(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】スマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム
(51)【国際特許分類】
H05B 6/12 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H05B6/12 316
H05B6/12 318
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519884
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 KR2022007966
(87)【国際公開番号】W WO2023054835
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0130801
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520457546
【氏名又は名称】ピースワールド カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PEACEWORLD.CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】76,Hanam-daero,Hanam-si Gyeonggi-do 13026,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミョン オク
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ウ
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151AA23
3K151BA93
3K151CA05
3K151CA24
(57)【要約】
ある一空間に複数個が配置され、磁場透過用天板が結合されるテーブル;前記天板の下側にそれぞれ固定設置されて前記天板の上側に位置する専用容器を加熱させるインダクションユニット;およびRF信号を送信する送信部が設置され、前記インダクションユニットと一対をなすように前記インダクションユニットの個数と同一数量で設けられるパッド;を含み、前記インダクションユニットは、前記インダクションユニットが互いに識別されるように固有の第1キー情報が設定、保存される第1識別部;前記インダクションユニットを制御する制御信号を生成する制御モジュール;および前記制御モジュールと電気的に連結されてRF信号を受信する受信部;を含むスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある一空間に複数個が配置され、磁場透過用天板が結合されるテーブル;
前記天板の下側にそれぞれ固定設置されて前記天板の上側に位置する専用容器を加熱させるインダクションユニット;および
RF信号を送信する送信部が設置され、前記インダクションユニットと一対をなすように前記インダクションユニットの個数と同一数量で設けられるパッド;を含み、
前記インダクションユニットは、
前記インダクションユニットが互いに識別されるように固有の第1キー情報が設定、保存される第1識別部;前記インダクションユニットを制御する制御信号を生成する制御モジュール;および前記制御モジュールと電気的に連結されてRF信号を受信する受信部;を含む、スマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項2】
前記パッドは
真ん中に配置される磁石部と、上側に露出されて専用容器の温度を測定する第2センサ部が形成される受け部;および
前記受け部から一側に延び、前記第2センサ部と電気的に連結される印刷回路基板が配置される本体部;を含む、請求項1に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項3】
前記インダクションユニットは、前記磁石部によって発生する磁場を検出する第1センサ部;を含む、請求項2に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項4】
前記第1キー情報は記号、文字、図形およびこれらの結合のうちいずれか一形態であり、前記第1キー情報は視覚的に表示され、
前記パッドは前記第1キー情報と一対一マッチングされる第2キー情報が設定、保存される第2識別部;を含む、請求項1に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項5】
前記天板の上面のうちいずれか一領域には認識領域が形成され、
前記制御モジュールは前記パッドが前記認識領域内に位置するかどうかをチェックするマッチング確認部;を含む、請求項4に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項6】
前記インダクションユニットの電源がすべてOn状態で、前記インダクションユニットのうちいずれか一つが前記第2キー情報を受信すると、
