(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(54)【発明の名称】強制対流放熱が可能な関節モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 7/116 20060101AFI20240906BHJP
H02K 9/02 20060101ALI20240906BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20240906BHJP
H02K 9/22 20060101ALI20240906BHJP
F16H 1/46 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H02K7/116
H02K9/02 B
H02K9/06 G
H02K9/22 Z
F16H1/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503368
(86)(22)【出願日】2023-04-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2023091660
(87)【国際公開番号】W WO2024037046
(87)【国際公開日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】202310009131.5
(32)【優先日】2023-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521162399
【氏名又は名称】之江実験室
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱 世強
(72)【発明者】
【氏名】謝 安桓
(72)【発明者】
【氏名】程 超
(72)【発明者】
【氏名】孔 令雨
(72)【発明者】
【氏名】華 強
(72)【発明者】
【氏名】周 偉剛
(72)【発明者】
【氏名】姚 運昌
【テーマコード(参考)】
3J027
5H607
5H609
【Fターム(参考)】
3J027FA11
3J027FA21
3J027FA36
3J027FB32
3J027GB03
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3J027GE29
5H607AA02
5H607BB01
5H607BB07
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5H609PP06
5H609PP17
5H609QQ02
5H609QQ23
5H609RR03
5H609RR26
5H609RR37
5H609RR58
(57)【要約】
本発明は、強制対流放熱が可能な関節モータを開示し、ハウジングを含み、前記ハウジング内には、アウタロータモータ、および前記アウタロータモータと順次伝動接続される一次遊星減速機構、二次遊星減速機構が設けられ、前記一次遊星減速機構の一次センターギヤが前記二次遊星減速機構の二次センターギヤの軸穴と連通し、かつ外部と連通し、前記二次センターギヤにインペラが嵌合され、前記インペラの周方向に沿って、前記インペラおよび前記二次センターギヤを貫通する第1径方向空気孔が設けられ、前記ハウジングには、周方向において前記第1径方向空気孔に対応する位置に第2径方向空気孔が設けられる。本発明は、関節モータ内部の高温ガスを強制的に追い出し、外部の低温ガスを関節モータ内部に加速して流入させ、対流交換を強化し、関節モータの強制対流放熱性能を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを含む強制対流放熱が可能な関節モータであって、前記ハウジング内には、アウタロータモータ、および前記アウタロータモータと順次伝動接続される一次遊星減速機構、二次遊星減速機構が設けられ、前記一次遊星減速機構の一次センターギヤが前記二次遊星減速機構の二次センターギヤの軸穴と連通し、かつ外部と連通し、前記二次センターギヤにインペラが嵌合され、前記インペラの周方向に沿って、前記インペラおよび前記二次センターギヤを貫通する第1径方向空気孔が設けられ、前記ハウジングには、周方向において前記第1径方向空気孔に対応する位置に第2径方向空気孔が設けられる、ことを特徴とする強制対流放熱が可能な関節モータ。
【請求項2】
前記アウタロータモータは、モータロータ支持フレーム、アウタロータモータのロータおよびアウタロータモータのステータを含み、前記アウタロータモータのステータが前記アウタロータモータのロータ内側に同軸配置され、前記アウタロータモータのロータが前記モータロータ支持フレームの外輪と同軸固定され、前記一次センターギヤが前記モータロータ支持フレームの内輪と同軸固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モータ。
【請求項3】
前記一次センターギヤの両端はそれぞれ、前記ハウジングおよび前記二次センターギヤの端部と伝動接続され、前記一次遊星減速機構は、前記ハウジング内に同軸固定される一次リングギヤ、前記一次センターギヤと前記一次リングギヤとの間に周方向に沿って均一に配置され、かつそれぞれ前記一次リングギヤおよび前記一次センターギヤにおけるギヤと噛み合われる複数の一次遊星ギヤ、および前記一次遊星ギヤを前記二次センターギヤの端部に位置規制するための一次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モータ。
【請求項4】
