特表 2024-533876 同軸スピーカー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-09-13

(54)【発明の名称】同軸スピーカー

(51)【国際特許分類】

   H04R 9/06 20060101AFI20240906BHJP

   H04R 1/24 20060101ALI20240906BHJP

【ＦＩ】

H04R9/06 A

H04R1/24 A

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2022573788

(86)(22)【出願日】2022-08-30

(85)【翻訳文提出日】2022-11-30

(86)【国際出願番号】 CN2022115647

(87)【国際公開番号】W WO2024044920

(87)【国際公開日】2024-03-07

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】517409583

【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック（チャンヂョウ）カンパニー リミテッド

【住所又は居所原語表記】Ｎｏ．３ ｃｈａｎｇｃａｏ ｒｏａｄ， Ｈｉ－ＴＥＣＨ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｚｏｎｅ， Ｗｕｊｉｎ Ｄｉｓｔｒｉｃｔ， Ｃｈａｎｇｚｈｏｕ Ｃｉｔｙ， Ｊｉａｎｇｓｕ Ｐｒｏｖｉｎｃｅ， Ｐ．Ｒ． Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】100199819

【弁理士】

【氏名又は名称】大行 尚哉

(74)【代理人】

【識別番号】100087859

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 秀治

(72)【発明者】

【氏名】任璋

(72)【発明者】

【氏名】鐘志威

【テーマコード（参考）】

5D012

5D018

【Ｆターム（参考）】

5D012BB01

5D012BB03

5D012BB04

5D012DA04

5D012FA02

5D012FA06

5D012GA01

5D018AB02

5D018AB17

(57)【要約】

【課題】本発明には、同軸スピーカーが提供される。
【解決手段】当該同軸スピーカーは、支持リングと、支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、支持リングの両側に固定されて同軸に設置される第１振動システム、第２振動システムと、を含み、第１振動システムは、第１振動板と、第１振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第１ボイスコイルと、を含み、第２振動システムは、第２振動板と、第２振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第２ボイスコイルと、を含み、磁気回路システムには、第１磁気ギャップ及び第１磁気ギャップの外側に位置する第２磁気ギャップが設けられ、第１ボイスコイルは少なくとも一部が第１磁気ギャップ内に挿設され、第２ボイスコイルは少なくとも一部が第２磁気ギャップ内に挿設され、第１振動板は高音の発生に用いられ、第２振動板は低音の発生に用いられ、第２振動システムは第２ボイスコイルと第２振動板との間に挟持される支持ボイスコイルをさらに含む。当該同軸スピーカーは、低音・高音は同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供し、支持ボイスコイルにより、実際のニーズに応じて第２ボイスコイルの高さ位置を柔軟に調整することができる。
【選択図】図６

【特許請求の範囲】

【請求項1】

支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第１振動システムと、前記支持リングの外側に固定し、かつ前記第１振動システムを周回して設けられる第２振動システムと、を含み、前記第１振動システムは前記第２振動システムと同軸に設置され、前記第１振動システムは、第１振動板と、前記第１振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第１ボイスコイルと、を含み、前記第２振動システムは、第２振動板と、前記第２振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第２ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第１磁気ギャップ及び前記第１磁気ギャップの外側に位置する第２磁気ギャップが設けられ、前記第１ボイスコイルは少なくとも一部が前記第１磁気ギャップ内に挿設され、前記第２ボイスコイルは少なくとも一部が前記第２磁気ギャップ内に挿設され、前記第１振動板は高音の発生に用いられ、前記第２振動板は低音の発生に用いられ、前記第２振動システムは前記第２ボイスコイルと前記第２振動板との間に挟持される支持ボイスコイルをさらに含む、
ことを特徴とする同軸スピーカー。

【請求項2】

前記支持ボイスコイルの形状は前記第２ボイスコイルの形状と合わせており、前記支持ボイスコイルは重量が前記第２ボイスコイルよりも小さい材質で巻回されて形成され、または、前記支持ボイスコイルは密度が前記第２ボイスコイルよりも小さい材質で巻回されて形成され、または、前記支持ボイスコイルはモジュラスが前記第２ボイスコイルよりも高い材質で巻回されて形成されている、
ことを特徴とする請求項１に記載の同軸スピーカー。

【請求項3】

前記同軸スピーカーは、前記磁気回路システムによって周回されて設けられたインサートと、前記インサートに固定される第１回路基板と、をさらに含み、前記インサートにその上を貫通する第１端子が設けられており、前記第１ボイスコイルは前記第１端子を介して前記第１回路基板と電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項２に記載の同軸スピーカー。

