(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(54)【発明の名称】スピーカボックス
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20240906BHJP
H04R 9/02 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H04R1/02 101F
H04R9/02 102A
H04R9/02 102E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577227
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2022128545
(87)【国際公開番号】W WO2024045311
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】202211055616.X
(32)【優先日】2022-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 莎莎
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲曉▼▲東▼
【テーマコード(参考)】
5D012
5D017
【Fターム(参考)】
5D012BB01
5D012BB03
5D012BB04
5D012CA09
5D017AD31
(57)【要約】
【課題】本発明は、スピーカボックスを提供する。
【解決手段】スピーカボックスは、チャンバを有する後部シェル、後部シェルに固定された弾性固定部材、弾性固定部材に支持された発音単体を含み、発音単体の正投影は、チャンバ内に位置し、発音単体は、フレーム、振動システム、磁気回路システム、振動システムと共にブロントチャンバを取り囲むフロントカバーを含み、磁気回路システムは、磁気ヨーク、主磁性鋼と副磁性鋼を含み、フロントカバーは、支持部、カバープレートと被覆部を含み、被覆部は、磁気ヨークの周縁まで延在し且つ磁気ヨークと共に副磁性鋼を完全に囲み、弾性固定部材、磁気ヨークと被覆部は、共同してチャンバを密封してバックチャンバを形成する。スピーカボックスは、部品を減少させ、機械全体の寸法を縮小し、バックチャンバ空間を拡大し、機械全体の高さを低下させ、磁界の漏れを減少させ、組立工程を簡略化可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカボックスであって、
チャンバを有する後部シェルと、前記後部シェルに固定された弾性固定部材と、前記弾性固定部材に支持され且つ前記後部シェルと間隔を隔てて設けられた発音単体とを含み、前記発音単体の正投影は、前記チャンバ内に位置し、
前記発音単体は、フレームと、それぞれ前記フレームに固定された振動システムと、前記振動システムの振動発音を駆動する磁気回路システムと、前記フレームに蓋設され且つ前記振動システムとともにブロントチャンバを取り囲むフロントカバーとを含み、前記フレーム、前記振動システム及び前記磁気回路システムは、共同して発音用内側チャンバを囲んでおり、
前記磁気回路システムは、磁気ヨークと、前記磁気ヨークの前記振動システムに近接する側に固定された主磁性鋼と、前記主磁性鋼に対して間隔を隔てて周回するように設けられ且つ前記主磁性鋼と共に磁気ギャップを囲む副磁性鋼とを含み、前記発音単体は、前記磁気ヨークによって前記弾性固定部材に支持されており、
前記フロントカバーは、環状を呈し且つ前記フレームに固定された支持部と、前記振動システムと間隔を隔てて対向するカバープレートと、前記支持部の外周縁より、前記カバープレートから離れた方向へ折り曲げて延在し、且つ環状を呈する被覆部とを含み、前記カバープレートの周縁は、前記支持部の内周縁に接続され、前記カバープレートには、貫通する第1音出し孔が開設され、前記被覆部は、前記磁気ヨークの周縁まで延在し且つ前記磁気ヨークと共に前記副磁性鋼を完全に包んでおり、
前記弾性固定部材、前記磁気ヨーク及び前記被覆部は、共同して前記チャンバを密封してバックチャンバを形成することを特徴とするスピーカボックス。
【請求項2】
前記被覆部が前記振動システムの振動方向に垂直な方向に沿って前記磁気回路システムへ投影された正投影は、前記副磁性鋼を完全に覆い且つ少なくとも部分的に前記磁気ヨークを覆うことを特徴とする請求項1に記載のスピーカボックス。
【請求項3】
