(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】検出器を備えたアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01J 3/36 20060101AFI20240905BHJP
G01J 3/02 20060101ALI20240905BHJP
G01J 3/14 20060101ALI20240905BHJP
G01J 3/18 20060101ALI20240905BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20240905BHJP
G01J 3/443 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G01J3/36
G01J3/02 S
G01J3/14
G01J3/18
G01N21/64 E
G01J3/443
G01N21/64 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521216
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2022073182
(87)【国際公開番号】W WO2023057123
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021126145.7
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519181641
【氏名又は名称】ハイデルベルク エンジニアリング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブローシェ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ハリオン-ニキトカ,トビアス
【テーマコード(参考)】
2G020
2G043
【Fターム(参考)】
2G020CA01
2G020CC02
2G020CC13
2G020CC46
2G020CC63
2G020CD06
2G020CD14
2G020CD24
2G020CD41
2G020CD61
2G043AA03
2G043BA16
2G043EA01
2G043FA01
2G043FA02
2G043FA03
2G043GA08
2G043GB28
2G043HA01
2G043JA04
2G043JA05
2G043LA03
(57)【要約】
高い感光性で画像を可能な限り迅速に生成することができる検出器を備えたアセンブリを提供するという課題に関して、特に共焦点レーザ走査装置において使用するためのアセンブリであって、感光検出器(1)と、光を検出パス(3)に収束させる、及び/又は幾何学的に制限する機器(2)とを有するアセンブリは、光をスペクトル分割する機器(4)が検出パス(3)に設けられており、スペクトル分割された光を検出器(1)の検出ライン(6)へ向ける少なくとも1つの光学部品(5)が設けられており、検出ライン(6)は、それぞれ異なる波長の光がそれぞれ当たるフィールド(6i)を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に共焦点レーザ走査装置において使用するためのアセンブリであって、感光検出器(1)と、光を検出パス(3)に収束させる、及び/又は幾何学的に制限する機器(2)とを有するアセンブリにおいて、
光をスペクトル分割する機器(4)が前記検出パス(3)に設けられており、スペクトル分割された光を前記検出器(1)の検出ライン(6)へ向ける少なくとも1つの光学部品(5)が設けられており、前記検出ライン(6)は、それぞれ異なる波長の光がそれぞれ当たるフィールド(6i)を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記検出器(1)がライン検出器として設計されており、前記検出器の検出ライン(6)をアナログ又はデジタル回路(7)によって個々のスペクトルセグメント(6a~f)に動的に分割でき、各スペクトルセグメント(6a~f)は、特定のスペクトル領域の検出又は感度に関して構成可能、および/または前記スペクトル領域のスペクトル量子効率に関して構成可能であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記検出ライン(6)の前記フィールド(6i)が、複数の連続するスペクトルセグメント(6a~f)に割り当てられるか、又は複数の連続するスペクトルセグメント(6a~f)を形成し、および/または前記検出ライン(6)は、それぞれが異なるスペクトル領域又は異なる波長の光を検出する異なるスペクトルセグメント(6a~f)に細分されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも2つ以上のスペクトルセグメント(6a~f)は、前記スペクトルセグメントの大きさ又は空間的、特に線状及び/又は面状の広がりが互いに異なり、それにより、異なる大きさのスペクトルセグメント(6a~f)は、異なる幅で延びるスペクトル