【請求項4】

前記同軸スピーカーは、フレームと、前記第２振動システムと前記フレームとを接続する弾性アセンブリと、をさらに含み、前記弾性アセンブリは、第２回路基板と、前記第２回路基板に接続される支持振動板と、を含み、前記第２ボイスコイルは前記第２回路基板と電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項３に記載の同軸スピーカー。

【請求項5】

前記磁気回路システムは、磁気ボウルを含み、前記磁気ボウルは、収容スペースを取り囲んで形成する側壁と、前記側壁の一端から折り曲がって延びて形成された底壁と、を含み、前記インサートの一部は前記収容スペース内に収容され、前記磁気回路システムは、前記磁気ボウルの底壁の一方側に設けられる第１磁石鋼アセンブリと、前記磁気ボウルの底壁の他方側に設けられる第２磁石鋼アセンブリと、を含み、前記第１磁石鋼アセンブリは、第１磁石鋼を含み、、前記第１磁石鋼と前記磁気ボウルの側壁との間に第１磁気ギャップが形成され、前記第２磁石鋼アセンブリは、第２磁石鋼と、前記第２磁石鋼の外側に位置しかつ前記第２磁石鋼と間隔をあけて設置される第３磁石鋼と、前記第３磁石鋼の上方に積層して設けられる透磁板と、を含み、前記第１磁石鋼、前記磁気ボウルの底壁、前記第２磁石鋼が積層して設けられることで、前記透磁板、第３磁石鋼との間に前記第２磁気ギャップが形成される、
ことを特徴とする請求項４に記載の同軸スピーカー。

【請求項6】

前記第１磁石鋼、第２磁石鋼、第３磁石鋼は前記同軸スピーカーの振動方向に沿って着磁され、前記第１磁石鋼と第２磁石鋼とは同極で対向して設けられ、前記第２磁石鋼と第３磁石鋼の着磁方向は逆である、
ことを特徴とする請求項５に記載の同軸スピーカー。

【請求項7】

前記第１振動板は、第１ドームと、前記第１ドームを周回して設けられる第１サラウンドと、を含み、前記第１サラウンドに第１固定部が設けられており、前記支持リングは内側壁を含み、前記第１固定部は前記内側壁と貼り合わせて固定される、
ことを特徴とする請求項６に記載の同軸スピーカー。

【請求項8】

前記第１磁石鋼アセンブリは、前記第１磁石鋼に設けられる磁極芯を含み、前記第１固定部の一部は前記支持リングの内側壁と前記磁極芯との間に挟持されている、
ことを特徴とする請求項７に記載の同軸スピーカー。

【請求項9】

前記支持リングは、外側壁を含み、前記第２振動板は、第２サラウンドと、前記第２サラウンドを周回して設けられる第２ドームと、前記第２ドームを周回して設けられる第３サラウンドと、を含み、前記第３サラウンドは前記フレームに固定され、前記第２振動システムは、前記第２サラウンド、第２ドーム、第３サラウンドと前記弾性アセンブリとを接続するボビンをさらに含み、前記第２サラウンドの前記第１振動システムに近い一端は前記支持リングの外側壁または／および前記第１磁石鋼に固定されている、
ことを特徴とする請求項６に記載の同軸スピーカー。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、電気音響変換分野に関し、特に、同軸スピーカーに関するものである。

【背景技術】

【0002】

同軸スピーカーとは、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットとが集積化され、かつ高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットとが同軸に配置されたスピーカーである。同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットの音源を同軸スピーカーの正面に位置させることができ、すなわち２つのスピーカーユニットの音発生方向が同じであり、同軸スピーカーの正面と裏面に位置させることもでき、すなわち２つのスピーカーユニットの音発生方向が異なっている。

【0003】

従来技術では、同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットはそれぞれ独立した振動システムと磁気回路システムを備え、構造が複雑であり、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットによって同軸で構成される同軸スピーカーの全体的な高さが高くなるため、高さが高すぎて取り付けが不便になり、製品の適用性を低下させる。ボイスコイルがボビンを介して振動板に接続されるため、ボイスコイルの位置調節が困難になり、常にボビンの高さを再設計する必要があり、コストを増加させてしまう。

【0004】

従って、上記技術的課題を解決するために、新たな同軸スピーカーを提供する必要がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