前記第2キー情報を受信したインダクションユニットに含まれるマッチング確認部は、前記第2キー情報を送信したパッドが予め設定される第1制限時間以内に前記認識領域内に位置するかどうかをチェックする、請求項5に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項7】
前記天板の上面のうちいずれか一領域にはスイッチング領域が形成され、
前記磁石部が前記スイッチング領域内に位置するように前記パッドが前記天板に配置されると、前記制御モジュールは前記インダクションユニットを待機モードから加熱モードに切り換えるモード切換部;を含む、請求項2に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項8】
前記制御モジュールは、
前記インダクションユニットが待機モードから加熱モードに切り換えられる第1時点から予め設定される第2制限時間以内に前記第1キー情報と一対一マッチングされるパッドを通じて測定される温度値が予め設定される第1温度を超過しないと、
前記加熱モードを解除させるマッチング再確認部;を含む、請求項7に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項9】
前記制御モジュールは、
前記第1キー情報と一対一マッチングされるパッドを通じて測定される温度値が予め設定される第2温度を超過するかどうかをモニタリングして、専用容器の過熱の有無を監視する容器過熱監視部;を含む、請求項2に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【請求項10】
前記制御モジュールは、
前記第1キー情報と一対一マッチングされるパッドを通じて測定される温度値が前記第2温度を超過すると、前記インダクションユニットに対する加熱モードを解除してオフモードに切り換える、請求項9に記載のスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインダクションシステムに関し、さらに詳細にはインダクションとセットで使われるパッドを正確にマッチングさせ、同時に使用上の安全を多重で確保できるアンダーインダクションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食の調理のための加熱装置として、電子レンジ、ガスレンジ、オーブンなどが使われてきた。しかし、室内空気の汚染問題、室内温度の上昇問題などの理由で最近インダクション(Induction range)の使用が増加している。インダクションは誘導加熱方式を採択した加熱調理器具であって、高いエネルギー効率と安定性の側面で大きな長所を有する。また、インダクションは酸素の消耗がなく、廃ガスの排出がないという長所を有する。インダクションは高周波電流を流すと発生する磁力線がインダクションの上側に置かれた専用容器の底を通過する時、抵抗成分によって生成される渦流電流を利用して専用容器自体のみを加熱させる。
【0003】
一方、インダクションは磁場が及ぼす範囲が比較的狭いため、インダクションそのものの天板の真上に専用容器を載せて使うことになる。これとは異なって、既存の飲食物による汚染や損傷問題などでその設置位置を食卓の下部に変更する場合もある。このような場合、インダクションは食卓の天板の上面を保護したり、使用者の安全などを理由に、インダクションと通信する別途のパッドを使うことができる。しかし、広い空間に多数個のインダクションが配置される場合、インダクションとセットを構成するパッドを一対一にマッチングさせることが難しいという問題点がある。また、アンダーインダクションの場合、インダクションが外部に露出されないため、使用過程で使用者の不注意などにより火災の発生可能性が高いという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は前記のような問題点を解決するために案出されたもので、複数個のテーブルなどの天板の下に設置されるインダクションとインダクションに対応する複数個のパッドが正確かつ容易にそれぞれ互いに一対一マッチングされて一対を構成できるようにする。
【0005】
また、インダクションとパッド間の機能をより拡張して、インダクションの使用上の安全を多重で確保しようとする。これを通じて、インダクションによる火災などの事故を事前に予防しようとする。
【0006】
インダクションに付属するパッドを利用して、インダクションをより多様に制御しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は前記のような課題を解決するために、ある一空間に複数個が配置され、磁場透過用天板が結合されるテーブル;前記天板の下側にそれぞれ固定設置されて前記天板の上側に位置する専用容器を加熱させるインダクションユニット;およびRF信号を送信する送信部が設置され、前記インダクションユニットと一対をなすように前記インダクションユニットの個数と同一数量で設けられるパッド;を含み、前記インダクションユニットは、前記インダクションユニットが互いに識別されるように固有の第1キー情報が設定、保存される第1識別部;前記インダクションユニットを制御する制御信号を生成する制御モジュール;および前記制御モジュールと電気的に連結されてRF信号を受信する受信部;を含む、スマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステムを提供する。
