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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/055 20140101AFI20240905BHJP
   H02S 40/30 20140101ALI20240905BHJP
   H02S 30/20 20140101ALI20240905BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20240905BHJP
【FI】
H01L31/04 622
H02S40/30
H02S30/20
H01L31/04 570
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520916
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 IB2022059275
(87)【国際公開番号】W WO2023057859
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021000025865
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521520809
【氏名又は名称】パワーグラックス ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】POWERGLAX S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Localita Maso Ariol 8,38096 Vallelaghi(Trento),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】トネッツェール,ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンチェンツィ,ドナート
(72)【発明者】
【氏名】デカーリ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルドーニ,パオロ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA03
5F251HA13
5F251HA17
5F251JA02
5F251JA08
5F251JA12
5F251JA13
5F251JA21
5F251JA30
(57)【要約】
少なくとも第1および第2の導体トラック(5、6)と、第1および第2のトラック(5、6)に給電するためにそれらに並列に接続された複数の光電池(3)のグループ(4)と、を備えたフレキシブルプリント回路(2)を備えたフレキシブル複合ストリップが説明される。複合ストリップは、複数のはんだ付けパッド(12)であって、そこにおいて第1および第2の導体トラック(5、6)がアクセス可能である複数のはんだ付けパッド(12)を備える。フレキシブル複合ストリップは、はんだ付けパッド(12)で切断されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント回路(2)を備えたフレキシブル複合ストリップであって、
前記フレキシブルプリント回路(2)は少なくとも第1および第2の導体トラック(5、6)を備え、
当該複合ストリップは、複数の光電池(3)のグループ(4)を備え、
前記複数のグループ(4)は、前記第1および第2のトラック(5、6)に給電するために前記第1および第2のトラック(5、6)に並列に接続され且つ前記フレキシブルプリント回路(2)に沿って連続して配置されており、
光電池(3)の各グループ(4)は、直列に接続された複数の光電池(3)を備え、
当該複合ストリップは、複数のはんだ付けパッド(12)であって、そこにおいて前記第1および第2の導体トラック(5、6)がアクセス可能である複数のはんだ付けパッド(12)を備え、
各はんだ付けパッド(12)は、前記フレキシブルプリント回路(2)に沿って、連続する光電池(3)の第1および第2のグループ(4)の間に配置されており、
当該フレキシブル複合ストリップは、前記はんだ付けパッド(12)で切断されるように構成される、フレキシブル複合ストリップ。
【請求項2】
前記第1および第2の導体トラック(5、6)に電気的に接続されていない第3の導体トラック(8)および第4の導体トラック(9)を備える、請求項1に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項3】
