(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ニューラルメモリ重みデータをアナログ形式又はデジタル形式で記憶するように構成可能なハイブリッドメモリシステム
(51)【国際特許分類】
G11C 11/56 20060101AFI20240910BHJP
G11C 11/54 20060101ALI20240910BHJP
G11C 7/16 20060101ALI20240910BHJP
G06N 3/065 20230101ALI20240910BHJP
G06N 3/063 20230101ALI20240910BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20240910BHJP
H10N 99/00 20230101ALI20240910BHJP
H10B 63/10 20230101ALI20240910BHJP
H10B 63/00 20230101ALI20240910BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240910BHJP
H10B 41/30 20230101ALI20240910BHJP
H10B 41/35 20230101ALI20240910BHJP
H10B 51/30 20230101ALI20240910BHJP
H10B 20/25 20230101ALI20240910BHJP
G06G 7/60 20060101ALI20240910BHJP
G06F 12/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G11C11/56 220
G11C11/54
G11C7/16
G06N3/065
G06N3/063
H10N70/00 A
H10N70/00 Z
H10N99/00
H10B63/10
H10B63/00
H01L29/78 371
H10B41/30
H10B41/35
H10B51/30
H10B20/25
G06G7/60
G06F12/00 597U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502137
(86)(22)【出願日】2021-11-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2021059286
(87)【国際公開番号】W WO2023018432
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ヒュー バン
【テーマコード(参考)】
5B160
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B160AA20
5B160AC15
5B160MM18
5B225BA01
5B225BA02
5B225BA03
5B225BA05
5B225BA06
5B225BA08
5B225CA07
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5F083CR15
5F083EP02
5F083EP18
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5F083JA19
5F083KA01
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5F101BA01
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BC11
5F101BE02
5F101BE05
5F101BE06
(57)【要約】
ハイブリッドメモリシステムの多数の実施形態が、開示されている。ハイブリッドメモリは、アナログニューラルメモリシステムで使用される場合にはアナログ形式で、又はデジタルニューラルメモリシステムで使用される場合にはデジタル形式で、重みデータをアレイに記憶することができる。入力回路及び出力回路は、両方の形式の重みデータをサポートすることができる。
【選択図】
図35A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数の行及び複数の列に配置された複数の不揮発性メモリセルのアレイと、
前記アレイに入力を提供するために、前記アレイに結合された構成可能な入力回路と、
前記アレイから受信された出力を提供するために、前記アレイに結合された構成可能な出力回路と、を備え、
第1のモードでは、前記構成可能な入力回路及び前記構成可能な出力回路は、前記アレイからデジタルデータを取得し、
第2のモードでは、前記構成可能な入力回路及び前記構成可能な出力回路は、前記アレイからアナログデータを取得する、システム。
【請求項2】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含み、前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記構成可能な入力回路は、
前記第1のモード中に使用するための行レジスタ及びデジタル-アナログ変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するための行デコーダブロックと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記構成可能な出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記構成可能な出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記不揮発性メモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記不揮発性メモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
システムであって、
複数の行及び複数の列に配置された複数の不揮発性メモリセルのアレイと、
前記アレイに入力を提供するために、前記アレイに結合された入力回路と、
前記アレイから受信された出力を提供するために、前記アレイに結合された出力回路と、を備え、
前記入力回路は、第1のモードで前記アレイにデジタル入力を提供することができ、又は第2のモードで前記アレイにアナログ入力を提供することができる、システム。
【請求項10】
前記第1のモードでは、前記出力回路は、前記アレイからデジタルデータを取得する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のモードでは、前記出力回路は前記アレイからアナログデータを取得する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記入力回路は、
前記第1のモード中に使用するための行レジスタ及びデジタル-アナログ変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するための行デコーダブロックと、を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記不揮発性メモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
前記不揮発性メモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項9に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項9に記載のシステム。
【請求項20】
システムであって、
複数の行及び複数の列に配置された複数の不揮発性メモリセルのアレイと、
前記アレイに入力を提供するために、前記アレイに結合された入力回路と、
前記アレイから受信された出力を提供するために、前記アレイに結合された出力回路と、を備え、
前記出力回路は、第1のモードで前記アレイからのデジタルビット出力を提供することができ、又は第2のモードで前記アレイからのアナログ出力を提供することができる、システム。
【請求項21】
前記入力回路は、
前記第1のモード中に使用するための行レジスタ及びデジタル-アナログ変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するための行デコーダブロックと、を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記不揮発性メモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記不揮発性メモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項17に記載のシステム。
【請求項26】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項17に記載のシステム。
【請求項27】
再構成可能な出力ブロックであって、
非反転入力、反転入力、及び出力を備える演算増幅器であって、前記非反転入力が、基準電圧を受け取る、演算増幅器と、
選択されたメモリセル及び前記反転入力に結合され、前記出力に応答して論理によって制御される可変電流源と、を備える、構成可能な出力ブロック。
【請求項28】
前記選択されたメモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項27に記載の出力ブロック。
【請求項29】
前記選択されたメモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項27に記載の出力ブロック。
【請求項30】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
再構成可能な出力ブロックであって、
記憶されたデジタルデータに対して動作するように構成可能であり、記憶されたアナログデータに対して動作するように構成可能である出力回路を備える、再構成可能な出力ブロック。
【請求項32】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含み、前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記選択されたメモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項31に記載の出力ブロック。
【請求項34】
前記選択されたメモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項31に記載の出力ブロック。
【請求項35】
前記システムは、アナログニューラルメモリシステムである、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
再構成可能な入力ブロックであって、
デジタルデータを記憶し、取り出すように構成可能であり、アナログデータを記憶し、取り出すように構成可能である入力回路を備える、再構成可能な入力ブロック。
【請求項37】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含み、前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記選択されたメモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項36に記載の出力ブロック。
【請求項39】
前記選択されたメモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項36に記載の出力ブロック。
【請求項40】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項36に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2021年8月11日に出願された「Hybrid Memory System Configurable to Store Neural Memory Weight Data in Analog Form or Digital Form」と題する米国仮出願第63/232,149号、及び2021年11月4日に出願された「Hybrid Memory System Configurable to Store Neural Memory Weight Data in Analog Form or Digital Form」と題する米国特許出願第17/519,241号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
ハイブリッドメモリシステムの多数の実施形態が、開示されている。ハイブリッドメモリは、アナログニューラルメモリシステムで使用される場合にはアナログ形式で、又はデジタルニューラルメモリシステムで使用される場合にはデジタル形式で、重みデータをアレイに記憶することができる。入力回路及び出力回路は、両方の形式の重みデータをサポートすることができる。
【背景技術】
【0003】
