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特表2024-533860食品を加熱するおよび/または周囲に熱を発するための機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】食品を加熱するおよび/または周囲に熱を発するための機器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/04 20210101AFI20240905BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 23/42 20060101ALI20240905BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 21/06 20060101ALI20240905BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240905BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240905BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20240905BHJP
   A47J 37/07 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
F24C3/04 E
C01B3/02 H
B01J23/42 M
C01B3/00 Z
B01J21/06 M
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B15/08 302
F24C3/04 Q
A47J37/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536360
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2022073994
(87)【国際公開番号】W WO2023031142
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021122410.1
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524075283
【氏名又は名称】ハイティング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HYTING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティム ハニング
【テーマコード(参考)】
4B040
4G140
4G169
4K021
【Fターム(参考)】
4B040AA02
4B040AA08
4B040AC02
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA01
4B040CA02
4G140AB01
4G169AA02
4G169BB02
4G169BC50
4G169BC75
4G169CD03
4G169DA06
4G169EA12
4G169EC28
4G169FA05
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC07
4K021BC09
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA15
4K021DC03
4K021DC11
(57)【要約】
本発明は、食品を加熱する、特にグリルであり、および/または、周囲に熱を発する、特に暖房器具である機器(1)であって、水素を供給するための少なくとも1つの供給ユニット(2)と、水素から熱を生成するための少なくとも1つの反応ユニット(14)と、を備える機器(1)に関する。本発明によれば、反応ユニット(14)は、水素に触媒作用を及ぼす少なくとも1つの触媒(30)によって水素を無炎燃焼させるための触媒ユニットとして設計される、および/または、供給ユニット(2)は、水素を生成するための電解槽(3)と、電解槽(3)に水を供給するための給水器とを有し、給水器は、水を集めるための収集装置(6)、および/または、水を処理するための処理装置(8,8’, 8’’)を有する。
本発明は、さらに、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発するための機器(1)を操作する方法に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を加熱する、特にグリルであり、周囲に熱を発する、特に暖房器具である機器(1)であって、
水素を供給するための少なくとも1つの供給ユニット(2)と、
水素から熱を生成するための少なくとも1つの反応ユニット(14)と、を備え、
前記反応ユニット(14)は、水素に触媒作用を及ぼす少なくとも1つの触媒(30)によって水素を無炎燃焼させるための触媒ユニットとして設計される、および/または、
前記供給ユニット(2)は、水素を生成するための電解槽(3)と、前記電解槽(3)に水を供給するための給水器とを有し、前記給水器は、水を集めるための収集装置(6)、および/または、水を処理するための処理装置(8,8’, 8’’)を有することを特徴とする、機器(1)。
【請求項2】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、前記触媒(30)が配置される触媒燃焼チャンバ(35)を有することを特徴とする、請求項1に記載の機器(1)。
【請求項3】
前記触媒(30)は、前記触媒燃焼チャンバ(35)を2つのサブチャンバ(36,37)に区分する浸透性のパーティションを形成するよう前記触媒燃焼チャンバ(35)に配置されることを特徴とする、請求項1または2の記載の機器(1)。
【請求項4】
前記触媒(30)は、浸透性である、特に、格子形状である、親水性である、および/または、好ましくは、金属酸化物・白金コーティングを有するチタンでできていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項5】
前記触媒燃焼チャンバ(35)は、空気-水素混合気のための混合気入口(38)を特に第1サブチャンバ(36)内に有し、触媒作用によって加熱された空気流のための出口開口部(39)を特に第2サブチャンバ(37)内に有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項6】
前記混合器入口(38)は、前記触媒燃焼チャンバ(35)の長手方向における第1の端部に配置され、前記出口開口部(39)は、その反対側の、前記燃焼チャンバ(35)の第2の端部に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項7】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、前記触媒(30)を加熱および/または乾燥するための、特に電気式の補助加熱システム(40)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項8】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、温度センサ(41)を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項9】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、水素および空気が供給されて混合されることにより空気-水素混合気が生成され得る混合チャンバ(27)を有し、前記混合チャンバ(27)は、好ましくは、空気用入口開口部(42)、水素入口(43)、および/または、混合気出口(44)を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項10】
前記混合チャンバ(27)の長手方向における第1の端部に前記空気用入口開口部(42)が配置され、その反対側の、前記混合チャンバ(27)の第2の端部に前記混合気出口(44)が配置される、および/または、前記第1の端部と前記第2の端部との間に前記水素入口(43)が配置されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項11】