本発明は、高音と低音の音響効果が優れており、ボイスコイルの高さを柔軟に調整することができる同軸スピーカーを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記の目的を達成するために、本発明には、同軸スピーカーが提供され、前記同軸スピーカーは、支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第１振動システムと、前記支持リングの外側に固定し、かつ前記第１振動システムを周回して設けられる第２振動システムと、を含み、前記第１振動システムは前記第２振動システムと同軸に設置され、前記第１振動システムは、第１振動板と、前記第１振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第１ボイスコイルと、を含み、前記第２振動システムは、第２振動板と、前記第２振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第２ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第１磁気ギャップ及び前記第１磁気ギャップの外側に位置する第２磁気ギャップが設けられ、前記第１ボイスコイルは少なくとも一部が前記第１磁気ギャップ内に挿設され、前記第２ボイスコイルは少なくとも一部が前記第２磁気ギャップ内に挿設され、前記第１振動板は高音の発生に用いられ、前記第２振動板は低音の発生に用いられ、前記第２振動システムは前記第２ボイスコイルと前記第２振動板との間に挟持される支持ボイスコイルをさらに含む。

【0007】

好ましくは、前記支持ボイスコイルの形状は前記第２ボイスコイルの形状と合わせており、前記支持ボイスコイルは重量が前記第２ボイスコイルよりも小さい材質で巻回されて形成され、または、前記支持ボイスコイルは密度が前記第２ボイスコイルよりも小さい材質で巻回されて形成され、または、前記支持ボイスコイルはモジュラスが前記第２ボイスコイルよりも高い材質で巻回されて形成されている。

【0008】

好ましくは、前記同軸スピーカーは、前記磁気回路システムによって周回されて設けられたインサートと、前記インサートに固定される第１回路基板と、をさらに含み、前記インサートにその上を貫通する第１端子が設けられており、前記第１ボイスコイルは前記第１端子を介して前記第１回路基板と電気的に接続されている。

【0009】

好ましくは、前記同軸スピーカーは、フレームと、前記第２振動システムと前記フレームとを接続する弾性アセンブリと、をさらに含み、前記弾性アセンブリは、第２回路基板と、前記第２回路基板に接続される支持振動板と、を含み、前記第２ボイスコイルは前記第２回路基板と電気的に接続されている。

【0010】

好ましくは、前記磁気回路システムは、磁気ボウルを含み、前記磁気ボウルは、収容スペースを取り囲んで形成する側壁と、前記側壁の一端から折り曲がって延びて形成された底壁と、を含み、前記インサートの一部は前記収容スペース内に収容され、前記磁気回路システムは、前記磁気ボウルの底壁の一方側に設けられる第１磁石鋼アセンブリと、前記磁気ボウルの底壁の他方側に設けられる第２磁石鋼アセンブリと、を含み、前記第１磁石鋼アセンブリは、第１磁石鋼を含み、、前記第１磁石鋼と前記磁気ボウルの側壁との間に第１磁気ギャップが形成され、前記第２磁石鋼アセンブリは、第２磁石鋼と、前記第２磁石鋼の外側に位置しかつ前記第２磁石鋼と間隔をあけて設置される第３磁石鋼と、前記第３磁石鋼の上方に積層して設けられる透磁板と、を含み、前記第１磁石鋼、前記磁気ボウルの底壁、前記第２磁石鋼が積層して設けられることで、前記透磁板、第３磁石鋼との間に前記第２磁気ギャップが形成される。

【0011】

好ましくは、前記第１磁石鋼、第２磁石鋼、第３磁石鋼は前記同軸スピーカーの振動方向に沿って着磁され、前記第１磁石鋼と第２磁石鋼とは同極で対向して設けられ、前記第２磁石鋼と第３磁石鋼の着磁方向は逆である。

【0012】

好ましくは、前記第１振動板は、第１ドームと、前記第１ドームを周回して設けられる第１サラウンドと、を含み、前記第１サラウンドに第１固定部が設けられており、前記支持リングは内側壁を含み、前記第１固定部は前記内側壁と貼り合わせて固定される。

【0013】

好ましくは、前記第１磁石鋼アセンブリは、前記第１磁石鋼に設けられる磁極芯を含み、前記第１固定部の一部は前記支持リングの内側壁と前記磁極芯との間に挟持されている。

【0014】

好ましくは、前記支持リングは、外側壁を含み、前記第２振動板は、第２サラウンドと、前記第２サラウンドを周回して設けられる第２ドームと、前記第２ドームを周回して設けられる第３サラウンドと、を含み、前記第３サラウンドは前記フレームに固定され、前記第２振動システムは、前記第２サラウンド、第２ドーム、第３サラウンドと前記弾性アセンブリとを接続するボビンをさらに含み、前記第２サラウンドの前記第１振動システムに近い一端は前記支持リングの外側壁または／および前記第１磁石鋼に固定されている。