【0008】
前記パッドは真ん中に配置される磁石部と、上側に露出されて専用容器の温度を測定する第2センサ部が形成される受け部;および前記受け部から一側に延び、前記第2センサ部と電気的に連結される印刷回路基板が配置される本体部;を含むことが好ましい。
【0009】
前記インダクションユニットは、前記磁石部によって発生する磁場を検出する第1センサ部;を含むことが好ましい。
【0010】
前記第1キー情報は記号、文字、図形およびこれらの結合のうちいずれか一形態であり、前記第1キー情報は視覚的に表示され、前記パッドは前記第1キー情報と一対一マッチングされる第2キー情報が設定、保存される第2識別部;を含むことが好ましい。
【0011】
前記天板の上面のうちいずれか一領域には認識領域が形成され、前記制御モジュールは前記パッドが前記認識領域内に位置するかどうかをチェックするマッチング確認部;を含むことが好ましい。
【0012】
前記インダクションユニットの電源がすべてOn状態で、前記インダクションユニットのうちいずれか一つが前記第2キー情報を受信すると、前記第2キー情報を受信したインダクションユニットに含まれる前記マッチング確認部は、前記第2キー情報を送信したパッドが予め設定される第1制限時間以内に前記認識領域内に位置するかどうかをチェックすることが好ましい。
【0013】
前記天板の上面のうちいずれか一領域にはスイッチング領域が形成され、前記磁石部が前記スイッチング領域内に位置するように前記パッドが前記天板に配置されると、前記制御モジュールは前記インダクションユニットを待機モードから加熱モードに切り換えるモード切換部;を含むことが好ましい。
【0014】
前記制御モジュールは、前記インダクションユニットが待機モードから加熱モードに切り換えられる第1時点から予め設定される第2制限時間以内に前記第1キー情報と一対一マッチングされるパッドを通じて測定される温度値が予め設定される第1温度を超過しないと、前記加熱モードを解除させるマッチング再確認部;を含むことが好ましい。
【0015】
前記制御モジュールは、前記第1キー情報と一対一マッチングされるパッドを通じて測定される温度値が予め設定される第2温度を超過するかどうかをモニタリングして、専用容器の過熱の有無を監視する容器過熱監視部;を含むことが好ましい。
【0016】
前記制御モジュールは、前記第1キー情報と一対一マッチングされるパッドを通じて測定される温度値が前記第2温度を超過すると、前記インダクションユニットに対する加熱モードを解除してオフモードに切り換えることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上で詳察したような本発明の課題解決手段によると、次のような事項を含む多様な効果が期待できる。ただし、本発明は下記のような効果をすべて発揮してこそ成立するものではない。
【0018】
本発明の一実施例に係るスマートパッドによって安全性を強化させたアンダーインダクションシステムは、複数個のテーブルなどの天板の下に設置されるインダクションとインダクションに対応する複数個のパッドが正確かつ容易にそれぞれ互いに一対一にマッチングされて一対を構成することができる。
【0019】
また、インダクションとパッド間の機能をより拡張して、インダクションの使用上の安全を多重で確保できる。これを通じて、インダクションによる火災などの事故を事前に予防することができる。
【0020】
また、インダクションに付属するパッドを利用して、インダクションをより多様に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例に係るアンダーインダクションシステムのブロック図である。
【
図2】
図1のインダクションユニットがオフモード、待機モードおよび加熱モードの間に切り換えられる過程を示す図面である。
【
図3】複数個のインダクションユニットと複数個のパッドが一対一マッチングされることを示す図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係るアンダーインダクションシステムの概略的構成を示す図面である。
【
図5】
図4のパッドが認識領域内に配置された状態を示す図面である。
【
図6】
図4のパッドがスイッチング領域内に配置された状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の構成および効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本開示の好ましい実施例を説明する。しかし、本開示は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、種々の形態で具現され得、多様な変更を加えることができる。以下、本発明の説明において関連した公知機能について、この分野の技術者に自明な事項であって本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0023】