前記フレームは、前記磁気回路システムの前記振動システムに近接する側に位置し、且つ前記副磁性鋼に固定接続されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカボックス。
【請求項4】
前記被覆部は、前記支持部の外周縁から折り曲げられた後で前記フレームの外周側と前記副磁性鋼の外周側とに貼り合わせられて前記磁気ヨークの周縁へ延在することを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【請求項5】
前記カバープレートは、前記振動システムと間隔を隔てて対向するカバープレート本体と、前記カバープレート本体の周縁から前記支持部に延在し且つ前記支持部の内周縁に接続された延在壁とを含み、前記第1音出し孔は、前記カバープレート本体に開設されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカボックス。
【請求項6】
前記磁気回路システムは、前記主磁性鋼の前記振動システムに近接する側に積層された主ポールプレートと、前記副磁性鋼の前記振動システムに近接する側に蓋設固定された上部クランプ板とを更に含み、前記フレームは、前記上部クランプ板の前記副磁性鋼から離れた側に固定され、前記上部クランプ板は、前記被覆部で囲まれた空間内に位置し、前記上部クランプ板は、環状を呈し且つ前記フレームに固定された固定リングと、前記固定リングから前記主ポールプレートに近接する方向に水平に延在し且つ前記副磁性鋼に積層された副ポールプレートとを含むことを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【請求項7】
前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記磁気ギャップ内に挿設されて懸架されて前記振動膜の振動を駆動するボイスコイルと、前記フレームに固定され且つ前記振動膜に対向して間隔を隔てて設けられた弾性部材とを含み、前記弾性部材は、前記ボイスコイルの前記振動膜から離れた側に接続され、前記支持部は、前記振動膜を前記フレームに押圧固定していることを特徴とする請求項4に記載のスピーカボックス。
【請求項8】
前記振動膜は、サスペンションと、前記サスペンションの内周縁から延在して形成された振動部と、前記振動部に貼り付けられたドーム部と、前記サスペンションの外周縁から延在して形成された固定部と、前記固定部から前記フレームに近接する方向へ折り曲げて延在して形成された垂直壁とを含み、前記ボイスコイルは、前記振動部の前記磁気回路システムに近接する側に固定され、前記支持部は、前記固定部に固定され、前記被覆部は、前記支持部の外周縁から折り曲げられた後で前記垂直壁に密着されて前記磁気ヨークの周縁へ延在することを特徴とする請求項7に記載のスピーカボックス。
【請求項9】
前記弾性部材は、FPCであり、前記弾性部材は、2つあり且つ前記フレームの対向する両側にそれぞれ設けられ、前記弾性部材のそれぞれは、前記フレームに固定された第1固定アームと、それぞれ前記ボイスコイルの前記振動膜から離れた側に固定され且つ前記ボイスコイルに電気的に接続された2つの第2固定アームと、前記第1固定アームの両端からそれぞれ2つの前記第2固定アームに延在して固定接続された2つの弾性アームとを含み、前記弾性部材のうち、一方の弾性部材の前記第1固定アームには、前記ボイスコイルから離れた方向へ延在し且つ前記被覆部を貫通する接続部が設けられ、前記接続部は、前記ボイスコイルに外部電気信号を導入することを特徴とする請求項7に記載のスピーカボックス。
【請求項10】
前記弾性固定部材は、環状を呈し且つ前記後部シェルの周縁位置に固定された第1弾性固定部と、前記第1弾性固定部の対向する両側の一部の内周縁からそれぞれ前記チャンバ内へ折り曲げて延在して形成された弾性延在部と、前記弾性延在部の前記第1弾性固定部から離れた側から折り曲げて延在して形成された弾性支持部と、前記弾性支持部の前記弾性延在部から離れた側から折り曲げて延在し且つ前記後部シェルに固定された第2弾性固定部とを含み、前記磁気ヨークは、前記弾性支持部に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声電気技術分野に属し、特にスピーカボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカボックスは、電気信号を音響信号に変換するトランスデューサ素子であり、一般的には、発音可能な小型電子機器、例えば、携帯電話、ノートパソコン、タブレットコンピュータなどに応用される。