【発明の効果】

【0015】

従来技術と比べて、本発明に係る同軸スピーカーは、支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第１振動システムと、前記支持リングの外側に固定し、かつ前記第１振動システムを周回して設けられる第２振動システムと、を含み、前記第１振動システムは前記第２振動システムと同軸に設置され、前記第１振動システムは、第１振動板と、前記第１振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第１ボイスコイルと、を含み、前記第２振動システムは、第２振動板と、前記第２振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第２ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第１磁気ギャップ及び前記第１磁気ギャップの外側に位置する第２磁気ギャップが設けられ、前記第１ボイスコイルは少なくとも一部が前記第１磁気ギャップ内に挿設され、前記第２ボイスコイルは少なくとも一部が前記第２磁気ギャップ内に挿設され、前記第１振動板は高音の発生に用いられ、前記第２振動板は低音の発生に用いられ、前記第２振動システムは前記第２ボイスコイルと前記第２振動板との間に挟持される支持ボイスコイルをさらに含む。本発明に係る同軸スピーカーは、環状の低音振動システムを設置することによって低音の音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設けられ、高音の音響効果を提供し、低音・高音は同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供し、２つのボイスコイルは一部の磁気回路システムを共用し、コストをさらに削減し、音響学的性能を向上させ、また、本発明に係る同軸スピーカーの第２ボイスコイルは、支持ボイスコイルを介して第２振動板に固定され、ボイスコイルボビンの支持を避け、実際のニーズに応じてこの第２ボイスコイルの高さ位置を柔軟に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明された図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができ、そのうち、

【図1】図１は、本発明に係る同軸スピーカーの斜視構成図である。

【図2】図２は、図１に示す同軸スピーカーの別の視点からの斜視構成図である。

【図3】図３は、図１に示す同軸スピーカーの部分分解図である。

【図4】図４は、図１に示す同軸スピーカーにおける一部部品の分解図である。

【図5】図５は、図１に示す同軸スピーカーの分解図である。

【図6】図６は、図１のＡ―Ａ線に沿った断面図である。

【図7】図７は、図１のＢ―Ｂ線に沿った断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。当業者が本発明における実施例に基づいて進歩的な労働をしない前提に得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。

【0018】

図１～７を同時に参照すると、本発明には、同軸スピーカー１００が提供され、当該同軸スピーカー１００は、支持リング１と、前記支持リング１に固定される磁気回路システム２と、前記支持リング１の内側に固定される第１振動システム３と、前記支持リング１の外側に固定される第２振動システム４と、インサート５と、前記インサート５に固定される第１回路基板６と、フレーム７と、弾性アセンブリ８と、を含み、前記第２振動システム４は前記第１振動システム３の外側を周回しかつ前記第１振動システム３と同軸に設けられている。

【0019】

前記支持リング１は、その外周が略矩形であり、内側壁１１と、前記内側壁１１に対向して設けられる外側壁１２と、を含み、前記第１振動システム３は支持リングの内側壁１１に固定され、前記第２振動システム４は支持リングの外側壁１２に固定される。

【0020】

前記磁気回路システム２は、磁気ボウル２１と、前記磁気ボウル２１の一方側に設けられる第１磁石鋼アセンブリ２２と、前記磁気ボウル２１の他方側に設けられる第２磁石鋼アセンブリ２３と、を含む。前記第１磁石鋼アセンブリ２２は前記第２磁石鋼アセンブリ２３と同軸に設けられている。前記磁気ボウル２１は、収容スペース２１０を取り囲んで形成する側壁２１１と、前記側壁２１１の一端から折り曲がって延びて形成された底壁２１２と、を含む。前記第１磁石鋼アセンブリ２２は、第１磁石鋼２２１と、前記第１磁石鋼２２１に設けられる磁極芯２２２と、を含み、前記第１磁石鋼２２１、磁極芯２２２と前記磁気ボウル２１の側壁２１１との間に第１磁気ギャップ２２０が形成される。前記第１磁石鋼２２１の前記第２振動システム４に近い表面の外縁にタンジェンシャル面２２１１が設けられている。前記磁気ボウル２１の底壁２１２に前記第１磁石鋼２２１が搭載される。前記第２磁石鋼アセンブリ２３は、第２磁石鋼２３１と、前記第２磁石鋼２３１と間隔をあけて設置される第３磁石鋼２３２と、前記第３磁石鋼２３２の上方に積層して設けられる透磁板２３３と、を含み、前記第１磁石鋼２２１、底壁２１２、第２磁石鋼２３１が積層して設けられることで、前記透磁板２３３、第３磁石鋼２３２との間に第２磁気ギャップ２３０が形成される。前記磁気ボウル２１の底壁２１２は前記第２磁石鋼２３１の上方に積層して設けられ、前記第１磁石鋼２２１は前記第３磁石鋼２３２と正対して設けられている。前記磁気回路システム２は、前記第２磁石鋼２３１と前記第３磁石鋼２３２を搭載するヨーク２４をさらに含み、前記ヨーク２４の下面は前記インサート５の下面と面一である。