第1、第2等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われ得る。例えば、本開示の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。
【0024】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである
【0025】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本開示の実施例で使われる用語は異なって定義されない限り、該当技術分野で通常の知識を有する者に通常的に知られている意味で解釈され得る。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係るアンダーインダクションシステムのブロック図であり、
図2は
図1のインダクションユニットがオフモード、待機モードおよび加熱モードの間に切り換えられる過程を示す図面であり、
図3は複数個のインダクションユニットと複数個のパッドが一対一マッチングされることを示す図面である。
【0027】
図4は本発明の一実施例に係るアンダーインダクションシステムの概略的構成を示す図面であり、
図5は
図4のパッドが認識領域内に配置された状態を示す図面であり、
図6は
図4のパッドがスイッチング領域内に配置された状態を示す図面である。
【0028】
【0029】
図1~
図8を参照すると、本発明の一実施例に係るアンダーインダクションシステムはテーブル100、インダクションユニット200、パッド3000、第1識別部210、制御モジュール220、受信部230等を含むことができる。また、本システムはエネルギー効率性が優秀な専用容器400をさらに含むことができる。
【0030】
テーブル100はフレームとフレームの上部に結合される天板110等を含むことができる。ここで、テーブル100はある一空間に複数個が配置される。そして、天板110は地面から一定の高さに位置することになる。天板110はインダクションユニット200が設置される対象であり、一般的な食卓などの天板110を意味し得る。
【0031】
また、テーブル100には特に、磁場透過用天板110が結合される。このために、天板110は具体的には大理石、木、ガラスなどの非磁性体グループから選択されるいずれか一つの材質で形成され得る。また、天板110は上、下面が平坦な平面で形成され、予め設定された範囲内の厚さを有することが好ましい。この時、天板110はその材質により厚さ範囲が変更され得る。
【0032】
天板110の上面のうちいずれか一領域には認識領域Aが形成され得る。認識領域Aはパッド3000がテーブル100の天板110に配置される場合、インダクションユニット200がパッド3000の存否を認識できる最大領域を意味する。認識領域Aは天板110のいずれか一領域であって天板110の上面に表示され得る。
【0033】
また、天板110の上面のうちいずれか一領域にはスイッチング領域Bが形成され得る。一実施例に係るスイッチング領域Bは認識領域Aの内部に存在することになる。すなわち、認識領域Aはスイッチング領域Bをすべて含む。スイッチング領域Bはパッド3000の平面の形状により変り得るが、通常円形で形成されることが好ましい。このようなスイッチング領域Bは天板110の上面に表示され得る。インダクションユニット200はパッド3000がスイッチング領域Bに位置する場合にはじめて、インダクションユニット200に加熱(heating)のための電源が供給されるように設定される。すなわち、インダクションユニット200は待機モードM2から加熱モードM3に切り換えられる。
【0034】
インダクションユニット200は電源部250を含む。そして、電源部250は電源ボタンまたはOn/Offボタンを含む。その結果、インダクションユニット200の電源がOnになると、インダクションユニット200はオフモードM1から待機モードに切り換えられる。本システムでインダクションユニット200は待機モードから加熱モードに切り換えられる時、専用容器400に対する加熱動作を開始することができる。一方、インダクションユニット200が待機モードから加熱モードに切り換えられるためにはインダクションユニット200はモード切換部222による制御信号が発生しなければならない。そして、第1センサ部240は予め設定された範囲の磁場を検出しなければならない。一方、インダクションユニット200は電源がOffになると、加熱モードまたは待機モードからオフモードに切り換えられる。
【0035】