【0003】
従来のスピーカボックスは、主に前部シェル、前部シェルと組み合わせて収容空間を形成する後部シェル、収容空間内に収容固定された発音単体及び後部シェルに固定された金属ドーム及び支持フォームを含み、前部シェル、後部シェル及び発音単体は、共にバックチャンバを囲み、発音単体は、金属ドーム及び支持フォームに固定される。このようなスピーカボックスは、前部シェルと後部シェル及び発音単体を嵌合して共にバックチャンバを囲む必要があるだけでなく、金属ドームと支持フォームが共に発音単体を弾性支持する必要があり、それによりその部品が多すぎ、サイズが大きすぎ、バックチャンバ空間が小さい。
【0004】
また、発音単体は、フレーム、それぞれフレームに固定された振動システム及び前記振動システムの振動を駆動する磁気回路システム、並びに、前記フレームに蓋設され且つ前記振動システムとともにフロントチャンバを取り囲むフロントカバーを含み、その中、フロントカバーの防水両面テープは、その最高平面に貼設し且つ密封することしかできないため、その機械全体の高さが大きすぎる。
【0005】
磁気回路システムは、実際の需要に応じて単一磁気回路構造、三磁気回路構造及び五磁路構造等に分けられ、単一磁気回路構造は、磁性ヨークと前記磁性ヨークに収容固定された磁性鋼を含む。
【0006】
従来の発音単体は、形状、コスト及び駆動力などの需要により、その磁性ヨークがフランジングする時に磁性鋼を包むことができず、これは、大量の磁界が漏れることをもたらし、したがって、磁界漏洩による全体構造にジッタが発生する現象を低減するために、更に磁性ヨークの周縁部分に接着剤を補充する必要があり、これによりスピーカボックスの製造工程が複雑であり、且つ時間を浪費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、どのように部品が少なく、サイズが小さく、バックチャンバ空間が大きく、機械全体の高さが小さく、且つその発音単体が磁気ヨークの周縁部分に接着剤を補充する必要がなく磁界漏洩を低減することができるスピーカボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の手段を講じる。本発明は、スピーカボックスを提供し、当該スピーカボックスは、チャンバを有する後部シェルと、前記後部シェルに固定された弾性固定部材と、前記弾性固定部材に支持され且つ前記後部シェルと間隔を隔てて設けられた発音単体とを含み、前記発音単体の正投影は、前記チャンバ内に位置し、前記発音単体は、フレームと、それぞれ前記フレームに固定された振動システムと、前記振動システムの振動発声を駆動する磁気回路システムと、前記フレームに蓋設され且つ前記振動システムとともにブロントチャンバを取り囲むフロントカバーとを含み、前記フレーム、前記振動システム及び前記磁気回路システムは、共同して発音用内側チャンバを囲んでおり、前記磁気回路システムは、磁気ヨークと、前記磁気ヨークの前記振動システムに近接する側に固定された主磁性鋼と、前記主磁性鋼に対して間隔を隔てて周回するように設けられ且つ前記主磁性鋼と共に磁気ギャップを囲む副磁性鋼とを含み、前記発音単体は、前記磁気ヨークによって前記弾性固定部材に支持されており、前記フロントカバーは、環状を呈し且つ前記フレームに固定された支持部と、前記振動システムと間隔を隔てて対向するカバープレートと、前記支持部の外周縁より、前記カバープレートから離れた方向へ折り曲げて延在し、且つ環状を呈する被覆部とを含み、前記カバープレートの周縁は、前記支持部の内周縁に接続され、前記カバープレートには、それを貫通する第1音出し孔が開設され、前記被覆部は、前記磁気ヨークの周縁まで延在し且つ前記磁気ヨークと共に前記副磁性鋼を完全に包んでおり、前記弾性固定部材、前記磁気ヨーク及び前記被覆部は、共同して前記チャンバを密封してバックチャンバを形成する。
【0009】
更に、前記被覆部が前記振動システムの振動方向に垂直な方向に沿って前記磁気回路システムへ投影された正投影は、前記副磁性鋼を完全に覆い且つ少なくとも部分的に前記磁気ヨークを覆う。
【0010】
更に、前記フレームは、前記磁気回路システムの前記振動システムに近接する側に位置し、且つ前記副磁性鋼に固定接続されている。
【0011】
更に、前記被覆部は、前記支持部の外周縁から折り曲げられた後で前記フレームの外周側と前記副磁性鋼の外周側とに貼り合わせられて前記磁気ヨークの周縁へ延在する。
【0012】