領域又は異なる大きさの波長幅の光を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記検出ライン(6)の個々のフィールド(6i)をアナログ又はデジタルで相互接続して1つのスペクトルセグメント(6a~f)または複数のスペクトルセグメント(6a~f)とする読取り機器(8)が設けられていること、および/または前記読取り機器(8)は、スペクトルセグメント(6a~f)の検出信号を個別に読み取るか、すべてのスペクトルセグメント(6a~f)の検出信号を完全に相互接続された状態で読み取るか、または相互接続して一群とされた個々のスペクトルセグメント(6a~f)の検出信号を読み取ることを特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記読取り機器(8)は、前記検出信号を処理し、及び/又は相互接続して出力チャネルとし、かつ1つのスペクトルセグメント(6a~f)又は複数のスペクトルセグメント(6a~f)から並行に及び/又は同時に得られる検出信号に基づいて生成される1つの画像(10)又は複数の画像(10)を作成する画像作成機器(9)と協働することを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
光を前記検出パス(3)に制限する機器(2)が孔絞りとして設計されていることを特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
光をスペクトル分割する機器(4)がプリズム又は格子として設計されていることを特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記光学部品(5)がレンズとして、又は複数のレンズ、好ましくは複数の円筒レンズの直列接続として設計されていることを特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記検出ライン(6)がシリコン光電子増倍管(SiPM)から作製されていることを特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
先行する請求項のいずれか一項に記載のアセンブリを有し、同時に検出された異なるスペクトル領域の光に基づいて、1つの画像(10)又は複数の画像(10)を同時に記録及び/又は表示するための装置(11)。
【請求項12】
前記装置(11)は、3つのカラーチャネル、好ましくは赤、緑、青(R、G、B)のカラーチャネルから実カラー画像を同時に記録及び/又は表示することを特徴とする請求項11に記載の装置(11)。
【請求項13】
前記装置(11)は、蛍光画像及び反射画像を同時に記録及び/又は表示することを特徴とする請求項11又は12に記載の装置(11)。
【請求項14】
酸素飽和度測定を実行するため、すなわち人間又は動物の血液中の酸素を検出するための、請求項1~10のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項11~13のいずれか一項に記載の装置(11)の使用。
【請求項15】
物質を同定するため、及び/又は特に人間又は動物の組織における構造を検出するために、自家蛍光スペクトル分析を実行するための請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項11~13のいずれか一項に記載の装置(11)の使用。
【請求項16】
蛍光寿命イメージング検眼鏡(FLIO)における、請求項1~10のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項11~13のいずれか一項に記載の装置(11)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部に記載のアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
感光性検出器と、光を検出パスに収束及び/又は幾何学的に制限する機器とを備えるアセンブリは既に知られている。特に従来のレーザ走査システムにおいて、分光感度光検出のために様々な技術を使用することができる。
【0003】
例えば、非同時イメージングに単一検出器を使用することが知られており、赤色、緑色、青色の検出が交互に行われる。蛍光イメージングの場合、帯域阻止フィルタを備えた単一検出器にフィルタホイールを使用することも知られている。更に、光をビームスプリッタを介して検出器の複数の検出チャネルに分配することが知られている。検出器の同じ大きさの多くのフィールドへの光のスペクトル分布のための格子を備えた分光器を使用することも知られている。
【0004】
いくつかの既知の技術には、イメージング時の記録速度が比較的遅いという欠点がある。更に、多くの技術では、光が部分的に遮断され、イメージングに利用できないという欠点がある可能性がある。多くの技術は、実現することが光学的に比較的複雑であり、イメージングに使用できる検出チャネルの数が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、高い感光性で、画像を可能な限り迅速に生成できる検出器を備えたアセンブリを提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴により上記課題を解決する。
