(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(54)【発明の名称】多機能発音デバイス
(51)【国際特許分類】
H04R 9/06 20060101AFI20240906BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R1/00 310G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577171
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2022121380
(87)【国際公開番号】W WO2024050885
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】202211096723.7
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522237667
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ (ナンジン) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Technologies (Nanjing) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】8th Floor, R&D Building, Emerging Industry Incubation Base, Nanda Science Park, Yuanhua road, Xianlin University Town, Qixia district, Nanjing City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】湯贇
(72)【発明者】
【氏名】毛路斌
(72)【発明者】
【氏名】馬傑
(72)【発明者】
【氏名】李子昂
(72)【発明者】
【氏名】黄興志
(72)【発明者】
【氏名】宋威
【テーマコード(参考)】
5D012
5D017
【Fターム(参考)】
5D012CA08
5D012DA02
5D012DA03
5D012FA05
5D012GA01
5D017AA11
(57)【要約】
【課題】本発明には、多機能発音デバイスが提供される。
【解決手段】当該同多機能発音デバイスは、収容キャビティを有するハウジングと、収容キャビティ内に吊り下げられた発音ユニットと、を含み、発音ユニットは、フレームと、フレーム内に固定された振動システムと、振動システムを第1方向に沿って振動させて音を発するように駆動し、かつ磁気ギャップを有する磁気回路システムと、を含み、多機能発音デバイスは、収容キャビティ内に吊り下げられ、かつ磁気回路システムの振動システムから離れた側に位置するバイブレーターと、バイブレーターに組み付けられたコイルと、をさらに含み、磁気回路システムがコイルと相互作用することでバイブレーターを第2方向に往復振動させるように駆動すると同時に、磁気回路システムによって発音ユニットを第2方向に振動させるように駆動し、第2方向は第1方向に垂直である。振動システムとバイブレーターは一つの磁気回路システムを共用しおり、かつ発音ユニットとバイブレーターは一つのハウジングに組み付けられ、スペースの占用を大幅に削減し、発音ユニットとバイブレーターはダブル振動システムを構成し、振動効果を向上させるだけではなく、部品を追加することを回避し、さらにスペースを節約する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に吊り下げられた発音ユニットと、を含み、前記発音ユニットは、フレームと、前記フレーム内に固定された振動システムと、前記振動システムを第1方向に沿って振動させて音を発するように駆動し、かつ磁気ギャップを有する磁気回路システムと、を含む多機能発音デバイスであって、
前記多機能発音デバイスは、前記収容キャビティ内に吊り下げられ、かつ前記磁気回路システムの前記振動システムから離れた側に位置するバイブレーターと、前記バイブレーターに組み付けられたコイルと、をさらに含み、前記磁気回路システムが前記コイルと相互作用することで前記バイブレーターを第2方向に往復振動させるように駆動すると同時に、前記磁気回路システムによって前記発音ユニットを前記第2方向に振動させるように駆動し、前記第2方向は前記第1方向に垂直である、
ことを特徴とする多機能発音デバイス。
【請求項2】
