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特表2024-533935気体水素の貯蔵のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】気体水素の貯蔵のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/04 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
F17C1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501650
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 US2022040060
(87)【国際公開番号】W WO2023018872
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/231,782
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/257,602
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520215979
【氏名又は名称】プリロード クライオジェニックス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メータ、サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リーマン、エリック、ティー.
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BC04
3E172BC05
3E172BC10
3E172CA11
3E172CA20
3E172DA40
3E172EA02
(57)【要約】
気体水素貯蔵システム100は、金属側壁102及び金属ドーム104を含む、1次容器101を含み得る。1次容器101は、気体水素を保持するように構成され得る。1次容器101の一部、たとえば、金属側壁102は、複合材料層106で覆われ得る。金属側壁102及び金属ドーム104は、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル系鋼、及びその組合せから構築され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体水素を保持するように構成された気体水素貯蔵システムであって、
金属側壁及び金属ドームを含む1次容器であり、前記1次容器が、気体水素を保持するように構成され、前記金属側壁が、複合材料層で覆われた、前記1次容器
を備える、気体水素貯蔵システム。
【請求項2】
前記金属側壁及び前記金属ドームが、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル系鋼、及びその組合せから構築された、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項3】
コンクリート壁をさらに備え、前記複合材料層が、前記コンクリート壁の外側に配置された、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項4】
前記複合材料層が、前記金属側壁の外側に配置され、前記金属側壁が、前記複合材料層と前記コンクリート壁との間に挟まれた、請求項3に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項5】
コンクリート壁をさらに備え、前記コンクリート壁が、前記金属側壁の外側に配置された、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項6】
前記複合材料層が、前記コンクリート壁の外側に配置され、前記コンクリート壁が、前記金属側壁と前記複合材料層との間に挟まれた、請求項5に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項7】
前記1次容器が、プレストレスト・ワイヤでの圧縮によってプレストレスを加えられる、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項8】
前記プレストレスト・ワイヤが、前記複合材料層内に封入された、請求項7に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項9】
前記複合材料層が、前記プレストレスト・ワイヤと圧縮状態にある、請求項8に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項10】
前記プレストレスト・ワイヤが、垂直向き、水平向き、及びその組合せのうちの1つにおいて配置される、請求項7に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項11】
前記1次容器を支えるためのコンクリート足場をさらに備える、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項12】