前記封止パッド(12)に、前記光電池(3)の電気的接続および前記複数の光電池(3)のグループ(4)の電気的接続に配慮して対応する切断線を識別するためのグラフィカル表示(13)、例えば破線を備える、請求項1または2に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項4】
前記フレキシブル複合ストリップを対応する発光シート(101、106)の縁(102、107)に結合するために、前記光電池(3)の上方の前記フレキシブルプリント回路(2)に塗布される接着剤(14)、例えば両面接着テープの形態の接着剤(14)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項5】
前記接着剤(14)は透明である、請求項4に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項6】
前記光電池(3)の寸法は、20×20mm以下であり、好ましくは10×10mm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項7】
光電池の前記グループ(4)の長さは、前記フレキシブルプリント回路(2)に沿って測定して、10cm以下、好ましくは5cm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項8】
前記光電池(3)を保護するための少なくとも1つの電子部品を備え、前記電子保護部品は、前記フレキシブルプリント回路に対して前記光電池(3)の反対側の前記フレキシブルプリント回路上に搭載される、請求項1から7のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント回路(2)の厚さは0.2から2mmである、請求項1から8のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ(200)の片(20)と、前記片(20)にはんだ付けされた少なくとも1つの変換回路(7)と、を備える太陽光発電モジュールであって、
前記変換回路(7)は、前記第1および第2のトラック(5、6)に接続された入力と、所定の電圧の出力とを有し、
前記変換回路(7)は、前記入力の電圧を前記所定の出力電圧に変換するように構成されており、
前記所定の出力電圧は、当該太陽光発電モジュールの出力電圧である、太陽光発電モジュール。
【請求項11】
前記フレキシブル複合ストリップ(200)は、前記第1および第2の導体トラック(5、6)に電気的に接続されていない第3の導体トラック(8)および第4の導体トラック(9)を備え、所定の電圧の前記出力は前記第3および第4のトラック(8、9)に接続される、請求項10に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項12】
前記変換回路(7)は、前記片(20)の一端の第1のはんだ付けパッド(12)で前記片(20)にはんだ付けされている、請求項10または11に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項13】
前記変換回路(7)は、第2のフレキシブルプリント回路上に形成されている、請求項10から12のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項14】
前記変換回路(7)は、前記片(20)上に存在する前記光電池(3)の動作点を変更して前記太陽光発電モジュールの電気効率を最適化するように構成される、請求項10から13のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの太陽光発電モジュール(1)を製造するためのキットであって、
請求項1から9のいずれか一項に記載のフレキシブル複合ストリップ(200)と、
前記フレキシブル複合ストリップ(200)または前記フレキシブル複合ストリップ(200)の片(20)にはんだ付け可能な少なくとも1つの変換回路(7)と、を備え、
前記変換回路(7)は、前記第1および第2のトラック(5、6)に接続可能な入力と、所定の電圧の出力とを有し、
前記変換回路(7)は、前記入力の電圧を前記所定の出力電圧に変換するように構成されており、
前記所定の出力電圧は、前記太陽光発電モジュール(1)の出力電圧である、キット。
【請求項16】
前記フレキシブル複合ストリップ(200)は、前記第1および第2の導体トラック(5、6)に電気的に接続されていない第3の導体トラック(8)および第4の導体トラック(9)を備え、
