(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】堆積物及び微粒子放出を低減するための燃料添加剤
(51)【国際特許分類】
C10L 1/223 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
C10L1/223
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519958
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 IB2022059541
(87)【国際公開番号】W WO2023057943
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598037547
【氏名又は名称】シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】391050525
【氏名又は名称】シェブロンジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クォ、チャン - ハオ
(72)【発明者】
【氏名】スモチャ、ルース
(72)【発明者】
【氏名】太田 悟
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン - グリーン、フェリシア エフ.
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】シー、ジウン - レ
(72)【発明者】
【氏名】ロエパー、ポール
(57)【要約】
燃料組成物が記載される。組成物は、ガソリンまたはディーゼル範囲での炭化水素系燃料沸点;以下の構造(I)、[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]を有するアルキルポリエトキシレートを含むキャリア流体、または、以下の構造(II)[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]を有するヒドロカルビルフェノール、式2、R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5により示されるアミン系洗剤[式中、アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]、及び1つ以上の窒素含有洗剤を含有する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ガソリンまたはディーゼル範囲での炭化水素系燃料沸点;
ii)以下の構造:
【化1】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]
を有するアルキルポリエトキシレートを含むキャリア流体、または、以下の式:
【化2】
[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]
を有するヒドロカルビルフェノール;
iii)以下の式を有するアミン系洗剤:
R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5
[式中、前記アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]、ならびに
iv)1種以上の窒素含有洗剤
を含む燃料組成物。
【請求項2】
前記カルボキシル基はカルボン酸、エステル、アミドまたはケトンである、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項3】
前記C
1-C
3アルコールは、
-[CH
2]
w-OH
[式中、wは1~3である]により表される構造を有する、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項4】
前記アルキルポリエトキシレートは、以下の構造:
【化3】
[式中、各R
22及びR
23は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり;pは1~20であり、qは1~3であり、sは1~3であり、q+s<6であり;R
21は、C
1-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、またはヒドロキシル基である]
により表される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記燃料組成物は、約50ppmw~約2000ppmwの前記キャリア流体を含む、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項6】
前記燃料組成物は、約100ppmw~750ppmwの前記アミン系洗剤を含む、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項7】
内燃機関での炭素堆積物の制御方法であって、
燃料を、前記内燃機関に提供することを含み、前記燃料は、
i)ガソリンまたはディーゼル範囲での炭化水素系燃料沸点;
ii)以下の構造:
