3.0mmの外径D1を有し得る。
【0079】
本開示の他の側面によれば、前記カートリッジは、前記ヒーティングコイルの両端部に電気的に連結され、前記芯から延び、前記ヒーティングコイルの素材よりも低い抵抗の温度係数(TCR)を有する素材で形成されるリードをさらに含むことができる。
【0080】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルは、カンタル、ニクロム、又はステンレススチールのうちのいずれか1種で形成され、前記リードは、ニッケル、金、又は銀のうちのいずれか1種で形成され得る。
【0081】
本開示の他の側面によれば、前記ヒーティングコイルは、316Lステンレススチールを含むことができる。
【0082】
本開示の一側面によるエアロゾル生成装置は、前記カートリッジが結合されるボディーと、前記ボディーの内部に形成され、前記カートリッジと前記エアロゾル生成装置の外部とを連通させる長い挿入空間と、を含むことができる。
【0083】
前述した本開示の特定の実施例又は他の実施例は互いに排他的であるか区別されるものではない。前述した本開示の実施例の特定の要素又は全ての要素は構成又は機能が他の要素と組み合わせられるか互いに組み合わせられることができる。
【0084】
例えば、本開示及び図面の一実施例で説明したA構成と本開示及び図面の他の実施例で説明したB構成は互いに組み合わせられることができる。すなわち、構成間の組合せについて直接的に説明しない場合であっても、前記組合せが不可であると説明した場合を除き、前記組合せは可能である。
【0085】
以上で実施例を多数の例示的実施例に応じて説明したが、本開示の原理の範囲に属する技術分野の当業者であれば多くの他の変形例及び実施例が可能であることを理解しなければならない。より具体的には、本開示、図面及び添付の特許請求の範囲の範囲内の対象組合せの構成部及び/又は配置において多様な修正例及び変形例が可能である。前記構成部及び/又は配置の修正例及び変形例に加えて、別の用途も当業者に明らかになるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】