前記混合チャンバ(27)は、前記空気用入口開口部(42)から前記混合気出口(44)へ向かって、特に円錐状に先細りした第1の区間(45)、特に円筒状のおよび/または一定の直径を有する第2の区間(46)、および/または、特に円錐状に拡がる第3の区間(47)を有する、および/または、前記水素入口(43)は、前記第2の区間(46)の領域に配置されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項12】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、特に、前記空気用入口開口部(42)を介して空気を前記混合チャンバ(27)に供給するためのファン(25)、および/または、バイパス空気開口部(26)を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項13】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、空気-水素混合気の混合比を決定するためのセンサ(28)、および/または、好ましくは前記混合チャンバ(27)と前記触媒燃焼チャンバ(35)との間に配置されたセンサチャンバ(48)を有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項14】
前記混合チャンバ(27)、前記センサチャンバ(48)、および/または、前記触媒燃焼チャンバ(35)は、管の形状をなし、その一端に前記空気用入口開口部(42)が配置され、他端に前記出口開口部(39)が配置される、および/または、
前記管は、特に着脱可能に互いに接続され、好ましくは、前記チャンバの少なくとも1つを有する複数の管部(49)を有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項15】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、空気-水素混合気の混合比、および/または、前記補助加熱システム(40)を開ループおよび/または閉ループ制御するためのコントローラ(29)を有することを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項16】
触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)は、前記コントローラ(29)によって作動されることができ、前記混合チャンバ(27)への水素の流入を制御できる水素バルブ(51)を有することを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項17】
前記供給ユニット(2)は、生成された水素を圧縮するコンプレッサ(5)を有することを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項18】
前記供給ユニット(2)は、水素を貯蔵する少なくとも1つのアキュムレータ(4,4’)を有し、前記アキュムレータ(4,4’)は、好ましくは、蓄圧器、および/または、金属水素化物アキュムレータの形態をとることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項19】
前記少なくとも1つのアキュムレータは、主アキュムレータ(4’)、および/または、中間アキュムレータ(4)の形態をとり、
前記中間アキュムレータ(4)は、好ましくは、前記電解槽(3)によって生成された圧縮前の水素を貯蔵するよう設計され、
前記主アキュムレータは、好ましくは、前記コンプレッサ(5)によって圧縮された水素を貯蔵するよう設計されることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項20】
前記処理装置(8,8’,8’’)は、水をろ過するための少なくとも1つのフィルタを有し、
前記少なくとも1つのフィルタは、好ましくは、逆浸透フィルタ(8’’)、プリフィルタ(8’)、および/または、フィルタスクリーン(8)の形態をとることを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項21】
前記給水器は、水を貯蔵するための少なくとも1つの水タンク(11,11’)を有し、
前記少なくとも1つの水タンク(11,11’)は、好ましくは、集められた水を貯蔵する中間タンク(11)、および/または、ろ過水、特に純水を貯蔵するための純水タンク(11’)の形態をとることを特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項22】
前記給水器は、前記少なくとも1つの水タンク(11,11’)、前記処理装置(8,8’,8’’)、および/または前記収集装置(6)から水を抜くための少なくとも1つの流出部(12,12’)、および/または、霜による破損を防止するための少なくも1つの霜よけ装置(22)を有することを特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項23】
前記機器(1)は、電源を有し、 前記電源は、好ましくは、少なくとも1つの電流源(15,15’)、特に光電池(15’)、風力タービン、および/または、外部電流供給装置(15)、および/または、エネルギー貯蔵装置(16)、特に蓄電池、および/または、電流を分配するための電流分配器(17)、および/または、電流の種類を変換する、特に、直流から交流に変換するための電流変換器(18)を有することを特徴とする、請求項1~22のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項24】
前記機器(1)は、前記機器(1)の、特に前記供給ユニット(2)、前記反応ユニット(14)、および/または、前記電源の開ループおよび/または閉ループ制御のための少なくとも1つのコンピュータユニット(13)、および/または、前記機器(1)、特に前記供給ユニット(2)、前記反応ユニット(14)、および/または、前記電源を操作するための少なくとも1つの操作ユニットを(21)有することを特徴とする、請求項1~23のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項25】
前記機器(1)は、自立動作可能なグリルおよび/またはラジエントヒーターの形態をとり、
前記供給ユニット(2)、前記反応ユニット(14)、前記電源、および/または、前記コンピュータユニット(13)は、好ましくは、ハウジング内に配置される、および/または、互いに機械的に接続されることを特徴とする、請求項1~24のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項26】
前記ハウジングは、本体(10)、および/または、天板(7)を有し、 前記本体(10)および前記天板(7)は、好ましくは、少なくとも1つの接続装置(20)によって互いに接続される、および/または、前記ハウジングは、前記接続装置(20)によって機械的に互いに接続された2つの部分からなるユニットとして設計されることを特徴とする、請求項1~25のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項27】
特に、光電池(15’)としての前記電流源(15,15’)、および/または、前記収集装置(6)は、前記天板(7)、および/または、前記ハウジングの後面(24)に配置される、および/または、前記天板(7)、および/または、前記ハウジングの前記後面(24)を構成することを特徴とする、請求項1~26のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項28】
グリルの形態をとる前記機器(1)は、グリルユニット(23)を有し、
前記反応ユニット(14)は、好ましくは、少なくとも一部が前記グリルユニット(23)内に配置される、および/または、前記グリルユニット(23)は、前記反応ユニット(14)に有効に接続されることを特徴とする、請求項1~27のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項29】
前記グリルユニット(23)は、少なくとも1つのグレート(31)、および/または、1つのデフレクター(32)を有し、
前記デフレクター(32)は、前記グレート(31)の上に置かれた食品が特に排他的かつ間接的に加熱されるように、前記グレート(31)と前記反応ユニット(14)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~28のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項30】
食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発するための、好ましくは請求項1~29のいずれかに記載の機器(1)を操作する方法であって、 少なくとも1つの供給ユニット(2)によって水素が供給され、
少なくとも1つの反応ユニット(14)によって、供給された前記水素から熱が生成され、
前記水素は触媒ユニットの形態をとる前記反応ユニット(14)において、少なくとも1つの触媒(30)による触媒作用を受け、
給水器によって供給される水から、電解槽(3)によって水素が生成され、
水、特に、雨水が、収集装置(6)によって集められ、処理装置(8,8’,8’’)によって処理されることを特徴とする、方法。
【請求項31】