【0007】
まず、いくつかの既知の技術は複雑で高価であり、及び/又は、通常、感光性が比較的低いため、検出器チャネルを並行利用することによって、イメージング時の高速を実現する技術が必要であることが認識されている。更に、光の損失は、帯域阻止フィルタによって可能な限り回避できるか、又は完全に回避できることが認識されている。更に、イメージング用の検出器チャネルが多数ある場合でも、比較的単純でコンパクトな構造物が必要であることが認識されている。高い感光性を比較的問題なく達成するためには、より低い光学及びスペクトル分解能を必要とする比較的単純な構造の分光器が必要であることも認識されている。
【0008】
以上のことを背景として、従来技術の欠点を回避する技術では、光をスペクトル分割できる機器を検出パスに設ける必要があることが認識されており、スペクトル分割された光を検出器の検出ラインへ向けることができる少なくとも1つの光学部品が設けられている。スペクトル分割によって、光を異なる波長の光線に分割することができる。このようにして、幅広い色スペクトルを生成することができ、色スペクトルの個々の波長を検出ラインの異なる領域に割り当てることができる。更に、個々のフィールドを別々に分析及び評価できるようにするために、検出ラインは、それぞれ異なる波長の光がそれぞれ当たるフィールドを有する必要があることが認識されている。したがって、同時に多数の光の波長を高い感光性で検出し、イメージングのために処理することができる。
【0009】
上述のアセンブリによって、有利なことに、機械的なフィルタホイールの必要がなく、帯域阻止フィルタによって光が失われることもない。速度損失なしに様々な画像モードの同時記録が可能であり、様々な画像モードの画像を正確に同時に記録でき、それによりこれらの画像を従来技術のアセンブリによるよりも良好に組み合わせることができ、かつ互いに比較することができる。
【0010】
上述のフィールドをスペクトルセグメントに割り当てることができ、それらの幾何学的形状又は感光性を様々な用途の要求に適合させることができるので、上記のアセンブリは非常にフレキシブルである。
【0011】
検出ラインのフィールドからのそのようなスペクトルセグメントは、個別に、又は完全に相互接続された状態で、又は部分的に相互接続された状態で読み取ることができる。
【0012】
標準分光器と比較して、本明細書に記載される種類のアセンブリを備えた装置は、用途に関連するセグメント若しくはスペクトル領域を大幅に少なく済ませることができる。
【0013】
更に、必要とされるスペクトル分解能が格段に低くなり、例えば6つのスペクトルセグメントを設けさえすればよい。有利にも、必要とされる光学分解能が比較的低く、アセンブリは、従来のラインカメラよりも感光性が高い。
【0014】
以上のことを背景として、検出器をライン検出器として設計することができ、検出器の検出ラインをアナログ又はデジタル回路によって個々のスペクトルセグメントに動的に分割でき、各スペクトルセグメントは、特定のスペクトル領域の検出のために、又は感度に関して構成可能、並びに/或いはスペクトル領域のスペクトル量子効率に関して構成可能である。これによって、各セグメントを特定の用途の要求に電子的に適合させさえすればよいので、適切な電子機器を使用することにより上記のアセンブリは非常にフレキシブルである。このアセンブリは、光学構造、特に光路を変更することによって特定の用途に物理的に適合させる必要はない。
【0015】
検出ラインのフィールドは、複数の連続するスペクトルセグメントに割り当てられるか、又はそのようなスペクトルセグメントを形成することができる。このようにして、スペクトルセグメントの空間的又は幾何学的広がりを調整することができる。代替的又は追加的に、それぞれが異なるスペクトル領域又は異なる波長の光を検出する異なるスペクトルセグメントに細分され得る。このようにして、予想される検出光若しくはその波長分布に検出ラインを適合させることができる。全く特定の光波長領域又はスペクトル領域に対して敏感な個々のスペクトルセグメントを作成することができる。
【0016】
少なくとも2つ以上のスペクトルセグメントは、スペクトルセグメントの大きさ又は空間的、特に線状及び/又は面状の広がりが互いに異なることができ、それにより、異なる大きさのスペクトルセグメントは、異なる幅で延びるスペクトル領域又は異なる大きさの波長幅の光を検出する。
【0017】
更に、異なる波長の光の強度分布に検出ラインを適合させることも考えられる。強度が比較的低いと予想されるスペクトル領域を、例えば比較的大きなスペクトルセグメントによって検出することができ、それにより感光性が高められる。光をスペクトル分割する機器のスペクトル分割挙動、例えばプリズムの特性に検出ラインを適合させることができる。
【0018】