前記一次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリは、前記二次センターギヤの端部に固定される一次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび各前記一次遊星ギヤと対応する第1回転軸を含み、前記一次遊星ギヤが前記第1回転軸に回転可能に設けられ、前記第1回転軸の両端がそれぞれ、前記一次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび前記二次センターギヤと固定接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の関節モータ。
【請求項5】
前記二次遊星減速機構は、ハウジング内に回転可能に同軸配置される二次遊星ギヤキャリア、前記ハウジング内に同軸固定される二次リングギヤ、前記二次センターギヤと前記二次リングギヤとの間に周方向に沿って均一に配置され、かつそれぞれ前記二次リングギヤおよび前記二次センターギヤにおけるギヤと噛み合われる複数の二次遊星ギヤ、および前記二次遊星ギヤを前記二次遊星ギヤキャリアに位置規制するための二次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリをさらに含み、前記二次センターギヤの両端がそれぞれ、前記ハウジングおよび前記二次遊星ギヤキャリアと伝動接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モータ。
【請求項6】
前記二次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリは、前記二次遊星ギヤキャリアに固定される二次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび各前記二次遊星ギヤと対応する第2回転軸を含み、前記二次遊星ギヤが前記第2回転軸に回転可能に配置され、前記第2回転軸の両端がそれぞれ前記二次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび前記二次遊星ギヤキャリアと固定接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の関節モータ。
【請求項7】
前記ハウジングの前記一次遊星減速機構寄り側の端部には溝が設けられ、前記溝内には、前記一次センターギヤと同軸接続されるアブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台、前記アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台に固定されるアブソリュートエンコーダ移動ディスク、および前記アブソリュートエンコーダ移動ディスクから離間して配置されるアブソリュートエンコーダ固定ディスクが設けられ、前記アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台の中心穴が前記一次センターギヤおよび前記二次センターギヤの軸穴と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モータ。
【請求項8】
前記インペラは、直刃インペラを採用する、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節モータの技術分野に関し、特に、強制対流放熱が可能な関節モータに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、脚式ロボットの分野では、関節モータは、低速、重負荷の用途で使用されているが、内部のステータとロータは作業効率が低く、発熱量が大きいため、関節モータの電気的特性の低下につながり、関節モータの温度が上昇すると、グリースの潤滑効果や精密部品の協働などに影響を及ぼし、摩擦、振動、および騒音が増大し、関節モータの機械的特性がさらに低下する。現在一般的に使用されている解決方法は、高性能のステータ、ロータおよびドライバを使用するか、外部放熱構造を追加して軸流ファンなどの強制熱交換で補うことである。
【0003】
公開番号がCN112003421Bの特許の明細書は、高性能ステータ永久磁石ベアリングレスモータを開示し、絶縁リングとコンジットの使用により、モータ本体の両端のベアリングを排除し、回転コラムの回転時にベアリングとの摩擦を回避でき、ベアリングレスモータの性能を向上させる目的を達成する。回転コラムは、中間位置近くで隔離リングの内部を貫通し、いくつかのコンジットは第2接続カラーの内面に固定接続され、回転コラムが回転時に絶縁リングに直接接触しないようにし、ロータコア、ステータコア、ステータ巻線の動作時に最初の熱が発生し、複数の冷却ファンブレードの回転により、最初の熱が冷却ネットを介してモータ本体の外部に伝達される。
【0004】
公開番号がCN214674758Uの特許の明細書は、ロボットモータ用のインテリジェント放熱装置を開示し、ベンチレーターを介してエアコンプレッサーと接続されるロボットモータを含み、前記ロボットモータには、前記ベンチレーターと接続される吸気口と排気ポートが設けられ、前記エアコンプレッサーには、高速ファンと連通する空気分配チャンバーが設けられ、前記空気分配チャンバーには、前記ベンチレーターと接続される排気口が設けられ、コンピュータをさらに含み、前記コンピュータは、前記ロボットモータ内に設けられるセンサと接続され、前記センサから伝送された情報に基づいて、前記高速ファンの動作を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術のうち、1つ目の方法は、電気的性能の向上によりモータの作動効率を向上させる方法であるが、高性能電気部品により関節モータのコストが大幅に上昇し、関節モータの設計が、電気部品の構造によって厳しく制限される。2つ目の方法は、シンプルで成熟した構造を実現するが、非常にコンパクトな構造を必要とする脚式ロボットの場合、関節モータの数が多くて取り付けが非常に難しく、ロボット全体の重量と体積が大幅に増加する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、関節モータ内部の高温ガスを強制的に追い出し、外部の低温ガスを関節モータの内部に加速して流入させ、対流交換を強化し、関節モータの強制対流放熱性能を改善できる、強制対流放熱が可能な関節モータを提供することである。