【0021】

前記第１磁石鋼２２１、第２磁石鋼２３１、第３磁石鋼２３２は前記同軸スピーカー１００の振動方向に沿って着磁され、前記第１磁石鋼２２１と第２磁石鋼２３１とは同極で対向して設けられ、即ち第１磁石鋼２２１、第２磁石鋼２３１の着磁方向は逆であり、前記第２磁石鋼２３１と第３磁石鋼２３２の着磁方向は逆である。本実施例では、前記第１磁石鋼２２１、磁極芯２２２、第２磁石鋼２３１、第３磁石鋼２３２、透磁板２３３はいずれも中空環状構造である。

【0022】

前記第１振動システム３は、第１振動板３１と、前記第１振動板３１を振動させて音を発生させるように駆動する第１ボイスコイル３２と、を含み、前記第１ボイスコイル３２は、少なくとも一部が前記第１磁気ギャップ２２０内に挿設され、前記第１振動板３１は高音の発生に用いられ、その音発生方向は振動方向に沿って上向きである。前記第１振動板３１は、第１ドーム３１１と、前記第１ドーム３１１を周回して設けられる第１サラウンド３１２と、を含み、前記第１サラウンド３１２は中空環状構造であり、かつ前記第１サラウンド３１２は振動方向に沿って上へ突起する構造であり、前記第１サラウンド３１２の外縁に第１固定部３１３が設けられ、内縁に第２固定部３１４が設けられ、前記第１固定部３１３は前記支持リング１の前記内側壁１１と貼り合わせて固定され、前記第１ドーム３１１は、前記第２固定部３１４の下面と貼り合わせて固定され、かつ前記第２固定部３１４と前記第１ボイスコイル３２との間に挟持される。前記第１固定部３１３の一部は前記支持リング１と前記磁極芯２２２との間に挟持されている。

【0023】

前記第２振動システム４は、第２振動板４１と、前記第２振動板４１を振動させて音を発生させるように駆動する第２ボイスコイル４２と、前記第２振動板４１と前記第２ボイスコイル４２とを接続する支持ボイスコイル４３と、前記第２振動板４１と前記弾性アセンブリ８とを接続するボビン４４と、を含み、前記第２ボイスコイル４２は、少なくとも一部が前記第２磁気ギャップ２３０内に挿設され、前記第２振動板４１は低音の発生に用いられ、その音発生方向は振動方向に沿って上向きである。前記第２振動板４１は、第２サラウンド４１１と、前記第２サラウンド４１１を周回して設けられる第２ドーム４１２と、前記第２ドーム４１２を周回して設けられる第３サラウンド４１３と、を含む。前記第２サラウンド４１１、第２ドーム４１２、第３サラウンド４１３はいずれも中空環状構造であり、または、前記第２サラウンド４１１と第３サラウンド４１３とは接続部によって接続され、前記第２ドーム４１２は前記接続部と貼り合わせて固定される。前記第２サラウンド４１１は振動方向に沿って上へ突起する構造であり、前記第３サラウンド４１３は振動方向に沿って下へ凹む構造である。前記第２サラウンド４１１の前記第１振動板３１に近い一端は前記支持リング１の外側壁１２または／および前記第１磁石鋼２２１に固定され、前記第３サラウンド４１３は第３固定部４１３１を含む。