人工ニューラルネットワークは、生物学的ニューラルネットワーク(動物の中枢神経系、特に脳)を模倣しており、多数の入力に依存し得、かつ、一般的に未知である関数を推定する又は近似するために使用される。人工ニューラルネットワークは、概して、お互いの間でメッセージを交換する相互接続した「ニューロン」の層を含む。
【0004】
図1は人工ニューラルネットワークを示しており、図中、円は、入力又はニューロンの層を例解する。接続(シナプスと呼ばれる)は、矢印によって表され、経験に基づいてチューニングされ得る数値の重みを有する。これにより、ニューラルネットワークは入力に適応し、学習可能になる。典型的には、ニューラルネットワークは、複数の入力の層を含む。典型的には、1つ以上のニューロンの中間層、及びニューラルネットワークの出力を提供するニューロンの出力層が存在する。各レベルでニューロンは、シナプスから受信したデータに基づいて個々に又は集合的に決定を行う。
【0005】
高性能情報処理用の人工ニューラルネットワークの開発における主要な課題のうちの1つは、適切なハードウェア技術の欠如である。実際には、実用ニューラルネットワークは、非常に多数のシナプスに依拠しており、これによりニューロン間の高い接続性、すなわち、非常に高度な計算処理の並列化が可能となる。原理的には、このような複雑性は、デジタルスーパーコンピュータ又は専用グラフィックプロセッシングユニットクラスタによって実現が可能である。しかしながら、高コストに加え、これらのアプローチはまた、生物学的ネットワークが主として低精度のアナログ計算を実施するので、はるかに少ないエネルギーしか消費しないのと比較して、エネルギー効率が劣っていることに悩まされている。人工ニューラルネットワークにはCMOSアナログ回路が使用されてきたが、ほとんどのCMOS実装シナプスは、多数のニューロン及びシナプスを前提とすると、嵩高過ぎている。
【0006】
出願人は以前に、参照により組み込まれる米国特許出願第15/594,439号において、シナプスとして1つ以上の不揮発性メモリアレイを利用する人工(アナログ)ニューラルネットワークを開示した。不揮発性メモリアレイは、アナログニューラルメモリとして動作する。ニューラルネットワークデバイスは、第1の複数の入力を受け取って、それから第1の複数の出力を生成するように構成された第1の複数のシナプス、及び第1の複数の出力を受け取るように構成された第1の複数のニューロンを含む。第1の複数のシナプスは複数のメモリセルを含み、メモリセルの各々は、半導体基板内に形成された、間にチャネル領域が延在する離間したソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の第1の部分の上方に絶縁されて配設される浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方に絶縁されて配設される非浮遊ゲートと、を含む。複数のメモリセルの各々は、浮遊ゲートの多くの電子に対応する重み値を記憶するように構成されている。複数のメモリセルは、第1の複数の入力に、記憶された重み値を乗算することによって、第1の複数の出力を生成するように構成される。
<不揮発性メモリセル>
【0007】
不揮発性メモリは、周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,029,130号(「’130号特許」)は、フラッシュメモリセルの一種である、スプリットゲート不揮発性メモリセルのアレイを開示する。このようなメモリセル210を
図2に示す。各メモリセル210は、半導体基板12内に形成されたソース領域14及びドレイン領域16を含み、ソース領域14とドレイン領域16との間にはチャネル領域18がある。浮遊ゲート20は、チャネル領域18の第1の部分の上方に形成され(並びに、チャネル領域18の第1の部分の導電性を制御して)、それから、かつソース領域14の一部分の上方に絶縁される。ワード線端子22(典型的には、ワード線に結合される)は、チャネル領域18の第2の部分の上方に配設され、それから絶縁される(並びに、チャネル領域18の第2の部分の導電性を制御する)第1の部分と、浮遊ゲート20の上方で上に延在する第2の部分と、を有する。浮遊ゲート20及びワード線端子22は、ゲート酸化物によって基板12から絶縁される。ビット線24はドレイン領域16に結合される。
【0008】
ワード線端子22に高圧正電圧を加えることによって、メモリセル210に対して消去が行われ(電子が浮遊ゲートから除去される)、これによって、浮遊ゲート20の電子は、浮遊ゲート20からワード線端子22までそれらの間にある絶縁体の中をファウラーノルドハイム(Fowler-Nordheim、FN)トンネリングを介して通過する。
【0009】
メモリセル210は、ワード線端子22に正電圧、及びソース領域14に正電圧を加えることによって、ホットエレクトロンによるソースサイド注入(source side injection、SSI)によって、プログラムされる(ここで、電子が浮遊ゲートに加えられる)。電子流は、ドレイン領域16からソース領域14に向かって流れる。電子は加速し、ワード線端子22と浮遊ゲート20との間の間隙に達すると、発熱する。熱せられた電子の一部は、浮遊ゲート20からの静電引力に起因して、浮遊ゲート20にゲート酸化物を介して注入される。
【0010】
メモリセル210は、ドレイン領域16及びワード線端子22に正の読み出し電圧を加える(ワード線端子の下方のチャネル領域18の部分をオンにする)ことによって、読み出される。浮遊ゲート20が正に帯電する(すなわち、電子を消去する)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域18の部分も同様にオンになり、電流はチャネル領域18を流れ、これは、消去された状態つまり「1」の状態として検知される。浮遊ゲート20が負に帯電する(すなわち、電子でプログラムされる)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域の部分はほとんど又は完全にオフになり、電流はチャネル領域18を流れず(又はほとんど流れず)、これは、プログラムされた状態つまり「0」の状態として検知される。
【0011】
表1は、読み出し動作、消去動作、及びプログラム動作を実行するためにメモリセル110の端子に適用することができる典型的な電圧/電流範囲を示す。
表1:
図3のフラッシュメモリセル210の動作
【表1】
【0012】
他の種類のフラッシュメモリセルである、他のスプリットゲート型メモリセル構成も知られている。例えば、
図3は、ソース領域14と、ドレイン領域16と、チャネル領域18の第1の部分の上方にある浮遊ゲート20と、チャネル領域18の第2の部分の上方にある選択ゲート22(典型的には、ワード線、WL、に結合される)と、浮遊ゲート20の上方にある制御ゲート28と、ソース領域14の上方にある消去ゲート30と、を含む4ゲートメモリセル310を示す。この構成は、あらゆる目的のため参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,747,310号に記載されている。ここで、全てのゲートは、浮遊ゲート20を除いて、非浮遊ゲートであり、つまり、それらは電圧源に電気的に接続される又は接続可能である。プログラミングは、熱せられた電子がチャネル領域18から浮遊ゲート20にその電子自体を注入することによって実行される。消去は、電子が浮遊ゲート20から消去ゲート30へトンネリングすることによって実行される。
【0013】
表2は、読み出し動作、消去動作、及びプログラム動作を実行するためにメモリセル310の端子に適用することができる典型的な電圧/電流範囲を示す。
表2:
図3のフラッシュメモリセル310の動作
【表2】
【0014】
図4は、別の種類のフラッシュメモリセルである、3ゲートメモリセル410を示す。メモリセル410は、メモリセル410が別個の制御ゲートを有しないことを除いて、
図3のメモリセル310と同一である。(消去ゲートの使用を通じて消去が起こる)消去動作及び読み出し動作は、制御ゲートバイアスが適用されないことを除いて、
図3のものと同様である。プログラミング動作もまた、制御ゲートバイアスなしで行われるため、結果として、プログラム動作中は、制御ゲートバイアスの不足を補償するため、より高い電圧がソース線に適用されなければならない。
【0015】
表3は、読み出し動作、消去動作、及びプログラム動作を実行するためにメモリセル410の端子に適用され得る典型的な電圧/電流範囲を示す。
表3:
図4のフラッシュメモリセル410の動作
【表3】
【0016】
図5は、別の種類のフラッシュメモリセルである、積層ゲートメモリセル510を示す。メモリセル510は、浮遊ゲート20がチャネル領域18全体の上方に延在し、制御ゲート22(ここでワード線に結合される)が絶縁層(図示せず)によって分離されて浮遊ゲート20の上方に延在することを除いて、
図2のメモリセル210と同様である。消去は、FGから基板への電子のFNトンネリングによって行われ、プログラミングは、チャネル18とドレイン領域16との間の領域でのチャネルホットエレクトロン(channel hot electron、CHE)注入によって、ソース領域14からドレイン領域16に向かって流れる電子によって、及びより高い制御ゲート電圧を有するメモリセル210の読み出し動作と同様である読み出し動作によって行われる。
【0017】
表4は、読み出し動作、消去動作、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル510及び基板12の端子に適用され得る典型的な電圧範囲を示す。
表4:
図5のフラッシュメモリセル510の動作
【表4】
【0018】
本明細書に記載される方法及び手段は、限定されないが、FINFETスプリットゲートフラッシュ又はスタックゲートフラッシュメモリ、NANDフラッシュ、SONOS(silicon-oxide-nitride-oxide-silicon、ケイ素-酸化物-窒化物-酸化物-ケイ素、窒化物中の電荷トラップ)、MONOS(metal-oxide-nitride-oxide-silicon、金属-酸化物-窒化物-酸化物-ケイ素、窒化物中の金属電荷トラップ)、ReRAM(resistive ram、抵抗変化型メモリ)、PCM(phase change memory、相変化メモリ)、MRAM(ferroelectric ram、磁気抵抗メモリ)、FeRAM(ferroelectric ram、強誘電体メモリ)、CT(charge trap、電荷トラップ)メモリ、CN(carbon-tube、カーボンチューブ)メモリ、OTP(one time programmable、バイレベル又はマルチレベルの1回のみのプログラムが可能)及びCeRAM(correlated electron ram、強相関電子メモリ)などの他の不揮発性メモリ技術に適用され得る。
【0019】
上記の人工ニューラルネットワークにおける不揮発性メモリセルの種類のうちの1つを含むメモリアレイを利用するために、2つの修正が行われる。第1に、以下に更に説明されるように、アレイ内の他のメモリセルのメモリ状態に悪影響を与えずに各メモリセルを個々にプログラム、消去、及び読み出しすることができるように線を構成する。第2に、メモリセルの連続(アナログ)プログラミングを提供する。
【0020】
具体的には、アレイ内の各メモリセルのメモリ状態(すなわち、浮遊ゲートの電荷)は、完全に消去された状態から完全にプログラムされた状態へ、独立して、かつ他のメモリセルの最小の妨害で、連続的に変えられ得る。別の実施形態では、アレイ内の各メモリセルのメモリ状態(すなわち、浮遊ゲートの電荷)を、完全にプログラムされた状態から完全に消去された状態へ、及び逆もまた同様に、独立して、かつ他のメモリセルの最小の妨害で、連続的に変えることができる。これは、セル記憶がアナログであるか、又は多数の不連続値(16個又は64個の異なる値など)のうちの1つを最低限記憶することができることを意味し、これにより、メモリアレイ内の全てのセルが非常に精密に、かつ個々にチューニングすることが可能となり、また、メモリアレイを、記憶に対して理想的にし、ニューラルネットワークのシナプシスの重みへ微細チューニング調整を行う。
<不揮発性メモリセルアレイを使用するニューラルネットワーク>
【0021】
図6は、本実施形態の不揮発性メモリアレイを利用するニューラルネットワークの非限定例を概念的に例解する。この例は、顔認識アプリケーション用に不揮発性メモリアレイニューラルネットワークを使用するが、不揮発性メモリアレイベースのニューラルネットワークを使用して他の適切なアプリケーションを実装することもできる。
【0022】