前記機器(1)は、特に操作ユニット(21)によって、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発するために、前記反応ユニット(14)によって水素が消費される、および/または、水素が前記供給ユニット(2)によって前記反応ユニット(14)に供給される操作設定に切り換えられ、前記操作設定終了後に、前記機器(1)は、特にコンピュータユニット(13)によって、好ましくは、少なくとも1つの前記供給ユニット(2)が水素を生成する生成設定に切り換えられることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流す機器であって、特に、グリルおよび/またはラジエントヒーターに関する。機器は、水素を供給するための少なくとも1つの供給ユニットと、水素から熱を生成するための少なくとも1つの反応ユニットとを有する。
【背景技術】
【0002】
食品を加熱する機器、特にグリル、および、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流す機器、特に、ラジエントヒーターは、従来技術によって周知である。これらの種類の機器を作動させるには、化石燃料、例えば、プロパンガスなどがよく用いられている。これらの種類の機器の、より環境に配慮した代替物として、水素を用いる機器も従来技術によって周知である。
【0003】
例えば、国際公開公報第2011/062513号明細書は、電解槽を用いて水源から可燃性燃料を生成し、この可燃性燃料に空気を添加してバーナーで燃焼させる調理器具を記載している。この調理器具の不利な点は、電解槽で用いられ得る水の水源が常に利用できる状態でなければならないことである。また、水素を裸火として燃焼させることは、危険性をもたらす。化石燃料とは異なり、水素が燃焼するときの炎は、基本的に無色である。したがって、調理器具を使用中であることを使用者に認識させるのが難しく、その結果、重症になる可能性がある。
【0004】
本発明の課題は、従来技術で知られる不利益を解消することである。課題は、特に、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流す機器を提供することであり、本発明の機器は、安全な操作を保証でき、その結果、稼働コストを低く抑えることができる、および/または、場所を問わずに使用できる。
【0005】
本発明の課題は、独立項に記載の特徴によって解決される。さらなる有利な実施形態は、従属項および図面によりもたらされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、好ましくは、屋外および/または屋内において、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に、熱を放射する、および/または、温風を流す機器に関する。機器は、水素を供給するための少なくとも1つの供給ユニットと、水素から熱を生成するための少なくとも1つの反応ユニットとを有する。
【0007】
食品を加熱する装置は、例えば、特に屋外および/または屋内における調理機器、ホットプレート、グリル、および/または、オーブンであると考えられてよい。周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流す機器は、例えば、特に屋外および/または屋内における暖房器具、ラジエントヒーター、ファンヒーター、チムニーストーブ、設置型ヒーター、パティオヒーター、および/または、オープン暖炉であると考えられてよい。屋外および/または屋内とは、それらの機器が作動し得る場所を意味すると考えられたい。屋外とは、例えば、機器がアウトドアおよび/または戸外にあることを意味すると考えられたい。屋内とは、機器が建物、家屋、テント、ボート、キャンピングカー、および/または、トレーラーハウスの中にあることを意味すると考えられたい。
【0008】
水素は、空気および酸素と共に、反応ガス混合気体として反応ユニットへと供給される。食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流すために必要な熱エネルギーを得るべく、反応ユニットにおいて水素は、空気および/または酸素と反応する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、反応ユニットは、水素に触媒作用を及ぼす少なくとも1つの触媒を有する、水素の無炎燃焼のための触媒ユニットとして設計されている。さらに、または、あるいは、本発明によれば、供給ユニットは、水素を生成するための電解槽、および/または、電解槽に水を供給するための給水器を有する。給水器は、好ましくは、水、特に雨水を集めるための収集装置、および/または、好ましくは、水を処理するための処理装置を有する。
【0010】
機器が触媒ユニットの形態をとる反応ユニットを有する場合、反応ガス混合気体に触媒作用を及ぼすことによって、熱エネルギーが生成される。反応ガス混合気体は、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットにおいて触媒から触媒作用を受けるので、熱エネルギーが無炎で生成される。供給される反応ガス混合気体の水素含有量は、好ましくは爆発範囲の外であり、特に、4容量%未満である。その結果、反応ガス混合気体の爆発を防ぐことができる。
【0011】
さらに、または、あるいは、供給ユニットが電解槽を有する場合、電解槽は、給水器によって送られる水を、水電解によって水素と酸素とに分解する。給水器が好ましくは収集装置を有する場合、例えば、雨水を集めることができる。そのためには、給水器の少なくとも収集装置が屋外に配置されることによって、雨が降ったときに雨水を受けるおよび/または集めることができると有利である。収集装置は、特に、電気分解用の水を間接的に供給してよい。このことは、設置場所に関係なく機器を作動させることができるという利点を有する。水は、周辺からも追加で収集できるので、機器の稼働コストを削減できる。さらに、または、あるいは、給水器が処理装置を有する場合、雨水、地下水、地表水、および/または、生水などの汚染水は、電解槽における電気分解に適した水になるよう少なくとも部分的に処理されることができる。この処理水は、純水と称され得る。処理中に、より大きい、および/または、より小さい汚染物質を取り除くことができる。同様に、水電解に必要な添加剤が処理装置において水に添加されることが考えられる。結果として、処理前の汚染水および/または不適切な水が、少なくとも多少は水電解に用いられることもあり得る。
【0012】
機器が触媒ユニットの形態をとる反応ユニットを有する場合、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットは、触媒が配置される触媒燃焼チャンバを有すると有利である。
【0013】
また、触媒が、燃焼チャンバ内を2つのサブチャンバに区分する浸透性のパーティションを形成するよう燃焼チャンバに配置されると有利である。この場合、有利には、触媒は、浸透性の格子の形態をとる。
【0014】
本発明の有利な成果において、触媒は、浸透性である、特に、格子形状である、および/または、親水性である。好ましくは、触媒は、チタン製である、および/または、金属酸化物・白金コーティングが施されている。
【0015】
さらに、燃焼チャンバが、空気-水素混合気のための混合気入口を特に第1サブチャンバ内に有し、触媒作用によって加熱された空気流のための出口開口部を特に第2サブチャンバ内に有すると有利である。この加熱された空気流は、食品を加熱する、および/または、建物および/または人々を暖める熱を発するために用いられる。
【0016】
さらに、混合器入口が、燃焼チャンバの長手方向における第1の端部に配置され、出口開口部が、その反対側の、燃焼チャンバの第2の端部に配置されると有利である。
【0017】
本発明の有利な成果において、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットは、触媒を加熱および/または乾燥するための、特に電気式の、補助加熱システムを有する。有利には、補助加熱システムは、ジャケット発熱体の形態をとる、および/または、燃焼チャンバの触媒の領域の周囲に延在する。機器を始動させると、特に、親水性の触媒上で凝集が発生することがあり、これは、触媒作用による無炎燃焼を確実に開始することへの妨げとなり得る。補助加熱システムにより、開始工程前および/または開始工程中に触媒が加熱および/または乾燥されるので、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットでの燃焼を確実に開始することができる。
【0018】
開始工程、および/または、触媒の無炎燃焼をモニタする目的で、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが温度センサを有すると有利である。好ましくは、この温度センサは、燃焼チャンバの中または領域に配置される。温度センサは、燃焼工程が進行中で熱が生成されているかどうかを示すために用いられる。さらに、または、あるいは、温度センサ、または、特にコントローラからのそのデータが、供給される水素、および/または、供給される空気の量を閉ループ制御するために用いられてよい。