更に、前記カバープレートは、前記振動システムと間隔を隔てて対向するカバープレート本体と、前記カバープレート本体の周縁から前記支持部に延在し且つ前記支持部の内周縁に接続された延在壁とを含み、前記第1音出し孔は、前記カバープレート本体に開設されている。
【0013】
更に、前記磁気回路システムは、前記主磁性鋼の前記振動システムに近接する側に積層された主ポールプレートと、前記副磁性鋼の前記振動システムに近接する側に蓋設固定された上部クランプ板とを更に含み、前記フレームは、前記上部クランプ板の前記副磁性鋼から離れた側に固定され、前記上部クランプ板は、前記被覆部で囲まれた空間内に位置し、前記上部クランプ板は、環状を呈し且つ前記フレームに固定された固定リングと、前記固定リングの前記主ポールプレートに近接する方向に水平に延在し且つ前記副磁性鋼に積層された副ポールプレートとを含む。
【0014】
更に、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記磁気ギャップ内に挿設されて懸架されて前記振動膜の振動を駆動するボイスコイルと、前記フレームに固定され且つ前記振動膜に対向して間隔を隔てて設けられた弾性部材とを含み、前記弾性部材は、前記ボイスコイルの前記振動膜から離れた側に接続され、前記支持部は、前記振動膜を前記フレームに押圧固定している。
【0015】
更に、前記振動膜は、サスペンションと、前記サスペンションの内周縁から延在して形成された振動部と、前記振動部に貼り付けられたドーム部と、前記サスペンションの外周縁から延在して形成された固定部と、前記固定部から前記フレームに近接する方向へ折り曲げて延在して形成された垂直壁とを含み、前記ボイスコイルは、前記振動部の前記磁気回路システムに近接する側に固定され、前記支持部は、前記固定部に固定され、前記被覆部は、前記支持部の外周縁から折り曲げられた後で前記垂直壁に密着されて前記磁気ヨークの周縁へ延在する。
【0016】
更に、前記弾性部材は、FPCであり、前記弾性部材は、2つあり且つ前記フレームの対向する両側にそれぞれ設けられており、前記弾性部材のそれぞれは、前記フレームに固定された第1固定アームと、それぞれ前記ボイスコイルの前記振動膜から離れた側に固定され且つ前記ボイスコイルに電気的に接続された2つの第2固定アームと、前記第1固定アームの両端からそれぞれ2つの前記第2固定アームに延在して固定接続された2つの弾性アームとを含み、前記弾性部材のうち、一方の弾性部材の前記第1固定アームには、前記ボイスコイルから離れた方向に延在し且つ前記被覆部を貫通する接続部が設けられ、前記接続部は、前記ボイスコイルに外部電気信号を導入する。
【0017】
更に、前記弾性固定部材は、環状を呈し且つ前記後部シェルの周縁位置に固定された第1弾性固定部と、前記第1弾性固定部の対向する両側の一部の内周縁からそれぞれ前記チャンバ内へ折り曲げて延在して形成された弾性延在部と、前記弾性延在部の前記第1弾性固定部から離れた側から折り曲げて延在して形成された弾性支持部と、前記弾性支持部の前記弾性延在部から離れた側から折り曲げて延在し且つ前記後部シェルに固定された第2弾性固定部とを含み、前記磁気ヨークは、前記弾性支持部に支持されている。
【発明の効果】
【0018】
従来の技術に比べて、本発明のスピーカボックスのフロントカバーは、環状を呈し且つフレームに固定された支持部、振動システムと間隔を隔てて対向するカバープレート及び支持部の外周縁からカバープレートから離れた方向に折り曲げて延在し且つ環状を呈する被覆部を含み、且つ被覆部は、磁気ヨークの周縁まで延在し磁気ヨークと共に副磁性鋼を完全に包み、発音単体は、磁気ヨークにより弾性固定部材に弾性的に支持され、弾性固定部材、磁気ヨーク及び被覆部は、共に後部シェルのチャンバを密封してバックチャンバを形成し、すなわちフロントカバーの被覆部により弾性固定部材及び磁気ヨークを嵌合して後部シェルのチャンバを密封してバックチャンバを形成し、弾性固定部材により発音単体を直接的に弾性支持することができ、このように前部シェルと支持フォームの設置を減少させ、組立工程を簡略化し、製造コストを低減し、更に発音単体の支持設計を簡略化し、バックチャンバ空間を拡大するとともに、外形寸法を単体の外形寸法に減少させ、配置空間を節約し、更に防水両面テープを低い支持部平面に貼り付けて防水することができ、それにより機械全体の高さを低下させ、また、フロントカバーの被覆部は、磁気ヨークを嵌合して主磁性鋼及び副磁性鋼を完全に包み、それにより磁界の漏れを減少させ、このように磁気ヨークの周縁部分に接着剤を補充する必要がなく、発音単体の組立工程を簡略化する。
【0019】
