(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(54)【発明の名称】具体的にはボトル・プレフォームである中空プラスチック物品を製造するための射出装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/46 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
B29C45/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024517164
(86)(22)【出願日】2022-10-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2022059405
(87)【国際公開番号】W WO2023057872
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021000025337
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523229528
【氏名又は名称】エッセ.イ.ピ.アー ソシエタ インダストリアリッザツィオーネ プロジェッタジツィオーネ エ オウトマツィオーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メネゴル、エルヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ステラ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス、マッテオ
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AA24
4F206AR12
4F206AR14
4F206JA06
4F206JD01
4F206JF01
4F206JL02
4F206JL03
4F206JM04
4F206JN11
4F206JN14
4F206JN15
4F206JQ02
4F206JQ11
4F206JQ51
(57)【要約】
具体的にはボトル・プレフォームである1つ又は複数の中空物品を成形すること目的として溶融プラスチックを金型の中に射出するための射出装置100であって、射出装置100が、- 溶融プラスチックを受け取るように及び溶融プラスチックを金型の中に交互に射出するように適合された、それぞれの長手方向軸X、X’を各々画定する2つの射出機1、2と、- 可塑化装置102に接続されるように及び可塑化装置102から2つの射出機1、2の方向へ溶融プラスチックを誘導するように適合された、溶融プラスチックのための入口開口部30を有する導管3、31、32、33と、を備え、導管3の長さがそれぞれの長手方向軸X、X’に沿う各々の2つの射出機1、2の長さLtotより小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具体的にはボトル・プレフォームである1つ又は複数の中空物品を成形すること目的として溶融プラスチックを金型の中に射出するための射出装置(100)であって、
前記射出装置(100)が、
前記溶融プラスチックを受け取るように及び前記溶融プラスチックを前記金型の中に交互に射出するように適合された、それぞれの長手方向軸(X、X’)を各々画定する2つの射出機(1、2)と、
可塑化装置(102)に接続されるように及び前記可塑化装置(102)から前記2つの射出機(1、2)の方向へ前記溶融プラスチックを誘導するように適合された、前記溶融プラスチックのための入口開口部(30)を有する導管(3、31、32、33)と、
を備え、
前記導管(3)の長さが前記それぞれの長手方向軸(X、X’)に沿う各々の前記2つの射出機(1、2)の長さ(Ltot)より小さい、射出装置(100)。
【請求項2】
前記射出機(1)のうちの1つへの溶融プラスチックの投入及び別の射出機(2)から出る前記溶融プラスチックの射出を交互に可能にするための1つ又は複数の弁(41、42)を備える、請求項1に記載の射出装置(100)。
【請求項3】
前記導管(3、31、32、33)が、前記溶融プラスチックのための入口開口部(30)から前記1つ又は複数の弁(41、42)まで延在し、好適には、各弁(41、42)のボディ(411、421)が前記それぞれの射出機(1、2)に固定される、請求項2に記載の射出装置(100)。
【請求項4】
2つの弁(41、42)を備え、前記2つの弁(41、42)のうちの1つの弁(41、42)が各射出機(1、2)のためのものであり、各弁(41、42)が、その位置に応じて前記それぞれの射出機(1、2)内の溶融プラスチックの流入を可能にするか又は防止するように適合され、好適には、各弁(41、42)が三方弁である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項5】
各弁(41、42)が第1の位置及び第2の位置をとるように適合され、前記第1の位置では、前記導管(3)から前記それぞれの射出機(1、2)までの溶融プラスチックの通過が可能であり、前記それぞれの射出機(1、2)から前記金型の方向への溶融プラスチックの通過が防止され、前記第2の位置では、前記それぞれの射出機(1、2)から前記金型の方向への溶融プラスチックの通過が可能であり、前記導管(3)から前記それぞれの射出機(1、2)までの溶融プラスチックの通過が防止される、請求項4に記載の射出装置(100)。
【請求項6】
前記2つの射出機(1、2)が、前記射出装置(100)の前記支持平面に平行である水平面(H)に対して、好ましくは10°から45°の角度で、傾斜する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項7】
前記射出機(1、2)の各々が、前記溶融プラスチックを受け取るように適合されたボディ(11、21)と、前記ボディ(11、21)内で摺動するように適合されたピストン(12、22)と、前記ピストン(12、22)を移動させるように適合された作動手段(14、24)と、を備え、
前記導管(3)の長さが各ボディ(11、12)の長さ(Lcm)より短く、並びに/或いは、
各射出機(1、2)の前記長さ(Ltot)が、前記ボディ(11、21)の前記長さ(Lcm)及び前記作動手段(14、24)の長さ(Lhc)を含む、
請求項1から6までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項8】
各射出機(1、2)が第1の軸方向端部(19’)及び第2の軸方向端部(19”)を有し、
前記第1の軸方向端部(19’)が前記ボディ(11、21)の開口部の境界を画定し、前記溶融プラスチックが、特には前記ボディ(11、12)に入ったり出たりするために、前記開口部を通過することができ、
