(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】抗線維化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/505 20060101AFI20240905BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240905BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240905BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240905BHJP
【FI】
A61K31/505
A61K47/10
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/02
A61K47/32
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521159
(86)(22)【出願日】2022-10-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2022123811
(87)【国際公開番号】W WO2023056935
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202111177939.1
(32)【優先日】2021-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515014990
【氏名又は名称】サンシャイン・レイク・ファーマ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNSHINE LAKE PHARMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Northern Industrial Area,Songshan Lake,Dongguan,Guangdong 523000,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲應▼ 侠
(72)【発明者】
【氏名】李 建▲澤▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 朕
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 奕娜
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲艷▼▲艷▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 英俊
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076CC15
4C076CC26
4C076DD26
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD37S
4C076DD41C
4C076DD46C
4C076DD47C
4C076EE16B
4C076EE31
4C076EE32B
4C076EE38
4C076EE38B
4C076FF36
4C076FF51
4C076FF63
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086GA13
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA37
4C086NA03
4C086ZA59
4C086ZB21
(57)【要約】
本発明は、抗線維化組成物に関する。上記組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を含む。該組成物は、保存しやすく、品質が安定して制御可能であり、バイオアベイラビリティが高いなどの利点を有し、また、該組成物の薬効が強く、安全性が高く、かつ患者が該組成物を服用する際にコンプライアンスが高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を含む、ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの薬学的に許容される塩は、その塩酸塩である、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル又はこれらの任意の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
経口固形製剤であり、
任意に、前記経口固形製剤は、カプセル剤又は錠剤である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含み、
任意に、前記賦形剤は、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤及び接着防止剤から選択される少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種であり、
前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種であり、
前記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種であり、
前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種であり、
前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記酸化防止剤の含有量は、0.01~0.40、0.02~0.40、0.01~0.30、0.01~0.20、0.02~0.30、0.03~0.30、0.03~0.20、0.03~0.10、0.05~0.20、0.08~0.30、0.08~0.20、0.08~0.10、0.04~0.30、0.03~0.08、0.03~0.05、0.04~0.05又は0.05~0.08重量部である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、5.00~73.00、6.00~58.00、9.00~58.00、11.00~58.00、9.00~35.00、12.00~35.00、6.00~22.00、9.00~22.00、21.00~35.00又は12.00~22.00重量部である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記充填剤の含有量は、22.50~91.00、29.00~82.00、60.00~77.00、60.00~76.00、60.00~69.00、55.00~90.00、65.00~77.00、65.00~76.00又は70.00~76.00重量部であり、
任意に、前記接着防止剤の含有量は、0.50~3.50、0.50~2.50、0.50~1.50、1.00~2.50又は1.00~2.00重量部であり、
任意に、前記崩壊剤の含有量は、0.50~16.00、0.05~6.00、1.50~6.00、2.50~5.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00又は2.50~8.00重量部であり、
任意に、前記潤滑剤の含有量は、0.50~7.00、0.50~5.00、1.00~6.00、1.00~5.00、2.00~6.00、2.00~3.00、3.00~6.00、3.00~4.00又は2.00~4.00重量部であり、
任意に、前記結合剤の含有量は、0~3.50、0~3.00、0~2.00又は2.00~3.00重量部である、ことを特徴とする請求項6~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
カプセル剤であり、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有し、
任意に、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(5.00~73.00):(0.01~0.40)又は(21.00~35.00):(0.05~0.08)である、ことを特徴とする請求項2~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記カプセル剤は、
5.00~73.00又は21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、
0.01~0.40又は0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、
22.5~90.50重量部の充填剤と、
0.50~6.00又は2.00~6.00重量部の崩壊剤と、
0.50~3.50重量部の接着防止剤と、
0.50~3.50重量部の潤滑剤と、
0~2.50重量部の結合剤と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記カプセル剤は、
13.00~58.00又は34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、
20.00~55.00又は40.00~41.00重量部のマンニトールと、
9.00~28.00又は20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、
1.50~3.50又は2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、
0.50~2.50又は0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、
0.50~3.00又は1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、
0.03~0.20又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.03~0.10又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種と、を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
前記カプセル剤は、
21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、
43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、
20.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、
4.00~6.00又は4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、
0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、
2.00~3.50又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、
0.03~0.10又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.10又は0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種と、を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項15】
錠剤であり、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有し、
任意に、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)、(9.00~22.00):(0.03~0.10)又は(12.00~22.00):(0.03~0.08)である、ことを特徴とする請求項2~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記錠剤は、
6.00~22.00、9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、
0.02~0.30、0.03~0.10又は0.04~0.08重量部の酸化防止剤と、
55.00~90.00、60.00~76.00、60.00~77.00又は65.00~76.00重重量部の充填剤と、
0~3.50重量部の結合剤と、
2.00~12.00又は3.00~10.00重量部の崩壊剤と、
0.50~3.00又は1.00~2.50重量部の接着防止剤と、
2.50~6.00、2.50~5.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤と、を含むことを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記錠剤は、
9.00~13.00、11.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、
9.00~10.50又は9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、
60.00~70.00、62.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、
1.00~4.00又は2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
4.00~12.00、4.00~9.00、5.00~9.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、
0.50~2.50又は1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、
2.50~4.50若しくは3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム、又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、
0.03~0.05又は0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン、及び、0.03~0.08又は0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種と、を含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
前記錠剤は、
21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、
20.00~25.00又は23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、
40.00~50.00又は43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、
0~3.00又は0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
4.00~5.50又は4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、
2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、
2.00~4.00又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、
0.04~0.08又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.05又は0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種と、を含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項19】
前記錠剤は、コーティング材料をさらに含有し、
任意に、前記コーティング材料の重量は、前記錠剤の素錠重量の2.0~4.0%である、ことを特徴とする請求項15~18のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物の分野に属し、具体的には、抗線維化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
線維化(fibrosis)は、様々な器官で発生する可能性があり、主な病理学的変化が器官組織内の線維性結合組織の増加と実質細胞の減少であり、持続的に進行すると、器官の機能が低下して最終的に死亡することを引き起こす可能性があり、末期の肝疾患、腎臓疾患、特発性肺線維症(IPF)及び心不全などに見られ、ヒトの健康及び生命を深刻に脅かす。IPFは、該疾患が最もよく見られ最も深刻である形態であると考えられ、生存期間中央値が約3年であり、現在、線維化を引き起こす正確なメカニズムはまだ明確ではない。ピルフェニドンは、2008年に日本で、2011年に欧州連合で承認され、日本の塩野義により研究し開発された最初の抗IPF薬物である。
【0003】
特許出願WO2014012360A1には、置換されたピリミジノン化合物が開示されており、具体的には、化合物3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)が開示されており、その活性がピルフェニドンより優れ、また、高い薬物動態特性及び安全性を有する。特許出願WO2018019166A1には、式(I)で表される化合物の塩、例えば塩酸塩が開示されており、上記塩酸塩は、高い安定性及び生物学的性質を有する。しかしながら、上記特許出願における研究は、いずれも初期段階の前臨床研究にあり、臨床研究の展開に役立つために、該薬物の性質をさらに研究し、ヒトの服用に適する薬物形態を探す必要がある。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許公開第2014012360号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の発明者らは、自己が開発した新薬(式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩)に基づいて、初期研究により、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩について、安定性が高く、長期間放置しても不純物を生成しないか又は不純物の含有量が増加しないことを見出した。しかしながら、薬物製剤を開発する過程において、発明者らは、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩を従来の方法で薬物製剤に調製した後、薬物製剤の安定性が予想外に悪くなることを見出した。発明者らは、薬物製剤の安定性が悪いという問題を解消するために、様々な薬物賦形剤を選別し配合することを試んだ結果、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩と酸化防止剤とを組み合わせると、薬物製剤の安定性を維持することができ、特に、上記化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩と、ラジカルと反応する酸化防止剤とを組み合わせると、薬物製剤製品の安定性がより高いことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記見出しに基づいて、本発明は、抗線維化作用を有する組成物を提供する。本発明の組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)又はその薬学的に許容される塩(例えば塩酸塩)を活性成分とし、酸化防止剤と組み合わせることにより、組成物の安定性が低下するという問題をよく解消する。
【0007】
一態様において、本発明は、組成物を提供する。いくつかの実施形態において、前記組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を含む。該組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン又はその薬学的に許容される塩を活性成分とする。本発明に記載の組成物は、特発性肺線維症などの線維化疾患を効果的に治療することができ、かつ安全性が高い。
【0008】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩は、その塩酸塩である。
【化2】
【0010】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤及び/又は酸化防止相乗剤を含むが、これらに限定されない。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤である。
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0013】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口製剤である。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口固形製剤である。
【0015】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の経口固形製剤は、カプセル剤又は錠剤である。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、カプセル剤又は錠剤である。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の賦形剤は、充填剤、崩壊剤、結合剤、接着防止剤及び潤滑剤から選択される少なくとも1種を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、5.00~73.00重量部(例えば、5.00重量部、6.00重量部、7.00重量部、8.00重量部、9.00重量部、11.00重量部、12.00重量部、12.12重量部、13.00重量部、20.00重量部、21.00重量部、21.82重量部、22.00重量部、25.00重量部、28.00重量部、31.00重量部、34.00重量部、34.09重量部、35.00重量部、58.00重量部、60.00重量部、65.00重量部、70.00重量部、73.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、約6.00~58.00重量部である。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、約9.00~58.00又は11.00~58.00重量部である。いくつかの実施形態において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、約6.00~22.00重量部である。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、9.00~35.00又は12.00~35.00重量部である。
【0028】
好ましくは、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、21.00~35.00重量部である。
【0029】
好ましくは、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、9.00~22.00又は12.00~22.00重量部である。
【0030】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.01~0.40重量部(例えば、0.01重量部、0.02重量部、0.03重量部、0.04重量部、0.05重量部、0.06重量部、0.07重量部、0.08重量部、0.09重量部、0.10重量部、0.15重量部、0.20重量部、0.25重量部、0.30重量部、0.40重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.02~0.40、0.01~0.30、0.01~0.20、0.02~0.30、0.03~0.30、0.03~0.20、0.03~0.10、0.05~0.20、0.08~0.30、0.08~0.20、0.08~0.10又は0.04~0.30重量部である。