検出ラインの個々のフィールドをアナログ又はデジタルで相互接続して1つのスペクトルセグメント或いは複数のスペクトルセグメントとする読取り機器を設けることができる。代替的又は追加的に、読取り機器は、スペクトルセグメントの検出信号を個別に読み取るか、又はすべてのスペクトルセグメントの検出信号を完全に相互接続された状態で読み取るか、或いは相互接続して一群とされた個々のスペクトルセグメントの検出信号を読み取ることができる。
【0019】
以上のことを背景として、読取り機器は、検出信号を処理し、及び/又は相互接続して出力チャネルとし、かつ1つのスペクトルセグメント又は複数のスペクトルセグメントから並行して及び/又は同時に得られる検出信号に基づいて生成される1つの画像又は複数の画像を作成する画像作成機器と協働することができる。これにより、高い比感光性で迅速なイメージングが実現される。
【0020】
光を検出パスに制限する機器を孔絞りとして設計することができる。これによって、共焦点システムでの点検出が可能である。検出器を点検出器として使用できる。孔絞りは英語で「ピンホール」とも呼ばれる。
【0021】
光をスペクトル分割する機器をプリズム又は格子として設計することができる。プリズムは機械的に堅牢であり、アセンブリ内で問題なく回動、回転又は傾斜させることができる。格子は、アセンブリに特に省スペースで設置することができる。
【0022】
光学部品をレンズとして、又は複数のレンズ、好ましくは複数の円筒レンズの直列接続として設計することができる。レンズによって、光を問題なく収束することができる。
【0023】
検出ラインを、例えば、シリコン光電子増倍管(SiPM)から作製することができる。これらの機器は、光を高感度で確実に検出するために、特に信頼できることがわかった。
【0024】
同時に検出された異なるスペクトル領域の光に基づいて、1つの画像又は複数の画像を同時に記録及び/又は表示するための装置は、本明細書に記載される種類のアセンブリを有することができる。
【0025】
この装置は、3つのカラーチャネル、好ましくは赤、緑、青(R、G、B)のカラーチャネルから実カラー画像を同時に記録及び/又は表示することができる。これにより、迅速なカラーイメージングが可能になる。同様に、この装置は可視波長領域外(例えば赤外線など)の画像を検出するためにも適している。
【0026】
この装置は、蛍光画像及び反射画像を同時に記録及び/又は表示できる。これによって、有機構造を光学的に検出する場合に異なる光源を使用することができる。有機組織を検査する場合に診断目的での画像と配向目的での画像とを同時に記録及び表示することができる。
【0027】
本明細書に記載されるアセンブリ又は前述の装置は、酸素飽和度測定を実行するため、すなわち人間又は動物の血液中の酸素を検出するために、使用することができる。
【0028】
本明細書に記載されるアセンブリ又は前述の装置は、特に人間又は動物の組織における物質を同定及び/又は構造を検出するために、自家蛍光スペクトル分析を実行するために使用できる。
【0029】
本明細書に記載されるアセンブリ又は前述の装置は、蛍光寿命イメージング検眼鏡(FLIO)において使用できる。
【0030】
本明細書に記載される検出器は、有利にもセグメントの大きさが可変のラインカメラのように、スペクトルに敏感に動作できる光検出器である。検出器は、好適には、スペクトル感度光検出のための光検出器アレイを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】それぞれ異なる波長の光がそれぞれ当たるフィールドを含む検出ラインを有する検出器を具備するアセンブリを備えた装置の概略図を示す。
【
図2】異なるフィールドを相互接続して様々に異なる大きさのスペクトルセグメントとした検出ラインの概略図を示し、
図2の上部には、
図1によるプリズムによって光が分割された後に、青色から緑色を経て赤色へのカラーグラデーションで連続して延びる光スペクトルの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、例えば感光検出器1と、光を検出パス3に収束及び/又は幾何学的に制限する機器2とを備える、特に共焦点レーザ走査装置において使用するためのアセンブリを示す。光をスペクトル分割する機器4が検出パス3に設けられ、スペクトル分割された光を検出器1の検出ライン6へ向ける少なくとも1つの光学部品5が設けられている。
図1に加えて、
図2は、そのような検出ライン6が、それぞれ異なる波長の光がそれぞれ当たるフィールド6iを有することを示す。
【0033】
図1は、検出器1がライン検出器として設計されていることを示しており、この検出器の検出ライン6をアナログ又はデジタル回路7によって個々のスペクトルセグメント6a~fに動的に分割でき、各スペクトルセグメント6a~fは、特定のスペクトル領域の検出のために、又は感度に関して構成可能、および/または特定のスペクトル領域のスペクトル量子効率に関して構成可能である。
【0034】
図1又は
図2による検出ライン6のフィールド6iは、複数の連続するスペクトルセグメント6a~f又は6a~eに電子的に割り当てられ、そのようなスペクトルセグメント6a~f若しくは6a~eを形成する。
図1によれば、6つのスペクトルセグメント6a~fのみが設けられている。
図2は、5つのスペクトルセグメント6a~eのみを有する検出ライン6を示す。