インダクションユニット200は磁場を利用して専用容器400そのものに熱を誘導させる間接的方式で専用容器400内の飲食物を加熱する。一実施例に係るインダクションユニット200は天板110の下側にそれぞれ固定設置されて、天板110の上側に位置する専用容器400を加熱させる。インダクションユニット200は内部の円形コイル202により形成される磁場を天板110の上側に位置する専用容器400に誘導する。具体的には、インダクションユニット200は円形コイル202、コイルベース部、第1識別部210、制御モジュール220、受信部230、第1センサ部240等を収容するケースを含む。
【0036】
円形コイル202はインダクションユニット200の制限された内部空間に配置される。その結果、一実施例に係る円形コイル202は単位面積当たりターン(turn)数を高くして専用容器400に対する加熱効率を最大化することが必要である。このために、円形コイル202は円形コイルベース部(図示されず)に複数回同心の形態で巻き取られ、少なくとも一つ以上のターンを有するように形成され得る。一方、このような円形コイル202の中心には空いた空間が形成される。
【0037】
一実施例に係るコイルベース部はケースの上部内側面に近接または接触配置されることが好ましい。これは、本システムはインダクションユニット200がテーブル100の天板110の下側に配置されるアンダーインダクションシステムであることに起因する。その結果、インダクションユニット200の誘導加熱の性能をより向上させることができる。
【0038】
本システムでインダクションユニット200は後述する磁石部3110により発生する磁場を検出する第1センサ部240を含むことができる。インダクションユニット200が待機モードから加熱モードに切り換えられると、第1センサ部240は第1センサ部240とパッド3000に配置される磁石部3110の間の直線距離aを測定する。そして、測定距離が予め設定された有効範囲以内に属する場合、測定距離によってインダクションユニット200に供給される電源は異なるように調節される。
【0039】
パッド3000は磁石部3110によってその周辺に磁場を形成する。第1センサ部240は磁場と反応する時に発生する少量の電圧を検出した後、これをトランジスタを通じて増幅する方法でセンサの役割をする。第1センサ部240はパッド3000を利用して天板110の厚さを測定することができる。このような第1センサ部240はインダクションユニット200の内部空間に配置される。特に、第1センサ部240はインダクションユニット200の内部空間のうち円形コイル202の中心に配置されることが好ましい。この時、第1センサ部240はケースの上部内側面に近接または接触配置されることが好ましい。円形コイル202と第1センサ部240はインダクションユニット200内で同一高さに位置することができる。
【0040】
また、第1センサ部240は円形コイル202の中心から鉛直上方または鉛直下方に位置することができる。すなわち、第1センサ部240は円形コイル202の中心を垂直通過する仮想の直線上に配置される。このように、本システムは非接触式第1センサ部240を採択して半永久的な使用が可能である。
【0041】
一実施例に係る第1センサ部240はホールセンサ241、A/D変換部242等を含む。ホールセンサ241は磁石部3110の磁場を検出する。このようなホールセンサ241はBipolarタイプであって、N極とS極による磁場をそれぞれ検出することができる。ホールセンサ241は電線等を通じて後述する印刷回路基板と連結され得る。
【0042】
A/D変換部242はホールセンサ241で測定された電圧をデジタル値に変換する。一方、デジタル値は送信部3220を通じてインダクションユニット200に伝送され得る。インダクションユニット200はデジタル値を演算して、第1センサ部240と磁石部3110の間の直線距離aに換算され得る。これを通じて、一実施例に係るアンダーインダクションシステムは天板110の厚さを測定することができる。一方、一実施例に係るインダクションユニット200の性能を考慮する時、一実施例に係る第1センサ部240と磁石部3110の間の直線距離aは1mm~60mm範囲で形成されることが好ましい。
【0043】
一方、第1センサ部240は内部に空いた空間を有する円形収納部204に配置され得る。このような円形収納部204は下面およびその側面が金属性遮蔽部材で形成され得る。円形収納部204は円形コイル202の中心に配置され、コイルベース部に嵌合され得る。円形収納部204は円形コイル202の中心を垂直通過する仮想の直線上に配置されることが好ましい。一方、円形収納部204の側面の上端はケースの上部内側面と接触配置され得る。
【0044】
第1識別部210はインダクションユニット200が互いに識別されるように固有の第1キー(Key)情報が設定、保存される。使用者は第1識別部210に予め設定された第1キー情報を入力することができる。ここで、第1キー情報は記号、文字、図形およびこれらの結合のうちいずれか一形態であり、第1キー情報は視覚的に表示され得る。その結果、使用者はインダクションユニット200を識別することができる。一実施例に係る第1キー情報は例えば、数字であり得る。すなわち、インダクションユニット200は数字形態で識別され得る。また、インダクションユニット200はテーブル100に設置されるところ、テーブル100は数字形態で識別され得る。