【化4】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]
を有するアルキルポリエトキシレート化を含むキャリア流体、または、以下の式:
【化5】
[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]
を有するヒドロカルビルフェノール;
iii)以下の式を有するアミン系洗剤:
R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5
[式中、前記アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]、ならびに
iv)1種以上の窒素含有洗剤
を含む、前記方法。
【請求項8】
前記カルボキシル基はカルボン酸エステル、アミド、またはケトンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記C
1-C
3アルコールは、
-[CH
2]
w-OH
[式中、wは1~3である]により表される構造を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記アルキルポリエトキシレートは、以下の構造:
【化6】
[式中、各R
22及びR
23は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり;pは1~20であり、qは1~3であり、sは1~3であり、q+s<6であり;R
21は、C
1-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、またはヒドロキシル基である]
により表される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記燃料組成物は、約50ppmw~約2000ppmwの前記キャリア流体を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記燃料組成物は、約100ppmw~750ppmwの前記アミン系洗剤を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
約30~90重量%の、65℃~205℃の範囲での有機溶媒沸点、ならびに;
i)以下の構造:
【化7】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]
を有するアルキルポリエトキシレート化を含むキャリア流体、または、以下の式:
【化8】
[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]
を有するヒドロカルビルフェノール;
ii)以下の式を有するアミン系洗剤:
R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5
[式中、前記アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]
iii)1種以上の窒素含有洗剤
を含む、約10~70重量%の洗剤混合物
を含む、濃縮組成物。
【請求項14】
前記カルボキシル基はカルボン酸エステル、アミド、またはケトンである、請求項13に記載の濃縮物。
【請求項15】
前記C
1-C
3アルコールは、
-[CH
2]
w-OH
[式中、wは1~3である]
により表される構造を有する、請求項13に記載の濃縮物。
【請求項16】
前記アルキルポリエトキシレートは、式6
【化9】
[式中、各R
22及びR
23は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり;pは1~20であり、qは1~3であり、sは1~3であり、q+s<6であり;R
21は、C
1-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、またはヒドロキシル基である]により表される、請求項13に記載の濃縮物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料添加剤に関する。より具体的には、本開示は、堆積物のクリーニング性能を促進し、微粒子放出を低減する、組成物及び方法について開示する。
【背景技術】
【0002】
ポート燃料インジェクション(PFI)ガソリンエンジン用に開発された従来の燃料添加剤は、一般には、直噴ガソリン(DIG)または直接ガソリンインジェクション(GDI)エンジンと呼ばれることもある、直噴スパーク花火点火(DISI)エンジンにおいて、堆積物の形成を制御するのに最適化されていない。PFIエンジンとは異なり、DISIエンジンは、燃焼室に直接燃料を送達する。燃料が直接注入されるとき、燃料は直ちに、高温及び高圧に曝される。この環境においては、燃焼生成物は、インジェクター及びノズルの、外部及び/または内部表面に蓄積する可能性がある(インジェクターの汚損として知られている)。
【0003】
