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特表2024-533895マイクロフォンチップ及びマイクロフォン
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  • 特表-マイクロフォンチップ及びマイクロフォン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(54)【発明の名称】マイクロフォンチップ及びマイクロフォン
(51)【国際特許分類】
   H04R 19/04 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
H04R19/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578657
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2022119520
(87)【国際公開番号】W WO2024040652
(87)【国際公開日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】202222267738.7
(32)【優先日】2022-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】A-Block, Nanjing University Research Center Shenzhen Branch, No.6 Yuexing 3rd Road, South Hi-Tech Industrial Park, Nanshan District, Shenzhen Guangdong 518057 People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲凱▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲転▼▲転▼
(72)【発明者】
【氏名】王 琳琳
【テーマコード(参考)】
5D021
【Fターム(参考)】
5D021CC02
5D021CC07
(57)【要約】
【課題】本願はマイクロフォンチップ及びマイクロフォンに関する。
【解決手段】
マイクロフォンチップは、振動膜と、バックプレートとを含み、振動膜には、複数のプリーツが設置され、バックプレートの振動膜に近接する側に突起が設置され、バックプレートに垂直な方向に沿って、突起の振動膜での投影の外輪郭は、プリーツの外輪郭と交差しない。バックプレートの振動膜に近接する側に電極シートが設置され、振動膜のバックプレートに近接する側にも電極が設置されるため、電極シートと振動膜がコンデンサシステムを形成し、バックプレートに音孔が設置され、音波が音孔を通って振動膜が振動するように駆動する場合、電極シートと振動膜との間の距離が変化し、コンデンサシステムの容量値が変化し、それにより音波信号を電気信号に変換する。バックプレートに垂直な方向に沿って、突起の振動膜での投影の外輪郭は、プリーツの外輪郭と交差しない。これにより、外部振動又はエアブローが大きすぎるなどの過程で突起がプリーツの側壁に接触して係止されて、振動膜とバックプレートがくっ付き、マイクロフォンチップの正常な動作に影響を与えることを防止する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンチップであって、
振動膜(4)と、バックプレート(1)とを含み、
前記振動膜(4)には、複数のプリーツ(41)が設置され、
前記バックプレート(1)の前記振動膜(4)に近接する側に突起(3)が設置され、前記バックプレート(1)に垂直な方向に沿って、前記突起(3)の前記振動膜(4)での投影の外輪郭は、前記プリーツ(41)の外輪郭と交差しないことを特徴とするマイクロフォンチップ。
【請求項2】
前記バックプレート(1)に垂直な方向に沿って、前記突起(3)の前記振動膜(4)での投影は、隣接する前記プリーツ(41)の間に位置することを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項3】
前記バックプレート(1)に垂直な方向に沿って、前記プリーツ(41)は、前記突起(3)の前記振動膜(4)での投影を覆うことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項4】
前記突起(3)の幅はD1であり、下記の条件式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
0.1μm≦D1≦5μm (1)
【請求項5】
前記プリーツ(41)の幅はD2であり、下記の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
1μm≦D2≦20μm (2)
【請求項6】
複数の前記プリーツ(41)は、前記振動膜(4)の周方向に沿って設置され、複数の前記プリーツ(41)の中心は、前記振動膜(4)の中心と重なることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項7】