本発明の実施例又は従来の技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来の技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、単に本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例に関わるスピーカボックスの構造を示す分解模式図である。
【
図2】本発明の実施例に関わるスピーカボックスの全体構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の目的、解決手段および利点がより明確になるように、図面および実施例を結合しながら、本発明を更に詳細に説明する。ここで記載される具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ用いられ、本発明を限定することに用いられるものではないと理解されるべきである。
【0022】
図1~
図4に示すように、本発明の実施例は、スピーカボックスを提供し、それは、チャンバ50を有する後部シェル5、後部シェル5に固定された弾性固定部材6、弾性固定部材6に支持され且つ後部シェル5と間隔を隔てて設けられた発音単体100を含み、発音単体100の正投影は、チャンバ50内に位置し、発音単体100は、フレーム1、それぞれフレーム1に固定された振動システム2、振動システム2の振動発声を駆動する磁気回路システム3、及び、フレーム1に蓋設され且つ振動システム2とともにフロントチャンバ10を囲むフロントカバー4を含み、フレーム1、振動システム2及び磁気回路システム3は、共同して発音用内側チャンバ20を囲み、フロントカバー4には、それを貫通する第1音出し孔40が開設されている。
【0023】
本実施例において、フレーム1は、矩形枠体であり、当然のことながら、実際の需要に応じて、それは、更に他の形状の枠体、例えば楕円形枠体、台形枠体などを選択してもよい。
【0024】
本実施例において、振動システム2は、フレーム1に固定された振動膜21、磁気回路システム3の磁気ギャップ30内に挿設されて懸架されて振動膜21を振動させるように駆動するボイスコイル22、及び、フレーム1に固定され且つ振動膜21に対向して間隔を隔てて設けられた弾性部材23を含む。
【0025】
その中、弾性部材23は、ボイスコイル22の振動膜21から離れた側に電気的に接続される。
【0026】
本実施例において、振動膜21は、サスペンション211、サスペンション211の内周縁から延在して形成された振動部212、振動部212に貼り付けられたドーム部213、サスペンション211の外周縁から延在して形成された固定部214、及び、固定部214からフレーム1に近接する方向に折り曲げて延在して形成された垂直壁215を含み、ボイスコイル22は、振動部212の磁気回路システム3に近接する側に固定されている。
【0027】
フロントカバー4は、振動膜21のサスペンション211、振動部212及びドーム部213と共にフロントチャンバ10を囲む。
【0028】
サスペンション211は、フロントカバー4から離れた方向に折り曲げられ、このように、限られた配置空間内に、サスペンション211とフロントカバー4との間隔距離を増加させ、すなわちフロントチャンバ10の空間を増加させることにより、スピーカボックスの音響性能を向上させる。
【0029】
本実施例において、弾性部材23は、FPC(フレキシブル回路基板)であり、弾性部材23は、2つあり且つフレーム1の対向する両側にそれぞれ設けられ、各弾性部材23は、フレーム1に固定された第1固定アーム231、ボイスコイル22の振動膜21から離れた側にそれぞれ固定され且つボイスコイル22に電気的に接続された2つの第2固定アーム232、及び、第1固定アーム231の両端からそれぞれ2つの第2固定アーム232に延在して固定接続された2つの弾性アーム233を含む。
【0030】
ここで、ボイスコイル22は、矩形構造であり、各弾性部材23における2つの第1固定アーム231は、ボイスコイル22の隣接する2つの角部位置に固定される。
【0031】
本実施例において、磁気回路システム3は、磁気ヨーク31、磁気ヨーク31の振動システム2に近接する側に固定された主磁性鋼32、及び、主磁性鋼32に対して間隔を隔てて周回するように設けられ且つ主磁性鋼32と共に磁気ギャップ30を囲む副磁性鋼33を含む。
【0032】
ここで、副磁性鋼33は、4つあり、且つ2つずつが主磁性鋼32の対向する両側に設けられている。当然のことながら、実際の需要に応じて2つのみを設置してもよい。
【0033】