【0032】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.03~0.08重量部である。好ましくは、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.03~0.05重量部、0.04~0.05重量部又は0.05~0.08重量部である。
【0033】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤の含有量は、22.00~91.00重量部(例えば、22.00重量部、22.50重量部、25.00重量部、29.00重量部、29.50重量部、30.00重量部、35.00重量部、40.00重量部、45.00重量部、50.00重量部、55.00重量部、55.50重量部、60.00重量部、60.36重量部、65.00重量部、65.60重量部、65.63重量部、67.00重量部、68.10重量部、68.13重量部、69.00重量部、70.00重量部、70.50重量部、71.00重量部、73.84重量部、74.00重量部、74.34重量部、74.50重量部、74.84重量部、75.34重量部、75.84重量部、76.00重量部、77.00重量部、80.00重量部、82.00重量部、86.00重量部、90.00重量部、90.50重量部、91.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0034】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤の含有量は、約22.50~91.00重量部、29.00~82.00重量部、55.00~90.00重量部、60.00~76.00重量部、60.00~77.00重量部、60.00~69.00重量部、55.00~90.00重量部、65.00~77.00重量部、65.00~76.00重量部又は70.00~76.00重量部である。
【0035】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤の含有量は、0.50~3.50重量部(例えば、0.50重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0036】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤の含有量は、0.50~2.50重量部、0.50~1.50重量部、1.00~2.50重量部又は1.00~2.00重量部である。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤の含有量は、0.50~16.00重量部(例えば、0.50重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部、4.00重量部、4.50重量部、5.00重量部、6.00重量部、7.00重量部、8.00重量部、9.00重量部、10.00重量部、12.00重量部、14.00重量部、16.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤の含有量は、0.05~6.00、1.50~6.00、2.50~5.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00又は2.50~8.00重量部である。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤の含有量は、0.50~7.00、0.50~6.00又は0.50~5.00重量部(例えば、0.50重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部、4.00重量部、4.50重量部、5.00重量部、6.00重量部、7.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤の含有量は、1.00~7.00、1.00~6.00、1.00~5.00、2.00~7.00、2.00~6.00、2.00~3.00、3.00~6.00、5.00~7.00、3.00~4.00又は2.00~4.00重量部である。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤の含有量は、0~3.50重量部(例えば、0.01重量部、0.02重量部、0.03重量部、0.04重量部、0.05重量部、0.06重量部、0.08重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤の含有量は、0~3.00、0~2.00、0~2.50又は2.00~3.00重量部である。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、カプセル剤であり、前記カプセル剤は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(5.00~73.00):(0.01~0.40)である。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.03~0.08)である。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.05~0.08)である。
【0047】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~22.00):(0.05~0.08)である。
【0048】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(34.00~35.00):(0.05~0.08)である。
【0049】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00又は21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.01~0.40、0.02~0.10又は0.04~0.09重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、0.50~6.00又は2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.01~0.40重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、0.50~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0051】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0052】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.05~0.08重量部の酸化防止剤と、60.00~70.00重量部の充填剤と、2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00重量部の接着防止剤と、1.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0058】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及びアルファ化デンプンから選択される少なくとも1種を含み、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、前記接着防止剤は、コロイダルシリカであり、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00又は34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~55.00又は40.00~41.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00又は20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50又は2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50又は0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~3.00又は1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.20又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.03~0.10又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~55.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンとを含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、40.00~41.00重量部のマンニトールと、20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~55.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.20重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、約34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約40.00~41.00重量部のマンニトールと、約20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、約2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、約0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、約1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、約0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び約0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、20.00~23.00又は21.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~6.00又は4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~3.50又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.10又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.10又は0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、20.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~6.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、21.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.82重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、22.00重量部のアルファ化デンプンと、4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.50重量部のコロイダルシリカと、3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、錠剤であり、前記錠剤は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。
【0070】
いくつかの実施形態において、上記錠剤は、以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と前記酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)である。
【0072】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と前記酸化防止剤との質量比は、(9.00~22.00):(0.03~0.10)である。
【0073】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と前記酸化防止剤との質量比は、(9.00~22.00):(0.03~0.08)である。
【0074】
いくつかの実施例において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.03~0.08)である。
【0075】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~13.00):(0.03~0.05)である。
【0076】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~13.00):(0.03~0.05)である。
【0077】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.04~0.10)である。
【0078】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.05~0.08)である。
【0079】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、6.00~22.00、9.00~22.00、9.00~13.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.30、0.03~0.10、0.04~0.08、0.05~0.08又は0.03~0.05重量部の酸化防止剤と、55.00~90.00、60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00、60.00~77.00、65.00~77.00又は65.00~76.00重重量部の充填剤と、0~3.50重量部の結合剤と、2.00~12.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00、5.0~8.00又は6.00~8.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00又は1.00~2.50重量部の接着防止剤と、2.00~7.00、2.50~6.00、2.50~5.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、6.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.30重量部の酸化防止剤と、55.00~90.00重量部の充填剤と、0~3.50重量部の結合剤と、2.00~12.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00重量部の接着防止剤と、2.50~7.00又は及び2.50~6.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約6.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約55.00~90.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約2.00~12.00重量部の崩壊剤と、約0.50~3.00重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は2.50~5.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00又は60.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約3.00~10.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00、2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.03~0.10重量部の酸化防止剤と、約60.00~78.00、60.00~76.00又は60.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約3.00~10.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.04~0.08重量部の酸化防止剤と、約65.00~76.00又は65.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.00重量部の結合剤と、約4.00~8.00又は5.00~8.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.03~0.05重量部の酸化防止剤と、約65.00~76.00又は65.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約4.00~8.00又は5.0~8.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0086】
いくつかの実施例において、本発明に記載の錠剤において、前記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種を含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及びアルファ化デンプンから選択される少なくとも1種を含み、前記結合剤は、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、前記接着防止剤は、コロイダルシリカであり、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム又はベヘン酸グリセリルである。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00、11.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.50又は9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00、62.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00又は2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00、4.00~9.00、5.00~9.00、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50又は1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~4.50若しくは3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム、又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05又は0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン、及び、0.03~0.08又は0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は11.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.50重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、2.50~4.50重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、64.00~66.00又は64.00~67.00重量部の微結晶セルロースと、2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~25.00又は23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00又は43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00又は0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50又は4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.05又は0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~25.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、前記錠剤は、コーティング材料をさらに含有し、任意に、前記コーティング材料は、フィルムコーティングプレミックスである。
【0100】
いくつかの実施形態において、前記コーティング材料の重量は、前記錠剤の素錠重量の2.0~4.0%である。
【0101】
本発明の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本発明の実施により把握される。
【発明を実施するための形態】
【0102】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。以下に説明される実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するものに過ぎず、本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0103】
なお、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示的に示したりするものであると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」によって限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。さらに、本発明の説明において、別に説明しない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。
本発明の詳細な説明
定義及び一般的な用語
【0104】
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されるものではなく、そのような実施形態が変化することができることを理解すべきである。また、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、かつ限定するためのものではないことを理解すべきである。別に規定しない限り、本明細書に使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に参照される全ての出版物及び特許は、それらの全体の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
本発明の文脈において、本明細書に開示される全ての数字は、いずれも近似値である。各数字の数値には、1%、2%、5%、7%、8%又は10%などの差異が現れる可能性がある。値Nを有する数字が開示される場合、N+/-1%、N+/-2%、N+/-3%、N+/-5%、N+/-7%、N+/-8%又はN+/-10%以内の値を有するいかなる数字が明確に開示され、ここで、「+/-」は、プラス又はマイナスを指す。数値範囲の下限、DL、上限、DUが開示される場合、開示された該範囲内にあるいかなる数値が明確に開示される。
【0106】
数値範囲が提供された場合、文脈において明確に示さない限り、上限及び下限単位の10分の1まで、該範囲の上限と下限との間の補間される値及び上記範囲におけるいかなる他の記述される値又は補間される値が本発明に包含されることを理解すべきである。これらの小さい範囲の上限及び下限は、上記範囲内のいかなる具体的な除外制限を条件として、該小さい範囲内に独立して含まれてもよく、かつ本発明に包含される。上記範囲が上記限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方又は両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