前記プリーツ(41)は、円形又は多角形であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項8】
前記突起(3)は、複数設置され、隣接する前記突起(3)の間の距離はLであり、下記の条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のマイクロフォンチップ。
10μm≦L≦100μm (3)
【請求項9】
前記突起(3)の高さはHであり、下記の条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のマイクロフォンチップ。
0.1μm≦H≦5μm (4)
【請求項10】
マイクロフォンであって、
本体と、請求項1~9のいずれか一項に記載のマイクロフォンチップとを含み、前記マイクロフォンチップは、前記本体に設置されていることを特徴とするマイクロフォン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフォン技術分野に関し、特にマイクロフォンチップ及びマイクロフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロフォンチップは、一般的にバックプレートと、振動膜と、ベースとを含み、バックプレート及び振動膜はいずれもベースに固定され、振動膜には、振動膜の剛性を低減させるプリーツが設置され、バックプレートには、振動膜とバックプレートとの吸着を防止する突起が設置され、一部の突起がプリーツのエッジに対応するため、振動膜は、外部振動又はエアブローが大きすぎる等の過程において、突起がプリーツに係止される現象が発生し、それによりマイクロフォンチップの動作に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の目的は、マイクロフォンチップ及びマイクロフォンを提供することであり、当該マイクロフォンチップは、突起が振動膜のプリーツと係止しやすいという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は、マイクロフォンチップを提供し、前記マイクロフォンチップは、振動膜と、バックプレートとを含み、前記振動膜には、複数のプリーツが設置され、前記バックプレートの前記振動膜に近接する側に突起が設置され、前記バックプレートに垂直な方向に沿って、前記突起の前記振動膜での投影の外輪郭は、前記プリーツの外輪郭と交差しない。
【0005】
可能な設計において、前記バックプレートに垂直な方向に沿って、前記突起の前記振動膜での投影は、隣接する前記プリーツの間に位置する。
【0006】
可能な設計において、前記バックプレートに垂直な方向に沿って、前記プリーツは、前記突起の前記振動膜での投影を覆う。
【0007】
可能な設計において、前記突起の幅はD1であり、条件式(1)を満たす。
0.1μm≦D1≦5μm (1)
【0008】
可能な設計において、前記プリーツの幅はD2であり、条件式(2)を満たす。
1μm≦D2≦20μm (2)
【0009】
可能な設計において、複数の前記プリーツは、前記振動膜の周方向に沿って設置され、複数の前記プリーツの中心は、前記振動膜の中心と重なる。
【0010】
可能な設計において、前記プリーツは、円形又は多角形である。
【0011】
可能な設計において、前記突起は、複数設置され、隣接する前記突起の間の距離はLであり、条件式(3)を満たす。
10μm≦L≦100μm (3)
【0012】
可能な設計において、前記突起の高さはHであり、条件式(4)を満たす。
0.1μm≦H≦5μm (4)
【0013】
本願の実施例は、マイクロフォンを提供し、前記マイクロフォンは、本体と、上記前記マイクロフォンチップとを含み、前記マイクロフォンチップは、前記本体に設置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は、バックプレートに垂直な方向に沿って、突起の振動膜での投影の外輪郭は、プリーツの外輪郭と交差しない。これにより、外部振動又はエアブローが大きすぎるなどの過程で突起がプリーツの側壁に接触して係止されて、振動膜とバックプレートとがくっ付き、マイクロフォンチップの正常な動作に影響を与えることを防止する。具体的には、バックプレートの振動膜に近接する側に電極シートが設置され、振動膜のバックプレートに近接する側にも電極が設置されるため、電極シートと振動膜がコンデンサシステムを形成し、バックプレートに音孔が設置され、音波が音孔を通って振動膜を振動するように駆動する場合、電極シートと振動膜との間の距離が変化し、コンデンサシステムの容量値が変化し、それにより音波信号を電気信号に変換する。また、振動膜のプリーツは、振動膜の剛性を低減させ、振動膜の柔軟性を向上させることができ、振動膜の音波に対する反応をより敏感にし、それによりマイクロフォンチップが音波信号を電気信号に変換する確率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
理解すべきことは、以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではない。
図1】本願の提供するマイクロフォンチップの具体的な実施例における構造概略図である。
図2図1の断面図である。
図3図2におけるA領域の部分拡大図である。