前記変換回路(7)の所定の電圧の前記出力は、前記第3および第4のトラック(8、9)に接続可能である、請求項15に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電モジュール、特に窓またはフランス窓用に設計された太陽光発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光型太陽集光器(Luminescent Solar Concentrators:LSC)は、入射した太陽放射の一部を捕捉して再放射できる色素分子を備えたシートまたはフィルムをベースにしたデバイスである。色素分子によって放射された放射線の一部は、全内部反射現象によってフィルム/シート内に閉じ込められたままとなる。
【0003】
シートまたはフィルムが十分に滑らかな空気界面を有する場合、前記シートまたはフィルム内に閉じ込められた蛍光の一部は、一方の界面から他方の界面への多重反射プロセスを経て、その周囲に到達する。
【0004】
シート/フィルムの側面には、アレイと呼ばれるモジュール状に配置された光電池があり、当該光電池は、シート/フィルム内に閉じ込められた発光放射線の一部を電流に変換する。この電流は有利なことに、照明、充電システム、遮光または統合照明システムなどの外部ユーザに電力を供給するために使用され得る、またはローカルストレージシステムに蓄えられ得る、またはそれはグリッドに導入され得る。
【0005】
発光シートの縁に位置する光電池は通常、各電池によって生成される電位差を合計するために互いに直列に接続され、そのようにして、電池間の相互接続によるオーミック損失を最小限に抑える。
【0006】
光電池のストリング内を流れる電流は、照明の少ない電池(less illuminated cell)から供給される電流によって制限される。残念なことに、発光シートの局所的なシェーディングにより、光電池アレイの照明が不均一になり、直列接続の場合、照明の少ないデバイスによって誘導される電流の制限に関連して全体的な効率の損失が生じる。
【0007】
この問題は、光電池を並列接続することにより克服可能である。その場合、アレイによって生成される電流は各太陽光発電デバイスによって生成される電流の合計であり、電位差は、電池の照明レベルに関係なく、ほぼ一定である。
【0008】
発光型太陽集光器の場合、太陽光発電デバイスによって生成される電流密度は数十mA/cm2であり得、並列接続は、数アンペアの総電流を供給するアレイになり得る。回路に流れる電流が大きくなればなるほど、相互接続および接点の電気抵抗によるオーミック損失が大きくなる。
【0009】
発光集光器用の太陽光発電アレイの製造で一般的に行われる選択は、個々の太陽光発電デバイスの電気的接続を提供し且つ機械的支持体としても機能するプリント回路上に電池がはんだ付けされる直列-並列回路の製造である。
【0010】
電池がアレイ状に構築されている場合、直列に接続された電池によって生成される電位差は単一の太陽光発電デバイスの電位差よりも大きくなり、電流はすべての太陽光発電デバイスを並列に接続した場合に得られる電流よりも小さくなる。
【0011】
通常、発光型太陽集光器に使用されるアレイは、互いに直列に接続された20-30個の太陽光発電デバイスからなる。その後、様々なアレイが互いに並列に接続される。太陽光発電アレイのプリント回路の長さは通常、10cmから30cmの範囲であり、その幅は発光シートの厚さ(6-15mm)よりもわずかに大きい。
【0012】
直列-並列接続が混在していることにより、発光シートの照明の局所的な変化は、モジュール全体から供給される総電流を制限せず、単一のアレイによって供給される総電流のみを制限する。
【0013】
各太陽光発電アレイは、実質的に既知の基板対基板のコネクタを介して次のアレイに接続され、そのことは、任意の長さのアレイの組み立てを、数メートルのアレイの組み立てでさえも、可能にする。
【0014】
各アレイの長さが長ければ長いほど、ある全長に必要な相互接続の数が少なくなり、結果として、相互接続部品のコストが下がる。
【0015】
一方、各アレイの長さが長ければ長いほど、照明の任意の避けられない局所的な変化に対するモジュールの感度が高くなり、結果として、前述の効率の損失が生じる。
【0016】