インジェクターノズルの周辺、及び燃焼室の中の両方における、堆積物の形成は、燃料流速、注入期間、及びスプレーパターンのうちの1つ以上に、顕著な負の影響を及ぼす可能性がある。これは転じて、排気の増加、粒子状物質(PM)の形成の増大、燃料経済性の低減、動力/性能の喪失、摩耗の増大、及び/または、装置寿命の低減をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、i)ガソリンまたはディーゼル範囲での炭化水素系燃料沸点;ii)以下の構造:
【化1】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]
を有するアルキルポリエトキシレートを含むキャリア流体、または、以下の式:
【化2】
を有するヒドロカルビルフェノール[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]
iii)以下の式:
R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5
[式中、アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]で示されるアミン系洗剤、ならびに、iv)1種以上の窒素含有洗剤を含む、燃料組成物を提供する。
【0005】
別の態様では、内燃機関での炭素堆積物の制御方法であって、燃料を、上記内燃機関に提供することを含み、上記燃料は、i)ガソリンまたはディーゼル範囲での炭化水素系燃料沸点;ii)以下の構造:
【化3】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]
を有するアルキルポリエトキシレート化を含むキャリア流体、または、以下の式:
【化4】
[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]
を有するヒドロカルビルフェノール;
iii)以下の式:を有するアミン系洗剤
R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5
[式中、アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]で示されるアミン系洗剤、ならびに、iv)1種以上の窒素含有洗剤、を含む、上記方法を提供する。
【0006】
別の態様では、65℃~205℃の範囲で、約30~90重量%の有機溶媒沸点;及び、
i)以下の構造:
【化5】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]
を有するアルキルポリエトキシレート化を含むキャリア流体、または、以下の式:
【化6】
[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である];ii)以下の式:
R
4-O-(CH
2)
y-NHR
5
[式中、アミン系洗剤は、燃料組成物の総重量に対して約10重量ppm~約750重量ppmで存在し、R
4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R
5は、水素または(CH
2)
zNH
2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]により示されるアミン系洗剤、ならびに、iii)1種以上の窒素含有洗剤、を含む、約10~70重量%の洗剤混合物;を含む、濃縮組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、エンジン性能を改善する、具体的には、堆積物のクリーニング性能を改善する、及び/または、微粒子放出を低減するための組成物及び方法を提供する。本発明は、内燃機関での炭素堆積物の制御において効果的であり得る。
【0009】
概して、本発明の燃料組成物は、(i)炭化水素系燃料、(ii)キャリア流体、(iii)アミン系洗剤、及び、(iv)1種以上の窒素含有洗剤を含む。
【0010】
炭化水素系燃料
炭化水素系燃料としては、ガソリン及びディーゼルが挙げられる。
【0011】
ガソリン燃料とは、少なくとも主にC4-C12炭化水素を含有する組成物を意味する。一実施形態では、ガソリンまたはガソリン沸点範囲構成成分とは、少なくとも主にC4-C12炭化水素を含有し、さらに、約37.8℃(100°F)~約204℃(400°F)の沸点範囲を有する組成物を意味するようにさらに定義される。代替の実施形態では、ガソリンとは、少なくとも主にC4-C12炭化水素を含有し、約37.8℃(100°F)~約204℃(400°F)の沸点範囲を有し、さらに、ASTM D4814を満たすように定義される組成物を意味するように定義される。
【0012】
ディーゼル燃料とは、少なくとも、主にC10-C25炭化水素を含有する、中間留出燃料を意味する。一実施形態では、ディーゼルとは、少なくとも主にC10-C25炭化水素を含有し、さらに、約165.6℃(330°F)~約371.1℃(700°F)の沸点範囲を有する組成物を意味するようにさらに定義される。代替の実施形態では、ディーゼルとは、上で定義したように、少なくとも主にC10-C25炭化水素を含有し、約165.6℃(330°F)~約371.1℃(700°F)の沸点範囲を有する組成物を意味し、さらに、ASTM D975を満たすように定義される。
【0013】