【0019】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが、水素および空気が供給されて混合されることにより空気-水素混合気が生成される混合チャンバを有すると有利である。その際、さらに、混合チャンバが空気の入口開口部、水素入口、および/または、混合気出口を有すると有利である。
【0020】
有利には、混合チャンバの長手方向における第1の端部に入口開口部が配置され、その反対側の、混合チャンバの第2の端部に混合気出口が配置される、および/または、それらの端部の間に水素入口が配置されると、構造的な単純化が確保され得る。
【0021】
混合チャンバに流入した水素が、同様に流入した空気と確実に混合されることを保証すべく、混合チャンバが、入口開口部から混合気出口へ向かって、特に円錐状に先細りした第1の区間、特に円筒状のおよび/または一定の直径を有する第2の区間、および/または、特に円錐状に拡がる第3の区間を有すると有利である。その際、さらに、水素入口が第2の区間の領域に配置されると有利である。
【0022】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが、特に入口開口部を介して、空気を混合チャンバに供給するためのファンおよび/またはバイパス空気開口部を有すると有利である。
【0023】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが、空気-水素混合気の混合比を決定するためのセンサを有することも有利である。その際、触媒ユニットが、好ましくは混合チャンバと燃焼チャンバとの間に配置されたセンサチャンバを有することも有利である。好ましくは、空気-水素混合気の混合比を決定するためのセンサは、このセンサチャンバに配置される。
【0024】
混合チャンバ、センサチャンバ、および/または、燃焼チャンバが、管の形状をなし、その一端に入口開口部が配置され、他端に出口開口部が配置されると、機器の構造上の複雑さが緩和され得る。維持補修を簡単にすべく、さらに、管が複数の管部を有すると有利である。これらの管部は、特に着脱可能に互いに接続されることができ、好ましくは、チャンバの少なくとも1つを有する。このように、管は、例えば、混合チャンバを含む第1の管部、センサチャンバを含む第2の管部、および/または、燃焼チャンバを含む第3の管部を有してよい。これらの管部は、対応して設計された接続領域において着脱可能に互いに接続される。好ましくは、接続領域は、ボルトで固定されるフランジ形状である。
【0025】
確実な無縁燃焼の開始、および/または、確実な触媒作用による無炎燃焼を可能にすべく、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが、空気-水素混合気の混合比、および/または、補助加熱システムの開ループ制御および/または閉ループ制御のためのコントローラを有すると有利である。そのためには、コントローラが、空気-水素混合気の混合比を決定するためのセンサ、特に燃焼チャンバに配置された温度センサ、ファン、および/または、水素の供給を制御するための水素バルブに接続されると有利である。機器の熱出力は、好ましくは混合チャンバに供給される空気量、および/または、水素量に基づいて、コントローラにより開ループ系で制御され得る。好ましくは、空気量は、ファンを適切に作動させるコントローラによって調整される。さらに、または、あるいは、水素量は、コントローラによって適切に作動される水素バルブによって調整される。温度調整のために、コントローラは、目標値、特に目標温度を使用者から受信する。この値は、好ましくはコントローラの機器入出力インターフェースを介して使用者によって送信および/または予め定められてよい。コントローラは、好ましくは温度センサを介して実際の温度を受信し、ファンおよび/または水素バルブを適切に作動させることにより、実際の温度を、使用者により予め定められた目標温度に調整する。さらに、または、あるいは、コントローラは、特に、予め定められた目標温度に基づき、空気-水素混合気の目標混合比を決定することができる。さらに、または、あるいは、この目標混合比は、コントローラに特有であってよい。さらに、または、あるいは、数学的におよび/または経験に基づいて決定され、目標温度と相関する目標混合比がコントローラのメモリに記憶されてよい。コントローラは、好ましくは、センサによって検知された空気-水素混合気の実際の混合比を、目標混合比に基づいた目標値に調整するよう設計される。
【0026】
水素の供給量を調整可能にすべく、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが、コントローラによって作動されることができ、混合チャンバへの水素の流入を開ループ系で制御可能にする水素バルブを有すると有利である。
【0027】
供給ユニットが、生成された水素を圧縮するコンプレッサを有すると有利である。電解槽によって生成される水素は、圧力が低いことが多い。電解槽を出た水素は、その後効率よく貯蔵および/または利用されることができるように、コンプレッサに送られて圧縮される。
【0028】
供給ユニットが、水素を貯蔵するための少なくとも1つのアキュムレータを有するとさらに有利である。アキュムレータは、好ましくは、蓄圧器、および/または、金属水素化物アキュムレータの形態をとる。電解槽により生成された、および/または、コンプレッサにより圧縮された水素は、アキュムレータによって貯蔵され得る。特に、蓄圧器に充填するには、コンプレッサによってもたらされ得る高いガス圧が要求される、および/または、望ましいはずである。
【0029】
金属水素化物アキュムレータ、および/または、非常に大型の蓄圧器がアキュムレータとして用いられた場合、反応ユニットに十分な量の水素が既に非圧縮で供給されている可能性がある。金属水素化物アキュムレータは、化学貯蔵プロセスによって水素を金属混合物に結合させるアキュムレータである。水素を結合させるためには、熱を供給することによってこの結合を引き起こす必要がある。水素を金属水素化物アキュムレータから放出し、その後この水素を反応ユニットで用いるために必要な熱エネルギーは、機器から排出された加熱空気、および/または、別の熱源によってもたらされ得る。
【0030】
少なくとも1つのアキュムレータが、主アキュムレータ、および/または、中間アキュムレータの形態をとると有利である。中間アキュムレータは、好ましくは、電解槽によって生成された圧縮前の水素を貯蔵するよう設計され、主アキュムレータは、コンプレッサによって圧縮された水素を貯蔵するよう設計される。電解槽によって生成された水素は、好ましくは、電解槽の出力圧力で中間アキュムレータに貯蔵される。中間アキュムレータ内、および/または、電解槽の出口では、水素は、35バールの最大圧力を有する。その後、水素は、中間アキュムレータからコンプレッサへと導かれ、コンプレッサ内で出力圧力から貯蔵圧力へと圧縮される。圧縮された水素は、続いて、主アキュムレータに貯蔵される。主アキュムレータ内、および/または、コンプレッサの出口における水素の圧力は、35バールより大きく、好ましくは、最大で200バールである。
【0031】
同様に、処理装置が、水をろ過するための少なくとも1つのフィルタを有すると有利である。フィルタによって、水、特に雨水、地下水、地表水、および/または、生水をろ過および/または純化することができる。少なくとも1つのフィルタは、好ましくは、逆浸透フィルタ、プリフィルタ、および/または、フィルタスクリーンである。
【0032】
フィルタスクリーンは、最も粒の大きい汚染物質を水から除去する。機器が収集装置を有する場合、フィルタスクリーンは、収集装置の領域内で、最も粒の大きい汚染物質、特に葉および/または小枝を除去するよう設計される。収集装置上の配置によって、大幅な変更なしにフィルタスクリーンを清掃することができる。プリフィルタは、中程度の大きさの汚染物質を水から除去する。プリフィルタは、好ましくは、手に入りやすいフロースルーフィルタ形式である。プリフィルタは、清掃もしやすい。逆浸透フィルタは、流れている水を逆浸透によって処理するフィルタを意味すると考えられたい。逆浸透によって処理された水は、純水と称されてよく、純水は、好ましくは、20マイクロジーメンスの最大導電率を有する。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つのフィルタ、特にプリフィルタ、および/または、フィルタスクリーンが、すばやく簡単に必要な清掃を受けられるように機器に配置される。さらに、処理装置が、特にプリフィルタの領域に、遮断センサを有すると有利である。その結果、処理装置の作動が常に保証され得る。
【0034】
さらに、給水器が、水を貯蔵するための少なくとも1つの水タンクを有すると有利である。少なくとも1つの水タンクは、好ましくは、集められた水を貯蔵する中間タンク、および/または、ろ過水、特に純水を貯蔵するための純水タンクの形態をとる。また、少なくとも1つの水タンク、特に純水タンクが、水質をモニタする水質センサを有すると有利である。