【0107】
特定の範囲は、用語「約」が前に付けられた数値として本明細書に提供される。用語「約」は、本明細書において、前に該用語を有する正確な数値、及び前に該用語を有する数値に近い数値又は近似する数値に対して文字サポートを提供する。数値が具体的に記述された数値に近いか又は近似するか否かを決定する場合、該近いか又は近似する記述されない数値は、それが提供される文脈において、該具体的な記述された数値と実質的に同等である数値であってもよい。用語「約」又は「大体」は、当業者によって決定される特定の値に対して許容される誤差を指し、該値の測定又は決定方法に部分的に依存する。特定の実施形態において、用語「約」又は「大体」は、1つ、2つ、3つ又は4つの標準偏差内にあることを指す。特定の実施形態において、用語「約」又は「大体」は、所与の値又は範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%又は0.05%内にあることを指す。
【0108】
用語「任意に」、「任意の」又は「任意」は、続いて記載する事件又は状況が発生してもよいが、必ずしも発生するわけではないことを指し、かつ該説明は、該事件又は状況が発生する場合と、該事件又は状況が発生しない場合とを含む。例えば、本発明に記載の組成物が任意の結合剤を含有することは、上記組成物が結合剤を含有してもよく、含有しなくてもよいことを意味する。
【0109】
用語「薬学的に許容される」は、物質又は組成物が製剤を含有する他の成分及び/又はそれにより治療される哺乳動物と化学的及び/又は毒性学的に適合しなければならないことを指す。好ましくは、本発明に記載の「薬理学的に許容される」は、連邦規制当局若しくは国家政府により批准されるか、又は米国薬局方若しくはその他の一般に認められる薬局方において挙げられる、動物、特にヒトに使用できることを指す。
【0110】
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の有機塩及び無機塩を指す。薬学的に許容される塩は、該当分野において周知であり、例えば、文献Berge et al.,describe pharmaceutically acceptable salts in detail in J.Pharmacol Sci,1997,66,1-19に記載されるとおりである。いくつかの実施形態において、本発明に記載の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、P-トルエンスルホン酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩などを含むが、これらに限定されない。好ましくは、本発明に記載の薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0111】
本明細書に言及されるこれら及び他の薬学的に許容される賦形剤又はプロセスについては、この主題に関する大量の文献を参照することができ、具体的には、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、Arthur H.Kibbe編集、American Pharmaceutical Association、Washington、USA及びPharmaceutical Press、Londonと、Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie、Kosmetik und angrenzende Gebiete、H.P.Fiedler編集、第4版、Editio Cantor、Aulendorfの初期バージョンとを参照する。
【0112】
本発明に提供される組成物又は製剤は、単独で患者に投与されてもよく、他の活性製剤と共投与されるか又は組み合わせて投与されてもよい。用語「共投与」及び「組み合わせ」は、具体的な時間制限がない場合に2種以上の治療剤を同時に投与するか又は順に投与することを含む。一実施形態において、試薬は、細胞内若しくは個体の体内に同時に存在するか、又は生物学的効果若しくは治療効果を同時に発揮する。一実施形態において、各治療剤は、同じ組成物又は単位剤形にある。他の実施形態において、各治療剤は、異なる組成物又は単位剤形にある。いくつかの実施形態において、第2治療剤を投与する前(例えば、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間若しくは12週間前)に、投与すると同時に、又は投与した後(例えば、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間若しくは12週間後)に第1試薬を投与する。
【0113】
用語「活性成分」又は「活性剤」は、治療(例えば、ヒト治療、獣医学的治療)(予防的及び治療的治療を含む)に使用される物質を指す。活性成分は、疾患、病症又は障害を治療、予防、遅延、軽減又は改善するための薬物として使用される任意の物質を含む。
【0114】
用語「経口製剤」は、経口投与され、かつ薬物が胃腸管内で吸収されて血液に入る製剤形態を指し、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、経口液剤などを含む。
【0115】
用語「固形経口製剤」は、錠剤、分散錠、速溶錠、急速溶解錠、速溶解錠、経口溶解錠、口腔内溶解錠、口腔内分散錠、凍結乾燥単位、多孔質錠、従来の錠剤、コーティング錠、素錠、腸溶錠(gastro-resistant tablet)、発泡錠、可溶性錠、チュアブル錠、経口凍結乾燥物、散薬、経口散薬、丸剤、カプセル剤及び/又は顆粒剤を指す。いくつかの実施例において、上記固形経口製剤は、カプセルである。いくつかの実施例において、上記固形経口製剤は、錠剤である。
【0116】
用語「重量部」は、組成物のある成分の質量の他の成分の質量に対する割合により得られた質量部数を指し、例えば、上記酸化防止剤の含有量が0.01~0.40重量部であることは、酸化防止剤の組成物の他の成分に対する割合により得られた質量部数が0.01~0.40重量部であることを指す。
【0117】
製剤の調製中に、各成分の重量データは、比例に応じて増幅され、省略されるか又は等量に置き換えられる場合があり、本発明において、各成分自体の分子量又は質量の間の計量関係に基づいて、具体的な数値若しくは小数点以下の桁数、又は異なる小数点以下の桁数まで正確にすることに拡張することができ、薬学的に理解できる範囲内又は科学的に計数した場合、四捨五入の規則に基づいてさらに類推することを含むが、これらに限定されず、例えば、充填剤の含有量が80.00重量部であることについて、該含有量と79.95重量部、80.01重量部、80.35重量部などの含有量とは、効果が同等であるか又は互いに置き換えることができ、他の成分について同様に類推することができる。
【0118】
用語「酸化防止強化剤」は、ラジカルの形成を阻害し、他の酸化防止剤と相乗効果を発揮する。
【0119】
用語「含有する」又は「含む」は、開放式表現であり、つまり、本発明に明記された内容を含むが、その他の内容を除外するものではない。
組成物
【0120】
本発明の一態様において、本発明は、組成物を提供し、上記化合物は、抗線維化作用を有し、線維化疾患、例えば肝線維症、特発性肺線維症などの肺線維症の治療に使用できる。いくつかの実施形態において、該組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、該組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩を活性成分とする。発明者らは、大量の試験により、上記活性成分と酸化防止剤とを組み合わせることにより、組成物の安定性が低下するという問題をよく解消することを見出した。該組成物は、保存過程において不純物の生成を効果的に減少させ、保存しやすく、品質が安定して制御可能であり、バイオアベイラビリティが高いなどの利点を有する。また、発明者らは、本発明で調製した組成物の薬効が強く、安全性が高く、かつ患者が服用する際にコンプライアンスが高いことを見出した。
【0122】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩は、その塩酸塩である。本発明に記載の組成物は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を活性成分として含有する。
【化3】
【0123】
いくつかの実施例において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤及び/又は酸化防止相乗剤を含有するが、これらに限定されない。
【0124】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤であり、任意に、ラジカルと反応する酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン(ジブチルヒドロキシトルエンとも呼ばれる)及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種であってもよい。ラジカルと反応する酸化防止剤は、ラジカルと反応できる酸化防止剤であり、酸化過程における連鎖反応を遮断することができ、発明者らは、大量の試験により、このような酸化防止剤を使用すると、効果がより高いことを見出した。
【0125】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口製剤である。
【0126】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口固形製剤である。式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を経口固形製剤に調製すると、安定性の効果が高い。任意に、本発明に記載の経口固形製剤は、カプセル剤又は錠剤である。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、カプセル剤又は錠剤である。式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤をカプセル剤及び/又は錠剤に調製すると、その安定性の効果がより高い。
【0128】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、適切な量の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。上記適切な量は、上記化合物の有効投与量であり、上記有効投与量は、安全で効果的である。好ましくは、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、4.00~70.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、4.50~67.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、20.00~32.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、8.00~32.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、11.00~32.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、8.00~20.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、11.00~20.00重量部であってもよい。任意に、上記組成物における活性成分が式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩である場合、上記塩の含有量は、遊離化合物と対応する塩の分子量の比に基づいて換算することができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩を活性成分とする。好ましくは、本発明に記載の組成物は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を活性成分としてもよい。
【0130】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物において、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、5.00~73.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約6.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約11.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約12.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約13.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9.00~35.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約12.00~35.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約6.00~22.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9.00~22.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約21.00~35.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約12.0~22.0重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、12.12~34.09重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、12.12~21.82重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、21.82~34.09重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9、12、22又は34重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、9.09、12.12、21.82又は34.09重量部である。
【0131】
いくつかの実施形態において、上記組成物において、酸化防止剤の含有量は、0.01~0.40重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.02~0.40重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.01~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.01~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.02~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.10重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.05~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.08~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.08~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.08~0.10重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.04~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.08重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.05重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.04~0.05重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.05~0.08重量部である。
【0132】
発明者らは、大量の試験により、酸化防止剤の含有量を0.01~0.4重量部、特に0.03~0.10重量部に制御すると、組成物の保存過程における不純物の生成量及び生成速度を効果的に低下させ、組成物の安定性を向上させ、組成物の保存を容易にすることができることを見出した。
【0133】
いくつかの実施形態において、該組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。賦形剤を加えることにより、組成物の安定性をさらに向上させることができる。
【0134】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の賦形剤は、充填剤、崩壊剤、結合剤、接着防止剤及び潤滑剤から選択される少なくとも1種を含む。上記タイプの賦形剤を加えることにより、組成物の安定性をさらに向上させることができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物において、上記充填剤の含有量は、22.00~91.00重量部である。任意に、上記充填剤の含有量は、22.50~91.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約29.00~82.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約55.00~90.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約55.00~82.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約70.00~76.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約65.00~77.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約65.00~76.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約60.00~77.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、60.00~76.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約60.00~69.00重量部である。
【0141】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤の含有量は、0.50~3.50重量部である。任意に、上記接着防止剤の含有量は、0.50~2.50重量部であり、任意に、上記接着防止剤の含有量は、0.50~1.50重量部であり、任意に、上記接着防止剤の含有量は、1.00~2.50重量部であり、任意に、上記接着防止剤の含有量は、1.00~2.00重量部である。
【0142】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤の含有量は、0.50~16.00重量部である。任意に、上記崩壊剤の含有量は、1.50~12.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.00~10.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、3.00~10.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、0.50~6.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、1.50~6.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.50~5.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、4.00~9.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、4.00~8.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、1.50~3.50重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.50~6.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.50~8.00重量部である。
【0143】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤の含有量は、0.50~7.00重量部である。任意に、上記潤滑剤の含有量は、0.50~5.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、1.00~7.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、1.00~6.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、1.00~5.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~7.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~6.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~4.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~3.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、3.00~6.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、3.00~4.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~3.50重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~4.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、5.00~7.00重量部である。
【0144】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤の含有量は、0~3.50重量部である。任意に、上記結合剤の含有量は、0~3.00重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、0~2.50重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、0~2.00重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、2.00~3.00重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、2.50重量部である。
カプセル剤
【0145】
本発明の別の態様において、本発明は、カプセル剤を提供する。いくつかの実施形態において、該カプセル剤は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。上記「任意の結合剤」は、上記カプセル剤が結合剤を含有してもよく、含有しなくてもよいことを指す。