【0007】
ハウジングを含む強制対流放熱が可能な関節モータであって、前記ハウジング内には、アウタロータモータ、および前記アウタロータモータと順次伝動接続される一次遊星減速機構、二次遊星減速機構が設けられ、前記一次遊星減速機構の一次センターギヤが前記二次遊星減速機構の二次センターギヤの軸穴と連通し、かつ外部と連通し、前記二次センターギヤにインペラが嵌合され、前記インペラの周方向に沿って、前記インペラおよび前記二次センターギヤを貫通する第1径方向空気孔が設けられ、前記ハウジングには、周方向において前記第1径方向空気孔に対応する位置に第2径方向空気孔が設けられる。
【0008】
本解決手段において、関節モータの内部には、関節モータを貫通する中心軸方向の空気経路、および周方向に設けられる径方向の空気経路があり、中心軸方向の空気経路と径方向の空気経路とが接続して放熱用空気経路を形成し、内蔵されたインペラの回転により、関節モータの動作により発生する熱を空気対流により取り出し、関節モータを冷却し、関節モータの作業効率および耐用年数を向上させ、作動音を低減する。
【0009】
好ましくは、前記アウタロータモータは、モータロータ支持フレーム、アウタロータモータのロータおよびアウタロータモータのステータを含み、前記アウタロータモータのステータが前記アウタロータモータのロータ内側に同軸配置され、前記アウタロータモータのロータが前記モータロータ支持フレームの外輪と同軸固定され、前記一次センターギヤが前記モータロータ支持フレームの内輪と同軸固定される。
【0010】
好ましくは、前記一次センターギヤの両端はそれぞれ、前記ハウジングおよび前記二次センターギヤの端部と伝動接続され、前記一次遊星減速機構は、前記ハウジング内に同軸固定される一次リングギヤ、前記一次センターギヤと前記一次リングギヤとの間に周方向に沿って均一に配置され、かつそれぞれ前記一次リングギヤおよび前記一次センターギヤにおけるギヤと噛み合われる複数の一次遊星ギヤ、および前記一次遊星ギヤを前記二次センターギヤの端部に位置規制するための一次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリをさらに含む。
【0011】
さらに、好ましくは、前記一次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリは、前記二次センターギヤの端部に固定される一次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび各前記一次遊星ギヤと対応する第1回転軸を含み、前記一次遊星ギヤが前記第1回転軸に回転可能に配置され、前記第1回転軸の両端がそれぞれ前記一次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび前記二次センターギヤと固定接続される。
【0012】
好ましくは、前記二次遊星減速機構は、ハウジング内に回転可能に同軸配置される二次遊星ギヤキャリア、前記ハウジング内に同軸固定される二次リングギヤ、前記二次センターギヤと前記二次リングギヤとの間に周方向に沿って均一に配置され、かつそれぞれ前記二次リングギヤおよび前記二次センターギヤにおけるギヤと噛み合われる複数の二次遊星ギヤ、および前記二次遊星ギヤを前記二次遊星ギヤキャリアに位置規制するための二次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリをさらに含み、前記二次センターギヤの両端がそれぞれ、前記ハウジングおよび前記二次遊星ギヤキャリアと伝動接続される。
【0013】
さらに、好ましくは、前記二次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリは、前記二次遊星ギヤキャリアに固定される二次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび各前記二次遊星ギヤと対応する第2回転軸を含み、前記二次遊星ギヤが前記第2回転軸に回転可能に配置され、前記第2回転軸の両端がそれぞれ前記二次遊星ギヤ押圧エンドカバーおよび前記二次遊星ギヤキャリアと固定接続される。
【0014】
好ましくは、前記ハウジングの前記一次遊星減速機構寄り側の端部には溝が設けられ、前記溝内には、前記一次センターギヤと同軸接続されるアブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台、前記アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台に固定されるアブソリュートエンコーダ移動ディスクおよび前記アブソリュートエンコーダ移動ディスクから離間して配置されるアブソリュートエンコーダ固定ディスクが設けられ、前記アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台の中心穴が前記一次センターギヤおよび前記二次センターギヤの軸穴と連通する。
【0015】