従来技術の解決策の欠点は、光電池が接続されるプリント回路、すなわち、セルのアレイが、所定の長さを有すること、そして、単一のモジュールよりも大きいまたは長いシートの場合、複数のモジュールによって形成されるシステム全体のコストをしばしば許容できない値まで増加させる対応するコネクタによって複数のアレイを接続する必要があるという事実に由来する。さらに、ガラスの連続シート、ガラスカバーおよび窓が標準的な寸法を持つことはほとんどないので、単一のモジュールの固定長さは、複数のアレイを結合したとしても、シートの寸法を十分に活用するのに適さない可能性がある。
【0017】
当該分野では、住宅および建設分野全般へのこの技術の浸透を促進するためにも、光電池のアレイの製造、ひいては任意の寸法のLSCデバイスの製造における汎用性の向上の必要性が感じられている。
【0018】
この必要性は、オーミック損失、導体の断面積、そしてその結果としてのそのコストを削減するためにも、存在するコネクタの数および太陽光発電アレイ内を循環する電流の両方を最小限に抑えるという制約と結び付けられなければならない。
【0019】
これに関連して、目的は、従来技術の欠点の少なくとも一部を克服し且つ上述の必要性を満たすことができる、発光型太陽集光器用の太陽光発電モジュールを提供することである。
【発明の概要】
【0020】
特に、本発明の目的は、使いやすく実用的で多用途で且つ比較的安価な、太陽光発電集光器用の太陽光発電モジュールを提供することである。
【0021】
本目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を備えた太陽光発電モジュールによって達成される。従属請求項は、本発明の可能な種々の実施形態に対応する。
【0022】
第一の態様によれば、本発明は、フレキシブルプリント回路を備える複合ストリップであって、フレキシブルプリント回路が、少なくとも、第1および第2の導体トラックと、直列に接続された光電池の複数のグループと、を備え、複数の光電池のグループが導体トラックに給電する、複合ストリップに関する。
【0023】
フレキシブルプリント回路の厚さは、好ましくは、0.2から2mmであり、フレキシブルプリント回路は、例えばKapton(登録商標)支持体上に形成される。
【0024】
複数の電池のグループはストリップに沿って次々に配置され、連続するグループ間にはんだ付けパッドが存在する。
【0025】
導体トラックははんだ付けパッドからアクセス可能である。
【0026】
ストリップは、はんだ付けパッドで切断されるように構成される。
【0027】
好ましくは、フレキシブル複合ストリップは、光電池に接続されたトラックに電気的に接続されていない一対のトラックを備える。
【0028】
好ましくは、フレキシブル複合ストリップは、光電池の電気的接続および光電池のグループの電気的接続に配慮して対応する切断線を識別するためのグラフィカル表示、例えば破線を備える。
【0029】
好ましくは、フレキシブル複合ストリップは、対応する発光シートの縁に結合するための接着剤、例えば両面接着テープの形態の接着剤を備える。
【0030】
好ましくは、フレキシブル複合ストリップは、光電池を保護するための少なくとも1つの電子部品を備える。
【0031】
電子保護部品は、好ましくは、光電池の反対側のフレキシブルプリント回路上に搭載される。
【0032】
一態様によれば、本発明は、上記のようなフレキシブル複合ストリップの片を備える太陽光発電モジュールに関する。
【0033】
太陽光発電モジュールは、片にはんだ付けされた変換回路を備える。
【0034】
変換回路は、光電池によって給電されるトラックに接続された入力と、所定の電圧の出力とを有する。
【0035】
変換回路は、入力電圧を所定の出力電圧に変換するように構成されており、前記所定の出力電圧は、前記太陽光発電モジュールの出力電圧である。
【0036】
好ましくは、フレキシブル複合ストリップは、太陽光発電デバイスによって給電されるトラックに電気的に接続されていない一対のトラックを備え、変換回路の出力はトラックに接続される。
【0037】
上述の態様およびその他の態様のさらなる特徴および利点は、発光型太陽集光器用の太陽光発電モジュールの好ましい実施形態についての以下の非限定的な説明でより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
以下に添付図面を参照して説明がなされるが、当該図面は本発明の範囲を制限することなく、単に例示の目的で提供される。
図1】本発明に係る太陽光発電モジュールを備えた発光型太陽集光器の概略側面図である。
図2】本発明に係る太陽光発電モジュールを備えた発光型太陽集光器の概略側面図である。
図3】本発明に係る太陽光発電モジュールの概略平面図である。
図4】本発明に係る太陽光発電モジュールの概略平面図である。