前記金属側壁が、実質的に円筒の構造を形成する鋼製ライナを含む、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項13】
前記金属ドームが、1つ又は複数の鋼板から製造された半球頭を含む、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項14】
前記金属側壁が、厚さ3/16”である、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項15】
前記複合材料層が、ショットクリートを含む、請求項1に記載の気体水素貯蔵システム。
【請求項16】
水素貯蔵システムを組み立てる方法であって、
金属側壁及び金属ドームを含む1次容器を提供することと、
所定の位置に前記1次容器を配置することと、
複合材料で前記金属側壁を覆い、それにより、複合材料層を形成することと
を含む、方法。
【請求項17】
コンクリート壁の外側に前記金属側壁を配置することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属側壁の外側に前記複合材料層を配置することをさらに含み、前記金属側壁が、前記複合材料層と前記コンクリート壁との間に挟まれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記金属側壁の外側にコンクリート壁を配置することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記コンクリート壁の外側に前記複合材料層を配置することをさらに含み、前記コンクリート壁が、前記金属側壁と前記複合材料層との間に挟まれる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月11日に出願した米国仮出願第63/231,782号、及び2021年10月20日に出願した米国仮出願第63/257,602号の利益を主張するものである。前述の出願の全開示が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して貯蔵システムに関し、より詳細には、気体水素貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本項は、必ずしも先行技術ではない本開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
水素は、それを使用するための広範囲にわたるオプションを所与とするクリーン・エネルギ移行の重要な構成要素である。多数の産業が、持続可能に(再生可能エネルギから又は従来の方法に加えた炭素回収を通して)生産されるときにエンド・ユーザにおいて炭素を含まない排出物を生み出す燃料としての水素の使用法を開発している。水素研究、パイロット、及びビジネス事例が、高荷重に耐えられる輸送、発電、鉄鋼生産及びアンモニア合成などの産業用途において、並びに環境に優しい暖房用燃料においても、開発されている。まだ注目されていない研究の1つの重要なエリアは、貯蔵である。水素は、液体及び気体の形で貯蔵され得る。
【0005】
気体水素の貯蔵のための最も単純な方法は、地下岩塩空洞においてである。しかしながら、この方法は、地理的制限を有し、しばしば、地質学的形成並びに容易にアクセス可能なローカル市場の近くに生産資源が位置することを必要とする。水素は、元素の中で最も軽く、1.00794a.m.u.の原子半径を有するので、気体形態での水素の貯蔵は、困難なことがある。水素はまた、金属の格子構造を通ることができ、水素脆化を引き起こし得、高い引張応力条件の下で合金鋼の割れの原因になり得る。水素を他の元素、たとえば、アンモニアを形成するための窒素、と結合することが可能であるが、多くのエネルギが、このプロセスにおいて消費され得る。追加エネルギもまた、アンモニアから水素を抽出するために、必要とされ得、それにより、プロセスを不経済で非効率的にする。気体形態での大量の水素の貯蔵の問題は、水素経済を商業利用に適したものにするために、対処される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、商用水素貯蔵システムが必要である。望ましくは、気体水素貯蔵システムは、気体水素を効率的に保持し得、経済的に構築され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、貯蔵システムの浸透性を低減することによって気体水素を効率的に保持しながら、より経済的に構築されるように構成された気体水素貯蔵システム及び方法が、驚いたことに、発見された。
【0008】
いくつかの実施例では、1次容器を含む、気体水素貯蔵システムが、提供される。1次容器は、金属側壁及び金属ドームを含み得、そこで、1次容器は、気体水素を保持するように構成され得る。金属側壁は、複合材料層で覆われ得る。
【0009】
いくつかの実施例では、気体水素貯蔵システムは、金属側壁及び金属ドームを含む1次容器を含み得る。1次容器は、気体水素を保持するように構成され得る。金属側壁は、複合材料層で覆われ得る。金属側壁及び金属ドームは、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル系鋼、及びその組合せから構築され得る。
【0010】