炭化水素系燃料は、全燃料組成物に対して主要量の重量%で存在する。いくつかの実施形態では、炭化水素系燃料は、約50重量%以上、55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、または、約50重量%~100重量%以下までの任意の範囲の間で存在する。
【0014】
いくつかの実施形態に従うと、本発明で用いられるガソリンは、クリーン燃焼ガソリン(CBG)である。CBGとは、少量の硫黄、芳香族化合物類、及びオレフィン類を含有するガソリン配合物を意味する。厳密な配合物は、地方の規制の定義に応じて変化し得る。
【0015】
キャリア流体
燃料可溶性の不揮発性キャリア流体または油もまた、本開示の化合物と共に用いてよい。キャリア流体とは、要求オクタン価の増加を幾分かは助長するが、燃料添加剤組成物の、不揮発性残留物(NVR)または溶媒非含有流体画留分を実質的に増加させる化学的に不活性な炭化水素可溶性液状ビヒクルである。いくつかの実施形態では、キャリア流体は界面活性剤である。
【0016】
本発明のキャリア流体は、以下の式1により示されるアルキルポリエトキシレートであり得る:
【化7】
[式中、各R
2及びR
3は独立して、水素、C
1-C
4ヒドロカルビル基、またはC
1-C
3アルコールであり、R
1は、C
4-C
100ヒドロカルビル基、カルボキシル基、エーテル基、チオエーテル基、または芳香族基であり、xは1~20である]。
【0017】
「ヒドロカルビル」という用語は、飽和及び不飽和炭化水素を含む炭化水素に由来する化学基または部分を指す。ヒドロカルビル基の例としては、アルケニル、アルキル、ポリアルケニル、ポリアルキル、フェニルなどが挙げられる。ヒドロカルビル基の具体例としては、ブチル、イソプロピル、及びポリイソブテニル基が挙げられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、本発明のキャリア流体は、以下の構造を有するヒドロカルビルフェノールであり得る:
【化8】
[式中、Rは、C
4-C
100のヒドロカルビル基である]。ヒドロカルビルフェノールの具体例としては、テトラプロペニルフェノール、PIBフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどが挙げられる。
【0019】
キャリア流体は、炭化水素燃料の35~5000重量ppmの(例えば、燃料の50~3000ppm)の範囲の量で用いてよい。燃料濃縮物中で用いる場合、キャリア流体は、20~60重量%(例えば、30~50重量%)の範囲の量で存在してよい。
【0020】
アミン系洗剤
本発明のアミン系洗剤(より具体的には、直鎖/分枝鎖脂肪族エーテルアミン)は、以下の式により表される:
R4-O-(CH2)y-NHR5
式2
[式中、R4は、8~20個の炭素を有するヒドロカルビル基であり、R5は、水素または(CH2)zNH2部分であり、y、zは独立して、2以上の値を有する整数である]。ヒドロカルビル基は、飽和または不飽和であってよい。いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル基は、2個以上の不飽和結合を含有してよい。
【0021】
利点として、本発明の燃料添加剤は、従来のアミン系燃料洗剤(例えば、ポリイソブチルアミン、ポリエーテルアミンなど)と比較して、同じ処理速度で、より多くの塩基性窒素を送達することができる。この特性は、洗浄力の測定において重要である。別の利点として、本発明の添加剤の分子量の低さは、その分解温度の低さ及び高い揮発性と共に、添加剤から有害な堆積物を生成するのを防止する。
【0022】
本発明と適合性のある、特に例示的な脂肪族エーテルアミンとしては、イソトリデシルオキシプロピルアミン、及び、2-エチルヘキシルオキシプロピルアミンが挙げられる。これらは、限定することを意図しない実例である。
【0023】
いくつかの実施形態では、一次燃料添加剤は、全燃料組成物に基づき、約10ppm~約750ppm(例えば、20~700、30~650、50~600、100~500、200~400、250~350など)で存在することができる。
【0024】
窒素含有洗剤
本発明の燃料組成物は、1種以上の窒素含有洗剤を含む。好適な二次燃料添加剤は、脂肪族ヒドロカルビル置換アミン、ヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミン、ヒドロカルビル置換スクシンイミド、マンニッヒ反応生成物、ポリアルキルフェノキシアミノアルカン、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステル、及び、窒素含有キャブレーター/インジェクター洗剤として分類することができる。二次燃料添加剤の各クラスは、本明細書でより詳細に説明されるであろう。
【0025】
具体的には、本発明で用いられる脂肪族ヒドロカルビル置換アミンは、少なくとも1つの塩基性窒素を有する、直鎖または分枝鎖ヒドロカルビル置換アミンであり得、ここで、ヒドロカルビル基は、約700~3,000の数平均分子量を有する。脂肪族ヒドロカルビル置換アミンの具体例としては、ポリイソブテニルアミン及びポリイソブチルアミンが挙げられる。これらのアミンは、モノアミンまたはポリアミンとして誘導されることができる。脂肪族アミンの調製は一般に周知であり、米国特許第3,438,757号;同第3,565,804号;同第3,574,576号;同第3,848,056号;同第3,960,515号;同第4,832,702号;及び6,203,584号に詳述されており、これらは全て、参照により本明細書に援用されている。