前記多機能発音デバイスは、前記ハウジングと前記発音ユニットにそれぞれ接続された第1弾性部材及び前記ハウジングと前記バイブレーターにそれぞれ接続された第2弾性部材をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の多機能発音デバイス。
【請求項3】
前記第1弾性部材は前記第2方向における前記発音ユニットの対向する両側に設置され、前記第1方向に沿って、前記第1弾性部材は前記第2弾性部材と間隔をおいている、
ことを特徴とする請求項2に記載の多機能発音デバイス。
【請求項4】
前記発音ユニットは、前記フレームの前記磁気回路システムから離れた側に設けられた上カバーをさらに含み、前記第1弾性部材は前記ハウジングと前記上カバーをそれぞれ接続する、
ことを特徴とする請求項3に記載の多機能発音デバイス。
【請求項5】
前記バイブレーターは、前記ハウジング内に吊り下げられた本体部、前記本体部の対向する両端から前記発音ユニットの方向に折り曲がって延びて形成された2つの側壁部、及び前記本体部にそれぞれ固定接続された2つの質量ブロックを含み、2つの前記質量ブロックは間隔をおいて設置されかつ2つの前記側壁部の間に位置する、
ことを特徴とする請求項2に記載の多機能発音デバイス。
【請求項6】
前記第2弾性部材は、前記本体部に組み付けられたベアラ部、及び両端が前記ベアラ部と前記ハウジングにそれぞれ固定接続され、かつ前記第2方向における前記ベアラ部の対向する両側に間隔をおいて設置された2つの弾性構造を含み、2つの前記弾性構造は少なくとも一部が前記側壁部に固定される、
ことを特徴とする請求項5に記載の多機能発音デバイス。
【請求項7】
前記弾性構造は、前記ベアラ部の一端に固定接続され、かつ前記側壁部と前記ハウジングとの間に位置する第1接続部と、前記第1接続部の一端から前記バイブレーターの方向に折り曲がって形成された弾性部と、前記弾性部の前記第1接続部から離れた一端から折り曲がって形成され、かつ前記ハウジングに固定接続された第2接続部と、を含み、前記第1接続部と前記第2接続部とは対向して設置され、前記第1接続部の少なくとも一部が前記側壁部に貼り付けられるように設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の多機能発音デバイス。
【請求項8】
前記本体部には、前記コイルに合わせている取り付け貫通溝が開設されており、前記コイルは前記取り付け貫通溝内に組み付けられ、前記第1方向に沿って、前記コイルは前記磁気ギャップと正対して設置されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の多機能発音デバイス。
【請求項9】
前記磁気回路システムは、主磁石鋼と、前記磁気ギャップを形成するように、前記主磁石鋼を取り囲むように設置される副磁石鋼と、を含み、前記振動システムは、前記フレームに接続された振動板と、前記振動板に接続されたドームボビンと、前記磁気ギャップに挿設されかつ前記ドームボビンに接続されたボイスコイルとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の多機能発音デバイス。
【請求項10】
前記主磁石鋼は、同じ磁極が対向する上磁石鋼と下磁石鋼を含み、前記磁気回路システムは、両側がそれぞれ前記上磁石鋼と前記下磁石鋼に当接する主磁極芯と、前記副磁石鋼に貼り付けられた副磁極芯と、を含み、前記副磁石鋼の磁極方向は前記下磁石鋼の磁極方向と逆であり、前記副磁石鋼の磁極方向は前記上磁石鋼の磁極方向と同じである、
ことを特徴とする請求項9に記載の多機能発音デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換分野に関し、特に、多機能発音デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンを中心としたコンシューマーエレクトロニクス産業の急速な発展に伴い、末端消費者は機器の使用体験に対してより多くのことを要求するようになっている。視覚だけでなく、聴覚や触覚の体験へのニーズも徐々に高まってきている。
【0003】
先行技術では、スピーカーモジュールやモーターの性能向上は、一般的に製品のサイズを大きくすることで実現されるが、電子機器内のスペースがますますコンパクトになるのに伴い、バッテリー、マザーボード、カメラなどがより多くのスペースを占め、そのためスピーカーモジュールや振動モーターのサイズを大きくすることができなく、さらには小さくしなければならないため、性能向上の要求と相反してしまう。その結果、携帯電話メーカーからは、スピーカーやモーターのスペースに対するより小さいサイズ、モーターの振動機能に対するより高い要求が続いている。
【0004】