【0146】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製したカプセル剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該カプセル剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0147】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩と酸化防止剤との質量比は、約(4.00~77.00):(0.01~0.40)である。発明者らは、試験により、上記配合比率を使用すると、カプセル剤の保存過程における不純物の生成量及び生成速度を低下させ、カプセル剤の安定性を向上させ、カプセル剤の保存を容易にすることができることを見出した。
【0148】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、活性成分は、式(I)で表される化合物の塩酸塩である。
【0149】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(5.00~73.00):(0.01~0.40)である。発明者らは、大量の試験により、上記配合比率の範囲内で調製したカプセル剤について、保存過程における不純物の含有量が少なく、安定性が高いことを見出した。
【0150】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(13.00~58.00):(0.03~0.30)である。任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.03~0.10)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.03~0.80)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.05~0.80)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~22.00):(0.05~0.08)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(34.00~35.00):(0.05~0.08)である。
【0151】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00又は21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.01~0.40、0.02~0.10又は0.04~0.09重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、0.50~6.00又は2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0152】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩、0.01~0.40重量部の酸化防止剤、22.50~90.50重量部の充填剤、0.50~6.00重量部の崩壊剤、0.50~3.50重量部の接着防止剤、0.50~3.50重量部の潤滑剤、及び/又は、0~2.50重量部の結合剤を含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤であり、任意に、ラジカルと反応する酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0154】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製したカプセル剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該カプセル剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0155】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0156】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0157】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0158】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0159】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0160】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び/又は没食子酸プロピルであり、充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及び/又はアルファ化デンプンであり、崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、接着防止剤は、コロイダルシリカであり、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。発明者らは、試験により、上記原料で調製したカプセル剤について、保存過程における不純物の生成量が少なく、保存しやすく、安定性が高いなどの利点を有することを見出した。
【0161】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、20.00~55.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~2.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05~0.20重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、上記カプセル剤は、約34.00~34.50重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、約40.00~41.00重量部のマンニトールと、約20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、約2.00~2.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、約1.00~1.50重量部のコロイダルシリカと、約1.50~2.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、約0.05~0.20重量部のブチルヒドロキシアニソール及び約0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、上記カプセル剤は、21.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、20.00~22.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、上記カプセル剤は、21.82重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、22.00重量部のアルファ化デンプンと、4.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.50重量部のコロイダルシリカと、3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0165】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製したカプセル剤の安定性が高いことを見出した。
【0166】
なお、当業者であれば、組成物について説明した上記の特徴及び利点が同様に該カプセル剤に適用されることを理解することができ、ここでは説明を省略する。
錠剤
【0167】
本発明の別の態様において、本発明は、錠剤を提供する。いくつかの実施形態において、該組成物は、錠剤であり、上記錠剤は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。
【0168】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製した錠剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該錠剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0169】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩と酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)である。発明者らは、大量の試験により、上記配合比率を使用すると、錠剤の保存過程における不純物の生成量及び生成速度を低下させ、錠剤の安定性を向上させ、錠剤の保存を容易にすることができることを見出した。
【0170】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を活性成分とし、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)である。発明者らは、大量の試験により、上記配合比率で調製した錠剤について、保存過程における不純物の含有量が少なく、安定性が高いことを見出した。
【0171】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.03~0.10)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.03~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.03~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~13.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~13.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.04~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.04~0.10)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約21.00~22.00):(0.03~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.05~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.04)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.04)である。
【0172】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、6.00~22.00、9.00~22.00、9.00~13.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.30、0.03~0.10、0.03~0.08、0.04~0.08、0.05~0.08又は0.03~0.05重量部の酸化防止剤と、55.00~90.00、60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00、60.00~77.00、65.00~77.00又は65.00~76.00重重量部の充填剤と、0~3.50重量部の結合剤と、2.00~12.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00、5.0~8.00又は6.00~8.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00又は1.00~2.50重量部の接着防止剤と、2.00~7.00、2.50~6.00、2.50~5.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約6.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約55.00~90.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約2.00~12.00重量部の崩壊剤と、約0.50~3.00重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約6.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、約0.02~0.30重量部の酸化防止剤と、約55.00~90.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約2.00~12.00重量部の崩壊剤と、約0.50~3.00重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00、2.50~6.00又は2.50~5.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00又は60.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約3.00~10.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00、2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.04~0.08重量部の酸化防止剤と、約65.00~76.00又は65.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.00重量部の結合剤と、約4.00~8.00又は5.00~8.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤であり、任意に、上記ラジカルと反応する酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0178】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製した錠剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該錠剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0179】
いくつかの実施例において、本発明に記載の充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0180】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0181】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0182】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0183】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種を含み、充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及びアルファ化デンプンから選択される少なくとも1種を含み、結合剤は、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、接着防止剤は、コロイダルシリカであり、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。発明者らは、大量の実験により、上記原料で調製した錠剤について、保存過程における不純物の生成量が少なく、保存しやすく、安定性が高いなどの利点を有することを見出した。
【0185】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00、11.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.50又は9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00、62.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00又は2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00、4.00~9.00、5.00~9.00、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50又は1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~4.50若しくは3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム、又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05又は0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン、及び、0.03~0.08又は0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は11.00~13.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、9.00~10.50重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、3.50~4.50重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は12.00~13.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、64.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~25.00又は23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00又は43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00又は0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50又は4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.05又は0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0189】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、20.00~25.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。発明者らは、大量の試験により、上記配合成分及び配合比率で調製した錠剤について、錠剤の安定性及び薬効をさらに向上させることができることを見出した。
【0191】
いくつかの実施形態において、上記錠剤は、コーティング材料をさらに含有し、任意に、上記コーティング材料の重量は、錠剤の素錠重量の2.00~4.00%である。素錠は、錠剤中のコーティング材料の内部に包まれた全ての物質を指す。
【0192】
なお、当業者であれば、組成物について説明した上記の特徴及び利点が同様に該錠剤に適用されることを理解することができ、ここでは説明を省略する。
【0193】
以下、実施例を合わせて本発明の技術手段を説明する。当業者であれば、以下の実施例が本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。実施例において具体的な技術又は条件が明記されない場合、本分野の文献に記載されている技術、条件に従うか又は製品仕様書に従うものとする。
【0194】
本発明の各実施例又は比較例におけるサンプルの不純物の含有量は、高速液体クロマトグラフィー法(中国薬典2020版通則0512)を参照して測定され、具体的には、以下のとおりである。
【0195】
供試品溶液:供試品(例えば、本発明に記載のカプセル、錠剤又は本発明に記載の比較例における対照品)にメタノールを加えて抽出を行い、かつ希釈して1mL当たり約2.5mgの式(I)で表される化合物を含有する溶液に調製し(錠剤について、抽出を行う前に少量の水を加えて崩壊させる必要がある)、さらに60%メタノール-水で希釈して1mL当たり約1mgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0196】
対照品溶液:適量の対照品(例えば、式(I)で表される化合物の塩酸塩)を精秤し、60%メタノール-水を加えて溶解し、かつ希釈して1mL当たり約5μgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0197】
感度溶液:適量の対照品溶液を精密に量り取り、60%メタノール-水で定量希釈して1mL当たり約0.5μgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0198】
システム適合性溶液:適量の対照品(例えば、式(I)で表される化合物の塩酸塩)を秤量し、60%メタノール-水を加えて溶解し、かつ希釈して1mL当たり約1mgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0199】
クロマトグラフィー条件:オクチルシラン結合シリカゲルを充填剤とするクロマトグラフィーカラム(例えば、Phenomenex kinetex C8 100A、4.6×100mm、2.6μm又はそれに相当するクロマトグラフィーカラム)を使用し、0.01mol/Lの酢酸アンモニウム-アセトニトリル(9:1)を移動相Aとし、メタノール-アセトニトリル(75:25)を移動相Bとし、以下の表における手順に従って勾配溶離を行い、検出波長を266nmとし、サンプル導入体積を10μLとした。
【表1】
【0200】
計算:主成分に対して外部標準法と補正係数法を用いて計算した。
【0201】
合格基準:供試品溶液のクロマトグラムに不純物ピークがあれば、総不純物が1.5%を超えない。
【0202】
特許出願WO2018019166A1に開示されている式(I)で表される化合物の塩酸塩の結晶形Iを例として、本発明の技術手段を説明し、すなわち、式(I)で表される化合物の塩酸塩の結晶形Iを活性成分として組成物を調製した。
実施例1
【0203】
活性成分をカプセル剤として調製し、溶出率を測定した。
【0204】
製造方法は、以下のとおりであった。
方法A:
【0205】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)次に、潤滑剤と予備混合物とを均一に混合して、全体的な混合粉末を得て、(3)全体的な混合粉末を適切な中空カプセルシェルに充填して、カプセル剤を調製した。
方法B:
【0206】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)、潤滑剤及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して乾式造粒を行って、造粒された顆粒を得て、(3)造粒された顆粒と、充填剤(あれば)、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を適切な中空カプセルシェルに充填した。任意に、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
方法C:
【0207】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して湿式造粒を行い、乾燥して、乾燥された顆粒を得て、(3)乾燥された顆粒と充填剤、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を適切な中空カプセルシェルに充填した。任意に、結合剤は、ステップ(2)で結合剤溶液に調製された後に加えられてもよく、及び/又は、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
【0208】
具体的には、上記方法Aに従ってカプセル剤サンプルA1及びA2を調製し、方法Bに従ってサンプルA3及びA4を調製し、方法Cに従ってサンプルA5及びA6を調製した。各サンプルの組成を下記表A~Cに示す。
表A
【表2】
【0209】
本願において、「N/A」は、「なし」を表す。