各射出機(1、2)の前記長さ(Ltot)が前記第1の軸方向端部(19’)から前記第2の軸方向端部(19”)までの距離であり、好適には、前記第2の軸方向端部(19”)が前記作動手段(14、24)の端部である、請求項7に記載の射出装置(100)。
【請求項9】
前記導管(3、31、32、33)の内側容量が、前記溶融プラスチックを受け取ることができる各射出機(1、2)の最大内側容量未満であり、好適には半分に等しいか又は半分未満である、請求項1から8までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項10】
前記導管(3、31、32、33)の前記長さと内径の比が25から50である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項11】
前記導管(3)が2つの出口開口部(32、33)を有し、
前記導管(3)の前記長さが前記入口開口部(30)から前記2つの出口開口部(37、38)までで測定され、特には、前記導管(3)の前記長さが、前記入口開口部(30)から前記2つの出口開口部(37、38)までで前記導管(3)を横断するときに前記溶融プラスチックによって占有される経路の長さに対応する、
請求項1から10までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項12】
前記導管(3、31、32、33)が前記入口開口部(30)を装備する第1の延伸部(31)と、2つの枝部(32、33)と、を備え、各枝部(32、33)がそれぞれの射出機(1、2)の方向へ前記溶融プラスチックを運ぶように適合され、特には、各枝部(32、33)が前記導管(3)のそれぞれの出口開口部(37、38)を装備し、好適には、各枝部(32、33)がそれぞれの弁(41、42)に接続される、請求項1から11までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項13】
前記導管(3)の一部分が、前記2つの枝部(32、33)を含むT形又はY形の構成要素によって境界を画定される、請求項12に記載の射出装置(100)。
【請求項14】
前記導管(3)の前記第1の延伸部(31)が互いに交差する関係である2つの延伸部(311、312)を備える、請求項12又は13に記載の射出装置(100)。
【請求項15】
前記可塑化装置(102)に接続されるように適合された前記導管(3)の前記入口開口部(30)が、前記射出装置(100)の前記支持平面に平行である水平面(H)において、各射出機(1、2)の前記軸方向端部(19’、19”)の直交投影(P、Q)の間の空間内に配置構成される、請求項1から14までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項16】
前記可塑化装置(102)に接続されるように適合された前記導管(3)の前記入口開口部(30)が、前記2つの射出機(1、2)の下方の、また特には前記2つの射出機(1、2)のところを含めた下方の、又は、前記2つの射出機(1、2)の上方の、また特には前記2つの射出機(1、2)のところを含めた上方の、空間内に配置構成される、請求項1から15までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項17】
前記射出機(1、2)から前記金型の方向へ前記溶融プラスチックを運ぶための管材(5)を備え、
前記管材(5)が、前記射出機(1、2)から前記溶融プラスチックを受け取るように適合された延伸部(50)を備える、
請求項1から16までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項18】
前記管材(5)の前記延伸部(50)に沿うように弁(6)が提供され、前記弁(6)が、第1の位置において、前記金型の方向への溶融プラスチックの通過を可能にし、第2の位置において、特にはパージ・オペレーションを実行することを目的として、前記延伸部(50)から前記溶融プラスチックが出るのを可能にする、請求項17に記載の射出装置(100)。
【請求項19】
前記導管(3)が、特にはテレスコピック・システムを形成するように互いに対して摺動するように適合された2つのパート(91、92)によって境界を画定され、前記2つのパート(91、92)のうちの第1のパート(91)が前記導管(3)の前記入口開口部(30)の境界を画定し、前記可塑化装置(102)に固定されるように適合され、好適には、前記2つのパート(91、92)のうちの第2のパート(92)の中に挿入される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか一項に記載の射出装置(100)と、可塑化装置(102)から2つの射出機(1、2)まで溶融プラスチックが通過することが可能となるように導管(3)に接続された可塑化装置(102)と、を備える、1つ又は複数の中空物品を製造するための成形装置(101)。
【請求項21】
前記可塑化装置(102)が、前記2つの射出機(1、2)の下方の空間内に少なくとも部分的に配置構成される、請求項20に記載の成形装置(101)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばボトル・プレフォーム(bottle preform)などの中空プラスチック物品を成形することの分野に関する。
【0002】
詳細には、本発明は、溶融プラスチックの実質的に連続する流れを生成することができる、可塑化装置から送られる溶融プラスチックを射出するように特には適合された射出装置に関する。溶融プラスチックは、フレークの形態である例えばPETなどのプラスチックから開始して製造され得る。
【背景技術】
【0003】
ボトル・プレフォームを製造するために、押出機及び1つのみの射出機を備える装置が通常は使用される。
【0004】
押出機のスクリュー及び射出機のピストンの前進移動及び後退移動が非同期である。
【0005】
実際には、スクリューが回転して通常はPETである粒子状物質(granule)を溶かしながらその長手軸方向に沿って後退して、連続射出に必要である量の溶融プラスチックを蓄積する間(可塑化ステップ)、ピストンが溶融プラスチックを金型の中へ射出するために前進する(射出ステップ)。逆も同様であり、スクリューが、可塑化ステップにおいて製造された溶融プラスチックを送るために、回転してその長手方向軸に沿って前進する間(移送ステップ)、ピストンが後退し、その結果、射出機に溶融プラスチックが充填される(投入ステップ)。
【0006】
したがって、押出機によって製造された溶融プラスチックの流れは不連続である。
【0007】