そのため、スピーカーとモーターが占めたスペースはより小さく、またより強力な振動機能を備えた技術案を提供することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、占有スペースがより小さく、かつより高い振動機能を備えた多機能発音デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術案は、以下の通りである。収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に吊り下げられた発音ユニットと、を含み、前記発音ユニットは、フレームと、前記フレーム内に固定された振動システムと、前記振動システムを第1方向に沿って振動させて音を発するように駆動し、かつ磁気ギャップを有する磁気回路システムと、を含む多機能発音デバイスであって、前記多機能発音デバイスは、前記収容キャビティ内に吊り下げられ、かつ前記磁気回路システムの前記振動システムから離れた側に位置するバイブレーターと、前記バイブレーターに組み付けられたコイルと、をさらに含み、前記磁気回路システムが前記コイルと相互作用することで前記バイブレーターを第2方向に往復振動させるように駆動すると同時に、前記磁気回路システムによって前記発音ユニットを前記第2方向に振動させるように駆動し、前記第2方向は前記第1方向に垂直である。
【0007】
好ましくは、前記多機能発音デバイスは、前記ハウジングと前記発音ユニットにそれぞれ接続された第1弾性部材及び前記ハウジングと前記バイブレーターにそれぞれ接続された第2弾性部材をさらに含む。
【0008】
好ましくは、前記第1弾性部材は前記第2方向における前記発音ユニットの対向する両側に設置され、前記第1方向に沿って、前記第1弾性部材は前記第2弾性部材と間隔をおいている。
【0009】
好ましくは、前記発音ユニットは、前記フレームの前記磁気回路システムから離れた側に設けられた上カバーをさらに含み、前記第1弾性部材は前記ハウジングと前記上カバーをそれぞれ接続する。
【0010】
好ましくは、前記バイブレーターは、前記ハウジング内に吊り下げられた本体部、前記本体部の対向する両端から前記発音ユニットの方向に折り曲がって延びて形成された2つの側壁部、及び前記本体部にそれぞれ固定接続された2つの質量ブロックを含み、2つの前記質量ブロックは間隔をおいて設置されかつ2つの前記側壁部の間に位置する。
【0011】
好ましくは、前記第2弾性部材は、前記本体部に組み付けられたベアラ部、及び両端が前記ベアラ部と前記ハウジングにそれぞれ固定接続され、かつ前記第2方向における前記ベアラ部の対向する両側に間隔をおいて設置された2つの弾性構造を含み、2つの前記弾性構造は少なくとも一部が前記側壁部に固定される。
【0012】
好ましくは、前記弾性構造は、前記ベアラ部の一端に固定接続され、かつ前記側壁部と前記ハウジングとの間に位置する第1接続部と、前記第1接続部の一端から前記バイブレーターの方向に折り曲がって形成された弾性部と、前記弾性部の前記第1接続部から離れた一端から折り曲がって形成され、かつ前記ハウジングに固定接続された第2接続部と、を含み、前記第1接続部と前記第2接続部とは対向して設置され、前記第1接続部の少なくとも一部が前記側壁部に貼り付けられるように設けられる。
【0013】
好ましくは、前記本体部には、前記コイルに合わせている取り付け貫通溝が開設されており、前記コイルは前記取り付け貫通溝内に組み付けられ、前記第1方向に沿って、前記コイルは前記磁気ギャップと正対して設置されている。
【0014】
好ましくは、前記磁気回路システムは、主磁石鋼と、前記磁気ギャップを形成するように、前記主磁石鋼を取り囲むように設置される副磁石鋼と、を含み、前記振動システムは、前記フレームに接続された振動板と、前記振動板に接続されたドームボビンと、前記磁気ギャップに挿設されかつ前記ドームボビンに接続されたボイスコイルとを含む。
【0015】
好ましくは、前記主磁石鋼は、同じ磁極が対向する上磁石鋼と下磁石鋼を含み、前記磁気回路システムは、両側がそれぞれ前記上磁石鋼と前記下磁石鋼に当接する主磁極芯と、前記副磁石鋼に貼り付けられた副磁極芯と、を含み、前記副磁石鋼の磁極方向は前記下磁石鋼の磁極方向と逆であり、前記副磁石鋼の磁極方向は前記上磁石鋼の磁極方向と同じである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。