S0は入力層であり、この例では、5ビット精度の32×32ピクセルRGB画像である(すなわち、各色R、G、及びBにつき1つずつで3つの32×32ピクセルアレイであり、各ピクセルは5ビット精度である)。入力層S0から層C1に行くシナプスCB1は、一部のインスタンスには異なる重みのセットを適用し、他のインスタンスには共有の重みを適用し、入力画像を3×3ピクセルの重なり合うフィルタ(カーネル)でスキャンし、1ピクセル(又はモデルによっては2ピクセル以上)ずつフィルタをシフトする。具体的には、画像の3×3部分における9ピクセルの値(すなわち、フィルタ又はカーネルと称される)は、シナプスCB1に提供され、そこで、これらの9個の入力値に適切な重みを乗算し、その乗算の出力を合計後、単一の出力値が決定され、層C1の特徴マップのうちの1つのピクセルを生成するためにCB1の第1のシナプスによって与えられる。3×3フィルタは次に、入力層S0内で右側に1ピクセルだけシフトされ(すなわち、3ピクセルの列を右側に追加し、左側で3ピクセルの列をドロップする)、これにより、この新しく位置づけられたフィルタの9ピクセル値はシナプスCB1に提供され、そこでそれらに上記と同じ重みを乗算し、関連するシナプスによって第2の単一の出力値を決定する。このプロセスを、3×3フィルタが入力層S0の32×32ピクセル画像全体にわたって3色全て及び全てのビット(精度値)についてスキャンするまで続ける。プロセスは次に、層C1の特徴マップ全てが計算されるまで、異なる重みのセットを使用して繰り返されて、層C1の異なる特徴マップを生成する。
【0023】
本例では、層C1において、各々30×30ピクセルを有する16個の特徴マップが存在する。各ピクセルは、入力とカーネルとの乗算から抽出された新しい特徴ピクセルであり、したがって、各特徴マップは、二次元アレイであり、したがってこの例では、層C1は、二次元アレイの16層を構成する(本明細書で言及される層及びアレイは、必ずしも物理的関係ではなく論理的な関係であり、すなわち、アレイは必ずしも物理的な二次元アレイに配向されないことに留意されたい)。層C1内の16個の特徴マップの各々は、フィルタスキャンに適用される異なるシナプス重みのセット16個のうちの1つによって生成される。C1特徴マップは全て、境界同定など、同じ画像特徴の異なる態様を対象とすることができる。例えば、第1のマップ(この第1のマップを生成するために使用される全てのスキャンに共有される第1の重みセットを使用して生成される)は、円形エッジを識別することができ、第2のマップ(第1の重みセットと異なる第2の重みセットを使用して生成される)は、長方形エッジ又はある特定の特徴のアスペクト比などを識別することができる。
【0024】
層C1から層S1へ行く前には、各特徴マップ内の重なり合わずに連続する2×2領域からの値をプールする活性化関数P1(プーリング)が適用される。プーリング関数P1の目的は、近隣の位置を平均すること(又はmax関数を使用することも可能である)、例えばエッジ位置の依存性を低減すること、及び次の段階に行く前にデータサイズを低減することである。層S1において、16個の15×15特徴マップ(すなわち、各々15×15ピクセルの異なるアレイ16個)が存在する。層S1から層C2に行くシナプスCB2は、層S1内のマップを4×4フィルタにより1ピクセルのフィルタシフトでスキャンする。層C2において、22個の12×12特徴マップが存在する。層C2から層S2へ行く前には、各特徴マップ内の重なり合わずに連続する2×2領域からの値をプールする活性化関数P2(プーリング)が適用される。層S2において、22個の6×6特徴マップが存在する。層S2から層C3へ行くシナプスCB3では活性化関数(プーリング)が適用され、ここで層C3内の全てのニューロンは、CB3のそれぞれのシナプスを介して層S2内の全てのマップに接続する。層C3において、64個のニューロンが存在する。層C3から出力層S3へと行くシナプスCB4は、C3をS3に完全に接続する、すなわち、層C3内の全てのニューロンは、層S3内の全てのニューロンに接続される。S3における出力は、10個のニューロンを含み、ここで出力が最も高いニューロンが、クラスを決定する。この出力は、例えば、元の画像の内容の同定又は分類(クラス分け)を示すことができる。
【0025】
シナプスの各層は、不揮発性メモリセルのアレイ又はアレイの一部分を使用して実装される。
【0026】
図7は、その目的のために使用可能なアレイのブロック図である。ベクトルマトリックス乗算(Vector-by-matrix multiplication、VMM)アレイ32は、不揮発性メモリセルを含み、ある層と次の層との間のシナプス(
図6のCB1、CB2、CB3、及びCB4など)として利用される。具体的には、VMMアレイ32は、不揮発性メモリセルのアレイ33、消去ゲート及びワード線ゲートデコーダ34、制御ゲートデコーダ35、ビット線デコーダ36、並びにソース線デコーダ37を含み、それらのデコーダは不揮発性メモリセルアレイ33に対するそれぞれの入力をデコードする。VMMアレイ32への入力は、消去ゲート及びワード線ゲートデコーダ34から、又は制御ゲートデコーダ35から行うことができる。この例におけるソース線デコーダ37はまた、不揮発性メモリセルアレイ33の出力をデコードする。代替的に、ビット線デコーダ36が、不揮発性メモリセルアレイ33の出力をデコードすることができる。
【0027】
不揮発性メモリセルアレイ33は、2つの目的を果たす。第1に、不揮発性メモリセルアレイ33は、VMMアレイ32によって使用される重みを記憶する。第2に、不揮発性メモリセルアレイ33は、不揮発性メモリセルアレイ33に格納された重みを、入力に有効に乗算して、それらを出力線(ソース線又はビット線)ごとに加算して、出力を生成し、この出力は次の層への入力又は最後の層への入力になる。不揮発性メモリセルアレイ33が乗算及び加算の関数を実行することで、別個の乗算及び加算の論理回路の必要性はなくなり、また、メモリ内の計算により電力効率も良い。
【0028】
不揮発性メモリセルアレイ33の出力は、不揮発性メモリセルアレイ33の出力を合計してその畳み込み用の単一の値を作成する、差動加算器(合計オペアンプ又は合計カレントミラーなど)38に供給される。差動加算器38は、正の重み及び負の重みの総和を実行するように配置される。
【0029】
差動加算器38の合計された出力値は、次に出力を整流する活性化関数ブロック39に供給される。活性化関数ブロック39は、シグモイド、tanh、又はReLU関数を提供し得る。活性化関数ブロック39の整流された出力値は、次の層(例えば
図6のC1)として特徴マップの要素になり、次いで、次のシナプスに適用されて次の特徴マップ層又は最後の層を生成する。したがって、この例では、不揮発性メモリセルアレイ33は、複数のシナプスを構成し(ニューロンの前の層から、又は画像データベースなどの入力層から、入力を受け取る)、合計オペアンプ38及び活性化関数ブロック39は、複数のニューロンを構成する。
【0030】
図7のVMMアレイ32への入力(WLx、EGx、CGx、及び任意選択的にBLx及びSLx)は、アナログレベル、バイナリレベル、又はデジタルビット(この場合、DACが、デジタルビットを適切な入力アナログレベルに変換するために提供される)であり得、出力は、アナログレベル、バイナリレベル、又はデジタルビットであり得る(この場合、出力ADCが、出力アナログレベルをデジタルビットに変換するために提供される)。
【0031】
図8は、図中でVMMアレイ32a、32b、32c、32d及び32eとして標示されたVMMアレイ32の多数の層の使用を示すブロック図である。
図8に示されるように、入力(Inputxで示される)は、デジタル-アナログ変換器31によってデジタルからアナログに変換され、入力VMMアレイ32aに提供される。変換されたアナログ入力は、電圧又は電流であり得る。第1の層の入力D/A変換は、入力VMMアレイ32aのマトリックス乗算器の適切なアナログレベルに入力Inputxをマッピングする関数又はLUT(look up table、ルックアップテーブル)を使用することによって行うことができる。入力変換はまた、外部アナログ入力を入力VMMアレイ32aへのマッピングされたアナログ入力に変換するために、アナログ-アナログ(analog to analog、A/A)変換器によって行うこともできる。
【0032】
入力VMMアレイ32aによって生成された出力は、次に、次のVMMアレイ(隠しレベル1)32bへの入力として提供され、次に入力VMMアレイ(隠しレベル2)32cへの入力として提供される出力を生成する、などとなる。VMMアレイ32の様々な層は、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network、CNN)のシナプス及びニューロンの各層として機能する。各VMMアレイ32a、32b、32c、32d及び32eは、スタンドアローンの物理的不揮発性メモリアレイとすることができ、又は複数のVMMアレイは、同じ物理的不揮発性メモリアレイの異なる部分を利用することができ、又は複数のVMMアレイは、同じ物理的不揮発性メモリアレイの重なり合う部分を利用することができる。
図8に示される例は、5つの層(32a、32b、32c、32d、32e)、すなわち、1つの入力層(32a)、2つの隠れ層(32b、32c)、及び2つの完全接続層(32d、32e)を含む。当業者であれば、これは単なる例示であり、代わりにシステムが2つを超える隠れ層及び2つを超える完全接続層を含み得ることを理解するであろう。
<ベクトルマトリックス乗算(VMM)アレイ>
【0033】
図9は、
図3に示されるメモリセル310に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ900を示す。VMMアレイ900は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ901と、不揮発性基準メモリセルの基準アレイ902(アレイの頂部に位置する)と、を含む。代替的に、別の基準アレイが底部に位置することができる。
【0034】
VMMアレイ900では、制御ゲート線903などの制御ゲート線が垂直方向に延びており(したがって、行方向の基準アレイ902が、制御ゲート線903に直交する)、消去ゲート線904などの消去ゲート線が水平方向に延びている。ここで、VMMアレイ900への入力は、制御ゲート線(CG0、CG1、CG2、CG3)に提供され、VMMアレイ900の出力は、ソース線(SL0、SL1)に現れる。一実施形態では、偶数行のみが使用され、別の実施形態では、奇数行のみが使用される。各ソース線(それぞれSL0、SL1)の電流は、その特定のソース線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【0035】
ニューラルネットワークについて本明細書に記載されるように、VMMアレイ900の不揮発性メモリセル、すなわちVMMアレイ900のメモリセル310は、サブ閾値領域で動作するように構成されることが好ましい。
【0036】
本明細書に記載される不揮発性基準メモリセル及び不揮発性メモリセルは、以下のように弱反転(サブ閾値領域)でバイアスされる:
Ids=Io*e(Vg-Vth)/nVt=w*Io*e(Vg)/nVt
式中、w=e(-Vth)/nVtであり、
Idsはドレイン-ソース間電流であり、Vgはメモリセルのゲート電圧であり、Vthはメモリセルの閾値電圧であり、Vtは熱電圧=k*T/qであり、kはボルツマン定数、Tはケルビン温度、qは電子電荷であり、nは傾斜係数=1+(Cdep/Cox)であり、Cdep=空乏層の容量、そして、Coxはゲート酸化物層の容量であり、Ioは、閾値電圧に等しいゲート電圧におけるメモリセル電流であり、Ioは、(Wt/L)*u*Cox*(n-1)*Vt2に比例し、式中、uはキャリア移動度であり、Wt及びLはそれぞれ、メモリセルの幅及び長さである。
【0037】
メモリセル(基準メモリセル又は周辺メモリセルなど)又はトランジスタを使用して入力電流を入力電圧に変換するI-Vログ変換器を使用した場合:
Vg=n*Vt*log[Ids/wp*Io]
式中、wpは、基準又は周辺メモリセルのwである。
【0038】
電流入力を伴うベクトルマトリックス乗算器VMMアレイとして使用されるメモリアレイについて、出力電流は以下である:
Iout=wa
*Io
*e
(Vg)/nVt、すなわち
Iout=(wa/wp)
*Iin=W
*Iin
W=e
(Vthp-Vtha)/nVt
ここで、wa=メモリアレイの各メモリセルのwである。
Vthpは周辺メモリセルの有効閾値電圧であり、Vthaはメイン(データ)メモリセルの有効閾値電圧である。トランジスタの閾値電圧は基板本体バイアス電圧の関数であり、Vsbと表される基板本体バイアス電圧は、そのような温度で様々な条件を補償するように変調され得ることに留意されたい。閾値電圧Vthは、次のように表すことができる。
【0039】
ワード線又は制御ゲートは、入力電圧のためのメモリセルの入力として使用することができる。
【0040】
代替的に、本明細書に記載されたVMMアレイのフラッシュメモリセルは、線形領域で動作するように構成することができる。
Ids=ベータ*(Vgs-Vth)*Vds;ベータ=u*Cox*Wt/L
W=α(Vgs-Vth)
すなわち、直線領域における重みWは、(Vgs-Vth)に比例する
【0041】
ワード線又は制御ゲート又はビット線又はソース線は、線形領域内で動作するメモリセルの入力として使用することができる。ビット線又はソース線は、メモリセルの出力として使用することができる。
【0042】
I-V線形変換器用に、線形領域で動作するメモリセル(基準メモリセル又は周辺メモリセルなど)又はトランジスタを使用して、入出力電流を入出力電圧に線形変換することができる。