これは、押出機によって溶融されなければならない原材料がペレット又は粒子状物質の形態である場合に、また特には原材料がバージンPETである場合に、又は再利用される改鋳物であるPETの事例において、実行される標準的なプロセスである。
【0008】
プレフォーム及びボトルを溶かすことなく粉砕することによって得られるフレークの形態の材料を使用することの要求が増している。
【0009】
フレークであるPETから開始してプレフォームを製造するためには、上で説明した押出機とは異なるかたちで動作するように設計された押出機を備える可塑化装置が必要である。
【0010】
ペレットのPETとは異なり、フレークのPETは、その見掛け密度が低いことを理由として特別な可塑化プロセスを必要とし得、ここでは、スクリューは上述のような前進/後退を行わず、純粋な押出し(pure extruding)と称されるような方式で動作する。基本的に、スクリューは、その長手方向軸に沿って前進/後退することなく、一定の速度で回転する。
【0011】
これにより可塑化装置から出る溶融プラスチックの流れが得られ、この流れは実質的に連続しており且つ一定であり、上述したプロセスでのように不連続とはならない。
【0012】
したがって、押出機から出る流れが連続していることで2つの射出機が必要となる。
【0013】
具体的には、押出機の下流において、2つの射出機が押出機から溶融プラスチックを交互に受け取る。より具体的には、装置は、第1の射出機が溶融プラスチックを金型の中に射出する間に第2の射出機が押出機から溶融プラスチックを受け取ることになるように、及びその逆も同様となるように、設計される。
【0014】
このプロセスのマイナスの側面は溶融プラスチックが劣化することである。具体的には、PETが劣化することで、アセトアルデヒド及びベンゼンなどの望ましくない揮発性化合物が形成される。
【0015】
特にはフレークの形態のPETから開始してプレフォーム製造プロセスを実施する場合には、溶融プラスチックの劣化を回避しようとすることは簡単なことではない。現在、フレークの形態のPETから開始してプレフォームを製造するための装置を用いて溶融PETの劣化を回避すること又はいずれの場合においても少なくとも満足できる程度にまで最小にすることは不可能である。
【0016】
したがって、溶融PETの劣化を低減するのを可能にする、特にはフレークの形態のPETから開始してボトル・プレフォームを製造するための装置が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、溶融プラスチック、また特には溶融PETの劣化を低減するのを可能にする、特には溶融することになる具体的にはフレークの形態であるプラスチックから開始して、例えばボトル・プレフォームなどの中空物品を製造するための射出装置を作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、特には、具体的にはボトル・プレフォームである1つ又は複数の中空物品を成形することを目的として、溶融プラスチックを金型の中に射出するための、射出装置により、少なくともこのような目的、及び、本記述に照らして明らかとなる他の目的を達成し、
射出装置は、
- 溶融プラスチックを受け取るように及び溶融プラスチックを金型の中に交互に射出するように適合された、それぞれの長手方向軸を各々画定する2つの射出機と、
- 可塑化装置に接続されるように及び可塑化装置から2つの射出機の方向へ又は2つの射出機まで溶融プラスチックを誘導するように適合された、溶融プラスチックのための入口開口部を有する導管(或いは、管材システムたは導管システム)と、
を備え、
ここでは、上記導管の長さがそれぞれの長手方向軸に沿う各々の2つの射出機の長さより小さい。
【0019】
本発明はさらに、特には請求項20による、成形装置に関連する。
【0020】
有利には、本発明による射出装置は、溶融プラスチック、また特には溶融PETの劣化を回避する又は最小にするのを可能にする。
【0021】
この目的のため、上述の導管の長さが慎重に選定される。
【0022】
溶融プラスチックの劣化の最小化をさらに最適化するための別の特徴が明らかにされる。
【0023】
発明者らは、可塑化装置から射出機まで溶融プラスチックを誘導する導管の長さが溶融プラスチックの劣化に有意に影響を与えることを発見した。
【0024】
特には、発明者らは、過度に長い導管は、溶融したプラスチックの高温での滞在時間(stay time)を延ばしてそれにより溶融プラスチックの劣化を引き起こすことを発見した。
【0025】
対して、各々の射出機の長さより小さくするように導管の長さを選定することにより、溶融したプラスチックの高温での滞在時間を短縮してそれにより溶融プラスチックの劣化を最小にすることが可能となる。
【0026】
好適には、すべての実施例で、上述の導管は、可塑化装置から2つの射出機の方向へ又は2つの射出機まで溶融プラスチックを誘導するように適合された唯一の導管であり、つまり、他の導管はこの目的にために提供されるものではない。
【0027】
例示であるが非排他的な実施例の詳細な説明に照らして本発明の別の特徴及び利点がより明らかとなる。
【0028】
従属請求項は本発明の特定の実施例を説明する。
【0029】
本発明の説明では、非限定の実例として提供される添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図3】
図1の射出装置のいくつかの構成要素を示す側面図である。
【
図6】
図3の構成要素の一部を示す、互いに交差する関係である2つの平面での斜視断面図である。
【
図10】本発明による成形装置を示す側面図であり、ここでは、可塑化装置が図的に示される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
同じ要素又は構成要素は同じ参照符号を有する。
【0032】
図を参照すると、本発明による射出装置100又は射出機械の例示の実施例が説明されている。特には、射出装置100は、中空物品、また特にはプレフォーム、より具体的にはボトル・プレフォームを成形するためのものである。
【0033】
実際には、射出装置100は、ボトル・プレフォームなどの1つ又は複数の中空物品の金型(図示せず)の中に溶融プラスチックを射出するように適合される。金型は、例えば各々がそれぞれのプレフォームのためのものである、各々がそれぞれの中空物品のための複数の成形キャビティを装備する。
【0034】
射出装置100は、特にはフレークの形態である、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリマー材料の可塑化によって製造された溶融プラスチック(又は、溶融ポリマー)を射出するのに適する。
【0035】
