(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(54)【発明の名称】発音機能を有する電子機器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/30 20060101AFI20240906BHJP
H04R 1/24 20060101ALI20240906BHJP
H04R 9/06 20060101ALI20240906BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H04R1/30 Z
H04R1/24 A
H04R9/06 A
H04R1/02 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576860
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2022115648
(87)【国際公開番号】W WO2024044921
(87)【国際公開日】2024-03-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】任璋
(72)【発明者】
【氏名】鐘志威
(72)【発明者】
【氏名】王奇
【テーマコード(参考)】
5D012
5D018
【Fターム(参考)】
5D012BB01
5D012BB03
5D012BB04
5D012DA04
5D012FA02
5D012GA01
5D018AB02
5D018AB17
5D018AE38
(57)【要約】
【課題】本発明は、発音機能を有する電子機器を提供する。
【解決手段】ケースアセンブリと、その内に取り付けられる同軸スピーカーとを備え、同軸スピーカーは、フレームと、磁気回路システムと、フレームの内側に固定される第1振動システムと、フレームの外側に固定される第2振動システムとを含み、第1振動システムは、第1振動板と、第1ボイスコイルとを含み、第2振動システムは、第2振動板と、第2ボイスコイルとを含み、磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、第2磁気ギャップとが設けられ、第1振動板が高音発音のために用いられ、第2振動板が低音発音のために用いられ、同軸スピーカーには、第1振動板、第2振動板からの音声を電子機器の外部に導き出す音声ガイド通路が設けられ、音声ガイド通路は、第1振動板からの高音を引き出す第1通路と、第1通路に連通する第2通路とを含み、第2通路は、第1通路によって引き出される高音を第2振動板からの低音に合流してケースアセンブリの外に出力する。本発明の発音機能を有する電子機器は、高音効果を向上させる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースアセンブリと、前記ケースアセンブリ内に取り付けられる同軸スピーカーとを備える発音機能を有する電子機器であって、
前記同軸スピーカーは、フレームと、前記フレームの下方に固定される磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定される第1振動システムと、前記フレームの外側に固定され、且つ前記第1振動システムに周設される第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムは、第2振動システムと同軸に設けられ、
前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を含み、
前記第2振動システムは、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を含み、
前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、前記第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップと、が設けられ、
前記第1ボイスコイルの少なくとも一部が前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第2ボイスコイルの少なくとも一部が前記第2磁気ギャップに挿設され、
前記第1振動板が高音発音のために用いられ、前記第2振動板が低音発音のために用いられ、
前記同軸スピーカーには、前記第1振動板、前記第2振動板からの音声を電子機器の外部に導き出す音声ガイド通路が設けられ、
前記音声ガイド通路は、前記第1振動板からの高音を引き出す第1通路と、前記第1通路に連通する第2通路と、を含み、
前記第2通路は、前記第1通路によって引き出される高音を前記第2振動板からの低音に合流して前記ケースアセンブリの外に出力する、
ことを特徴とする発音機能を有する電子機器。
【請求項2】
前記ケースアセンブリは、前記同軸スピーカーを収容する第1ケースと、前記第1ケースに覆われる第2ケースと、を含み、前記同軸スピーカーは、前記フレームに密封固定される上カバーを含み、前記上カバー、前記フレームと前記第1振動板との間には第1前室が形成され、前記上カバー、前記フレームと前記第2振動板との間には第2前室が形成され、前記第1前室が前記第1通路に連通し、前記第2通路は一部の前記第2前室を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項3】