気体水素貯蔵システムはさらに、以下の様々な態様を含むことができる。複合材料層が、コンクリート壁の外側に配置され得る。複合材料層はさらに、金属側壁の外側に配置され得、金属側壁は、複合材料層とコンクリート壁との間に挟まれ得る。コンクリート壁は、金属側壁の外側に配置され得る。複合材料層はさらに、コンクリート壁の外側に配置され得、コンクリート壁は、金属側壁と複合材料層との間に挟まれ得る。
【0011】
気体水素貯蔵システムの1次容器は、プレストレスト・ワイヤでの圧縮によってプレストレスを加えられ得る。プレストレスト・ワイヤは、複合材料層内に封入され得る。いくつかの実施例では、複合材料層は、プレストレスト・ワイヤと圧縮状態にあり得る。プレストレスト・ワイヤは、垂直向き、水平向き、及びその組合せのうちの1つで配置され得る。
【0012】
気体水素貯蔵システムはさらに、気体水素貯蔵システムを支えるためのコンクリート足場を含み得る。金属側壁は、実質的に円筒の構造を形成する鋼製ライナを含み得る。金属ドームは、1つ又は複数の鋼板から製造された丸頭を含み得る。いくつかの実施例では、金属側壁は、厚さ3/16”でもよい。具体的には、金属側壁の厚さは、1次容器の内部圧力及び直径に比例し得る。
【0013】
いくつかの実施例では、気体水素貯蔵システムを組み立てる様々な方法が、提供される。そのような方法は、1次容器及び複合材料を提供することを含み得る。1次容器は、所定の位置に配置され得る。次いで、1次容器の一部、たとえば金属側壁が、複合材料で覆われ得る。
【0014】
いくつかの実施例では、気体水素貯蔵システムを組み立てる方法は、金属側壁及び金属ドームを含む1次容器を提供することと、複合材料層を提供することと、所定の位置に1次容器を配置することと、1次容器の一部を、たとえば、複合材料で金属側壁を、覆い、それにより、複合材料層を形成することとを含み得る。
【0015】
気体水素貯蔵システムを組み立てることはさらに、以下の様々な態様を含むことができる。組み立ては、コンクリート壁の外側に複合材料を配置することを含み得る。複合材料層はさらに、金属側壁の外側に配置され得、金属側壁は、複合材料層とコンクリート壁との間に挟まれ得る。コンクリート壁は、金属側壁の外側に配置され得る。複合材料層はさらに、コンクリート壁の外側に配置され得、コンクリート壁は、金属側壁と複合材料層との間に挟まれ得る。
【0016】
適応性のさらなるエリアが、本明細書で提供される説明から明らかとなろう。本概要における説明及び具体的実例は、単に例示を目的として意図されており、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【0017】
本明細書で記述される図面は、すべての可能な実装形態ではなく選択された実施例の例示を単に目的としており、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本技術による、気体水素貯蔵システムの第1の実施例の概略図である。
図2】気体水素貯蔵システムの第1の実施例の上部の拡大された概略図である。
図3】気体水素貯蔵システムの第1の実施例の下部の拡大された概略図である。
図4】本技術による、内部金属ライナを有する気体水素貯蔵システムの第2の実施例の概略図である。
図5】内部金属ライナを有する気体水素貯蔵システムの第2の実施例の上部の拡大された概略図である。
図6】内部金属ライナを有する気体水素貯蔵システムの第2の実施例の中央部の拡大された概略図である。
図7】内部金属ライナを有する気体水素貯蔵システムの第2の実施例の下部の拡大された概略図である。
図8】本技術による、気体水素貯蔵システムを組み立てる方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
技術の以下の説明は、1つ又は複数の発明の主題、製造、及び使用の本質における単に例示であり、本出願において又は本出願に対する優先権を主張して出願され得る他の出願において主張される任意の特定の発明或いはそこから発生する特許権の範囲、適用、又は使用を制限することは意図されていない。開示される方法に関して、提示されるステップの順番は、本質的に例示であり、したがって、ステップの順番は、いくつかのステップが同時に実行され得る場合を含む、様々な実施例において異なり得る。本明細書で使用される「一」(「A」及び「an」)は、項目の「少なくとも1つ」が存在するということを示し、複数のそのような項目が、可能であれば、存在し得る。別段の明確な指示がある場合を除いて、本記述におけるすべての数量は、「約」という言葉によって修正されるものとして理解されるべきであり、すべての幾何学的及び空間的記述子は、その技術の最も広い範囲を記述する際に「実質的に」という言葉によって修正されるものとして理解されるべきである。数値に適用されるときに「約」は、計算又は測定が値におけるいくらかの僅かな不正確性を許す(値における厳密性への何らかの近似を有する、値にほぼ又は合理的に近い、ほとんど)ということを示す。何らかの理由で、「約」及び/又は「実質的に」によって与えられる不正確性が、この通常の意味で技術分野において理解されない場合、そのとき、本明細書で使用されるものとしての「約」及び/又は「実質的に」は、少なくともそのようなパラメータを測定又は使用する通常の方法から生じ得る変形を示す。
【0020】