図4図1におけるマイクロフォンチップのバックプレート及び電極シートを含まない上面図である。
【0016】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成し、本願に合致する実施例を示し、かつ明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の技術案をよりよく理解するために、以下は、添付の図面を参照して本願の実施例を詳細に説明する。
【0018】
説明した実施例は、本願の実施例の一部にすぎず、すべての実施形態ではないことは明らかである。本願の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本願の保護範囲に含まれる。
【0019】
本願の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的とし、本願を限定する意図はない。本願の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1種」、「前記」および「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数の形を含むことも意図される。
【0020】
理解すべきことは、本明細書で使用される用語“及び/又は”は関連対象の関連関係を説明するだけであり、三種類の関係が存在してもよく、例えば、A及び/又はBは、以下の関係を表すことができ、単独でAが存在し、同時にAとBが存在し、Bが単独で存在するという三種類の状況が存在する。なお、ここで符号「/」とは、一般に、前後関連オブジェクトが「または」の関係であることを意味する。
【0021】
なお、本願の実施例に記載の「上」、「下」、「左」、「右」等の向きを示す用語は、図面の示す角度から記載したものであり、本願実施例を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、この文脈では、ある要素が別の要素に「上」または「下」に接続されていると記載される場合、他の要素に「上」または「下」に直接接続することができるだけでなく、中間要素を介して、別の要素の「上」または「下」に間接的に接続されてもよいと理解されるべきである。
【0022】
本願は、マイクロフォンチップを提供し、当該マイクロフォンチップは、突起が振動膜におけるプリーツと係止しやすいという問題を解決する。図1図4に示すように、マイクロフォンチップは、振動膜4と、バックプレート1とを含み、振動膜4に複数のプリーツ41が設置され、バックプレート1の振動膜4に近接する側に突起3が設置され、バックプレート1に垂直な方向に沿って、突起3の振動膜4での投影の外輪郭は、プリーツ41の外輪郭と交差しない。
【0023】
本実施形態では、図3及び図4に示すように、バックプレート1に垂直な方向に沿って、突起3の振動膜4での投影の外輪郭は、プリーツ41の外輪郭と交差しない。これにより、外部振動又はエアブローが大きすぎるなどの過程で突起3がプリーツ4の側壁と接触して係止されて、振動膜4とバックプレート1とがくっ付き、マイクロフォンチップの正常な動作に影響を与えることを防止する。
【0024】
具体的には、バックプレート1の振動膜4に近接する側に電極シート2が設置され、振動膜4のバックプレート1に近接する側にも電極が設置されるため、電極シート2と振動膜4がコンデンサシステムを形成する。バックプレート1に音孔11が設置され、音波が音孔11を通って振動膜4が振動するように駆動する時、電極シート2と振動膜4との間の距離が変化し、コンデンサシステムの容量値が変化し、それにより音波信号を電気信号に変換する。また、振動膜4のプリーツ41は、振動膜4の剛性を低減させ、振動膜4の柔軟性を向上させることができ、振動膜4の音波に対する反応をより敏感にし、それによりマイクロフォンチップが音波信号を電気信号に変換する確率を向上させる。
【0025】
また、突起3は、バックプレート1と一体成形されることができ、接着等の方式でバックプレート1に接続されてもよい。マイクロフォンチップは、ベース5をさらに含み、バックプレート1及び振動膜4はいずれもベース5に固定接続される。
【0026】
具体的な実施形態において、図4に示すように、バックプレート1に垂直な方向に沿って、突起3の振動膜4での投影は、隣接するプリーツ41の間に位置する。
【0027】
本実施形態において、図4に示すように、突起3の振動膜4での投影は、隣接するプリーツ41の間に位置する場合、突起3は、プリーツ41の側壁と接触して係止されにくく、一方で、突起3は、振動膜4がバックプレート1と接触することを防止することができ、それによりマイクロフォンチップの正常な動作を保証する。
【0028】
具体的な実施形態において、バックプレート1に垂直な方向に沿って、プリーツ41が突起3の振動膜4での投影を覆う。
【0029】
本実施形態では、プリーツ41が突起3の振動膜4での投影を覆い、すなわち突起3の振動膜4での投影は、プリーツ41の底壁と完全に重なり、外部振動又はエアブローが大きすぎるなどの過程において、突起3は、プリーツ41の側壁と接触することがない。これにより、突起3とプリーツ41との係止を防止し、さらにマイクロフォンチップの動作の信頼性を保証する。