【0045】
一方、パッド3000は第1キー情報と一対一マッチングされる第2キー情報が設定、保存される第2識別部3210を含むことができる。第2識別部3210は本体部3200の印刷回路基板に形成され得る。使用者は第2識別部3210に予め設定された第2キー情報を入力することができる。ここで、第2キー情報は第1キー情報に対応して記号、文字、図形およびこれらの結合のうちいずれか一形態であり得る。第2キー情報も外部に表示され得る。これを通じて、使用者はパッド3000を識別することができる。
【0046】
また、第1キー情報と第2キー情報は互いに一対一マッチングされるように形成される。すなわち、いずれか一つのパッド3000はこれと一対一対応するいずれか一つのインダクションユニット200とセットを構成することになる。これを通じて、複数個のパッド3000の中でいずれか一つのインダクションユニット200とセットを構成するいずれか一つのパッド3000を容易に捜し出すことができる。例えば、インダクションユニット200が99個配置され、インダクションユニット200に対応してこれとそれぞれセットを構成するパッド3000が99個設けられる。この時、インダクションユニット200にn1~n99の第1キー情報が付与され得る。また、パッド3000にm1~m99の第2キー情報が付与され得る。ここで、インダクションユニット200(n1)はパッド3000(m1)と一対一マッチングされると仮定する。この時、同じ方式でインダクションユニット200(n2)はパッド3000(m2)と一対一マッチングされ得る。
【0047】
受信部230は制御モジュール220と電気的に連結され、RF信号を受信する機能をする。受信部230はインダクションユニット200とセットを構成するいずれか一つのパッド3000から送信されるRF信号のみを受信する。複数個のインダクションユニット200のうちいずれか一つのインダクションユニット200に含まれる受信部230でRF信号を受信すると、受信部230は制御モジュール220に電気的信号を伝送して第1キー情報が使用者に表示されるようにする。一方、パッド3000から送信されるRF信号には第2キー情報が含まれ得る。
【0048】
制御モジュール220はインダクションユニット200を制御する制御信号を生成する。制御モジュール220は印刷回路基板に形成される電気配線とその上面に実装される半導体、コンデンサ、抵抗などの回路素子を利用して形成され得る。一実施例に係る制御モジュール220はマッチング確認部221、モード切換部222、マッチング再確認部223、容器過熱監視部224等を含むことができる。
【0049】
マッチング確認部221はパッド3000が認識領域A内に位置するかどうかをチェックする。具体的には、インダクションユニット200の電源がすべてOn状態で、インダクションユニット200のうちいずれか一つが第2キー情報を受信すると、第2キー情報を受信したインダクションユニット200に含まれるマッチング確認部221は第2キー情報を送信したパッド3000が予め設定される第1制限時間以内に認識領域A内に位置するかどうかをチェックする。一方、第2キー情報を受信するインダクションユニット200は複数個のインダクションユニット200のうち第2キー情報と一対一マッチングされるように予め設定されるいずれか一つを意味する。
【0050】
ここで、パッド3000は送信部3220を通じて第2キー情報をRF信号で送信する。このために、使用者はパッド3000の押しボタン3230を加圧してOnにさせる。この時、インダクションユニット200のうちパッド3000と一対一マッチングされるいずれか一つが受信部230を通じてRF信号を受信する。インダクションユニット200はRF信号を受信すると直ちに、第1キー情報を視覚的に表示することになる。一方、使用者はパッド3000を第1制限時間以内に第2キー情報と一対一マッチングされるインダクションユニット200の天板110のうち特に認識領域A内に位置させることが好ましい。
【0051】
第1制限時間以内にパッド3000が認識領域A内に位置する場合、パッド3000の押し状態すなわち、On状態はそのまま維持される。しかし、第1制限時間を超過した以後、パッド3000が認識領域A内に位置すると、パッド3000の押し状態は解除される。この時、使用者はパッド3000の押しボタンを加圧して再びOnに変更させることにより第2キー情報を含むRF信号で再び送信しなければならない。
【0052】
モード切換部222はインダクションユニット200を待機モードから加熱モードに切り換える。インダクションユニット200は電源ボタンを加圧してOnにさせると、待機モードとなる。この時、インダクションユニット200には加熱のための電力は供給されないため、専用容器400を加熱させることはできない。一方、待機モードのインダクションユニット200を加熱モードに切り換えるために、使用者は磁石部3110がスイッチング領域B内に位置するようにパッド3000を天板110に位置させることができる。