【0043】
代替的に、本明細書に記載されたVMMアレイのメモリセルは、飽和領域で動作するように構成することができる。
Ids=1/2*ベータ*(Vgs-Vth)2;ベータ=u*Cox*Wt/L
W∝(Vgs-Vth)2、すなわち重みWは、(Vgs-Vth)2に比例する。
【0044】
ワード線、制御ゲート、又は消去ゲートは、飽和領域内で動作するメモリセルの入力として使用することができる。ビット線又はソース線は、出力ニューロンの出力として使用することができる。
【0045】
代替的に、本明細書に記載されるVMMアレイのメモリセルは、ニューラルネットワークの各層又は多層に対して全ての領域又はそれらの組み合わせ(サブ閾値、線形、又は飽和)で使用され得る。
【0046】
図7のVMMアレイ32のための他の実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,748,630号に記載されている。上記出願に記載されているように、ソース線又はビット線は、ニューロン出力(電流和出力)として使用することができる。
【0047】
図10は、
図2に示されるメモリセル210に特に適しており、かつ入力層と次の層との間のシナプスとして利用される、ニューロンVMMアレイ1000を示す。VMMアレイ1000は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1003と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1001と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1002と、を含む。アレイの列方向に配置された基準アレイ1001及び1002は、端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に流入する電流入力を電圧入力WL0、WL1、WL2、及びWL3に変換するように機能する。実際には、第1及び第2の不揮発性基準メモリセルは、電流入力が流入する状態で、マルチプレクサ1014(部分的にのみ示される)を通してダイオード接続される。基準セルは、目標基準レベルにチューニング(例えば、プログラム)される。目標基準レベルは、基準ミニアレイマトリックス(図示せず)によって提供される。
【0048】
メモリアレイ1003は、2つの目的を果たす。第1に、メモリアレイ1003は、VMMアレイ1000により使用される重みを、それぞれのメモリセルに記憶する。第2に、メモリアレイ1003は、メモリアレイ1003に記憶された重みを、入力(すなわち、端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に提供された電流入力であり、これを基準アレイ1001及び1002が入力電圧に変換して、ワード線WL0、WL1、WL2、及びWL3に供給する)に有効に乗算して、次いで、全ての結果(メモリセル電流)を加算して、それぞれのビット線(BL0~BLN)の出力を生成し、この出力は次の層への入力又は最後の層への入力となる。乗算及び加算の関数を実行することで、メモリアレイ1003は、別個の乗算及び加算の論理回路の必要性をなくし、また、電力効率も良い。ここで、電圧入力はワード線WL0、WL1、WL2、及びWL3に提供され、出力は、読み出し(推論)動作中にそれぞれのビット線BL0~BLNに現れる。ビット線BL0~BLNの各々の電流は、その特定のビット線に接続された全ての不揮発性メモリセルからの電流の合計関数を実行する。
【0049】
表5は、VMMアレイ1000の動作電圧及び電流を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの動作を示す。
表5:
図10のVMMアレイ1000の動作
【表5】
【0050】
図11は、
図2に示されるメモリセル210に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ1100を示す。VMMアレイ1100は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1103と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1101と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1102と、を含む。基準アレイ1101及び1102は、VMMアレイ1100の行方向に延びる。VMMアレイは、VMMアレイ1100においてワード線が垂直方向に延びることを除いて、VMM1000と同様である。ここで、入力はワード線(WLA0、WLB0、WLA1、WLB2、WLA2、WLB2、WLA3、WLB3)に提供され、出力は、読み出し動作中にソース線(SL0、SL1)に現れる。各ソース線の電流は、その特定のソース線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【0051】
表6は、VMMアレイ1100の動作電圧及び電流を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの動作を示す。
表6:
図11のVMMアレイ1100の動作
【表6】
【0052】
図12は、
図3に示されるメモリセル310に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ1200を示す。VMMアレイ1200は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1203と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1201と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1202と、を含む。基準アレイ1201及び1202は、端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に流入する電流入力を電圧入力CG0、CG1、CG2、及びCG3に変換するように機能する。実際には、第1及び第2の不揮発性基準メモリセルは、電流入力がBLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3を通って流入する状態で、マルチプレクサ1212(一部のみ示す)を通してダイオード接続される。マルチプレクサ1212は、各々、読み出し動作中に第1及び第2の不揮発性基準メモリセルの各々のビット線(BLR0など)の一定電圧を確実にするために、それぞれのマルチプレクサ1205及びカスコーディングトランジスタ1204を含む。基準セルは、目標基準レベルにチューニングされる。
【0053】
メモリアレイ1203は、2つの目的を果たす。第1に、メモリアレイ1203は、VMMアレイ1200によって使用される重みを記憶する。第2に、メモリアレイ1203は、メモリアレイに記憶された重みを、入力(端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に提供された電流入力であり、基準アレイ1201及び1202がこれらの電流入力を入力電圧に変換して、制御ゲート(CG0、CG1、CG2、及びCG3)に供給する)に有効に乗算して、次いで、全ての結果(セル電流)を加算して出力を生成し、この出力はBL0~BLNに現れ、次の層への入力又は最後の層への入力となる。メモリアレイが乗算及び加算の関数を実行することで、別個の乗算及び加算の論理回路の必要性がなくなり、また、電力効率も良い。ここで、入力は制御ゲート線(CG0、CG1、CG2、及びCG3)に提供され、出力は、読み出し動作中にビット線(BL0~BLN)に現れる。各ビット線の電流は、その特定のビット線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【0054】
VMMアレイ1200は、メモリアレイ1203内の不揮発性メモリセルの一方向チューニングを実装する。すなわち、各不揮発性メモリセルは消去され、次いで、浮遊ゲートの所望の電荷に達するまで部分的にプログラムされる。過度に多くの電荷が浮遊ゲートに加えられる場合(誤った値がセルに記憶される場合など)、セルは消去され、一連の部分的なプログラミング動作が最初からやり直される。示されるように、同じ消去ゲート(EG0又はEG1など)を共有する2つの行は、一緒に消去され(ページ消去として知られる)、その後、各セルは、浮遊ゲートの所望の電荷に達するまで部分的にプログラムされる。
【0055】
表7は、VMMアレイ1200の動作電圧及び電流を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルの制御ゲート、選択セルと同じセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルとは異なるセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルの消去ゲート、非選択セルの消去ゲート、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの動作を示す。
表7:
図12のVMMアレイ1200の動作
【表7】
【0056】
図13は、
図3に示されるメモリセル310に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ1300を示す。VMMアレイ1300は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1303と、基準アレイ1301又は第1の不揮発性基準メモリセルと、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1302と、を備える。EG線EGR0、EG0、EG1、及びEGR1は垂直に延び、CG線CG0、CG1、CG2、及びCG3並びにSL線WL0、WL1、WL2、及びWL3は水平に延びる。VMMアレイ1300は、VMMアレイ1300が双方向チューニングを実装することを除いてVMMアレイ1400と同様であり、各個々のセルは、個別のEG線の使用により、浮遊ゲートの所望の電荷量に達するために、必要に応じて完全に消去され、部分的にプログラムされ、部分的に消去され得る。示されるように、基準アレイ1301及び1302は、端子BLR0、BLR1、BLR2及びBLR3における入力電流を制御ゲート電圧CG0、CG1、CG2及びCG3に変換し(マルチプレクサ1314を介したダイオード接続された基準セルの作用を通じて)、これらの電圧は行方向でメモリセルに適用される。電流出力(ニューロン)は、ビット線BL0~BLN中にあり、各ビット線は、その特定のビット線に接続された不揮発性メモリセルからの全ての電流を合計する。
【0057】
表8は、VMMアレイ1300の動作電圧及び電流を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルの制御ゲート、選択セルと同じセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルとは異なるセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルの消去ゲート、非選択セルの消去ゲート、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの動作を示す。
表8:
図13のVMMアレイ1300の動作
【表8】
【0058】
図22は、
図2に示されるメモリセル210に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2200を示す。VMMアレイ2200では、入力INPUT
0...、INPUT
Nは、それぞれ、ビット線BL
0、...BL
Nで受信され、出力OUTPUT
1、OUTPUT
2、OUTPUT
3、及びOUTPUT
4は、それぞれ、ソース線SL
0、SL
1、SL
2、及びSL
3に生成される。
【0059】
図23は、
図2に示されるメモリセル210に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2300を示す。この例では、入力INPUT
0、INPUT
1、INPUT
2、及びINPUT
3は、それぞれ、ソース線SL
0、SL
1、SL
2、及びSL
3で受信され、出力OUTPUT
0、...OUTPUT
Nは、ビット線BL
0、...、BL
Nに生成される。
【0060】
図24は、
図2に示されるメモリセル210に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2400を示す。この例では、入力INPUT
0、...、INPUT
Mは、それぞれ、ワード線WL
0、...、WL
Mで受信され、出力OUTPUT
0、...OUTPUT
Nは、ビット線BL
0、...、BL
Nに生成される。
【0061】
図25は、
図3に示されるメモリセル310に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2500を示す。この例では、入力INPUT