【0030】
具体的な実施形態において、図4に示すように、突起3の幅D1は、0.1μm≦D1≦5μmを満たす。例えば、D1は具体的に0.1μm、1μm、2μm、3μm、5μmなどであってもよい。
【0031】
本実施形態において、図4に示すように、突起3の幅D1は、大きすぎても小さすぎてもいけない。突起3の幅D1が大きすぎる(例えば5μmより大きい)と、突起3は、振動膜4が移動できる空間範囲を減少させ、マイクロフォンチップの動作に影響を与える。突起3の幅D1が小さすぎる(例えば0.1μmより小さい)と、突起3が振動膜4と接触できる面積が小さすぎ、振動膜3とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができず、短絡を引き起こし、さらにマイクロフォンチップの動作に影響を与える。したがって、突起3の幅D1が0.1μm≦D1≦5μmを満たす場合のみに、振動膜4に大きな移動範囲を確保すると同時に、振動膜4とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができる。
【0032】
具体的な実施形態において、図4に示すように、プリーツ41の幅D2は、1μm≦D2≦20μmを満たす。例えば、D2は具体的に1μm、5μm、10μm、15μm、20μmなどであってもよい。
【0033】
本実施形態では、図4に示すように、プリーツ41の幅D2は、大きすぎても小さすぎてもいけない。プリーツ41の幅D2が大きすぎる(例えば20μmより大きい)と、プリーツ41の振動膜4に対する剛性が過度に低下し、振動膜4が柔らかすぎ、音波の作用で、振動膜4の運動幅が大きすぎ、突起3と当接する回数が多すぎ、マイクロフォンチップが音波信号を電気信号に変換する確率に影響を与える。プリーツ41の幅D2が小さすぎる(例えば1μmより小さい)と、振動膜4の剛性が大きく、音波の作用で、振動膜4の運動の振幅が小さすぎ、マイクロフォンチップが音波信号を電気信号に変換する確率に影響を与える。したがって、プリーツ41の幅D2は、1μm≦D2≦20μmを満たす場合のみに、音波の作用で、振動膜4の運動範囲がちょうど音波信号を電気電気信号に正確に変換することを保証することができる。
【0034】
具体的な実施形態において、図4に示すように、複数のプリーツ41は、振動膜4の周方向に沿って設置され、複数のプリーツ41の中心は、振動膜4の中心と重なる。
【0035】
本実施形態において、図4に示すように、複数のプリーツ41は、振動膜4の周方向に沿って設置され、複数のプリーツ41の中心は、振動膜4の中心と重なり、それにより振動膜4における異なる位置での剛性を近接させ、振動膜4が音波の作用で異なる位置で運動する変位を近接させ、それによりマイクロフォンチップが音波信号を電気信号に変換する効果がよい。
【0036】
具体的な実施形態において、図4に示すように、プリーツ41は、円形又は多角形である。
【0037】
本実施形態では、図4に示すように、プリーツ41の形状は、円形、多角形などの形状に設置することができる。具体的には、振動膜4の形状が円形である場合、プリーツ41を円形にすることができ、それにより、振動膜4に多くのプリーツ41を設置することができ、同時に振動膜4の音波作用での運動もより対称的である。同様に、振動膜4が正六角形である場合、プリーツ41は、正六角形又は円形にされてもよい。
【0038】
具体的な実施形態において、図4に示すように、突起3は、複数設置され、隣接する突起3の間の距離Lは、10μm≦L≦100μmを満たす。例えば、Lは具体的に10μm、30μm、60μm、80μm、100μmなどであってもよい。
【0039】
本実施形態において、図4に示すように、隣接する突起3の間の距離Lは、大きすぎても小さすぎてもいけない。隣接する突起3の間の距離Lが大きすぎる(例えば100μmより大きい)と、突起3は、振動膜4とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができず、それにより短絡を引き起こし、マイクロフォンチップの動作に影響を与える。隣接する突起3の間の距離Lが小さすぎる(例えば10μmより小さい)と、突起3は、振動膜4が移動できる空間範囲を減少させ、マイクロフォンチップの動作に影響を与える。したがって、隣接する突起3の間の距離Lは、10μm≦L≦100μmを満たすだけで、振動膜4に大きな運動空間を確保することを保証すると同時に、振動膜4とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができる。
【0040】
具体的な実施形態において、図3に示すように、突起3の高さHは、0.1μm≦H≦5μmを満たす。例えば、Hは具体的に0.1μm、1μm、2μm、3μm、5μmなどであってもよい。
【0041】
本実施形態において、図3に示すように、突起3の高さHは、大きすぎても小さすぎてもいけない。突起3の高さHが大きすぎる(例えば5μmより大きい)と、突起3は、振動膜4が移動できる空間範囲を減少させ、マイクロフォンチップの動作に影響を与える。突起3の高さHが小さすぎる(例えば0.1μmより小さい)と、突起3は、振動膜4とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができず、短絡を引き起こしやすく、さらにマイクロフォンチップの動作に影響を与える。したがって、突起3の高さHは、0.1μm≦H≦5μmを満たす場合のみに、振動膜4に大きな運動空間を確保することを保証すると同時に、振動膜4とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができる。