すべての実施例で、射出装置100は、
- 溶融プラスチックを受け取るように及び溶融プラスチックを金型の中に(つまり、同じ金型の中に)具体的には互いの間で交互となるように交互に射出するように適合された、それぞれの長手方向軸X、X’を各々画定する2つの射出機1、2であって、具体的には、射出機1、2は、射出機1、2によって射出された溶融プラスチックを金型の方向へ、また特には同じ金型の方向へ誘導するように機能する管材5(
図6)或いは導管又は導管システムに接続される、2つの射出機1、2と、
- 可塑化装置102に接続されるように及び可塑化装置102から2つの射出機1、2の方向へ又は可能性として2つの射出機1、2まで誘導するように適合された溶融プラスチックのための入口開口部30(
図7、8)を有する導管3或いは管材システム又は導管システムと、
を備え、
ここでは、上記導管3の長さがそれぞれの長手方向軸X、X’に沿う各々の2つの射出機1、2の長さLtotより小さい、また特には全長より小さい。
【0036】
導管3は、好適には、互いに別個のものでありさらには入口開口部30とも別個のものである2つの出口開口部37、38(
図9)を有する。特には、導管3は、好適には、1つのみの入口開口部30及び2つのみの出口開口部37、38を有する。
【0037】
特には、導管3は、可塑化装置102から2つの射出機1、2の中まで誘導するように適合される。
【0038】
特には、導管3の「長さ」は、導管3の最初から最後まで、また特には入口開口部30から2つの出口開口部37、38まで、導管3を横断するときに溶融プラスチックによって占有される経路の長さを意味するものとして理解される。
【0039】
特には、入口開口部30は、可塑化装置102に接続されるように適合される。
【0040】
導管3の端部分39は上記入口開口部30を装備する。
【0041】
導管3は、例えば、湾曲する延伸部及び/又は互いに傾斜する延伸部、並びに/或いは、分岐部、また特にはバイファーケーション、を備えることができる。
【0042】
特には、導管3は、好適には、上記入口開口部30を装備する第1の延伸部31(
図5、6、9)、及び、溶融プラスチックをそれぞれの射出機1、2の方向へ誘導するように各々が適合された2つの枝部32、33を備え、好適にはこれらからなる。各枝部32、33は、導管3のそれぞれの出口開口部37、38を装備する。
【0043】
導管3の長さは、第1の延伸部31の長さと、2つの枝部32、33の各々の長さと、を含み、特には、導管3の長さは、好適には、第1の延伸部31の長さ及び2つの枝部32、33の各々の長さの合計に等しい。
【0044】
上述の第1の延伸部31は、好適には、実質的に水平であるか又はいずれの場合においても射出装置100の支持平面に平行である延伸部311を備える。
【0045】
延伸部311は、好適には、上述の入口開口部30を有する。
【0046】
上述の第1の延伸部31は、好適には、互いに交差する関係であり、例えば互いに対して直角である2つの延伸部311、312(又は、サブ延伸部又はサブ部分)を備える。第1の延伸部31は、例えば、実質的にL形の形状を有することができる。2つの延伸部311、312は、接続延伸部313により互いに接合される。特には、接続延伸部313は実質的に曲がり管である。
【0047】
導管3の一部分は、好適には、上記2つの枝部32、33を含む例えばT形又はY形の管である構成要素によって境界を画定される。さらに、特には、上記T形又はY形の構成要素は、導管3の第1の延伸部31の一部分、また特には延伸部312の一部分を含む。
【0048】
射出機1、2の各々は、溶融プラスチックを受け取るように適合されたボディ11、21(
図1、3)と、ボディ11、12内で摺動するように適合されたピストン12、22と、ピストン12、22を移動させるように適合された作動手段14、24と、を備える。特には、ボディ11、21、ピストン12、22、及び作動手段14、24には、同じ長手方向軸X、X’が横断する。
【0049】
各射出機1、2、また特にはそれぞれのボディ11、21は、射出機1、2に入ったり射出機1、2から出たりするときに溶融プラスチックがそこを通過することができるとこるであるそれぞれの開口部を装備する。
【0050】
溶融プラスチックは、特にはボディ11、21及び各射出機1、2のピストン12、22によって境界を画定される空間内で受け取られる。
【0051】
各射出機1、2の上記長さLtotは、上記ボディ11、21の長さLcm及び上記作動手段14、24の長さLhcを含む(長さLhcも長手方向軸X、X’に沿って測定される)好適には、作動手段14、24は、作動シリンダ、好適には油圧シリンダを備えるか、又はこれからなる。
【0052】
特には、各射出機1、2は第1の軸方向端部19’(
図3)及び第2の軸方向端部19”を有する。第1の軸方向端部19’は、特にはボディ11、12に入ったりボディ11、12から出たりするときに溶融プラスチックがそこを通過することができるところである上記ボディ11、12の開口部の境界を画定する。第2の軸方向端部19”は、好適には、上記作動手段14、24の一方の端部であり、また特にはボディ11、12の開口部からの遠位端である。各射出機1、2の上記長さLtotは、特にはそれぞれの長手方向軸X、X’に沿う、第1の軸方向端部19’から第2の軸方向端部19”までの距離である。
【0053】
作動手段14、24は、好適には、ボディ11、21と作動手段14、24との間を延在する接続ボディ13、23によりボディ11、21に接続される。
【0054】
この事例では、各射出機1、2の上記長さLtotは上記ボディ11、21の長さLcmと、接続ボディ13、23の長さLmb(長手方向軸X、X’に沿う)と、上記作動手段14、24の長さLhcと、を含む。
【0055】
具体的には比例弁である弁15、25が作動手段14、24に接続され得る。
【0056】
各射出機1、2の上記長さは、好適には、弁15、25の長さを含まない。
【0057】
限定しないが、好適には、2つの射出機1、2は互いに平行であり、特にはその長手方向軸が互いに平行である。別法として、2つの射出機1、2は互いに交差する関係となり得るか又は互いに位置合わせされ得る。
【0058】
特には、2つの射出機1、2は等しい長さLtotを有する。
【0059】
2つの射出機1、2は好適には互いに等しい。
【0060】
好適には、各射出機1、2の長さLtotは2500mmから3300mmであり;各ボディ11、21の長さLcmは700mmから1200mmであり;作動手段14、24の長さLhcは800mmから1300mmであり;及び/又は、接続ボディ13、23の長さLmbは600mmから1100mmである。
【0061】
好適には、限定しないが、射出装置100は以下の特徴のうちの1つ又は複数の特徴を有する(さらに、これらの特徴は組み合わされる):