前記第2ケースは、本体部と、前記本体部から前記上カバーに向かって延び、且つ前記上カバーに当接する延出部と、を含み、前記延出部と前記上カバーとの間には前記第1通路が形成され、前記上カバーには前記第1前室と前記第1通路を連通する第1貫通孔が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項4】
前記上カバーには前記第1貫通孔と間隔を空けて設けられ、且つ前記第2前室に連通する第2貫通孔が設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項5】
前記第1ケースには放音孔が設けられ、前記同軸スピーカーは、前記上カバーに固定される下カバーと、前記上カバー、前記下カバーに固定され且つ前記放音孔を連通する音声ガイド部材と、を含み、前記第2前室の前記放音孔に近い部分が前記音声ガイド部材における通路と前記第2通路を形成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項6】
前記同軸スピーカーは、前記放音孔と前記音声ガイド部材との間に設けられるシール部材を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項7】
前記第1貫通孔のサイズが前記第2貫通孔のサイズより大きく、前記第1通路の前記第1貫通孔を覆う部分のサイズが前記第1通路の前記第2貫通孔を覆う部分のサイズより大きい、
ことを特徴とする請求項5に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項8】
前記第1振動板からの高音が、前記第1前室から前記第1貫通孔を通して、前記第1通路を流れ、前記第2貫通孔から前記第2前室に入り、前記第2前室内の第2振動板からの低音に合流して、前記音声ガイド部材によって前記放音孔に出力されて送信される、
ことを特徴とする請求項7に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項9】
前記磁気回路システムは磁気ボウルを含み、前記磁気ボウルは、収容スペースに囲んで設けられる側壁と、前記側壁の一端から折り曲がって延びて形成される底壁と、を含み、前記磁気回路システムは、前記磁気ボウルの一側に設けられる第1磁石鋼アセンブリと、前記磁気ボウルの他側に設けられる第2磁石鋼アセンブリと、をさらに含み、前記第1磁石鋼アセンブリは第1磁石鋼を含み、前記第1磁石鋼と前記磁気ボウルの側壁との間には前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁石鋼アセンブリは、第2磁石鋼と、前記第2磁石鋼の外側に設けられ、且つ前記第2磁石鋼と前記第2磁気ギャップを形成する第3磁石鋼と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の発音機能を有する電子機器。
【請求項10】
前記第1磁石鋼、前記第2磁石鋼、前記第3磁石鋼は前記同軸スピーカーの振動方向に沿って磁化され、且つ前記第1磁石鋼、前記第2磁石鋼の同極が対向して設けられ、前記第2磁石鋼、前記第3磁石鋼の磁化方向が反対である、
ことを特徴とする請求項9に記載の発音機能を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換分野に関し、特に、発音機能を有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連技術の発音機能を有する電子機器は、ケースアセンブリと、ケースアセンブリに取り付けられる同軸スピーカーを含む。そのうち、同軸スピーカーは同軸に設けられる第1振動システムと第2振動システムを含み、第2振動システムは第1振動システムの外側に周設され、第1振動システムは高音発音のために用いられ、第2振動システムは低音発音のために用いられ、ケースアセンブリには同軸スピーカーからの音声を電子機器の外部に導き出す音声ガイド通路が設けられ、第1振動システムからの高音と第2振動システムからの低音がそれぞれ各自の音声ガイド通路によって導き出されるが、同軸スピーカーの大きさの制限及び高音と低音との間の影響に制限されるから高音効果を減弱することによって、電子機器の高音不足をもたらしてしまう。
【0003】