【0024】

前記第２ボイスコイル４２は前記支持ボイスコイル４３を介して前記第２振動板４１に固定され、前記支持ボイスコイル４３の形状は前記第２ボイスコイル４２の形状と合わせており、前記支持ボイスコイル４３は重量が前記第２ボイスコイル４２よりも小さい材質で巻回されて形成され、または、前記支持ボイスコイル４３は密度が前記第２ボイスコイル４２よりも小さい材質で巻回されて形成され、または、前記支持ボイスコイル４３はモジュラスが前記第２ボイスコイル４２よりも高い材質で巻回されて形成され、そのため、支持ボイスコイル４３は実際のニーズに応じてその厚さを調整することができ、第２ボイスコイル４２の高さを柔軟に調整することもできる。

【0025】

前記ボビン４４は前記第２サラウンド４１１、第２ドーム４１２、第３サラウンド４１３と前記弾性アセンブリ８とを接続する。前記ボビン４４は前記第２ドーム４１２と貼り合わせるボビン平板部４４１と、前記ボビン平板部４４１の一端から前記弾性アセンブリ８へ折り曲がって延び、かつ前記弾性アセンブリ８に接続される延出部４４２と、を含む。

【0026】

第２ボイスコイル４２に対し十分な振動空間を提供するために、前記ヨーク２４の前記第２ボイスコイル４２に対応する箇所に回避凹み部２４１が設けられている。

【0027】

インサート５は前記磁気ボウル２１の側壁２１１によって取り囲まれて形成された収容スペース２１０内に設けられ、第１回路基板６は前記ヨーク２４の外面に貼り付けられ、前記インサート５にその上を貫通する第１端子９１が設けられており、前記第１端子９１は第１回路基板６に接続され、前記第１ボイスコイル３２は前記第１端子９１を介して前記第１回路基板６と電気的に接続されている。前記インサート５にその上を貫通するリーク通路５１が設けられている。

【0028】

フレーム７は環状スチールリングであり、前記第３サラウンド４１３の第３固定部４１３１は前記フレーム７に固定接続され、具体的には、第３固定部４１３１は前記フレーム７の上面及び一部の外側面を被覆する。前記磁極芯２２２は前記フレーム７の第２振動板４１から離れた一端に固定される。

【0029】

弾性アセンブリ８は前記ボビン４４と前記フレーム７とを接続し、前記弾性アセンブリ８は、第２回路基板８１と、前記第２回路基板８１に接続される支持振動板８２と、を含み、前記第２ボイスコイル４２は前記第２回路基板８１と電気的に接続され、具体的には、前記同軸スピーカー１００は第２回路基板８１に接続される第２端子９２をさらに含み、前記第２ボイスコイル４２は前記第２端子９２を介して前記第２回路基板８１と電気的に接続される。本実施例では、弾性アセンブリ８は、その数が２つであり、かつ同軸スピーカー１００の短軸方向に設けられ、他の実施例では状況に応じて決めることができる。前記ボビン４４の延出部４４２は前記第２回路基板８１へ折り曲がって延び、かつ前記第２回路基板８１に接続される。

【0030】

本発明に係る同軸スピーカーは、支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第１振動システムと、前記支持リングの外側に固定し、かつ前記第１振動システムを周回して設けられる第２振動システムと、を含み、前記第１振動システムは前記第２振動システムと同軸に設置され、前記第１振動システムは、第１振動板と、前記第１振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第１ボイスコイルと、を含み、前記第２振動システムは、第２振動板と、前記第２振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第２ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第１磁気ギャップ及び前記第１磁気ギャップの外側に位置する第２磁気ギャップが設けられ、前記第１ボイスコイルは少なくとも一部が前記第１磁気ギャップ内に挿設され、前記第２ボイスコイルは少なくとも一部が前記第２磁気ギャップ内に挿設され、前記第１振動板は高音の発生に用いられ、前記第２振動板は低音の発生に用いられ、前記第２振動システムは前記第２ボイスコイルと前記第２振動板との間に挟持される支持ボイスコイルをさらに含む。本発明に係る同軸スピーカーは、環状の低音振動システムを設置することによって低音の音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設けられ、高音の音響効果を提供し、低音・高音は同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供し、２つのボイスコイルは一部の磁気回路システムを共用し、コストをさらに削減し、音響学的性能を向上させ、また、本発明に係る同軸スピーカーの第２ボイスコイルは、支持ボイスコイルを介して第２振動板に固定され、ボイスコイルボビンの支持を避け、実際のニーズに応じてこの第２ボイスコイルの高さ位置を柔軟に調整することができる。

【0031】

以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【国際調査報告】