0、...、INPUT
Mは、それぞれ、ワード線WL
0、...、WL
Mで受信され、出力OUTPUT
0、...OUTPUT
Nは、ビット線BL
0、...、BL
Nに生成される。
【0062】
図26は、
図4に示されるメモリセル410に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2600を示す。この例では、入力INPUT
0、...、INPUT
nが、それぞれ、垂直制御ゲート線CG
0、...、CG
Nで受信され、出力OUTPUT
1及びOUTPUT
2がソース線SL
0及びSL
1に生成される。
【0063】
図27は、
図4に示されるメモリセル410に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2700を示す。この例では、それぞれ、入力INPUT
0、...、INPUT
Nは、それぞれ、ビット線BL
0、...、BL
Nに結合されているビット線制御ゲート2701-1、2701-2、...、2701-(N-1)及び2701-Nのゲートで受信される。例示的な出力OUTPUT
1及びOUTPUT
2が、ソース線SL
0及びSL
1に生成される。
【0064】
図28は、
図3に示されるメモリセル310、
図5に示されるメモリセル510、及び
図7に示されるメモリセル710に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2800を示す。この例では、入力INPUT
0、...、INPUT
Mは、それぞれ、ワード線WL
0、...、WL
Mで受信され、出力OUTPUT
0、...、OUTPUT
Nは、ビット線BL
0、...、BL
Nに生成される。
【0065】
図29は、
図3に示されるメモリセル310、
図5に示されるメモリセル510、及び
図7に示されるメモリセル710に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ2900を示す。この例では、入力INPUT
0、...、INPUT
Mは、制御ゲート線CG
0、...、CG
Mで受信される。出力OUTPUT
0、...、OUTPUT
Nは、それぞれ、垂直ソース線SL
0、...、SL
Nに生成され、各ソース線SL
iは、列i内の全てのメモリセルのソース線に結合されている。
【0066】
図30は、
図3に示されるメモリセル310、
図5に示されるメモリセル510、及び
図7に示されるメモリセル710に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ3000を示す。この例では、入力INPUT
0、...、INPUT
Mは、制御ゲート線CG
0、...、CG
Mで受信される。出力OUTPUT
0、...、OUTPUT
Nは、それぞれ、垂直ビット線BL
0、...、BL
Nに生成され、各ビット線BL
iは、列i内の全てのメモリセルのビット線に結合されている。
<長・短期メモリ>
【0067】
先行技術は、長・短期メモリ(long short-term memory、LSTM)として知られる概念を含む。LSTMユニットは、しばしば、ニューラルネットワーク内で使用される。LSTMは、ニューラルネットワークを所定の任意の期間にわたって情報を記憶し、後続の動作においてその情報を使用することを可能にする。従来のLSTMユニットは、セル、入力ゲート、出力ゲート、及び忘却ゲートを含む。3つのゲートは、セル内及びセル外への情報の流れ、及び情報がLSTM内で記憶される期間を調節する。VMMは、LSTMユニットにおいて特に有用である。
【0068】
図14は、例示的なLSTM1400を示す。この例におけるLSTM1400は、セル1401、1402、1403及び1404を含む。セル1401は、入力ベクトルx
0を受け取り、出力ベクトルh
0及びセル状態ベクトルc
0を生成する。セル1402は、入力ベクトルx
1と、セル1401からの出力ベクトル(隠れ状態)h
0と、セル1401からのセル状態c
0と、を受け取り、出力ベクトルh
1と、セル状態ベクトルc
1と、を生成する。セル1403は、入力ベクトルx
2と、セル1402からの出力ベクトル(隠れ状態)h
1と、セル1402からのセル状態c
1と、を受け取り、出力ベクトルh
2と、セル状態ベクトルc
2と、を生成する。セル1404は、入力ベクトルx
3と、セル1403からの出力ベクトル(隠れ状態)h
2と、セル1403からのセル状態c
2と、を受け取り、出力ベクトルh
3を生成する。追加のセルも使用可能であり、4つのセルを有するLSTMは、単なる例である。
【0069】
図15は、
図14のセル1401、1402、1403、及び1404に使用可能なLSTMセル1500の例示的な実装を示す。LSTMセル1500は、入力ベクトルx(t)と、先行するセルからのセル状態ベクトルc(t-1)と、先行するセルからの出力ベクトルh(t-1)と、を受け取り、セル状態ベクトルc(t)及び出力ベクトルh(t)を生成する。
【0070】
LSTMセル1500は、シグモイド関数デバイス1501、1502、及び1503を含み、それらの各々が0~1の数を適用して、入力ベクトルの各成分が出力ベクトルに寄与する程度を制御する。LSTMセル1500はまた、入力ベクトルに双曲線正接関数を適用するためのtanhデバイス1504及び1505と、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス1506、1507、及び1508と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス1509と、を含む。出力ベクトルh(t)は、システム内の次のLSTMセルに提供することができるか、又は他の目的のためにアクセスすることができる。
【0071】
図16は、LSTMセル1500の一実装の一例であるLSTMセル1600を示す。読者の便宜のために、LSTMセル1500からの同じ採番方法が、LSTMセル1600で使用される。シグモイド関数デバイス1501、1502、及び1503、並びにtanhデバイス1504は各々、複数のVMMアレイ1601及び活性化関数ブロック1602を含む。したがって、VMMアレイは、特定のニューラルネットワークシステムで使用されるLSTMセルにおいて特に有用であることが分かる。乗算器デバイス1506、1507、及び1508、並びに加算器デバイス1509は、デジタル方式又はアナログ方式で実装される。活性化関数ブロック1602は、デジタル方式で、又はアナログ方式で実装することができる。
【0072】
LSTMセル1600の代替例(及びLSTMセル1500の実装の別の実施例)を
図17に示す。
図17では、シグモイド関数デバイス1501、1502及び1503、並びにtanhデバイス1504は、同じ物理ハードウェア(VMMアレイ1701及び活性化関数ブロック1702)を、時分割多重化された方式で共有する。LSTMセル1700はまた、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス1703と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス1708と、(活性化関数ブロック1702を含む)tanhデバイス1505と、値i(t)を、i(t)がシグモイド関数ブロック1702から出力されるときに記憶するためのレジスタ1707と、値f(t)
*c(t-1)を、その値がマルチプレクサ1710を介して乗算器デバイス1703から出力されるときに記憶するためのレジスタ1704と、値i(t)
*u(t)を、その値がマルチプレクサ1710を介して乗算器デバイス1703から出力されるときに記憶するためのレジスタ1705と、値o(t)
*c~(t)を、その値がマルチプレクサ1710を介して乗算器デバイス1703から出力されるときに記憶するためのレジスタ1706と、マルチプレクサ1709と、を含む。
【0073】
LSTMセル1600がVMMアレイ1601とそれぞれの活性化関数ブロック1602との複数のセットを含むのに対し、LSTMセル1700は、LSTMセル1700の実施形態において複数の層を表すために使用される、VMMアレイ1701及び活性化関数ブロック1702の1つのセットのみを含む。LSTMセル1700は、LSTMセル1600と比較して、VMM及び活性化関数ブロックのために必要とするスペースは1/4で済むので、LSTMセル1700は、LSTM1600より必要とするスペースが少ない。
【0074】
LSTMユニットは典型的には複数のVMMアレイを含み、これらの各々は、加算器及び活性化関数ブロック及び高電圧生成ブロックなどの、VMMアレイの外側の特定の回路ブロックによって提供される機能を必要とすることを更に理解することができる。各VMMアレイのための別個の回路ブロックを提供することは、半導体デバイス内にかなりの量のスペースを必要とし、幾分非効率的であろう。したがって、以下に記載される実施形態は、VMMアレイ自体の外側に必要とされる回路を削減する。
<ゲート付き回帰型ユニット>
【0075】
アナログVMM実装は、ゲート付き回帰型ユニット(gated recurrent unit、GRU)システムに利用することができる。GRUは、回帰型ニューラルネットワーク内のゲート機構である。GRUは、GRUセルが一般にLSTMセルよりも少ない構成要素を含むことを除いて、LSTMに類似している。
【0076】
図18は、例示的なGRU1800を示す。この例におけるGRU1800は、セル1801、1802、1803及び1804を含む。セル1801は、入力ベクトルx
0を受け取り、出力ベクトルh
0を生成する。セル1802は、入力ベクトルx
1と、セル1801からの出力ベクトルh
0と、を受け取り、出力ベクトルh
1を生成する。セル1803は、入力ベクトルx
2と、セル1802からの出力ベクトル(隠れ状態)h
1と、を受け取り、出力ベクトルh
2を生成する。セル1804は、入力ベクトルx
3と、セル1803からの出力ベクトル(隠れ状態)h
2と、を受け取り、出力ベクトルh
3を生成する。追加のセルも使用可能であり、4つのセルを有するGRUは、単なる例である。
【0077】
図19は、
図18のセル1801、1802、1803、及び1804に使用され得るGRUセル1900の例示的な実装を示す。GRUセル1900は、入力ベクトルx(t)と、先行するGRUセルからの出力ベクトルh(t-1)と、を受け取り、出力ベクトルh(t)を生成する。GRUセル1900は、シグモイド関数デバイス1901及び1902を含み、それらの各々が、出力ベクトルh(t-1)及び入力ベクトルx(t)からの成分に0~1の数を適用する。GRUセル1900はまた、入力ベクトルに双曲線正接関数を適用するためのtanhデバイス1903と、2つのベクトルを乗算するための複数の乗算器デバイス1904、1905、及び1906と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス1907と、1から入力を減算して出力を生成するための相補デバイス1908と、を含む。
【0078】
図20は、GRUセル1900の一実装の一例であるGRUセル2000を示す。読者の便宜のために、GRUセル1900からの同じ採番方法が、GRUセル2000で使用される。
図20から分かるように、シグモイド関数デバイス1901及び1902、並びにtanhデバイス1903は各々、複数のVMMアレイ2001及び活性化関数ブロック2002を含む。したがって、VMMアレイは、特定のニューラルネットワークシステムで使用されるGRUセルにおいて特に使用されることが分かる。乗算器デバイス1904、1905、1906、加算器デバイス1907、及び相補デバイス1908は、デジタル方式又はアナログ方式で実装される。活性化関数ブロック2002は、デジタル方式又はアナログ方式で実装され得る。
【0079】
GRUセル2000の代替例(且つGRUセル1900の一実装の別の例)を
図21に示す。
図21において、GRUセル2100は、VMMアレイ2101及び活性化関数ブロック2102を利用しており、シグモイド関数として構成された場合には、0~1の数を適用して、入力ベクトルの各成分が出力ベクトルに寄与する程度を制御する。
図21では、シグモイド関数デバイス1901及び1902、並びにtanhデバイス1903は、同じ物理ハードウェア(VMMアレイ2101及び活性化関数ブロック2102)を、時分割多重化された方式で共有する。GRUセル2100はまた、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス2103と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス2105と、1から入力を減算して、出力を生成するための相補デバイス2109と、マルチプレクサ2104と、値h(t-1)
*r(t)を、その値がマルチプレクサ2104を介して乗算器デバイス2103から出力されるときに保持するためのレジスタ2106と、値h(t-1)