【0053】
すなわち、磁石部3110がスイッチング領域B内に位置するようにパッド3000が天板110に配置されると、モード切換部222はインダクションユニット200を待機モードから加熱モードに切り換えることができる。ただし、磁石部3110がスイッチング領域B内に位置するようにパッド3000が天板110に配置されるのであれば、いずれか一つのインダクションユニット200と一対一マッチングされるパッド3000ではない場合でも、インダクションユニット200は待機モードから加熱モードに切り換えられ得る。
【0054】
マッチング再確認部223はインダクションユニット200が待機モードから加熱モードに切り換えられる第1時点から予め設定される第2制限時間以内に第1キー情報と一対一マッチングされるパッド3000(具体的には、第2センサ部3120)を通じて測定される温度値が予め設定される第1温度を超過しないと、加熱モードを解除させる。
【0055】
例えば、インダクションユニット200のうちいずれか一つである第1インダクションユニットと一対一マッチングされるパッド3000を第1パッドであると仮定する。この時、第1インダクションユニットは第2パッドによっても待機モードから加熱モードに切り換えられ得る。そして、第1センサ部240は第1センサ部240とパッド3000に配置される磁石部3110の間の直線距離を測定する。そして、測定距離が予め設定された有効範囲以内に属する場合、第1インダクションユニットに配置される専用容器400は加熱され得る。
【0056】
しかし、第2パッドが使われた場合、第1インダクションユニットは第2パッドに内蔵される第2センサ部3120を通じて測定される温度値を受信することはできない。これは前述した通り、第1インダクションユニットと第1パッドが互いに一対一マッチングされるように設定されて相互にRF通信が可能であるためである。
【0057】
したがって、マッチング再確認部223はいずれか一インダクションユニット200と一対一マッチングされるいずれか一パッド3000ではない他のパッド3000が使われる場合、該当インダクションユニット200が待機モードから加熱モードに切り換えられても、切り換えられる時点から第2制限時間以内にこれと一対一マッチングされる該当パッド3000の第2センサ部3120を通じて測定される温度値が予め設定される第1温度を超過しないと、インダクションユニット200の加熱モードを解除させることができる。すなわち、インダクションユニット200はオフモードとなる。
【0058】
容器過熱監視部224は第1キー情報と一対一マッチングされるパッド3000を通じて測定される温度値が予め設定される第2温度を超過するかどうかをモニタリングして、専用容器400の過熱の有無を監視する。ここで、第2温度は摂氏100度を超過する任意の値であり得る。例えば、専用容器400内に水などの内容物がない場合、専用容器400は過熱され得る。
【0059】
すなわち、制御モジュール220は第1キー情報と一対一マッチングされるパッド3000を通じて測定される温度値が第2温度を超過すると、インダクションユニット200に対する加熱モードを解除してオフモードに切り換えることができる。これは、過熱による火災などの安全事故を効果的に防止することができる。
【0060】
パッド3000はインダクションユニット200と一対をなすようにインダクションユニット200の個数と同一数量で設けられる。すなわち、パッド3000はインダクションユニット200と一対一(1:1)で対をなす。本システムでパッド3000はいずれか一パッド3000と一対一マッチングされるインダクションユニット200(またはインダクションユニットが設置されるテーブル)をサーチする機能、インダクションユニット200を待機モードから加熱モードに切り換える機能、専用容器400の温度を測定する機能、専用容器400が上面に安定的に載置されるようにする機能、インダクションユニット200が待機モードであるかどうかを確認する機能、インダクションユニット200を加熱モードまたは待機モードからオフ(OFF)モードに切り換える機能などを提供することができる。これはパッド3000に形成される押しボタンを通じてなされる。
【0061】
このようなパッド3000は受け部3100、本体部3200を含むことができる。受け部3100は真ん中に配置される磁石部3110と、上側に露出されて専用容器400の温度を測定する第2センサ部3120を含むことができる。
【0062】
受け部3100には専用容器400が載置される。このために、受け部3100は耐熱性は高いが、熱伝達率が低い材質で形成されることが好ましい。例えば、受け部3100はシリコン、ゴム、大理石、木、ガラスなどのグループから選択されるいずれか一つの材質で形成され得る。一実施例に係る受け部3100は円形プレート状を有する。このような受け部3100の下面にはパッド3000が天板110に安定的に配置され得るように摩擦係数が大きい材質のすべり防止部が突出形成され得る。
【0063】