- 導管3の長さが上記長さLtotの少なくとも1.5倍小さく、好適には1.6倍から2.2倍小さいこと;
- 導管3の長さが射出機1、2の長手方向軸X、X’に沿うボディ11、12の長さLcmより小さいこと;
- 導管3の内側容量が各射出成形1、2の溶融プラスチックを受け取ることができる最大内側容量より小さく、好適にはその半分に等しいか又はその半分未満であり、具体的には、導管3の内側容量が溶融プラスチックを受け取ることができる総容量であり、射出機1、2の最大内側容量がピストン11、22の完全な後退位置(射出機1、2の開口部の遠位側)におけるボディ11、12及びピストン12、22によって境界を画定される容量であること;
- 上記導管3の長さと内径の比が25から50であり、具体的には、内径が導管3に沿って一定となり得るか又は変化してよく、後者の事例では平均内径が上述の長さ/内径の比のために考察されること;
- 可塑化装置102、また特には入口開口部30に接続されるように適合された導管3の端部分39が、射出装置100の支持平面に平行である水平面Hにおいて、各射出機1、2の軸方向端部19’、19”(
図3)の直交投影P、Qの間の空間内に配置構成されること;
- 端部分39(より具体的には、入口開口部30)は端部19’の上記直交投影Pから一定の距離(水平面Hに沿う)のところにあり、この距離がLtot x cosαより小さく、ここではαが長手方向軸X、X’と水平面Hによって形成される角度であり、好適には上記距離がLcm x cosαより小さいこと。
【0062】
上述の特徴の各々が、射出機1、2に達するためには溶融プラスチックが横断しなければならないボリュームを最適化するのを改善するのを可能にし、具体的にはこのボリュームを大幅に低減するのを可能にする。
【0063】
いずれの場合も(すべての実施例において)、導管3の内径は好適には30mmから50mmである。特には、導管3の内径は、例えば過度な剪断応力を原因とするような、望ましくない物質の形成を含めた溶融プラスチックに対しての望ましくない影響を最小にまで低減するために、この範囲内で選定される。
【0064】
導管3の端部分39は、また特には可塑化装置102に接続されるように適合された入口開口部30は、好適には、2つの射出機1、2の下方の、また特には2つの射出機1、2のところを含めた下方の、又は、2つの射出機1、2の上方の、また特には2つの射出機1、2のところを含めた上方の、空間内に配置構成される。
【0065】
上記端部分39は、好適には、可塑化装置102に接続されるためのフランジを備える。
【0066】
射出装置100は、2つの射出装置1、2により溶融プラスチックを受け取って溶融プラスチックを金型の中へ交互に射出することになるように、構成される。
【0067】
特には、装置100は、射出機のうちの一方の射出機1が溶融プラスチックを受け取るときに(つまり、溶融プラスチックを充填されるときに)もう一方の射出機2が溶融プラスチックを射出する(及び、したがって、空になる)ことになるように、構成される。
【0068】
特には、装置100は、射出機のうちの一方の射出機1への溶融プラスチックの投入及び別の射出機2から出る溶融プラスチックの射出を交互に可能にするための1つ又は複数の弁41、42(好適には、スプール弁)を備える。好適には、射出装置100は2つの弁41、42を備え、具体的には、各射出機1、2のために1つの弁41、42を備える。
【0069】
導管3は、好適には、溶融プラスチックのための入口開口部30から上記2つの弁41、42まで延在する。
【0070】
導管3の2つの枝部32、33は、好適にはそれぞれの弁41、42に特には固定されて接続され、具体的にはそれぞれの弁41、42のボディ411、421に固定されて接続される。
【0071】
各弁41、42は、その位置又は構成に応じて溶融プラスチックがそれぞれの射出機1、2に流入するのを可能にするように又は防止するように適合される。
【0072】
より詳細には、各弁41、42は、第1の位置にあるとき、導管3からそれぞれの射出機1、2まで溶融プラスチックが通過する(投入ステップ)のを可能にし、且つそれぞれの射出機1、2から金型の方向へ溶融プラスチックが通過するのを防止し、各弁41、42は、第2の位置では、それぞれの射出機1、2から金型の方向へ溶融プラスチックが通過する(射出ステップ)のを可能に且つ導管3からそれぞれの射出機1、2まで溶融プラスチックが通過するのを防止する。
【0073】
特には
図6を参照すると、具体的には、射出装置100は、可塑化装置102から送られる溶融プラスチックが導管3の中に、また特には第1の延伸部31の中に導入されてさらには枝部32、33の中に導入されることになるように、構成される。交互的に、弁42が、導管3から射出機2まで溶融プラスチックが通過するのを可能にし、且つそれぞれの射出機2から金型の方向へ溶融プラスチックが通過するのを防止し、対して、もう一方の弁41が、射出機1から金型の方向へ溶融プラスチックが通過するのを可能にし、且つ導管3から射出機1まで溶融プラスチックが通過するのを防止する。
【0074】
特には、装置100は、2つの弁41、42のうちの一方の弁が第1の位置にあるときにもう一方の弁41、42が第2の位置にあることになるように、構成される。
【0075】
特には、射出装置100は、弁41がその第1の位置にあるときに弁42がその第2の位置にあることになるように、及びその逆となるように、弁41及び42を制御するように構成される。実際、射出装置100は、第1の位置から第2の位置まで及びその逆で弁41を通過させるように、並びに、第1の位置から第2の位置まで及びその逆で弁42を通過させるように、構成される。
【0076】
図6は、非限定の実例により、射出機2が投入ステップをちょうど開始しようとして射出機1が射出ステップを完了した瞬間を示す。
【0077】
各弁41、42は好適には2位置弁である。
【0078】
各弁41、42は、好適には、三方弁であり、特には2位置三方弁(three-way two-position valve)である。
【0079】
各弁41、42は、好適には、導管3内で受けられ得る量より少なく特には大幅に少ない量の溶融プラスチックを弁41、42の各々により受け取ること(より具体的には、この量の溶融プラスチックを通過させること)を可能にするように、構成される。
【0080】
2つの弁41、42の代替形態として、一方の射出機への投入及びもう一方の射出機の射出並びにその逆を可能にすることができる1つのみの弁が提供されてもよい。
【0081】
示されない変形形態では、射出機1、2の方向への溶融プラスチックの流れを制御するための弁の数は2個より多くてもよく、例えば3個となり得る。
【0082】