*z(t)を、その値がマルチプレクサ2104を介して乗算器デバイス2103から出力されるときに保持するためのレジスタ2107と、値h^(t)
*(1-z((t))を、その値がマルチプレクサ2104を介して乗算器デバイス2103から出力されるときに保持するためのレジスタ2108と、を含む。
【0080】
GRUセル2000がVMMアレイ2001及び活性化関数ブロック2002の複数のセットを含むのに対し、GRUセル2100は、GRUセル2100の実施形態において複数の層を表すために使用される、VMMアレイ2101及び活性化関数ブロック2102の1つのセットのみを含む。GRUセル2100は、GRUセル2000と比較して、VMM及び活性化関数ブロックのために必要とするスペースは1/3で済むので、GRUセル2100は、GRUセル2000よりも必要とするスペースが少ない。
【0081】
GRUシステムは典型的には複数のVMMアレイを含み、これらの各々は、加算器及び活性化関数ブロック及び高電圧生成ブロックなどの、VMMアレイの外側の特定の回路ブロックによって提供される機能を必要とすることが更に理解できる。各VMMアレイのための別個の回路ブロックを提供することは、半導体デバイス内にかなりの量のスペースを必要とし、幾分非効率的であろう。したがって、以下に記載される実施形態は、VMMアレイ自体の外側に必要とされる回路を削減する。
【0082】
VMMアレイへの入力は、アナログレベル、バイナリレベル、パルス、時間変調パルス、又はデジタルビット(この場合、デジタルビットを適切な入力アナログレベルに変換するためにDACが必要とされる)であり、出力は、アナログレベル、バイナリレベル、タイミングパルス、パルス、又はデジタルビット(この場合、出力アナログレベルをデジタルビットに変換するために出力ADCが必要とされる)であり得る。
【0083】
一般的には、VMMアレイ内の各メモリセルに関して、各重みWは、単一のメモリセルによって、又は差動セルによって、又は2つのブレンドメモリセル(2つのセルの平均)によって実装することができる。差分セルの場合では、重みWを差分重み(W=W+-W-)として実装するために、2つのメモリセルが必要とされる。2つのブレンドメモリセルの場合は、2つのセルの平均として重みWを実装するために2つのメモリセルが必要とされる。
【0084】
図31は、VMMシステム3100を示す。いくつかの実施形態では、VMMアレイに記憶された重みWは、差動対、W+(正の重み)及びW-(負の重み)、として記憶され、W=(W+)-(W-)である。VMMシステム3100において、複数のビット線の半分はW+線として指定され、すなわち、正の重みW+を記憶するメモリセルに接続するビット線であり、複数のビット線の他の半分はW-線として指定され、すなわち、負の重みW-を実装するメモリセルに接続するビット線である。W-線は、W+線の間に交互に散在される。減算演算は、加算回路3101及び3102のような、W+線及びW-線から電流を受け取る加算回路によって実行される。W+線の出力及びW-線の出力を一緒に組み合わせて、(W+、W-)線の全ての対の(W+、W-)セルの各対に対して効果的にW=W+-W-を与える。これまでW+線間に交互に散在するW-線に関して説明してきたが、他の実施形態では、W+線及びW-線は、アレイ内のどこにでも任意に位置付けられ得る。
【0085】
図32は、別の実施形態を示す。VMMシステム3210において、正の重みW+は第1のアレイ3211に実装され、負の重みW-は第2のアレイ3212内に実装され、第2のアレイ3212は第1のアレイとは別個であり、結果として生じる重みは、加算回路3213によって適切に一緒に組み合わされる。
【0086】
図33は、VMMシステム3300を示す。VMMアレイに記憶された重みWは、差動対、W+(正の重み)及びW-(負の重み)として記憶され、W=(W+)-(W-)である。VMMシステム3300は、アレイ3301及びアレイ3302を備える。アレイ3301及び3302の各々における複数のビット線の半分は、W+線として指定され、すなわち、正の重みW+を記憶するメモリセルに接続するビット線であり、アレイ3301及び3302の各々における複数のビット線の他の半分はW-線として指定され、すなわち、負の重みW-を実装するメモリセルに接続するビット線である。W-線は、W+線の間に交互に散在される。減算演算は、加算回路3303、3304、3305及び3306のような、W+線及びW-線から電流を受け取る加算回路によって実行される。各アレイ3301、3302からのW+線の出力及びW-線の出力をそれぞれ一緒に組み合わせて、(W+、W-)線の全ての対の(W+、W-)セルの各対に対して効果的にW=W+-W-を与える。加えて、各アレイ3301及び3302からのW値は、各W値がアレイ3301からのW値からアレイ3302からのW値を引いた結果であり、加算回路3307及び3308からの最終結果が2つの差分値のうちの1つの差分値であることを意味するように、加算回路3307及び3308を介して更に組み合わされ得る。
【0087】
アナログニューラルメモリシステムに使用される各不揮発性メモリセルは、浮遊ゲート内に電荷、すなわち電子の数、を非常に具体的かつ精確な量で保持するように消去・プログラムされるべきである。例えば、各浮遊ゲートはN個の異なる値のうちの1つを保持しなければならず、ここで、Nは、各セルによって示され得る異なる重みの個数である。Nの例としては、16、32、64、128及び256が挙げられる。
【0088】
同様に、読み出し動作は、N個の異なるレベル間を正確に識別することができなければならない。
【0089】
1つのモードでアナログニューラルメモリシステムとして動作することができ、別のモードでデジタルニューラルメモリシステムとして動作することもできるフレキシブルメモリシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0090】
ハイブリッドメモリシステムの多数の実施形態が、開示されている。ハイブリッドメモリは、アナログニューラルメモリシステムで使用される場合にはアナログ形式で、又はデジタルニューラルメモリシステムで使用される場合にはデジタル形式で、重みデータをアレイに記憶することができる。入力回路及び出力回路は、両方の形式の重みデータをサポートすることができる。
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【図面の簡単な説明】
【0130】
【
図1】人工ニューラルネットワークを例解する図である。
【
図2】先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
【
図3】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
【
図4】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
【
図5】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
【
図6】1つ以上の不揮発性メモリアレイを利用する例示的な人工ニューラルネットワークの様々なレベルを例解する図である。
【
図7】ベクトルマトリックス乗算システムを例解するブロック図である。
【
図8】1つ以上のベクトルマトリックス乗算システムを利用する例示的な人工ニューラルネットワークを例解するブロック図である。
【
図9】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図10】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図11】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図12】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図13】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図14】先行技術の長・短期メモリシステムを示す。
【
図15】長・短期メモリシステムで使用する例示的なセルを示す。
【
図18】先行技術のゲート付き回帰型ユニットシステムを示す。
【
図19】ゲート付き回帰型ユニットシステムでの使用のための例示的なセルを示す。
【
図22】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図23】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図24】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図25】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図26】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図27】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図28】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図29】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図30】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図31】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図32】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図33】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図34】ベクトルマトリックス乗算システムの別の実施形態を示す。
【
図35B】別のハイブリッドメモリシステムを示す。
【
図37】ハイブリッドメモリシステムと共に使用するための構成可能なマクロ回路を示す。
【
図38】複数のハイブリッドアレイタイルを備えるシステムを示す。
【
図39】再構成可能な電流-電圧及びアナログ-デジタル変換器回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0131】
本発明の人工ニューラルネットワークは、CMOS技術及び不揮発性メモリアレイの組み合わせを利用する。
【0132】
<VMMシステムの概要>
図34は、VMMシステム3400のブロック図を示す。VMMシステム3400は、VMMアレイ3401、行デコーダ3402、高電圧デコーダ3403、列デコーダ3404、ビット線ドライバ3405、入力回路3406、出力回路3407、制御論理3408、及びバイアス生成器3409を備える。VMMシステム3400は、チャージポンプ3411、チャージポンプレギュレータ3412、及び高電圧アナログ精度レベル生成器3413を含む、高電圧生成ブロック3410を更に備える。VMMシステム3400は、(プログラム/消去、又は重み調整)アルゴリズムコントローラ3414、アナログ回路3415、制御エンジン3416(限定するものではないが、算術機能、起動機能、埋め込みマイクロコントローラ論理などの特殊機能を含み得る)、及びテスト制御論理3417を更に備える。以下に記載されるシステム及び方法は、VMMシステム3400に実装され得る。
【0133】
入力回路3406は、DAC(digital to analog converter、デジタル-アナログ変換器)、DPC(digital to pulses converter、デジタル-パルス変換器、digital to time modulated pulse converter、デジタル-時間変調パルス変換器)、AAC(analog to analog converter、電流-電圧変換器、対数変換器などのアナログ-アナログ変換器)、PAC(pulse to analog level converter、パルス-アナログレベル変換器)、又は任意の他の種類の変換器などの回路を含み得る。入力回路3406は、正規化、線形若しくは非線形アップ/ダウンスケーリング関数、又は算術関数を実装し得る。入力回路3406は、入力レベルのための温度補償関数を実装し得る。入力回路3406は、ReLU又はシグモイドなどの活性化関数を実装し得る。出力回路3407は、ADC(analog to digital converter、ニューロンアナログ出力をデジタルビットに変換するための、アナログ-デジタル変換器)、AAC(analog to analog converter、電流-電圧変換器、対数変換器などのアナログ-アナログ変換器)、APC(analog to pulse converter、アナログ-パルス変換器、analog to time modulated pulse converter、アナログ-時間変調パルス変換器)、又は任意の他の種類の変換器などの回路を含み得る。
【0134】