含む、包含する、又は有するなどを含む非制限的用語の同義語としての制限のない用語「備える」が、本技術の実施例を記述及び主張するために本明細書で使用されるが、実施例は、別法として、「から構成される」又は「から本質的に構成される」などのより制限的用語を使用して記述され得る。したがって、材料、構成要素、又はプロセス・ステップを列挙する任意の所与の実施例について、本技術はまた、特に、(から構成されるための)付加的材料、構成要素又はプロセスを除く及び(から本質的に構成されるための)実施例の有意な特質に影響する付加的材料、構成要素又はプロセスを除くそのような材料、構成要素、又はプロセス・ステップで構成される、或いは本質的に構成される、実施例を、そのような付加的材料、構成要素又はプロセスは本出願において明示的に列挙されていないが、含む。たとえば、要素Dは、除外されるものとして本明細書で明示的に記述されていないが、要素A、B及びCを具体的に列挙する合成又はプロセスの列挙は、技術分野において列挙されないことがある要素Dを除く、A、B及びCで構成される、及び実質的に構成される、実施例を想定する。
【0021】
本明細書では、範囲の開示は、他に指定のない限り、端点を含み、全範囲内のすべての別個の値及びさらに分けられた範囲を含む。したがって、たとえば、「AからB」又は「約Aから約B」の範囲は、Aを及びBを含む。値の開示及び特定のパラメータの値の範囲(たとえば、量、重量パーセンテージなど)は、本明細書で有用な他の値及び値の範囲を除外しない。所与のパラメータの2つ以上の特定の例示される値は、パラメータについて主張され得る値の範囲の端点を定義し得る、ということが想定される。たとえば、パラメータXが、値Aを有すると本明細書で例示され、値Zを有するとも例示される場合、パラメータXは約Aから約Zの値の範囲を有し得るということが想定される。同様に、パラメータの2つ以上の範囲の値の開示(そのような範囲がネスト化される、重複している、又は別個であろうとなかろうと)は、開示される範囲の端点を使用して主張され得る値の範囲のすべての可能な組合せを含める、ということが想定される。たとえば、パラメータXが、1~10、又は2~9、又は3~8の範囲の値を有すると本明細書で例示される場合、パラメータXは1~9、1~8、1~3、1~2、2~10、2~8、2~3、3~10、3~9などを含む他の範囲の値を有し得る、ということも想定される。
【0022】
要素又は層が、別の要素又は層「上」にある、「に嵌め込まれる」、「に接続される」、又は「に連結される」ものとして参照されるとき、それは、直接に他の要素又は層上にある、それに嵌め込まれる、接続される、又は連結される可能性があり、或いは介在する要素又は層が、存在し得る。対照的に、要素が、別の要素又は層「上に直接にある」、「に直接に嵌め込まれる」、「に直接に接続される」又は「に直接に連結される」ものとして参照されるとき、介在する要素又は層は存在しない可能性がある。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様の意味で解釈されるべきである(たとえば、「間に」対「直接に間に」、「隣接する」対「直接に隣接する」など)。本明細書では、「及び/又は」という用語は、関連するリストに記載された項目のうちの1つ又は複数の任意の及びすべての組合せを含む。
【0023】
第1の、第2の、第3のなどの用語が、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又はセクションを別の領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用され得る。本明細書で使用されるとき、「第1の」、「第2の」、及び他の数的用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序又は順番を暗示しない。したがって、後述される第1の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、例示的実施例の教示を逸脱せずに第2の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと呼ばれ得る。
【0024】
空間的に相対的な用語、たとえば、「内部」、「外部」、「の下」、「より下」、「より低い」、「上の」、「上方」など、は、図に示されるものとしての別の要素又は特徴に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するための記述を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて使用又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図され得る。たとえば、図中のデバイスが、ひっくり返される場合、他の要素又は特徴「より下」又は「の下」として記述された要素は、それらの他の要素又は特徴の「上」に方向付けられることになろう。したがって、例示的用語「より下」は、上の及び下の向きの両方を包含することができる。デバイスは、他の方法で方向付けられ(90度又は他の向きで回転させられ)得、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0025】