各弁41、42を作動させるために、また特には、第1の位置から第2の位置まで及びその逆で各弁41、42を通過させるために、各弁41、42に作動手段413、423が提供される(
図1)。例えば、各弁41、42のためにそれぞれの作動シリンダが提供される。
【0083】
好適には、各弁41、42のボディ411、421はそれぞれの射出機1、2に固定される。特には、各弁41、42のボディ411、421はそれぞれの射出機1、2の端部分に固定され、この端部分には、特にはボディ11,21からそれぞれの射出機1、2の溶融プラスチックが流入及び流出するための開口部が存在する。
【0084】
弁41、42のボディ411、412の内部に移動可能な要素412、422が存在する。移動可能な要素412、422は好適には、弁41、42の1つの位置において、導管3及び射出機1、2の開口部に連通(流体連通)され得る導管を画定する。移動可能な要素412、422はさらに、弁41、42の別の1つの位置において、射出機1、2の開口部に、及び、管材5、また特には管材5のそれぞれの枝部51、52に連通(流体連通)され得る導管を画定する。
【0085】
上述の作動手段413、423の各々が、それぞれの移動可能な要素412、422を移動させるように適合される。
【0086】
上で述べたように、装置100は、射出機1、2によって射出された溶融プラスチックを金型の方向に、また特には同じ金型の方向へ又は同じ金型の中まで誘導するように機能する管材5又はチャンネル(
図6)をさらに備える。
【0087】
管材5は、射出機1、2から溶融プラスチックを受け取るように適合された延伸部50を備える。特には、延伸部50は、射出機1によって射出された溶融プラスチック及び射出機2によって射出された溶融プラスチックの両方を受け取ることができる。
【0088】
管材5は、2つの枝部51、52(又は、より一般的には、各射出機のために1つの枝部)又は延伸部をさらに備える。各枝部51、52はそれぞれの射出機1、2から溶融プラスチックを受け取るように適合され、つまり、各延伸部51、52は、各延伸部51、52はそれぞれの射出機1、2からの溶融プラスチックのそれぞれの流れを受け取るように適合される。特には、各枝部51、52はそれぞれの弁41、42の出口に接続される。
【0089】
延伸部50は2つの枝部51、52に接続される。特には、2つの枝部51、52は延伸部50に集結し、つまり、各枝部51、52から出る溶融プラスチックの流れが延伸部50の中に導入される。特には、延伸部50は流体的には枝部51、52の下流にある。
【0090】
好適には、管材5の上記延伸部50に沿うように弁6が提供される。
【0091】
好適には、延伸部50は、共に弁6に接続された第1の延伸部53及び第2の延伸部54(又は、サブ延伸部)を備える。特には、延伸部53は弁6の上流にあり、延伸部54は弁6の下流にある。延伸部54は実質的にノズルである。
【0092】
弁6は、特には、その位置に応じて、金型の方向への溶融プラスチックの通過を可能にするか又は防止するように適合される。
【0093】
弁6は、第1の位置において、金型の方向への溶融プラスチックの通過を可能にし、第2の位置において、特にはパージ・オペレーションを実行することを目的として、延伸部50から溶融プラスチックが出るのを可能にする(溶融プラスチックが金型に達するのを防止する)。
【0094】
弁6は好適には二方弁であり、特には2位置二方弁(two-way two-position valve)である。弁6を作動させるための、例えば作動シリンダなどの作動手段61が提供される。
【0095】
特には、弁6はパージ・ステップのみで使用される。パージ・ステップは、具体的には、成形装置101(射出装置100及び可塑化装置102を備える)を始動させるステップである。実際には、各射出機1、2の溶融PETの第1の投入分を金型の中に直接に射出する代わりに、管材5の特には外部にある収集トレイ(図示せず)の中へとこのような材料を出すことが好ましい。これは、フル・オペレーションの開始の前の加熱ステップ中において第1の材料が可塑化装置102の内部に長時間存在する場合には大きく劣化してしまうことが理由である。これを金型の中に射出してしまうと大きく劣化した材料が金型に充填されてしまうことになり、この材料は除去することも困難となる。
【0096】
射出装置100は、好適には、ボディ8を備え、管材5がボディ8に接続され、特には延伸部50に接続され、より具体的には延伸部54に接続される。ボディ8は金型に接続されるように構成される。
【0097】
好適には2つ油圧シリンダ71、72である2つのシリンダが、好適には、例えば延伸部54(又は、ノズル)の取り外しなどの、保守管理オペレーション及び特別な洗浄オペレーションを可能にするために提供される。油圧シリンダ71、72は射出機1、2が後退にするのを可能にし、つまり、油圧シリンダ71、72は、射出機1、2を金型から遠ざけるように射出機1、2を移動させるのを可能にし、油圧シリンダ71、72は、射出機1、2を前進させるのを可能にし、つまり、油圧シリンダ71、72は、金型の方向へ射出機1、2が移動するのを可能にする。特には、2つの油圧シリンダ71、72は、ボディ8を押圧するように適合されたそれぞれのパート711、721を備える。稼働位置において射出装置100を金型の方向へ前方に移動させた後の通常オペレーション(フル・オペレーション)中、2つの油圧シリンダ71、72は、射出圧力によって与えられる、金型からノズル54を分離する傾向にあるような分離力と反対の力を得るのに十分な力を作用させるように適合されていることを理由として、射出装置100を金型に接触させた状態で維持する機能を果たす。
【0098】
導管3(特には、延伸部311)は、テレスコピック・システムを形成するように互いに対して摺動するように適合されたパート91、92によって境界を画定される。特には、パート91は、好適には、パート92の中に挿入される。パート91は導管3の入口開口部30の境界を画定し、可塑化装置102に固定されるように、また特には堅固に固定されるように適合される。射出機1、2の上述の後退及び前進中、パート92はパート91に対して摺動することができる。特には、この摺動は、実質的に水平であるか又はいずれの場合においても射出装置100の支持平面に平行である軸に沿って行われ得る。射出装置100は、好適には、上述の任意選択のテレスコピック・システムによる導管3の長さの変化を最大150mm又は100mmにするように、構成される。テレスコピック・システムが提供される場合、導管3の上述の長さは好適には射出機1、2が金型に対しての近位位置にあるときの最大長さを意味する(遠位位置は、油圧シリンダ71、72により射出機1、2が金型から最も遠い位置に移されたときの位置であり、この遠位位置では導管3がその最大延在位置にある)。