本実施例において、フレーム1は、磁気回路システム3の振動システム2に近接する側に位置し、且つ副磁性鋼33に固定接続される。
【0034】
本実施例において、磁気回路システム3は、主磁性鋼32の振動膜21に近接する側に積層された主ポールプレート34、及び、フレーム1に固定され且つ副磁性鋼33の振動膜21に近接する側に蓋設固定された上部クランプ板35を更に含み、上部クランプ板35は、環状を呈し且つフレーム1に固定された固定リング351、及び、固定リング351から主ポールプレート34に近接する方向に水平に延在し且つ副磁性鋼33に積層された副ポールプレート352を含む。
【0035】
ここで、副ポールプレート352は、4つあり且つ4つの副磁性鋼33と一対一で対応する。
【0036】
本実施例において、フレーム1は、上部クランプ板35の、固定リング351の副磁性鋼33から離れた側に固定され、すなわちフレーム1は、間接的に副磁性鋼33に固定接続される。
【0037】
本実施例において、弾性部材23の第1固定アーム231は、固定リング351のフレーム1から離れた側に固定され、すなわち弾性部材23は、上部クランプ板35によってフレーム1に間接的に固定される。
【0038】
本実施例において、フロントカバー4は、環状を呈し且つフレーム1に固定された支持部41、振動システム2により間隔を隔てて対向するカバープレート42、及び、支持部41の外周縁からカバープレート42から離れた方向に折り曲げて延在し且つ環状を呈する被覆部43を含み、カバープレート41の周縁は、支持部41の内周縁に接続され、被覆部43は、磁気ヨーク31の周縁まで延在し且つ磁気ヨーク31と共に副磁性鋼33を完全に包んでいる。
【0039】
ここで、被覆部43は、磁気ヨーク31の周縁まで延在し且つ磁気ヨーク31と共に副磁性鋼33を包み、このように、被覆部43と磁気ヨーク31との連携により、主磁性鋼32と副磁性鋼33とで形成された磁界の漏れを減少させることができ、且つ磁気ヨーク31の周縁部分に接着剤を補充する必要がなく、スピーカボックスの製造工程を簡略化する。
【0040】
本実施例において、カバープレート42は、振動システム1と間隔を隔てて対向するカバープレート本体422、及び、カバープレート本体422の周縁から支持部41に延在して支持部41の内周縁に接続された延在壁421を含む。
【0041】
ここで、カバー本体422は、振動膜21のドーム部213、振動部212及び一部のサスペンション211と間隔を隔てて対向する。
【0042】
第1音出し孔40は、カバー本体422に設けられるとともに、第1音出し孔40には、第1通気離隔材7が蓋設されている。
【0043】
支持部41、延在壁421及びカバー本体422は、振動膜21と共にフロントチャンバ10を囲む。
【0044】
支持部41は、振動膜21の固定部214をフレーム1の磁気回路システム3から離れた側に押圧固定し、すなわち支持部41は、振動膜21の固定部214を介してフレーム1に間接的に固定される。
【0045】
その中の1つの弾性部材23の第1固定アーム231には、ボイスコイル22から離れた方向へ延在し且つ被覆部43及び後部シェル5を順に貫通する接続部234が設けられ、接続部234は、ボイスコイル22に外部電気信号を導入するために用いられる。
【0046】
上部クランプ35は、被覆部43で囲まれた空間内に位置する。
【0047】
本実施例において、被覆部42が振動膜21の振動方向に垂直な方向に沿って磁気回路システム3へ投影された正投影は、副磁性鋼33を完全に覆い且つ少なくとも部分的に磁気ヨーク31を覆う。このように副磁性鋼33を被覆部43と磁気ヨーク31とで形成された空間内に被覆することにより、磁界の漏れをよりよく低減することができる。
【0048】
更に、被覆部43は、支持部41の外周縁から折り曲げられた後でフレーム1の外周側と副磁性鋼33の外周側とに貼り合わせられ磁気ヨーク31の周縁へ延在する。すなわち本実施例では、被覆部43は、支持部41の外周縁から折り曲げられた後で振動膜21の垂直壁215に密着されて磁気ヨーク31の周縁へ延在する。このようにしてスピーカボックス全体の体積を縮小することができ、且つ被覆部43と磁気ヨーク31の周縁との間の隙間を縮小することにより、磁界の漏れを更に低減する。
【0049】
ここで、被覆部43は、磁気ヨーク31の周縁まで直接延在し且つそれと貼り合わせることができ、このように被覆部43と磁気ヨーク31の周縁との間の隙間を更に縮小することができ、それにより磁界の漏れをより一層低減する。
【0050】