表B
【表3】
表C
【表4】
【0210】
溶出率測定法(中国薬典2020版通則0931第1法)を用い、900mL、0.1MのHClを溶出媒体とし、100rpmで、上記カプセルサンプルに対して方法に従って溶出率を測定し、溶出率の合格基準は、45minで≧80%である。
【0211】
結果:溶出率試験の結果により、各サンプルの45minでの溶出率がいずれも80%より大きいことを示した。
実施例2
【0212】
活性成分を錠剤として調製し、溶出率を測定した。
【0213】
製造方法は、以下のとおりであった。
方法1:
【0214】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)次に、潤滑剤と予備混合物とを均一に混合して、全体的な混合粉末を得て、(3)全体的な混合粉末を打錠して、素錠を得て、(4)素錠をコーティングして、コーティング錠を得た。
方法2:
【0215】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)、潤滑剤及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して乾式造粒を行って、造粒された顆粒を得て、(3)造粒された顆粒と、充填剤(あれば)、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を打錠して、素錠を得て、(6)素錠をコーティングして、コーティング錠を得た。任意に、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
方法3:
【0216】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して湿式造粒を行い、乾燥して、乾燥された顆粒を得て、(3)乾燥された顆粒と充填剤、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤(例えば精製水)と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を打錠して、素錠を得て、(6)素錠をコーティングして、コーティング錠を得た。任意に、結合剤は、ステップ(2)で結合剤溶液に調製された後に加えられてもよく、及び/又は、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
【0217】
上記コーティング材料は、フィルムコーティングプレミックスであり、使用量が素錠重量の3.0±1.0%であった。
【0218】
具体的には、上記方法3に従って錠剤サンプルB1~B2及びB5~B17を調製し、方法2に従ってサンプルB3及びB4を調製した。各サンプルの素錠の組成を以下の表D、E及びF1~F6に示す。
表D
【表5】
表E
【表6】
表F1
【表7】
表F2
【表8】
表F3
【表9】
表F4
【表10】
表F5
【表11】
表F6
【表12】
【0219】
溶出率測定法(中国薬典2020版通則0931第2法)を用い、900mL、pH3.0のフタル酸水素カリウム緩衝溶液+1.5%ツイーン80を溶出媒体とし、75rpmで、上記錠剤サンプルに対して方法に従って溶出率を測定し、溶出率の合格基準は、45minで≧80%である。
【0220】
結果:溶出率試験の結果により、各サンプルの45minでの溶出率がいずれも80%より大きく、ほとんどのサンプルの45minでの溶出率が90%より大きいことを示した。
比較例
【0221】
上記カプセル剤及び錠剤の方法に従って、酸化防止剤を加えない方式で、酸化防止剤を含有しないカプセル剤及び錠剤サンプルを調製して、対照品とした。具体的には、実施例1の方法B及び方法Cに従って、酸化防止剤を含有しないカプセル剤対照品C1及びC2をそれぞれ調製し、実施例2の方法2及び方法3に従って、酸化防止剤を含有しない錠剤対照品C3及びC4をそれぞれ調製した。各対照品の具体的な組成を以下の表G1及びG2に示す。
表G1 カプセル剤対照品
【表13】
表G2 錠剤対照品
【表14】
実施例3
【0222】
『中国薬典2015版第4部』9001における原製剤の安定性試験ガイドラインを参照して、本発明のカプセル剤及び錠剤製品、並びに対照サンプルC1~C4の安定性を評価する。具体的な実験方法を本発明に記載し、実験結果を以下の表Hに示す。
表H
【表15-1】
【表15-2】
【0223】
上記表から分かるように、対照サンプルは、実験が行われてから1ヶ月後に総不純物の含有量が明らかに増加し、3~4ヶ月後に総不純物の含有量が許容される限度を超えており、対照サンプルの安定性が低いことが分かる。本発明に記載のカプセル剤及び錠剤は、実験過程において総不純物の含有量が基本的に変化せず、かつ対照サンプルの総不純物の含有量より明らかに低く、特に長期保存した後、各サンプルの総不純物の含有量が基本的に変化せず、かつ対照サンプルの総不純物の含有量より遥かに低い。以上より、カプセル剤又は錠剤を調製する場合、酸化防止剤を加えることにより、保存過程における不純物の生成量及び生成速度を低下させ、錠剤の安定性を向上させることができる。
【0224】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合するか又は組み合わせることができる。
【0225】
以上、本発明の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本発明の範囲で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物の分野に属し、具体的には、抗線維化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
線維化(fibrosis)は、様々な器官で発生する可能性があり、主な病理学的変化が器官組織内の線維性結合組織の増加と実質細胞の減少であり、持続的に進行すると、器官の機能が低下して最終的に死亡することを引き起こす可能性があり、末期の肝疾患、腎臓疾患、特発性肺線維症(IPF)及び心不全などに見られ、ヒトの健康及び生命を深刻に脅かす。IPFは、該疾患が最もよく見られ最も深刻である形態であると考えられ、生存期間中央値が約3年であり、現在、線維化を引き起こす正確なメカニズムはまだ明確ではない。ピルフェニドンは、2008年に日本で、2011年に欧州連合で承認され、日本の塩野義により研究し開発された最初の抗IPF薬物である。
【0003】
特許出願WO2014012360A1には、置換されたピリミジノン化合物が開示されており、具体的には、化合物3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)が開示されており、その活性がピルフェニドンより優れ、また、高い薬物動態特性及び安全性を有する。特許出願WO2018019166A1には、式(I)で表される化合物の塩、例えば塩酸塩が開示されており、上記塩酸塩は、高い安定性及び生物学的性質を有する。しかしながら、上記特許出願における研究は、いずれも初期段階の前臨床研究にあり、臨床研究の展開に役立つために、該薬物の性質をさらに研究し、ヒトの服用に適する薬物形態を探す必要がある。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許公開第2014012360号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の発明者らは、自己が開発した新薬(式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩)に基づいて、初期研究により、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩について、安定性が高く、長期間放置しても不純物を生成しないか又は不純物の含有量が増加しないことを見出した。しかしながら、薬物製剤を開発する過程において、発明者らは、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩を従来の方法で薬物製剤に調製した後、薬物製剤の安定性が予想外に悪くなることを見出した。発明者らは、薬物製剤の安定性が悪いという問題を解消するために、様々な薬物賦形剤を選別し配合することを試んだ結果、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩と酸化防止剤とを組み合わせると、薬物製剤の安定性を維持することができ、特に、上記化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩と、ラジカルと反応する酸化防止剤とを組み合わせると、薬物製剤製品の安定性がより高いことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記見出しに基づいて、本発明は、抗線維化作用を有する組成物を提供する。本発明の組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)又はその薬学的に許容される塩(例えば塩酸塩)を活性成分とし、酸化防止剤と組み合わせることにより、組成物の安定性が低下するという問題をよく解消する。
【0007】
一態様において、本発明は、組成物を提供する。いくつかの実施形態において、前記組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を含む。該組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン又はその薬学的に許容される塩を活性成分とする。本発明に記載の組成物は、特発性肺線維症などの線維化疾患を効果的に治療することができ、かつ安全性が高い。
【0008】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩は、その塩酸塩である。
【化2】
【0010】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤及び/又は酸化防止相乗剤を含むが、これらに限定されない。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤である。
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0013】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口製剤である。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口固形製剤である。
【0015】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の経口固形製剤は、カプセル剤又は錠剤である。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、カプセル剤又は錠剤である。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の賦形剤は、充填剤、崩壊剤、結合剤、接着防止剤及び潤滑剤から選択される少なくとも1種を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、5.00~73.00重量部(例えば、5.00重量部、6.00重量部、7.00重量部、8.00重量部、9.00重量部、11.00重量部、12.00重量部、12.12重量部、13.00重量部、20.00重量部、21.00重量部、21.82重量部、22.00重量部、25.00重量部、28.00重量部、31.00重量部、34.00重量部、34.09重量部、35.00重量部、58.00重量部、60.00重量部、65.00重量部、70.00重量部、73.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、約6.00~58.00重量部である。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、約9.00~58.00又は11.00~58.00重量部である。いくつかの実施形態において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、約6.00~22.00重量部である。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、9.00~35.00又は12.00~35.00重量部である。
【0028】
好ましくは、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、21.00~35.00重量部である。
【0029】
好ましくは、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩の含有量は、9.00~22.00又は12.00~22.00重量部である。
【0030】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.01~0.40重量部(例えば、0.01重量部、0.02重量部、0.03重量部、0.04重量部、0.05重量部、0.06重量部、0.07重量部、0.08重量部、0.09重量部、0.10重量部、0.15重量部、0.20重量部、0.25重量部、0.30重量部、0.40重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.02~0.40、0.01~0.30、0.01~0.20、0.02~0.30、0.03~0.30、0.03~0.20、0.03~0.10、0.05~0.20、0.08~0.30、0.08~0.20、0.08~0.10又は0.04~0.30重量部である。
【0032】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.03~0.08重量部である。好ましくは、本発明に記載の酸化防止剤の含有量は、0.03~0.05重量部、0.04~0.05重量部又は0.05~0.08重量部である。
【0033】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤の含有量は、22.00~91.00重量部(例えば、22.00重量部、22.50重量部、25.00重量部、29.00重量部、29.50重量部、30.00重量部、35.00重量部、40.00重量部、45.00重量部、50.00重量部、55.00重量部、55.50重量部、60.00重量部、60.36重量部、65.00重量部、65.60重量部、65.63重量部、67.00重量部、68.10重量部、68.13重量部、69.00重量部、70.00重量部、70.50重量部、71.00重量部、73.84重量部、74.00重量部、74.34重量部、74.50重量部、74.84重量部、75.34重量部、75.84重量部、76.00重量部、77.00重量部、80.00重量部、82.00重量部、86.00重量部、90.00重量部、90.50重量部、91.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0034】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤の含有量は、約22.50~91.00重量部、29.00~82.00重量部、55.00~90.00重量部、60.00~76.00重量部、60.00~77.00重量部、60.00~69.00重量部、55.00~90.00重量部、65.00~77.00重量部、65.00~76.00重量部又は70.00~76.00重量部である。
【0035】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤の含有量は、0.50~3.50重量部(例えば、0.50重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0036】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤の含有量は、0.50~2.50重量部、0.50~1.50重量部、1.00~2.50重量部又は1.00~2.00重量部である。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤の含有量は、0.50~16.00重量部(例えば、0.50重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部、4.00重量部、4.50重量部、5.00重量部、6.00重量部、7.00重量部、8.00重量部、9.00重量部、10.00重量部、12.00重量部、14.00重量部、16.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤の含有量は、0.05~6.00、1.50~6.00、2.50~5.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00又は2.50~8.00重量部である。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤の含有量は、0.50~7.00、0.50~6.00又は0.50~5.00重量部(例えば、0.50重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部、4.00重量部、4.50重量部、5.00重量部、6.00重量部、7.00重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤の含有量は、1.00~7.00、1.00~6.00、1.00~5.00、2.00~7.00、2.00~6.00、2.00~3.00、3.00~6.00、5.00~7.00、3.00~4.00又は2.00~4.00重量部である。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤の含有量は、0~3.50重量部(例えば、0.01重量部、0.02重量部、0.03重量部、0.04重量部、0.05重量部、0.06重量部、0.08重量部、1.00重量部、1.50重量部、2.00重量部、2.50重量部、3.00重量部、3.50重量部又は任意の2つのポイント値の間の範囲値)である。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤の含有量は、0~3.00、0~2.00、0~2.50又は2.00~3.00重量部である。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、カプセル剤であり、前記カプセル剤は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(5.00~73.00):(0.01~0.40)である。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.03~0.08)である。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.05~0.08)である。
【0047】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~22.00):(0.05~0.08)である。
【0048】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤において、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(34.00~35.00):(0.05~0.08)である。
【0049】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00又は21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.01~0.40、0.02~0.10又は0.04~0.09重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、0.50~6.00又は2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.01~0.40重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、0.50~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0051】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0052】
いくつかの実施例において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.05~0.08重量部の酸化防止剤と、60.00~70.00重量部の充填剤と、2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00重量部の接着防止剤と、1.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0058】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、前記充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及びアルファ化デンプンから選択される少なくとも1種を含み、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、前記接着防止剤は、コロイダルシリカであり、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00又は34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~55.00又は40.00~41.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00又は20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50又は2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50又は0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~3.00又は1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.20又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.03~0.10又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~55.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンとを含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、40.00~41.00重量部のマンニトールと、20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~55.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.20重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、約34.00~34.50重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約40.00~41.00重量部のマンニトールと、約20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、約2.00~3.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、約0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、約1.50~2.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、約0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び約0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、20.00~23.00又は21.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~6.00又は4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~3.50又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.10又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.10又は0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、20.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~6.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、21.00~23.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、21.82重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、22.00重量部のアルファ化デンプンと、4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.50重量部のコロイダルシリカと、3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、錠剤であり、前記錠剤は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。