【0042】
本願の実施例は、マイクロフォンを提供し、マイクロフォンは、本体と、マイクロフォンチップとを含み、マイクロフォンチップは、本体に設置される。本実施形態において、本願が提供するマイクロフォンチップが設置されたマイクロフォンは、動作時の信頼性がより高く、破損しにくく、使用者の使用体験がより良い。
【0043】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
【図面符号】
【0044】
1-バックプレート
11-音孔
2-電極シート
3-突起
4-振動膜
41-プリーツ
5-ベース
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンチップであって、
振動膜(4)と、バックプレート(1)とを含み、
前記振動膜(4)には、複数のプリーツ(41)が設置され、
前記バックプレート(1)の前記振動膜(4)に近接する側に突起(3)が設置され、前記バックプレート(1)に垂直な方向に沿って、前記突起(3)の前記振動膜(4)での投影の外輪郭は、前記プリーツ(41)の外輪郭と交差しないことを特徴とするマイクロフォンチップ。
【請求項2】
前記バックプレート(1)に垂直な方向に沿って、前記突起(3)の前記振動膜(4)での投影は、隣接する前記プリーツ(41)の間に位置することを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項3】
前記バックプレート(1)に垂直な方向に沿って、前記プリーツ(41)は、前記突起(3)の前記振動膜(4)での投影を覆うことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項4】
前記突起(3)の幅はD1であり、下記の条件式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
0.1μm≦D1≦5μm (1)
【請求項5】
前記プリーツ(41)の幅はD2であり、下記の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
1μm≦D2≦20μm (2)
【請求項6】
複数の前記プリーツ(41)は、前記振動膜(4)の周方向に沿って設置され、複数の前記プリーツ(41)の中心は、前記振動膜(4)の中心と重なることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項7】
前記プリーツ(41)は、円形又は多角形であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項8】
前記突起(3)は、複数設置され、隣接する前記突起(3)の間の距離はLであり、下記の条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のマイクロフォンチップ。
10μm≦L≦100μm (3)
【請求項9】
前記突起(3)の高さはHであり、下記の条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のマイクロフォンチップ。
0.1μm≦H≦5μm (4)
【請求項10】
マイクロフォンであって、
本体と、請求項1~のいずれか一項 に記載のマイクロフォンチップとを含み、前記マイクロフォンチップは、前記本体に設置されていることを特徴とするマイクロフォン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本実施形態では、図3及び図4に示すように、バックプレート1に垂直な方向に沿って、突起3の振動膜4での投影の外輪郭は、プリーツ41の外輪郭と交差しない。これにより、外部振動又はエアブローが大きすぎるなどの過程で突起3がプリーツ41の側壁と接触して係止されて、振動膜4とバックプレート1とがくっ付き、マイクロフォンチップの正常な動作に影響を与えることを防止する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本実施形態において、図4に示すように、突起3の幅D1は、大きすぎても小さすぎてもいけない。突起3の幅D1が大きすぎる(例えば5μmより大きい)と、突起3は、振動膜4が移動できる空間範囲を減少させ、マイクロフォンチップの動作に影響を与える。突起3の幅D1が小さすぎる(例えば0.1μmより小さい)と、突起3が振動膜4と接触できる面積が小さすぎ、振動膜とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができず、短絡を引き起こし、さらにマイクロフォンチップの動作に影響を与える。したがって、突起3の幅D1が0.1μm≦D1≦5μmを満たす場合のみに、振動膜4に大きな移動範囲を確保すると同時に、振動膜4とバックプレート1における電極シート2との接触を効果的に防止することができる。
【国際調査報告】