図5】本発明に係る複合ストリップの概略平面図である。
図6】本発明に係る太陽光発電モジュールを備えた発光型太陽集光器の概略斜視図である。
図7】本発明に係る太陽光発電モジュールを備えた発光型太陽集光器の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付図面を参照すると、数字100は発光型太陽集光器を示す。
【0040】
例えば図1に示される実施形態によれば、集光器100は蛍光材料のシート101を備え、すなわち、その内部には図示されていない色素が分散されている。
【0041】
これらの色素は光または蛍光放射線FLを放射し、この光または蛍光放射線FLは、使用時に、シートが太陽放射SRに当たると、等方的に伝播する。
【0042】
蛍光放射線FLの一部は、シート101内部に全内部反射によって閉じ込められたままであり、シート101の縁102に向かって伝達される。
【0043】
本発明によれば、集光器100は、全体が数字1で示される太陽光発電モジュールを備える。
【0044】
太陽光発電モジュール1は、シート101の縁102に当該縁102に沿って貼り付けられる。
【0045】
例えば図2に示される実施形態によれば、集光器100は、ガラスシート103と、ガラスシート104と、ガラスシート103とガラスシート104との間に配置された、層状シート106を形成するためのフィルム105と、を備える。
【0046】
フィルム105には複数の色素が分散されており、フィルム105を発光させる。
【0047】
蛍光放射線FLの一部は、フィルム105内部に全内部反射によって閉じ込められたままであり、シート106の縁107に向かって伝達される。
【0048】
集光器100は、シート101の縁107に当該縁107に沿って貼り付けられた太陽光発電モジュール1を備える。
【0049】
シート101および/またはプレート106は、モジュール1の近くでの光損失を最小限に抑えるために、反射材料108で、好ましくはそれぞれの縁102、107で、コーティングされてもよい。
【0050】
太陽光発電モジュール1は、集光器100用の太陽光発電レシーバを規定する。
【0051】
モジュール1はフレキシブルプリント回路2を備える。
【0052】
フレキシブルプリント回路2の厚さは、好ましくは0.2から2mmである。例えば、フレキシブルプリント回路2はKapton(登録商標)支持体上に形成される。
【0053】
モジュール1は、プリント回路2上にはんだ付けされた複数の光電池または太陽電池3を備える。
【0054】
一実施形態によれば、等価回路を表すダイオードなどの、添付図面に概略的に示される電池3は、例えば直列に接続された5つの電池3からなるグループ4に分割される。
【0055】
代替の実施形態によれば、グループ4は、所望の性能に基づいて、4つの電池3または6つの電池あるいは他の任意の数を備える。
【0056】
モジュール1のグループ4は互いに同一であり、並列に接続されており、関連する電池3の数およびタイプによって決定される所定の電圧を出力として提供する。
【0057】
太陽光発電モジュール1は、互いに直列に接続された光電池3の複数のグループ4を備える。電池のグループ4は、単一のグループの電圧に等しい電圧を供給するように並列に接続され、電流を増加させる。
【0058】
好ましくは、単一の太陽電池3の寸法は20×20mm以下であり、好ましくは10×10mm以下である。
【0059】
電池3のグループ4の長さは、好ましくは10cm以下であり、さらに好ましくは5cm以下である。
【0060】
好ましくは、太陽光発電モジュール1は、電池3の反対側のプリント回路2上に搭載された光電池3を保護するための電子部品を備える。
【0061】
保護部品は、例えばバイパスダイオードまたはバリスタを備え得る。例えば、図3、4、5は、15でラベル付けされたバイパスダイオードを示し、各バイパスダイオードは、対応する光電池3のグループ4に逆並列に接続される。
【0062】
プリント回路2は、グループ4を並列に接続するための第1のトラック5および第2のトラック6を備える。グループ4は、トラック5、6に並列に接続される。
【0063】
トラック5、6は、並列に接続されたグループ4の数に応じて、グループ4自体によって供給される直流出力を規定する。
【0064】
一実施形態によれば、プリント回路2は、以下でより詳細に説明されるように、光電池3に直接接続されていない第3のトラック8および第4のトラック9を備える。
【0065】