【0035】
同様に、給水器が、少なくとも1つの水タンク、処理装置、および/または、収集装置から水を抜く少なくとも1つの流出部を有すると有利である。その結果、例えば、少なくとも1つの水タンクがすでに完全に満たされている場合、および/または、処理装置および/または収集装置が詰まっている場合に、不要な水を排出することができる。同様に、少なくとも1つの流出部は、必要なメンテナンスの際の緊急排水装置としての機能を果たし得る。
【0036】
さらに、または、あるいは、給水器が、霜による破損を防止するための少なくとも1つの霜よけ装置を有すると有利である。少なくとも1つの霜よけ装置は、断熱および/または加熱式であってよい。さらに、または、あるいは、少なくとも1つの霜よけ装置は、給水器の水を排出するための流出部の形態をとってもよい。
【0037】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニットが、空気を供給するためのファンおよび/またはバイパス空気開口部、水素と空気とを混合する混合チャンバ、混合比を決定するセンサ、混合比を制御するコントローラ、および/または、水素に触媒作用を及ぼす触媒を有すると有利である。ファンおよび/またはバイパス空気開口部は、好ましくは、触媒ユニットに外気を供給する。水素に空気が混合されると、反応ガス混合気体が生じる。反応ガス混合気体は、好ましくは、水素含有量が爆発範囲の外、特に、4容量%未満であるよう開ループ系で制御される。食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流す熱エネルギーは、触媒を用いて反応ガス混合気体から生成される。
【0038】
また、反応ユニットが、水素を燃焼させるバーナーユニットの形態をとると有利である。さらに、バーナーユニットが、少なくとも1つの点火器、火炎表示器、および/または、燃焼管を有すると有利である。バーナーユニットは、裸火によって水素から熱エネルギーを生成する反応ユニットを意味すると考えられたい。水素および空気および酸素からなる反応ガス混合気体は、少なくとも1つの燃焼管から出て、少なくとも1つの点火器によって点火され、その結果、炎が生じる。水素を伴う反応ガス混合気体が燃える際の炎は、無色なので、炎の存在は、火炎表示器によって検知および/または表示され得る。このように、水素から裸火によって熱エネルギーが生成される場合の安全を確保することができる。
【0039】
機器が電源を有するとさらに有利である。電源は、好ましくは、少なくとも1つの電流源、特に光電池、風力タービン、および/または、外部電流供給装置を含む。電源により、機器のすべての構成要素、特に、電解槽、処理装置、反応ユニット、コンプレッサ、水タンク、および/または、コンピュータユニットに電流を供給することができ、それらを確実に作動させることができる。光電池、および/または、風力タービンは、環境の影響に依存する。光電池は、太陽エネルギーを電流に変換し、風力タービンは、風力エネルギーを電流に変換する。その際、光電池および/または風力タービンが電流を供給する時点で電解槽が水素を生成すると有利である。さらに、または、あるいは、電流源が外部電流供給装置の形態をとる場合は、環境の影響に関係なく用いられることができる、および/または、光電池および/または風力タービンを支援する役目を果たし得る。好ましくは、外部電流供給装置は、電圧変換器を有する。電圧変換器は、入力電圧を変換することができ、その結果、外部電流供給装置は、異なる配電電圧にも適応できる。
【0040】
さらに、または、あるいは、機器が、エネルギー貯蔵装置、特に蓄電池を有すると有利である。電流源が光電池および/または風力タービンの形態である場合、導入されたエネルギーは、エネルギー貯蔵装置に貯蔵され、いつでも出力されることができる。その結果、不利な環境条件にあっても機器を作動させることができる。同様に、機器が専用の外部電流供給装置を有する場合、エネルギー貯蔵装置は、電源接続器を介して充電されることも考えられる。エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーは、その後、稼働中に機器の構成要素に出力される。
【0041】
さらに、または、あるいは、機器が、電流を分配するための電流分配器を有すると有利である。電力分配器により、電流源からの電流を機器のすべての構成要素、特に電解槽、処理装置、反応ユニット、コンプレッサ、水タンク、および/または、コンピュータユニットに分配することができる。
【0042】
さらに、または、あるいは、機器が、電流の種類を変換する、特に、直流から交流に変換するための電流変換器を有すると有利である。
【0043】
機器が、機器の特に供給ユニット、反応ユニット、および/または、電源の開ループおよび/または閉ループ制御のための少なくとも1つのコンピュータユニットを有すると有利である。さらに、または、あるいは、機器は、機器、特に供給ユニット、反応ユニット、およびまたは/電源を操作するための少なくとも1つの操作ユニットを有する。
【0044】
同様に、機器が、好ましくは少なくとも1つの空気入口、および/または、冷却ファンを有する冷気装置を有すると有利である。その結果、機器、特に供給ユニット、反応ユニット、電源、および/または、コンピュータユニットに冷気を供給することができる。また、霜よけ装置および冷気装置は、冷却だけでなく加熱もできる一体化された装置であることも考えられる。
【0045】
同様に、機器が自立動作可能なグリルおよび/またはラジエントヒーターの形態をとると有利である。供給ユニット、反応ユニット、電源、および/または、コンピュータユニットは、好ましくは、ハウジング内に配置される、および/または、互いに機械的に接続される。自立動作可能な機器は、基本的に外部から異物を特に手動で供給することなく、操作できる機器を意味すると考えられたい。例えば、雨水は、収集装置によって自動的に集められ、そして、処理および/またはろ過された後に少なくとも1つの水タンクに貯蔵される。光電池および/または風力タービンの形態をとる電流源によってエネルギー貯蔵装置は充電され得る、および/または、機器は、作動され得る。ろ過された雨水、特に純水から、電解槽によって水素が生成され、アキュムレータの少なくとも1つに貯蔵される。そして、少なくとも1つの反応ユニットによって熱が生成され得る。さらに、または、あるいは、供給ユニット、反応ユニット、電源、および/または、コンピュータユニットが、ハウジング内に配置される、および/または、互いに機械的に接続される場合、機器は、単体として運搬可能に設計されてよい。
【0046】
ハウジングが本体、および/または、天板を有すると有利である。本体および天板は、好ましくは、少なくとも1つの接続装置によって互いに接続される、および/または、ハウジングは、接続装置によって機械的に互いに接続された2つの部分からなるユニットである。天板は、雨よけおよび/または日よけとして機能し得るので、本体、特に本体に配置される反応ユニットを環境の影響から保護する。
【0047】
また、特に光電池の形態をとる電流源、および/または、収集装置が、天板の上、および/または、ハウジングの後面に配置される、および/または、天板、および/または、ハウジングの後面を構成すると有利である。
【0048】
少なくとも1つの接続装置が、機械的接続装置、および/または、少なくとも1つの接続ケーブルの形態をとる、および/または、少なくとも1つの雨水ラインが接続装置の領域に配置されるとさらに有利である。機械的接続装置は、本体を天板に機械的に接続することができる。その結果、機械的接続装置は、少なくとも部分的にハウジングの支持フレームとして形成され得る。さらに、または、あるいは、支持フレームは、機器の構成要素、特に少なくとも1つの供給ユニット、少なくとも1つの反応ユニット、電源、および/または、コンピュータユニットを収容することができる。
【0049】
接続ケーブルは、天板に配置された電流源を、本体に配置された供給ユニット、反応ユニット、コンピュータユニット、エネルギー貯蔵装置、電流分配器、および/または、電流変換器に電気的に接続することができる。接続ケーブルは、少なくとも1つの導電体、特にケーブルの形態をとり得る。雨水ラインは、天板に配置された収集装置によって集められた雨水を、本体における少なくとも1つの水タンク、および/または、フィルタの少なくとも1つへと導き得る。雨水ラインは、竪樋の形態をとり得る。好ましくは、上述のように、フィルタ部の少なくとも1つ、特に、フィルタスクリーンが天板の領域に配置される。このように、粒の大きい汚染物質は、竪樋には入らず、天板に残る。
【0050】
さらに、天板が可動式である、特に移動および/または旋回させることができると有利である。その結果、光電池、および/または、収集装置を太陽放射、および/または、雨に向けることができる。また、可動式天板は、本体、特に本体の反応ユニットが環境の影響を受けないようにするために用いられ得る。このようにして、本体を保護するために、特に悪天候の場合に、天板を本体に対して移動させることができる。