従って、上記技術的課題を解決するために、新たな発音機能を有する電子機器を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の技術的課題を解決して、高音効果を向上させた発音機能を有する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に提供される発音機能を有する電子機器は、ケースアセンブリと、前記ケースアセンブリ内に取り付けられる同軸スピーカーとを備え、前記同軸スピーカーは、フレームと、前記フレームの下方に固定される磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定される第1振動システムと、前記フレームの外側に固定され、且つ前記第1振動システムに周設される第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムは、第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、前記第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップと、が設けられ、前記第1ボイスコイルの少なくとも一部が前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第2ボイスコイルの少なくとも一部が前記第2磁気ギャップに挿設され、前記第1振動板が高音発音のために用いられ、前記第2振動板が低音発音のために用いられ、前記同軸スピーカーには、前記第1振動板、前記第2振動板からの音声を電子機器の外部に導き出す音声ガイド通路が設けられ、前記音声ガイド通路は、前記第1振動板からの高音を引き出す第1通路と、前記第1通路に連通する第2通路と、を含み、前記第2通路は、前記第1通路によって引き出される高音を前記第2振動板からの低音に合流して前記ケースアセンブリの外に出力する。
【0006】
好ましくは、前記ケースアセンブリは、前記同軸スピーカーを収容する第1ケースと、前記第1ケースに覆われる第2ケースと、を含み、前記同軸スピーカーは、前記フレームに密封固定される上カバーを含み、前記上カバー、前記フレームと前記第1振動板との間には第1前室が形成され、前記上カバー、前記フレームと前記第2振動板との間には第2前室が形成され、前記第1前室が前記第1通路に連通し、前記第2通路は一部の前記第2前室を含む。
【0007】
好ましくは、前記第2ケースは、本体部と、前記本体部から前記上カバーに向かって延び、且つ前記上カバーに当接する延出部と、を含み、前記延出部と前記上カバーとの間には前記第1通路が形成され、前記上カバーには前記第1前室と前記第1通路を連通する第1貫通孔が設けられる。
【0008】
好ましくは、前記上カバーには前記第1貫通孔と間隔を空けて設けられ、且つ前記第2前室に連通する第2貫通孔が設けられる。
【0009】
好ましくは、前記第1ケースには放音孔が設けられ、前記同軸スピーカーは、前記上カバーに固定される下カバーと、前記上カバー、前記下カバーに固定され且つ前記放音孔を連通する音声ガイド部材と、を含み、前記第2前室の前記放音孔に近い部分が前記音声ガイド部材における通路と前記第2通路を形成する。
【0010】
好ましくは、前記同軸スピーカーは、前記放音孔と前記音声ガイド部材との間に設けられるシール部材を含む。
【0011】
好ましくは、前記第1貫通孔のサイズが前記第2貫通孔のサイズより大きく、前記第1通路の前記第1貫通孔を覆う部分のサイズが前記第1通路の前記第2貫通孔を覆う部分のサイズより大きい。
【0012】
好ましくは、前記第1振動板からの高音が、前記第1前室から前記第1貫通孔を通して、前記第1通路を流れ、前記第2貫通孔から前記第2前室に入り、前記第2前室内の第2振動板からの低音に合流して、前記音声ガイド部材によって前記放音孔に出力されて送信される。
【0013】
好ましくは、前記磁気回路システムは磁気ボウルを含み、前記磁気ボウルは、収容スペースに囲んで設けられる側壁と、前記側壁の一端から折り曲がって延びて形成される底壁と、を含み、前記磁気回路システムは、前記磁気ボウルの一側に設けられる第1磁石鋼アセンブリと、前記磁気ボウルの他側に設けられる第2磁石鋼アセンブリと、をさらに含み、前記第1磁石鋼アセンブリは第1磁石鋼を含み、前記第1磁石鋼と前記磁気ボウルの側壁との間には前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁石鋼アセンブリは、第2磁石鋼と、前記第2磁石鋼の外側に設けられ、且つ前記第2磁石鋼と前記第2磁気ギャップを形成する第3磁石鋼と、を含む。
【0014】
好ましくは、前記第1磁石鋼、前記第2磁石鋼、前記第3磁石鋼は前記同軸スピーカーの振動方向に沿って磁化され、且つ前記第1磁石鋼、前記第2磁石鋼の同極が対向して設けられ、前記第2磁石鋼、前記第3磁石鋼の磁化方向が反対である。
【発明の効果】
【0015】
関連技術に比べると、本発明の発音機能を有する電子機器は、ケースアセンブリと、前記ケースアセンブリ内に取り付けられる同軸スピーカーと、を含み、前記同軸スピーカーは、フレームと、前記フレームの下方に固定される磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定される第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されて且つ前記第1振動システムに周設される第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムが前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには第1磁気ギャップと、第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルの少なくとも一部が前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第2ボイスコイルの少なくとも一部が前記第2磁気ギャップに挿設され、前記第1振動板は高音発音のために用いられ、前記第2振動板は低音発音のために用いられ、前記同軸スピーカーには第1振動板、第2振動板からの音声を電子機器の外部に導き出す音声ガイド通路が設けられ、前記音声ガイド通路は、前記第1振動板からの高音を引き出す第1通路と、前記第1通路に連通している第2通路と、を含み、前記第2通路は前記第1通路によって引き出される高音を第2振動板からの低音に合流して前記ケースアセンブリの外に出力する。本発明の発音機能を有する電子機器は、高音気流を前端のパイプ区域、即ち、第1通路で集中させ、末端の共有パイプ区域、即ち、第2通路で高音気流と低音気流を合流することで、高音効果を向上させており、且つ低音を流暢に出力することが最大限に保証する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明された図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができ、そのうち、
【
図1】
図1は、本発明に係る発音機能を有する電子機器の部分構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す発音機能を有する電子機器の第1ケースと同軸スピーカーの部分構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す発音機能を有する電子機器の第2ケースの部分構造を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す発音機能を有する電子機器の同軸スピーカーを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す同軸スピーカーの部分分解図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す同軸スピーカーの部分部品の部分分解図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す同軸スピーカーの部分部品の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。当業者が本発明における実施例に基づいて進歩的な労働をしない前提に得られた他の全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0018】
図1~
図8に示すように、本発明は、ケースアセンブリ200と前記ケースアセンブリ200内に取り付けられる同軸スピーカー300を含む発音機能を有する電子機器100を提供する。前記発音機能を有する電子機器100はスマホ、タブレット型パソコン等であってもよい。
【0019】
前記ケースアセンブリ200は、前記同軸スピーカー300を収容する第1ケース201と、前記第1ケース201に覆われる第2ケース202と、を含み、前記第1ケース201には放音孔2011が設けられ、前記第2ケース202は、本体部2021と、前記本体部2021から突出して延びる延出部2022と、を含み、前記延出部2022が囲んで閉鎖構造に設けられる。
【0020】
前記同軸スピーカー300は、蓋体1と、前記蓋体1に収容されるフレーム2と、前記フレーム2の下方に固定される磁気回路システム3と、前記フレーム2の内側に固定される第1振動システム4と、前記フレーム2の外側に固定される第2振動システム5と、前記蓋体1に固定され且つ前記放音孔2011を連通する音声ガイド部材6と、前記第1ケース201の放音孔2011と前記音声ガイド部材6との間に設けられるシール部材7と、磁気回路システム3に固定される支持フレーム8と、電気接続を提供する回路基板アセンブリ9と、を含み、第2振動システム5は前記第1振動システム4の外側に周設され且つ前記第1振動システム4と同軸に設けられる。
【0021】
前記蓋体1は、前記フレーム2に密封固定される上カバー11と、前記上カバー11に固定される下カバー12と、を含み、前記上カバー11には第1貫通孔13と前記第1貫通孔13と間隔を空けて設けられる第2貫通孔14が設けられ、前記第1貫通孔13のサイズが前記第2貫通孔14のサイズより大きい。
【0022】
前記フレーム2の外周は凡そ矩形を成し、内側壁21と、前記内側壁21に対向して設けられる外側壁22と、前記内側壁21と前記外側壁22を接続する頂壁23と、を含む。前記頂壁23が前記上カバー11に密封接続され、前記第1振動システム4がフレーム2の内側壁21に固定され、前記第2振動システム5がフレーム2の外側壁22に固定される。
【0023】