【0026】
具体的には、本発明で用いられるヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミン(「ポリエーテルアミン」とも呼ばれる)としては、ヒドロカルビルポリ(オキシアルキレン)アミン(モノアミンまたはポリアミン)を挙げることができ、ここで、ヒドロカルビル基は、約1~約30個の炭素原子を含有する。オキシアルキレン単位の数は、約5~約100の範囲を取ることができる。アミン部分は、アンモニア、一級アルキルもしくは二級ジアルキルモノアミン、または、末端アミノ窒素原子を有するポリアミンから誘導される。オキシアルキレン部分は、オキシプロピレンもしくはオキシブチレン、またはこれらの混合物であってよい。ヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミンは、米国特許第6,217,624号、及び、同第5,112,364号に記載されており、これらは参照により本明細書に援用されている。ヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)モノアミンの具体例としては、アルキルフェニルポリ(オキシアルキレン)モノアミンが挙げられ、ここで、ポリ(オキシアルキレン)部分は、オキシプロピレン単位もしくはオキシブチレン単位、または、オキシプロピレンとオキシプロピレン単位の混合物を含有する。アルキルフェニル部分上のアルキル基は、約1~約24個の炭素原子の、直鎖または分枝鎖アルキルである。好ましいアルキルフェニル部分はテトラプロペニルフェニルであり、ここで、アルキル基は、プロピレン四量体から誘導される、12個の炭素原子の分枝鎖アルキルである。
【0027】
より具体的には、追加のヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミンとしては、参照により本明細書に援用されている、米国特許第4,288,612号;同第4,236,020号;同第4,160,648号;同第4,191,537号;同第4,270,930号;同第4,233,168号;同第4,197,409号;同第4,243,798号、及び同第4,881,945号に開示されているヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミノカルバメートが挙げられる。これらのヒドロカルビルポリ(オキシアルキレン)アミノカルバメートは、少なくとも1個の塩基性窒素原子を含有し、約500~10,000、好ましくは約500~5,000、及びより好ましくは約1,000~3,000の平均分子量を有する。好ましいアミノカルバメートは、アルキルフェニルポリ(オキシブチレン)アミノカルバメートであり、ここで、アミン部分は、エチレンジアミンまたはジエチレントリアミンから誘導される。
【0028】
具体的には、本発明で用いられるヒドロカルビル置換スクシンイミドとしては、ポリアルキル及びポリアルケニルスクシンイミドが挙げられ、ここで、ポリアルキルまたはポリアルケニル基は、約500~5,000、及び好ましくは、約700~3,000の平均分子量を有する。ヒドロカルビル置換スクシンイミドは典型的には、ヒドロカルビル置換無水コハク酸を、アミン窒素原子に結合した少なくとも1つの反応性水素を有するアミンまたはポリアミンと反応させることにより調製される。好ましいヒドロカルビル置換スクシンイミドとしては、ポリイソブテニル及びポリイソブタニルスクシンイミド、及びこれらの誘導体が挙げられる。ヒドロカルビル置換スクシンイミドは、米国特許第5,393,309号;同第5,588,973号;同第5,620,486号;同第5,916,825号;同第5,954,843号;同第5,993,497号;及び同第6,114,542号、ならびに、英国特許第1,486,144号に記載されており、これらは全て、参照により本明細書に援用されている。
【0029】
具体的には、本発明で用いられるマンニッヒ反応生成物としては、典型的には、高分子量のアルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物、少なくとも1つの反応性水素を含有するアミン、及びアルデヒドのマンニッヒ縮合から入手される生成物が挙げられる。高分子量のアルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物は、好ましくは、ポリアルキルフェノール、例えば、ポリプロピルフェノール及びポリブチルフェノール、特にポリイソブチルフェノールであり、ここで、ポリアルキル基は、約600~3,000の平均分子量を有する。アミン反応体は、典型的には、ポリアミン、例えば、アルキレンポリアミン、特にエチレンまたはポリエチレンポリアミン、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど、例えば、1-(2-アミノエチル)ピペラジンである。アルデヒド反応体は、一般に、脂肪族アルデヒド、例えば、パラホルムアルデヒド及びホルマリンを含むホルムアルデヒド、ならびに、アセトアルデヒドである。好ましいマンニッヒ反応生成物は、ポリイソブチルフェノールを、ホルムアルデヒド及びジエチレントリアミンと縮合させることにより得られ、ここで、ポリイソブチル基は、約1,000の平均分子量を有する。本発明での使用に適したマンニッヒ反応生成物は、例えば、米国特許第4,231,759号明細書、米国特許第5,697,988号明細書、及び、米国特許第6,749,651号明細書に記載されており、これらの開示それぞれが参照により本明細書に援用されている。