【0051】
機器がグリルとしてのグリルユニット、および/または、ラジエントヒーターとしての加熱ユニットを有することも有利である。反応ユニットは、好ましくは、少なくとも一部がグリルユニットおよび/または加熱ユニット内に配置され、グリルユニットおよび/または加熱ユニットは、反応ユニットに有効に接続される。
【0052】
グリルユニットは、その内部および/またはその上で食品が加熱されるユニットであると考えられたい。好ましくは、グリルユニットは、天板を開けることができる、および/または、基部が固定された状態の閉じたグリルユニットである。反応ユニットは、基部の領域に配置される、および/または、グリルユニットの基部の領域に熱エネルギーを導入する。食品は、グリルユニット内に配置され、天板を利用してそこから取り出されることができる。加熱ユニットは、特に、熱放射、および/または、温風の流れによって周囲に熱を発することができるユニットを意味すると考えられたい。反応ユニットは、加熱ユニット内に配置され、特に、外側から見える。
【0053】
さらに、グリルユニットが少なくとも1つのグレート、および/または、デフレクターを有すると有利である。デフレクターは、好ましくは、グレート上に置かれた食品が、特に、排他的かつ間接的に加熱されるようにグレートと反応ユニットとの間に配置される。デフレクターは、好ましくは、プレート、および/または、片側が閉じた中空体の形態をとり得る。デフレクターが、片側が閉じた中空体の形態をとる場合、垂直方向において、その主開口部が反応ユニットに面している。垂直方向において、中空体は閉じている。有利には、片側が閉じた中空体は、さらに、横の副開口部を有し、その結果、片側が閉じた中空体は、水平方向において少なくとも部分的に開口する。反応ユニットによって加熱された空気は、これらの副開口部を通じて、特に間接的にグレートへと、よってその上に置かれた食品へと、流れることができる。その結果、食品を間接的に加熱することができる。
【0054】
機器が少なくとも1つの点灯装置、少なくとも1つのカメラ、および/または、少なくとも1つの温度センサを、特にグリルユニットの領域に有するとさらに有利である。点灯装置は、機器の、特にグリルユニットの領域、および/または、基部を照明することができる。少なくとも1つのカメラ、および/または、温度センサは、機器の、特にグリルユニットの領域をモニタすることができる。その結果、食品、特にその火の通り具合がモニタされ得る。
【0055】
機器が、危険検知装置、および/または、危険警報装置を有すると有利である。
【0056】
本発明は、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流す機器を操作する方法にさらに関する。少なくとも1つの供給ユニットによって水素が供給され、供給された水素から、少なくとも1つの反応ユニットによって熱が生成される。本発明によれば、給水器によって供給された水から、電気分解によって水素が生成される。水、特に雨水が、収集装置によって集められる、および/または、処理装置によって処理される。さらに、または、あるいは、本発明によれば、水素は、触媒ユニットの形態をとる反応ユニットにおいて、少なくとも1つの触媒による触媒作用を受ける。
【0057】
機器は、好ましくは、これまでの記載に従い設計される。前述の特徴は、個別に、または、いかなる組み合わせで存在してよい。
【0058】
特に操作ユニットによって、食品を加熱する、および/または、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流すための水素が反応ユニットによって消費される、および/または、水素が供給ユニットによって反応ユニットに供給される操作設定に機器が切り換えられ、操作設定終了後に、特にコンピュータユニットによって、少なくとも1つの供給ユニットが水素を生成する生成設定に機器が切り換えられると有利である。本発明による機器、特にグリルおよび/またはラジエントヒーターは、操作設定中に作動することはほとんどない。したがって、機器は、ほとんどの時間は操作設定ではなく生成設定になっていることを前提とする。その結果、供給ユニットは、長時間水素を生成できる。その結果、機器が稼働するために十分な量の水素をいつでも利用できることが保証され得る。
【0059】
本発明のさらなる利点は、以下の例示的実施形態に記載され、それらは以下の図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】一例示的実施形態による、機器の非常に簡略化した概略断面図。
図2】他の例示的実施形態による、機器の非常に簡略化した概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下の図の説明において、それぞれの図における同一および/または少なくとも同程度である特徴には同じ参照符号が用いられている。個別の特徴、それらの実施形態、および/または、実施例は、通常、最初に言及したときにのみ詳細に説明する。個別の特徴を再度詳細に説明しない場合、それらの実施形態、および/または、実施例は、先に述べた特徴の実施形態、および/または、実施例に相当する。
【0062】
図1は、一例示的実施形態による、機器1の非常に簡略化した概略断面図である。図に示す機器1は、食品を加熱する機器、特に屋外用グリルである。さらに、または、あるいは、機器は、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流すよう設計され得る。
【0063】
機器1は、水素を供給するための供給ユニット2を有する。供給ユニット2が、本例示的実施形態で示されるような水素生成ユニットの形態をとる場合、供給ユニット2は、機器1の多数の領域に配置される複数の構成要素を含み得る。例えば、供給ユニット2は、ここでは、給水器、電解槽3、少なくとも1つのアキュムレータ4,4’、および、コンプレッサ5を含む。
【0064】
給水器は、電解槽3に水を供給する。図に示す例示的実施形態では、機器1の天板7に配置された収集装置6によって雨水が集められる。雨水は、天板7の全域で集められ、天板の勾配によって下方へ導かれる。集められた雨水は、続いて、処理装置8,8’,8’’によって処理される。フィルタスクリーン8は、機器1の天板7の、特に天板7の最も低い位置にある収集装置6の領域に配置され、粒の大きい汚染物質を雨水から除去する。機器1の接続装置20の領域に、および/または、接続装置20内に配置された雨水ライン9によって、雨水は、機器1の天板7から本体10へと導かれる。接続装置20は、機器1の天板7と本体10とを機械的に接続し、その結果、ハウジングが形成される。
【0065】
本体10では、雨水ライン9を通じて、雨水がプリフィルタ8’に導かれる。そこで、雨水はさらに処理され、さらなる汚染物質が除去される。処理された雨水は、中間タンク11に導かれる。その後、処理された雨水は、中間タンク11から、逆浸透フィルタ8’’へと導かれ、さらに処理される。フィルタスクリーン8、プリフィルタ8’、および/または、逆浸透フィルタ8’’を含む処理装置8,8’,8’’によって処理された水は、ろ過水、および/または、純水と称され得る。続いて、ろ過水、および/または、純水は、純水タンク11’に導かれ、そこに貯蔵される。水は、プリフィルタ8’から、中間タンク11を通さずに、直接逆浸透フィルタ8’’に導かれることも考えられる。
【0066】
中間タンク11、および/または、純水タンク11’が完全に満たされた場合、過剰な水は、少なくとも1つの流出部12,12’によって機器1の外に運び出されてよい。これら流出部12,12’の開口の制御は、コンピュータユニット13によって実行され得る。図に示すように、給水器のすべての構成要素、特に、収集装置6、フィルタスクリーン8、プリフィルタ8’、中間タンク11、逆浸透フィルタ8’’、純水タンク11’、および/または、2つの流出部12,12’は、少なくとも1つの水ラインによって互いに接続されてよい。
【0067】
給水器、特に純水タンク11’からの水は、水素を生成するための電解槽3へと導かれる。電解槽3は、電気分解によって水から水素を生成する。結果として生成された水素は、中間アキュムレータ4へと送られる。水素をより高い圧力で主アキュムレータ4’に貯蔵するために、初めに、水素をコンプレッサ5で圧縮する。圧縮することによって、かなり大量の水素を主アキュムレータ4’に貯蔵することができる。個々の構成要素の接続は、導かれる媒体、特に水または水素に応じて、水ラインまたはガスラインの形態をとる。これらのラインは、個々の構成要素の間の破線として図1に示されている。
【0068】
図に示す例示的実施形態では、主アキュムレータ4’は、圧縮された水素用の蓄圧器の形態をとる。主アキュムレータ4’は、金属水素化物アキュムレータの形態をとることも考えられる。そのような金属水素化物アキュムレータには、コンプレッサ5および中間アキュムレータ4は必ずしも必要ではないので、機器1がこのタイプの設計なら省略してもよい。
【0069】