モジュール1を参照すると、プリント回路2は、トラック5および6に並列に接続された光電池3のグループ4および必要に応じて保護デバイスとともに、好ましくは、フレキシブル複合ストリップ200の一片20であり、これはトラック5、6、8および9(設けられている場合)を備える、ストリップの形態のフレキシブルプリント回路2を備え、これに一連のグループ4がはんだ付けされている。
【0066】
ストリップ200は、それが複数の部品を備えるので、複合材と呼ばれる。
【0067】
以下でより詳細に説明されるように、片20は、好ましくはストリップ200によって切断される。
【0068】
グループ4は、片20と同様にストリップ200に、グループ4によって供給される直流出力を規定するトラック5、6を供給する。
【0069】
好ましくは、電池3の寸法は、ストリップ200、したがってモジュール1が10cm未満、より好ましくは5cm未満の長手方向の曲率半径を有することを可能にするように、十分に小さい。
【0070】
モジュール1は、入力電圧を所定の値、すなわち所定の電圧、例えば18Vの出力電圧に変換するように構成された変換回路7を備える。
【0071】
一実施形態によれば、回路7は、トラック5、6に接続された入力と、トラック8および9に接続された出力とを有する。
【0072】
一実施形態によれば、回路7の出力は直接使用される、またはさらなるデバイスに給電するために使用され得る。
【0073】
一実施形態によれば、回路7の出力は直接使用され得る、またはさらなるデバイスに給電するために使用可能であり、所定の電圧をモジュール1の反対側の端にも伝送するためにトラック8および9に接続される。
【0074】
このように、太陽光発電モジュール1の出力は、モジュール1の長さ、すなわち片20の長さに関係なく、標準的な電気特性を有する。
【0075】
一般に、変換回路7のDC-DC型出力は、上述の所定の電圧の出力を有する。
【0076】
実際には、変換回路7はトラック5、6によって給電され、出力として所定の電圧、例えば18Vの電圧を提供し、この電圧は直接使用され得る、またはトラック8および9によって使用され得る。
【0077】
一実施形態によれば、変換回路7はフレキシブルプリント回路上に形成される。
【0078】
変換回路7は、例えば、実質的に既知のタイプのDC-DC昇圧コンバータ7aを備え、これは、片20の電池3のグループ4によって供給される電位差を増大させる。
【0079】
一実施形態によれば、フレキシブル変換回路7は、最大電力点のトラッキングを実行するように構成され、すなわち、モジュール1の電気効率を最適化するために、片20に存在する太陽光発電デバイスの動作点を変更するように構成される。
【0080】
一実施形態によれば、モジュール1は、変換回路7の出力に接続された、すなわち所定の電圧で給電される2つのトラック8、9を備える。
【0081】
より単純な実施形態によれば、モジュール1、すなわちそれが形成されるフレキシブル プリント回路は2つのトラック8、9を有さず、所定の出力電圧は変換回路7で利用可能である。
【0082】
以下では、本発明の範囲を制限することなく、4つのトラックが参照される。
【0083】
図7に示されるように、一実施形態によれば、モジュール1は、トラック8、9にはんだ付けされた一対の導体10、11を備え、これらの導体には、例えば、必要に応じて、太陽光発電システム用のコネクタが接続され得る。
【0084】
実際には、トラックまたは導体5、6は、電池3の各グループ4によって供給された電流をDC-DC変換回路に送り、DC-DC変換回路は、電池3の各グループ4によって供給された電圧を、外部のDC-DCコンバータまたは低電圧ユーザ(<50V)と整合させることができる値まで上昇させる。
【0085】
ストリップ200に沿った各グループ4の実質的に両端に、ストリップ200は、変換回路7をプリント回路にはんだ付けできるはんだ付けパッド12を備える。
【0086】
実際には、トラック5、6、8および9は、はんだ付けパッド12においてアクセス可能である。
【0087】
有利なことに、ストリップ200は、片20を得るために、パッド12の1つで所望の長さに切断される。
【0088】
変換回路7はその後、片20のパッド12の1つにおいて、好ましくはその一端でトラック5、6、8、9にはんだ付けされ得る。
【0089】
変換回路は、太陽光発電デバイスのグループおよびバスに電気的に接続されたさらなる2つのパッドに直接接続されたパッドに接続され、当該バスは、定電圧ラインを可能にし、太陽光発電モジュール1の全長に最適化される。
【0090】
この解決策により、モジュール1の正極および負極をモジュール1の一端または他端に得ることが可能となる。