【0030】
本発明での使用に適した洗剤添加剤の、またさらなるクラスは、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンである。好ましいポリアルキルフェノキシアミノアルカンとしては、以下の式を有するものが挙げられる:
【化9】
[式中、R
6は、約600~5,000の範囲の平均分子量を有するポリアルキル基であり;R
7及びR
8は独立して水素、または、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;Aは、アミノ、アルキル基に約1~約20個の炭素原子を有するN-アルキルアミノ、各アルキル基に約1~約20個の炭素原子を有するN,N-ジアルキルアミノ、または、約2~約12個のアミン窒素原子と、約2~約40個の炭素原子とを有するポリアミン部分である。]。上記式3のポリアルキルフェノキシアミノアルカン類、及びこれらの調製物は、米国特許第5,669,939号明細書に詳細に記載されており、参照により本明細書に援用されている。
【0031】
ある特定の洗剤混合物が特に、本発明における二次添加剤として有用であり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンとポリ(オキシアルキレン)アミンの混合物を用いることができる。これらの混合物は、米国特許第5,851,242に詳細に記載されており、参照により本明細書に援用されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステルの混合物を用いることができる。好ましい、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステルとしては、以下の式を有するものが挙げられる:
【化10】
[式中、R
9はニトロ、または-(CH
2)-NR
14R
15(式中、R
14及びR
15は独立して、水素、または、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルである)であり;R
10は水素、ヒドロキシ、ニトロ、または-NR
16R
17(式中、R
16及びR
17は独立して、水素、または、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルである)であり;R
11及びR
12は独立して水素、または、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;R
13は、約450~5,000の範囲の平均分子量を有するポリアルキル基である]。上記式4に示されるポリアルキルフェノキシアルカノールの芳香族エステル類、及びこれらの調製物は、米国特許第5,618,320に詳細に記載されており、参照により本明細書に援用されている。
【0034】
ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ芳香族エステル及びアミノ芳香族エステルとヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミンとの混合物も本発明で使用することができる。これらの混合物は、米国特許第5,749,929に詳細に記載されており、参照により本明細書に援用されている。本発明において、洗剤添加剤として用いることができる好ましいヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミンとしては、以下の式を有するものが挙げられる:
【化11】
[式中:R
18は、約1~約30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり;R
19及びR
20は独立して、水素、または、約1~約6個の炭素原子を有する低級アルキルであり、各-O-CHR
19-CHR
20-単位は、他の-O-CHR
19-CHR