前記磁気回路システム3は、磁気ボウル31と、前記磁気ボウル31の一側に設けられる第1磁石鋼アセンブリ32と、前記磁気ボウル31の他側に設けられる第2磁石鋼アセンブリ33と、を含む。前記第1磁石鋼アセンブリ32と前記第2磁石鋼アセンブリ33が同軸に設けられる。前記磁気ボウル31は、収容スペース310に囲んで設けられる側壁311と、前記側壁311の一端から折り曲がって延びて形成される底壁312と、を含む。前記第1磁石鋼アセンブリ32は、第1磁石鋼321と、前記第1磁石鋼321に設けられる磁極芯322と、を含み、前記第1磁石鋼321、磁極芯322と前記磁気ボウル31の側壁311との間には第1磁気ギャップ320が形成される。前記磁気ボウル31の底壁312は前記第1磁石鋼321を支持する。前記第2磁石鋼アセンブリ33は、第2磁石鋼331と、前記第2磁石鋼331と第2磁気ギャップ330を形成する第3磁石鋼332と、前記第3磁石鋼332の上方に畳んで設けられる透磁板333と、を含み、前記磁気ボウル31の底壁312が前記第2磁石鋼331の上方に畳んで設けられ、前記第1磁石鋼321と前記第2磁石鋼332が対向して設けられる。前記磁気回路システム3は、前記第2磁石鋼331と前記第3磁石鋼332を支持するヨーク34をさらに含む。
【0024】
前記第1磁石鋼321、第2磁石鋼331、第3磁石鋼332が前記同軸スピーカー300の振動方向に沿って磁化され、且つ前記第1磁石鋼321、第2磁石鋼331の同極が対向して設けられ、前記第2磁石鋼331、第3磁石鋼332の磁化方向が反対である。本実施例において、前記第1磁石鋼321、磁極芯322、第2磁石鋼331、第3磁石鋼332、透磁板333はいずれも中空環状構造である。
【0025】
前記第1振動システム4は、第1振動板41と、前記第1振動板41を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイル42と、を含み、前記第1ボイスコイル42の少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ320に挿設され、前記第1振動板41が高音発音のために用いられ、その発音方向が振動方向に沿って上に向かう。前記上カバー11、前記フレーム2と前記第1振動板41との間には第1前室40が形成される。前記第1振動板41は、第1ドーム411と、前記第1ドーム411に周設される第1サラウンド412と、を含み、前記第1サラウンド412の外辺縁には第1固定部413が設けられ、前記第1固定部413は前記フレーム2の内側壁21に密着して固定される。さらに、前記第1固定部413は一部が前記フレーム2と前記磁極芯322との間に挟持される。
【0026】
前記第2振動システム5は、第2振動板51と、前記第2振動板51を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイル52と、前記第2振動板51と前記第2ボイスコイル52を接続するボイスコイルボビン53と、を含み、前記第2ボイスコイル52の少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ330に挿設され、前記第2振動板51が低音発音のために用いられ、その発音方向が振動方向に沿って上に向かう。前記上カバー11、前記フレーム2と前記第2振動板51との間には第2前室50が形成される。前記第2振動板51は、第2サラウンド511と、前記第2サラウンド511に周設される第2ドーム512と、前記第2ドーム512に周設される第3サラウンド513と、を含む。前記ボイスコイルボビン53は、前記第2サラウンド511、第2ドーム512、第3サラウンド513と前記第2ボイスコイル52を接続する。前記第2サラウンド511の前記第1振動板41に近い一端は前記フレーム2の外側壁22又は/及び前記第1磁石鋼321に固定され、前記第3サラウンド513は第2固定部5131を含む。
【0027】
第2ボイスコイル52に十分な振動スペースを提供するように、前記ヨーク34の前記第2ボイスコイル52に対応する位置には回避凹み部341が設けられる。
【0028】
前記発音機能を有する電子機器100には前記同軸スピーカー300からの音声を電子機器100の外部に導き出す音声ガイド通路400が設けられ、前記音声ガイド通路400は、前記第1振動板41からの高音を引き出す第1通路4001と、前記第1通路4001に連通している第2通路4002と、を含み、前記第2通路4002は、前記第1通路4001によって引き出される高音を第2振動板51からの低音に合流して前記ケースアセンブリ200の外に出力する。具体的には、前記第2ケース202の延出部2022が前記上カバー11に当接して前記第1通路4001を形成し、前記第1通路4001の前記第1貫通孔13を覆う部分のサイズが前記第1通路4001の前記第2貫通孔14を覆う部分のサイズより大きい。前記第1前室40が前記第1貫通孔13を介して前記第1通路4001に連通しており、前記第2通路4002は一部の前記第2前室50を含み、当該一部の第2前室50は前記放音孔2011に近い部分であり、前記第1通路4001は前記第2貫通孔14を介して前記第2通路4002に連通している。前記第1振動板41からの高音が前記第1前室40から前記第1貫通孔13を通して、前記第1通路4001を流れ、前記第2貫通孔14から前記第2前室50に入り、前記第2前室50内の第2振動板51からの低音に合流して、前記音声ガイド部材6によって前記放音孔2011に出力されて送信される。