スピーカーの振動システムは磁気回路システムによって駆動されて第1方向に沿って振動して音を発し、モーターのバイブレーターは磁気回路システムとコイルの相互作用によって駆動されて第2方向に沿って往復振動し、発音ユニットは磁気回路システムによって駆動されて第2方向に沿って往復振動し、これによって、スピーカーとモーターは一つの磁気回路システムを共用し、かつ発音ユニットとバイブレーターは一つのハウジングに組み付けられ、スペースの占用を大幅に削減し、発音ユニットとバイブレーターはダブル振動システムを構成し、発音ユニットは発音に加えてバイブレーターと協働して振動することができ、振動効果を向上させるだけではなく、部品を追加することを回避し、さらにスペースを節約する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る多機能発音デバイスの全体構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係る多機能発音デバイスの立体分解構成図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係る多機能発音デバイスのバイブレーター、コイル、第2弾性部材及びハウジングの組立関係を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係る多機能発音デバイスの第2弾性部材の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に係る多機能発音デバイスの発音ユニット、第1弾性部材及びハウジングの組立関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面及び実施形態と合わせて、本発明をさらに説明する。
【0019】
本発明には、電子機器に適用できる多機能発音デバイスが提供され、当該多機能発音デバイスは、音を発することでフィードバックや注意をする機能を果たしてもよいし、振動することでフィードバックや注意をする機能を果たしてもよい。
図1~
図6を参照すると、多機能発音デバイスは、収容キャビティ11を有するハウジング1と、収容キャビティ11内に吊り下げられた発音ユニット2と、を含み、発音ユニット2は、フレーム21と、フレーム21内に固定された振動システム22と、振動システム22を第1方向に沿って振動させて音を発するように駆動し、かつ磁気ギャップ231を有する磁気回路システム23と、を含み、多機能発音デバイスは、収容キャビティ11内に吊り下げられ、かつ磁気回路システム23の振動システム22から離れた側に位置するバイブレーター4と、バイブレーター4に組み付けられたコイル5と、をさらに含み、磁気回路システム23がコイル5と相互作用することでバイブレーター4を第2方向に往復振動させるように駆動すると同時に、磁気回路システム23によって発音ユニット2を第2方向に振動させるように駆動し、第2方向は第1方向に垂直である。
【0020】
理解できるように、スピーカーの振動システム22は磁気回路システム23によって駆動されて第1方向に沿って振動して音を発し、モーターのバイブレーター4は磁気回路システム23とコイル5の相互作用によって駆動されて第2方向に沿って往復振動し、発音ユニット2は磁気回路システム23によって駆動されて第2方向に沿って往復振動し、これによって、スピーカーとモーターは一つの磁気回路システム23を共用し、かつ発音ユニット2とバイブレーター4は一つのハウジング1に組み付けられ、スペースの占用を大幅に削減し、発音ユニット2とバイブレーター4はダブル振動システム22を構成し、発音ユニット2は発音に加えてバイブレーター4と協働して振動することができ、振動効果を向上させるだけではなく、部品を追加することを回避し、さらにスペースを節約する。
【0021】
図1、
図2と
図3を参照すると、さらに、多機能発音デバイスは、ハウジング1と発音ユニット2にそれぞれ接続された第1弾性部材6及びハウジング1とバイブレーター4にそれぞれ接続された第2弾性部材7をさらに含み、すなわち、発音ユニット2は第1弾性部材6によって収容キャビティ11内に吊り下げられ、バイブレーター4は第2弾性部材7によって収容キャビティ11内に吊り下げられる。
【0022】
図1を参照すると、一つの実施例では、第1弾性部材6は第2方向における発音ユニット2の対向する両側に設置され、第1方向に沿って、第1弾性部材6は第2弾性部材7と間隔をおいている。具体的には、2つの第1弾性部材6がフレーム21の両側に対称的に設置され、発音ユニット2が2つの第1弾性部材6の間に設置されることで、磁気回路システム23は発音ユニット2を第2方向に沿って運動させるように駆動でき、第1弾性部材6が第2弾性部材7と間隔をおいていることで、発音ユニット2とバイブレーター4の間の振動が干渉しないことを確保できる。
【0023】
図1、
図2と