20-単位と独立しており;mは約5~約100であり;Bはアミノ、アルキル基に約1~約20個の炭素原子を有するN-アルキルアミノ、各アルキル基に約1~約20個の炭素原子を有するN,N-ジアルキルアミノ、または、約2~約12個のアミン窒素原子と、約2~約40個の炭素原子とを有するポリアミン部分であり;mは約5~約100の整数である]。上記式5のヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミン類、及びこれらの調製物は、米国特許第6,217,624号に詳細に記載されており、参照により本明細書に援用されている。式5のヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミンは、好ましくは、これら自身により、または、他の洗剤添加剤、特に、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンと、もしくは、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステルと組み合わせて使用される。より好ましくは、本発明で用いられる洗剤添加剤は、ヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミンの、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステルとの組み合わせである。特に好ましいヒドロカルビル置換ポリ(オキシアルキレン)アミン洗剤添加剤は、ドデシルフェノキシポリ(オキシブチレン)アミンであり、洗剤添加剤の特に好ましい組み合わせは、ドデシルフェノキシポリ(オキシブチレン)アミンと4-ポリイソブチルフェノキシエチルパラ-アミノベンゾエートの組み合わせである。
【0035】
本発明での使用に適した、別のクラスの洗剤添加剤としては、窒素含有キャブレーター/インジェクター洗剤が挙げられる。キャブレーター/インジェクター洗剤添加剤は、典型的には、約100~約600の数平均分子量を有し、少なくとも1つの極性部分、及び少なくとも1つの無極性部分を有する、低分子量化合物である。無極性部分は、典型的には、約6~約40個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖アルキルまたはアルケニル基である。極性部分は、典型的には、窒素含有である。典型的な窒素含有極性部分としては、アミン(例えば、米国特許第5,139,534号及びPCT国際公開特許第WO 90/10051号に記載されている)、エーテルアミン(例えば、米国特許第3,849,083号及びPCT国際公開特許第WO 90/10051号に記載されている)、アミド、ポリアミド、及びアミドエステル(例えば、米国特許第2,622,018号;同第4,729,769号;及び同第5,139,534号;ならびに、欧州特許公報第149,486号に記載されている)、イミダゾリン(例えば、米国特許第4,518,782号に記載されている)、アミンオキシド(例えば、米国特許第4,810,263号、及び同第4,836,829号に記載されている)、ヒドロキシアミン(例えば、米国特許第4,409,000号に記載されている)、ならびに、スクシンイミド(例えば、米国特許第4,292,046号に記載されている)が挙げられる。これらの参考文献はそれぞれ、参照により本明細書に援用される。
【0036】
各二次燃料添加剤は、燃料組成物の重量に対して、約50ppm~約2500ppm(例えば、100~2000、200~1500、300~1000など)で存在することができる。より好ましくは二次燃料添加剤は、燃料組成物の重量に対して、約50ppm~約1000ppmで存在する。
【0037】
他の添加剤
燃料組成物は、他の一般に既知の燃料添加剤を含むことができる。好適な例としては、酸化防止剤、金属不活性化剤、乳化破壊剤、酸素添加剤、アンチノック剤、分散剤、及び他の洗剤が挙げられるが、これらに限定されない。ディーゼル燃料では、流動点降下剤、流動性向上剤などといった、他の周知の添加剤を用いることができる。
【0038】
前述の各添加剤は、使用される場合、燃料組成物に所望の特性を付与するために機能的に有効な量で使用される。一般に、これらの各添加剤の濃度は、使用される場合、特に指定がない限り、約0.001~約20重量%、例えば約0.01~約10重量%の範囲であり得る。
【0039】
濃縮物
本開示の化合物は、65℃~205℃の範囲で沸騰する、不活性で安定した親油性(即ち、炭化水素燃料に溶解する)有機溶媒を用いる濃縮物として配合することができる。ベンゼン、トルエン、キシレン、またはより高い沸点の芳香族化合物または芳香族希釈剤などの、脂肪族または芳香族炭化水素溶媒を用いてよい。炭化水素溶媒と組み合わせた、エタノール、イソプロパノール、メチルイソブチルカルビノール、n-ブタノールなどといった、2~8個の炭素原子を含有する脂肪族アルコールもまた、本添加剤と共に用いるのに好適である。濃縮物中では、添加剤の量は10~70重量%(例えば、20~40重量%)であってよい。
【0040】
以下の実施例は、非限定的であることが意図される。
【実施例】
【0041】
下表1は、インジェクターの汚れ及び/または堆積物制御性能を試験するために用いた添加剤をまとめる。ベース燃料は、無添加のガソリン組成物である。
【表1】
【0042】
試験は、直列4気筒のターボチャージエンジンを含む、2012 2.0L GM LHUで行った。試験は、ダーティアップ/クリーンアップ(DU/CU)試験であり、エンジンが最初に100時間のDUセグメントを完了して堆積物を生成させてインジェクターを汚し、この後に、1タンクCUセグメントを続けた。
【0043】