【0070】
いくつかの実施形態において、上記錠剤は、以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と前記酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)である。
【0072】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と前記酸化防止剤との質量比は、(9.00~22.00):(0.03~0.10)である。
【0073】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と前記酸化防止剤との質量比は、(9.00~22.00):(0.03~0.08)である。
【0074】
いくつかの実施例において、本発明に記載の錠剤において、前記3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.03~0.08)である。
【0075】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~13.00):(0.03~0.05)である。
【0076】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~13.00):(0.03~0.05)である。
【0077】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.04~0.10)である。
【0078】
いくつかの実施例において、本発明に記載の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.05~0.08)である。
【0079】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、6.00~22.00、9.00~22.00、9.00~13.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.30、0.03~0.10、0.04~0.08、0.05~0.08又は0.03~0.05重量部の酸化防止剤と、55.00~90.00、60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00、60.00~77.00、65.00~77.00又は65.00~76.00重重量部の充填剤と、0~3.50重量部の結合剤と、2.00~12.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00、5.0~8.00又は6.00~8.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00又は1.00~2.50重量部の接着防止剤と、2.00~7.00、2.50~6.00、2.50~5.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、6.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.30重量部の酸化防止剤と、55.00~90.00重量部の充填剤と、0~3.50重量部の結合剤と、2.00~12.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00重量部の接着防止剤と、2.50~7.00又は及び2.50~6.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約6.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約55.00~90.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約2.00~12.00重量部の崩壊剤と、約0.50~3.00重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は2.50~5.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00又は60.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約3.00~10.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00、2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.03~0.10重量部の酸化防止剤と、約60.00~78.00、60.00~76.00又は60.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約3.00~10.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.04~0.08重量部の酸化防止剤と、約65.00~76.00又は65.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.00重量部の結合剤と、約4.00~8.00又は5.00~8.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.03~0.05重量部の酸化防止剤と、約65.00~76.00又は65.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約4.00~8.00又は5.0~8.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0086】
いくつかの実施例において、本発明に記載の錠剤において、前記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種を含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、前記充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及びアルファ化デンプンから選択される少なくとも1種を含み、前記結合剤は、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、前記接着防止剤は、コロイダルシリカであり、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム又はベヘン酸グリセリルである。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00、11.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.50又は9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00、62.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00又は2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00、4.00~9.00、5.00~9.00、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50又は1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~4.50若しくは3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム、又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05又は0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン、及び、0.03~0.08又は0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は11.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.50重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、2.50~4.50重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、64.00~66.00又は64.00~67.00重量部の微結晶セルロースと、2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~25.00又は23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00又は43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00又は0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50又は4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.05又は0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~25.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、前記錠剤は、コーティング材料をさらに含有し、任意に、前記コーティング材料は、フィルムコーティングプレミックスである。
【0100】
いくつかの実施形態において、前記コーティング材料の重量は、前記錠剤の素錠重量の2.0~4.0%である。
【0101】
本発明の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本発明の実施により把握される。
【発明を実施するための形態】
【0102】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。以下に説明される実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するものに過ぎず、本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0103】
なお、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示的に示したりするものであると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」によって限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。さらに、本発明の説明において、別に説明しない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。
本発明の詳細な説明
定義及び一般的な用語
【0104】
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されるものではなく、そのような実施形態が変化することができることを理解すべきである。また、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、かつ限定するためのものではないことを理解すべきである。別に規定しない限り、本明細書に使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に参照される全ての出版物及び特許は、それらの全体の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
本発明の文脈において、本明細書に開示される全ての数字は、いずれも近似値である。各数字の数値には、1%、2%、5%、7%、8%又は10%などの差異が現れる可能性がある。値Nを有する数字が開示される場合、N+/-1%、N+/-2%、N+/-3%、N+/-5%、N+/-7%、N+/-8%又はN+/-10%以内の値を有するいかなる数字が明確に開示され、ここで、「+/-」は、プラス又はマイナスを指す。数値範囲の下限、DL、上限、DUが開示される場合、開示された該範囲内にあるいかなる数値が明確に開示される。
【0106】
数値範囲が提供された場合、文脈において明確に示さない限り、上限及び下限単位の10分の1まで、該範囲の上限と下限との間の補間される値及び上記範囲におけるいかなる他の記述される値又は補間される値が本発明に包含されることを理解すべきである。これらの小さい範囲の上限及び下限は、上記範囲内のいかなる具体的な除外制限を条件として、該小さい範囲内に独立して含まれてもよく、かつ本発明に包含される。上記範囲が上記限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方又は両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
【0107】
特定の範囲は、用語「約」が前に付けられた数値として本明細書に提供される。用語「約」は、本明細書において、前に該用語を有する正確な数値、及び前に該用語を有する数値に近い数値又は近似する数値に対して文字サポートを提供する。数値が具体的に記述された数値に近いか又は近似するか否かを決定する場合、該近いか又は近似する記述されない数値は、それが提供される文脈において、該具体的な記述された数値と実質的に同等である数値であってもよい。用語「約」又は「大体」は、当業者によって決定される特定の値に対して許容される誤差を指し、該値の測定又は決定方法に部分的に依存する。特定の実施形態において、用語「約」又は「大体」は、1つ、2つ、3つ又は4つの標準偏差内にあることを指す。特定の実施形態において、用語「約」又は「大体」は、所与の値又は範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%又は0.05%内にあることを指す。
【0108】
用語「任意に」、「任意の」又は「任意」は、続いて記載する事件又は状況が発生してもよいが、必ずしも発生するわけではないことを指し、かつ該説明は、該事件又は状況が発生する場合と、該事件又は状況が発生しない場合とを含む。例えば、本発明に記載の組成物が任意の結合剤を含有することは、上記組成物が結合剤を含有してもよく、含有しなくてもよいことを意味する。
【0109】
用語「薬学的に許容される」は、物質又は組成物が製剤を含有する他の成分及び/又はそれにより治療される哺乳動物と化学的及び/又は毒性学的に適合しなければならないことを指す。好ましくは、本発明に記載の「薬理学的に許容される」は、連邦規制当局若しくは国家政府により批准されるか、又は米国薬局方若しくはその他の一般に認められる薬局方において挙げられる、動物、特にヒトに使用できることを指す。
【0110】
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の有機塩及び無機塩を指す。薬学的に許容される塩は、該当分野において周知であり、例えば、Berge et al.がJ.Pharmacol Sci、1997、66、1-19に詳細に説明している薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、本発明に記載の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、P-トルエンスルホン酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩などを含むが、これらに限定されない。好ましくは、本発明に記載の薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0111】
本明細書に言及されるこれら及び他の薬学的に許容される賦形剤又はプロセスについては、この主題に関する大量の文献を参照することができ、具体的には、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、Arthur H.Kibbe編集などの関連文献を参照する。
【0112】
本発明に提供される組成物又は製剤は、単独で患者に投与されてもよく、他の活性製剤と共投与されるか又は組み合わせて投与されてもよい。用語「共投与」及び「組み合わせ」は、具体的な時間制限がない場合に2種以上の治療剤を同時に投与するか又は順に投与することを含む。一実施形態において、試薬は、細胞内若しくは個体の体内に同時に存在するか、又は生物学的効果若しくは治療効果を同時に発揮する。一実施形態において、各治療剤は、同じ組成物又は単位剤形にある。他の実施形態において、各治療剤は、異なる組成物又は単位剤形にある。いくつかの実施形態において、第2治療剤を投与する前(例えば、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間若しくは12週間前)に、投与すると同時に、又は投与した後(例えば、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間若しくは12週間後)に第1試薬を投与する。
【0113】
用語「活性成分」又は「活性剤」は、治療(例えば、ヒト治療、獣医学的治療)(予防的及び治療的治療を含む)に使用される物質を指す。活性成分は、疾患、病症又は障害を治療、予防、遅延、軽減又は改善するための薬物として使用される任意の物質を含む。
【0114】
用語「経口製剤」は、経口投与され、かつ薬物が胃腸管内で吸収されて血液に入る製剤形態を指し、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、経口液剤などを含む。
【0115】
用語「固形経口製剤」は、錠剤、分散錠、速溶錠、急速溶解錠、速溶解錠、経口溶解錠、口腔内溶解錠、口腔内分散錠、凍結乾燥単位、多孔質錠、従来の錠剤、コーティング錠、素錠、腸溶錠(gastro-resistant tablet)、発泡錠、可溶性錠、チュアブル錠、経口凍結乾燥物、散薬、経口散薬、丸剤、カプセル剤及び/又は顆粒剤を指す。いくつかの実施例において、上記固形経口製剤は、カプセルである。いくつかの実施例において、上記固形経口製剤は、錠剤である。
【0116】
用語「重量部」は、組成物のある成分の質量の他の成分の質量に対する割合により得られた質量部数を指し、例えば、上記酸化防止剤の含有量が0.01~0.40重量部であることは、酸化防止剤の組成物の他の成分に対する割合により得られた質量部数が0.01~0.40重量部であることを指す。
【0117】
製剤の調製中に、各成分の重量データは、比例に応じて増幅され、省略されるか又は等量に置き換えられる場合があり、本発明において、各成分自体の分子量又は質量の間の計量関係に基づいて、具体的な数値若しくは小数点以下の桁数、又は異なる小数点以下の桁数まで正確にすることに拡張することができ、薬学的に理解できる範囲内又は科学的に計数した場合、四捨五入の規則に基づいてさらに類推することを含むが、これらに限定されず、例えば、充填剤の含有量が80.00重量部であることについて、該含有量と79.95重量部、80.01重量部、80.35重量部などの含有量とは、効果が同等であるか又は互いに置き換えることができ、他の成分について同様に類推することができる。
【0118】
用語「酸化防止相乗剤」は、ラジカルの形成を阻害し、他の酸化防止剤と相乗効果を発揮する。
【0119】
用語「含有する」又は「含む」は、開放式表現であり、つまり、本発明に明記された内容を含むが、その他の内容を除外するものではない。
組成物
【0120】
本発明の一態様において、本発明は、組成物を提供し、上記組成物は、抗線維化作用を有し、線維化疾患、例えば肝線維症、特発性肺線維症などの肺線維症の治療に使用できる。いくつかの実施形態において、該組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン(式(I)で表される化合物)又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、該組成物は、3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オン又はその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩を活性成分とする。発明者らは、大量の試験により、上記活性成分と酸化防止剤とを組み合わせることにより、組成物の安定性が低下するという問題をよく解消することを見出した。該組成物は、保存過程において不純物の生成を効果的に減少させ、保存しやすく、品質が安定して制御可能であり、バイオアベイラビリティが高いなどの利点を有する。また、発明者らは、本発明で調製した組成物の薬効が強く、安全性が高く、かつ患者が服用する際にコンプライアンスが高いことを見出した。
【0122】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩は、その塩酸塩である。本発明に記載の組成物は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を活性成分として含有する。
【化3】
【0123】
いくつかの実施例において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤及び/又は酸化防止相乗剤を含有するが、これらに限定されない。
【0124】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤であり、任意に、ラジカルと反応する酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン(ジブチルヒドロキシトルエンとも呼ばれる)及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種であってもよい。ラジカルと反応する酸化防止剤は、ラジカルと反応できる酸化防止剤であり、酸化過程における連鎖反応を遮断することができ、発明者らは、大量の試験により、このような酸化防止剤を使用すると、効果がより高いことを見出した。
【0125】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口製剤である。
【0126】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、経口固形製剤である。式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤を経口固形製剤に調製すると、安定性の効果が高い。任意に、本発明に記載の経口固形製剤は、カプセル剤又は錠剤である。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、カプセル剤又は錠剤である。式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩及び酸化防止剤をカプセル剤及び/又は錠剤に調製すると、その安定性の効果がより高い。