本技術は、気体水素を保持するように構成された気体水素貯蔵システムに関する。気体水素貯蔵システムは、金属側壁及び金属ドームを含む1次容器を含み得る。1次容器は、気体水素を保持するように構成され得る。1次容器の一部は、複合材料層で覆われ得る。たとえば、金属側壁は、複合材料層で覆われ得る。金属側壁及び金属ドームは、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル系鋼、及びその組合せから構築され得る。
【0026】
複合材料層が、コンクリート壁の外側に配置され得る。いくつかの実施例では、複合材料層はさらに、金属側壁の外側に配置され得、金属側壁は、複合材料層とコンクリート壁との間に挟まれ得る。コンクリート壁は、金属側壁の外側に配置され得る。いくつかの実施例では、複合材料層はさらに、コンクリート壁の外側に配置され得、コンクリート壁は、金属側壁と複合材料層との間に挟まれ得る。
【0027】
1次容器は、プレストレスト・ワイヤでの圧縮によってプレストレスを加えられ得る。プレストレスト・ワイヤは、複合材料層内に封入され得る。いくつかの実施例では、複合材料層は、プレストレスト・ワイヤと圧縮状態にあり得る。プレストレスト・ワイヤは、垂直向き、水平向き及びその組合せのうちの1つで配置され得る。
【0028】
気体水素貯蔵システムはさらに、気体水素貯蔵システムを支えるためのコンクリート足場を含み得る。金属側壁は、実質的に円筒の構造を形成する鋼製ライナを含み得る。金属ドームは、1つ又は複数の鋼板から製造された丸頭を含み得る。いくつかの実施例では、金属側壁は、厚さ3/16”でもよい。具体的には、金属側壁の厚さは、1次容器の内部圧力及び直径に比例し得る。
【0029】
水素貯蔵システムを組み立てる方法は、金属側壁及び金属ドームを含む1次容器を提供することと、複合材料層を提供することと、所定の位置に1次容器を配置することと、1次容器の一部を、たとえば、複合材料で金属側壁を、覆い、それにより、複合材料層を形成することとを含み得る。
【0030】
いくつかの実施例では、方法は、コンクリート壁の外側に複合材料層を配置することを含み得る。複合材料層はさらに、金属側壁の外側に配置され得、金属側壁は、複合材料層とコンクリート壁との間に挟まれ得る。いくつかの実施例では、コンクリート壁は、金属側壁の外側に配置され得る。複合材料層はさらに、金属側壁と複合材料層との間にコンクリート壁が挟まれ得るように、コンクリート壁の外側に配置され得る。
【0031】
有利には、気体水素貯蔵システムは、貯蔵システムの浸透性を低減することと、同時に、火事、ミサイル衝撃爆発、及び他の外的危険などの外的危険に対する保護を提供することとによって水素を効率的に保持する経済的に構築された容器を提供する。
【0032】
実例
本技術の例示的実施例が、本明細書と含まれるいくつかの図を参照して提供される。
【0033】
図1~7に示すように、1次容器101を含む、気体水素貯蔵システム100が、提供される。1次容器101は、気体水素を保持するように構成された、プレストレスト・コンクリートと合成された金属側壁102及び金属ドーム104を含み得る。いくつかの実施例では、プレストレスト・コンクリートは、1次容器101の一部に追加された複合材料層106を含み得る。複合材料層106は、吹付けコンクリート又はモルタルのドライ・ミックス又はウェット・ミックスを含み得る。いくつかの実施例では、複合材料層106は、ショットクリート材料を含み得る。複合材料層106は、1次容器101の一部に吹付けること又は他の方法で発射されることによって、適用され得る。しかしながら、複合材料層106は、適切に要望通りに任意の方法を使用して、1次容器101の一部に追加され得る。
【0034】
図1~7を続けて参照すると、1次容器101は、様々なタイプの材料によって実行され得るいくつかの機能性を有し得る。たとえば、1次容器101は、水素脆化による損傷を軽減するように構成された材料から構築され得る。非制限的な一実例として、1次容器101の金属側壁102及び金属ドーム104は、水素脆化による損傷に耐え得る炭素鋼材料又はステンレス鋼材料又は任意の他の材料を含み得る。いくつかの実施例では、金属側壁102及び/又は金属ドーム104は、ニッケルを含み得る。特定の一実例において、金属側壁102及び/又は金属ドーム104は、ステンレス鋼材料を含み得る。
【0035】
いくつかの実施例では、1次容器101は、プレストレスを加えられ得る。プレストレスを加えることは、1次容器101がプレストレスト・ワイヤ108によって圧縮される場合を含み得る。プレストレスト・ワイヤ108は、腐食に対する保護を提供するために、複合材料層106に封入され得る。特定の一実例において、複合材料層106は、プレストレスト・ワイヤ108を所定の向きで配置することと、ショットクリート材料で複数のプレストレスト・ワイヤ108を封入することとを含み得る。複合材料層106のプレキャスト部分は、組み立てプロセス(プレテンショニング)の間にプレストレスを加えられ得、又は複合材料層106の部分は、完成したらストレスを加えられ得る(ポストテンショニング)。プレストレスト・ワイヤ108のプレストレスを加えることは、貯蔵された水素の引張応力を補填し得る。したがって、複合材料層106は、一般に、プレストレスト・ワイヤ108と併せて圧縮状態に留まり得る。特定の一実例において、プレストレスト・ワイヤ108の向きは、垂直向き、水平向き、及びその組合せでもよい。
【0036】