配合物試験:式は、ポリエーテルアミン(PEA)、1000ppmwの非イオン性界面活性剤(界面活性剤A及び界面活性剤B)、ならびに、150ppmwのイソトリデシルオキシプロピルアミンを含有した。界面活性剤Aは、エトキシ化(C12-C14)二級アルコールである。界面活性剤Bはノニルフェノールエトキシレートである。
【0044】
DU燃料:新型品、高硫黄、E0燃料
【0045】
DUサイクル:定常状態2000rpm/100Nm
【0046】
1タンクCU燃料:本試験は、PUL E0 49状態の無添加ベース燃料を用いて完了した。
【0047】
1タンクCUサイクル:アイドル、低速及びロードセグメント、ならびに、中速及びロードセグメントの5段階のサイクル。DU試験フェーズとCU試験フェーズとの間での、燃料及びサイクル条件の両方の変化により、ベース燃料ランを実施して、添加剤なしのインジェクターにはCUが存在しないことを確認した。配合物は表1に示し、画像は
図1A~1Iに示す。
【0048】
本明細書に記載の全ての文書は、参照により本明細書に組み込まれ、これは、本文と矛盾しない限り、任意の優先権文書及び/または試験手順を含む。前述の一般的な記載及び特定の実施形態から明らかであるとおり、本開示の複数の形態を図示及び記載してきたものの、様々な変更を、本開示の精神と範囲から逸脱することなしに加えることができる。したがって、本開示がそれにより限定されることは意図されていない。
【0049】
簡潔にするため、本明細書では特定の範囲のみを明示的に開示する。しかし、任意の下限値からの範囲を任意の上限値と組み合わせて、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合があり、同様に、任意の下限値からの範囲を他の任意の下限値と組み合わせて、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合があり、同様に、任意の上限値からの範囲を他の任意の上限値と組み合わせて、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合がある。さらに、範囲内には、明示的に列挙されていなくても、その端点間のすべての点または個々の値が含まれる。したがって、すべての点または個々の値は、他の点または個々の値、あるいは他の下限値または上限値と組み合わされて、それ自体の下限値または上限値として機能し、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合がある。
【0050】
同様に、「を含む(comprising)」という用語は、「を含む(including)」という用語と同義であると見なされる。同様に、組成物、要素、または要素群の前に移行句「を含む(comprising)」がある場合は常に、組成物、要素、または要素群の記述の前に移行句「を本質的にからなる」、「からなる」、「からなる群から選択される」、または「である」がある同じ組成物または要素群も想定していると理解され、逆もまた同様である。
【0051】
本明細書で使用される「a」及び「the」という用語は、単数形だけでなく複数形も包含すると理解される。
【0052】
様々な用語が上記で定義されている。請求項で使用される用語が上記で定義されていない範囲では、少なくとも1つの印刷刊行物または発行済み特許に反映されているように、関連技術分野の専門家がその用語に与えている最も広い定義が与えられるべきである。さらに、本出願において引用されたすべての特許、試験方法、及びその他の文書は、かかる開示が本出願と矛盾しない限りにおいて、またかかる組み込みが許可されているすべての法域において、参照により完全に組み込まれるものとする。
【0053】
以上の本開示の説明は、本開示を例示し説明するものである。さらに、本開示は、好ましい実施形態のみを示し、説明するが、上述したように、本開示は、他の様々な組み合わせ、修正、及び環境において使用可能であり、本明細書で表現される概念の範囲内で、上記の教示及び/または関連技術の技術もしくは知識に見合った変更もしくは修正が可能であることを理解されたい。上記は、本開示の実施形態に向けられたものであるが、本開示の他のさらなる実施形態は、その基本的範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下に続く特許請求の範囲によって決定される。
【0054】
要素の組み合わせ、サブセット、グループなど(例えば、組成物中の構成成分の組み合わせ、または方法中のステップの組み合わせ)が開示される場合、これらの要素の様々な個々の及び集合的な組み合わせ及び順列のそれぞれの特定の参照が、明示的に開示されていないことがあるが、それぞれが具体的に企図され、本明細書に記載されると理解される。
【0055】
本明細書で上記した実施形態はさらに、本発明を実施するために既知の最良の形態をさらに説明するよう、かつ他の当業者が、そのような、または他の実施形態において、特定の用途または使用に必要な様々な修正を伴って、本開示を利用することを可能にするよう意図されている。したがって、記載は、本明細書で開示する形態に限定することを意図するものではない。また、添付の特許請求の範囲が代替の実施形態を包含するよう解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】