【0035】
図1又は
図2による検出ライン6は、それぞれが異なるスペクトル領域又は異なる波長の光を検出する異なるスペクトルセグメント6a~f若しくは6a~eに細分されている。すべてのフィールド6iは同じ大きさである。
【0036】
図1及び
図2は、少なくとも2つより多いスペクトルセグメント6a~fは、スペクトルセグメントの大きさ又は空間的、特に線状及び/又は面状の広がりが互いに異なり、それにより、異なる大きさのスペクトルセグメント6a~6f若しくは6a~eが、異なる幅で延びるスペクトル領域又は異なる大きさの波長幅の光を検出することを示す。
【0037】
青、緑、赤のスペクトル領域を有するスペクトル12が
図2の上部に概略的に示されている。
図2の更に下には、第1のスペクトルセグメント6aが4つのフィールド6iを含み、これに続くスペクトルセグメント6bは3つのフィールド6iのみを含むことが示されている。
【0038】
4つのフィールド6iを含む第1のスペクトルセグメント6aは、青色スペクトル領域の波長幅を有する光を検出し、3つのフィールド6iを含む第5のスペクトルセグメント6eは、赤色スペクトル領域の波長幅を有する光を検出する。
【0039】
図1は、検出ライン6の個々のフィールド6iをアナログ又はデジタルで電子的に相互接続して、1つのスペクトルセグメント6a~f又は複数のスペクトルセグメント6a~fとする読取り機器8が設けられていることも示す。
【0040】
読取り機器8は、スペクトルセグメント6a~fの検出信号を個別に読み取ることができ、又はすべてのスペクトルセグメント6a~fの検出信号を完全に相互接続された状態で読み取るか、或いは相互接続して一群とされた個々のスペクトルセグメント6a~fの検出信号を読み取ることができる。
【0041】
前述の可能性のうちの1つ及び/又は複数を使用して、読取り機器8は、検出信号を処理し、及び/又はこれらの検出信号を相互接続して出力チャネルとし、かつ1つのスペクトルセグメント6a~f又は複数のスペクトルセグメント6a~fから並行して及び/又は同時に得られる検出信号に基づいて生成される1つの画像10又は複数の画像10を作成する画像作成機器9と協働する。
【0042】
具体的には、光を検出パス3に制限する装置2は孔絞りとして設計されている。光をスペクトル分割する機器4は、プリズムとして設計されている。検出ユニットとして機能するアセンブリにおいて、光は孔絞りの後にスペクトル分割され、光学部品5を介して検出ライン6に結像される。
【0043】
図1による検出ライン6は、直接、ほぼ隙間なく並んでいる複数の、具体例では6つの、感光性を有するスペクトルセグメント6a~fからなる。個々のスペクトルセグメント6a~fは、それらの大きさの点で互いに異なり、したがって、異なる大きさのスペクトル領域を対象として含む。スペクトルセグメント6a~fを個別に、完全に相互接続された状態で、又は部分的に相互接続された状態で読み取ることができる。
【0044】
光学部品5はレンズとして設計されている。検出ライン6はシリコン光電子増倍管(SiPM)から作製されている。
【0045】
図1は、同時に検出された異なるスペクトル領域の光に基づいて、1つの画像10又は複数の画像10を同時に記録及び/又は表示するための装置11を示し、この装置は前述した種類のアセンブリを有している。
【0046】
装置11は、3つのカラーチャネル、好ましくは赤、緑、青(R、G、B)のカラーチャネルからの実カラー画像を同時に記録及び/又はこれらを表示する。他の不可視波長(赤外線及び/又は紫外線など)も同時に検出することができる。
【0047】
装置11は、蛍光画像及び反射画像を同時に記録及び/又は表示することができる。ここでは、スペクトルセグメントをそれぞれの用途若しくは関連するスペクトル領域に適合させるために、スペクトルセグメント6a~f若しくは6a~eの動的構成が特に重要である。
【0048】
スペクトルセグメント6a~f若しくは6a~eの装置の検出器1への実装は、アナログ又はデジタル回路によって動的に実現される。したがって、異なる用途のために、固定若しくは不変のスペクトルセグメントを有する検出器の必要がなく、検出器1を用途ごとに動的に構成することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 検出器
2 収束する機器
3 検出パス
4 スペクトル分割する機器
5 光学部品
6 検出ライン
6i 6のフィールド
6a~f スペクトルセグメント
7 回路
8 読取り機器
9 画像作成機器
10 画像
11 装置
12 青から赤へのスペクトル
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に共焦点レーザ走査装置において使用するためのアセンブリであって、感光検出器(1)と、光を検出パス(3)に収束させる、及び/又は幾何学的に制限する機器(2)とを有するアセンブリにおいて、