出力回路3407は、整流化線形活性関数(rectified linear activation function、ReLU)又はシグモイドなどの活性化関数を実装し得る。出力回路3407は、ニューロン出力の統計的正規化、正則化、アップ/ダウンスケーリング/ゲイン関数、統計的丸め、又は算術関数(例えば、加算、減算、除算、乗算、シフト、対数)を実装し得る。出力回路3407は、アレイの電力消費をほぼ一定に保つために、又はIVの傾斜をほぼ同じに保つことになどによってアレイ(ニューロン)出力の精度を高めるために、ニューロン出力又はアレイ出力(ビット線出力など)のための温度補償関数を実装し得る。
【0135】
図35A及び
図35Bは、それぞれ、ハイブリッドメモリシステム3500及び3550を示す。ハイブリッドメモリシステム3500及び3550は各々、第1のモードでアレイからデジタル重みデータを取得するためのマルチレベルデジタルニューラルメモリシステムとして、又は第2のモードでアレイからアナログ重みデータを取得するためのマルチレベルアナログニューラルメモリシステムとして動作することができる。
【0136】
図35Aでは、ハイブリッドメモリシステム3500は、行及び列に配置された不揮発性メモリセルのアレイを含むハイブリッドアレイ3501と、構成可能な入力回路3502と、構成可能な出力回路3503と、を備える。
【0137】
構成可能な入力回路3502は、ハイブリッドアレイ3501に入力を提供し、第1のモードで使用するための行レジスタ及びデジタルアナログ(DAC)ブロック3505と、第2のモードで使用するための行デコーダブロック3504とを備える。
【0138】
構成可能な出力回路3503は、ハイブリッドアレイ3501から受信された信号に応答して出力を提供し、第1のモードで使用するための電流-電圧変換器(ITV)及びアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)ブロック3506と、第2のモードで使用するためのマルチステートセンス増幅器(multi-state sense amplifier、MS SA)ブロック3507とを備える。ITV+ADCブロック3506は、複数のITV回路及び複数のADC回路を備える。MS SAブロック3507は、複数のMS SA回路を備える。
【0139】
第1のモードでは、ハイブリッドアレイ3501は、マルチビットデジタル形式(デジタルマルチレベル形式、1つの物理メモリセルが、4又は8又は16又は32レベルなどの複数の離散レベルのうちの1つを記憶することができることを意味し、1つのセルの出力がそれぞれ、2デジタルビット又は3デジタルビット又は4デジタルビット又は5デジタルビットと同等であることを意味する)で重みデータを記憶又は取り出すための不揮発性メモリ記憶装置として動作する。例えば、各セルが8つの異なる値(3ビットすなわち3bセル)を記憶することができる場合、デジタル重みデータは000~111まで変化することができる。別の例として、バイナリメモリセル(1ビットセル)におけるように、各セルが2つの異なる値を記憶することができる場合、デジタル重みデータは、0~1まで変化することができる。
【0140】
第1のモードでは、行レジスタ及びデジタル-アナログ(DAC)ブロック3505は、受信されたデジタル信号に応答して、ハイブリッドアレイ3501内の1つ以上の行を読み取るためのアナログ入力信号を生成する。デジタルMLC(multilevel cell、マルチレベルセル)読み出しモードは、一度に1つの行のみを読み出し、ニューラル読み出しモードは、一度に2つ以上の行、典型的には一度に数十又は数百の行を読み出す。ブロックITV+ADC3506は、ハイブリッドアレイ3501の複数又は全ての列からアナログ(電流)出力を受け取って、ハイブリッドアレイ3501全体の大部分のニューラル読み取り(複数の行及び複数の列を一度に読み取る)を表すデジタル出力を生成する。1つのITV回路は、アナログ値を出力するために一度に1つのビット線を読み取るために使用され、アナログ値は、同じビット線に複数のセルを含むことができる。ITVは、典型的には、アレイ出力電流を電圧に変換するために使用される。1つのADC回路は、典型的には、一度に1つのビット線を読み出してデジタルビットを出力するために使用され、デジタルビットは、同じビット線に複数のセルを含むことができる。ADC回路は、典型的には、電圧をデジタル出力ビットに変換するために使用される。一実施形態では、ADC回路を使用して、アレイ電流をデジタル出力ビットに直接変換することができる。例えば、電圧基準を使用するSAR ADCの場合、動作のために電流基準を代わりに使用することができる。
【0141】
第2のモードでは、ハイブリッドアレイ3501は、アナログニューラルメモリ内のVMMとして動作して、重みデータをアナログマルチレベル形式で記憶し、これは、各セルが、レベル間で連続アナログ値を有するアナログマルチレベルを記憶することを意味する。例えば、8レベルのデジタルマルチレベルセルの場合、セルは、1、2、3、4、...、8と異なるレベルを有する。8レベルのアナログマルチレベルセルの場合、セルは、レベル間、例えば、1と2のレベル間に連続値を有し、1.001、1.002、...、1.01、...1.1、1.2、...、1.999、2.0のアナログ値が存在する。アナログマルチレベルは、ニューラルアレイメモリアプリケーションのためのベクトル行列乗算器(VMM)アプリケーションに必要とされる。
【0142】
第2のモードでは、行デコーダブロック3504は、読み出し、プログラム、又は消去動作のためにハイブリッドアレイ3501内の1つの行を選択(イネーブル)するために使用される。読み出し又はプログラム動作中、MS SAブロック3507は、ハイブリッドアレイ3501内の1つ以上の列内の1つ以上のセルを読み出し又は検証するために使用される。1つのMS SA回路は、一度に1つのセルを読み取るために使用される。
【0143】
したがって、ハイブリッドメモリシステム3500は、第1のモードでアレイからデジタル重みデータを取得するためのマルチレベルデジタルニューラルメモリシステムとして、又は第2のモードでアレイからアナログ重みデータを取得するためのマルチレベルアナログニューラルメモリシステムとして動作することができる。
【0144】
図35Bでは、ハイブリッドメモリシステム3550は、行及び列に配置された不揮発性メモリセルのアレイを含むハイブリッドアレイ3551と、構成可能な入力回路3552と、構成可能な出力回路3553と、を備える。
【0145】
構成可能な入力回路3552は、ハイブリッドアレイ3551に入力を提供し、行デコーダ、行レジスタ、及びデジタル-アナログブロック3554を備える。すなわち、
図35Aのブロック3504及び3505は、単一のブロック3554に統合される。構成可能な出力回路3503は、ハイブリッドアレイ3551から受信された信号に応答して出力を提供し、電流-電圧変換器、アナログ-デジタル変換器、及びセンス増幅器ブロック3555を備える。すなわち、
図35Aからのブロック3506及び3507は、単一のブロック3555に統合される。
【0146】
第1のモードでは、ハイブリッドアレイ3551は、重みデータをマルチレベルデジタル形式で記憶するための不揮発性メモリ記憶装置として動作する。ブロック3554は、受信されたデジタル信号に応答して、ハイブリッドアレイ3551内の1つ以上の行を読み取るためのアナログ入力信号を生成する。ブロック3555は、ハイブリッドアレイ3551内のセルの少なくとも大部分のニューラル読み取りを表すデジタル出力を生成するために、ハイブリッドアレイ3551の列の一部又は全部からアナログ(電流)出力を受け取る。
【0147】
第2のモードでは、ハイブリッドアレイ3551は、マルチレベルアナログ形式で重みデータを記憶するためにアナログニューラルメモリ内のVMMとして動作する。ブロック3554は、行デコーダとして動作することによって、読み出し、プログラム、又は消去動作のためにハイブリッドアレイ3501内の1つの行を選択するために使用される。ブロック3555は、マルチステートセンス増幅器として動作することによって、ハイブリッドアレイ3551内の1つ以上の列内の1つ以上のセルを読み出すか又は検証するために使用される。各MS SA回路は、一度に1つのセルに対して動作する(すなわち、1つのビットラインにつき1つのセルが有効になる)。
【0148】
このように、ハイブリッドメモリシステム3550は、第1のモードにおいてハイブリッドアレイ3551からデジタル重みデータを取得するためのデジタルニューラルメモリシステムとして、又は第2のモードにおいてハイブリッドアレイ3551からアナログ重みデータを取得するためのアナログニューラルメモリシステムとして動作することができる。
【0149】
図36は、
図35Aのハイブリッドメモリシステム3500又は
図35Bのハイブリッドメモリシステム3550によって実行することができるハイブリッドメモリ動作方法3600を示す。
【0150】
ステップ3601では、システムは、VMMアナログニューラルメモリ動作が実行されるべきか否かを判定する。はいの場合、システムはステップ3602に進む。いいえの場合、システムはステップ3609に進む。
【0151】
ステップ3602では、VMMアナログニューラル動作が開始する。ステップ3603では、入力が、デジタル-アナログ変換器によって提供され、結果として生じる出力が、アナログ-デジタル変換器によって提供される。DACは、1ビットDACとすることができる。
【0152】
ステップ3604では、複数の行がイネーブルされる。
【0153】
ステップ3605では、複数の列がイネーブルされる。
【0154】
ステップ3606では、ハイブリッドメモリアレイからの出力は、デジタル出力ビット(アナログ重みデータ)などの異なる形式に変換される。
【0155】
ステップ3607では、部分和記憶が実行される。
【0156】
ステップ3608では、加算、活性化、及び/又はプーリングのアクションが、ニューラル出力を生成するために実行される。
【0157】
ステップ3609では、デジタル不揮発性メモリ動作が実行される。
【0158】
ステップ3610では、入力が行デコーダによって提供され、出力がマルチステートセンス増幅器によって提供される。
【0159】
ステップ3611では、行がイネーブルされる。
【0160】
ステップ3612では、列がイネーブルされる。
【0161】
ステップ3613では、ハイブリッドメモリアレイからの出力は、デジタル出力ビット(デジタル重みデータ)などの異なる形式に変換される。
【0162】
ステップ3614では、ステップ3613からの出力は、SRAMメモリのようなバッファメモリに記憶される。
【0163】
ステップ3615では、システムは、全てのターゲット行が操作されているかどうかを判定する。はいの場合、システムはステップ3616に進む。いいえの場合、システムはステップ3611に戻り、上述したステップを実行する。
【0164】
ステップ3616では、加算、活性化、及び/又はプーリングのアクションが、出力を生成するために実行される。
【0165】
図37は、ハイブリッドメモリシステム3500又は3550、並びに構成可能なマクロ回路3701を備える、構成可能なメモリシステム3700を示す。構成可能なマクロ回路3701は、ハイブリッドメモリシステム3500又は3550の第1のモード又は第2のモードと共に動作するように構成され得る。この構成は、起動中に、又は動作中にリアルタイムで起こり得る。構成可能なマクロ回路3701は、任意選択的に、SRAM 3702、SIMD(single instruction, multiple data、単一命令、複数データ命令処理)モジュール3703、(構成可能なマクロ回路3701をハイブリッドメモリシステム3500又は3550に接続するための)相互接続マトリクス3704、及びeMCU(制御ユニット)3705を備える。
【0166】
図38は、複数のハイブリッドアレイタイル3801(その各々は、ハイブリッドメモリシステム3500又は3550又は3700を備えることができる)、相互接続部3802、システムレベルSIMDモジュール3803、eMCUsys(システムレベルコントローラ)3804、システムレベルメモリ3805、及びシステムレベルインターフェースIFTC 3806(OctoSPI、PCIe、インターネットなどの高速インターフェースである)を備えるシステム3800を示す。
【0167】
図39は、再構成可能なITV+ADC回路3900を示す。再構成可能なITV+ADC回路3900は、調整可能な電流源3901と、(選択されたメモリセルである)電流源3902と、比較器3903と、論理3904とを備える。再構成可能なITV+ADC回路3900は、電流基準ブロック3901によって提供される電流基準を用いて、電流SAR ADCとして実行することができる。例えば、8ビット電流SAR ADCの場合、IDAC 3901は、8ビットに対して15レベルを提供する。回路は、IDAC基準値を調整することによって、デジタル重み読み取り又はアナログ重みニューラル読み取りのために再構成される(例えば、ニューラル読み取りの場合、IDAC基準値は、有効にされる行の数、及びデジタル重み又はアナログ重みニューラル読み取りの最大ビット線電流が何であるかに応じて、より大きくなる)。