図3を参照すると、一つの実施例では、発音ユニット2は、フレーム21の磁気回路システム23から離れた側に設けられた上カバー24をさらに含み、第1弾性部材6はハウジング1と上カバー24をそれぞれ接続する。具体的には、上カバー24はフレーム21に合わせており、第1弾性部材6は、ハウジング1に固定接続された第1弾性アームと、上カバー24に固定接続された第2弾性アームと、第1弾性アームと第2弾性アームにそれぞれ固定接続された弾性部と、を含み、第1弾性アームと第2弾性アームの間には間隔を有し、第1弾性部材6はU字型を呈し、第1弾性アームの側板面はハウジング1に接続され、第2弾性アームの側板面は上カバー24に接続される。磁気回路システム23が発音ユニット2を第2方向に沿って運動させるように駆動するときに、第2弾性アームは第1弾性アームに近い方向に運動し、このときに、第1弾性アームと第2弾性アームとの間隔は小さくなり、第1弾性部材6が発音ユニット2を復帰させるように駆動するときに、第2弾性アームは第1弾性アームから離れる方向に運動し、このときに、第1弾性アームと第2弾性アームとの間隔が大きくなる。好ましくは、第1弾性アームと第2弾性アームの対向側には、いずれもスペーサーが固定され、スペーサーによって第2弾性アームと第1弾性アームの間の衝突を緩衝し、第1弾性部材6は第2弾性アームと第1弾性アームの間の衝突によって損傷してしまうことを回避することができる。実際のニーズに応じて、第1弾性部材6はV型と圧縮スプリング型などであってもよく、スペーサーには発泡体、ゴム、シリコーンゴムなどの弾性素材が使用されてもよい。
【0024】
図2、
図3と
図4を参照すると、一つの実施例では、バイブレーター4は、ハウジング1内に吊り下げられた本体部41、本体部41の対向する両端から発音ユニット2の方向に折り曲がって延びて形成された2つの側壁部42、及び本体部41にそれぞれ固定接続された2つの質量ブロック43を含み、2つの質量ブロック43は間隔をおいて設置されかつ2つの側壁部42の間に位置する。具体的には、本体部41は平板であってもよく、質量ブロック43は本体部41のハウジング1から離れた側の板面に固定接続され、質量ブロック43はバイブレーター4の運動慣性を大きくし、振動効果をより良好にすることができる。ここで、質量ブロック43のハウジング1に近い側は側壁部42と接触し、すなわち質量ブロック43は側壁部42と整列しており、これによって、質量ブロック43を本体部41に迅速かつ正確に固定することに有利であり、本体部41、側壁部42及び質量ブロック43が対称的に設置されることで、バイブレーター4の振動効果をさらに向上させる。
【0025】
図3と
図4を参照すると、一つの実施例では、第2弾性部材7は、本体部41に組み付けられたベアラ部71、及び両端がベアラ部71とハウジング1にそれぞれ固定接続され、かつ第2方向における前記ベアラ部71の対向する両側に間隔をおいて設置された2つの弾性構造72を含み、2つの弾性構造72は少なくとも一部が前記側壁部42に固定される。ここで、ベアラ部71はバイブレーター4を担持するために使用され、具体的には、本体部41がベアラ部71の板面に固定され、バイブレーター4は弾性構造72によって収容キャビティ11内に吊り下げられることを実現する。
【0026】
図4と
図5を参照すると、具体的には、弾性構造72は、ベアラ部71の一端に固定接続され、かつ側壁部42とハウジング1との間に位置する第1接続部721と、第1接続部721の一端からバイブレーター4の方向に折り曲がって形成された弾性部722と、弾性部722の第1接続部721から離れた一端からバイブレーター4の方向に折り曲がって形成された第2接続部723と、を含み、第2接続部723はハウジング1に固定接続され、かつ、第1接続部721と第2接続部723とは対向して設置される。第1接続部721の少なくとも一部が側壁部42に貼り付けられるように設けられる。ここで、第1接続部721、弾性部722及び第2接続部723はいずれも側板状を呈し、第2接続部723と弾性部722との接続箇所は弾力性を有する。バイブレーター4は磁気回路システム23がコイル5と相互作用することにより第2方向に沿って運動する時に、質量ブロック43は、弾性構造72に変形を生じさせるようにする。
【0027】
図2と