【0091】
一実施形態によれば、相互接続要件に応じて、一端に正極を保持し、反対側の端に負極を保持することが可能である。
【0092】
一実施形態によれば、トラック5、6、8、9は、ストリップ200の切断を容易にするために、パッド12で薄くなっている。
【0093】
好ましくは、パッド12に、すなわちストリップ200に沿った電池3のグループ4間に、ストリップ200は、電池3の直列-並列接続およびグループ4の直列-並列接続に配慮して片20を得るために、ストリップ200を切断する場所を識別するためのグラフィカル表示13、例えば破線を有する。
【0094】
各グループ4は、ストリップ200のプリント回路に沿って分離線によって次のグループ4から分離されており、当該分離線により、モジュール1の電気的機能に悪影響を与えることなくストリップ200を切断することが可能となる。
【0095】
一実施形態によれば、ストリップ200は、接着剤14、例えば両面接着テープの形態の接着剤14を備え、当該接着剤14は、モジュール1を対応するシート、例えばシート101および106に結合しやすくするように、ストリップ200の電池3側に付けられる。
【0096】
接着剤14は透明であり、太陽光発電デバイスとシートの材料との光学的結合を可能にする。
【0097】
縁102、107は有利なことに、光電池3をシート101、106に接着させるために使用される接着剤14の使用から生じる光損失を最小限に抑えるために、反射材料108でコーティングされ得る。
【0098】
説明された解決策は、特に発光型太陽集光器の製造において重要な利点をもたらす。
【0099】
電池3およびトラック5、6、8および9を備えたストリップ200は、不定の長さで形成されてもよく、例えば実用的なロールにパッケージされてもよい。
【0100】
モジュール1が適用されるシートの寸法に応じて、パッド12および/または破線13で、適切な長さのストリップ200の片20を切断することが可能である。
【0101】
変換回路7がその後、片20、特にトラック5、6、8および9にはんだ付けされる。
【0102】
このようにして得られたモジュール1は、例えば接着剤14によって、シートの対応する縁に貼り付けられてもよい。
【0103】
実際には、変換回路は、グループの各々によって供給される直流電流を、モジュール1の長さとは無関係に、より大きな電圧の直流電流に変換する。
【0104】
変換回路は、発光シートのサイズに関係なく、発光型太陽集光器の出力電圧を一定にする。
【0105】
一般に、太陽光発電モジュールがシートに取り付けられると、アセンブリは、発光型太陽集光器を製造する目的で、他のプロセス、例えば、シリコーンによる封止および/または専用プロファイルの縁のカプセル化、または本明細書では重要ではない他のプロセスを経てもよい。
【0106】
提案された解決策により、種々のサイズの太陽集光器に光学的に結合するのに適した、定電圧出力を持つ、任意の長さのフレキシブル太陽光発電レシーバを形成することが可能となる。
【0107】
接続要素の欠如により、ストリップは非常に薄くフレキシブルになり、このことは、要件に応じて切断可能である長いリールの形でそれを供給することを可能にする。
【0108】
一般に、LSCデバイスには、従来の集光型平面太陽光発電システムと比較して、数多くの重要な利点がある。主な利点は次のとおりである。
a)使用される半導体材料の量の大幅な削減。
b)太陽放射の直射成分および拡散成分の収集。これは、パネルの配置に関係なく同一の効率で変換され、その結果、捕捉面の傾斜に関係なく、太陽に直接さらされるファサードおよび拡散成分のみにさらされるファサードの両方での使用の可能性が得られる。
c)外部環境と接触して配置される集熱パネルの大面積による良好な熱放散。これは、シートの縁に結合された太陽光発電デバイスを、当該デバイスに高い変換効率を与える、温度を下げた条件下で働かせることを可能する(実際、市販の半導体の有効性は温度の上昇とともに低下する)。
d)太陽追跡システムの欠如、すなわち、従来のCPVパネルと比較してLSC太陽光発電パネルをユニークなものにするこの特徴は、一方ではデバイスの建築的統合を大幅に向上させ、他方ではコスト、重量および保守活動を大幅に削減する。
e)色素自体の発光スペクトルと光電池のスペクトル応答曲線との間の良好な重なり合いを可能にする色素を識別する可能性。これは、変換効率を最大化しながら且つ電池の加熱および損傷を最小限に抑えながら、電池を作動させることを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】