その後、少なくとも1つの反応ユニット14を動作させるための水素を主アキュムレータ4’から引き出してよい。上記したように、蓄圧器としての主アキュムレータ4’は、昇圧した水素を貯蔵するので、反応ユニット14を動作させるには、減圧弁が必要となり得る。さらに、複数の反応ユニット14を動作させるには、圧力分布が必要になり得る。
【0070】
図に示す例示的実施形態において、機器1は、電源も有する。電源は、少なくとも1つの電流源15,15’、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置16、少なくとも1つの電流分配器17、および/または、少なくとも1つの電流変換器18を有する。図に示す例示的実施形態において、2つの電流源15,15’は、外部電流供給装置15、および、光電池15’の形態をとる。外部電流供給装置15は、機器1の本体10の領域に配置される。外部で生成された電流は、外部電流供給装置15によって機器1に導入され得る。外部電流供給装置15は、機器1内で使用できる電流になるよう電流の圧力を変換する電圧変換器を有してよい。電流源15,15’の1つのみを、および/または、代わりに風力タービンを電流源として用いることも考えられる。
【0071】
光電池15’は、機器1の天板7の領域に配置される。その結果、光電池15’は、光電池15’に入射する太陽放射を電気または電流に変換することができる。光電池15’からの電流は、天板7から本体10、特に本体内に配置された電流分配器17へと接続ケーブル19を介して導かれる。接続ケーブル19は、接続装置20の領域に、および/または、接続装置20内に配置されている。電流源15,15’によって供給され、および/または、エネルギー貯蔵装置16に貯蔵された電流は、電流分配器17から機器1のすべての構成要素に分配される。また、電流分配器17に配置された電流変換器18は、電流の種類を変換することができる。過剰な電流またはエネルギー、または、現時点で必要とされない電流またはエネルギーは、エネルギー貯蔵装置16で貯蔵され得る。このエネルギーは、その後、機器1の構成要素が電流またはエネルギーが必要になったときに、エネルギー貯蔵装置16からそれらの構成要素に出力されることができる。このことは、電流源15,15’がどちらも現時点で電流を供給していない場合にも当てはまる。
【0072】
図に示された例示的実施形態において、電流は、電流分配器17によって、逆浸透フィルタ8’’、純水タンク11’、電解槽3、コンプレッサ5、コンピュータユニット13、エネルギー貯蔵装置16、操作ユニット21、および/または、霜よけ装置22へと分配される。その際の接続、特に電源との電気的接続、および/または、上記の構成要素間のデータ接続は、いずれの場合も図1に破線で示されている。
【0073】
図に示される例示的実施形態において、機器1の操作ユニット21は、供給ユニット2、反応ユニット14、および/または、電源を操作するために用いられる。反応ユニット14を起動することにより、供給ユニット2によって生成されて供給された水素を、例えば、グリルユニット23内で食品を加熱するために消費または利用することができる。反応ユニット14は、グリルユニット23内に配置される。あるいは、反応ユニット14は、グリルユニット23の外側に配置されて、例えば、熱伝導部材によってグリルユニットと有効に接続されてよい。また、グリルユニット23は、図2の例示的実施形態と同じように設計されてもよい。
【0074】
反応ユニット14による水素の消費および/または利用中、機器1は、操作設定へと切り換えられる。操作ユニット21がコンピュータユニット13に信号を出力することにより、個々の構成要素が適切に制御され得る。操作設定中は、供給ユニット2によって前もって生成された水素のみが反応ユニット14を動作させるために用いられると考えられる。また、反応ユニット14の動作中は、供給ユニット2によって水素が供給される、および/または、反応ユニット14によって水素が直接的または間接的に利用されることも考えられる。
【0075】
操作ユニット21による操作設定が終了すると、コンピュータユニット13は、機器1を、特に自動的に、生成設定へと切り換える。生成設定中は、反応ユニット14のスイッチを切る。したがって、水素は消費されない。生成設定中は、供給ユニット2によって水素が生成または生産される。その後、機器1を切り換えて操作設定に戻したとすれば、反応ユニット14は、供給ユニット2によって新たに生成または生成された水素を利用できるだろう。機器1は、通常、生成設定になっているので、水素の生成および/または生産は、稼働コストが最小限になるよう、環境の影響に応じて閉ループ系で制御されてよい。例えば、雨水を水タンク11,11’に予め集めておくことができ、太陽が昇ってきたら、光電池15’からの太陽エネルギーによって電解槽3を動作させることがきる。このようにして、外部電流供給装置15により供給され得るエネルギーの消費を最小限にする。
【0076】
機器1は、霜よけ装置22も有する。霜よけ装置22は、機器1の構成要素、特に少なくとも1つの水タンク11,11’を加熱、および/または、断熱することができる。さらに、または、あるいは、霜よけ装置22は、冷気装置の形態をとり、機器1の構成要素を冷却することも考えられる。
【0077】
さらに、または、あるいは、収集装置6、および/または、光電池15’が機器1の後面24に配置されることも考えられる。このために、後面24は、例えば、収集装置6、および/または、光電池15’を受ける受け部を有し得る、および/または、後面24は、図に示す天板7と同様に傾けられることができる。
【0078】
図2は、他の例示的実施形態による、機器1の非常に簡略化された概略断面図である。図2の例示的実施形態は、食品を加熱する機器、特に屋外用グリルを示す。さらに、または、あるいは、機器は、周囲に熱を発する、特に熱を放射する、および/または、温風を流すよう設計され得る。
【0079】
図の例示的実施形態では、水素を供給する供給ユニット2が非常に簡略化されて示されている。供給ユニット2は、単純な水素貯蔵器の形態をとる、および/または、図1の例示的実施形態による供給ユニット2であり得る。反応ユニット14は、触媒ユニットの形態をとる。以下に詳細に説明される、触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、図1の例示的実施形態でも用いられ得る。
【0080】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、空気および/または酸素を供給するためのファン25およびバイパス空気開口部26、水素と空気、および/または、水素と酸素とを混合するための混合チャンバ27、反応混合物の混合比を決定するためのセンサ28、混合比、および/または、反応混合物に触媒作用を及ぼすための触媒30を制御するコントローラ29を有する。
【0081】
ファン25および/またはバイパス空気開口部26から供給された空気および/または酸素は、供給ユニット2から供給された水素と、混合チャンバ27において混合される。水素と、空気および/または酸素とからなる反応ガス混合気体の混合比は、センサ28、水素バルブ51、ファン25、バイパス空気開口部、および/または、コントローラ29によって、開ループおよび/または閉ループ系で制御され得る。これによって、適切な混合比を有する反応ガス混合気体が触媒30に供給されることを保証できる。爆発を避けるためには、反応ガス混合気体の水素含有量は、多くても4容量%でなければならない。このために、供給ユニット2は、質量流量計を有してよく、質量流量計は、水素が混合チャンバ27に最適に供給されるように、コントローラ29に接続される。
【0082】
触媒30を伴う反応ユニット14は、垂直方向HRにおいてグリルユニット23内に突き出ている。グリルユニット23は、食品を加熱するためのグレート31、および/または、デフレクター32を有する。図に示すデフレクター32は、グレート31の上に置かれた食品が間接的に加熱されることができるようにグレート31と反応ユニット14との間に配置される。
【0083】
このため、デフレクター32は、片側が閉じた中空体の形状をしており、垂直方向HRにおいて、デフレクター32の主開口部33は、反応ユニット14に対して開いている。
したがって、垂直方向HRにおいて、中空体は閉じている。食品を間接的に均等に加熱すべく、デフレクター32は、横に副開口部34を有する。その結果、反応ユニット14の熱をグリルユニット全体に行き渡らせることができる。
【0084】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、触媒30が配置される触媒燃焼チャンバ35を有する。触媒30は、燃焼チャンバ35内を2つのサブチャンバ36および37に仕切る浸透性のパーティションを形成するように燃焼チャンバ35内に配置される。本例示的実施形態では、触媒30は、浸透性格子の形態をとる。さらに、触媒30は、親水性であり得る。好ましくは、触媒30は、チタン製である、および/または、金属酸化物・白金コーティングの形態をとる。
【0085】