【0099】
テレスコピック・システムは、可塑化装置102が地面に(又は、いずれの場合においても射出装置100の支持平面に)特には堅固に固定されなければならない種類である場合に、つまり可塑化装置102が定位置で固定される場合に、特に有利である。実際には、射出機1、2、並びに、パート91を除いて(パート91は実際には可塑化装置102に堅固に固定されており、可塑化装置102は好適には定位置で固定されている)、弁41、42、管材5、及び導管3を含めた射出機1、2に堅固に固定された構成要素を水平に送ることが可能となる。
【0100】
限定しないが好適には、2つの射出機1、2は、射出装置100の支持平面に平行である水平面Hに対して好適には10°から45°の角度αで傾斜する。
【0101】
特には、2つの射出機1、2は、好適には、射出機1、2による(特には、ボディ11、21からの)溶融プラスチックの流入及び流出のための開口部が提供される場合では端部分19‘が軸方向において端部分19’の反対側にある端部分19”に対してさらに下にくることになるように(射出装置100の支持平面により近づくように)、傾斜する。
【0102】
射出機1、2が傾斜することに付随する利点のうちの1つの利点は容量が最適化されることからなる。実際には、こうすることにより、射出装置100の水平方向のボリュームを低減することが可能となり、さらには、可塑化装置102の少なくとも一部分を射出機1、2の下方の空間に配置構成することが可能となる。射出機1、2の傾斜は導管3の長さを短縮するのを可能にし、したがって、導管3の内部での溶融プラスチックの滞在時間を短縮するのを可能にする。
【0103】
したがって、射出機1、2の傾斜に関連するこの特徴は、限定しないが好適には、射出機1、2の下方の空間内に導管3の端部分39を配置構成することに関連付けられる。
【0104】
射出装置100は、好適には、特には射出機1、2を支持するように適合された支持構造7を備える。射出機1、2は、好適には、支持構造7に対して摺動することになるように支持構造7に拘束される。この目的のため、例えば、2つの摺動ガイド73、74が提供される。
【0105】
射出装置100は、特には、フレークの形態のPETを可塑化するように構成された可塑化装置102に接続されて可塑化装置102と共に動作するように適合される。特には、可塑化装置102は、好適には、溶融プラスチックの実質的に連続する流れを生成するように構成される。
【0106】
可塑化装置102は押出機を備える。特には、押出機は、溶融プラスチックの実質的に連続する流れを生成するように構成される。好適には、この目的のため、押出機のスクリューが、好適には実質的に一定の速度で、その長手方向軸を中心として回転し、その長手方向軸に沿っては移動しない。可塑化装置102は、押出機の下流に他の構成要素を備えることができる。
【0107】
導管3、また特には導管3の入口開口部30が、可塑化装置102の最後の構成要素に接続される。好適には、すべての実施例で、導管3は、可塑化装置102から2つの射出機1、2の方向へ溶融プラスチックを誘導するように適合された唯一の導管であり、つまり、可塑化装置102と導管3との間に他の導管は提供されない。
【0108】
非限定の実例として、可塑化装置102内の押出機の下流に、特には、溶融プラスチックのためのポンプが提供され得る。好適には、ポンプ及び任意選択で粘度計の上流にフィルターが提供され、ポンプの下流にパージ弁が提供され得る。さらに、PETフレークを処理するための、また特には前処理するための、1つ又は複数の反応器が押出機の上流に提供され得る。
【0109】
好適には、予想されるように、可塑化装置102は定位置で固定され、特には、地面に堅固に固定される。実際には、可塑化装置102は、例えば上述の反応器に起因して、地面に固定される必要が生じることになるような重量及び容量を有することができる。
【0110】
本発明はさらに、射出装置100と、可塑化装置102から2つの射出機1、2まで上記導管3を通って溶融プラスチックが通過することが可能となるように導管3に接続された可塑化装置102と、を備える、1つ又は複数の中空物品を製造するための成形装置101に関連する。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具体的にはボトル・プレフォームである1つ又は複数の中空物品を成形すること目的として溶融プラスチックを金型の中に射出するための射出装置(100)であって、
前記射出装置(100)が、
前記溶融プラスチックを受け取るように及び前記溶融プラスチックを前記金型の中に交互に射出するように適合された、それぞれの長手方向軸(X、X’)を各々画定する2つの射出機(1、2)と、
可塑化装置(102)に接続されるように及び前記可塑化装置(102)から前記2つの射出機(1、2)の方向へ前記溶融プラスチックを誘導するように適合された、前記溶融プラスチックのための入口開口部(30)を有する導管(3、31、32、33)と、
を備え、
前記導管(3)の長さが前記それぞれの長手方向軸(X、X’)に沿う各々の前記2つの射出機(1、2)の長さ(Ltot)より小さく、
前記2つの射出機(1、2)が、前記射出装置(100)の支持平面に平行である水平面(H)に対して傾斜する、射出装置(100)。
【請求項2】
前記射出機(1)のうちの1つへの溶融プラスチックの投入及び別の射出機(2)から出る前記溶融プラスチックの射出を交互に可能にするための1つ又は複数の弁(41、42)を備える、請求項1に記載の射出装置(100)。
【請求項3】
前記導管(3、31、32、33)が、前記溶融プラスチックのための入口開口部(30)から前記1つ又は複数の弁(41、42)まで延在し、好適には、各弁(41、42)のボディ(411、421)が前記それぞれの射出機(1、2)に固定される、請求項2に記載の射出装置(100)。
【請求項4】
2つの弁(41、42)を備え、前記2つの弁(41、42)のうちの1つの弁(41、42)が各射出機(1、2)のためのものであり、各弁(41、42)が、その位置に応じて前記それぞれの射出機(1、2)内の溶融プラスチックの流入を可能にするか又は防止するように適合され、好適には、各弁(41、42)が三方弁である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項5】
各弁(41、42)が第1の位置及び第2の位置をとるように適合され、前記第1の位置では、前記導管(3)から前記それぞれの射出機(1、2)までの溶融プラスチックの通過が可能であり、前記それぞれの射出機(1、2)から前記金型の方向への溶融プラスチックの通過が防止され、前記第2の位置では、前記それぞれの射出機(1、2)から前記金型の方向への溶融プラスチックの通過が可能であり、前記導管(3)から前記それぞれの射出機(1、2)までの溶融プラスチックの通過が防止される、請求項4に記載の射出装置(100)。