一実施例に係る磁石部3110はパッド3000の受け部3100の上面から上側に突出形成される。これを通じて、使用者は磁石部3110の位置を確認することができる。磁石部3110は周辺に磁場を形成する。そして、第1センサ部240はこのような磁場を感知する方法でパッド3000を認識することになる。磁石部3110は両端にN極とS極が形成される磁石であり得る。そして、このような磁石部3110によりパッド3000の周辺に形成される磁力線はパッド3000の上面と下面の間を連結する形態であり得る。この時、磁石部3110は例えば、N極がパッド3000の上側へ向かう場合、S極が下面を対向するように配置され得る。
【0064】
また、一実施例に係る受け部3100の上面には磁石部3110を中心に一定に配列される複数個の据置突起3111が形成されている。据置突起3111は直線形であり、下端が受け部3100に結合される。据置突起3111は下端から鉛直上方に断面積が徐々に縮小される形状を有する。一方、据置突起3111の上端の表面は平坦面で形成されている。その結果、専用容器400は据置突起3111に安定的に載置され得る。
【0065】
据置突起3111は磁石部3110に隣接する前端が反時計回り方向に配置されて、すぐに隣り合う据置突起3111の前端に向かうように一定に配列される。複数個の据置突起3111は受け部3100の上面で磁石部3110を中心とする時、一定の傾斜角でななめに配列される。据置突起3111の配列によって、パッド3000に載置されて専用容器400で発生する熱は空気中に円滑に放出され得る。
【0066】
一方、据置突起3111には第2センサ部3120が配置され得る。一実施例に係る第2センサ部3120は据置突起3111の長手方向の中間地点に配置される。このために、据置突起3111は据置突起3111の側面に一体に形成され、第2センサ部3120が収容される内部空間が形成され、上面が開口されて第2センサ部3120が露出される収容突起3112を含むことができる。第2センサ部3120は受け部3100の上面から上側に露出される。
【0067】
一方、第2センサ部3120は少なくとも2個以上の据置突起3111にそれぞれ配置され得る。これは、第2センサ部3120のうちいずれか一つに故障などが発生すれば、他の第2センサ部3120を通じて温度を測定するためである。また、これは第2センサ部3120を通じて測定されるそれぞれの温度を互いに比較して故障の有無などを事前にチェックするためである。
【0068】
本体部3200は受け部3100から一側に延びる。そして、本体部3200には第2センサ部3120と電気的に連結される印刷回路基板が配置される。また、パッド3000にはRF信号を送信する送信部3220が設置される。送信部3220は特に、本体部3200に配置され、印刷回路基板と電気的に連結される。
【0069】
使用者が磁石部3110がスイッチング領域B内に位置するようにパッド3000を天板110に配置すると、インダクションユニット200は第1センサ部240を通じて検出される測定値を通じて第1センサ部240と磁石部3110の間の距離を計算することができる。この時、測定値が予め設定された範囲を外れると制御モジュール220は円形コイル202に供給される電力を遮断させることができる。また、天板110の厚さによって円形コイル202と磁石部3110の間の距離d2が適正距離を超過する場合、本システムには性能の低下問題だけでなく、故障などによる耐久性問題が発生し得る。また、測定値が予め設定された範囲を外れると、インダクションユニット200はエラー(error)コードを表示することができる。
【0070】
また、使用者が磁石部3110がスイッチング領域Bの外に位置するようにパッド3000を天板110に配置すると、制御モジュール220は加熱のために円形コイル202に供給される電力を遮断させることができる。
【0071】
したがって、インダクションユニット200に配置される電源ボタンを第1電源スイッチとすれば、パッド3000はこれとは別個に、使用上の安全のために円形コイル202に供給される電力を二重で制御する第2電源スイッチと言える。この時、制御モジュール220のモード切換部222は第1電源スイッチと第2電源スイッチがすべてOnである状態で、円形コイル202に電力を供給する。また、制御モジュール220のマッチング再確認部223はインダクションユニット200とパッド3000が一対一マッチングされるセットではない場合、インダクションユニット200の加熱モードを解除させる第3電源スイッチと言える。また、制御モジュール220の容器過熱監視部224は専用容器400の過熱の有無を監視して使用上の安全のための第4電源スイッチと言える。これを通じて、本システムは使用上の安全を多重で確保できる。
【0072】
以上では本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲はこのような特定実施例にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範疇内で適切に変更可能なものである。
【国際調査報告】