図3を参照すると、一つの実施例では、磁気回路システム23は、主磁石鋼232と、磁気ギャップ231を形成するように、主磁石鋼232を取り囲むように設置されている副磁石鋼233と、を含み、本体部41には、コイル5に合わせている取り付け貫通溝411が開設されており、コイル5が取り付け貫通溝411内に組みつけられ、第1方向に沿って、コイル5は磁気ギャップ231と正対して設置されている。具体的には、コイル5は2つ設けられており、本体部41には、間隔をおいて設置された2つの取り付け貫通溝411が開設され、コイル5は対応する取り付け貫通溝411内に組み付けられ、これによって、コイル5が占めたスペースを節約し、バイブレーター4の軽量薄型化を容易にし、コイル5の長辺は第2方向に垂直であり、短辺は第2方向に平行であり、これによって、コイル5が磁気回路システム23と相互作用して、バイブレーター4を第2方向に沿って往復振動させることを実現できる。コイル5は磁気ギャップ231と正対して設置されているため、主磁石鋼232と副磁石鋼233の両方は協働してコイル5に磁力を加えることができ、主磁石鋼232と副磁石鋼233がそれぞれコイル5に加える磁力によってコイル5を同じ方向に移動させ、バイブレーター4の振動が容易になる。実際のニーズに応じて、コイル5の内側の磁気回路または巻線孔を磁気ギャップ231に正対させ、ベアラ部71には避退貫通溝711が設けられ、避退貫通溝711はコイル5を収容キャビティ11内に露出させ、コイル5の放熱と冷却を容易にする。
【0028】
図2と
図3を参照すると、さらに、主磁石鋼232は、同じ磁極が対向する上磁石鋼2321と下磁石鋼2322を含み、磁気回路システム23は、両側がそれぞれ上磁石鋼2321と下磁石鋼2322に当接する主磁極芯234と、副磁石鋼233に貼り付けられた副磁極芯235と、を含み、副磁石鋼233の磁極方向は下磁石鋼2322の磁極方向と逆であり、副磁石鋼233の磁極方向は上磁石鋼2321の磁極方向と同じである。具体的には、上磁石鋼2321、下磁石鋼2322はそれぞれ主磁極芯234の両側に固定接続され、副磁極芯235は副磁石鋼233のバイブレーター4から離れた側に固定接続され、上磁石鋼2321の南極は下磁石鋼2322の南極と向き合い、上磁石鋼2321は下磁石鋼2322の磁極方向と逆であり、副磁石鋼233は下磁石鋼2322の磁極方向と逆である。好ましくは、上磁石鋼2321、副磁石鋼233は、いずれも上端が北極であり、下端が南極であり、下磁石鋼2322は、上端が南極であり、下端が北極である。実際のニーズに応じて、上磁石鋼2321と下磁石鋼2322はいずれも長方体であり、副磁石鋼233は環形であり、副磁石鋼233の高さは下磁石鋼2322と同じである。
【0029】
図2、
図3と
図6を参照すると、一つの実施例では、振動システム22は、フレーム21に接続された振動板221と、振動板221に接続されたドームボビン222と、磁気ギャップ231に挿設されかつドームボビン222に接続されたボイスコイル223とを含む。具体的には、振動板221は、フレーム21とドームボビン222にそれぞれ接続された第1サラウンドと、及び第1サラウンドの内側縁と主磁石鋼232にそれぞれ接続された第2サラウンドと、を含み、第1サラウンドはフレーム21と上カバー24の間に設けられ、第1サラウンドの少なくとも一部がバイブレーター4に近い方向に隆起して形成された第1円弧面部と、第2サラウンドの少なくとも一部がバイブレーター4から離れる方向に隆起して形成された第2円弧面部とによって、振動板221が第1方向に沿って振動することを容易にする。磁気回路システム23が振動システム22を第1方向に沿って振動させて音を発するように駆動するときに、ボイスコイル223はドームボビン222によって振動板221を第1方向に沿って振動させるように駆動し、具体的には、ボイスコイル223が通電される後に、主磁石鋼232と副磁石鋼233の作用によりボイスコイル223は磁気ギャップ231内で第1方向に沿って振動し、さらに振動板221を振動させるように駆動し、これにより発音ユニット2を振動させて音を発することを実現し、振動板221の振動中に、ドームボビン222は発音ユニット2の強度を高め、発音ユニット2の音響性能を向上させ、発音ユニット2全体の発音の品質を向上させる。
【0030】
ここで、振動システム22は、両端がフレーム21とドームボビン222にそれぞれ固定接続されたフレキシブル回路基板224をさらに含み、フレキシブル回路基板224はフレーム21の上カバー24から離れた側に設けられ、フレキシブル回路基板224は、2つ設けられ、これによって、振動システム22の対称的な設置を容易にし、振動システム22の振動効果を高めることができる。理解すべきであるが、ボイスコイル223とコイル5を位置させる回路は互いに独立して設置され、ボイスコイル223とコイル5は別々に、または同時に動作することができ、さまざまな適用シナリオにおいてコイル5とボイスコイル223が動作するかどうかに対する需要を容易に満たすことができる。
【0031】
以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。
【国際調査報告】