本解決手段において、アブソリュートエンコーダ移動ディスクは、アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台によって一次センターギヤと同軸固定してそれに従動し、関節モータの回転位置と速度情報を報告するために、アブソリュートエンコーダ移動ディスクとアブソリュートエンコーダ固定ディスクとが一定の範囲内で一定の距離を保つ。
【0016】
好ましくは、前記インペラは、直刃インペラを採用する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、次の通りである。
(1)軸方向および径方向の空気孔を使用し、内蔵されたインペラの回転により、関節モータの動作により発生する熱を空気対流により取り出し、関節モータを冷却し、関節モータの作業効率および耐用年数を向上させ、作動音を低減する。
(2)2段の遊星減速機構のセンターギヤおよび遊星ギヤはいずれも、両端支持構造を採用し、遊星ギヤの軸心とセンターギヤの軸心との平行度を確保し、動作の安定性を向上させる。
(3)直刃インペラが従動構造であるため、駆動回路の追加が不要でコンパクトな構造である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】
図2は、本発明の放熱用空気経路の概略構造図である。
【
図3】
図3は、二次遊星減速機構の概略構造図である。
【
図4】
図4は、一次センターギヤと二次センターギヤとの間の協働を示す概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例における技術的解決手段について、本発明の実施例の添付図面を参照して以下に明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、すべてではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0020】
図1、3および4に示すように、強制対流放熱が可能な関節モータは、ハウジングを含み、具体的には、ハウジングは、順次接続される入力端エンドカバー1、リングギヤサポート18および出力端エンドカバー20を含み、ハウジング内にアウタロータモータおよびアウタロータモータと順次伝動接続される一次遊星減速機構、二次遊星減速機構が設けられ、具体的には、一次遊星減速機構が一次センターギヤ7を含み、二次遊星減速機構が二次センターギヤ25を含み、アウタロータモータが順次一次センターギヤ7、二次センターギヤ25と伝動接続される。
【0021】
アウタロータモータは、モータロータ支持フレーム14、アウタロータモータのロータ15およびアウタロータモータのステータ16を含み、アウタロータモータのステータ16がリングギヤサポート18と同軸固定され、具体的には、リングギヤサポート18の一次遊星減速機構寄り側に凸リングが設けられ、アウタロータモータのステータ16が凸リングに嵌合され、アウタロータモータのステータ16がアウタロータモータのロータ15の内側に同軸配置され、アウタロータモータのロータ15がモータロータ支持フレーム14の外輪と同軸固定され、モータロータ支持フレーム14の内輪が一次センターギヤ7とねじで同軸固定される。通電後、アウタロータモータのロータ15がモータロータ支持フレーム14と固定される一次センターギヤ7を高速かつ低トルクで回転するように駆動し、一次センターギヤ7の回転を二次遊星により減速し、最終的に低速かつ高トルクの出力を実現する。
【0022】
一次遊星減速機構は、リングギヤサポート18内に同軸固定される一次リングギヤ13、一次センターギヤ7と一次リングギヤ13との間に周方向に沿って均一に配置され、かつそれぞれ一次リングギヤ13および一次センターギヤ7におけるギヤと噛み合われる3つの一次遊星ギヤ10、および一次遊星ギヤ10を二次センターギヤ25の端部に位置規制するための一次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリをさらに含む。
【0023】
具体的には、一次センターギヤ7の両端はそれぞれ、61800ベアリング6および6705ベアリング9を介して、リングギヤサポート18内および二次センターギヤ25の端部内に回転可能に配置されて2点支持構造を形成し、一次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリは、二次センターギヤ25の端部に固定される一次遊星ギヤ押圧エンドカバー8および3つの一次遊星ギヤ10と対応する第1回転軸11を含み、一次遊星ギヤ10が2つの4x8x3小型ベアリング12を介して第1回転軸11に回転可能に設けられ、第1回転軸11の一端がねじを介して二次センターギヤ25の端部に固定され、他端がねじを介して一次遊星ギヤ押圧エンドカバー8に固定される。
【0024】
二次遊星減速機構は、出力端エンドカバー20内に回転可能に同軸配置される二次遊星ギヤキャリア27、リングギヤサポート18内に同軸固定される二次リングギヤ21、二次センターギヤ25と二次リングギヤ21との間に周方向に沿って均一に配置され、かつそれぞれ二次リングギヤ21および二次センターギヤ25におけるギヤと噛み合われる3つの二次遊星ギヤ22、および二次遊星ギヤ22を二次遊星ギヤキャリア27に位置規制するための二次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリをさらに含む。
【0025】