いくつかの実施例では、図1及び図4に示すように、気体水素貯蔵システム100は、動かない又は垂直の構成110において提供され得る。動かない構成110は、気体水素貯蔵システム100を支えるために使用され得るコンクリート足場112を気体水素貯蔵システム100がさらに含むことを必要とし得る。気体水素貯蔵システム100は、いくつかの実施例において水平位置(図示せず)において提供され得る。
【0037】
いくつかの実施例では、図1~7に示すように、気体水素貯蔵システム100は、特に大きな容積で気体水素を保持するための手段を含み得る。たとえば、金属側壁102は、実質的に円筒の構造を形成する薄い鋼製ライナでもよい。1次容器101は、金属側壁102を囲むプレストレスト・コンクリート円筒骨組みを含み得る。金属ドーム104は、金属側壁102の終端に配置された厚い鋼板から製造された丸頭を含み得る。特定の一実例において、金属ドーム104は、金属側壁102の各端上に配置され得る。コンクリートは、ガス、特に水素、に透過性なので、鋼製ライナの目的は、ガス気密を提供することである。有利には、複合材料層106のプレストレスト・コンクリート円筒骨組みは、保持される水素の内部圧力からの圧力に抵抗することができるので、金属側壁102の厚さは、減らされ得る。望ましくは、金属側壁102の薄い鋼製ライナは、溶接するのにより実用的であり得る。特定の一実例において、プレストレスト・コンクリート円筒骨組みと連動して作動するとき、金属側壁102の鋼製ライナの厚さは、通常は、約3/16”である。いくつかの実施例では、金属側壁102は、円筒金属側壁を含む。
【0038】
図1~7に示すように、いくつかの実施例では、気体水素貯蔵システム100の容積は、約3,792m(133,905ft)又は約3,785m(100万ガロン)でもよい。これは、24.61kgf/cm(350psi)における水素ガスの約7,975kg(21,000ポンド)とほぼ等しい。気体水素貯蔵システム100は、金属壁と複合的に作動するプレストレスト・コンクリート部分の高さと共に金属側壁102の高さを増やすことによって拡張可能になり得る。たとえば、金属側壁102及び複合材料層106の高さを倍にすることは、貯蔵された水素ガスの量を約11,963kg(26,319ポンド)に増やし得る。金属側壁102の厚さは、内部圧力及び直径に比例するので、金属側壁102の高さ及び複合材料層106の高さを増やすことは、金属側壁102の必須の厚さを増やさない。同様に、気体水素貯蔵システム100の容積が、金属側壁102の高さを増やすことによって、大きくされる場合、金属ドーム104又は半球頭の全体の厚さは、増えない。
【0039】
気体水素貯蔵システム100は、様々な構成において提供され得る。たとえば、図1~3に示すように、金属側壁102は、コンクリート壁114の外側に配置され得る。複合材料層106は、そのとき、金属側壁102の外側に配置され得、それにより、複合材料層106とコンクリート壁114との間に金属側壁102を挟む。一代替構成では、図4~7に示すように、金属側壁102は、気体水素貯蔵システム100の最も内側の層でもよい。コンクリート壁114は、金属側壁102の外側に配置され得る。複合材料層106は、そのとき、コンクリート壁114の外側に配置され得、それにより、金属側壁102と複合材料層106との間にコンクリート壁114を挟む。
【0040】
図8は、気体水素貯蔵システムを組み立てる方法200を示す。図8に示すように、方法200は、金属側壁102及び金属ドーム104を含む1次容器101、及び複合材料を提供するステップ202を含み得る。1次容器101は、別のステップ204において所定の位置に配置され得る。さらなるステップ206において、1次容器102の一部は、複合材料層106を形成するために複合材料で覆われ得る。たとえば、金属側壁102は、複合材料層106を形成するために複合材料で覆われ得る。いくつかの実施例では、金属側壁102が、気体水素貯蔵システム100のコンクリート壁114の外側に配置され得る。金属側壁102が、複合材料層106とコンクリート壁114との間に挟まれるように、複合材料層106は、そのとき、金属側壁102の外側に配置され得る。別法として、コンクリート壁114は、金属側壁102の外側に配置され得る。コンクリート壁114が、金属側壁102と複合材料層106との間に挟まれるように、複合材料層106は、そのとき、コンクリート壁114の外側に配置され得る。
【0041】
本開示が、完全になり、当業者に範囲を十分に伝えることになるように、例示的実施例が、提供される。特定の構成要素、デバイス、及び方法の実例など、多数の特定の詳細が、本開示の実施例の完全な理解を実現するために、明記されている。特定の詳細が用いられる必要はないということと、例示的実施例は多数の異なる形で実施され得るということと、どちらも本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではないということとが、当業者には明らかとなろう。いくつかの例示的実施例において、よく知られているプロセス、よく知られているデバイス構造、及びよく知られている技術は、詳細に記述されていない。いくつかの実施例、材料、合成、及び方法の同等の変更形態、修正形態及び変形形態が、実質的に類似の結果を有して、本技術の範囲内で行われ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】