光をスペクトル分割する機器(4)が前記検出パス(3)に設けられており、スペクトル分割された光を前記検出器(1)の検出ライン(6)へ向ける少なくとも1つの光学部品(5)が設けられており、前記検出ライン(6)は、それぞれ異なる波長の光がそれぞれ当たるフィールド(6i)を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記検出器(1)がライン検出器として設計されており、前記検出器の検出ライン(6)をアナログ又はデジタル回路(7)によって個々のスペクトルセグメント(6a~f)に動的に分割でき、各スペクトルセグメント(6a~f)は、特定のスペクトル領域の検出又は感度に関して構成可能、および/または前記スペクトル領域のスペクトル量子効率に関して構成可能であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記検出ライン(6)の前記フィールド(6i)が、複数の連続するスペクトルセグメント(6a~f)に割り当てられるか、又は複数の連続するスペクトルセグメント(6a~f)を形成し、および/または前記検出ライン(6)は、それぞれが異なるスペクトル領域又は異なる波長の光を検出する異なるスペクトルセグメント(6a~f)に細分されていることを特徴とする請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも2つ以上のスペクトルセグメント(6a~f)は、前記スペクトルセグメントの大きさ又は空間的、特に線状及び/又は面状の広がりが互いに異なり、それにより、異なる大きさのスペクトルセグメント(6a~f)は、異なる幅で延びるスペクトル領域又は異なる大きさの波長幅の光を検出することを特徴とする請求項
2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記検出ライン(6)の個々のフィールド(6i)をアナログ又はデジタルで相互接続して1つのスペクトルセグメント(6a~f)または複数のスペクトルセグメント(6a~f)とする読取り機器(8)が設けられていること、および/または前記読取り機器(8)は、スペクトルセグメント(6a~f)の検出信号を個別に読み取るか、すべてのスペクトルセグメント(6a~f)の検出信号を完全に相互接続された状態で読み取るか、または相互接続して一群とされた個々のスペクトルセグメント(6a~f)の検出信号を読み取ることを特徴とする
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記読取り機器(8)は、前記検出信号を処理し、及び/又は相互接続して出力チャネルとし、かつ1つのスペクトルセグメント(6a~f)又は複数のスペクトルセグメント(6a~f)から並行に及び/又は同時に得られる検出信号に基づいて生成される1つの画像(10)又は複数の画像(10)を作成する画像作成機器(9)と協働することを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
光を前記検出パス(3)に制限する機器(2)が孔絞りとして設計されていることを特徴とする
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
光をスペクトル分割する機器(4)がプリズム又は格子として設計されていることを特徴とする
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記光学部品(5)がレンズとして、又は複数のレンズ、好ましくは複数の円筒レンズの直列接続として設計されていることを特徴とする
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記検出ライン(6)がシリコン光電子増倍管(SiPM)から作製されていることを特徴とする
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリを有し、同時に検出された異なるスペクトル領域の光に基づいて、1つの画像(10)又は複数の画像(10)を同時に記録及び/又は表示するための装置(11)。
【請求項12】
前記装置(11)は、3つのカラーチャネル、好ましくは赤、緑、青(R、G、B)のカラーチャネルから実カラー画像を同時に記録及び/又は表示することを特徴とする請求項11に記載の装置(11)。
【請求項13】
前記装置(11)は、蛍光画像及び反射画像を同時に記録及び/又は表示することを特徴とする請求項
11に記載の装置(11)。
【請求項14】
酸素飽和度測定を実行するため、すなわち人間又は動物の血液中の酸素を検出するための、請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項11から13のいずれか一項に記載の装置(11)の使用。
【請求項15】
物質を同定するため、及び/又は特に人間又は動物の組織における構造を検出するために、自家蛍光スペクトル分析を実行するための請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項11から13のいずれか一項に記載の装置(11)の使用。
【請求項16】
蛍光寿命イメージング検眼鏡(FLIO)における、請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項11から13のいずれか一項に記載の装置(11)の使用。
【国際調査報告】