【0029】
前記音声ガイド部材6が前記蓋体1と前記ケースアセンブリ200との間に固定され、具体的には、前記音声ガイド部材6の前記ケースアセンブリ200に近い一側がシール部材7を通してケースアセンブリ200に固定して接続され、且つ音声ガイド部材6における通路が前記蓋体1の放音孔2011に連通しており、前記音声ガイド部材6が前記蓋体1の一側に近く、上端が上カバー11に固定して接続され、下端が下カバー12に固定して接続され、第2前室50内の音声が前記音声ガイド部材6だけを通させてケースアセンブリ200の外に伝達され、前記第2前室50の前記放音孔2011に近い部分が前記音声ガイド部材6における通路と前記第2通路4002を形成する。
【0030】
支持フレーム8が環状のスチールリングであり、前記第3サラウンド513の第2固定部5131が前記支持フレーム8に固定して接続され、具体的には、第2固定部5131は、前記支持フレーム8の上面及一部の外側面を覆う。
【0031】
前記回路基板アセンブリ9は、前記第1ボイスコイル42に電気を供給する第1回路基板アセンブリ91と、前記第2ボイスコイル52に電気を供給する第2回路基板アセンブリ92と、を含み、前記第1回路基板アセンブリ91は、前記磁気ボウル31の側壁311が囲んでいるスペースに設けられるインサート911と、前記インサート911底部に固定される第1回路基板912と、を含み、第1回路基板912の一部が前記ヨーク34の外面に密着され、前記第1回路基板アセンブリ91は、前記インサート911を貫通して設けられる第1接続端913をさらに含み、第1接続端913が第1回路基板912に接続され、前記第1ボイスコイル42が第1接続端913を介して前記第1回路基板912との電気接続を実現する。
【0032】
前記第2回路基板アセンブリ92は前記ボイスコイルボビン53と前記支持フレーム8を接続し、前記第2回路基板アセンブリ92は、第2回路基板921と、前記第2回路基板921が接続している支持振動板922と、を含み、前記第2ボイスコイル52が前記第2回路基板921に電気的に接続され、具体的には、前記第2回路基板アセンブリ92は、前記第2回路基板921に接続される第2接続端923をさらに含み、前記第2ボイスコイル52が前記第2接続端923を介して前記第2回路基板921に電気的に接続される。本実施例において、第2回路基板アセンブリ92の数量が二つであり、且つ同軸スピーカー300の短軸方向に設けられ、他の実施例において必要に応じて定められてもよい。
【0033】
前記ボイスコイルボビン53は、前記第2ドーム512に接着されるボビン平板部531と、前記ボビン平板部531から前記第2回路基板921に向かって折り曲がって延びて前記第2回路基板921に接続される第1延出部532と、前記ボビン平板部531から前記第2ボイスコイル52に向かって折り曲がって延びて前記第2ボイスコイル52に接続される第2延出部533と、を含む。
【0034】
関連技術に比べると、本発明の発音機能を有する電子機器は、ケースアセンブリと、前記ケースアセンブリ内に取り付けられる同軸スピーカーと、を含み、前記同軸スピーカーは、フレームと、前記フレームの下方に固定される磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定される第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されて且つ前記第1振動システムに周設される第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムが前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには第1磁気ギャップと、第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルの少なくとも一部が前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第2ボイスコイルの少なくとも一部が前記第2磁気ギャップに挿設され、前記第1振動板は高音発音のために用いられ、前記第2振動板は低音発音のために用いられ、前記同軸スピーカーには第1振動板、第2振動板からの音声を電子機器の外部に導き出す音声ガイド通路が設けられ、前記音声ガイド通路は、前記第1振動板からの高音を引き出す第1通路と、前記第1通路に連通している第2通路と、を含み、前記第2通路は前記第1通路によって引き出される高音を第2振動板からの低音に合流して前記ケースアセンブリの外に出力する。本発明の発音機能を有する電子機器は、高音気流を前端のパイプ区域、即ち、第1通路で集中させ、末端の共有パイプ区域、即ち、第2通路で高音気流と低音気流を合流することで、高音効果を向上させており、且つ低音を流暢に出力することが最大限に保証する。
【0035】
以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。
【国際調査報告】