燃焼チャンバは、空気-水素混合気のための混合気入口38を第1サブチャンバ36内に有し、触媒作用によって加熱された空気流のための出口開口部39を第2サブチャンバ37内に有する。図2に示された例示的実施形態によれば、この加熱された空気流は、食品を加熱するために用いられる。同様に、図示されていない例示的実施形態によれば、加熱された空気流は、周囲に熱を発するために、特に、建物および/または人々を暖めるために用いられ得る。
【0086】
図2によれば、混合気入口38は、燃焼チャンバ35の長手方向における第1の端部に配置され、出口開口部39は、その反対側の、燃焼チャンバ35の第2の端部に配置される。触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、触媒30を加熱および/または乾燥するための、特に電動式の補助加熱システム40を有する。機器を始動させると、特に、親水性の触媒30上で凝集が発生することがあり、これは、触媒の無炎燃焼を確実に開始することへの妨げとなり得る。補助加熱システム40により、始動工程前におよび/または中に触媒30が加熱および/または乾燥されるので、触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、確実に始動され得る。補助加熱システム40は、ジャケット発熱体の形態をとり得る。この場合、補助加熱システム40、または、補助加熱システム40の環状発熱体は、燃焼チャンバ35の外側に配置されてよい。そして、ジャケット発熱体は、触媒30の領域中、燃焼チャンバ35の外周に配置される。その結果、触媒30は、燃焼チャンバ35のハウジングを介して、補助加熱システム40によって間接的に加熱される。
【0087】
始動工程、および/または、触媒の無炎燃焼をモニタするために、触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、燃焼チャンバ35内、または、燃焼チャンバ35の領域に配置された温度センサ41を有する。好ましくは、温度センサ41は、図2に示すように、第2サブチャンバ37に配置される。温度センサ41からコントローラ29へ伝送されるデータを利用することによって、空気-水素混合気の着火、および/または、爆発を、コントローラ29によって、特に補助加熱システム40および/または水素バルブ51の閉ループ制御によって防ぐことができる。
【0088】
上述のように、水素は、特に水素バルブ51を介して、および/または、コントローラ29によって閉ループおよび/または開ループ系で制御されるように、混合チャンバ27に送られて空気と混合される。このために、混合チャンバ27は、空気用入口開口部42、水素用水素入口43、および/または、混合気出口44を有する。空気-水素混合気は、混合気出口44を介してセンサチャンバ48へと送られる。入口開口部42が混合チャンバ27の長手方向における第1の端部に配置され、混合気出口44がその反対側の、混合チャンバ27の第2の端部に配置される、および/または、水素入口43がそれら端部の間に配置されれば、構造的に単純な実装が保証され得る。
【0089】
混合チャンバ27に流入する水素が、同様に流入する空気と確実に混合されるべく、混合チャンバ27は、入口開口部42から混合気出口44へ向かって、特に円錐状に先細りした第1の区間45、特に円筒状のおよび/または一定の直径を有する第2の区間46、および/または、特に円錐状に拡がる第3の区間47を有する。水素入口43は、第2の区間46の領域に配置される。空気は、ファンおよび/またはバイパス空気開口部から、入口開口部42を介して混合チャンバ27へと供給される。
【0090】
センサチャンバ48は、混合チャンバ27と燃焼チャンバ35との間に配置される。センサチャンバ35には、空気-水素混合気の混合比を決定するためのセンサ28が配置される。
【0091】
混合チャンバ27、センサチャンバ48、および/または、燃焼チャンバ35が、管の形状をなし、その一端に入口開口部42が配置され、他端に出口開口部39が配置されると、機器1の構造上の複雑さが緩和され得る。維持補修を簡単にするために、さらに、図2によれば、管が、着脱可能に互いに接続される複数の管部を有すると有利である。明確さのため、図2では、これらの管部49の1つにのみ参照符号を付している。このように、本例示的実施形態による管は、混合チャンバ27を有する第1の管部、センサチャンバ48を有する第2の管部、および/または、燃焼チャンバ35を有する第3の管部を有する。これらの管部は、対応して設計された接続領域50において着脱可能に互いに接続される。ここでも明確さのため、接続領域50の1つにのみ参照符号を付している。好ましくは、接続領域50は、ボルトで固定されるフランジ形状である。
【0092】
確実な無縁燃焼の開始、および/または、確実な触媒作用による無炎燃焼を可能にすべく、コントローラ29は、水素バルブ51、ファン25、および/または、補助加熱システム40を、開ループ制御および/または閉ループ制御するよう設計されている。そのためには、コントローラ29が、空気-水素混合気の混合比を決定するためのセンサ28、および/または、温度センサ41に電気的に接続されると有利である。
【0093】
機器1の熱出力は、好ましくは混合チャンバ27に供給される空気量、および/または、水素量に基づいて、コントローラ29により開ループ系で制御され得る。
好ましくは、空気量は、コントローラ29よって適切に作動されているファン25によって調整される。さらに、または、あるいは、水素量は、コントローラ29によって適切に作動されている水素バルブ51によって調整される。温度調整のために、コントローラ29は、目標値、特に目標温度を使用者から受信する。この値は、好ましくは機器1の入出力装置(図示せず)を介して、使用者によってコントローラ29に送信および/または予め定められてよい。コントローラ29は、好ましくは温度センサ41を介して実際の温度を受信し、ファン25および/または水素バルブ51を適切に作動させることによって、実際の温度を、閉ループ系で制御して使用者によって予め定められた目標温度にする。さらに、または、あるいは、コントローラ29は、特に、予め定められた目標温度に基づき、空気-水素混合気の目標混合比を決定することができる。さらに、または、あるいは、この目標混合比は、コントローラ29に対して予め定められていてよい。さらに、または、あるいは、数学的におよび/または経験に基づいて決定され、目標温度と相関する目標混合比がコントローラ29のメモリ(図示せず)に記憶されてよい。コントローラ29は、好ましくは、センサ29によって検知された空気-水素混合気の実際の混合比を、目標混合比に基づいた目標値に調整するよう設計される。
【0094】
触媒ユニットの形態をとる反応ユニット14は、図2に示された一例示的実施形態として記載されている。原則として、反応ユニット14は、食品を加熱する、および/または、好ましくは、屋外および/または屋内において周囲に熱を発する、特に、熱を放射する、および/または、温風を流すあらゆる機器1において用いられ得る。したがって、反応ユニット14は、特に屋外および/または屋内用の、例えば、調理機器、ホットプレート、グリル、および/または、オーブンに内蔵され得る。同様に、反応ユニット14は、特に屋外および/または屋内における暖房器具、ラジエントヒーター、ファンヒーター、チムニーストーブ、設置型ヒーター、パティオヒーター、および/または、オープン暖炉に内蔵され得る。屋外および/または屋内とは、機器が作動し得る場所を意味すると考えられたい。したがって、機器がアウトドア、および/または、戸外にある場合を屋外として理解されたい。機器が建物、家屋、テント、ボート、キャンピングカー、トレーラーハウスの中にある場合を屋内として理解されたい。
【0095】
本発明は、図示および記載した実施形態に限定されない。特徴は、異なる例示的実施形態で図示および記載されたとしても、それらの組み合わせとして、請求項の範囲内での変更が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 機器
2 供給ユニット
3 電解槽
4,4’ アキュムレータ
5 コンプレッサ
6 収集装置
7 天板
8,8’,8’’ 処理装置
9 雨水ライン
10 本体
11,11’ 水タンク
12,12’ 流出部
13 コンピュータユニット
14 反応ユニット
15,15’ 電流源
16 エネルギー貯蔵装置
17 電流分配器
18 電流変換器
19 接続ケーブル
20 接続装置
21 操作ユニット
22 霜よけ装置
23 グリルユニット
24 後面
25 ファン
26 バイパス空気開口部
27 混合チャンバ
28 センサ
29 コントローラ
30 触媒
31 グレート
32 デフレクター
33 主開口部
34 副開口部
35 燃焼チャンバ
36 第1サブチャンバ
37 第2サブチャンバ
38 混合気入口
39 出口開口部
40 補助加熱システム
41 温度センサ
42 入口開口部
43 水素入口
44 混合気出口
45 第1の区間
46 第2の区間
47 第3の区間
48 センサチャンバ
49 管部
50 接続領域
51 水素バルブ
HR 垂直方向
QR 水平方向
図1
図2
【国際調査報告】