【請求項6】
前記2つの射出機(1、2)が、前記射出装置(100)の前記支持平面に平行である
前記水平面(H)に対して
、10°から45°の角度で、傾斜する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項7】
前記射出機(1、2)の各々が、前記溶融プラスチックを受け取るように適合されたボディ(11、21)と、前記ボディ(11、21)内で摺動するように適合されたピストン(12、22)と、前記ピストン(12、22)を移動させるように適合された作動手段(14、24)と、を備え、
前記導管(3)の長さが各ボディ(11、12)の長さ(Lcm)より短く、並びに/或いは、
各射出機(1、2)の前記長さ(Ltot)が、前記ボディ(11、21)の前記長さ(Lcm)及び前記作動手段(14、24)の長さ(Lhc)を含む、
請求項1から6までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項8】
各射出機(1、2)が第1の軸方向端部(19’)及び第2の軸方向端部(19”)を有し、
前記第1の軸方向端部(19’)が前記ボディ(11、21)の開口部の境界を画定し、前記溶融プラスチックが、特には前記ボディ(11、12)に入ったり出たりするために、前記開口部を通過することができ、
各射出機(1、2)の前記長さ(Ltot)が前記第1の軸方向端部(19’)から前記第2の軸方向端部(19”)までの距離であり、好適には、前記第2の軸方向端部(19”)が前記作動手段(14、24)の端部である、請求項7に記載の射出装置(100)。
【請求項9】
前記導管(3、31、32、33)の内側容量が、前記溶融プラスチックを受け取ることができる各射出機(1、2)の最大内側容量未満であり、好適には半分に等しいか又は半分未満である、請求項1から8までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項10】
前記導管(3、31、32、33)の前記長さと内径の比が25から50である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項11】
前記導管(3)が2つの出口開口部(32、33)を有し、
前記導管(3)の前記長さが前記入口開口部(30)から前記2つの出口開口部(37、38)までで測定され、特には、前記導管(3)の前記長さが、前記入口開口部(30)から前記2つの出口開口部(37、38)までで前記導管(3)を横断するときに前記溶融プラスチックによって占有される経路の長さに対応する、
請求項1から10までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項12】
前記導管(3、31、32、33)が前記入口開口部(30)を装備する第1の延伸部(31)と、2つの枝部(32、33)と、を備え、各枝部(32、33)がそれぞれの射出機(1、2)の方向へ前記溶融プラスチックを運ぶように適合され、特には、各枝部(32、33)が前記導管(3)のそれぞれの出口開口部(37、38)を装備し、好適には、各枝部(32、33)がそれぞれの弁(41、42)に接続される、請求項1から11までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項13】
前記導管(3)の一部分が、前記2つの枝部(32、33)を含むT形又はY形の構成要素によって境界を画定される、請求項12に記載の射出装置(100)。
【請求項14】
前記導管(3)の前記第1の延伸部(31)が互いに交差する関係である2つの延伸部(311、312)を備える、請求項12又は13に記載の射出装置(100)。
【請求項15】
前記可塑化装置(102)に接続されるように適合された前記導管(3)の前記入口開口部(30)が、前記射出装置(100)の前記支持平面に平行である水平面(H)において、各射出機(1、2)の前記軸方向端部(19’、19”)の直交投影(P、Q)の間の空間内に配置構成される、請求項1から14までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項16】
前記可塑化装置(102)に接続されるように適合された前記導管(3)の前記入口開口部(30)が、前記2つの射出機(1、2)の下方の、また特には前記2つの射出機(1、2)のところを含めた下方の、又は、前記2つの射出機(1、2)の上方の、また特には前記2つの射出機(1、2)のところを含めた上方の、空間内に配置構成される、請求項1から15までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項17】
前記射出機(1、2)から前記金型の方向へ前記溶融プラスチックを運ぶための管材(5)を備え、
前記管材(5)が、前記射出機(1、2)から前記溶融プラスチックを受け取るように適合された延伸部(50)を備える、
請求項1から16までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項18】
前記管材(5)の前記延伸部(50)に沿うように弁(6)が提供され、前記弁(6)が、第1の位置において、前記金型の方向への溶融プラスチックの通過を可能にし、第2の位置において、特にはパージ・オペレーションを実行することを目的として、前記延伸部(50)から前記溶融プラスチックが出るのを可能にする、請求項17に記載の射出装置(100)。
【請求項19】
前記導管(3)が、特にはテレスコピック・システムを形成するように互いに対して摺動するように適合された2つのパート(91、92)によって境界を画定され、前記2つのパート(91、92)のうちの第1のパート(91)が前記導管(3)の前記入口開口部(30)の境界を画定し、前記可塑化装置(102)に固定されるように適合され、好適には、前記2つのパート(91、92)のうちの第2のパート(92)の中に挿入される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の射出装置(100)。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか一項に記載の射出装置(100)と、可塑化装置(102)から2つの射出機(1、2)まで溶融プラスチックが通過することが可能となるように導管(3)に接続された可塑化装置(102)と、を備える、1つ又は複数の中空物品を製造するための成形装置(101)。
【請求項21】
前記可塑化装置(102)が、前記2つの射出機(1、2)の下方の空間内に少なくとも部分的に配置構成される、請求項20に記載の成形装置(101)。
【国際調査報告】