【0128】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、適切な量の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。上記適切な量は、上記化合物の有効投与量であり、上記有効投与量は、安全で効果的である。好ましくは、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、4.00~70.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、4.50~67.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、20.00~32.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、8.00~32.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、11.00~32.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、8.00~20.00重量部であってもよく、任意に、上記組成物において、式(I)で表される化合物の含有量は、11.00~20.00重量部であってもよい。任意に、上記組成物における活性成分が式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩である場合、上記塩の含有量は、遊離化合物と対応する塩の分子量の比に基づいて換算することができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物は、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩を活性成分とする。好ましくは、本発明に記載の組成物は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を活性成分としてもよい。
【0130】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物において、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、5.00~73.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約6.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約11.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約12.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約13.00~58.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9.00~35.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約12.00~35.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約6.00~22.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9.00~22.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約21.00~35.00重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約12.0~22.0重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、12.12~34.09重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、12.12~21.82重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、21.82~34.09重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、約9、12、22又は34重量部であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の含有量は、9.09、12.12、21.82又は34.09重量部である。
【0131】
いくつかの実施形態において、上記組成物において、酸化防止剤の含有量は、0.01~0.40重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.02~0.40重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.01~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.01~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.02~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.10重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.05~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.08~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.08~0.20重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.08~0.10重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.04~0.30重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.08重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.03~0.05重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.04~0.05重量部であり、任意に、上記酸化防止剤の含有量は、0.05~0.08重量部である。
【0132】
発明者らは、大量の試験により、酸化防止剤の含有量を0.01~0.4重量部、特に0.03~0.10重量部に制御すると、組成物の保存過程における不純物の生成量及び生成速度を効果的に低下させ、組成物の安定性を向上させ、組成物の保存を容易にすることができることを見出した。
【0133】
いくつかの実施形態において、該組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。賦形剤を加えることにより、組成物の安定性をさらに向上させることができる。
【0134】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の賦形剤は、充填剤、崩壊剤、結合剤、接着防止剤及び潤滑剤から選択される少なくとも1種を含む。上記タイプの賦形剤を加えることにより、組成物の安定性をさらに向上させることができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の組成物において、上記充填剤の含有量は、22.00~91.00重量部である。任意に、上記充填剤の含有量は、22.50~91.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約29.00~82.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約55.00~90.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約55.00~82.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約70.00~76.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約65.00~77.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約65.00~76.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約60.00~77.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、60.00~76.00重量部であり、任意に、上記充填剤の含有量は、約60.00~69.00重量部である。
【0141】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤の含有量は、0.50~3.50重量部である。任意に、上記接着防止剤の含有量は、0.50~2.50重量部であり、任意に、上記接着防止剤の含有量は、0.50~1.50重量部であり、任意に、上記接着防止剤の含有量は、1.00~2.50重量部であり、任意に、上記接着防止剤の含有量は、1.00~2.00重量部である。
【0142】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤の含有量は、0.50~16.00重量部である。任意に、上記崩壊剤の含有量は、1.50~12.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.00~10.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、3.00~10.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、0.50~6.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、1.50~6.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.50~5.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、4.00~9.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、4.00~8.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、1.50~3.50重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.50~6.00重量部であり、任意に、上記崩壊剤の含有量は、2.50~8.00重量部である。
【0143】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤の含有量は、0.50~7.00重量部である。任意に、上記潤滑剤の含有量は、0.50~5.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、1.00~7.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、1.00~6.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、1.00~5.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~7.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~6.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~4.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~3.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、3.00~6.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、3.00~4.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~3.50重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、2.00~4.00重量部であり、任意に、上記潤滑剤の含有量は、5.00~7.00重量部である。
【0144】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤の含有量は、0~3.50重量部である。任意に、上記結合剤の含有量は、0~3.00重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、0~2.50重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、0~2.00重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、2.00~3.00重量部であり、任意に、上記結合剤の含有量は、2.50重量部である。
カプセル剤
【0145】
本発明の別の態様において、本発明は、カプセル剤を提供する。いくつかの実施形態において、該カプセル剤は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。上記「任意の結合剤」は、上記カプセル剤が結合剤を含有してもよく、含有しなくてもよいことを指す。
【0146】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製したカプセル剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該カプセル剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0147】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩と酸化防止剤との質量比は、約(4.00~77.00):(0.01~0.40)である。発明者らは、試験により、上記配合比率を使用すると、カプセル剤の保存過程における不純物の生成量及び生成速度を低下させ、カプセル剤の安定性を向上させ、カプセル剤の保存を容易にすることができることを見出した。
【0148】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、活性成分は、式(I)で表される化合物の塩酸塩である。
【0149】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(5.00~73.00):(0.01~0.40)である。発明者らは、大量の試験により、上記配合比率の範囲内で調製したカプセル剤について、保存過程における不純物の含有量が少なく、安定性が高いことを見出した。
【0150】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(13.00~58.00):(0.03~0.30)である。任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.03~0.10)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.03~0.80)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~35.00):(0.05~0.80)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(21.00~22.00):(0.05~0.08)であり、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(34.00~35.00):(0.05~0.08)である。
【0151】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00又は21.00~35.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.01~0.40、0.02~0.10又は0.04~0.09重量部の酸化防止剤と、22.50~90.50重量部の充填剤と、0.50~6.00又は2.00~6.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.50重量部の接着防止剤と、0.50~3.50重量部の潤滑剤と、0~2.50重量部の結合剤とを含む。
【0152】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、5.00~73.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩、0.01~0.40重量部の酸化防止剤、22.50~90.50重量部の充填剤、0.50~6.00重量部の崩壊剤、0.50~3.50重量部の接着防止剤、0.50~3.50重量部の潤滑剤、及び/又は、0~2.50重量部の結合剤を含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤であり、任意に、ラジカルと反応する酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0154】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製したカプセル剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該カプセル剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0155】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0156】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0157】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0158】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0159】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0160】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤において、上記酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び/又は没食子酸プロピルであり、充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及び/又はアルファ化デンプンであり、崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、接着防止剤は、コロイダルシリカであり、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。発明者らは、試験により、上記原料で調製したカプセル剤について、保存過程における不純物の生成量が少なく、保存しやすく、安定性が高いなどの利点を有することを見出した。
【0161】
いくつかの実施形態において、本発明に記載のカプセル剤は、13.00~58.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、20.00~55.00重量部のマンニトールと、9.00~28.00重量部のアルファ化デンプンと、1.50~3.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~1.50重量部のコロイダルシリカと、0.50~2.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05~0.20重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、上記カプセル剤は、約34.00~34.50重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、約40.00~41.00重量部のマンニトールと、約20.00~21.00重量部のアルファ化デンプンと、約2.00~2.50重量部のポリビニルポリピロリドンと、約1.00~1.50重量部のコロイダルシリカと、約1.50~2.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、約0.05~0.20重量部のブチルヒドロキシアニソール及び約0.03~0.10重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、上記カプセル剤は、21.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、20.00~22.00重量部のアルファ化デンプンと、4.00~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、上記カプセル剤は、21.82重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、22.00重量部のアルファ化デンプンと、4.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、2.50重量部のコロイダルシリカと、3.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.05重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0165】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製したカプセル剤の安定性が高いことを見出した。
【0166】
なお、当業者であれば、組成物について説明した上記の特徴及び利点が同様に該カプセル剤に適用されることを理解することができ、ここでは説明を省略する。
錠剤
【0167】
本発明の別の態様において、本発明は、錠剤を提供する。いくつかの実施形態において、該組成物は、錠剤であり、上記錠剤は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、酸化防止剤、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、潤滑剤及び任意の結合剤を含有する。
【0168】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製した錠剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該錠剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0169】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩と酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)である。発明者らは、大量の試験により、上記配合比率を使用すると、錠剤の保存過程における不純物の生成量及び生成速度を低下させ、錠剤の安定性を向上させ、錠剤の保存を容易にすることができることを見出した。
【0170】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を活性成分とし、任意に、式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、(6.00~22.00):(0.02~0.30)である。発明者らは、大量の試験により、上記配合比率で調製した錠剤について、保存過程における不純物の含有量が少なく、安定性が高いことを見出した。