具体的には、二次センターギヤ25の両端はそれぞれ、6707ベアリング17および7000Cベアリング26を介してリングギヤサポート18内および二次遊星ギヤキャリア17に回転可能に配置されて2点支持を形成し、二次遊星ギヤキャリア27がクロスローラーベアリング19を介して出力端エンドカバー20内に回転可能に配置され、具体的には、クロスローラーベアリング19の内輪が二次遊星ギヤキャリア27と係合され、外輪が出力端エンドカバー20と係合して軸方向に押圧され、トルク出力過程における二次遊星ギヤキャリア27の耐曲げモーメント能力を向上させ、即ち、二次遊星ギヤキャリア27が最終的に低速かつ高トルクの出力を完了する。二次遊星ギヤ押圧エンドカバーアセンブリは、二次遊星ギヤキャリア27に固定される二次遊星ギヤ押圧エンドカバー24および3つの二次遊星ギヤ22と対応する第2回転軸を含み、具体的には、第2回転軸が二次遊星ギヤキャリア27に一体成形される凸軸2711であり、二次遊星ギヤが2つの6x12x4小型ベアリング23を介して凸軸2711に回転可能に配置され、凸軸2711の他端がねじを介して二次遊星ギヤ押圧エンドカバー24に固定される。二次遊星ギヤ押圧エンドカバー24には6710ベアリング28がさらに設けられ、具体的には、6710ベアリング28の内輪が二次遊星ギヤ押圧エンドカバー24と係合され、外輪がリングギヤサポート18と係合して軸方向に押圧される。
【0026】
上記センターギヤおよび遊星ギヤはいずれも、両端支持構造を採用し、遊星ギヤの軸心とセンターギヤの軸心との平行度を確保し、動作の安定性を向上させるとともに、61800ベアリング6および7000Cベアリング26により、一次センターギヤ7、二次センターギヤ25および二次遊星ギヤキャリア27の間の差動運動を確保し、隙間を埋め、軸穴内の空気の流れを促進する。
【0027】
本実施例において、入力端エンドカバー1の一次遊星減速機構から離れた側の端部には溝が設けられ、溝内に一次センターギヤ7と同軸固定されるアブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台5、アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台5に固定されるアブソリュートエンコーダ移動ディスク3およびアブソリュートエンコーダ移動ディスク3から離間して配置されるアブソリュートエンコーダ固定ディスク4を含み、具体的には、入力端エンドカバー1の溝内にボスが設けられ、アブソリュートエンコーダ固定ディスク4がボスに位置され、かつ入力端エンドカバー1と固定接続され、リングギヤサポート18と同軸固定され、アブソリュートエンコーダ固定ディスク4を保護するために、入力端エンドカバー1には、溝を封止するためのエンコーダ保護カバー2がさらに取り付けられ、アブソリュートエンコーダ移動ディスク3がアブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台5を介して一次センターギヤ7と同軸固定してそれに従動し、関節モータの回転位置と速度情報を報告するために、アブソリュートエンコーダ移動ディスク3とアブソリュートエンコーダ固定ディスク4が一定範囲内で一定の距離を保つ。
【0028】
二次センターギヤ25に直刃インペラ29が嵌合され、直刃インペラ29は具体的に、対称的に配置される2つの部分から構成され、かつ二次センターギヤ25と同軸心で固定接続され、直刃インペラ29の周方向に直刃インペラ29および二次センターギヤ25を貫通する第1径方向空気孔が設けられ、第1径方向空気孔が具体的に、直刃インペラ29および二次センターギヤ25に軸方向に配置される径方向ウェストホール2911であり、
図5に示すように、ガスの出入りのための径方向ウェストホール2911が複数あり、直刃インペラ29の直刃2912が複数あり、二次センターギヤ25が正方向または逆方向に回転する場合、乱されたガスが径方向に流れるように確保することができ、特に、直刃インペラ29が具体的にその上の複数の取付穴2913を介して二次センターギヤ25と固定接続される。
【0029】
また、
図2に示すように、アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台5、一次センターギヤ7、二次センターギヤ25および二次遊星ギヤキャリア27には中心穴が設けられ、アブソリュートエンコーダ移動ディスク取付台の中心穴511、一次センターギヤの中心穴711、二次センターギヤの中心穴2511は、二次遊星ギヤキャリアの中心穴2712と同軸で連通して中心軸方向の空気経路を構成し、かついずれも径方向ウェストホール2911(第1径方向空気孔)と連通し、リングギヤサポート18の径方向ウェストホール2911に対応する位置には、周方向に沿って第2径方向空気孔1811が設けられる。直刃インペラ29が二次センターギヤ25とともに回転し、中心軸方向の空気経路内の高温ガスを乱し、対流効果を高め、強制対流放熱を達成する。
【0030】
リングギヤサポート18は、関節モータの主な加熱部品であるアウタロータモータのステータ16と固定接続され、熱伝導によって熱を吸収し、その後、温度が上昇し、温度勾配により、中心軸方向の空気経路内の高温ガスが第2径方向空気孔1811から流出し、低温ガスが径方向ウェストホール2911から流入して、対流熱放散を達成する。
【0031】
なお、放熱用空気経路の存在により、遊星歯車の噛み合い面に粉塵が侵入すると摩擦が増大して、関節モータの伝達効率が低下するため、本発明の関節モータは、粉塵の多い環境での使用には適さない。
【0032】
本発明は、前述の実施例を参照して詳細に説明されているが、当業者は、前述の実施例に記録された技術的解決手段を修正したり、技術的特徴の一部について同等の置換を行ったりすることができる。本発明の精神および原理内でなされたあらゆる修正、同等の置換および改良などは、すべて本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】