本実施例において、後部シェル5には、貫通する第2音出し孔70が設けられるとともに、第2音出し孔70の位置には、更に第2通気離隔材8が設けられる。
【0051】
本実施例において、弾性固定部材6は、環状を呈し且つ後部シェル5の周縁位置に固定された第1弾性固定部61、第1弾性固定部61の対向する両側の一部の内周縁からそれぞれチャンバ50内に折り曲げて延在して形成された弾性延在部62、弾性延在部62の第1弾性固定部61から離れた側に折り曲げて延在して形成された弾性支持部63、弾性支持部63の弾性延在部62から離れた側から折り曲げて延在し且つ後部シェル5に固定された第2弾性固定部64を含む。
【0052】
ここで、弾性支持部63は、弾性延在部62より、第1弾性固定部61から離れた方向へ折り曲げて延在し、第2弾性固定部64は、弾性支持部63より、発音単体100から離れた方向に折り曲げて延在し、且つその延在する端部は、更に弾性支持部63から離れた方向に折り曲げて延在することにより、後部シェル5と磁気ヨークとが対向する平面に安定して貼り付けて固定される。第1弾性固定部61と弾性支持部63は、互いに平行に設けられ、且ついずれも振動システム2の振動方向に垂直である。
【0053】
本実施例において、発音単体100は、磁気ヨーク31によって弾性固定部材6に支持され、すなわち磁気ヨーク31が磁気回路システム3から離れる側は、弾性支持部63に弾性支持される。
【0054】
本実施例において、弾性固定部材6、磁気ヨーク31及び被覆部43は、共同してチャンバ50を密封してバックチャンバ60を形成し、即ち被覆部43は、弾性固定部材6における第1弾性固定部61の内周縁と弾性延在部62の内側面とそれぞれ貼り合わせて設けられ、このように弾性固定部材6、磁気ヨーク31及び被覆部43は、チャンバ50を密封してバックチャンバ60を形成することができる。
【0055】
従来の技術に比べて、本発明のスピーカボックスのフロントカバー4は、環状を呈し且つフレーム1に固定された支持部41、振動システム2と間隔を隔てて対向するカバープレート42、及び、支持部41の外周縁からカバープレート42から離れた方向に折り曲げて延在し且つ環状を呈する被覆部43を含み、且つ被覆部43は、磁気ヨーク31の周縁まで延在し且つ磁気ヨーク31と共に副磁性鋼33を完全に包み、発音単体100は、磁気ヨーク31によって弾性固定部材6に弾性支持され、弾性固定部材6、磁気ヨーク31及び被覆部43は、共同して後部シェル5のチャンバ50を密封してバックチャンバ60を形成し、即ちフロントカバー4の被覆部43により弾性固定部材6及び磁気ヨーク31を嵌合して後部シェル5のチャンバ50を密封してバックチャンバ60を形成し、弾性固定部材6により発音単体100を直接的に弾性支持することができ、このように前部シェルと支持フォームの設置を減少させるだけでなく、組立工程を簡略化し、製造コストを低減し、更に発音単体100の支持設計を簡略化し、バックチャンバ60の空間を拡大するとともに、外形寸法を単体の外形寸法に減少させ、配置空間を節約し、更に防水両面テープを低い支持部41の平面に貼り付けて防水することができ、それにより機械全体の高さを低下させ、また、フロントカバー4の被覆部43は、磁気ヨーク31と嵌合して主磁性鋼32及び副磁性鋼33を完全に包み、それにより磁界の漏れを減少させ、このように磁気ヨーク31の周縁部分に接着剤を補充する必要がなく、発音単体100の組立工程を簡略化する。
【0056】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
(符号の説明)
【0057】
100 発音単体、1 フレーム、2 振動システム、21 振動膜、211 サスペンション、212 振動部、213 ドーム部、214 固定部、215 垂直壁、22 ボイスコイル、23 弾性部材、231 第1固定アーム、232 第2固定アーム、233 弾性アーム、234 接続部、3 磁気回路システム、31 磁気ヨーク、32 主磁性鋼、33 副磁性鋼、34 主ポールプレート、35 上部クランプ板、351 固定リング、352 副ポールプレート、4 フロントカバー、41 支持部、42 カバープレート、421 延在壁、422 カバープレート本体、43 被覆部、5 後部シェル、6 弾性固定部材、61 第1弾性固定部、62 弾性延在部、63 弾性支持部、64 第2弾性固定部、7 第1通気離隔材、8 第2通気離隔材、10 フロントチャンバ、20 発音用内側チャンバ、30 磁気ギャップ、40 第1音出し孔、50 チャンバ、60 バックチャンバ、70 第2音出し孔
【国際調査報告】