【0171】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤において、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.03~0.10)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.03~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.03~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~13.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~13.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.04~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.04~0.10)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約21.00~22.00):(0.03~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.05~0.08)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(21.00~22.00):(0.03~0.05)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(9.00~22.00):(0.04)であり、任意に、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩と酸化防止剤との質量比は、約(12.00~22.00):(0.04)である。
【0172】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、6.00~22.00、9.00~22.00、9.00~13.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、0.02~0.30、0.03~0.10、0.03~0.08、0.04~0.08、0.05~0.08又は0.03~0.05重量部の酸化防止剤と、55.00~90.00、60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00、60.00~77.00、65.00~77.00又は65.00~76.00重重量部の充填剤と、0~3.50重量部の結合剤と、2.00~12.00、3.00~10.00、4.00~9.00、4.00~8.00、5.0~8.00又は6.00~8.00重量部の崩壊剤と、0.50~3.00又は1.00~2.50重量部の接着防止剤と、2.00~7.00、2.50~6.00、2.50~5.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約6.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約55.00~90.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約2.00~12.00重量部の崩壊剤と、約0.50~3.00重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約6.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、約0.02~0.30重量部の酸化防止剤と、約55.00~90.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約2.00~12.00重量部の崩壊剤と、約0.50~3.00重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00、2.50~6.00又は2.50~5.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.02~0.10重量部の酸化防止剤と、約60.00~80.00、60.00~78.00、60.00~76.00又は60.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.50重量部の結合剤と、約3.00~10.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~7.00、2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、約9.00~22.00又は12.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、約0.04~0.08重量部の酸化防止剤と、約65.00~76.00又は65.00~77.00重量部の充填剤と、約0~3.00重量部の結合剤と、約4.00~8.00又は5.00~8.00重量部の崩壊剤と、約1.00~2.50重量部の接着防止剤と、約2.50~6.00又は3.00~4.00重量部の潤滑剤とを含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ラジカルと反応する酸化防止剤であり、任意に、上記ラジカルと反応する酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0178】
発明者らは、大量の試験により、上記配合成分で調製した錠剤について、その保存過程における不純物の含有量が少なく、溶出率が高く、かつ該錠剤の安定性及び安全性を向上させることができることを見出した。
【0179】
いくつかの実施例において、本発明に記載の充填剤は、マンニトール、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム、ソルビトール、スクロース、ラクチトール及びマルトースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0180】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0181】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の接着防止剤は、コロイダルシリカ及びタルクから任意に選択される少なくとも1種である。
【0182】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びベヘン酸グリセリルから任意に選択される少なくとも1種である。
【0183】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びメチルセルロースから任意に選択される少なくとも1種である。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン及び没食子酸プロピルから選択される少なくとも1種を含み、充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース及びアルファ化デンプンから選択される少なくとも1種を含み、結合剤は、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、接着防止剤は、コロイダルシリカであり、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。発明者らは、大量の実験により、上記原料で調製した錠剤について、保存過程における不純物の生成量が少なく、保存しやすく、安定性が高いなどの利点を有することを見出した。
【0185】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00、11.00~13.00又は12.00~13.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、9.00~10.50又は9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00、62.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00又は2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00、4.00~9.00、5.00~9.00、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50又は1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~4.50若しくは3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム、又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05又は0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン、及び、0.03~0.08又は0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は11.00~13.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、9.00~10.50重量部のアルファ化デンプンと、60.00~70.00重量部の微結晶セルロースと、1.00~4.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~12.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、0.50~2.50重量部のコロイダルシリカと、3.50~4.50重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、9.00~13.00又は12.00~13.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、9.00~10.00重量部のアルファ化デンプンと、64.00~67.00又は64.00~66.00重量部の微結晶セルロースと、2.00~3.00重量部のポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~8.00又は6.00~8.00重量部のポリビニルポリピロリドンと、1.00~2.00重量部のコロイダルシリカと、3.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウム又は5.00~7.00重量部のベヘン酸グリセリルと、0.03~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエン及び0.03~0.05重量部のブチルヒドロキシアニソールから選択される少なくとも1種とを含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の3-(4-(ジヘキシルアミノ)-3-フルオロフェニル)-2,6-ジメチルピリミジン-4(3H)-オンの塩酸塩と、20.00~25.00又は23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00又は43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00又は0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50又は4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00又は2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08又は0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール、及び、0.02~0.05又は0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0189】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、20.00~25.00重量部のアルファ化デンプンと、40.00~50.00重量部の微結晶セルロースと、0~3.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.00~5.50重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.00~4.00重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.08重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.05重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の錠剤は、21.00~22.00重量部の式(I)で表される化合物の塩酸塩と、23.00~24.00重量部のアルファ化デンプンと、43.00~47.00重量部の微結晶セルロースと、0~2.00重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、4.50~5.00重量部のカルボキシメチルスターチナトリウムと、2.00~3.00重量部のコロイダルシリカと、2.50~3.50重量部のステアリン酸マグネシウムと、0.04~0.06重量部のブチルヒドロキシアニソール及び0.02~0.04重量部のブチルヒドロキシトルエンから選択される少なくとも1種とを含む。 発明者らは、大量の試験により、上記配合成分及び配合比率で錠剤を調製すると、錠剤の安定性及び薬効をさらに向上させることができることを見出した。
【0191】
いくつかの実施形態において、上記錠剤は、コーティング材料をさらに含有し、任意に、上記コーティング材料の重量は、錠剤の素錠重量の2.00~4.00%である。素錠は、錠剤中のコーティング材料の内部に包まれた全ての物質を指す。
【0192】
なお、当業者であれば、組成物について説明した上記の特徴及び利点が同様に該錠剤に適用されることを理解することができ、ここでは説明を省略する。
【0193】
以下、実施例を合わせて本発明の技術手段を説明する。当業者であれば、以下の実施例が本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。実施例において具体的な技術又は条件が明記されない場合、本分野の文献に記載されている技術、条件に従うか又は製品仕様書に従うものとする。
【0194】
本発明の各実施例又は比較例におけるサンプルの不純物の含有量は、高速液体クロマトグラフィー法(中国薬典2020版通則0512)を参照して測定され、具体的には、以下のとおりである。
【0195】
供試品溶液:供試品(例えば、本発明に記載のカプセル、錠剤又は本発明に記載の比較例における対照品)にメタノールを加えて抽出を行い、かつ希釈して1mL当たり約2.5mgの式(I)で表される化合物を含有する溶液に調製し(錠剤について、抽出を行う前に少量の水を加えて崩壊させる必要がある)、さらに60%メタノール-水で希釈して1mL当たり約1mgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0196】
対照品溶液:適量の対照品(例えば、式(I)で表される化合物の塩酸塩)を精秤し、60%メタノール-水を加えて溶解し、かつ希釈して1mL当たり約5μgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0197】
感度溶液:適量の対照品溶液を精密に量り取り、60%メタノール-水で定量希釈して1mL当たり約0.5μgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0198】
システム適合性溶液:適量の対照品(例えば、式(I)で表される化合物の塩酸塩)を秤量し、60%メタノール-水を加えて溶解し、かつ希釈して1mL当たり約1mgの式(I)で表される化合物を含有する溶液とした。
【0199】
クロマトグラフィー条件:オクチルシラン結合シリカゲルを充填剤とするクロマトグラフィーカラム(例えば、Phenomenex kinetex C8 100A、4.6×100mm、2.6μm又はそれに相当するクロマトグラフィーカラム)を使用し、0.01mol/Lの酢酸アンモニウム-アセトニトリル(9:1)を移動相Aとし、メタノール-アセトニトリル(75:25)を移動相Bとし、以下の表における手順に従って勾配溶離を行い、検出波長を266nmとし、サンプル導入体積を10μLとした。
【表1】
【0200】
計算:主成分に対して外部標準法と補正係数法を用いて計算した。
【0201】
合格基準:供試品溶液のクロマトグラムに不純物ピークがあれば、総不純物が1.5%を超えない。
【0202】
特許出願WO2018019166A1に開示されている式(I)で表される化合物の塩酸塩の結晶形Iを例として、本発明の技術手段を説明し、すなわち、式(I)で表される化合物の塩酸塩の結晶形Iを活性成分として組成物を調製した。
実施例1
【0203】
活性成分をカプセル剤として調製し、溶出率を測定した。
【0204】
製造方法は、以下のとおりであった。
方法A:
【0205】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)次に、潤滑剤と予備混合物とを均一に混合して、全体的な混合粉末を得て、(3)全体的な混合粉末を適切な中空カプセルシェルに充填して、カプセル剤を調製した。
方法B:
【0206】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)、潤滑剤及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して乾式造粒を行って、造粒された顆粒を得て、(3)造粒された顆粒と、充填剤(あれば)、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を適切な中空カプセルシェルに充填した。任意に、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
方法C:
【0207】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して湿式造粒を行い、乾燥して、乾燥された顆粒を得て、(3)乾燥された顆粒と充填剤、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を適切な中空カプセルシェルに充填した。任意に、結合剤は、ステップ(2)で結合剤溶液に調製された後に加えられてもよく、及び/又は、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
【0208】
具体的には、上記方法Aに従ってカプセル剤サンプルA1及びA2を調製し、方法Bに従ってサンプルA3及びA4を調製し、方法Cに従ってサンプルA5及びA6を調製した。各サンプルの組成を下記表A~Cに示す。
表A
【表2】
【0209】
本願において、「N/A」は、「なし」を表す。
表B
【表3】
表C
【表4】
【0210】
溶出率測定法(中国薬典2020版通則0931第1法)を用い、900mL、0.1MのHClを溶出媒体とし、100rpmで、上記カプセルサンプルに対して方法に従って溶出率を測定し、溶出率の合格基準は、45minで≧80%である。
【0211】
結果:溶出率試験の結果により、各サンプルの45minでの溶出率がいずれも80%より大きいことを示した。
実施例2
【0212】
活性成分を錠剤として調製し、溶出率を測定した。
【0213】
製造方法は、以下のとおりであった。
方法1:
【0214】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)次に、潤滑剤と予備混合物とを均一に混合して、全体的な混合粉末を得て、(3)全体的な混合粉末を打錠して、素錠を得て、(4)素錠をコーティングして、コーティング錠を得た。
方法2:
【0215】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、接着防止剤、結合剤(あれば)、潤滑剤及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して乾式造粒を行って、造粒された顆粒を得て、(3)造粒された顆粒と、充填剤(あれば)、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を打錠して、素錠を得て、(6)素錠をコーティングして、コーティング錠を得た。任意に、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
方法3:
【0216】
(1)活性成分と、充填剤、崩壊剤、結合剤(あれば)及び酸化防止剤とを均一に混合して、予備混合物を得て、(2)予備混合物に対して湿式造粒を行い、乾燥して、乾燥された顆粒を得て、(3)乾燥された顆粒と充填剤、崩壊剤、接着防止剤とを予備混合して、予備混合顆粒を得て、(4)潤滑剤(例えば精製水)と予備混合顆粒とを均一に混合して、全体的な混合顆粒を得て、(5)全体的な混合顆粒を打錠して、素錠を得て、(6)素錠をコーティングして、コーティング錠を得た。任意に、結合剤は、ステップ(2)で結合剤溶液に調製された後に加えられてもよく、及び/又は、酸化防止剤は、ステップ(3)で加えられてもよい。
【0217】
上記コーティング材料は、フィルムコーティングプレミックスであり、使用量が素錠重量の3.0±1.0%であった。
【0218】
具体的には、上記方法3に従って錠剤サンプルB1~B2及びB5~B17を調製し、方法2に従ってサンプルB3及びB4を調製した。各サンプルの素錠の組成を以下の表D、E及びF1~F6に示す。
表D
【表5】
表E
【表6】
表F1
【表7】
表F2
【表8】
表F3
【表9】
表F4
【表10】
表F5
【表11】
表F6
【表12】
【0219】
溶出率測定法(中国薬典2020版通則0931第2法)を用い、900mL、pH3.0のフタル酸水素カリウム緩衝溶液+1.5%ツイーン80を溶出媒体とし、75rpmで、上記錠剤サンプルに対して方法に従って溶出率を測定し、溶出率の合格基準は、45minで≧80%である。
【0220】
結果:溶出率試験の結果により、各サンプルの45minでの溶出率がいずれも80%より大きく、ほとんどのサンプルの45minでの溶出率が90%より大きいことを示した。
比較例
【0221】
上記カプセル剤及び錠剤の方法に従って、酸化防止剤を加えない方式で、酸化防止剤を含有しないカプセル剤及び錠剤サンプルを調製して、対照
サンプルとした。具体的には、実施例1の方法B及び方法Cに従って、酸化防止剤を含有しないカプセル剤対照
サンプルC1及びC2をそれぞれ調製し、実施例2の方法2及び方法3に従って、酸化防止剤を含有しない錠剤対照
サンプルC3及びC4をそれぞれ調製した。各対照
サンプルの具体的な組成を以下の表G1及びG2に示す。
表G1 カプセル剤対照
サンプル
【表13】
表G2 錠剤対照
サンプル
【表14】
実施例3
【0222】
『中国薬典2015版第4部』9001における原製剤の安定性試験ガイドラインを参照して、本発明のカプセル剤及び錠剤製品、並びに対照サンプルC1~C4の安定性を評価する。具体的な実験方法を本発明に記載し、実験結果を以下の表Hに示す。
表H
【表15-1】
【表15-2】
【0223】
上記表から分かるように、対照サンプルは、実験が行われてから1ヶ月後に総不純物の含有量が明らかに増加し、3~4ヶ月後に総不純物の含有量が許容される限度を超えており、対照サンプルの安定性が低いことが分かる。本発明に記載のカプセル剤及び錠剤は、実験過程において総不純物の含有量が基本的に変化せず、かつ対照サンプルの総不純物の含有量より明らかに低く、特に長期保存した後、各サンプルの総不純物の含有量が基本的に変化せず、かつ対照サンプルの総不純物の含有量より遥かに低い。以上より、カプセル剤又は錠剤を調製する場合、酸化防止剤を加えることにより、保存過程における不純物の生成量及び生成速度を低下させ、製剤の安定性を向上させることができる。
【0224】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合するか又は組み合わせることができる。
【0225】
以上、本発明の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本発明の範囲で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【国際調査報告】