【0168】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は両方とも、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「に直接電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にない)、及び「に間接的に電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にある)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を基板に直接、中間材料/要素をそれらの間に伴わずに形成すること、及びその要素を基板に間接的に1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って形成することを含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数の行及び複数の列に配置された複数の不揮発性メモリセルのアレイと、
前記アレイに入力を提供するために、前記アレイに結合された構成可能な入力回路と、
前記アレイから受信された出力を提供するために、前記アレイに結合された構成可能な出力回路と、を備え、
第1のモードでは、前記構成可能な入力回路及び前記構成可能な出力回路は、前記アレイからデジタルデータを取得し、
第2のモードでは、前記構成可能な入力回路及び前記構成可能な出力回路は、前記アレイからアナログデータを取得する、システム。
【請求項2】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含み、前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記構成可能な入力回路は、
前記第1のモード中に使用するための行レジスタ及びデジタル-アナログ変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するための行デコーダブロックと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記構成可能な出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記構成可能な出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記不揮発性メモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記不揮発性メモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
システムであって、
複数の行及び複数の列に配置された複数の不揮発性メモリセルのアレイと、
前記アレイに入力を提供するために、前記アレイに結合された入力回路と、
前記アレイから受信された出力を提供するために、前記アレイに結合された出力回路と、を備え、
前記入力回路は、第1のモードで前記アレイにデジタル入力を提供することができ、又は第2のモードで前記アレイにアナログ入力を提供することができる、システム。
【請求項10】
前記第1のモードでは、前記出力回路は、前記アレイからデジタルデータを取得する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のモードでは、前記出力回路は前記アレイからアナログデータを取得する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記入力回路は、
前記第1のモード中に使用するための行レジスタ及びデジタル-アナログ変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するための行デコーダブロックと、を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記不揮発性メモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
前記不揮発性メモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項9に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項9に記載のシステム。
【請求項20】
システムであって、
複数の行及び複数の列に配置された複数の不揮発性メモリセルのアレイと、
前記アレイに入力を提供するために、前記アレイに結合された入力回路と、
前記アレイから受信された出力を提供するために、前記アレイに結合された出力回路と、を備え、
前記出力回路は、第1のモードで前記アレイからのデジタルビット出力を提供することができ、又は第2のモードで前記アレイからのアナログ出力を提供することができる、システム。
【請求項21】
前記入力回路は、
前記第1のモード中に使用するための行レジスタ及びデジタル-アナログ変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するための行デコーダブロックと、を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記出力回路は、
前記第1のモード中に使用するための電流-電圧変換器及びアナログ-デジタル変換器ブロックと、
前記第2のモード中に使用するためのマルチステートセンス増幅器ブロックと、を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記不揮発性メモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記不揮発性メモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項
20に記載のシステム。
【請求項26】
前記システムはアナログニューラルメモリシステムである、請求項
20に記載のシステム。
【請求項27】
再構成可能な出力ブロックであって、
非反転入力、反転入力、及び出力を備える演算増幅器であって、前記非反転入力が、基準電圧を受け取る、演算増幅器と、
選択されたメモリセル及び前記反転入力に結合され、前記出力に応答して論理によって制御される可変電流源と、を備える、構成可能な出力ブロック。
【請求項28】
前記選択されたメモリセルは積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項27に記載の出力ブロック。
【請求項29】
前記選択されたメモリセルはスプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項27に記載の出力ブロック。
【請求項30】
前記
選択されたメモリセルはアナログニューラルメモリシステム
の一部である、請求項27に記載の
出力ブロック。
【請求項31】
再構成可能な出力ブロックであって、
記憶されたデジタルデータに対して動作するように構成可能であり、記憶されたアナログデータに対して動作するように構成可能である出力回路を備える、再構成可能な出力ブロック。
【請求項32】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含み、前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項31に記載の
出力ブロック。
【請求項33】
前記
デジタルデータは積層ゲートフラッシュメモリセル
に記憶される、請求項31に記載の出力ブロック。
【請求項34】
前記
デジタルデータはスプリットゲートフラッシュメモリセル
に記憶される、請求項31に記載の出力ブロック。
【請求項35】
前記
デジタルデータは、アナログニューラルメモリシステム
に記憶される、請求項31に記載の
出力ブロック。
【請求項36】
再構成可能な入力ブロックであって、
デジタルデータを記憶し、取り出すように構成可能であり、アナログデータを記憶し、取り出すように構成可能である入力回路を備える、再構成可能な入力ブロック。
【請求項37】
前記デジタルデータはデジタル重みデータを含み、前記アナログデータはアナログ重みデータを含む、請求項36に記載の
入力ブロック。
【請求項38】
前記
デジタルデータは積層ゲートフラッシュメモリセル
に記憶される、請求項36に記載の
入力ブロック。
【請求項39】
前記
デジタルデータはスプリットゲートフラッシュメモリセル
に記憶される、請求項36に記載の
入力ブロック。
【請求項40】
前記
デジタルデータはアナログニューラルメモリシステム
に記憶される、請求項36に記載の
入力ブロック。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
図5は、別の種類のフラッシュメモリセルである、積層ゲートメモリセル510を示す。メモリセル510は、浮遊ゲート20がチャネル領域18全体の上方に延在し、制御ゲート22(ここでワード線に結合される)が絶縁層(図示せず)によって分離されて浮遊ゲート20の上方に延在することを除いて、
図2のメモリセル210と同様である。消去は、FGから基板への電子のFNトンネリングによって行われ、プログラミングは、チャネル
領域18とドレイン領域16との間の領域でのチャネルホットエレクトロン(channel hot electron、CHE)注入によって、ソース領域14からドレイン領域16に向かって流れる電子によって、及びより高い制御ゲート電圧を有するメモリセル210の読み出し動作と同様である読み出し動作によって行われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
図11は、
図2に示されるメモリセル210に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ1100を示す。VMMアレイ1100は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1103と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1101と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1102と、を含む。基準アレイ1101及び1102は、VMMアレイ1100の行方向に延びる。VMMアレイは、VMMアレイ1100においてワード線が垂直方向に延びることを除いて、VMM1000と同様である。ここで、入力はワード線(WLA0、WLB0、WLA1、WLB
1、WLA2、WLB2、WLA3、WLB3)に提供され、出力は、読み出し動作中にソース線(SL0、SL1)に現れる。各ソース線の電流は、その特定のソース線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
図13は、
図3に示されるメモリセル310に特に適しており、かつ入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用される、ニューロンVMMアレイ1300を示す。VMMアレイ1300は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1303と、
第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ130
1と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1302と、を備える。EG線EGR0、EG0、EG1、及びEGR1は垂直に延び、CG線CG0、CG1、CG2、及びCG3並びにSL線WL0、WL1、WL2、及びWL3は水平に延びる。VMMアレイ1300は、VMMアレイ1300が双方向チューニングを実装することを除いてVMMアレイ1400と同様であり、各個々のセルは、個別のEG線の使用により、浮遊ゲートの所望の電荷量に達するために、必要に応じて完全に消去され、部分的にプログラムされ、部分的に消去され得る。示されるように、基準アレイ1301及び1302は、端子BLR0、BLR1、BLR2及びBLR3における入力電流を制御ゲート電圧CG0、CG1、CG2及びCG3に変換し(マルチプレクサ1314を介したダイオード接続された基準セルの作用を通じて)、これらの電圧は行方向でメモリセルに適用される。電流出力(ニューロン)は、ビット線BL0~BLN中にあり、各ビット線は、その特定のビット線に接続された不揮発性メモリセルからの全ての電流を合計する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
構成可能な入力回路3552は、ハイブリッドアレイ3551に入力を提供し、行デコーダ、行レジスタ、及びデジタル-アナログブロック3554を備える。すなわち、
図35Aのブロック3504及び3505は、単一のブロック3554に統合される。構成可能な出力回路35
53は、ハイブリッドアレイ3551から受信された信号に応答して出力を提供し、電流-電圧変換器、アナログ-デジタル変換器、及びセンス増幅器ブロック3555を備える。すなわち、
図35Aからのブロック3506及び3507は、単一のブロック3555に統合される。
【国際調査報告】